(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】二次電池およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20231108BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20231108BHJP
H01M 50/167 20210101ALI20231108BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20231108BHJP
H01M 50/578 20210101ALI20231108BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/152
H01M50/167
H01M50/107
H01M50/578
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526971
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2022003519
(87)【国際公開番号】W WO2022215881
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0045794
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ウー リ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD06
5H011DD15
5H011FF02
5H012AA01
5H012BB02
5H012CC01
5H012DD04
5H012FF01
5H012GG01
5H043AA04
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA12
5H043GA13
5H043HA06E
5H043JA01E
(57)【要約】
本発明の一実施形態による二次電池は、電極組立体;前記電極組立体が収納され、上部が開放された電池ケース;および前記電池ケースの開放された上部に結合されるキャップ組立体を含み、前記キャップ組立体は、上端で外部に露出された安全ベントを含む。前記安全ベントに排出孔が形成され、前記排出孔にブロックが満たされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体;
前記電極組立体が収納され、上部が開放された電池ケース;および
前記電池ケースの開放された上部に結合されるキャップ組立体を含み、
前記キャップ組立体は、上端で外部に露出された安全ベントを含み、
前記安全ベントに排出孔が形成され、
前記排出孔にブロックが満たされた、二次電池。
【請求項2】
前記ブロックは前記排出孔にボール溶接(Ball welding)で接合される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記電池ケースの上部一端が曲がって前記安全ベントの外周部分を囲んでクリンピング部を形成する、請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記安全ベントは、前記安全ベントの前記外周部分で曲がったカーリング部を含み、
前記クリンピング部が前記カーリング部を囲んでクリンピング結合が行われる、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記キャップ組立体は前記安全ベントの下に位置した電流遮断部材を含み、
前記安全ベントの中心部分と前記電流遮断部材が互いに連結され、
前記排出孔は、前記安全ベントの前記中心部分と前記外周部分の間に位置する、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
電極組立体を上部が開放された電池ケースに収納する段階;
前記電池ケースの開放された上部に排出孔が形成されたキャップ組立体を結合する段階;
前記電池ケース内部のガスを前記排出孔を介して外部に排出するガス排出段階;および
前記排出孔にブロックを満たす密封段階を含み、
前記キャップ組立体は、上端で外部に露出された安全ベントを含み、
前記安全ベントに前記排出孔が形成される、二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記密封段階で、前記排出孔に前記ブロックをボール溶接で接合させる、請求項6に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記排出孔の内径よりも前記ブロックの直径がより大きく、
前記ブロックが前記排出孔に発射され、前記ブロックが前記排出孔に挿入される、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記キャップ組立体を結合する段階は、前記電池ケースの上部一端を曲げて前記安全ベントを囲むクリンピング部を形成する段階を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記安全ベントは、前記安全ベントの外周部分で曲がったカーリング部を含み、
前記クリンピング部が前記カーリング部を囲むようにクリンピング結合が行われる、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記電極組立体を事前に活性化するプレ活性化(Pre-activation)段階をさらに含み、
