(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】付加製造装置及び環境制御方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/364 20170101AFI20231108BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20231108BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20231108BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20231108BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231108BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20231108BHJP
【FI】
B29C64/364
B29C64/386
B33Y50/00
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/153
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526446
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021056789
(87)【国際公開番号】W WO2022093916
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペンドゥルティ、シュリーニヴァス
(72)【発明者】
【氏名】ボニージャ、カルロス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース、ティモシー フランシス
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チェン
(72)【発明者】
【氏名】シビヤ、キャシディ シー.
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP02
4F213AP05
4F213AR02
4F213AR08
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL67
4F213WL85
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
様々な実施形態によれば、付加製造装置は、プリントヘッドと、リコートヘッドと、プリントヘッドおよびリコートヘッドが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバを含む。プリントヘッドおよびリコートヘッドはビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドするために、プロセスチャンバ内で動作する。付加製造装置はプロセスチャンバから第1蒸気含有を有するガスストリームを受け取り、ガスストリームに第2蒸気含有をプロセスチャンバに提供するために、プロセスチャンバに流体結合されたコンデンサシステムをさらに備える。第2蒸気含有は、第1蒸気含有よりも少ない。加えて、付加製造装置はブロワ、プロセスチャンバ、およびコンデンサを含む閉ループを通してガスストリームを流すために、プロセスチャンバおよびコンデンサに流体結合されたブロワを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする前記プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバから第1蒸気含有を有するガスストリームを受け入れ、第2蒸気含有を有するガスストリームを前記プロセスチャンバに提供するために、前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンデンサシステムであって、第2蒸気含有が第1蒸気含有より少ない、前記コンデンサシステムと、
ブロワ、前記プロセスチャンバ、および前記コンデンサシステムを含む閉ループを通してガスストリームを流すために、前記プロセスチャンバおよび前記コンデンサシステムに流体的に結合された前記ブロワと、
を含む、付加製造装置。
【請求項2】
前記コンデンサシステムおよび前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンセントレータ、
をさらに含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項3】
前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったVOC(揮発性有機化合物)センサ、
をさらに含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項4】
前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったLEL(下限爆発限界)センサ、
をさらに含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項5】
前記プロセスチャンバからガスストリームを受け取り、前記ブロワにガスストリームを提供するために、前記閉ループ内に配置された粒子分離システム、
をさらに含み、
前記粒子分離システムは、ガスストリームから粒子を除去するように構成されている、
請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項6】
前記粒子分離システムは、複数のアレイに配置されている複数のサイクロンセパレータを含む、
請求項5に記載の付加製造装置。
【請求項7】
前記複数のサイクロンセパレータは、12以上のサイクロンセパレータを含む、
請求項6に記載の付加製造装置。
【請求項8】
230CFMのエアまたはN
2ガスのフローを用いて測定した場合、前記粒子分離システム上の圧力降下が約1.5psiより小さい、
請求項5に記載の付加製造装置。
【請求項9】
プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする、前記プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバ内に配置された複数の第1センサであって、複数の前記第1センサは、少なくとも温度センサおよび圧力センサを備える、複数の前記第1センサと、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを受け取るために前記プロセスチャンバに流体的に結合された粒子分離システムであって、前記粒子分離システムが、粒子含有ストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、粒子が低減されたストリームを生成する、前記粒子分離システムと、
前記粒子分離システムに流体的に結合されて、前記粒子分離システムからの粒子が低減されたストリームを受け入れるフィルタであって、前記フィルタが、粒子が低減されたストリームからさらに粒子を除去して、クリーンガスストリームを提供する前記フィルタと、
前記クリーンガスストリームを受け取るブロワと、
前記クリーンガスストリームを冷却する温度制御ユニットと、
コンデンサシステムと、
前記プロセスチャンバの外部であって、流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記温度制御ユニット、および前記コンデンサシステムの後に配置された複数の第2センサであって、複数の前記第2センサは、少なくとも温度センサ、圧力センサ、ならびに、VOC(揮発性有機化合物)センサ、LEL(下限爆発限界)センサ、湿度センサ、および蒸気センサのうちの1つまたは複数を備える、複数の前記第2センサと、
を含み、
前記プロセスチャンバ、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記コンデンサシステム、及び前記温度制御ユニットは、閉ループを形成する、
付加製造装置。
【請求項10】
前記フィルタは、HEPA(高効率微粒子エア)フィルタである、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項11】
前記粒子分離システムと前記HEPAフィルタとの間に配置された第1バルブと、
前記流体再循環経路に沿って前記ブロワと前記HEPAフィルタとの間に配置された第2バルブと、
をさらに含み、
前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じることにより、前記HEPAフィルタを前記閉ループから流体的に隔離する、
請求項10に記載の付加製造装置。
【請求項12】
前記コンデンサシステムは、前記流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記ポンプの後に配置されている、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項13】
温度制御ユニットは熱交換器を含み、
前記コンデンサシステムは、前記クリーンガスストリームを前記熱交換器に渡す、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項14】
前記コンデンサシステムを前記流体再循環経路に沿って迂回させることができるバルブ、
をさらに含む、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項15】
前記クリーンガスストリームが不活性ガスを含む、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項16】
前記プロセスチャンバ内の環境は不活性である、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項17】
前記プロセスチャンバは、前記クリーンガスストリームを前記プロセスチャンバに入れる入口ディフューザを含み、
前記入口ディフューザは前記クリーンガスストリームの流速を低減する、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項18】
プロセスチャンバ内の環境制御方法であって、
前記プロセスチャンバ内に配置された少なくとも1つのセンサから前記プロセスチャンバ内の温度、圧力、および蒸気含有に関する情報を受信し、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを除去し、
前記粒子含有ストリームから粒子を分離してクリーンガスストリームを提供し、
前記プロセスチャンバ内の所定の温度、圧力、および蒸気含有を達成するために、受信した前記情報に基づいて、前記クリーンガスストリームの温度、蒸気含有、またはその両方を低減し、
前記クリーンガスストリームをプロセスチャンバ内にポンピングする、
環境制御方法。
【請求項19】
前記粒子含有ストリームから前記粒子を分離することは、粒子分離システム、HEPAフィルタ、またはその両方を通して前記粒子含有ストリームを導くことを含む、
請求項18に記載の環境制御方法。
【請求項20】
前記プロセスチャンバの外部に配置された圧力センサから、前記クリーンガスストリームの圧力に関する情報を受信し、
前記クリーンガスストリームの圧力と前記プロセスチャンバ内の圧力との差に基づいて、前記粒子分離システム、前記HEPAフィルタ、またはその両方における誤差を識別する、
請求項18に記載の環境制御方法。
【請求項21】
前記クリーンガスストリームは酸素を実質的に含まない、請求項18に記載の環境制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は概して、付加製造装置及びその使用方法に関し、より詳細には、環境システムを含む付加製造装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造装置は、有機または無機パウダーなどのビルドマテリアルから物体を層状に「ビルド」するために利用され得る。化学反応性パウダーなどの一部のビルドマテリアルは、プリントのために不活性雰囲気を必要とする。さらに、付加製造処理中の安定したバウンダリ状態は、反復可能な処理を可能にする。例えば、ビルドエリア内の温度、湿度、酸素含有、粒子含有、ならびに圧力および流量の変動は、対象物の品質に影響を与え、化学反応性パウダーが使用されるときに危険な状況を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、ビルドエリア内の環境を注意深く制御することができる付加製造装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様A1は、プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする前記プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバから第1蒸気含有を有するガスストリームを受け入れ、第2蒸気含有を有するガスストリームを前記プロセスチャンバに提供するために、前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンデンサシステムであって、第2蒸気含有が第1蒸気含有より少ない、前記コンデンサシステムと、ブロワ、前記プロセスチャンバ、および前記コンデンサシステムを含む閉ループを通してガスストリームを流すために、前記プロセスチャンバおよび前記コンデンサシステムに流体的に結合された前記ブロワと、を含む、付加製造装置を含む。
【0005】
第2態様A2は、前記コンデンサシステムおよび前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンセントレータ、をさらに含む、第1態様A1に記載の付加製造装置を含む。
【0006】
第3態様A3は、前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったVOC(揮発性有機化合物)センサ、をさらに含む、第1態様A1または第2態様A2に記載の付加製造装置を含む。
【0007】
第4態様A4は、前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったLEL(下限爆発限界)センサ、をさらに含む、第1態様A1~第3態様A3の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0008】
第5態様A5は、前記プロセスチャンバからガスストリームを受け取り、前記ブロワにガスストリームを提供するために、前記閉ループ内に配置された粒子分離システム、をさらに含み、前記粒子分離システムは、ガスストリームから粒子を除去するように構成されている、第1態様A1~第4態様A4の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0009】
第6態様A6は、前記粒子分離システムは、複数のアレイに配置されている複数のサイクロンセパレータを含む、第5態様A5に記載の付加製造装置を含む。
【0010】
第7態様A7は、前記複数のサイクロンセパレータは、12以上のサイクロンセパレータを含む、第6態様A6に記載の付加製造装置を含む。
【0011】
第8態様A8は、230CFMのエアまたはN2ガスのフローを用いて測定した場合、前記粒子分離システム上の圧力降下が約1.5psiより小さい、第5態様A5~第7態様A7に記載の付加製造装置を含む。
【0012】
第9態様A9は、プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする、前記プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバ内に配置された複数の第1センサであって、複数の前記第1センサは、少なくとも温度センサおよび圧力センサを備える、複数の前記第1センサと、前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを受け取るために前記プロセスチャンバに流体的に結合された粒子分離システムであって、前記粒子分離システムが、粒子含有ストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、粒子が低減されたストリームを生成する、前記粒子分離システムと、前記粒子分離システムに流体的に結合されて、前記粒子分離システムからの粒子が低減されたストリームを受け入れるフィルタであって、前記フィルタが、粒子が低減されたストリームからさらに粒子を除去して、クリーンガスストリームを提供する前記フィルタと、前記クリーンガスストリームを受け取るブロワと、前記クリーンガスストリームを冷却する温度制御ユニットと、コンデンサシステムと、前記プロセスチャンバの外部であって、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記温度制御ユニット、および前記コンデンサシステムの後であって、流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前に配置された複数の第2センサであって、複数の前記第2センサは、少なくとも温度センサ、圧力センサ、ならびに、VOC(揮発性有機化合物)センサ、LEL(下限爆発限界)センサ、湿度センサ、および蒸気センサのうちの1つまたは複数を備える、複数の前記第2センサと、を含み、前記プロセスチャンバ、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記コンデンサシステム、及び前記温度制御ユニットは、閉ループを形成する、付加製造装置を含む。
【0013】
第10態様A10は、前記フィルタは、HEPA(高効率微粒子エア)フィルタである、第9態様A9に記載の付加製造装置を含む。
【0014】
第11態様A11は、前記粒子分離システムと前記HEPAフィルタとの間に配置された第1バルブと、前記流体再循環経路に沿って前記ブロワと前記HEPAフィルタとの間に配置された第2バルブと、をさらに含み、前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じることにより、前記HEPAフィルタを前記閉ループから流体的に隔離する、第9態様A9または第10態様A10に記載の付加製造装置を含む。
【0015】
第12態様A12は、前記コンデンサシステムは、前記流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記ポンプの後に配置されている、第9態様A9~第11態様A11の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0016】
第13態様A13は、温度制御ユニットは熱交換器を含み、前記コンデンサシステムは、前記クリーンガスストリームを前記熱交換器に渡す、第9態様A9~第12態様A12の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0017】
第14態様A14は、前記コンデンサシステムを前記流体再循環経路に沿って迂回させることができるバルブ、をさらに含む、第9態様A9~第13態様A13の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0018】
第15態様A15は、前記クリーンガスストリームが不活性ガスを含む、第9態様A9~第14態様A14の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0019】
第16態様A16は、前記プロセスチャンバ内の環境は不活性である、第9態様A9~第15態様A15の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0020】
第17態様A17は、前記プロセスチャンバは、前記クリーンガスストリームを前記プロセスチャンバに入れる入口ディフューザを含み、前記入口ディフューザは前記クリーンガスストリームの流速を低減する、第9態様A9~第16態様A16の何れかに記載の付加製造装置を含む。
【0021】
第18態様A18は、プロセスチャンバ内の環境制御方法であって、前記プロセスチャンバ内に配置された少なくとも1つのセンサから前記プロセスチャンバ内の温度、圧力、および蒸気含有に関する情報を受信し、前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを除去し、前記粒子含有ストリームから粒子を分離してクリーンガスストリームを提供し、前記プロセスチャンバ内の所定の温度、圧力、および蒸気含有を達成するために、受信した前記情報に基づいて、前記クリーンガスストリームの温度、蒸気含有、またはその両方を低減し、前記クリーンガスストリームをプロセスチャンバ内にポンピングする、環境制御方法を含む。
【0022】
第19態様A19は、前記粒子含有ストリームから前記粒子を分離することは、粒子分離システム、HEPAフィルタ、またはその両方を通して前記粒子含有ストリームを導くことを含む、第18態様A18に記載の環境制御方法を含む。
【0023】
第20態様A20は、前記プロセスチャンバの外部に配置された圧力センサから、前記クリーンガスストリームの圧力に関する情報を受信し、前記クリーンガスストリームの圧力と前記プロセスチャンバ内の圧力との差に基づいて、前記粒子分離システム、前記HEPAフィルタ、またはその両方における誤差を識別する、第18態様A18または第19態様A19に記載の環境制御方法を含む。
【0024】
第21態様A21は、前記クリーンガスストリームは酸素を実質的に含まない、第18態様A18~第21態様A21の何れかに記載の環境制御方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本明細書に示され説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置の構成要素を概略的に示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリの実施形態を概略的に描写する。
