IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシーの特許一覧

特表2023-548333原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法
<>
  • 特表-原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法 図1
  • 特表-原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法 図2
  • 特表-原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法 図3
  • 特表-原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法 図4
  • 特表-原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 15/257 20060101AFI20231109BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20231109BHJP
   F28D 15/04 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G21C15/257
F28D15/02 101J
F28D15/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526470
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-18
(86)【国際出願番号】 US2021072105
(87)【国際公開番号】W WO2022094593
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】17/084,440
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501010395
【氏名又は名称】ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルー、アブドゥル、アール
(72)【発明者】
【氏名】レビンスキー、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ライト、リチャード、エフ
(57)【要約】
原子炉コアから熱を除去するように構成されたヒートパイプが本明細書に開示される。ヒートパイプは、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する内側ハウジングと、内側ハウジング及び熱源の周りに構成された外側ハウジングと、を含む。ウィックが内側ハウジングの少なくとも一部分と外側ハウジングの少なくとも一部分との間に配置され、毛細管材料を含み、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する。作動流体が中間体積内に配置され、作動流体はヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮し、ウィックは凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプであって、前記ヒートパイプが、長さを備え、前記ヒートパイプが、
外面を含み、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する、内側ハウジングと、
内面を含み、前記内側ハウジング及び前記熱源の周りに構成されている、外側ハウジングと、
前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に配置され、前記ヒートパイプの前記長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックであって、前記ウィックが毛細管材料を含み、前記ウィックが前記内側ハウジングの前記外面の少なくとも一部分と前記外側ハウジングの前記内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、前記ウィックが前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、
前記中間体積内の作動流体と、を備え、
前記作動流体が前記ヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接する前記ヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、前記ウィックが前記ヒートパイプの前記第2の端部で凝縮された作動流体を前記ヒートパイプの前記第1の端部に戻すように構成されており、前記作動流体の前記蒸発及び前記凝縮により、熱が前記ヒートパイプの前記第1の端部から前記ヒートパイプの前記第2の端部に伝達され、前記熱交換器を介して放熱されるように構成されている、ヒートパイプ。
【請求項2】
前記ウィックが複数のリブを含み、前記複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが前記内側ハウジングの前記外面の少なくとも一部分と接触し、前記複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが前記外側ハウジングの前記内面の少なくとも一部分と接触する、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項3】
前記ヒートパイプが管状構成を備え、前記外側ハウジング及び前記内側ハウジングが各々円形構成を備え、前記外側ハウジングが前記内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、前記複数のリブが前記内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、請求項2に記載のヒートパイプ。
【請求項4】
前記ヒートパイプの前記第2の端部に結合されたエンドキャップを更に備え、前記第2のエンドキャップが、前記外側ハウジング、前記内側ハウジング、及び前記ウィックと機械的に接触し、それによって、前記内側体積及び中間体積を横断する熱回路を確立するように構成されている、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項5】
前記熱源が水素化物を含む減速材である、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項6】
前記熱源が原子燃料である、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項7】
前記熱源が減速材であり、前記ヒートパイプが前記外側ハウジングの周りに構成された被覆を更に備え、前記被覆が前記外側ハウジングの周りに第2の中間体積を画定し、原子燃料が前記第2の中間体積内に配置されている、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項8】
前記ヒートパイプの前記第2の端部に配置されたリザーバを更に備え、前記リザーバが余分な量の作動流体を収容し、前記余分な量の作動流体により前記ヒートパイプ及びその構成要素の乾燥が防止されるように構成されている、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項9】
前記ヒートパイプは垂直に配向されたサーモサイフォンを更に備えており、前記ウィックが前記ヒートパイプの前記第2の端部で凝縮された作動流体を前記ヒートパイプの前記第1の端部に戻すことを、重力が少なくとも部分的に補助するように構成されている、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項10】
原子炉によって発生した熱を除去するように構成された単位セルであって、前記単位セルが、
コアブロック材料と、
前記コアブロック材料全体に配設された複数のデバイスと、を備え、前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスが、ヒートパイプを備えており、
前記ヒートパイプが、
長さと、
外面を含み、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する、内側ハウジングと、
内面を含み、前記内側ハウジング及び前記熱源の周りに構成されている、外側ハウジングと、