前記ガス排出段階で、前記プレ活性化段階で発生したガスが前記排出孔を介して外部に排出される、請求項6から10のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記電極組立体を活性化する活性化段階をさらに含み、
前記活性化段階は、前記密封段階の後に行われる、請求項11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記排出孔を一時的に密封する仮密封段階;
前記電極組立体を活性化する活性化段階;および
前記排出孔の仮密封状態を解除する仮密封解除段階をさらに含み、
前記ガス排出段階で、前記活性化段階で発生したガスが前記排出孔を介して外部に排出される、請求項6から12のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記ガス排出段階は前記仮密封解除段階と同時にまたは前記仮密封解除段階の直後に行われる、請求項13に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記密封段階は、前記ガス排出段階の後に行われる、請求項13に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年4月8日付韓国特許出願第10-2021-0045794号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は二次電池およびその製造方法に関し、より具体的には活性化工程で発生したガスの排出が可能な二次電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の枯渇によるエネルギ源の価格上昇、環境汚染への関心が高まるにつれ、環境に優しい代替エネルギ源に対する要求が未来生活のための必要不可欠な要因になっている。そのため、原子力、太陽光、風力、潮力など多様な電力生産技術に対する研究が続いており、このように生産されたエネルギをより効率よく使用するための電力貯蔵装置にも多大な関心が寄せられている。
【0004】
特に、モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギ源としての電池の需要が急激に増加しており、それに伴い多様な要求に応えることができる電池に対する多くの研究が行われている。
【0005】
代表的に高いエネルギ密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0006】
また、二次電池は正極、負極、および正極と負極の間に介在する分離膜が積層された構造の電極組立体がいかなる構造で形成されているのかによって分類したりもする。代表的には、長いシート状の正極と負極を分離膜が介在した状態で巻き取った構造のジェリーロール型電極組立体、所定の大きさの単位で切り取った多数の正極と負極を分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型電極組立体などが挙げられる。最近では前記ジェリーロール型電極組立体およびスタック型電極組立体が有する問題を解決するために、前記ジェリーロール型とスタック型の混合形態として、所定単位の正極と負極を分離膜を介在した状態で積層した単位セルを分離フィルム上に位置させた状態で順次巻き取った構造のスタック/折り畳み型電極組立体が開発された。
【0007】
また、二次電池はケースの形状によって、電極組立体が円筒型のケースに内蔵された円筒型電池、電極組立体が角型のケースに内蔵された角型電池および電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類されることができる。
【0008】
一方、二次電池を市場で好適に活用するためには使用用途に適した性能を満足させるとともに安全性を備えなければならない。二次電池を設計する際はこのような性能と安全性の側面を同時に考慮して設計因子を決める。設計および製作が完了した電池は寿命、高レート特性、高温/低温特性などの性能評価とともに過充電、過放電、衝撃(impact)、ネイル試験(Nail Test)、ホットボックス(hot box)などの安全性評価を行い得る。
【0009】
多様な形態の二次電池のうち円筒型二次電池は、過充電などの異常な状態で二次電池の内部にガスが急激に発生して内圧が一定水準以上になると、電極端子と電極タブの間の電流を遮断して追加的な反応が起こらないように防止する電流遮断部材(Current Interrupt Device,CID)を含むことができる。
【0010】
図1は従来の円筒型二次電池の上部の断面を示す部分断面図である。
【0011】
図1を参照すると、電極組立体20が円筒型ケース30に収納され、円筒型ケース30の開放された上部にキャップ組立体40が取り付けられて円筒型二次電池10が製造されることができる。
【0012】
電極組立体20は第1電極21、第2電極22および分離膜23が巻き取られたジェリーロール型の電極組立体であり得る。
【0013】
キャップ組立体40は上端キャップ41、内部圧力降下用安全ベント42および電流遮断部材(43,Current Interrupt Device,CID)を含むことができる。上端キャップ41と安全ベント42は相互密着した構造を形成することができ、安全ベント42は電流遮断部材43の中心部と連結され得る。電流遮断部材43の下端部に第1電極21から突出した第1電極タブ21tが連結され得る。ここで第1電極21は正極であり得、第1電極タブ21tは正極タブであり得る。
