(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】薄型オフローディング流体及び圧力導管
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528046
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 IB2021059671
(87)【国際公開番号】W WO2022101716
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520500336
【氏名又は名称】ケーシーアイ マニュファクチャリング アンリミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】KCI Manufacturing Unlimited Company
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ライス,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】セドン,ジェームズ キリングワース
(72)【発明者】
【氏名】プラット,ベンジャミン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ネイロン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ケネディ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ヴィクター
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA39
4C267CC01
4C267GG01
4C267JJ02
(57)【要約】
組織部位からの流体を管理するための装置は、第1の層及び第2の層を含み得る。第1の層は、第1の端部、第2の端部、第1の表面、第1の表面と第2の表面との間の厚さ、第1の表面に配設された第1の流体経路、及び第1の表面に配設された第2の流体経路を備えてもよい。第1の流体経路及び第2の流体経路は、第1の端部から第2の端部まで延びることができる。第2の層は、第1の端部、第2の端部、第1の表面、及び第2の表面を有してもよい。第2の層の第2の表面は、第1の層の第1の表面に結合することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位からの流体を管理するための装置であって、
第1の端部と、第2の端部と、第1の表面と、第2の表面と、前記第1の表面と前記第2の表面との間の厚さを有する第1の層であって、前記第1の層が発泡体を含む、第1の層と、
前記第1の層の前記第1の表面に配設され、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる第1の流体経路と、
前記第1の層の前記第1の表面に配設され、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる第2の流体経路と、
第1の端部と、第2の端部と、第1の表面と、第2の表面とを有する第2の層と、を備え、
前記第2の層の前記第2の表面が、前記第1の層の前記第1の表面に結合される、装置。
【請求項2】
前記第1の流体経路が、前記第1の層の前記厚さ内へと延びる第1のチャネル深さと、前記第1のチャネル深さに対して垂直に延びる第1のチャネル幅とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の流体経路が、前記第1の層の前記厚さ内へと延びる第2のチャネル深さと、前記第2のチャネル深さに対して垂直に延びる第2のチャネル幅とを備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の層の前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる壁を更に備え、前記壁が、前記第1の流体経路及び前記第2の流体経路を流体的に隔離する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の流体経路が、前記第1の流体経路内に突出する複数の特徴部を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の特徴部が、半球形、円錐形、円筒形、長方形、又は測地線形状のうちのいずれか1つである体積形状を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の特徴部が互いにオフセットされる、請求項5~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の流体経路が、前記第1の流体経路内に突出する第1の複数の特徴部を備え、前記第2の流体経路が、前記第2の流体経路内に突出する第2の複数の特徴部を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の複数の特徴部及び前記第2の複数の特徴部が、半球形、円錐形、円筒形、長方形、又は測地線形状のうちのいずれか1つである体積形状を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の複数の特徴部が互いにオフセットされ、前記第2の複数の特徴部が互いにオフセットされる、請求項8~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の層の前記第2の端部が、組織インタフェースに流体的に結合されるように構成されたアプリケータを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記アプリケータに取り外し可能に結合された剥離層を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記アプリケータが、前記第1の流体経路及び前記第2の流体経路に流体的に結合された少なくとも1つの開口を備える、請求項11~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記アプリケータが、前記第1の流体経路に流体的に結合された第1の開口と、前記第2の流体経路に流体的に結合された第2の開口とを備える、請求項11~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記アプリケータが、前記第1の層の前記第2の表面に少なくとも1つの開口部を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの開口部は円形であり、前記第1の開口が前記開口部の第1の部分を備え、前記第2の開口が前記開口部の第2の部分を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の部分が、前記開口部の周囲の一部分を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の層の前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる壁を更に備え、前記壁が、前記第1の流体経路を前記第2の流体経路から流体的に隔離する、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記壁が前記アプリケータ内へと延び、前記壁が前記第1の開口を前記第2の開口から流体的に隔離する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の開口が前記第1の層の遠位端に隣接する、請求項14~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の開口が第2の開口よりも大きい、請求項14~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の層の長さに沿って延び、かつ前記第1の流体経路の外側にある少なくとも1つの溝を更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの溝が、前記第1の層の前記厚さ内へと延びる深さと、前記深さに対して垂直に延びる幅とを有する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の層の長さに沿って延びる第1の溝と、前記第1の層の前記長さに沿って延びる第2の溝とを更に備え、前記第1の溝が前記第1の流体経路の外側にあり、前記第2の溝が前記第1の流体経路の外側で前記第1の溝の反対側にある、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の溝及び前記第2の溝がそれぞれ、前記第1の層の厚さ内へと延びる深さと、前記深さに対して垂直に延びる幅とを有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の層の前記第1の端部及び前記第2の層の前記第1の端部に結合されたコネクタを更に備える、請求項1~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記コネクタが、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の円筒形本体と、
前記第1の円筒形本体の前記第1の端部に結合された第2の円筒形本体と、
前記第1の円筒形本体の前記第2の端部から前記第2の円筒形本体を通って延びる第1の流体経路であって、前記第1の流体経路に流体的に結合されるように構成される、第1の流体経路と、
前記第1の円筒形本体の前記第2の端部から前記第1の端部まで延びる第2の流体経路であって、前記第2の流体経路に流体的に結合されるように構成される、第2の流体経路と、
を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記コネクタが、前記第1の流体経路を前記第2の流体経路から流体的に隔離する、請求項26~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記コネクタが、前記第1の流体経路に流体的に結合された一次管腔と、前記第2の流体経路に流体的に結合された少なくとも1つの二次管腔とを有する、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記コネクタが、多管腔導管を受容し、前記多管腔導管の送達管腔を前記一次管腔に流体的に結合し、前記多管腔導管の感知管腔を前記少なくとも1つの二次管腔に流体的に結合するように構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記コネクタが前記第1の層に埋め込まれている、請求項26~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記コネクタが前記第1の層及び前記第2の層に接合されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記コネクタが前記第1の層及び前記第2の層に超音波溶着されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記コネクタが前記第1の層及び前記第2の層に熱接合されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記コネクタが前記第1の層及び前記第2の層に溶剤接合されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記コネクタが前記第1の層及び前記第2の層に超音波溶着されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記コネクタが、接着剤によって前記第1の層及び前記第2の層に接合されている、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記接着剤が紫外線硬化性接着剤である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記接着剤がエポキシである、請求項37に記載の装置。
【請求項41】
前記コネクタに流体的に結合された導管を更に備える、請求項26~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記第1の層の前記第2の端部において前記第1の層の前記第2の表面に取り外し可能に結合された剥離層を更に備える、請求項1~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記第1の層の前記第2の端部において前記第1の層の前記第2の表面に結合された接着リングを更に備える、請求項1~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記アプリケータに結合された接着リングを更に備える、請求項1~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
剥離層が前記接着リングに取り外し可能に結合されている、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記第2の層がポリマーフィルムを含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記ポリマーフィルムが、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレン、並びにポリウレタンの群から選択されるいずれか1つである、請求項43に記載の装置。
【請求項48】
前記ポリマーフィルムがエチレンビニルアセテートを含む、請求項46に記載の装置。
【請求項49】
前記ポリマーフィルムが約100μm~約250μmの厚さを有する、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記ポリマーフィルムが、約100μm~約250μmの厚さを有するポリウレタンである、請求項46に記載の装置。
【請求項51】
前記ポリマーフィルムが、約200μmの厚さを有するポリウレタンである、請求項46に記載の装置。
【請求項52】
前記ポリマーフィルムが、約10Mpaを超える降伏強度を有するポリウレタンである、請求項46に記載の装置。
【請求項53】
前記ポリマーフィルムが透明である、請求項46~52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
前記ポリマーフィルムが疎水性である、請求項46~53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記ポリマーフィルムが、90度より大きい水との接触角を有する、請求項46~54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記第2の層が独立気泡発泡体を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記独立気泡発泡体が約4lb/ft
3~約20lb/ft
