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特表2023-548111造血悪性腫瘍を治療するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】造血悪性腫瘍を治療するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/28 20150101AFI20231108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20231108BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/255 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/64 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 35/51 20150101ALI20231108BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231108BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K35/28
A61K45/00 ZNA
A61K47/68
A61K31/704
A61K31/255
A61K31/7076
A61K31/64
A61K31/675
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/02
A61K35/51
A61K9/08
A61K9/19
A61P43/00 121
C07K16/28
C12N15/12
C12N5/10
C12N15/09 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525980
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 US2021056885
(87)【国際公開番号】W WO2022093983
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/165,950
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/106,136
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】519312511
【氏名又は名称】ブイオーアール バイオファーマ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】VOR BIOPHARMA INC.
【住所又は居所原語表記】100 Cambridgepark Drive, Suite400,Cambridge,MA 02140, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スラパック,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ラフェル,グレン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ライダード,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チャクラボーティ,ティルタ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4C076AA12
4C076AA31
4C076AA95
4C076BB11
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA19
4C084MA17
4C084MA44
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB27
4C084ZC75
4C085AA13
4C085AA14
4C085CC22
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA21
4C086DA38
4C086EA10
4C086EA18
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA44
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB27
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB44
4C087BB59
4C087BB65
4C087MA17
4C087MA44
4C087MA65
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB27
4C087ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA06
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA37
4C206MA64
4C206MA86
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB27
4C206ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示の態様は、造血悪性腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病)を治療するための方法および組成物を提供する。一部の態様では、本開示は、遺伝子操作されたCD33欠損造血細胞の集団および抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を使用して治療する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に、
有効量の、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子操作された造血細胞の集団、またはその子孫;および
有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約10細胞/前記対象の体重のキログラム~約10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約3.0×10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm~約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm、約0.25mg/前記対象の体表面積のm、約0.5mg/前記対象の体表面積のm、約1.0mg/前記対象の体表面積のm、または約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤が、近い時間に投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時に投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を順次投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の120日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の90日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の60日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、前記細胞毒性剤の前に投与される、請求項1~9または12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、単回治療レジメンで投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団および/または前記細胞毒性剤が、静脈内投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、前記有効量の複数回用量で投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記対象が、前記細胞毒性剤および/または前記造血細胞の投与前にプレコンディショニングされる、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記細胞毒性剤および/または前記造血細胞の投与前に、前記対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を前記対象に投与することを含む、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記プレコンディショニングすることが、前記対象の全身照射を含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、前記抗体が、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、前記造血悪性腫瘍が、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または前記造血前悪性腫瘍疾患が、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、前記対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が、以前に化学療法を受けている、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記対象が、以前に誘導療法を受けている、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、前記完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
早期の白血病の再発と関連する前記一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連する遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄、細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在、細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄、および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、前記遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記対象が、以前に前記細胞毒性剤を受けていない、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記対象が、前記細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記造血細胞が、造血幹細胞である、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)に由来する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記造血幹細胞が、CD34/CD33である、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記造血細胞が、自己である、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、前記対象から前記自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、前記方法が、前記自己幹細胞を前記CD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および前記遺伝子操作された造血幹細胞を前記対象に戻すことをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記造血細胞が、同種である、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記造血細胞が、前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記CD33抗原をコードする前記造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、前記造血細胞を調製することをさらに含む、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記CD33細胞表面抗原をコードする前記内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記内在遺伝子の前記全てまたは前記一部が、ゲノム編集を使用して欠失されている、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
対象に、
有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含み、
前記対象が、CD33剤の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、有効量の遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫の集団を受けているか、または受けた、方法。
【請求項60】
前記細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約10細胞/前記対象の体重のキログラム~約10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項59~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約3.0×10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm~約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項59~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm、約0.25mg/前記対象の体表面積のm、約0.5mg/前記対象の体表面積のm、約1.0mg/前記対象の体表面積のm、または約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記有効量の前記細胞毒性剤が、前記有効量の遺伝子操作された造血細胞の前記集団と近い時間に投与される、請求項59~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時に投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を順次投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団の投与の120日以内に前記細胞毒性剤を投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団の投与の90日以内に前記細胞毒性剤を投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の前記造血細胞集団の投与の60日以内に前記細胞毒性剤を投与することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項75】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、前記細胞毒性剤の前に投与される、請求項59~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、単回治療レジメンで投与される、請求項59~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団および/または前記細胞毒性剤が、静脈内投与される、請求項59~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、前記有効量の複数回用量で投与される、請求項59~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、請求項59~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、請求項59~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、請求項59~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記対象が、前記細胞毒性剤および/または前記造血細胞の投与前にプレコンディショニングされる、請求項59~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の前記集団の投与前に、前記対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、請求項59~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を前記対象に投与することを含む、請求項82または請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記プレコンディショニングすることが、前記対象の全身照射を含む、請求項82~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、前記抗体が、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、請求項82~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、前記造血悪性腫瘍が、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または前記造血前悪性腫瘍疾患が、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、請求項59~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、請求項59~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、請求項59~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、前記対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、請求項59~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、請求項59~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記対象が、以前に化学療法を受けている、請求項59~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記対象が、以前に誘導療法を受けている、請求項59~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、前記完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、請求項59~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、請求項59~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
早期の白血病の再発と関連する前記一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連する遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄、細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在、細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄、および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、請求項59~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、請求項59~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、前記遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、請求項59~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、請求項59~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が、以前に前記細胞毒性剤を受けていない、請求項59~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、請求項59~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記対象が、前記細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、請求項59~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記造血細胞が、造血幹細胞である、請求項59~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)に由来する、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記造血幹細胞が、CD34/CD33である、請求項105または請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記造血細胞が、自己である、請求項59~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記方法が、前記対象から前記自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、前記方法が、前記自己幹細胞を前記CD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および前記遺伝子操作された造血幹細胞を前記対象に戻すことをさらに含む、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記造血細胞が、同種である、請求項59~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記造血細胞が、前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、請求項59~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記CD33抗原をコードする前記造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、前記造血細胞を調製することをさらに含む、請求項59~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記CD33細胞表面抗原をコードする前記内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記内在遺伝子の前記全てまたは前記一部が、ゲノム編集を使用して欠失されている、請求項113または請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
対象に、
有効量の、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞の集団、またはその子孫を投与することを含み、
前記対象が、抗CD33抗原結合ドメインを含む、有効量の細胞毒性剤を受けているか、または受けた、方法。
【請求項118】
前記細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約10細胞/前記対象の体重のキログラム~約10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項117~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団の前記有効量が、約3.0×10細胞/前記対象の体重のキログラムである、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm~約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項117~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約0.1mg/前記対象の体表面積のm、約0.25mg/前記対象の体表面積のm、約0.5mg/前記対象の体表面積のm、約1.0mg/前記対象の体表面積のm、または約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記細胞毒性剤の前記有効量が、約2.0mg/前記対象の体表面積のmである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記有効量の前記細胞毒性剤が、前記有効量の遺伝子操作された造血細胞の前記集団と近い時間に投与される、請求項117~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時に投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の前記集団および前記細胞毒性剤を順次投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項130】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の120日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項131】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の90日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項132】
近い時間の投与が、前記細胞毒性剤の投与の60日以内に遺伝子操作された造血細胞の前記集団を投与することを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項133】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、前記細胞毒性剤の前に投与される、請求項117~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、単回治療レジメンで投与される、請求項117~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団および/または前記細胞毒性剤が、静脈内投与される、請求項117~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、前記有効量の複数回用量で投与される、請求項117~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、請求項117~136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
遺伝子操作された造血細胞の前記集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、請求項117~137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、請求項117~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記対象が、前記細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の前記集団の投与前にプレコンディショニングされている、請求項117~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の前記集団の投与前に、対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、請求項117~140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を前記対象に投与することを含む、請求項140または請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記プレコンディショニングすることが、前記対象の全身照射を含む、請求項140~142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、請求項142または請求項143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、前記抗体が、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、請求項140~144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、前記造血悪性腫瘍が、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または前記造血前悪性腫瘍疾患が、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、請求項117~145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、請求項117~146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、請求項117~146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、前記対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、請求項117~146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、前記対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、請求項117~149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
前記対象が、以前に化学療法を受けている、請求項117~149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記対象が、以前に誘導療法を受けている、請求項117~151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、前記完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、請求項117~152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
前記対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、請求項117~153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
早期の白血病の再発と関連する前記一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連する遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄、細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在、細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄、および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、請求項117~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、請求項117~156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、前記遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、請求項117~157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
前記対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、請求項117~158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記対象が、以前に前記細胞毒性剤を受けていない、請求項117~159のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
前記対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、請求項117~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
前記対象が、前記細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、請求項117~161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記造血細胞が、造血幹細胞である、請求項117~162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)に由来する、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記造血系幹細胞が、CD34/CD33である、請求項163または請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記造血細胞が、自己である、請求項117~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
前記方法が、前記対象から前記自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、前記方法が、前記自己幹細胞を前記CD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および前記遺伝子操作された造血幹細胞を前記対象に戻すことをさらに含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記造血細胞が、同種である、請求項117~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記造血細胞が、前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記対象のHLAハプロタイプと一致する前記HLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、請求項117~169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記CD33抗原をコードする前記造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、前記造血細胞を調製することをさらに含む、請求項117~170のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
前記CD33細胞表面抗原をコードする前記内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記内在遺伝子の前記全てまたは前記一部が、ゲノム編集を使用して欠失されている、請求項171または請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞の集団、またはその子孫を含む、組成物。
【請求項176】
前記造血細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来の造血幹細胞である、請求項175に記載の組成物。
【請求項177】
前記造血幹細胞が、CD34+/CD33-である、請求項176に記載の組成物。
【請求項178】
前記CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、請求項175~177のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項179】
前記内在遺伝子の前記全てまたは前記一部が、ゲノム編集を使用して欠失されている、請求項175~178のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項180】
行われる前記ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、請求項179に記載の組成物。
【請求項181】
前記CRISPR-Casシステムが、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む、請求項180に記載の組成物。
【請求項182】
前記gRNAが、配列番号9~15のいずれか一つに記載の配列を含む標的ドメインを含む、請求項181に記載の組成物。
【請求項183】
請求項175~182のいずれか一項に記載の遺伝子改変された造血細胞の集団、および抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を含む、組み合わせ。
【請求項184】
前記細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、請求項183に記載の組み合わせ。
【請求項185】
前記ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、請求項184に記載の組み合わせ。
【請求項185】
培地中の1ミリリットル(mL)当たり少なくとも1×10細胞の集団を含む、組成物であって、細胞の前記集団は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫を含む、組成物。
【請求項186】