【
図2B】
図2Aのアクチュエータアセンブリの断面を概略的に示す図である。
【
図2C】
図2Aのアクチュエータアセンブリの断面を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置のための制御システムの一部を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置の例示的な環境システムを概略的に示す。
【
図5】
図5は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置の別の例示的な環境システムを概略的に示す。
【
図6】
図6は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置で使用するための例示的な粒子分離システムを概略的に示す。
【
図7】
図7は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による付加製造装置で使用するための別の例示的な粒子分離システムを概略的に示す。
【
図8】
図8は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、粒子分離システムにおいて使用するためのサイクロンセパレータの断面を概略的に描写する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書に記載される付加製造装置、その構成要素、およびその使用方法のさらなる特徴および効果は以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかになるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0027】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することが意図されることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書に記載される様々な実施形態を示し、説明と共に、特許請求される主題の原理および動作を説明するのに役立つ。
【0028】
以下、添付図面を参照して、付加製造装置およびその構成要素の実施形態について詳しく説明する。可能な場合は常に、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。付加製造装置は、付加製造装置のプロセスチャンバ内の環境を監視および管理する閉ループ環境システムを含むことができる。閉ループ環境システムは、プロセスチャンバ内の環境が不活性状態と非不活性状態との間で変換され、物体のビルド中および異なる物体のビルド間の状態に維持されることを可能にすることができる。このように、付加製造装置はプロセスチャンバの雰囲気が不活性である場合に、化学反応性のビルドマテリアルを用いて、安定したバウンダリを維持しつつ、ビルドマテリアルをビルドすることができる。付加製造装置およびその使用方法の様々な実施形態が、添付の図面に具体的に関連して本明細書でさらに詳しく説明される。
【0029】
本明細書で使用される指向性用語、例えば、上、下、右、左、前、後、トップ、ボトム、上方、下方、は描かれた図を参照するだけであり、別段の明示的な記載がない限り、絶対的な向きを意味することを意図しない。接続参照(例えば、取り付けられ、結合され、接続され、接合される)は広く解釈されるべきであり、特に明記しない限り、要素の集合体間の中間部材と、要素間の相対移動とを含むことができる。したがって、接続参照は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも推測しない。例示的な図面は例示のみを目的としており、本明細書に添付される図面に反映される寸法、位置、順序、および相対的なサイズは、変更することができる。
【0030】
用語「結合された」、「固定された」、「取り付けられた」などは、本明細書で別段の指定がない限り、直接結合、固定、または取り付け、ならびに1つまたは複数の中間構成要素または特徴を介した間接結合、固定、または取り付けの両方を指す。
【0031】
単数形「1つの」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって本明細書で使用される近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用される。したがって、「約」、「およそ」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例では、近似言語が値を測定するための機器の精度、または構成要素および/もしくはシステムをビルドもしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応し得る。例えば、近似言語は、10パーセントのマージン内にあることを指し得る。
【0033】
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、範囲の限定は組み合わされ、交換され、そのような範囲は文脈または言語が別段の指示をしない限り、その中に含まれるすべての部分範囲を含み、特定される。例えば、本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は、互いに独立して組み合わせ可能である。
【0034】
特に明示的に記載されない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されない。したがって、方法クレームが実際にそのステップに従うべき順序を列挙していない場合、または任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に対する順序または向きを列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことが、特許請求の範囲または説明において別段具体的に述べられていない場合、順序または向きがいかなる点においても推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の問題、文法的編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的基礎に当てはまる。
【0035】
ここで
図1を参照すると、付加製造装置100の実施形態が概略的に示されている。装置100は、クリーニングステーション110と、ビルドプラットフォーム120と、アクチュエータアセンブリ102とを含む。装置100は、任意選択で、サプライプラットフォーム130を含むことができる。アクチュエータアセンブリ102は、とりわけ、ビルドマテリアル400を分配するためのリコートヘッド140と、バインダマテリアル500を堆積させるためのプリントヘッド150とを備える。実施形態では、リコートヘッド140が本明細書でさらに詳しく説明するように、バインダマテリアル500を硬化させるためのエネルギ源をさらに備えることができる。アクチュエータアセンブリ102は、装置100の作動軸116に沿ったリコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した制御を容易にするように構成されてもよい。これにより、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は装置100の作動軸116を同じ方向および/または逆方向に横断することができ、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は、装置100の作動軸を様々な速度および/または同じ速度で横断することができる。リコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した作動および制御は、付加製造処理の少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造処理の全サイクル時間を、個々のステップごとのサイクル時間の合計よりも短くする。本明細書に記載される装置100の実施形態では、装置100の作動軸116が図に示される座標軸の+/-X軸に平行である。リコートヘッド140、プリントヘッド150など、作動軸116を横断する付加製造装置100の構成要素は、作動軸116の中心にある必要はないことを理解されたい。しかしながら、本明細書に記載される実施形態では、付加製造装置100の構成要素の少なくとも2つは構成要素が作動軸を横断するとき、構成要素が適切に制御されない場合、作動軸に沿って同じまたは重なり合うボリュームを占めることができるように、作動軸116に対して配置される。
【0036】
図1に示す実施形態では、装置100がクリーニングステーション110と、ビルドプラットフォーム120と、サプライプラットフォーム130と、アクチュエータアセンブリ102とを含む。しかしながら、他の実施形態では装置100が例えば、これに限定されないが、ビルドマテリアルホッパを用いてビルドマテリアルがビルドプラットフォーム120に供給される実施形態などのサプライプラットフォーム130を含まないことを理解されたい。
図1に示される実施形態ではクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、およびサプライプラットフォーム130は作動軸116の-X方向の端部に近接して位置するプリントヘッド150のプリントホームポジション158と、作動軸116の+X方向の端部に近接して位置するリコートヘッド140のリコートホームポジション148との間で、装置100の作動軸116に沿って直列に配置される。すなわち、プリントホームポジション158とリコートホームポジション148とは図に示す座標軸の+/-X軸と並行する横方向に離間しており、クリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、及びサプライプラットフォーム130はこれらの間に位置している。本明細書に記載の実施形態では、ビルドプラットフォーム120が装置100の作動軸116に沿ってクリーニングステーション110とサプライプラットフォーム130との間に配置される。
【0037】
クリーニングステーション110は、装置100の作動軸116の一端に近接して配置され、プリントヘッド150が配置されているプリントホームポジション158と同じ位置に配置され、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルドマテリアル400上にバインダマテリアル500を堆積させる前後に「パーキング」される。クリーニングステーション110は堆積動作間のプリントヘッド150のクリーニングを容易にするために、1つまたは複数のクリーニング部(図示せず)を含むことができる。クリーニング部は例えば、限定するものではないが、余分なバインダマテリアルをプリントヘッド150上で溶解するためのクリーニング液を含む浸漬ステーション、余分なバインダマテリアルおよび余分なビルドマテリアルをプリントヘッド150から除去するためのワイプステーション、プリントヘッド150からバインダマテリアルおよびクリーニング液をパージするためのジェットステーション、プリントヘッド150のノズル内の湿気を維持するためのパークステーション、またはそれらの様々な組合せを含むことができる。プリントヘッド150は、アクチュエータアセンブリ102によってクリーニング部の間で移行されてもよい。
【0038】
ビルドプラットフォーム120はビルドプラットフォームアクチュエータ122を備えるリフトシステム800に結合され、装置100の作動軸116に対して、垂直方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-Z方向に平行な方向)にビルドプラットフォーム120を昇降させることを容易にする。ビルドプラットフォームアクチュエータ122は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にビルドプラットフォーム120に直線運動を付与するのに適した任意の他のアクチュエータとすることができる。好適なアクチュエータとしてはウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビルドプラットフォーム120およびビルドプラットフォームアクチュエータ122は装置100の作動軸116の下方(すなわち、図に示される座標軸の-Z方向)に位置するビルドレセプタクル124内に配置される。装置100の動作中、ビルドプラットフォーム120は、バインダマテリアル500の各層がビルドプラットフォーム120上に位置するビルドマテリアル400上に堆積された後、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の動作によってビルドレセプタクル124内に後退される。
【0039】
サプライプラットフォーム130はサプライプラットフォームアクチュエータ132を備えるリフトシステム800に結合され、垂直方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-Z方向に平行な方向)に装置100の作動軸116に対してサプライプラットフォーム130を昇降させることを容易にする。サプライプラットフォームアクチュエータ132は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にサプライプラットフォーム130に直線運動を付与するのに適した任意の他のアクチュエータとすることができる。好適なアクチュエータとしてはウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどが挙げられるが、これらに限定されない。サプライプラットフォーム130およびサプライプラットフォームアクチュエータ132は装置100の作動軸116の下方(すなわち、図に示される座標軸の-Z方向)に位置するサプライレセプタクル134内に配置される。装置100の動作中、サプライプラットフォーム130は本明細書でさらに詳細に説明するように、ビルドマテリアル400の層がサプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配された後、サプライプラットフォームアクチュエータ132の動作によって、サプライレセプタクル134に対して、装置100の作動軸116に向かって上昇する。
【0040】
ここで
図1および
図2Aを参照すると、
図2Aは、
図1の付加製造装置100のアクチュエータアセンブリ102を概略的に示す。アクチュエータアセンブリ102は一般に、リコートヘッド140、プリントヘッド150、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、および支持体182を備える。本明細書に記載の実施形態では、支持体182が装置100の作動軸116(
図1)に平行な水平方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-X方向に平行な方向)に延在する。
図1に示すように、アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、およびサプライプラットフォーム130の上に組み立てられると、支持体182は、少なくともクリーニングステーション110からサプライプラットフォーム130を越えて水平方向に延びる。
【0041】
一実施形態では、支持体182が水平方向に延在するレール180の側面である。例えば、一実施形態では、レール180の垂直断面が長方形または正方形(すなわち、図に示される座標軸のY-Z平面における断面)であってよく、長方形または正方形の側面が支持体182を形成する。しかしながら、他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。例えば、限定するものではないが、レール180は八角形などの他の断面形状を有することができ、支持体182はレール180のファセットの1つの表面である。実施形態では、支持体182が垂直面(例えば、図に示される座標軸のX-Z面に平行な面)に配置される。しかしながら、他の実施形態では、支持体182が垂直面以外の面に配置されることを理解されたい。
【0042】
本明細書に記載の実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が支持体182に結合される。
【0043】
本明細書に記載の実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144がリコート作動軸146に沿って双方向に作動可能であり、プリントヘッドアクチュエータ154はプリント作動軸156に沿って双方向に作動可能である。すなわち、リコート作動軸146およびプリント作動軸156は、それぞれ、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がそれに沿って作動可能である軸を規定する。実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が互いに独立して双方向に作動可能である。リコート作動軸146及びプリント作動軸156は横方向に延び、装置100の作動軸116(
図1)と並行である。本明細書に記載の実施形態では、リコート作動軸146とプリント作動軸156とは同一直線上にある。この構成により、リコートヘッド140及びプリントヘッド150は、リコート作動軸146及びプリント作動軸156が同じ線に沿って位置するので、装置100の作動軸116に沿って異なる時間に同じ空間(又は同じ空間の一部)を占めることができる。
図2A~
図2Cに示すアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、リコート作動軸146およびプリント作動軸156が同じ垂直面内に位置する。支持体182が垂直面に配置される実施形態では、リコート作動軸146およびプリント作動軸156が
図2A~
図2Cに示すように、支持体182の垂直面に平行な垂直面に配置される。しかし、リコート作動軸146およびプリント作動軸156が、支持体182の平面と非平行な垂直面内に位置する実施形態など、他の実施形態が企図され、考えられることを理解されたい。
【0044】
本明細書に記載の実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が例えば、限定はしないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、液圧アクチュエータ、または直線運動を提供するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。好適なアクチュエータとしては限定するものではないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどが挙げられる。特定の一実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144及びプリントヘッドアクチュエータ154がペンシルベニア州ピッツバーグのAerotech(登録商標)Inc.によって製造されたリニアアクチュエータ、例えばPRO225LMメカニカルベアリングリニアモータステージである。
【0045】
例えば、アクチュエータアセンブリ102は、レール180の支持体182に取り付けられたガイド184を備えてもよい。リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154はリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がガイド184の長さを独立して横断できるように、レール180に移動可能に結合されてもよい。実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を横断する原動力が例えばブラシレスサーボモータなどの直接駆動リニアモータによって供給される。
【0046】
実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、およびガイド184は例えば、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がPRO225LM機械式軸受、リニアモータステージと同様であるときなどに、レール180に取り付けられる密着サブシステムであってもよい。しかし、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がそれぞれリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を形成するために、レール180上に個々に組み立てられる多数の構成要素を備える実施形態など、他の実施形態が企図され、考えられることを理解されたい。
【0047】
さらに
図2A~
図2Cを参照すると、リコートヘッド140はリコートヘッドアクチュエータ144に結合され、その結果、リコートヘッド140は付加製造装置100の作動軸116(
図1)に近接して位置する。したがって、リコート作動軸146に沿ったリコートヘッドアクチュエータ144の双方向作動は、付加製造装置100の作動軸116上のリコートヘッド140の双方向運動に影響を及ぼす。
図2A~
図2Cに示すアクチュエータアセンブリ102の実施形態ではリコートヘッド140がストラット212を用いてリコートヘッドアクチュエータ144に結合され、その結果、リコートヘッド140は支持体182から片持ちされ、付加製造装置100の作動軸116(