3の密度を有する、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記発泡体がエチレンビニルアセテートを含む、請求項56~57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記発泡体が約400マイクロメートル~約600マイクロメートルの平均孔径を有する、請求項1~58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記第1の層の厚さが約5mm~約10mmである、請求項1~59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記第1の層の前記第2の端部に配設された少なくとも1つの開口を更に備える、請求項1~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記第1の流体経路及び前記第2の流体経路が、前記少なくとも1つの開口に流体的に結合される、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
組織部位からの流体を管理するための装置であって、
導管に流体的に結合されるように構成された第1の端部と、組織インタフェースに流体的に結合されるように構成された第2の端部とを備えるブリッジであって、内面と、外面と、前記内面と前記外面との間の厚さとを有する、ブリッジと、
前記内面上、かつ前記ブリッジの長さに沿って形成された第1の管腔であって、前記第1の管腔内に突出する複数の特徴部を備える、第1の管腔と、
前記内面上、かつ前記ブリッジの長さに沿って形成された第2の管腔と、
前記ブリッジの長さに沿って形成され、前記第1の管腔を前記第2の管腔から流体的に隔離するように構成された障壁と、
第1の端部、第2の端部、内面、及び外面を有するカバー層であって、前記カバー層の前記内面が前記ブリッジの前記内面に結合され、前記第1の管腔及び前記第2の管腔を覆う、カバー層と、
前記ブリッジの前記第2の端部に配設され、前記第1の管腔に流体的に結合された第1の開口と、
前記ブリッジの前記第2の端部に配設され、前記第2の管腔に流体的に結合された第2の開口と、
を備える、装置。
【請求項64】
前記第1の管腔が、前記ブリッジの前記厚さ内へと延びるチャネル深さと、前記チャネル深さに対して垂直に延びるチャネル幅とを備える、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記第2の管腔が、前記ブリッジの前記厚さ内へと延びるチャネル深さと、前記チャネル深さに対して垂直に延びるチャネル幅とを備える、請求項63~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記第1の管腔の外側で前記ブリッジの長さに沿って延びる第1の溝と、前記第1の管腔の外側で前記第1の溝とは反対の側にて前記ブリッジの長さに沿って延びる第2の溝と、を更に備える、請求項63~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記第1の溝及び前記第2の溝はそれぞれ、前記ブリッジの厚さ内へと延びる深さと、前記深さに対して垂直に延びる幅とを有する、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記ブリッジが発泡体を含む、請求項63~67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
前記発泡体が独立気泡発泡体である、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記独立気泡発泡体が、約4lb/ft
3~約20lb/ft
3の密度を有する、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記発泡体がエチレンビニルアセテートを含む、請求項68~70のいずれか一項に記載の装置。
【請求項72】
前記発泡体が約400マイクロメートル~約600マイクロメートルの平均孔径を有する、請求項68に記載の装置。
【請求項73】
前記ブリッジの厚さが約5~約10mmである、請求項63~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記カバー層がポリマーフィルムを含む、請求項63~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
前記ポリマーフィルムが、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレン、並びにポリウレタンの群から選択されるいずれか1つである、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記ポリマーフィルムが約100μm~約250μmの厚さを有するポリウレタンである、請求項74に記載の装置。
【請求項77】
前記ポリマーフィルムが約200μmの厚さを有するポリウレタンである、請求項74に記載の装置。
【請求項78】
前記ポリマーフィルムが約10Mpaを超える降伏強度を有するポリウレタンである、請求項74に記載の装置。
【請求項79】
前記ポリマーフィルムがエチレンビニルアセテートを含む、請求項74に記載の装置。
【請求項80】
前記ポリマーフィルムが約100μm~約250μmの厚さを有する、請求項74に記載の装置。
【請求項81】
前記ポリマーフィルムが透明である、請求項74に記載の装置。
【請求項82】
前記ポリマーフィルムが疎水性である、請求項74に記載の装置。
【請求項83】
前記ポリマーフィルムが、90度より大きい水との接触角を有する、請求項74に記載の装置。
【請求項84】
前記カバー層が、約4lb/ft
3~約20lb/ft
3の密度を有する独立気泡発泡体を含む、請求項63~73のいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
前記ブリッジの前記第1の端部及び前記カバー層の前記第1の端部に結合されたコネクタを更に備える、請求項63~84のいずれか一項に記載の装置。
【請求項86】
前記コネクタが、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の円筒形本体と、
前記第1の円筒形本体の前記第1の端部に結合された第2の円筒形本体と、
前記第1の円筒形本体の前記第2の端部から前記第2の円筒形本体を通って延びる第1の流体経路であって、前記第1の流体経路に流体的に結合されるように構成された、第1の流体経路と、
前記第1の円筒形本体の前記第2の端部から前記第1の端部まで延びる第2の流体経路であって、前記第2の流体経路に流体的に結合されるように構成された第2の流体経路と、
を備える、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
前記コネクタが、前記第1の管腔を前記第2の管腔から流体的に隔離する、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記コネクタが、前記第1の流体経路に流体的に結合された一次管腔と、前記第2の流体経路に流体的に結合された少なくとも1つの二次管腔とを有する、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
前記コネクタが、多管腔導管を受容し、前記多管腔導管の送達管腔を前記一次管腔に流体的に結合し、前記多管腔導管の感知管腔を前記少なくとも1つの二次管腔に流体的に結合するように構成される、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記コネクタが前記ブリッジに埋め込まれている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に接合されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項92】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に超音波溶着されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項93】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に熱接合されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項94】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に溶剤接合されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に超音波溶着されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項96】
前記コネクタが前記ブリッジ及び前記カバー層に接着剤によって接合されている、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項97】
前記接着剤が紫外線硬化性接着剤である、請求項96に記載の装置。
【請求項98】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項96に記載の装置。
【請求項99】
前記接着剤がエポキシである、請求項96に記載の装置。
【請求項100】
前記コネクタに流体的に結合された導管を更に備える、請求項85~99のいずれか一項に記載の装置。
【請求項101】
前記複数の特徴部が互いにオフセットされている、請求項63~100のいずれか一項に記載の装置。
【請求項102】
前記複数の特徴部が第1の複数の特徴部であり、前記第2の管腔が前記第2の管腔の中に突出する第2の複数の特徴部を備える、請求項63~~101のいずれか一項に記載の装置。
【請求項103】
前記第2の複数の特徴部が互いにオフセットされている、請求項102に記載の装置。
【請求項104】
前記ブリッジの前記外面に取り外し可能に結合されたフィルムを更に備え、前記フィルムが前記第1の開口及び前記第2の開口を覆っている、請求項63~103のいずれか一項に記載の装置。
【請求項105】
組織部位の流体形態を管理するための装置を製造する方法であって、
第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面を有する発泡体を含む第1の層を設けることと、
前記第1の層の前記第1の表面上に第1の流体チャネルを形成することであって、前記第1の流体チャネルが前記第1の表面から前記第1の流体チャネル内へと延びる複数の特徴部を含む、ことと、
前記第1の層の前記第1の表面上に第2の流体チャネルを形成することと、
前記第1の層の前記第1の表面上に、前記第1の流体チャネルを前記第2の流体チャネルから流体的に隔離するように構成された障壁を形成することと、
前記第1の流体チャネルに流体的に結合されるように構成された第1の開口を前記第1の層に配設することと、
前記第2の流体チャネルに流体的に結合されるように構成された第2の開口を前記第1の層に配設することであって、前記障壁が前記第1の開口を前記第2の開口から流体的に隔離する、ことと、
外面及び内面を有するポリマーフィルムを含む第2の層を設けることと、
前記第2の層の前記内面を前記第1の層の前記第1の表面に結合することと、
少なくとも1つの導管を前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルに流体的に結合することと、
を含む、方法。
【請求項106】
前記方法が、コネクタを設けることを更に含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に結合することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に超音波溶着することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に熱接合することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項110】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に溶剤接合することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項111】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に超音波溶着することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項112】
コネクタを設けることが、前記コネクタを前記第1の層及び前記第2の層に接合することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項113】
前記コネクタが、前記第1の層及び前記第2の層に接着剤によって接合される、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記接着剤が紫外線硬化性接着剤である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記接着剤がエポキシである、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記コネクタが前記第1の層に埋め込まれている、請求項106~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記方法が、前記少なくとも1つの導管を前記コネクタに流体的に結合することを更に含む、請求項106~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記コネクタが、前記第1の流体チャネルを前記第2の流体チャネルから流体的に隔離する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記複数の特徴部が第1の複数の特徴部を含み、前記方法が、前記第1の層の前記第1の表面上に前記第2の流体チャネル内へと延びる第2の複数の特徴部を形成することを更に含む、請求項105~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記方法が、前記第1の流体チャネルの外側に第1の溝を形成することと、前記第1の流体チャネルの外側に前記第1の溝とは反対の側にて第2の溝を形成することと、更に含む、請求項105~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記第2の流体チャネルの外側に第3の溝を形成することを更に含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記発泡体が独立気泡発泡体である、請求項105~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記発泡体が約4lb/ft
3~約20lb/ft