前記培地が、体積約45mLを有する、請求項185に記載の組成物。
【請求項187】
集団の前記細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である、請求項185または請求項186に記載の組成物。
【請求項188】
前記集団が、1mL当たり少なくとも2×10細胞、1mL当たり少なくとも3×10細胞、1mL当たり少なくとも4×10細胞、1mL当たり少なくとも5×10細胞、1mL当たり少なくとも6×10細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10細胞、1mL当たり少なくとも8×10細胞、または1mL当たり少なくとも9×10細胞を含む、請求項185~187のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項189】
前記培地が、抗凍結剤を含む凍結保存培地である、請求項185~188のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項190】
前記抗凍結剤が、約10%(v/v)の量でジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項189に記載の組成物。
【請求項191】
前記造血細胞が、CD34+/CD33-である、請求項185~190のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項192】
前記CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、請求項185~191のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項193】
前記内在遺伝子の前記全てまたは前記一部が、ゲノム編集を使用して欠失されている、請求項185~192のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項194】
行われる前記ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、請求項193に記載の組成物。
【請求項195】
前記CRISPR-Casシステムが、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む、請求項194に記載の組成物。
【請求項196】
前記gRNAが、配列番号9~15のいずれか一つに記載の配列を含む標的ドメインを含む、請求項195に記載の組成物。
【請求項197】
前記組成物が、検出可能なレベルの前記RNAガイドヌクレアーゼを含まない、請求項195または請求項196に記載の組成物。
【請求項198】
前記組成物が、凍結された状態にある、請求項185~197のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項199】
凍結保存プロセスに供された、請求項185~198のいずれか一項に記載の組成物を含む、凍結保存された組成物。
【請求項200】
前記凍結保存プロセスが、速度を制御した凍結である、請求項199に記載の凍結保存された組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年10月27日に出願された米国仮出願第63/106,136号、および2021年3月25日に出願された米国仮出願第63/165,950号の35U.S.C.119(e)に基づく利益を主張するものであり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
造血細胞移植(HCT)を使用して、完全寛解にあるが、再発のリスクが高い急性骨髄性白血病(AML)を有する患者、特に、中程度または有害な疾患に関連遺伝的性質を有する患者を治療することができる。過去数十年にわたって移植に関連する死亡率が減少していることから、HCT後の白血病の再発は、全体的な予後の改善に対する障害のままである。いくつかの最近の研究により、HCT時の形態学的完全寛解中の微小残存疾患(MRD)の存在が、白血病の再発および死亡のリスクの有意な増加と独立して関連することが明らかになった。さらに、骨髄において残存白血病芽球の証拠を示す患者は、HCT後の早期再発のリスクが非常に高い個体である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される方法は、急性骨髄性白血病を有する患者における白血病の再発のリスクを低減し、全体的な予後を改善するための新しい方法を提供する。一部の態様では、本開示は、対象に、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、有効量の遺伝子操作された造血細胞、またはその子孫の集団、および抗CD33抗原結合ドメインを含む、有効量の細胞毒性剤を投与することを含む方法を提供する。
【0004】
一部の態様では、本開示は、対象に、抗CD33抗原結合ドメインを含む、有効量の細胞毒性剤を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、有効量の遺伝子操作された造血細胞、またはその子孫の集団を受けているか、または受けた。
【0005】
一部の態様では、本開示は、対象に、CD33剤の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、有効量の遺伝子操作された造血細胞、またはその子孫の集団を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、抗CD33抗原結合ドメインを含む、有効量の細胞毒性剤を受けているか、または受けた。
【0006】
一部の実施形態では、細胞毒性剤は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。一部の実施形態では、ADCは、ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)である。
【0007】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重のキログラム~約10細胞/対象の体重のキログラムである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重のキログラムである。
【0008】
一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約2.0mg/対象の体表面積のmである。
【0009】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤は、近い時間に投与される。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時に投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時的に投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を順次投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団を細胞毒性剤の投与の120日以内(例えば、細胞毒性剤の投与の90日以内、細胞毒性剤の投与の60日以内)に投与することを含む。
【0010】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、細胞毒性剤の前に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、単回治療レジメンで投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、静脈内投与される。
【0011】
一部の実施形態では、細胞毒性剤は、四週間毎に有効量の複数回用量で投与される。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、四週間毎に約2.0mg/mの複数回用量で投与される。
【0012】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、投与前に凍結保存された形態から解答される。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、投与前に凍結乾燥形態から再構成される。
【0013】
一部の実施形態では、対象は、細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の集団の投与前にプレコンディショニングされている。一部の実施形態では、方法は、細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の集団の投与前に対象をプレコンディショニングすることをさらに含む。一部の実施形態では、プレコンディショニングすることは、一つまたは複数の化学療法剤を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、プレコンディショニングすることは、対象の全身照射を含む。一部の実施形態では、化学療法剤は、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される。一部の実施形態では、プレコンディショニングすることは、ヒトT細胞(Tリンパ球)に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、抗体は、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む。
【0014】
一部の実施形態では、対象は、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、造血悪性腫瘍は、CD33陽性悪性細胞の存在によって特徴付けられるか、または造血前悪性腫瘍疾患は、CD33陽性前悪性細胞の存在によって特徴付けられる。一部の実施形態では、対象は、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている。一部の実施形態では、対象は、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている。一部の実施形態では、対象は、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、対象は、急性骨髄性白血病を発症するリスクが高い。
【0015】
一部の実施形態では、対象は、化学療法および/または放射線療法に対して未感作である。一部の実施形態では、対象は、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処することを目的とする任意の治療に対して未感作である。
【0016】
一部の実施形態では、対象は、以前に化学療法を受けている。一部の実施形態では、対象は、以前に誘導療法を受けている。一部の実施形態では、対象は、既に完全な血液学的寛解に入っており、任意選択的に、完全な血液学的寛解は、末梢計数の不完全な回復によって特徴付けられる。一部の実施形態では、対象は、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する。一部の実施形態では、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子は、中または高いリスクの疾患に関連遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄、細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在、細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄、および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される。
【0017】
一部の実施形態では、対象は、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてのホモ接合性優性遺伝子型を有していない。一部の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有していない。一部の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有しておらず、任意選択的に、遺伝子転座は、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である。一部の実施形態では、対象は、以前に自己または同種幹細胞移植を受けていない。一部の実施形態では、対象は、以前に細胞毒性剤を受けていない。
【0018】
一部の実施形態では、方法は、対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、対象は、細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する。
【0019】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、造血幹細胞である。一部の実施形態では、造血幹細胞は、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来である。一部の実施形態では、造血幹細胞は、CD34/CD33である。一部の実施形態では、造血細胞は、自己である。一部の実施形態では、方法は、対象から自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、方法は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するように自己幹細胞を遺伝子操作すること、および遺伝子操作された造血幹細胞を対象に戻すことをさらに含む。
【0020】
一部の実施形態では、造血細胞は、同種である。一部の実施形態では、造血細胞は、対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である。一部の実施形態では、方法は、対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む。
【0021】
一部の実施形態では、方法は、CD33抗原をコードする造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、遺伝子操作された造血細胞の集団を調製することをさらに含む。一部の実施形態では、CD33細胞表面抗原をコードする内在遺伝子の全体または部分は、欠失されている。一部の実施形態では、内在遺伝子の全体または部分は、ゲノム編集を使用して欠失されている。一部の実施形態では、ゲノム編集は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを必要とする。
【0022】
一部の態様では、本開示は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫の集団を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、造血細胞は、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来の造血幹細胞である。一部の実施形態では、造血幹細胞は、CD34+/CD33-である。
【0023】
一部の実施形態では、CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部は、欠失されている。一部の実施形態では、内在遺伝子の全体または部分は、ゲノム編集を使用して欠失されている。一部の実施形態では、行われるゲノム編集は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを必要とする。一部の実施形態では、CRISPR-Casシステムは、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、gRNAは、配列番号9~15のいずれか一つの配列を含む標的ドメインを含む。
【0024】
一部の態様では、本開示は、本明細書に記載される遺伝子改変された造血細胞のいずれかの集団および抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を含む組み合わせを提供する。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。一部の実施形態では、ADCは、ゲムツズマブオゾガマイシンである。
【0025】
一部の態様では、本開示は、培地中の1ミリリットル(mL)当たり少なくとも1×10細胞の集団を含む組成物を提供し、細胞の集団は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫を含む。一部の実施形態では、培地は、約40~50mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約5~150mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約10~100mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約25~75mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約30~70mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40~60mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約45mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約30mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約35mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約50mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約55mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約60mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約70mLの体積を有する。
【0026】
一部の実施形態では、集団の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%は、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である。一部の実施形態では、集団は、1mL当たり少なくとも0.5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも1×10個の細胞、1mL当たり少なくとも2×10個の細胞、1mL当たり少なくとも3×10個の細胞、1mL当たり少なくとも4×10個の細胞、1mL当たり少なくとも5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも6×10個の細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10個の細胞、1mL当たり少なくとも8×10個の細胞、または1mL当たり少なくとも9×10個の細胞を含む。一部の実施形態では、集団は、1mL当たり少なくとも0.5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも1×10個の細胞、1mL当たり少なくとも2×10個の細胞、1mL当たり少なくとも3×10個の細胞、1mL当たり少なくとも4×10個の細胞、1mL当たり少なくとも5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも6×10個の細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10個の細胞、1mL当たり少なくとも8×10個の細胞、または1mL当たり少なくとも9×10個の細胞を含む。一部の実施形態では、細胞集団は、少なくとも1×10個の生細胞、少なくとも2×10個の生細胞、少なくとも3×10個の生細胞、少なくとも4×10個の生細胞、少なくとも5×10個の生細胞、少なくとも6×10個の生細胞、少なくとも7×10個の生細胞、少なくとも8×10個の生細胞、少なくとも9×10個の生細胞、少なくとも1×1010個の生細胞、少なくとも2×1010個の生細胞、少なくとも3×1010個の生細胞、少なくとも4×1010個の生細胞、少なくとも5×1010個の生細胞、少なくとも6×1010個の生細胞、少なくとも7×1010個の生細胞、少なくとも8×1010個の生細胞、少なくとも9×100個の生細胞、または少なくとも1×1011個の生細胞を含み、一部の実施形態では、集団の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%は、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である。
【0027】
一部の実施形態では、培地は、抗凍結剤を含む凍結保存培地である。一部の実施形態では、抗凍結剤は、約10%(v/v)の量でジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。
【0028】
一部の実施形態では、造血細胞は、CD34+/CD33-である。一部の実施形態では、CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部は、欠失されている。一部の実施形態では、内在遺伝子の全体または部分は、ゲノム編集を使用して欠失されている。一部の実施形態では、行われるゲノム編集は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを必要とする。一部の実施形態では、CRISPR-Casシステムは、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、gRNAは、配列番号9~15のいずれか一つの配列を含む標的ドメインを含む。一部の実施形態では、組成物は、検出可能なレベルのRNAガイドヌクレアーゼを含まない。
【0029】
一部の実施形態では、組成物は、凍結された状態にある。
【0030】
一部の実施形態では、組成物は、凍結保存プロセスに供されている。一部の実施形態では、凍結保存プロセスは、速度を制御した凍結である。
【0031】
上記の要約は、非限定的な様式で、本明細書に開示される技術の実施形態、利点、特徴、及び使用のうちのいくつかを例証するように意図されている。本明細書に開示される技術のその他の実施形態、利点、特徴、及び使用が、発明を実施するための形態、図面、実施例、及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0033】
図1図1は、臨床試験の対象のための投薬レジメンの例を示す概略図である。
図2図2は、本明細書に記載される方法の有効性を評価するための実験設計例を示す概略図である。簡潔に述べると、ヒトドナーから得られた動員化PMBC(mPBMC)由来のCD34+造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)。HSPCを、モックエレクトロポレーションする(「対照」)か、または例えば、CD33 gRNAおよびCRISPR-Casシステムを使用して、CD33抗原(CD33KO)の発現を低減または除去するためのゲノム編集に供し、次いで、亜致死照射したNOD/scid/IL2Rγnull((NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl、NSG(商標))マウスに投与する。血液試料を、HSPC移植の8週および12週後の時間点で取得する。マウスに、約15週後に、用量0.33mg/kgで、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)などの抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤、またはビヒクル対照を投与する。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置の約8日後(HSPC移植の16週後)、マウスを屠殺し、終末骨髄(BM)、血液、および脾臓試料を回収し、例えば、フローサイトメトリーによる分析に供する。
図3AB図3A~3Eは、図2に示す実験設計に従い、ドナー1由来のヒトHSPCの移植後の細胞集団のフローサイトメトリー分析の結果を示すプロットを示す。図3Aは、ヒトCD45+細胞のパーセントによって決定したヒト白血球キメラ化を示す。 図3Bは、CD33+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。
図3CDE図3Cは、CD14+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図3Dは、CD11b+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図3Eは、CD14+骨髄細胞におけるCD33の存在を示し、これは、CD33について編集したCD14+細胞を、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)細胞傷害から保護したことを示している。各プロットについて、モックEPは、モックエレクトロポレーションしたヒトHSPCを用いた移植を指し、CD33 gRNAは、CD33 gRNAを使用して編集したヒトHSPCを用いた移植を指す。「Mylotarg」は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置を受けたマウスを指し、「ビヒクル」は、ビヒクル対照を受けた対照マウスを指す。各データ点は、示した平均および標準偏差と共に、マウスの個々の値を表す(n=9~10)。=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001、****=P<0.0001。
図4ABC図4A~4Cは、図2に示す実験設計に従い、ドナー1由来のヒトHSPCの移植後の細胞集団のフローサイトメトリー分析の結果を示すプロットを示す。図4Aは、CD3+T細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図4Bは、CD19+B細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図4Cは、CD34+CD38-原始HSPCをヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。各プロットについて、モックEPは、モックエレクトロポレーションしたヒトHSPCを用いた移植を指し、CD33 gRNAは、CD33 gRNAを使用して編集したヒトHSPCを用いた移植を指す。「Mylotarg」は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置を受けたマウスを指し、「ビヒクル」は、ビヒクル対照を受けた対照マウスを指す。各データ点は、示した平均および標準偏差と共に、マウスの個々の値を表す(n=9~10)。=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001、****=P<0.0001。
図5AB図5A~5Dは、図2に示す実験設計に従い、ドナー2由来のヒトHSPCの移植後の細胞集団のフローサイトメトリー分析の結果を示すプロットを示す。図5Aは、ヒトCD45+細胞のパーセントによって決定したヒト白血球キメラ化を示す。 図5Bは、CD33+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。
図5CD図5Cは、CD14+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図5Dは、CD11b+骨髄細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。各プロットについて、モックEPは、モックエレクトロポレーションしたヒトHSPCを用いた移植を指し、CD33 gRNAは、CD33 gRNAを使用して編集したヒトHSPCを用いた移植を指す。「Mylotarg」は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置を受けたマウスを指し、「ビヒクル」は、ビヒクル対照を受けた対照マウスを指す。各データ点は、示した平均および標準偏差と共に、マウスの個々の値を表す(n=9~10)。=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001、****=P<0.0001。
図6ABC図6A~6Cは、図2に示す実験設計に従い、ドナー2由来のヒトHSPCの移植後の細胞集団のフローサイトメトリー分析の結果を示すプロットを示す。図6Aは、CD3+T細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図6Bは、CD19+B細胞をヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。 図6Cは、CD34+CD38-原始HSPCをヒトCD45+細胞のパーセントとして示す。各プロットについて、モックEPは、モックエレクトロポレーションしたヒトHSPCを用いた移植を指し、CD33 gRNAは、CD33 gRNAを使用して編集したヒトHSPCを用いた移植を指す。「Mylotarg」は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置を受けたマウスを指し、「ビヒクル」は、ビヒクル対照を受けた対照マウスを指す。各データ点は、示した平均および標準偏差と共に、マウスの個々の値を表す(n=9~10)。=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001、****=P<0.0001。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示は、既存の療法における限界を克服する造血悪性腫瘍の治療で使用するための標的化治療アプローチを提供する。例えば、急性骨髄性白血病(AML)のための現在のCD33標的化療法は、CD33を発現する正常な健常骨髄系細胞に対する「オンターゲット、オフ白血病」細胞傷害に限定されている。非癌性CD33+細胞の消失は、患者の造血系を枯渇させ得る。この枯渇に対処するために、対象に、CD33遺伝子に改変を含むレスキュー細胞(例えば、造血細胞)を投与することができる。これらのCD33を改変した細胞は、抗CD33癌療法に抵抗性であり得、したがって、抗CD33療法中または後に造血系を再配置させることができる。このようにして、正常な骨髄区画を、CD33標的化剤のオンターゲット効果から保護し、これらの剤の治療指標の改善および患者予後の改善をもたらす。
【0035】
細胞
本開示の態様は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子操作された造血細胞(eHSCもしくはeHSPCとしても本明細書で言及される)、またはその子孫に関するものであった。一部の実施形態では、CD33をコードする遺伝子の改変を有する本開示の遺伝子操作された造血細胞(例えば、造血幹細胞(HSC)または造血前駆細胞(HPC))は、当該技術分野で公知の、任意の遺伝子編集方法を使用して遺伝子操作されている。
【0036】
一部の実施形態では、CD33をコードする遺伝子の改変を有する本開示の遺伝子操作された造血細胞(例えば、造血幹細胞(HSC)または造血前駆細胞(HPC))は、本明細書に記載されるヌクレアーゼおよび/またはgRNAを使用して遺伝子操作されている。一部の実施形態では、CD33の改変および第二の系統特異的細胞表面抗原の改変を有する細胞(例えば、HSCまたはHPC)は、本明細書に記載されるヌクレアーゼおよび/またはgRNAを使用して作製される。細胞は、細胞自体をヌクレアーゼおよび/もしくはgRNAと接触させることによって作製され得るか、または細胞は、ヌクレアーゼおよび/もしくはgRNAと接触させた細胞の娘細胞であり得ることは理解される。一部の実施形態では、本明細書に記載される細胞(例えば、HSCまたはHPC)は、対象の造血系を再構成することが可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される細胞(例えば、HSC又はHPC)は、ヒト対象に生着すること、骨髄系細胞を産生すること、及びリンパ系細胞を産生することのうちの一つ以上(例えば、全て)が可能である。
【0037】
一部の実施形態では、細胞は、一つの遺伝子改変のみを含む。一部の実施形態では、細胞は、CD33のエクソン3の配列中などの、CD33遺伝子座のみで遺伝子改変されている。一部の実施形態では、細胞は、第二の遺伝子座で遺伝子改変されている。一部の実施形態では、細胞は、トランスジェニックタンパク質を含まず、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)を含まない。
【0038】
用語「CD33抗原」および「CD33タンパク質」は、本明細書において互換的に使用され、CD33タンパク質、または抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤などの、抗CD33剤によって標的化される部分などの、その部分もしくは断片を指す。
【0039】
一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞は、CD33タンパク質(CD33抗原)を実質的に含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞は、野生型CD33タンパク質を実質的に含まないが、変異CD33タンパク質を含む。一部の実施形態では、変異CD33タンパク質は、治療目的のためCD33を標的化する剤によって結合されない。本明細書で使用される場合、細胞が、CD33の発現の低減を有するか、または有さないように、遺伝子操作されている遺伝子操作された造血細胞は、「CD33KO eHSC」または「CD33KO eHSPC」として言及さ得る。
【0040】
一部の実施形態では、細胞は、循環血液細胞、例えば、網状赤血球、巨核球赤芽球前駆(MEP)細胞、骨髄前駆細胞(CMP/GMP)、リンパ系前駆(LP)細胞、造血幹細胞(HSC)または造血前駆細胞(HPC)であり、造血幹および前駆細胞(HSPC)、または内皮細胞(EC)として言及されてもよい。一部の実施形態では、細胞は、骨髄細胞(例えば、網状赤血球、赤血球細胞(例えば、赤芽球)、巨核球-赤血球前駆細胞(MEP細胞)、骨髄前駆細胞(CMP/GMP)、リンパ球優性(LP)細胞、赤血球前駆(EP)細胞、HSC、多能性前駆(MPP)細胞、内皮細胞(EC)、造血性内皮細胞(HE)細胞、または多能性幹細胞)である。一部の実施形態では、細胞は、骨髄前駆細胞(例えば、共通骨髄前駆細胞(CMP)細胞または顆粒球マクロファージ前駆(GMP)細胞)である。一部の実施形態では、細胞は、リンパ系前駆細胞、例えば、共通リンパ系前駆細胞(CLP)細胞である。一部の実施形態では、細胞は、赤血球前駆細胞(例えば、MEP細胞)である。一部の実施形態では、細胞は、造血幹/前駆細胞(例えば、長期HSC(LT-HSC)、短期HSC(ST-HSC)、MPP細胞、または系統制限前駆(LRP)細胞)である。一部の実施形態では、細胞は、CD34+細胞、CD34+CD90+細胞、CD34+CD38+細胞、CD34+CD90+CD49^CD38+CD45RA細胞、CD105+細胞、CD31+、またはCD133+細胞、またはCD34+CD90+CD133+細胞である。一部の実施形態では、細胞は、臍帯血CD34+HSPC、臍帯静脈内皮細胞、臍帯動脈内皮細胞、羊水CD34+細胞、羊水内皮細胞、胎盤内皮細胞、または胎盤造血CD34+細胞である。一部の実施形態では、細胞は、動員された末梢血造血CD34+細胞である(患者が、動員剤、例えば、G-CSFおよび/またはプレリキサホルで処置された後)。一部の実施形態では、細胞は、末梢血内皮細胞、または細胞の集団である。
【0041】
一部の実施形態では、細胞は、造血細胞、例えば、造血幹細胞である。造血幹細胞(HSC)は、典型的には、骨髄系前駆細胞およびリンパ系前駆細胞の両方を生じさせることができる幹細胞であり、それら前駆細胞はさらに骨髄系細胞(例えば、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、樹状細胞、赤血球、血小板など)およびリンパ系細胞(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞)をそれぞれ生じさせることができる。HSCは、細胞表面マーカーのCD34の発現を特徴としており(例えば、CD34+)、これをHSCの特定および/または単離に使用することができ、細胞表面マーカーの不在は、細胞系統への傾倒に関連付けられる。
【0042】
一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の造血幹細胞を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の造血前駆細胞を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の造血幹細胞または複数の造血前駆細胞を含む。
【0043】
一部の実施形態では、造血幹細胞(HSC)は、赤血球(赤血球または赤血球(RBC))、骨髄系(単球およびマクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、巨核球/血小板、ならびに樹状細胞)、ならびにリンパ系(T細胞、B細胞、NK細胞)を含む、全ての血液細胞型を生じる幹細胞系統の細胞を指す。一部の実施形態では、本明細書で使用される細胞は、循環血液細胞、動員された血液細胞、骨髄細胞、骨髄前駆細胞、リンパ系前駆細胞、多能性前駆細胞、系統限定前駆細胞、内皮細胞、または間葉系間質細胞からなる群から選択される。一部の実施形態では、HSCは、非臍帯血供給源、臍帯供給源、または臍帯血供給源由来である。一実施形態では、HSCは、CD34+細胞である。一部の実施形態では、HSC細胞は、対象への移植後にインビボで分化することができる。一部の実施形態では、HSC細胞は、B細胞、T細胞、赤血球細胞、および/または骨髄細胞に分化することができる。一部の実施形態では、HSC細胞は、対象における造血を再構成することができる。一部の実施形態では、造血幹細胞は、造血前駆細胞の細胞表面マーカー特徴:CD34+、CD59+、Thyl/CD90+、CD38lo/-、およびC-kit/CD117+の少なくとも一つを有する。一部の実施形態では、造血前駆細胞は、CD34+である。
【0044】
