(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】焼成タイプのメーキャップ化粧料組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20231108BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/85 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20231108BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20231108BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/73
A61K8/85
A61K8/81
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/25
A61K8/29
A61K8/19
A61K8/49
A61Q1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525948
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2021002425
(87)【国際公開番号】W WO2022102875
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0152738
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517039760
【氏名又は名称】コスマックス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チン ユン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、テ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン チュン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD351
4C083AD352
4C083BB01
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB31
4C083CC01
4C083CC11
4C083DD21
4C083FF04
(57)【要約】
本発明は、焼成タイプ化粧料組成物であり、既存の熱風乾燥工程などによって発生する内容物の収縮、効能成分の損失及び安定性の問題を解決し、より微細で多様なデザインを表面に具現可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性ゲル化剤を含む水相部、乳化剤、油相部及び粉体部を混合する段階;
(b)前記混合物をモールド(mold)に充填して冷却させる段階;及び
(c)前記(b)段階後に前記モールドから離型させて凍結乾燥させる段階;を含む、焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項2】
前記(c)段階の凍結乾燥は、-60℃~-20℃の温度及び50pa~200paの圧力条件で行われる、請求項1に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項3】
前記水溶性ゲル化剤は、組成物の全重量を基準にして0.001~10重量%含まれる、請求項1に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項4】
前記水溶性ゲル化剤は、多糖類、合成高分子及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる一つ以上である、請求項1に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項5】
前記多糖類は、ゲランガム(Gellan gum)、キサンタンガム(Xanthan gum)、寒天、カラギーナン(Carrageenan)、及びアルギン(Algin)のうち一つ以上を含む、請求項4に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項6】
前記合成高分子は、ポリエステル(Polyester)、ポリアクリレート(Polyacrylate)、及びポリメタクリレート(PolyMethacrylate)を含む、請求項4に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項7】
前記(b)段階の冷却は、-60℃~-20℃で行われる、請求項1に記載の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法。
【請求項8】
(a)水溶性ゲル化剤を含む水相部、乳化剤、油相部及び粉体部を混合する段階;
(b)前記混合物をモールド(mold)に充填して冷却させる段階;及び、
(c)前記(b)段階後に前記モールドから離型させて凍結乾燥させる段階;を含んで製造される、焼成タイプ化粧料組成物。
【請求項9】
前記水溶性ゲル化剤は、組成物の全重量を基準にして0.001~10重量%含まれる、請求項8に記載の焼成タイプ化粧料組成物。
【請求項10】
前記焼成タイプ化粧料組成物は、組成物の全重量を基準にして水相部30~60重量%、油相部1~5重量%、乳化剤0.1~3重量%、及び粉体部20~60重量%を含む、請求項8に記載の焼成タイプ化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成タイプのメーキャップ化粧料組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パウダーパクト(powder pact)、アイシャドー(eye-shadow)、ブラッシャー(blusher)のような焼成タイプのメーキャップ化粧品は、パウダー(粉体)をオイル類と混ぜて組成物を製造した後、容器に充填して圧縮する過程によって製造される。
