IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ムール ウント ベンダー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-548135アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置
<>
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図1
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図2
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図3
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図4
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図5
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図6
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図7
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図8
  • 特表-アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】アクチュエータを備えた、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 21/055 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
B60G21/055
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526147
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2021080416
(87)【国際公開番号】W WO2022096469
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102020129069.1
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596179058
【氏名又は名称】ムール ウント ベンダー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Muhr und Bender KG
【住所又は居所原語表記】Mubea-Platz 1, D-57439 Attendorn,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュリュルカンプ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ゲアスマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ツェラー
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ フォス
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA74
3D301DA80
3D301DB18
3D301DB35
3D301DB39
3D301DB40
3D301DB48
3D301DB55
(57)【要約】
本発明は、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置であって、第1のスタビライザ区分(3)と、第2のスタビライザ区分(4)と、スタビライザ区分(3,4)間のばねエレメント(5)と、スタビライザ区分(3,4)の一方にそれぞれ相対回動不能に結合されているアクチュエータ外側部分(7)およびアクチュエータ内側部分(8)を備えた液圧式のアクチュエータ(6)と、外側の係合手段(18)を介してアクチュエータ外側部分に、かつおよび内側の係合手段(19)を介してアクチュエータ内側部分(7,8)に結合された中間エレメント(9)と、を備えており、外側の係合手段(18)および内側の係合手段(19)の一方が、軸方向の勾配成分を有しており、外側の係合手段(18)および内側の係合手段(19)の他方が、長手方向軸線に対して平行に延びており、これにより、アクチュエータ部分(7,8)の相対的な回動運動が、中間エレメント(9)の軸方向運動に変換され、中間エレメント(9)が、第1の液圧チャンバ(20)または第2の液圧チャンバ(21)に圧力を加え、両液圧チャンバ(20,21)は、制御エレメント(22)を介在させながら互いに液圧的に接続されている、スタビライザ装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置であって、
第1のスタビライザ区分(3)と、
第2のスタビライザ区分(4)と、
