(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】癌を処置する為の医薬組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7068 20060101AFI20231109BHJP
A61K 31/7052 20060101ALI20231109BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20231109BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231109BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231109BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231109BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A61K31/7068
A61K31/7052
A61K31/496
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P35/02
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526030
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 US2021056809
(87)【国際公開番号】W WO2022093930
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000206956
【氏名又は名称】大塚製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】ダオ,キム-ヒエン
(72)【発明者】
【氏名】キール,ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】オガネシアン,アラム
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC27
4C076FF70
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086EA16
4C086EA17
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA34
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
障害を処置することを必要とする対象における該障害を処置する方法が、本発明の実施態様に従って提供され、該方法は、該対象に有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン、及び有効量のベネトクラクスを投与し、それによって、該対象における該障害を処置することを含む。本発明の一部の実施態様において、該障害は、過剰増殖性障害、例えば癌、である。一部の実施態様において、該障害は、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、白血病又はリンパ腫、である
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害を処置することを必要とする対象における該障害を処置する方法であって、該対象に有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン、及び有効量のベネトクラクスを投与し、それによって、該対象における該障害を処置することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記障害が過剰増殖性障害である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記障害が癌である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌が、血液癌及び固形癌から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記血液癌が、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、白血病及びリンパ腫のうちの少なくとも1つから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記白血病が、ALL、AML、CML、MPN、又はCMMLである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記白血病がAMLである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記対象が75歳以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記対象が、標準的な導入化学療法の使用を妨げる併存疾患(例えば、(i)重症の心臓障害、(ii)重症の肺障害、(iii)クレアチニンクリアランスが30mL/分以上且つ45mL/分未満、及び(iv)総ビリルビンが正常上限値(ULN)×1.5超且つ3.0以下である中程度肝機能障害のうちの1以上)を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記有効量のセダズリジン、前記有効量のデシタビン及び前記有効量のベネトクラクスが、同時、逐次、又は別個に投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有効量のセダズリジン、前記有効量のデシタビン及び前記有効量のベネトクラクスが各々、経口剤形物として投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各経口剤形物が固体経口剤形物である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記有効量のセダズリジン及び前記有効量のデシタビンが、組み合わされた固体経口剤形物で一緒に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有効量のセダズリジン及び前記有効量のデシタビンが、28日サイクルの1~5日目に投与され、及び前記有効量のベネトクラクスが、該28日サイクルの間毎日投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記有効量のセダズリジン及び前記有効量のデシタビンが、35mgのデシタビン、100mgのセダズリジン及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む第1の固体経口剤形物中に存在し、及び前記有効量のベネトクラクスが、50mg又は100mgのベネトクラクス及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む少なくとも1つの第2の固体経口剤形物中に存在する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、サイクルの1日目に、有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン及び100mgのベネトクラクス;前記サイクルの2日目に、有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン及び200mgのベネトクラクス;前記サイクルの3~5日目に、有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン及び400mgのベネトクラクス;並びに、該サイクルの6~28日目に、400mgのベネトクラクスを投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記対象が、サイクルの1~5日目に、有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン及び400mgのベネトクラクス;並びに、該サイクルの6~28日目に、400mgのベネトクラクスを投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクス、並びに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口剤形物。
【請求項19】
前記経口剤形物が固体経口剤形物である、請求項18に記載の経口剤形物。
【請求項20】
対象における障害の処置において使用する為の、有効量のベネトクラクスを含む医薬品であって、有効量のセダズリジン及び有効量のデシタビンと組み合わせて、同時、別個、又は逐次に投与される前記医薬品。
【請求項21】
対象における障害の処置の使用の為の有効量のベネトクラクスであって、該ベネトクラクスが有効量のセダズリジン及び有効量のデシタビンと組み合わせて投与され、ここで、これら3つの医薬品が同時、別個、又は逐次に投与されることを特徴とする、前記有効量のベネトクラクス。
【請求項22】
対象における障害の処置する際に使用する為の、有効量のベネトクラクス、有効量のセダズリジン及び有効量のデシタビンの組み合わせ物であって、これら3つの医薬品が同時、別個、又は逐次に投与される、前記組み合わせ物。
【請求項23】
有効量のセダズリジン及び有効量のデシタビンと組み合わせて使用される有効量のベネトクラクスを含む医薬組成物であって、これら3つの医薬品が、対象における障害を処置する為に、同時、別個、又は逐次に投与される、前記医薬組成物。
【請求項24】
前記医薬組成物が、有効量のセダズリジン及び有効量のデシタビンを一緒に含む固形剤形物と組み合わせて使用される有効量のベネトクラクスを含み、ここで、両者が、対象における障害を処置する為に、同時、別個、又は逐次に投与される、請求項23に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の記載