前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に配置され、前記ヒートパイプの前記長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックであって、前記ウィックが毛細管材料を含み、前記ウィックが前記内側ハウジングの前記外面の少なくとも一部分と前記外側ハウジングの前記内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、前記ウィックが前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、
前記中間体積内の作動流体と、を備え、
前記作動流体が前記ヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接する前記ヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、前記ウィックが前記ヒートパイプの前記第2の端部で凝縮された作動流体を前記ヒートパイプの前記第1の端部に戻すように構成されており、前記作動流体の前記蒸発及び前記凝縮により、熱が前記ヒートパイプの前記第1の端部から前記ヒートパイプの前記第2の端部に伝達され、前記熱交換器を介して放熱されるように構成されている、単位セル。
【請求項11】
前記コアブロック材料がグラファイトを含む、請求項10に記載の単位セル。
【請求項12】
前記ウィックが複数のリブを含み、前記複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが前記内側ハウジングの前記外面の少なくとも一部分と接触し、前記複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが前記外側ハウジングの前記内面の少なくとも一部分と接触する、請求項10に記載の単位セル。
【請求項13】
前記ヒートパイプが管状構成を備え、前記外側ハウジング及び前記内側ハウジングが各々円形構成を備え、前記外側ハウジングが前記内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、前記複数のリブが前記内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、請求項12に記載の単位セル。
【請求項14】
前記ヒートパイプが前記ヒートパイプの前記第2の端部に結合されたエンドキャップを更に備え、前記第2のエンドキャップが、前記外側ハウジング、前記内側ハウジング、及び前記ウィックと機械的に接触し、それによって、前記内側体積及び中間体積を横断する熱回路を確立するように構成されている、請求項10に記載の単位セル。
【請求項15】
前記熱源が減速材であり、前記ヒートパイプが前記外側ハウジングの周りに構成された被覆を更に備え、前記被覆が前記外側ハウジングの周りに第2の中間体積を画定し、原子燃料が前記第2の中間体積内に配置されている、請求項10に記載の単位セル。
【請求項16】
前記ヒートパイプの前記第2の端部に配置されたリザーバを更に備え、前記リザーバが余分な量の作動流体を収容し、前記余分な量の作動流体により前記ヒートパイプ及びその構成要素の乾燥が防止されるように構成されている、請求項10に記載の単位セル。
【請求項17】
前記ヒートパイプは垂直に配向されたサーモサイフォンを更に備えており、前記ウィックが前記ヒートパイプの前記第2の端部で凝縮された作動流体を前記ヒートパイプの前記第1の端部に戻すことを、重力が少なくとも部分的に補助するように構成されている、請求項10に記載の単位セル。
【請求項18】
原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプであって、前記ヒートパイプが、
熱源を収容するように構成された内側体積を画定する内側ハウジングと、
前記内側ハウジング及び前記熱源の周りに構成された外側ハウジングと、
前記内側ハウジングの少なくとも一部分と前記外側ハウジングの少なくとも一部分との間に配置されたウィックであって、前記ウィックが毛細管材料を含み、前記ウィックが前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、
前記中間体積内の作動流体と、を備え、
前記作動流体が前記ヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接する前記ヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、前記ウィックが前記ヒートパイプの前記第2の端部で凝縮された作動流体を前記ヒートパイプの前記第1の端部に戻すように構成されている、ヒートパイプ。
【請求項19】
前記ウィックが複数のリブを含み、前記複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが前記内側ハウジングの少なくとも一部分と接触し、前記複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが前記外側ハウジングの少なくとも一部分と接触する、請求項18に記載のヒートパイプ。
【請求項20】
前記ヒートパイプが管状構成を備え、前記外側ハウジング及び前記内側ハウジングが各々円形構成を備え、前記外側ハウジングが前記内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、前記複数のリブが前記内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、請求項19に記載のヒートパイプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月29日出願の「DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR REMOVING HEAT FROM A NUCLEAR REACTOR CORE」と題された、米国非仮特許出願第17/084,440号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、原子力発電に関連し、より具体的には、原子炉コア(炉心)から熱エネルギーを除去するように構成された改善されたデバイス、システム、及び方法を対象とする。
【発明の概要】
【0003】
以下の概要は、本明細書に開示された態様に特有の革新的な特徴の一部の理解を容易にするために提供され、完全な説明であることを意図していない。様々な態様の完全な理解は、明細書、特許請求の範囲、及び要約の全てを、全体としてとらえることによって得ることができる。
【0004】
様々な態様では、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプが開示される。ヒートパイプは、長さと、外面を有する内側ハウジングと、を含み、内側ハウジングは、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する。ヒートパイプは、内側ハウジング及び熱源の周りに構成された内面を有する外側ハウジングを更に含む。ヒートパイプは、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に配置され、且つヒートパイプの長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックを更に含み、ウィックは毛細管材料を含み、ウィックは内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と外側ハウジングの内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、ウィックは内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する。ヒートパイプは中間体積内の作動流体を更に含み、作動流体はヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されており、作動流体の蒸発及び凝縮により、熱がヒートパイプの第1の端部からヒートパイプの第2の端部に伝達され、熱交換器を介して放熱されるように構成されている。
【0005】