【0003】
最近では、このような化粧品の外観に審美的な効果を演出するために、パウダー、エマルジョン(emulsion)及び揮発性溶媒などを混合して生地を作り、その後、それを押出及び成形するか、或いは溶融させてモールドに充填する方式で化粧料の表面に立体的な文様を形成する方法が多く用いられている。
【0004】
このような方式で揮発性溶媒を除去して文様を形成するためには、乾燥工程が必須に要求される。乾燥工程は一般に、4時間~12時間、40℃~80℃で熱風乾燥する方式で行われる。しかし、乾燥過程時に溶媒が揮発しながら内容物の変形及び収縮が起きて内容物の安定性と品質に影響を与えてしまい、機能性成分のうち、熱に敏感な成分の損失が起きる問題点があった。
【0005】
従来の多孔性凍結乾燥パッチ及びその製造方法に関するものとして、多孔性の網状のメッシュを用いて優れた機械的特性及び柔軟性を有する凍結乾燥パッチ及びその製造方法(KR10-1962337B)が開示されたことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、焼成タイプのメーキャップ化粧料組成物の製造時に、熱風乾燥による有効成分の損失などを防止し、化粧料に精巧な表面文様を具現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)水溶性ゲル化剤を含む水相部、乳化剤、油相部及び粉体部を混合する段階;(b)前記混合物をモールド(mold)に充填して冷却させる段階;及び、(c)前記(b)段階後に前記モールドから離型させて凍結乾燥させる段階;を含む、焼成タイプ化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0008】
本発明において、前記(c)段階の凍結乾燥は、-60℃~-20℃の温度及び50pa~200paの圧力条件で行われることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記水溶性ゲル化剤は、組成物の全重量を基準にして0.001~10重量%含まれることを特徴とする。
【0010】
本発明に用いられる水溶性ゲル化剤は、多糖類、合成高分子及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする。前記多糖類は、ゲランガム(Gellan gum)、キサンタンガム(Xanthan gum)、寒天、カラギーナン(Carrageenan)、及びアルギン(Algin)のうち一つ以上を含む。また、前記合成高分子は、ポリエステル(Polyester)、ポリアクリレート(Polyacrylate)、及びポリメタクリレート(PolyMethacrylate)を含む。
【0011】
本発明において、(b)段階の冷却は、-60℃~-20℃で行われることを特徴とする。
【0012】
一方、本発明は、前記方法によって製造される焼成タイプ化粧料組成物を提供する。
【0013】
本発明の焼成タイプ化粧料組成物は、組成物の全重量を基準にして水相部30~60重量%、油相部1~5重量%、乳化剤0.1~3重量%、及び粉体部20~60重量%を含んでよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の焼成タイプ化粧料組成物は、凍結乾燥工程を含むことにより、既存の熱風乾燥工程によって発生する内容物の収縮、効能成分の損失及び安定性の問題を解決し、より微細で多様なデザインを化粧料の表面に具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例によって製造した固形化粧料の外観を撮影した写真である。
【0016】
【
図2】比較例による固形化粧料の外観を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付する技術を参照して本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は様々な異なる形態で具現可能であり、下記で説明する実施例に限定されないことは、当業者にとって明らかであろう。
【0018】
本発明は、(a)水相部、水溶性ゲル化剤、乳化剤、油相部及び粉体部を混合する段階;(b)前記混合物をモールド(mold)に充填して冷却させる段階;及び、(c)前記(b)段階後に前記モールドから離型させて凍結乾燥させる段階;を含む、焼成タイプ化粧料組成物の製造方法に関する。
【0019】
本発明は、特に、凍結乾燥工程を用いることにより、既存の熱風乾燥などによって発生する内容物の収縮及び変形、剤形安定性、効能成分の損失などの問題を解決したことを特徴とする。本発明において、効能成分とは、熱に敏感な機能性成分であり、例えば、ビタミンCや植物性抽出物などに該当し得る。
【0020】
本発明の凍結乾燥工程は、-60℃~-20℃の温度及び50pa~200paの圧力条件で行われることを特徴とする。これは、剤形中に含まれた水が冷却後に三重点以下で昇華する現象を用いるものであり、凍結乾燥工程を用いることにより、熱風乾燥などの既存の乾燥工程によって発生する品質劣化を最小化できる。具体的には、上述した(b)段階で冷却を行った温度と同じ温度に保たれている凍結乾燥器に化粧料を入れて減圧して真空状態を維持することによって凍結乾燥を始める。低い圧力によって氷が昇華すれば水蒸気が発生して内部圧力が再び高まり、これを減圧しながら50Pa~200Paに維持して凍結乾燥を行うことができる。