液圧式のアクチュエータ(6)と、を備え、該アクチュエータ(6)が、アクチュエータ外側部分(7)であって、前記第1のスタビライザ区分(3)および前記第2のスタビライザ区分(4)の一方に相対回動不能に結合されている、アクチュエータ外側部分(7)と、アクチュエータ内側部分(8)であって、前記第1のスタビライザ区分(3)および前記第2のスタビライザ区分(4)の他方に相対回動不能に結合されている、アクチュエータ内側部分(8)と、中間エレメント(9)であって、外側の係合手段(18)を介して前記アクチュエータ外側部分(7)に結合されていて、内側の係合手段(19)を介して前記アクチュエータ内側部分(8)に結合されている、中間エレメント(9)と、を備えており、前記外側の係合手段(18)および前記内側の係合手段(19)の一方が、軸方向の勾配成分を有しており、前記外側の係合手段(18)および前記内側の係合手段(19)の他方が、長手方向軸線に対して平行に延びており、これにより、前記アクチュエータ外側部分(7)と前記アクチュエータ内側部分(8)との間の相対的な回動運動が、前記中間エレメント(9)の軸方向の運動に変換され、前記中間エレメント(9)が、第1の方向(R1)への運動時に、第1の液圧チャンバ(20)に圧力を加え、前記第1の方向(R1)とは反対方向の第2の方向(R2)への運動時に、第2の液圧チャンバ(21)に圧力を加える、スタビライザ装置において、
前記第1のスタビライザ区分(3)と前記第2のスタビライザ区分(4)との間に、ばねエレメント(5)が配置されており、かつ
前記第1の液圧チャンバ(20)と前記第2の液圧チャンバ(21)とが、制御エレメント(22)を介在させながら互いに液圧的に接続されていることを特徴とする、スタビライザ装置。
【請求項2】
前記第1の液圧チャンバ(20)のための第1の液圧的な接続部(27)と、前記第2の液圧チャンバ(21)のための第2の液圧的な接続部(28)とが両方とも、前記アクチュエータ外側部分(7)に結合されている、請求項1記載のスタビライザ装置。
【請求項3】
前記第1の液圧的な接続部(27)と前記制御エレメント(22)との間の第1の接続管路(38)ならびに前記第2の液圧的な接続部(28)と前記制御エレメント(22)との間の第2の接続管路(39)とが、それぞれ剛性的にまたは可撓に形成されている、請求項2記載のスタビライザ装置。
【請求項4】
前記アクチュエータ外側部分(7)がハウジング部分として構成されており、かつ前記アクチュエータ内側部分(8)が中空軸として構成されており、
前記アクチュエータ外側部分(7)および前記アクチュエータ内側部分(8)の一方が、前記第1のスタビライザ区分(3)に相対回動不能に結合されており、前記アクチュエータ外側部分(7)および前記アクチュエータ内側部分(8)の他方が、前記第2のスタビライザ区分(4)に相対回動不能に結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項5】
前記ばねエレメント(5)が、トーションばねとして構成されており、該トーションばねが、前記アクチュエータ(6)に対して機能的に並列して前記第1のスタビライザ区分(3)と前記第2のスタビライザ区分(4)との間に配置されており、前記トーションばねが、中空軸として構成された前記アクチュエータ内側部分(8)を軸方向で貫通して延びていて、第1の端部区分で前記第1のスタビライザ区分(3)に相対回動不能に結合され、かつ第2の端部区分で前記第2のスタビライザ区分(4)に相対回動不能に結合されている、請求項4記載のスタビライザ装置。
【請求項6】
前記中間エレメント(9)が、前記第1の液圧チャンバ(20)に対応配置されている第1の端部区分(23)と、前記第2の液圧チャンバ(21)に対応配置されている第2の端部区分(25)とを有しており、
前記第1の端部区分および前記第2の端部区分の一方が、外側のシール(26)により前記アクチュエータ外側部分(7)に対してシールされていて、かつ前記アクチュエータ内側部分(8)に対してはシールを有しておらず、かつ
前記第1の端部区分および前記第2の端部区分の他方が、内側のシール(24)により前記アクチュエータ内側部分(8)に対してシールされていて、かつ前記アクチュエータ外側部分(7)に対してシールを有していない、請求項1から5までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項7】
前記外側の係合手段(18)が、前記長手方向軸線(A)に対して角度付けされて延びていて、かつ前記内側の係合手段(19)が、前記長手方向軸線(A)に対して平行に延びている、または
前記外側の係合手段が、前記長手方向軸線(A)に対して平行に延びていて、かつ前記内側の係合手段が、前記長手方向軸線(A)に対して角度付けされて延びている、請求項1から6までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項8】
前記中間エレメント(9)の前記外側の係合手段(18)が、螺旋歯列の形態で構成されており、該螺旋歯列が、前記アクチュエータ外側部分(7)の対応する対向歯列内にねじ状に回動可能に係合する、請求項1から7までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項9】
前記中間エレメント(9)の前記内側の係合手段(19)が、長手方向歯列の形態で構成されており、該長手方向歯列が、前記アクチュエータ内側部分(8)の対応する軸歯列内に相対回動不能かつ軸方向で摺動可能に係合する、請求項1から8までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項10】
