IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイの特許一覧

特表2023-548210使用済みタイヤ由来のゴムを含むアスファルトの製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】使用済みタイヤ由来のゴムを含むアスファルトの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 7/26 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
E01C7/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527123
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2021080745
(87)【国際公開番号】W WO2022096635
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102020000026533
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518333177
【氏名又は名称】ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ
【氏名又は名称原語表記】BRIDGESTONE EUROPE NV/SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【弁理士】
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ルカ レリオ
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ ロサ
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロ ルアンドリ
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AD07
2D051AE05
2D051AF01
2D051AG01
2D051AG03
(57)【要約】
アスファルトの製造方法は、密度が1.0~1.5g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、使用済みタイヤ造粒プロセスから得られるゴム顆粒を80~300℃の温度にさらす、熱処理ステップと、アスファルトを得るために、熱処理ステップからのゴム顆粒に石骨材および瀝青を混合する、混合ステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトの製造方法であって、密度が1.0~1.5g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、使用済みタイヤ(ELT)の造粒プロセスから得られる該ゴム顆粒を、80~300℃の温度にさらす、熱処理ステップと、アスファルトを得るために、該熱処理ステップからの該ゴム顆粒に石骨材および瀝青を混合する、混合ステップと、を含むアスファルトの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記熱処理ステップ中、密度が1.2~1.3g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、使用済みタイヤの造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒を、100~200℃の温度にさらすことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記混合ステップは、前記石骨材および前記瀝青が150~200℃の温度で混合される第1の混合操作と、前記ゴム顆粒が該第1の混合操作からの混合物に添加される第2の混合操作と、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法において、前記熱処理ステップからの前記ゴム顆粒は、前記アスファルト内に含まれる不活性材料の量の1~30体積%を構成することを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法において、前記造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒は、実質的に多面体構造を有し、最大サイズと最小サイズとの比が2未満であることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法において、前記造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒は、10mm~1.5mmの寸法のメッシュを有するふるいを通過するような寸法であることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法において、前記造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒は、2.0mm~6.0mmの寸法のメッシュを有するふるいを通過するような寸法であることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法において、前記熱処理ステップの前に予加熱ステップを含み、ここで、ELTの造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒を120~200℃の温度に15~30時間の期間にわたりさらすことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法において、前記熱処理ステップの後に表面処理ステップを含み、ここで、該熱処理からの前記ゴム顆粒は表面研磨操作に課せられることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記表面処理ステップの後に、かつ前記混合ステップの前に、最終熱処理ステップを含み、前記最終熱処理ステップ中、表面処理プロセスから得られる前記ゴム顆粒を、密度が1.0~1.5g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃の温度にさらすことを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記最終熱処理ステップ中、表面処理プロセスから得られる前記ゴム顆粒を、密度が1.2~1.3g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、100~200℃の温度にさらすことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を使用して製造されることを特徴とするアスファルト。
【請求項13】
使用済みタイヤの造粒プロセスから得られるゴム顆粒および/またはゴム粉末であって、最大10mmの寸法のメッシュのふるいを通過するような寸法を有し、かつ密度が1.0~1.5g/cmのゴム顆粒および/またはゴム粉末を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃の温度にさらされる、ゴム顆粒および/またはゴム粉末。
【請求項14】
請求項13に記載のゴム顆粒および/またはゴム粉末において、前記熱処理ステップの前に予加熱ステップに課せられ、ここで、ELT造粒プロセスから得られる前記ゴム顆粒および/またはゴム粉末は、120~200℃の温度に15~30時間さらされることを特徴とする、ゴム顆粒および/またはゴム粉末。
【請求項15】
請求項13または14に記載のゴム顆粒および/またはゴム粉末において、前記熱処理ステップの後に表面処理ステップに課せられ、ここで、該熱処理からの前記ゴム顆粒および/またはゴム粉末は、表面研磨操作に課せられることを特徴とする、ゴム顆粒および/またはゴム粉末。
【請求項16】
請求項15に記載のゴム顆粒および/またはゴム粉末において、前記表面処理ステップの後に最終熱処理ステップに課せられ、前記最終熱処理ステップ中、表面処理プロセスから得られる前記ゴム顆粒および/またはゴム粉末は、密度が1.0~1.5g/cmのゴム顆粒および/またはゴム粉末を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃の温度にさらされることを特徴とする、ゴム顆粒および/またはゴム粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトの調製において使用済みタイヤから得られるゴムを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書および以下において、アスファルトという用語は、道路舗装の建設に使用される瀝青質の集合体(bituminous conglomerate)を指す。
【0003】
一般に、道路アスファルトは、約94%の石骨材(stone aggregates)および約6%の瀝青(ビチューメン)で構成されている。
【0004】
消耗したタイヤ(PFU)または使用済みタイヤ由来のゴムを使用することは、以前から知られている(以後、使用済みタイヤの頭字語である英語の表現である「ELT:end-of-life tyre」が使用される)。ELTゴムの使用は、廃棄材料を利用することによる環境面での利点に加えて、タイヤと舗装の動的接触によって発生する転がりノイズを低減するという点においても利点をもたらす。
【0005】
これまでに実施された解決策は、ELTのゴム粉末の2つの使用方法を示唆している。一般に「乾式」技術として知られる1つ目の方法は、瀝青質の集合体の混合ステップ中に骨材および瀝青に粉末を直接添加することを意味し、粉末の添加量は混合物に対して1~2重量%の範囲になる。一般に「湿式」技術として知られるもう1つの方法は、瀝青と粉末とを混合し、ゴム粒子が膨潤するような温度で反応させることを意味し、それにより、英語の文言「団粒ゴム改質バインダ(CRMB:Crumb Rubber Modified Binder)」で示されるものを得る。CRMBに導入される粉末の量は、瀝青の重量に対して約15~22%の間で変化する。
【発明の概要】
【0006】
これらの既知の技術によれば、「乾式」および「湿式」技術で使用される粉末は、アスファルトの重量の約2%にすぎないことを考慮すると、これまでに実施された解決策によると、アスファルトに使用できるELTゴムの量が非常に少ないことは明らかである。このような制限によって、アスファルト中のELTゴムの重要なリサイクルに対する障害となることに加えて、より多くのELTゴムの存在に由来するアスファルトの考えうる性能上の利点が何であるかを調査する可能性を排除してしまう。
【0007】
したがって、上述の既知の先行技術によって可能となる量よりも大量のELTゴムをアスファルト内で使用できるようにする必要性が感じられた。
【0008】