一部の実施形態では、造血幹細胞は、対象が、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)(任意選択的に、プレリキサホルとの組み合わせ)で処置された後に、対象から得られる末梢血幹細胞である。一部の実施形態では、CD34+細胞は、CliniMACS(登録商標)細胞選別システム(Miltenyi Biotec)を使用して濃縮される。一部の実施形態では、CD34+細胞は、ゲノム編集前に、サイトカイン(例えば、SCF、rhTPO、rhFLT3)を含む無血清培地(例えば、CellGrow SCGM培地、CellGenix)において弱く刺激される。一部の実施形態では、SR1およびdmPGE2ならびに/または他の因子の付加は、長期生着を改善するために企図される。
【0045】
一部の実施形態では、本開示による投与のための遺伝子操作された造血細胞の集団は、一つまたは複数のドナーから得られる同種の造血前駆細胞であってもよい。本明細書で使用される場合、「同種」は、一つまたは複数の遺伝子座の遺伝子が、同一ではない、同じ種の一つまたは複数の異なるドナーから得られた造血前駆細胞を含む造血前駆細胞または生物学的試料を指す。例えば、対象に投与されている造血細胞集団は、一つ以上の関連していないドナー対象、または一つまたは複数の非同一同胞から得られた臍帯血から誘導することができる。一部の実施形態では、遺伝的に同一の動物、または同一の双生児から得られるものなどの、同系造血細胞集団を使用することができる。一部の実施形態では、造血細胞は、自己細胞であり、すなわち、造血前駆細胞は、対象から得られるか、または単離され、同じ対象に投与される(すなわち、ドナーおよびレシピエントが同じである)。
【0046】
一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の遺伝子操作された造血幹細胞を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の遺伝子操作された造血前駆細胞を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団は、複数の遺伝子操作された造血幹細胞および複数の遺伝子操作された造血前駆細胞を含む。
【0047】
一部の実施形態では、HSCまたはHPCは、ヒト対象などの、対象から得られる。HSCを取得する方法は、例えば、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、PCT出願第US2016/057339号に記載されている。いくつかの実施形態では、HSCは、末梢血HSCである。いくつかの実施形態では、哺乳類対象は、非ヒト霊長類、齧歯類(例えば、マウス若しくはラット)、ウシ、ブタ、ウマ、又は家畜である。いくつかの実施形態では、HSCは、造血悪性腫瘍を有するヒト対象などのヒト対象から取得される。いくつかの実施形態では、HSCまたはHPCは、健康なドナーから取得される。一部の実施形態では、HSCまたはHPCは、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤が、その後投与される対象から得られる。細胞が取得された同じ対象に投与されるHSCまたはHPCは、自己細胞と称される一方で、細胞が投与される対象ではない対象から取得されるHSCまたはHPCは、同種異系細胞と称される。
【0048】
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団は、細胞の異種集団、例えば、異なるCD33変異を含む遺伝子操作された造血細胞の異種集団である。一部の実施形態では、細胞の集団内のCD33のコピーの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%は、本明細書に記載されるゲノム編集アプローチ、例えば、本明細書に記載されるgRNAを使用するCRISPR/Casシステムによって影響される変異を有する。一例として、集団は、複数の異なるCD33変異を含むことができ、複数の各変異は、変異を有する細胞の集団内のCD33のコピーの割合に寄与する。
【0049】
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された造血細胞上のCD33の発現は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)上のCD33の発現と比較される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)上のCD33の発現と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のCD33の発現レベルの低減をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された造血細胞は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)と比較して、CD33の20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満を発現する。
【0050】
いくつかの実施形態では、遺伝子操作は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)上の野生型CD33の発現と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の野生型CD33の発現レベルの低減をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された造血細胞は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)と比較して、CD33の20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満を発現する。
【0051】
一部の実施形態では、遺伝子操作は、好適な対照(例えば、細胞または複数の細胞)と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の野生型系統特異的細胞表面抗原(例えば、CD33)の発現レベルの低減をもたらす。いくつかの実施形態では、好適な対照は、同じ対象からの複数の操作されていない細胞において測定又は予期される野生型系統特異的細胞表面抗原のレベルを含む。いくつかの実施形態では、好適な対照は、健康な対象からの複数の細胞において測定又は予期される野生型系統特異的細胞表面抗原のレベルを含む。いくつかの実施形態では、好適な対照は、健康な個人(例えば、10、20、50、又は100人の個人)のプールからの細胞の集団において測定又は予期される野生型系統特異的細胞表面抗原のレベルを含む。いくつかの実施形態では、好適な対照は、本明細書に記載される治療、例えば、抗CD33療法を必要とする対象、例えば、対象ががんを有し、がんの細胞がCD33を発現する、対象において測定又は予期される野生型系統特異的細胞表面抗原のレベルを含む。いくつかの実施形態では、好適な対照は、CD33の発現を低減または除去するための遺伝子操作の対象に供される前の細胞において測定される野生型系統特異的細胞表面抗原のレベルを含む。
【0052】
一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞を作製する方法は、野生型細胞、例えば、野生型造血幹または前駆細胞を用意する工程を含む。いくつかの実施形態では、野生型細胞は、系統特異的細胞表面抗原(例えば、CD33)の二つの機能的コピーを含む(例えば、発現する)未編集の細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、配列番号16によるCD33遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、配列番号16でコードされるCD33タンパク質をコードするCD33遺伝子配列を含み、例えば、CD33遺伝子配列は、配列番号16に対して一つ以上のサイレント変異を含み得る。一部の実施形態では、野生型細胞は、系統特異的細胞表面抗原(例えば、CD33)を発現するか、あるいはHL60またはMOLM-13細胞と同等のレベル(または90%~110%、80%~120%、70%~130%、60~140%、もしくは50%~150%以内)で系統特異的細胞表面抗原を発現するより分化した細胞を生じる。一部の実施形態では、野生型細胞は、系統特異的細胞表面抗原(例えば、抗CD33抗体、例えば、P67.6)に結合する抗体に結合するか、あるいは抗体のHL60またはMOLM-13細胞への結合と同等(または90%~110%、80%~120%、70%~130%、60~140%、もしくは50%~150%以内)のレベルで抗体に結合するより分化した細胞を生じる。抗体結合は、例えば、フローサイトメトリーによって測定され得る。
【0053】
一部の態様では、遺伝子操作された造血幹または前駆細胞は、内在性CD33遺伝子のエクソン3中に遺伝子変異を含み、遺伝子変異は、本明細書に記載される部位にある(表1を参照)。本開示の一態様は、内在性CD33遺伝子のエクソン3中に遺伝子変異を含む遺伝子操作された造血幹および/または前駆細胞を提供し、遺伝子変異は、表1に提示されるgRNAのいずれかなどの、gRNAによって標的化された部位にある。
【0054】
一部の実施形態では、本明細書に記載される操作された細胞は、二つの変異を含み、第一の変異は、CD33にあり、第二の変異は、第二の系統特異的細胞表面抗原にある。このような細胞は、一部の実施形態では、二つの抗原:抗CD33剤および第二の系統特異的細胞表面抗原を標的とする剤に耐性であり得る。一部の実施形態では、このような細胞は、本明細書に記載される二つ以上のgRNA、例えば、表3のgRNAおよび第二のgRNAを使用して産生することができる。一部の実施形態では、細胞は、例えば、ZFNまたはTALEN使用して産生することができる。本開示は、本明細書に記載される細胞を含む集団も提供する。
【0055】
一部の実施形態では、第二の変異は、本明細書に記載される系統特異的細胞表面抗原のいずれかなどの、系統特異的細胞表面抗原をコードする遺伝子にある。
【0056】
典型的には、本明細書に提供される方法および組成物によって影響される変異、例えば、CD33などの標的遺伝子中の変異は、例えば、CD33遺伝子中の変異の場合、CD33タンパク質の機能の喪失における、標的遺伝子によってコードされる遺伝子産物の機能の喪失をもたらす。一部の実施形態では、機能の喪失は、遺伝子産物の発現のレベルの低減、例えば、より低いレベルの発現への低減、または遺伝子産物の発現の完全な無効化である。一部の実施形態では、変異は、遺伝子産物の非機能的バリアントの発現をもたらす。例えば、コード配列、短縮遺伝子産物において未成熟終止コドンを生成する変異の場合、またはナンセンスもしくはミスセンス変異を生成する変異の場合、遺伝子産物を非機能的にする改変されたアミノ酸配列によって特徴付けられる遺伝子産物。一部の実施形態では、遺伝子産物の機能は、結合パートナーを結合または認識するものである。一部の実施形態では、遺伝子産物、例えば、CD33、第二の系統特異的細胞表面抗原、または両方の発現の低減は、野生型または操作されていない対応細胞におけるレベルの50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、または1%以下である。
【0057】
一部の実施形態では、本明細書において提供される方法により、および/または組成物を使用して生成された遺伝子操作された造血細胞の集団におけるCD33のコピーの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%以上は、変異を有する。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団における第二の系統特異的細胞表面抗原のコピーの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%は、変異を有する。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団におけるCD33および第二の系統特異的細胞表面抗原のコピーの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%は、変異を有する。一部の実施形態では、集団は、一つまたは複数の野生型細胞を含む。一部の実施形態では、集団は、CD33の一つの野生型コピーを含む一つまたは複数の細胞を含む。一部の実施形態では、集団は、第二の系統特異的細胞表面抗原の一つの野生型コピーを含む一つまたは複数の細胞を含む。
【0058】
細胞毒性剤
【0059】
本開示の態様は、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤に関するものであった。抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤の投与は、CD33を発現している細胞と相互作用し、細胞傷害を誘導した。本明細書に記載されるように、このような細胞毒性剤の投与は、CD33を発現している癌細胞だけでなく、CD33をまた発現する正常な健常細胞の細胞傷害、例えば、「オンターゲット、オフ白血病」作用を誘導し得る。
【0060】
一部の実施形態では、本開示の細胞毒性剤は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。ADCは、毒素又は薬物分子にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む分子であり得る。対応する抗原への抗体又はその断片の結合は、その細胞表面上に抗原を提示する細胞(例えば、標的細胞)への毒素又は薬物分子の送達を可能にし、それによって、標的細胞の死をもたらす。
【0061】
一部の実施形態では、ADCの細胞表面系統特異的タンパク質(例えば、CD33)のエピトープへの結合は、ADCの内部移行を誘導し、薬物(または毒素)は、細胞内に放出され得る。いくつかの実施形態では、細胞表面系統特異的タンパク質のエピトープへのADCの結合は、毒素又は薬物の内部化を誘発し、これは、毒素又は薬物が系統特異的タンパク質が、系統特異的タンパク質を発現する細胞を殺傷することを可能にする。いくつかの実施形態では、細胞表面系統特異的タンパク質のエピトープへのADCの結合は、毒素又は薬物の内部化を誘発し、これは、系統特異的タンパク質を発現する細胞の活性を調節し得る。本明細書に記載されるADCで使用される毒素又は薬物のタイプは、いかなる具体的なタイプにも限定されない。
【0062】
ADCでの使用に適合する毒素又は薬物は、当技術分野で公知であり、当技術分野の当業者には明らかであろう。例えば、Peters et al.Biosci.Rep.(2015)35(4):e00225、Beck et al.Nat Rev Drug Disc(2017)16:315-337;Marin-Acevedo et al.J.Hematol.Oncol.(2018)11:8;Elgundi et al.Advanced Drug Delivery Reviews(2017)122:2-19を参照。
【0063】
いくつかの実施形態では、ADCは、抗体及び薬物分子を付着させるリンカー(例えば、切断可能なリンカーなどのペプチドリンカー)を更に含み得る。
【0064】
一部の実施形態では、本開示の細胞毒性剤は、ゲムツズマブオゾガマイシンである。ゲムツズマブオゾガマイシンは、二官能性リンカー(4-(4-アセチルフェノキシ)ブタン酸)を介して(共有結合された)細胞傷害性抗腫瘍抗生物質カリチアマイシン(N-アセチル-y-カリチアマイシン)と結合した組換えヒト化抗CD33モノクローナル抗体(IgG4 K抗体hP67.6)である。ゲムツズマブオゾガマイシンは、Mylotarg(登録商標)(Wyeth Pharmaceuticals、Philadelphia、Pa.)として市販されている。hP67.6と称されるゲムツズマブオゾガマイシンの抗体部分は、CD33抗原に特異的に結合する。
【0065】
ゲムツズマブオゾガマイシンは、約98.3%がヒト起源のものである、アミノ酸配列を含有する。定常領域およびフレームワーク領域は、ヒト配列を含有し、一方、相補性決定領域は、CD33に結合するマウス抗体(P67.6)に由来する。この抗体は、二官能性リンカーを介してN-アセチル-ガンマカリチアマイシンに連結される。ゲムツズマブオゾガマイシンは、抗体1モル当たりカリチアマイシン4~6モルを負荷した抗体の約50%を有する。抗体の残りの50%は、カリチアマイシン誘導体に連結されていない。ゲムツズマブオゾガマイシンは、分子量151~153kDaを有する。ゲムツズマブオゾガマイシンおよびそれを作製する方法は、米国特許第5,733,001号;第5,739,116号;第5,767,285;第5,877,296号;第5,606,040号;第5,712,374号;および第5,714,586号に記載され、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の重鎖配列のアミノ酸配列
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTITDSNIHWVRQAPGQSLEWIGYIYPYNGGTDYNQKFKNRATLTVDNPTNTAYMELSSLRSEDTAFYYCVNGNPWLAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVS
VLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号26)
【0067】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の軽鎖配列のアミノ酸配列
DIQLTQSPSTLSASVGDRVTITCRASESLDNYGIRFLTWFQQKPGKAPKLLMYAASNQGSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQTKEVPWSFGQGTKVEVKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号27)
【0068】
本明細書に記載されるCD33を標的とする細胞毒性剤の構築において使用するための抗CD33抗体結合ドメインは、配列番号26および配列番号27のものと同じ重鎖および/または軽鎖CDR領域を含み得る。このような抗体は、フレームワーク領域のうちの一つまたは複数におけるアミノ酸残基変動を含んでもよい。ある場合には、抗CD33抗体断片は、ゲムツズマブオゾガマイシンの重鎖可変領域(配列番号26の重鎖配列で提供される)と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%以上)を共有する重鎖可変領域を含んでもよく、および/またはゲムツズマブオゾガマイシンの軽鎖可変領域(配列番号27の軽鎖配列で提供される)と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%以上)を共有する軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0069】
CD33はまた、抗CD33免疫毒素バダスツキシマブタリリン(SGN-CD33A、33Aとも呼ばれる)(Seattle Genetics)の標的でもある。SGN-CD33Aは、ゲムツズマブオゾガマイシンを用いた治療に応答して観察される多剤耐性を低減し得る抗体-薬物コンジュゲートである。一部の実施形態では、SGN-CD33Aを使用して、対象を治療する。一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンおよびSGN-CD33Aを組み合わせて、例えば、同時または順次使用して、対象を治療する。一部の実施形態では、対象はまた、化学療法を用いて治療される。
【0070】
ADCのさらなる例としては、限定されるものではないが、ブレンツキシマブベドチン、グレンバツムマブべドチン/CDX-011、デパツキシズマブマホドチン/ABT-414、PSMA ADC、ポラツズマブベドチン/RG7596/DCDS4501A、デニンツズマブマホドチン/SGN-CD19A、AGS-16C3F、CDX-014、RG7841/DLYE5953A、RG7882/DMUC406A、RG7986/DCDS0780A、SGN-LIV1A、エンフォルトマブベドチン/ASG-22ME、AG-15ME、AGS67E、テリソツズマブベドチン/ABBV-399、ABBV-221、ABBV-085、GSK-2857916、チソツマブベドチン/HuMax-TF-ADC、HuMax-Axl-ADC、ピナツズマブベドチン/RG7593/DCDT2980S、リファスツズマブベドチン/RG7599/DNIB0600A、インデュサツマブベドチン/MLN-0264/TAK-264、バンドルツズマブベドチン/RG7450/DSTP3086S、ソフィツズマブベドチン/RG7458/DMUC5754A、RG7600/DMOT4039A、RG7336/DEDN6526A、ME1547、PF-06263507/ADC 5T4、トラスツズマブエムタンシン/T-DM1、ミルベツキシマブソラブタンシン/IMGN853、コルツキシマブラブタンシン/SAR3419、ナラツキシマブエムタンシン/IMGN529、インダツキシマブラブタンシン/BT-062、アネツマブラブタンシン/BAY 94-9343、SAR408701、SAR428926、AMG224、PCA062、HKT288、LY3076226、SAR566658、ロルボツズマブメルタンシン/IMGN901、カンツズマブメルタンシン/SB-408075、カンツズマブラブタンシン/IMGN242、ラプリツキシマブエムタンシン/IMGN289、IMGN388、ビバツズマブメルタンシン、AVE9633、BIIB015、MLN2704、AMG 172、AMG 595、LOP 628、バダスツキシマブタリリン/SGN-CD33A、SGN-CD70A、SGN-CD19B、SGN-CD123A、SGN-CD352A、ロバルピツズマブテシリン/SC16LD6.5、SC-002、SC-003、ADCT-301/HuMax-TAC-PBD、ADCT-402、MEDI3726/ADC-401、IMGN779、IMGN632、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン/CMC-544、PF-06647263、CMD-193、CMB-401、トラスツズマブデュオカルマジン/SYD985、BMS-936561/MDX-1203、サシツズマブゴビテカン/IMMU-132、ラベツズマブゴビテカン/IMMU-130、DS-8201a、U3-1402、ミラツズマブドキソルビシン/IMMU-110/hLL1-DOX、BMS-986148、RC48-ADC/ヘルツズマブ-vc-MMAE、PF-06647020、PF-06650808、PF-06664178/RN927C、ルパルツマブアマドチン/BAY1129980、アプルツマブイキサドチン/BAY1187982、ARX788、AGS62P1、XMT-1522、AbGn-107、MEDI4276、DSTA4637S/RG7861に含まれる毒素及び薬物が挙げられる。
【0071】
治療および投与の方法
本開示の態様は、対象に、有効量の本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団(eHSCまたはeHSPCとして本明細書で言及される)、および有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、造血悪性腫瘍と診断され、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団、および有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤の投与を含む、併用治療を受ける。当業者によって理解されるように、併用治療は、一緒に行われ(例えば、同時に、または単一の組成物で投与され)得る治療の一つより多くの態様を含むが、悪性腫瘍、またはその任意の症状もしくは徴候を治療することを目的とした治療レジメン内の一つより多くの治療を包含する。例えば、本明細書に記載される幾つかの方法は、有効量の、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団、および有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む、造血悪性腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病)を治療するための併用治療を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、有効量の、本明細書に記載される遺伝子操作された造血細胞の集団、および有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む、造血悪性腫瘍(例えば、骨髄異形成症候群(MDS))の前悪性ステージを治療するための併用治療を含む。本明細書において提供されるいくつかの併用治療方法は、例えば、遺伝子操作された造血細胞の投与後の、細胞毒性剤(例えば、Mylotarg(登録商標))の投与を含む、遺伝子操作された造血細胞の集団(例えば、CD33KO eHSPC)および細胞毒性剤(例えば、Mylotarg(登録商標))の連続投与を含む。本明細書において提供される併用治療、例えば、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤の治療モダリティは、併用治療の一部として、同じまたは異なる投薬レジメン(投薬頻度、量、投与経路を含む)に従い投与され得、このような投薬レジメンは、時間が重複してもよいか、または連続であってもよい。
【0072】
一部の実施形態では、有効数の遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞は、抗CD33抗原結合ドメイン(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)などの抗CD33癌療法)を含む細胞毒性剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、改変されたCD33および改変された第二の系統特異的細胞表面抗原を含む有効数の細胞は、細胞毒性剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、抗体、ADC、またはキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞を含む。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、ゲムツズマブオゾガマイシンを含む。
【0073】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約1010細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム、約10細胞/対象の体重キログラム、約10細胞/対象の体重キログラム、または約10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも5×10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも2×10細胞、少なくとも3×10細胞、少なくとも4×10細胞、少なくとも5×10細胞、少なくとも6×10細胞、少なくとも7×10細胞、少なくとも8×10細胞、少なくとも9×10細胞、少なくとも1×10細胞、またはその複数を含む。
【0074】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約1.0×10、約2.0×10、約3.0×10、約4.0×10、約5.0×10、約6.0×10、約7.0×10、約8.0×10、約9.0×10、約1.0×10、約2.0×10、約3.0×10、約4.0×10、約5.0×10、約6.0×10、約7.0×10、約8.0×10、約9.0×10、約1.0×10、約2.0×10、約3.0×10、約4.0×10、5.0×10、約6.0×10、約7.0×10、約8.0×10、約9.0×10、または約1.0×10細胞/対象の体重キログラムを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重キログラムを含む。
【0075】
少なくとも一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞を生成するための出発材料として作用し得る造血幹細胞、例えば、CD34+造血幹細胞は、一つまたは複数のドナーに由来し得るか、または自己供給源から得ることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞は、それを必要とする対象への投与前に培養で拡大される。
【0076】
哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される細胞、例えば、免疫細胞または造血細胞の典型的な数は、例えば、100万~1,000億個の細胞の範囲内であってもよいが、この例示的な範囲を下回る、または上回る量も、本開示の範囲内である。
【0077】
一部の実施形態では、細胞毒性剤、例えば、ゲムツズマブオゾガマイシンは、例えば、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団と組み合わせて、治療上有効量で使用される。一部の実施形態では、細胞毒性剤(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)の有効量は、約0.01mg/対象の体表面積m~約3.0mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約0.05mg/対象の体表面積m~約2.5mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m~約2.0mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m~約1.0mg/対象の体表面積m、約1.0mg/対象の体表面積m~約2.0mg/対象の体表面積m、または約1.5mg/対象の体表面積m~約2.5mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約0.05mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m、約0.25mg/対象の体表面積m、約0.5mg/対象の体表面積m、約1.0mg/対象の体表面積m、約1.5mg/対象の体表面積m、約2.0mg/対象の体表面積m、または約2.5mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、細胞毒性剤の有効量は、約2.0mg/対象の体表面積のmである。
【0078】
一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンは、例えば、遺伝子操作された造血幹細胞、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の集団と組み合わせて、治療上有効量で使用される。一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.01mg/対象の体表面積m~約3.0mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.05mg/対象の体表面積m~約2.5mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m~約2.0mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m~約1.0mg/対象の体表面積m、約1.0mg/対象の体表面積m~約2.0mg/対象の体表面積m、または約1.5mg/対象の体表面積m~約2.5mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.05mg/対象の体表面積m、約0.1mg/対象の体表面積m、約0.25mg/対象の体表面積m、約0.5mg/対象の体表面積m、約1.0mg/対象の体表面積m、約1.5mg/対象の体表面積m、約2.0mg/対象の体表面積m、または約2.5mg/対象の体表面積mである。一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約2.0mg/対象の体表面積mである。
【0079】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムであり、細胞毒性剤(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)の有効量は、約0.01mg/対象の体表面積のm~約3.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムであり、細胞毒性剤の有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重キログラムであり、細胞毒性剤の有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重キログラムであり、細胞毒性剤の有効量は、約2.0mg/対象の体表面積のmである。
【0080】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムであり、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.01mg/対象の体表面積のm~約3.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約10細胞/対象の体重キログラム~約10細胞/対象の体重キログラムであり、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重キログラムであり、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団、例えば、本明細書に記載されるCD33が改変された造血幹細胞の有効量は、約3.0×10細胞/対象の体重キログラムであり、ゲムツズマブオゾガマイシンの有効量は、約2.0mg/対象の体表面積のmである。
【0081】
一部の実施形態では、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)は、同じ時間、または近い時間の異なる時間に投与される。本明細書で使用される場合、一部の実施形態では、近い時間は、細胞毒性剤の投与と比べた、遺伝子操作された造血細胞の集団の投与のタイミングを指す。当然のことながら、順序付けが明示的に記載されていない限り、特定の順序付けは、この用語の使用において黙示的ではない。例えば、近い時間での遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤の投与は、細胞毒性剤の投与前、後、またはほぼ同時の造血細胞の投与を含み得る。さらに、治療は、混ぜられてもよいか、または別個の体積であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組み合わせでの投与は、同じ治療過程における、例えば、抗CD33療法を用いた治療過程における投与を含み、対象は、有効数のCD33が改変された細胞を、細胞毒性剤と同時に、又は連続的に、例えば、治療の前、間、若しくは後に投与され得る。
【0082】
一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血幹細胞の集団および細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血幹細胞の集団および細胞毒性剤を同時または同時的に投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、遺伝子操作された造血幹細胞の集団および細胞毒性剤を順次投与すること(例えば、他方の治療前に一方の治療を投与すること)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞の集団は、細胞毒性剤の前に投与される。一部の実施形態では、近い時間の投与は、細胞毒性剤の投与の120日以内(例えば、90日以内、60日以内、30日以内、20日以内、10日以内、7日以内、または1日以内)での遺伝子操作された造血幹細胞の集団を投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、対象への細胞毒性剤の投与前120日以内(例えば、90日以内、60日以内、30日以内、20日以内、10日以内、7日以内、または1日以内)での遺伝子操作された造血幹細胞の集団を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、近い時間の投与は、対象への細胞毒性剤の投与後120日以内(例えば、90日以内、60日以内、30日以内、20日以内、10日以内、7日以内、または1日以内)での遺伝子操作された造血幹細胞の集団を対象に投与することを含む。
【0083】
一部の実施形態では、対象は、遺伝子操作された造血細胞の集団の投与後、かつ本明細書に記載される細胞毒性剤の投与前の、生着のレベルなどの、一つまたは複数のパラメータに基づき評価される。一部の実施形態では、対象は、細胞毒性剤の投与前に閾値(例えば、少なくとも1000/dL)より上のCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する。
【0084】
一部の実施形態では、細胞毒性剤は、例えば、規則的な間隔(例えば、毎週、二週間毎、三週間毎、四週間毎、毎月、二か月毎、三か月毎、四か月毎、五か月毎、または六か月毎)で、複数回用量で投与される。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、四週間毎に、有効量の複数回用量で投与される。例えば、一部の実施形態では、有効量の細胞毒性剤は、第一の用量で投与され、その後、一つまたは複数の続く用量である有効量が投与され、各用量は、約四週間(例えば、28日)離される。一部の実施形態では、各用量は、約二週間~約六週間(例えば、約二週間、約三週間、約四週間、約五週間、約六週間、約三週間~約五週間、または約四週間~約六週間)離される。一部の実施形態では、有効量の細胞毒性剤は、少なくとも一回用量、少なくとも二回用量、少なくとも三回用量、一回~六回用量、一回~四回用量、一回~三回用量、または四回用量で対象に投与される。一部の実施形態では、細胞毒性剤の各用量は、約2.0mg/mである。一部の実施形態では、細胞毒性剤は、四週間毎に約2.0mg/mの複数回用量で投与される。
【0085】