図1)上に位置決めされる。リコートヘッド140を支持体182から片持ち式にすることにより、リコートヘッドアクチュエータ144およびガイド184を、例えば、付加製造装置100のビルドプラットフォーム120から離間させることができ、それにより、リコートヘッドアクチュエータ144、ガイド184、および関連する電子部品がビルドマテリアル400で汚されまたは汚染される可能性が低減される。これにより、リコートヘッドアクチュエータの保守期間が長くなり、リコートヘッドアクチュエータの耐用年数が長くなり、マシンダウンタイムが短くなり、リコートヘッドアクチュエータ144の汚れによるビルド誤差が低減する。加えて、リコートヘッドアクチュエータ144を装置100のビルドプラットフォーム120から離間させることにより、ビルドプラットフォーム120およびサプライプラットフォーム130への視覚的および物理的なアクセスを改善することができ、保守の容易さを改善し、付加製造工程の(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良好な視覚的観察を可能にする。本明細書で説明するいくつかの実施形態では、リコートヘッド140がリコート作動軸146および作動軸116に直交する方向に固定され得る(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、および/または+/-Y軸に沿って固定され得る)。
【0048】
実施形態では、リコートヘッド140がリコートヘッドアクチュエータ144に旋回可能に結合され得る。例えば、限定するものではないが、
図2A~
図2Cに示すアクチュエータアセンブリ102の実施形態ではストラット212がリコートヘッド140に結合され、ピボット点214でリコートヘッドアクチュエータ144に旋回可能に結合される。これにより、リコートヘッド140をリコートヘッドアクチュエータ144に対して装置100の作動軸116(
図1)から離れるように旋回させることができ、例えば、リコートヘッド140の下に配置された装置の構成要素(例えば、ビルドレセプタクル、サプライレセプタクルなど)の保守または取り外しが容易になる。実施形態では、ピボット点214がリコートヘッド140の自動旋回を容易にするために、モータなどのアクチュエータを含むことができる。実施形態では、別個のアクチュエータ(図示せず)をリコートヘッド140とリコートヘッドアクチュエータ144との間に設けて、リコートヘッド140の自動旋回を容易にすることができる。
図2Cはストラット212とリコートヘッドアクチュエータ144との間に配置されたピボット点214を示すが、他の実施形態、例えば、ピボット点214がストラット212とリコートヘッド140との間に配置された実施形態が企図され、考えられることを理解されたい。
【0049】
さらに
図2A~
図2Cを参照すると、プリントヘッド150はプリントヘッドアクチュエータ154に結合され、その結果、プリントヘッド150は付加製造装置100の作動軸116(
図2)に近接して位置する。したがって、プリント作動軸156に沿ったプリントヘッドアクチュエータ154の双方向作動は、付加製造装置100の作動軸116上のプリントヘッド150の双方向動作に影響を及ぼす。
図2A~
図2Cに示されるアクチュエータアセンブリ102の実施形態ではプリントヘッド150がストラット216を用いてプリントヘッドアクチュエータ154に結合され、その結果、プリントヘッド150は支持体182から片持ちされ、付加製造装置100の作動軸116(
図1)上に位置決めされる。プリントヘッド150を支持体182から片持ち式にすることにより、プリントヘッドアクチュエータ154およびガイド184を、例えば、付加製造装置100のビルドプラットフォーム120から離間させることができ、それにより、プリントヘッドアクチュエータ154、ガイド184、および関連する電子部品がビルドマテリアル400で汚染されるか、または他の方法で汚染される可能性が低減される。これにより、プリントヘッドアクチュエータの保守間隔が長くなり、プリントヘッドアクチュエータの耐用年数が長くなり、マシンのダウンタイムが短くなり、プリントヘッドアクチュエータ154の汚れによるビルドミスが減少する。加えて、プリントヘッドアクチュエータ154を装置100のビルドプラットフォーム120から離間させることにより、ビルドプラットフォーム120およびサプライプラットフォーム130への視覚的および物理的なアクセスを改善することができ、保守の容易さを改善し、付加製造工程の(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良好な視覚的観察を可能にする。本明細書で説明するいくつかの実施形態では、プリントヘッド150がリコート作動軸146および作動軸116に直交する方向に固定され得る(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、および/または+/-Y軸に沿って固定され得る)。
【0050】
実施形態では、プリントヘッド150がプリントヘッドアクチュエータ154に旋回可能に結合され得る。例えば、限定するものではないが、
図2A~
図2Cに示すアクチュエータアセンブリ102の実施形態ではストラット216がプリントヘッド150に結合され、ピボット点218でプリントヘッドアクチュエータ154に旋回可能に結合される。これにより、プリントヘッド150をプリントヘッドアクチュエータ154に対して装置100の作動軸116(
図1)から離れるように旋回させて、例えば、プリントヘッド150の下に配置された装置の構成要素(例えば、ビルドレセプタクル、サプライレセプタクルなど)の保守または取り外しを容易にすることができる。実施形態では、ピボット点218がプリントヘッド150の自動旋回を容易にするために、モータなどのアクチュエータを含むことができる。実施形態では、プリントヘッド150とプリントヘッドアクチュエータ154との間に別個のアクチュエータ(図示せず)を設けて、プリントヘッド150の自動旋回を容易にすることができる。
図2Bはストラット216とプリントヘッドアクチュエータ154との間に配置されたピボット点218を示すが、他の実施形態、例えば、ピボット点218がストラット216とプリントヘッド150との間に配置された実施形態が企図され、考えられることを理解されたい。
【0051】
実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がビルドレセプタクル124の上に重なる。したがって、リコートヘッドアクチュエータ144(および取り付けられたリコートヘッド140)およびプリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の可動域もまた、ビルドレセプタクル124の上で重複する。実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ(および取り付けられたリコートヘッド140)の可動域がプリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の可動域よりも大きい。これは、例えば、装置100がビルドレセプタクル124とリコートホームポジション148との間に配置されたサプライレセプタクル134を含む場合に当てはまる。しかしながら、他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。例えば、実施形態(図示せず)では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が装置100の作動軸116の全長に沿って重なり合うことができる。これらの実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144(および取り付けられたリコートヘッド140)およびプリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の可動域が装置100の作動軸116にわたって同一の広がりを有する。
【0052】
上述のように、本明細書に記載の実施形態では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は両方とも、装置100の作動軸116上に配置される。したがって、リコートヘッド140およびプリントヘッド150の作動軸116上での移動は、同じ軸に沿って生じ、したがって、同一直線上にある。この構成では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が単一のビルドサイクル中の様々な時間に、装置100の作動軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)を占めることができる。リコートヘッド140およびプリントヘッド150は装置100の作動軸116に沿って同時に、同じ方向に、および/または反対方向に、同じ速度で、または異なった速度で、協調して移動することができる。これにより、順に、分配工程(本明細書ではリコート工程とも称される)、堆積工程(本明細書ではプリント工程とも称される)、硬化(または加熱)工程、および/またはクリーニング工程などの付加製造工程の個々の工程を、重複するサイクル時間で行うことが可能になる。例えば、分配ステップはクリーニングステップが完了している間に開始されてもよく、堆積ステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよく、及び/又はクリーニングステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよい。これは、付加製造装置100の全サイクル時間を、分配サイクル時間(本明細書ではリコートサイクル時間とも参照される)、堆積サイクル時間(本明細書ではプリントサイクル時間とも参照される)、および/またはクリーニングサイクル時間の合計よりも短くすることができる。
【0053】
アクチュエータアセンブリ(図示せず)の他の実施形態は例えば、アクチュエータアセンブリ102の代替として、
図1に示される付加製造装置100の実施形態において実施され得る。したがって、アクチュエータアセンブリの他の実施形態を利用して、
図1~
図2Cに関して本明細書で説明したのと同様の方法でビルドプラットフォーム120上に物体をビルドすることができることを理解されたい。
【0054】
ここで
図1~
図2Cを参照すると、本明細書に記載の実施形態では、プリントヘッド150がプリントヘッド150の下面(すなわち、ビルドプラットフォーム120に面するプリントヘッド150の面)に配置されたノズルアレイ172を通して、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400の層上にバインダマテリアル500を堆積させることができる。実施形態では、ノズル172のアレイが図に示される座標軸のXY平面内に空間的に分布される。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはまた、ビルドされる部品の幾何学的形状を画定してもよい。実施形態ではノズル172が圧電プリントノズルであってもよく、この場合、プリントヘッド150は圧電プリントヘッドである。代替の実施形態ではノズル172がサーマルプリントノズルであってもよく、この場合、プリントヘッド150はサーマルプリントヘッドである。代替の実施形態では、ノズル172が噴霧ノズルであってもよい。
【0055】
ノズル172に加えて、いくつかの実施形態では、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400および/またはビルドプラットフォーム120上に堆積されたバインダマテリアル500の特性を検出するための1つまたは複数のセンサ(図示せず)をさらに備えることができる。センサの例としてはカメラ、熱検出器、高温計、形状測定器、超音波検出器などの画像センサが挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態では、センサからのシグナルを付加製造装置の制御システム(本明細書でさらに詳しく説明する)にフィードバックして、付加製造装置の1つまたは複数の機能のフィードバック制御を容易にすることができる。
【0056】
代替的に又は追加的に、プリントヘッド150は、少なくとも1つのエネルギ源(図示せず)を含むことができる。エネルギ源は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400上に堆積されたバインダマテリアル500を硬化させる(又は硬化を少なくとも開始させる)のに適した電磁波の波長又は波長の範囲を放出することができる。例えば、エネルギ源は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400上に予め堆積されたバインダマテリアル500を硬化させるのに適した赤外線又は紫外線放射の波長を発する赤外線ヒーター又は紫外線ランプを含むことができる。エネルギ源が赤外線ヒーターである場合、エネルギ源はまた、それがサプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配されるときにビルドマテリアル400を予熱することができ、それは、後に堆積されるバインダマテリアル500の硬化を促進するのを助けることができる。
【0057】
本明細書で述べるように、リコートヘッド140は付加製造装置100において、ビルドマテリアル400を分配するために、より具体的には、ビルドマテリアル400をサプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配するために使用される。すなわち、リコートヘッド140は、ビルドプラットフォーム120をビルドマテリアル400で「リコート」するために使用される。リコートヘッド140はサプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120へのビルドマテリアル400の分配を容易にするために、ローラ、ブレード、またはワイパのうちの少なくとも1つを含み得ることが企図される。
【0058】
ビルドマテリアルは一般に、展延性または流動性であるパウダーマテリアルを含む。適切なパウダーマテリアルのカテゴリーには、限定するものではないが、乾燥パウダーマテリアルおよび湿潤パウダーマテリアル(例えば、スラリー中に混入されたパウダーマテリアル)が含まれる。いくつかの実施形態では、ビルドマテリアルがバインダマテリアルと一緒に結合することができる。いくつかの実施形態では、ビルドマテリアルが焼結などによって互いに融着することもできる。実施形態において、ビルドマテリアルは例えば、セラミックパウダー、金属パウダー、ガラスパウダー、炭素パウダー、砂、セメント、リン酸カルシウムパウダー、及びこれらの様々な組み合わせを含むが、これらに限定されない無機パウダーマテリアルであってもよい。実施形態ではビルドマテリアルが例えば、限定するものではないが、プラスチックパウダー、ポリマーパウダー、せっけん、食品から形成されたパウダー(すなわち、食用パウダー)、及びこれらの様々な組み合わせを含む有機パウダーマテリアルを含むことができる。実施形態では、ビルドマテリアルがステンレス鋼(例えば、SS316、17-4、HK-30および304パウダー)、鋼(例えば、4140、4605、8620、および工具鋼パウダー)、銅合金、ニッケル合金(例えば、Rene 65)、または他の合金パウダーであってもよい。いくつかの実施形態では、ビルドマテリアルが医薬品であるか、または医薬品を含有する場合などに、ビルドマテリアルは薬学的に活性な成分であってもよい(または薬学的に活性な成分を含む)。実施形態において、ビルドマテリアルは、無機パウダーマテリアルと有機パウダーマテリアルとの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、ビルドマテリアルがアルミニウムまたはチタンパウダーなどの化学反応性または可燃性パウダーであってもよい。
【0059】
ビルドマテリアルは、サイズが均一であってもよく、またはサイズが不均一であってもよい。実施形態ではビルドマテリアルが例えば、限定するものではないが、二峰性または三峰性のパウダーサイズ分布などのパウダーサイズ分布を有することができる。実施形態において、ビルドマテリアルは、ナノ粒子であってもよく、またはナノ粒子を含んでもよい。
【0060】
ビルドマテリアルは、規則的または不規則的な形状であってもよく、異なるアスペクト比または同じアスペクト比を有する可能性がある。例えば、ビルドマテリアルは、小球体もしくは顆粒の形態をとってもよく、または小棒もしくは繊維のような形状であってもよい。
【0061】
実施形態では、ビルドマテリアルを第2マテリアルで被覆することができる。例えば、限定するものではないが、ビルドマテリアルはろう、重合体、又はビルドマテリアルを(バインダと一緒に)結合するのを助ける別のマテリアルで被覆されてもよい。代替的に又は追加的に、ビルドマテリアルはビルドマテリアルの融着を促進するために、焼結剤及び/又は合金化剤で被覆されてもよい。
【0062】
バインダマテリアルは放射エネルギー硬化性であり、かつバインダマテリアルが硬化状態にあるときにビルドマテリアルを接着または結合することができる物質を含むことができる。本明細書で使用するとき、用語「放射エネルギー硬化性」は、特定の波長及びエネルギーの放射エネルギーの印加に応答して凝固する任意のマテリアルを指す。例えば、前記バインダマテリアルは光開始剤化合物を含む公知の光重合樹脂を含み、前記樹脂を液体状から固体状に変化させることができる。あるいは、バインダマテリアルが放射エネルギの印加によって蒸発させることができる溶剤を含む物質を含むことができる。未硬化バインダマテリアルは固形(例えば、粒状)形態、ペーストもしくはスラリを含む液状形態、またはプリントヘッドと相溶性の低粘性液状で提供されてもよい。バインダビルドはビルドマテリアルの焼結中のような更なる加工中に、ガス抜き又は燃焼除去することができるように選択することができる。いくつかの実施形態では、バインダマテリアルが米国特許出願公開第2018/0071820号「バインダジェット付加製造技術において使用するための可逆バインダ」に記載されており、ニューヨーク州シェネクタディのゼネラルエレクトリック社に譲渡されている。しかしながら、様々なバインダマテリアルの組合せを含む、他のバインダマテリアルが企図され、考えられることを理解されたい。
【0063】
実施形態では、リコートヘッド140が少なくとも1つのエネルギ源をさらに備えることができる。これらの実施形態では、エネルギ源がビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400上に堆積されたバインダマテリアル500を硬化させる(又は硬化を少なくとも開始させる)のに適した波長又は波長域の電磁波を放射することができる。例えば、エネルギ源は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400上に予め堆積されたバインダマテリアル500を硬化させるのに適した赤外線又は紫外線をそれぞれ放射する赤外線ヒーター又は紫外線ランプを含むことができる。エネルギ源が赤外線ヒーターである場合、エネルギ源はまた、それがサプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配されるときにビルドマテリアル400を予熱することができ、それは、後に堆積されるバインダマテリアル500の硬化を促進するのを助けることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、リコートヘッド140がビルドプラットフォーム120上に分散されたビルドマテリアル400および/またはビルドプラットフォーム120上に堆積されたバインダマテリアル500の特性を検出するための少なくとも1つのセンサなど、少なくとも1つのセンサをさらに備え得る。センサの例としてはカメラ、熱検出器、高温計、形状測定器、超音波検出器などの画像センサが挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態では、センサからのシグナルを付加製造装置の制御システム(本明細書でさらに詳しく説明する)にフィードバックして、付加製造装置の1つまたは複数の機能のフィードバック制御を容易にすることができる。
【0065】
ここで
図1および
図3を参照すると、
図3は、
図2A~
図2Cに示されるようなアクチュエータアセンブリを用いて
図1の付加製造装置100を制御するための制御システム200の一部を概略的に示す。制御システム200は、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、およびサプライプラットフォームアクチュエータ132に通信可能に結合される。制御システム200はまた、プリントヘッド150およびリコートヘッド140に通信可能に結合され得る。プロセスアクセサリ、プロセスアクセサリアクチュエータ、およびセンサ(図示せず)などの追加のアクセサリまたは構成要素が含まれる実施形態では、制御システム200はまた、追加の構成要素に通信可能に結合され得る。本明細書で説明する実施形態では、制御システム200がメモリ204に通信可能に結合されたプロセッサ202を備える。プロセッサ202は例えば、メモリ204に記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令を受信し、実行するように構成された、中央処理ユニットなどの任意の処理構成要素を含み得る。本明細書に記載の実施形態では、制御システム200のプロセッサ202がリコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、サプライプラットフォームアクチュエータ132、および任意の追加の構成要素(含まれる場合)に制御シグナルを提供するように構成される。プロセッサ202はまた、プリントヘッド150およびリコートヘッド140に制御シグナルを提供する(それによって作動させる)ように構成されてもよい。制御システム200はまた、リコートヘッド140の1つまたは複数のセンサからシグナルを受信し、これらのシグナルに基づいて、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、サプライプラットフォームアクチュエータ132、プリントヘッド150、および/またはリコートヘッド140のうちの1つまたは複数を作動させるように構成され得る。
【0066】