【0014】
上記のように、上端キャップ41は、安全ベント42、電流遮断部材43および第1電極タブ21tと直接的・間接的に連結されて電極組立体20と電気的に接続されることができ、電極端子として機能することができる。
【0015】
なお、キャップ組立体40と円筒型ケース30の間の密封のためのガスケット70および電流遮断部材43の縁を囲むCIDガスケット80が配置されることができる。
【0016】
図2は
図1の円筒型二次電池の内圧が上昇した場合の様子を示す部分断面図である。
【0017】
図2を参照すると、円筒型二次電池10が高温に露出するか異常な作動状態に置かれて内部圧力が上昇すると、安全ベント42の形状が逆転し、電流遮断部材43が分離されて電流を遮断する。具体的には、電流遮断部材43が安全ベント42と連結された部分43aおよび第1電極タブ21tと連結された部分43bに分けられ、電極端子として機能する上端キャップ41と第1電極タブ21tの間の電流の流れが遮断される。また、内部圧力が大きく上昇した場合、安全ベント42のノッチの部分が切れることにより安全ベント42が開かれて、内部ガスが排出される。
【0018】
従来の円筒型二次電池10のように上端キャップ41を備えた場合、構造的剛性は優れるが、安全ベント42が開かれて内部ガスが排出されるとき上端キャップ41により空間的な部分が劣位で安全ベント42が完全に開かれず、ガス排出が制限されるという短所がある。
【0019】
一方、一般的にリチウム二次電池は製造過程で化成(formation)工程、すなわち活性化工程を行う。前記活性化工程は電池組み立て後に充電と放電を行って電池を活性化する工程であって、充電時に正極から出たリチウムイオンが負極に移動して挿入され、この時負極表面で固体電解質界面(solid electrolyte interface:SEI)膜が形成される。このような活性化工程は一般的に一定範囲の定電流または定電圧で充放電を繰り返すことで行われる。
【0020】
このような活性化工程で、電極被膜の形成やセル内部の水分の分解によって多量のガスが発生するが、活性化工程で発生したガスは量も多くて電極被膜と持続的に反応するのでこれを排出させる工程が必要である。これを脱気(degas)工程という。
【0021】
しかし、
図1および
図2を再び参照すると、従来の円筒型二次電池10は電解液を注入した後に密閉を維持しなければならないから活性化工程で発生したガスを排出することが容易でない。活性化工程で発生したガスが排出できなければ、正極と負極の間の電池反応を妨げて、電池の初期容量、安定的な固体電解質界面(SEI)の形成、寿命性能発現の特性などに悪影響を及ぼし得る。また、ガスが排出できず上述した安全性評価の結果に影響を及ぼすこともある。
【0022】
そこで、活性化工程で発生したガスの排出が可能な円筒型二次電池に対する開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明が解決しようとする課題は、プレ活性化(Pre-activation)工程または活性化工程後にガス排出が可能な二次電池およびその製造方法を提供することにある。
【0024】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一実施形態による二次電池は、電極組立体;前記電極組立体が収納され、上部が開放された電池ケース;および前記電池ケースの開放された上部に結合されるキャップ組立体を含み、前記キャップ組立体は、上端で外部に露出された安全ベントを含む。前記安全ベントに排出孔が形成され、前記排出孔にブロックが満たされる。
【0026】
前記ブロックは前記排出孔にボール溶接(Ball welding)で接合され得る。
【0027】
前記電池ケースの上部一端が曲がって前記安全ベントの外周部分を囲んでクリンピング部を形成し得る。
【0028】
前記安全ベントは、前記安全ベントの前記外周部分で曲がったカーリング部を含み得、前記クリンピング部が前記カーリング部を囲んでクリンピング結合が行われ得る。
【0029】
前記キャップ組立体は前記安全ベントの下に位置した電流遮断部材を含み得、前記安全ベントの中心部分と前記電流遮断部材が互いに連結され得る。前記排出孔は、前記安全ベントの前記中心部分と前記外周部分の間に位置し得る。
【0030】
本発明の一実施形態による二次電池の製造方法は、電極組立体を上部が開放された電池ケースに収納する段階;前記電池ケースの開放された上部に排出孔が形成されたキャップ組立体を結合する段階;前記電池ケース内部のガスを前記排出孔を介して外部に排出するガス排出段階;および前記排出孔にブロックを満たす密封段階を含む。前記キャップ組立体は、上端で外部に露出された安全ベントを含み、前記安全ベントに前記排出孔が形成される。
【0031】
前記密封段階で、前記排出孔に前記ブロックをボール溶接で接合させ得る。
【0032】
前記排出孔の内径よりも前記ブロックの直径がより大きくてもよく、前記ブロックが前記排出孔に発射され、前記ブロックが前記排出孔に挿入され得る。
【0033】
前記キャップ組立体を結合する段階は、前記電池ケースの上部一端を曲げて前記安全ベントを囲むクリンピング部を形成する段階を含み得る。
【0034】
前記安全ベントは、前記安全ベントの外周部分で曲がったカーリング部を含み得、前記クリンピング部が前記カーリング部を囲むようにクリンピング結合が行われ得る。
