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特表2023-548423フレキシブルなウェブ供給機構を備えた、ウェブ上に固着された物体を修正する装置
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  • 特表-フレキシブルなウェブ供給機構を備えた、ウェブ上に固着された物体を修正する装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】フレキシブルなウェブ供給機構を備えた、ウェブ上に固着された物体を修正する装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/42 20060101AFI20231109BHJP
   B31D 1/02 20060101ALI20231109BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B65C9/42
B31D1/02 Z
B65C9/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528121
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021079559
(87)【国際公開番号】W WO2022096308
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102020214042.1
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523168456
【氏名又は名称】ニッカ リサーチ ドイチュラント ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Nikka Research Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Schulze-Delitzsch-Str. 6, 70771 Leinfelden-Echterdingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン ボネフ
【テーマコード(参考)】
3E075
3E095
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075AA17
3E075BA83
3E075GA07
3E095AA12
3E095BA03
3E095CA10
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA31
3E095DA42
3E095EA02
3E095EA12
3E095EA24
3E095FA25
3E095FA30
(57)【要約】
ウェブ(12a)を供給するウェブ供給部(8)と、ウェブ上に固着された物体(14)のエラーの有無を検出するセンサ(26a)とを備えた装置(10)。この装置は、転移位置(34b)において、少なくとも1つのエラー無しの物体を、ウェブ上または別のウェブ(12b)上の受け箇所(40)に移すことができる転移装置(32)を有している。転移装置はさらに、排出位置(34a)においてエラー有りの物体を不良品受け(28)に移すことができる。排出位置において転移装置は、排出中、摺動手段(6a)により、ウェブの排出箇所(90)にウェブの排出曲率(96)を生じさせる。転移位置において転移装置は、物体の転移中、摺動手段(6b)により、ウェブの転移箇所(88)にウェブの転移曲率(94)を生じさせる。転移装置は、巻回位置(34c)に旋回可能であり、巻回位置(34c)ではウェブの、転移箇所と排出箇所とを含む巻回区間(92)の巻回曲率(98)が生じ、このとき巻回曲率の最大値は、排出曲率および転移曲率よりも小さくなっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ(12a)上に固着された物体(14)を修正しかつ/または検査する装置(10)であって、該装置(10)は、
a.供給方向(VR)に前記ウェブ(12a)を供給するウェブ供給部(8)と、
b.前記ウェブ(12a)上の、設定された選出基準を満たすエラー無しの物体(14)および前記選出基準を満たさないエラー有りの物体(14)を選出する第1のセンサ(26a)と、
c.前記エラー有りの物体(14)を受け入れる不良品受け(28)と、
d.少なくとも1つのエラー無しの物体(14)を受け入れる、前記ウェブ(12a)または別のウェブ(12b)上の受け箇所(40)と、