前記長手方向軸線(A)に対して平行に延びる前記係合手段(19)の軸方向の延在長さが、前記中間エレメント(9)の軸方向の長さよりも短く、特に前記中間エレメント(9)の前記軸方向の長さの0.5倍よりも短い、請求項1から9までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項11】
前記制御エレメント(22)が、減衰ユニット(33)と蓄圧器(34)とを有しており、前記減衰ユニット(33)が、特に半能動的または能動的なユニットとして構成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項12】
前記減衰ユニット(33)が、周波数選択性の弁を備えており、該弁が、前記スタビライザ装置(2)の振動周波数に依存して可変の減衰力を有しており、
前記周波数選択性の弁は、特に、5Hzよりも大きな比較的高い励振周波数では、2Hzよりも小さな比較的低い励振周波数における減衰力よりも小さな減衰力を有している、請求項11記載のスタビライザ装置。
【請求項13】
前記制御エレメント(22)が、少なくとも部分的に前記アクチュエータ(6)に軸方向でオーバラップして配置されていて、かつ制御ハウジング(37)を有しており、該制御ハウジング(37)が、前記アクチュエータ外側部分(7)に固定的に結合されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項14】
前記制御エレメント(22)が、前記アクチュエータ(6)に対して少なくとも部分的に軸方向でずらされて配置されていて、前記制御ハウジング(37)が、少なくとも間接的に前記アクチュエータ外側部分(7)に固定的に結合されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のスタビライザ装置。
【請求項15】
前記制御ハウジング(37)が、結合エレメントを介して、前記アクチュエータ外側部分(7)に接続された前記スタビライザ区分(3,4)に結合されており、前記結合エレメントが、特に小さな角度差を受け止めることができる、請求項14記載のスタビライザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータを備えた、左右に車輪のある(zweispurig)車両用のスタビライザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スタビライザ装置は、車両の揺れに抗して作用し、これにより車両の走行ダイナミクスまたは走破性の改善に寄与する働きをする。スタビライザの端部は、車両アクスルのそれぞれ1つのホイールサスペンションに結合される。両端部の間で、スタビライザは車両ボディに取り付けられる。受動的、半能動的および能動的なスタビライザ装置が公知である。
【0003】
英国特許出願公開第2318771号明細書から、トーションバー用の揺れ制御アクチュエータが公知であり、この揺れ制御アクチュエータは、トーションバーの第1の部分に結合可能な円筒形のハウジングと、ハウジング内で回動可能な、トーションバーの第2の部分に結合可能なロッドとを備えている。円筒形のスリーブがハウジング内に配置されていて、かつこのハウジングに相対回動不能に結合されており、このスリーブは、内面に環状に延びる切欠きを有している。バーは、その外面に雄ねじ山を有している。ボールが、内側ではバーの雄ねじ山に係合し、外側ではスリーブの切欠きに係合する。2つの流体チャンバの形態の制御手段が、ハウジングおよびバーと協働し、流体チャンバは、スリーブのリブの互いに反対の側に配置されている。両流体チャンバはポンプに接続されており、このポンプはチャンバに液圧液を供給することができる。
【0004】
国際公開第2020/225029号からは、2つの作業チャンバを備えた1つのアクチュエータを含む、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置が公知である。アクチュエータは伝動装置ユニットを備えており、この伝動装置ユニットは、スタビライザ半部の回動運動を、作動チャンバ間に配置された中間エレメントの並進運動に変換可能であるように設計されている。
【0005】
独国特許出願公開第102009029802号明細書から、自動車用の半能動的なスタビライザ装置が公知である。このスタビライザ装置は、分割されたスタビライザを備えており、第1のスタビライザ区分は、液圧式のアクチュエータを介して第2のスタビライザ区分に結合されている。第1のスタビライザ区分は、アクチュエータのハウジングに相対回動不能に結合されていて、第2のスタビライザ区分は、ハウジング内に突入する軸に相対回動不能に結合されている。ハウジング内には、変位可能なピストンが配置されており、このピストンにより、互いに液圧的に接続された2つのチャンバに圧力を加えることができる。これらのチャンバは、制御エレメントを組み込みながら、互いに直接に接続されている。
【0006】
独国特許出願公開第102008030361号明細書において、2つに分割されたトーション軸と、調節のためのトーションモータとを備えた揺れスタビライザシステムが公知である。第1の軸部分は、スリーブ形のハウジングに相対回動不能に結合されており、このハウジング内に、第2の軸部分が進入している。ピストンは、内周面が螺旋輪郭を有しているハウジング内で軸方向に摺動可能に収容されていて、第2の軸部分に相対回動不能にガイドされている。ピストンは、偏心的な貫通切欠きを有しており、この貫通切欠きを貫通して第2の軸部分が延びている。