【0035】
前記二次電池の製造方法は、前記電極組立体を事前に活性化するプレ活性化(Pre-activation)段階をさらに含み得る。前記ガス排出段階で、前記プレ活性化段階で発生したガスが前記排出孔を介して外部に排出され得る。
【0036】
前記二次電池の製造方法は、前記電極組立体を活性化する活性化段階をさらに含み得る。前記活性化段階は、前記密封段階の後に行われ得る。
【0037】
前記二次電池の製造方法は、前記排出孔を一時的に密封する仮密封段階;前記電極組立体を活性化する活性化段階;および前記排出孔の仮密封状態を解除する仮密封解除段階をさらに含み得る。前記ガス排出段階で、前記活性化段階で発生したガスが前記排出孔を介して外部に排出され得る。
【0038】
前記ガス排出段階は前記仮密封解除段階と同時にまたは前記仮密封解除段階の直後に行われ得る。
【0039】
前記密封段階は、前記ガス排出段階の後に行われ得る。
【発明の効果】
【0040】
本発明の実施形態によれば、上端キャップを除去して安全ベントを外部に露出させて安全ベントに対する空間的制約をなくすことによって、内部圧力が上昇すると安全ベントが完全に開かれることができ、ガス排出に効果的であり得る。
【0041】
また、安全ベントが外部に露出されているので、安全ベントに別途の排出孔を形成してプレ活性化工程または活性化工程で発生したガスを容易に排出させることができる。そのため、ガスによる電極組立体の膨張、変形などの問題や残留ガス気泡によるリチウム析出誘発の問題を解決することができる。
【0042】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】従来の円筒型二次電池の上部の断面を示す部分断面図である。
【
図2】
図1の円筒型二次電池の内圧が上昇した際の様子を示す部分断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による二次電池に係る分解斜視図である。
【
図4】
図3の二次電池に含まれた安全ベントに係る断面斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による二次電池の上部の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図10】本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【
図13】本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0045】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0046】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0047】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0048】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0049】
また、明細書全体で、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0050】
図3は本発明の一実施形態による二次電池に係る分解斜視図である。
図4は
図3の二次電池に含まれた安全ベントに係る断面斜視図である。
図5は本発明の一実施形態による二次電池の上部の断面図である。特に、
図5は
図3の二次電池の各部品を組み立てた後xz平面に沿って切断した単面上部を示す断面図である。
【0051】
図3から
図5を参照すると、本発明の一実施形態による二次電池100は、電極組立体200;電極組立体200が収納されて上部が開放された電池ケース300;および電池ケース300の開放された上部に結合されるキャップ組立体400を含む。
【0052】
まず、本実施形態による電極組立体200は、第1電極210、第2電極220および分離膜230を含むことができる。第1電極210、第2電極220および分離膜230が共に巻き取られてジェリーロール型の電極組立体200が形成されることができる。分離膜230は第1電極210と第2電極220の間に介在することができる。
【0053】
具体的に図示していないが、第1電極210は、第1電極集電体上に電極活物質を塗布して形成されることができる。一方、前記第1電極集電体のうち電極活物質が塗布されず前記第1電極集電体が露出する部分に第1電極タブ213が溶接などの方法で付着し得る。
【0054】
第2電極220は第2電極集電体上に電極活物質が塗布されて形成され得る。一方、前記第2電極集電体のうち電極活物質が塗布されず、前記第2電極集電体が露出する部分に第2電極タブ223が溶接などの方法で付着し得る。
【0055】
この時、第1電極210は正極であり得、第2電極220は負極であり得る。そのため、第1電極タブ213は正極タブであり得、第2電極タブ223は負極タブであり得る。一方、巻き取られた電極組立体200に対して、第1電極タブ213と第2電極タブ223は互いに逆方向に突出し得る。
図3に示すように、第1電極タブ213はキャップ組立体400が位置する方向(z軸方向)に突出し得、第2電極タブ223は電池ケース300の底部が位置する方向(-z軸方向)に突出し得る。
【0056】
一方、電池ケース300は電解液が含浸された電極組立体200を収納する構造物であって、金属素材を含み得、円筒型ケースであり得る。
