(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ベントを有する樹脂層を含む表面実装型ウルトラキャパシタデバイス
(51)【国際特許分類】
H01G 11/74 20130101AFI20231109BHJP
H01G 11/14 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/68 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/70 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/62 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/60 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/52 20130101ALI20231109BHJP
H01G 11/32 20130101ALI20231109BHJP
【FI】
H01G11/74
H01G11/14
H01G11/78
H01G11/68
H01G11/70
H01G11/62
H01G11/60
H01G11/52
H01G11/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526042
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021056779
(87)【国際公開番号】W WO2022093911
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】デクロ,ローラント
【テーマコード(参考)】
5E078
【Fターム(参考)】
5E078AA11
5E078AB01
5E078AB13
5E078BA13
5E078CA08
5E078DA03
5E078DA05
5E078FA07
5E078FA13
5E078HA06
5E078HA24
5E078KA01
(57)【要約】
表面実装型ウルトラキャパシタデバイスが開示される。デバイスは、上端部を画定するために基部に概ね垂直な方向に延びる側壁を含むパッケージであり、内部空所が、基部の内面と、側壁との間に画定される、パッケージと、基部の内面上に配置された第1および第2の導電性部材と、基部の外面上にあり、第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2の外部終端と、内部空所内に位置づけられ、ハウジングと、ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含むウルトラキャパシタであり、第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2のリード線を含む、ウルトラキャパシタと、内部空所内に設けられ、ウルトラキャパシタの少なくとも一部をカプセル化する樹脂と、樹脂を通り、樹脂の少なくとも表面まで延びる1つまたは複数のベントとを含む。本発明はまた、前記の表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含むプリント回路基盤、ならびに前記の表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含む通信デバイスを開示する。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装型ウルトラキャパシタデバイスであって、前記デバイスが、
上端部を画定するために基部に概ね垂直な方向に延びる側壁を含むパッケージであり、内部空所が、前記基部の内面と、前記側壁との間に画定される、パッケージと、
前記基部の前記内面上に配置された第1および第2の導電性部材と、
前記基部の前記外面上にあり、前記第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2の外部終端と、
前記内部空所内に位置づけられ、ハウジングと、前記ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含むウルトラキャパシタであり、前記ウルトラキャパシタが、前記第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2のリード線を含む、ウルトラキャパシタと、
前記内部空所内に設けられ、前記ウルトラキャパシタの少なくとも一部をカプセル化する樹脂と、
前記樹脂を通り、前記樹脂の少なくとも表面まで延びる1つまたは複数のベントと
を含む、表面実装型ウルトラキャパシタデバイス。
【請求項2】
前記側壁および前記基部が、セラミック材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記側壁および前記基部が、金属を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2の導電性部材が、前記基部と概ね平行である平面内に延びる、請求項1~3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の終端が、前記基部と概ね平行である平面内に延びる、請求項1~4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記導電性部材および前記終端が、金属を含む、請求項1~5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記導電性部材が、前記終端を形成するために前記基部を通って延びる、請求項1~6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
導電性トレースが、前記第1の導電性部材に取り付けられ、前記基部を通って延び、前記第1の外部終端に取り付けられ、さらに、導電性トレースが、前記第2の導電性部材に取り付けられ、前記基部を通って延び、前記第2の外部終端に取り付けられる、請求項1~6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記リード線が、前記ウルトラキャパシタの前記ハウジングの同じ端部から延びる、請求項1~8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記リード線が、前記ウルトラキャパシタの前記ハウジングの対向する端部から延びる、請求項1~9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記樹脂が熱硬化性物質である、請求項1~10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記樹脂がエポキシ樹脂である、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記樹脂が熱可塑性物質である、請求項1~10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記樹脂が、前記パッケージの前記内部空所の少なくとも50体積%を占め、前記内部空所が、前記ウルトラキャパシタの位置づけの後として画定される、請求項1~13のいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
前記樹脂が、前記ウルトラキャパシタの位置づけの後、前記ウルトラキャパシタの露出面積の90%以上を覆う、請求項1~14のいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記1つまたは複数のベントが熱硬化性物質を含む、請求項1~15のいずれかに記載のデバイス。
【請求項17】
前記1つまたは複数のベントが熱可塑性物質を含む、請求項1~15のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記1つまたは複数のベントが、前記樹脂の表面と、前記ウルトラキャパシタの前記ハウジングとの間の距離の70%以上を延びる、請求項1~17のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記ベントの長さの30%以下が、前記樹脂の表面から延びる、請求項1~18のいずれかに記載のデバイス。
【請求項20】
前記電極アセンブリが、ゼリーロール構成で設けられる、請求項1~19のいずれかに記載のデバイス。
【請求項21】
前記電極アセンブリが、層状構成で設けられる、請求項1~20のいずれかに記載のデバイス。
【請求項22】
前記電極アセンブリが、第1の炭素質コーティングに電気的に結合された第1の集電子を含む第1の電極と、第2の炭素質コーティングに電気的に結合された第2の集電子を含む第2の電極とを含み、前記第1の集電子および前記第2の集電子が、各々、導電性金属を含む基板と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置づけられたセパレータとを含む、請求項1~21のいずれかに記載のデバイス。
【請求項23】
前記導電性金属が、アルミニウムまたはその合金である、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
複数の繊維状ウィスカが、前記第1の集電子の前記基板、前記第2の集電子の前記基板、または両方から外向きに突き出る、請求項22または23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記ウィスカが、前記導電性金属の炭化物を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1の電極、前記第2の電極、またはそれらの組合せの前記炭素質コーティングが、活性炭粒子を含む、請求項22~25のいずれかに記載のデバイス。
【請求項27】
前記活性炭粒子の少なくとも50体積%が、約0.01~約30マイクロメートルのサイズを有する、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記活性炭粒子が、複数の細孔を含み、約2ナノメートル以下のサイズを有する細孔の量が、全細孔体積の約50体積%以下であり、約2ナノメートル~約50ナノメートルのサイズを有する前記細孔の量が、前記全細孔体積の約20体積%~約80体積%であり、約50ナノメートル以上のサイズを有する前記細孔の量が、前記全細孔体積の約1体積%~約50体積%である、請求項26または27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記電解質が、非水溶媒およびイオン液体を含む、請求項1~28のいずれかに記載のデバイス。
【請求項30】
前記溶媒が、カーボネートまたはニトリルを含む、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記イオン液体が、カチオン種および対イオンを含む、請求項29または30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記カチオン種が、有機第4級アンモニウム化合物を含む、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記有機第4級アンモニウム化合物が、以下の構造、すなわち、
【化1】
を有し、ここで、mおよびnは、独立して、3~7の数である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記イオン液体が、約1.0M以上の濃度で存在する、請求項29~33のいずれかに記載のデバイス。
【請求項35】
前記セパレータがセルロース繊維材料を含む、請求項22~34のいずれかに記載のデバイス。
【請求項36】
前記ハウジングが、円筒形金属ハウジングを含む、請求項1~35のいずれかに記載のデバイス。
【請求項37】
前記ハウジングが、約20マイクロメートル~約1000マイクロメートルの厚さを有する基板を含む、請求項1~36のいずれかに記載のデバイス。
【請求項38】