e.エラー有りの物体(14)を、前記ウェブ(12a)から前記不良品受け(28)へ、転移装置(32)の排出位置(34a)において転移させる転移装置(32)であって、前記排出位置(34a)において前記転移装置(32)は排出中、特に第1の摺動手段(6a)により、前記ウェブ(12a)の排出箇所(90)に前記ウェブの排出曲率(96)を生じさせて物体を排出させ、かつ前記エラー無しの物体(14)を、前記ウェブ(12a)から前記受け箇所(40)へ、前記転移装置(32)の転移位置(34b)において転移させるために、前記転移位置(34b)において前記転移装置(32)が前記物体(14)の転移中、特に第2の摺動手段(6b)により、前記ウェブ(12a)の転移箇所(88)に前記ウェブ(12a)の転移曲率(94)を生じさせて前記エラー無しの物体(14)を転移させる、転移装置と、
を有している、装置(10)において、
前記ウェブ(12a)を供給する前の、該ウェブ(12a)上の前記物体(14)の最初の位置を保持する前記転移装置(32)の巻回位置(34c)において、前記転移装置(32)は、前記ウェブ(12a)全体または前記ウェブ(12a)の設定可能部分の供給中に、前記ウェブ(12a)の、前記転移箇所(88)と前記排出箇所(90)とを含む巻回区間(92)の巻回曲率(98)を生じさせ、このとき該巻回曲率(98)の最大値は、前記排出曲率(96)および前記転移曲率(94)よりも小さくなっていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記転移装置(32)は、特に該転移装置(32)の前記排出位置(34a)および/または前記転移位置(34b)において前記ウェブ(12a)を送るための、少なくとも1つの転移縁部(30a)を有している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記転移縁部(30a)を前記排出位置(34a)、前記転移位置(34b)および/または前記巻回位置(34c)の間で旋回させる旋回機構(38)が設けられており、特に前記転移縁部(30a)は回転盤(70a)に形成されており、特に、前記ウェブ(12a)は前記転移縁部(30a)の前記巻回位置では前記回転盤(70a)に沿って延びている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
特に前記転移縁部(30a)を前記巻回位置(34c)から前記転移位置(34b)へと旋回させるために、前記転移縁部(30a)は旋回アーム(66)に形成されている、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記転移装置(32)は、第1の転移縁部(30a)と第2の転移縁部(30b)とを有しており、特に前記第1の転移縁部(30a)は、前記第2の転移縁部(30b)よりも前記不良品受け(28)の近くに配置されており、前記第2の転移縁部(30b)は、各前記物体(14)の前記受け箇所(40)への転移中に各前記受け箇所(40)がとる位置に、前記第1の転移縁部(30a)よりも近くに配置されており、または各前記転移縁部(30a,30b)は、前記不良品受け(28)に対して等間隔をあけて配置されている、請求項2から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記不良品受け(28)は、前記物体(14)の供給方向(VR)において、前記受け箇所(40)への各前記物体(14)の転移中の各前記受け箇所(40)の位置の上流側に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記物体(14)の供給方向(VR)において前記転移装置(32)の下流側に、または前記転移装置(32)の一部として、調整可能な長さを有する、前記ウェブ(12a)の蓄え器区間(46)を通して案内するウェブ蓄え器(44)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
第1の供給ローラ(18a)、第2の供給ローラ(18b)、第1の受容ローラ(22a)および第2の受容ローラ(22b)が設けられており、前記ウェブ(12a)は前記第1の供給ローラ(18a)から繰り出されて前記第2の受容ローラ(22b)に巻き取られ、前記別のウェブ(12b)は前記第2の供給ローラ(18b)から繰り出されて前記第1の受容ローラ(22a)に巻き取られる、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記第1のセンサ(26a)、および特に第2のセンサ(26b)が、前記物体(14)の供給方向(VR)において前記転移装置(32)の上流側、前記転移装置(32)のところおよび/または前記転移装置(32)の下流側および/または前記受け箇所(40)の上流側および/または前記受け箇所の下流側に配置されており、前記装置(10)は、特にデータを記憶しかつ/またはデータを外部データソースと交換するインタフェース(82)を有しておりかつ/または前記ウェブ(12a)に配置された少なくとも1つの加工ユニット(50a,50b)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