本願は、2020年10月29日に出願された米国仮特許出願第63/107,010号の利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、癌、例えば白血病、の処置の為の医薬組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シチジン類似体であるデシタビン(decitabine)(すなわち、5-アザ-2’-デオキシシチジン)は、抗悪性腫瘍薬剤及び骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndrome)の処置の為の低メチル化剤(HMA:hypomethylating agent)であり、急性骨髄性白血病(AML:acute myeloid leukemia)及び慢性骨髄単球性白血病(CMML:chronic myelomonocytic leukemia)の処置にも同様に、潜在的な実用性を有する。
【0004】
【0005】
セダズリジン(cedazuridine)(すなわち、(4R)-2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロ-3,4,5,6-テトラヒドロウリジン、またE7727として既知)は、CDA阻害剤である。セダズリジン並びにそれを作製する方法及び/又は使用する方法は、米国特許第8,268,800号明細書及び米国特許第9,834,576号明細書に更に開示されており、それらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
【0007】
Astex Pharmaceuticals,Inc.は、大鵬薬品株式会社によって商品名INQOVI(商標)で販売されているデシタビンとセダズリジンとの固定用量の組み合わせについて、FDAの承認を受けた。
【0008】
ベネトクラクス(venetoclax)(すなわち、4-[4-[[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキセン-1-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-[3-ニトロ-4-(オキサン-4-イルメチルアミノ)フェニル]スルホニル-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミド、CAS1257044-40-8)は、B細胞リンパ腫-2(Bcl-2)タンパク質を阻止することが示されたBH3模倣薬である。ベネトクラクスは、成人において慢性リンパ球性白血病(CLL:chronic lymphocytic leukemia)、小リンパ球性リンパ腫(SLL:small lymphocytic lymphoma)、及び急性骨髄性白血病(AML:acute myeloid leukemia)を処置する為に使用されてきた。
【0009】
【0010】
活性医薬品の組み合わせの使用は、患者に有益な治療効果を提供しうるが、該活性医薬品の薬物動態効果を変化させるか、又は該患者にとって毒性となる若しくはそうでなければ有害となる、薬物と薬物との相互反応も存在しうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施態様に従って、障害を処置することを必要とする対象における該障害を処置する方法であって、該対象に有効量のセダズリジン、有効量のデシタビン、及び有効量のベネトクラクスを投与し、それによって、該対象における該障害を処置することを含む、上記の方法が提供される。本発明の一部の実施態様において、該障害は、過剰増殖性障害(hyperproliferative disorder)、例えば癌、である。一部の実施態様において、該障害は、血液癌、例えば、骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndromes)、骨髄増殖性新生物(MPN:myeloproliferative neoplasms)、白血病(例えば、急性骨髄性白血病)、又はリンパ腫、である。一部の実施態様において、該対象は、75歳以上であり、及び/又は標準的な導入化学療法の使用を妨げる1以上の併存疾患を有している。
【0012】
本発明の一部の実施態様において、該有効量のセダズリジン、該有効量のデシタビン、及び該有効量のベネトクラクスは、固体経口剤形物物として投与される。一部の実施態様において、該有効量のセダズリジン及び該有効量のデシタビンは、組み合わされた固体経口剤形物で一緒に投与される。一部の実施態様において、該有効量のセダズリジン及び該有効量のデシタビンは、28日サイクルの1~5日目に投与され、及び該有効量のベネトクラクスは、該28日サイクルの間毎日投与される。
【0013】
また、本発明の実施態様に従って、セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクス、並びに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む固体経口剤形物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下に、より詳細に説明される。この説明は、本発明が実行されうる様々な全てのやり方、又は本発明に加えられうる全ての特色、の詳細な目録であることを意図されていない。例えば、一つの実施態様に関して例示されている特色は、他の実施態様に組み込まれうるものであり、特定の実施態様に関して示されている特色は、該実施態様から削除されうる。加えて、本明細書において示唆されている様々な実施態様に対する、本発明から逸脱しない数々の変動及び追加が、本開示に照らして当業者に明らかになろう。従って、以下の明細書は、本発明の一部の特定の実施態様を例示することを意図されており、全ての並べ替え、組み合わせ及びそれらの変動を徹底的に特定することを意図されていない。
【0015】
文脈が別段示さない限り、本明細書において記載されている本発明の様々な特色は、任意の組み合わせで使用されることができることが、特に意図されている。更に、本発明はまた、本発明の一部の実施態様において、本明細書において記載されている任意の特色又は特色の組み合わせが、排除又は省略されることができることを企図する。例示する為に、ある複合物が成分A、B及びCを含むことを本明細書が記述している場合、これは、A、B若しくはCのいずれか、又はそれらの組み合わせが、単独で又は任意の組み合わせで、省略又は放棄されることができることを、特に意図されている。
【0016】
別段定義されない限り、本明細書において使用されている全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書の本発明の説明において使用されている専門用語は、特定の実施態様だけを記載する目的のものであり、本発明を限定することを意図されていない。
【0017】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、ヌクレオチド配列、アミノ酸配列及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0018】
定義
本発明の説明及び添付の特許請求の範囲において使用されている単数形「1つの」(a)、「1つの」(an)及び「該」(the)は、文脈が別段明確に示していない限り、複数形態も同様に包含することを意図されている。
【0019】
本明細書において使用されている「及び/又は」は、一覧化された関連項目の1以上のありとあらゆる組み合わせがありうること、及び代替(「又は」)として解釈される場合には組み合わせがないこと、を云い且つ包含する。
【0020】
更に、本発明はまた、本発明の一部の実施態様において、本明細書において記載されている任意の特色又は特色の組み合わせが、除外又は省略されることができることを企図する。
【0021】
更に、本明細書において使用されている語「約」とは、測定可能な値、例えば、本発明の化合物又は薬剤の量、用量、時間、温度等、を云う場合、特定されている量の±10%、±5%、±1%、±0.5%、又は更には±0.1%の変動を包含することが意味される。
【0022】
本明細書において使用されている移行句「~から本質的になる」は、列挙された材料又は工程、及び特許請求されている本発明の1以上の基本的且つ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないもの、を包含するものとして解釈されるべきである。従って、本明細書において使用されている語「~から本質的になる」は、「~を含む」と等価であるとして解釈されるべきではない。
【0023】
「有効量」は、所望の効果(例えば、半減期の増強、対象における癌を処置する治療剤のバイオアベイラビリティ若しくは有効性、又は対象におけるDNAメチル化の低減)をもたらすのに必要とされる量を云う。
【0024】
「薬学的に許容される」は、組成物、製剤、安定性、患者の認容性、バイオアベイラビリティ及び他の成分との適合性に関して、薬理学的及び/又は中毒学的観点から患者にとって許容される、及び/又は物理的及び/又は化学的観点から製造に携わる薬剤師にとって許容される、特性及び/又は物質を云う。
【0025】
「薬学的に許容される塩」は、所望の薬理学的活性を有しており、且つ生物学的にもそれ以外にも望ましい、本発明の化合物の酸又は塩基塩を云う。該塩は、酸を用いて形成されることができ、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタン-スルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩を包含するが、これらに限定されない。塩基塩の例は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン、並びにアミノ酸、例えば、アルギニン及びリシンとの塩を包含するが、これらに限定されない。一部の実施態様において、塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル、例えば、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル;硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル;長鎖ハロゲン化物、例えば、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル;並びにハロゲン化アラルキル、例えば、臭化フェネチルを包含する作用物質で四級化されることができる。
【0026】
「薬学的に許容される賦形剤」は、それ自体は治療剤ではないが、担体、希釈剤、アジュバント、結合剤、及び/又は治療剤を対象に送達する為のビヒクルとして使用されるか、或いは医薬組成物の取扱い若しくは保存特性を改善する為に、又は投与の為の単位剤形物への化合物若しくは組成物の形成を可能にする若しくは促進する為に、医薬組成物に添加される、任意の物質を意味することができる。