様々な態様では、原子炉によって発生した熱を除去するように構成された単位セルが開示される。単位セルは、コアブロック材料と、コアブロック材料全体にわたって配設された複数のデバイスと、を含む。複数のデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスは、長さと、外面を含む内側ハウジングと、を含む、ヒートパイプを含む。内側ハウジングは、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する。ヒートパイプは、内面を含む外側ハウジングを更に含み、外側ハウジングは、内側ハウジング及び熱源の周りに構成されている。ヒートパイプは、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に配置され、且つヒートパイプの長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックを更に含み、ウィックは毛細管材料を含み、ウィックは内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と外側ハウジングの内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、ウィックは内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する。ヒートパイプは中間体積内の作動流体を更に含み、作動流体はヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されており、作動流体の蒸発及び凝縮により、熱がヒートパイプの第1の端部からヒートパイプの第2の端部に伝達され、熱交換器を介して放熱される構成されている。
【0006】
様々な態様では、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプが開示される。ヒートパイプは、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する内側ハウジングと、内側ハウジング及び熱源の周りに構成された外側ハウジングと、を含み得る。ヒートパイプは、内側ハウジングの少なくとも一部分と外側ハウジングの少なくとも一部分との間に配置されたウィックを更に含み得、ウィックは毛細管材料を含み、ウィックは内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する。ヒートパイプは中間体積内の作動流体を更に含み得、作動流体はヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されている。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び特性は、関連する要素の動作方法及び機能、並びに製造上の部品と経済性との組み合わせとともに、同様の参照番号が様々な図の対応する部品を示す添付の図面を参照しながら以下の説明及び添付の特許請求の範囲(その全てが本明細書の一部を形成する)を検討することにより、より明らかとなるであろう。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的とするものであり、本発明の限定の定義として意図されるものではないことが明示的に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に説明される態様の様々な特徴が、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。しかしながら、編成及び動作方法の両方に関して、様々な態様が、その利点と一緒に、以下の添付図面と併せて行われる以下の説明に従って理解され得る。
【0009】
図1】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたデバイスの断面図を例示する。
図2】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された別のデバイスの断面図を例示する。
図3】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された複数のデバイスを含む単位セルの上面図を例示する。
図4】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたシステムの側面図を例示する。
図5】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された別のシステムの側面図を例示する。
【0010】
対応する参照文字は、数個の図全体を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な態様を1つの形態で例示し、そのような例示は、いかなる様式によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示に説明され、添付図面に例示される態様の全体構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。公知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に説明される態様を不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。読み手は、本明細書に説明及び例示される態様が非限定的な例であることを理解し、したがって、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、代表的及び例示的であり得ることが理解され得る。そこに対する変形及び変更が、特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。更に、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上向き」、「下向き」などといった用語は、便宜上の言い回しであり、限定する用語として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0012】
以下の説明では、同様の参照符合は、図面のいくつかの図を通して同様の又は対応する部品を示す。また、以下の説明において、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上向き」、「下向き」などといった用語は、便宜上の言い回しであり、限定する用語として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0013】
関節マニピュレータの様々な態様を詳細に説明する前に、用例は、添付図面及び説明に例示された部品の構成及び配置の詳細への適用又は使用に限定されないことに留意されたい。用例は、他の態様、変形例、及び修正例において実装又は組み込まれてもよく、様々なやり方で実践又は実施されてもよい。更に、別段の示唆がない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の利便性のために用例を説明する目的で選択されており、その限定を目的としていない。また、以下の説明される態様、態様の表現、及び/又は例のうちの1つ以上は、他の以下の説明される態様、態様の表現、及び/又は例のうちの任意の1つ以上と組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
【0014】
本開示は、原子炉コアから熱を除去するためのデバイス、システム、及び方法を対象とする。コア内の熱エネルギーの管理は、原子炉にとって重要である。例えば、原子炉のコアが過熱した場合、炉は、その後の修理のためにラインから外され得、コアの使用可能寿命が短くなり得、炉は、動作するのが潜在的に危険となり得る。原子炉のサイズが小さくなり、モジュール式になるにつれて、原子炉のコアからの熱の除去が更により困難になり、重要になる。
【0015】
いくつかの小型炉は、核物質(例えば、ウラン)の分裂からのエネルギーを使用して発電する、「原子力電池」として機能する。したがって、小型炉は、炉のサイズを縮小しながら、炉の出力を最適化し得る。しかしながら、炉のサイズが縮小するにつれて、システムから熱を除去することがますます難しくなる。小型炉内の熱管理は、ヒートパイプの構成を介して達成され得る。例えば、小型炉の各ヒートパイプは、炉のコアから熱を熱交換器に移動させるように構成された少量の作動流体(例えば、ナトリウム液体)を含み得、熱交換器は発電に利用され得る。大量の冷却材がコアを通してポンプ注入されることを必要とする従来の炉とは異なり、ヒートパイプベースの炉は、比較的少量の作動流体を必要とし、そのほとんどがヒートパイプ自体のウィック内に収容される。したがって、ヒートパイプベースの炉は、機械的ポンプ、弁、ループ配管、及び従来の炉を冷却するために必要な関連付けられた補助システムを必要とせず、炉全体のサイズが更に縮小する。
【0016】
そのため、ヒートパイプの性能及び構成は、小型炉の重要な設計検討事項のままである。ヒートパイプは、補助冷却構成要素の必要性を排除することによって熱管理システムを合理化するため、ヒートパイプ構成自体は、炉のサイズの更なる縮小に対する制約となる。従来のヒートパイプは、作動流体で充填される内側管体積を画定する単一の管、並びに従来のヒートパイプの外部に配置された熱源及びシンクを含む。Newcastle Universityでは、内側ヒートパイプ壁に配置された単一のウィックを有する同心円状の環状ヒートパイプの使用に関する理論的研究が実施された。加えて、環状ヒートパイプは、大量の熱を輸送するのではなく、温度較正のための均一な温度分布を作り出すために、等温炉ライナーに実装される。上述のヒートパイプのいずれも、小型炉から熱を効果的に除去することはもちろん、炉のサイズが更に縮小され得るように、熱を効率的に除去することも証明されていない。したがって、小型炉から熱を効率的に除去しながら、それらのサイズ及び全体的な設置面積を縮小することができる、改善されたヒートパイプに対する必要性が存在する。