一部の実施形態では、本開示による治療を必要とする対象は、新たに診断された新規CD33陽性AMLを有するものとして特定されている。新たに診断された新規CD33陽性AMLの治療のための併用レジメンの一部として与えられるとき、ゲムツズマブオゾガマイシンを含む推奨治療コースは、1回の導入サイクルおよび2回の地固めサイクルからなる。誘導サイクルについては、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨用量は、1日目、4日目、および7日目に、3mg/m(最大一つの4.5mgバイアル)を、ダウノルビシンおよびシタラビンと組み合わせたものである。第二の導入サイクルを必要とする対象については、ゲムツズマブオゾガマイシンは、第二の導入サイクルの間に導入されない。地固めサイクルについては、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨用量は、ダウノルビシンおよびシタラビンと組み合わせた、1日目での3mg/m(最大一つの4.5mgのバイアル)である。
【0086】
一部の実施形態では、本開示による治療を必要とする対象は、新たに診断されたCD33陽性AMLを有するものとして特定されている。新たに診断されたCD33陽性AMLの治療のための単剤療法として与えられるとき、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨される治療コースは、1回の導入サイクルおよび最大8サイクルの継続療法からなる。導入サイクルについては、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨用量が、単剤として、1日目に6mg/m、8日目に3mg/m投与される。継続については、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨用量は、4週間毎に1日目に単剤としての2mg/mである。
【0087】
一部の実施形態では、本開示による治療を必要とする対象は、CD33陽性AMLを有すると診断されているか、または有すること、再発しているか、もしくは難治性であることが疑わされる。再発または難治性CD33陽性AMLの治療のため単剤療法として与えられるとき、ゲムツズマブオゾガマイシンの推奨用量は、1、4、および7日目に3mg/m(最大一つの4.5mgのバイアル)である。
【0088】
一部の実施形態では、対象は、ゲムツズマブオゾガマイシンの投与前に、コルチコステロイド、抗ヒスタミン剤、およびアセトアミノフェンのうちの一つまたは複数で前治療される。一部の実施形態では、対象は、ゲムツズマブオゾガマイシンの投与の約1時間(例えば、約30分間~1.5時間、約45分間~1.5時間、約1~2時間、または約45分間~1時間)前に前処理される。一部の実施形態では、対象は、ゲムツズマブオゾガマイシンの投与1時間前に、アセトアミノフェン約650mg(例えば、経口)およびジフェンヒドラミン約50mg(例えば、経口または静脈内)で前治療される。一部の実施形態では、対象は、ゲムツズマブオゾガマイシンの投与前30分以内に、約1mg/kgメチルプレドニゾロンまたは同等の容量の代替コルチコステロイドで前治療される。小児対象は、経口または静脈内で、アセトアミノフェン15mg/kg(最大650mg)、ジフェンヒドラミン1mg/kg(最大50mg)、および1mg/kgメチルプレドニゾロンで前治療されてもよく、追加用量のアセトアミノフェンおよびジフェンヒドラミンは、開始前治療容量の4時間毎に投与されてもよい。前治療は、注入中または注入後4時間以内の発熱、悪寒、低血圧、または呼吸困難などの、注入反応の任意の徴候のため、同じ用量のメチルプレドニゾロンまたは同等のコルチコステロイドで繰り返されてもよい。
【0089】
一部の実施形態では、対象は、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてのホモ接合性優性遺伝子型を有していない。一部の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有していない。一部の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有しておらず、任意選択的に、遺伝子転座は、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である。一部の実施形態では、対象は、自己または同種幹細胞移植を以前に受けていない。一部の実施形態では、対象は、以前に細胞毒性剤を受けていない。
【0090】
一部の実施形態では、方法は、対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む。
【0091】
一部の実施形態では、ゲムツズマブオゾガマイシンは、投与前に凍結乾燥形態から再構成される。一部の実施形態では、凍結乾燥形態は、凍結乾燥ケーキまたは粉末約4.5mgを含む。一部の実施形態では、凍結乾燥形態は、再構成および/または希釈のための単回投与バイアル中の凍結乾燥ケーキまたは粉末を含む。
【0092】
一部の実施形態では、CD33、またはその抗原結合断片に選択的に結合する一つまたは複数の他の抗体を使用して、対象を治療してもよい。一部の実施形態では、CD33に選択的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、毒素に連結されて、対象におけるCD33発現癌細胞を標的にする。CD33に選択的に結合する任意の抗体を使用してもよい。
【0093】
一部の実施形態では、対象は、細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血幹細胞の集団の投与前にプレコンディショニングされている。一部の実施形態では、対象のプレコンディショニングは、対象に一つまたは複数の化学療法剤を投与することを含む。化学療法剤の例としては、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、プレコンディショニングは、対象の全身照射を含む。一部の実施形態では、プレコンディショニングは、ヒトT細胞(例えば、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG))に結合する抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、プレコンディショニングは、細胞毒性剤および/または造血細胞の投与前2週間以内(例えば、14日以内、12日以内、10日以内、9日以内、7日以内)に生じる。一部の実施形態では、プレコンディショニングは、約1日~約10日の期間にわたって生じる。一部の実施形態では、プレコンディショニングは、約9日の期間にわたって生じる。
【0094】
一部の実施形態では、本開示の組成物(例えば、造血細胞の集団、細胞毒性剤)は、非限定的に、経腸(腸内)、経胃腸、硬膜外(硬膜内)、経口(口経由)、経皮、硬膜外、脳内(大脳内)、脳室内(脳室内)、皮膚上(皮膚に適用)、皮内(皮膚自体内)、皮下(皮膚の下)、鼻投与(鼻を介して)、静脈内(静脈内)、静脈内ボーラス、静脈内点滴、動脈内(動脈内)、筋肉内(筋肉内)、心臓内(心臓内)、骨内注入(骨髄内)、くも膜下腔内(脊柱管内)、腹腔内(腹膜内注入または注射)、膀胱内注入、硝子体内(眼を介して)、空洞内注射(病的洞内)、腔内(陰茎の付け根内)、腟内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のための無処置の皮膚を介した分散)、経粘膜(粘膜を介して分散)、経腟、ガス注入(鼻息)、舌下、口唇下、注腸、点眼(結膜上)、点耳薬内、耳介(耳内または経由)、口腔(頬方向)、結膜、皮膚、歯(葉または複数の歯に)、電気浸透、子宮頸管内、内副鼻洞、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質内、腹腔内、羊水内、関節内、胆汁内、気管支内、嚢状内、軟骨内(軟骨内)、仙骨内(馬尾内)、大槽内(大槽小脳延髄内)、角膜内(角膜内)、歯科角膜内、冠内(冠動脈内)、海綿体内(陰茎の陰核海綿体の膨張可能な空間内)、円板内(乳頭内)、管内(腺の管内)、十二指腸内(十二指腸内)、硬膜内(硬膜内または下)、表皮内(表皮内)、食道内(食道内)、胃内(胃内)、歯肉内(歯肉内)、回腸内(小腸の遠位部内)、病巣内(局所病変内または局所病変への直接導入)、腔内(管腔内)、リンパ内(リンパ液内)、髄内(骨の髄腔内)、髄膜内(髄膜内)、心筋内(心筋内)、眼内(眼内)、卵巣内(卵巣内)、心膜内(心膜内)、胸膜内(胸膜内)、前立腺内(前立腺内)、肺内(肺またはその気管支内)、鼻内(鼻または眼窩周囲洞内)、脊髄内(脊柱内)、滑膜内(関節の滑膜腔内)、腱内(腱内)、精巣内(精巣内)、くも膜下腔内(脳脊髄軸の任意のレベルでの脳脊髄液内)、胸腔内(胸部内)、管内(器官の尿細管内)、腫瘍内(腫瘍内)、鼓室内(中耳内)、血管内(血管または複数の血管内)、脳室内(室内)、イオン導入(可溶性塩イオンが身体の組織内に侵入する、電流密度による)、灌注(開放創または体腔を浸す、または流すため)、喉頭(喉頭に直接)、鼻腔胃(鼻を介し、かつ胃内)、密封包帯技術(局所経路投与、次いで、包帯によって覆った範囲の封鎖)、点眼(眼の外側)、中咽頭(口および咽頭に直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸性(局所または全身作用のための経口または経鼻吸入による気道内)、眼球後(橋裏または眼球裏)、心筋内(心筋内)、軟組織、くも膜下、結膜下、粘膜下、局所、経胎盤(胎盤を介して、または超えて)、経気管(気管壁を介して)、中耳(鼓室を超えて、または介して)、尿管(尿管に)、尿道(尿道に)、膣、仙骨ブロック、診断法、神経ブロック、胆汁灌流、心灌流、フォトフェレーシスおよび脊髄などの経路を介して投与されてもよい。当業者によって理解されるように、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤の投与は、同じ投与経路(例えば、静脈内注入)によって、または異なる投与経路によって行われてもよい。
【0095】
投与様式には、注射、点滴、点滴、および/または摂取が含まれる。「注射」は、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、脳室内、水晶体内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、皮下、関節内、水晶体下、くも膜下、脊髄内、脳室内、ならびに胸骨内注射および注入を含む。いくつかの例では、経路は静脈内である。細胞の送達については、注射または注入による投与を行うことができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された造血幹細胞の集団は、全身投与することができる。語句「全身投与」、「全身投与された」、「末梢投与」および「末梢投与された」は、標的部位、組織、または器官への直接以外の前駆細胞の集団の投与を指し、その結果、それは、対象の循環系に進入し、したがって代謝および他の類似のプロセスの対象となる。
【0096】
造血悪性腫瘍(例えば、AML)の治療のための組成物を有する治療の有効性は、当業者によって決定され得る。しかしながら、造血悪性腫瘍の徴候もしくは症状のいずれか一つもしくはすべてが、有益な様式で変化した場合、または他の臨床的に許容される症状もしくはマーカーが、改良もしくは改善される場合、治療は、「有効な治療」とみなされる。有効性はまた、入院または医学的介入の必要性(例えば、疾患の進行が停止されるかまたは少なくとも遅延される)によって評価されるように、個体が悪化しないことによって測定され得る。これらの指標を測定する方法は、当業者に公知であり、および/または本明細書に記載される。治療は、個体または動物(いくつかの非限定的な例は、ヒトまたは哺乳類を含む)における疾患の任意の治療を含み、(1)疾患を阻害すること、例えば、症状の進行を停止もしくは遅延させること、または(2)疾患を緩和すること、例えば、症状の退縮を引き起こすこと、および(3)症状の発症の可能性を防止または低減することを含む。
【0097】
本明細書に記載される遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫のいずれかを含む、細胞の集団を含む臨床調製物もまた、本明細書において提供される。一部の実施形態では、組成物は、培地中の1ミリリットル(mL)当たり少なくとも1×10細胞の集団を含み、細胞の集団は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫を含む。一部の実施形態では、集団は、1mL当たり少なくとも2×10細胞、1mL当たり少なくとも3×10細胞、1mL当たり少なくとも4×10細胞、1mL当たり少なくとも5×10細胞、1mL当たり少なくとも6×10細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10細胞、1mL当たり少なくとも8×10細胞、または1mL当たり少なくとも9×10細胞を含む。
【0098】
一部の実施形態では、培地は、約5~150mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約10~100mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約25~75mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約30~70mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40~60mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約45mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約30mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約35mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約50mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約55mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約60mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約70mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40~50mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約40mL、41mL、42mL、43mL、44mL、45mL、46mL、47mL、48mL、49mL、または約50mLの体積を有する。一部の実施形態では、培地は、約45mLの体積を有する。
【0099】
一部の実施形態では、組成物は、培地中トータル約1×10~1×10細胞の集団を含む。一部の実施形態では、組成物は、培地中トータル約1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、または1×10細胞の集団を含む。一部の実施形態では、集団は、1mL当たり少なくとも0.5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも1×10個の細胞、1mL当たり少なくとも2×10個の細胞、1mL当たり少なくとも3×10個の細胞、1mL当たり少なくとも4×10個の細胞、1mL当たり少なくとも5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも6×10個の細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10個の細胞、1mL当たり少なくとも8×10個の細胞、または1mL当たり少なくとも9×10個の細胞を含む。一部の実施形態では、集団は、1mL当たり少なくとも0.5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも1×10個の細胞、1mL当たり少なくとも2×10個の細胞、1mL当たり少なくとも3×10個の細胞、1mL当たり少なくとも4×10個の細胞、1mL当たり少なくとも5×10個の細胞、1mL当たり少なくとも6×10個の細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10個の細胞、1mL当たり少なくとも8×10個の細胞、または1mL当たり少なくとも9×10個の細胞を含む。一部の実施形態では、細胞集団は、少なくとも1×10個の生細胞、少なくとも2×10個の生細胞、少なくとも3×10個の生細胞、少なくとも4×10個の生細胞、少なくとも5×10個の生細胞、少なくとも6×10個の生細胞、少なくとも7×10個の生細胞、少なくとも8×10個の生細胞、少なくとも9×10個の生細胞、少なくとも1×1010個の生細胞、少なくとも2×1010個の生細胞、少なくとも3×1010個の生細胞、少なくとも4×1010個の生細胞、少なくとも5×1010個の生細胞、少なくとも6×1010個の生細胞、少なくとも7×1010個の生細胞、少なくとも8×1010個の生細胞、少なくとも9×100個の生細胞、または少なくとも1×1011個の生細胞を含み、一部の実施形態では、集団の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%は、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である。
【0100】
一部の実施形態では、集団の細胞の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%は、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である。
【0101】
一部の実施形態では、培地は、抗凍結剤を含む凍結保存培地である。一部の実施形態では、培地は、抗凍結剤を含む凍結保存培地である。抗凍結剤の非限定的な例としては、セタミド、アガロース、アルギン酸塩、1-アナリン、アルブミン、酢酸アンモニウム、ブタンジオール、コンドロイチン硫酸、クロロホルム、コリン、ジエチレングリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エリトリトール、エタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、グルコース、グリセロール、a-グリセロールリン酸塩、グリセロールモノアセテート、グリシン、ヒドロキシエチルデンプン、イノシトール、ラクトース、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マルトース、マンニトール、マンノース、メタノール、メチルアセトアミド、メチルホルムアミド、メチル尿素、フェノール、プルロニックポリオール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プロリン、プロピレングリコール、ピリジンN-オキシド、リボース、セリン、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、スクロース、トレハロース、トリエチレングリコール、酢酸トリメチルアミン、尿素、バリン、およびキシロースが挙げられる。一部の実施形態では、抗凍結剤は、約10%(v/v)の量でDMSOを含む。
【0102】
一部の実施形態では、組成物は、凍結された状態にある。一部の実施形態では、組成物は、凍結保存プロセスに供されている。当業者であれば明らかであるように、凍結保存プロセスは、例えば、細胞を含む試料を低温(例えば、-80℃以下で)で冷却し、貯蔵することによって、(生存可能な)細胞を保存することを目的とした方法である。一部の実施形態では、凍結保存プロセスは、速度を制御した凍結である。
【0103】
ゲノム編集
本開示の態様は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子操作された造血細胞、またはその子孫の集団に関する。CD33をコードする遺伝子は、細胞が、CD33抗原の発現を低減するか、または除去するように、当該技術分野で公知の任意の手段によって操作されてもよい。
【0104】
標的ドメインとのgRNA相互作用に関して本明細書で使用される場合、用語「結合する」は、gRNA分子および複合体を形成する標的ドメインを指す。複合体は、二本鎖構造を形成する二つの鎖、または多鎖の複合体を形成する三つ以上の鎖を含んでもよい。結合は、Casエンドヌクレアーゼによる標的ドメインの切断などの、より広範なプロセスにおける工程を構成し得る。一部の実施形態では、gRNAは、完全相補性で標的ドメインに結合し、他の実施形態では、gRNAは、例えば、一つまたは複数のミスマッチで、部分相補性を有する標的ドメインに結合する。一部の実施形態では、gRNAが標的ドメインに結合するとき、gRNA塩基の全標的ドメインは、標的ドメインと対形成する。他の実施形態では、標的ドメインの部分のみ、および/または標的ドメイン塩基の部分のみが、他と対形成する。一実施形態では、相互作用は、標的ドメイン介在性切断現象を介在するのに十分である。
【0105】
本明細書で使用される用語である「Cas9分子」は、gRNAと相互作用し、gRNAと協調して、標的ドメインを含む部位に向かうか、または局在化することができる分子またはポリペプチドを指す。Cas9分子は、天然に存在するCas9分子、および例えば、天然に存在するCas9分子と少なくとも一つのアミノ酸残基によって異なる、操作、変更または改変されたCas9分子を含む。
【0106】
用語「gRNA」および「ガイドRNA」は、全体を通して互換的に使用され、gRNA/Cas9分子複合体の標的核酸への特異的標的化またはホーミングを促進する核酸を指す。gRNAは、本明細書ではsgRNAと称されることもある、単分子(単一のRNA分子を有する)、またはモジュール式(一つより多く、典型的には、二つの別個のRNA分子を含む)であり得る。gRNAは、宿主細胞のゲノム中の標的ドメインに結合してもよい。gRNA(例えば、その標的化ドメイン)は、標的ドメインに対して部分的または完全に相補的であってもよい。gRNAはまた、(例えば、gRNA配列の標的化ドメインによって)gRNA配列に結合された標的ドメインにCas9分子をリクルートする、「足場配列」(例えば、tracrRNA配列)を含んでもよい。足場配列は、少なくとも一つのステムループ構造を含み、エンドヌクレアーゼをリクルートしてもよい。例示的な足場配列は、例えば、Jinek,et al.Science(2012)337(6096):816-821、Ran,et al.Nature Protocols(2013)8:2281-2308、PCT公開第WO2014/093694号、及びPCT公開第WO2013/176772号において見ることができる。
【0107】
用語「変異」は、参照配列、例えば、対応する野生型核酸と比較して、核酸の遺伝子変化(例えば、挿入、欠失、または置換)を指すために本明細書において使用される。一部の実施形態では、遺伝子に対する変異は、遺伝子によって産生されるタンパク質を脱標的化する。一部の実施形態では、脱標的化されたCD33タンパク質は、CD33を標的とする薬剤によって結合されず、またはより低いレベルで結合される。
【0108】
gRNAの「標的ドメイン」は、標的核酸上の「標的ドメイン」に対して相補的である。gRNAのコアドメインに相補的なヌクレオチド配列を含む標的核酸の鎖は、本明細書において標的核酸の「相補鎖」と称される。標的ドメインの選択に関するガイダンスは、例えば、Fu Y et al,Nat Biotechnol(2014)32:279-284(doi:10.1038/nbt.2808)and Sternberg SH et al.,Nature(2014)507(7490):62-7(doi:10.1038/naturel3011)に見出すことができる。
【0109】
ヌクレアーゼ
一部の実施形態では、本明細書に記載される細胞(例えば、HSCまたはHPC)は、本明細書に記載されるヌクレアーゼを使用して作製される。例示的なヌクレアーゼとしては、Cas分子(例えば、Cas9またはCas12a)、TALEN、ZFN、およびメガヌクレアーゼが挙げられる。一部の実施形態では、ヌクレアーゼは、本明細書に記載されるCD33 gRNAと組み合わせて使用される(例えば、表3に従う)。
【0110】
Cas9分子
一部の実施形態では、本明細書に記載されるCD33 gRNAは、Cas9分子と複合体化される。様々なCas9分子が使用され得る。一部の実施形態では、CD33中の標的ドメインに対してgRNA/Cas9分子複合体を標的とする所望のPAM特異性を有するCas9分子が選択される。一部の実施形態では、細胞を遺伝子操作することは、一つまたは複数(例えば、1、2、3つ以上)のCas9分子を細胞に導入することを含む。
【0111】
様々な種のCas9分子を、本明細書に記載される方法および組成物に使用することができる。一実施形態では、Cas9分子は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(SpCas9)、黄色ブドウ球菌(SaCas9)またはストレプトコッカス・サーモフィラスのものであるか、または由来する。追加の好適なCas9分子としては、黄色ブドウ球菌、Neisseria meningitidis(NmCas9)、Acidovorax avenae、Actinobacillus pleuropneumoniae、Actinobacillus succinogenes、Actinobacillus suis、Actinomyces属、Cycliphilus denitrificans、Aminomonas paucivorans、Bacillus cereus、Bacillus smithii、Bacillus thuringiensis、Bacteroides属、Blastopirellula marina、Bradyrhizobium属、Brevibacillus laterosporus、Campylobacter coli、Campylobacter jejuni(CjCas9)、Campylobacter lari、Candidatus puniceispirillum、Clostridium cellulolyticum、Clostridium perfringens、Corynebacterium accolens、Corynebacterium diphtheria、Corynebacterium matruchotii、Dinoroseobacter shibae、Eubacterium dolichum、gamma proteobacterium、Gluconacetobacter diazotrophicus、Haemophilus parainfluenzae、Haemophilus sputorum、Helicobacter canadensis、Helicobacter cinaedi、Helicobacter mustelae、Ilyobacter polytropus、Kingella kingae、Lactobacillus crispatus、Listeria ivanovii、Listeria monocytogenes、Listeriaceae bacterium、Methylocystis属、Methylosinus trichosporium、Mobiluncus mulieris、Neisseria bacilliformis、Neisseria cinerea、Neisseria flavescens、Neisseria lactamica、Neisseria属、Neisseria wadsworthii、Nitrosomonas属、Parvibaculum lavamentivorans、Pasteurella multocida、Phascolarctobacterium succinatutens、Ralstonia syzygii、Rhodopseudomonas palustris、Rhodovulum属、Simonsiella muelleri、Sphingomonas属、Sporolactobacillus vineae、Staphylococcus lugdunensis、Streptococcus属、Subdoligranulum属、Tistrella mobilis、Treponema属、若しくはVerminephrobacter eiseniaeのもの、又はそれらに由来するものが含まれる。
【0112】
一部の実施形態では、Cas9分子は、天然に存在するCas9分子である。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、例えば、少なくとも一つのアミノ酸残基だけ、参照配列、例えば、最も類似する天然に存在するCas9分子、又は参照によりその全体で本明細書に組み込まれるPCT公開WO2015/157070号の表50の配列と異なる、操作、改変、又は修飾されたCas9分子である。
【0113】
天然に存在するCas9分子は、典型的には、二つのローブ:認識(REC)ローブ及びヌクレアーゼ(NUC)ローブを含み、その各々は、例えば、PCT公開第WO2015/157070号、例えば、その中の図9A~9B(その出願が参照によりその全体で本明細書に組み込まれる)に記載されるドメインを更に含む。
【0114】
RECローブは、アルギニン豊富ブリッジヘリックス(BH)、REC1ドメイン、及びREC2ドメインを含む。RECローブは、Cas9特異的機能ドメインであると考えられる。BHドメインは、長いアルファヘリックス及びアルギニン豊富領域であり、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸60~93を含む。REC1ドメインは、例えば、gRNA又はtracrRNAの反復:抗反復二本鎖の認識に関与する。REC1ドメインは、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸94~179及び308~717に二つのREC1モチーフを含む。これら二つのREC1ドメインは、線形一次構造ではREC2ドメインによって分離されているが、三次構造に集合し、REC1ドメインを形成する。REC2ドメイン又はその一部はまた、反復:抗反復二本鎖の認識において役割を果たし得る。REC2ドメインは、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸180~307を含む。
【0115】
NUCローブは、RuvCドメイン(本明細書ではRuvC様ドメインとも称される)、HNHドメイン(本明細書ではHNH様ドメインとも称される)、及びPAM相互作用(PI)ドメインを含む。RuvCドメインは、レトロウイルスインテグラーゼスーパーファミリーメンバーと構造的類似性を共有し、一本鎖、例えば、標的核酸分子の非相補鎖を切断する。RuvCドメインは、それぞれ、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸1~59、718~769、及び909~1098において、三つの分割RuvCモチーフ(当技術分野ではしばしば、RuvCIドメイン、又はN末端RuvCドメイン、RuvCIIドメイン、及びRuvCIIIドメインと一般的に称される、RuvC I、RuvCII、及びRuvCIII)から組み立てられる。REC1ドメインと同様に、三つのRuvCモチーフは、一次構造内の他のドメインによって直線的に分離されるが、三次構造では、三つのRuvCモチーフは、集合してRuvCドメインを形成する。HNHドメインは、HNHエンドヌクレアーゼと構造的類似性を共有し、一本鎖、例えば、標的核酸分子の相補鎖を切断する。HNHドメインは、RuvC II-IIIモチーフの間に存在し、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸775~908を含む。PIドメインは、標的核酸分子のPAMと相互作用し、S.pyogenes Cas9の配列のアミノ酸1099~1368を含む。
【0116】
結晶構造が、天然に存在する細菌Cas9分子(例えば、Jinek et al.,Science,(2014)343(6176):1247997を参照)、及びガイドRNA(例えば、crRNA及びtracrRNAの合成融合)を有するS.pyogenes Cas9(Nishimasu et al.,Cell(2014)156:935-949、及びAnders et al.,Nature(2014)doi:10.1038/naturel3579を参照)について決定されている。
【0117】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるCas9分子は、ヌクレアーゼ活性、例えば、二本鎖切断活性を有する。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、エンドヌクレアーゼの触媒残基のうちの一つを不活化するように修飾されている。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、ニッカーゼであり、一本鎖切断を生じる。例えば、Dabrowska et al.Frontiers in Neuroscience(2018)12(75)を参照されたい。酵素のRuvC及びHNH触媒ドメイン内の一つ以上の変異が、Cas9効率を改善し得ることが示されている。例えば、Sarai et al.Currently Pharma.Biotechnol.(2017)18(13)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、第二のドメイン、例えば、DNA又はクロマチンを修飾するドメイン、例えば、デアミナーゼ又はデメチラーゼドメインに融合される。いくつかのそのような実施形態では、Cas9分子は、そのエンドヌクレアーゼ活性を排除するように修飾される。
【0118】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCas9分子は、相同誘導型修復(HDR)のためのテンプレートとともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCas9分子は、HDRテンプレートなしで投与される。
【0119】
いくつかの実施形態では、酵素の特異性を強化する(例えば、標的外効果を低減し、堅調な標的上切断を維持する)ように修飾される、Cas9分子が使用される。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、強化特異性Cas9バリアント(例えば、eSPCas9)である。例えば、Slaymaker et al.Science(2016)351(6268):84-88を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、高忠実度Cas9バリアント(例えば、SpCas9-HF1)である。例えば、Kleinstiver et al.Nature(2016)529:490-495を参照されたい。
【0120】
様々なCas9分子が、当技術分野で公知であり、様々な供給源から入手され、酵素の一つ以上の活性又は特異性を調節するように操作/修飾され得る。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、一つ以上のPAM配列を認識するように操作/修飾されている。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、Cas9分子が操作/修飾を伴わずに認識するPAM配列とは異なる一つ以上のPAM配列を認識するように操作/修飾されている。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、酵素の標的外活性を低減するように操作/修飾されている。
【0121】
いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼ活性の特異性を改変する(例えば、標的外切断を低減し、細胞内のエンドヌクレアーゼ活性又は存続期間を減少させ、相同誘導型組換えを増加させ、非相同末端結合を低減する)ように更に修飾される、Cas9分子をコードするヌクレオチド配列がさらに改変される。例えば、Komor et al.Cell(2017)168:20-36を参照されたい。一部の実施形態では、Cas9分子をコードするヌクレオチド配列は、エンドヌクレアーゼのPAM認識を変えるように改変される。例えば、Cas9分子SpCas9は、PAM配列NGGを認識し、一方、エンドヌクレアーゼ(例えば、VQR SpCas9、EQR SpCas9、VRER SpCas9)の一つまたは複数の修飾を含むSpCas9の不完全バリアントは、PAM配列NGA、NGAG、NGCGを認識し得る。改変されたCas9分子のPAM認識は、Cas9分子が、改変されていないCas9分子と比較して、より多くの潜在的なPAM配列を認識する場合、「不完全」とみなされる。例えば、Cas9分子SaCas9は、PAM配列NNGRRTを認識する一方で、一つ以上の修飾を含むSaCas9の不完全なバリアント(例えば、KKH SaCas9)は、PAM配列NNNRRTを認識し得る。一例は、Cas9分子FnCas9は、PAM配列NNGを認識する一方で、エンドヌクレアーゼの一つまたは複数の改変を含むFnCas9の不完全なバリアント(例えば、RHA FnCas9)は、PAM配列YGを認識し得る。一例は、Cas9分子は、置換変異S542R及びK607Rを含むCpf1エンドヌクレアーゼであり、PAM配列TYCVを認識する。一例は、Cas9分子は、置換変異S542R、K607R、およびN552Rを含むCpf1エンドヌクレアーゼであり、PAM配列TATVを認識する。例えば、Gao et al.Nat.Biotechnol.(2017)35(8):789-792を参照されたい。
【0122】
いくつかの実施形態では、一つより多く(例えば、2つ、3つ、又はそれ以上)のCas分子、例えば、Cas9分子が使用される。いくつかの実施形態では、Cas9分子のうちの少なくとも一つは、Cas9酵素である。いくつかの実施形態では、Cas分子のうちの少なくとも一つは、Cpf1酵素である。いくつかの実施形態では、Cas9分子のうちの少なくとも一つは、Streptococcus pyogenesに由来する。いくつかの実施形態では、Cas9分子のうちの少なくとも一つは、Streptococcus pyogenesに由来し、少なくとも一つのCas9分子は、Streptococcus pyogenesではない生物に由来する。
【0123】
一部の実施形態では、Cas9分子は、塩基エディタである。塩基エディタエンドヌクレアーゼは、概して、機能ドメインに融合された触媒的に不活性なCas9分子を含む。例えば、Eid et al.Biochem.J.(2018)475(11):1955-1964、Rees et al.Nature Reviews Genetics(2018)19:770-788を参照されたい。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCas9分子は、dCas9である。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCas9分子(dCas9)は、一つ以上のウラシルグリコシラーゼ阻害剤(UGI)ドメインに融合される。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、アデニン塩基エディタ(ABE)、例えば、RNAアデニンデアミナーゼTadAから進化したABEに融合されたdCas9を含む。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、シチジンデアミナーゼ酵素(例えば、APOBECデアミナーゼ、pmCDA1、活性化誘発性シチジンデアミナーゼ(AID))に融合されたdCas9を含む。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCas9分子は、低減した活性を有し、nCas9である。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、一つ以上のウラシルグリコシラーゼ阻害剤(UGI)ドメインに融合されたnCas9を含む。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、アデニン塩基エディタ(ABE)、例えば、RNAアデニンデアミナーゼTadAから進化したABEに融合されたnCas9を含む。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、シチジンデアミナーゼ酵素(例えば、APOBECデアミナーゼ、pmCDA1、活性化誘発性シチジンデアミナーゼ(AID))に融合されたnCas9を含む。