3の密度を有する、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記発泡体がエチレンビニルアセテートを含む、請求項123~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
第1の流体チャネルを形成することが、前記第1の層の前記第1の表面上に前記第1の流体チャネルを熱成形することを含む、請求項105~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
第2の流体チャネルを形成することが、前記第1の層の前記第1の表面上に前記第2の流体チャネルを熱成形することを含む、請求項105~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記ポリマーフィルムがエチレンビニルアセテートを含む、請求項105~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記ポリマーフィルムが約100μm~約250μmの厚さを有する、請求項105~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
本明細書で説明及び図示されるようなシステム、方法、及び装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年11月11日に出願された米国特許仮出願第63/112,252号の優先権の利益を主張する。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載される本発明は、概して組織治療システムに関し、より具体的には、限定するものではないが、陰圧治療及び滴下治療を提供するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療では、組織部位に近接する圧力を低減することで、組織部位における新しい組織の成長を増強及び加速させられることが示されている。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが判明している。創傷の原因に関わらず、外傷、手術、又は別の原因かどうかに関わらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。創傷又は他の組織の減圧での治療は、一般的に、「陰圧療法」と称され得るが、例えば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「陰圧閉鎖」、及び「局所陰圧」を含む他の名称によっても知られている。陰圧治療は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形などを含む多くの利益を提供することができる。これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を増加させることができ、治癒時間を低減することができる。
【0004】
組織部位の清浄が、新しい組織の成長に非常に有益であり得ることも広く受け入れられている。例えば、創傷又は空洞は、治療用液体溶液を用いて洗い流され得る。これらの行為は、一般的に、それぞれ「灌注法(irrigation)」及び「洗浄(lavage)」と称される。「滴下」とは、組織部位に流体をゆっくり導入し指示された期間にわたり流体を残して流体を除去するプロセスを全般的に指す別の行為である。例えば、創傷床の上への局所治療用溶液又は生理食塩水の滴下は、陰圧治療と組み合わされて、創傷床における可溶性汚染物質を弛緩させることと、感染性物質を除去することとによって創傷治癒を更に促進することができる。結果として、可溶性細菌負荷が減少し得、混入物質が除去され得、創傷を清浄にし得る。
【0005】
陰圧療法及び/又は滴下療法の臨床的利点は広く知られているが、治療システム、構成要素及びプロセスの改善は、医療提供者及び患者に利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0006】
陰圧療法環境において組織を処置するための新規の有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。特許請求されている主題を当業者が作製及び使用することを可能にするための例示的実施形態も提供されている。
【0007】
例えば、いくつかの実施形態では、組織部位からの流体を管理するための装置は、第1の層及び第2の層を備えてもよい。第1の層は、第1の端部と、第2の端部と、第1の表面と、第2の表面と、第1の表面と第2の表面との間の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の層は発泡体を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の層はまた、第1の流体経路及び第2の流体経路を含むことができる。第1の流体経路は、第1の層の第1の表面に配設されて、第1の端部から第2の端部まで延びることができる。第2の流体経路は、第1の層の第1の表面に配設されて、第1の端部から第2の端部まで延びることができる。いくつかの実施形態では、第2の層は、第1の端部と、第2の端部と、第1の表面と、第2の表面とを有することができる。いくつかの実施形態では、第2の層の第2の表面は、第1の層の第1の表面に結合することができる。
【0008】
代替として、組織部位からの流体を管理するための装置の他の例示的実施形態は、ブリッジと、カバー層とを備えてもよい。ブリッジは、導管に流体的に結合するように構成された第1の端部と、組織界面に流体的に結合するように構成された第2の端部とを有することができる。ブリッジはまた、内面、外面、及び内面と外面との間の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、ブリッジは、内面上にブリッジの長さに沿って形成された第1の管腔と、内面上にブリッジの長さに沿って形成された第2の管腔とを含むことができる。第1の管腔は、第1の管腔内に突出する複数の特徴部を含むことができる。ブリッジはまた、ブリッジの長さに沿って形成され、第1の管腔を第2の管腔から流体的に隔離するように構成された障壁を含むことができる。カバー層は、第1の端部と、第2の端部と、内面と、外面とを有することができる。カバー層の内面は、ブリッジの内面に結合され、第1の管腔及び第2の管腔を覆うことができる。いくつかの実施形態では、ブリッジは、第1の開口及び第2の開口を含むことができる。第1の開口及び第2の開口は、ブリッジの第2の端部に配設することができる。第1の開口は第1の管腔に流体的に結合することができ、第2の開口は第2の管腔に流体的に結合することができる。
【0009】
組織部位からの流体を管理するための装置を製造する方法もまた、本明細書に説明されており、いくつかの例示的実施形態は第1の層を設けることを含む。第1の層は、第1の表面及び第1の表面とは反対側の第2の表面を有する発泡体を含むことができる。第1の層を設けることは、第1の層の第1の表面上に第1の流体チャネルを形成することと、第1の層の第1の表面上に第2の流体チャネルを形成することと、第1の層の第1の表面上に障壁を形成することと、第1の層内に第1の開口を配設することと、第1の層内に第2の開口を配設することと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の流体チャネルは、第1の表面から第1の流体チャネル内へと延びる複数の特徴部を含むことができる。いくつかの実施形態では、障壁は、第1の流体チャネルを第2の流体チャネルから流体的に隔離するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1の開口は、第1の流体チャネルに流体的に結合するように構成することができ、第2の開口は、第2の流体チャネルに流体的に結合するように構成することができる。いくつかの実施形態では、障壁は、第1の開口を第2の開口から流体的に隔離することができる。
【0010】
本方法は、第2の層を設けることを更に含むことができる。第2の層は、外面及び内面を有するポリマーフィルムを含むことができる。第2の層を設けることは、第2の層の内面を第1の層の第1の面に結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの導管を第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルに流体的に結合することを更に含んでもよい。
【0011】
特許請求される主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付の図面を参照することによって最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本明細書による陰圧治療及び滴下治療を提供することができる治療システムの例示的実施形態の機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図1の治療システムの例示的な実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図2のドレッシングインタフェースの組立図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図3のドレッシングインタフェースの第1の層の平面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図3の第1の層及びコネクタの一部分の斜視図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図5の線6-6に沿ったコネクタの断面図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図3の線7-7に沿った第1の層の一部分の断面斜視図である。
【
図8】
図8は、
図3のドレッシングインタフェースのいくつかの実施形態に関連し得る、第1の層の別の例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的実施形態の以下の説明は、当業者が添付の特許請求の範囲に記載されている主題を作製及び使用することを可能にする情報を提供するが、当該技術分野において既に周知のある特定の詳細を省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として解釈されたい。
【0014】
例示的実施形態はまた、添付の図面に示す様々な要素間の空間的関係又は様々な要素の空間的向き(orientation)を参照して本明細書に記載され得る。概して、このような関係又は向きは、処置を受ける位置にある患者と整合する又は当該患者に対する基準系をとる。しかしながら、この基準系は厳密な規定ではなく、単に説明上の便宜的なものであることが当業者には理解されよう。
【0015】
図1は、本明細書による治療システム100の例示的実施形態の簡略化された機能ブロック図であり、治療システム100は、組織部位への局所治療溶液の滴下を用いる陰圧療法を提供することができる。
【0016】
この文脈での用語「組織部位」とは、限定されないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含む組織上又は組織内部に位置する創傷、欠損、又は他の処置標的を広範に指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、皮弁、及び移植組織を含み得る。用語「組織部位」とはまた、必ずしも創傷又は欠損がある任意の組織の領域ではないが、代わりに、追加の組織の成長を追加又は促進することが望ましいことがある領域を指し得る。例えば、陰圧は、採取及び移植され得る追加の組織を成長させるために組織部位に適用されてもよい。
【0017】
治療システム100は、陰圧源102などの陰圧源又は陰圧供給部と、1つ以上の分配構成要素とを含んでもよい。分配構成要素は、好ましくは着脱可能であり、使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能であってもよい。ドレッシング104などのドレッシング、及び、容器106などの流体容器は、治療システム100のいくつかの実施例に関連し得る分配構成要素の例である。
図1の実施例に示すように、ドレッシング104は、組織インタフェース108、カバー110、又はいくつかの実施形態では両方を備えてもよく、又はこれらから本質的になってもよい。
【0018】
流体導管は、分配構成要素の別の例示的な例である。この文脈での「流体導管」とは、2つの端部間で流体を搬送するように適合された1つ以上の管腔又は開放経路を有する、チューブ、パイプ、ホース、導管、又は他の構造体を広範に含む。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。また、いくつかの流体導管は、他の構成要素内に成形されてもよく、又はそうでなければ他の構成要素と一体的に組み合わされてもよい。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を容易にするために、インタフェース又は流体ポートを含んでもよく又は備えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシングインタフェース120は、流体導管をドレッシング104に結合することを容易にしてもよい。例えば、このようなドレッシングインタフェースは、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能なSENSAT.R.A.C(商標)Padであってもよい。
【0019】
治療システム100はまた、コントローラ112などの、調整器又はコントローラをも含み得る。追加的に、治療システム100は、動作パラメータを測定し、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ112に提供するためのセンサを含んでもよい。例えば、
図1に示すように、治療システム100は、コントローラ112に結合された第1のセンサ114及び第2のセンサ116を含んでもよい。
【0020】
一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。例えば、陰圧源102は、容器106に直接結合されてもよく、容器106を介してドレッシング104に間接的に結合されてもよい。結合とは、流体的な結合、機械的な結合、熱的な結合、電気的な結合、若しくは化学的な結合(化学結合など)、又は、いくつかの文脈では、結合のある組み合わせを含むことができる。例えば、陰圧源102は、コントローラ112に電気的に結合されてもよく、組織部位への流体経路を提供するために1つ以上の分配構成要素に流体的に結合されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、構成要素はまた、物理的近接によって、単一の構造に一体化されることによって、又は同じ材料片から形成されることによって、結合されてもよい。いくつかの文脈では、結合はまた、機械的な結合、熱的な結合、電気的な結合、又は化学的な結合(例えば化学結合)を含み得る。例えば、チューブが、ドレッシング104を容器106に機械的かつ流体的に結合してもよい。一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。例えば、陰圧源102は、容器106に直接的に結合されてもよく、導管128及び陰圧送達導管130によって容器106を介してドレッシング104に間接的に結合されてもよい。陰圧源102は、コントローラ112に電気的に結合されてもよく、組織部位への流体経路を設けるために1つ以上の分配構成要素に流体的に結合されてもよい。第1のセンサ114は、導管132及び圧力感知導管134によって直接的又は間接的にドレッシング104に流体的に結合されてもよい。
