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特表2023-548329アンダーカットおよびインサート付きゴルフクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】アンダーカットおよびインサート付きゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20231109BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20231109BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526450
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021057619
(87)【国際公開番号】W WO2022094427
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/108,226
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/227,938
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン グリール
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー アール. アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
(72)【発明者】
【氏名】ショジェン チン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA03
2C002CH01
2C002MM03
2C002MM04
2C002MM07
(57)【要約】
本明細書で提示される発明は、空洞後部付きアイアン型ゴルフクラブヘッド用の後部空洞インサートに関する。アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部外周と打面の後面とが協働して後部空洞を形成する。後部外周は、後部空洞の周囲の任意の端またはパーセンテージを構成することができる。インサートは、打面の後面領域の少なくとも60パーセントから100パーセントを覆うように、後部空洞内に配置されてもよい。インサートがアイアン型ゴルフクラブヘッドの打面後面に取り付けられると、打面が変形して反発するときに、インサートはアイアン型ゴルフクラブヘッドの打面と相互作用する。インサートの厚さ、組成、および強化された外表面により、打面の変形またはたわみが過度に抑制され、ゴルフボールに返されるエネルギー量が減少する可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
アイアン型ゴルフクラブヘッド本体と、
インサートと、
を備え、
前記アイアン型ゴルフクラブヘッド本体が、
前部と、
後部と、
上部レールを含む上部と、
ソールを含む底部と、
打面と、
を備え、
前記打面は、前記前部に位置する打面前面と、前記後部に向かって前記打面前面の反対側に位置する打面後面と、を含み、
前記打面は、打面幾何学的中心と、打面周囲と、前記打面前面から前記打面後面まで測定される厚さと、をさらに含み、
前記打面周囲から後方に後部外周延長部が延在し、
前記打面後面と前記後部外周延長部とが協働して後部空洞を画定し、
インサートは、
接着剤層と、
エラストマー層と、
キャップと、
を備え、
前記インサートは、前記後部空洞内に収容され、前記打面後面に接着して取り付けられるように構成されており、
前記接着剤層が単一の切れ目のない部分からなり、
前記エラストマー層が第1の複数の部分を含み、
前記キャップが第2の複数の部分を含み、
前記エラストマー層の第1の複数の部分が、前記キャップの第2の複数の部分と位置合わせされ、
1つのエラストマー層部分と1つのキャップ部分とがインサート部分を形成し、複数の前記エラストマー層部分のそれぞれが異なるキャップ部分と対になり、そして、前記インサートが第3の複数のインサート部分を備えるように、前記複数のキャップ部分のそれぞれが個々のエラストマーコア部分と対になり、
前記第3の複数のインサート部分が、前記第3の複数の部分のいずれも互いに直接接続されないように、間隙によって互いに分離されている、
アイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記インサートが、さらに、先端部分から後端部分の方向で測定した最大インサート長さと、底部から上部部分の方向で測定した最大インサート高さと、を含み、
前記最大インサート長さが2.80インチから3.00インチの範囲にあり、
前記最大インサート高さが1.20インチから1.30インチの範囲にある、
請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記インサート部分のそれぞれが、前記接着剤層に固着されている、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
インサートが、静止状態の最小間隙幅と拡張状態の最大間隙幅とを含む間隙幅をさらに含む、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
最小間隙幅が0.005インチから0.010インチの範囲にある、請求項4に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃するとき、前記打面が後方にたわんで変位し、
前記打面が後方にたわんで変位すると、接着剤で取り付けられた前記インサートも前記打面後面によってたわんで変位し、前記間隙幅が増加し、
前記最大間隙幅が前記最小間隙幅より最大0.010インチ大きい、
請求項5に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記複数の部分が7つの部分を含む、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記7つの部分が、2つの先端側部分と、3つの中央部分と、2つの後端側部分と、をさらに含む、請求項7に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記2つの先端側部分が、上部先端側部分と下部先端側部分とを含み、
前記2つの後端側部分が、上部後端側部分と下部後端側部分とを含み、
前記3つの中央部分が、上部中央部分と、底部後端側中央部分と、底部先端側中央部分と、を含む、請求項8に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記2つの後端側部分が、前記中央上部部分および前記底部後端側中央部分に隣接し、
前記2つの先端側部分が、前記中央上部部分および前記底部先端側中央部分に隣接している、請求項9に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記接着剤層が、発泡ベースの超高接着(VHB)テープから形成されている、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記エラストマー層部分が、70~100の範囲のショアD硬度を含む、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記キャップ部分が金属製である、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記エラストマー層が、可撓性のポリマー材料またはゴム材料を含む、請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
アイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
アイアン型ゴルフクラブヘッド本体と、
インサートと、
を備え、
前記アイアン型ゴルフクラブヘッド本体が、
前部と、
後部と、
上部レールを含む上部と、
ソールを含む底部と、