【0057】
本実施形態によるキャップ組立体400は、上端で外部に露出された安全ベント(410,Safety vent)を含む。このような安全ベント410に排出孔410Hが形成され、排出孔410Hにブロック500が満たされる。排出孔410Hとブロック500については後述する。一方、キャップ組立体400は安全ベント410の下に位置した電流遮断部材(420,Current Interrupt Device,CID)を含むことができる。
【0058】
本実施形態によるキャップ組立体400は、従来の円筒型二次電池(10,
図1参照)とは異なり、上端キャップが除去された構造であって、安全ベント410が上端で外部に露出されることができる。
【0059】
このような安全ベント410は電流遮断部材420上に位置して、電流遮断部材420に電気的に接続され得る。具体的には、安全ベント410の中心部分と後述する電流遮断部材420の第1部分421が物理的、電気的に接続され得る。電流遮断部材420の下端部には第1電極210から突出した第1電極タブ213が連結され得る。
【0060】
安全ベント410は電流が通じる薄膜構造物であって、円板状プレートであり得る。安全ベント410、電流遮断部材420および第1電極タブ213が順に連結され、安全ベント410が電極組立体200の電気的な連結を案内する電極端子として機能することができる。
【0061】
本実施形態による電流遮断部材420は電流が通じる板材部材であって、ガスの排出のための貫通口420Hが形成されることができる。また、電流遮断部材420は、安全ベント410と連結された第1部分421および第1電極タブ213と連結された第2部分422を含み得、第1部分421は電流遮断部材420の中心部分に位置して、第2部分422は電流遮断部材420の外周部分に位置し得る。
【0062】
二次電池100の内圧が上昇する場合、安全ベント410の形状が逆転し得る。安全ベント410の形状反転により、電流遮断部材420の第1部分421が共に上昇して、電流遮断部材420の第1部分421と第2部分422が互いに分離され得る。内圧上昇によるこのような分離を誘導するために第1部分421と第2部分422の間は多少弱い強度を有するように設計され得る。第1部分421と第2部分422の分離によって、安全ベント410と第1電極タブ213の間の電流が遮断される。
【0063】
また、具体的に図示していないが、安全ベント410に一種の溝(groove)のようなノッチ構造が設けられる。内圧上昇により、このようなノッチ構造が切れたり裂けることにより安全ベント410が開かれ、内部ガスが排出される。従来の円筒型二次電池(10,
図1参照)の場合、上端キャップ41が安全ベント42上に位置しているので、空間的な部分が劣位で安全ベント42が完全に開かれる。そのため、ガスが効果的に排出できない。また、上端キャップ41自体がガス排出に妨げになる。これとは異なり、本実施形態による二次電池100は上端キャップなしで安全ベント410が上端で外部に露出されているので内圧上昇時に安全ベント410の形状反転や分離が自由に行われる。したがって、従来の円筒型二次電池10と比較してガス排出により有効である。
【0064】
以下では、本実施形態による排出孔410Hとブロック500の構造について詳しく説明する。
【0065】
上述したように、安全ベント410には貫通した形態の排出孔410Hが形成され、その排出孔410Hにブロック500が満たされる。一例として、排出孔410Hは円形の貫通口であり得、ブロック500はボール(Ball)形状であり得る。ボール形状のブロック500が排出孔410Hにボール溶接(Ball welding)で接合され得る。ここでボール溶接とは、ボール形状の構成を前記ボールより直径が小さい孔に発射して、前記孔を塞ぐ接合方式を意味する。すなわち、後述するが、排出孔410Hに満たされる前のボール形状のブロック500の直径は排出孔410Hの内径よりも大きくてもよい。このようなブロック500を強く発射して排出孔410Hに無理矢理に挿入することによって、排出孔410Hを塞ぐことができる。
【0066】
上述したように、リチウム二次電池は製造過程で化成(formation)工程、すなわち活性化工程を行う。このような活性化工程は一般に一定範囲の定電流または定電圧で充放電を繰り返すことで行われる。このような活性化工程で、電極被膜の形成やセル内部水分の分解によって多量のガスが発生するが、活性化工程で発生したガスは量も多く電極被膜と持続して反応するのでこれを排出させる工程が必要である。これをガス排出または脱気(degas)工程という。
【0067】
本実施形態による二次電池100は、安全ベント410に形成された排出孔410Hを介して後述するプレ活性化工程または活性化工程で発生したガスを外部に排出することができる。具体的には、電池ケース300とキャップ組立体400を結合した二次電池100に対して前記プレ活性化工程または前記活性化工程を実施し、前記工程で発生したガスを排出孔410Hを介して外部に排出させる。ガスの排出が完了すれば、上述したボール溶接の方法で排出孔410Hにブロック500を満たして二次電池100を密封することができる。本実施形態による二次電池100は、電池ケース300内部のガスを容易に排出することができ、内圧増加および性能低下を防止することができる。換言すれば、ガスによる電極組立体の膨張、変形などの問題や残留ガス気泡によるリチウム析出誘発の問題などを解決することができる。
【0068】