前記ハウジングが、金属を含むバリア層を含む基板を含む、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記基板が、ポリオレフィン、ポリエステル、またはそれらの組合せを含む外層をさらに含む、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記基板が、アイオノマーを含む封止層をさらに含む、請求項38または39に記載のデバイス。
【請求項41】
請求項1~40のいずれかに記載の前記表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含むプリント回路基盤。
【請求項42】
請求項1~40のいずれかに記載の前記表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含む通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2020年10月27日の出願日を有する米国特許仮出願第63/105,932号の出願利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[002]電気エネルギー貯蔵セルは、電子デバイス、電気機械デバイス、電気化学デバイス、および他の有用なデバイスに電力を供給するために広く使用されている。電気二重層ウルトラキャパシタは、例えば、通常、液体電解質を含浸させた炭素粒子(例えば、活性炭)を含む一対の分極性電極を用いる。粒子の有効表面積、および電極間の小さい間隔により、大きいキャパシタンス値が達成され得る。それにもかかわらず、問題が残っている。例えば、ガスが使用中に作り出され、それが圧力の増加をもたらし、それがウルトラキャパシタを爆発または破裂させることがある。そのような問題に対処するために、多くの従来のウルトラキャパシタは、ウルトラキャパシタのハウジング内に直接ベントバルブを含む。しかしながら、それは、電解質の損失、および外部からの汚染物質がウルトラキャパシタに入る可能性をもたらすことがある。別の問題に関して、部分的にハウジングの性質のために、回路基盤上にウルトラキャパシタを実装することが、タイムリーで高価なプロセスであり得る。そのため、現在、改善されたウルトラキャパシタの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[003]本発明の1つの実施形態によれば、表面実装型ウルトラキャパシタデバイス(surface mountable ultracapacitor device)が開示される。デバイスは、上端部を画定するために基部に概ね垂直な方向に延びる側壁を含むパッケージであり、内部空所(interior cavity)が、基部の内面と、側壁との間に画定される、パッケージと、基部の内面上に配置された第1および第2の導電性部材と、基部の外面上にあり、第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2の外部終端と、内部空所内に位置づけられ、ハウジングと、ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含むウルトラキャパシタであり、第1および第2の導電性部材にそれぞれ電気的に接続された第1および第2のリード線を含む、ウルトラキャパシタと、内部空所内に設けられ、ウルトラキャパシタの少なくとも一部をカプセル化する樹脂と、樹脂を通り、樹脂の少なくとも表面まで延びる1つまたは複数のベント(vent)とを含む。
【0004】
[004]本発明の別の実施形態によれば、プリント回路基盤が開示される。プリント回路基盤は、前記の表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含む。
【0005】
[005]本発明の別の実施形態によれば、通信デバイスが開示される。通信デバイスは、前記の表面実装型ウルトラキャパシタデバイスを含む。
【0006】
[006]本発明の他の特徴および態様が、以下でさらに詳細に説明される。
【0007】
[007]当業者を対象とした、本発明の最良の形態を含む本発明の完全で有効な開示が、添付の図面を参照する本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】[008]本発明によるパッケージの1つの実施形態を示す図である。
【
図1B】本発明によるパッケージの1つの実施形態を示す図である。
【
図1C】本発明によるパッケージの1つの実施形態を示す図である。
【
図2】[009]本発明によるパッケージの別の実施形態を示す図である。
【
図3A】[010]本発明による表面実装型ウルトラキャパシタデバイスの1つの実施形態を示す図である。
【
図3B】本発明による表面実装型ウルトラキャパシタデバイスの1つの実施形態を示す図である。
【
図3C】本発明による表面実装型ウルトラキャパシタデバイスの1つの実施形態を示す図である。
【
図4】[011]本発明による表面実装型ウルトラキャパシタデバイスの別の実施形態を示す図である。
【
図5】[012]本発明のウルトラキャパシタのハウジングの実施形態を示す図である。
【
図6】本発明のウルトラキャパシタのハウジングの実施形態を示す図である。
【
図7】[013]本発明のウルトラキャパシタに用いられ得る集電子の1つの実施形態を示す図である。
【
図8】[014]本発明のウルトラキャパシタに用いられ得る集電子/炭素質コーティング構成の1つの実施形態を示す図である。
【
図9】[015]本発明のウルトラキャパシタに使用され得る電極アセンブリを形成するための1つの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[016]本明細書および図面における参照文字の繰り返しの使用は、本発明の同じまたは類似の特徴または要素を表すように意図されている。
【0010】
[017]本議論は、例示的な実施形態のみの説明であり、本発明のより広い態様を限定することを意図されておらず、そのより広い態様は例示的な構造で具現化されることが当業者によって理解されるべきである。
【0011】
[018]一般的に言えば、本発明は、表面実装型ウルトラキャパシタデバイスに関する。デバイスは、ウルトラキャパシタを収容するためのパッケージを含む。加えて、デバイスは、ウルトラキャパシタをカプセル化するための樹脂、ならびに樹脂を通って樹脂の外面まで延びる1つまたは複数のベントを含む。本発明者らは、本明細書に記載されるような表面実装型デバイスとしてウルトラキャパシタを提供することによって、様々な利点が実現され得ることを発見した。例えば、ガスが、ウルトラキャパシタの周囲で生成されるか、またはウルトラキャパシタのハウジングの封止を透過する場合、樹脂およびベントは、比較的安全な方法でガスを逃がすことを可能にする。その結果、ウルトラキャパシタの性能および/または構造的完全性に関わる問題は回避され得、したがって、ウルトラキャパシタの安全性は大幅に改善され得る。その結果として、これは、さらに、ウルトラキャパシタの耐用年数および強度を改善することができる。さらに、パッケージ内にウルトラキャパシタを設けることによって、ウルトラキャパシタは、より効率的でより低コストの方法でプリント回路基盤などの回路基盤上に実装され得る。例えば、ウルトラキャパシタのリード線を回路基盤に電気的におよび/または物理的に接続する必要がある代わりに、デバイスのパッケージに存在する終端が、当技術分野で一般に知られている手段を使用して回路基盤に電気的におよび/または物理的に接続されてもよい。
【0012】
[019]本発明の様々な実施形態が、次に、より詳細に説明されることになる。
【0013】
[020]表面実装型ウルトラキャパシタデバイス
[021]本明細書に示されるように、本発明は、表面実装型ウルトラキャパシタデバイスに関する。
図3A~
図3Cを参照すると、そのようなデバイスの1つの実施形態が示される。特に、デバイス70は、ウルトラキャパシタ72をパッケージ50の内部空所58内に収容するためのパッケージ50を含む。特に、ウルトラキャパシタ72は、電極アセンブリおよび電解質が保持および封止されるハウジングを含む。電極アセンブリは、第1の電極(図示せず)に電気的に接続される第1のリード線74と、第2の電極(図示せず)に電気的に接続される第2のリード線76とを含む。リード線74および76は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタから外向きに延び、パッケージ50に設けられた第1および第2の導電性部材(図示せず)にそれぞれ電気的に接続される。
図3Aに示されるように、リード線74および76は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタ72の対向する端部から延びる。しかしながら、
図4に示されるように、リード線74および76は電極アセンブリおよびウルトラキャパシタ72の同じ端部から延びてもよいことを理解されたい。加えて、図示のように、1つの実施形態では、リード線は、パッケージ50内に留まり、パッケージ50の基部56、側壁52、およびリッド82を越えて延びない。
【0014】
[022]一般的に言えば、リード線74および76は、リード線と導電性部材の両方が、基部56と概ね平行である平面内に設けられるように、パッケージ50に設けられた第1および第2の導電性部材にそれぞれ取り付けられる。しかしながら、このように取り付けられる場合、リード線の一部は、電極アセンブリの主表面が基部56と概ね平行となり得るように、電極アセンブリから延ばされたままであり得る。当然、これは決して必須ではないことを理解されたい。他の実施形態では、例えば、リード線は電極アセンブリの底面に設けられてもよく、その結果、電極アセンブリの底面は、導電性部材上に単に積み重ねられてもよい。
【0015】
[023]いずれにしても、リード線74および76の導電性部材への取り付けは、通常、溶接、レーザ溶接、導電性接着剤などのような様々な既知の技法のうちのいずれかを使用して達成され得る。1つの特定の実施形態では、例えば、リード線74および76は、導電性接着剤を使用して、それぞれ、導電性部材60および62に接続される。導電性接着剤は、樹脂組成物とともに含まれる導電性金属粒子から形成され得る。金属粒子は、銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマスなどとすることができる。樹脂組成物は、熱硬化樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、キュアリング剤(例えば、アシッドアンハイドライド)、およびカップリング剤(例えば、シランカップリング剤)を含むことができる。適切な導電性接着剤は、Osakoらへ米国特許出願公開第2006/0038304号に記載されている。
【0016】
[024]所望の方法で接続されると、樹脂78が、さらに、パッケージ50の内部空所58内に設けられる。樹脂78は、ウルトラキャパシタ72をカプセル化するために利用され得る。例えば、ウルトラキャパシタ72をパッケージ50内に実装した後、ウルトラキャパシタ72の表面積の特定の量は、内部空所および周囲に露出されたままであり得る。この点に関して、樹脂78は、ウルトラキャパシタをカプセル化し、ウルトラキャパシタ72の少なくとも特定の部分を覆うために利用され得る。例えば、樹脂78はウルトラキャパシタの露出面積(exposed area)の少なくとも50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば98%以上、例えば99%以上、例えば100%を覆うために利用され得る。
【0017】
[025]加えて、樹脂78は、パッケージの内部空所の30体積%以上、例えば40体積%以上、例えば50体積%以上、例えば60体積%以上、例えば70体積%以上、例えば80体積%以上、例えば90体積%以上、例えば95体積%以上を占めるように設けられ得る。樹脂は、パッケージの内部空所の100体積%以下、例えば99体積%以下、例えば98体積%以下、例えば95体積%以下、例えば90体積%以下、例えば85体積%以下、例えば80体積%以下、例えば75体積%以下、例えば70体積%以下、を占めるように設けられ得る。そのような割合は、ある実施形態では、ウルトラキャパシタを実装する前の内部空所の全体積に基づくことができる。別の実施形態では、そのような割合は、ウルトラキャパシタを実装した後の内部空所の残りの体積に基づくことができる。