【0124】
塩基エディタの例としては、限定されるものではないが、BE1、BE2、BE3、HF-BE3、BE4、BE4max、BE4-Gam、YE1-BE3、EE-BE3、YE2-BE3、YEE-CE3、VQR-BE3、VRER-BE3、SaBE3、SaBE4、SaBE4-Gam、Sa(KKH)-BE3、Target-AID、Target-AID-NG、xBE3、eA3A-BE3、BE-PLUS、TAM、CRISPR-X、ABE7.9、ABE7.10、ABE7.10*、xABE、ABESa、VQR-ABE、VRER-ABE、Sa(KKH)-ABE、及びCRISPR-SKIPが挙げられる。塩基エディタの追加の例は、例えば、参照によりそれらの全体で本明細書に組み込まれる、米国公開第2018/0312825A1号、米国公開第2018/0312828A1号、及びPCT公開第2018/165629A1号で見出すことができる。
【0125】
一部の実施形態では、塩基エディタは、標的部位での塩基除去修復を阻害し、細胞ミスマッチ修復を誘導するようさらに改変されている。本明細書に記載されるCas9分子のいずれかは、Gamドメイン(バクテリオファージMuタンパク質)に融合されて、分解およびエクソヌクレアーゼ活性からCas9分子を保護することができる。例えば、Eid et al.Biochem.J.(2018)475(11):1955-1964を参照されたい。
【0126】
一部の実施形態では、Cas9分子は、Casエンドヌクレアーゼのクラス2V型に属する。クラス2のV型Casエンドヌクレアーゼは、V-A型、V-B型、V-C型、及びV-U型として更に分類することができる。例えば、Stella et al.Nature Structural & Molecular Biology(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas分子は、Cpf1ヌクレアーゼなどのV-A型Casエンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、C2c1エンドヌクレアーゼなどのV-B型Casエンドヌクレアーゼである。例えば、Shmakov et al.Mol Cell(2015)60:385-397を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas分子は、Mad7(商標)(Inscripta)である。あるいは、または加えて、Cas9分子は、Cpf1ヌクレアーゼまたはそのバリアントである。当業者によって理解されるように、Cpf1ヌクレアーゼはまた、Cas12aと呼んでもよい。例えば、Strohkendl et al.Mol.Cell(2018)71:1-9を参照されたい。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、プレボテラ属もしくはフランシセラ属、アシダミノコッカス属(AsCpf1)、ラクノスピラ細菌(LpCpf1)、またはユウバクテリウム・レクターレに由来するCpf1ヌクレアーゼを含むか、または宿主細胞は、それを発現する。一部の実施形態では、Cpf1ヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列は、宿主細胞における発現に最適化されたコドンであってもよい。一部の実施形態では、Cpf1エンドヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列は、タンパク質の活性を変化させるためにさらに改変される。
【0127】
一部の実施形態では、Cas分子(例えば、Cas9またはCas12a)の触媒的に不活性なバリアントは、本明細書に記載される方法に従って使用される。Cpf1(Cas12a)の触媒的に不活性なバリアントは、dCas12aと呼ばれてもよい。本明細書に記載されるように、Cpf1の触媒的に不活性なバリアントは、機能ドメインに融合されて、塩基エディタを形成してもよい。例えば、Rees et al.Nature Reviews Genetics(2018)19:770-788を参照されたい。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCas9分子は、dCas9である。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、一つ以上のウラシルグリコシラーゼ阻害剤(UGI)ドメインに融合されたdCas12aを含む。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、アデニン塩基エディタ(ABE)、例えば、RNAアデニンデアミナーゼTadAから進化したABEに融合されたdCas12aを含む。いくつかの実施形態では、Cas分子は、シチジンデアミナーゼ酵素(例えば、APOBECデアミナーゼ、pmCDA1、活性化誘発性シチジンデアミナーゼ(AID))に融合されたdCas12aを含む。
【0128】
あるいは、または加えて、Cas9分子は、Cas14エンドヌクレアーゼまたはそのバリアントである。Cas14エンドヌクレアーゼは、古細菌に由来し、サイズが小さい傾向がある(例えば、400~700アミノ酸)。さらに、Cas14エンドヌクレアーゼは、PAM配列を必要としない。例えば、Harrington et al.Science(2018)362(6416)を参照されたい。
【0129】
本明細書に記載されるCas9分子のいずれかは、所望の時点で、Cas9分子の発現および/または活性のレベルを制御するように調節されてもよい。例えば、細胞周期の特定相(複数可)の間にCas9分子の発現および/または活性のレベルを増加させることが有利であり得る。細胞周期のG1相の間に相同性指定修復のレベルが低減されることが実証されており、従って、S相、G2相、および/またはM相の間のCas9分子の発現および/または活性のレベルの増加は、Casエンドヌクレアーゼ編集後の相同性指定修復を増加させ得る。一部の実施形態では、Cas9分子の発現および/または活性のレベルは、細胞周期のS期、G2期、および/またはM期の間に増加する。一例では、Cas9分子は、ヒトゲミニンのN末端領域に融合されている。例えば、Gutschner et al.Cell Rep.(2016)14(6):1555-1566を参照されたい。一部の実施形態では、Cas9分子の発現および/または活性のレベルは、細胞周期のG1期の間に低減する。一例では、Cas9分子は、G1期の間に活性が低下するように改変される。例えば、Lomova et al.Stem Cells(2018)37(2):284-294を参照されたい。
【0130】
あるいは、または追加で、本明細書に記載されるCas9分子のいずれかは、エピジェネティック修飾剤(例えば、クロマチン修飾酵素、例えば、DNAメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ)に融合されてもよい。例えば、Kungulovski et al.Trends Genet.(2016)32(2):101-113を参照されたい。エピジェネ修飾剤に融合されたCas9分子は、「エピエフェクター」と呼ばれ、一時的および/または一時的なエンドヌクレアーゼ活性を可能にし得る。一部の実施形態では、Cas9分子は、クロマチン修飾酵素に融合されたdCas9である。
【0131】
ジンクフィンガーヌクレアーゼ
一部の実施形態では、本明細書に記載される細胞または細胞集団は、亜鉛フィンガー(ZFN)テクノロジーを使用して産生される。一部の実施形態では、ZFNは、本明細書、例えば、表1に記載される標的ドメインを認識する。一般に、亜鉛フィンガー媒介ゲノム編集は、ジンクフィンガーヌクレアーゼの使用を伴い、典型的には、亜鉛フィンガーDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼドメインを含む。亜鉛フィンガー結合ドメインは、対象の任意の標的ドメインを認識し、結合するように操作されてもよく、例えば、約3ヌクレオチド~約21ヌクレオチド長、または約8~約19ヌクレオチド長の範囲のDNA配列を認識するよう設計されてもよい。亜鉛フィンガー結合ドメインは、典型的には、少なくとも三つの亜鉛フィンガー認識領域(例えば、亜鉛フィンガー)を含む。
【0132】
(認識部位での)DNAへの配列特異的結合および結合部位またはその近傍でのDNAの切断が可能な制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は、当該技術分野で公知であり、ゲノム編集で使用するためのZFNを形成するために使用され得る。例えば、IIS型制限エンドヌクレアーゼは、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを有する。一例では、DNA切断ドメインは、FokIエンドヌクレアーゼから誘導されてもよい。
【0133】
TALEN
一部の実施形態では、本明細書に記載される細胞または細胞集団は、TALENテクノロジーを使用して産生される。一部の実施形態では、TALENは、本明細書、例えば、表1に記載される標的ドメインを認識する。一般に、TALENは、所望の標的DNA分子に特異的に結合し、切断することができる操作された制限酵素である。TALENは、典型的には、DNA切断ドメインに融合された転写活性化因子様エフェクター(TALE)DNA結合ドメインを含有する。DNA結合ドメインは、12位および13位に、分岐2アミノ酸RVD(反復可変ジペプチドモチーフ)を有する高度に保存された33~34アミノ酸配列を含有してもよい。RVDモチーフは、核酸配列への結合特異性を決定し、所望のDNA配列に特異的に結合するように操作することができる。一例では、DNA切断ドメインは、FokIエンドヌクレアーゼから誘導されてもよい。一部の実施形態では、FokIドメインは、適切な向き、および間隔で標的ゲノム中の部位に対して固有のDNA結合ドメインを有する二つの構築物を使用して、二量体として機能する。
【0134】
対象の標的遺伝子に特異的なTALENを細胞内で使用して、二本鎖切断(DSB)を産生することができる。修復機構が、非相同末端結合を介して破損を不適切に修復する場合、変異は、切断部位に導入され得る。例えば、不適切な修復は、フレームシフト変異を生じさせ得る。あるいは、所望の配列を有する外来DNA分子を、TALENと共に細胞に導入することができる。外来DNAの配列および染色体配列に応じて、このプロセスを使用して、欠陥を補正するか、もしくはDNA断片を対象の標的遺伝子に導入するか、またはそのような欠陥を内在遺伝子に導入し、従って、標的遺伝子の発現を減少することができる。
【0135】
本明細書において提供されるガイドRNAおよび遺伝子操作法に関連して使用するのに適したエンドヌクレアーゼおよびヌクレアーゼバリアントのいくつかの例示的な非限定的な実施形態は、上記に記載されている。追加の好適なヌクレアーゼおよびヌクレアーゼバリアントは、本開示および当該技術分野の知見に基づき、当業者に明らかであろう。本開示は、この点に関して限定されない。
【0136】
gRNA配列および配置
gRNAは、多数のドメインを含み得る。一実施形態では、一分子、sgRNA、またはキメラgRNAは、例えば、5’から3’に、標的ドメイン(CD33遺伝子中の標的核酸に対して相補的である)、第一の相補性ドメイン、連結ドメイン、第二の相補性ドメイン(第一の相補性ドメインに対して相補的である)、近位ドメイン、および任意選択的に、テールドメインを含む。これらのドメインの各々が、ここでより詳細に記載される。
【0137】
標的ドメインは、例えば、標的核酸上の標的配列に対して少なくとも80、85、90、または95%の相補性、例えば、完全な相補性であるヌクレオチド配列を含んでもよい。標的ドメインは、RNA分子の一部であり、したがって、塩基ウラシル(U)を含み、一方、gRNA分子をコードする任意のDNAは、塩基チミン(T)を含む。理論によって拘束されることを所望しないが、一実施形態では、標的ドメインの標的配列との相補性は、標的核酸とのgRNA/Cas9分子複合体の相互作用の特異性に寄与すると考えられる。標的ドメインおよび標的配列対において、標的ドメイン中のウラシル塩基は、標的配列中のアデニン塩基と対形成することが理解される。一実施形態では、標的ドメイン自体は、5’から3’方向に、任意の二次ドメイン、およびコアドメインを含む。一実施形態では、コアドメインは、標的配列と完全に相補的である。一実施形態では、標的ドメインは、長さが5~50個のヌクレオチドである。標的ドメインは、15~25ヌクレオチド長、18~22ヌクレオチド長、または19~21ヌクレオチド長であってもよい。一部の実施形態では、標的ドメインは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ドメインは、10~30、または15~25ヌクレオチド長である。
【0138】
いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、例えば、参照によりその全体で組み込まれる、PCT公開第WO2015/157070号に記載されるように、コアドメインと、二次標的化ドメインとを含む。一実施形態では、コアドメインは、標的化ドメインの3’末端から約8~約13個のヌクレオチド(例えば、標的化ドメインの最も3’位の8~13個のヌクレオチド)を含む。一実施形態では、二次ドメインは、コアドメインに対して5’に位置付けられる。多くの実施形態では、コアドメインは、標的配列の対応する領域と正確な相補性を有する。他の実施形態では、コアドメインは、標的配列の対応するヌクレオチドと相補性でない1つまたは複数のヌクレオチドを含み得る。
【0139】
第一の相補性ドメインは、第二の相補性ドメインと相補的であり、一実施形態では、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成するために第二の相補性ドメインに対して十分な相補性を有する。一実施形態では、第一の相補性ドメインは、長さが5~30個のヌクレオチドである。一実施形態では、第一の相補性ドメインは、5’から3’の方向に、5’サブドメイン、中央サブドメイン、及び3’サブドメインである、3つのサブドメインを含む。一実施形態では、5’サブドメインは、長さが4~9個、例えば、4、5、6、7、8又は9個のヌクレオチドである。一実施形態では、中央サブドメインは、長さが1個、2個、又は3個、例えば、1個のヌクレオチドである。一実施形態では、3’サブドメインは、長さが3~25個、例えば、4~22個、4~18個、又は4~10個、又は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオチドである。第一の相補性ドメインは、天然に存在する第一の相補性ドメインと相同性を共有するか、又はそれに由来し得る。一実施形態では、これは、S.pyogenes、S.aureus、又はS.thermophilusの第一の相補性ドメインと少なくとも50%の相同性を有する。
【0140】
上述のドメインの配列及び配置は、その中のページ88~112を含む、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2015/157070号により詳細に記載されている。
【0141】
結合ドメインは、単分子gRNAの第一の相補性ドメインを第二の相補性ドメインと結合する役割を果たす。結合ドメインは、第一及び第二の相補性ドメインを共有結合的又は非共有結合的に結合することができる。一実施形態では、結合は、共有結合である。一実施形態では、結合ドメインは、第一の相補性ドメインと第二の相補性ドメインとの間に介在する共有結合であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、一つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2018/126176号に開示される、少なくとも一つの非ヌクレオチド結合を含む。
【0142】
第二の相補性ドメインは、少なくとも部分的に、第一の相補性ドメインと相補的であり、一実施形態では、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成するために第二の相補性ドメインに対して十分な相補性を有する。一実施形態では、第二の相補性ドメインは、第一の相補性ドメインとの相補性を欠く配列、例えば、二本鎖領域からループを作る配列を含むことができる。一実施形態では、第二の相補性ドメインは、長さが5~27個のヌクレオチドである。一実施形態では、第二の相補性ドメインは、第一の相補性領域よりも長い。一実施形態では、相補ドメインは、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25個のヌクレオチドである。一実施形態では、第二の相補性ドメインは、5’から3’の方向に、5’サブドメイン、中央サブドメイン、及び3’サブドメインである、3つのサブドメインを含む。一実施形態では、5’サブドメインは、長さが3~25個、例えば、4~22個、4~18個、又は4~10個、又は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオチドである。一実施形態では、中央サブドメインは、長さが1個、2個、3個、4個、又は5個、例えば、3個のヌクレオチドである。一実施形態では、3’サブドメインは、長さが4~9個、例えば、4、5、6、7、8又は9個のヌクレオチドである。一実施形態では、第一の相補性ドメインの5’サブドメイン及び3’サブドメインは、それぞれ、第二の相補性ドメインの3’サブドメイン及び5’サブドメインと相補的、例えば、完全に相補的である。
【0143】
一実施形態では、近位ドメインは、長さが5~20個のヌクレオチドである。一実施形態では、近位ドメインは、天然に存在する近位ドメインと相同性を共有するか、又はそれに由来し得る。一実施形態では、これは、S.pyogenes、S.aureus、又はS.thermophilus近位ドメインと少なくとも50%の相同性を有する。
【0144】
広範囲のテールドメインが、gRNAで使用するために好適である。一実施形態では、テールドメインは、長さが0(不在)、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、テールドメインヌクレオチドは、天然に存在するテールドメインの5’末端からの配列に由来するか、又はそれと相同性を共有する。一実施形態では、テールドメインは、互いに相補的であり、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成する配列を含む。一実施形態では、テールドメインは、存在しないか、又は長さが1~50個のヌクレオチドである。一実施形態では、テールドメインは、天然に存在する近位テールドメインと相同性を共有するか、又はそれに由来し得る。一実施形態では、これは、S.pyogenes、S.aureus、又はS.thermophilusテールドメインと少なくとも50%の相同性を有する。一実施形態では、テールドメインは、3’末端に、インビトロ又はインビボ転写の方法に関連するヌクレオチドを含む。
【0145】
一部の実施形態では、モジュラーgRNAは、例えば、5’から3’に、標的ドメイン(CD33遺伝子中の標的核酸に相補的である)、および第一の相補性ドメインを含む第一の鎖、ならびに好ましくは5’から3’に、任意選択的に、5’伸長ドメイン、第二の相補性ドメイン、近位ドメイン、および任意選択的に、テールドメインを含む第二の鎖を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、gRNAは、化学的に修飾されている。例えば、gRNAは、ホスホロチオエート骨格修飾、2’-O-Me修飾糖(例えば、3’末端および5’末端の一方または両方)、2’-F修飾糖、リボース糖の二環式ヌクレオチド-cEtでの置換、3’チオPACE(MSP)、またはそれらの任意の組み合わせから選択される一つまたは複数の修飾を含んでもよい。適切なgRNA修飾は、例えば、Rahdar et al.PNAS(2015)112(51)E7110-E7117およびHendel et al.,Nat Biotechnol.2015)Sep;33(9):985-989に記載され、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、一つ以上の2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチド、例えば、少なくとも2、3、4、5、又は6個の2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、三つの末端位置及び5’末端に、並びに/又は三つの末端位置及び3’末端に、修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、例えば、参照によりそれらの全体で組み込まれる、PCT公開第WO2017/214460号、同WO2016/089433号、及び同WO2016/164356号に記載されるように、一つ以上の修飾ヌクレオチドを含み得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、化学的に修飾されている。例えば、gRNAは、一つ以上の2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端の両方に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及び3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのリン酸塩結合を含む。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのチオPACE結合を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、gRNAは、一つ以上の2’-O修飾及び3’リン修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、一つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。
【0149】
いくつかの実施形態では、gRNAは、一つ以上の2’-O修飾及び3’-リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、一つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられ、一つ以上の非架橋酸素原子が酢酸基に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。
【0150】
いくつかの実施形態では、gRNAは、化学的に修飾された骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、一つ以上の非架橋酸素原子は、硫黄原子に置き換えられている。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第三のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、gRNAは、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、一つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられ、一つ以上の非架橋酸素原子が酢酸基に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第三のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第三のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第二のヌクレオチド、5’末端からの第三のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第二のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第三のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第四のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。
【0152】
本明細書において提供されるガイドRNAおよび遺伝子操作法に関連して使用するのに適した修飾、例えば、化学修飾のいくつかの例示的な非限定的な実施形態は、上記に記載されている。追加の適切な修飾、例えば、化学修飾は、本開示ならびに非限定的に、Hendel,A.et al.,Nature Biotech.(2015)Vol 33,No.9;PCT公開第2017/214460号;第2016/089433号;および/または第2016/164356号当該技術分野の知見に基づき当業者に明らかとなり、その各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0153】
CD33を標的とするgRNA
【0154】
本開示は、エンドヌクレアーゼをヒトCD33に標的化することができる多数の有用なgRNAを提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法で使用されるgRNAは、CD33のエクソン3中の配列を標的とする。以下の表1は、本明細書に記載されるgRNAによって結合され得るヒト内因性CD33遺伝子内の標的ドメインを例証する。
【0155】
表1.ヒトCD33の例示的なCas9標的部位配列が提供され、そのような部位を標的化するために有用である例示的な標的化ドメイン配列も同様である。各標的部位について、第一の配列は、DNA標的ドメイン配列を表し、第二の配列は、その逆補体を表し、第三の配列は、それぞれの標的部位を標的とするために使用され得るgRNAの例示的な標的化ドメイン配列を表す。
【表1】
【0156】
CD33(CCDS33084.1)cDNA配列は、配列番号16として以下で提供される。エクソン3に下線を付す。
【化1】
【0157】
CD33のエクソン3は、配列番号17として以下で提供される。下線は、gRNA A、gRNA B、gRNA C、gRNA D(またはその逆補体)に対して相補的な領域を示す。gRNA A、gRNA B、およびgRNA Dの標的領域が部分的に重複していることに注意されたい。
【化2】
【0158】
二重gRNA組成物及びその使用
一部の実施形態では、本明細書に記載されるgRNA(例えば、表1のgRNA)は、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼをゲノム内の二つの部位に標的化するために、第二のgRNAと組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、細胞が、二つの薬剤:抗CD33剤及び第二の系統特異的細胞表面抗原を標的とする薬剤に耐性を示し得るように、CD33及び第二の系統特異的細胞表面抗原などが欠損している造血細胞を産生することが所望される。いくつかの実施形態では、例えば、二回の切断を行い、二つの切断部位の間に欠失を作製するために、細胞を、CD33の異なる領域を標的とする二つの異なるgRNAと接触させることが望ましい。したがって、本開示は、gRNAの様々な組み合わせを提供する。
【0159】
一部の実施形態では、本明細書に記載される二つ以上(例えば、2、3、4つ以上)のgRNAが混合される。一部の実施形態では、各gRNAは、別個の容器中にある。一部の実施形態では、本明細書に記載されるキット(例えば、表1による一つまたは複数のgRNAを含むキット)はまた、Cas9分子、またはCas9分子をコードする核酸を含む。
【0160】
一部の実施形態では、第一および第二のgRNAは、表1によるgRNAまたはそのバリアントである。
【0161】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1のgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD5、CD6、CD7、BCMA、CD19、CD20、CD30、ROR1、B7H6、B7H3、CD23、CD38、C型レクチン様分子-1、CS1、IL-5、L1-CAM、PSCA、PSMA、CD138、CD133、CD70、CD7、CD13、NKG2D、NKG2Dリガンド、CLEC12A、CD11、CD123、CD56、CD34、CD14、CD66b、CD41、CD61、CD62、CD235a、CD146、CD326、LMP2、CD22、CD52、CD10、CD3/TCR、CD79/BCR、およびCD26。
【0162】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、限定されるものではないが、CD20、CD22(非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL))、CD52(B細胞性CLL)、CD33(急性骨髄性白血病(AML))、CD10(gp100)(一般的な(B前)急性リンパ性白血病及び悪性黒色腫)、CD3/T細胞受容体(TCR)(T細胞リンパ腫及び白血病)、CD79/B細胞受容体(BCR)(B細胞リンパ腫及び白血病)、CD26(上皮及びリンパ性悪性腫瘍)、ヒト白血球抗原(HLA)-DR、HLA-DP、HLA-DQ(リンパ性悪性腫瘍)、RCAS1(婦人科がん、胆管がん、及び膵管腺がん)、並びに前立腺特異的膜抗原などの特定のタイプの癌と関連する系統特異的細胞表面抗原を標的とする。
【0163】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD5、CD6、CD7、CD13、CD19、CD22、CD20、CD25、CD30、CD32、CD38、CD44、CD45、CD47、CD56、96、CD117、CD123、CD135、CD174、CLL-1、BCMA、葉酸受容体β、IL1RAP、MUC1、NKG2D/NKG2DL、TIM-3、またはWT1。
【0164】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD1e、CD2、CD3、CD3d、CD3e、CD3g、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8a、CD8b、CD9、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD16、CD16b、CD17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32a、CD32b、CD32c、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42a、CD42b、CD42c、CD42d、CD43、CD44、CD45、CD45RA、CD45RB、CD45RC、CD45RO、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CD60a、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD63、CD64a、CD65、CD65s、CD66a、CD66b、CD66c、CD66F、CD68、CD69、CD70、CD71、CD72、CD73、CD74、CD75、CD75S、CD77、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85A、CD85C、CD85D、CD85E、CD85F、CD85G、CD85H、CD85I、CD85J、CD85K、CD86、CD87、CD88、CD89、CD90、CD91、CD92、CD93、CD94、CD95、CD96、CD97、CD98、CD99、CD99R、CD100、CD101、CD102、CD103、CD104、CD105、CD106、CD107a、CD107b、CD108、CD109、CD110、CD111、CD112、CD113、CD114、CD115、CD116、CD117、CD118、CD119、CD120a、CD120b、CD121a、CD121b、CD121a、CD121b、CD122、CD123、CD124、CD125、CD126、CD127、CD129、CD130、CD131、CD132、CD133、CD134、CD135、CD136、CD137、CD138、CD139、CD140a、CD140b、CD141、CD142、CD143、CD14、CDw145、CD146、CD147、CD148、CD150、CD152、CD152、CD153、CD154、CD155、CD156a、CD156b、CD156c、CD157、CD158b1、CD158b2、CD158d、CD158e1/e2、CD158f、CD158g、CD158h、CD158i、CD158j、CD158k、CD159a、CD159c、CD160、CD161、CD163、CD164、CD165、CD166、CD167a、CD168、CD169、CD170、CD171、CD172a、CD172b、CD172g、CD173、CD174、CD175、CD175s、CD176、CD177、CD178、CD179a、CD179b、CD180、CD181、CD182、CD183、CD184、CD185、CD186、CD191、CD192、CD193、CD194、CD195、CD196、CD197、CDw198、CDw199、CD200、CD201、CD202b、CD203c、CD204、CD205、CD206、CD207、CD208、CD209、CD210a、CDw210b、CD212、CD213a1、CD213a2、CD215、CD217、CD218a、CD218b、CD220、CD221、CD222、CD223、CD224、CD225、CD226、CD227、CD228、CD229、CD230、CD231、CD232、CD233、CD234、CD235a、CD235b、CD236、CD236R、CD238、CD239、CD240、CD241、CD242、CD243、CD244、CD245、CD246、CD247、CD248、CD249、CD252、CD253、CD254、CD256、CD257、CD258、CD261、CD262、CD263、CD264、CD265、CD266、CD267、CD268、CD269、CD270、CD272、CD272、CD273、CD274、CD275、CD276、CD277、CD278、CD279、CD280、CD281、CD282、CD283、CD284、CD286、CD288、CD289、CD290、CD292、CDw293、CD294、CD295、CD296、CD297、CD298、CD299、CD300a、CD300c、CD300e、CD301、CD302、CD303、CD304、CD305、CD306、CD307a、CD307b、CD307c、CD307d、CD307e、CD309、CD312、CD314、CD315、CD316、CD317、CD318、CD319、CD320、CD321、CD322、CD324、CD325、CD326、CD327、CD328、CD329、CD331、CD332、CD333、CD334、CD335、CD336、CD337、CD338、CD339、CD340、CD344、CD349、CD350、CD351、CD352、CD353、CD354、CD355、CD357、CD358、CD359、CD360、CD361、CD362またはCD363
