(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】凝集した海綿体を有するパッド物品
(51)【国際特許分類】
B29C 44/24 20060101AFI20231109BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20231109BHJP
B29C 39/20 20060101ALI20231109BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B29C44/24
B65D81/38 F
B29C39/20
B29C44/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023527819
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2021058864
(87)【国際公開番号】W WO2022103898
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507365695
【氏名又は名称】プレジス イノベーティブ パッケージング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アムルティヤ,ニルシュクマー
(72)【発明者】
【氏名】カフィア,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフェリー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウェッシュ,トーマス,ディー.
【テーマコード(参考)】
3E067
4F204
4F214
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067BA06C
3E067BB02C
3E067BB15B
3E067BB16A
3E067BB17B
3E067BC06C
3E067CA18
3E067FA04
3E067FC01
3E067GA11
3E067GD01
4F204AA03
4F204AB02
4F204AC01
4F204AD05
4F204AD08
4F204AD17
4F204AG03
4F204AG20
4F204AH81
4F204EA01
4F204EB02
4F204EB13
4F204EB22
4F204EF05
4F214AA03
4F214AB02
4F214AC01
4F214AD05
4F214AD08
4F214AD17
4F214AG03
4F214AG20
4F214AH81
4F214UA01
4F214UB02
4F214UB13
4F214UB22
4F214UD03
4F214UF05
(57)【要約】
本開示は、ポリマー材料から作られた粒子の凝集体から形成され、海綿状構造で互いに結合された海綿体を含むパッド物品に関する。パッド物品は、断熱性、遮音性、クッション性、又はこれらの組み合わせを提供する。本開示はまた、パッド物品を含む容器システム、パッド物品を製造するための装置/方法、およびその使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の凝集体から形成された海綿体を含み、
前記粒子は、ポリマー材料から作られ、海綿状構造で互いに結合されている、パッド物品。
【請求項2】
前記粒子は、結合剤によって互いに結合される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項3】
前記結合剤は、ポリオレフィンを含む、請求項2に記載のパッド物品。
【請求項4】
前記粒子は、互いに溶接されている、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項5】
前記粒子は、結合剤の非存在下で互いに結合される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項6】
前記海綿状構造における前記粒子は、不規則に配置されている、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項7】
前記海綿状構造は、オープンセル構造である、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項8】
前記オープンセル構造は、前記海綿体を横切って集合的にチャネルを形成する空隙を含む、請求項7に記載のパッド物品。
【請求項9】
前記チャネルは、空気チャネルである、請求項8に記載のパッド物品。
【請求項10】
前記ポリマー材料は、ポリオレフィンを含む、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項11】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載のパッド物品。
【請求項12】
前記粒子は、約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有する、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項13】
前記海綿体は、約0.05インチ~約2インチの厚さを有する、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項14】
前記海綿体は、断熱性を提供するように構成される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項15】
前記パッディング物品が、前記海綿体の外面に取り付けられたカバー層をさらに含む、請求項1に記載のパッディング物品。
【請求項16】
前記カバー層は、ポリオレフィン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項17】
前記カバー層は、前記海綿体の前記外面を少なくとも部分的に取り囲む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項18】
前記カバー層は、前記海綿体の前記外面を完全に包囲する、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項19】
前記カバー層は、カバー接着剤によって前記海綿体に取り付けられる、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項21】
前記海綿体は、前記カバー層を介して互いに接続された少なくとも2つの連結セグメントを備え、前記セグメントが互いに対して枢動するようにヒンジ連結されている、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項22】
前記カバー層は、前記セグメントを枢動可能に連結するヒンジを提供する、請求項21に記載のパッド物品。
【請求項23】
前記海綿体は、前記カバー層を介して互いに直列に接続された3つの接続されたセグメントを備え、前記セグメントが互いに対して枢動するようにヒンジ連結されている、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項24】
前記セグメントは、前記パッド物品がC字形状に構成可能であるように枢動可能に直列に接続される、請求項23に記載のパッド物品。
【請求項25】
前記海綿体は、テーパ状の縁部を含む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項26】
複数の側壁を有するボックスと、
第1の側壁の形状に密接に一致する形状を有する海綿体の少なくとも一部分を含む第1のセグメントであって、前記第1の側壁を断熱するために、前記第1のセグメントが前記第1の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である請求項1に記載のパッド物品と、
を含む容器システム。
【請求項27】
前記パッド物品は、前記第1のセグメントに隣接する前記海綿体の別のセグメントを含む第2のセグメントをさらに備え、
前記第1および第2のセグメントが、ヒンジによって連結され、
前記第2のセグメントは、第2の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、前記第2の側壁を断熱するために、前記第2のセグメントが前記第2の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である、請求項26に記載の容器システム。
【請求項28】
前記パッド物品は、前記第2のセグメントに隣接する第3のセグメントをさらに備え、
前記第2および第3のセグメントは、前記パッド物品がC字形状に構成可能であるように、ヒンジによって連結され、
前記第3のセグメントは、第3の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、前記第3の側壁を断熱するために、前記第3のセグメントが前記第3の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である、請求項27に記載の容器システム。
【請求項29】
約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有するポリマー粒子を、概ね均一な層に分散させ、
前記粒子同士を結合させて、海綿体として配置された前記粒子の凝集体を形成すること、
を含むパッド物品を製造する方法。
【請求項30】
前記ポリマーの大片から前記粒子を加工することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子の加工は、前記ポリマーの大片を粉砕すること、細断すること、チップ化すること、またはそれらの組み合わせを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記粒子に結合剤を塗布することをさらに含み、
前粒子は、前記結合剤を用いて互いに結合されて前記凝集体を形成する、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記凝集体を成形して前記海綿体を成形することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリマーは、ポリオレフィンを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記海綿体の外表面にカバー層を適用することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記カバー層は、前記カバー層上に前記粒子を堆積させ、前記粒子を前記カバー層に結合させることによって適用される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記カバー層と共に前記粒子を成形して、前記パッド物品を成形することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
粒子およびカバー層は、互いにヒンジ連結された複数のセグメントを提供するように成形され、各セグメントが前記海綿体の一部を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第1のカバー層を機械方向に供給するウェブフィーダと、
前記ウェブフィーダによって供給される前記第1のカバー層上に粒子を堆積させる粒子堆積器と、
堆積された前記粒子を互いに結合させて、海綿体として配置された前記粒子の凝集体を形成する結合装置と、
前記第1のカバー層上に堆積された前記粒子を成形して、前記海綿体を成形して、パッド物品を提供するモールドと、