本明細書に記載の実施形態では、付加製造装置100を制御するためのコンピュータ可読および実行可能命令が制御システム200のメモリ204に記憶される。メモリ204は、非一時的なコンピュータ可読メモリである。メモリ204は例えば、限定はしないが、揮発性および/または不揮発性メモリとして構成することができ、したがって、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、および/または他のタイプのランダムアクセスメモリを含む)、フラッシュメモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、および/または他のタイプの記憶構成要素を含むことができる。
【0067】
図1を参照すると、付加製造装置100は、ビルドサイクルの開始時に概略的に示されている。本明細書で使用するとき、用語「ビルドサイクル」は、ビルドプラットフォーム120上にオブジェクトの単一層をビルドするプロセスを指す。本明細書で説明する実施形態では、「ビルドサイクル」がサプライプラットフォーム130を上昇させること、ビルドプラットフォーム120を下降させること、サプライプラットフォーム130からビルドプラットフォーム120にビルドマテリアル400の新しい層を分配すること、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルドマテリアル400の新しい層上にバインダマテリアル500を堆積させること、および任意選択でプリントヘッド150をクリーニングすることのそれぞれの1回の反復を含むことができる。
【0068】
図1はビルドマテリアル400をビルドレセプタクル124のビルドプラットフォーム120に供給するために、アクチュエータアセンブリ102のリコートヘッド140と共に使用されるサプライレセプタクル134を備える付加製造装置100を示すが、他の実施形態が企図され、考えられることを理解されたい。例えば、実施形態では、装置100がサプライレセプタクルの代わりにビルドマテリアルホッパを含むことができる。そのような実施形態では、ビルドマテリアルホッパがリコートヘッドアクチュエータ144に結合されるか、またはビルドプラットフォーム120の上に固定されてもよい。さらに、
図1は
図2A~
図2Cに示されるようなアクチュエータアセンブリを備える付加製造装置100を示すが、アクチュエータアセンブリの他の構成が企図され、考えられることを理解されたい。
【0069】
さらに、本明細書に記載される様々な実施形態はパウダーベッド上にバインダマテリアルを堆積させるプリントヘッドに関して説明されるが、他の付加製造様式が企図され、考えられることを理解されたい。例えば、本明細書に記載のプリントヘッドは、レーザー又は他のエネルギビーム又は他の圧密装置と置き換えることができる。
【0070】
前述の記述は、付加製造装置の構成要素の様々な実施形態およびそれを使用するための方法を含む。プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144に結合された、プリントヘッド150、リコートヘッド140、および直線運動ステージを含む、これらの構成要素の様々な組合せが、閉ループ環境システムによって制御されるプロセスチャンバ内に提供されることを理解されたい。環境システムは、プロセスチャンバが不活性状態(例えば、化学反応性パウダーをビルドマテリアルとして使用することができる)と非不活性状態との間で変更されることを可能にする。したがって、付加製造システムの様々な実施形態はより広範囲のビルドマテリアルを使用することを可能にし、また、ビルドマテリアル間の精度を高めることができる、プロセスチャンバ内の周囲の追加の制御を可能にする。
【0071】
様々な実施形態において、特定の成分は、互いに「上流」または「下流」であると記載される。本明細書で使用するとき、用語「上流」は、プロセスチャンバへの出口に向かう方向に移動すること、又は流体フローの方向の流路に沿った別の構成要素と比較してプロセスチャンバの出口に比較的近い構成要素を指す。「上流」と併せて使用される「下流」という用語は、別の構成要素と比較して、プロセスチャンバの入口に向かう方向、またはプロセスチャンバの入口に比較的近い方向を指す。一般に、環境システムを通る流体フローは、上流から下流までである。本明細書で使用するとき、用語「直接」は「上流」又は「下流」と併せて使用されるとき、介在する構成要素を通過することなく、ガスフローが第1構成要素から第2構成要素に流れる配置を指す。しかしながら、ガスフローは、構成要素間の直接的な関係に影響を及ぼすことなく、1つ以上のセンサによって、または1つ以上のバルブを通過し得ることが企図される。
【0072】
例示として
図4および
図5を参照すると、付加製造装置の環境システム401、501の実施形態が概略的に示されている。概して、環境システム401、501は、プリントヘッド150、リコートヘッド140、および直線運動ステージ420を囲むプロセスチャンバ300を含む。直線運動ステージ420は上述のように、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144に結合される。プリントヘッド150及びリコートヘッド140は上述のように、ビルドマテリアル400及びバインダマテリアル500を堆積させることによって3次元物体をビルドするために、プロセスチャンバ300内で動作する。環境システム401、501には、環境システム401、501の閉ループを構成する様々な構成要素との間のガスフローを制御するように動作可能で一般的かつ集合的にバルブ40と参照される、または参照番号40に続いてアルファベットのインジケータ(例えば、40a、40bなど)によって個々に参照される多数のバルブが存在する。さらに、センサ44と総称されるか、または参照番号44に続いてアルファベットのインジケータ(例えば、44a、44bなど)によって個々に参照される、いくつかのセンサが、環境システムの閉ループ全体の様々な点に位置する。実施形態では、バルブ40のうちの1つまたは複数がセンサ44のうちの1つまたは複数によって制御システム(
図2の制御システム200など)に提供される情報に基づいて動作され得る。
【0073】
以下の説明では、閉ループ環境システム全体にわたって配置されたセンサ44は、センサ44が示される各位置に1つまたは複数のセンサを含むことができる。好適なセンサは、限定ではなく例として、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、蒸気センサ、揮発性有機化合物(VOC)センサ、爆発下限(LEL)センサ、酸素センサなどを含むことができる。
【0074】
図4および
図5に示すように、粒子分離システム402は、プロセスチャンバ300に流体的に結合されて、プロセスチャンバ300から粒子含有ストリームを受け取る。例えば、実施形態では、バルブ40aおよび40bが開かれると、バインダマテリアル500およびクリーニング液の揮発によって生成されたビルドマテリアル400および水蒸気および/または溶剤蒸気の粒子を含むガスストリームがプロセスチャンバ300から抽出される。
【0075】
図4及び
図5において、バルブ40aは、リコートヘッド140と粒子分離システム402との間に配置されている。バルブ40aは、リコートヘッド140に結合されたバキュームシステムなどを介して、リコートヘッド140によって受け取られるガスフローを制御するために使用することができる。実施形態では、バキューム装置が約20立方フィート/分(CFM)を超える流量でリコートヘッド140を通してガスフローを引き込む。したがって、バキュームシステムはリコートヘッド140の入口に結合された管を含むことができ、これは、リコートヘッド140を通してガスフローを引き込み、リコートヘッド140がビルド表面またはパウダーで覆われた任意の他の表面上を通過する間にビルドマテリアルを乱すことによってエアロゾル化されるビルドマテリアルを除去する。バキュームシステムは特定の実施形態に応じて変更することができるが、プロセスチャンバ300内でエアロゾル化または流動化されるビルドマテリアルを除去することが有効であることを条件とする。使用に適したバキュームシステムの1つの実例は2020年5月22日に出願された「バキュームを含む付加製造リコートアセンブリおよびその使用方法」と題された特許出願PCT/US20/34204にさらに詳しく記載されており、その内容は引用により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態ではリコートヘッド140がそのようなバキュームシステムを含まなくてもよく、したがって、そのような実施形態ではバルブ40aは含まれなくてもよいことが企図される。実施形態ではバルブ40aがリコートヘッド140からのガスフローが、他のタイプのバルブを使用することができるが、オン、オフ、または調節されることを可能にする絞りバルブである。
【0076】
別のバルブであるバルブ40bはプロセスチャンバ300からのガスフローを制御するために、プロセスチャンバ300と粒子分離システム402との間に配置される。実施形態ではバルブ40bがプロセスチャンバ300からのガスフローをオンにし、オフにし、または調整することを可能にする絞りバルブであるが、他のタイプのバルブを使用することができることが企図される。
【0077】
図4および
図5に示すように、含まれる場合、バルブ40aを通るフローは、粒子分離システム402の上流でバルブ40bを通るフローと合流する。実施形態では、ベンチュリ(図示せず)がバルブ40aを通るフローがバルブ40bを通るフローに合流する流路に含まれる。含まれる場合、ベンチュリはベンチュリのスロートに低圧領域を生成し、これは、リコートヘッド140からの吸気流を駆動するのに効果的である。実施形態では、ベンチュリが例えば、リコートヘッド140のボリュームおよびリコートヘッド140を通して引き込まれるガスの吸入流に基づいて変化し得る、環境システムの最低流量を満たすように選択される幾何学的形状を有する。
【0078】
少なくとも1つのセンサ44aは、粒子分離システム402のすぐ上流に配置される。単一のセンサ44aが示されているが、任意の数のセンサ44を粒子分離システム402の上流の流路に沿って配置することができることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、センサ44aが温度センサ、圧力センサ、またはその両方を含むことができる。温度センサは粒子含有ストリームの温度を測定し、一方、圧力センサは、粒子含有ストリームの圧力を測定する。含まれる場合、圧力センサから受信される情報は、漏れが環境システムの閉ループ内に存在するかどうかを決定するために使用され得る。
【0079】
粒子分離システム402は粒子の少なくとも一部を分離して取り出し、粒子をマテリアルハンドリングシステム403に送る。実施形態では、バルブ40cが環境システムからマテリアルハンドリングシステム403への粒子のフローを制御する。以下でより詳細に説明するように、バルブ40cは実施形態ではオン位置にあるときに粒子が粒子分離システム402からマテリアルハンドリングシステム403に通過することを可能にし、オフ位置にあるときに粒子が粒子分離システム402からマテリアルハンドリングシステム403に通過することを防止する、オン/オフバルブである。しかしながら、他のタイプのバルブが使用されてもよい。粒子分離システム402による粒子含有ストリームからの粒子の少なくとも一部の分離は、粒子分離システム402に流体的に結合されたフィルタ404に通される粒子が低減されたストリームをもたらす。実施形態では粒子分離システム402が
図6~
図8のいずれか1つに示され、説明される粒子分離システムであるが、特定の実施形態に応じて、他の粒子分離システムが使用されてもよいことが企図される。
【0080】
様々な実施形態では、粒子分離システム402が粒子含有ストリーム中の粒子の約50重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、又は更には97重量%超を除去するのに有効である。実施形態では、粒子分離システム402が約5.0ミクロン(μm)より大きい、約4.0μmより大きい、約3.5μmより大きい、約3.0μmより大きい、約2.5μmより大きい、約2.0μmより大きい、約1.5μmより大きい、又は更には約1.0μmより大きい粒子を粒子含有ストリームから分離する。したがって、実施形態では、粒子分離システム402が粒子含有ストリームから粒子の大部分を除去することによって、フィルタ404への負荷を低減する。
【0081】
図4および
図5に示すように、実施形態では、センサ44bが粒子分離システム402とフィルタ404との間の流路に沿って配置される。単一のセンサ44bが示されているが、粒子分離システム402とフィルタ404との間の流路に沿って任意の数のセンサ44を配置することができることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、センサ44bが温度センサ、圧力センサ、またはその両方を含むことができる。特定の一実施形態では、圧力センサおよび温度センサが粒子分離システム402とフィルタ404との間に配置される。別の実施形態では、圧力センサが粒子分離システム402とフィルタ404との間にある。センサ44bが圧力センサを含む場合、それを使用して、環境システムの閉ループ内に漏れが存在するかどうかを決定することができる。追加的または代替的に、(センサ44aが圧力センサを含むとき)センサ44aと併せて、センサ44bからの情報を使用して、粒子分離システム402に問題が存在するかどうかを決定することができる。そのような問題はたとえば、予想よりも大きい圧力降下(たとえば、センサ44aによって感知される圧力とセンサ44bによって感知される圧力との間の圧力差)(たとえば、しきい値圧力差)によって示され得る。
【0082】
実施形態では、フィルタ404が高効率微粒子エア(HEPA)フィルタ(米国エネルギー省によって定義される)である。例えば、実施形態では、フィルタ404が直径が0.3μmである粒子の少なくとも99.97%を除去することができるHEPAフィルタである。他のタイプのフィルタを使用することができるが、ただし、それらは還元粒子流から残留粒子を除去することができる。例えば、より大きな粒径を有するビルドマテリアルが使用される場合、他のタイプのフィルタが使用されてもよい。追加的にまたは代替的に、利用可能な圧力降下および流量などの他のシステム構成要素および要件に応じて、異なるタイプのフィルタを使用することができる。実施形態において、ビルドマテリアル400は3.5μm以上のd10を有し、HEPAフィルタがフィルタ404として使用される。様々な実施形態では、フィルタ404が低減された粒子流からビルドマテリアル400の残りの粒子を除去し、クリーンガスストリームを提供する。
【0083】
図4および
図5に示されるように、実施形態では、バルブ40dおよび40eがフィルタ404が流体的に隔離されることを可能にするために、フィルタ404のすぐ上流およびすぐ下流にそれぞれ設けられる。したがって、そのような実施形態では、フィルタ404が環境システム401、501内のガスが閉ループから漏出することを可能にすることなく、除去、クリーニング、または交換することができる。実施形態ではバルブ40dおよび40eが手動オン/オフバルブであり、これはガスがフィルタ404を通って流れることができるオン位置と、オペレータによってガスがフィルタ404を通って流れることが防止されるオフ位置との間で動作することができる。しかしながら、自動バルブを含む他のタイプのバルブが企図され、可能である。
【0084】
図4および
図5に示されるように、フィルタ404は、ブロワ406に流体的に結合される。
図4および
図5は単一のブロワ406のみを含むものとして示されているが、実施形態では1つまたは複数の追加のブロワが含まれてもよいことが企図される。例えば、粒子分離システム402は、ブロワを含んでもよい。
図4ではフィルタ404がクリーンガスストリームをブロワ406に直接通すが、
図5ではクリーンガスストリームの少なくとも一部がブロワ406に供給される前に除湿器502(以下でより詳細に説明する)を通過する。ブロワ406は、環境システムを通してクリーンガスストリームを循環させる。ブロワ406としてはHRD 2T FU ATEX(TM)として入手可能なもの、例えば、エレクトロエアシステムズ社(独国)から入手可能な可変周波数駆動(VFD)を有するHRD 2T FU-95/2.2、またはVFDと連結されたエアーテックバキューム社から入手可能な3TAシリーズ遠心ブロワを含むが、これらに限定されない、いくつかの市販のブロワのいずれか1つを含むことができる。システムが必要とする圧力および流量を提供できるならば、他のブロワを使用してもよい。例えば、実施形態では、ブロワ406が環境システムを通って流れるガスに対して、70mbar以上、75mbar以上、80mbar以上、さらには85mbar以上の駆動圧力を提供する。ブロワ406はまた、例えば、ブロワ特性速度、断熱効率、出力、最大フローレートに基づいて選択されてもよい。ブロワ406の選択は粒子分離システム402およびフィルタ404を含むが、これらに限定されない、システム内の他の構成要素の選択に影響を与えることができ、影響を与えることを理解されたい。特に、ベンチュリ、粒子分離システム402およびフィルタ404を含む、システム内の様々な構成要素にわたる許容可能な圧力降下は、ブロワ406の圧力公差に依存する。
【0085】
本明細書ではブロワ406の上流に配置されるものとして説明されるが、実施形態では除湿器502がブロワ406の下流に配置され得ることが企図される。構成要素の順序は、選択された特定の構成要素、ならびに他のシステム動作パラメータに応じて変化し得ることを諒解されたい。例えば、バインダおよびクリーニング液からの蒸気に対して不活性であるブロワの使用は、そこから蒸気を抽出する必要なく、ガスをブロワに通すことを可能にすることができる。さらに、プロセスチャンバ内で使用される蒸気含有および特定のガスが燃焼リスクをもたらさない実施形態、および/またはブロワが凝縮環境で動作しない実施形態はそこから蒸気を抽出する必要なしに、ガスがブロワを通過することを可能にすることができる。したがって、ガスは、環境、動作パラメータ、ガス含有、および選択される特定のブロワに応じて、ブロワの上流または下流で調整または処理され得ることを理解されたい。
【0086】
図4に示される実施形態などの実施形態では、センサ44cがフィルタ404とブロワ406との間の流路に沿って配置される。例えば、センサ44cは、フィルタ404及びバルブ40eの下流側であって、ブロワ406の上流側に配置されている。単一のセンサ44cが示されているが、任意の数のセンサ44をフィルタ404とブロワ406との間の流路に沿って配置することができることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、センサ44cが温度センサ、圧力センサ、またはその両方を含むことができる。特定の一実施形態では、圧力センサおよび温度センサがフィルタ404とブロワ406との間に配置される。
【0087】
実施形態では、センサ44bおよび44cはそれぞれ、圧力センサを含む。したがって、センサ44bおよび44cは一緒に、フィルタ404の容量に関する情報を提供することができ、また、フィルタ404がいつ交換を必要とするかを示すことができる。
【0088】
図4に示される実施形態では、ブロワ406からのクリーンガスストリームが場合によってはコンセントレータ408に送られてもよい。コンセントレータ408は、含まれる場合、蒸気(例えば、クリーニング液及び/又はバインダマテリアル500から放出された蒸気)をクリーンガスストリーム中に濃縮して、コンデンサシステム410を通過するガスストリームの量を減少させる。例えば、コンセントレータ408はクリーンガスストリーム中に存在する蒸気を、約50%(v/v)未満のボリュームに濃縮することができ、これはコンデンサシステム410に送られ、一方、クリーンガスストリームの残りのボリュームはコンデンサシステム410の下流のポイントでループに戻される。したがって、含まれる場合、コンセントレータ408は、システムの全体的な効率を改善することができる。コンセントレータ408が含まれ、使用される場合、バルブ40fおよび40gはクリーンガスストリームを強制的にコンセントレータ408を通過させるために閉じられ得、バルブ40sはコンセントレータ408との流体連通を可能にするために開かれ得る。
【0089】
図4に示すように、センサ44dは、ブロワ406の下流に配置されている。実施形態では単一のセンサ44dとして示されているが、センサ44dは圧力センサ、温度センサ、および/または湿度センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、湿度センサの代わりにVOCまたはLELセンサを使用することができる。したがって、実施形態では圧力センサ、温度センサ、およびVOCセンサはブロワ406のすぐ下流に配置される。実施形態では、圧力センサ、温度センサ、およびLELセンサがブロワ406のすぐ下流に配置される。実施形態では、圧力センサ、温度センサ、および湿度センサがブロワ406のすぐ下流に配置される。センサ44dからの情報は例えば、バルブ40f、バルブ40g、またはバルブ40fおよび40gの両方を閉じるべきかどうか、およびブロワ406を出るクリーンガスストリームの経路を変更するためにバルブ40sを開くべきかどうかを決定するために使用することができる。例えば、湿度センサ、VOCセンサ、LELセンサ、および温度センサのうちの1つまたは複数からの情報を使用して、クリーンガスストリームが温度T1およびV1の蒸気濃度を有すること、ならびにクリーンガスストリーム(例えば、V
thresholdが蒸気のしきい値レベルであるV1>V
threshold)中に望ましくないレベルの蒸気が存在することを決定することができる。したがって、バルブ40f、40g、および/または40sはクリーンガスストリームがコンセントレータ408を通って流れるように調整され得る(例えば、バルブ40fおよび40gが閉じられ、バルブ40sが開かれる)。あるいは、湿度センサ、VOCセンサ、LELセンサ、および温度センサのうちの1つまたは複数からの情報を使用して、クリーンガスストリームが温度T1およびV1の蒸気濃度を有すること、およびクリーンガスストリーム中に存在する蒸気の濃度が許容可能であること(例えば、V1≦V