【0007】
独国実用新案第202015101123号明細書からは、車両の走行機構のための半能動的なスタビライザ装置が公知である。このスタビライザ装置は、互いに分離した2つのスタビライザ部分を備えており、これらのスタビライザ部分は互いに相対回動可能である。両スタビライザ部分の間にアクチュエータが設けられており、アクチュエータは、スタビライザ部分の自由な端部領域を互いに結合している。アクチュエータは、電磁的に相互作用するコイルエレメントを備えている。
【0008】
独国特許出願公開第102017118044号明細書からは、第1のスタビライザロッドと、第2のスタビライザバーと、これらのスタビライザバー間に配置された回転ダンパとを備えたスタビライザ装置が公知である。回転ダンパは、車両の走行状態に依存して2つの運転モードを実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の根底にある課題は、簡単に構成され、僅かな構造スペースしか必要としない、アクチュエータを備えたスタビライザ装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために、左右に車輪のある車両用のスタビライザ装置であって、第1のスタビライザ区分と、第2のスタビライザ区分と、第1のスタビライザ区分と第2のスタビライザ区分との間に配置されたばねエレメントと、液圧式のアクチュエータとを含み、アクチュエータが、アクチュエータ外側部分であって、第1のスタビライザ区分および第2のスタビライザ区分の一方に相対回動不能に結合されている、第1のアクチュエータ外側部分と、アクチュエータ内側部分であって、第1のスタビライザ区分および第2のスタビライザ区分の他方に相対回動不能に結合されている、アクチュエータ内側部分と、中間エレメントであって、外側の係合手段を介してアクチュエータ外側部分に結合されていて、内側の係合手段を介してアクチュエータ内側部分に結合されている、中間エレメントと、を備えており、外側の係合手段および内側の係合手段の一方が、軸方向の勾配成分を有しており、外側の係合手段および内側の係合手段の他方が、長手方向軸線に対して平行に延びており、これにより、アクチュエータ外側部分とアクチュエータ内側部分との間の相対的な回動運動が、中間エレメントの軸方向の運動に変換され、中間エレメントが、第1の方向への運動時に第1の液圧チャンバに圧力を加え、第1の方向とは反対方向の第2の方向への運動時に第2の液圧チャンバに圧力を加える、スタビライザ装置において、第1の液圧チャンバと第2の液圧チャンバとが、制御エレメントを介在させながら互いに液圧的に接続されている、スタビライザ装置が提案される。
【0011】
このスタビライザ装置の1つの利点は、当該スタビライザ装置が、アクチュエータ外側部分に設けられた外側の係合手段と、アクチュエータ内側部分に設けられた内側の係合手段とに基づいて、短い軸方向の構造長さを有している、という点にある。外側の係合手段と内側の係合手段とは、特に少なくとも部分的に互いに軸方向でオーバラップして配置されていてよい。これにより、利用可能な構造空間に依存して、より簡単な軸統合を行うことができる。
【0012】
一方では液圧式のアクチュエータが、他方ではばねエレメントが、第1のスタビライザ区分と第2のスタビライザ区分との間に機能的に並列に配置されている。これにより、スタビライザ装置は、互いに異なる少なくとも2つのばね特性で動作可能である。スタビライザ半部とも称することができる両スタビライザ区分は、ばねエレメントによって互いに回動可能に連結されており、これによりスタビライザは第1のばね特性曲線で動作可能である。さらに、両方のスタビライザ区分は、液圧式のアクチュエータを用いて互いに回動可能に液圧的に連結可能であるか、または連結されており、これによりスタビライザは第2のばね特性曲線で動作可能である。
【0013】
好適な実施形態によれば、第1の液圧チャンバのための第1の液圧的な接続部と、第2の液圧チャンバのための第2の液圧的な接続部とが両方とも、アクチュエータ外側部分に結合されている。これにより、両接続部、ひいてはこれらの接続部に結合された液圧管路が、アクチュエータ外側部分と一緒に回動する。これは、第1の接続部および第2の接続部と制御ユニットとの間の液圧管路を、頑丈で長い耐用期間を有している剛性的な管路として構成することを可能にする。さらに、制御エレメントの構成および配置に関する構造的なフレキシビリティが生じる。例えば、制御エレメントは少なくとも部分的に、アクチュエータに対して軸方向でオーバラップして配置されていてよい。制御エレメントのハウジングは、例えば接着または溶接のような材料結合式の結合手段、またはねじのような形状結合式の結合手段によって、アクチュエータ外側部分に固定的に結合されていてよい。代替的には、制御エレメントは、アクチュエータに対して少なくとも部分的に軸方向でずらされて配置されていてよい。この場合、制御ハウジングは、例えばアクチュエータ外側部分に相対回動不能に結合されたスタビライザ区分において、少なくとも間接的にアクチュエータ外側部分に固定的に結合されていてよい。
【0014】