【0027】
「単位剤形物」は、ヒト又は他の動物対象の為の単位投与量として好適な、物理的に別個の単位を云う。各単位剤形物は、所望の効果をもたらす為に計算された所定量の活性物質(例えば、セダズリジン、デシタビン及び/又はベネトクラクス)を含有しうる。
【0028】
「任意的な」又は「任意的に」は、その後に記載されている事象又は状況が生じうるか又は生じないものでありうること、及び該説明が、該事象又は状況が生じる場合と生じない場合とを包含するということ、を意味する。例えば、「任意的に置換されている」アルキルは、置換されていないアルキルと、置換されているアルキルとの両方を包含する。
【0029】
語「増強する」又は「増大する」は、特定されているパラメータの少なくとも約1.25倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約8倍、約10倍、約12倍、約15倍等の増大を云う。
【0030】
本明細書において使用されている語「阻害する」又は「低減する」又はそれらの文法的変異は、少なくとも約15%、約25%、約35%、約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約90%、約95%又はそれよりも多い、特定されているレベル又は活性の低下又は減少を云う。特定の実施態様において、該阻害又は低減は、検出可能な活性を、結果として殆ど又は本質的に全くもたらさない(最大限でも、ほんのわずかな量、例えば、約10%未満又は更には5%)。
【0031】
「対象」は、動物又はヒトのイン・ビトロ(in vitro)又はイン・ビボ(in vivo)の細胞又は組織を云う。動物又はヒト対象はまた、「患者」と云われうる。
【0032】
「動物」は、随意運動の感覚及び力を有しており、存在の為に酸素及び有機食品を必要とする生体を云う。
【0033】
「哺乳動物」は、毛又は毛皮を有する温血脊椎動物を云う。例は、ヒト、ウマ、ブタ、ウシ、マウス、イヌ又はネコ種のメンバーを包含するが、これらに限定されない。
【0034】
語「処置する」、「処置すること」又は「の処置」(又は文法的に等価な用語)とは、対象の状態の重症度が、低減されるか、若しくは少なくとも部分的に改善されるか、若しくは回復されること、及び/又は少なくとも1つの臨床症状の幾らかの軽減、緩和若しくは低下が達成されること、を意味される。疾患、障害又は状態に言及する「処置すること」は、(i)疾患、障害若しくは状態を阻害すること、例えば、その発生を抑止すること、(ii)疾患、障害若しくは状態を緩和すること、例えば、臨床症状の退行を引き超すこと、及び/又は(iii)疾患が検出可能なレベルで低減した若しくは存在しなくなった後の再発若しくは疾患進行を予防することを包含する、疾患、障害若しくは状態の進行を安定化若しくは制御すること、を云いうる。
【0035】
本発明の化合物及び/又は組成物の対象への語「投与すること」又は「投与」は、化合物の意図された機能を果たす為に、対象に該化合物を導入又は送達する経路を包含する。
【0036】
「癌」は、制御されないやり方で増殖し、ある場合には転移する(広がる)傾向がある細胞の異常成長を云う。特定の癌型は、米国特許出願公開第2006/0014949号明細書において同定されている癌及び以下を包含するが、これらに限定されない。心臓:肉腫(例えば、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫等)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支癌(例えば、扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌等)、肺胞(例えば、細気管支等)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、及び中皮腫;胃腸管:食道(例えば、扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫等)、胃(例えば、癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫等)、膵臓(例えば、導管腺癌、膵島細胞腺腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍等)、小腸(例えば、腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫等)、及び大腸(例えば、腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫等);泌尿生殖器:腎臓(例えば、腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病等)、膀胱及び尿道(例えば、扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌等)、前立腺(例えば、腺癌、肉腫等)、及び精巣(例えば、精上皮腫、奇形腫、胚性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌腫、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫等);肝臓:肝臓癌(例えば、肝細胞癌等)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫;骨:骨原性肉腫(例えば、骨肉腫等)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(例えば、細網肉腫等)、多発性骨髄腫、悪性骨巨細胞腫、骨軟骨腫(例えば、骨軟骨性外骨腫等)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(例えば、骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎等)、髄膜(例えば、髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症等)、脳(例えば、星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍等)、及び脊髄(例えば、神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫等);婦人科:子宮(例えば、子宮内膜癌等)、子宮頸部(例えば、子宮頸癌、腫瘍前の子宮頸部形成異常等)、卵巣(例えば、卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌腫]、顆粒膜細胞-莢膜細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫等)、外陰部(例えば、扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫等)、膣(例えば、明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫]、卵管(癌腫)等);血液学的:血液(例えば、骨髄白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群等)、ホジキン病、及び非ホジキンリンパ腫;皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、異形成母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬等;並びに副腎:神経芽細胞腫。
【0037】
本明細書において使用されている「完全奏効」(Complete Response)(CR)は、5%未満の骨髄芽球、循環芽球及びアウエル小体を有する芽球が存在しないこと、髄外性疾患がないこと、1.0×109/L(1,000/μL)未満の好中球絶対数、並びに100×109/L(100,000/μL)未満の血小板数を云う。この定義は、European LeukemiaNet(ELN)2017によるAMLについての分類に従い、このような基準は、ELNによる更なる改訂(iterations)時に変更されうる。MDL/CMMLを包含する他の疾患は、ELN又は他のワーキンググループの基準に基づく異なる奏効判断基準を有しうる。
【0038】
本明細書において使用されている「血球数の回復が不完全な完全奏効」(Complete Response with incomplete blood count recovery)(CRi)は、残存好中球減少[1.0×109/L(1,000/μL)未満]又は血小板減少[100×109/L(100,000/μL)未満]を除く、全てのCR判断基準を云う。この定義は、European LeukemiaNet(ELN)2017によるAMLについての分類に従い、このような基準は、ELNによる更なる改訂時に変更されうる。MDL/CMMLを包含する他の疾患は、ELN又は他のワーキンググループの基準に基づく異なる奏効判断基準を有しうる。
【0039】
本明細書において使用されている「部分的血液学的回復を伴う完全奏効」(CRh)は、血球数回復基準を満たしていないこと、並びに0.5×109/L(1,000/μL)以下の好中球絶対数及び50×109/L(100,000/μL)以下の血小板数を有していることを除く、全てのCR判断基準を云う。これは、AMLについて現在一般に使用されている定義である。MDL/CMMLを包含する他の疾患は、ELN又は他のワーキンググループの基準に基づく異なる奏効判断基準を有しうる。
【0040】
「AUC0~t」は、血漿中薬物濃度の経時的(t)変動を記載する曲線の定積分である。
【0041】
デシタビンの「5日間の累積AUC」については、該剤形物の投与後5日間の累積AUC0~t曝露量を計算する為に、一次エンドポイント薬物動態(PK)分析集団が使用される。以下の前提が使用される。1)該固体剤形物の投与の2日目に、定常状態が達せられること、並びに2)2日目の定常状態の達成に基づいて、2日目及び5日目のAUC0~tが、該固体剤形物の投与の2日目から、推定上の5日目における5日目までの、毎日のAUC0~tの代表になること。それ故に、3日間の連続PKサンプリングから得られたPKデータを使用して、デシタビンの5日間の全経口AUC0~t曝露を計算する為に、1日目のAUC0~t(最初の固体剤形物の用量)が、(2日目のAUC0~t+5日目のAUC0~t)×2に加算される。2日目のAUC0~tが入手不可能な場合には、これが5日目のAUC0~tで置き換えられ、その逆もまた成り立つ。