【0165】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD19;CD123;CD22;CD30;CD171;CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、および19A24とも称される);C型レクチン様分子-1(CLECL1);上皮成長因子受容体バリアントIII(EGFRvIII);ガングリオシドG2(CD2);ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(1-4)bDGlep(1-1)Cer);TNF受容体ファミリーメンバーB細胞成熟(BCMA)、Tn抗原((Tn Ag)または(GalNAcα-Ser/Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1);Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;癌胎児抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットアルファ-2(IL-13Ra2またはCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体アルファ(IL-11Ra);前立腺幹細胞抗原(PSCA);タンパク質分解酵素セリン21(テスチシンまたはPRSS21);血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFR-ベータ);ステージ特異的胚抗原-4(SSEA-4);CD20;葉酸受容体アルファ;受容体チロシン-タンパク質キナーゼERBB2(Her2/neu);ムチン1、細胞表面関連(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP);インスリン様成長因子I受容体(IGF-I受容体)、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、プロテアソーム(Prosome、Macropain)サブユニット、ベータ型9(LMP2);糖タンパク質100(gp100);限界点クラスター領域(BCR)およびエーベルソンマウス白血病ウイルス癌遺伝子相同体1(Abl)(bcr-abl)からなる癌遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDGalp(1-4)bDGlcp(1-1)Cer);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量-メラノーマ関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体ベータ;腫瘍血管内皮マーカー1(TEM1/CD248);腫瘍血管内皮マーカー7関連(TEM7R);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRC5D);染色体Xオープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1);globoH糖セラミド(GloboH)のヘキササッカリド部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体;遺伝子座K9(LY6K);味覚受容体51E2(OR51E2);TCRガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);癌/精巣抗原1(NY-ESO-1);癌/精巣抗原2(LAGE-1a);メラノーマ関連抗原1(MAGE-A1)、染色体12pに位置するETS転座バリアント遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);メラノーマ癌精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマ癌精巣抗原-2(MAD-CT-2);Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53変異体;プロステイン;サバイビン;テロメラーゼ;前立腺癌腫腫瘍抗原-1(PCTA-1またはガレクチン8)、T細胞1によって認識されるメラノーマ抗原(MelanAまたはMART1);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座限界点;アポトーシスのメラノーマインヒビター(ML-1AP);ERG(膜貫通型タンパク質分解酵素、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニル-トランスフェラーゼV(NA17);対形成ボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンB1;v-mycトリ骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子ニューロブラストーマ由来相同体(MYCN);Ras相同体ファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);チトクロムP450 1B1(CYP1B1);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(インプリント部位の制御因子のBORISまたは同類)、T細胞3によって認識される扁平上皮癌抗原(SART3);対形成ボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES1);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、X限界点2(SSX2);終末糖化産物の受容体(RAGE-1);腎ユビキタス1(RU1);腎ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6);ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7);腸カルボキシエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1);IgA受容体のFc断片(FCARまたはCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)を含有するEGF様モジュール、リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);ならびに免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)
【0166】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD11a、CD18、CD19、CD20、CD31、CD34、CD44、CD45、CD47、CD51、CD58、CD59、CD63、CD97、CD99、CD100、CD102、CD123、CD127、CD133、CD135、CD157、CD172b、CD217、CD300a、CD305、CD317、CD321、およびCLL1。
【0167】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD123、CLL1、CD38、CD135(FLT3)、CD56(NCAM1)、CD117(c-KIT)、FRβ(FOLR2)、CD47、CD82、TNFRSF1B(CD120B)、CD191、CD96、PTPRJ(CD148)、CD70、LILRB2(CD85D)、CD25(IL2Ralpha)、CD44、CD96、NKG2Dリガンド、CD45、CD7、CD15、CD19、CD20、CD22、CD37、およびCD82。
【0168】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、以下から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする:CD7、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD25、CD31、CD34、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD56、CD58、CD59、CD63、CD70、CD82、CD85D、CD96、CD97、CD99、CD100、CD102、CD117、CD120B、CD123、CD127、CD133、CD135、CD148、CD157、CD172b、CD191、CD217、CD300a、CD305、CD317、CD321、CLL1、FRβ(FOLR2)、またはNKG2Dリガンド。
【0169】
いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、CLL-1を標的とする。いくつかの実施形態では、第一のgRNAは、本明細書に記載されるCD33 gRNA(例えば、表1によるgRNA又はそのバリアント)であり、第二のgRNAは、CD123を標的とする。
【表2】
【0170】
本明細書に開示される技術の実施形態、利点、特徴、及び使用のうちのいくつかが、以下の実施例からより完全に理解されるであろう。実施例は、本開示の利益のうちのいくつかを例証し、かつ特定の実施形態を説明することを意図しているが、本開示の全範囲を例示することを意図しておらず、したがって、本開示の範囲を限定しない。
【実施例
【0171】
実施例1.CD33をコードする改変遺伝子を含む遺伝子操作された造血細胞の生成
表1に示すCas9 sgRNAを、標的領域への近接したSpCas9 PAM(5′-NGG-3′)に基づき設計し、オンライン検索アルゴリズム(例えば、Benchlingアルゴリズム、Doench et al 2016、Hsu et al 2013)を用いてヒトゲノム内の潜在的な標的外部位を最小限化することによって、予測した特異性に従って評価した。
【0172】
Cas9 sgRNAを、以下で提供するgRNA標的ドメインおよびCas9 sgRNAスキャホールド配列を使用して合成する
5’-GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAAC
UUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUU-3’(配列番号18)。
【0173】
例えば、sgRNA Aのヌクレオチド配列は、
【数1】
(配列番号19、標的化ドメイン配列は太字)。
【0174】
例えば、sgRNA Bのヌクレオチド配列は、
【数2】
(配列番号20、標的化ドメインは太字)。
【0175】
例えば、sgRNA Cのヌクレオチド配列は、
【数3】
(配列番号21、標的化ドメインは太字)。
【0176】
例えば、sgRNA Dのヌクレオチド配列は、
【数4】
(配列番号22、標的化ドメインは太字)。
【0177】
例えば、sgRNA Eのヌクレオチド配列は、
【数5】
(配列番号23、標的化ドメインは太字)。
【0178】
全ての設計された合成sgRNAを、5’及び3’末端の両方における三つの末端位置で、化学的に修飾されたヌクレオチドを用いて生産した。修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエート(「ms」と省略される)を含み、ms-sgRNAをHPLC精製する。Cas9タンパク質を、Synthegoから購入する。
【0179】
例えば、修飾ヌクレオチドを示すsgRNA Aのヌクレオチド配列は、
【数6】
(配列番号24、標的化ドメインは太字)。
【0180】
例えば、修飾ヌクレオチドを示すsgRNA Eのヌクレオチド配列は、
【数7】
(配列番号25、標的化ドメインは太字)。
【0181】
末梢血単核細胞を、造血幹細胞の動員後のアフェレーシスによって、健康なドナー対象から収集する。ドナーCD34+細胞を、Cas9タンパク質および例えば、表1および3に提供する標的化ドメイン配列を有する、本明細書に開示する示したCD33標的化Cas9gRNA、例えば、gRNA A、gRNA、B、gRNA C、gRNA D、またはgRNA Eでエレクトロポレーションする。
【表3】
【0182】
編集した細胞を、48時間未満培養する。採取後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。
【0183】
編集したHSCの代表的な試料を、抗CD33抗体(例えば、P67.7)を使用してCD33について染色し、フローサイトメトリーによって分析して、CD33の生存率および発現、またはその不在について評価する。電気穿孔の48時間後に、少なくとも70%の細胞生存率および少なくとも45%のCD33編集効率(すなわち、細胞集団内の細胞の少なくとも45%におけるCD33発現の不在)を示す編集したCD33KO eHSPC集団を、HCTに使用する。
【0184】
実施例2:CD33KO eHSPCおよびCD33標的化ADC(Mylotarg)を用いた併用治療
CD33は、正常な骨髄細胞、ならびに多くの白血病性骨髄芽球で発現する膜貫通型受容体である(例えば、Larson et al.Cancer(2005)104(7):1442-1452;Kenderian et al.Leukemia(2015)29(8):1637-47;Wang et al.Mol.Ther.(2015)23(1):184-91;Pollard et al.J.Clin.Oncol.(2016)34(7:747-55)。CD33の発現を低減または除去するように遺伝子操作されている造血幹細胞(「CD33KO eHSC」または「CD33KO eHSPC」)は、CD33指向療法に関連すると報告されているオンターゲット、オフ癌細胞障害に感受性がないため、CD33指向療法の安全性および有効性を改善する可能性を有し、従って、最適な用量およびスケジュール、例えば、治療の遅延または用量最適化なく、CD33指向療法の投与を可能にする。
【0185】
本明細書に提供する治療レジメンは、急性骨髄性白血病、またはその前悪性段階、例えば、骨髄異形成症候群を有する対象に関する。現在、CD33指向療法は、正常な骨髄系細胞を対象とするオンターゲット細胞傷害によって制限されている。本明細書に提供するアプローチは、CD33標的化療法が認識するCD33エピトープの発現を欠く遺伝子操作したHSPCを投与することによって、このオンターゲット毒性を除去する。その後、正常な骨髄区画を、CD33標的化療法のオンターゲット効果から保護し、これらの薬剤に対する治療指数の改善、およびAMLを有する対象にとって可能性のある良好な予後をもたらす。
【0186】
本実施例は、CD33の発現を欠く、同種または自己CRISPR/Cas9ゲノム編集CD33KO eHSPCを使用した治療レジメンを提供する。同種eHSPCを、レシピエントとHLAが一致した健康なドナー、すなわち、CD33KO eHSPCを受けている対象から得たCD34陽性(CD34+)濃縮幹細胞を処理することによって得る。自家eHSPCを、治療している同じ対象から得たCD34陽性(CD34+)濃縮幹細胞を処理することによって得、すなわち、HSPCドナーとCD33KO eHSPCを受けている対象は同じである。CD33KO eHSPCを、造血細胞移植(HCT)の一部としてコンディショニングレジメンを受けた後のレシピエント対象に注入する。
【0187】
ゲムツズマブオゾガマイシン
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)は、新たに診断したAMLを有するCD33陽性(CD33+)成人対象、ならびに生後1ヶ月以上の再発または難治性AML(R/R AML)を有する対象を治療するための、米国食品医薬品局(FDA)が承認したCD33指向抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。
【0188】
AMLを有する再発または難治性対象の場合、現在、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が、唯一の、米国FDAが承認したCD33指向療法である。Mylotarg(登録商標)の米国処方情報(Mylotarg 2020)の「処方情報のハイライト」ならびに承認の概要に関する米国FDA刊行物において提供されてる分析は、用量2mg/m(Norsworthy 2018)で、入手可能なCD33が、AMLを有する対象において飽和していることを示唆する。さらに、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)投与に関連する重度かつ時に致死的な毒性である、正弦波閉塞症候群/静脈閉塞性疾患(SOS/VOD)のリスクは、低用量で大幅に低減する。この潜在的により大きな安全性限界は、対象が、SOS/VODのリスクがより高いことが知られている、HCT後の設定での用量の低減を支持する。現在のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)米国FDA承認製品ラベルでは、最大8サイクルの間、4週間毎に1日目に投与した2mg/mの「継続」用量およびスケジュールを、疾患の進行の証拠のないAMLを有する対象について挙げる。
【0189】
本明細書において提供する臨床治療レジメンでは、同様の「継続」用量およびスケジュールを、それらのHCTの一部としてCD33KO eHSPCを受け取った対象において、HCTのほぼ60日後に使用する。これは、早期の白血病の再発を抑制するための、HCT後の設定でのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与における安全性の可能性のあるより大きな限界をもたらし、これにより、対象がより強固な免疫学的再構成を受けることができ、それによって、より長期の「移植片対白血病」効果をもたらすという論拠がある。
【0190】
対象
本明細書において提供する、CD33KO eHSPCおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を含む幹細胞移植を用いて、AMLまたはその前悪性形態を有する対象を治療するための臨床レジメンは、CD33の発現によって特徴付けられるAML、または例えば、CD33の発現によって特徴付けられる、AMLの前悪性形態、例えばMDSを有するか、または診断された対象を治療するのに有用である。これは、AML療法を受けなかった対象;例えば、誘導療法を含む、いくつかの形態のAML療法を受けた対象;AML療法に応答して完全な血液学的寛解(末梢計数[CRi]の不完全な回復を伴う完全寛解を含む、CR1またはCR2)を経験した対象;および例えば、骨髄芽球数≦10%を有し、循環芽球の臨床的証拠のない対象を含む、残存疾患を有する対象を含む、残存疾患または進行性疾患を有する対象を含む。本明細書に提供されるレジメンはまた、例えば、MDSからAMLへの進行のリスクが高い対象を含む、CD33の発現によって特徴付けられる骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象を治療するのに有用である。
【0191】
本明細書において提供するレジメンとして、CD33KO eHSPCおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を含む造血幹細胞移植を含む、AML、またはその前悪性腫瘍を有する対象を治療するための臨床レジメンは、以下の有害なリスク特性:1)HCTの時点でMRD+の証拠を有するプレゼンテーションおよび骨髄での中または高いリスクの疾患に関連遺伝的性質;または2)HCTの時点で骨髄のみの白血病芽球(≦10%)の持続(プレゼンテーションでの任意のリスクカテゴリーの疾患に関連する遺伝的性質を有する)のうちの一つまたは複数を示す対象を治療するのにさらに有用である。
【0192】
HCT前コンディショニング
典型的には、本明細書の実施例の一部で提供するように、例えば、HLA一致同種HCTを含む、CD33KO eHSPCを含む造血幹細胞移植を含む、臨床治療レジメンは、完全なコンディショニングレジメンを含む。コンディショニングレジメンは、例えば、ブスルファン/メルファラン/フルダラビン/ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG);または全身照射/シクロホスファミド/チオテパ/rATGを含んでもよい。適切なコンディショニングレジメンを、対象の健康および既往歴を考慮して、臨床ガイドラインに従って所与の対象に対して選択する。
【0193】
臨床モニタリング
本明細書に提供する、CD33KO eHSPCおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を含む造血幹細胞移植を含む臨床レジメンを受けている対象を、治療レジメンの過程中、ならびに示し得る任意のコンディショニングまたは導入レジメン中、治療に関連する副作用についてモニターし、治療中および/または治療レジメンの完了後に、疾患状態ならびにHCT移植片および造血系の状態について評価する。
【0194】
実施例3:gRNA AおよびCD33標的化ADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したCD33KO eHSPCを用いたAMLを有する対象の治療
CD33陽性AMLを有する対象を、CD33KO eHSPCを含む同種HCTおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で治療する。
【0195】
HCTについては、CD34+造血幹細胞を含む細胞の集団を、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)で対象とHLAが一致している健康ドナーから得る。
【0196】
G-CSF/プレリキサホル動員後、処理および続くレシピエント対象への投与のため、ドナーから少なくとも10×10個の生細胞/kg(kgは、レシピエント対象の体重を指す)を得るために、最大二回のアフェレーシス手順を行う。このアフェレーシス産物から、少なくとも3.0×10の生細胞/kg(レシピエント重量)は、最小限の操作を受け、例えば、レスキュー用量として使用するために、バックアップ幹細胞源として役立つように凍結保存される。残りのアフェレーシス産物を、HCT用のCD33KO eHSPC集団の処理および調製に使用する。HCT用のCD33KO eHSPC集団を、CD34+細胞のためのアフェレーシス産物を濃縮し、続いてヌクレオチド配列
【数8】
(配列番号19、標的ドメイン配列は太字、 実施例1に記載した化学修飾)を含むCas9 sgRNAを使用して、実施例1に記載した通り、CD33 gRNA/Cas9複合体でエレクトロポレーションおよび編集することによって調製する。
【0197】
編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。細胞生存率および編集効率を、実施例1に記載した通り、代表的な試料を使用して確認し、実施例1に記載した基準を満たすCD33KO eHSPC集団(少なくとも70%の生存率および少なくとも45%のCD33編集効率)をHCTに使用する。対象への投与のための集団は、少なくとも3×10細胞/レシピエント対象の体重kgのこれらの生存率および編集効率基準を満たすCD33KO eHSPC集団を含み、好ましくは、少なくとも4×10細胞/レシピエント対象の体重kg、5×10細胞/レシピエント対象の体重kg、6×10細胞/レシピエント対象の体重kg、または7×10細胞/レシピエント対象の体重kgを含む。
【0198】
コンディショニングレジメンの完了後、対象は、解凍したCD33KO eHSPCを含むHCTを、静脈内(IV)注入を介して受ける。HCTの日は、治療レジメンの0日目である。
【0199】
対象を、対象におけるCD33KO(CD33-)好中球の絶対末梢好中球数(ANC)を測定することによって、28日目にCD33KO eHSPC生着について評価する。対象が、CD33KO eHSPC HCTの28日後、≧1000/dL CD33- ANCの絶対末梢CD33KO好中球カウントを示す場合、対象は、好中球回復(良好なCD33KO好中球生着とも称される)を示すとみなされる。
【0200】
対象が、28日目に好中球の回復を示す場合、疾患状態および造血系回復を評価するために、60日目に対象から骨髄生検を得る。さらに、ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、この時点で末梢血から決定する。対象が、60日目に良好なCD33- HSC生着およびCD33-造血を示す場合、対象に、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。CD33-ANCを、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、対象においてモニターし、対象は、好ましくは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受ける前に、≧1000/dL CD33-ANCを有するべきである。
【0201】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与を、好ましくは、60日目での骨髄生検の30日以内に開始し、すなわち、好ましくは、90日目までに開始する。しかしながら、例えば、HCT関連併存疾患を含む併存疾患に照らして、対象の臨床状態が、対象において≧1000/dL CD33-ANCを達成することを可能にするために、例えば、そのような遅延を必要とする場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始を、120日目まで遅延してもよい。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、60日目の骨髄生検から30日以降に開始する場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始前に、反復骨髄生検を完了する。
【0202】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、0.1mg/m~2mg/mの範囲内の用量、例えば、0.1mg/m、0.25mg/m、0.5mg/m、1mg/m、または2mg/mの用量で対象に投与する。ほとんどの対象に対して、用量2mg/mのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象を、より低い用量、例えば、治療に関連した副作用、例えば、用量制限毒性(DLT)の場合、または個々の対象の健康状態、併存疾患、もしくは既往歴を考慮して投与してもよい。
【0203】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、4週間(28日)の治療サイクルのレジメンで対象に投与し、対象は、例えば、2mg/mゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で、それぞれの4週間(28日)の治療サイクルの1日目に、それぞれの治療サイクルの全用量を受ける。
【0204】
ほとんどの対象について、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の四回の連続治療サイクル、およびそれゆえ、互いに4週間離れた四用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象では、追加のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクル、例えば、最大四回のさらなる「継続」治療サイクルを、例えば、最初の四回の治療サイクルの同じ用量で、または臨床上望ましい場合、例えば、対象の臨床状態に基づき、より低い用量で開始してもよい。
【0205】
最終のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクルの完了時に、対象を、疾患状態および造血キメラ化についてモニターし、これらのパラメータについて、最終の治療サイクルの完了後五年間、六ヶ月毎にモニターする。
【0206】
実施例4:gRNA BおよびCD33標的化ADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したCD33KO eHSPCを用いたAMLを有する対象の治療
CD33陽性AMLを有する対象を、CD33KO eHSPCを含む同種HCTおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で治療する。
【0207】
HCTについては、CD34+造血幹細胞を含む細胞の集団を、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)で対象とHLAが一致している健康ドナーから得る。
【0208】
G-CSF/プレリキサホル動員後、処理および続くレシピエント対象への投与のため、ドナーから少なくとも10×10個の生細胞/kg(kgは、レシピエント対象の体重を指す)を得るために、最大二回のアフェレーシス手順を行う。このアフェレーシス産物から、少なくとも3.0×10の生細胞/kg(レシピエント重量)は、最小限の操作を受け、例えば、レスキュー用量として使用するために、バックアップ幹細胞源として役立つように凍結保存される。残りのアフェレーシス産物を、HCT用のCD33KO eHSPC集団の処理および調製に使用する。
【0209】
HCT用のCD33KO eHSPC集団を、CD34+細胞のためのアフェレーシス産物を濃縮し、続いてヌクレオチド配列
【数9】
(配列番号20、標的ドメイン配列は太字、gRNAについて実施例1に記載した化学修飾)を含むCas9 sgRNAを使用して、実施例1に記載した通り、CD33 gRNA/Cas9複合体でエレクトロポレーションおよび編集することによって調製する。
【0210】
編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。細胞生存率および編集効率を、実施例1に記載した通り、代表的な試料を使用して確認し、実施例1に記載した基準を満たすCD33KO eHSPC集団(少なくとも70%の生存率および少なくとも45%のCD33編集効率)をHCTに使用する。対象への投与のための集団は、少なくとも3×10細胞/レシピエント対象の体重kgのこれらの生存率および編集効率基準を満たすCD33KO eHSPC集団を含み、好ましくは、少なくとも4×10細胞/レシピエント対象の体重kg、5×10細胞/レシピエント対象の体重kg、6×10細胞/レシピエント対象の体重kg、または7×10細胞/レシピエント対象の体重kgを含む。
【0211】
コンディショニングレジメンの完了後、対象は、解凍したCD33KO eHSPCを含むHCTを、静脈内(IV)注入を介して受ける。HCTの日は、治療レジメンの0日目である。
【0212】
対象を、対象におけるCD33KO(CD33-)好中球の絶対末梢好中球数(ANC)を測定することによって、28日目にCD33KO eHSPC生着について評価する。対象が、CD33KO eHSPC HCTの28日後、≧1000/dL CD33- ANCの絶対末梢CD33KO好中球カウントを示す場合、対象は、好中球回復(良好なCD33KO好中球生着とも称される)を示すとみなされる。
【0213】
対象が、28日目に好中球の回復を示す場合、疾患状態および造血系回復を評価するために、60日目に対象から骨髄生検を得る。さらに、ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、この時点で末梢血から決定する。対象が、60日目に良好なCD33- HSC生着およびCD33-造血を示す場合、対象に、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。CD33-ANCを、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、対象においてモニターし、対象は、好ましくは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受ける前に、≧1000/dL CD33-ANCを有するべきである。
【0214】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotargの投与を、好ましくは、60日目での骨髄生検の30日以内に開始し、すなわち、好ましくは、90日目までに開始する。しかしながら、例えば、HCT関連併存疾患を含む併存疾患に照らして、対象の臨床状態が、対象において≧1000/dL CD33-ANCを達成することを可能にするために、例えば、そのような遅延を必要とする場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始を、120日目まで遅延してもよい。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、60日目の骨髄生検から30日以降に開始する場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始前に、反復骨髄生検を完了する。
【0215】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、0.1mg/m~2mg/mの範囲内の用量、例えば、0.1mg/m、0.25mg/m、0.5mg/m、1mg/m、または2mg/mの用量で対象に投与する。ほとんどの対象に対して、用量2mg/mのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象を、より低い用量、例えば、治療に関連した副作用、例えば、用量制限毒性(DLT)の場合、または個々の対象の健康状態、併存疾患、もしくは既往歴を考慮して投与してもよい。
【0216】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、4週間(28日)の治療サイクルのレジメンで対象に投与し、対象は、例えば、2mg/mゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で、それぞれの4週間(28日)の治療サイクルの1日目に、それぞれの治療サイクルの全用量を受ける。
【0217】
ほとんどの対象について、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の四回の連続治療サイクル、およびそれゆえ、互いに4週間離れた四用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象では、追加のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクル、例えば、最大四回のさらなる「継続」治療サイクルを、例えば、最初の四回の治療サイクルの同じ用量で、または臨床上望ましい場合、例えば、対象の臨床状態に基づき、より低い用量で開始してもよい。
【0218】
最終のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクルの完了時に、対象を、疾患状態および造血キメラ化についてモニターし、これらのパラメータについて、最終の治療サイクルの完了後五年間、六ヶ月毎にモニターする。
【0219】
実施例5:gRNA CおよびCD33標的化ADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したCD33KO eHSPCを用いたAMLを有する対象の治療
CD33陽性AMLを有する対象を、CD33KO eHSPCを含む同種HCTおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で治療する。
【0220】
HCTについては、CD34+造血幹細胞を含む細胞の集団を、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)で対象とHLAが一致している健康ドナーから得る。
【0221】
G-CSF/プレリキサホル動員後、処理および続くレシピエント対象への投与のため、ドナーから少なくとも10×10個の生細胞/kg(kgは、レシピエント対象の体重を指す)を得るために、最大二回のアフェレーシス手順を行う。このアフェレーシス産物から、少なくとも3.0×10の生細胞/kg(レシピエント重量)は、最小限の操作を受け、例えば、レスキュー用量として使用するために、バックアップ幹細胞源として役立つように凍結保存される。残りのアフェレーシス産物を、HCT用のCD33KO eHSPC集団の処理および調製に使用する。
【0222】
HCT用のCD33KO eHSPC集団を、CD34+細胞のためのアフェレーシス産物を濃縮し、続いてヌクレオチド配列
【数10】
(配列番号21、標的ドメイン配列は太字、gRNAについて実施例1に記載した化学修飾)を含むCas9 sgRNAを使用して、実施例1に記載した通り、CD33 gRNA/Cas9複合体でエレクトロポレーションおよび編集することによって調製する。
【0223】
編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。細胞生存率および編集効率を、実施例1に記載した通り、代表的な試料を使用して確認し、実施例1に記載した基準を満たすCD33KO eHSPC集団(少なくとも70%の生存率および少なくとも45%のCD33編集効率)をHCTに使用する。対象への投与のための集団は、少なくとも3×10細胞/レシピエント対象の体重kgのこれらの生存率および編集効率基準を満たすCD33KO eHSPC集団を含み、好ましくは、少なくとも4×10細胞/レシピエント対象の体重kg、5×10細胞/レシピエント対象の体重kg、6×10細胞/レシピエント対象の体重kg、または7×10細胞/レシピエント対象の体重kgを含む。
【0224】
コンディショニングレジメンの完了後、対象は、解凍したCD33KO eHSPCを含むHCTを、静脈内(IV)注入を介して受ける。HCTの日は、治療レジメンの0日目である。
【0225】
対象を、対象におけるCD33KO(CD33-)好中球の絶対末梢好中球数(ANC)を測定することによって、28日目にCD33KO eHSPC生着について評価する。対象が、CD33KO eHSPC HCTの28日後、≧1000/dL CD33- ANCの絶対末梢CD33KO好中球カウントを示す場合、対象は、好中球回復(良好なCD33KO好中球生着とも称される)を示すとみなされる。
【0226】
対象が、28日目に好中球の回復を示す場合、疾患状態および造血系回復を評価するために、60日目に対象から骨髄生検を得る。さらに、ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、この時点で末梢血から決定する。対象が、60日目に良好なCD33- HSC生着およびCD33-造血を示す場合、対象に、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。CD33-ANCを、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、対象においてモニターし、対象は、好ましくは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受ける前に、≧1000/dL CD33-ANCを有するべきである。
【0227】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotargの投与を、好ましくは、60日目での骨髄生検の30日以内に開始し、すなわち、好ましくは、90日目までに開始する。しかしながら、例えば、HCT関連併存疾患を含む併存疾患に照らして、対象の臨床状態が、対象において≧1000/dL CD33-ANCを達成することを可能にするために、例えば、そのような遅延を必要とする場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始を、120日目まで遅延してもよい。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、60日目の骨髄生検から30日以降に開始する場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始前に、反復骨髄生検を完了する。
【0228】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、0.1mg/m~2mg/mの範囲内の用量、例えば、0.1mg/m、0.25mg/m、0.5mg/m、1mg/m、または2mg/mの用量で対象に投与する。ほとんどの対象に対して、用量2mg/mのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象を、より低い用量、例えば、治療に関連した副作用、例えば、用量制限毒性(DLT)の場合、または個々の対象の健康状態、併存疾患、もしくは既往歴を考慮して投与してもよい。
【0229】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、4週間(28日)の治療サイクルのレジメンで対象に投与し、対象は、例えば、2mg/mゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で、それぞれの4週間(28日)の治療サイクルの1日目に、それぞれの治療サイクルの全用量を受ける。
【0230】
ほとんどの対象について、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の四回の連続治療サイクル、およびそれゆえ、互いに4週間離れた四用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象では、追加のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクル、例えば、最大四回のさらなる「継続」治療サイクルを、例えば、最初の四回の治療サイクルの同じ用量で、または臨床上望ましい場合、例えば、対象の臨床状態に基づき、より低い用量で開始してもよい。