打面と、
を備え、
前記打面は、前記前部に位置する打面前面と、前記後部に向かって前記打面前面の反対側に位置する打面後面と、を含み、
前記打面は、打面幾何学的中心と、打面周囲と、前記打面前面から前記打面後面まで測定される厚さと、をさらに含み、
前記打面周囲から後方に後部外周延長部が延在し、
前記打面後面と前記後部外周延長部とが協働して後部空洞を画定し、
インサートが、
接着剤層と、
キャップと、
を備え、
前記インサートが、前記後部空洞内に収容され、前記打面後面に接着して取り付けられるように構成されており、
前記接着剤層が単一の連続片からなり、
前記キャップが複数の部分を含み、
前記複数のキャップ部分が、前記複数の部分が互いに直接接続されないように、間隙によって互いに分離されている、
アイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
インサートが、静止状態の最小間隙幅と拡張状態の最大間隙幅とを含む間隙幅をさらに含む、請求項15に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
最小間隙幅が0.005インチから0.010インチの範囲にある、請求項16に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃するとき、前記打面が後方にたわんで変位し、
前記打面が後方にたわんで変位すると、接着剤で取り付けられた前記インサートも前記打面の後面によってたわんで変位し、前記間隙幅が増加し、
前記最大間隙幅が前記最小間隙幅より最大0.010インチ大きい、
請求項17に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記複数のキャップ部分が4つのキャップ部分を含む、請求項15に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記複数のキャップ部分が、上部キャップ部分、先端キャップ部分、下部キャップ部分、および後端キャップ部分を含む、請求項19に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年10月30日に提出された米国仮出願第63/108,226号からの優先権の便益を主張し、また、2021年7月30日に提出された米国仮出願第63/227,938号からの優先権の便益を主張しており、そのすべては参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、後部空洞および後部空洞インサートを備えたアイアン型ゴルフクラブヘッドに関する。
【発明の概要】
【0003】
アイアン型ゴルフクラブヘッドの打面の後面にインサートを取り付けるのが一般的である。アイアンゴルフクラブヘッドの打面の後面に取り付けられた典型的なインサートは、単一部品からなる連続した硬質プラスチックまたは金属のカバーを有する。ゴルフクラブがゴルフボールを打撃するとき、打面のたわみもインサートを後方に移動させ、打面後面に取り付けられたインサートをたわませようとする。さらに、設計者は、より多くの質量を周囲に移動させるとともに、打面の可撓性をさらに高めるために、アイアン型ゴルフクラブヘッドの打面を薄くすることを望む場合がある。このアイアン型ゴルフクラブヘッド設計(より薄い打面を有する)では、打面の後面に取り付けられた後部空洞インサートは、打面のたわみに大きな影響を与える可能性がある。一体型の硬質プラスチックまたは金属製インサートカバーは、インサートが後方にたわむと張力がかかる。インサートカバーにかかるこの張力により、インサートの後方へのたわみが抑制される。このたわみの抑制により、ゴルフボールに返されるエネルギーが減少し、打撃後のゴルフボールの飛距離が減少する。当技術分野では、後部空洞インサートの可撓性が改善されたアイアン型ゴルフクラブヘッドが必要とされている。後部空洞のたわみが改善されると、打面は衝撃時により多くのエネルギーをゴルフボールに返すことができ、打面のたわみに対するインサートの抵抗によって失われるエネルギーが減少する。インサートの可撓性を改善させる特徴を備えた後部空洞インサートが開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】アイアン型ゴルフクラブヘッドの正面図である。
【0005】
図2図1のゴルフアイアン型クラブヘッドの上面図である。
【0006】
図3図1のゴルフアイアン型クラブヘッドの下面図である。
【0007】
図4図1のゴルフアイアン型クラブヘッドの背面図である。
【0008】
図5A】インサートの一実施形態の断面図である。
【0009】
図5B】インサートの一実施形態の断面図である。
【0010】
図5C】インサートの一実施形態の断面図である。
【0011】
図6】インサートの一実施形態の分解図である。
【0012】
図7図1のゴルフアイアン型クラブヘッドの後部空洞内に収容されるインサートの一実施形態を示す図である。
【0013】
図8】インサートの一実施形態を示す図である。
【0014】
図9】アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部空洞内に収容されるインサートの断面図である。
【0015】
図10】アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部空洞内に収容されるインサートの一実施形態を示す図である。
【0016】
図11】インサートの一実施形態を示す図である。
【0017】
図12】アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部空洞内に収容されるインサートの断面図である。
【0018】
図13】インサートの一実施形態の分解図である。
【0019】
図14A】実施例1の比較テスト結果のチャートである。
図14B】実施例1の比較テスト結果のチャートである。
図14C】実施例1の比較テスト結果のチャートである。
図14D】実施例1の比較テスト結果のチャートである。
図14E】実施例1の比較テスト結果のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【0021】
本明細書で提示される発明は、空洞後部付きアイアン型ゴルフクラブヘッド用の後部空洞インサートに関する。アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部外周と打面の後面とが協働して後部空洞を形成する。後部外周は、後部空洞の周囲の任意の端またはパーセンテージを構成することができる。インサートは、打面の後面領域の少なくとも60パーセントから100パーセントを覆うように、後部空洞内に配置されてもよい。インサートがアイアン型ゴルフクラブヘッドの打面後面に取り付けられると、打面が変形して反発するときに、インサートはアイアン型ゴルフクラブヘッドの打面と相互作用する。インサートの厚さ、組成、および強化された外表面により、打面の変形またはたわみが過度に抑制され、ゴルフボールに返されるエネルギー量が減少する可能性がある。本明細書では、複数の層を備える後部空洞インサートが開示されており、後部空洞インサート層のうちの1つまたは複数が別個の部分に分割されている。この分割により、インサートに拡張間隙とたわみ間隙とが提供される。本明細書に開示される後部空洞インサートを備えたアイアン型ゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃する際に後部空洞インサートに失われるエネルギー量を低減するインサートを提供する。これにより、より多くのエネルギーがゴルフボールに返され、望ましい飛行特性(より低いボールスピン速度、より高い打ち出し角、およびより高いボール速度)が提供され、その結果、各ゴルフストロークの距離が長くなる。
【0022】
I.定義
A.一般用語