【0042】
「Cmax」は、薬物が投与された後、且つ第2の用量が投与される前に、血液又は他のマトリックスにおいて薬物が達成する最大(又はピーク)血清濃度である。従って、該Cmaxは、該サイクルの任意の日に決定されうる。
【0043】
本明細書において使用されている「サイクル」は、セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクスが投与される、連続28日間を云う。一部の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンは、各28日サイクルの1~5日目に投与される。一部の実施態様において、ベネトクラクスは、該28日サイクルの間毎日投与される。複数のサイクルは、連続的に、又はサイクルの間に休薬期間を設けて、実施されうる。加えて、他のサイクルの長さ及び異なる投与レジメンが使用されることができる。
【0044】
本発明は、デシタビン、セダズリジン、及びベネトクラクス、又は前述のもののいずれかの薬学的に許容される塩、の為の経口剤形物を提供し、ここで、これらの3種の医薬は、同時、逐次、又は別個に投与されうる。本明細書において使用されているデシタビン、セダズリジン、及びベネトクラクス、並びに薬学的に許容されるそれらの塩は、まとめて「治療剤」と云われうる。加えて、治療剤(例えば、ベネトクラクス)に言及される場合、この言及には、治療剤の薬学的に許容される塩も包含されることが理解されるべきである。該経口剤形物は、各治療剤を別個に含みうるか、該治療剤の全てを組み合わせて含みうるか、又は該治療剤のいずれか2つを組み合わせて含みうる。特定の実施態様において、第1の経口剤形物は、デシタビン及びセダズリジンを含み、第2の経口剤形物は、ベネトクラクスを含む。特定の実施態様において、固体経口剤形物は、デシタビン、セダズリジン、及びベネトクラクス(ventoclax)を含む。一部の実施態様において、本発明の固体経口剤形物は、薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0045】
本発明の一部の実施態様において、該経口剤形物の1以上は、固体経口剤形物、例えば固体経口単位剤形物、である。語「固体経口剤形物」は、該医薬組成物が、固体形態であり、且つ経口投与の為に製剤化されていることを意味する。任意の好適な固体経口剤形物が使用されうる。本発明の実施態様に従う固体経口剤形物の例は、錠剤(例えば、口腔内頬側、舌下、又は全身吸収を標的にされた錠剤)、カプレット剤、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌への施与の為のペースト剤、硬ゼラチンカプセル剤及び軟ゼラチンカプセル剤を包含するカプセル剤、口内スプレー剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、並びにペレット剤を包含する。該医薬組成物は、即時放出、持続放出、又は制御放出の為に製剤化されうる。
【0046】
幾つかの可能な経口剤形物が、本発明の方法において使用されることができた。例えば、デシタビンは、経口剤形物において、約10mg~約100mg、約20mg~約45mg、又は約30mg~約40mgの範囲(例えば、約10mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg若しくは約100mg、又はその間の任意の範囲)で存在しうる。別の例として、セダズリジンは、経口剤形物において、約10mg~約150mg、約70mg~120mg、又は約90mg~約110mgの範囲(例えば、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg若しくは約150mg、又はその間の任意の範囲)で存在しうる。更に別の例として、ベネトクラクスは、該固体経口剤形物において、約10mg~約600mg、約50mg~約400mg、又は約50mg~200mgの範囲(例えば、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、又はその間の任意の範囲)で存在しうる。しかしながら、本発明の一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビンを含む単位剤形物である。本発明の一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約100mgのセダズリジンを含む単位剤形物である。更に、一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジンを含む単位剤形物である。本発明の一部の実施態様において、1つの単位剤形物は、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジン及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明の一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約400mg、又は約600mgのベネトクラクス及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形物である。本発明の一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビン、約100mgのセダズリジン、及び約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約400mg、又は約600mgのベネトクラクスを含む単位剤形物である。本発明の一部の実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビン、約100mgのセダズリジン、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約400mg、又は約600mgのベネトクラクス、及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む単位剤形物である。
【0047】
薬学的に許容される賦形剤は、調剤分野で周知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa(例えば、2000年の第20版)及びHandbook of Pharmaceutical Excipients,American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.,(例えば、1986年、1994年及び2000年の、それぞれ第1版、第2版及び第3版)に記載されている。当業者には知られることになる通り、賦形剤は、様々な機能を提供しうるものであり、例えば、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、防腐剤、界面活性剤、着色剤、香味剤、及び/又は甘味剤として記載されうる。薬学的に許容される賦形剤の例は、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、(3)セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、及びヒドロキシプロピルセルロース、(4)粉末化トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、カカオバター及び坐剤ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ酸無水物、並びに(22)医薬製剤において用いられる、適合性のある他の非毒性物質を包含するが、これらに限定されない。
【0048】
希釈剤の例は、ラクトース、ラクトース一水和物、セルロース、微結晶性セルロース、ソルビトール、リン酸水素カルシウム二水和物(dehydrate)、及び硫酸カルシウム二水和物を包含する。結合剤の例は、ゼラチン、グルコース、ラクトース、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びアカシアを包含する。崩壊剤の例は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グリコール酸デンプンナトリウム、及びデンプンを包含する。流動促進剤の例は、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン及びタルクを包含する。滑沢剤の例は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、パラフィン、ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びポリエチレングリコールを包含する。
【0049】
一部の実施態様において、固体経口剤形物は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤の1以上を含む。一部の実施態様において、固体経口剤形物は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤を含む。本発明の特定の実施態様において、該固体経口剤形物は、デシタビン及び/又はセダズリジン、並びに以下の賦形剤:希釈剤としてのラクトース一水和物、結合剤としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース、崩壊剤としてのクロスカルメロースナトリウム、流動促進剤としてのコロイド状二酸化ケイ素、及び滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムを含む。本発明の一部の実施態様において、このような成分は、錠剤に形成される。一部の実施態様において、該錠剤は、即時放出錠剤である。加えて、特定の実施態様において、該錠剤は、フィルムでコーティングされており、このフィルムは、着色されうるか、又は着色されていないものでありうる。任意の薬学的に許容されるコーティングが使用されうるが、一部の実施態様において、該錠剤は、Opadry(商標)コーティングでコーティングされている。
【0050】