【0017】
ここで図1を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたデバイス100の断面図が図示されている。例えば、デバイス100は、小型原子炉内の実装のために構成されたヒートパイプであり得る。図1の非限定的態様によると、ヒートパイプ100は、内側ハウジング104及び外側ハウジング108を含み得る。図1の内側ハウジング104は、外側ハウジング108の内面110と向かい合うように、ヒートパイプ100内に配置された外面106を更に含み得る。図1の非限定的態様に見られるように、ヒートパイプ100は、円形内側ハウジング104の周りに同心円状に配置された円形外側ハウジング108を有する環状構成を含み得る。ヒートパイプ100の長さは、内側ハウジング104及び外側ハウジング108が同心円状に配置され、それによって管状構成を形成する、中心線に沿って延在し得る。図1の非限定的態様によると、内側ハウジング104は、上述の環状構成を達成するために、外側ハウジング108の内径D2よりも小さい外径D1を含み得る。しかしながら、図1の非限定的に円形に構成された態様は、例示の目的のためだけに提示されることが理解されるべきである。本開示によって使用される場合、「直径」という用語は、デバイス100の中心点から離れるように延在する任意の寸法を含むものとすることが理解されるべきである。そのため、「直径」という用語は、デバイス100を円形構成に限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0018】
図1の非限定的態様は、円形の同心円状に配向されたハウジング104、108を有するヒートパイプ100を図示するが、任意の幾何学的構成が、内側ハウジング104及び外側ハウジング108のいずれかに対して実装され得ることが理解されるべきである。したがって、本開示の他の非限定的態様は、様々な構成(例えば、正方形、長方形、三角形、八角形)の内側ハウジング104及び外側ハウジング108を含む。更に他の非限定的な態様では、内側ハウジング104は、第1の幾何学的構成を含み得、外側ハウジング108は、第1の幾何学的構成とは異なる第2の幾何学的構成を含み得る。例えば、内側ハウジング104は、八角形構成を含み得、外側ハウジング108は、内側ハウジング104の外面106の少なくとも一部分が、外側ハウジング108の内面110の対応する部分に平行ではないように、円形構成を含み得る。
【0019】
図1を更に参照すると、内側ハウジング104は、ヒートパイプ100が、体積103内に適切に挿入されたときに、熱源102を実質的に取り囲むように、内部熱源102を収容するように構成された体積103を更に画定し得る。例えば、熱源102は、原子炉の燃料源(例えば、窒化ウラン)又は減速材(例えば、水素化物ベースの減速材)などの、熱エネルギーを発生させるように構成された任意の材料を含み得る。加えて、体積103内に適切に挿入されたとき、熱源102は、内側ハウジング104の内面107に隣接して配置され得る。いくつかの非限定的態様によると、熱源102は、適切に挿入されたときに、内側ハウジング104の内面107と物理的に接触し得る。他の非限定的態様によると、体積103は、熱源102間の熱伝達を増強するように構成された中間材料で充填され得る。いずれにせよ、熱源102とヒートパイプ100との間の界面は、熱源102から遠ざけるべく熱を効率的に伝達するように構成され得る。
【0020】
更に図1を参照すると、ヒートパイプ100は、内側ハウジング104と外側ハウジング108との間の中間体積111内に配置されたウィック112を更に含み得る。ウィック112は、内側ハウジング104の外面106の少なくとも一部分及び外側ハウジング108の内面110の少なくとも一部分と接触するように構成され得る。例えば、図1の非限定的態様によると、ウィック112は、内側ハウジング104の外面106と熱連通するように配置された内面116と、外側ハウジング108の内面110と熱連通するように配置された外面118と、を含み得る。いくつかの非限定的態様では、ウィック112の表面116、118は、ハウジング104、108の表面106、110と機械的に接触するように構成され得る。図1の非限定的態様によると、ウィック112は、ウィック112の内面116及び外面118の少なくとも一部分に機械的に結合された複数のリブ120を更に含み得る。複数のリブ120は、ウィック112と同一又は同様のウィッキング材料のいずれかを含み得る。しかしながら、他の非限定的態様によると、リブ120は、ハウジング104、108の表面106、110と、それ自体が直接接触するように構成され得る。図1に図示されるリブ120は、同心円状に配向された内側及び外側ハウジング104、108の中心から半径方向外向きに延在するが、本開示は、リブ120が任意の数の様々な構成(例えば、ジグザグ、円形、十字形)で配向される、他の非限定的態様を企図することが理解されるべきである。
【0021】
図1の非限定的態様によると、作動流体(例えば、ナトリウム液体)は、ヒートパイプ100の中間体積111内に配置され得、ウィック112は、毛細管特性を含む1つ以上の材料(例えば、任意の多孔質材料)から構成され得る。ヒートパイプ100は、その端部のうちの1つが原子炉の凝縮器内に配置されるように、原子炉内に配置され得る。このように、ヒートパイプ100の低温側で凝縮された作動流体は、ウィック112の毛細管特性に起因する蒸発のためにヒートパイプ100の高温側に戻され、それによって、熱伝達サイクルを更新し得る。言い換えると、図1のヒートパイプ100は、ヒートパイプ100内に配置された熱源102から熱を除去するように構成され得る。熱源102、内側ハウジング104、外側ハウジング108、及びウィック112の統合は、原子炉に対して、かつ原子炉の蒸発器及び凝縮器に対して適切に配置されたとき、原子炉のコアから離れる熱エネルギーの効率的な伝達を容易にし得ることが理解されるべきである。したがって、図1のヒートパイプ100は、既知の単管ヒートパイプ構成と比較したとき、小型原子炉によって生成される熱エネルギーをより効率的に管理し得る。これは、改善された性能及び信頼性を結果的にもたらし得、縮小されたサイズの小型炉を結果的にもたらし得る。
【0022】
ここで図2を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された別のデバイス200の断面図が図示されている。図2の非限定的態様によると、デバイス200は、図1のヒートパイプ100と同様に構成され得る。例えば、デバイス200は、内側ハウジング204及び外側ハウジング208を有する、原子炉内の実装のために構成されたヒートパイプを含み得る。図1のヒートパイプ100と同様に、図2の内側ハウジング204は、ヒートパイプ200内に配置された外面206を含み得、それにより、外面206は、外側ハウジング208の内面210と向かい合う。繰り返しになるが、ヒートパイプ200は、円形内側ハウジング204の周りに同心円状に配置される円形外側ハウジング208を有する環状構成を含み得、ヒートパイプ200は、管状構成で再び延在する。しかしながら、図2の環状構成は、例示の目的のみを意図している。したがって、他の非限定的態様では、ヒートパイプ200は、任意の数の幾何学的構成(例えば、正方形、長方形、三角形、八角形)を含み得る。いずれにせよ、内側ハウジング204は、内部熱源202を収容するように構成された体積203を画定し得る。
【0023】
図2の非限定的態様を更に参照すると、ヒートパイプ200は、熱源202、内側ハウジング204、及び外側ハウジング208の周りに同心円状に配向された被覆層222を更に含み得る。被覆層222は、被覆層222が図1のヒートパイプ100を参照して論じられたヒートパイプ200の構成要素を実質的に取り囲むように、内径D1及び外形D1よりも大きい被覆直径D3を含み得る。図2の被覆222は、円形構成を含むが、これも、内側ハウジング204及び外側ハウジング208が円形であっても、任意の数の異なる幾何学的構成を含み得る。いずれにせよ、被覆層222は、被覆層222の内面226と外側ハウジング208の外面224との間に第2の中間体積217を画定し得る。例えば、被覆層222は、ヒートパイプ200内に配置された任意の核物質を含有するように構成された材料から作製される薄壁の管を含み得る。したがって、被覆層222は、有害、且つ潜在的に危険な材料の腐食及び動作環境への放出を防止するように、特異的に構成され得る。
【0024】