【0022】
陰圧源102などの陰圧供給部は、陰圧での空気のリザーバであってもよく、又は、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの医療施設で使用可能な壁面吸引ポート、若しくはマイクロポンプなどの手動若しくは電動のデバイスであってもよい。「陰圧」とは、一般的に、封止治療環境の外部の局所的環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力未満の圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧であり得る。代替的に、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧未満であり得る。別途指示のない限り、本明細書に記載されている圧力の値は、ゲージ圧である。陰圧の増加についての言及は、典型的には、絶対圧力の減少を指し、陰圧の減少は、典型的には、絶対圧力の増加を指す。陰圧源102によって提供される陰圧の量及び性質は、治療要件に応じて変化してもよいが、圧力は一般的に、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の低真空(rough vacuum)とも一般的に称される低い真空(low vacuum)である。一般的な療法範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)の間である。
【0023】
容器106は、組織部位から引き出された滲出液及び他の流体を管理するために使用され得る容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯蔵構成要素を表す。多くの環境では、剛性の容器が、流体の収集、貯蔵、及び廃棄のために好ましい又は必要とされることがある。他の環境では、流体は、剛性の容器に貯留されずに適切に廃棄される場合もあり、再使用可能な容器であれば、陰圧療法に関連する廃棄物及びコストを低減することができる。
【0024】
コントローラ112などのコントローラは、治療システム100の1つ以上の構成要素、例えば陰圧源102などを動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ112はマイクロコントローラであってもよく、これは一般的に、プロセッサコアと、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされたメモリとを含む集積回路を含む。動作パラメータは、例えば、陰圧源102に適用される電力、陰圧源102によって生成される圧力、又は組織インタフェース108に分配される圧力を含み得る。コントローラ112はまた、好ましくは、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成されており、入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされている。
【0025】
第1のセンサ114及び第2のセンサ116などのセンサは、一般的に、当該技術分野において、物理的現象又は特性を検出又は測定するように動作可能な任意の装置として知られており、一般的に、検出又は測定された現象又は特性を示す信号を提供する。例えば、第1のセンサ114及び第2のセンサ116は、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ114は、空気通路内の圧力を測定し、測定値を、測定された圧力を示す信号に変換するように構成されたトランスデューサであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のセンサ114は、ピエゾ抵抗型歪みゲージであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ116は、陰圧源102の動作パラメータ、例えば電圧又は電流などを任意選択的に測定することができる。好ましくは、第1のセンサ114及び第2のセンサ116からの信号は、コントローラ112への入力信号として好適であるが、いくつかの実施形態では、ある信号調整が適切であり得る。例えば、信号は、信号がコントローラ112によって処理され得る前に、フィルタリング又は増幅される必要があり得る。典型的には、信号は電気信号であるが、光信号などの他の形態で表されてもよい。
【0026】
組織インタフェース108は、一般的に、組織部位に部分的又は完全に接触するように適合することができる。組織インタフェース108は多くの形態をとってもよく、実施されている処置のタイプ、又は組織部位の性質及びサイズなどの様々な要因に応じて、多くのサイズ、形状、又は厚さを有してもよい。例えば、組織インタフェース108のサイズ及び形状は、深い不規則な形状の組織部位の輪郭に適合されてもよい。組織インタフェース108の面のうちのいずれか又は全ては、凹凸のプロファイル、粗いプロファイル、又はぎざぎざのプロファイルを有し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース108は、マニホールドを備えてもよい、又は本質的にマニホールドから構成されてもよい。この文脈でのマニホールドは、圧力下で組織インタフェース108にわたって流体を収集又は分配するための手段を備えてもよい、又はこれから本質的になってもよい。例えば、マニホールドは、源から陰圧を受け取る、及び複数の開口を介して組織インタフェース108にわたって陰圧を分配するように適合されてもよく、これは、組織部位にわたって流体を収集し流体を源に向けて引き込む効果を有し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は逆にされてもよく、又は二次流体経路が、滴下用溶液の源からの流体などの流体を組織部位にわたって送達することを容易にするために設けられてもよい。
【0028】
いくつかの例示的実施形態では、マニホールドは、流体の分配又は収集を改善するために相互接続され得る複数の経路を備え得る。いくつかの例示的実施形態では、マニホールドは、相互接続された流体経路を有する多孔質材料を備えてもよい、又はこのような多孔質材料から本質的になってもよい。相互接続された流体経路(例えば、チャネル)を形成するように適合させることが可能な好適な多孔質材料の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含めた、気泡発泡体、多孔質組織集合体、並びに、細孔、縁部、及び/又は壁部を一般的に含むガーゼ若しくはフェルトマットなどの他の多孔質材料が挙げられ得る。液体、ゲル、及び他の発泡体はまた、開口及び流体通路を含んでよい、又はこれらを含むように硬化してもよい。いくつかの実施形態では、マニホールドは、追加的又は代替的に、相互接続された流体経路を形成する突起を備えてもよい。例えば、マニホールドは、相互接続された流体通路を画定する表面突起を設けるように成形され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース108は、所定の治療の必要性に応じて変化し得る細孔サイズ及び自由体積を有する網状発泡体を備えてもよい、又は本質的に網状発泡体から構成されてもよい。例えば、少なくとも90%の自由容積を有する網状発泡体は、多くの治療用途に好適であり得るものであり、400~600マイクロメートルの範囲の平均細孔サイズ(1インチ当たり40~50個の細孔)を有する発泡体は、一部のタイプの治療に特に好適であり得る。組織インタフェース108の引張強度はまた、処方された治療の必要性に従って変化し得る。例えば、発泡体の引張強度は、局所治療溶液の滴下のために増加してもよい。組織インタフェース108の25%圧縮荷重たわみは、平方インチ当たり少なくとも0.35ポンドであってもよく、65%圧縮荷重たわみは、平方インチ当たり少なくとも0.43ポンドであってもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース108の引張強度は、平方インチ当たり少なくとも10ポンドであってもよい。組織インタフェース108は、インチ当たり少なくとも2.5ポンドの引裂強度を有し得る。一部の実施形態では、組織インタフェースは、ポリエステル又はポリエーテルなどのポリオール、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネート、並びにアミン及びスズ化合物などの重合調節剤から構成される、発泡体であり得る。いくつかの例では、組織インタフェース108は、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から両方とも入手可能な、GRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシングに見られるような、網状ポリウレタン発泡体であってもよい。
【0030】
組織インタフェース108の厚さはまた、処方された治療の必要性に応じて変化し得る。例えば、組織インタフェースの厚さを減少させて、末梢組織への張力を低減することができる。組織インタフェース108の厚さはまた、組織インタフェース108の適合性に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、約5ミリメートル~10ミリメートルの範囲の厚さが好適であり得る。
【0031】
組織インタフェース108は、疎水性又は親水性のいずれかであり得る。組織インタフェース108が親水性であり得る例では、組織インタフェース108はまた、陰圧を組織部位に分配し続けつつ、流体を組織部位から離れるように吸い上げることができる。組織インタフェース108の吸い上げ特性は、毛細管流又は他の吸い上げ機構によって流体を組織部位から離れるように引き寄せることができる。好適であり得る親水性材料の一例は、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシングなどのポリビニルアルコールの連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体は、ポリエーテルから作製されたものを含み得る。親水性特徴を呈し得る他の発泡体は、親水性を付与するように処理又はコーティングされた疎水性発泡体を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース108は、生体吸収性材料から構築され得る。好適な生体吸収性材料は、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含み得るが、これに限定されない。ポリマーブレンドはまた、限定するものではないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプロラクトン(capralactone)をも含み得る。組織インタフェース108は、新しい細胞成長のためのスキャフォールドとして更に機能してもよく、又はスキャフォールド材料は、細胞成長を促進するために、組織インタフェース108と共に使用されてもよい。スキャフォールドは、一般に、細胞の成長又は組織の形成を強化又は促進するために使用される物質又は構造体、例えば、細胞成長のためのテンプレートを提供する3次元多孔質構造体などである。スキャフォールド材料の例示的な例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラル(coral)ヒドロキシアパタイト、カーボネート、又は、加工された同種移植片材料が挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、カバー110は、細菌に対する障壁、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー110はまた、蒸発損失を低減することができ、2つの構成要素間又は2つの環境間の流体封止、例えば、療法環境と局所的外部環境との間の流体封止などを提供することができる材料から構築され得る。カバー110は、例えば、組織部位において所与の陰圧源の陰圧を維持するのに適切なシールを設けることができるエラストマーのフィルム又は膜を備えてもよい、又はこれから構成されてもよい。カバー110は、いくつかの用途において、高い水蒸気透過率(moisture-vapor transmission rate、MVTR)を有してもよい。例えば、MVTRは、いくつかの実施形態では、38℃及び相対湿度(RH)10%において、ASTM E96/E96MのUpright Cup Methodによる直立カップ法を使用して測定された際、24時間当たり少なくとも250グラム/平方メートルであり得る。いくつかの実施形態では、24時間当たり最大5,000グラム/平方メートルのMVTRが、有効な通気性及び機械的特性を提供し得る。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態では、カバー110は、水蒸気に透過性であるが液体に不透過性である、ポリウレタンフィルムなどのポリマードレープであってもよい。このようなドレープは、典型的には、25~50マイクロメートルの範囲の厚さを有する。透過性材料については、透過性は、概して、所望の陰圧を維持できる程度に低くすべきである。カバー110は、例えば、以下の材料のうちの1つ以上を含んでもよい。親水性ポリウレタンなどのポリウレタン(PU)、セルロース誘導体、親水性ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性アクリル、親水性シリコーンエラストマーなどのシリコーン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、コポリエステル、及びポリエーテルブロックポリミドコポリマー。そのような材料は、例えば、3M Company(Minneapolis Minnesota)から市販のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison Corporation(Pasadena,California)から市販のポリウレタン(PU)ドレープ、例えばArkema S.A.(Colombes,France)製のポリエーテルブロックポリアミドコポリマー(PEBAX)、並びに、Expopack Advanced Coatings(Wrexham,United Kingdom)から市販のInspire 2301及びInspire 2327ポリウレタンフィルム、として市販されている。いくつかの実施形態では、カバー110は、2600g/m2/24時間のMVTR(直立カップ法)及び約30マイクロメートルの厚さを有するINSPIRE2301を含み得る。