転移装置(32)を使用して、ウェブ(12a)上に固着された物体(14)を修正しかつ/または検査する、特に請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(10)を使用する方法であって、該方法では、前記転移装置(32)を、エラー有りの物体(14)を排出するために前記転移装置(32)が排出中、第1の摺動手段(6a)により前記ウェブ(12a)の排出箇所(90)に前記ウェブ(12a)の排出曲率(96)を生じさせる排出位置(34a)に向けることができ、かつ/または、前記転移装置(32)を、エラー無しの物体(14)を転移させるために前記転移装置(32)が少なくとも1つの前記エラー無しの物体(14)の転移中、第2の摺動部材(6b)により前記ウェブ(12a)の転移箇所(88)に前記ウェブ(12a)の転移曲率(94)を生じさせる転移位置(34b)に向けることができ、このとき前記ウェブ(12a)を、ウェブ供給部を介して供給方向(VR)に供給する、方法において、
前記ウェブ(12a)全体または前記ウェブ(12a)の設定部分の供給中に、前記転移装置(32)を巻回位置(34c)に向け、該巻回位置(34c)において前記転移装置(32)は、前記ウェブ(12a)の、前記転移箇所(88)と前記排出箇所(90)とを含む巻回区間(92)の巻回曲率(98)を生じさせ、このとき該巻回曲率(98)の最大値は、前記排出曲率(96)および前記転移曲率(94)よりも小さくなっていることを特徴とする、方法。
【請求項11】
第1のセンサ(26a)が、前記ウェブ(12a)上の前記エラー無しの物体(14)および/または前記エラー有りの物体(14)を検出する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
連続するステップ、すなわち:
i.最初に前記ウェブ(12a)を供給し、このとき前記転移装置(32)を前記巻回位置(34c)または前記転移位置(34b)に向けるステップと、
ii.前記第1のセンサ(26a)がエラー有りの物体(14)を検出するステップと、
iii.引き続き残りの前記ウェブ(12a)を供給し、このとき前記転移装置(32)を前記排出位置(34a)および/または前記転移位置(34b)および/または前記巻回位置(34c)に向けるステップと、
を有する、請求項11に関連する請求項10記載の方法。
【請求項13】
連続するステップ、すなわち:
iv.最初に前記ウェブ(12a)を、全体的または部分的に前記供給方向とは反対の方向に移動させるステップと、
v.引き続き前記ウェブ(12a)を、全体的または部分的に供給方向に供給し、このとき前記転移装置(32)を、前記排出位置(34a)、前記転移位置(34b)および/または前記巻回位置(34c)に向けるステップと、
を有する、請求項10または11記載の方法。
【請求項14】
ステップiv)に基づき前記ウェブ(12a)を移動させる間に、前記第1のセンサ(26a)が、前記ウェブ(12a)上の前記エラー無しの物体(14)および/または前記エラー有りの物体(14)を検出し、特に前記第1のセンサ(26a)により検出した前記物体(14)の特徴を、ステップiv)に基づく前記ウェブ(12a)の移動時に記憶する、請求項11に関連する請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ウェブ(12a)を、該ウェブ(12a)上に固着された前記物体(14)と共に前記第1の供給ローラ(18a)から繰り出して前記第2の受容ローラ(22b)に巻き取り、このとき前記転移装置(32)が、前記エラー有りの物体(14)を排出しかつ/または前記エラー無しの物体(14)を前記ウェブ(12a)から別のウェブ(12b)に転移させ、該別のウェブ(12b)を前記第2の供給ローラ(18b)から繰り出して前記第1の受容ローラ(22a)に巻き取り、このとき前記別のウェブ(12b)上には複数の前記物体(14)が配置されているか、または前記別のウェブ(12b)は物体無しで形成されている、請求項8に関連する請求項10から14までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ上に固着された物体を修正しかつ/または検査する装置であって、この装置は、
a.供給方向にウェブを供給するウェブ供給部と、