threshold)を決定することができる。したがって、バルブ40f、40g、および/または40sはクリーンガスストリームがコンセントレータ408を迂回するように調整され得る(例えば、バルブ40fおよび/または40gが開かれ、バルブ40sが閉じられる)。加えて、または代替的に、コンセントレータ408およびバルブ40sが存在しないとき、湿度センサ、VOCセンサ、LELセンサ、および温度センサのうちの1つまたは複数からの情報を使用して、クリーンガスストリームが温度T1およびV1の蒸気濃度を有すること、クリーンガスストリーム中に存在する蒸気の濃度が許容可能であること(例えば、V1≦V
threshold)を決定することができ、バルブ40fおよび/または40gを調整して(例えば、バルブ40fを閉じ、バルブ40gを開く)、クリーンガスストリームにコンデンサシステム410を迂回させることができる。追加的にまたは代替的に、コンセントレータ408およびバルブ40sが存在しないとき、湿度センサ、VOCセンサ、LELセンサ、および温度センサのうちの1つまたは複数からの情報を使用して、クリーンガスストリームが温度T1およびV1の蒸気濃度を有し、クリーンガスストリーム(例えば、V1>V
threshold)中に望ましくない水準の蒸気が存在することを決定することができ、バルブ40fおよび/または40gを調整して(例えば、バルブ40fを開き、バルブ40gを閉じて)、クリーンガスストリームをコンデンサシステム410に流すことができる。
【0090】
実施形態では、バルブ40fおよび40gの一方または両方がクリーンガスストリームのフローをオンにする、クリーンガスストリームのフローをオフにする、またはクリーンガスストリームのフローを調整するために使用され得る絞りバルブである。したがって、バルブ40fおよび40gの動作の前述の説明は単にバルブを開閉することを指すが、コンセントレータおよび/またはコンデンサシステムを通るクリーンガスストリームのフローは絞りバルブの使用を通してさらに制御され得ることを理解されたい。しかしながら、他のタイプのバルブも可能であり、企図される。
【0091】
コンセントレータ408が含まれない実施形態ではまたはコンセントレータ408が含まれ、迂回されるとき、クリーンガスストリームはブロワ406からコンデンサシステム410に通される。コンデンサシステム410は様々な実施形態では凝縮ユニットおよび蒸発器コイルを含み、限定ではなく例示として、クリーニングステーション110(
図1)内のクリーニング液によって周囲に放出される水および他の溶剤の蒸気、ならびにプロセスチャンバ内で堆積および硬化されるバインダマテリアルからの蒸気を含む、クリーンガスストリームから蒸気を抽出するように動作可能である。コンデンサシステム410は、一例および限定として、Trane Technologiesによって製造され、Trane Technologiesから市販されているものなど、市販のHVACシステムで従来使用されている空調機であり得る。実施形態では、コンデンサシステム410が2.5トン以上の市販のHVACシステム、例えば、三菱電機トレーンHVAC US LLC(Suwanee、GA)からのPUY-A30NHA7凝縮ユニット、およびCoilmaster Corporation(Moscow、TN)からのDXG07C15蒸発器コイルであり得る。
【0092】
コンデンサシステム410はクリーンガスストリームから蒸気を除去し、実施形態では流体(例えば、凝縮蒸気)をクリーニング流体リザーバ412に提供し、ここで、流体はクリーニング流体再循環ループ(図示せず)を通して再循環され得る。他の実施形態では、凝縮された蒸気がシステムから除去され得るか、または廃棄物リザーバ(図示せず)に送られ得る。実施形態では、凝縮蒸気が再循環および/または廃棄物リザーバへの送出のために、分離、クリーニング、および/または処理することができる。凝縮蒸気を処理する他の方法も考えられる。蒸気が除去されたクリーンガスストリームは、その後、コンデンサシステム410から任意の加熱コイル414に送られる。
【0093】
実施形態では、センサ44eがコンデンサシステム410のすぐ下流の経路に配置される。実施形態では単一のセンサ44eとして示されているが、センサ44eは圧力センサおよび/または温度センサを含むことができる。センサ44eからの情報はコンデンサシステム410からのクリーンガスストリームの圧力に関する情報、および/またはコンデンサシステム410からのクリーンガスストリームの温度に関する情報を含むことができ、これは、例えば、環境システムの閉ループ内の漏れを識別するために、コンデンサシステム410との機能的問題を識別するために、などに使用することができる。温度センサがセンサ44eとして含まれる実施形態では、センサからの情報が含まれる場合、加熱コイル414の1つまたは複数のパラメータを調整するために使用され得る。実施形態では、コンデンサシステム410から受け取ったクリーンガスストリームがT2<T1であり、V2<V1であれば、V2の蒸気濃度およびT2の温度を有する。したがって、コンデンサシステムは第1蒸気含有V1を有するガスストリームをプロセスチャンバから受け取り、ガスストリームに第2蒸気含有V2をプロセスチャンバに提供する。
【0094】
含まれる場合、加熱コイル414は、クリーンガスストリームの温度を上昇させるために使用されてもよい。例えば、コンデンサシステム410からのクリーンガスストリームが予想よりも低い(例えば、閾値温度よりも低い)温度を有する場合、加熱コイル414は、クリーンガスストリームを所望の温度まで上昇させるように調整することができる。好適な加熱コイル414の一例は、Tempco Electric Heater Corporation(Wood Dale、IL)からモデル番号CSF00131として市販されているフィン付きトリップヒータである。加熱コイル414から、含まれる場合、クリーンガスストリームはプレナム416に流れる。したがって、実施形態では、加熱コイル414を出るクリーンガスストリームがT3>T2であり、V3≒V2であれば、V3の蒸気濃度およびT3の温度を有する。
【0095】
図4に示される実施形態はブロワ406、任意選択のコンセントレータ408、コンデンサシステム410、および任意選択の加熱コイル414を含むが、フィルタ404を出るクリーンガスストリームを処理および調整するために他の構成要素が使用され得ることが企図される。例えば、
図5に示す実施形態では、環境システム501が除湿器502と、ブロワ406と、熱交換器504とを含む。
【0096】
図5において、バルブ40eは、フィルタ404のすぐ下流に配置されている。センサ44iは、バルブ40eの下流に配置されている。実施形態では単一のセンサ44iとして示されているが、センサ44iは圧力センサ、湿度センサ、VOCセンサ、および/またはLELセンサを含むことができる。実施形態では、センサ44iが圧力センサおよび湿度センサを含む。実施形態では、センサ44iが圧力センサおよびVOCセンサを含む。実施形態では、センサ44iが圧力センサおよびLELセンサを含む。センサ44iからの情報はフィルタ404からのクリーンガスストリームの圧力および/またはクリーンガスストリームの蒸気含有に関する情報を含むことができ、この情報蒸気含有は例えば、クリーンガスストリームが温度T1および蒸気含有V1を有すること、およびクリーンガスストリームが除湿器502に迂回されるべきか、またはブロワ406に直接的に送られるべきかを決定するために使用することができる。実施形態では、バルブ40fおよび40qがセンサ44iからの情報に基づいて、クリーンガスストリームを方向付けるように動作され得る。
【0097】
例えば、実施形態では、クリーンガスストリームの蒸気含有が所望よりも大きいことを示すセンサ44iからの情報に応じて(例えば、Vthresholdがしきい蒸気含有である場合に、V1>Vthreshold)、バルブ40fを閉じ、バルブ40qを開いて、クリーンガスストリームを除湿器502に流すことができる。別の実施形態として、実施形態では、クリーンガスストリームの蒸気含有が所望の範囲(例えば、V1≦Vthreshold)内にあることを示すセンサ44iからの情報に応じて、バルブ40fを開くことができ、バルブ40qを閉じて、クリーンガスストリームを除湿器502を迂回させ、ブロワ406に流すことができる。実施形態ではバルブ40fおよび40qがクリーンガスストリームが流路に沿って通過することを可能にするかまたは防止するオン/オフバルブであるが、他のタイプのバルブも可能であり、企図される。
【0098】
除湿器502は、実施形態ではクリーンガスストリームから蒸気または水分を除去するように動作可能である。いくつかの実施形態では、除湿器がTrotec、Gmbh(Heinsberg、ドイツ)から市販されているTTR-400D(TM)デシカント除湿器などの、デシカントベースの除湿器である。冷却ベースの除湿器を含む他のタイプの除湿器は、実施形態に従って許容可能な範囲内に閉ループシステムの湿度を維持することができるという条件で、実施形態において使用されてもよい。しかしながら、比較的大量の水分がクリーンガスストリームから除去されるべき(例えば、約1kg/時より大きい)実施形態では、乾燥剤ベースの除湿器が改善された水分除去を提供し得る。実施形態では、除湿器502を出るクリーンガスストリームが蒸気含有V2を有し、V2<V1である。
【0099】
クリーンガスストリームが除湿器502を通過(または迂回)した後、クリーンガスストリームはブロワ406に流れる。実施形態では、センサ44jがブロワ406のすぐ上流に配置される。実施形態では単一のセンサ44jとして示されているが、センサ44jは圧力センサ、温度センサ、および/または酸素センサを含むことができる。実施形態では、センサ44jが圧力センサと、温度センサと、一対の酸素センサとを含む。
【0100】
図5ではブロワ406に続いて、クリーンガスストリームはセンサ44e(
図4に関して上述した)を通過して熱交換器504に流れる。熱交換器504は例えば、所望の温度を達成するためにクリーンガスストリームから除去されるべき推定熱負荷に基づいて選択される。実施形態では、熱負荷がプロセスチャンバ300内の熱、ブロワ406からの熱、および除湿器502からの熱に基づいて推定することができ、クリーンガスストリーム(例えば、エア、N
2、またはアルゴン)に含まれるガスの種類に基づいて変化させることができる。使用に適した市販の熱交換器504の一例は、Becker GmbH(ドイツ)から入手可能なRV 1.17-0-114.12である。実施形態では、熱交換器504が冷却器(図示せず)に結合される。したがって、熱交換器504は冷却装置と連動して、クリーンガスストリームから熱を除去し、冷却装置を通ってシステムから流出するように動作する。様々な実施形態では熱交換器504がクリーンガスストリームから熱を除去するために使用されるが(例えば、クリーンガスストリームの温度を低下させる)、実施形態では熱交換器504が冷却器を通して熱水を流し、熱水からクリーンガスストリームに熱を伝達することなどによって、クリーンガスストリームを加熱する(例えば、クリーンガスストリームの温度を上昇させる)ために使用され得ることが企図される。
【0101】
熱交換器からの下流では、バルブ40pおよび40rがクリーンガスストリームのフローをブロワ406に戻すか、またはプレナム416に向けるように動作する。例えば、バルブ40pを閉じ、バルブ40rを開いて、クリーンガスストリームを熱交換器504からブロワ406に再循環させることができる。そのような再循環は例えば、ガスがプロセスチャンバ、粒子セパレータ、およびフィルタを迂回することを可能にすることによって、ブロワが過熱するのを防止することができる。あるいは、バルブ40pを開き、バルブ40rを閉じて、クリーンガスストリームをプレナム416に向けることができる。実施形態では、バルブ40rがブロワ406へのクリーンガスストリームの逆流を調整または防止する絞りバルブである。したがって、実施形態では、バルブ40pおよび40rがクリーンガスストリームの一部がブロワ406に再循環され得る一方で、クリーンガスストリームの残りがプレナム416に通されるように、開くことができる。そのような構成は例えば、システムが、必要とされる速度よりも速い速度でブロワを運転することを補償することを可能にすることができる。実施形態では、バルブ40pがクリーンガスストリームのフローが流路に沿って流れることを可能にするか、または防止するように動作するオン/オフバルブである。いくつかの実施形態では、バルブ40pおよび40rの一方または両方がセンサ44fから受信した情報に応答して動作することができる。
【0102】
図4に示される実施形態では、センサ44fがプレナム416の上流で、加熱コイル414(含まれる場合)またはコンデンサシステム410の下流に配置される。
図5の実施形態では、センサ44fが熱交換器504の下流に配置される。センサ44fは、クリーンガスストリームがプロセスチャンバ300への供給に適しているかどうかを判定する最終チェックセンサである。実施形態では単一のセンサ44fとして示されているが、センサ44fは圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、および/または酸素センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、湿度センサの代わりにVOCまたはLELセンサを使用することができる。したがって、実施形態では、センサ44fが温度センサ、圧力センサ、酸素センサ、および湿度センサを含む。実施形態において、センサ44fは、温度センサと、圧力センサと、酸素センサと、VOCセンサとを含む。実施形態において、センサ44fは、温度センサ、圧力センサ、酸素センサ、及びLELセンサを含む。実施形態では、センサ44fが温度センサ、圧力センサ、および湿度センサを含む。実施形態において、センサ44fは、温度センサと、圧力センサと、VOCセンサとを含む。実施形態では、センサ44fが温度センサと、圧力センサと、LELセンサとを含む。センサの他の組み合わせが考えられ、可能である。
【0103】
図4および
図5の両方に示されるように、リリーフバルブ40hは、プレナム416の上流の流路に沿って配置される。リリーフバルブ40hはプロセスチャンバ300の過剰加圧を防止するために必要とされ得るように、あるボリュームのクリーンガスストリームが環境システム401、501から排出されることを可能にする。実施形態では、リリーフバルブ40hが圧力が閾値圧力レベルを超えると開く機械バルブである。例えば、プロセスチャンバの壁は特定の圧力に耐えるように設計され、閾値圧力レベルはプロセスチャンバの限界に基づいて設定され得る。したがって、圧力がブロワの下流の閾値圧力レベルを超えると、リリーフバルブ40hが開き、システム全体の圧力が低下する。
【0104】
プレナム416は、クリーンガスストリームのフローを直線運動ステージ420、並びにプリントヘッド150及びリコートヘッド140に提供する。特に、様々な実施形態では、直線運動ステージ420がバルブ40iおよび流量計42aを介してプレナム416に結合される。実施形態ではバルブ40iはピンチバルブであるが、他のタイプのバルブも考えられ、可能である。直線運動ステージ420に流れるクリーンガスストリームは直線運動ステージ420に正圧を提供し、これは、汚染物質(例えば、ビルドマテリアル)が直線運動ステージ420のキャビティに入るのを防ぐことができる。
【0105】
プリントヘッド150は、バルブ40jおよび40kならびに流量計42bおよび42cを介してプレナム416に結合される。実施形態では、バルブ40jおよび流量計42bがプレナム416とプリントヘッド150内のマニホールドとの間の流路に沿って配置され、プリントヘッド基板などを含むプリントヘッド150内の電子機器を冷却するためのガスフローを提供する。バルブ40kおよび流量計42cは実施形態ではプレナム416と、クリーンガスストリームをプリントヘッド150上に配置されたIRランプを横切って流すガスフロー出口との間の流路に沿って配置され、IRランプを冷却し、および/または汚染物質などからIRランプの周囲のキャビティをパージする。プリントヘッドがIRランプを含まない実施形態では、バルブ40kおよび流量計42cが省略されてもよいことが企図される。実施形態ではバルブ40jおよび40kはピンチバルブであるが、他のタイプのバルブが企図され、可能である。しかしながら、ピンチバルブの使用は、バルブ40jおよび40kが所定の流量を可能にするように精密に制御されることを可能にする。流量は例えば、プリントヘッド150上に配置されたIRランプの個数、IRランプの発熱量等に依存する。実施形態では、プリントヘッド150内の電子機器を冷却するために使用されるクリーンガスストリームのフローは約10立方フィート/分(CFM)~約15CFMである。実施形態において、IRランプを冷却するためのクリーンガスストリームのフローは、ランプ当たり約3CFM~約5CFMである。
【0106】
リコートヘッド140は
図4および
図5の両方に示されるように、バルブ40lおよび流量計42dを介してプレナム416に結合される。特に、クリーンエアストリームはバルブ40lを通ってリコートヘッド140に送られ、リコートヘッド140上に配置されたIRランプを横切ってクリーンガスストリームを流すガスフロー出口に送られて、IRランプを冷却し、および/または汚染物質などからIRランプの周囲のキャビティをパージする。リコートヘッドが赤外線ランプを含まない実施形態では、バルブ40lおよび流量計42dを省略することができることが企図される。実施形態ではバルブ40lはピンチバルブであるが、他のタイプのバルブも考えられ、可能である。上述のように、ピンチバルブを使用することにより、バルブ40lを精密に制御して所定の流量を可能にすることができる。流量は例えば、リコートヘッド140に設置されるIRランプの個数や、IRランプの発熱量等に依存する。実施形態において、電子機器を冷却するために使用されるフローは、約10CFM~約15CFMである。実施形態において、IRランプを冷却するためのクリーンガスストリームのフローは、ランプ当たり約3CFM~約5CFMである。
【0107】
クリーンガスストリームは直線運動ステージ420、プリントヘッド150、およびリコートヘッド140を通ってプロセスチャンバ300に入るが、実施形態ではプレナム416はまた、クリーンガスストリームの別個のフローをプロセスチャンバ300に提供する。実施形態において、流量計42eおよびバルブ40mは、プレナム416とプロセスチャンバ300との間に配置される。バルブ40mの下流には、排気へのガスフローを可能にするかまたは防止するために、バルブ40nが含まれる。実施形態ではバルブ40mおよび40nの一方または両方が絞りバルブであるが、他のタイプのバルブも可能であり、企図される。バルブ40mおよび40nの両方が開いているとき、プレナム416からのクリーンガスストリームの少なくとも一部は、バルブを通ってシステムから出る。クリーンガスストリームの残りのフローは、入口を通ってプロセスチャンバ300に入る。
【0108】
図4および5は、不活性空気圧422および/または非不活性空気圧424からのフレッシュガスフローを制御するマスフローコントローラ418をさらに示す。実施形態では、マスフローコントローラ418がバルブ40mを通過して流れるクリーンガスストリームに添加され、プロセスチャンバ300に提供されるフレッシュガスの量を制御する。フレッシュガスは例えば、プロセスチャンバ300内の環境が不活性環境に移行されているとき、プロセスチャンバ300内の環境が非不活性環境に移行されているとき、またはプレナム416に到達するクリーンガスストリームが環境システムの閉ループ内の圧力を維持するのに不十分であるときに加えられてもよい。
【0109】
様々な実施形態では、プロセスチャンバ300への入口がディフューザ(図示せず)に結合される。他の入口構造も可能であるが、ディフューザの使用はパウダーベッドの真上のガスフローに悪影響を及ぼすことなく、圧力降下を最小限に抑え、プロセスチャンバ内へのガスの均一なフローを可能にすることができる。例えば、実施形態では、プロセスチャンバ300への入口がパウダーベッドの垂直方向上方(例えば、
図1の+Z方向)に配置され、パウダーベッドの約2インチ内のガスストリームの速度が約1メートル毎秒(m/s)未満であるように、パウダーベッドから十分に離間されてもよい。例えば、実施形態では200CFM~320CFMでチャンバに入るガス(例えば、空気またはアルゴン)のフローのためのパウダーベッドの2インチ以内のガスの最大速度は1m/s未満、0.9m/s未満、または0.85m/s未満である。加えて、実施形態では、プロセスチャンバ300への入口がプロセスチャンバ300の一方の側に向かって(例えば、
図1のクリーニングステーション110の上に)配置されて、ビルドマテリアル400が存在するプロセスチャンバ300内の領域から入口フローをさらに分離することができる。入口の位置および形態は特定の実施形態に応じて変更することができるが、実施形態では入口がビルドマテリアル400が存在する領域から物理的に離れており、プロセスチャンバ300内で流動化されるビルドマテリアルの量を低減することができる。
【0110】
図4および
図5に示すように、実施形態では、プロセスチャンバ300が少なくとも1つのセンサ44gを含む。
図4および
図5には単一のセンサとして示されているが、実施形態ではセンサ44gが例えば、1つまたは複数の温度センサ、1つまたは複数の圧力センサ、1つまたは複数の酸素センサ、1つまたは複数の湿度センサ、1つまたは複数のVOCセンサ、1つまたは複数のLELセンサ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。実施形態では、プロセスチャンバ300が少なくとも温度センサおよび圧力センサを含む。一実施形態では、プロセスチャンバ300が少なくとも2つの圧力センサ、少なくとも2つの酸素センサ、4つの温度センサ、および湿度センサ、VOCセンサ、またはLELセンサを含む。プロセスチャンバ300内のセンサの各々の特定の位置は、特定の実施形態に応じて変更することができる。例えば、プロセスチャンバ300内のセンサの位置は、含まれるセンサの数、含まれるセンサのタイプ、含まれるセンサの感度などに応じて変化し得る。実施形態では、プロセスチャンバ300内の温度センサがパウダーベッドから約2インチを超えて離間している。