【0035】
取り付けデバイスは、カバー110を、無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取り付け表面に取り付けるために使用されてもよい。取り付けデバイスは、多くの形態を取り得る。例えば、取り付けデバイスは、カバー110を組織部位の周りの表皮に接合するように構成された医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、カバー110の一部又は全てが、約25~65グラム/平方メートル(g.s.m.)のコーティング重量を有し得るアクリル接着剤などの接着剤でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが、シールを改善し漏れを低減するために適用されてもよい。取り付けデバイスの他の例示的な実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを含み得る。
【0036】
治療システム100はまた、溶液源118などの滴下溶液源を含んでもよい。溶液源118はドレッシング104に流体的に結合されてもよく、いくつかの実施形態では、溶液源118は、滴下ポンプ124などの陽圧源に流体的に結合されてもよい。滴下調整器122などの調整器はまた、組織部位への滴下用溶液(例えば、生理食塩水)の適切な投与量を確実にするために、溶液源118及びドレッシング104に流体的に結合されてもよい。例えば、滴下調整器122はピストンを含み得て、ピストンは、陰圧間隔中に溶液源から滴下用溶液を引き込むために、また通気間隔中に溶液をドレッシングに滴下するために、陰圧源102によって空気圧で作動され得る。追加的に又は代替的に、コントローラ112は、組織部位への滴下用溶液の投与量を制御するために、陰圧源102、滴下ポンプ124、又はその両方に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、
図1の例に示すように、滴下調整器122はまた、ドレッシング104を介して陰圧源102に流体的に結合されてもよい。
【0037】
滴下ポンプ124は、
図1の例示的な実施形態に示すように、溶液源118に流体的に結合されてもよい。滴下ポンプ124はまた、陰圧源102に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、滴下ポンプ124は、陰圧源102に直接結合されてもよい。他の実施形態では、滴下ポンプ124は、他の分配構成要素を介して陰圧源102に間接的に結合されてもよい。例えば、滴下ポンプ124は、ドレッシング104を介して陰圧源102に流体的に結合されてもよい。更に、滴下ポンプ124は、導管136、導管138、及び導管140によって、溶液源118及び滴下調整器122を介してドレッシング104に間接的に結合されてもよい。代替として、滴下ポンプ124は、ドレッシング104に結合された第2のドレッシングインタフェースを介してドレッシング104に間接的に結合されてもよい。
【0038】
溶液源118はまた、滴下療法用の溶液を提供することができる容器、キャニスタ、パウチ、バッグ、又は他の貯留構成要素を表すことができる。溶液の組成は、処方された療法に応じて変化してもよいが、いくつかの処方に好適であり得る溶液の例としては、次亜塩素酸塩系溶液、硝酸銀(0.5%)、イオウ系溶液、ビグアニド類、カチオン性溶液、及び等張溶液が挙げられる。
【0039】
封止治療環境内などの別の構成要素又は位置における圧力を低減するために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑であり得る。しかし、陰圧療法及び滴下に適用可能な流体力学の基本原理は概して当業者に周知であり、圧力を低減するプロセスは、例えば、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「生成する」ものとして本明細書で例示的に説明され得る。
【0040】
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿って、より低い圧力に向けて流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、陰圧源に相対的により近い、又は陽圧源からより遠く離れている流体経路内の位置を意味する。逆に、「上流」という用語は、陰圧源から相対的により遠く離れている、又は陽圧源により近い位置を意味する。同様に、このような基準系における流体の「入口」又は「出口」の観点からある特徴部を記載することが便利であり得る。この向きは、概して、本明細書において様々な特徴部及び構成要素を記載する目的で想定されている。しかしながら、流体経路はまた、いくつかの用途では、陰圧源を陽圧源に置き換えることなどによって逆転されてもよく、この記載上の規定は、限定的な規定として解釈されるべきではない。
【0041】
いくつかの実施形態では、コントローラ112は、第1のセンサ114などの1つ以上のセンサからデータを受信し処理することができる。コントローラ112はまた、組織インタフェース108に送達される圧力を管理するために、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、所望の目標圧力を受け取るための入力を含み得て、組織インタフェース108に適用される目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するように、プログラムされ得る。いくつかの例示的実施形態では、目標圧力は固定圧力値であってもよく、固定圧力値は、組織部位における療法に所望される目標陰圧として操作者によって設定され、次いで、コントローラ112に入力として提供される。目標圧力は、組織部位を形成する組織のタイプ、(存在する場合)傷害又は創傷のタイプ、患者の健康状態、及び主治医の選好に基づいて、組織部位に応じて変化してもよい。所望の目標圧力の選択後、コントローラ112は、目標圧力に基づいて、陰圧源102を1つ以上の制御モードで動作させることができ、組織インタフェース108における目標圧力を維持するために、1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。
【0042】
治療システム100はまた、例えば、調整器126などの流量調整器を備えてもよく、流量調整器は、周囲空気源に流体的に結合されて、周囲空気の制御された又は管理された流れを、ドレッシング104によって及び最終的には組織部位によって提供される封止治療環境に提供してもよい。いくつかの実施形態では、調整器126は、周囲空気の流れを制御して、封止治療環境から流体及び滲出液をパージしてもよい。いくつかの実施形態では、調整器126は、ドレッシングインタフェース120を介して、組織インタフェース108に流体的に結合されてもよい。調整器126は、組織インタフェース108を周囲空気源に流体的に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、調整器126は、使用中に、調整器126を通って流れる空気が偶発的な閉塞の影響を受けにくいように、ドレッシング104に近接するのではなく、治療システム100内に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、調整器126は、使用中に調整器126が閉塞される可能性が低い、容器106に近接した及び/又は周囲空気源に近接した場所に配置されてもよい。
【0043】
いくつかの治療システムは、漏出及び閉塞が発見されずに治療に悪影響を及ぼさないことを確実にするために、継続的なモニタリング、維持管理、及びサポートを必要とする。例えば、漏出又は閉塞は、陰圧が組織部位に送達されることを完全に又は部分的に妨げ得る。加えて、いくつかのドレッシングは、組織部位に正確に位置合わせし、適用することが困難であり得る。例えば、臨床医がドレッシングをカバー内の開口と位置合わせすることが困難であり得る。ドレッシングの不適切な適用及び位置合わせは、陰圧が組織部位に送達されることを妨げる、漏出を引き起こすことがある。更に、ドレッシングが正確に適用されていない場合、ドレッシングを交換する必要があり得、その結果、無駄が生じる。ドレッシングの位置ずれによるドレッシングの反復的な除去又は再配置は、患者への不快感を引き起こし、治療を中断させ、組織部位の周囲にあるカバー又は健康な組織を潜在的に損傷させる可能性がある。
【0044】
これらの制限及びその他の制限は、陰圧治療を提供し得る治療システム100によって対処されてもよい。いくつかの実施形態では、治療システム100はまた、滴下治療を提供してもよい。いくつかの実施形態では、治療システム100はまた、漏出及び閉塞を継続的に監視し、臨床医によって必要とされる治療の維持管理及び進行中の治療支援時間を低減し得る。例えば、ドレッシングインタフェース120は、組織部位における圧力を監視するために、1つ以上の圧力感知経路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、治療システム100は、漏出又は閉塞が生じたかどうかを示すためのセンサ及びアラームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシングインタフェース120はまた、閉塞を防止し、陰圧治療及び/又は滴下治療のための開放経路を維持するために、複数の流体経路を含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、治療システム100のドレッシング104は、漏出を防止するために、組織部位に容易に位置合わせして適用することができる。例えば、治療システム100のドレッシングインタフェース120は、カバー110にわたって流体結合を改善し、カバー110内の開口とドレッシングインタフェース120との間の位置ずれの事例を低減し得る。適切に位置合わせされたドレッシングはまた、位置ずれしたドレッシングを再配置しなければならないことによる患者の不快感を防ぎ、位置ずれしたドレッシングを完全に交換しなければならないことによる無駄を防ぐことができる。
【0046】
図2は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、治療システム100の例示的な実施形態の概略図である。治療システム100のいくつかの構成要素は、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、ディスプレイデバイス、又は治療を更に促進するユーザインタフェースなどの他の構成要素内に収容される、又はそれらと併せて使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、陰圧源102は、コントローラ112、溶液源118、及び他の構成要素と組み合わせて、治療ユニット200などの治療ユニットにしてもよい。治療ユニット200は、例えば、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能なV.A.C.ULTA(商標)治療ユニットであってもよい。
【0047】
動作中、組織インタフェース108は、組織部位202などの組織部位内に、組織部位を覆って、組織部位上に、又は別様に組織部位の近くに配置されてもよい。例えば、組織部位が創傷である場合、組織インタフェース108は、部分的若しくは完全に創傷を塞いでもよく、又は、創傷の上に配置されてもよい。
図2の例では、組織部位202は、表皮208、又は一般的には皮膚、及び真皮210を通って延び、皮下組織、又は皮下組織212に達する。治療システム100を用いて、任意の深さの創傷に加え、開放創、切開創、又は他の組織部位を含む多くの異なる種類の創傷を治療することができる。組織部位202の治療は、滲出液又は腹水などの、組織部位202から生じる流体、又は抗菌溶液などの、組織部位202を洗浄又は治療するためにドレッシングの中に滴下される流体の除去を含んでもよい。
【0048】
カバー110は組織インタフェース108の上に配置されてもよく、取り付けデバイス204が、カバー110を組織部位202の近くの取り付け面に封止することができる。例えば、カバー110は、組織部位の周辺の無傷の表皮に封止されてもよい。したがって、ドレッシング104は、実質的に外部環境から隔離された、組織部位202に近接する封止治療環境を提供することができ、治療ユニット200は、封止治療環境における圧力を低下させることができる。封止治療環境において、組織インタフェース108を介して組織部位202にわたって印加される陰圧は、組織部位202における巨大な歪み及び微小な歪みを誘発することができる。陰圧はまた、組織部位202から滲出液及び他の流体を除去することができ、滲出液及び他の流体は容器106内に収集することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、カバー110は、1つ以上の開口部、開口、又は穴を有してもよい。例えば、カバーは、カバー110内に配設された穴214を有してもよい。いくつかの実施形態では、治療ユニット200は、ドレッシングインタフェース120によってドレッシング104に流体的に結合されてもよい。ドレッシングインタフェース120は、治療ユニット200を組織インタフェース108に流体的に結合するために、穴214に隣接するカバー110に結合されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、ドレッシングインタフェース120は、導管220などのチューブ又は導管に流体的に結合されるように構成された第1の端部216と、組織インタフェース108に流体的に結合されるように構成された第2の端部218とを備えてもよい。一般に、ドレッシングインタフェース120は実質的に平坦かつ可撓性であり得るが、導管220と組織インタフェース108との間の流体経路を閉塞又は遮断することなく圧縮可能でもあり得る。
【0051】
図3は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図2のドレッシングインタフェース120の組立図である。いくつかの実施形態では、ドレッシングインタフェース120は、第1の層300などのブリッジと、第2の層302などのカバー層とを含んでもよい。第1の層300は、第1の端部216から第2の端部218まで延びてもよい。第1の層300は、第1の表面304などの内面と、第2の表面306などの外面と、第1の表面304と第2の表面306との間の厚さ308とを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層300の厚さ308は、約5mm~約10mmであってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、アプリケータ310及び細長部分312を備えてもよい。アプリケータ310は、第2の端部218に配置され、組織インタフェース108に流体的に結合されるように構成されてもよい。アプリケータ310は、円形、卵形、楕円形、又は他の丸い形状であってもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータ310は、約20~約60mmの有効直径を有してもよい。他の実施形態では、アプリケータ310は、多角形、正方形、長方形、三角形、又は不定形の形状を有してもよい。