【0018】
[026]樹脂は、電子用途のためのウルトラキャパシタとともに利用され得る概して任意の樹脂から形成されてもよい。この点に関して、樹脂は、高温にさらされたときに安定であるものとすることができる。この点に関して、樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、またはその混合物とすることができる。ある実施形態では、樹脂は、熱可塑性樹脂とすることができる。別の実施形態では、樹脂は、熱硬化性樹脂とすることができる。樹脂は、当技術分野で一般に知られている手段を使用して、内部空所内におよびウルトラキャパシタの周囲に設けることができる。例えば、樹脂の溶液または溶融物が、内部空所内に供給されてもよい。次いで、溶液または溶融物は、固化または硬化して樹脂を形成することが可能であり得る。例えば、特定の実施形態では、冷却することが、パッケージ58内の樹脂78を硬化および形成するのに十分であり得る。他の実施形態では、そのような硬化は、キュアリングによって促進され得る。例えば、そのようなキュアリングは、熱キュアリング(例えば、熱の印加)、放射線キュアリング、または両方を含むことができる。放射線キュアリングは、電子ビーム放射、UV放射などのような当技術分野で一般に知られる様々な技法を含むことができる。ある実施形態では、熱キュアリングが、樹脂を形成するために必要とされ得る。別の実施形態では、放射線キュアリングが、樹脂を形成するために必要とされ得る。さらなる実施形態では、熱キュアリングおよび放射線キュアリングが、樹脂を形成するために必要とされることがある。
【0019】
[027]本明細書に示されるように、1つの実施形態では、樹脂は、熱硬化性樹脂とすることができる。例えば、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(例えば、エポキシノボラック樹脂)、ポリエステル(例えば、不飽和ポリエステル)、ビニルエステル、シアネートエステル、ポリシアヌレート、フェノール樹脂(例えば、フェノール-ホルムアルデヒド)、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリイミド、などと、それらの混合物を含むものとを含むことができる。エポキシ樹脂は特に適切である。適切なエポキシ樹脂の例は、例えば、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂、ビスフェノールFタイプエポキシ樹脂、フェノールノボラックタイプエポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラックタイプエポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂およびビフェニルタイプエポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステルタイプエポキシ樹脂、グリシジルアミンタイプエポキシ樹脂、クレゾールノボラックタイプエポキシ樹脂、ナフタレンタイプエポキシ樹脂、フェノールアラルキルタイプエポキシ樹脂、シクロペンタジエンタイプエポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、などのようなグリシジルエーテルタイプエポキシ樹脂を含む。
【0020】
[028]必要に応じて、キュアリング剤が、さらに、キュアリングを促進するために用いられてもよい。用いられる場合、キュアリング剤は、一般に、樹脂の約0.1~約20重量%を構成する。例示的なキュアリング剤は、例えば、アミン、ペルオキシド、アンハイドライド、フェノール化合物、シラン、アシッドアンハイドライド化合物、およびそれらの組合せを含む。適切なキュアリング剤の具体的な例は、ジシアンジアミド、1-(2シアノエチル)2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル2ーメチルイミダゾール、エチルシアノプロピルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、2,4-ジシアノ-6,2-メチルイミダゾリル-(1)-エチル-s-トリアジン、および2,4-ジシアノ-6,2-ウンデシルイミダゾリル-(1)-エチル-s-トリアジン、イミダゾリウム塩(1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2-メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2-エチル-4-メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、および2-エチル-1,4-ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、など)である。さらに他の有用なキュアリング剤は、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、およびトリス(シアノエチル)ホスフィンなどのホスフィン化合物;テトラフェニルホスホニウムーテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウム-テトラフェニルボレート、およびメチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩;2,4,6トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン、N-メチルピペラジン、および2-ジメチルアミノ-1-ピロリンなどのアミン;トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどのアンモニウム塩;1,5ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネン、および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]-オクタンなどのジアザビシクロ化合物;テトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノボラック塩、および2-エチルヘキサン酸塩などのジアザビシクロ化合物の塩;などを含む。
【0021】
[029]本明細書に示されるように、1つの実施形態では、樹脂は熱可塑性樹脂とすることができる。熱可塑性樹脂は、ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、など)、ポリオレフィン、スチレンポリマー、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルホン(例えば、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、など)、ポリケトン、ポリエーテルケトン(例えば、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、など)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,10、ナイロン-11、ナイロン-12、など)、ポリイミド、などを含むことができる。この点に関して、熱可塑性ポリマーは、通常、高温に耐えることができる高性能ポリマーとすることができる。この点に関して、一般に高い溶融温度を有する熱可塑性樹脂が選択され得る。例えば、熱可塑性樹脂は、約150℃以上、例えば約200℃以上、例えば約250℃以上、例えば約300℃以上、例えば約350℃以上~約500℃以下、例えば約450℃以下、例えば約400℃以下の溶融温度を有することができる。
【0022】
[030]樹脂は、他の添加剤をさらに含むことができる。例えば、これらの添加剤は、光開始剤、粘度調整剤、懸濁助剤、顔料、応力低減剤(stress reducing agent)、非導電性フィラー、安定剤、などを含むことができる。適切な光開始剤は、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2ジヒドロキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4-ビスジアリルアミノベンゾフェノン、4-ジメチルアミノベンゾ酸、アルキル4-ジメチルアミノベンゾアート、2-エチルアントラキノン、キサントン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、などを含むことができる。同様に、非導電性フィラーは、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、ゼオライト、シリケート、クレー(例えば、スメクタイトクレー)、などのような無機酸化物粒子、ならびにそれらの合成物(例えば、アルミナ被覆シリカ粒子)およびその混合物を含むことができる。
【0023】
[031]
図3B~
図3Cに戻って参照すると、樹脂78に加えて、デバイス70は、1つまたは複数のベント80をさらに含む。例えば、1つまたは複数のベント80は、樹脂78を通って樹脂78の外面88まで延びることができる。この点に関して、外面は、通常、パッケージ50(例えば、側壁52、基部56)またはウルトラキャパシタ72と接触しない表面である。理論によって限定されるものではないが、ベント80は、ウルトラキャパシタ72のまわりに形成されることがあるか、またはウルトラキャパシタ72のハウジング内から漏れ出ることがあるガスを逃がすことを可能にすることができる。
【0024】
[032]ベントは、様々な手段を使用して形成され得る。例えば、1つの実施形態では、前記の樹脂が、内部空所内に与えられるとき、1つまたは複数のベントによって必要とされる空間を占めないように、型が内部空所内に設けられ得る。この点に関して、樹脂を形成する際、1つまたは複数のベントも同時に形成され得る。代替として、樹脂が内部空所内に形成された後、ドリル加工(または他の類似の技法)を利用して、1つまたは複数のベントを創り出してもよい。1つまたは複数のベントが形成される方法にかかわらず、ある実施形態では、1つまたは複数のベントは、解放され無充填のままであり得る。別の実施形態では、1つまたは複数のベントは充填され得る。ベントは、セラミック、樹脂、などで充填されてもよい。一般に、ベントを充填するために使用される材料は、ガスを逃がすことを可能にするものとすることができる。この点に関して、ある実施形態では、樹脂は、上記のように熱可塑性樹脂とすることができる。代替として、別の実施形態では、樹脂は、上記のように熱硬化性樹脂とすることができる。加えて、充填されるとき、ベントを充填するための材料は、予め製造されていてもよい。すなわち、それは、パッケージの外で製造および形成され、開口内に単に入れられてもよい。代替として、材料は、ベントに充填されてもよい。例えば、ポリマー溶融物または前駆体溶液が、ベントに入れられ、その後、硬化またはキュアリングされてもよい。
【0025】
[033]さらに、
図3B~
図3Cに示されるように、ベントは、樹脂78の表面88を越えて延びる。この点に関して、ベントの長さの50%以下、例えば40%以下、例えば30%以下、例えば20%以下、例えば10%以下、例えば5%以下が、樹脂78の表面88から外向きに延びてもよい。しかしながら、別の実施形態では、ベント80が表面88を越えて延びなくてもよく、単に表面88で終了してもよいことを理解されたい。それにもかかわらず、ベント80は、側壁52の上端部54を越えて延びることはできない。加えて、
図3B~