を含むパッド物品を製造するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2020年11月10日に出願された米国仮出願第63/112,124号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は例えば、断熱、遮音、クッション、パッド、又はこれらの組み合わせを提供するパッド物品に関する。さらに、本開示は、パッド物品を製造するための方法および装置、ならびにパッド物品を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生鮮品の出荷または輸送は、そのような材料が多くの場合、パッケージが曝される周囲温度よりも高いかまたは低い可能性がある安定した温度で、優れた状態を維持することが要求される。例えば、食用の生鮮食品(例えば、生鮮食品、飲料、ミールキット配達サービスなど)に対する需要は、近年劇的に増加している。これらの生鮮食品の性質および消費者のオフシーズン供給の要望によって、そのような製品を遠隔地から事実上世界の隅々までに輸送する必要があることがあり得る。生鮮品の輸送時間が長く、温度変化に敏感な品目もあることから、輸送用容器に断熱性を持たせるために多大な努力が払われてきた。しかし、これらの努力の多くは不十分であり、包装の改善が必要である。
【0004】
段ボール容器における断熱包装材料として利用される一般的な材料は、発泡ポリスチレン(EPS)フォームであり、例えば、スタイロフォーム(登録商標)(STYROFOAM(登録商標))という商品名で販売されている。EPSは輸送用段ボール箱の内側のライナーとして使用される場合、生鮮品の許容可能な断熱性を提供し得るが、この材料はまた、多くの望ましくない妥協を必要とする。例えば、EPSライナーを使用するほとんどの包装システムは、約1インチの厚さの比較的厚いライナーを必要とする。その結果、EPS材料はパッケージングに余分な重量を加え、これは輸送コストを増加させる。さらに、包装システムにおけるEPSの全体的なクッション効果は限られている。したがって、EPSライナーは、より多くの量の市販製品を出荷するためにより経済的に利用することができる重要なスペースを消費する。
【0005】
さらに、EPSライナーは、そのようなラインがフラットパネルとして保管されるかまたは成形容器として保管されるかどうかにかかわらず、容器内での使用する前にかなりの保管スペースを必要とする。通常、完全に折り畳み可能であり、大量のスペースを取ることなく平らに多数保管することができる段ボールタイプのカートンとは異なり、EPSライナーは効率的に保管することが困難である。さらに、EPSは、材料からスチレンが浸出する可能性があるため、健康上のリスクがある。また、EPSは環境問題も引き起こす。例えば、EPSは多くの都市で埋め立てが禁止されており、石油由来であるため持続可能な製品ではない。
【0006】
EPS包装システムの前述のおよび他の欠点により、EPSライナーを含まない断熱包装システムが必要とされている。いくつかのそのようなシステムが開発されてきたが、それらは扱いにくく、折り畳むのが困難であり、結露によって容易に損傷を受け、コストがかかり、パッケージ全体の重量を増加させ、容器内で輸送することができる市販材料の体積を減少させるという問題を引き起こす傾向がある。例えば、セルロース系ライナー、デニム系ライナー、バブルラップ、リサイクル不可能なプラスチック、またはそれらの混合物などのEPS代替物は、前述の欠点の1つまたは複数に悩まされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、断熱性の高いの包装構造を提供し、以下の利点、すなわち、軽量であること、保管および輸送のためのコストが低いこと、容易に折りたたみ可能であること、完全に折りたたみ可能であること、リサイクル可能であること、および/またはリサイクルされた材料から製造されること、及び長期間にわたって信頼できる熱性能を備えていること、のうちの1つまたは複数を有する、傷みやすい材料のための改善された包装が依然として必要とされている。そのような改善された包装は、生鮮食料品の輸送、防音、および衝撃緩和(例えば、輸送コンテナ、車両、建築および建築資材、防護具など)を含むが、これらに限定されない、多種多様な用途において有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的に、本開示は、パッド物品、及びその製造並びに使用方法に関する。パッド物品は、パッド、断熱、クッション、保管、または輸送の目的のために、空洞または容器内に配置されるように、折り畳み可能であり、容易に操作され得る。いくつかの実施形態では、パッド物品は1つ以上のカバー層によって少なくとも部分的に囲まれた海綿体を含む。
【0009】
一態様では、開示される技術は、粒子の凝集体から形成される海綿体を含むパッド物品に関し、粒子はポリマー材料から作られ、海綿体構造で互いに結合される。
【0010】
いくつかの実施形態では、粒子は互いに溶接される。いくつかの実施形態では、粒子が結合剤の存在下または非存在下で一緒に結合される。いくつかの実施形態では、結合剤はポリオレフィンを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、海綿状構造中の粒子は不規則に配置されている。いくつかの実施形態では、海綿状構造はオープンセル構造である。いくつかの実施形態では、オープンセル構造は、海綿体全体に亘ってチャネルを集合的に形成する空隙を含む。いくつかの実施形態では、チャネルは空気チャネルである。
【0012】
いくつかの実施形態では、ポリマー材料はポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンはポリエチレンを含む。いくつかの実施形態では、粒子は、約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有する。いくつかの実施形態では、海綿体が約0.05インチ~約2インチの厚さを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、海綿体は断熱性、遮音性、クッション性、またはそれらの組み合わせを提供することができる。いくつかの実施形態では、パッド物品は海綿体の外面に取り付けられたカバー層をさらに含む。いくつかの実施形態では、カバー層はポリオレフィン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、カバー層は海綿体の外面を少なくとも部分的に取り囲む。いくつかの実施形態では、カバー層は海綿体の外面を完全に取り囲む。いくつかの実施形態では、カバー層はカバー接着剤によって接着される。
【0014】
いくつかの実施形態では、パッド物品は、互いにヒンジ結合された海綿体の少なくとも2つの連結セグメントを含む。いくつかの実施形態では、海綿体がカバー層を介して互いに接続された少なくとも2つの連結セグメントを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、海綿体はテーパ状のエッジを含む。別の態様では、開示された技術は、複数の側壁を有するボックスと、第1の側壁の形状に密接に一致する形状を有する第1のセグメントを含む、開示されるようなパッド物品と、を備える容器システムに関し、第1のセグメントは、第1の側壁を断熱するために、第1の側壁に対してボックス内に収容可能である。一実施形態では、パッド物品は、第1のセグメントに隣接する第2のセグメントをさらに含み、第1および第2のセグメントはヒンジによって連結され、第2のセグメントは第2の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、第2のセグメントは第2の側壁を断熱するために、第2の側壁に対してボックス内に収容可能である。一実施形態では、パッド物品は、第2のセグメントに隣接する第3のセグメントをさらに含み、第2および第3のセグメントはヒンジによって連結され、パッド物品はC字形状に構成可能であり、第3のセグメントは第3の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、第3のセグメントは第3の側壁を断熱するために、第3の側壁に対してボックス内に収容可能である。
【0016】
別の態様では、開示される技術は、約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有するポリマーの粒子を概ね均一な層に分配するステップと、粒子を結合させて、海綿体として配置された粒子の凝集体を形成するステップとを含む、パッド物品を製造する方法に関する。一実施形態では、本方法は、ポリマーの大片から粒子を加工するステップをさらに含む。粒子を加工する工程は、ポリマーの大きな片を、粉砕すること、細断すること、チップ化すること、またはそれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態では、本方法が粒子に結合剤を塗布するステップをさらに含む。一実施形態では、結合剤を用いて、粒子を互いに結合させて凝集体を形成する。一実施形態では、本方法は、海綿体を成形するために凝集体を成形するステップをさらに含む。一実施形態では、ポリマーはポリオレフィンを含む。一実施形態では、本方法は、海綿体の外表面にカバー層を適用するステップをさらに含む。トーンの実施形態では、カバー層はカバー層上に粒子を堆積させ、カバー層に粒子を結合させることによって適用される。一実施形態では、本方法は、カバー層と共に粒子を成形してパッド物品を成形するステップをさらに含む。一実施形態では、粒子およびカバー層は互いにヒンジ連結された複数のセグメントを提供するように成形され、各セグメントは海綿体の一部分を含む。
【0017】
別の態様では、開示される技術は、パッド物品を製造するための装置に関する。この装置は、第1のカバー層を機械方向に供給するウェブフィーダと、ウェブフィーダによって供給される第1のカバー層上に粒子を堆積させる粒子堆積器と、第1のカバー層上に堆積された粒子を成形し、粒子が海綿体として凝集することにより堆積された粒子及び第1のカバー層を成形してパッド物品を成形するモールドと、を備える。
【0018】
様々な追加の態様が、以下の説明に記載される。態様は、個々の特徴および特徴の組合せに関連し得る。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本明細書に開示される実施形態が基づく広範な発明概念を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】本開示のパッド物品を製造するために使用される装置の一実施形態の斜視図である。
【
図1C】
図1Aの装置によって製造された本開示のパッド物品の一実施形態の側面図である。
【
図2A】本開示のパッド物品を製造するために使用される装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図3A】本開示のパッド物品を製造するために使用される装置の別の実施形態の等角図である。
【
図3B】
図3Aの装置によって製造されたパッド物品の一実施形態の側面図でである。
【
図4B】
図4Aのパッド物品を使用する容器システムのアセンブリを示す。
【
図4C】
図4Bの組み立てられた容器システムの断面図であり、容器の内側にアイテムが示されている。
【
図5】実施例1に記載されるように、紙ベースのパッド物品と比較した、本開示のパッド物品の3つの代表的なサンプルのISTA7E試験データを示す。
【
図6】実施例2に記載されるように、植物ベースのパッド物品と比較した、本開示のパッド物品の2つの代表的なサンプルのISTA7Eコールドチェーン夏季パック試験データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の概念は添付の図面を参照して説明され、同様の参照番号はいくつかの図を通して同様の部分を表す。図面は一定の縮尺で描かれておらず、単に本発明の概念を例示するために提供されており、本明細書で提供される説明と併せて使用することが意図されている。図面は、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定しない。本発明の概念のいくつかの態様は、図示のための例示的な用途を参照して以下に説明される。本発明の概念の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細、関係、および方法が記載されていることを理解されたい。しかしながら、当業者は、本発明の概念が1つまたは複数の具体的な詳細がなくても、または他の方法を用いても実施され得ることを容易に認識するであろう。他の例では、本発明の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造または動作は詳細に示されていない。