特に、本実施形態による安全ベント410は上端キャップの除去により外部に露出される構造であるのでガス排出のための排出孔410Hを形成するのに容易である。従来の円筒型二次電池(10,
図1参照)の場合、上端キャップ41が存在するのでガスの排出のために設けた排出孔をガス排出後に再び塞ぐことが構造的に非常に難しい。ガス排出のためには上端キャップ41と安全ベント42両方に排出孔が形成されるべきであるが、上端キャップ41が存在するため安全ベント42に形成された排出孔を塞ぐことは構造的に複雑でかつ困難である。これとは異なり、本実施形態によるキャップ組立体400は安全ベント410が最上端に露出した構造であるのでガス排出後に排出孔410Hを密封することが容易である。先立って説明した機械的接合方式であるボール溶接(Ball welding)も制限なく適用することができる。
【0069】
一方、このような排出孔410Hの個数は特に制限はない。ガス排出程度を考慮して単数または複数で構成されることができる。
【0070】
一方、
図5を再び参照すると、本実施形態による電池ケース300はクリンピング部300Cおよびビーディング部300Bを含むことができる。ビーディング部300Bは円筒型の電池ケース300の一部が電極組立体200の中心方向に湾入した部分を指すものであり、電極組立体200の流動防止のためのものである。
【0071】
クリンピング部300Cはビーディング部300Bの上部に位置して、キャップ組立体400を囲む部分を指すものであり、キャップ組立体400の安定した結合のためのものである。電池ケース300の上部一端が曲がってキャップ組立体400を囲んでクリンピング部300Cを形成することができる。より具体的には、電池ケース300の上部一端が曲がって安全ベント410の外周部分を囲んでクリンピング部300Cを形成することができる。
【0072】
密封用ガスケット700はクリンピング部300Cとビーディング部300Bの内面に取り付けられてキャップ組立体400と電池ケース300の間の密封力を増大させることができる。すなわち、電池ケース300とキャップ組立体400の間にガスケット700を位置させて、電池ケース300の上部一端を曲げてクリンピング(Crimping)結合を実施してクリンピング部300Cを形成することができる。すなわち、クリンピング結合によってキャップ組立体400の装着および二次電池100の密封がなされる。このようなガスケット700はクリンピング部300Cと安全ベント410の間に位置し得る。
【0073】
一方、本実施形態による安全ベント410には屈曲部410Bが形成されることができる。具体的には、
図4および
図5に示すように、安全ベント410の一部分が上向き方向に撓んで屈曲部410Bが形成されることができる。このような屈曲部410Bが形成され、クリンピング結合時に安全ベント410に伝達される変形を減らすことができる。また、上述したように、異常な作動状態で安全ベント410の形状反転によって、電流遮断部材420の第1部分421が共に上昇して、電流遮断部材420の第1部分421と第2部分422が互いに分離される。そのため、電流の流れが遮断されるが、効果的な電流遮断のために安全ベント410と電流遮断部材420の間にある程度の間隔が形成されることが好ましい。そこで、キャップ組立体400自体高さは最小化し、かつ安全ベント410と電流遮断部材420の間の間隔を増やすために上向き方向に撓んだ屈曲部410Bを形成することができる。
【0074】
一方、上述したクリンピング結合の場合、強い物理的圧着がキャップ組立体400に印加されることができ、そのため、キャップ組立体400が損傷する問題があり得る。特に、本実施形態のように、上端キャップなしで安全ベント410が露出する構造では安全ベント410が損傷する恐れがある。しかし、安全ベント410の剛性補完のために安全ベント410の厚さを既存より厚く形成すると、内圧上昇時に安全ベント410の形状反転や分離などが正しく具現されない可能性が高い。
【0075】
本実施形態によるキャップ組立体では、単に安全ベント410の厚さを厚くするのではなく、安全ベント410のうちクリンピング部300Cと対応する部分にカーリング部(410C、Curling part)を設けることができる。具体的には、安全ベント410は安全ベント410の外周部分で曲がったカーリング部410Cを含むことができる。説明の便宜上
図3および
図4にはカーリング部410Cが形成される前のフランジ部(410F、Flange part)の様子を示し、
図5ではフランジ部410Fが内側に曲がってカーリング部410Cを形成した様子を示した。
【0076】
電池ケース300のクリンピング部300Cがガスケット700を間に置いて安全ベント410を囲み得るが、その中でも安全ベント410のカーリング部410Cを囲んでクリンピング結合が行われ得る。そのため、安全ベント410の中心部分は1重からなるが、クリンピング部300Cが囲む安全ベント410の外周部分は2重からなる。すなわち、カーリング部410Cを設けることによって、クリンピング結合時に発生し得る安全ベント410の損傷を防止すると同時に内圧上昇時に安全ベント410の形状反転や分離などに妨げにならないようにした。
【0077】
一方、排出孔410Hの位置に特に制限はないが、ガス排出に制約がない所が好ましい。一例として、本実施形態による排出孔410Hは、安全ベント410の中心部分と外周部分の間に位置することができる。ここで、安全ベント410の中心部分は電流遮断部材420の第1部分421と連結される部分を意味し、安全ベント410の外周部分はカーリング部410Cが形成された部分を意味する。