一部の実施態様において、セダズリジンは、固体経口剤形物において、約17~22w/w%、例えば、約17.0w/w%、約17.2w/w%、約17.4w/w%、約17.6w/w%、約17.8w/w%、約18.0w/w%、約18.2w/w%、約18.4w/w%、約18.6w/w%、約18.8w/w%、約19.0w/w%、約19.2w/w%、約19.4w/w%、約19.6w/w%、約19.8w/w%、約20.0w/w%、約20.2w/w%、約20.4w/w%、約20.6w/w%、約20.8w/w%、約21.0w/w%、約21.2w/w%、約21.4w/w%、約21.6w/w%、約21.8w/w%若しくは約22.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約19.42w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、デシタビンは、該固体経口剤形物において、約4~8w/w%、例えば、約4.0w/w%、約4.2w/w%、約4.4w/w%、約4.6w/w%、約4.8w/w%、約5.0w/w%、約5.2w/w%、約5.4w/w%、約5.6w/w%、約5.8w/w%、約6.0w/w%、約6.2w/w%、約6.4w/w%、約6.6w/w%、約6.8w/w%、約7.0w/w%、約7.2w/w%、約7.4w/w%、約7.6w/w%、約7.8w/w%若しくは約8.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約6.8w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、該希釈剤(例えば、ラクトース一水和物)は、該固体経口剤形物において、約55~70w/w%、例えば、約55w/w%、約56w/w%、約57w/w%、約58w/w%、約59w/w%、約60w/w%、約61w/w%、約62w/w%、約63w/w%、約64w/w%、約65w/w%、約66w/w%、約67w/w%、約68w/w%、約69w/w%若しくは約70w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約62.62w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、該結合剤(例えば、ヒプロメロース)は、該固体経口剤形物において、約1~3w/w%、例えば、約1.0w/w%、約1.2w/w%、約1.4w/w%、約1.6w/w%、約1.8w/w%、約2.0w/w%、約2.2w/w%、約2.4w/w%、約2.6w/w%、約2.8w/w%若しくは約3.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約1.94w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、該崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)は、該固体経口剤形物において、約3~7w/w%、例えば、約3.0w/w%、約3.2w/w%、約3.4w/w%、約3.6w/w%、約3.8w/w%、約4.0w/w%、約4.2w/w%、約4.4w/w%、約4.6w/w%、約4.8w/w%、約5.0w/w%、約5.2w/w%、約5.4w/w%、約5.6w/w%、約5.8w/w%、約6.0w/w%、約6.2w/w%、約6.4w/w%、約6.6w/w%、約6.8w/w%若しくは約7.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約4.85w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、該流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)は、該固体経口剤形物において、約0.5~2w/w%、例えば、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、約0.9w/w%、約1.0w/w%、約1.1w/w%、約1.2w/w%、約1.3w/w%、約1.4w/w%、約1.5w/w%、約1.6w/w%、約1.7w/w%、約1.8w/w%、約1.9w/w%若しくは約2.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約0.97w/w%、の量で存在する。一部の実施態様において、該滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)は、該固体経口剤形物において、約0.1~2w/w%、例えば、約0.1w/w%、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、約0.9w/w%、約1.0w/w%、約1.1w/w%、約1.2w/w%、約1.3w/w%、約1.4w/w%、約1.5w/w%、約1.6w/w%、約1.7w/w%、約1.8w/w%、約1.9w/w%若しくは約2.0w/w%、又はその間の任意の範囲、例えば、約0.49w/w%、の量で存在する。
【0051】
一部の実施態様において、該固体経口剤形物は、下記の表1に列挙されている成分を含む。
【0052】
【0053】
一部の実施態様において、該固体経口剤形物は、下記の表2に列挙されている成分を含む。
【0054】
【0055】
セダズリジン及びデシタビンの組成物及び製剤に関する更なる情報は、Inqovi(商標)処方情報及びwww.inqovi.comにおいて見出されうる。
【0056】
本発明の一部の実施態様において、ベネトクラクスは、以下の賦形剤:二塩基性リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、コポビドン、黄色酸化鉄、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及び二酸化チタンの1以上と共に、10mgのベネトクラクス濃度で固体経口剤形物(例えば、錠剤)中に存在する。
【0057】
本発明の一部の実施態様において、ベネトクラクスは、以下の賦形剤:二塩基性リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、コポビドン、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及び二酸化チタンの1以上と共に、50mgのベネトクラクス濃度で固体経口剤形物(例えば、錠剤)中に存在する。
【0058】
本発明の一部の実施態様において、ベネトクラクスは、以下の賦形剤:二塩基性リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、コポビドン、黄色酸化鉄、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及び二酸化チタンの1以上と共に、100mgのベネトクラクス濃度で固体経口剤形物(例えば、錠剤)中に存在する。
【0059】
本発明の医薬組成物は、デシタビン及びセダズリジンを、該薬学的に許容される賦形剤と混合及び/又はブレンドすることを含みうるがこれらに限定されない、既知の材料及び技術を使用して調製されることができる。本発明の医薬組成物はまた、ベネトクラクスを、薬学的に許容される賦形剤と混合及び/又はブレンドすることを含みうる。
【0060】
本発明の別の観点は、デシタビンを含む少なくとも1つの単位剤形物、セダズリジンを含む少なくとも1つの単位剤形物、及びベネトクラクスを含む少なくとも1つの単位剤形物、を含む単位剤形物及びキットに関する。特定の実施態様において、キットは、デシタビン及びセダズリジンを含む少なくとも1つの単位剤形物、並びにベネトクラクスを含む少なくとも1つの単位剤形物を含む。一部の実施態様において、該キットは、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジン、並びに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む1つの単位剤形物、並びに約10mg、50mg及び/又は100mgのベネトクラクスを含む少なくとも1つの単位剤形物を提供する。他の単位剤形物が使用されうるが、該単位剤形物は、入手可能性に応じて変わりうる。セダズリジン、デシタビン、及び/又はベネトクラクスの為の1日用量は、1日当たり2つ以上の単位剤形物を必要としうる。例えば、1日当たり400mgのベネトクラクスが処方される場合、該キットは、1日について4個の100mgのベネトクラクス単位剤形物を含みうる。
【0061】
キットは、各治療剤の1日用量の為の該固体経口剤形物(例えば、35mgのデシタビン及び100mgのセダズリジンを含む錠剤1個、並びにそれぞれ100mgのベネトクラクスを含む錠剤4個)を含みうる。キットはまた、該サイクルの2日間以上(例えば、5日間又は1週間)又は全サイクル、の為の単位剤形物を含みうる。従って、本発明の一部の実施態様において、キットは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個又はそれよりも多い、本発明の実施態様に従うセダズリジン及びデシタビンを含む固体経口剤形物、並びに1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個又はそれよりも多い、ベネトクラクスを含む固体経口剤形物を含みうる。一部の実施態様において、キットは、セダズリジン及びデシタビンを含む5個の固体経口剤形物(該サイクルの1~5日目の為)、並びにベネトクラクスの少なくとも28個の固体経口剤形物(該サイクルの1~28日目の為)を含みうる。代替的には、3つの全ての治療剤が、1つの固体経口剤形物に含まれることができ、又は各治療剤が、その別個の固体経口剤形物で存在することができる。一部の実施態様において、キットは、セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクスを含む5個の固体経口剤形物(該サイクルの1~5日目の為)、並びに該サイクルの残りの為(例えば、該サイクルの6~28日目の為)のベネトクラクスの固体経口剤形物(例えば、23個の固体経口剤形物)を含みうる。一部の実施態様において、1つの治療剤の為の該単位剤形物は、キットによって変わりうる。例えば、一部の実施態様において、キットは、該サイクルの初日については100mgのベネトクラクスの単位剤形物を含み、該サイクルの別の日については、400mgのベネトクラクスを含む単位剤形物を含みうる。