【0021】
以下の考察は、請求の範囲を限定しない様々な実施形態を含む。本明細書に記載される任意の実施例は、非限定的であることが意図され、本開示の多くの可能な実施形態のうちのいくつかを単に図示する。さらに、本明細書で説明される特定の特徴は、様々な可能な組合せおよび置換の各々において、他の説明される特徴と組み合わせて使用することができる。
【0022】
本開示は、パッド物品を含む有利な保護物品、並びにその製造方法及び使用方法に関する。いくつかの実施形態では、パッド物品は例えば、断熱性、遮音性、および/またはクッション性、パッド、および/または衝撃保護を提供するように構成される。パッド物品は、断熱性、遮音性、及びこれらの組み合わせなどの保護、空隙充填パッド、又は断熱材が望まれる任意の場合に使用されてもよい。特定の実施形態では、パッド物品は保管および/または輸送の目的のために使用されてもよい。他の実施形態では、パッド物品は自動車産業(例えば、断熱および/または衝撃保護のため)または建設産業(例えば、壁、床、屋根などの断熱のため)などの他の産業および用途で使用するように構成することができる。
【0023】
凝集体
本明細書に開示されるパッド物品は、ポリマーの粒子または断片が結合されて本体を形成する、凝集ポリマー粒を含む。いくつかの実施形態では、本体は海綿状構造を有する海綿体である。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子はプラスチックから作製される。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は、ポリオレフィン、ポリエステルを含むがこれらに限定されない適切なポリマー材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は、ポリビニル、ポリウレタン、デンプン、セルロース、ウール、任意の適切なポリマー粒子、およびそれらの組み合わせから形成され得る。開示されたパッド物品に使用するのに適したポリオレフィンの例としては、プロピレン系ポリマー(例えば、ポリプロピレン)、エチレン系ポリマー(例えば、ポリエチレン)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。開示されたパッド物品に使用するのに適したエチレン系ポリマーの例としては、ポリエチレン発泡体、ポリエチレンフィルム、または単一グレードもしくは異なるグレードのポリエチレンの組み合わせを含むそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはそれらの組み合わせを利用することができる。「エチレン系ポリマー」という用語は本明細書で使用される場合、(ポリマーの総重量に基づいて)大部分の量の重合エチレンモノマーを含み、任意で、少なくとも1つの重合コモノマーを含み得るポリマーを指す。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、50%、75%、90%または95%を超えるエチレン部分を含む。いくつかの実施形態において、プロピレン系ポリマーは、配向ポリプロピレン(OPP)である。「プロピレン系ポリマー」という用語は本明細書で使用される場合、重合形態において、(ポリマーの総重量に基づく)大部分の量のプロピレンモノマーを含み、任意選択で少なくとも1つの重合コモノマーを含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、プロピレン系ポリマーがポリマーの総重量に基づいて、50%、75%、90%または95%を超えるプロピレン部分を含む。
【0024】
好ましくは、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の総重量に基づいて、50%、75%、90%または95%を超えるポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子はポリウレタンを含み、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の総重量に基づいて、50%、75%、90%または95%を超えるポリウレタンを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は、リサイクル可能または生分解性(例えば、紙、天然デンプン、合成デンプン、セルロース、バイオポリエステル、タンパク質、多糖類、または任意の他の適切な生分解性材料)であり得る。本明細書で使用するとき、「生分解性」という語は、物質が光、大気、水分、又はこれらの任意の組合せに曝されることによって、又はバクテリア、真菌、及び藻類などの天然微生物の作用によって分解することを意味する。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は主に生分解性材料から作られる。例えば、そのような実施形態では、ポリマー粒子が少なくとも75重量%、85重量%、または95重量%、または実質的に完全に生分解性材料で作られる。さらなる実施形態では、パッド物品が全体として、主に生分解性材料から作られる。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は使用前または使用後のリサイクルポリマーから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、原料は、粒子または断片に加工されるポリマーのブロックまたはログとして提供される。いくつかの実施形態において、ポリマー出発材料は、粒子または断片に加工されるポリマーフィルムまたは発泡体のシートとして提供される。いくつかの実施形態では、粒子は固体であり、かつ、海綿状でない。いくつかの実施形態では、粒子は、粒内に空隙または気泡を含むことができ、これにより、海綿状粒が得られる。いくつかの実施形態では、粒子はそれらが作られる原料よりも低い密度を有し得る。
【0026】
異なるポリマー出発材料(例えば、HDPE、LLDPE、LDPE)の比率は、パッド物品の所望の密度を達成するように調整することができる。例えば、パッド物品中の高密度ポリマーの量を増加させると、物品の全体密度が増加する。
【0027】
ポリマー原料を粒子に加工することは、任意の適切な手段、例えば、限定されるものではないが、手動または自動造粒機、グラインダー、または細断装置、手引き裂き、はさみ、又はせん断機、ギロチン、レーザー、ミルグラインダー、乳鉢および乳棒などの使用によって、ポリマーをより小さな破片に細断、造粒、チップ化、または粉砕することを含むことができる。使用される細断、造粒、チップ化、または粉砕の方法は、出発物質および最終製品片の所望のサイズに基づいて選択することができる。
【0028】
ポリマー粒子のサイズは、その最大長で測定することができ、最大長は、その配向にかかわらず、粒子の最長の表面長である。ポリマー粒子のサイズは、一般に、約1/32インチ、又は約1/16インチ、又は約1/8インチの小さいものから、約5インチ、又は約2インチ、又は約1.5インチ、又は約1インチ、又は約0.5インチの大きなものまであり得る。いくつかの実施形態では、粒子は約0.25インチであってもよい。ポリマー粒子は一般に、サイズが均一であってもよく、またはサイズ分布が変化してもよく、例えば、ポリマー粒子の約75%、約85%、または約95%が、約0.5インチ~約1.5インチの範囲の最大長を有してもよい。いくつかの実施形態では、粒子はサイズが不均一であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、粒子の形状が一般に、均質または不均質であり得る。粒子の形状は、粒子の加工方法や使用する原料によって異なる。粒子のサイズおよび形状は、粒子間の空隙の所望のサイズおよびパッド物品の所望の密度に基づいて選択することができる。例えば、より小さい粒子は、より大きい粒子よりも小さい空隙およびより高い密度のパッド物品が得られ、これはより低い密度を有するより海綿状の構造を形成する。
【0030】
いくつかの実施形態では、粒子は実質的に無秩序な配置で結合、及び凝集され、凝集された粒子は様々なランダムな配向を含み、粒子間に空隙を有する海綿状構造を形成する。いくつかの実施形態では、海綿構造は、粒子間の空隙が海綿体全体にわたってチャネルを形成するオープンセル構造であってもよい。いくつかの実施形態では、海綿体全体にわたって形成されるチャネルは空気チャネルである。カバーがコアの周りに密閉されていないいくつかの実施形態では、チャネルが外部/大気に対して開放されていてもよい。他の実施形態では、チャネルは流体または流体の組み合わせを含んでもよい。他の実施形態では、海綿状構造は、粒子間にガス、空気、または他の流体の離散的なポケットを含むクローズドセル構造であってもよい。さらなる実施形態において、空隙は、非海綿体を生成するために充填されてもよい。
【0031】
異なるポリマー出発材料から、または異なる方法によって製造されたポリマー粒子の一群(batches)を組み合わせて、本体を生成することができる。例えば、ポリオレフィンフィルムを破砕することから生成された粒子を、粉砕されたポリオレフィン発泡体から生成された追加の粒子と混合してもよい。いくつかの実施形態では、粒子を混合して、海綿体を通気させて、海綿構造を生成する。混合プロセスは、ハンドミキサー、市販のスタンドミキサー、セメントミキサー、ダブルコーンミキサー、ドラムミキサー、撹拌機などを含むが、これらに限定されない、任意の適切な手段によって実施することができる。一群の粒子は、異なる長さの時間にわたって混合されてもよい。例えば、異なる原料の異なる一群が組み合わされる場合、混合は、同じ原料の一群が組み合わされる場合よりも、より長い期間、またはより激しく行われる必要があり得る。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子は、単一のタイプまたはグレードのポリマーを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、混合前、混合中、または混合後に、追加の成分がポリマー粒子に添加される。そのような追加の成分は、1つ以上の結合剤、染料、水、難燃剤、鉱物水硬性結合剤、充填剤、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0033】
パッド物品のいくつかの実施形態では、本体は、本体を形成するポリマー粒子の凝集によって形成され、ポリマー粒子は互いに結合または接着される。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子の結合が結合剤の存在下で行われるが、他の実施形態では、ポリマー粒子の結合は結合剤の非存在下で行われる。
【0034】