【0111】
実施形態では、センサ44gがプロセスチャンバ300内の環境を変更するために必要とされ得るような、閉ループ環境システム401、501内の1つまたは複数のパラメータを変更するために使用され得る、プロセスチャンバ300内の環境に関する情報を提供することができる。例えば、実施形態によれば、プロセスチャンバ300は、約25℃~約40℃、または27℃~約35℃の温度、約15%~約40%の相対湿度、および約0mbar~約20mbarの圧力に維持され得る。実施形態によれば、プロセスチャンバ300は、不活性状態にあるとき2ボリューム%未満、非不活性状態にあるとき約15ボリューム%~約22ボリューム%の酸素含有を有することができる。プロセスチャンバ300内の特定の動作パラメータは特定の実施形態に応じて変化し得るが、本明細書で説明する環境システムの様々な構成要素は付加製造装置の動作中に特定の動作パラメータを達成し、維持するように共に動作することを理解されたい。動作パラメータ、したがってプロセスチャンバ300内の環境のそのような維持は例えば、閉ループに沿った異なる位置に配置されたセンサ44の使用、および特定の実施形態に応じて、バルブ40のうちの1つまたは複数を調整して、環境システムの構成要素のうちの1つまたは複数へのガスフローを制御するために、および/またはブロワ406、コンセントレータ408、コンデンサシステム410、加熱コイル414、除湿器502、および/または熱交換器504の動作パラメータを調整するために、センサ44からの情報を使用することによって達成することができる。センサ44からの情報(例えば、情報)の受信及び処理、並びに環境システム401、501内でどのような調節を行うかの決定は、制御システム200によって、又は付加製造装置の一部として含まれる別のコンピューティングデバイスによって行うことができることを理解されたい。
【0112】
さらに、実施形態では、閉ループに沿った異なる位置に配置されたセンサ44のうちの1つまたは複数からの情報を使用して、環境システムの状態に関する警告を生成することができる。例えば、センサのうちの1つからの情報は最初に(例えば、制御システム200によって)使用されて、バルブのうちの1つ以上を調整して、環境システムに対する調整を行うことができる。調節に続いて、1つ以上のセンサからの情報が環境システムが所定の範囲外にあることを示し続ける場合、制御システム200は、警告を生成したり、付加製造装置の動作を休止したりすることができる。
【0113】
図4および
図5に示される実施形態では、様々なセンサ44およびバルブ40が説明された。実施形態では、特定の実施形態に応じて、環境システム全体にわたって追加のセンサ44およびバルブ40が含まれてもよいことが企図される。さらに、実施形態では、
図4および
図5に記載されるセンサ44およびバルブ40のうちの1つまたは複数が省略され得る。センサ44及びバルブ40は、上述したもの以外のタイプのものであってもよい。例えば、オン/オフバルブとして説明されたバルブ40はスロットルバルブであってもよく、逆もまた同様であり、センサ44は、本明細書に開示される様々なタイプのセンサのうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。実施形態では、バルブ40がステンレス鋼で作製され、バルブ40の各々の故障位置を制御するために、スプリングリターンアクチュエータと結合され得る。さらに、実施形態では、バルブ40の位置に関するフィードバックを制御システム200に提供するために、バルブのうちの1つまたは複数がデバイス(たとえば、位置センサ)に結合される。
【0114】
環境システム401、501の閉ループは、システム内の各構成要素を隣接する構成要素に流体的に結合するチューブまたはパイプをさらに含む。実施形態では、チューブをステンレス鋼または別の非反応性マテリアルで作製することができる。バルブ40と共に、チューブは、システム全体の圧力損失を最小限に抑えるような大きさにされる。実施形態では、チューブサイズはまた、例えば、パウダー搬送のための流量、埋め込まれたセンサ/デバイス選択などに依存し得る。
【0115】
ここで
図6~
図7を参照すると、粒子分離システム402の様々な実施形態が示されている。
図6および
図7において、粒子分離システム402は、少なくとも第1入口マニホールド602aおよび第2入口マニホールド602bを含む。本明細書に記載されるように、入口マニホールドは、参照番号602によって包括的におよび/または集合的に示されてもよく、または参照番号602に続いてアルファベット識別子によって具体的に参照されてもよい。
図6の実施形態は、2つの入口マニホールド602aおよび602bを含む。
図7の実施形態はまた、2つの入口マニホールド602aおよび602bを含むが、それらは両方とも
図7では不明瞭であり、図示されていない。特定の実施形態に応じて、より多くのまたはより少ない数の入口マニホールドを含めることができることが企図される。さらに、長方形の断面を有するものとして
図6に示されているが、実施形態では入口マニホールド602が予想される流量およびボリューム、ならびに粒子分離システム402を粒子含有ストリームの流入源に接続する配管態様および製造上の考慮事項に応じて、以下でより詳細に説明するように、単一のマニホールドが複数のサイクロンへのガスフローを提供するという条件で、任意の形状の断面を有することができることが企図される。
【0116】
様々な実施形態では、粒子分離システム402が少なくとも第1排気マニホールド604aおよび第2排気マニホールド604bをさらに備える。本明細書に記載されるように、排気マニホールドは、参照番号604によって包括的におよび/または集合的に示されてもよく、または参照番号604に続いてアルファベット識別子によって具体的に参照されてもよい。
図6および
図7の実施形態はそれぞれ、2つの排気マニホールド604aおよび604bを含む。特定の実施形態に応じて、より多くのまたはより少ない排気マニホールドを含めることができることが企図される。実施形態では、排気マニホールド604の数が入口マニホールド602の数に等しい。さらに、長方形の断面を有するものとして
図6に、および台形の断面を有するものとして
図7に示すが、実施形態では予想される流量およびボリュームならびに粒子分離システム402を粒子が低減されたストリームの受容手段に接続する配管態様および製造の考慮事項に応じて、以下でより詳細に説明するように、単一のマニホールドが複数のサイクロンからガスフローを受容する場合、排気マニホールド604が任意の形状の断面を有することができることが企図される。
【0117】
実施形態では、入口マニホールド602が排気マニホールド604の垂直下方(例えば、-Z方向)に位置する。複数のサイクロンセパレータ605が、流体流路に沿って各入口マニホールド602と対応する排気マニホールド604との間に配置される。様々な実施形態において、複数のサイクロンセパレータ605は、複数のアレイ606に配置される。本明細書で説明するように、アレイは、総称的におよび/またはまとめて参照番号606によって示され得るか、または参照番号606によって具体的に示され、その後にアルファベット識別子が続くことがある。
図6の実施形態は8つのアレイ606a、606b、606c、606d、606e、606f、606g、および606hを含み、4つのアレイは各入口マニホールド602とその対応する排気マニホールド604との間に配置され、
図7の実施形態は2つのアレイ606aおよび606bを含み、1つのアレイは各入口マニホールド602とその対応する排気マニホールド604との間に配置される。実施形態では、各アレイ606が対応する入口マニホールド602及び排気マニホールド604の長さに沿って配置されたサイクロンセパレータ605の実質的に直線状の配置である。
図6では各アレイ内のサイクロンセパレータ605は直線状に配置され、
図7では各アレイ内のサイクロンセパレータ605は直線軸に沿って互い違いに配置されている。各サイクロンセパレータ605が入口マニホールド602および排気マニホールド604に流体的に結合されるのであれば、各アレイ内のサイクロンセパレータ605の他の配置が企図される。
【0118】
実施形態では、複数のアレイ606が対応する入口マニホールド602および排気マニホールド604に結合された他のアレイに対して平行に配置される。例えば、
図6において、アレイ606aおよびアレイ606bは、他方に対して平行に配置される。同様に、
図7において、アレイ606aおよびアレイ606bは、他方に対して平行に配置される。入口マニホールド602および排気マニホールド604に対するアレイ606の並列配置は、複数のアレイ606が入口マニホールド602を通って流れる等しいボリュームのガスストリームを受け取ることを可能にする。しかしながら、実施形態では、1つまたは複数のアレイ606が他のアレイ606とは異なるボリュームのガスストリームを受容し得ることが企図される。
【0119】
特定の実施形態に応じて、任意の数の入口マニホールド、出口マニホールド、およびサイクロンセパレータのアレイを含めることができることが企図される。さらに、各アレイは、任意の数の個々のサイクロンセパレータを含み得ることが企図される。例えば、各アレイ606は、5個以上のサイクロンセパレータ、6個以上のサイクロンセパレータ、8個以上のサイクロンセパレータ、10個以上のサイクロンセパレータ、12個以上のサイクロンセパレータ、または15個以上のサイクロンセパレータを含んでもよい。実施形態において、粒子分離システムにおけるサイクロンセパレータの総数は、12個以上、15個以上、18個以上、20個以上、またはさらには25個以上のサイクロンセパレータである。粒子分離システム402に含まれる全サイクロンセパレータの個数は例えば、粒子分離システム上の許容圧力降下、分離する目標粒子径、ならびに付加製造装置100の製造および寸法の考慮事項に応じて変化し得る。例えば、以下でより詳細に説明するように、圧力降下を低減するためにサイクロンセパレータの数を増やすことが望ましい場合があるが、空間的考慮事項は実際に含めることができる数を制限する場合がある。実施形態において、複数のサイクロンセパレータの各々は、実質的に等しいボリュームのガスストリームを受け取る。
【0120】
図8は、本明細書に記載の粒子分離システム402での使用に適したサイクロンセパレータ605の一実施形態の断面図である。
図8に示されるように、各サイクロンセパレータ605は、粒子含有ストリームのための1つ以上の入口802と、粒子が低減されたストリームのための出口804と、粒子出口806と、セパレータ本体810によって境界付けられた内部分離チャンバ808とを含む。セパレータ本体810は、第1端部812と、第2端部814と、それらの間に延在する周壁816とを有する。周壁816は軸対称形状を有し、中心軸818を有する分離チャンバ808を画定する。粒子収集コンテナ706は最終的な廃棄のために分離された粒子を収集し、サイクロンセパレータ605の第2端部814にクロージャを提供するために提供される。
図7に示されるように、粒子収集コンテナ706はアレイ606内の様々なサイクロンセパレータ605、および実施形態では複数のアレイ606によって共有される共通の粒子収集コンテナ706である。周壁816の軸対称形状は、円筒形、切頭円錐形、および他の回転形状を含む。本明細書ではサイクロンセパレータ605として説明するが、本明細書で説明する粒子分離システム402では他のタイプのセパレータを利用することもできる。
【0121】
また、
図8には、セパレータ本体810の周壁816の軸対称形状が示されており、その内面が分離チャンバ808を画定している。図示の実施形態では、周壁が円筒形部分820と、円錐状または切頭円錐部分822とを有する。これは分離チャンバ808に先細の収束形状を提供し、これは入ってくる粒子含有ストリームの循環流を加速して、粒子の分離を向上させる。
【0122】
図6~
図8を参照すると、動作時には
図7に示すように、入ってくる粒子含有ストリームの全てが、共通の流体入口702を通って粒子分離システム402に入る。流体入口702は
図6には示されていないが、流体入口は
図7に示されるのと同様の様式で、
図6の粒子分離システムに結合され得ることが企図される。
図4および
図5に示されるように、流体入口702は例えば、プロセスチャンバ300およびリコートヘッド140から粒子含有ストリームを受け取るために、チューブまたはパイプに連結されてもよい。流体入口702は入口マニホールド602と流体連通しており、実施形態では、粒子含有ストリームのフローは流体入口702で分割されて、入口マニホールド602の各々を通るフローを提供する。具体的には、あるボリュームの粒子含有ストリームが入口マニホールド602の各々に流入する。粒子含有ストリームのボリュームの一部は、対応する入口マニホールド602または他の供給源から入口802を通ってサイクロンセパレータ605の各々に入る。実施形態では、入口802がセパレータ本体810の内側円筒壁に接する螺旋(平面)入口の形態をとることができる。特定の実施形態に応じて、他の入口構成(例えば、螺旋状入口)を使用することができる。実施形態において、入口における粒子含有ストリームの速度は、5m/s以上、10m/s以上、12m/s以上、または15m/s以上である。実施形態において、入口での粒子含有ストリームの速度は、5m/s~20m/sである。次いで、流入するフローは、セパレータ本体810の第1端部812の近く、またはそれに隣接して分離チャンバ808に入る。粒子含有ストリームPのフローは、入口802から分離チャンバの背面を横切ってページに入り、次いで、螺旋経路で分離チャンバ808の内部を循環し始め、次いで、流入空気の連続的なフローによって前方に拍動されて、セパレータ本体の第2端部814に向かって徐々に移動する。この螺旋状のフローパターンは、懸濁粒子を分離チャンバ808の壁に向かって半径方向外向きに押しやる傾向がある。
【0123】
図8に示す構成では、分離チャンバ808がセパレータ本体810の第1端部812付近の円筒形部分820と、セパレータ本体810の第2端部814付近のテーパ状の円錐部分822とを含む。円錐部分822の使用による分離チャンバ808の先細りは、フローを加速し、懸濁粒子を分離チャンバ808の壁に向かって半径方向外向きに方向付けるのに役立つ。出口804は第1端部812の近くにあるので、分離チャンバ808内を循環する気流は最終的に第2端部814に達し、第1端部812に向かって曲がる。分離チャンバ808の周壁に向かって半径方向外向きに投げられた懸濁粒子は出口804に向かって曲がることができず、したがって懸濁液から落ち、
図7に見られるように、セパレータ本体810の第2端部814を囲む粒子収集コンテナ706内に堆積される。渦ファインダ824は出口804から軸方向内側に延在し、入口802からの流入流と出口804を通る流出流との間の分離を維持するのを助ける。
【0124】
図8の実施形態では、出口804が分離された粒子を粒子収集コンテナ706に方向付ける際に重力を利用するために、垂直に上方に、すなわち、重力とは反対の方向に配向されてもよい。しかしながら、パイプおよび他の設置の考慮事項に応じて、いくつかの状況では、垂直以外の角度でサイクロンセパレータ605を配向し、垂直上方以外の位置で出口804を配向することが望ましい場合がある。
【0125】
あるボリュームの粒子が低減されたストリームはサイクロンセパレータ605から出口804を通って排気マニホールド604に流れ、これは1つ以上のアレイ606内のサイクロンセパレータ605から粒子が低減されたストリームのボリュームを収集する。排気マニホールド604から、粒子が低減されたストリームのボリュームは、サイクロンセパレータ605を出て、流体出口704に流れる。流体入口702と同様に、流体出口704は
図6では省略されているが、流体出口704は
図7に示されているのと同様の方法で、
図6の粒子分離システム402に結合することができることを理解されたい。様々な排気マニホールド604からの粒子が低減されたストリームのボリュームは、流体出口704内で組み合わされ、フィルタ404などの環境システム内の次の構成要素に粒子が低減されたストリームを提供する。
【0126】
上述のように、環境システムで使用される特定の粒子分離システム402は、特定のシステム要件に応じて変化することができる。実施形態では、粒子分離システム402が粒子分離システムにわたる圧力降下および/または粒子分離システム402のカットサイズに少なくとも部分的に基づいて選択される。本明細書で使用するとき、用語「圧力降下」は、同じガス含有、熱吸収、及びブロワ速度に対する静圧降下、すなわち、粒子分離システム上の静圧降下を指す。本明細書で上述したように、動作中、粒子分離システム402上の圧力降下は粒子分離システム402のすぐ上流の粒子含有ストリームの測定圧力を(例えば、センサ44aを使用して)、粒子分離システムのすぐ下流の粒子が低減されたストリームの測定静圧と(例えば、センサ44bを使用して)比較することによって得ることができる。実施形態において、圧降下は、230CFMのエアまたはN2ガスフローを使用して測定される。実施形態において、粒子分離システム402は、1.5psi以下、1.0psi以下、0.5psi以下、または0.3psi以下の最大圧力降下を有する。実施形態において、粒子分離システム402は、約0.5psi~約0.3psiの最大圧力降下を有する。環境システム内の他の構成要素に応じて、より大きな圧力降下が企図され、可能である。
【0127】
いくつかの実施形態では、粒子分離システムにわたる圧力降下がブロワによって許容される最大圧力降下の約30%以下、約25%以下、または約20%以下である。実施形態では、粒子分離システムがASTM F558-13に従って測定して、約200AW未満、約195AW未満、または約190AW未満のエアワット(AW)を有する。
【0128】
圧力降下を制御するために使用することができる他のパラメータの中でも、粒子分離システム402内のサイクロンセパレータ605の総数の増加は分離チャンバ808内の第1端部812から測定されるサイクロンセパレータ605の総高さ(H)の、分離チャンバ808内の最も狭い直径に対する、円筒形部分820の直径(D)(例えば、H/D)に対する比を増加させることができるように、圧力降下を減少させることができると考えられる。実施形態において、H/Dの比は、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、または4.5以上である。実施形態において、各サイクロンセパレータ605の高さHは、1.0m以下、0.9m以下、0.8m以下、0.7m以下、0.6m以下、0.5m以下、または0.4m以下である。実施形態において、各サイクロンセパレータの高さHは、0.1m以上、0.2m以上、0.3m以上、または0.4m以上である。実施形態において、直径(D)は、0.25m以下、0.2m以下、0.15m以下、または0.1m以下である。実施形態において、直径(D)は、0.05m以上、0.1m以上、0.15m以上、または0.2m以上である。
【0129】
本明細書で使用するとき、用語「カットサイズ」は、0.5のフラクション効率で分離される粒径を指す。実施形態において、粒子分離システム402は、5μm以上のカットサイズを有する。言い換えれば、実施形態では、粒子分離システム402が5μm以上の粒径を有する粒子の95%超、99%超、またはさらには99.5%超を分離する。実施形態において、粒子分離システム402は、3.5μm以上のカットサイズを有する。言い換えれば、実施形態において、粒子分離システム402は、3.5μm以上の粒径を有する粒子の95%超、99%超、またはさらには99.5%超を分離する。実施形態では、粒子分離システム402がMuschelknautz法を使用して計算されるように、1μm以上のカットサイズを有する。言い換えれば、実施形態では、粒子分離システム402が1μm以上の粒径を有する粒子の95%超、99%超、またはさらには99.5%超を分離する。他の切断寸法も考えられ、例えば、付加製造装置100に使用されるビルドマテリアル400に応じて変更することができる。実施形態において、カットサイズは粒子分離システム402に入り、粒子分離システム402を出る粒子の粒子サイズ分布を比較することによって決定することができる(例えば、粒子分離システム402を通過する粒子の粒子サイズ分布を決定する)。粒子サイズ分布は、ASTM B822に従って光散乱法を用いて測定することができる。粒子サイズ分布は例えば、Microtrac Inc(Montgomeryville、PA)から入手可能なS3500粒径分析器を用いて測定することができる。
【0130】
上述のように、粒子分離システム402によってガスフローから分離された粒子は、粒子収集コンテナ706(
図6では省略)に収集される。
図7に示されるように、複数のサイクロンセパレータ605は、共通の粒子収集コンテナ706に結合される。実施形態において、1つ以上のアレイ606のためのサイクロンセパレータ605は、共通の粒子収集コンテナ706に連結され得る。さらに、各粒子分離システム402は、1つ以上の粒子収集コンテナ706を含むことができる。例えば、
図7に示されるように、粒子分離システム402は2つの粒子収集コンテナ706を含むが、実施形態では単一の粒子収集コンテナを使用することができ、または3つ以上の粒子収集コンテナ706を使用することができる。追加の粒子収集コンテナを含むことは各粒子収集コンテナに結合されるサイクロンセパレータ605の数を制限することができ、それによって「クロストーク」を低減するが、以下でより詳細に説明するように、追加の粒子収集コンテナはより多くのバルブおよびアクチュエータをもたらし、その制御の複雑さを増大させることができることも理解されたい。
【0131】