【0062】
該キットは、商用販売に好適な容器及び/又はパッケージを更に含みうる。該容器は、薬学的に許容される材料、例えば、紙若しくはボール紙箱、ガラス若しくはプラスチックボトル若しくは瓶、再び閉じることができるバッグ、又は治療スケジュールに従ってパックから押し出す為の、個々の投与量を含むブリスターバック、から作製されている、当技術分野で既知の任意の慣用的な形状又は形態であることができる。2つ以上の容器が、単一パッケージにおいて一緒に使用されることができる。例えば、錠剤は、ブリスターパックに入れられ、次に、該ブリスターパックが箱に入れられる。一部の実施態様において、該容器は、単位剤形物(例えば、約5個の単位剤形物)を含有するボトル、例えば30ccの白色高密度ポリエチレンボトル、である。該ボトルは、乾燥剤、例えばシリカ乾燥剤、のキャニスターを更に含有しうる。一部の実施態様において、該容器は、例えば、空洞1つに錠剤1個を含有する、アルミニウムホイル又はホイルの蓋によって形成されたブリスターパックである。該ブリスターパックは、カートンで存在しうる。
【0063】
該キットは、情報を更に含みうる。該情報は、可読媒体で提供されうる。該可読媒体は、ラベルを含みうる。該情報は、医師、薬剤師、又は患者に向けられうる。該情報は、該単位剤形物が1以上の有害効果を引き起こしうることを示しうる。該情報は、例えば本明細書において記載されている方式で該単位剤形物を投与する為の指示を含みうる。これらの指示は、様々なやり方で提供されうる。
【0064】
該情報は、例えば、容器に接着固定されたラベル(例えば、処方箋ラベル又は別個のラベル)上に書かれること、書かれたパッケージ挿入物として容器内側に含まれること、該容器に直接施与される、例えば箱又はブリスターパックの壁部上に印刷されること、或いは例えば紐、コード若しくは他のライン、ストラップ、又は係留タイプのデバイスにより、ボトルの首に固定された指示カードとして結び付けられる又はテープで貼られることによって結合されること、によって該容器と関連付けられることができる。
【0065】
本発明の実施態様に従って、対象に、セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクスを本発明の1以上の経口剤形物において投与する方法が提供される。特定の実施態様において、対象に、セダズリジン(例えば、100mg)及びデシタビン(例えば、35mg)及び薬学的に許容される賦形剤を含む経口剤形物、並びにベネトクラクス(例えば、合計100mg、200mg、又は400mg)及び薬学的に許容される賦形剤を含む1以上の経口剤形物を投与する方法が提供される。一部の実施態様において、各経口剤形物は、固体経口剤形物である。使用される該経口剤形物は、本明細書において記載されている任意の固体経口剤形物でありうる。
【0066】
薬物送達のタイミング及び順序を調節する為の、当業者に既知の任意の投与レジメンが使用され、本発明の方法において処置を行うのに必要な回数、反復されることができる。例えば、本発明の経口剤形物は、単回投与、複数回の別個の投与又は持続注入によって、1日1回、2回、3回又は4回、投与されうる。特定の実施態様において、少なくとも1つの固体経口剤形物は、1日1回投与される。一部の実施態様において、本発明の実施態様に従う少なくとも1つの固体経口剤形物の該投与は、28日サイクルにつき1週間以上、例えば、28日サイクルにつき1週間、2週間、3週間、又は4週間、実施されうる。該複数の週は、連続的及び/又は非連続的でありうる。特定の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンは、該28日サイクルの5日間(1~5日目)にわたって毎日投与され、ベネトクラクスは、該28日サイクルの間毎日投与される。
【0067】
本発明の一部の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンを含む固体経口剤形物は、対象に、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、又はそれよりも長い日数にわたって、1日1回投与される。一部の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンを含む固体経口剤形物は、対象に、28日サイクルの1~5日目に1日1回投与される。一部の実施態様において、ベネトクラクスを含む第2の固体経口剤形物は、同じ対象に、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、又はそれよりも長い日数にわたって毎日投与される。一部の実施態様において、サイクルの1~5日目に、セダズリジン、デシタビン、及びベネトクラクスは、該対象にそれぞれ毎日投与され、該サイクルの6~28日目に、ベネトクラクスだけが毎日投与される。このような固体経口剤形物は、並行して(また、本明細書において「同時に」と云われる)、逐次、又は同日の異なる時間に(また、本明細書において「別個に」と云われる)投与されうる。特定の実施態様において、全ての固体経口剤形物が、並行して又はほぼ同じ時間に(例えば、5分以内、10分以内、15分以内、20分以内、25分以内、又は30分以内に)投与される。
【0068】
一部の実施態様において、35mgのデシタビン及び100mgのセダズリジンを含む単一の単位剤形物が、該サイクルの1~5日目に毎日投与されうる。一部の実施態様において、該ベネトクラクスについての投与量は、該サイクルにおいて日によって変わりうる。例えば、1日目に、該対象には、100mgのベネトクラクス(例えば、単一の100mgの単位剤形物として)が投与され、2日目に、該対象には、200mgのベネトクラクス(例えば、2個の100mgの単位剤形物として)が投与され、3~28日目に、該対象には、400mgのベネトクラクス(例えば、4個の100mgの単位剤形物として)が投与されうる。しかしながら、一部の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンの用量は変わりうるものであり、一部の実施態様において、ベネトクラクスの用量は、該サイクル全体について同じでありうる。例として、本発明の一部の実施態様において、該対象には、該サイクルにおいて毎日、400mgのベネトクラクスが投与されうる。これは、例えば第2の又は後のサイクルである場合に、該対象にとって適切になりうる。セダズリジン及びデシタビンについて可能な投与スケジュール及び投与に関する更なる情報は、Inqovi(商標)処方情報及びwww.inqovi.comにおいて見出されうる。
【0069】
一部の実施態様において、本発明の複数のサイクルの間に、0~31日又はそれよりも長い(例えば、0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日又はそれよりも長い)期間が置かれうる。処置がない期間は、本発明の対象(例えば、ヒト患者)が、処置を継続するのに適した健康を有することを可能にする為に望ましいものでありうる。処置サイクルの間の該期間は、医師によって、当技術分野における標準技術を使用して決定されることができ、対象ごとに、例えば、適正な血球数、例えば、適正に好中球減少のないこと(例えば、該対象において、少なくとも0.5×109細胞/L以上の好中球絶対数(ANC:absolute neutrophil count))に基づくものとして、個々に決定されうるものであり、投与する医師の判断に基づいて、該処置過程にわたって調整されうる。一部の実施態様において、処置サイクルの間の該期間は、最小限であり、例えば該期間が存在せず、例えば、次の28日期間がすぐに開始されうる。一部の実施態様において、処置サイクルの間の該期間は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間若しくは6日間、又は1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、又はそれよりも長期間でありうる。
【0070】
一部の実施態様において、投与レジメンは、少なくとも1つの更なる治療剤の前処置及び/又はそれとの併用投与を含みうる。このような場合、デシタビン及びセダズリジンを含む該固体経口剤形物は、該少なくとも1つの更なる治療剤と並行して、逐次、又は同日若しくは異なる日の異なる時間に、投与されうる。該更なる治療剤はまた、該1以上の固体経口剤形物に含まれうる。本明細書において使用されている語「治療剤」は、免疫調節剤を包含する。
【0071】
化学療法剤の例は、アルキル化剤(例えば、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エストラムスチン、カルムスチン、マイトマイシン、ブレオマイシン等を包含しうる)、代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロ-ウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、ネララビン、フルダラビン、メトトレキセート等を包含しうる)、白金製剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン等を包含しうる)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポテカン、イリノテカン、エトポシド等を包含しうる)、チューブリン剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、他のタキサン、エポチロン等を包含しうる)、シグナル伝達阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤、抗体、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤等)、及び他の化学療法剤(例えば、タモキシフェン、抗有糸分裂剤、例えば、ポロ様キナーゼ阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤等)を包含するが、これらに限定されない。
【0072】
更に、それを必要とする対象における、デシタビン、ベネトクラクス、及び/又はセダズリジンで処置可能な障害を処置する方法であって、該対象に、本発明の実施態様に従う1以上の経口剤形物を投与し、それによって該対象の該障害を処置することを含む、方法が提供される。本明細書において記載されている該投与方法のいずれかが、該障害を処置する為、又は本明細書において記載されている任意の他の治療方法の為、に使用されうる。