好適な結合剤は、結合される粒子の組成に基づいて選択される。結合剤は、液体、固体または気体の結合剤を含むことができる。粒子の材料に応じて、好適な結合剤としては、接着剤、例えばアクリル、ホットメルト、ラテックス、ポリ塩化ビニル、感圧接着剤、スチレン化アクリル、スチレンブタジエン、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ビニルアクリル、溶融可溶性繊維(melt-fusible fiber)、部分溶融性複合繊維(例えば、PE/PP、PE/PET、特別に配合されたPET/PET)、セルロース、デンプン、同様の材料、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。結合剤は、ポリオレフィン系接着剤またはポリオレフィン分散液を含むことができ、これらはポリオレフィン粒子と組み合わせて使用することができる。ポリオレフィン分散液は、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレン、および/または他の適切な熱可塑性プラスチック、少なくとも1つの極性ポリマーを含むポリマー安定剤、および水を含むことができる。好適なポリオレフィン分散液の一例としては、ダウケミカル社製のHYPOD(登録商標)が挙げられる。粒子および結合剤の他の組み合わせとしては、例えば、セルロース系粒子とデンプン系接着剤、またはポリエチレン系粒子とポリエチレン系接着剤が挙げられる。他の適切な組み合わせも存在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、結合剤は、防水性であってもよい。いくつかの実施形態では、結合剤は、加熱または冷却されたときにシーラントになってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、結合剤がポリマー粒子に添加され、次いで、組み合わされた材料が混合されて本体が形成される。他の実施形態では、結合剤は、ポリマー粒子が混合されて本体を形成した後にポリマー粒子に添加される。いくつかの実施形態では、結合剤は、粒子がグラインダー、シュレッダー、または粒子を形成するための他の手段から出てくるときに、ポリマー粒子の表面上に噴霧される。他の実施形態では、結合剤は、粒子が層状に配置された後に、ポリマー粒子の上に最上層として塗布される。
【0037】
異なる量の結合剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、結合剤は、粒子を軽く被覆する量で塗布される。別の実施形態では、結合剤は、粒子間の空隙を実質的に充填する量で塗布される。いくつかの実施形態では、結合剤を粒子の表面に塗布し、次いで発泡させて空隙を充填することができる。
【0038】
ポリマー粒子が結合剤の非存在下で結合される場合、それらは、化学的および/または機械的手段によって互いに結合され得る。例えば、粒子が作られる材料に応じて、粒子は熱接着(例えば、粒子をそれらのガラス転移温度まで加熱し、粒子の表面を軟化または溶融させ、次いで加圧下で互いに接着させる)によって互いに結合させることができる。ポリマー出発材料に応じて、異なる温度および/または圧力を使用することができる。加熱は他の好適な手段の中でも特に、焼成、熱風、超音波、高周波照射、または、例えば熱溶接、超音波溶接、または摩擦溶接などの溶接によって達成され得る。他の実施形態では、粒子は、化学的接着(例えば、化学的融合)によって互いに結合されてもよく、化学物質が除去されるときに粒子が一緒に結合するように、粒子の表面の分子特性を変化させる溶媒を使用する。
【0039】
結合剤が使用されるか否かにかかわらず、ポリマー粒子の結合は、必要とされるパッド物品の密度を生成するのに適しているべきである。例えば、結合剤は、粒子間の空隙を充填し、より高い密度を有する非海綿状構造を形成するように使用され得る。他の実施形態では、接合方法はより大きな空隙を可能にし、より低密度の海綿体を提供する。海綿構造は海綿体内に気体(例えば、空気)が存在することを可能にし、密度の低減、重量の低減、クッション性、および断熱性、遮音性、および衝撃吸収性のうちの1つまたは複数を含む、有利な特性を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、凝集体は、パッド物品の意図された特性を提供するために、所望の程度の海綿状性を得るように処理され、構成される。例えば、粒子の形状およびサイズ、および/または粒子が除去されるプロセス、選択された結合剤およびその適用方法、凝集体の成形、および凝集体を形成する他の工程は、所望の程度の海綿状性を得るように調整することができる。いくつかの実施形態に従って製造される凝集した海綿体の密度は、例えば、粒子が得られた原料の密度、または凝集体を形成するために凝集される粒子自体の密度の約5%、10%もしくは20%程度の低さ、または約50%、70%もしくは80%未満であり得る。凝集体のプロセスおよび構成はまた、凝集粒子構造に対する空隙空間の体積比を約5%、10%もしくは20%程度の低さ、または約50%、70%もしくは80%未満になるように選択されることができる。他の実施形態では、他の密度および空隙比を得ることができる。
【0041】
カバー層
さらなる実施形態では、パッド物品は、本体の外面に取り付けられた1つ以上のカバー層を含んでもよい。カバー層は、カバー層供給部から提供され、カバー層供給部は、カバー層のロール、扇形に折り畳まれたカバー層のスタック、又はカバー層の個々のシートを含むことができる。いくつかの実施形態では、カバー層は、モールドまたはトレイ内に配置される。いくつかの実施形態では、カバー層は本体よりも柔軟である。いくつかの実施形態では、カバー層は、1つ以上のフィルムまたは発泡シートを含む。他の実施形態では、カバー層は、1つ以上の別個のシートを含んでもよい。別の実施形態では、カバー層は、本体上に噴霧されるスキンであってもよい。カバー層は、ヒートシール、熱溶接、音波溶接、積層、静電気による付着、及び縫合の手段によって本体の外面に取り付けることもできる。カバー層を取り付けるための他の手段は、テープ、接着剤、またはホットメルトなどの1つまたは複数のカバー接着剤の使用を含む。いくつかの実施形態では、カバー接着剤は、本体のポリマー粒子を互いにに結合する際に使用するための本明細書に記載されるものなどの結合剤であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、カバー層は、約0.0001インチ~約0.01インチ、約0.0005インチ~約0.005インチ、または約0.001インチ~約0.003インチの厚さを有するフィルムシートなどの適切な材料のウェブを含む。いくつかの実施形態では、カバー層は、約0.01インチ~約0.5インチ、約0.03インチ~約1/4インチ、または約0.05インチ~約1/8インチの厚さを有する発泡体シートを含む。他の実施形態では、数インチの発泡体シートを使用することができる。一般に、カバー層の幅および厚さはその長さに沿って実質的に一定であってもよいが、いくつかの実施形態では、例えば、製造プロセスによって引き起こされる固有の変動および標準偏差に起因して、厚さおよび幅の変動が許容される。
【0043】
カバー層は、任意の適切な材料から作られてもよい。一実施形態では、カバー層はポリオレフィンおよびポリエステルを含むが、これらに限定されないポリマー材料から作られる。いくつかの実施形態では、カバー層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル、ポリウレタン、デンプン、セルロース、ウール、任意の適切なカバー層材料、およびそれらの組み合わせから作られる。いくつかの実施形態では、カバー層はリサイクル可能または生分解性であってもよい。カバー層に使用するのに適したポリオレフィンの例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。カバー層に使用するのに適したポリエチレンの例としては、単一グレードまたは異なるグレードのポリエチレンの組み合わせを含む、ポリエチレン発泡体および/またはポリエチレンフィルムが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、HDPEおよび/またはLDPEを利用することができる。いくつかの実施形態では、カバー層が金属化ポリエチレンなどの金属化ポリマーを含む。他の実施形態では、カバー層は、紙、例えば、厚紙、段ボール紙構造体、クラフト紙、繊維板、パルプ系紙、再生紙、新聞用紙、ならびにワックス、プラスチック、耐水性材料、および/または耐汚染性材料でコーティングされた紙などの被覆紙から作られてもよい。一般に、カバー層が作られる材料は、カバー層全体にわたって一貫しているが、いくつかの実施形態では組成の変化が可能である。カバー層は、リサイクル材料から作られてもよく、および/またはリサイクル可能であってもよい。カバー層は、成形可能かつ切断可能であってもよい。カバー層は、結露による望ましくない影響に対して耐性があってもよい。
【0044】
一実施形態では、パッド物品の1つの外面がフィルムカバー層を有してもよく、パッド物品の別の外面(例えば、反対側の外面)は発泡体カバー層を有してもよい。あるいは、パッド物品の両面がフィルムカバー層を有してもよく、またはパッド物品の両面が発泡体カバー層を有してもよい。さらなる実施形態では、パッド物品の1つの外面のみがカバー層を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、カバー層は、単層、例えば、ポリエチレン発泡体の単層を含む。他の実施形態では、多層カバー層を形成するために複数の層を含む。多層カバー層の複数の層の各々は、1つ以上の材料を含んでもよい。多層カバー層は、同じ材料の層を含んでもよく、異なる材料を含む層の組み合わせを含むことができる。例えば、多層カバー層の1つ以上の層は、ポリエチレン発泡体を含むことができる。多層カバー層の複数の層は、互いに封止されてもされなくてもよい。複数の層が互いにに封止される場合、それらは、隣接する層間の接着剤または結合層を使用して封止され得る。いくつかの実施形態では、多層カバー層の複数の層は、互いに共押出される。いくつかの実施形態では、多層カバー層は、流体を通さないバリア層を含む。いくつかの実施形態では、複数の層は、1つまたは複数のシール層を含むことができる。適切なシール層の一例を使用して、隣接する多層カバー層を封止することができる。いくつかの実施形態では、単層カバー層および多層カバー層を、例えば、本体の対向する外面上に組み合わせて使用することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、テーパ状のカバー層縁部131および199は本体に対して対称または非対称である。例えば、テーパの端部は、本体の深さの中心に位置していてもよい。他の実施形態では、
図1Cおよび
図7に図示するように、テーパの端部は非対称であってもよく、テーパの端部は、片側のみでパッド物品の平面と整列する。他の実施形態では、
図3Bに示されるように、カバー層端部のうちの1つまたは複数は、平坦部329、331であってもよい。
【0047】
シールは、一般に、接着剤、テープ、接着剤、ホットメルト、熱またはヒートシール、熱またはヒート溶接、音波溶接、積層、静電気による付着、および縫合を含むが、これらに限定されない、カバー層の層を互いに結合することができる任意の方法で提供され得る。一実施形態では、シールは、ホットメルト接着剤、例えば、ホットメルトPSAまたは別のタイプのPSAなどの感圧接着剤(PSA)として提供される。一実施形態では、シールはポリオレフィン接着剤として提供される。いくつかの実施形態では、シール材料はリサイクル可能である。いくつかの実施形態では、シールは成形段階で提供される。
【0048】
上述のように、海綿状構造は、海綿体内に気体(例えば、空気)が存在することを可能にし、密度の低減、重量の低減、クッション性、および絶縁性(熱、音、および衝撃のうちの1つまたは複数を含む)の有利な特性を提供する。いくつかの実施形態では、カバー層はまた、海綿体を通る空気の流れを低減するのを助けることによって、これらの有利な特性を追加する。さらに、いくつかの実施形態では、金属化カバー層が放射障壁として作用することによって断熱性を向上させる。
【0049】
いくつかの実施形態では、パッド物品が最適な断熱特性を達成するために、低い熱伝導率および高い熱抵抗(R値)を提供するように構成される。例えば、本体が温度に敏感な製品を輸送する容器内で使用される場合、熱伝達が低減され、製品の所望の温度が長期間維持され、容器外の周囲温度の影響を長期間、例えば、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間など、低減する。