【0078】
以下では、
図6から
図9などを参照して、本発明の一実施形態による二次電池の製造方法について詳しく説明する。ただし、先立って説明した内容と重複する部分は説明の繰り返しを避けるために省略する。
【0079】
図6から
図9は本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図であり、二次電池の上部の断面を示した。
【0080】
まず、
図3および
図6を参照すると、本発明の一実施形態による二次電池の製造方法は、電極組立体200を上部が開放された電池ケース300に収納する段階および電池ケース300の開放された上部に排出孔410Hが形成されたキャップ組立体400を結合する段階を含む。この時、上述したように、電極組立体200は第1電極210、第2電極220および分離膜230が共に巻き取られてジェリーロール形態であり得、電池ケース300は円筒型ケースであり得る。また、キャップ組立体400の結合の前に電極組立体200とともに電解液を電池ケース300の内部に注入し得る。
【0081】
キャップ組立体400は上端で外部に露出された安全ベント410を含み、このような安全ベント410に排出孔410Hが形成される。安全ベント410と排出孔410Hの具体的な構造は先立って説明した内容であるから省略する。
【0082】
図6および
図7を参照すると、前記キャップ組立体400を結合する段階は、電池ケース300の上部一端300Uを曲げて安全ベント410を囲むクリンピング部300Cを形成する段階を含むことができる。より具体的には、ガスケット700をキャップ組立体400の安全ベント410と電池ケース300の間に位置させて、電池ケース300の上部一端300Uを曲げてクリンピング結合を実施することができる。
【0083】
この時、安全ベント410は安全ベント410の外周部分で曲がったカーリング部410Cを含み得、クリンピング部300Cがカーリング部410Cを囲むようにクリンピング結合が行われ得る。このようなカーリング部410Cは上向きのフランジ部(410F、
図4を参照)を内側に曲げることによって形成されることができる。
【0084】
次に、
図7を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、電池ケース300内部のガスを排出孔410Hを介して外部に排出するガス排出段階を含む。
【0085】
より具体的には、本実施形態による二次電池の製造方法は、電池ケース300に収納された電極組立体200を事前に活性化するプレ活性化(Pre-activation)段階をさらに含むことができる。ここで前記プレ活性化段階は活性化段階の前にガスをあらかじめ排出するために実施する工程である。すなわち、前記プレ活性化段階はガス発生を目的に活性化段階の前に実施する工程であって、一例として前記プレ活性化段階では低いSOC(state of charge)での充電のみ行われ得る。しかし、前記プレ活性化段階の具体的内容はモデルによって変わり得、他の実施形態としては一定範囲の定電流または定電圧で充放電を繰り返す形態であり得る。
【0086】
前記プレ活性化段階で、電極端子として機能する安全ベント410と電池ケース300を介して充電を実施するか、充放電を繰り返すことができる。クリンピング結合によってキャップ組立体400が電池ケース300の開放された上部に結合された後、前記プレ活性化段階が行われ得る。前記ガス排出段階で、前記プレ活性化段階で発生したガスが排出孔410Hを介して二次電池100の内部から外部に排出され得る。すなわち、排出孔410Hが開放された状態で前記プレ活性化段階が行われ、その過程で発生したガスが排出孔410Hを介して外部に排出されることができる。
【0087】
次に、
図8を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、排出孔410Hにブロック500を満たす密封段階を含む。前記密封段階で、排出孔410Hにブロック500をボール溶接で接合させることができる。排出孔410Hは円形の貫通口であり得、ブロック500はボール(Ball)形態であり得る。ボール形状のブロック500が排出孔410Hにボール溶接(Ball welding)で接合されることができる。
【0088】
具体的には、排出孔410Hの内径d1よりもボール形状のブロック500の直径d2がより大きくてもよいが、このようなブロック500が排出孔410Hに強く発射され、ブロック500が排出孔410Hに挿入されることができる。このような無理矢理に挿入する方式のボール溶接を用いて排出孔410Hを密封することができる。
【0089】
上述したように、本実施形態による二次電池100は上端キャップが除去されて安全ベント410が最上端に露出した構造であるのでガス排出後に前記ボール溶接の方法を用いて排出孔410Hを密封することが容易である。
【0090】
次の
図9を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、電極組立体200を活性化する活性化段階をさらに含むことができる。前記活性化段階は、前記密封段階の後に行われ得る。すなわち、プレ活性化段階で発生したガスを排出させた後に排出孔410Hを前記密封段階で密封する。このように二次電池100が完全に密封された状態で一定範囲の定電流または定電圧で充放電を繰り返して前記活性化段階が行われ得る。活性化段階は、負極表面での固体電解質界面(solid electrolyte interface:SEI)膜の形成および低電圧選別などを目的に、充電と放電を繰り返し行う工程である。電極端子として機能する安全ベント410と電池ケース300に定電流または定電圧を印加して、充放電を繰り返すことができる。