本説明および特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、ある場合には、類似する要素を区別するために使用され、必ずしも特定の連続的または時系列的な順序を説明するために使用されるわけではない。このように使用される用語は、本明細書に記載の実施形態が、たとえば、本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で動作できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「有する」という用語、およびその活用形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、要素のリストを含むプロセス、方法、システム、物、デバイス、または装置は、必ずしもそれらの要素に限定されるわけではなく、明示的にリストされていない、またはそのようなプロセス、方法、システム、物、デバイス、または装置に固有の他の要素を含む場合がある。
【0023】
本説明および特許請求の範囲において、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上(over)」、「下(under)」などの用語は、ある場合には、説明の目的で使用され、必ずしも永続的な相対位置を説明するために使用されるわけではない。このように使用される用語は、本明細書に記載される装置、方法、および/または物の実施形態が、たとえば、本明細書に図示または記載されたもの以外の向きで動作できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0024】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に示される構成要素の構成の詳細および配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施(practiced)または実施(carried out)することができる。
【0025】
B.座標系
座標系は、地平面1000に平行な方向に定義されるx軸1050として定義され得る。アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、アイアン型ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるときにソール102に接する地平面1000を画定する。x軸1050は、後端(ヒール)部分108から先端(トウ)部分106まで打面幾何学的中心140を通過する。y軸1060は、ソール102から上部部分104に向かってx軸1050に対して垂直で、打面幾何学的中心140を通過するものとして定義される。z軸1070は、x軸1050およびy軸1060両方に対して垂直と定義され、打面110の前部112から打面幾何学的中心140通過し、後方の打面後面118を通過する。
【0026】
II.アイアン型ゴルフクラブのヘッド構造
アイアン型ゴルフクラブヘッド本体は、上部と、ソール部分と、後端(ヒール)部分と、先端(トウ)部分と、打面をさらに含む前部と、後部と、を備えている。アイアン型ゴルフクラブヘッド本体は、打面周囲の後方に延在する後部外周延長部をさらに備えている。上部は打面の上部から後方に延在して後部外周延長上部を形成する。ソール部分は打面の下部から後方に延在して後部外周延長ソール部分を形成する。後端部分は打面の後端部分から後方に延在して、アイアン型ゴルフクラブヘッドの後部外周延長後端部分を形成する。先端部分は打面の先端部分から後方に延在して後部外周延長先端部分を形成する。後部外周延長部および打面後面は、(少なくとも後面上で)外部後部空洞を画定する。多くの実施形態では、アンダーカット凹部が外部後部空洞を囲み、それによって連続的または360度のアンダーカットを形成する。他の実施形態では、アンダーカット凹部は外部後部空洞の一部のみを取り囲む。
【0027】
図1図4を参照すると、アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、後部空洞116を有するアイアン型ゴルフクラブヘッド本体100と、後部空洞116内に収容されるインサート200と、を備えることができる。アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、前部112および後部114と、前部112に位置する打面前面117を備える打面と、後部114に向かって打面前面117の反対側に位置する打面後面118と、を備えることができる。打面110は、打面幾何学的中心140、打面外周142をさらに備えることができる。アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、打面周囲142から後方に延在する後部外周延長部121を備えている。打撃は、打面前面117から打面後面118まで測定された打面厚さ144を含む。アイアン型ゴルフクラブヘッド100の後部空洞116は、打面周囲142の内面と打面後面118によって画定される。
【0028】
さらに図1図4を参照すると、アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、上部部分104およびソール102をさらに備えることができる。上部部分104は、弧状の上部レール上部と、下端に向かって延在して上部レール壁を形成する上部レール後壁と、を有する。上部部分104はさらに、上部レール後壁内面が打面後面と実質的に平行であり、打面後面から後方にオフセットするように、上部外表面と上部内面を備えることができる。アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、ソール102を有する底部101と、ソール102と一体的に形成された後部114と、を備えることができる。後部114は、上部部分104に向かって上方に延在することができる。ソール102は、ソール内面およびソール外表面を備えることができる。後部114は、背部外表面と背部内面とを備えることができる。後部の内面は、打面後面118から後方にオフセットすることができる。
【0029】
アイアン型ゴルフクラブヘッドは、上部部分104の最上端とソール102の最下端との間で測定されたフェース高さ122を備えている。多くの実施形態では、フェース高さ122は、上部レール端とソール端前縁との間の最大距離として測定することができる。フェース高さ122は、上部部分104の最上端とソール102の最下端との間の打面幾何学的中心140において打面110に接するロフト面1010に平行に測定される。フェース高さ122は、1.4インチから2.2インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、フェース高さは、1.4インチから1.8インチ、または1.8インチから2.2インチの範囲とすることができる。さらに他の実施形態では、フェース高さは、1.4インチから1.9インチ、1.5インチから2.0インチ、1.6インチから2.1インチ、または1.7インチから2.2インチの範囲であり得る。たとえば、フェース高さ122は、1.4インチ、1.5インチ、1.6インチ、1.7インチ、1.8インチ、1.9インチ、2.0インチ、2.1インチ、または2.2インチであってもよい。
【0030】
打面110は、ロフト面1010または打面前面117に対して垂直な方向に打面前面117から打面後面118まで測定された距離を含む。多成分インサート200により、多成分インサートがない場合の鉄と比較して打面110をより薄くすることができる。インサート200は、打面110をさらに強化し、打面の厚さを減少させることを可能にする。多くの実施形態では、打面110は、打面幾何学的中心140の近くに位置する最大厚さと、打面外周142の近くに位置する最小厚さとを有する可変フェース厚を備えている。打面の厚さは0.065から0.14インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、打面の厚さは、0.065から0.12インチ、0.07から0.13インチ、または0.075から0.14インチの範囲とすることができる。たとえば、打面の厚さは、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、または0.14インチとすることができる。たとえば、幾何学的打面中心140付近の打面厚さは、0.10から0.13インチの範囲とすることができ、打面周囲142付近の打面厚さは、0.065から0.095インチの範囲とすることができる。多成分インサートがないアイアン型クラブヘッド100の打面厚さは、十分な耐久性と適切なたわみ応答性を得るために、0.14インチを超える打面厚さと0.10インチを超える打面周囲厚さを必要とし得る。打面の厚さがこの範囲の下限にある場合、打面は衝撃時により大きくたわむ。打面後面に接着された後部空洞インサート(以下に説明する)は、打面の厚さに関わらず打面のたわみに影響を与えるが、打面の厚さが減少するほど影響は大きくなる。