図3Cに示されるように、1つまたは複数のベント80は、ウルトラキャパシタ72のハウジングの表面まで最後まで延びなくてもよい。この点に関して、1つまたは複数のベントは、樹脂78の表面88とウルトラキャパシタ72のハウジングとの間の距離の40%以上、例えば50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上延びることができる。1つまたは複数のベント80は、樹脂78の表面88とウルトラキャパシタ72のハウジングとの間の距離の100%以下、例えば99%以下、例えば98%以下、例えば95%以下、例えば90%以下、例えば80%以下延びることができる。その結果、1つの実施形態では、1つまたは複数のベント80は、ウルトラキャパシタ72のハウジングの表面まで延びることができる。
【0026】
[034]ベント80はまた、特定の断面寸法および/またはサイズを有することができる。断面形状は必ずしも限定されないことを理解されたい。例えば、断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、三角形、星形、十字形、などの形態のものとすることができる。加えて、ベントの断面は、少なくとも1つの方向に最大寸法を有することができる。そのような最大の寸法は、0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば4mm以上、例えば5mm以上であり得る。断面内のそのような最大寸法は、20mm以下、例えば10mm以下、例えば8mm以下、例えば6mm以下、例えば5mm以下、例えば4mm以下、例えば3mm以下、例えば2mm以下、例えば1mm以下、例えば0.5mm以下であり得る。さらに、ベントの断面積は、0.001mm2以上、例えば0.01mm2以上、例えば0.05mm2以上、例えば0.1mm2以上、例えば0.2mm2以上、例えば0.3mm2以上、例えば0.5mm2以上、例えば1mm2以上、例えば2mm2以上、例えば3mm2以上、例えば5mm2以上、例えば10mm2以上、例えば20mm2以上であり得る。ベントの断面積は、500mm2以下、例えば300mm2以下、例えば200mm2以下、例えば150mm2以下、例えば100mm2以下、例えば80mm2以下、例えば60mm2以下、例えば50mm2以下、例えば40mm2以下、例えば30mm2以下、例えば20mm2以下、例えば10mm2以下、例えば8mm2以下、例えば6mm2以下、例えば5mm2以下、例えば4mm2以下、例えば3mm2以下、例えば2mm2以下、例えば1mm2以下、例えば0.5mm2以下であり得る。1つの実施形態では、前記の断面積は、ベントのすべてを組み合わせた全断面積に適用することができる。
【0027】
[035]加えて、
図3B~
図3Cは、パッケージ50の側壁52と概ね平行で、基部56に概ね垂直な方向に延びるベント80を示している。例えば、ベント80は、樹脂78と内部空所58の残りの空いている空間との界面における外面88で示されるような外面88まで延びる。しかしながら、ベント80は他の方向に延びることもできることを理解されたい。例えば、1つまたは複数のベント80は、側壁52に概ね垂直で、基部56に概ね平行である方向に延びることができる。ベント80がそのような方法で与えられる場合、樹脂78は、側壁の1つまたは複数まで延びないように形成され得る。例えば、側壁52と樹脂78との間に、空いている空所を設けることによって、そのような空所は、ガスが、ベント80を通り、内部空所58の空いている空所に逃げるのを可能にすることができる。
【0028】
[036]本発明はベントの数によって限定されないことを理解されたい。例えば、
図3B~
図3Cは、3つのベントを示している。しかしながら、デバイス70は、単に1つまたは複数のベントを含むことができる。例えば、デバイス70は、ある実施形態では、単に1つのベントを含むことができる。他の実施形態では、デバイス70は、1つを超えるベント、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば5つ以上のベントを含むことができる。
【0029】
[037]ウルトラキャパシタ72および樹脂78が設けられ、1つまたは複数のベント80が形成された後、次いで、パッケージ50は、リッド82を使用して封止され得る。例えば、リッド82は、側壁52の上端部54上に配置され得る。リッド82は、セラミック、金属(例えば、鉄、銅、ニッケル、コバルト、など、ならびにそれらの合金)、プラスチック、などから形成され得る。1つの実施形態では、リッドは、可撓性材料から形成され得る。例えば、特定の圧力閾値を下回ると、リッドは、圧力を受けるとき変形することがあるが、破裂せず、それによって、リッドおよびパッケージの構造的完全性を維持することができる。
【0030】
[038]リッドが付けられると、デバイス内の特定の体積の空間は、空くことができる。そのような体積は、パッケージの内部空所全体の体積の50体積%以下、例えば40体積%以下、例えば30体積%以下、例えば20体積%以下、例えば15体積%以下、例えば10体積%以下、例えば8体積%以下、例えば5体積%以下であり得る。そのような体積は、パッケージの内部空所全体の体積の0体積%以上、例えば1体積%以上、例えば2体積%以上、例えば5体積%以上、例えば10体積%以上、例えば15体積%以上、例えば20体積%以上、例えば25体積%以上、例えば30体積%以上であり得る。
【0031】
[039]パッケージ
[040]本明細書に示されるように、本発明の表面実装型ウルトラキャパシタデバイスは、ウルトラキャパシタが収容されるパッケージを用いる。1つの実施形態では、パッケージは、表面実装型パッケージとすることができる。
図1A~
図1Cを参照すると、パッケージ50は、基部56に概ね垂直な方向に延びる側壁52を有する。基部56は、内面56aおよび外面56bを画定する。内部空所58は、基部56の内面56aと、側壁52との間に画定され、その中にウルトラキャパシタが位置づけられ得る。ある実施形態では、表面実装型デバイスおよび内部空所58は、環境に露出されることがある。他の実施形態では、パッケージ50はまた、パッケージ50内のウルトラキャパシタを封止するために、側壁52の上端部54に配置されるリッド82を含むことができる。
【0032】
[041]必要に応じて、封止部材(図示せず)が、良好な封止をもたらすのに役立つようにリッド82と側壁52との間に配置され得る。1つの実施形態では、例えば、封止部材は、ガラス-金属封止、Kovar(登録商標)リング(Goodfellow Cambridge,Ltd.)、などを含むことができる。側壁52の高さは、通常、リッド82がウルトラキャパシタ70の表面に接触しないような高さである。さらなる実施形態では、側壁52の高さは、通常、リッドが本明細書に記載されるような樹脂の表面にも接触しないような高さである。所望の位置に置かれると、リッド82は、溶接(例えば、抵抗溶接、レーザ溶接、など)、はんだ付け、などのような既知の技法を使用して側壁52に封着され得る。
【0033】
[042]様々な異なる材料のうちのいずれかを使用して、パッケージ、特に、側壁52および基部56を形成することができる。例えば、これらの材料は、金属、プラスチック、セラミック、などを含むことができる。ある実施形態では、例えば、側壁および/または基部は、セラミック材料の1つまたは複数の層を含むことができる。セラミック材料は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ガラス、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。他の実施形態では、側壁および/または基部は、金属の1つまたは複数の層を含むことができる。金属は、タンタル、ニオビウム、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金(例えば、導電性酸化物)、それらの合成物(例えば、導電性酸化物で被覆された金属)、などを含むことができる。
【0034】
[043]ウルトラキャパシタをパッケージに、特に、電極アセンブリをパッケージに機械的に安定な方法で取り付けるために、第1の導電性部材60および第2の導電性部材62は、パッケージ50の内部空所58内に配置される。特に、第1の導電性部材60および第2の導電性部材62は、基部56の内面56a上に配置され、基部56と概ね平行な平面内に延びる。ウルトラキャパシタは、同様に、そこから外向きに延び、第1および第2の導電性部材60および62にそれぞれ電気的に接続される第1および第2のリード線を含む。第1および第2の導電性部材60および62は、次には、
図1Cに示されるように基部56の外面56bに設けられた第1および第2の外部終端84および86にそれぞれ電気的に接続される。
【0035】
[044]導電性部材は、任意の形態(例えば、パッド、プレート、フレーム、など)で設けられてもよいが、通常、比較的小さい厚さを有する。例えば、導電性部材の厚さは、約0.05mm以上から、例えば約0.1mm以上、例えば約0.2mm以上、例えば約0.5mm以上~約1mm以下、例えば約0.5mm以下、例えば約0.4mm以下、例えば約0.2mm以下、例えば約0.1mm以下の範囲であり得る。導電性部材は、一般に、ニッケル、銀、金、スズ、銅、などのような金属の1つまたは複数の層から形成される。
【0036】
[045]
図1Aに示されるように、導電性部材60および62は、基部56の内面56aの対向する端部に位置づけられる。この点に関して、そのような構成は、対向する端部に端子またはリード線を有するウルトラキャパシタを受け入れるのに有益であり得る。しかしながら、
図2に示されるように、導電性部材60および62は、基部56の内面56aの同じ端部に位置づけられてもよいことを理解されたい。例えば、そのような構成は、同じ端部に端子またはリード線を有するウルトラキャパシタを受け入れるのに有益であり得る。
【0037】
[046]構成にかかわらず、第1および第2の導電性部材60および62は、第1および第2の外部終端84および86にそれぞれ電気的に接続され、第1および第2の外部終端84および86は、基部56の外面56bに設けられ、基部56と概ね平行な平面内に延びる。終端84および86は、任意の形態(例えば、パッド、プレート、フレーム、など)で設けられ得るが、通常、回路基盤に表面実装される能力を改善するために、比較的小さい厚さを有する。例えば、終端の厚さは、約0.05mm以上から、例えば約0.1mm以上、例えば約0.2mm以上、例えば約0.5mm以上~約1mm以下、例えば約0.5mm以下、例えば約0.4mm以下、例えば約0.2mm以下、例えば約0.1mm以下の範囲であり得る。
【0038】
[047]終端は、一般に、ニッケル、銀、金、スズ、銅、などのような金属の1つまたは複数の層から形成される。必要に応じて、終端の表面は、最終部品が回路基盤に確実に実装可能となるように、当技術分野で知られているように、ニッケル、銀、金、スズなどを用いて電気めっきされてもよい。1つの特定の実施形態では、終端は、それぞれニッケルおよび銀フラッシュで堆積され、実装表面は、さらに、スズはんだ層でめっきされる。別の実施形態では、終端は、導電性をさらに増加させるために、ベース金属層(例えば、銅合金)上に薄い外側金属層(例えば、金)を用いて堆積される。
【0039】
[048]それらが形成される方法にかかわらず、第1および第2の外部終端84および86は、電極アセンブリとの所望の接続を行うために、第1および第2の導電性部材60および62にそれぞれ電気的に接続される。1つの実施形態では、例えば、導電性部材60および62は、外部終端84および86を形成するために、単に基部56を通って延びることができる。代替として、別個の導電性トレース(図示せず)が、第1の導電性部材60に取り付けられ、別個の導電性トレース(図示せず)は、基部56を通って延び、第1の外部終端84を形成するか、または外部終端84として機能する追加の導電性部材に接続されてもよい。同様に、第2の導電性部材62は、外部終端86を形成するために基部56を通って延びることができ、または別個の導電性トレース(図示せず)が、第2の導電性部材62に取り付けられ、別個の導電性トレース(図示せず)は、基部56を通って延び、終端86を形成するか、または外部終端86として機能する追加の導電性部材に接続されてもよい。トレースが用いられる場合、ビア(図示せず)が、トレースを受け入れるために基部56内に形成され得る。
【0040】