【0053】
細長部分312は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216からアプリケータ310まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータ310及び細長部分312は、第1の層300を形成するために単一のデバイスとして形成されてもよい。他の実施形態では、アプリケータ310及び細長部分312は、第1の層300を形成するために互いに結合された別個の構成要素であってもよい。
【0054】
細長部分312は、その幅よりも大きい長さを有する略矩形の本体を備えることができる。いくつかの実施形態では、細長部分312の長さは、所望の治療によって決定されてもよい。例えば、細長部分312の長さは、患者の膝を治療するためよりも患者の足を治療するための方が、長くてもよい。いくつかの実施形態では、細長部分312の長さは、約130 ~約900mmであってもよい。いくつかの実施形態では、細長部分312の長さは、細長部分312の幅の10倍であってもよい。いくつかの実施形態では、細長部分312の幅は、約20~約30mmであってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、細長部分312の幅は、組織部位202から除去される流体の量によって決定されてもよい。例えば、細長部分312の幅は、低粘度を有するより少量の流体を除去するとき、より小さくてもよい。他の実施形態では、細長部分312の幅は、高粘度を有するより多量の流体を除去するために、より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、細長部分312の幅は、アプリケータ310の有効直径未満であってもよい。他の実施形態では、細長部分312の幅は、アプリケータ310の有効直径以上であってもよい。細長部分312の幅の中心は、アプリケータ310の直径と位置合わせされてもよい。他の実施形態では、細長部分312の幅の中心は、アプリケータ310の直径からオフセットされていてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216から第2の端部218まで延びる長さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層300の長さは、細長部分312の長さにアプリケータ310の直径を加えたものに実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層300の長さは、好ましくは、約50mm~約150mmであり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、第1の層300の第1の表面304内に配設された、第1の流体経路314などの第1の管腔と、第2の流体経路316などの第2の管腔とを備えてもよい。例えば、第1の流体経路314及び第2の流体経路316は、第1の表面304から第2の表面306に向かって第1の層300の厚さ308の一部の中へ延びてもよい。第1の流体経路314及び第2の流体経路316はそれぞれ、細長部分312の長さに沿ってアプリケータ310まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層300の第1の流体経路314は、第1の流体経路314内に突出する複数の特徴部320を備えてもよい。複数の特徴部320は、半球形、円錐形、円筒形、長方形、卵形、又は測地線形状のうちのいずれか1つである体積形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の流体経路314は、組織部位202に陰圧を送達するように構成されてもよく、第2の流体経路316は、組織部位202において圧力を感知するように構成されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、アプリケータ310に向かって細長部分312の長さに沿って延びる、壁318などの障壁を備えてもよい。壁318は、第1の流体経路314を第2の流体経路316から流体的に隔離してもよい。いくつかの実施形態では、壁318は、アプリケータ310の少なくとも一部分の中へ延びてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、アプリケータ310内に配設され、第1の表面304から第2の表面306まで第1の層300の厚さ308を通って延びる、開口部322などの少なくとも1つの開口部を備えてもよい。第1の流体経路314及び第2の流体経路316は、開口部322に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、開口部322は円形であってもよい。他の実施形態では、開口部322は、円形、卵形、楕円形、多角形、正方形、長方形、三角形、又は不定形の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、壁318は、開口部322内へと延び、開口部を第1の開口324及び第2の開口326などの少なくとも2つの部分に分割してもよい。第1の流体経路314は、開口部322の第1の開口324に流体的に結合されてもよく、第2の流体経路316は、開口部322の第2の開口326に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、壁318は、アプリケータ310の開口部322内へと延び、開口部322と同心であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の層300のアプリケータ310は、凹部334を備えてもよい。凹部334は、アプリケータ310の外縁の周りに少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、凹部334は、開口部322の一部分と同心であってもよい。いくつかの実施形態では、凹部334は、第1の表面304から第2の表面306に向かって第1の層300の厚さ308に延びてもよい。他の実施形態では、凹部334は、第1の表面304から第2の表面306まで第1の層300の厚さ308を通って延びてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の層300は発泡体を備えてもよい。例えば、第1の層300は、独立気泡発泡体又は他の好適な非多孔質材料を含んでもよい。例えば、第1の層300は、シリコーン、ポリウレタン(PU)、又はエチレン酢酸ビニル(EVA)を含むか、又は本質的にそれらから構成されてもよい。これらの独立気泡発泡体の構造は、生体組織及び流体との相互作用を、あるとしても殆ど起こさない面を提供することができ、液体の自由な流れ及び低付着性を促進し得る表面を提供し、これは、多くの用途に特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、独立気泡発泡体は、約4lb/ft3~約20lb/ft3の密度を有し得る。他の実施形態では、第1の層300は、可撓性ポリウレタン樹脂、可撓性シリコーン、及び/又は可撓性可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)を備えてもよい。更に他の実施形態では、第1の層300は連続気泡発泡体を含む。連続気泡発泡体の表面は、非多孔質の第1の層300を形成するために封止されてもよい。他の実施形態では、第1の層300は、射出成形又は圧縮成形によって形成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ドレッシングインタフェース120は、取り付けデバイス336を含んでもよい。取り付けデバイス336は、第1の層300の第2の表面306に結合することができる。いくつかの実施形態では、取り付けデバイス336は、第1の層300の第2の表面306上でアプリケータ310に結合されてもよく、アプリケータ310の開口部322を囲むように構成されてもよい。例えば、接着リングは、両面感圧性接着リングであってもよい。いくつかの実施形態では、取り付けデバイス336は、ドレッシングインタフェース120をドレッシング104のカバー110に結合し、カバー110の穴214を囲み、陰圧及び流体の漏出を防止するためのシールを作成するように構成されてもよい。取り付けデバイス336の他の例示的な実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、ドレッシングインタフェース120は剥離層330を含むことができる。剥離層330は、第1の層300の第2の表面306に取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、剥離層330は、アプリケータ310に取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、剥離層330は、取り付けデバイス336に取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、剥離層330はフィルムを含んでもよい。例えば、剥離層330は、カバー110と同じ材料で形成されてもよい。剥離層330は、ドレッシングインタフェース120が組織部位202に適用される前に、取り付けデバイス336を保護することができる。例えば、ドレッシングインタフェース120の輸送及び初期取り扱い中、剥離層330は、接着リングが水分を失うことを防止し、接着リングが使用前にその粘着性を維持することを可能にし得る。ドレッシングインタフェース120の適用中、剥離層330を除去して、接着リングをカバー110と接触するように配置するために接着リングを露出させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、第2の層302は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216から第2の端部218まで延びてもよい。第2の層302はまた、第1の層300の第1の表面304に隣接して配置されるように構成されてもよい。例えば、第2の層302が第1の層300と接触するように、第2の層302と第1の層300とが積層されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の層302は、第1の表面327などの外面と、第2の表面328などの内面とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第2の層302の第2の表面328は、ドレッシングインタフェース120内に封止空間を形成するように、第1の層300の第1の表面304に結合されてもよい。第1の流体経路314及び第2の流体経路616は、第1の層300と第2の層302との間の封止空間内に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層300及び第2の層302はそれぞれ、第1の層300及び第2の層302の外縁に沿って延びる周縁部を有してもよい。第1の層300の周縁部は、第2層302の周縁部に結合されて封止空間を形成してもよい。例えば、第1の層300の周縁部及び第2の層302の周縁部は、溶着(RF又は超音波)、ヒートシール、又は例えばアクリル若しくは硬化接着剤などの接着結合によって結合されてもよい。当業者は、第1の層300を第2の層302に結合して、ドレッシングインタフェース120内に封止空間を形成するための様々な方法があることを理解するであろう。
【0065】
第2の層302の面積密度は、処方される治療又は用途に応じて変化してもよい。いくつかの実施形態では、40グラム/平方メートル未満の面積密度が好適であり得て、約20~30グラム/平方メートルの面積密度が、いくつかの用途に特に有利であり得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2の層302は、ポリエチレンフィルムなどの疎水性ポリマーを含んでもよい。ポリエチレンの単純かつ不活性な構造は、生体組織及び流体との相互作用を、あるとしても殆ど起こさない面を提供することができ、液体の自由な流れ及び低付着性を助長し得る面を提供し、これは、多くの用途に特に有利であり得る。他の好適なポリマーフィルムは、ポリウレタン、アクリル、ポリオレフィン(環状オレフィンコポリマーなど)、ポリアセテート、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、PEBAXブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、スチレン系(styreneics)、シリコーン、フルオロポリマー、及びアセテートを含む。100マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さが、多くの用途に好適であり得る。フィルムは、透明であってもよく、有色であってもよく、又は印刷されてもよい。ポリエチレンフィルムに積層するのに好適な極性のより高いフィルムは、ポリアミド、コポリエステル、アイオノマー、及びアクリルを含む。ポリエチレンと極性フィルムとの接合を補助するために、エチレン酢酸ビニル又は変性ポリウレタンなどのタイ層が使用されてもよい。エチルメチルアクリレート(EMA)フィルムもまた、いくつかの構成に好適な疎水性及び溶着特性を有し得る。他の実施形態では、第2の層302は、第1の層300と同じ材料で形成されてもよい。例えば、第2の層302は、約4lb/ft3~約20lb/ft3の密度を有する独立気泡発泡体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の層302は透明であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、コネクタ332は、ドレッシングインタフェース120に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216に結合され、第1の流体経路314及び第2の流体経路316からドレッシングインタフェース120の外部の環境への流体経路を提供してもよい。例えば、コネクタ332は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216において第1の層300及び第2の層302に接合、熱接合、溶剤接合、又は超音波溶着されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332は、ドレッシングインタフェース120の第1の層300に嵌合されてもよい。例えば、コネクタ332は、コネクタ332が治療中に引き抜かれることを防止するために、第1の層300に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332は、接着剤によって第1の層300及び第2の層302に接合されてもよい。例えば、接着剤は、紫外線硬化性接着剤、感圧接着剤、又はエポキシを含んでもよい。コネクタ332を第1の層300及び第2の層302に接合することにより、第1の流体経路314と第2の流体経路316とを分離する流体シールを形成してもよい。