【0031】
本明細書に記載されるアイアン型ゴルフクラブ100の態様は、アイアンセット内の1つまたは複数のゴルフクラブに適用され得る。いくつかの実施形態では、アイアンセットは、様々なクラブヘッドサイズ、シャフト長さ、ライ角、ロフト角、ヘッド重量、および/または他のパラメータを有するアイアンを含む。アイアンセットの各クラブヘッドには、規則に従って1から10までの番号によって番号が付される。最も一般的には、セットには2から9、ウェッジ、ユーティリティクラブの番号が付される。さらに、アイアンセットは、番号付きアイアンよりも高いロフト角を有する1つまたは複数のウェッジを含むことができる。
【0032】
図9を参照すると、ロフト角は、地平面1000とロフト面1010との間の角度として定義される。多くの実施形態では、アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、約64度未満、約63度未満未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満、約58度未満、約57度未満、約57度未満、約56度未満、約55度未満、約54度未満、約53度未満、約52度未満、約51度未満、約50度未満、約49度未満、約48度未満、約47度未満、約46度未満、約45度未満、約44度未満、約43度未満、約42度未満、約41度未満、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、約30度未満、約29度未満、約28度未満、約27度未満、約26度未満、約25度未満、約24度未満、約23度未満、約22度未満、約21度未満、約20度未満、約19度未満、または約18度未満、のロフト角を有する。
【0033】
本明細書に記載されるアイアン型ゴルフクラブヘッド100の体積は、1.9立方インチから2.7立方インチの間の体積を含む。いくつかの実施形態では、アイアン型ゴルフクラブヘッド100の総体積は、1.9立方インチから2.4立方インチ、2.0立方インチから2.5立方インチ、2.1立方インチから2.6立方インチ、2.2立方インチから2.7立方インチ、2.3立方インチから2.7立方インチ、または2.4立方インチから2.7立方インチであってよい。他の実施形態では、アイアン型ゴルフクラブヘッド100の総体積は1.9立方インチ、2.0立方インチ、2.1立方インチ、2.2立方インチ、2.3立方インチ、2.4立方インチ、2.5立方インチ、2.6立方インチ、または2.7立方インチであってもよい。
【0034】
本明細書に記載されるアイアン型ゴルフクラブヘッド100の質量は、200グラムから300グラムの間の総質量を含む。いくつかの実施形態では、アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、200グラムから210グラム、210グラムから220グラム、220グラムから230グラム、230グラムから240グラム、240グラムから250グラム、250グラムから260グラム、255グラムから260グラム、260グラムから270グラム、265グラムから275グラム、270グラムから280グラム、275グラムから280グラム、または250グラムから270グラムの総質量を含むことができる。他の実施形態では、総質量は、200グラム、205グラム、210グラム、220グラム、225グラム、230グラム、235グラム、240グラム、245グラム、250グラム、255グラム、260グラム、265グラム、270グラム、275グラム、280グラム、285グラム、290グラム、295グラム、または300グラムであってもよい。
【0035】
図1図4を参照すると、アイアン型クラブヘッド100は、ゴルフボールと接触するための打面110を含む。アイアン型ゴルフクラブヘッド本体は、シャフト(図示せず)を収容するためのホーゼル130をさらに含む。本明細書に記載の多材料アイアン型ゴルフクラブヘッド本体100は、従来のアイアン型ゴルフクラブヘッドを構成するために使用される任意の材料から構成することができる。たとえば、ゴルフクラブヘッド本体100の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マレージング鋼、17―4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、またはアイアン型ゴルフクラブヘッドを作成するための任意の金属のいずれか1つまたは組み合わせから構築することができる。
【0036】
III.後部空洞インサート
1.一般的なインサート構造
アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、打面後面に接着して取り付けられた後部空洞インサート200をさらに備えることができる。一実施形態では、複数材料の後部空洞インサート200は、エラストマー材料、プラスチック、および/またはアルミニウムから形成することができる。他の実施形態では、後部空洞インサート200は、エラストマー材料または他の可撓性ポリマー材料のみから形成することができる。さらに他の実施形態では、後部空洞インサート200は、接着剤層および補強キャップから形成することができる。後部空洞インサート200の構造は、互いに永久的に固着された異なる材料を含む2つ以上の層を含んでもよい。
【0037】
後部空洞インサートは打面後面の100パーセントを覆っていてもよい。後部空洞インサートは、打面後面の100パーセント未満を覆っていてもよい。後部空洞インサートは、打面後面の60パーセントから100パーセントを覆っていてもよい。後部空洞インサートは、打面後面の60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントを覆っていてもよい。
【0038】
図5A図6を参照すると、インサート200は、最大3つの層を備えることができ、最大2つの層は、複数のインサート部分224を形成する部分に分離される。3つの層は、接着剤層204、エラストマー層210、およびキャップ220である。一実施形態では、接着剤層204は、単一で分割のない単一の連続片である。本明細書に開示されるインサート200のすべての実施形態において、接着剤は部分または部分に分離されていない。ここおよび以下で説明するように、インサート200の1つまたは複数の他の層を複数の複数の部分に分離することにより、ゴルフボールとの衝撃下で打面が変形するときのインサートのたわみ応答を向上させることができる。複数の個別部分224を備えるインサート200の実施形態は、3から12個の部分を備えていてもよい。インサートは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の個別部分224を備えていてもよい。
【0039】