【0050】
いくつかの実施形態では、パッド物品は、音波がパッド物品を透過するのを防ぎ、それによって遮音を提供するように構成される。例えば、パッド物品がレコーディングスタジオの壁に使用される場合、スタジオのパッドから出る音波を最小限に抑えることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、パッド物品のクッション特性は、振動および衝撃を含み得る通常の輸送または取扱いプロセスによって損傷し得る物品の保護を可能にする。いくつかの実施形態では、パッド物品は、保護される物品に衝撃または振動を伝達するのではなく、衝撃を吸収し、振動を減衰させる。ヘルメットまたは車のドアなどの用途で使用されるパッド物品の実施形態は、衝撃吸収の改善を可能にし、ユーザへの衝撃を低減する。
【0052】
パッド物品セグメント
いくつかの実施形態では、パッド物品は、1つ以上のセグメントを含む。セグメントは、隣接するセグメント間の横断方向にパッド物品を横切って延びるヒンジによって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、ヒンジは、長手方向に延在し得る。さらなる実施形態では、窪みは、例えば、長手方向、横方向、及び/又は斜め方向を含む他の方向又は組み合わせの方向に延びてよく、セグメントを異なる構成で折り畳むことを可能にする。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヒンジは、パッド物品全体にわたって自然に柔軟なヒンジラインを提供するために、パッド物品を横切って延びるように形成されたリビングヒンジである。リビングヒンジは、物品の隣接するセグメントよりも容易に曲げることができる、または曲げに対する抵抗が弱いラインを形成することによって設けることができる。そのようなリビングヒンジは、例えば、コアおよび/またはカバー層を通って延在する窪み、連続的なカバー層がある、または対向するカバー層が連続的であるコア内の不連続部、またはカバー層がコアよりも硬い実施形態では、コアが連続的であるカバー層内の不連続部を含むことができる。
【0054】
セグメントの縁部は、コアまたは物品の一方または両方の対向する主面上で面取り141、332され得、それによって、他方のセグメントに対して一方のセグメントをパッド物品の面取りされた側面に向かって折り曲げることを可能にする、ヒンジ内に延在する面取りを提供する。
図1C、
図3Bおよび
図4Aに示す実施形態の面取り部は、断面128、328においてv字形状であり、それぞれのセグメントが
図1Cおよび
図3Bのような同一平面の向きから、
図4Bのような互いにに垂直な向きに旋回または枢動することを可能にするのに十分な深さであり、それによって、パッド物品は、箱状のアセンブリに容易に折り畳まれ、容器として使用され得るか、または
図4Bおよび
図4Cに示されるような同様の形状の容器に嵌合され得る。これらの実施形態では、面取り面がヒンジに当接する両方のセグメントの長手方向端部に設けられているが、他の実施形態では、面取り面は1つのセグメントのみの縁部に設けられる。
【0055】
ヒンジは切断、面取り、研磨、ウォータージェット、切断ブレード、レーザーの使用、溶融、または成形、ならびに圧力および/または熱の適用などの様々な技術によって形成され得る。いくつかの実施形態では、窪みは、約30°~約60°、約40°~約50°、または約45°の角度を有する窪みを形成するために、パッド物品の表面に2つの角度のある面取りまたは切り込みを形成することによって作られる。一般に、面取りまたは切り込みの角度は、例えば、約60°~約120°、約75°~約105°、または約90°の角度にパッド物品の隣接セグメントを折り曲げることを可能にする。
【0056】
いくつかの実施形態では、セグメントは、脆弱線(lines of weakness)またはミシン目によって分離されてもよく、ユーザによってセグメントが互いに手動で分離されることを可能にし、その後、セグメントは所望の角度で手動で配置され得る。1つまたは複数の脆弱線またはミシン目は1つまたは複数の窪みまたはヒンジ内に、またはそれに隣接して配置され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、セグメントは、カバー層を介して間接的に接続されてもよく、窪みまたはヒンジは本体の厚さ全体を貫通して切断または成形することによって形成されてもよいが、そのような窪みはカバー層を通って延在しないか、またはカバー層の一部分のみを通って延在する。いくつかの実施形態では、パッド物品のセグメント間のカバー層の部分がリビングヒンジを形成する。
【0058】
別の実施形態では、パッド物品のセグメントが不連続なパネルから形成され、各パネルの本体の外面に取り付けられたカバー層のセクションを介して間接的に接続される。このような実施形態では、カバー層は、パッド物品の構造内の所定の位置に別個のパネルを保持するように機能する。隣接するパネル間の距離は、パネル間に位置する部分カバー層によって形成されるリビングヒンジのサイズおよび角度に基づいて調整することができる。
【0059】
パッド物品
いくつかの実施形態では、パッド物品は、概ね長方形の形状であってもよい。他の実施形態では、パッド物品は、単独で、または他のパッド物品と組み合わせて、折り畳まれて箱を形成することができる十字形状、または任意の他の形状であってもよい。一実施形態では、パッド物品は、タンデムに並んだ3つのセグメントを含み、長方形の形状を形成する。一実施形態では、2つの長方形パッド物品を組み合わせて使用して箱形状を形成し、それによって、例えば、
図4Aおよび
図4Bに示すように、2つのセグメント化されたパッド物品のそれぞれをC字形状に折り曲げることができ、2つの物品を一緒にスロット加工して、6面のボックスを形成する。本実施形態では、物品134の長手方向縁部131aは、物品135の横方向縁部199eに対応し、それによって、密封シールを形成する。同様に、物品134の横方向縁部199aは、物品135の横方向縁部199dに対応し、密封を形成する。物品134および135の対応する縁部の各対は、6面ボックス402を形成するように互いに接合される。他の実施形態では、パッド物品は、6つ面のボックスに折り畳むことができる6つのセグメントを含む十字形状とすることができる。いくつかの実施形態では、各セグメントは正方形である。いくつかの実施形態では、パッド物品は、パウチを形成するために、対向する側縁部に沿って折り畳まれ、封止され得る2つのセグメントを有する。
【0060】
パッディング物品は、6面ボックスの内側のライナーとして使用される場合、各セグメントは、ボックスの内側側壁の1つの形状および寸法に密接に一致する形状および寸法を有し得る。例えば、2つの長方形のパッド物品が使用される場合、例えば、
図4Bに示されるように、各々をC字形に折り畳み、互いに嵌め合わせて、ボックスを形成することができる。1つのパッド物品は、ボックスの3つの側面に嵌合し、他のパッド物品は、箱の他の3つの側面に嵌合する。ボックスの上部に嵌合するパッド物品のセグメントは、開閉されて、ユーザがパッド物品を取り外すことなくボックスの中身を容易に取り出すことを可能にすることができる。十字形状のパッド物品が使用される場合、6つのセグメントの各々は、ボックスの対応する6つの側面の各々に一致し、フィットするように形作られてもよい。いくつかの実施形態では、セグメント形状および寸法は、所望の断熱性、遮音性、および/またはクッション性をボックス内の物品に効果的に提供するように、対応する内側側壁の形状および寸法と実質的に同じである。
【0061】
本体の厚さは、一般に、約0.05インチ~約2インチ、約0.1インチ~約1インチの範囲、約0.25インチ、および約0.5インチであってもよい。例えば、様々な実施形態において、本体の厚さは、約0.05インチ、約0.1インチ、約0.25インチ、約0.5インチ、約1インチ、約1.5インチ、または約2インチであってもよい。一般に、より厚いパッド物品はより断熱性が高く(すなわち、より多くの断熱性および/または遮音性を提供する)、より薄いパッド物品よりも高いクッション性を提供することができる。
【0062】
パッド物品は、半硬質材料から形成されてもよく、セグメント間に窪み又はヒンジを必要とせずに箱又は容器形状に折り畳むことができる可撓性材料から形成されてもよい。パッド物品のすべてまたはいくつかの部分は、リサイクル可能な材料から作られてもよい。例えば、そのような実施形態では、パッド物品は、少なくとも80重量%、85重量%、90重量%、または95重量%がリサイクル可能である。いくつかの実施形態では、パッド物品のすべての部品がリサイクル可能な材料から作られる。
【0063】
いくつかの実施形態では、開示されたパッド物品は、パッド物品が配置され得る空洞を有する容器または他の物品と共に使用され得る。開示されるパッド物品と共に使用され(例えば、並び)得る容器の例としては、保管容器および輸送容器が挙げられる。一実施形態では、容器が6面の長方形、または立方形のボックスである。典型的な容器は、プラスチック、厚紙、布地、または任意の他の適切な材料から作られ得る。容器の他の例としては、壁、床、又は断熱性もしくはクッション性を必要とする他の物品が挙げられる。いくつかの実施形態では、パッド物品は、それが使用される容器または空洞のサイズおよび形状に予め成形されてもよい。他の実施形態では、海綿体を形成する粒子は、容器または空洞内に堆積されて容器または空洞を充填してもよく、次いで、その中に凝集されて、海綿体の海綿状構造を形成する。
【0064】
パッド物品は、容器と共に使用されていないときに、保管および/または輸送のために、同一平面構造にコンパクトに配置され、保持されてもよい。(例えば、容器と共に)使用する前に、パッド物品を効率的に輸送および保管することができ、コストを低減することができる。使用後、パッド物品は、容易に分解され、平坦化され、再使用され、及び/又はリサイクルされ得る。
【0065】
製造方法
本開示はまた、開示されたパッド物品の製造方法にも関する。いくつかのそのような方法は、連続的に、様々な順序で、または複数の場所で実行され得るいくつかのステップを含む。例えば、パッド物品の異なる部品は、異なる場所で製造され、別の場所で組み合わされてもよい。異なるステップは、1人以上の作業者によって手動で、自動化されたシステムの一部として、またはそれらの組み合わせとして実行されてもよい。
【0066】
パッド物品の製造方法のいくつかの実施形態は、ポリマー材料をポリマー粒子に加工するステップ、粒子を混合するステップ、均一な層に粒子を分散させ平滑化するステップ、カバー層を塗布または取り付けるステップ、粒子を互いに凝集させてパッド物品を形成するステップ、パッド物品を冷却するステップ、パッド物品に窪みまたはヒンジを形成するステップ、及びパッド物品を容器に、または流通のために同一平面上の構成に組み立てるステップを含むが、これらに限定されない。これらのステップの一部または全ては、所望のパッド物品をもたらす任意の順序または組み合わせで実行されてもよい。例えば、窪みまたはヒンジは、凝集ステップの前、最中、または後に形成されてもよい。別の実施形態では、窪みまたはヒンジは製造プロセス中に形成されなくてもよく、またはエンドユーザによって提供されてもよい。
【0067】
図1Aおよび
図1Bは、パッド物品形成装置100の一実施形態を示す。これらの図に示すように、ポリマー粒子104は、コンベア126を介して、ポリマー粒子をカバー層102上に横方向に均等に分配するように構成されたツインオーガ110を備える分配ヘッドボックス106などの粒子堆積器に送られる。粒子104は、所望のパッド物品134の厚さよりも大きいか、またはほぼ同じサイズの厚さで、粒子間に空隙を残すように、無秩序な配置で層に堆積される。粒子104は、異なる場所(図示せず)で生成され、オーガコンベア126を介してパッド物品形成装置100に供給される。
【0068】
変換された粒子104は、変換システム、分配ヘッドボックス106を出て、カバー層102に達する。他の実施形態では、変換された粒子104は、カバー層102の非存在下で変換システムからコンベアベルト上に出る。一実施形態では、変換されたポリマーは、