【0068】
導管220は、コネクタ332に結合されてもよく、コネクタ332は、導管220を第1の流体経路314及び第2の流体経路316に流体的に結合してもよい。他の実施形態では、導管220はドレッシングインタフェース120に直接結合されてもよい。例えば、導管220は、ドレッシングインタフェース120の第1の端部216の中に挿入され、封止されてもよい。
【0069】
図4は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、
図3のドレッシングインタフェース120の第1の層300の平面図である。いくつかの実施形態では、第1の流体経路314、第2の流体経路316、及び複数の特徴部320は、第1の層300の第1の表面304上に熱成形又はレーザエッチングされてもよい。いくつかの実施形態では、複数の特徴部320は、第1の列400及び第2の列402などの少なくとも2つの列で、第1の流体経路314内に配置されてもよい。複数の特徴部320は、互いにオフセットされていてもよい。例えば、第1の列400の複数の特徴部320は、第2の列402の複数の特徴部320と互い違いに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の特徴部320は、第1の流体経路314内に複数の流路を生成してもよい。複数の流路が、閉塞を低減するために流体経路の冗長性をもたらす。例えば、複数の特徴部320によって形成された複数の流路は、開いた経路を維持しつつ、滲出液の流れを分断して、第1の流体経路314内の血塊及び濃厚な滲出液を分解し得る。いくつかの実施形態では、複数の特徴部320はまた、治療中に、第2の層302が第1の層300の第1の流体経路314及び第2の流体経路316の中に圧潰することを防止し得る。例えば、複数の特徴部320は、患者がドレッシングインタフェース120の上に横たわっている場合など、ドレッシングインタフェース120が折り畳まれているか、又は圧縮下にある場合に、第1の流体経路314及び第2の流体経路を開いたままにする。
【0070】
いくつかの実施形態では、壁318は、第1の流体経路314と第2の流体経路316との間に形成されてもよい。壁318は、第1の層300の第1の表面304と同一平面上にある外面を有してもよい。他の実施形態では、壁318は、第1の層300の厚さ308未満の高さを有してもよい。他の実施形態では、壁318は、材料のシートから形成又は型抜きされ、次いで、第1の流体経路314と第2の流体経路316との間で第1の層300に接合される、別個の構成要素であってもよい。壁318を形成する材料のシートは、第1の層300と同じ材料から構成されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、壁318の一部分は、アプリケータ310内へと延び、開口部322を第1の開口324と第2の開口326とに分割してもよい。壁318は、第1の開口324を第2の開口326から流体的に隔離してもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータ310内へと延びる壁318の一部分は、開口部322の少なくとも一部分と同心であってもよい。例えば、第2の開口326は、開口部322の周囲の一部分を含み、第1の開口324の少なくとも一部分と同心であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の開口324は、第2の開口326より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の開口324は、第1の流体経路314に流体的に結合されてもよく、第2の開口326は、第2の流体経路316に流体的に結合されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、開口部322は、第1の層300のアプリケータ310から材料を切断、打ち抜く、溶融、レーザ切断、又は別様に除去することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、開口部322は、第1の流体経路314、第2の流体経路316、及び壁318を形成した後に形成されてもよい。例えば、開口部322は、壁318の第1の側でアプリケータ310から材料の一部分を除去して第1の開口324を形成し、壁318の第2の側でアプリケータ310から材料の一部分を除去して第2の開口326を形成することによって、形成されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、凹部334は、第1の層300の第1の表面304上のアプリケータ310の周囲の一部分を熱成形、レーザエッチング、又はコンピュータ数値制御(CNC)フライス加工することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、凹部334は、第1の表面304から第1の層300のアプリケータ310の一部分の中へと延びてもよい。他の実施形態では、凹部334は、第1の層300の第1の表面304から第2の表面306まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、凹部334は、組織部位202におけるドレッシングインタフェースの正確な配置を補助してもよい。例えば、凹部334は、アプリケータ310をより可撓性にし、ユーザ及び患者がアプリケータ310を組織部位202に適切に配置するのを補助する。加えて、又は代替として、凹部334は、ドレッシングインタフェース120の製造及び漏出試験を補助してもよい。例えば、凹部334は、アプリケータ310内で圧縮又はクランプされる必要がある材料をより少なくする。アプリケータ310を圧縮又はクランプすることにより、ユーザが、試験のために第1の流体経路314及び/又は第2の流体経路316を遮断できる。
【0074】
図5は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図3の第1の層300及びコネクタ332の一部分の斜視図である。コネクタ332は、第1の本体500及び第2の本体502を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502は円筒形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502は、1つ以上の平坦面を有してもよい。例えば、第1の本体500及び第2の本体502は、丸みを帯びた表面と、丸みを帯びた表面から第1の本体500及び第2の本体502の反対側の平坦面とを有してもよい。第1の本体500及び第2の本体502の平坦面は、第1の層300の第1の表面304に結合されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層500及び第2の層502はそれぞれ、長さを有してもよい。例えば、第1の本体500の長さは約7~約10mmであってもよく、第2の本体502の長さは約5~約10mmであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502の長さは実質的に等しくてもよい。他の実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502の長さは等しくなくてもよい。例えば、第2の本体502の長さは、第1の本体500の長さより長くてもよい。更に他の実施形態では、第1の本体500の長さは、第2の本体502の長さより長くてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、コネクタ332の第1の本体500及び第2の本体502はそれぞれ、高さを有してもよい。例えば、第1の本体500の高さは約6~約10mmであってもよく、第2の本体502の高さは第1の層300の厚さ308よりも約0.25mm薄くても厚くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502の高さは等しくなくてもよい。例えば、第1の本体500の高さは、第2の本体502の高さより高くてもよい。他の実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502の高さは実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502の一方又は両方の高さは、第1の層300の厚さ308と実質的に等しくてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、コネクタ332は、第1の流体経路508などの一次管腔と、第2の流体経路510などの二次管腔とを備えてもよい。第1の流体経路508は、第2の流体経路510から流体的に隔離されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332は、第1の流体経路314を第2の流体経路316から流体的に隔離してもよい。例えば、第1の流体経路508は第1の流体経路314に流体的に結合されてもよく、第2の流体経路510は、第2の流体経路316に流体的に結合されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の本体500は、第1の端部504及び第2の端部506を備えてもよい。第1の本体500の第1の端部504は、導管220を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502は、コネクタ332を形成する単一のデバイスであってもよい。他の実施形態では、第1の本体500及び第2の本体502は、コネクタ332を形成するために互いに結合された別個の構成要素であってもよい。例えば、第1の本体500の第2の端部506は、第2の本体502を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332は、射出成形又は機械加工によって形成されてもよい。
【0078】
図6は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図5の線6-6に沿ったコネクタ332の断面図である。いくつかの実施形態では、第1の流体経路508は、第1の本体500の第1の端部504から第2の端部506まで、コネクタ332の第2の本体502を通って延びてもよい。第2の流体経路510は、第1の本体500の第1の端部504から第2の端部506まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、第2の流体経路510は、第1の流体経路508から流体的に隔離され、第1の流体経路508の外に出てもよい。例えば、第2の流体経路510は、第1の流体経路508を取り囲む1つ以上の管腔を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、導管220は、コネクタ332に流体的に結合された多管腔導管であってもよい。例えば、導管220は、中心管腔と、中心管腔を取り囲む1つ以上の周辺管腔とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、中心管腔は、第1の流体経路508に流体的に結合されてもよく、1つ以上の周辺管腔は、第2の流体経路510に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、多管腔導管の中心管腔は、陰圧送達導管130などの陰圧送達管腔を備えてもよく、多管腔導管の1つ以上の周辺管腔は、圧力感知導管134などの圧力感知管腔を備えてもよい。いくつかの実施形態では、陰圧送達導管130は、コネクタ332の第1の流体経路508に流体的に結合されてもよく、圧力感知導管134は、コネクタ332の第2の流体経路510に流体的に結合されてもよい。陰圧送達導管130は、組織部位202に陰圧を送達するように構成されてもよく、圧力感知導管134は、組織部位202における陰圧を感知するように構成されてもよい。
【0080】
図7は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、
図3の線7-7に沿った第1の層300の一部の断面斜視図である。いくつかの実施形態では、第1の流体経路314は、第1の表面304から第2の表面306に向かって第1の層300の厚さ308内へと延びる第1のチャネル深さ704を備えてもよい。第1の流体経路314はまた、第1のチャネル深さ704に垂直に延びる第1のチャネル幅706を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャネル深さ704は約3mm~約5mmであってもよく、第1のチャネル幅706は約3mm~約5mmであってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、第2の流体経路316は、第1の表面304から第2の表面306に向かって第1の層300の厚さ308内へと延びる第2のチャネル深さ708を備えてもよい。第2の流体経路316はまた、第2のチャネル深さ708に垂直に延びる第2のチャネル幅710を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャネル深さ708は約3mm~約5mmであってもよく、第2のチャネル幅710は約3mm~約5mmであってもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の層300は、第1の層300の長さに沿って第1の流体経路314の外側に延びる少なくとも1つの溝を備えてもよい。例えば、第1の層300は、第1の流体経路314の第1の側面712に沿って延びる第1の溝700と、第1の流体経路314の第1の側面712とは反対側の第2の側面714に沿って延びる第2の溝702とを含んでもよい。第1の流体経路314の第2の側面714は、壁318に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702はそれぞれ、第1の層300の長さに沿って、第1の流体経路314に平行に延びてもよい。他の実施形態では、第1の層300はまた、第2の流体経路316の外側に出て、第1の層300の長さに沿って延びる第3の溝を備えてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702は、ドレッシングインタフェース120が圧縮下にあるか、又はきつく折り畳まれているとき、第1の流体経路314を開いたままにすることによって閉塞を防止してもよい。例えば、第1の溝700及び第2の溝702はそれぞれ、閉塞に抵抗する幅及び深さを有してもよい。第1の溝700及び第2の溝702の深さは、第1の表面304から第1の層300の厚さ308の中へと延びてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702の深さは、第1のチャネル深さ704より深くてもよい。例えば、第1の溝700の深さ及び第2の溝702の深さは、第1のチャネル深さ704よりも約1mm~約2mm深くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702の深さは実質的に等しくてもよい。他の実施形態では、第1の溝700の深さ及び第2の溝702の深さは等しくなくてもよい。例えば、第1の溝700の深さは第2の溝702の深さより深くてもよいし、第2の溝702の深さは第1の溝700の深さより深くてもよい。