更に図2を参照すると、ヒートパイプ200は、内側ハウジング204と外側ハウジング208との間に画定された中間体積211内に配置されたウィック212を更に含み得る。ウィック212は、内側ハウジング204の外面206の少なくとも一部分及び外側ハウジング208の内面210の少なくとも一部分と接触するように構成され得る。例えば、図2の非限定的態様によると、ウィック212は、内側ハウジング204の外面206と熱連通するように配置された内面216と、外側ハウジング208の内面210と熱連通するように配置された外面218と、を含み得る。いくつかの非限定的態様では、ウィック212の表面216、218は、ハウジング204、208の表面206、210と機械的に接触するように構成され得る。図2の非限定的態様によると、ウィック212は、ウィック212の内面216及び外面218の少なくとも一部分に機械的に結合された複数のリブ220を更に含み得る。複数のリブ220は、ウィック212と同一又は同様のウィッキング材料のいずれかを含み得る。しかしながら、他の非限定的態様によると、リブ220は、ハウジング204、208の表面206、210と、それ自体が直接接触するように構成され得る。
【0025】
図2に図示されるリブ220は、同心円状に配向された内側及び外側ハウジング204、208の中心から半径方向外向きに延在するが、本開示は、リブ220が任意の数の様々な構成(例えば、ジグザグ、円形、十字形)で配向される、他の非限定的態様を企図することが理解されるべきである。
【0026】
図2の非限定的態様によると、作動流体(例えば、ナトリウム液体など)は、ヒートパイプ200の中間体積211内に配置され得、ウィック212は、毛細管特性(例えば、任意の多孔質材料)を含む1つ以上の材料から構成され得る。ヒートパイプ200は、その端部のうちの1つが原子炉の凝縮器内に配置されるように、原子炉内に配置され得る。このように、ヒートパイプ200の低温側で凝縮された作動流体は、ウィック212の毛細管特性に起因する蒸発のためにヒートパイプ200の高温側に戻され、それによって、熱伝達サイクルを更新し得る。言い換えると、図2のヒートパイプ200は、ヒートパイプ200内に配置された熱源202から遠ざけるべく熱を除去するように構成され得る。熱源202、内側ハウジング204、外側ハウジング208、及びウィック212の統合は、原子炉に対して、かつ原子炉の蒸発器及び凝縮器に対して適切に配置されたとき、原子炉のコアから離れる熱エネルギーの効率的な伝達を容易にし得ることが理解されるべきである。したがって、図2のヒートパイプ200は、既知の単管ヒートパイプ構成と比較したとき、小型原子炉によって生成される熱エネルギーをより効率的に管理し得る。これは、改善された性能及び信頼性を結果的にもたらし得、縮小されたサイズの小型炉を結果的にもたらし得る。
【0027】
図2の非限定的態様によると、図2のヒートパイプ200は、被覆層222によって画定されるように、体積203内に配置された減速材タイプ202の熱源(例えば、水素化物ベースの減速材など)と、第2の中間体積217内に配置された燃料228(例えば、窒化ウランなど)と、を含み得る。したがって、減速材202は、環状ヒートパイプ200のウィック212によって取り囲まれ得、環状ヒートパイプ200のウィック212は、環状燃料228によって取り囲まれ得る。このように、図2のヒートパイプ200は、原子炉の、熱伝達媒体、又はコアブロック(例えば、グラファイトなど)内に統合された複数の熱源202、228を含み得る。したがって、ヒートパイプ200の故障の際に、隣接するヒートパイプ200は、過剰な熱をコアから遠ざけるべく伝達することによって、故障を補償し得る。
【0028】
図1及び2の非限定的な態様は、統合された熱源102、202を有するヒートパイプ100、200を含み、本開示は、ヒートパイプ100、200及び熱源102、202の多種多様な配置を特徴とする他の非限定的態様を企図する。例えば、いくつかの非限定的態様によると、図2のヒートパイプ200のウィック212は、意図される用途及び/又はユーザ選好が、空間のより低効率な使用に適合し得るか否かに応じて、熱源202によって取り囲まれ得る。更に他の非限定的態様では、燃料228は、図2のヒートパイプ200のウィック212によって取り囲まれ得、減速材202は、ヒートパイプ200のウィック212を取り囲むように構成され得る。言い換えると、図2の燃料228及び減速材202の位置は、意図される用途及び/又はユーザ選好が、ヒートパイプの故障の際に、より低効率な冷却に適合し得るか否かに応じて、反転されてもよい。両方の態様では、ユーザは、原子炉のサイズ及び/又は熱伝達の効率を犠牲にして、他の変数を最適化するように動機付けられ得、これは、図2のヒートパイプ200の設計に一定程度のカスタマイズを提供する。最終的に、ヒートパイプ200の設計の最適化は、原子炉設計に対する意図される用途及び/又はユーザ選好に依存し、両方とも、マイクロ炉の出現に起因して重要性を増している。
【0029】
ここで、図3を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された複数のデバイス302を含む単位セル300の上面図が図示されている。図3の単位セル300は、19個のデバイス302を含むが、本開示は、単位セル300が任意の数のデバイス302を含む、他の非限定的態様を企図する。追加的及び/又は代替的に、図3の単位セル300の六角形構成は、例示の目的のためだけに提示される。したがって、図3の単位セル300は、コアの所望の出力及び熱特性に応じて、任意の数の幾何学的構成を含み得ることが理解されるべきである。
【0030】
図3の非限定的態様によると、複数のデバイス302の各デバイス302は、コアの統合された熱源304を実質的に取り囲むように構成され得る。熱源304は、燃料棒、減速材、又はその組み合わせのいずれかを含み得る。図1及び2を参照して論じられたように、複数のデバイス302の各デバイス302は、統合された熱源304を取り囲むように構成されたアセンブリ306を更に含み得る。アセンブリ306は、ヒートパイプ100、200のウィック112、212、及び/又は統合された熱源304から遠ざけるべく熱を伝達するように構成された複数のリブ120、220を含む、図1及び2を参照して論じられた特徴のうちのいずれかを含み得る。いくつかの非限定的態様によると、アセンブリ306は、図2を参照して論じられるように、燃料228を収容するように構成された第2の中間体積217を画定する被覆222を更に含み得る。更に他の非限定的態様では、複数のデバイス302の各デバイス302は、異なる構成を含み得る。例えば、第1のデバイス302は、図1のデバイス100の構成を含み得、第2のデバイス302は、図2のデバイス200の構成を含み得る。
【0031】
更に図3を参照すると、単位セル300の各デバイス302は、特に、いくつかの他のデバイス302に隣接するように配置され得る。隣接するデバイス302は、任意の所与のデバイス302の統合された熱源304によって発生した熱エネルギーが、ヒートパイプの故障の際に、コアから遠ざけるべく効果的に伝達され得るように、互いから所定の距離で配置され得る。従来のヒートパイプは、典型的には、それらが冷却することを意図される熱源に取り囲まれているため、隣接するヒートパイプは、第1のヒートパイプが故障した場合に、温度上昇を軽減することを補助するそれらの能力が制限される。したがって、図3の単位セル300の構成は、既知のデバイスに勝る有意な改善及び利益を提案する。追加的及び/又は代替的に、単位セル300は、好ましい熱特性(例えば、グラファイト)を有する材料を含むコアブロックを含み得、単位セル300の動作温度を監視するように構成された1つ以上の温度センサが、原子炉のコア全体にわたって配置され得る。したがって、ヒートパイプが故障した場合、統合された熱源304からの熱は、材料を通して伝達され得る。温度センサは、温度の上昇を検出し、所定の閾値を満たすか、又は超えるか否かを決定し、その後、原子炉シャットダウンプロトコルが開始され得る。
【0032】
ここで図4を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成されたシステム400の側面図が図示されている。図4の非限定的な態様によると、システム400は、原子炉の凝縮器404と統合された、ヒートパイプ401などの、水平に配向されたデバイスを含む。ヒートパイプ401は、燃料又は減速材などの、熱源402の周りに構成され、その長さは、蒸発温度Tで動作する、ヒートパイプ401の蒸発区分を画定する。ヒートパイプ401は、1つ以上の内部エンドキャップ408を更に含み得、そのうちの1つは、断熱温度Tsatで動作するヒートパイプ401の断熱区分を画定する。いくつかの非限定的態様によると、ヒートパイプ401は、断熱区分内に配置されたカバーガス410を更に含み得る。ヒートパイプ401は、凝縮温度Tで動作する、原子炉の凝縮器404内で終端し得る。図4の非限定的態様によると、蒸発温度Tは、断熱温度Tsatよりも高く、断熱温度Tsatは、凝縮温度Tよりも高い。集合的に、ヒートパイプ401の蒸発区分、断熱区分、及び凝縮区分は、ヒートパイプ401の長さLを構成し得る。したがって、ヒートパイプ401内の作動流体416は、統合された熱源402によって発生した熱で蒸発し得、断熱区分を通ってヒートパイプ401の長さを凝縮器404まで移動し、ここで、冷却及び凝縮される。システム400、より具体的には、ヒートパイプ401は、凝縮器の近位の少量の余分な作動流体418を収容して、ヒートパイプ401及びその構成要素の乾燥を防止するように構成され得る。