【0021】
本発明の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法は、まず、水相部、水溶性ゲル化剤、乳化剤、油相部及び粉体部を混合する(a)段階を行う。具体的には、水溶性ゲル化剤及び乳化剤を含む水相部に油相部を入れて乳化させた後、パウダー状態の化粧料を入れて均質混合後に加熱して溶融させる方法で製造されてよい。前記水相部には精製水、保湿剤などをさらに含んでよい。
【0022】
前記(a)段階は、具体的に、水溶性ゲル化剤、乳化剤、精製水などを混合して水相部を製造し、油相部を混合して乳化させた後、粉体部を混合して撹拌などして均質混合することによって行われてよい。
【0023】
前記(a)段階に含まれる乳化剤は水相部に添加され、組成物の全重量を基準にして0.1~3重量%含まれることが好ましい。3重量%以上含まれると、乳化効果がわすがである。
【0024】
前記(a)段階に含まれるゲル化剤は、水相部に溶解又は分散されて水相を安定させるために水溶性ゲル化剤を用いることが好ましい。水溶性ゲル化剤は、高温(例えば、80℃以上)で溶融したり水に溶けたりして液体状態を維持し、低温(例えば、10℃以下)に冷却するとゲル(Gel)化して固体状態になる特性を有する。
【0025】
前記水溶性ゲル化剤(Gelling Agent)は、化粧料に使用可能なゲル化剤物質であればいずれも使用可能である。これに限定されないが、多糖類、合成高分子及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるゲル化剤であることが好ましい。
【0026】
具体的には、多糖類である水溶性ゲル化剤は、ゲランガム(Gellan gum)、キサンタンガム(Xanthan gum)、寒天、カラギーナン(Carrageenan)、アルギン(Algin)、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる一つ以上であってよい。
【0027】
前記合成高分子であるゲル化剤は、ポリエステル(Polyester)、ポリアクリレート(Polyacrylate)、及びポリメタクリレート(PolyMethacrylate)のうち一つ以上を含む合成高分子又はそれらの誘導体であってよい。
【0028】
前記水溶性ゲル化剤は、本発明の焼成タイプ化粧料の全重量を基準にして0.001~10重量%含まれることが好ましく、水相を安定させるためには1重量%以上含まれてよく、2~5重量%含まれることがより好ましい。10重量%を超えて含まれると、バルクの粘度が高いためモールドに充填し難い問題がある。
【0029】
前記(a)段階で油相部に含まれるオイルは、エステル系オイル、炭化水素系オイル、シリコンオイルなど、化粧料に用いられるオイルであればいずれも使用可能である。
【0030】
前記エステル系オイルは、カプリル/カプリン酸グリセリド(Caprylic/capric glyceride)、エチルヘキサン酸セチル(Cetyl ethylhexanoate)、エチルヘキサン酸イソセチル(Isocetyl ethylhexanoate)、ミリスチン酸イソセチル(Isocetyl myristate)、ミリスチン酸イソプロピル(Isopropyl myristate)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(Neopentyl glycol dicaprate)、ラウリン酸ヘキシル(Hexyl laurate)、トリエチルヘキサノイン(Triethylhexanoin)、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル(Pentaerythrityl tetraoctanoate)、パルミチン酸エチルヘキシル(Ethylhexyl palmitate)、イソノナン酸イソノニル(Isononyl isononanoate)からなる群から選ばれる一つ以上を含んでよいが、これに限定されない。
【0031】
前記炭化水素系オイルは、水添ポリデセン(Hydrogenated Polydecene)、合成スクワラン、ポリブテンなどの合成系オイル;植物性のスクワラン、水添スクワランなどの植物系オイルなどを含んでよいが、これに限定されない。前記炭化水素系オイルは、例えば、オクチルドデカノール(Octyldodecanol)、水添ポリデセン、水添ポリイソブテン(Hydrogenated Polyisobutene)、スクワラン(Squalane,植物性スクワラン)、合成スクワランなどがあるが、それらに限定されるものではない
【0032】
また、前記(a)段階の粉体部に含まれる粉体は、タルク(Talc)、マイカ(Mica)、セリサイト(Sericite)、球状シリカ(Silica)、プラスチックパウダー、二酸化チタン(Titanium Dioxide)、真珠光沢顔料(パール)、窒化ホウ素(Boron Nitride)からなる群から選ばれる一つ以上を含んでよい。また、コートされた顔料が用いられてもよいが、これに限定されものではない。
【0033】
本発明の水相部に含まれる精製水の代わりに、植物などの抽出物を使用してもよい。
【0034】
また、本発明の水相部には保湿剤がさらに使用されてよく、保湿剤は、1,3-ブチレングリコール(1,3-Butylene Glycol)、グリセリン(Glycerin)、ジグリセリン(Diglycerin)、プロピレングリコール(Propylene Glycol)、ジプロピレングリコール(Dipropylene Glycol)、ペンチレングリコール(Pentylene Glycol)、プロパンジオール(Propanediol)、及びヒアルロン酸(hyaluronic acid)からなる群から選ばれる一つ以上であってよい。
【0035】