図1Aおよび
図2Aのパッド物品形成装置などのさらなる処理装置に移送される前に、変換システムを出て、バレルまたはバッドなどの容器に入る。
【0069】
カバー層102は、縦方向(水平方向として示される)に、スプレーヘッド112などのアプリケータの経路内に長手方向に移動し、スプレーヘッドは、カバー層102上のポリマー粒子104の表面を均一に被覆する結合剤114をスプレーするように構成される。他の実施形態では、結合剤が必要とされない場合、スプレーヘッド112は存在しなくてもよいし、スイッチを切ってもよい。次いで、カバー層102は、コーティングされたポリマー粒子を実質的に均一な厚さの層に平坦化する平滑化ローラ116の下に搬送される。次いで、第2のカバー層103は、コーティングされたポリマー粒子の上に配置され、2つのカバー層102、103の間に挟まれた結合剤でコーティングされたポリマー粒子104/114を含む予備成形されたパッド物品150を形成する。カバー層102、103は、ここではロール180として示されるカバー層供給部から、各カバー層102、103を垂直方向から水平方向または機械方向に旋回させる、方向性ローラ108などのウェブフィーダの周りに、供給される。
【0070】
図1Aおよび
図1Bに示すように、予備成形されたパッド物品150は、底部プレート118および上部プレート120を備える成形ステーションを通過する。底部プレート118および上部プレート120の一方または両方は、予備成形されたパッド物品150をプレート間で圧縮して横方向の窪み128を成形し、それによって得られるパッド物品のセグメント130を形成するように構成される。底部プレート118は、横方向の窪み141を形成するように成形された突出部または隆起部などの雄型要素117を備える。この実施形態では、雄型要素117がセグメント間に横断ヒンジを提供するようにv字形である。他の実施形態では、雄型要素117は、丸みを帯びた形状、または他の形状とすることができる。雄型要素117間の距離は、セグメント130の長さを決定するために離隔される。セグメントの長手方向長さは雄型要素のピーク117からリッジピーク117まで測定される。雄型要素117のピークの高さは、必要とされるヒンジの深さに応じて変えることができる。例えば、この実施形態では、雄型要素117は、海綿体165の実質的に全体を通って延びる窪みを生成するのに十分な深さであり、その結果、例えば、
図1Cに示されるように、カバー層102は海綿体内に押し込まれて、パッド物品の反対側のカバー層103と接触する。上部プレート120の表面は平坦な逃げ面であるが、いくつかの実施形態では雄型要素117は上部プレート120上にあってもよく、底部プレート118が平坦であってもよい。他の実施形態では、底部プレート118および上部プレート120の両方が雄型要素117を有する。他の実施形態では、他のパターン、例えば、長手方向及び/又は十字形の窪みを、予備成形されたパッド物品に成形することができる。いくつかの実施形態では、雄型要素117がモールドの長手方向縁部に沿って配置されて、パッド物品の長手方向縁部に沿って窪みを設け、パッド物品134にテーパ状の長手方向縁部を与えることができる。
図1Cおよび
図3Bに示すように、横方向縁部は、カバー層によって覆われていない。この実施形態では、横方向縁部は大気に開放されている。いくつかの実施形態では、
図4Aに示されるように、長手方向縁部および横方向縁部の両方がカバー層によって覆われる。この実施形態では、縁部は密封されており、大気に開放されていない。
【0071】
一実施形態では、底部プレート118および上部プレート120は、セグメントがパッド物品に成形されるときに、パッド物品と共に機械方向に移動するように構成される。他の実施形態では、予備成形されたパッド物品150は静止したままであるが、底部プレート118および上部プレート120はパッド物品150を成形するために、カバー層103とともに粒子104を圧縮し、成形する。いくつかの実施形態では、底部プレート118および上部プレート120は、粒子104の凝集を可能にする温度まで加熱され、粒子104を互いに結合して、海綿状構造165を形成する。他の実施形態では、成形ステーションは、パッドを凝集温度に加熱するオーブン内に封入される。加熱の温度および持続時間は、材料および環境要因に基づいて調整することができる。例えば、結合剤の存在は、粒子を凝集させるのに必要な温度および/または持続時間を低下させ得る。最適な加熱条件は、粒子104がパッド物品150内のオープンセル構造を維持しながら、凝集体を形成することを可能にする。他の実施形態では、結合剤114は、底部プレート118および上部プレート120による圧力下で、粒子104の凝集を引き起こす。他の実施形態では、結合剤114は、粒子104を凝集させるために熱または圧力を必要としない。
【0072】
いくつかの実施形態では、セグメント化されたパッド物品150は、その後、線127に沿ってパッド物品を2つ以上のパネル134に切断する長手方向カッター122を通過する。図示のように、往復二重ブレード123の長手方向カッター122は、成形され、セグメント化されたパッド物品150を、等しい横方向幅の3つのセグメント130を有するパネル134に切断する。一般に、長手方向カッター122は、成形され、セグメント化されたパッド物品150を、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上のセグメント130を有するパネル134に切断することができる。いくつかの実施形態では、長手方向カッターは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のブレード123を有することができ、成形され、セグメント化されたパッド物品150を、等しいまたは異なる横方向幅の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上のパネル134に切断127することができる。他の実施形態では、長手方向カッター122は、丸鋸、熱線カッター、レーザー、または成形され、セグメント化されたパッド物品150を切断することができる任意の他の手段を含むことができる。
【0073】
パネル134は、次いで、本実施形態では、ブロック132に対して一定の間隔で剪断するギロチンブレード125として示される横方向カッター124を使用して横方向に切断されて、最終的なセグメント化されたパッド物品160を生成することができる。各横方向の切断は、1つのパッド物品134の上流の長手方向端部131a、131dを、次のパッド物品134の下流の長手方向端部131b、131c、329から分離する。他の実施形態では、横方向カッター124は、丸鋸、熱線カッター、レーザー、または成形され、セグメント化されたパッド物品150を切断することができる任意の他の手段を含むことができる。いくつかの実施形態では、横方向カッター124は、
図1Cに示されるように、窪み128内でパネル134を切断し、テーパ状の横方向縁部131を有するパッド物品をもたらす。他の実施形態では、横方向カッター124は、
図3Bに示されるように、平坦な縁部329、331を有するパッド物品を得るために、窪みの間でパネル134を切断する。
【0074】
図2Aおよび
図2Bは、成形ステーションが底部圧縮ベルト218および上部圧縮ベルト220を備える、パッド物品成形装置200の別の実施形態を示す。底部圧縮ベルト218および上部圧縮ベルト220の一方または両方は、雄型要素117を含み、底部圧縮ベルト218と上部圧縮ベルト220との間で予備成形されたパッド物品150を圧縮して、横方向の窪み128を成形し、それによって、得られるパッド物品のセグメント130を形成するように構成される。上述のように、雄型要素117は、隆起部の必要なサイズおよび形状、ならびにセグメントの所望の長手方向長さを形成するような形状、サイズ、および距離に形成される。他の実施形態では、他のパターン、例えば、長手方向及び/又は十字形状の窪みを、予備成形されたパッド物品に成形することができる。底部圧縮ベルト218および上部圧縮ベルト220は、パッド物品を機械方向に移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、底部圧縮ベルト218および上部圧縮ベルト220は、パッド物品150内の粒子104が互いに結合し、凝集体を形成することを可能にする温度まで加熱される。他の実施形態では、底部圧縮ベルト218および上部圧縮ベルト220は、ベルトを凝集体形成温度まで加熱するオーブン内に封入される。加熱の温度および持続時間は、材料および環境要因に基づいて調整することができる。
【0075】
図3Aは、成形ステーションを含まないパッド物品成形装置300の別の実施形態を示す。ここで、カバー層103が粒子の上に適用された後、上部および/または下部にあってもよいローラ390はパッド物品150を機械方向に移動させ、かつバネ荷重363である底部364および上部362圧縮プレートを含む凝集ステーションを通してパッド物品に圧力を加えて厚さを設定する。底部364および頂部362の圧縮プレートの一方または両方は、プレート362、364によって提供される圧縮と組み合わせて、粒子104を海綿体165のために加熱し、凝集させるように作用する加熱フィラメント360を含むことができる。窪み328は、直接380に移動する調整可能な角度の付いたブレード321を含む角度付きカッター320によって形成される。一実施形態では、窪みは、パッド物品の上面に2つの45°の面取り部332を形成して約90°の窪み328を形成することによって作られる。パッド物品に対するブレード321の角度は、パッド物品が機械方向に移動する速度に適応するように調整することができる。図示されるように、面取り部332は、例えば、角度付きカッター320によって上部カバー層103を貫通して切断され、下部カバー層102をそのまま残して、
図3Bに示されるように、セグメント130を接続構成に維持する。また、上述したような、窪みを切断する他の方法を使用してもよい。加えて、ギロチンではなく、パネル134は、
図3Bに示されるように、方向382に移動し、平らな横縁を有するパッド物品を製造することができる回転ブレード324を使用して横方向に切断され得る。あるいは、回転ブレードが窪み328内を切断して、テーパ状の縁部を有するパッド物品134を形成することができる。
【0076】
図3Aに示す実施形態はまた、出発ポリマー材料が、シュート326を介してプラスチック造粒機またはシュレッダーなどの出発ポリマーを粒子に変換するポリマープロセッサ310に送られるログ302として提供されるという点で、前述の実施形態の実施形態とは異なる。あるいは、出発ポリマー材料は、より小さい小片または粒104に変換することができるレンガ状のもの、塊、細片、または任意の他の形状として提供することができる。他の実施形態では、出発ポリマー材料は、ホッパーまたはコンベアベルトを介してシステム内に送られてもよく、またはユーザによってシステム内に手動で堆積されてもよい。ポリマープロセッサ310は、出発ポリマーを、本明細書に記載の所望の形状、サイズ、およびサイズ分布を有する粒子に変換することができる。
【0077】
図3Aに示すようないくつかの実施形態では、粒子および結合剤は、混合棒および/または振動などのミキサー330を用いて混合される。いくつかの実施形態では、ポリマー粒子を均一な層に分散するために振動器340が使用される。攪拌または泡立てなど他の手段を用いて、粒子を混合してもよく、または粒子を全く混合しなくてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、パッド物品150は、
図1Aと