【0033】
特に、図4のヒートパイプ401は、外部エンドキャップ406、並びに第1の外部ウィック412及び第2の内部ウィック414を含み得る。外部エンドキャップ406、内部エンドキャップ408、又はその両方は、外部ウィック412及び内部ウィック414を接続し得る。代替的及び/又は追加的に、1つ以上のリブ(例えば、図1及び2に図示されるデバイス100、200のリブ120、220)もまた、ヒートパイプ401の外部ウィック412及び内部ウィック414を接続するように構成され得る。いずれにせよ、外部ウィック412及び内部ウィック414は、協働して、ヒートパイプ401の複数の表面を接続し得、これは、伝導及び対流のためのより大きい表面積を作り出す。加えて、外部ウィック412及び内部ウィック414の接続は、その別個の区分及び動作温度を維持しながら、ヒートパイプ401の共通体積を確立し得る。この接続は、図5の水平に構成されたシステム500のためのヒートパイプ401の凝縮器側に配置され得る。しかしながら、一体型熱源及び/又は減速材を有するヒートパイプ401は、ウィック412、414を伴う、及び伴わない、上述の利益を提供し得、図5を参照して更に詳細に論じられるように、ヒートパイプ(例えば、サーモサイフォン)内で作動流体を移動させるために重力を使用する配向を含む、任意の配向で配置され得る。
【0034】
ここで図5を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、原子炉のコアから熱を除去するように構成された別のシステム500の側面図が図示されている。図5の非限定的な態様によると、システム500は、原子炉の凝縮器504と統合された、ヒートパイプ501などの、垂直に配向されたデバイスを含む。システム500は、図4のシステム400と同様に構成される。しかしながら、図5のシステム500は、垂直に構成されており、したがって、作動流体516を移動するためのサーモサイフォンのように動作し得る。ヒートパイプ501は、燃料又は減速材などの、熱源502の周りに構成され、その長さは、蒸発温度Tで動作する、ヒートパイプ501の蒸発区分を画定する。ヒートパイプ501は、1つ以上の内部エンドキャップ508を更に含み得、そのうちの1つは、断熱温度Tsatで動作するヒートパイプ501の断熱区分を画定する。いくつかの非限定的態様によると、ヒートパイプ501は、断熱区分内に配置されたカバーガスを更に含み得る。ヒートパイプ501は、凝縮温度Tで動作する、原子炉の凝縮器504内で終端し得る。集合的に、ヒートパイプ501の蒸発区分、断熱区分、及び凝縮区分は、ヒートパイプ501の長さLを構成し得る。図5の非限定的態様によると、蒸発温度Tは、断熱温度Tsatよりも高く、断熱温度Tsatは、凝縮温度Tよりも高い。したがって、ヒートパイプ501内の作動流体516は、統合された熱源502によって発生した熱で蒸発し得、断熱区分を通ってヒートパイプ501の長さを凝縮器504まで移動し、ここで、冷却及び凝縮される。
【0035】
図5を更に参照すると、ヒートパイプ501は、外部エンドキャップ506を含み得る。しかしながら、図5の非限定的態様によると、ヒートパイプは、蒸発区分内に排他的に配置されるウィッキング特徴512を含み得る。例えば、ウィッキング特徴512は、溝、部分ウィックなどのいずれかを含み得る。図5の垂直構成について、ヒートパイプは、図4の水平に構成されたシステム400ほど多くのウィッキング特徴412、414を必要としない。これは、凝縮された作動流体516を蒸発器に戻すのを重力が補助し得るためであるが、図5の垂直に構成されたシステム500は、高電力炉には理想的ではない場合がある。
【0036】
繰り返しになるが、外部エンドキャップ506、内部エンドキャップ508、又は両方は、図5のヒートパイプ501のウィッキング特徴512を接続し得る。代替的及び/又は追加的に、1つ以上のリブ(例えば、図1及び2に図示されるデバイス100、200のリブ120、220)は、ヒートパイプ501のウィッキング特徴512を接続するように構成され得る。いずれにせよ、ウィッキング特徴512は、協働して、ヒートパイプ501の複数の表面を接続し得、これは、伝導及び対流のためのより大きい表面積を作り出す。加えて、ウィッキング特徴512の接続は、その別個の区分及び動作温度を維持しながら、ヒートパイプ501の共通体積を確立し得る。したがって、ヒートパイプ501は、縮小されたウィッキング特徴512によって上述の利益を提供し得、垂直に配向されたときでも、ヒートパイプ501(例えば、サーモサイフォン)内で作動流体516を移動させるように機能し得る。
【0037】
本明細書に説明される主題の様々な態様は、以下の番号付き条項に記載される:
第1項:原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプであって、ヒートパイプが、長さを含み、ヒートパイプが、外面を含み、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する、内側ハウジングと、内面を含み、内側ハウジング及び熱源の周りに構成されている、外側ハウジングと、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に配置され、ヒートパイプの長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックであって、ウィックが毛細管材料を含み、ウィックが内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と外側ハウジングの内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、ウィックが内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、中間体積内の作動流体とを備える。作動流体がヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されており、作動流体の蒸発及び凝縮により、熱がヒートパイプの第1の端部からヒートパイプの第2の端部に伝達するように構成されている、ヒートパイプ。
第2項:ウィックが複数のリブを含み、複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と接触し、複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが外側ハウジングの内面の少なくとも一部分と接触する、第1項に記載のヒートパイプ。
第3項:ヒートパイプが管状構成を含み、外側ハウジング及び内側ハウジングが各々円形構成を含み、外側ハウジングが内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、複数のリブが内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、第1項又は第2項に記載のヒートパイプ。
第4項:ヒートパイプの第2の端部に結合されたエンドキャップを更に含み、第2のエンドキャップが、外側ハウジング、内側ハウジング、及びウィックと機械的に接触し、それによって、内側体積及び中間体積を横断する熱回路を確立するように構成されている、第1項~第3項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第5項:熱源が水素化物を含む減速材である、第1項~第4項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第6項:熱源が放射性原子燃料である、第1項~第5項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第7項:熱源が減速材であり、ヒートパイプが外側ハウジングの周りに構成された被覆を更に含み、被覆が外側ハウジングの周りに第2の中間体積を画定し、原子燃料が第2の中間体積内に配置されている、第1項~第6項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第8項:ヒートパイプの第2の端部に配置されたリザーバを更に含み、リザーバが余分な量の作動流体を収容し、余分な量の作動流体によりヒートパイプ及びその構成要素の乾燥が防止されるように構成されている、第1項~第7項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第9項:ヒートパイプは垂直に配向されたサーモサイフォンを更に備えており、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すことを、重力が少なくとも部分的に補助するように構成されている、第1項~第8項のいずれかに記載のヒートパイプ。