b.ウェブ上の、設定された選出基準を満たすエラー無しの物体および/またはウェブ上の、選出基準を満たさないエラー有りの物体を選出する第1のセンサと、
c.エラー有りの物体を受け入れる不良品受けと、
d.少なくとも1つのエラー無しの物体を受け入れる、ウェブまたは別のウェブ上の受け箇所と、
e.エラー有りの物体を、ウェブから不良品受けへ、転移装置の排出位置において転移させる転移装置であって、排出位置において転移装置は排出中、特に第1の摺動手段により、ウェブの排出箇所にウェブの排出曲率を生じさせて物体を排出させ、エラー無しの物体を、ウェブから受け箇所へ、転移装置の転移位置において転移させるために、転移位置において転移装置が物体の転移中、特に第2の摺動手段により、ウェブの転移箇所にウェブの転移曲率を生じさせてエラー無しの物体を転移させる、転移装置と、
を有する、装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、この装置を用いてウェブ上の物体を修正しかつ/または検査する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このような装置は、従来技術から公知である。
【0004】
米国特許出願公開第2018/0186496号明細書は、ラベリング機からエラー有りのラベルを選別する装置に関する。多数のラベルを備えたラベルベルトが、出発ステーションから目標ステーションへと移動させられる。検査ユニットが、選別ユニットによって選別される、エラー有りのラベルを検出する。次いで、エラー有りのラベルが回収ユニットに集められる。ラベリングユニットが、良好なラベルを備えた製品にラベリングする。
【0005】
独国実用新案第29606522号明細書には、ラベルが被着された担体ベルト用の第1のベルトコンベヤを備えた包装機械用のラベリング装置が開示されている。搬送分岐器が変向装置を有しており、変向装置は、接着層で覆われたラベルの裏側が変向装置を通過する際に担体ベルトから開くように剥離するような、担体ベルトの(大きな)横方向曲げを引き起こす。搬送分岐器は、その接続時に第1の変向装置を機能停止させる第2の変向装置を有しており、第2の変向装置により、第2の変向装置の通過時にラベルの表側が担体ベルトに全面的に付着し続けるような(小さな)横方向曲げが、担体ベルトに引き起こされる。
【0006】
米国特許出願公開第2005/0247792号明細書は、ラベルのストリップからラベルを選択的に引き出す装置に関する。この装置は、ストリップからラベルを引き出すノズルを備えた引出し条片を有している。引出し条片は、ストリップの移動によって長手方向軸線を中心として回動可能であるように取り付けられている。保持部材が、引出し条片に選択的に係合する。保持部材は、引出し条片が固定的に保持される第1の位置と、引出し条片が自由に回動可能な第2の位置とを有している。
【0007】
米国特許第7871009号明細書は、無線周波数式識別タグ(RFID)ラベルがウェブ担体から剥離されるか否かを検査する装置に関する。装置のフレームは、第1および第2の側部を有しており、第1の側部と第2の側部との間には引出し条片が取り付けられている。引出し条片は、半径方向部分を有しており、半径方向部分は、ウェブ担体が半径方向部分に接触し、これを越えて移動すると、RFIDラベルをウェブ担体の表面から分離させる。フレームには、カムロッドが回転可能に支持されている。第1の位置においてカムロッドは、ウェブ担体が引出し条片の半径方向部分に接触し、少なくとも部分的に半径方向部分を包囲するように移動させ、第2の位置においてカムロッドは、ウェブ担体が引出し条片の半径方向部分に接触し、少なくとも部分的に半径方向部分を包囲するように移動することを阻止する。
【0008】
米国特許出願公開第2011/0114262号明細書には、接着剤でコーティングされたラベルを引き渡すシステムが開示されている。このシステムは、第1の引渡し出口を画定するケーシングユニットと、送り経路に沿ってラベル材料のストックを搬送するシステムとを含み、システムは、ラベル材料を送り経路に沿って2方向に移動させるように作動する。さらに、このシステムは、送り経路において急な方向転換を生じさせ、これにより、上部材料を担体材料から分離させるように第1の位置から第2の位置まで位置決めされ得る引出し条片を含む。上部材料を担体材料から分離することにより、被着の完了したラベルが形成される。プロセッサが、搬送システムの双方向移動を制御しかつ引出し条片をハウジング内で位置決めし、これにより、ラベル材料は、(i)引出し条片が第1の位置にある場合には引出し条片の下流側に搬送され、(ii)引出し条片が第2の位置にある場合には上部材料の後縁部を担体材料から分離させるように、引出し条片を介して引き戻される。
【0009】