[049]導電性部材と外部終端とが電気的に接続される方法は、当技術分野で知られているように、様々であり得る。特定の実施形態では、例えば、超音波溶接、レーザ溶接、抵抗溶接、などのような溶接技術が用いられ得る。さらに他の実施形態では、導電性接着剤が、導電性部材をそれぞれの終端に接続するために用いられ得る。
【0041】
[050]用いられる場合、導電性接着剤は、一般に、導電性材料(例えば、金属)から形成される複数の粒子を含む。適切な導電性材料の例は、例えば、ニッケル、銅、金、銀、銀被覆銅、銀被覆ニッケル、などのような金属、例えば、グラファイト、ニッケル被覆炭素、などのような炭素材料、などを含む。導電性接着剤はまた、通常、導電性粒子が分散されている樹脂性材料を含む。任意の樹脂性材料が用いられてもよいが、通常、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、などのようなキュアリング可能な熱硬化性樹脂である樹脂を使用することが望ましい。エポキシ樹脂は特に適切である。適切なエポキシ樹脂の例は、例えば、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂、ビスフェノールFタイプエポキシ樹脂、フェノールノボラックタイプエポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラックタイプエポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂およびビフェニルタイプエポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステルタイプエポキシ樹脂、グリシジルアミンタイプエポキシ樹脂、クレゾールノボラックタイプエポキシ樹脂、ナフタレンタイプエポキシ樹脂、フェノールアラルキルタイプエポキシ樹脂、シクロペンタジエンタイプエポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、などのようなグリシジルエーテルタイプエポキシ樹脂を含む。さらに別の適切な導電性接着剤樹脂は、Osakoらへ米国特許出願公開第2006/0038304号およびChackoへの米国特許第7,554,793号にも記載されている。一般に、樹脂性材料は、接着剤の乾燥重量の約0.5重量%~約50重量%、実施形態によっては約1重量%~約25重量%、および実施形態によっては約2重量%~約20重量%を構成する。同様に、導電性粒子は、一般に、乾燥量基準で、接着剤の約50重量%~約99.5重量%、実施形態によっては約75重量%~約99重量%、および実施形態によっては約80重量%~約98重量%を構成する。接着剤は、スクリーン印刷、浸漬、電気泳動コーティング、電子ビーム堆積、噴霧、ローラプレス、ブラッシング、ドクターブレードキャスティング、真空蒸着、コーティング、などのような既知の技法を使用して塗布され得る。それにもかかわらず、塗布された後、導電性接着剤は、熱キュアリング、化学線放射キュアリング(例えば、紫外線放射、eビーム放射、赤外線放射、など)、などの様々な既知の技法のうちのいずれかを使用してキュアリングされ得る。
【0042】
[051]電極アセンブリ
[052]一般に、ウルトラキャパシタは、第1の電極、第2の電極、およびセパレータを含む電極アセンブリを含む。例えば、第1の電極は、一般に、第1の集電子に電気的に結合された第1の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む第1の電極を含み、第2の電極は、一般に、第2の集電子に電気的に結合された第2の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む。セパレータが、第1の電極と第2の電極との間にも配置され得る。加えて、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極にそれぞれ電気的に接続される第1のリード線および第2のリード線を含む。
【0043】
[053]そのようなアセンブリの様々な実施形態が、以下でより詳細に説明される。
【0044】
[054]電極
[055]上述で示されたように、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極を含む電極アセンブリを含む。アセンブリ内で用いられる電極は、通常、集電子を含む。集電子は、同じ材料から形成されてもよく、または異なる材料から形成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、各電極の集電子は同じ材料から形成される。いずれにしても、各集電子は、一般に、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銀、パラジウム、など、ならびにそれらの合金などの導電性金属を含む基板から形成される。アルミニウムおよびアルミニウム合金は、本発明で使用するのに特に適している。
【0045】
[056]集電子基板は、フォイル、シート、プレート、メッシュ、などの形態のものでよい。基板はまた、比較的小さい厚さ、例えば約200マイクロメートル以下、例えば約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下を有することができる。基板は、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0046】
[057]決して必須ではないが、基板の表面は、処理されてもよい。例えば、1つの実施形態では、表面は、例えば、洗浄、エッチング、ブラスチング、などによって粗化されてもよい。特定の実施形態では、集電子は、基板から外向きに突き出る複数の繊維様ウィスカを含むことができる。理論によって限定されるものではないが、これらのウィスカは、集電子の表面積を効果的に増加させ、さらに、対応する電極への集電子の接着を改善することができると考えられる。これは、第1の電極および/または第2の電極の比較的低い結合剤含有量の使用を可能にすることができ、それは、電荷移動を改善し、界面抵抗を低減し、その結果、非常に低いESR値をもたらすことができる。ウィスカは、一般に、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物を含む材料から形成される。1つの実施形態では、例えば、材料は、炭化アルミニウム(Al
4C
3)などの導電性金属の炭化物を含むことができる。
図7を参照すると、例えば、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を含む集電子の1つの実施形態が示される。必要に応じて、ウィスカ21は、オプションとして、基板1内に埋め込まれたシード部分3から突き出ることができる。ウィスカ21と同様に、シード部分3はまた、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物、例えば、導電性金属の炭化物(例えば、炭化アルミニウム)などを含む材料から形成されてもよい。さらに、
図8は、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を、本明細書で説明されるような炭素質コーティング22と組み合わせて有する前記の集電子を含む電極を示す。
【0047】
[058]そのようなウィスカが基板に形成される方法は、所望に応じて変わることができる。1つの実施形態では、例えば、基板の導電性金属を炭化水素化合物と反応させる。そのような炭化水素化合物の例は、例えば、パラフィン炭化水素化合物、例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、など;オレフィン炭化水素化合物、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、など;アセチレン炭化水素化合物、例えば、アセチレン;ならびに前述のもののいずれかの誘導体または組合せを含むことができる。一般に、炭化水素化合物は反応の間ガス形態であることが望ましい。したがって、加熱されたときにガス形態であるメタン、エタン、およびプロパンなどの炭化水素化合物を用いることが望ましいことがある。必ずしも必須ではないが、炭化水素化合物は、一般に、基板の100重量部に基づいて、約0.1重量部~約50重量部、実施形態によっては、約0.5重量部~約30重量の範囲で用いられる。炭化水素および導電性金属との反応を開始するために、基板は、通常、約300℃以上、実施形態によっては約400℃以上、および実施形態によっては約500℃~約650℃温度である雰囲気中で加熱される。加熱の時間は、選択された正確な温度に依存するが、一般に、約1時間~約100時間の範囲である。雰囲気は、一般に、基板の表面への誘電体膜の形成を最小にするために、比較的少量の酸素を含む。例えば、雰囲気の酸素含有量は、約1体積%以下であり得る。
【0048】
[059]ウルトラキャパシタで使用される電極はまた、集電子の対向側面上にコーティングされる炭素質材料を含む。それは、同じまたは異なるタイプの材料から形成されてもよく、1つまたは多数の層を含んでもよいが、炭素質コーティングの各々は、通常、活性化粒子を含む少なくとも1つの層を含む。特定の実施形態では、例えば、活性炭層は、集電子の上に直接配置されてもよく、オプションとして、炭素質コーティングの唯一の層であってもよい。適切な活性炭粒子の例は、例えば、ヤシ殻系活性炭、石油コークス系活性炭、ピッチ系活性炭、ポリビニリデンクロライド系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、ポリアクリロニトリル系活性炭、および石炭、木炭、または他の天然有機源などの天然源からの活性炭を含むことができる。
【0049】
[060]特定の実施形態では、1つまたは複数の充電-放電サイクルを受けた後の特定のタイプの電解質のイオン移動度を改善するのに役立つために、活性炭粒子の特定の態様、例えば、粒径分布、表面積、および細孔径分布などを選択的に制御することが望ましいことがある。例えば、粒子の少なくとも50体積%(D50サイズ)は、約0.01マイクロメートル以上から、例えば約0.1マイクロメートル以上、例えば約0.5マイクロメートル以上、例えば約1マイクロメートル以上~約30マイクロメートル以下、例えば約25マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下、例えば約10マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。粒子の少なくとも90体積%(D90サイズ)は、同様に、約2マイクロメートル以上から、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約6マイクロメートル以上~約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。BET表面はまた、約900m2/g以上、例えば約1000m2/g以上、例えば約1100m2/g以上、例えば約1200m2/g以上~約3000m2/g以下、例えば約2500m2/g以下、例えば約2000m2/g以下、例えば約1800m2/g以下、例えば約1500m2/g以下の範囲であり得る。
【0050】