【0084】
第1の溝700及び第2の溝702の幅は、第1の溝700及び第2の溝702の深さに対して垂直に延びてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702の幅は約1.5mm~約2mmであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702の幅は実質的に等しくてもよい。他の実施形態では、第1の溝700及び第2の溝702の幅は等しくなくてもよい。例えば、第1の溝700の幅は第2の溝702の幅より大きくてもよく、又は第2の溝702の幅は第1の溝700の幅より大きくてもよい。
【0085】
動作中、ドレッシングインタフェース120によって、組織部位202に陰圧が供給され得る。
図2に示すように、治療ユニット200の陰圧源102から供給された陰圧は、組織部位202への送達のために、導管220を通ってドレッシングインタフェース120に移動し得る。いくつかの実施形態では、導管220は、陰圧送達導管130及び圧力感知導管134を備える多管腔導管であってもよい。そのような実施形態では、治療ユニット200の陰圧源102から供給された陰圧は、導管220を通ってコネクタ332に移動してもよい。コネクタ332は、陰圧送達導管130を圧力感知導管134から分離してもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ332はまた、陰圧送達導管130を第1の流体経路314に流体的に結合し、圧力感知導管134を第2の流体経路316に流体的に結合してもよい。次いで、導管220の陰圧送達導管130、第1の流体経路314、及びアプリケータ310の開口部322内の第1の開口324を通って、組織部位202に陰圧が供給されてもよい。
【0086】
圧力はまた、ドレッシングインタフェース120によって、組織部位202において測定されてもよい。いくつかの実施形態では、治療ユニット200は、組織部位202における圧力を監視するためのセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、導管220の圧力感知導管134を介して組織部位202に流体的に結合されてもよい。そのような実施形態では、コネクタ332は、圧力感知導管134を陰圧送達導管130から分離し、圧力感知導管134をドレッシングインタフェース120の第2の流体経路316に流体的に結合してもよい。次いで、圧力は、導管220の圧力感知導管134、第2の流体経路316、及びアプリケータ310の開口部322内の第2の開口326を介して、組織部位202において感知されてもよい。
【0087】
他の実施形態では、滴下流体が、ドレッシングインタフェース120の第2の流体経路316を通って、組織部位202に送達されてもよい。例えば、滴下流体は、治療ユニット200の溶液源118から供給されてもよく、組織部位202への送達のために、導管220を通ってドレッシングインタフェース120の第2の流体経路316に移動してもよい。滴下流体及び創傷滲出液などの他の流体は、治療ユニット200の陰圧源102によって、ドレッシングインタフェース120の第1の流体経路314を通って除去されてもよい。いくつかの実施形態では、滴下流体及び他の流体は、治療ユニット200の容器106内に収集されてもよい。
【0088】
図8は、
図3のドレッシングインタフェース120のいくつかの実施形態に関連し得る、第1の層300の別の実施例の平面図である。いくつかの実施形態では、第1の層300は、第1の流体経路314内に突出する第1の複数の特徴部800と、第2の流体経路316内に突出する第2の複数の特徴部802を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数の特徴部800及び第2の複数の特徴部802は、卵形の形状を有してもよい。他の実施形態では、第1の複数の特徴部800及び第2の複数の特徴部802は、半球形、円錐形、円筒形、長方形、又は測地線形状のうちのいずれか1つである体積形状を有してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の流体経路314及び第2の流体経路316は、壁318によって流体的に隔離され、別個のコネクタを必要としてもよい。例えば、第1のコネクタ及び第2のコネクタ(図示せず)が、それぞれ第1の流体経路314及び第2の流体経路316に結合されてもよい。第1のコネクタ及び第2のコネクタは、第1の流体経路314及び第2の流体経路316を治療ユニット200に流体的に結合するように構成されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1の層300の壁318は、開口部322を通ってアプリケータ310内へと延びてもよい。例えば、壁318は、開口部322内へと延び、開口部322を第1の開口324と第2の開口326とに分割してもよい。いくつかの実施形態では、第1の開口324及び第2の開口326は実質的に同じサイズであってもよい。他の実施形態では、第1の開口324は第2の開口326より大きくてもよい。第1の開口324及び第2の開口326のサイズ及び位置は、アプリケータ310がカバー110内の穴214と位置合わせされていない場合であっても、第1の流体経路314及び第2の流体経路316の両方を組織部位202に流体的に結合するのを補助する。
【0091】
いくつかの実施形態では、
図8のアプリケータ310は可撓性であり、組織部位202の輪郭に適合してもよい。アプリケータ310の可撓性及び適合性は、ユーザ及び/又は患者がアプリケータ310を組織部位202に適切に配置するのを補助し得る。加えて、アプリケータ310は、陰圧下にあるとき、組織部位202に対して平坦化すること又は組織部位202からの離昇に抵抗し得る。
【0092】
組織部位からの流体を管理するための装置を製造する方法も、開示されている。例示的な形態では、本方法は、第1の層を設けることと、第2の層を設けることとを含んでもよい。第1の層は、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する発泡体を備えてもよい。いくつかの実施形態では、発泡体は独立気泡発泡体を含み得る。いくつかの実施形態では、発泡体は、約4lb/ft3~約20lb/ft3の密度を有してもよい。第2の層は、外面及び内面を有するポリマーフィルムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムは、エチレン酢酸ビニルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム干し草は、約100μm~約250μmの厚さを有する。
【0093】
本方法は更に、第1の層の第1の表面上に第1の流体チャネルを形成することと、第1の層の第1の表面上に第2の流体チャネルを形成することと、第1の層の第1の表面上に障壁を形成することと、を含んでもよい。障壁は、第1の流体チャネルを第2の流体チャネルから流体的に隔離するように構成されてもよい。第1の流体チャネルを形成することは、第1の層の第1の表面上に第1の流体チャネルを熱成形又はレーザエッチングすることを含んでもよい。第2の流体チャネルを形成することは、第1の層の第1の表面上に第2の流体チャネルを熱成形又はレーザエッチングすることを含んでもよい。本方法は更に、第1の流体チャネルの外側に第1の溝を形成することと、第1の流体チャネルの外側の第1の溝の反対側に第2の溝を形成することと、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は更に、第2の流体チャネルの外側に第3の溝を形成することを含んでもよい。第1の溝、第2の溝、及び第3の溝を形成することは、第1の層の第1の表面を熱成形又はレーザエッチングすることを含んでもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の流体チャネルは、第1の層の第1の表面から第1の流体チャネル内へと延びる複数の特徴部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数の特徴部は、加熱されたツールを第1の層にプレスすることによって形成されてもよい。例えば、複数の特徴部は、加熱された鋼製ツールを油圧プレスで第1の層にプレスすることによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の特徴部は第1の複数の特徴部を備えてもよく、本方法は、第2の流体チャネル内へと延びる第1の層の第1の表面上に第2の複数の特徴部を形成することを更に含んでもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の層内に第1の開口を配設することと、第1の層内に第2の開口を配設することとを更に含んでもよい。第1の開口は、第1の流体チャネルに流体的に結合されるように構成されてもよく、第2の開口は、第2の流体チャネルに流体的に結合されるように構成されてもよい。本方法は更に、第2の層の内面を第1の層の第1の表面に結合することを含んでもよい。例えば、第2の層の内面は、溶着(RF又は超音波)、ヒートシール、又は例えばアクリル若しくは硬化接着剤などの接着結合によって、第1の層の第1の表面に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法はまた、少なくとも1つの導管を第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルに流体的に結合することを含んでもよい。
【0096】
いくつかの更なる実施形態では、本方法は、コネクタを設けることを更に含んでもよい。コネクタを設けることは、コネクタを第1の層及び第2の層に結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタを結合することは、コネクタを第1の層及び第2の層に超音波溶着すること、コネクタを第1の層及び第2の層に熱接合すること、又はコネクタを第1の層及び第2の層に溶剤接合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタを結合することは、コネクタを第1の層及び第2の層に接合することを含んでもよい。例えば、コネクタは、接着剤によって第1の層及び第2の層に接合されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は紫外線硬化性接着剤、感圧接着剤、又はエポキシであってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは第1の層に埋め込まれてもよい。本方法は更に、少なくとも1つの導管をコネクタに流体的に結合することを含んでもよい。コネクタは、第1の流体チャネルを第2の流体チャネルから流体的に隔離してもよい。
【0097】
本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、著しい利点を提供することができる。例えば、本明細書に記載の実施形態は、第1の流体経路314を第2の流体経路316から流体的に隔離し、陰圧送達及び圧力感知が分離されることを可能にする、ドレッシングインタフェース120を設けてもよい。加えて、この構成により、第1の流体経路314及び第2の流体経路316が個別に漏出試験されることが可能になる。例えば、第1の流体経路314又は第2の流体経路316内に漏出が存在するかどうかを判定するために、ドレッシングインタフェース120のアプリケータ310がクランプされ、コネクタ332及びドレッシングインタフェース120を通って陰圧又は陽圧が送達されてもよい。漏出又は閉塞を検出する能力は、治療の維持管理を低減させ、進行中の治療支援時間を低減させ、デバイス及び使い捨て品の交換を低減させることができる。
【0098】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、組織部位202におけるドレッシングインタフェース120の正確な配置を簡略化するように構成されてもよい。例えば、ドレッシングインタフェース120は、ドレッシングインタフェース120とカバー110の穴214との位置ずれによって引き起こされる合併症を減少させることができる。壁318は、アプリケータ310の開口部322内へと延び、開口部を、第1の開口324などの第1の部分と、第2の開口326などの第2の部分とに分割してもよい。壁は、開口部322の第1の開口324の周りを少なくとも部分的に包んでもよい。第1の流体経路314は第1の開口324に流体的に結合されてもよく、第2の流体経路316は第2の開口326に流体的に結合されてもよい。第2の開口326は、第1の開口324の少なくとも一部分を取り囲むことができ、アプリケータ310がカバー110の穴214の中心に配置されていない場合であっても、第1の流体経路314及び第2の流体経路316がそれぞれアプリケータ310の開口部322を介して組織部位202に流体的に結合されていることを確実にする。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態において示されているが、本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内の様々な変更及び修正が可能であることが、当業者には理解されよう。また、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「a」又は「an」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の場合に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用の目的で、様々な構成で組み合わされてもよく、又は排除されてもよい。例えば、いくつかの構成において、ドレッシング104、容器106、又はその両方は、製造又は販売のために、排除されてもよく、又は他の構成要素から分離されてもよい。他の例示的な構成において、コントローラ112はまた、他の構成要素とは独立して製造されてもよく、構成されてもよく、組み立てられてもよく、又は販売されてもよい。
【0100】
添付の特許請求の範囲は、上記の主題の新規性及び進歩性を記載するが、特許請求の範囲はまた、具体的には詳細に記載されていない追加の主題を包含し得る。例えば、ある特徴、要素、又は態様は、新規性及び進歩性を有する特徴を当業者に既に知られているものから区別するのに必要でない場合、特許請求の範囲から省略され得る。いくつかの実施形態の文脈で記載されている特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、省略されてもよく、組み合わされてもよく、又は同じ目的、均等の目的、若しくは同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられてもよい。
【国際調査報告】