本発明の発明者らは、ELTゴムを不活性材料として、石骨材の部分的代替物として使用できるような方法で処理することにより、すなわち、石骨材をCRMB製造用のアスファルトに溶解する必要性を克服することによって、前述の必要性を満足させることができる解決策を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的はアスファルトの製造方法であって、密度が1.0~1.5g/cm、好ましくは1.2~1.3g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、使用済みタイヤの造粒プロセスから得られるゴム顆粒を、80~300℃、好ましくは100~200℃の温度にさらす、熱処理ステップと、アスファルトを得るために、熱処理ステップからのゴム顆粒に石骨材および瀝青を混合する、混合ステップと、を含むアスファルトの製造方法である。
【0010】
好ましくは、前記混合ステップは、石骨材および瀝青が150~200℃の温度で混合される第1の混合操作と、ゴム顆粒が第1の混合操作からの混合物に添加される第2の混合操作と、を含む。
【0011】
このような混合シーケンスにより、得られるアスファルト内での顆粒の分散が向上する。
【0012】
好ましくは、熱処理ステップからのゴム顆粒は、アスファルト内に含まれる不活性材料の量の1~30体積%を構成する。
【0013】
本明細書および以下において、不活性材料(inert material)という用語は、石骨材およびELTゴム顆粒からなる組み合わせを指す。
【0014】
好ましくは、造粒プロセスから得られるゴム顆粒は、最大サイズと最小サイズとの比が2未満である実質的に多面体構造(polyhedral conformation)を有する。
【0015】
実際、同様の三次元を有する顆粒がより良い結果を与えることがわかっている。
【0016】
好ましくは、造粒プロセスから得られるゴム顆粒は、10mm~1.5mmの寸法のメッシュを有する、より好ましくは、2.0mm~6.0mmの寸法のメッシュを有するふるいを通過するような寸法である。
【0017】
好ましくは、該方法は、前記熱処理ステップの前に予加熱ステップを含み、ここで、ELT造粒プロセスから得られるゴム顆粒は、120~200℃の温度に15~30時間の期間にわたりさらされる。
【0018】
好ましくは、該方法は、前記熱処理ステップの後に表面処理ステップを含み、ここで、熱処理からのゴム顆粒は表面研磨操作に課せられる。
【0019】
研磨操作により、アスファルトのさらなる圧縮を実現する粉末が得られる。さらには、本発明者らは、この粉末が前処理されたゴム顆粒の外層に由来していることが極めて重要であると考えている。
【0020】
好ましくは、該方法は、前記表面処理ステップの後に、かつ前記混合ステップの前に、最終熱処理ステップを含み、前記最終熱処理ステップ中、表面処理プロセスから得られるゴム顆粒は、密度が1.0~1.5g/cm、好ましくは1.2~1.3g/cmのゴム顆粒を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃、好ましくは100~200℃の温度にさらされる。
【0021】
本発明のさらなる目的は、使用済みタイヤ造粒プロセスから得られる、最大10mmの寸法のメッシュのふるいを通過するような寸法を有し、および密度が1.0~1.5g/cm、好ましくは1.2~1.3g/cmのゴム顆粒および/またはゴム粉末を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃の温度にさらされるゴム顆粒および/またはゴム粉末に関する。
【0022】
好ましくは、前記顆粒および/または粉末は、前記熱処理ステップの前に予加熱ステップに課せられ、ここで、ELT造粒プロセスから得られるゴム顆粒および/またはゴム粉末は、120~200℃の温度に15~30時間さらされる。
【0023】
好ましくは、前記顆粒および/または粉末は、前記熱処理ステップの後に表面処理ステップに課せられ、ここで、熱処理からのゴム顆粒および/またはゴム粉末は、表面研磨操作に課せられる。
【0024】
好ましくは、前記顆粒および/または粉末は、前記表面処理ステップの後に最終熱処理ステップに課せられ、前記最終熱処理ステップ中、表面処理プロセスから得られるゴム顆粒および/またはゴム粉末は、密度が1.0~1.5g/cm、好ましくは1.2~1.3g/cmのゴム顆粒および/またはゴム粉末を得るために必要となる時間の期間にわたり、80~300℃、好ましくは100~200℃の温度にさらされる。
【0025】
ゴム粉末の最大直径は1.5mmである。
【0026】
以下は、単に例示として示される非限定的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る2つの瀝青質の集合体混合物を製造した。
【0028】
2つの集合体は、ELTから得られるゴム顆粒に課せられる処理の種類に応じて互いに異なる。特に、第1の瀝青質の集合体混合物は、熱処理のみに課せられたゴム顆粒を使用して得られ、一方、第2の瀝青質の集合体混合物は、熱処理および機械的表面処理の両方に課せられたゴム顆粒を使用して得られる。
【0029】
以下の実施例では、玄武岩材料の最大直径は8mmであり、細砂利(fine gravel)材料の最大直径は6mmであり、玄武岩砂材料の最大直径は4mmであり、充填材料および強化繊維は、以下の各表に示す要件を満たさなければならない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
2.5~4.0mmの寸法の顆粒を、ELT造粒プロセスから得られるゴムから採取した。
【0033】
これらの顆粒は、以下の順序に従って、すなわち、
○175℃で24時間、
○材料を1時間ごとに定期的に混合しながら、250℃で10時間、
実験室用静的オーブン内において大気圧で熱処理ステップに課した。
【0034】
上記の熱処理から得られる顆粒の密度は、>1.25g/cmである。
【0035】
250℃での処理中、密度および吸水率の両方を定期的にチェックした。