【0073】
本発明の一部の実施態様において、デシタビン、ベネトクラクス、及び/又はセダズリジンで処置可能な該障害は、過剰増殖性障害、例えば、癌である。該方法は、デシタビン、ベネトクラクス、及び/又はセダズリジンが、処置において有効であることが既知であるか、又は後に発見される、任意の癌を処置する為に使用されることができる。特定の実施態様において、該障害は、血液癌及び固形癌から選択される癌である。血液癌の例は、骨髄異形成症候群(MDS)、白血病(例えば、ALL、AML、CML、MPN、又はCMML)、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、又はT細胞リンパ腫)、及び形質細胞異常増殖症(例えば、多発性骨髄腫)を包含する。一部の実施態様において、該固形癌は、膵臓癌、卵巣癌、腹膜癌、非小細胞肺癌、乳癌、神経外胚葉腫瘍及び/又は肉腫を包含する。一部の実施態様において、本発明は、過剰増殖性障害、例えば、癌を処置する為の方法であって、該癌が急性骨髄性白血病(AML)である、上記の方法を提供する。
【0074】
それを必要とする対象への、本発明の1以上の固体経口剤形物、又はデシタビン、ベネトクラクス、及び/又はセダズリジンの任意の組み合わせの投与は、該対象に複数の有益な応答をもたらしうる。例えば、一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるDNAメチル化を、対照の測定値と比較して、例えば、該投与の前の該対象におけるDNAメチル化(例えば、対象の「ベースライン」DNAメチル化)と比較して、少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%若しくは少なくとも15%、又はそれよりも多く、又はそれらの間の任意の値若しくは範囲)、低減する。該対象におけるDNAメチル化は、当技術分野における任意の標準技術によって、例えば、対照と比較される相対的な全体的メチル化のマーカーによって測定されたものとして、例えば、対照と比較される長鎖散在反復配列-1(LINE-1)メチル化によって測定されたものとして、定量的及び/又は質的に評価されうる。例えば、一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるLINE-1メチル化を、対照の測定値と比較して、例えば、該投与の前の該対象におけるLINE-1メチル化(例えば、対象のベースラインLINE-1メチル化)と比較して、少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%若しくは少なくとも15%、又はそれよりも多く)、低減する。例えば、一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるLINE-1メチル化を、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%若しくは少なくとも15%、又はそれよりも多く、低減する。一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるLINE-1メチル化を、約5%~約20%、約6%~約15%、又は約8%~約10%、低減しうる。
【0075】
一部の実施態様において、該投与は、該対象における好中球絶対数(ANC)を、28日サイクル後2週間以下、3週間以下、又は4週間以下にわたって(例えば、28日以下、27日以下、26日以下、25日以下、24日以下、23日以下、22日以下、21日以下、20日以下、19日以下、18日以下、17日以下、16日以下、15日以下、14日以下、13日以下、12日以下、11日以下、10日以下、9日以下、8日以下、7日以下、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、2日以下若しくは1日以下の連日にわたって、又はそれらの間の任意の値若しくは範囲にわたって)、0.5×109細胞/L(血液)未満に低減しうる。一部の実施態様において、該投与は、該対象における好中球絶対数(ANC)を、処置中2週間以下、3週間以下、又は4週間以下(例えば、反復される複数の28日サイクルと28日サイクルとの間)にわたって、0.5×109細胞/L(血液)未満に低減する。
【0076】
一部の実施態様において、該投与は、ヘモグロビンFを発現する細胞(すなわち、F細胞)を、任意的に試料1つ当たりの(例えば、患者の血液試料における)F細胞/赤血球%によって測定されたものとして、「ベースライン」対照のF細胞/赤血球%(例えば、処置前の該患者のF細胞/赤血球%と比較して、例えば、処置を受けていない患者集団(例えば、健康な患者集団)の平均F細胞/赤血球%と比較して)、少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%若しくは少なくとも30%、又はそれよりも多く)、増殖させる。例えば、一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるF細胞%を、ベースライン対照と比較して、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%若しくは少なくとも23%、又はそれよりも多く、増殖させうる。一部の実施態様において、該投与は、該対象におけるF細胞%を、ベースライン対照と比較して、約5%~約30%、約6%~約24%、又は約8%~約20%、増殖させうる。
【0077】
一部の実施態様において、該投与は、F細胞を、試料1つ当たり(例えば、患者の血液試料における)全赤血球の少なくとも10%~少なくとも30%、又はそれよりも多く(例えば、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%若しくは少なくとも30%、又はそれよりも多く、又はそれらの任意の値若しくは範囲のF細胞/赤血球)の全量まで、増殖させる。例えば、一部の実施態様において、該投与は、F細胞を、試料における全赤血球の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも23%、少なくとも35%、又はそれよりも多い全量まで、増殖させうる。一部の実施態様において、該投与は、F細胞を、試料における全赤血球の約15%~約30%、約18%~約25%、又は約15%~約35%の全量まで、増殖させうる。
【0078】
本発明の方法の一部の実施態様において、該対象は、哺乳動物でありうる。本発明の方法の一部の実施態様において、該対象は、ヒトでありうる。本発明の一部の実施態様において、該対象は、75歳以上である。特定の実施態様において、該対象は、18歳以上であり、且つ1以上の併存疾患に起因して導入化学療法について不適格である。このような併存疾患は、例えば、(i)ベースラインである米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが2若しくは3、(ii)重症の心臓障害(例えば、処置を必要とするうっ血性心不全、駆出分画率が50%以下、又は慢性安定狭心症)、(iii)重症の肺障害(例えば、一酸化炭素DLCOについて肺拡散能力が65%以下、又は1秒間努力呼気容量(FEV1:forced expiratory volume in 1 second)が65%以下、(iv)クレアチニンクリアランスが30mL/分以上且つ45mL/分未満、及び/又は(v)総ビリルビンが正常上限値(ULN:the upper limit of normal)×1.5超且つ3.0以下である中程度肝機能障害を包含する。
【0079】
用量レベル、投与方法、及び投与レジメンは、該対象(例えば、患者)にとって必要と判断された場合、当業者によって既知の技術を使用して修正されうる。
【0080】
本発明の具体的な実施態様は、先に示されている観点及び他の観点の1つ、一部又は全てに向けられうるものであり、先に及び以下に示されている実施態様及び他の実施態様の1つ、一部又は全てを包含しうることが、当業者には明らかになろう。
【0081】
実施例以外において、又は別段示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用されている成分の量、反応条件等を表す全ての数値は、語「約」によって修飾されると理解されるべきである。従って、このような数は、そうでないと示されない限り、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変わりうる近似である。各数値パラメータは、少なくとも、且つ特許請求の範囲に対する均等論の原則の適用を制限しようとする試みとしてではなく、有効桁数及び通常の四捨五入技術に照らして解釈されるべきである。
【0082】
本発明の広範な範囲を記載している数値範囲及びパラメータは、近似であるが、実施例に記載されている数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差からどうしても結果として生じてしまう、ある特定の誤差を本来的に含有している。
【0083】
本発明を記載してきたが、本発明は、以下の実施例においてより詳細に説明され、該実施例は、単に例示目的で本明細書に含まれており、本発明を制限することを意図されていない。
【0084】
実施例
75歳以上の年齢であり、及び/又は集中導入化学療法の使用を除外する併存疾患を有する成人において新たに診断された急性骨髄性白血病(AML:acute myeloid leukemia)の処置の為に、ベネトクラクスと組み合わせて与えられる場合の、ASTX727(デシタビンとの組み合わせにおけるセダズリジン)の薬物動態(PK:pharmacokinetic)相互作用、安全性、及び予備的有効性を評価する為に、シングルアームによる非盲検の多施設非無作為化介入研究が、実施されている。該研究は、曲線下面積(AUC:area under the curve)及び最大血漿濃度(Cmax)曝露を評価することによって、ASTX727とベネトクラクス併用治療との間の任意の薬物-薬物相互作用を評価する。35人の参加者が、処置を主目的とする単一群への割当てによる介入モデルに登録されると推定される。
【0085】
投与レジメン:ASTX727とベネトクラクスとの組み合わせの経口投与
サイクル1:ASTX727は、28日サイクルについてベネトクラクス(1日目=1日100mgの投与、2日目=1日200mgの投与、及び3~28日目=1日400mgの投与)と組み合わせて処方された投与レジメンに従って投与される。