[061]活性炭粒子は、特定のサイズおよび表面積を有することに加えて、特定のサイズ分布を有する細孔をさらに含むことができる。例えば、約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約20体積%以下、例えば約15体積%以下、例えば約10体積%以下、例えば約5体積%以下の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約0体積%以上、例えば約0.1体積%以上、例えば約0.5体積%以上、例えば約1体積%以上の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、同様に、全細孔体積の約20体積%以上、例えば約25体積%以上、例えば約30体積%以上、例えば約40体積%以上、例えば約50体積%以上であり得る。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、全細孔体積の約90体積%以下、例えば約80体積%以下、例えば約75体積%以下、例えば約65体積%以下、例えば約55体積%以下、例えば約50体積%以下であり得る。最後に、約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約1体積%以上、例えば約5体積%以上、例えば約10体積%以上、例えば約15体積%以上であり得る。約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約35体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約25体積%以下であり得る。カーボン粒子の全細孔体積は、約0.2cm3/g以上から、例えば約0.4cm3/g以上、例えば約0.5cm3/g以上~約1.5cm3/g以下、例えば約1.3cm3/g以下、例えば約1.0cm3/g以下、例えば約0.8cm3/g以下の範囲にあり得る。中央細孔幅は、約8ナノメートル以下、例えば約5ナノメートル以下、例えば約4ナノメートル以下であり得る。中央細孔幅は、約1ナノメートル以上、例えば約2ナノメートル以上であり得る。細孔径および全細孔体積は、窒素吸着を使用して測定され、当技術分野でよく知られているBarrett-Joyner-Halenda(「BJH」)技法によって分析され得る。
【0051】
[062]本発明の1つの特有の態様は、電極が、ウルトラキャパシタ電極で従来用いられているかなりの量の結合剤を含む必要がないことである。すなわち、結合剤は、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上の量で存在することができる。結合剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。結合剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。
【0052】
[063]それにもかかわらず、使用される場合、様々な適切な結合剤のうちのいずれかが電極に使用され得る。例えば、不水溶性有機結合剤、例えば、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリビニルアセテートホモポリマー、ビニル-アセテートエチレンコポリマー、ビニル-アセテートアクリルコポリマー、エチレン-ビニルクロライドコポリマー、エチレン-ビニルクロライド-ビニルアセテートターポリマー、アクリルポリビニルクロライドポリマー、アクリルポリマー、ニトリルポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレンまたはポリビニリデンフルオライドなどのフルオロポリマー、ポリオレフィン、など、ならびにそれらの混合物が特定の実施形態において用いられ得る。水溶性有機結合剤、例えば、多糖類およびその誘導体などがさらに用いられてもよい。1つの特定の実施形態では、多糖類は、非イオン性セルロースエーテル、例えばアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルセルロースおよびエチルセルロース);ヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、など);アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルエチルヒドロキシプロピルセルロース);カルボキシアルキルセルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース);など、ならびに前述のもののいずれかのプロトン化塩、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなどであり得る。
【0053】
[064]必要に応じて、他の材料が、さらに、炭素質材料の活性炭層内で用いられてもよい。例えば、特定の実施形態では、導電性促進剤が、導電率をさらに増加させるために用いられてもよい。例示的な導電性促進剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト(天然または人工)、グラファイト、カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノチューブ、金属繊維、グラフェン、など、ならびにそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態では、カーボンブラックが特に適している。別の実施形態では、カーボンナノチューブが特に適している。使用される場合、導電性促進剤は、一般に、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上を構成する。導電性促進剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。導電性促進剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。一方では、活性炭粒子は、同様に、一般に、炭素質コーティングの全重量の85重量%以上、例えば約90重量%以上、例えば約95重量%以上、例えば約97重量%以上を構成する。活性炭粒子は、炭素質コーティングの全重量の100重量%未満、例えば約99.5重量%以下、例えば約99重量%以下、例えば約98重量%以下を構成し得る。
【0054】
[065]炭素質材料が集電子の側面上にコーティングされる特定の方法は、当業者によく知られているように、例えば、印刷(例えば、輪転グラビア)、噴霧、スロットダイコーティング、ドロップコーティング、ディップコーティング、など様々であってもよい。塗布される方法にかかわらず、結果として得られる電極は、一般に、コーティングから水分を取り除くために、例えば、約100℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約300℃~約500℃の温度で乾燥される。電極はまた、ウルトラキャパシタの体積効率を最適化するために圧縮され(例えば、カレンダー加工され)得る。オプションの圧縮の後、各炭素質コーティングの厚さは、通常、ウルトラキャパシタの所望の電気性能および動作範囲に基づいて変わってもよい。しかしながら、一般に、コーティングの厚さは、約20~約200マイクロメートル、30~約150マイクロメートル、実施形態によっては約40~約100マイクロメートルである。コーティングは、集電子の片側または両側に存在することができる。いずれにしても、全体的な電極の厚さ(オプションの圧縮の後の集電子および炭素質コーティングを含む)は、一般に、約20~約350マイクロメートル、実施形態によっては約30~約300マイクロメートル、および実施形態によっては約50~約250マイクロメートルの範囲内にある。
【0055】
[066]セパレータ
[067]上述で示されたように、電極アセンブリは、第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータを含むことができる。セパレータは、ある電極を別の電極から電気的に分離することを可能にして、電気的短絡を防止するのに役立ち、しかし、依然として、2つの電極間のイオンの輸送を可能にすることができる。特定の実施形態では、例えば、セルロース繊維材料(例えば、エアレイドペーパーウェブ、ウェットレイドペーパーウェブ、など)、不織布繊維材料(例えば、ポリオレフィン不織布ウェブ)、織物、フィルム(例えば、ポリオレフィンフィルム)、などを含むセパレータが用いられ得る。天然繊維、合成繊維、などを含むものなどのセルロース繊維材料は、ウルトラキャパシタで使用するのに特に適している。セパレータで使用するための好適なセルロース系繊維の具体的な例は、例えば、広葉樹パルプ繊維、針葉樹パルプ繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維、などを含むことができる。
【0056】
[068]用いられる特定の材料にかかわらず、セパレータは、一般に、約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下の厚さを有する。セパレータは、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0057】
[069]非水電解質
[070]加えて、ウルトラキャパシタは、ハウジング内で用いられる電解質をさらに含むことができる。電解質は、通常、本質的に非水性であり、したがって、少なくとも1つの非水溶媒を含む。ウルトラキャパシタの動作温度範囲を広げるのに役立つために、一般に、非水溶媒は、約150℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約200℃~約300℃などの比較的高い沸点を有することが望ましい。特に好適な高沸点溶媒は、例えば、環状カーボネート溶媒、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、などを含むことができる。プロピレンカーボネートは、高い電気伝導度および分解電圧、ならびに広い範囲の温度にわたって使用され得ることのために特に適している。当然、他の非水溶媒がまた、単独でまたは環状カーボネート溶媒と組み合わせて用いられてもよい。そのような溶媒の例は、例えば、開鎖カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、など)、脂肪族モノカルボキシレート(例えば、メチルアセテート、メチルプロピオネート、など)、ラクトン溶媒(例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、など)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、など)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン)、アルカン(例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、など)、イオウ化合物(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、など)、などを含むことができる。
【0058】
[071]電解質は、非水溶媒に溶解され得る少なくとも1つのイオン性液体をさらに含む。イオン性液体の濃度は多様であり得るが、一般に、イオン性液体は比較的高い濃度で存在することが望ましい。例えば、イオン性液体は、電解質の約0.8モル/リットル(M)以上、実施形態によっては約1.0M以上、例えば約1.2M以上、例えば約1.3M以上、例えば約1.5M以上の量で存在することができる。イオン性液体は、約2.0M以下、例えば約1.8M以下、例えば約1.5M以下、例えば約1.4M以下、例えば約1.3M以下の量で存在することができる。
【0059】
[072]イオン性液体は、通常、約400℃以下、実施形態によっては約350℃以下、実施形態によっては約1℃~約100℃、および実施形態によっては約5℃~約50℃などの比較的低い溶融温度を有する塩である。塩は、カチオン種および対イオンを含む。カチオン種は、「カチオン中心」として少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素またはリン)を有する化合物を含む。そのようなヘテロ原子化合物の例は、例えば、非置換または置換有機第4級アンモニウム化合物(organoquaternary ammonium compound)、例えば、アンモニウム(例えば、トリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、など)、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、キノリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、2つ以上の環がスピロ原子(例えば、炭素、ヘテロ原子、など)によって一緒に接続されている第四級アンモニウムスピロ化合物、第四級アンモニウム縮合環構造(例えば、キノリニウム、イソキノリニウム、など)、などを含む。1つの特定の実施形態では、例えば、カチオン種はN-スピロ二環式化合物、例えば環式環を有する対称または非対称N-スピロ二環式化合物であってもよい。そのような化合物の1つの例は、以下の構造の