【0036】
上述のように製造されたゴム顆粒を、瀝青質の集合体混合物の調製に使用した。
【0037】
表1は、第1の瀝青質の集合体混合物の不活性材料の組成を体積%および重量%の両方で示す。
【表3】
【0038】
以下に説明するように、瀝青質の集合体混合物はまた、不活性材料100重量%に対して8重量%に等しい量の瀝青も含む。
【0039】
以下に瀝青質の集合体混合物の調製手順を説明する。
【0040】
玄武岩、玄武岩砂、および瀝青は、それぞれ他の成分とは別個で、165℃に達するまで加熱した。温度が165℃に達したら、前述した成分をミキサーに入れ、続いてミキサーを約80rpmの速度で操作した。約1分間混合した後、強化繊維を加えた。約1分間混合した後、充填剤を添加した。約1分間混合した後、前処理したELT顆粒を加えた。約1分後、調製を終了した。
【0041】
(UNI EN 12697‐5に従って)最大密度を測定するために、混合物の一部を直ちに使用した。
【0042】
試験標本の調製では、165℃の温度で混合した材料を回転プレス(50回転の回転プレス)による増粘化(thickening)プロセスにかけた。
【0043】
増粘化の終了後、試験標本をダイから取り出し、室温まで放冷した。
【0044】
24時間後、その後の機械試験(ITS、ITSR、CTI)に課されるようにするために、試験標本を仕様に従って切断した。
【0045】
研究されたパラメータは以下のとおり、
機械的抵抗を評価するためのITSパラメータ(UNI EN 12697-23)、
水に対する感受性を評価するためのITSRパラメータ(UNI EN 12697-12)、
変形性指数を評価するためのCTIパラメータ(UNI EN 12697-23)
であった。
【0046】
表IIは、前述のパラメータの値について得られた結果を示す。
【表4】
【0047】
表IIIは、回転プレスの回転数の関数としての体積特性の値を示している。
【0048】
特に、調査された体積特性は、ボイドの割合(%Vv)、瀝青の体積の割合(%Vb)、骨材の体積の割合(%Vag)、乾燥混合物内のボイドの割合(%VMA)、瀝青で満たされたボイドの割合(%VFA)、サンプルの実際の密度(Gmb)、最大密度(Gmm)、および増粘化の程度(%Gmm)であった。
【0049】
【表5】
【0050】
2.5~4.0mmの寸法の顆粒を、ELT造粒プロセスから得られるゴムから採取した。
【0051】
これらの顆粒を、大気圧の静的オーブン中で150℃の温度に48時間さらす第1の熱処理ステップに課した。
【0052】
第1の熱処理ステップからの顆粒を、続いて、顆粒自体の比表面積を増加させるために表面処理ステップに課した。表面処理ステップ中、顆粒を「Molino」機械の2つの進路の水平軸ローラー(P40サンドペーパー)に5回通した。
【0053】
表面処理ステップからの顆粒を、続いて最終熱処理ステップにかけ、ここで、大気圧の静的オーブン内で、顆粒密度が1.26g/cmに達するまで、顆粒を150℃の温度に120時間さらした。
【0054】
最終熱処理ステップ中、密度および吸水率の両方を定期的にチェックした。
【0055】
上述のように製造されたゴム顆粒を、瀝青質の集合体混合物の調製に使用した。
【0056】
表IVは、第2の瀝青質の集合体混合物の不活性材料の組成を体積%および重量%の両方で示している。
【表6】
【0057】
以下に説明するように、瀝青質の集合体混合物はまた、不活性材料100重量%に対して5.5重量%に等しい量の瀝青も含む。
【0058】
以下に瀝青質の集合体混合物の調製手順を説明する。
【0059】
玄武岩、細砂利、玄武岩砂、および瀝青は、それぞれ他の成分とは別個で、165℃に達するまで加熱した。温度が165℃に達したら、前述した成分をミキサーに入れ、続いてミキサーを約80rpmの速度で操作した。約1分間混合した後、強化繊維を加えた。約1分間混合した後、充填剤を添加した。約1分間混合した後、前処理したELT顆粒を加えた。約1分後、調製を終了した。
【0060】
上述のように調製した混合物を、密度および機械的パラメータの両方の観点から特性評価するために処理した。
【0061】
混合物の処理手順、ならびにパラメータおよび特性評価手順は、第1の瀝青質の集合体混合物について上述したものと同じである。
【0062】
表Vは、前述のパラメータの値について得られた結果を示す。
【表7】
【0063】
表VIは、回転プレスの回転数の関数として上述した体積特性の値を示している。
【表8】
【0064】
表II、III、VおよびVIに示されるデータから、当業者であれば誰でも、本発明の目的である方法から得られるアスファルトが、効果的に使用するために必要な要件のすべてを満たしていることを認識することができる。
【0065】
本発明の目的であるこの方法は、かなりの量のELTゴム顆粒の使用を可能にするという大きな利点を提供する。この利点は、ELTゴム顆粒を石材と同じように扱えるように改良したことに由来する。
【0066】
本発明の目的であるこの方法は、瀝青内のELTから得られる顆粒の高温溶解操作を回避するという利点も提供し、これにより作業者の安全の観点から明らかな利点が得られる。
【0067】
本発明に従って得られた集合体混合物に対して実施された水感受性試験の結果は、高い割合の瀝青を使用する必要なく、高い割合でELTから得られる顆粒を瀝青質の集合体に導入できる可能性に関して、重大な利点を実証している。現在までのゴム粉末混合物に関する最新技術では、わずか2重量%のELTから得られる顆粒の割合に対して8%以上の瀝青含有量の使用が規定されていることを考慮すると、ELTから得られる顆粒の再利用を示唆する舗装の環境持続可能性において結果的に改善されたことは、明らかである。
【国際調査報告】