第10項:原子炉によって発生した熱を除去するように構成された単位セルであって、単位セルが、コアブロック材料と、コアブロック材料全体に配設された複数のデバイスと、を含み、複数のデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスが、ヒートパイプを含んでおり、ヒートパイプが、長さと、外面を含み、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する、内側ハウジングと、内面を含み、内側ハウジング及び熱源の周りに構成されている、外側ハウジングと、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に配置され、ヒートパイプの長さの少なくとも一部分に沿って延在する、ウィックであって、ウィックが毛細管材料を含み、ウィックが内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と外側ハウジングの内面の少なくとも一部分とに接触するように構成されており、ウィックが内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、中間体積内の作動流体と、を備え、作動流体がヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されており、作動流体の蒸発及び凝縮により、熱がヒートパイプの第1の端部からヒートパイプの第2の端部に伝達され、前記熱交換器を介して放熱されるように構成されている、単位セル。
第11項:コアブロック材料がグラファイトを含む、第10項に記載の単位セル。
第12項:ウィックが複数のリブを含み、複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが内側ハウジングの外面の少なくとも一部分と接触し、複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが外側ハウジングの内面の少なくとも一部分と接触する、第10項又は第11項に記載の単位セル。
第13項:ヒートパイプが管状構成を含み、外側ハウジング及び内側ハウジングが各々円形構成を含み、外側ハウジングが内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、複数のリブが内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、第10項~第12項のいずれかに記載の単位セル。
第14項:ヒートパイプがヒートパイプの第2の端部に結合されたエンドキャップを更に含み、第2のエンドキャップが、外側ハウジング、内側ハウジング、及びウィックと機械的に接触し、それによって、内側体積及び中間体積を横断する熱回路を確立するように構成されている、第10項~第13項のいずれかに記載の単位セル。
第15項:熱源が減速材であり、ヒートパイプが外側ハウジングの周りに構成された被覆を更に含み、被覆が外側ハウジングの周りに第2の中間体積を画定し、原子燃料が第2の中間体積内に配置されている、第11項~第14項のいずれかに記載の単位セル。
第16項:ヒートパイプの第2の端部に配置されたリザーバを更に含み、リザーバが、余分な量の作動流体を収容するように構成され、余分な量の作動流体によりヒートパイプ及びその構成要素の乾燥が防止されるように構成されている、第11項~第15項のいずれかに記載の単位セル。
第17項:ヒートパイプは垂直に配向されたサーモサイフォンを更に備えており、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すことを、重力が少なくとも部分的に補助するように構成されている、第11項~第16項のいずれかに記載の単位セル。
第18項:原子炉のコアから熱を除去するように構成されたヒートパイプであって、ヒートパイプが、熱源を収容するように構成された内側体積を画定する内側ハウジングと、内側ハウジング及び熱源の周りに構成された外側ハウジングと、内側ハウジングの少なくとも一部分と外側ハウジングの少なくとも一部分との間に配置されたウィックであって、ウィックが毛細管材料を含み、ウィックが内側ハウジングと外側ハウジングとの間に中間体積を画定する、ウィックと、中間体積内の作動流体と、を備え、作動流体がヒートパイプの第1の端部で蒸発し、且つ熱交換器に隣接するヒートパイプの第2の端部で凝縮するように構成され、ウィックがヒートパイプの第2の端部で凝縮された作動流体をヒートパイプの第1の端部に戻すように構成されている、ヒートパイプ。
第19項:ウィックが複数のリブを含み、複数のリブのうちの少なくとも第1のリブが内側ハウジングの少なくとも一部分と接触し、複数のリブのうちの少なくとも第2のリブが外側ハウジングの少なくとも一部分と接触する、第18項に記載のヒートパイプ。
第20項:ヒートパイプが管状構成を含み、外側ハウジング及び内側ハウジングが各々円形構成を含み、外側ハウジングが内側ハウジングの周りに同心円状に配向され、複数のリブが内側ハウジングの中心点から半径方向に延在するように構成されている、第18項又は第19項に記載の方法。
【0038】
本明細書で言及した全ての特許、特許出願、刊行物、又は他の開示資料は、個々の参考文献がそれぞれ参照により明示的に組み込まれるように、その文献全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれると言及された全ての文献、及び任意の資料、又はそれらの一部は、組み込まれた資料が、本開示に記載された既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない限り、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に記載の開示は、必要な範囲において、参照により本明細書に組み込まれた任意の矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が優先する。
【0039】
本発明は、様々な例示的な及び実例的な態様を参照して説明されてきた。本明細書に記載の態様は、開示された発明の様々な態様の様々な詳細の実例的な特徴を提供するものとして理解され、したがって、特段の指示がない限り、可能な範囲において、開示した態様の1つ以上の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュール及び/又は態様は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された態様の1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュール及び/又は態様に対して、組み合わされ、分離され、交換され及び/又は再配置され得ることが理解されるべきである。したがって、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な態様のいずれにおいても様々な置換、改変、又は組み合わせが可能であることを認識するであろう。更に、当業者は、本明細書を検討すれば、本明細書に記載された本発明の様々な態様に対する多くの等価物を認識するか、又は単に日常的な実験を使用して確認することができる。したがって、本発明は、様々な態様の説明によってではなく、特許請求の範囲によって限定される。
【0040】
当業者は、概して、本明細書、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、概して、「オープン」な用語として意図されていることを認識するであろう(例えば、「含む」という用語は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきである、など)。導入される特許請求の範囲の特定の数が意図される場合、そのような意図は、特許請求の範囲に明示的に列挙されることになり、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解の支援として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を導入するための、「少なくとも1つ」及び「1つ以上」という導入句の使用を含有し得る。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の列挙の導入が、そのような導入された請求項の列挙を含有する任意の特定の請求項を、同じ請求項が導入句の「1つ以上」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときでさえ、1つのそのような列挙のみを含む請求項に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、請求項の列挙を導入するために使用される特定の物品の使用についても同様である。