【0231】
最終のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクルの完了時に、対象を、疾患状態および造血キメラ化についてモニターし、これらのパラメータについて、最終の治療サイクルの完了後五年間、六ヶ月毎にモニターする。
【0232】
実施例6:gRNA DおよびCD33標的化ADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したCD33KO eHSPCを用いたAMLを有する対象の治療
CD33陽性AMLを有する対象を、CD33KO eHSPCを含む同種HCTおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で治療する。
【0233】
HCTについては、CD34+造血幹細胞を含む細胞の集団を、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)で対象とHLAが一致している健康ドナーから得る。
【0234】
G-CSF/プレリキサホル動員後、処理および続くレシピエント対象への投与のため、ドナーから少なくとも10×10個の生細胞/kg(kgは、レシピエント対象の体重を指す)を得るために、最大二回のアフェレーシス手順を行う。このアフェレーシス産物から、少なくとも3.0×10の生細胞/kg(レシピエント重量)は、最小限の操作を受け、例えば、レスキュー用量として使用するために、バックアップ幹細胞源として役立つように凍結保存される。残りのアフェレーシス産物を、HCT用のCD33KO eHSPC集団の処理および調製に使用する。
【0235】
HCT用のCD33KO eHSPC集団を、CD34+細胞のためのアフェレーシス産物を濃縮し、続いてヌクレオチド配列
【数11】
(配列番号22、標的ドメイン配列は太字、gRNAについて実施例1に記載した化学修飾)を含むCas9 sgRNAを使用して、実施例1に記載した通り、CD33 gRNA/Cas9複合体でエレクトロポレーションおよび編集することによって調製する。
【0236】
編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。細胞生存率および編集効率を、実施例1に記載した通り、代表的な試料を使用して確認し、実施例1に記載した基準を満たすCD33KO eHSPC集団(少なくとも70%の生存率および少なくとも45%のCD33編集効率)をHCTに使用する。対象への投与のための集団は、少なくとも3×10細胞/レシピエント対象の体重kgのこれらの生存率および編集効率基準を満たすCD33KO eHSPC集団を含み、好ましくは、少なくとも4×10細胞/レシピエント対象の体重kg、5×10細胞/レシピエント対象の体重kg、6×10細胞/レシピエント対象の体重kg、または7×10細胞/レシピエント対象の体重kgを含む。
【0237】
コンディショニングレジメンの完了後、対象は、解凍したCD33KO eHSPCを含むHCTを、静脈内(IV)注入を介して受ける。HCTの日は、治療レジメンの0日目である。
【0238】
対象を、対象におけるCD33KO(CD33-)好中球の絶対末梢好中球数(ANC)を測定することによって、28日目にCD33KO eHSPC生着について評価する。対象が、CD33KO eHSPC HCTの28日後、≧1000/dL CD33-ANCの絶対末梢CD33KO好中球カウントを示す場合、対象は、好中球回復(良好なCD33KO好中球生着とも称される)を示すとみなされる。
【0239】
対象が、28日目に好中球の回復を示す場合、疾患状態および造血系回復を評価するために、60日目に対象から骨髄生検を得る。さらに、ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、この時点で末梢血から決定する。対象が、60日目に良好なCD33-HSC生着およびCD33-造血を示す場合、対象に、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。CD33-ANCを、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、対象においてモニターし、対象は、好ましくは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受ける前に、≧1000/dL CD33-ANCを有するべきである。
【0240】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与を、好ましくは、60日目での骨髄生検の30日以内に開始し、すなわち、好ましくは、90日目までに開始する。しかしながら、例えば、HCT関連併存疾患を含む併存疾患に照らして、対象の臨床状態が、対象において≧1000/dL CD33-ANCを達成することを可能にするために、例えば、そのような遅延を必要とする場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始を、120日目まで遅延してもよい。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、60日目の骨髄生検から30日以降に開始する場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始前に、反復骨髄生検を完了する。
【0241】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、0.1mg/m~2mg/mの範囲内の用量、例えば、0.1mg/m、0.25mg/m、0.5mg/m、1mg/m、または2mg/mの用量で対象に投与する。ほとんどの対象に対して、用量2mg/mのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象を、より低い用量、例えば、治療に関連した副作用、例えば、用量制限毒性(DLT)の場合、または個々の対象の健康状態、併存疾患、もしくは既往歴を考慮して投与してもよい。
【0242】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、4週間(28日)の治療サイクルのレジメンで対象に投与し、対象は、例えば、2mg/mゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で、それぞれの4週間(28日)の治療サイクルの1日目に、それぞれの治療サイクルの全用量を受ける。
【0243】
ほとんどの対象について、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の四回の連続治療サイクル、およびそれゆえ、互いに4週間離れた四用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象では、追加のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクル、例えば、最大四回のさらなる「継続」治療サイクルを、例えば、最初の四回の治療サイクルの同じ用量で、または臨床上望ましい場合、例えば、対象の臨床状態に基づき、より低い用量で開始してもよい。
【0244】
最終のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクルの完了時に、対象を、疾患状態および造血キメラ化についてモニターし、これらのパラメータについて、最終の治療サイクルの完了後五年間、六ヶ月毎にモニターする。
【0245】
実施例7:gRNA EおよびCD33標的化ADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したCD33KO eHSPCを用いたAMLを有する対象の治療
CD33陽性AMLを有する対象を、CD33KO eHSPCを含む同種HCTおよびADCゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で治療する。
【0246】
HCTについては、CD34+造血幹細胞を含む細胞の集団を、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)で対象とHLAが一致している健康ドナーから得る。
【0247】
G-CSF/プレリキサホル動員後、処理および続くレシピエント対象への投与のため、ドナーから少なくとも10×10個の生細胞/kg(kgは、レシピエント対象の体重を指す)を得るために、最大二回のアフェレーシス手順を行う。このアフェレーシス産物から、少なくとも3.0×10の生細胞/kg(レシピエント重量)は、最小限の操作を受け、例えば、レスキュー用量として使用するために、バックアップ幹細胞源として役立つように凍結保存される。残りのアフェレーシス産物を、HCT用のCD33KO eHSPC集団の処理および調製に使用する。
【0248】
HCT用のCD33KO eHSPC集団を、CD34+細胞のためのアフェレーシス産物を濃縮し、続いてヌクレオチド配列
【数12】
(配列番号23、標的ドメイン配列は太字、実施例1に提供した化学修飾、配列番号25を参照)を含むCas9 sgRNAを使用して、実施例1に記載した通り、CD33 gRNA/Cas9複合体でエレクトロポレーションおよび編集することによって調製する。
【0249】
編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。細胞生存率および編集効率を、実施例1に記載した通り、代表的な試料を使用して確認し、実施例1に記載した基準を満たすCD33KO eHSPC集団(少なくとも70%の生存率および少なくとも45%のCD33編集効率)をHCTに使用する。対象への投与のための集団は、少なくとも3×10細胞/レシピエント対象の体重kgのこれらの生存率および編集効率基準を満たすCD33KO eHSPC集団を含み、好ましくは、少なくとも4×10細胞/レシピエント対象の体重kg、5×10細胞/レシピエント対象の体重kg、6×10細胞/レシピエント対象の体重kg、または7×10細胞/レシピエント対象の体重kgを含む。
【0250】
コンディショニングレジメンの完了後、対象は、解凍したCD33KO eHSPCを含むHCTを、静脈内(IV)注入を介して受ける。HCTの日は、治療レジメンの0日目である。
【0251】
対象を、対象におけるCD33KO(CD33-)好中球の絶対末梢好中球数(ANC)を測定することによって、28日目にCD33KO eHSPC生着について評価する。対象が、CD33KO eHSPC HCTの28日後、≧1000/dL CD33-ANCの絶対末梢CD33KO好中球カウントを示す場合、対象は、好中球回復(良好なCD33KO好中球生着とも称される)を示すとみなされる。
【0252】
対象が、28日目に好中球の回復を示す場合、疾患状態および造血系回復を評価するために、60日目に対象から骨髄生検を得る。さらに、ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、この時点で末梢血から決定する。対象が、60日目に良好なCD33-HSC生着およびCD33-造血を示す場合、対象に、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。CD33-ANCを、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、対象においてモニターし、対象は、好ましくは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受ける前に、≧1000/dL CD33-ANCを有するべきである。
【0253】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与を、好ましくは、60日目での骨髄生検の30日以内に開始し、すなわち、好ましくは、90日目までに開始する。しかしながら、例えば、HCT関連併存疾患を含む併存疾患に照らして、対象の臨床状態が、対象において≧1000/dL CD33-ANCを達成することを可能にするために、例えば、そのような遅延を必要とする場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始を、120日目まで遅延してもよい。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、60日目の骨髄生検から30日以降に開始する場合、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の開始前に、反復骨髄生検を完了する。
【0254】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、0.1mg/m~2mg/mの範囲内の用量、例えば、0.1mg/m、0.25mg/m、0.5mg/m、1mg/m、または2mg/mの用量で対象に投与する。ほとんどの対象に対して、用量2mg/mのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象を、より低い用量、例えば、治療に関連した副作用、例えば、用量制限毒性(DLT)の場合、または個々の対象の健康状態、併存疾患、もしくは既往歴を考慮して投与してもよい。
【0255】
ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を、4週間(28日)の治療サイクルのレジメンで対象に投与し、対象は、例えば、2mg/mゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で、それぞれの4週間(28日)の治療サイクルの1日目に、それぞれの治療サイクルの全用量を受ける。
【0256】
ほとんどの対象について、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の四回の連続治療サイクル、およびそれゆえ、互いに4週間離れた四用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が好ましい。しかしながら、一部の対象では、追加のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクル、例えば、最大四回のさらなる「継続」治療サイクルを、例えば、最初の四回の治療サイクルの同じ用量で、または臨床上望ましい場合、例えば、対象の臨床状態に基づき、より低い用量で開始してもよい。
【0257】
最終のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)治療サイクルの完了時に、対象を、疾患状態および造血キメラ化についてモニターし、これらのパラメータについて、最終の治療サイクルの完了後五年間、六ヶ月毎にモニターする。
【0258】
実施例8:併用療法
急性骨髄性白血病(AML)を有する対象は、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)に基づき、健康な幹細胞ドナーと一致する。レシピエント対象に対して最小である10×10個の生細胞/kgを得るために、最大二つのアフェレーシス手法を、ドナー対象に対して行う。
【0259】
CD34+健常ドナー細胞のレシピエントについて少なくとも約10×10個の生細胞/kgを使用して、CD33KO eHSPC HCT産物およびバックアップ移植片(すなわち、レスキュー用量)を産生するための最小である3.0×10個の生細胞/kgを製造する。CD33KO eHSPC HCT製造工程は、CD34+細胞濃縮、続いて電気穿孔およびCD33 gRNA/Cas9複合体を用いた編集、例えば、本明細書(表1を参照のこと)に記載するCD33 gRNAのいずれかを使用した編集からなる。編集した細胞を、続いて<48時間培養する。採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。
【0260】
レシピエント対象は、CD33編集した造血細胞の投与前に骨髄アブレーションコンディショニングレジメン(プレコンディショニング)を受けてもよい。コンディショニングレジメンの完了後、CD33KO eHSPC HCTを、静脈内(IV)注入を介して0日目に対象に投与する。対象を、注入の28日後の末梢好中球カウントの回復として定義する、好中球回復についてモニターする。60日目に、対象が、良好な好中球生着を有する場合、対象は、疾患状態および造血系回復を評価するための骨髄生検を受ける。ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、末梢血から決定する。対象は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、閾値(例えば、≧1000/dL CD33-ANC)を超える好中球カウントを有していなければならない。次に、対象に、用量約0.1mg/m~2.0mg/mで、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。
【0261】
対象を継続して評価し、以前の用量と同じ投薬量または異なる(増加もしくは減少した)投薬量で、一つまたは複数のさらなる用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受け取ってもよい。
【0262】
実施例9:多重編集を用いた併用治療
急性骨髄性白血病(AML)を有する対象は、8/8遺伝子座(HLA-A、-B、-C、DRB1)に基づき、健康な幹細胞ドナーと一致する。レシピエント対象に対して最小である10×10個の生細胞/kgを得るために、最大二つのアフェレーシス手法を、ドナー対象に対して行う。
【0263】
CD34+健常ドナー細胞のレシピエントについて少なくとも約10×10個の生細胞/kgを使用して、二重編集造血細胞産物およびバックアップ移植片(すなわち、レスキュー用量)を産生するための最小である3.0×10個の生細胞/kgを製造する。遺伝子編集製造工程は、CD34+細胞濃縮、続いてCD33 gRNA/Cas9複合体、例えば、本明細書(表1を参照のこと)に記載するCD33 gRNAのいずれか、ならびに本明細書に記載するもののいずれかなどの、第二の系統特異的細胞表面抗原を標的化するgRNA/Cas9複合体を用いたエレクトロポレーションおよび編集からなる。二重編集した細胞を、続いて<48時間培養する。CD33および第二の系統特異的細胞表面抗原の細胞表面レベルを、例えば、フローサイトメトリーによって、二重編集細胞において評価してもよい。
【0264】
採取の際、培養時間を終えた後、細胞を洗浄し、最終製剤に再懸濁し、凍結保存する。
【0265】
レシピエント対象は、二重編集した造血細胞の投与前に骨髄アブレーションコンディショニングレジメン(プレコンディショニング)を受けてもよい。コンディショニングレジメンの完了後、二重編集造血細胞を、静脈内(IV)注入を介して0日目に対象に投与する。対象を、注入の28日後の末梢好中球カウントの回復として定義する、好中球回復についてモニターする。60日目に、対象が、良好な好中球生着を有する場合、対象は、疾患状態および造血系回復を評価するための骨髄生検を受ける。ドナーキメラ化のパーセントおよびCD33陰性(CD33-)骨髄性造血を、末梢血から決定する。対象は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の投与前に、閾値(例えば、≧1000/dL CD33-ANC)を超える好中球カウントを有していなければならない。次に、対象に、用量約0.1mg/m~2.0mg/mで、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を投与する。
【0266】
対象を継続して評価し、以前の用量と同じ投薬量または異なる(増加もしくは減少した)投薬量で、一つまたは複数のさらなる用量のゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を受け取ってもよい。
【0267】
実施例10:gRNA EおよびCD33標的化ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)を使用して生成したヒトCD33KO eHSPCの使用のための異種移植モデル
この研究の目的は、CD33の発現を低減もしくは除去するよう遺伝子操作しているヒト造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)、またはその誘導細胞(その子孫)を、マウスモデルを使用して、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の細胞傷害から保護しているかどうかを調べることであった。
【0268】
動員したPBMCを、二人のヒトドナー(ドナー1およびドナー2)から得て、細胞が、全長CD33アイソフォームの発現の減少をもたらす、エクソン2を欠く代替的にスプライシングされた転写物バリアント生じ、従って、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)が認識せず、または標的化しない、rs12459419での一塩基多型(SNP)についてホモ接合性でないことを確認するためにスクリーニングする。
【0269】
簡潔に述べると、図2に示すように、ドナー由来のCD34+ HSPCを、実施例1に記載する通り、CD33 gRNA E Cas9リボ核タンパク質複合体とエレクトロポレーションした。同じドナー由来の細胞を、RNPなしでエレクトロポレーションし、陰性対照(「偽EP」)として使用した。CD33編集効率を、表4に示す。細胞数および生存率も、エレクトロポレーションの前および後に定量化した(表5)。
【表4】
【表5】
【0270】
CD33編集HSPC(CD33KO)および偽EP対照CD34+HSPCを、亜致死照射したNOD/scid/IL2Rγnull((NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl、NSG(商標))マウスに尾静脈を介して注射した。移植の8週間後、フローサイトメトリー分析のため各マウスから眼窩後方血液を採取し、CD34+HSPCの生着を評価した。後眼窩出血も、移植の12週後に行い、血漿および細胞ペレットを収集し、これをさらなる分析のために保存した。移植の15週後、移植したヒトHSPCによる造血系再構成後、マウスに、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)(0.33 mg/kg)またはビヒクル対照(「ビヒクル」)としてのDPBS(ダルベッコリン酸緩衝食塩水)のいずれかを静脈内投与した。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)またはビヒクルでの処置の8日後(移植後16週目)、マウスを安楽死させ、フローサイトメトリー分析のため、骨髄、血液、および脾臓を採取した。ドナー1およびドナー2から得た細胞の実験グループを、それぞれ、表6および7に示す。
【表6】
【表7】
【0271】
図3Aに示す通り、ドナー1由来の偽EP HSPCを移植したマウスについては、ヒト白血球再構成(hCD45+細胞)は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置によって低減し、ドナー1由来のCD33編集HSPCを移植したマウスは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)による影響を受けなかった。さらに、CD33遺伝子編集は、ヒトCD45染色によって証明するように、ヒト細胞白血球キメラ化の有意な変化をもたらさなかった。ドナー2由来のHSPCを移植したマウスについては、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置対ビヒクル対照を受けた群間、またはCD33編集HSPC対偽EP HSPCを移植したマウスの比較でのヒト細胞キメラ化において統計的有意差を観察しなかった(図5A)。
【0272】
移植した動物の骨髄中の全ヒト白血球(hCD45+細胞)中のCD33+細胞の割合を、フローサイトメトリーにより分析した。各ドナー由来のHSPCについては、偽EP HSPC移植し、続いてゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)で処置したマウスは、ビヒクル単独での処置と比較して、CD33+細胞の有意な低減を有していた(図3B、5B)。さらに、CD33編集したHSPCを移植したマウスは、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)またはビヒクル対照を用いた処置に関わらず、偽EP HSPCを用いて移植したマウスと比較して、ほぼ完全なCD33+細胞の喪失を示した(図3B、5B)。いかなる特定の理論にも束ねられることを意図するものではないが、これらの結果は、ドナーヒトHSPCの非常に効率的な編集に起因すると考えられ、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)によるCD33+細胞の堅牢なアブレーションを示す。これは、この異種移植モデルにおいて、CD33編集細胞の長期持続性があることを示唆する。
【0273】
ヒトCD45+(マウスCD45-)集団由来の異なるヒト骨髄系マーカーを発現する細胞も評価した。移植したマウスの骨髄中の全ヒト白血球(hCD45+)中の単球(CD14+骨髄細胞)の分画を分析した。両方のドナーについて、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置は、偽EP HSPC群を用いて移植したマウスにおいてCD14+骨髄細胞のほぼ完全な除去を導いた(図3C、5C)。対照的に、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置は、CD33編集HSPCを移植したマウスにおけるCD14+骨髄細胞の割合にあまり影響を与えなかった(図3C、5C)。これらの結果は、CD33編集細胞を、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)の細胞傷害から保護したことを示す(図3E)。偽EP HSPCを移植したマウスとCD33編集HSPCを移植したマウスとの間で、CD14+骨髄細胞の割合に有意差を観察せず、これは、CD33の消失が、HSPC由来のCD14+骨髄細胞の長期分化を損なわないことを支持している。
【0274】
hCD45+細胞集団内のCD11b+骨髄細胞も分析した。いずれかのドナー由来の偽EP HSPCを移植したマウスについては、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置は、CD11b+骨髄細胞の大部分を絶やした(図3D、5D)。対照的に、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置は、CD33編集HSPCを移植したマウスにおけるCD11b+骨髄細胞の割合にあまり影響を与えなかった(図3D、5D)。これらの結果は、CD33の低減が、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)に対してCD11b+骨髄細胞を保護することを支持する。偽EP HSPCを移植したマウスとCD33編集HSPCを移植したマウスとの間で、CD11b+骨髄細胞の割合に有意差を観察せず、これは、CD33の消失が、HSPC由来のCD11b+骨髄細胞の長期分化を損なわないことを支持している。
【0275】
骨髄細胞に加えて、移植したマウスの骨髄中の全ヒトCD45+細胞中のCD3+T細胞の割合を分析した。CD33編集HSPCを移植したマウスと比較して、偽EP HSPCを移植したマウスにおけるCD3+T細胞の割合において、統計的に有意な差を観察しなかった(図4A、6A)。予想通り、CD3+T細胞は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置によって影響を受けなかった。
【0276】
移植した動物の骨髄中の全ヒトCD45+細胞中のCD19+B細胞の割合を分析した。CD33編集HSPCを移植したマウスと比較して、偽EP HSPCを移植したマウスにおけるCD19+B細胞の割合において、統計的に有意な差を観察しなかった(図4B、6B)。予想通り、CD19+B細胞は、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置によって影響を受けなかった。
【0277】
ビヒクル処置群を比較すると、CD33編集HSPCおよび偽EP HSPCを移植したマウスは、同等のレベルのB細胞を有し、これは、HSPCからのB細胞分化が、CD33KOによって妨害されないことを示唆している。ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置を受けたマウスを比較すると、偽EP HSPCを移植したマウスは、CD33編集HSPCを移植したマウスよりも、全ヒト白血球中のCD19+B細胞の割合が高かった(図4B、6B)。このことは、骨髄系およびリンパ系分画が、このマウスモデルの骨髄における全ヒト白血球画分の大部分を占めるため、骨髄系保護の減少(ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置による)は、偽EP HSPCを受けたマウスにおいて、リンパ系分画の明白な比例増加をもたらすことを反映している可能性が高い。
【0278】
さらに、CD34+CD38-ヒト原始HSPCの割合を、移植したマウスの骨髄において評価した。偽EP HSPC対CD33編集HSPCを受け取ったマウス、およびゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置対ビヒクル対照を受け取ったマウス間でのCD34+CD38-細胞の割合において、統計的有意差は観察しなかった(図4C、6C)。これらの結果は、CD33の消失が、CD34+CD38-原始HSPCに影響を与えず、原始HSPCが、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)細胞傷害によって標的化されないことを示唆している。
【0279】
まとめると、これらの分析は、CD33欠損細胞を、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg 細胞傷害から保護することを示している。生着の際、CD33編集HSPCは、同等レベルのヒト白血球キメラ化、リンパ系および骨髄系、ならびに対照のHSPCとしての原始HSPCを含む、多系列造血系を再構成した。さらに、CD33編集HSPCを移植したマウスにおいて、CD33+細胞の有意な喪失を観察し、これは、16週間後の非常に効率的なCD33分布およびCD33欠損細胞の長期持続を示している。対照(未編集)HSPCを移植したマウスにおいて、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置は、CD14+骨髄細胞およびCD11b+骨髄細胞を効率的に除去した。対照的に、CD33編集HSPCを移植した動物において、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)処置後に、有意に高レベルの骨髄細胞を保持した。まとめると、これらの知見は、CD33の枯渇が、インビボでのゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標)細胞傷害に対する骨髄細胞に実質的な保護をもたらすことを示す。
【0280】
実施例11:ヒトCD33KO eHSPCの臨床スケール製造
CD33タンパク質を欠いた同種CRISPR/Cas9ゲノム編集造血幹細胞/前駆細胞(HSPC)の二つの臨床スケールバッチを、高リスクCD33+急性骨髄性白血病(AML)を有するヒト白血球抗原(HLA)適合患者の治療のため製造した。結果として生じるHSPC集団は、造血細胞移植を受けているHLA適合ヒトAML患者、例えば、白血病再発および移植後の死亡率のリスクが高いことが知られている患者への注入に適している。
【0281】
最終的なHSPC集団を、凍結保存の準備のできた凍結保存培地中45mLの体積で製剤化し、液体窒素の気相で保存し、その後解凍し、レシピエント患者に静脈内(IV)注入により投与した。
【0282】
各バッチを、単独のドナーから得た白血球アフェレーシス出発材料から製造し、一人のドナーから一人のレシピエントへのHLA適合産物を生成し、これにより、特異的に適合した患者のための製品の製造を可能にした。
【0283】
各バッチについて、健康なドナーを、白血球アフェレーシス手法に供した。白血球アフェレーシス出発材料を収集し、細胞操作開始前に2~8℃で保存した。白血球アフェレーシス出発材料の細胞数および生存率を、フローサイトメトリーにより試験した。細胞生存率が、≧80%であることを確認した。細胞分析および他の評価のため、試料を取り出した。
【0284】
白血球アフェレーシスレスキュー用量を、白血球アフェレーシス材料から取り出して、3×10個のCD34+細胞/患者kgを含む体積を得た。レスキュー用量材料を凍結保存し、-140℃での液体窒素の気相で保存した。
【0285】
レスキュー用量の取得後、白血球アフェレーシス出発材料を処理して、赤血球、血小板、および血漿を取り出した。次いで、処理した物質を、CD34陽性細胞について濃縮し、次いで、250mLのコニカルチューブに移した。
【0286】
Cas9/gRNAリボヌクレオタンパク質(RNP)複合体を、滅菌条件下でCas9タンパク質およびgRNA Eを混合することによって、エレクトロポレーションの前に調製した。250mLのコニカルチューブ内の細胞を、200×gでスピンダウンし、エレクトロポレーション緩衝液中に再懸濁し、調製したRNP複合体と混合し、単回使用の滅菌エレクトロポレーションカセットにおいてエレクトロポレーションした。
【0287】
エレクトロポレーション後、細胞を、カセットから取り出し、培養培地に移し、37℃および5% COで懸濁培養した。細胞培養物を、細胞数および生存率についてモニターした。細胞を、電気穿孔から回収すると(細胞生存率が80%以上であると決定した)、細胞を洗浄して、細胞残渣および他の残渣を低減し、10%DMSOを含有する無血清の動物成分を含まない画定した凍結保存培地中に再懸濁した。細胞を、45mLの体積で製剤化し、制御した速度冷凍庫(CRF)中で凍結保存した。以下の表8に示すように、細胞数、生存率、特定のマーカーを発現する細胞の割合(例えば、CD34、CD3、CD19、CD19、CD56)、編集効率、および残渣Cas9を決定した。
【表8】
【0288】
列挙された実施形態
1.対象に、有効量の、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子操作された造血細胞の集団、またはその子孫;および
有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む、方法。
2.細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、実施形態1に記載の方法。
3.ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、実施形態2に記載の方法。
4.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約10細胞/対象の体重のキログラム~約10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約3.0×10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態4に記載の方法。
6.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態6に記載の方法。
8.細胞毒性剤の有効量が、約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態7に記載の方法。
9.遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤が、近い時間に投与される、実施形態1~8のいずれか一つに記載の方法。
10.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、実施形態9に記載の方法。
11.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時に投与することを含む、実施形態9に記載の方法。
12.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、実施形態9に記載の方法。
13.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を順次投与することを含む、実施形態9に記載の方法。
14.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の120日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態9に記載の方法。
15.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の90日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態14に記載の方法。
16.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の60日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態15に記載の方法。
17.遺伝子操作された造血細胞の集団が、細胞毒性剤の前に投与される、実施形態1~9または12~16のいずれか一つに記載の方法。
18.遺伝子操作された造血細胞の集団が、単回治療レジメンで投与される、実施形態1~17のいずれか一つに記載の方法。
19.遺伝子操作された造血細胞の集団および/または細胞毒性剤が、静脈内投与される、実施形態1~18のいずれか一つに記載の方法。
20.細胞毒性剤が、四週間毎に、有効量の複数回用量で投与される、実施形態1~19のいずれか一つに記載の方法。
21.細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
22.遺伝子操作された造血細胞の集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、実施形態1~21のいずれか一つに記載の方法。
23.細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、実施形態1~22のいずれか一つに記載の方法。
24.対象が、細胞毒性剤および/または造血細胞の投与前にプレコンディショニングされる、実施形態1~23のいずれか一つに記載の方法。
25.細胞毒性剤および/または造血細胞の投与前に、対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、実施形態1~24のいずれか一つに記載の方法。
26.プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を対象に投与することを含む、実施形態24または実施形態25に記載の方法。
27.プレコンディショニングすることが、対象の全身照射を含む、実施形態24~26のいずれか一つに記載の方法。