好適な実施形態によれば、アクチュエータ外側部分がハウジング部分として形成されており、アクチュエータ内側部分が中空軸として形成されている。アクチュエータ外側部分およびアクチュエータ内側部分の両部分の一方が、第1のスタビライザ区分に相対回動不能に結合されているのに対して、上述の両部分の他方は、第2のスタビライザ区分に相対回動不能に結合されている。車両の揺れ運動時に、両スタビライザ区分ひいては介在したばねエレメントまたは両アクチュエータ部分が、互いに対して回動する。
【0015】
スタビライザ区分の間に配置されたばねエレメントは、特にトーションばねの形態で構成されている。トーションばねは、好適には中空軸として構成されたアクチュエータ内側部分を軸方向で貫通して延びている。ばねエレメントの第1の端部区分は、第1のスタビライザ区分に相対回動不能に結合されており、ばねエレメントの第2の端部区分は、第2のスタビライザ区分に相対回動不能に結合されている。
【0016】
中間エレメントが、ピストンのようにアクチュエータ外側部分とアクチュエータ内側部分との間で軸線方向に可動に装入され、その限りではピストンエレメントと称することができる。中間エレメントまたはピストンエレメントは、アクチュエータ外側部分に設けられた外側の係合手段およびアクチュエータ内側部分に設けられた内側の係合手段と一緒に、回動-並進変換器を形成する。アクチュエータ外側部分とアクチュエータ内側部分との間の相対的な回動運動は、ピストンエレメントの並進運動に変換され、これにより、回動方向に応じてそれぞれの液圧チャンバに圧力が加えられる。
【0017】
アクチュエータ外側部分またはアクチュエータ内側部分に対する、軸線方向の勾配成分を有する係合手段または軸線方向の勾配成分を有しない係合手段の対応配置は、基本的に自由に選択可能である。第1の可能性によれば、軸方向の勾配成分を有する係合手段が、アクチュエータ外側部分に対応配置されており、対応して、軸方向の勾配成分を有しない係合手段が、アクチュエータ内側部分に対応配置されている。しかし、原則的に、運動学的な反転も可能である。具体的な実施形態では、軸方向の勾配成分を有する係合手段は、螺旋歯列の形態で構成されていてよく、この場合、外側の螺旋歯列が中間エレメントに形成されている。外側の螺旋歯列は、アクチュエータ外側部分に設けられた、相応して正反対の内側の螺旋歯列にねじ状に回動可能に係合する。軸方向の勾配成分を有しない係合手段は、長手方向歯列の形態で構成されていてよく、この場合、内側の中空軸歯列が中間エレメントに形成されており、この内側の中空軸歯列は、アクチュエータ内側部分の正反対の軸歯列に相対回動不能に、かつ軸方向に可動に係合する。長手方向軸線に対して平行に延びる係合手段の軸方向の延在長さは、特に中間エレメントの軸方向の長さよりも短く形成されていてよく、特に中間エレメントの軸方向の長さの0.5倍よりも短く形成されていてよい。これにより、アクチュエータ内側部分に対する中間エレメントの軸方向可動性が可能にされる。
【0018】
一実施形態によれば、アクチュエータの中間エレメントは、第1の液圧チャンバに対応配置されている第1の端部区分と、第2の液圧チャンバに対応配置されている第2の端部区分とを有している。両液圧チャンバは、互いに液圧的にシールされている。このために、両端部区分の一方が、外側のシールによりアクチュエータ外側部分に対してシールされていて、かつアクチュエータ内側部分に対してはシールを有しないで構成されているのに対して、両端部区分の他方は、内側のシールによりアクチュエータ内側部分に対してシールされていて、かつアクチュエータ外側部分に対してはシールを有していない。この構成に基づいて、ピストンエレメントを両液圧チャンバに対して、または両液圧チャンバを互いに対してシールするために、2つのシールしか必要ではなく、これは製造の手間および組付けの手間に好都合に作用する。
【0019】
制御エレメントは、スタビライザ装置に対する要求に応じて構成することができ、この場合、第1の液圧チャンバと第2の液圧チャンバとは、好適には制御エレメントの少なくとも1つの状態において互いに液圧的に接続されている。制御エレメントの相応の設計により、スタビライザ装置の減衰性を、導入される力またはモーメントの速度に依存して、需要に応じて調節することができる。導入される力またはモーメントは、同様に車両の運動周波数に依存している。好適には、液圧式のアクチュエータは、例えば2Hzよりも大きな、特に5Hzよりも大きな比較的高い周波数では、小さな減衰力が達成され、例えば5Hzよりも小さな、特に2Hzよりも小さな比較的低い周波数では比較的大きな減衰力が形成されるように設計されている。減衰特性の適合が自動的に、つまり外部の液圧式または電気式(ニューマチック式、磁気式等)の制御なしに純粋に物理的または液圧式に行われる、半能動的または適応性の構成が可能である。代替的には、別個の外部の制御装置を有する能動的な構成が可能である。
【0020】
例えば、制御エレメントは、第1の可能性によれば、スタビライザ装置の振動周波数および/または振動振幅に依存した可変の減衰力を有する周波数選択性の弁を備えていてよい。この場合、周波数選択性の弁は、この弁が比較的高い励振周波数および/または振動振幅では、比較的低い励振周波数および/または振動振幅における減衰力よりも、小さな減衰力を有しているように構成されていてよい。これは、弁内の孔サイズが、液圧液の所望の体積流量を案内するように相応して選択されることによって実施することができる。この場合、弁内の小さな流出孔または絞りは、緩慢な励振時に液圧流体の通流を可能にするのに対して、より高速の励振時に、液圧的な流れは遮断または減衰される。