一方、前記(a)段階において、溶融温度は、前記ゲル化剤が溶融することによってゲル化剤を含む化粧料組成物が液体状態を維持し、混合された組成物が流れ性(流動性)を有してモールド(mold)への充填が容易になる温度であって、40℃~90℃が好ましい。
【0036】
本発明の焼成タイプ化粧料組成物の製造方法において、前記(a)段階で製造された混合物をモールド(mold)に充填して冷却させる(b)段階が行われてよい。この時に用いられるモールドは、シリコン、ゴム、金属など、デザイン可能な材質のいかなるモールドも用いられてよい。
【0037】
モールドに充填された化粧料に対して冷却工程を行うと、水溶性ゲル化剤によって低温状態でゲル化して化粧料がモールドデザイン通りに製造され得るし、後でモールドから離型する時にも化粧料の形状及び表面デザインの形態を保持できる。
【0038】
冷却工程は-20℃~-60℃で行われることが好ましく、-40℃以下で行われることがより好ましい。-4℃よりも高いとよく冷却せず、-4℃~-20℃では、パールを含有していないタイプにおいて水分が凍って結晶が多くできるため好ましくなく、-60℃よりも低いと、温度を下げる効果がわずかである他、作業者たちの凍傷危険などの安全上の問題も発生することがあり、-40℃以下で行うことがより好ましい。
【0039】
本発明は、また、前記方法によって製造された焼成タイプの化粧料組成物に関する。
【0040】
本発明において、化粧料は、水相部、油相部、乳化剤及び粉体部を混合して製造される。具体的には、組成物の全重量を基準にして水相部30~60重量%、油相部1~5重量%、乳化剤0.1~3重量%、及び粉体部20~60重量%を含んでよい。
【0041】
本発明の化粧料組成物において、前記水相部には水溶性ゲル化剤、乳化剤が含まれてよい。前記水溶性ゲル化剤は、化粧料に使用可能なゲル化剤物質であればいずれも使用可能である。これに限定されないが、多糖類、合成高分子及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるゲル化剤が好ましい。
【0042】
具体的には、多糖類である水溶性ゲル化剤は、ゲランガム(Gellan gum)、キサンタンガム(Xanthan gum)、寒天、カラギーナン(Carrageenan)、アルギン(Algin)、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる一つ以上であってよい。
【0043】
前記合成高分子であるゲル化剤は、ポリエステル(Polyester)、ポリアクリレート(Polyacrylate)、及びポリメタクリレート(PolyMethacrylate)のうち一つ以上を含む合成高分子又はそれらの誘導体であってよい。
【0044】
本発明の化粧料組成物は、また、当該分野における通常の技術者にとって、本発明の組成物の有利な特性が実質的に影響を受けない範囲内で、任意の追加成分及び/又はそれの量を選択して追加してもよい。例えば、色素、香料、充填剤、保存剤、防腐剤、中性化剤、紫外線遮断剤、甘味料、ビタミン、金属イオン封鎖剤、及びそれらの混合物から選択可能な任意の通常の美容成分をさらに含んでよい。また、その含有量も、通常の使用範囲内で調節可能である。
【0045】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例及び実験例を挙げて詳細に説明する。ただし、本発明に係る実施例及び実験例は様々な他の形態に変形されてよく、本発明の範囲が、以下に詳述する実施例及び実験例に限定されるものとして解釈されてはならない。本発明の実施例及び実験例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0046】
<実施例>
【0047】
1.固形化粧料組成物の製造
【0048】
(1)実施例1の固形化粧料組成物の製造
【0049】
下記表1の通りに実施例1の固形化粧料組成物を製造した(本明細書において別に断らない限り、成分含有量は重量%である。)。
【0050】
下記表1の各成分及び含有量(重量%)にしたがって計量した後、75℃で水相部及び水溶性ゲル化剤を混合後に分散させ、油相部をゆっくり投入しながら乳化させた後、粉体部を入れて均質混合し、95℃まで昇温して自然脱泡した後に30℃に冷却させて化粧料を製造した。
【0051】
その後、溶融した前記化粧料をスラリー状態で、デザインされたシリコンモールドに充填し、このモールドを-30℃に冷却させた後、化粧料をモールドから離型させる。離型した化粧料を、同温度(-30℃)に保たれている凍結乾燥器に入れ、減圧して真空状態を維持しながら凍結乾燥させる。凍結乾燥し始まると化粧料中の水分の昇華によって圧力が変化するが、乾燥工程中に50pa~200paの圧力を保つように減圧しながら調節する。このような凍結乾燥工程により、水分を除去した固形の化粧料を製造する。
【0052】
【0053】
(2)比較例の固形化粧料組成物の製造
【0054】
前記表1のような組成で化粧料を製造した後、スラリー状態で、一般プレスパウダーと同様に金属パンチをプレスして表面文様を成形した後に乾燥させた(比較例1)。また、スラリー状態でシリコンモールドに充填した後に熱風乾燥を行った(比較例2)。
【0055】
(3)肉眼観察
【0056】
本発明の実施例によって製造した固形化粧料の外観を観察した。
図1を参照すると、凍結乾燥工程を行った本発明の化粧料組成物(凍結乾燥方式)は、比較例に比べて、内容物の収縮及び変形が少なく、表面文様を微細で鮮やかに具現していることが肉眼で確認できた。
【0057】
これに対し、
図2を参照すると、比較例1(
図2(a))では、精巧さに劣り、比較例2(
図2(b))では、表面文様を具現し難い他、モールドからきれいに除去することも難しいことが確認できる。
【国際調査報告】