図2Aに示されるように、圧力板118、120または圧縮ベルト218、220を使用して、セグメント化されたパネル130に成形されてもよい。他の実施形態では、パッドは、金属および/またはシリコンから作られた積み重ね可能なモールドを使用して成形される。モールドは、所望のサイズおよび形状のパッド物品を製造するために必要とされる任意のサイズまたは形状であってもよい。モールドは、積み重ね可能なパンと、異なるパターンをパッド物品に成形することを可能にする任意のインサートとを含む、セグメント化されたモールドであってもよい。いくつかの実施形態では、モールドインサートは、パッド物品に窪みまたはヒンジを成形するために使用される隆起部117を含み、例えば、隆起部117は、パッド物品にv字形状の窪みまたはヒンジをもたらすv字形状の隆起部であってもよく、これにより、パッド物品134を別個のセグメント130に分離し、パッド物品をv字形のヒンジの周りで折り畳むことを可能にする。モールドインサートは、モールドトレイの底部に配置されるか、またはトレイ内に配置された後にパッドの上に置かれることができる。モールドはまた、モールド間の圧縮を防止するために、モールドが積み重ねられたときにモールド間に配置されるピンを含んでもよい。さらに、モールドは、モールド間の空気流を可能にするための穿孔または空気孔を有してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、パッド物品が前述のように、袋の形態でモールド内に配置されるか、またはモールド内で構築される。例えば、フィルムまたは発泡体シートを含むカバー層102をモールド内に配置し、続いて必要な量の粒子104を入れ、適切な厚さに分散させて平らにし、続いて第2のカバー層103を配置することができる。別の実施形態では、粒子104はトレイ内に配置され、適切な厚さに平らにして、カバー層を有さないパッド物品を形成することができる。カバー層は、後の段階でパッド物品に追加されてもよい。パッド物品またはその構成要素は、モールドトレイの境界内に収まってもよく、またはモールドトレイの壁上に重なってはみ出し、後でサイズ調整されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、パッド物品を含むモールドの積み重ねは、粒子104を凝集させるために焼成される。カバー層が存在する実施形態では、カバー層はまた、焼成プロセス中に粒子の凝集体に接着してもよい。いくつかの実施形態では、パッド物品は、80℃~200℃で5~90分間焼成される。いくつかの実施形態では、パネルは、90℃~150℃で10~60分間焼成される。一実施形態では、パネルは、105℃で30分間焼成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、次いで、オーブンをオフにし、十分な冷却時間を置くか、またはそれらを冷蔵庫または空調チャンバなどの冷却機器に移すことによって、パッド物品を室温まで冷却する。冷却に要する時間は、使用する方法や材料によって異なる。
【0082】
いくつかの実施形態では
図4Aに示されるように、パッド物品134は、パッド物品の周囲を完全に囲む金属化カバー層102を含んでもよい。パッド物品は、すべての横方向縁部199および長手方向縁部131上でテーパ状であってもよい。いくつかの実施形態では、パッド物品134は、セグメント130上に刻印パターン177を含み、これは装飾的であってもよく、または識別目的のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、パターン177は、クッション性および/または他の性能特性を変更するように選択される。
【0083】
いくつかの実施形態では、パネルは、例えば、追加のカバー層、ラベルを適用すること、切断もしくは成形すること、折り畳んでボックス構成に組み立てること、保管もしくは輸送用容器に挿入すること、または流通用のフラットパックとして組み立てることによって、さらに加工される。例えば、
図4Aに示されるような一実施形態では、2つのパッド物品134、135は、c字形状に折り畳まれ、ともに入れ子にされて、食品410などの製品を保持するために使用され得る箱形を形成する。この実施形態では、パッド物品134、135の縁部131および199はテーパになっており、パッド物品134、135がともに入れ子にされたときに、縁部が互いに密接に嵌合することを可能にする。この実施形態では、2つの長方形のパッド物品134および135を組み合わせて使用して箱形状を形成し、それによって、例えば、
図4Aおよび
図4Bに示すように、2つのセグメント化されたパッド物品134および135のそれぞれをC字形状に折り曲げることができ、2つの物品を一緒にスロット形成して、6面のボックス402を形成する。本実施形態では、物品134の長手方向縁部131aが物品135の横方向縁部199eに対応し、それによって、密封シールを形成する。同様に、物品134の横方向縁部199aは、物品135の横方向縁部199dに対応し、密封シールを形成する。物品134および135の対応する縁部の各対は、6面ボックス402を形成するように互いに接合される。この実施形態では、テーパ状の縁部131および199がカバー層によって覆われている。他の実施形態では、縁部は平坦であってもよく、または縁部の一部が平坦であり、一部がテーパであってもよい。いくつかの実施形態では、内容物を低温に保つために、クーラーパック420をパッド物品の内部に配置することもできる。他の実施形態では、パネルは、段ボールまたはプラスチックボックスなどの同様に成形された外側容器402に挿入されてもよい。
図4Cは、クーラーパック420によって低温に保たれる、生鮮品410の保管または輸送のために、
図4Bのように一緒にスロットされ、ボックス402に挿入されたパッド物品134、135の断面図を図示する。パッド物品134、135のセグメント502、504、506、508、510、512は、ボックス402の内側側壁516、518、520、522、524、526のサイズに一致するように成形される。ボックス524の上部が開かれると、セグメント502は、容器を完全に分解する必要なく、内容物410、420を配置または取り出すために開かれることができる。他の実施形態では、6つのセグメントを有するパッド物品が提供される。パッド物品は、十字形状を有してもよく、そのうちの4つは横方向に配置され、そのうちの3つは1つのセグメントが横方向および縦方向の配置によって共有されるように縦方向に配置される。他の実施形態では、2つのパッド物品は、物品が組み合わさって立方体を形成するように提供される。2つのパッド物品のセグメントの総数は6であるが、各物品は実現可能な任意の数のセグメントを有することができる。
【0084】
実施例
次に、以下の実施例によって本発明を説明する。本明細書におけるこれらおよび他の実施例の使用は、例示のみを目的にしており、本開示または任意の例示された形態の範囲および意味を決して限定するものではない。同様に、本開示は、本明細書に記載のいかなる特定の実施形態にも限定されない。実際、本開示の修正および変形は、本明細書を読むことによって当業者には明らかであり、その趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、本開示は請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、請求項の用語によってのみ限定されるべきである。以下の実施例に記載される全てのパネルは代表的な物品とみなされ、他のタイプの物品、例えば、他の容器、シート、フィルム、熱成形部品、繊維などについて、同等の結果が期待される。提示された値(例えば、量、温度など)に関する精度を保証するための努力はなされているが、ある程度の実験誤差および偏差が考慮されるべきである。
【0085】
本開示および以下の実施例の目的のために、断熱性能は、国際安全輸送協会(ISTA)7E夏季プロファイルによって指定された模擬輸送条件下で、開示されたパッド物品の様々な実施形態を試験することによって評価された。ISTAプロファイルは模擬輸送条件における梱包の熱輸送試験のための世界的な業界標準であり、夏季の実際の輸送条件に基づいている。夏季プロファイルは、高熱条件下での性能を評価する。
【0086】
実施例1
現在開示されているパッド物品の3つの代表的なサンプル(サンプル1、2、および3)を作製し、コールドチェーンパック試験の対象とし、その結果を、Ranpak社製紙ベースのパッド物品(比較サンプルA)の同等の試験に対応するデータと比較した。比較サンプルAは、紙カバー層によって囲まれた、丸められた紙のコアを含む。紙ベースのパッド物品のうちの2つは、C字形に折り畳まれ、一緒にスロットが付けられ、次いで、6つの側面を有するボックスの内壁に沿って配置される。保冷剤及び製品を裏張りされたボックスの内部に配置し、密閉し、ボックスの内部温度を監視する。
図5に示すように、サンプル1~3は、比較サンプルAと比較して、はるかに優れた断熱性を示した。
【0087】
サンプル1は、ポリオレフィン分散液を用いて凝集され、ポリエチレン発泡体カバー層によって囲まれたポリエチレン粒子から作製されたパッド物品を含んでいた。2つのパッド物品を準備し、金属トレイ中で成形して、それぞれ3つのセグメントを有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を、C字形に折り畳み、一緒にスロットを付け、次いで、6面ボックスの内壁に沿って配置した。次いで、保冷剤および製品を、裏張りされたボックス内に配置し、それを閉じ、ボックスの内部温度を監視した。サンプル1のパッド物品は、テーパのない平坦な縁部を有していた。
図5に示されるように、サンプル1は、約56時間にわたってボックスの内部温度を40°F閾値未満に維持することによって劇的に優れた結果を示したが、比較サンプルAはわずか28時間後に40°F閾値を超えた。
【0088】
サンプル2は、ポリオレフィン分散液を用いて凝集され、ポリエチレン発泡体カバー層によって囲まれたポリエチレン粒子から作製されたパッド物品を含んでいた。2つのパッド物品を準備し、金属トレイ中で成形して、それぞれ3つのセグメントを有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を、C字形に折り畳み、一緒にスロットを付け、次いで、6面ボックスの内壁に沿って配置した。次いで、保冷剤および製品を、裏張りされたボックス内に配置し、それを閉じ、ボックスの内部温度を監視した。サンプル2のパッド物品は、テーパ状の縁部を有していた。
図5に示されるように、サンプル2は、約65時間にわたってボックスの内部温度を40°F閾値未満に維持することによって劇的に優れた結果を示したが、比較サンプルAはわずか28時間後に40°F閾値を超えた。
【0089】
サンプル3は、ポリオレフィン分散液を用いて凝集され、金属化ポリエチレンカバー層によって囲まれたポリエチレン粒子から作製されたパッド物品を含んでいた。2つのパッド物品を準備し、金属トレイ中で成形して、それぞれ3つのセグメントを有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を、C字形に折り畳み、一緒にスロットを付け、次いで、6面ボックスの内壁に沿って配置した。次いで、保冷剤および製品を、裏張りされたボックス内に配置し、それを閉じ、ボックスの内部温度を監視した。サンプル1のパッド物品は、テーパ状の縁部を有していた。
図5に示されるように、サンプル3はボックスの内部温度を40°F閾値未満に72時間を超えて維持することによって劇的に優れた結果を示し、わずか28時間後に40°F閾値を超えた比較サンプルAよりも2.5倍を超えて改善した。
【0090】
実施例2
本開示の低密度パッド物品の2つの代表的なサンプル(サンプル4および5)をコールドチェーンパック試験の対象とし、その結果を、Temperpack社製の植物ベースのパッド物品(比較サンプルB)の同等の試験に対応するデータと比較した。比較サンプルBは、紙カバー層によって囲まれた植物ベースのコア材料を含む。植物ベースのパッド物品のうちの2つは、C字形に折り畳まれ、一緒にスロットが付けられ、次いで、6つの側面を有するボックスの内壁に沿って配置される。次に、保冷剤及び製品が、裏張りされたボックスの内部に配置され、それが閉じられ、ボックスの内部温度が監視される。
図6に示すように、サンプル4および5は、比較サンプルBと比較して、はるかに優れた断熱性を示した。
【0091】