【0021】
第2の可能性によれば、制御エレメントが、周波数選択性の弁と、少なくとも1つの制御可能な切換弁とを備えていてよい。周波数選択性の弁は、第1の可能性におけるものと同様に構成されていてよい。少なくとも1つの切換弁は、両液圧チャンバ間の液圧的な接続部内に配置されている。閉位置では、チャンバ間の液圧的な接続部が遮断されており、これにより、アクチュエータのピストンエレメントは軸方向の運動を阻止されている。この切換位置では、アクチュエータ外側部分とアクチュエータ内側部分とは互いに相対回動不能にロックされている。比較的硬いばね定数が生じる。切換弁の開位置では、両チャンバは互いに液圧的に互いに連通しており、これにより、アクチュエータ-ピストンエレメントは、両スタビライザ区分が相対的に回動運動した場合に、軸方向に可動である。減衰は、この切換位置では、周波数選択性の弁によって、スタビライザ装置の振動周波数に依存して可変に行われる。
【0022】
第3の可能性によれば、制御エレメントが、第2の可能性におけるものと同様に制御可能な切換弁を備えていてよいが、周波数選択性の弁が省略されている。切換弁の閉位置では、両チャンバが互いに液圧的に分離されており、これにより、アクチュエータ外側部分とアクチュエータ内側部分とは互いに相対回動不能にブロックされている。比較的硬いばね定数が生じる。切換弁の開位置では、両チャンバが互いに液圧的に連通しており、これにより、アクチュエータ-ピストンエレメントは、両スタビライザ区分が相対的に回動運動した場合に、軸方向に可動である。これに基づいて、スタビライザ区分に結合されたばねエレメントに関して比較的軟らかいばね定数が生じる。
【0023】
好適な実施例を以下に図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施形態における本発明によるスタビライザ装置を示す図である。
図2図1に示すスタビライザ装置のアクチュエータを細部として示す縦断面図である。
図3図1に示すスタビライザ装置の概略図である。
図4】第2の実施形態における本発明によるスタビライザ装置を示す概略図である。
図5】第3の実施形態における本発明によるスタビライザ装置を示す概略図である。
図6】制御ユニットの変更された接続部を伴う、別の実施形態における本発明によるスタビライザ装置を示す図である。
図7】制御ユニットの変更された配置を伴う、別の実施形態における本発明によるスタビライザ装置を示す図である。
図8】本発明に係るスタビライザ装置のためのアクチュエータ装置を変更した構成で示す図である。
図9】本発明に係るスタビライザ装置のためのアクチュエータ装置を変更した構成で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下で一緒に説明する図1図3は、第1の実施形態における本発明によるスタビライザ装置2を示している。
【0026】
スタビライザ装置2は、第1のスタビライザ区分3と第2のスタビライザ区分4とを備えており、これらのスタビライザ区分3,4は、互いに回動可能であるように、ばねエレメント5によって互いに連結されており、この場合、スタビライザは第1のばね特性曲線で動作可能である。スタビライザ装置2は、液圧式のアクチュエータ6をさらに備えており、この液圧式のアクチュエータ6を介して、両スタビライザ区分3,4、はばねエレメント5に対して機能的に並列した配置で互いに液圧的に結合可能であり、この場合、スタビライザは、第2のばね特性曲線で動作可能である。
【0027】
アクチュエータ6は、第1のスタビライザ区分3に相対回動不能に接続されているアクチュエータ外側部分7と、第2のスタビライザ区分4に相対回動不能に接続されているアクチュエータ内側部分8と、半径方向で両アクチュエータ部分7,8の間に配置された中間エレメント9と、を備えている。アクチュエータ外側部分7はハウジング部分として構成されており、アクチュエータ内側部分8は中空軸として構成されているが、この構成に限定されるものではない。アクチュエータ内側部分8は、特に適切な軸受手段10,11により、アクチュエータ外側部分7内で長手方向軸線Aを中心として回動可能に支承されていて、適切なシールエレメント12,13によってこれらの軸受手段10,11に対してシールされている。アクチュエータ外側部分7は、第1のスタビライザ区分3に固定的に結合されている接続区分14を備えている。中空軸として形成されたアクチュエータ内側部分8は、接続区分14とは反対側の端部に接続区分15を有しており、この接続区分15において、第2のスタビライザ区分4が固定的に結合されている。ばねエレメント5は、特にトーションバーばねとして構成されている。第1のばね端部16は、差込結合部を介してアクチュエータ外側部分7の接続区分14に相対回動不能に結合されており、第2のばね端部17は、差込結合部を介してアクチュエータ内側部分8の接続区分15に相対回動不能に結合されている。車両の揺れ運動時に、両スタビライザ区分3,4またはこれらのスタビライザ区分3,4に結合されたアクチュエータ部分7,8が互いに対して回動し、これにより、介在しているばねエレメント5が捩られて、揺れ運動を第1のばね定数で減衰する。
【0028】