一実施形態では、エラストマー層210およびキャップ220は、複数の不連続なインサート部分224を形成するように構成されている。エラストマー層210は不連続であり、複数のエラストマー層部分212を備えている。キャップ220は不連続であり、複数のキャップ部分222を備えている。複数のエラストマー層部分212のそれぞれは、複数のキャップ部分222のうちの単一の1つと結合されて、複数のインサート部分224を形成する。結合されたエラストマー層部分212のそれぞれは、それが結合されるキャップ部分222のそれぞれに一致する形状をしている。エラストマー部分212およびキャップ部分222を含む各インサート部分224は、エラストマー部分212が接着剤層204に完全に貼り付けられるように、接着剤層204に貼り付けられる。複数のインサート部分は連続していない。インサート部分224は、いずれか1つのインサート部分の外縁が任意の隣接するインサート部分の外縁に直接当接しないように、接着剤層204上に配置されている。接着剤層204は、インサート部分224によって完全には覆われていない。その代わりに、インサート部分224は、接着剤層204の覆われていない領域によって画定されるインサート部分の離間した外縁間の間隙240によって分離される。以下でさらに説明するように、間隙240はインサートの可撓性を高め、その結果、ゴルフクラブで打撃されたときにより多くのエネルギーをゴルフボールに戻すことができるようになる。
【0040】
図5Cを参照すると、異なる実施形態では、インサートは、上述のように複数のインサート部分224を備えるが、複数のインサート部分224のそれぞれは、単一のキャップ部分222のみからなり、接着剤層204とキャップ部分222との間にエラストマー部分212を有さない。接着剤層204もまた、単一の連続片である。しかしながら、この実施形態では、インサート部分224は、接着剤層204に直接取り付けられたキャップ部分222のみからなる。この場合も、接着剤層204はインサート部分224(キャップ部分222)によって完全には覆われていない。その代わりに、インサート部分224(キャップ部分222)は、接着剤層204の覆われていない領域によって画定されるインサート部分(キャップ部分222)の離間した外縁間の間隙240によって分離される。
【0041】
図5Bを参照すると、さらに別の実施形態では、接着剤層204は単一の連続片であり、エラストマー層210も接着剤層204に適合し、接着剤層204を完全に覆う単一の連続片である。この実施形態では、エラストマー層210は部分に分割されていない。この実施形態では、インサートは、上述したように複数のインサート部分224を備えているが、個々のインサート部分224のそれぞれは、単一のキャップ部分222のみからなる。この実施形態では、接着剤層はエラストマー層によって覆われているため、接着剤層はインサート部分224の間の間隙240内で露出しない。その代わりに、連続エラストマー層210が間隙240の間で露出し、インサート部分224を互いに離間している。
【0042】
接着剤層204は、打面後面118に塗布され、接着される。エラストマー層210が存在する場合、エラストマー層210は接着剤層204に直接当接し、接着剤層204に取り付けられる。エラストマー層210が存在する場合、エラストマー層210は接着剤層204とキャップ220との間に位置する。インサートキャップ220は、インサート200の外表面を含む。キャップ220はインサート200の最も外側の後方層を構成し、内側はエラストマー層210に接着している。キャップ220は、補強層として機能することができる。インサート200はさらに内面を備えており、インサート内面は、インサート200を後部空洞116内に取り付ける前の接着剤層204の露出部分を備えている。
【0043】
インサートの厚さ230は、1つまたは複数の層のそれぞれの厚さの合計を含む。厚さは、1つまたは複数の層のそれぞれについて一定であってもよい。厚さは、1つまたは複数の層のそれぞれで異なり得る。図5A図6を参照すると、インサートの厚さ230は、接着剤層204、エラストマー層210、およびキャップ220を合わせた厚さの合計を含む。複数のインサート部分224のうちのいずれか1つのインサートの厚さ230は一定であってもよい。複数のインサート部分224のうちの任意の1つのインサートの厚さ230は変化してもよい。インサートの厚さ230は、任意の2つの部分224で同じであってもよい。インサートの厚さ230は、任意の2つの部分224間で異なっていてもよい。
【0044】
図5Aを参照すると、インサートの総厚さ230は、接着剤層の露出表面と最外層の露出表面との間で測定される。インサートの総厚さ230は、0.033インチから0.620インチの範囲とすることができる。たとえば、多くの実施形態では、インサートの総厚さ230は約0.033インチ、0.035インチ、0.037インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、0.160インチ、0.170インチ、0.180インチ、0.190インチ、0.200インチ、0.210インチ、0.220インチ、0.230インチ、0.240インチ、0.250インチ、0.260インチ、0.270インチ、0.280インチ、0.290インチ、0.300インチ、0.310インチ、0.320インチ、0.330インチ、0.340インチ、0.350インチ、0.360インチ、0.370インチ、0.380インチ、0.390インチ、0.400インチ、0.410インチ、0.420インチ、0.430インチ、0.440インチ、0.450インチ、0.460インチ、0.470インチ、0.480インチ、0.490インチ、0.500インチ、0.510インチ、0.520インチ、0.530インチ、0.540インチ、0.550インチ、0.560インチ、0.570インチ、0.580インチ、0.590インチ、0.600インチ、0.610インチ、または0.620インチであってもよい。インサートの総厚さ230は一定であってもよい。インサートの総厚さ230は異なっていてもよい。
【0045】
接着剤層204は、0.003インチから0.120インチの範囲の接着剤層の厚さを有してもよい。接着剤層の厚さは、0.003インチ、0.005インチ、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、または0.120インチであってもよい。エラストマー層210は、0.020インチから0.400インチの範囲のエラストマー層の厚さを有していてもよい。エラストマー層の厚さは0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、0.160インチ、0.170インチ、0.180インチ、0.190インチ、0.200インチ、0.210インチ、0.220インチ、0.230インチ、0.240インチ、0.250インチ、0.260インチ、0.270インチ、0.280インチ、0.290インチ、0.300インチ、0.310インチ、0.320インチ、0.330インチ、0.340インチ、0.350インチ、0.360インチ、0.370インチ、0.380インチ、0.390インチ、または0.400インチであってもよい。キャップ220は、0.010インチから0.100インチの範囲のキャップの厚さを有していてもよい。キャップ220の厚さは、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、または0.100インチであってもよい。
【0046】
インサート200は、インサート上端、下端、トウエンド、ヒールエンドを備えている。インサートは、トウエンドの最もトウ側の点からヒールエンドの最もヒール側の点まで測定された最大インサート長さ252を備えている。インサートは、インサート上端の最も上側の部分からインサート下端の最も下側の部分まで測定された最大インサート幅254を備えている。最大インサート長さ252は、2.5インチから3.2インチの範囲で変化していてもよい。最大インサート長さは、2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、3.0インチ、3.1インチ、または3.2インチである。最大インサート幅254は、1.0インチから1.4インチの範囲で変化していてもよい。最大インサート幅254は、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、または1.4インチであってもよい。
【0047】
2.一般的なインサートの機能