【0091】
上記のように、本発明の一実施形態により製造された二次電池100は前記プレ活性化段階を行って、該当過程で発生したガスを排出させることによって、残存ガスによる電極組立体の膨張、変形などの問題や残留ガス気泡によるリチウム析出誘発の問題を解決することができる。
【0092】
以下では、
図10から
図13などを参照して、本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法について詳しく説明する。ただし、先立って説明した内容と重複する部分は説明の繰り返しを避けるために省略する。
【0093】
図10から
図13は本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法を説明するための断面図であり、二次電池の上部の断面を示した。
【0094】
まず、
図3および
図6を参照すると、本発明の他の一実施形態による二次電池の製造方法は、電極組立体200を上部が開放された電池ケース300に収納する段階および電池ケース300の開放された上部に排出孔410Hが形成されたキャップ組立体400を結合する段階を含む。前記段階は先立って説明した内容と同一であるので、これ以上の説明は省略する。
【0095】
次に、
図10および
図11を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、排出孔410Hを一時的に密封する仮密封段階を含むことができる。具体的には、排出孔410Hを一時的に塞ぐためにカバー部材600で排出孔410Hを覆うことができる。一例として、排出孔410Hの直径と対応する部分を有するカバー部材600を排出孔410Hに挿入させることができる。
【0096】
次に、
図11を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、電極組立体200を活性化する活性化段階を含むことができる。前記活性化段階は前記仮密封段階の後に行われ得る。カバー部材600により排出孔410Hが一時的に密封された状態で、一定範囲の定電流または定電圧で充放電を繰り返すことで前記活性化段階が行われ得る。前記活性化段階は、負極表面での固体電解質界面(solid electrolyte interface:SEI)膜の形成および低電圧選別などを目的に、充電と放電を繰り返し行う工程である。
【0097】
次に、
図12を参照すると、本実施形態による二次電池の製造方法は、排出孔410Hの仮密封状態を解除する仮密封解除段階を含むことができる。具体的には、カバー部材600を排出孔410Hから除去して排出孔410Hを再び開放することができる。前記仮密封解除段階は前記活性化段階の後に行われ得る。
【0098】
前記ガス排出段階で、前記活性化段階で発生したガスが排出孔410Hを介して外部に排出され得る。前記ガス排出段階は前記仮密封解除段階と同時にまたは前記仮密封解除段階の直後に行われ得る。言い換えれば、仮密封解除段階により排出孔410Hを再び開放して、前記活性化段階の間二次電池100内部で発生したガスが排出孔410Hを介して外部に排出されることができる。
【0099】
次の
図13を参照すると、排出孔410Hにブロック500を満たす密封段階が続く。前記密封段階は前記ガス排出段階の後に行われ得る。
【0100】
前記密封段階で、排出孔410Hにブロック500をボール溶接で接合させ得る。排出孔410Hは円形の貫通口であり得、ブロック500はボール(Ball)形態であり得る。ブロック500が排出孔410Hに強く発射され、ブロック500が排出孔410Hに挿入され得る。すなわち、ボール溶接(Ball welding)が行われ得る。このような密封段階は、先立って
図8を参照して説明した内容と相互同一または類似する。説明の繰り返しを避けるために前記密封段階に係るより多くの説明は省略する。
【0101】
上記のように、本発明の他の一実施形態により製造された二次電池100は活性化段階で発生したガスを排出してから最終的に密封されることによって、残存ガスによる電極組立体の膨張、変形などの問題や残留ガス気泡によるリチウム析出誘発の問題を解決することができる。
【0102】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0103】
前述した本実施形態による二次電池が複数集まって電池モジュールを形成することができる。前記電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0104】
前記二次電池、前記電池モジュールまたは前記電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるがこれに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用することが可能である。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0106】
100 二次電池
400 キャップ組立体
410 安全ベント
410H 排出孔
500 ブロック
【国際調査報告】