【0060】
【化1】
を有し、ここで、mおよびnは、独立して、3から7の数であり、いくつかの実施形態では4から5である(例えば、ピロリジニウムまたはピペリジニウム)である。
【0061】
[073]カチオン種に好適な対イオンは、同様に、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、など);サルフェートまたはスルホネート(例えば、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ブチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、オクチルサルフェート、ハイドロジェンサルフェート、メタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルスルフェート、トリフルオロメタンスルフォネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルフォネート、ソジウムドデシルエトキシスルフォネート、など);スルホスクシネート;アミド(例えば、ジシアナミド);イミド(例えば、ビス(ペンタフルオロエチル-スルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチル)イミド、など);ボレート(例えば、テトラフルオロボレート、テトラシアノボレート、ビス[オキサラト]ボレート、ビス[サリチラト]ボレート、など);ホスフェートまたはホスフィネート(例えば、ヘキサフルオロホスフェート、ジエチルホスフェート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)-トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロホスフェート、など);アンチモネート(例えば、ヘキサフルオロアンチモネート);アルミネート(例えば、テトラクロロアルミネート);脂肪酸カルボキシレート(例えば、オレエート、イソステアレート、ペンタデカフルオロオクタノエート、など);シアネート;アセテート;など、ならびに前述のいずれかの組合せを含むことができる。
【0062】
[074]好適なイオン性液体のいくつかの例は、例えば、スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムテトラフルオロボレートトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートスピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムヨージド、トリエチルメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレートテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、などを含むことができる。
【0063】
[075]ハウジング
[076]本発明のウルトラキャパシタは、電極アセンブリおよび電解質が保持されるハウジングを用いる。構成要素がハウジングに挿入される方法は、当技術分野で知られているように多様であり得る。例えば、電極およびセパレータは、電極アセンブリを形成するために、最初に、折り畳まれるか、巻かれるか、またはさもなければ一緒に接触されてもよい。電解質が、オプションとして、アセンブリの電極中に浸漬されてもよい。1つの特定の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質が、「ゼリーロール」構成を有する電極アセンブリ内に巻かれてもよい。
図9を参照すると、例えば、第1の電極1102と、第2の電極1104と、電極1102と電極1104との間に配置されたセパレータ1106とを含むそのようなゼリーロール電極アセンブリ1100の1つの実施形態が示される。この特定の実施形態では、電極アセンブリ1100は、第2の電極1104上に配置された別のセパレータ1108をさらに含む。このようにして、電極の2つのコーティングされた表面の各々は、セパレータによって分離され、それによって、単位体積当たりの表面積およびキャパシタンスを最大化する。決して必須ではないが、電極1102および1104は、この実施形態では、それぞれ、第1のセパレータ1106および第2のセパレータ1108の第1の縁部および第2の縁部を越えて延びるそれぞれの接触縁部を残すようにオフセットされる。とりわけ、これは、電極間の電流の流れによる「短絡」を防止するのに役立つことができる。しかしながら、他の構成も利用され得ることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質は、層状構成(laminar configuration)を有する電極アセンブリとして提供されてもよい。
【0064】
[077]本明細書に示されるように、構成要素は、ウルトラキャパシタのハウジング内に設けられ、オプションとして、気密に封止され得る。ハウジングの性質は、所望に応じて変わってもよい。特定の実施形態では、例えば、ハウジングは、ウルトラキャパシタの構成要素を囲う可撓性パッケージの形態のものとすることができる。
図6を参照すると、例えば、電極アセンブリ102および電解質112を囲う可撓性パッケージ103を含むウルトラキャパシタ101の1つの実施形態が示される。電極アセンブリ102は、対面構成で積み重ねられ、対向するタブ104によって一緒に接続される電極105および106ならびにセパレータ(図示せず)を含むことができる。ウルトラキャパシタ101はまた、第1の端子105および第2の端子106を含み、それらは、タブ104にそれぞれ電気的に接続される。より詳細には、電極105および106は、パッケージ103内に配置された第1の端部107および108と、パッケージ103の外に配置されたそれぞれの第2の端部109および110とを有する。積み重ねとは別に、電極アセンブリは、所望の任意の他の形態で設けられてもよいことを理解されたい。例えば、電極は、ゼリーロール構成で一緒に折り畳まれるかまたは巻かれてもよい。
【0065】
[078]パッケージ103は、通常、2つの端部115と116との間に延び、縁部117、118、119、および120を有する基板114を含む。端部115および116、ならびに重なり合う両側119および120の部分は、互いに固定的および封止的に当接される(例えば、熱溶着によって)。このようにして、電解質112は、パッケージ103内に保持され得る。基板114は、一般に、約20マイクロメートル以上から、例えば約50マイクロメートル以上、例えば約100マイクロメートル以上、例えば約200マイクロメートル以上、約1000マイクロメートル以下、約800マイクロメートル以下、約600マイクロメートル以下、約400マイクロメートル以下、約200マイクロメートル以下の厚さを有する。
【0066】
[079]基板114は、所望のレベルのバリア性を達成するために望ましい任意の数の層、例えば1層以上、実施形態によっては2層以上、および実施形態によっては、2~4層を含むことができる。一般に、基板は、バリア層を含み、バリア層は、アルミニウム、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、などのような金属を含むことができる。そのようなバリア層は、通常、電解質の漏洩を阻止することができるように電解質に対して不透過性であり、そして、通常、水および他の汚染物質に対しても不透過性である。必要に応じて、基板は、さらに、パッケージのための保護層として機能する外層を含んでもよい。このようにして、バリア層は、外層と電極アセンブリとの間に位置づけられる。外層は、例えば、ポリオレフィン(例えば、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、など)、ポリエステル、などから形成されるものなどのポリマーフィルムから形成され得る。特に適切なポリエステルフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などを含むことができる。
【0067】
[080]必要に応じて、基板は、さらに、電極アセンブリとバリア層との間に位置づけられる内層を含むことができる。特定の実施形態では、内層は、熱封止可能なポリマーを含むことができる。適切な熱封止可能なポリマーは、例えば、ビニルクロライドポリマー、ビニルクロリジンポリマー、アイオノマーなどを含むことができる。アイオノマーは特に適切である。1つの実施形態では、例えば、アイオノマーは、α-オレフィンおよび(メタ)アクリル酸の繰り返し単位を含むコポリマーであり得る。具体的なα-オレフィンは、エチレン、プロピレン、1-ブテン;3-メチル-1-ブテン;3,3-ジメチル-1-ブテン;1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘキセン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘプテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-オクテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ノネン;エチル、メチル、またはジメチル置換1-デセン;1-ドデケン;およびスチレンを含むことができる。エチレンは特に適切である。上記のように、コポリマーは、さらに、(メタ)アクリル酸の繰り返し単位とすることができる。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルモノマーおよびメタクリルモノマー、ならびにそれらの塩またはエステル、例えば、アクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーなどを含む。そのような(メタ)アクリルモノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、s-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、i-アミルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-デシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iープロピルメタクリレート、iーブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、アミルメタクリレート、s-ブチル-メタクリレート、t-ブチルメタクリレート、2ーエチルブチルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2ーエトキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。一般に、α-オレフィン/(メタ)アクリル酸コポリマーは、アイオノマーを形成するために金属イオンで少なくとも部分的に中和される。適切な金属イオンは、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、など)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム、など)、遷移金属(例えば、マンガン、亜鉛、など)、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。金属イオンは、金属ホルメート、アセテート、ニトレート、カーボネート、ハイドロジェンカーボネート、オキシド、ヒドロキシド、アルコキシド、などのようなイオン化合物によって提供され得る。
【0068】