第2のばね定数は、アクチュエータ6に基づいて生じる。アクチュエータ6の中間エレメント9は、ピストンのようにアクチュエータ外側部分7とアクチュエータ内側部分8との間で軸方向に可動に装入されている。中間エレメント9は、回動-並進変換器の一部である。この回動-並進変換器は、両アクチュエータ部分7,8の互いに対する回動運動が、中間エレメント9の軸方向運動に変換されるかまたは変換可能であるように構成されている。このために、外側の係合手段18と内側の係合手段19とが設けられており、外側の係合手段18により、中間エレメント9がアクチュエータ外側部分7に特に形状結合式に係合しており、内側の係合手段19により、中間エレメント9がアクチュエータ内側部分8に特に形状結合式に係合している。この実施形態では、外側の係合手段18が軸方向で勾配成分を有しており、これに対して内側の係合手段19が、軸方向で長手方向Aに対して勾配なしに、長手方向軸線Aに対して平行に延びている。なお、勾配成分を有する係合手段と、勾配成分を有しない係合手段とを、外側のアクチュエータ部分および内側のアクチュエータ部分に反対に対応配置させることも可能であると理解される。
【0029】
軸線方向の勾配成分を有する係合手段18は特に、螺旋装置の形態で構成されている。この螺旋装置では、中間エレメント9の外側の螺旋歯列29が、アクチュエータ外側部分7の正反対の内側の螺旋歯列30に係合しており、これにより、中間エレメントとアクチュエータ外側部分とが互いに螺旋状に回動可能になっている。軸方向の勾配成分を有しない係合手段19は、特に長手方向歯列の形態で構成されており、中間エレメント9の内側の中空軸歯列31は、アクチュエータ内側部分8の、正反対の軸歯列32に相対回動不能にかつ軸方向に運動可能であるように係合する。アクチュエータ内側部分8に対する中間エレメント9の十分な軸方向の可動性のために、軸平行な係合手段19の有効な軸方向の長さは、中間エレメント9の軸方向の長さよりも短く、特に中間エレメントの軸方向の長さの0.5倍よりも短い。
【0030】
第1の軸方向R1への中間エレメント9の運動時に、第1の液圧チャンバ20に圧力が加えられる。第1の軸方向R1とは反対方向の第2の方向R2への運動時に、ピストンエレメントの反対側に配置されている第2の液圧チャンバ21に圧力が加えられる。両液圧チャンバ20,21は、ピストンエレメントによって液圧的に互いにシールされていて、制御エレメント22を介在させながら液圧的に互いに接続されている。これは、両液圧チャンバ20,21が制御エレメント22を介して液圧的に互いに接続可能である可能性、つまり、液圧チャンバが制御エレメント22の少なくとも1つの状態において互いに接続されている可能性を含んでいる。
【0031】
液圧チャンバ20,21をシールするために、中間エレメント9の第1の端部区分23には内側のシール24が設けられており、この内側のシール24は、第1の液圧チャンバ20をアクチュエータ内側部分8に対してシールし、この場合、第1の端部区分23はアクチュエータ外側部分7に対してシールを有していない。中間エレメント9の第2の端部区分25には外側のシール26が設けられており、この外側のシール26は、第2の液圧チャンバ21をアクチュエータ外側部分7に対してシールし、この場合、第2の端部区分25はアクチュエータ内側部分8に対してシールを有していない。したがって、中間エレメント9を両液圧チャンバ20,21に対してシールするために、2つのシール24,26しか必要とされない。端部区分23,25は、シール支持体として構成されていてよく、シール支持体は、例えば溶接によって中間エレメント9に固定的に結合されている。
【0032】
アクチュエータ外側部分7には、第1の液圧チャンバ20に対する第1の液圧的な接続部27と、第2の液圧チャンバ21に対する第2の液圧的な接続部28とが設けられている。これらの接続部27,28は、液圧管路38,39を介して制御エレメント22に液圧的に接続されている。液圧管路38,39は、剛性的なまたは可撓性のある管路として構成されていてよい。
【0033】
制御エレメント22は、スタビライザ装置2に対する要求に応じて構成されていてよい。制御エレメント22の対応する設計により、スタビライザ装置2の減衰は、導入される力またはモーメントの速度に依存して、需要に応じて調節することができる。導入される力またはモーメントは、同様に車両の運動周波数に依存している。好適には、液圧式のアクチュエータ6は、例えば2Hzよりも大きな、特に5Hzよりも大きな比較的高い周波数では小さな減衰力が達成され、例えば5Hzよりも小さな、特に2Hzよりも小さな比較的低い周波数ではより大きな減衰力が形成されるように設計されている。
【0034】
以下では、図3図5に基づき、アクチュエータ6または制御エレメント22の様々な機能的な実施例を説明する。なお、図1に示したスタビライザ装置が、後述のアクチュエータまたは制御エレメントを備えていてよいと理解される。
【0035】
図3に示した実施例では、制御エレメント22を備えたアクチュエータ6が、半能動的なシステムとして構成されている。このために、制御エレメント22が、第1の液圧チャンバ20および第2の液圧チャンバ21に液圧的に接続されている減衰ユニット33と、蓄圧器34とを備えている。本実施例では、減衰ユニット33は、周波数選択性の弁の形態で構成されている。周波数選択性の弁は、スタビライザ装置2の振動周波数および/または振動振幅に依存した可変の減衰力を可能にする。周波数選択的な弁は、特に、比較的高い励振周波数または振動振幅では、比較的低い励振周波数または振動振幅における減衰力よりも、小さな減衰力を有するように構成されている。蓄圧器34は特に、温度変化を補償する働きをし、制御エレメントに組み込まれていてもよく、または別個のエレメントとして制御エレメントに接続されていてもよい。この構成では、外部の制御装置または回路は設けられていない。