単一の連続した切れ目のない外層(通常は金属製)を有する典型的なインサートは、衝撃時にたわむ打面の形状の変化に完全に追従する能力に欠けている。その代わりに、インサートの外層は後方に押されるときに張力がかかり、打面の後方への反りにある程度抵抗する。開示されたインサートは、インサート200のたわみ抵抗を低減する。図5A図5Cを参照すると、複数の部分224を備えるインサート200は、インサート200を打面の後面118に取り付けることによって、アイアン型ゴルフクラブヘッドに組み立てられる。アイアン型ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールを打撃するとき、打面110は後方にたわむ。打面110が後方にたわむと、接着剤層204も後方にたわみ、打面110の後方へのたわみに一致するように湾曲する。接着剤層204が衝撃時に後方にたわむと、個々のインサート部分224間の間隙240により、インサート部分224が(張力をかける代わりに)離れて広がり、個々のインサート部分間の間隙幅242が増加する。これにより、打面110の反発時にゴルフボールに戻るために利用できるエネルギーが保存される。インサート200は、インサート部分間の間隙240により、単一ピースのキャップまたは外層を備えるインサートと同程度には打面110のたわみに抵抗しない。打面110が反発すると、接着剤層204はより平坦な形状に戻り、個々の複合パネルまたは部分は、それらの間の間隙がより小さくなった元の形状に戻る。
【0048】
図5A図5Cを参照すると、ゴルフボールとの衝撃前の個々の部分224間の間隙240は、0.005インチから0.010インチの範囲の最小または静止間隙幅242を有する。最小間隙幅242は0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.010インチ、0.011インチ、0.012インチ、0.013インチ、0.014インチ、0.015インチ、0.016インチ、0.017インチ、0.018インチ、0.019インチ、0.020インチ、0.021インチ、0.022インチ、0.023インチ、0.024インチ、0.025インチ、0.026インチ、0.027インチ、0.028インチ、0.029インチ、0.030インチ、0.031インチ、0.032インチ、0.033インチ、0.034インチ、0.035インチ、0.036インチ、0.037インチ、0.038インチ、0.039インチ、または0.040インチであってもよい。最小間隙幅242は、個々の部分224の外縁からの干渉を防ぐために、0.005インチ以上である。衝撃時の打面のたわみ中に、個々の複合パネル間の間隙240のたわみ幅または最大幅244は、インサート200上の個々の間隙240の位置に応じて、静止状態の最小間隙幅242よりさらに0.010インチ大きくなる場合がある。最大間隙幅244は、0.015インチ、0.016インチ、0.017インチ、0.018インチ、0.019インチ、0.020インチ、0.021インチ、0.022インチ、0.023インチ、0.024インチ、0.025インチ、0.026インチ、0.027インチ、0.028インチ、0.029インチ、0.030インチ、0.031インチ、0.032インチ、0.033インチ、0.034インチ、0.035インチ、0.036インチ、0.037インチ、0.038インチ、0.039インチ、0.040インチ、0.041インチ、0.042インチ、0.043インチ、0.044インチ、0.045インチ、0.046インチ、0.047インチ、0.048インチ、0.049インチ、または0.050インチであってもよい。最大間隙幅は、接着剤層204の表面に付着することによって間隙に閉じ込められる可能性のある塵、土、砂、または他の物質の粒子サイズを制御する。最大間隙幅が大きいほど、捕捉された粒子のサイズも大きくなる可能性がある。したがって、より大きな粒子の捕捉を防ぐために、最大間隙サイズを上記の範囲に制御することが好ましい。打面後面118の中心により近い個々の複合パネル間の間隙240は、ゴルフボールを打つときに打面の中心付近で打面が大きくたわむため、打面中心140の後面118から遠い間隙240よりも大幅に幅が増加する。再び、間隙240の拡大により、インサート200のたわみ抵抗が減少し、より多くのエネルギーがゴルフボールに返されることが可能になる。
【0049】
図5A図5Cを参照すると、個々のインサート部分224の間の間隙240によって促進されるインサート200のたわみは、衝撃時の打面のたわみを、単一の連続した切れ目のない外表面層を備えるインサート200よりも低い程度に抑制する。これにより、より多くのエネルギーがゴルフボールに返されるようになる。より詳細には、インサート200の低いたわみ抵抗により、単一の外表面層を含むインサートを備えた同じアイアン型ゴルフクラブヘッドと比較して、複数のインサート部分を用いた場合のゴルフボールの打ち出し速度が1~2マイル時速(スイング速度が時速85マイルであると仮定して)速くなる。さらに、ゴルフボールの打ち出し速度が増すことで、ゴルフボールはさらに1~3ヤード遠くまで飛ぶことができる。ゴルファーにとっての便益は、よりロフトの高いアイアンを使用できることであり、さらにゴルフショットのより高い弧を描く飛行軌道を可能にすることである。
【0050】
アイアン型ゴルフクラブヘッドの打面110は、典型的には幾何学的中心140の近くで最もたわむ。したがって、インサート部分間の間隙が、打面幾何学的中心140を直接取り囲む打面110の領域上またはその非常に近くになるように、インサート部分224が配置されることが有利である。複数のインサート部分224の外縁は、打面幾何学的中心の0.1インチから0.5インチの範囲内にあることが有利である。複数のインサート部分224の外縁は、より有利なたわみ効果を得るために、打面幾何学的中心から0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、または0.5インチとすることができる。インサート部分224は、様々な構成で配置することができる。いくつかの実施形態では、多角形インサート部分は、各多角形インサートの頂点が幾何学的中心140上または幾何学的中心140の近くにあるように、打面幾何学的中心の周囲に配置され得る。他の実施形態では、任意の形状の2つ以上のインサート部分の長い縁部は、幾何学的中心140上または幾何学的中心140の近くに配置され得る。幾何学的中心140またはその近くに間隙を設けることにより、インサート200は、衝突時に打面の変形が最も大きくなる領域で拡張することができる。間隙240は、間隙幅242と、各間隙240を取り囲むインサート部分の厚さと同じ間隙深さと、を有する。衝撃時の打面110のたわみは三次元であるため、打面の後面に取り付けられた後部空洞インサートのたわみもまた三次元である。結果として、バッジの後方へのたわみにより、接着剤層204の表面よりも後部空洞インサートの外表面の方が、間隙幅が広がる。したがって、間隙240は、一組のプライヤーのジョーが広がるのと同じ方法で広がる必要がある。ジョーが開いたときに、底部の部分は上部の部分よりも広がらない。
【0051】
インサート部分224を備えたインサート200は、ボールが打たれたときに打面110とともにたわみ、ゴルフボールとの衝撃によって与えられるエネルギーの散逸を最小限に抑えるように設計されている。しかしながら、いくらかの衝撃エネルギーは依然としてインサート200内で失われる。したがって、インサート200は、打面110をある程度補強する役割も果たす。打面110は、打面前面117と打面後面118との間で測定された打面厚さ119を備えている。打面の厚さ119は、衝撃時の打面110の耐久性に寄与する。インサート200によって吸収される衝撃エネルギーにより、打面後面118にインサート200を取り付けなくても十分な耐久性を維持しながら、打面の厚さ119を可能な限り薄くすることができる。
【0052】
本明細書に開示されている後部空洞インサートの第1および第2の実施形態を以下に示す。ただし、特許請求される後部空洞インサートは、開示された第1および第2の実施形態に限定されない。他の後部空洞インサートの構成は、一般的なインサート構造および一般的なインサート機能の説明で開示される。これらには、異なる数のインサート部分、異なるインサート部分形状、および本明細書に開示される属性範囲の任意の組み合わせを有する後部空洞インサートが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