28.化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、実施形態24~27のいずれか一つに記載の方法。
29.プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、抗体は、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、実施形態24~28のいずれか一つに記載の方法。
30.対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、造血悪性腫瘍は、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または造血前悪性腫瘍疾患は、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、実施形態1~29のいずれか一つに記載の方法。
31.対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、実施形態1~30のいずれか一つに記載の方法。
32.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、実施形態1~31のいずれか一つに記載の方法。
33.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、実施形態1~30のいずれか一つに記載の方法。
34.対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、実施形態1~33のいずれか一つに記載の方法。
35.対象が、以前に化学療法を受けている、実施形態1~34のいずれか一つに記載の方法。
36.対象が、以前に誘導療法を受けている、実施形態1~35のいずれか一つに記載の方法。
37.対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、実施形態1~36のいずれか一つに記載の方法。
38.対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、実施形態1~37のいずれか一つに記載の方法。
39.早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄;細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在;細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄;および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、実施形態38に記載の方法。
40.対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、実施形態1~39のいずれか一つに記載の方法。
41.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、実施形態1~40のいずれか一つに記載の方法。
42.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、実施形態1~41のいずれか一つに記載の方法。
43.対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、実施形態1~42のいずれか一つに記載の方法。
44.対象が、以前に細胞毒性剤を受けていない、実施形態1~43のいずれか一つに記載の方法。
45.対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、実施形態1~44のいずれか一つに記載の方法。
46.対象が、細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、実施形態1~45のいずれか一つに記載の方法。
47.造血系細胞が、造血系幹細胞である、実施形態1~46のいずれか一つに記載の方法。
48.造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来である、実施形態47に記載の方法。
49.造血幹細胞が、CD34/CD33である、実施形態47または実施形態48に記載の方法。
50.造血系細胞が、自己である、実施形態1~49のいずれか一つに記載の方法。
51.対象から自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、自己幹細胞をCD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および遺伝子操作された造血幹細胞を対象に戻すことをさらに含む、実施形態50に記載の方法。
52.造血系細胞が、同種である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
53.造血細胞が、対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、実施形態52に記載の方法。
54.対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、実施形態1~53のいずれか一つに記載の方法。
55.CD33抗原をコードする造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、造血細胞を調製することをさらに含む、実施形態1~54のいずれか一つに記載の方法。
56.CD33細胞表面抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、実施形態55に記載の方法。
57.内在遺伝子の全体または部分が、ゲノム編集を使用して欠失されている、実施形態55または実施形態56に記載の方法。
58.ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、実施形態57に記載の方法。
59.対象に、有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を投与することを含む方法であって、対象が、CD33剤の発現を低減または減少するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、有効量の遺伝子改変された造血細胞の集団、またはその子孫を受けているか、または受けた、方法。
60.細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、実施形態59に記載の方法。
61.ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、実施形態60に記載の方法。
62.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約10細胞/対象の体重のキログラム~約10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態59~61のいずれか一つに記載の方法。
63.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約3.0×10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態62に記載の方法。
64.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態59~63のいずれか一つに記載の方法。
65.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態64に記載の方法。
66.細胞毒性剤の有効量が、約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態65に記載の方法。
67.有効量の細胞毒性剤が、有効量の遺伝子操作された造血細胞の集団と近い時間に投与される、実施形態59~66のいずれか一つに記載の方法。
68.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
69.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時に投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
70.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
71.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を順次投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
72.近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団の投与の120日以内に細胞毒性剤を投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
73.近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の集団の投与の90日以内に細胞毒性剤を投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
74.近い時間の投与は、遺伝子操作された造血細胞の造血細胞集団の投与の60日以内に細胞毒性剤を投与することを含む、実施形態67に記載の方法。
75.遺伝子操作された造血細胞の集団が、細胞毒性剤の前に投与される、実施形態59~74のいずれか一つに記載の方法。
76.遺伝子操作された造血細胞の集団が、単回治療レジメンで投与される、実施形態59~75のいずれか一つに記載の方法。
77.遺伝子操作された造血細胞の集団および/または細胞毒性剤が、静脈内投与される、実施形態59~76のいずれか一つに記載の方法。
78.細胞毒性剤が、四週間毎に、有効量の複数回用量で投与される、実施形態59~77のいずれか一つに記載の方法。
79.細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、実施形態59~78のいずれか一つに記載の方法。
80.遺伝子操作された造血細胞の集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、実施形態59~79のいずれか一つに記載の方法。
81.細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、実施形態59~80のいずれか一つに記載の方法。
82.対象が、細胞毒性剤および/または造血細胞の投与前にプレコンディショニングされる、実施形態59~81のいずれか一つに記載の方法。
83.細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の集団の投与前に、対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、実施形態59~82のいずれか一つに記載の方法。
84.プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を対象に投与することを含む、実施形態82または実施形態83に記載の方法。
85.プレコンディショニングすることが、対象の全身照射を含む、実施形態82~84のいずれか一つに記載の方法。
86.化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、実施形態82~85のいずれか一つに記載の方法。
87.プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、抗体は、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、実施形態82~86のいずれか一つに記載の方法。
88.対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、造血悪性腫瘍は、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または造血前悪性腫瘍疾患は、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、実施形態59~87のいずれか一つに記載の方法。
89.対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、実施形態59~88のいずれか一つに記載の方法。
90.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、実施形態59~88のいずれか一つに記載の方法。
91.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、実施形態59~88のいずれか一つに記載の方法。
92.対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、実施形態59~91のいずれか一つに記載の方法。
93.対象が、以前に化学療法を受けている、実施形態59~91のいずれか一つに記載の方法。
94.対象が、以前に誘導療法を受けている、実施形態59~93のいずれか一つに記載の方法。
95.対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、実施形態59~94のいずれか一つに記載の方法。
96.対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、実施形態59~95のいずれか一つに記載の方法。
97.早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄;細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在;細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄;および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、実施形態96に記載の方法。
98.対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、実施形態59~97のいずれか一つに記載の方法。
99.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、実施形態59~98のいずれか一つに記載の方法。
100.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、実施形態59~99のいずれか一つに記載の方法。
101.対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、実施形態59~100のいずれか一つに記載の方法。
102.対象が、以前に細胞毒性剤を受けていない、実施形態59~101のいずれか一つに記載の方法。
103.対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、実施形態59~102のいずれか一つに記載の方法。
104.対象が、細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、実施形態59~103のいずれか一つに記載の方法。
105.造血系細胞が、造血系幹細胞である、実施形態59~104のいずれか一つに記載の方法。
106.造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来である、実施形態105に記載の方法。
107.造血幹細胞が、CD34/CD33である、実施形態105または実施形態106に記載の方法。
108.造血系細胞が、自己である、実施形態59~107のいずれか一つに記載の方法。
109.対象から自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、自己幹細胞をCD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および遺伝子操作された造血幹細胞を対象に戻すことをさらに含む、実施形態108に記載の方法。
110.造血系細胞が、同種である、実施形態59~107のいずれか一つに記載の方法。
111.造血細胞が、対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、実施形態110に記載の方法。
112.対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、実施形態59~111のいずれか一つに記載の方法。
113.CD33抗原をコードする造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、造血細胞を調製することをさらに含む、実施形態59~112のいずれか一つに記載の方法。
114.CD33細胞表面抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、実施形態113に記載の方法。
115.内在遺伝子の全体または部分が、ゲノム編集を使用して欠失されている、実施形態113または実施形態114に記載の方法。
116.ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、実施形態115に記載の方法。
117.対象に、有効量の、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞の集団、またはその子孫を投与することを含む、方法であって、対象は、有効量の、抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を受けているか、または受けた、方法。
118.細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、実施形態117に記載の方法。
119.ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、実施形態118に記載の方法。
120.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約10細胞/対象の体重のキログラム~約10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態117~119のいずれか一つに記載の方法。
121.遺伝子操作された造血細胞の集団の有効量が、約3.0×10細胞/対象の体重のキログラムである、実施形態120に記載の方法。
122.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm~約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態117~121のいずれか一つに記載の方法。
123.細胞毒性剤の有効量が、約0.1mg/対象の体表面積のm、約0.25mg/対象の体表面積のm、約0.5mg/対象の体表面積のm、約1.0mg/対象の体表面積のm、または約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態122に記載の方法。
124.細胞毒性剤の有効量が、約2.0mg/対象の体表面積のmである、実施形態123に記載の方法。
125.有効量の細胞毒性剤が、有効量の遺伝子操作された造血細胞の集団と近い時間に投与される、実施形態117~124のいずれか一つに記載の方法。
126.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を単回治療レジメンで投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
127.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時に投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
128.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を同時的に投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
129.近い時間の投与が、遺伝子操作された造血細胞の集団および細胞毒性剤を順次投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
130.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の120日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
131.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の90日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
132.近い時間の投与が、細胞毒性剤の投与の60日以内に遺伝子操作された造血細胞の集団を投与することを含む、実施形態125に記載の方法。
133.遺伝子操作された造血細胞の集団が、細胞毒性剤の前に投与される、実施形態117~132のいずれか一つに記載の方法。
134.遺伝子操作された造血細胞の集団が、単回治療レジメンで投与される、実施形態117~133のいずれか一つに記載の方法。
135.遺伝子操作された造血細胞の集団および/または細胞毒性剤が、静脈内投与される、実施形態117~134のいずれか一つに記載の方法。
136.細胞毒性剤が、四週間毎に、有効量の複数回用量で投与される、実施形態117~135のいずれか一つに記載の方法。
137.細胞毒性剤が、四週間毎に、約2.0mg/mの複数回用量で投与される、実施形態117~136のいずれか一つに記載の方法。
138.遺伝子操作された造血細胞の集団が、投与前に凍結保存された形態から融解される、実施形態117~137のいずれか一つに記載の方法。
139.細胞毒性剤が、投与前に凍結乾燥形態から再構成される、実施形態117~138のいずれか一つに記載の方法。
140.対象が、細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の集団の投与前にプレコンディショニングされている、実施形態117~139のいずれか一つに記載の方法。
141.細胞毒性剤および/または遺伝子操作された造血細胞の集団の投与前に、対象をプレコンディショニングすることをさらに含む、実施形態117~140のいずれか一つに記載の方法。
142.プレコンディショニングすることが、一つまたは複数の化学療法剤を対象に投与することを含む、実施形態140または実施形態141に記載の方法。
143.プレコンディショニングすることが、対象の全身照射を含む、実施形態140~142のいずれか一つに記載の方法。
144.化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、フルダラビン、シクロホスファミド、およびチオテパからなる群から選択される、実施形態142または実施形態143に記載の方法。
145.プレコンディショニングすることが、ヒトT細胞に結合する抗体を投与することを含み、任意選択的に、抗体は、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)を含む、実施形態140~144のいずれか一つに記載の方法。
146.対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患を有するか、または診断されており、造血悪性腫瘍は、CD33陽性悪性細胞の存在により特徴付けられるか、または造血前悪性腫瘍疾患は、CD33陽性前悪性細胞の存在により特徴付けられる、実施形態117~145のいずれか一つに記載の方法。
147.対象が、CD33陽性急性骨髄性白血病を有するか、または診断されている、実施形態117~146のいずれか一つに記載の方法。
148.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されている、実施形態117~146のいずれか一つに記載の方法。
149.対象が、CD33陽性骨髄異形成症候群を有するか、または診断されており、対象が、急性骨髄性白血病の発症のリスクが高い、実施形態117~146のいずれか一つに記載の方法。
150.対象が、化学療法および/または放射線療法に対して未感作であり、任意選択的に、対象が、造血悪性腫瘍または造血前悪性腫瘍疾患に対処する目的の任意の治療に対して未感作である、実施形態117~149のいずれか一つに記載の方法。
151.対象が、以前に化学療法を受けている、実施形態117~149のいずれか一つに記載の方法。
152.対象が、以前に誘導療法を受けている、実施形態117~151のいずれか一つに記載の方法。
153.対象が、以前に完全な血液学的寛解に入り、任意選択的に、完全な血液学的寛解が、末梢計数の不完全な回復により特徴付けられる、実施形態117~152のいずれか一つに記載の方法。
154.対象が、早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子を有する、実施形態117~153のいずれか一つに記載の方法。
155.早期の白血病の再発と関連する一つまたは複数のリスク因子が、中または高いリスクの疾患に関連遺伝的性質の存在を伴う形態学的完全寛解の骨髄;細胞減少療法後の微小残存疾患(MRD)の存在;細胞減少療法後の残存白血病芽球を有する骨髄;および循環芽球を含まない約10%以下の骨髄芽球数からなる群から選択される、実施形態154に記載の方法。
156.対象が、CD33一塩基多型(SNP)rs12459419についてホモ接合性優性遺伝子型を有さない、実施形態117~155のいずれか一つに記載の方法。
157.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病を有さない、実施形態117~156のいずれか一つに記載の方法。
158.対象が、急性前骨髄球性白血病または慢性骨髄性白血病と関連する遺伝子転座を有さず、任意選択的に、遺伝子転座が、t(15;17)(q22;q21)またはt(9;22)(q34;q11)である、実施形態117~157のいずれか一つに記載の方法。
159.対象が、以前に幹細胞移植を受けていない、実施形態117~158のいずれか一つに記載の方法。
160.対象が、以前に細胞毒性剤を受けていない、実施形態117~159のいずれか一つに記載の方法。
161.対象由来の末梢血試料におけるドナーキメラ化のパーセントおよび/またはCD33陰性骨髄性造血のレベルを決定することをさらに含む、実施形態117~160のいずれか一つに記載の方法。
162.対象が、細胞毒性剤を受ける前に少なくとも1000/dLのCD33陰性絶対好中球数(ANC)を有する、実施形態117~161のいずれか一つに記載の方法。
163.造血系細胞が、造血系幹細胞である、実施形態117~162のいずれか一つに記載の方法。
164.造血幹細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来である、実施形態163に記載の方法。
165.造血幹細胞が、CD34/CD33である、実施形態163または実施形態164に記載の方法。
166.造血系細胞が、自己である、実施形態117~165のいずれか一つに記載の方法。
167.対象から自己造血幹細胞を得ることをさらに含み、任意選択的に、自己幹細胞をCD33抗原の発現の低減または除去を有するように遺伝子操作すること、および遺伝子操作された造血幹細胞を対象に戻すことをさらに含む、実施形態166に記載の方法。
168.造血系細胞が、同種である、実施形態117~165のいずれか一つに記載の方法。
169.造血細胞が、対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから得られた同種造血幹細胞である、実施形態168に記載の方法。
170.対象のHLAハプロタイプと一致するHLAハプロタイプを有するドナーから造血細胞を得ることをさらに含む、実施形態117~169のいずれか一つに記載の方法。
171.CD33抗原をコードする造血細胞の内在遺伝子を改変することによって、造血細胞を調製することをさらに含む、実施形態117~170のいずれか一つに記載の方法。
172.CD33細胞表面抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、実施形態171に記載の方法。
173.内在遺伝子の全体または部分が、ゲノム編集を使用して欠失されている、実施形態171または実施形態172に記載の方法。
174.ゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、実施形態173に記載の方法。
175.CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞の集団、またはその子孫を含む、組成物。
176.造血細胞が、骨髄細胞、臍帯血細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)由来の造血幹細胞である、実施形態175に記載の組成物。
177.造血幹細胞が、CD34+/CD33-である、実施形態176に記載の組成物。
178.CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、実施形態175~177のいずれか一つに記載の組成物。
179.内在遺伝子の全体または部分が、ゲノム編集を使用して欠失されている、実施形態175~178のいずれか一つに記載の組成物。
180.行われるゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、実施形態179に記載の組成物。
181.CRISPR-Casシステムが、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む、実施形態180に記載の組成物。
182.gRNAが、配列番号9~15のいずれか一つに記載の配列を含む標的ドメインを含む、実施形態181に記載の組成物。
183.実施形態175~182のいずれか一つに記載の遺伝子改変された造血細胞の集団、および抗CD33抗原結合ドメインを含む細胞毒性剤を含む、組み合わせ。
184.細胞毒性剤が、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である、実施形態183に記載の組み合わせ。
185.ADCが、ゲムツズマブオゾガマイシンである、実施形態184に記載の組み合わせ。
185.培地中の1ミリリットル(mL)当たり少なくとも1×10細胞の集団を含む、組成物であって、細胞の集団は、CD33抗原の発現の低減または除去を有するよう操作されているCD33をコードする改変遺伝子を含む、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫を含む、組成物。
186.培地が、体積約45mLを有する、実施形態185に記載の組成物。
187.集団の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、CD33抗原の発現の低減または除去を有している、遺伝子改変された造血細胞、またはその子孫である、実施形態185または実施形態186に記載の組成物。
188.集団が、1mL当たり少なくとも2×10細胞、1mL当たり少なくとも3×10細胞、1mL当たり少なくとも4×10細胞、1mL当たり少なくとも5×10細胞、1mL当たり少なくとも6×10細胞、1mL当たり少なくとも少なくとも7×10細胞、1mL当たり少なくとも8×10細胞、または1mL当たり少なくとも9×10細胞を含む、実施形態185~187のいずれか一つに記載の組成物。
189.培地が、抗凍結剤を含む凍結保存培地である、実施形態185~188のいずれか一つに記載の組成物。
190.抗凍結剤が、量約10%(v/v)でジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、実施形態189に記載の組成物。
191.造血細胞が、CD34+/CD33-である、実施形態185~190のいずれか一つに記載の組成物。
192.CD33抗原をコードする内在遺伝子の全てまたは一部が、欠失されている、実施形態185~191のいずれか一つに記載の組成物。
193.内在遺伝子の全体または部分が、ゲノム編集を使用して欠失されている、実施形態185~192のいずれか一つに記載の組成物。
194.行われるゲノム編集が、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)、またはCRISPR-Casシステムを含む、実施形態193に記載の組成物。
195.CRISPR-Casシステムが、gRNAおよびRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸を含む、実施形態194に記載の組成物。
196.gRNAが、配列番号9~15のいずれか一つに記載の配列を含む標的ドメインを含む、実施形態195に記載の組成物。
197.検出可能なレベルのRNAガイドヌクレアーゼを含まない、実施形態195または実施形態196に記載の組成物。
198.凍結された状態にある、実施形態185~197のいずれか一つに記載の組成物。
199.凍結保存プロセスに供された、実施形態185~198のいずれか一つに記載の組成物を含む、凍結保存された組成物。
200.凍結保存プロセスが、速度を制御した凍結である、実施形態199に記載の凍結保存された組成物。
【0289】
均等物及び範囲
当業者は、本明細書に記載される例示的な実施形態の多くの均等物を認識するか、又は日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図していない。
【0290】
「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、反対の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、一つ又は一つより多くを意味し得る。群の二つ以上のメンバーの間に「又は」を含む、請求項又は明細書は、反対の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、群のメンバーのうちの一つ、一つより多く、又は全てが存在する場合に満たされるとみなされる。二つ以上の群のメンバーの間に「又は」を含む群の開示は、群の正確に一つのメンバーが存在する実施形態、群の一つより多くのメンバーが存在する実施形態、及び群のメンバーの全てが存在する実施形態を提供する。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書では個別には詳述されていないが、これらの実施形態の各々は、本明細書で提供され、具体的に主張又は否定され得ることが理解されるであろう。
【0291】
本発明は、請求項のうちの一つ以上、又は明細書の一つ以上の関連部分からの一つ以上の制限、要素、節、又は説明用語が、別の請求項に導入される、全ての変形例、組み合わせ、及び順列を包含することを理解されたい。例えば、別の請求項に従属する請求項は、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項で見出される制限のうちの一つ以上を含むように修正され得る。更に、請求項が組成物を列挙する場合、別段の指示がない限り、又は矛盾若しくは不一致が生じることが当業者に明白ではない限り、本明細書に開示される作製若しくは使用方法のうちのいずれかによる、又は存在する場合、当技術分野で公知の方法による、組成物を作製若しくは使用する方法が含まれることを理解されたい。
【0292】
要素が、リストとして提示される場合、要素の全ての可能な個々の要素又は部分群も開示されており、任意の要素又は要素の部分群が群から削除され得ることを理解されたい。また、「含む」という用語は、開放的であることを意図し、追加の要素、特性又はステップの包含を可能にすることにも留意されたい。一般的に、実施形態が、特定の要素、特徴、又はステップを含むと言及される場合、そのような要素、特徴、若しくはステップからなる、又はそれらから本質的になる実施形態も同様に提供されることが理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書では個別には詳述されていないが、これらの実施形態の各々は、本明細書で提供され、具体的に主張又は否定され得ることが理解されるであろう。
【0293】
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。更に、別段の指示がない限り、又は文脈及び/若しくは当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明確に別段に指示しない限り、いくつかの実施形態では、範囲の下限の単位の1/10まで、記載された範囲内の任意の特定の値を想定し得ることを理解されたい。簡潔にするために、各範囲内の値は、本明細書には個別に詳述されていないが、これらの値の各々は、本明細書に提供され、具体的に主張又は否認され得ることが理解されるであろう。また、別段の指示がない限り、又は文脈及び/若しくは当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、所与の範囲内の任意の部分範囲を想定することができ、部分範囲の終点は、範囲の下限の単位の1/10と同程度の精度で表されることも理解されたい。
【0294】
加えて、本発明の任意の特定の実施形態は、請求項のうちのいずれか一つ以上から明示的に除外され得ることを理解されたい。範囲が与えられる場合、その範囲内の任意の値は、請求項のうちのいずれか一つ以上から明示的に除外され得る。簡潔にするために、一つ以上の要素、特徴、目的、又は態様が除外される実施形態の全ては、本明細書に明示的に記載されていない。本開示は、前述の実施形態のうちのいずれか一つまたは複数のすべての組み合わせ、ならびに詳細な説明および実施例に記載される実施形態のうちのいずれか一つまたは複数の組み合わせを企図する。
【0295】
本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料が本発明の実施又は試験に使用され得るが、好適な方法及び材料が本明細書に記述されている。本明細書に記載される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献(例えば、配列データベース参照番号)は、参照によりその全体が組み込まれる。例えば、本明細書、例えば、本明細書の任意の表において言及される全てのGenBank配列、Unigene配列、およびEntrez配列は、参照により組み込まれる。別段の指定がない限り、本明細書に明記される配列受託番号は、本明細書の任意の表において、2019年5月23日現在のデータベースエントリーを指す。一つの遺伝子またはタンパク質が複数の配列受託番号を参照する場合、配列バリアントの全てが包含される。
図1
図2
図3AB
図3CDE
図4ABC
図5AB
図5CD
図6ABC
【配列表】
2023548111000001.app
【国際調査報告】