【0086】
サイクル2及びそれ以降:ASTX727は、28日サイクルについてベネトクラクス(1日400mg)と組み合わせて処方された投与レジメンに従って投与される。
【0087】
測定されるべき結果
主要アウトカム尺度
ベネトクラクスのAUC0~24 - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の5日目及び15日目に、ASTX727を伴う及び伴わないベネトクラクスの0~24時間の曲線下面積(AUC)を測定する。
【0088】
ベネトクラクスのCmax - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の5日目及び15日目に、ASTX727を伴う及び伴わないベネトクラクスの観察された最大濃度を測定する。
【0089】
副次アウトカム尺度
デシタビンのAUC0~24 - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の1日目、2日目、及び5日目に、デシタビンの0~24時間の曲線下面積を測定する。
【0090】
デシタビン及びセダズリジンのCmax - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の1日目、2日目、及び5日目に、デシタビン及びセダズリジンの観察された最大濃度を測定する。
【0091】
セダズリジンのAUC0~8 - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の1日目、2日目、及び5日目に、セダズリジンの0~8時間の曲線下面積を測定する。
【0092】
デシタビンの5日目のAUC - サイクル2(1サイクル当たり28日間)の1~5日目に、デシタビンの5日間の累積AUCを測定する。
【0093】
TEAEを有する参加者 - 24カ月間まで、処置下で発現した有害事象(TEAE)の数を測定する。
【0094】
完全奏効(CR) - 24カ月間まで、CR、CR+部分的血液学的回復を伴う完全奏効(CRh)、及びCR+血球数の回復が不完全な完全奏効(CRi)を有する参加者の数を測定する。
【0095】
奏効に至るまでの時間 - 24カ月間まで、初回投与から、完全奏効又はCRhの最初の文書証拠までの日数を測定する。
【0096】
奏効持続期間 - 24カ月間まで、奏効(CR又はCRh)開始から、疾患の進行、代替の抗白血病治療の開始、又は死亡までの日数を測定する。
【0097】
全奏効 - 24カ月間まで、初回投与日から、任意の原因に起因する死亡までの日数を測定する。
【0098】
適格性判断基準
研究に適格とされる年齢:18歳以上
【0099】
研究に適格とされる性別:全て
【0100】
性差:なし
【0101】
健康なボランティアの受け入れ:なし
【0102】
組み入れ判断基準
参加者は、18歳以上でなければならない。
【0103】
世界保健機関(WHO:World Health Organization)2016年の判断基準による新たに診断されたAMLの組織学的確認。
【0104】
推定平均余命が少なくとも3カ月。
【0105】
参加者は、以下によって定義されている集中導入化学療法に不適格であるとみなされなければならない。a)75歳以上であること、又はb)18~74歳であり、以下の併存疾患の少なくとも1つを有すること:(i)重症の心臓障害(例えば、処置を必要とするうっ血性心不全、駆出分画率が50%以下、又は慢性安定狭心症)、(ii)重症の肺障害(例えば、一酸化炭素DLCOについて肺拡散能力が65%以下、又は1秒間努力呼気容量(FEV1:Forced expiratory volume in 1 second)が65%以下、(iii)クレアチニンクリアランスが30mL/分以上且つ45mL/分未満、並びに(iv)総ビリルビンが正常上限値(ULN)×1.5超且つ3.0以下である中程度肝機能障害。
【0106】
米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG:Eastern Cooperative Oncology Group)のパフォーマンスステータスが0~2。
【0107】
妊娠可能性がある女性(臨床試験促進グループ(CTFG:Clinical Trial Facilitation Group)の推奨に従う)は、妊娠中であっても母乳育児中であってもならず、且つスクリーニングにおいて妊娠検査の陰性を有していなければならない。
【0108】
生殖能を有する参加者及び該参加者のパートナーは、該研究中及び該研究処置の最終投与後3カ月間は、精子提供を差し控えることを包含し、少なくとも2種の有効な避妊方法を使用することに同意しなければならない。有効な避妊は、経口避妊薬又は二重バリア法(例えば、コンドーム及びペッサリーと殺精子薬との使用)等の方法を包含する。
【0109】
インフォームドコンセントフォーム及びプロトコールに列挙されている要件及び制限への順守を包含し、署名されたインフォームドコンセントを提出することができ、且つ該研究に参加する意思がある。
【0110】
除外判断基準
骨髄線維症、本態性血小板血症、真性赤血球増加症、BCR-ABL1転座を伴う又は伴わない慢性骨髄性白血病、及びBCR-ABL1転座を伴うAMLを包含する、骨髄増殖性新生物の病歴。
【0111】
以下の核型異常:t(8;21)、inv(16)、t(15;17)、又はオールトランス型レチノイン酸(ATRA)治療に対して依然として感受性である他の急性前骨髄球性白血病バリアント。
【0112】
活動的な中枢神経系へのAMLによる既知の関与。
【0113】
既知のヒト免疫不全ウイルス(HIV:human immunodeficiency virus)感染(抗レトロウイルス薬とベネトクラクスとの間の潜在的な薬物と薬物の相互反応に起因する)。HIV検査は、地域のガイドライン又は施設の基準に従って指示されている場合だけ、スクリーニングにおいて実施されることになる。
【0114】
既知の活動性B型又はC型肝炎感染(検出可能なウイルス量)。B型又はC型肝炎検査は、地域のガイドライン又は施設の基準に従って指示されている場合だけ、スクリーニングにおいて実施されることになる。
【0115】
以下の通り定義されている重症の肝機能障害:75歳以上の参加者についてはビリルビン>1.5×ULN若しくは75歳未満の参加者については>3×ULN、又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST:aspartate aminotransferase)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT:serum glutamic oxaloacetic transaminase)若しくはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT:alanine aminotransferase)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT:serum glutamic pyruvic transaminase)>3×ULN(白血病臓器の関与に起因すると考えられる場合を除く)。
【0116】
以下の通り定義されている重症の腎機能障害:計算されたクレアチニンクリアランス又は糸球体濾過率<30mL/分。
【0117】
吸収不良症候群、又は経腸投与経路を妨げる他の状態。
【0118】
ニューヨーク心臓病学会クラスの心血管障害ステータス>2。クラス2は、患者が安静時には快適であるが、通常の身体活動が、疲労、動悸、呼吸困難、又は狭心痛を結果としてもたらす、心疾患として定義されている。
【0119】
継続的な酸素を必要とする慢性呼吸器疾患、又は腎臓、神経、精神、内分泌、代謝、免疫、肝臓、心血管の疾患の重大な病歴、任意の他の病状、若しくは治験責任医師の意見においてこの研究への参加に悪影響を及ぼしうる、治験薬のいずれかに対する既知の過敏症。
【0120】
治療を必要とする、臨床的に有意な制御の効かない全身感染(ウイルス、細菌、又は真菌)。
【0121】
研究へのエントリー前の他の悪性腫瘍の病歴(但し、生体内原位置で好適に処置された乳房又は子宮頸部の癌を除く)、皮膚の限局性基底細胞癌又は扁平上皮癌、以前の悪性腫瘍が限局され、且つ外科的に切除されている(又は好適に処置され、他の様式で制御されている)、並びに決定的な治療が必要とされない任意の初期段階の悪性腫瘍。
【0122】
白血球(WBC)数>25,000/μL(ヒドロキシ尿素処置は、この判断基準を満たすことが許可される)。
【0123】
以下を用いる処置:a)低メチル化剤(アザシチジン又はデシタビン)、又は骨髄異形成症候群(MDS)の前処置を包含するベネトクラクス、b)キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞治療、c)MDS又はAMLについて治験中の治療剤。
【0124】
サイクル1の1日目(C1D1)よりも前に、CYP3A阻害剤活性を有する併用予防的抗真菌治療、又は中程度若しくは強力なCYP3A阻害剤活性(≧7日又は5半減期のいずれか長い方)を有する他の併用薬、を中断できない参加者。
【0125】
C1D1よりも前に、強力なCYP3A又はP-gp阻害剤(≧7日又は5半減期のいずれか長い方)である併用薬物を中断できない参加者。
【0126】
中程度又は強力なCYP3A誘発物質として既知の併用薬物を回避することができない参加者。
【0127】
別の研究又は観察研究への現在の参加。
【0128】
デシタビン、セダズリジン、ベネトクラクス、又はそれらの賦形剤のいずれかに対して既知であるか又は疑われている過敏症。
【0129】
治験責任医師の意見において、参加者が該プロトコールに順守しないリスクが高くなりやすい、既知の重大な精神疾患又は他の状態、例えば、激しいアルコール又は他の物質の乱用又は嗜癖。
【0130】
グレープフルーツ、グレープフルーツ製品、セビリアオレンジ(セビリアオレンジを含有するマーマレードを包含する)又はスターフルーツを、C1D1よりも前7日以内に消費する患者。
【0131】
前述の実施例は、本発明の例示であり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。好ましい実施態様を参照しながら本発明が詳細に記載されてきたが、以下の特許請求の範囲に記載され且つ定義されている本発明の範囲及び趣旨において、変動態様及び修正態様が存在する。
【国際調査報告】