【0036】
図4は、アクチュエータ6または能動的なシステムとして構成されている制御ユニット22の第2の実施例を示している。この構成は、図3に示した実施形態に大幅に一致しており、その限りでは図3の説明が簡略的に参照される。同一の部分は同一の参照符号を有している。本実施例では、上述のシステムに加えて、図4に示すように、外部で制御可能な2つの切換弁35,36が設けられており、両切換弁35,36は、液圧チャンバ20,21と、周波数選択性の弁の接続部との間に配置されている。切換弁35,36の、図4に示した閉位置では、チャンバ20,21の間の液圧的な接続が遮断されているので、アクチュエータ6のピストンエレメント9は軸方向の運動を阻止されている。この切換位置では、アクチュエータ外側部分7とアクチュエータ内側部分8とは互いに相対回動不能にロックされている。ばねエレメント5を迂回しながら、比較的硬いばね定数が生じる。切換弁35,36の開位置では、両チャンバ20,21は互いに液圧的に連通しており、これにより、ピストンエレメント9は、両スタビライザ区分3,4が相対的に回動運動した場合、軸方向に可動である。減衰は、この切換位置では、周波数選択性の弁33によって、スタビライザ装置の振動周波数に依存して可変に行われる。周波数選択性の弁33は、図3に示した実施形態と同様に構成されていてよい。
【0037】
図5には、アクチュエータ6または能動的なシステムとして構成されている制御ユニット22のための第3の実施例が示されている。この実施例は、唯一の制御可能な切換弁35が設けられているが、周波数選択性の弁が設けられていないことを特徴とする。切換機能は、図4で説明したものと同様である。切換弁35の閉位置では、両チャンバ20,21が互いに液圧的に分離されている。切換弁35の開位置では、両チャンバ20,21が互いに液圧的に連通しており、これにより両スタビライザ区分3,4の互いに対する相対的な回動が可能にされ、ピストンエレメント9が相応して軸方向に可動である。
【0038】
アクチュエータ6の本発明による構成によって、制御エレメント22の構成および配置に関する構造的なフレキシビリティが得られる。以下に、図6図9に基づき、制御エレメント22の配置のための様々な構造的な実施例を説明する。
【0039】
図6に示した実施例では、制御エレメント22が、アクチュエータ6に対して軸方向にオーバラップして配置されている。制御エレメント22のハウジング37は、例えば接着、溶接またはねじ結合によって、アクチュエータ外側部分7に固定的に結合されている。接続管路38,39または接続部27,28は、アクチュエータ6の軸方向の端部区分に開口している。
【0040】
図7に示した実施例では、制御エレメントは、アクチュエータ6に対して軸方向でずらされて配置されている。制御ハウジング37は、スタビライザ区分3に固定的に結合されているか、またはスタビライザ区分3上に載置されている。管路38,39は好適には、スタビライザ区分3,4間の相対的な回動を補償するために、これらの管路38,39が僅かな回動運動性を有しているように構成されている。
【0041】
図8に示した実施例は、制御エレメント22の蓄圧器34が別個のエレメントとして構成されており、減衰エレメント33に結合されていることを特徴とする。さらに、制御エレメント22と蓄圧器34とは、アクチュエータ6に対して軸方向でオーバラップして配置されている。制御エレメント22のハウジング37は、アクチュエータハウジング7に固定的に結合されている。接続管路38,39または接続部27,28は、アクチュエータハウジングの外周区分に接続している。
【0042】
図9に示した実施例では、制御エレメント22が、減衰ユニット33と蓄圧器34とを1つの構造ユニットとして含んでいる。制御エレメント22は、アクチュエータ6よりも長く、片側でアクチュエータ6から軸方向で突出している。接続管路38,39または接続部27,28は、アクチュエータハウジングの外周区分に接続している。
【符号の説明】
【0043】
2 スタビライザ装置
3 第1のスタビライザ区分
4 第2のスタビライザ区分
5 ばねエレメント
6 アクチュエータ
7 アクチュエータ外側部分
8 アクチュエータ内側部分
9 中間エレメント
10 軸受手段
11 軸受手段
12 シールエレメント
13 シールエレメント
14 接続区分
15 接続区分
16 第1のばね端部
17 第2のばね端部
18 外側の係合手段
19 内側の係合手段
20 第1の液圧チャンバ
21 第2の液圧チャンバ
22 制御エレメント
23 第1の端部区分
24 内側のシール
25 第2の端部区分
26 外側のシール
27 第1の接続部
28 第2の接続部
29 外側の螺旋歯列
30 内側の螺旋歯列
31 中空軸歯列
32 軸歯列
33 減衰ユニット
34 蓄圧器
35 切換弁
36 切換弁
37 制御ハウジング
38 管路
39 管路
A 軸線
R1 第1の方向
R2 第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】