[081]上述したものなどの可撓性パッケージとは別に、他のハウジング構成が、さらに、用いられてもよい。例えば、ハウジングは、タンタル、ニオビウム、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金、それらの複合材(例えば、導電性酸化物でコーティングされた金属)、などから形成されたものなどの金属容器(「缶」)を含むことができる。アルミニウムは、本発明で使用するのに特に適している。金属容器は、円筒状、D字形、などの様々な異なる形状のうちのいずれかを有することができる。円筒形状の容器が特に適している。
【0069】
[082]電極アセンブリは、様々な異なる技法を使用して、円筒状ハウジング内に封止され得る。
図5を参照すると、電極アセンブリ2108を含むウルトラキャパシタの1つの実施形態が示されており、電極アセンブリ2108は、上述で論じられように、ゼリーロール構成で一緒に巻かれた層2106を含む。この特定の実施形態では、ウルトラキャパシタは、第1の集電子ディスク2114を含み、第1の集電子ディスク2114は、ディスク形状部分2134、スタッド部分2136、および締結具2138(例えば、ねじ)を含む。集電子ディスク2114は、電極アセンブリの中心に形成された中空コア2160の第1の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2136が、コアの開口内に挿入され、その結果、ディスク形状部分2134が、第1の接触縁部2110において電極アセンブリ2108の第1の端部に着座する。リッド2118が、第1の端子柱2116に溶接され(例えば、レーザ溶接され)、例えばねじ付きとすることができるソケットが、締結具2138に結合される。ウルトラキャパシタは、さらに、第2の集電子ディスク2120を含み、第2の集電子ディスク2120は、ディスク形状部分2142、スタッド部分2140、および第2の端子柱2144を含む。第2の集電子ディスク2120は、中空コア2160の第2の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2140が、コアの開口内に挿入され、その結果、集電子ディスク部分2142が電極アセンブリ2108の第2の端部に着座する。
【0070】
[083]その後、金属容器2122(例えば、円筒形状缶)は、電極アセンブリ2108上を滑るように進み、その結果、第2の集電子ディスク2120が、最初に容器2122に入り、第1の絶縁ワッシャ2124を通過し、容器2122の端部の軸方向孔を通過し、次いで、第2の絶縁ワッシャ2126を通過する。第2の集電子ディスク2120は、さらに、平ワッシャ2128およびばねワッシャ2130を通過する。ロックナット2132が、ばねワッシャ2130上で締められ、それが、ばねワッシャ2130を平ワッシャ2128に押し付け、その結果として、平ワッシャ2128が、第2の絶縁ワッシャ2126に押し付けられる。第2の絶縁ワッシャ2126は、金属容器2122の軸方向孔の外周に押し付けられ、第2の集電子ディスク2120がこの圧縮力によって軸方向孔の方に引かれるとき、第1の絶縁ワッシャ2124は、第2の集電子ディスク2120と、容器2122の軸方向孔の内周との間に押し付けられる。第1の絶縁ワッシャ2124上のフランジは、第2の集電子ディスク2120と軸方向孔のリムとの間の電気的接触を阻止する。同時に、リッド2118は、容器2122の開口に引き込まれ、その結果、リッド2118のリムが、容器2122の開口のリップのすぐ内側に着座する。次いで、リッド2118のリムは、容器2122の開口のリップに溶接される。
【0071】
[084]ロックナット2132が、ばねワッシャ2130に対して締められた後、気密封止が、軸方向孔と、第1の絶縁ワッシャ2124と、第2の絶縁ワッシャ2126と、第2の集電子ディスク2120との間に形成され得る。同様に、容器2122のリップへのリッド2118の溶接、および第1の端子柱2116へのリッド2118の溶接は、別の気密封止を形成することができる。リッド2118の孔2146は、上述の電解質の注入口として機能するように開いたままとすることができる。電解質が缶に入った(すなわち、上述のように真空下で缶に引き込まれた)後、ブッシング2148が、孔2146に挿入され、孔2146の内縁でフランジ2150に着座される。ブッシング2148は、例えば、プラグ2152を受け入れるように作られた中空円筒の形状とすることができる。円筒の形状であるプラグ2152は、ブッシング2148の中心に押し込まれ、それによって、ブッシング2148を孔2146の内部に押し付け、孔2146とブッシング2148とプラグ2152との間に気密封止を形成する。プラグ2152およびブッシング2148は、規定レベルの圧力がウルトラキャパシタ内で到達されたときに外れるように選択され、それによって、過剰圧力安全機構を形成することができる。
【0072】
[085]上述の実施形態は、通常、ウルトラキャパシタの単一の電極アセンブリの使用に関する。しかしながら、当然、本発明のキャパシタは、2つ以上の電極アセンブリを含むこともできることを理解されたい。例えば、1つのそのような実施形態では、例えば、ウルトラキャパシタは、同じであってもよく異なっていてもよい2つ以上の電極アセンブリのスタックを含むことができる。
【0073】
[086]特性および用途
[087]本発明に従って利用されるウルトラキャパシタは、特に高温にさらされたときに優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、23℃の温度、120Hzの周波数、および印加電圧なしで測定されて、約6ファラド/立方センチメートル(「F/cm3」)以上、実施形態によっては約8F/cm3以上、実施形態によっては約9~約100F/cm3、および実施形態によっては約10~約80F/cm3のキャパシタンスを示すことができる。ウルトラキャパシタはまた、23℃の温度、1kHzの周波数、および印加電圧なしで決定されて、低い等価直列抵抗(「ESR」)、例えば約150mohm以下、実施形態によっては約125mohm以下、実施形態によっては約0.01~約100mohm、および実施形態によっては約0.05~約70mohmを有することができる。上述で示されたように、結果として得られるウルトラキャパシタは、改善されたキャパシタンスおよびESR値などの多種多様な有益な電気特性を示すことができる。特に、ウルトラキャパシタは、高温にさらされたときでさえ、優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、約80℃以上から、実施形態によっては約100℃~約150℃、および実施形態によっては約105℃~約130℃(例えば、85℃または105℃)の温度を有する雰囲気と接触するように配置され得る。キャパシタンスおよびESR値は、そのような温度において、かなりの期間、例えば約100時間以上、実施形態によっては約300時間~約5000時間、および実施形態によっては約600時間から約4500時間(例えば、168、336、504、672、840、1008、1512、2040、3024、または4032時間)安定のままであり得る。
【0074】
[088]1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタのキャパシタンス値に対する比は、約0.75以上、実施形態によっては約0.8~1.0、および実施形態によっては約0.85~1.0である。そのような高いキャパシタンス値は、電圧の印加時および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約0.60以上、実施形態によっては約0.65~1.0、および実施形態によっては約0.7~1.0であり得る。電圧は、例えば、約1ボルト以上、実施形態によっては約1.5ボルト以上、および実施形態によっては約2~約10ボルト(例えば、2.1ボルト)であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたときに、例えば、約40%以上、実施形態によっては約45%以上、実施形態によっては約50%以上、および実施形態によっては約70%以上(例えば、約85%~100%)の相対湿度を有する雰囲気と接触して配置されたときなどに、上記のキャパシタンス値を維持することができる。相対湿度は、例えば、ASTM E337-02、Method A(2007)に従って決定され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約0.7以上、実施形態によっては約0.75~1.0、および実施形態によっては約0.80~1.0であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0075】
[089]ESRはまた、上記されたものなどのかなりの期間そのような温度で安定なままであり得る。1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタのESRに対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.2以下、および実施形態によっては約0.2~約1である。特に、そのような低いESR値は、上述のような高電圧の印加時、および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期ESRに対する比は、約1.8以下、実施形態によっては約1.7以下、および実施形態によっては約0.2~約1.6であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたとき上記のESR値を維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.4以下、および実施形態によっては約0.2~約1.2であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0076】
[090]さらに、本明細書に開示される表面実装型ウルトラキャパシタデバイスは、プリント回路基盤などの回路基盤上に実装され得る。一般に、回路基盤は、上面および下面を有する基板(例えば、絶縁層)、ならびにそこに画定された複数の電流経路を含む。デバイスの外部終端は、回路基盤の所定の電流経路とそれぞれ電気的に連通する。加えて、デバイスの外部終端は、当技術分野で一般に知られている任意の方法、例えば、汎用はんだ付け技法などを使用して、回路基盤に物理的に接続され得る。
【0077】
[091]本明細書に開示されるデバイスおよび回路基盤は、多くの用途で用いられ得る。1つの例として、これらの用途は、様々な通信デバイスを含むことができる。例えば、それらは、イーサネットシステム、無線ネットワークルータ、光ファイバ通信システム、ストレージデバイス、モバイルデバイス、コンピュータメモリデバイス(例えば、RAM)、などを含むことができる。
【0078】
試験方法
[092]等価直列抵抗(ESR):等価直列抵抗は、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は1kHzである。様々な温度および相対湿度レベルが試験され得る。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0079】
[093]キャパシタンス:キャパシタンスは、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は120Hzである。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0080】
[094]本発明のこれらおよび他の変更および変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実践され得る。加えて、様々な実施形態の態様は全体的にまたは部分的に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、前述の説明が、単なる例であり、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載されている本発明を限定するものではないことを認識されよう。
【国際調査報告】