様々な実施形態では、粒子分離システム402が付加製造装置100によって実行されるような付加製造処理を使用して製造することができる。付加製造法の使用は、より多数のサイクロンセパレータ605およびより複雑な流路を粒子分離システム402に組み込むことを可能にすることができる。他の効果は、付加製造工程を用いて粒子分離システム402をプリントすることによって実現することができる。
【0132】
実施形態では、粒子収集コンテナ706が粒子収集コンテナ706の出口709に向かって粒子を案内するための少なくとも1つの傾斜面を有する。粒子収集コンテナ706があるボリュームの粒子を保持することができるのであれば、粒子収集コンテナ706の他の形状も考えられ、可能である。実施形態では、粒子収集コンテナ706内のボリュームが完全なビルドのために付加製造装置によって使用されるビルドマテリアルのボリュームの約10%以上である。実施形態では粒子収集コンテナ706の出口709が粒子収集コンテナ706の底面に配置されるが、他の構成も可能であり、企図される。出口709は粒子収集コンテナ706をバルブ40cに結合し、これは、
図4および
図5のマテリアルハンドリングシステム403などのマテリアルハンドリングシステムに粒子を戻すことを可能にするように動作可能である。
【0133】
実施形態では、バルブ40cがバルブ40cを通って粒子が流れる開状態と、バルブ40cを通って粒子が流れることが防止される閉鎖状態との間でバルブ40cを移動させるように構成されたアクチュエータ(図示せず)に結合される。バルブ40cが閉じられると、粒子は粒子収集コンテナ706内に集まることができる。
【0134】
図7では、粒子収集コンテナ706がバルブ40cを介してコンジット708に流体連結される。実施形態では、コンジット708がバルブ40cとバルブ712との間に延在する。実施形態では、コンジット708がバルブ712に近接する第2直径よりも大きい、バルブ40cに近接する第1直径を有する。したがって、実施形態では、コンジット708がバルブ40cとバルブ712との間のその長さに沿って直径が減少する。しかしながら、いくつかの実施形態では、コンジット708が実質的に一定のボリュームを有し得ることが企図される。
【0135】
実施形態では、粒子がバルブ712を通って流れる開状態と、粒子がバルブ712を通って流れることを防止される閉鎖状態との間で、バルブ712を移動させるように構成されたアクチュエータ(図示せず)にバルブ712が結合される。バルブ712が閉じられると、バルブ712を通ってコンジット708に入る粒子は、コンジット708に集まる。
【0136】
コンジット708は、バルブ712を介して粒子コンベヤ710に流体連結される。実施形態では粒子分離システム402と共に、粒子コンベヤ710は粒子ハンドリングシステムを形成することができる。実施形態では、粒子コンベヤ710がガスの流動化流が流れるチューブまたはパイプである。実施形態では、ガスの流動化流が粒子コンベヤ710に入る粒子を同伴し、それらをマテリアルハンドリングシステム403に運ぶ。いくつかの実施形態では、粒子分離システム402からマテリアルハンドリングシステム403への粒子の戻しはバルブ40cおよび712に少なくとも部分的に起因する圧の低下を生じさせることなく、付加製造装置100の通常動作中(例えば、物体がビルドされている間)に行うことができる。
【0137】
例えば、実施形態では、バルブ40cおよび712が粒子分離システム402と粒子コンベヤ710との間に圧力ロックを生成するために(例えば、それらの対応するアクチュエータを通して)動作され得る。バルブ40cおよび712ならびにそれらの対応するアクチュエータの動作は例えば、
図2に示す制御装置200によって、またはアクチュエータおよびバルブに通信可能に結合された別のコンピューティングデバイスによって制御することができる。付加製造装置100は上述したように、物体をビルドしているものとする。さらに、バルブ40cおよび712が閉鎖位置にあり、粒子収集コンテナ706とコンジット708との間に粒子のフローがなく、コンジット708と粒子コンベヤ710との間に粒子のフローがないと仮定する。したがって、コンジット708は、粒子収集コンテナ706および粒子コンベヤ710から流体的に隔離される。ガスストリームは、粒子分離システム402の下流にある粒子コンベヤを通って導かれる。付加製造装置の動作中、粒子含有ストリームは、詳しく上述したように、複数のサイクロンセパレータ605の中に導かれる。特に、粒子含有ストリームは、流体入口702及び入口マニホールド602を通って複数のサイクロンセパレータ605に導かれる。少なくともいくつかの粒子は、粒子含有ストリームから分離されて、粒子分離システム402から排出マニホールド604および流体出口704を通って導かれる、粒子が低減されたストリームを生成する。粒子含有ストリームから分離された少なくともいくつかの粒子は上記で詳細に説明したように、粒子収集コンテナ706に向けられる。バルブ40cが閉鎖位置にある状態で、粒子は粒子収集コンテナ706内に蓄積される。
【0138】
実施形態では、バルブ40cが粒子収集コンテナ706をコンジット708と流体的に結合し、粒子が収集コンテナからコンジット708内に流れることを可能にするように開かれる。実施形態では、コンジット708が重力が粒子収集コンテナ706からコンジット708への粒子のフローを補助するように、バルブ40cの垂直下方にある。バルブ712を閉じると、粒子がコンジット708内に蓄積する。
【0139】
あるボリュームの粒子がコンジット708内に蓄積した後、バルブ40cが閉じられ、粒子収集コンテナ706をコンジット708から流体的に隔離する。粒子分離装置402からの粒子は、付加製造装置の動作が継続することにつれて、粒子収集コンテナ706内に再度蓄積される。バルブ40cが閉じられると、バルブ712が開かれて、コンジット内の粒子が粒子コンベヤ710のガスストリームに入ることが可能になる。様々な実施形態において、バルブ40cは閉じられ、バルブ712は、粒子含有ストリームを複数のサイクロンセパレータ605に導く間に開かれる。言い換えれば、粒子分離システム402は、コンジット708から粒子コンベヤ710へ粒子が流れる間、継続的な動作状態にある。
【0140】
実施形態では、バルブ712がコンジット708が空になり、コンジット708に以前に収集された粒子が粒子コンベヤ710を通過するガスストリームに渡されるまで、開位置に留まる。コンジット708が空になると、バルブ712は閉じられる。次に、バルブ40cを再び開いて、粒子収集コンテナ706からの追加の粒子をコンジット708に流入させることができる。様々な実施形態において、バルブ712は閉じられ、バルブ40cは、粒子含有ストリームを複数のサイクロンセパレータ605に導く間に開かれる。言い換えれば、粒子分離システム402は、粒子収集コンテナ706からコンジット708へ粒子が流れる間、継続的な動作状態にある。
【0141】
粒子分離システム402は粒子収集コンテナからコンジット708への、およびコンジット708から粒子コンベヤ710へ粒子が流れる間、継続的な動作にあるが、様々な実施形態ではバルブ40cおよびバルブ712のうちの少なくとも1つは粒子含有ストリームを複数のサイクロンセパレータ605に導く間、閉じられていることを理解されたい。言い換えれば、バルブ40cおよび712のうちの少なくとも1つは、粒子分離システム402、具体的には複数のサイクロンセパレータ605を粒子コンベヤ710から流体的に隔離するために閉じたままである。粒子コンベヤ710からの粒子分離システム402の流体分離は、粒子分離システム402内、したがって環境システム内の圧力を維持する。
【0142】
環境システムを含む付加製造装置を詳述したが、実施形態において、環境システムは付加製造装置の動作を可能にするか、または改善するために使用され得ることを理解されたい。特に、本明細書に記載の様々な実施形態の環境システムが付加製造装置に組み込まれる場合、環境システムは不活性環境を含む安定な環境を確立および維持することができ、これにより、例えば、付加製造装置を化学的に反応性のビルドマテリアルと併せて使用することができる。例えば、実施形態では、本明細書に記載の環境システムが付加製造装置の動作中にプロセスチャンバ内の環境を注意深く制御することを可能にする。
【0143】
実施形態では付加製造装置、具体的には環境システムはプロセスチャンバ内の環境を非不活性環境から不活性環境に変換するように動作することができる。このような実施形態では、該方法が付加製造システム内の選択された電子部品をパワーダウンすることを含む。選択された電気部品は例えば、危険な環境での使用が認定されていない電気部品を含むことができる。これらの電気部品は限定ではなく例として、約5V以上で動作し、プロセスチャンバ内に配置される非Atex(非爆発性雰囲気)電気部品を含むことができる。
【0144】
次に、反応性パウダーを付加製造システムのパウダーサプライに添加することを含む。例えば、リコートヘッド140に結合されたビルドサプライプラットフォーム又はホッパにチタニウム又はアルミパウダーを加えることができる。実施形態において、反応性パウダーは、マテリアルハンドリングシステム403などのマテリアルハンドリングシステムによってビルドサプライプラットフォームまたはホッパに供給することができる。
【0145】
該方法は、付加製造システムの環境システム内の少なくとも1つのバルブを開いて、環境システムからガスを排出することを可能にすることをさらに含む。実施形態では、バルブ40n(
図4および
図5)がガスが環境システムから排出されることを可能にするために開かれてもよい。
【0146】
次に、付加製造装置内のプロセスチャンバをプロセスチャンバの周囲から隔離する。実施形態では、例えば、プロセスチャンバを囲むインターロックを係合させて、プロセスチャンバを密封することができる。
【0147】
プロセスチャンバが密閉されると、不活性ガスがプロセスチャンバ内に導入され得る。例えば、マスフローコントローラ418は不活性空気圧422からのフレッシュガスフローを可能にして、不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン)のフローをプロセスチャンバに提供することができる。実施形態において、不活性ガスフローは、約5~約10CFMなどの低速で提供されてもよい。
【0148】
様々な実施形態において、ブロワ406は、環境システム内の酸素含有を低減するために作動される。例えば、ブロワは環境システム内でガスを循環させるために、約50CFM以下の速度で動作させることができる。実施形態では、ブロワ406および不活性空気圧422が環境システム内のすべての酸素センサが環境システム内の酸素含有が特定の反応性パウダーの所定の閾値量以下であることを示すまで、このように動作する。例えば、実施形態では、ブロワ406および不活性空気圧422が環境システム全体の酸素含有が約2ボリューム%未満になるまで作動される。言い換えれば、実施形態では、環境制御システム内の酸素含有に関する情報が環境制御システム内の酸素センサから受信される。環境制御システム内の酸素含有が閾値を下回るとの決定に応答して、少なくとも1つのバルブ(例えば、バルブ40n)が閉じられる。
【0149】
実施形態では、プロセスチャンバ内の酸素含有が維持される。例えば、所望の酸素含有に達したとき、実施形態では排気バルブ(例えば、バルブ40n)はガスが環境システムから出るのを防ぐために閉じられ得る。
【0150】
最後に、環境システム内の不活性ガス(例えば、不活性空気圧)および1つのバルブ(例えば、バルブ40n)の入口は、プロセスチャンバ内の所定の圧力を得るように調節される。
【0151】
プロセスチャンバ内の環境が所望の酸素含有および圧力になると、付加製造装置は、リコートヘッドを用いて、プロセスチャンバ内のビルド面上に反応性パウダーの層を堆積させ、反応性パウダーの層上にバインダ液を選択的に噴霧して、3次元物体の層を融着させるように動作することができる。実施形態では不活性化プロセスの開始時にパワーダウンされた電気構成要素(例えば、非Atex構成要素)はプロセスチャンバが所望の酸素含有および圧力にあるときにパワーアップされ得る。ブロワ406の速度は、約150CFMまたは200CFM以上に増加させることができる。ブロワの速度がプロセスチャンバ300内の所望の環境を維持することができるならば、他の速度が適切であり得る。実施形態では、環境システム内に配置された1つまたは複数の酸素センサを使用して、環境システム全体の酸素含有を監視することができる。3次元対象物をビルドするための付加製造装置の動作中、制御システム(例えば、制御システム200)は環境システム(例えば、ブロワ、コンデンサ、熱交換器など)内の1つ以上の構成要素の様々なバルブおよび/またはパラメータを調整して、プロセスチャンバ内の環境内の蒸気含有、温度、および酸素含有を維持することができることを理解されたい。
【0152】
実施形態では付加製造装置が不活性状態(例えば、プロセスチャンバ内の環境が不活性環境である)にあるとき、環境システム内の構成要素はプロセスチャンバ内の環境を非不活性環境に変換するように動作され得る。例えば、実施形態では、選択された電気構成要素(例えば、上述の非Atex構成要素)がパワーダウンされ、環境システム内の少なくとも1つのバルブが開かれて、ガスが排出されることを可能にし、非不活性空気圧424が非不活性ガスをプロセスチャンバにポンプで送り込む(ポンピングする)ために使用される。いくつかの実施形態では、ビルドが不活性環境で完了した後、ブロワを数分間運転して、環境システム内のガスが完全に濾過されたことを確実にし、それによって、反応性パウダーが付加製造装置の周囲の環境に排出されないことを確実にすることができる。不活性化プロセスにおけるように、非不活性空気圧およびブロワは、所定の酸素含有に達するまで、プロセスチャンバおよび環境システム内に非不活性ガスを流すように動作される。
【0153】
本明細書で説明する実施形態では、いくつかの構成要素が環境システムに含まれるものとして説明される。付加製造装置内の他の構成要素によって、ビルドマテリアルによって、または付加製造装置によってビルドされた3次元物体の特定の品質を達成するために必要とされ得るような、プロセスチャンバ内の環境が所定の許容範囲内で制御され得ることを条件として、追加の、またはより少ない構成要素が含まれ得ることが企図される。したがって、異なるタイプのバルブおよびセンサを使用することができ、本明細書で説明するセンサ、バルブ、および構成要素は、環境システム全体にわたって様々な位置に配置され得ることを諒解されたい。
【0154】
上記に基づいて、環境システムおよびそれを含む付加製造装置の様々な実施形態は、付加製造装置が反応性および非反応性マテリアルの両方を使用してプリントし、不活性および非不活性雰囲気中で動作することを可能にすることができることを理解されたい。さらに、本明細書に記載される様々な実施形態はビルドマテリアルが捕捉され、再利用されることを可能にし、環境システム内のガスが再循環されて、運用コストを低減することを可能にする。選択された特定の実施形態に応じて、他の利点を実現することができる。
【0155】
本発明のさらなる態様は、以下の付記の主題によって提供される。
【0156】
(付記1)
プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする前記プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバから第1蒸気含有を有するガスストリームを受け入れ、第2蒸気含有を有するガスストリームを前記プロセスチャンバに提供するために、前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンデンサシステムであって、第2蒸気含有が第1蒸気含有より少ない、前記コンデンサシステムと、
ブロワ、前記プロセスチャンバ、および前記コンデンサシステムを含む閉ループを通してガスストリームを流すために、前記プロセスチャンバおよび前記コンデンサシステムに流体的に結合された前記ブロワと、
を含む、付加製造装置。
【0157】
(付記2)
前記コンデンサシステムおよび前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンセントレータ、
をさらに含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0158】
(付記3)
前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったVOC(揮発性有機化合物)センサ、
をさらに含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0159】
(付記4)
前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったLEL(下限爆発限界)センサ、
をさらに含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0160】
(付記5)
前記プロセスチャンバからガスストリームを受け取り、前記ブロワにガスストリームを提供するために、前記閉ループ内に配置された粒子分離システム、
をさらに含み、
前記粒子分離システムは、ガスストリームから粒子を除去するように構成されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0161】
(付記6)
前記粒子分離システムは、複数のアレイに配置されている複数のサイクロンセパレータを含む、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0162】
(付記7)
前記複数のサイクロンセパレータは、12以上のサイクロンセパレータを含む、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0163】
(付記8)
230CFMのエアまたはN2ガスのフローを用いて測定した場合、前記粒子分離システム上の圧力降下が約1.5psiより小さい、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0164】
(付記9)
【0165】
プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする、前記プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバ内に配置された複数の第1センサであって、複数の前記第1センサは、少なくとも温度センサおよび圧力センサを備える、複数の前記第1センサと、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを受け取るために前記プロセスチャンバに流体的に結合された粒子分離システムであって、前記粒子分離システムが、粒子含有ストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、粒子が低減されたストリームを生成する、前記粒子分離システムと、
前記粒子分離システムに流体的に結合されて、前記粒子分離システムからの粒子が低減されたストリームを受け入れるフィルタであって、前記フィルタが、粒子が低減されたストリームからさらに粒子を除去して、クリーンガスストリームを提供する前記フィルタと、
前記クリーンガスストリームを受け取るブロワと、
前記クリーンガスストリームを冷却する温度制御ユニットと、
コンデンサシステムと、
前記プロセスチャンバの外部であって、流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記温度制御ユニット、および前記コンデンサシステムの後に配置された複数の第2センサであって、複数の前記第2センサは、少なくとも温度センサ、圧力センサ、ならびに、VOC(揮発性有機化合物)センサ、LEL(下限爆発限界)センサ、湿度センサ、および蒸気センサのうちの1つまたは複数を備える、複数の前記第2センサと、
を含み、
前記プロセスチャンバ、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記コンデンサシステム、及び前記温度制御ユニットは、閉ループを形成する、
付加製造装置。
【0166】
(付記10)
前記フィルタは、HEPA(高効率微粒子エア)フィルタである、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0167】
(付記11)
前記粒子分離システムと前記HEPAフィルタとの間に配置された第1バルブと、
前記流体再循環経路に沿って前記ブロワと前記HEPAフィルタとの間に配置された第2バルブと、
をさらに含み、
前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じることにより、前記HEPAフィルタを前記閉ループから流体的に隔離する、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0168】
(付記12)
前記コンデンサシステムは、前記流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記ポンプの後に配置されている、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0169】
(付記13)
温度制御ユニットは熱交換器を含み、
前記コンデンサシステムは、前記クリーンガスストリームを前記熱交換器に渡す、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0170】
(付記14)
前記コンデンサシステムを前記流体再循環経路に沿って迂回させることができるバルブ、
をさらに含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0171】
(付記15)
前記クリーンガスストリームが不活性ガスを含む、上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0172】
(付記16)
前記プロセスチャンバ内の環境は不活性である、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0173】
(付記17)