【0041】
加えて、導入された請求項の列挙の特定の数が明示的に列挙されているとしても、当業者は、そのような列挙は、典型的には、少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを理解するであろう(例えば、「2つの列挙」のそのままの列挙は、他の修飾子なしでは、少なくとも2つの列挙、又は2つ以上の列挙を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似している慣例が使用される、そのような事例では、一般的に、そのような構造は、当業者が、慣例(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、A単独、B単独、C単独、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B、及びCを一緒に有するなどのシステムを含むであろう)を理解するであろうという意味で意図される。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用される、そのような事例では、一般的に、そのような構造は、当業者が慣例(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されるものではないが、A単独、B単独、C単独、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B、及びCを一緒に有するなどのシステムを含むであろう)を理解するであろうという意味で意図される。説明、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する典型的な選言的な単語及び/又は語句は、文脈が別途指示しない限り、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図することが理解されるべきであることが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、「A又はB」という語句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されることになる。
【0042】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、その中に列挙された動作が概して任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、特許請求の範囲の列挙が順番に提示されるが、様々な動作が説明されたもの以外の他の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。そのような代替的な順序付けの例としては、文脈が別途指示しない限り、重複、交互配置、中断、再順序付け、増分、予備、補足、同時、逆、又は他の様々な順序付けが挙げられ得る。更に、文脈が別段の指示をしない限り、「応答する」、「関連する」、又は他の過去型形容詞などの用語は、概して、そのような変形を除外することを意図していない。
【0043】
「1つの態様」、「一態様」、「一例示」、「1つの例示」などへの任意の参照は、態様に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの態様に含まれることを意味することに留意すべきである。したがって、本明細書全体を通して、様々な場所における「1つの態様では」、「一態様では」、「一例示では」、及び「1つの例示では」という語句の出現は、必ずしも全て同じ態様を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の態様では、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の参照を含む。
【0045】
例えば、限定されないが、最上部、最下部、左、右、下方、上方、前、後、及びそれらの変形など、本明細書で使用される方向表現は、添付図面に示される要素の配向に関連し、別段の明示的な記載がない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0046】
本開示で使用される「約」又は「およそ」の用語は、別段の指定がない限り、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味し、これは、値がどのように測定又は決定されるかに部分的に依存する。特定の態様では、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4の標準偏差以内を意味する。特定の態様では、「約」又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、200%、105%、100%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0047】
本明細書では、別段の指示がない限り、全ての数値パラメータは、全ての事例において、数値パラメータが、パラメータの数値を判断するために使用される基礎となる測定技法の固有の変動特性を保有する、「約」という用語によって、前書き及び修飾されるものとして理解されるべきである。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。
【0048】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙される範囲内に包含される全ての部分範囲を含む。例えば、「1~100」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値100との間(境界値を含む)の全ての部分範囲、すなわち、最小値が1以上、及び最大値が100以下の全ての部分範囲を含む。また、本明細書で列挙される全ての範囲は、列挙された範囲の端点を含む。例えば、「1~100」の範囲とは、端点1及び100を含む。本明細書に列挙される任意の最大数値限定は、範囲内に包含される全てのより低い数値限定を含むことを意図するものであり、本明細書に列挙される任意の最小数値限定は、範囲内に包含される全てのより高い数値限定を含むことを意図するものである。したがって、出願人は、明示的に列挙された範囲内に包含される任意の部分範囲を明示的に列挙するように、特許請求の範囲を含む、本明細書を補正する権利を留保する。このような全ての範囲は、本明細書に本来記載されている。
【0049】
本明細書において参照され、及び/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、本明細書に参照により組み込まれ、その限りにおいて、本明細書に組み込まれた資料と矛盾しない。したがって、本明細書に記載の開示は、必要な範囲において、参照により本明細書に組み込まれた任意の矛盾する資料に優先する。既存の定義、記述、又は本明細書に記載された他の開示資料と矛盾するが、参照により本明細書に組み込まれると言及された全ての資料、又はそれらの一部分は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾がない程度だけ組み込まれることになる。
【0050】
「備える」(並びに「comprises」及び「comprising」などのcompriseの任意の形態)、「有する」(並びに「has」及び「having」などのhaveの任意の形態)、「含む」(並びに「includes」及び「including」などのincludeの任意の形態)、「含有する」(並びに「contains」及び「containing」などのcontainの任意の形態)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、又は「含有する」システムは、それらの1つ以上の要素を保有するが、それらの1つ以上の要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む」、「有する」、「含む」、又は「含有する」システム、装置、又は装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を保有するが、それらの1つ以上の特徴のみを保有することに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】