C)後部空洞インサートの第1の実施形態
図6図9を参照すると、後部空洞インサート300の接着剤層304は、VHBテープを含んでいてもよく、エラストマー層310は、VHBテープに貼り付けられた複数の可撓性ポリマーまたはゴム部分を含み、キャップ320は、複数のエラストマー層310部分のそれぞれに取り付けられた複数の金属製外側部分から構成される。この第1の実施形態では、金属キャップ320の外側部分と対になった複数のエラストマー層310の可撓性部分は、複数の個別のインサート部分324を形成する。個々のインサート部分324は、個々のインサート部分のそれぞれの間に間隙340を有し、接着剤層304のVHBテープが間隙340を通して見えるように、接着剤層304のVHBテープ上に配置される(上でより詳細に説明したように)。
【0054】
図6図9を参照すると、インサートの第1の実施形態は、7つの異なる個別のインサート部分324を備えている。7つのエラストマー層310のポリマー材料部分のそれぞれは、接着剤層304のVHBテープと金属キャップ320の金属外側材料部分の両方に接着固定される。
【0055】
図6図9を参照すると、7つの別個の個別部分のそれぞれは、別の個別部分に隣接する各部分の側面が直線であり、隣接する部分または部分の側面と平行であるように、多面形状を含む。インサート300は、2つの後端側インサート部分(1つの上部後端側部分351および1つの下部後端側部分352)、2つの先端側複合部分(1つの上部先端側部分353および1つの下部先端側部分354)、および3つの中央複合部分(上部中央部分355、下部後端側中央部分356、および下部先端側中央部分357)をさらに備えている。
【0056】
上部後端側部分351は、上部レール、下部後端側部分352、上部中央部分355、および下部後端側中央部分356に隣接している。下部後端側部分352は、上部後端側部分351および下部後端側中央部分356に隣接している。上部先端側部分353は、上部レール、下部先端側部分354、上部中央部分355、および下部先端側中央部分357に隣接している。下部先端側部分354は、上部先端側部分353および下部先端側中央部分357に隣接している。上部中央部分355、下部後端側中央部分356、および下部先端側中央部分357は、各中央部分が他の2つの中央部分のそれぞれと平行な側面を有するように、すべて互いに隣接している。さらに、上部中央部分355、下部後端側中央部分356、および下部先端側中央部分357は、各中央部分の1つの角または頂点がすべてインサート中心358で隣接する交差点を形成する。インサート300は、インサート中心358が打面幾何学的中心140のほぼ反対側の打面後面118に位置するように、後部空洞116内で配向される。3つの中央部分は、3つの中央部分の各共有角が、その角で交差する2つの中央部分の壁と約120度の角度を画定するように、インサート中心358を完全に取り囲んでいる。
【0057】
図6図9を参照すると、上部後端側部分351、上部先端側部分353、上部中央部分355、下部先端側部分354、および下部後端側部分352はそれぞれ、後方突出部の内周に隣接する1つまたは複数の側面を有する。後方突出部の内周に隣接する各部分の1つまたは複数の側面は、直線であってもよく、または後方突出部の内周の形状に従うように湾曲していてもよい。
【0058】
D)後部空洞インサートの第2の実施形態
図10図13を参照すると、アイアン型ゴルフクラブヘッド100は、ボール速度および打ち出し角の増加を助けるために多部品インサート400インサートを備えている。多部品インサート400は、インサート部分424間に間隙440を許容して、打面のたわみに対するインサートの影響を最小限に抑える。以下に、多部品インサート400の第2の実施形態について説明する。
【0059】
図10図13を参照すると、後部空洞インサート400は、フォームベースの超高接着テープ(すなわち、VHB)を含む接着剤層404と、複数の可撓性ポリマー部分412v(たとえば、70から100の範囲のショアD硬度を有するABSプラスチック)を含むエラストマー層410と、複数の金属外側部分422(たとえば、アルミニウム)を含むキャップ420と、から形成することができる。エラストマー層410の複数の可撓性ポリマー部分412は、接着剤層404のVHBテープに貼り付けられ、キャップ420の複数の金属製外側部分422は、エラストマー層410の複数の可撓性ポリマー部分412に貼り付けられる。エラストマー層410の複数の可撓性ポリマー部分412と、キャップ420の複数の金属外側部分422との組み合わせにより、複数のインサート部分424が形成される。インサート部分424は、上述したように、各インサート部分424の間に間隙440を有するように、エラストマー層410のVHBテープ上に配置される。接着剤層404のVHBテープは、間隙440を通して見ることができる。インサート400は、打面後面118に貼り付けられる。
【0060】
図10図13を参照すると、インサート400は、4つのインサート部分424を備えることができる。4つのインサート部分424のそれぞれは、隣接するインサート部分間の側面または縁部が曲線、湾曲、弓形、または丸みを帯びた多面形状を備えている。インサート部分424の端は、打面110の幾何学的中心140またはその近くで収束、融合、または接続する。インサート部分424の端は、打面幾何学的中心140に隣接する、またはその近くに位置する中心間隙441に収束する。以下により詳細に説明するように、中心間隙441は、ゴルフボールの衝撃中の打面のたわみを改善することができる。
【0061】
図10図13を参照すると、インサート400は、後端側部分451、先端側部分452、上部部分453、および下部部分454を備えている。後端側部分450は後端部分108に隣接し、先端側部分452は先端部分104に隣接し、上部部分453は上部部分104に隣接し、下部部分454は底部101に隣接する。後端側部分451は、後端部分108、上部部分453、および下部部分454に隣接することができる。先端側部分452は、先端部分104、上部部分453、および下部部分454に隣接することができる。上部部分453は、上部部分104、後端側部分451、および先端側部分452に隣接することができる。下部部分454は、底部101、後端側部分451、および先端側部分452に隣接することができる。部分424のそれぞれは、少なくとも1つの曲線端を備え、隣接する部分端は相補的な曲線を有する。
【0062】
また、後端側部分451、先端側部分452、上部部分453および下部部分454は交差部を形成し、各部分の1つの角、頂点、または端は、打面110の幾何学的中心140に隣接することができる。後端側部分451、先端側部分452、上部部分453、および下部部分454は、打面110の幾何学的中心140に隣接する中央間隙441を形成する。ここで、部分424のそれぞれの角、頂点、または縁は、中央間隙441の周囲を形成する。図10図13を参照すると、中央間隙441および間隙周囲を形成する部分424が示されている。特に、上部部分453の湾曲縁部、下部部分454の湾曲縁部、後端側部分451の頂点、および先端側部分452の頂点は、中央間隙441および間隙の周囲を形成する。
【0063】
図10図13を参照すると、複数の部分を含むインサート400は、インサート400を打面後面118に取り付けることによって、アイアン型ゴルフクラブヘッド100と組み立てられる。アイアン型ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つとき、打面110は後方にたわむ。打面110が後方にたわむと、接着剤層404も後方にたわみ、打面110の後方へのたわみに一致するように湾曲する。接着剤層404が衝撃時に後方にたわむと、インサート部分424間の間隙440により、インサート部分424が(張力をかける代わりに)広がることができ、インサート部分424間の間隙幅442が最大0.010インチまで増加する。この第2の実施形態では、インサート400は打面110のたわみに抵抗しない。打面110が反発すると、接着剤層404はより平坦な元の形状に戻り、インサート部分424は、後述する間隙幅を有するより小さな間隙440を有する元の形状に戻る。