前記プロセスチャンバは、前記クリーンガスストリームを前記プロセスチャンバに入れる入口ディフューザを含み、
前記入口ディフューザは前記クリーンガスストリームの流速を低減する、
上記付記の何れかに記載の付加製造装置。
【0174】
(付記18)
プロセスチャンバ内の環境制御方法であって、
前記プロセスチャンバ内に配置された少なくとも1つのセンサから前記プロセスチャンバ内の温度、圧力、および蒸気含有に関する情報を受信し、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを除去し、
前記粒子含有ストリームから粒子を分離してクリーンガスストリームを提供し、
前記プロセスチャンバ内の所定の温度、圧力、および蒸気含有を達成するために、受信した前記情報に基づいて、前記クリーンガスストリームの温度、蒸気含有、またはその両方を低減し、
前記クリーンガスストリームをプロセスチャンバ内にポンピングする、
環境制御方法。
【0175】
(付記19)
前記粒子含有ストリームから前記粒子を分離することは、粒子分離システム、HEPAフィルタ、またはその両方を通して前記粒子含有ストリームを導くことを含む、
上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0176】
(付記20)
前記プロセスチャンバの外部に配置された圧力センサから、前記クリーンガスストリームの圧力に関する情報を受信し、
前記クリーンガスストリームの圧力と前記プロセスチャンバ内の圧力との差に基づいて、前記粒子分離システム、前記HEPAフィルタ、またはその両方における誤差を識別する、
上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0177】
(付記21)
前記クリーンガスストリームは酸素を実質的に含まない、上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0178】
(付記22)
前記プロセスチャンバから前記粒子含有ストリームを除去することは、前記プロセスチャンバの出口ポートを通して前記粒子含有ストリームを除去することを含む、上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0179】
(付記23)
前記プロセスチャンバから前記粒子含有ストリームを除去することは、前記プロセスチャンバで動作するリコートヘッドを介して前記粒子含有ストリームを除去することを含む、上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0180】
(付記24)
前記プロセスチャンバと除湿器との間に配置された湿度センサから、前記クリーンガスストリームの湿度レベルに関する情報を受信し、前記プロセスチャンバに配置された前記湿度センサから受信した前記プロセスチャンバ内の前記湿度レベルに関する情報と、前記クリーンガスストリームの前記湿度レベルとに基づいて、前記クリーンガスストリームが前記除湿器を迂回できるように、少なくとも1つのバルブを作動させることと、をさらに含む、上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0181】
(付記25)
前記プロセスチャンバに前記クリーンガスストリームをポンピングすることは、所定のボリュームのクリーンガスストリームがプロセスチャンバに入ることを可能にする絞りバルブの作動を含む、上記付記の何れかに記載の環境制御方法。
【0182】
(付記26)
付加製造システムを動作させる方法であって、付加製造システムの選択された電子部品の電源を切断し、付加製造システムのパウダーに反応性パウダーを加え、環境制御システムからガスを排出できるように、付加製造システムの環境制御システムの少なくとも1つのバルブを開き、付加製造システムのプロセスチャンバをプロセスチャンバの周囲から隔離し、プロセスチャンバに不活性ガスを導入し、環境制御システムの酸素含有を低減するために、環境制御システムのブロワを作動させ、プロセスチャンバの所定の圧力を得るために、不活性ガスの入口および少なくとも1つのバルブを調節する、方法。
【0183】
(付記27)
環境制御システムの酸素センサから、環境制御システムの酸素含有に関する情報を受信し、環境制御システムの酸素含有が閾値を下回ると判定した場合、少なくとも1つのバルブを閉じる、ことをさらに含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0184】
(付記28)
選択された電気部品が、危険な環境での使用が認定されていない電気部品を含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0185】
(付記29)
プロセスチャンバに配置された酸素センサから、プロセスチャンバの酸素含有に関する情報を受信し、プロセスチャンバの酸素含有を維持する、ことをさらに含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0186】
(付記30)
リコートヘッドを備えたプロセスチャンバのビルド面上へリコートヘッドで反応性パウダーの層を堆積し、反応性パウダーの層上にバインダ液を選択的に噴霧して3次元物体の層を融着させる、ことをさらに含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0187】
(付記31)
ガスストリームから粒子を除去するための粒子分離システムであって、入口マニホールドと、排気マニホールドと、入口マニホールドと流体連通する流体入口と、排気マニホールドと流体連通する流体出口と、入口マニホールドと排気マニホールドとの間に配置されたサイクロンセパレータの少なくとも1つのアレイを含む複数のサイクロンセパレータと、を含む粒子分離システム。
【0188】
(付記32)
ガスストリームから粒子を除去するための粒子分離システムであって、第1入口マニホールドおよび第2入口マニホールドと、第1排気マニホールドおよび第2排気マニホールドと、第1入口マニホールドおよび第2入口マニホールドと流体連通する流体入口と、第1排気マニホールドおよび第2排気マニホールドと流体連通する流体出口と、サイクロンセパレータの第1アレイとサイクロンセパレータの第2アレイとを備える複数のサイクロンセパレータと、を含み、サイクロンセパレータの第1アレイは第1入口マニホールドと第1排気マニホールドとの間に配置され、サイクロンセパレータの第2アレイは第2入口マニホールドと第2排気マニホールドとの間に配置されている、粒子分離システム。
【0189】
(付記33)
複数のサイクロンセパレータの各々が、等しいボリュームのガスストリームを受け取る、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0190】
(付記34)
前記複数のサイクロンセパレータが、粒子が低減されたストリームを生成し、粒子が低減されたストリームを流体出口に送達する、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0191】
(付記35)
サイクロンセパレータの第1アレイおよびサイクロンセパレータの第2アレイが並列に配置されている、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0192】
(付記36)
収集コンテナをさらに備え、複数のサイクロンセパレータが、粒子を収集コンテナに送達する、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0193】
(付記37)
コンジットおよび第1バルブをさらに備え、収集コンテナが、第1バルブを介してコンジットに流体的に結合されている、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0194】
(付記38)
上記付記の何れかに記載の粒子分離システムと、粒子コンベヤと、を含み、コンジットが第2バルブを介して粒子コンベヤに流体的に結合されている、粒子ハンドリングシステム。
【0195】
(付記39)
第1収集コンテナおよび第2収集コンテナをさらに含み、サイクロンセパレータの第1アレイが粒子を第1収集コンテナに送達し、サイクロンセパレータの第2アレイが、粒子を第2収集コンテナに送達する、上記付記の何れかに記載の粒子ハンドリングシステム。
【0196】
(付記40)
粒子分離システムをわたる圧力降下が、230CFMのエアまたはN2ガスのフローを用いて測定した場合、0.5psiより小さい、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0197】
(付記41)
粒子分離システムをわたる圧力降下が、230CFMのエアまたはN2ガスのフローを用いて測定した場合、0.3psiより小さい、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0198】
(付記42)
複数のサイクロンセパレータが、15を超えるサイクロンセパレータを含む、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0199】
(付記43)
複数のサイクロンセパレータは、20を超えるサイクロンセパレータを含む、上記付記の何れかに記載の粒子分離システム。
【0200】
(付記44)
粒子含有ガスストリームから粒子を除去する方法であって、
上記付記の何れかに記載の粒子分離システムに粒子含有ガスストリームを流入し、
第1入口マニホールドに流体的に結合されたサイクロンセパレータの第1アレイを使用して、第1ボリュームの粒子含有ガスストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、第1ボリュームの粒子が低減されたガスストリームを生成し、
第2入口マニホールドに流体的に結合されたサイクロンセパレータの第2アレイを使用して、第2ボリュームの粒子含有ガスストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、第2ボリュームの粒子が低減されたガスストリームを生成し、
サイクロンセパレータの第1アレイに結合された第1排気マニホールドに第1ボリュームの粒子が低減されたガスストリームを送達し、
サイクロンセパレータの第2アレイに結合された第2排気マニホールドに第2ボリュームの粒子が低減されたガスストリームを送達し、
第1排気マニホールドおよび第2排気マニホールドに結合された流体出口を介して粒子分離システムから粒子が低減されたガスストリームを除去する、
方法。
【0201】
(付記45)
サイクロンセパレータの第1アレイに流体的に結合された第1収集コンテナに、第1ボリュームの粒子含有ガスストリームから分離された少なくともいくつかの粒子を収集し、サイクロンセパレータの第2アレイに流体的に結合された第2収集コンテナに、粒子含有ガスストリームの第2ボリュームから分離された少なくともいくつかの粒子を収集する、ことをさらに含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0202】
(付記46)
複数のサイクロンセパレータの各々が、等しいボリュームのガスストリームを受け取る、上記付記の何れかに記載の方法。
【0203】
(付記47)
サイクロンセパレータの第1アレイおよびサイクロンセパレータの第2アレイが並列に配置されている、上記付記の何れかに記載の方法。
【0204】
(付記48)
230CFMのエアまたはN2ガスフローを用いて測定した場合、粒子分離システムをわたる圧力降下が0.5psiより小さい、上記付記の何れかに記載の方法。
【0205】
(付記49)
230CFMのエアまたはN2ガスフローを用いて測定した場合、粒子分離システムをわたる圧力降下が0.3psiより小さい、上記付記の何れかに記載の方法。
【0206】
(付記50)
複数のサイクロンセパレータが、15を超えるサイクロンセパレータを含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0207】
(付記51)
複数のサイクロンセパレータは、20を超えるサイクロンセパレータを含む、上記付記の何れかに記載の方法。
【0208】
(付記52)
粒子含有ガスストリームから粒子を収集する方法であって、
上記付記の何れかに記載の粒子分離システムから下流の粒子コンベヤを通してガスストリームを導き、
前記粒子分離システムは、さらに、収集コンテナに結合された第1バルブと、第1バルブを介して収集コンテナに流体的に結合されたコンジットと、コンジットを粒子コンベヤに連結する第2バルブと、を含み、
第1および第2バルブを閉じて、コンジットを収集コンテナおよび粒子コンベヤから流体的に隔離し、
流体入口および入口マニホールドを介して複数のサイクロンセパレータに粒子含有ガスストリームを導き、
粒子含有ガスストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、粒子が低減されたガスストリームを生成し、
少なくともいくつかの粒子を収集コンテナに導き、
収集コンテナの少なくともいくつかの粒子がコンジットに流れることを可能にするために第1バルブを開く、
方法。
【0209】
(付記53)
収集コンテナをコンジットから流体的に隔離するために第1バルブを閉鎖し、
コンジットの少なくともいくつかの粒子が粒子コンベヤのガスストリームに入ることを可能にするために、第2バルブを開放し、
第1バルブの閉鎖および第2バルブの開放は、粒子含有ガスストリームを複数のサイクロンセパレータに導く間に生じる、
上記付記の何れかに記載の方法。
【0210】
(付記54)
第2バルブを閉鎖して、コンジットを粒子コンベヤから流体的に隔離し、
収集コンテナの少なくともいくつかの粒子がコンジットに流入することを可能にするために第1バルブを開放し、
第2バルブの閉鎖および第1バルブの開放が、粒子含有ガスストリームを複数のサイクロンセパレータに導く間に生じる、
上記付記の何れかに記載の方法。
【0211】
(付記55)
前記第1バルブおよび前記第2バルブのうちの少なくとも一方が、粒子含有ガスストリームを複数のサイクロンセパレータに導く間に閉じられる、上記付記の何れかに記載の方法。
【0212】
(付記56)
粒子含有ガスストリームを複数のサイクロンセパレータに導くことは、粒子分離システムと流体連通しているブロワを動作させることを含み、
粒子分離システムの圧力降下は、230CFMのエアまたはN2ガスのフローを使用して測定される、ブロワによって許容される最高圧力降下の約20%より小さい、上記付記の何れかに記載の方法。
【0213】
特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に様々な修正および変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は、そのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入ることを条件として、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変形を包含することが意図される。
【0214】
(関連出願の相互参照)
本明細書は2020年10月29日に出願され、「環境システムを含む付加製造装置およびその使用方法」と題された米国仮特許出願第63/107,161号の利益を主張し、その全体が本明細書に参考として援用される。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッドと、リコートヘッドと、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが結合される直線運動ステージと、を取り囲むプロセスチャンバであって、前記プリントヘッドおよびリコートヘッドは、前記プロセスチャンバ内で動作して、ビルドマテリアルおよびバインダマテリアルを堆積させることによって3次元物体をビルドする前記プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバから第1蒸気含有を有するガスストリームを受け入れ、第2蒸気含有を有するガスストリームを前記プロセスチャンバに提供するために、前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンデンサシステムであって、第2蒸気含有が第1蒸気含有より少ない、前記コンデンサシステムと、
ブロワ、前記プロセスチャンバ、および前記コンデンサシステムを含む閉ループを通してガスストリームを流すために、前記プロセスチャンバおよび前記コンデンサシステムに流体的に結合された前記ブロワと、
を含む、付加製造装置。
【請求項2】
前記コンデンサシステムおよび前記プロセスチャンバに流体的に結合されたコンセントレータ、
をさらに含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項3】
前記閉ループを通るガスストリームの流路に沿ったLEL(下限爆発限界)センサ、
をさらに含む、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項4】
前記プロセスチャンバからガスストリームを受け取り、前記ブロワにガスストリームを提供するために、前記閉ループ内に配置された粒子分離システム、
をさらに含み、
前記粒子分離システムは、ガスストリームから粒子を除去するように構成されている、
請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項5】
前記粒子分離システムは、複数のアレイに配置されている複数のサイクロンセパレータを含
み、
前記複数のサイクロンセパレータは、12以上のサイクロンセパレータを含む、
請求項
4に記載の付加製造装置。
【請求項6】
230CFMのエアまたはN
2ガスのフローを用いて測定した場合、前記粒子分離システム上の圧力降下が約1.5psiより小さい、
請求項
4に記載の付加製造装置。
【請求項7】
前記プロセスチャンバ内に配置された複数の第1センサであって、複数の前記第1センサは、少なくとも温度センサおよび圧力センサを備える、複数の前記第1センサと、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを受け取るために前記プロセスチャンバに流体的に結合された粒子分離システムであって、前記粒子分離システムが、粒子含有ストリームから少なくともいくつかの粒子を分離して、粒子が低減されたストリームを生成する、前記粒子分離システムと、
前記粒子分離システムに流体的に結合されて、前記粒子分離システムからの粒子が低減されたストリームを受け入れるフィルタであって、前記フィルタが、粒子が低減されたストリームからさらに粒子を除去して、クリーンガスストリームを提供する前記フィルタと、
前記クリーンガスストリームを冷却する温度制御ユニットと、
前記プロセスチャンバの外部であって、流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記温度制御ユニット、および前記コンデンサシステムの後に配置された複数の第2センサであって、複数の前記第2センサは、少なくとも温度センサ、圧力センサ、ならびに
、LEL(下限爆発限界)センサ、湿度センサ、および蒸気センサのうちの1つまたは複数を備える、複数の前記第2センサと、
を含み、
前記プロセスチャンバ、前記粒子分離システム、前記フィルタ、前記ブロワ、前記コンデンサシステム、及び前記温度制御ユニットは、閉ループを形成する、
請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項8】
前記フィルタは、HEPA(高効率微粒子エア)フィルタであ
り、
前記粒子分離システムと前記HEPAフィルタとの間に配置された第1バルブと、
前記流体再循環経路に沿って前記ブロワと前記HEPAフィルタとの間に配置された第2バルブと、
をさらに含み、
前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じることにより、前記HEPAフィルタを前記閉ループから流体的に隔離する、
請求項
7に記載の付加製造装置。
【請求項9】
前記コンデンサシステムは、前記流体再循環経路に沿って前記プロセスチャンバの前であって、ポンプの後に配置されている、
請求項
7に記載の付加製造装置。
【請求項10】
温度制御ユニットは熱交換器を含み、
前記コンデンサシステムは、前記クリーンガスストリームを前記熱交換器に渡す、
請求項
7に記載の付加製造装置。
【請求項11】
前記コンデンサシステムを前記流体再循環経路に沿って迂回させることができるバルブ、
をさらに含む、請求項
7に記載の付加製造装置。
【請求項12】
前記プロセスチャンバは、前記クリーンガスストリームを前記プロセスチャンバに入れる入口ディフューザを含み、
前記入口ディフューザは前記クリーンガスストリームの流速を低減する、
請求項
7に記載の付加製造装置。
【請求項13】
プロセスチャンバ内の環境制御方法であって、
前記プロセスチャンバ内に配置された少なくとも1つのセンサから前記プロセスチャンバ内の温度、圧力、および蒸気含有に関する情報を受信し、
前記プロセスチャンバから粒子含有ストリームを除去し、
前記粒子含有ストリームから粒子を分離してクリーンガスストリームを提供し、
前記プロセスチャンバ内の所定の温度、圧力、および蒸気含有を達成するために、受信した前記情報に基づいて、前記クリーンガスストリームの温度、蒸気含有、またはその両方を
調整し、
前記クリーンガスストリームをプロセスチャンバ内にポンピングする、
環境制御方法。
【請求項14】
前記粒子含有ストリームから前記粒子を分離することは、粒子分離システム、HEPAフィルタ、またはその両方を通して前記粒子含有ストリームを導くことを含む、
請求項
13に記載の環境制御方法。
【請求項15】
前記プロセスチャンバの外部に配置された圧力センサから、前記クリーンガスストリームの圧力に関する情報を受信し、
前記クリーンガスストリームの圧力と前記プロセスチャンバ内の圧力との差に基づいて、前記粒子分離システム、前記HEPAフィルタ、またはその両方における誤差を識別する、
請求項
14に記載の環境制御方法。
【国際調査報告】