サンプル4は、ポリオレフィン分散液を使用して凝集させ、ポリエチレン発泡体カバー層によって囲まれたポリエチレン粒子から作製されたパッド物品を含み、0.00105ポンド/平方インチの密度を有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を準備し、金属トレイ中で成形して、それぞれ3つのセグメントを有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を、C字形に折り畳み、一緒にスロットを付け、次いで、6面ボックスの内壁に沿って配置した。次いで、保冷剤および製品を、裏張りされたボックス内に配置し、それを閉じ、ボックスの内部温度を監視した。サンプル4のパッド物品は、テーパ状の縁部を有していた。
図6に示されるように、サンプル4は、約47時間にわたってボックスの内部温度を40°F閾値未満に維持することによって、有意に有利な結果を示した。これは、50時間後に40°F閾値を超えた比較サンプルBによって達成された持続時間に匹敵した。
【0092】
サンプル5は、ポリオレフィン分散液を用いて凝集され、ポリエチレン発泡体カバー層によって囲まれたポリエチレン粒子から作製されたパッド物品を含み、0.00084ポンド/平方インチの密度を有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を準備し、金属トレイ中で成形して、それぞれ3つのセグメントを有するパッド物品を形成した。2つのパッド物品を、C字形に折り畳み、一緒にスロットを付け、次いで、6面ボックスの内壁に沿って配置した。次いで、保冷剤および製品を、裏張りされたボックス内に配置し、それを閉じ、ボックスの内部温度を監視した。サンプル5のパッド物品は、テーパ状の縁部を有していた。
図6に示されるように、サンプル5は、約47時間にわたってボックスの内部温度を40°F閾値未満に維持することによって、有意に有利な結果を示した。これは、50時間後に40°F閾値を超えた比較サンプルBによって達成された持続時間に匹敵した。
【0093】
本開示は、本出願に記載される特定の例に関して限定されるべきではなく、これらの例は様々な態様の例示として意図されている。当業者には明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの変型例および実施例を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような変形例および実施例は、添付の請求の範囲内に入ることが意図される。本開示は、添付の請求の範囲の用語およびそのような請求項の範囲に権利を有する均等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の例のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0094】
本明細書における実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関して、当業者は文脈および/または用途に適切であるように、複数から単数に、および/または単数から複数に翻訳することができる。様々な単数/複数の置換は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。
【0095】
様々な態様および例が本明細書で開示されているが、他の態様および例は当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施例は例示を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は、以下の請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の凝集体から形成された海綿体を含み、
前記粒子は、ポリマー材料から作られ、海綿状構造で互いに結合されている、パッド物品。
【請求項2】
前記粒子は、結合剤によって互いに結合される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項3】
前記結合剤は、ポリオレフィンを含む、請求項2に記載のパッド物品。
【請求項4】
前記粒子は、互いに溶接されている、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項5】
前記粒子は、結合剤の非存在下で互いに結合される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項6】
前記海綿状構造における前記粒子は、不規則に配置されている、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項7】
前記海綿状構造は、オープンセル構造である、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項8】
前記オープンセル構造は、前記海綿体を横切って集合的にチャネルを形成する空隙を含む、請求項7に記載のパッド物品。
【請求項9】
前記チャネルは、空気チャネルである、請求項8に記載のパッド物品。
【請求項10】
前記ポリマー材料は、ポリオレフィンを含む、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項11】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載のパッド物品。
【請求項12】
前記粒子は、約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有する、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項13】
前記海綿体は、約0.05インチ~約2インチの厚さを有する、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項14】
前記海綿体は、断熱性を提供するように構成される、請求項1に記載のパッド物品。
【請求項15】
前記パッディング物品が、前記海綿体の外面に取り付けられたカバー層をさらに含む、請求項1に記載のパッディング物品。
【請求項16】
前記カバー層は、ポリオレフィン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項17】
前記カバー層は、前記海綿体の前記外面を少なくとも部分的に取り囲む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項18】
前記カバー層は、前記海綿体の前記外面を完全に包囲する、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項19】
前記カバー層は、カバー接着剤によって前記海綿体に取り付けられる、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項20】
前記海綿体は、前記カバー層を介して互いに接続された少なくとも2つの連結セグメントを備え、前記セグメントが互いに対して枢動するようにヒンジ連結されている、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項21】
前記カバー層は、前記セグメントを枢動可能に連結するヒンジを提供する、請求項
20に記載のパッド物品。
【請求項22】
前記海綿体は、前記カバー層を介して互いに直列に接続された3つの接続されたセグメントを備え、前記セグメントが互いに対して枢動するようにヒンジ連結されている、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項23】
前記セグメントは、前記パッド物品がC字形状に構成可能であるように枢動可能に直列に接続される、請求項
22に記載のパッド物品。
【請求項24】
前記海綿体は、テーパ状の縁部を含む、請求項15に記載のパッド物品。
【請求項25】
複数の側壁を有するボックスと、
請求項1に記載のパッド物品と、
を含み、
前記パッド物品は、第1の側壁の形状に密接に一致する形状を有する海綿体の少なくとも一部分を含む第1のセグメント
を含み、
前記第1の側壁を断熱するために、前記第1のセグメント
は、前記第1の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である
、容器システム。
【請求項26】
前記パッド物品は、前記第1のセグメントに隣接
し、前記海綿体の別の
部分を含む第2のセグメントをさらに備え、
前記第1および第2のセグメントが、ヒンジによって連結され、
前記第2のセグメントは、第2の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、前記第2の側壁を断熱するために、前記第2のセグメントが前記第2の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である、請求項
25に記載の容器システム。
【請求項27】
前記パッド物品は、前記第2のセグメントに隣接する第3のセグメントをさらに備え、
前記第2
のセグメントおよび第3のセグメントは、前記パッド物品がC字形状に構成可能であるように、ヒンジによって連結され、
前記第3のセグメントは、第3の側壁の形状に密接に一致する形状を有し、前記第3の側壁を断熱するために、前記第3のセグメントが前記第3の側壁に対して前記ボックス内に収容可能である、請求項
26に記載の容器システム。
【請求項28】
約0.01インチ~約2インチの範囲の最大長を有するポリマー粒子を、概ね均一な層に分散させ、
前記粒子同士を結合させて、海綿体として配置された前記粒子の凝集体を形成すること、
を含むパッド物品を製造する方法。
【請求項29】
前記ポリマーの
レンガ状のもの、塊、細片、または任意の他のより大きな形状から前記粒子を加工することをさらに含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
前記粒子の加工は、前記ポリマーの
レンガ状のもの、塊、細片、または任意の他のより大きな形状を粉砕すること、細断すること、チップ化すること、またはそれらの組み合わせを含む、請求項
29に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子に結合剤を塗布することをさらに含み、
前記粒子は、前記結合剤を用いて互いに結合されて前記凝集体を形成する、請求項
28に記載の方法。
【請求項32】
前記凝集体を成形して前記海綿体を成形することをさらに含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリマーは、ポリオレフィンを含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項34】
前記海綿体の外表面にカバー層を適用することをさらに含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項35】
前記カバー層は、前記カバー層上に前記粒子を堆積させ、前記粒子を前記カバー層に結合させることによって適用される、請求項
34に記載の方法。
【請求項36】
前記カバー層と共に前記粒子を成形して、前記パッド物品を成形することをさらに含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項37】
前記粒子および
前記カバー層は、互いにヒンジ連結された複数のセグメントを提供するように成形され、各セグメントが前記海綿体の一部を含む、請求項
36に記載の方法。
【請求項38】
第1のカバー層を機械方向に供給するウェブフィーダと、
前記ウェブフィーダによって供給される前記第1のカバー層上に粒子を堆積させる粒子堆積器と、
堆積された前記粒子を互いに結合させて、海綿体として配置された前記粒子の凝集体を形成する結合装置と、
前記海綿体を成形して、パッド物品を提供するモールドと、
を含むパッド物品を製造するための装置。
【国際調査報告】