【0064】
さらに図10図13を参照すると、ゴルフボール衝撃前の間隙幅442は、ゴルフボール衝撃中の間隙幅442よりも小さいか少なくてもよい。間隙幅442は、ゴルフボールの力を受けて打面110がたわむことにより増加し、打面110はたわみ、インサート400はたわむ。ゴルフボールとの衝撃前の部分間の間隙440は、0.005インチから0.040インチの範囲の間隙幅を含む。たとえば、衝撃前の間隙幅442は0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.010インチ、0.011インチ、0.012インチ、0.013インチ、0.014インチ、0.015インチ、0.016インチ、0.017インチ、0.018インチ、0.019インチ、0.020インチ、0.021インチ、0.022インチ、0.023インチ、0.024インチ、0.025インチ、0.026インチ、0.027インチ、0.028インチ、0.029インチ、0.030インチ、0.031インチ、0.032インチ、0.033インチ、0.034インチ、0.035インチ、0.036インチ、0.037インチ、0.038インチ、0.039インチ、または0.040インチであってもよい。打面の衝撃たわみ中に、部分間の間隙の幅は、インサート上の間隙の位置に応じて、最大0.010インチ増加する可能性があり、その範囲は0.015から0.050インチである。たとえば、ゴルフボール衝撃中の間隙幅は、0.015インチ、0.016インチ、0.017インチ、0.018インチ、0.019インチ、0.020インチ、0.021インチ、0.022インチ、0.023インチ、0.024インチ、0.025インチ、0.026インチ、0.027インチ、0.028インチ、0.029インチ、0.030インチ、0.031インチ、0.032インチ、0.033インチ、0.034インチ、0.035インチ、0.036インチ、0.037インチ、0.038インチ、0.039インチ、0.040インチ、0.041インチ、0.042インチ、0.043インチ、0.044インチ、0.045インチ、0.046インチ、0.047インチ、0.048インチ、0.049インチ、または0.050インチであってもよい。打面幾何学的中心140に近いインサート部分424間の間隙440は、打面幾何学的中心140から遠い間隙440よりも大幅に幅が増加する。
【実施例1】
【0065】
図14A図14Eを参照すると、2つのインサートの比較が行われた。第1のインサートは、上記の第1の実施形態で説明した可撓性インサート300であった。第2の(対照)インサートは、別個の部分またはパネルを形成する間隙がないことを除いて、第1のインサート300と全く同一であった。それらの間に間隙340を有する複数のインサート部分324を有する第1の実施形態のインサート300は、連続した切れ目のない接着剤層、エラストマー層、およびキャップ層を有する同一の比較インサート(対照クラブ内の)と比較して、(以下で論じるように)改善された性能を示した。両方とも、ロフト29度の同一の7番アイアンのゴルフクラブヘッドに配置された。テストには、プレイヤーのテスト、ロボットのテスト、FEAシミュレーションが組み込まれていた。プレイヤーテストでは、20人のプレイヤーが2つの7番アイアンゴルフクラブのそれぞれで10ショットを打った。ロボットテストでは、ロボットが2つの7番アイアンゴルフクラブのそれぞれについて、それぞれ5ショット、または9つの異なるフェース位置でゴルフボールを打った。各打撃について、ボール初速、ボールスピン、打ち出し角、飛距離、最大弾道の高さを測定した。本実施例で参照されているデータは、上記のすべてのテストから抽出されたものである。
【0066】
アイアン型ゴルフクラブヘッドおよびインサートの設計は、可撓性インサート300が第1のインサート300の実施形態で説明したような間隙340およびインサート部分324を有していたことを除いて、可撓性(間隙あり)インサートと剛性(間隙なし)インサートとの間で同一であった。図14Aを参照すると、間隙340およびインサート部分324を備える可撓性インサート300を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドは、間隙のないインサートを備えるアイアン型ゴルフクラブヘッドよりも時速約1マイル高いボール初速を提供した。インサート間隙によってもたらされる可撓性により、ボール衝撃中に失われるエネルギーが少なくなり、衝撃時のボール速度が向上する。図14Bを参照すると、間隙340およびインサート部分324を備える可撓性インサート300を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドにより、飛距離が2ヤード追加された。図14Cおよび図14Dを参照すると、間隙340およびインサート部分324を備える可撓性インサート300を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドにより、わずかに高い打ち出し角および最大高さがもたらされた。図14Eを参照すると、間隙340およびインサート部分324を備える可撓性インサート300を有するアイアン型ゴルフクラブヘッドにより、ほぼ80rpm低いスピン速度がもたらされた。この実施例1でテストした7番アイアンのゴルフクラブは、7番アイアンの1本だけに適用された後部空洞インサートの間隙を除いて、構造が同様であった。間隙のあるインサートを備えた7番アイアンは、平均飛距離が向上するという驚くべき結果をもたらしたが、これはこの7番アイアンに適用された後部空洞インサートに設けられた間隙のみによるものであった。
【0067】
要約すると、間隙340およびインサート部分324を備える可撓性インサート300を備えるアイアン型ゴルフクラブヘッドを有する実施例1のアイアン型ゴルフクラブは、間隙340ありのインサートを有する点においてのみ、コントロールアイアン型ゴルフクラブヘッドの後部空洞インサートと異なっていた。他のすべての要素は同一になるように管理された。この実施例1では、より高い打ち出し角、最大ボール飛行高さ、より高いボール速度、より低い打ち出しスピン速度という改善された飛行特性が協働して、2ヤードの飛距離の向上をもたらした。
【0068】
ゴルフのルールは時々変更される可能性があるため(たとえば、米国ゴルフ協会(USGA)、ロイヤルアンドエンシェントゴルフクラブオブセントアンドリュース(R&A)などのゴルフ規格団体および/または管理団体によって、新しい規則が採用されたり、古い規則が削除または変更されたりする可能性がある、など)、本明細書に記載される装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時点でゴルフのルールに適合している場合もあれば、適合していない場合もある。したがって、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、適合または不適合のゴルフ用品として宣伝、売りに出され、および/または販売される場合がある。本明細書に記載される装置、方法、および製造物品は、この点に関して限定されない。
【0069】
特許請求の範囲に記載された1つまたは複数の要素の交換は、修復ではなく再構築を構成する。さらに、特定の実施形態に関して便益、他の利点、および問題の解決策が説明された。ただし、便益、利点、問題の解決策、および便益、利点、解決策がもたらされる、またはより顕著になる可能性がある要素は、請求項の一部またはすべての重要な、必須の、または必須の機能や要素として解釈されるべきではない。
【0070】
さらに、本明細書に開示される実施形態および限定は、実施形態および/または限定が(1)特許請求の範囲に明示的に請求されていない、(2)均等論に基づく特許請求の範囲の明示的な要素および/または制限と同等であるか、または同等である可能性がある、場合には、献呈の原則に基づいて公衆に献呈されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
【国際調査報告】