特開2016-210028号公報に開示された方法では、ベルトがローラから繰り出され、その際にベルト上のラベルが読取り装置/書込み装置へ搬送される。読取り装置/書込み装置は、各ICラベルにバーコードの形態のIDを書き込む。読取り装置/書込み装置はIDを読み出し、情報を制御装置に転送する。印刷装置が、書込み装置によりIDが正しく書き込まれたラベルにIDを印刷する。IDがラベルに正しく書き込まれていなかった場合には、その旨を表すマークを印刷機がラベルに印刷する。次いで、ラベルはカメラとバーコード読取り装置とに搬送される。読み取られた情報は、制御装置に伝達される。エラー無しの書込み済みのラベルは、ダンサ区間において転移させられる。欠陥ラベルは、制御装置によりダンサ区間に接近させられる受容ベルトによって選別される。
【0010】
米国特許第6280544号明細書には、表側と電子的なマークとに情報を含むラベルを形成する方法が開示されている。すなわち、情報を含む表側と、接着剤を含む裏側とを備えたラベルストリップが提供される。ラベルストリップを、マーキング機械内に導入する。接着剤を使用してマークの内面と裏側とを接触させることにより、電子的なマークを担体から分離させてストリップのラベルの裏側に被着する。マーキング・ラベルユニットを、搬送ベルトにより搬出する。
【0011】
米国特許第7176799号明細書に開示された方法では、RFIDトランスポンダをマークの下面に取り付け、これにより、商品に取り付けることができる構成群を形成する。このために、トランスポンダがウェブから外されてマークとまとめられた状態で、搬送方向において下流側に配置された位置で再びウェブ上に配置され、これにより構造群を形成する。構成群はセンサにより読み取られる。欠陥構成群は、搬出ウェブにより選別されて搬出される。
【0012】
中国特許出願公開第109533538号明細書には、欠陥ラベルを選別する方法が開示されており、この方法は、以下の各ステップを含む。すなわち:ラベルベルト上で搬送されるラベルの画像情報を、目視検査機構により撮影する。情報を分析する。画像情報が欠陥ラベルに相当する場合には、ローラをラベルベルトに向かって下方に押圧し、これにより、欠陥ラベルを分離ベルトに接着する。画像情報が標準ラベルに相当する場合には、ラベルベルトを変化させずに引き続き移動させる。代替ラベル機構により、代替ラベルベルトから代替ラベルを欠陥ラベルの位置に置く。
【0013】
独国特許発明第102006028760号明細書には、ラベルが搬送ベルトから剥離される下方引渡し領域にRFIDラベルを供給するために下方引渡しユニットを備えた選別装置が開示されている。ラベルは、上方引渡しユニットにおいて搬送ユニットの各搬送ベルトに受け入れられる。このために、位置決め装置が、下方引渡し領域と、搬送ベルトを備えた上方引渡し領域とを互いに適切に位置決めする。
【0014】
独国特許出願公開第102011108882号明細書には、担体ベルトダンパと選択部材とを備えた、担体ベルト上のラベルを選別する装置が記載されている。選択部材の第1の位置において、担体ベルト上のラベルがずらされる。選択部材の第2の位置において、ラベルが担体ベルトダンパへ案内され、そこから取出し装置によりラベルが取り出される。制御装置が、検査装置の信号に基づき選択部材の移動を制御する。
【0015】
公知の装置の場合、ウェブ供給部、特にローラからのウェブの繰出し機構は、比較的フレキシブル度が低く構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の課題は、ウェブの供給をよりフレキシブルに行うことができる、ウェブ上に固着された物体を修正しかつ/または検査する装置を提供することにある。特に、このような装置を用いて、ウェブ上に固着された物体を修正しかつ/または検査する、対応する方法を提供することも課題である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この課題は、本発明に基づき、請求項1記載の装置および請求項10記載の方法によって解決される。有利な構成は、それぞれ引用される従属請求項から明らかである。
【0018】
本発明による装置は、ウェブを供給する前の、ウェブ上の物体の最初の位置を保持する転移装置の巻回位置を特徴としており、巻回位置において転移装置は、ウェブ全体またはウェブの設定可能部分の供給中に、ウェブの、転移箇所と排出箇所とを含む巻回区間の巻回曲率を生じさせ、このとき、巻回曲率の最大値は、排出曲率および転移曲率よりも小さくなっている。
【0019】
転移装置が巻回位置をとる場合には、転移装置のウェブへの係合無しに、ウェブを、転移装置が転移位置または排出位置をとる場合よりも迅速に移動させることができ、これにより、物体の処理が加速される。ウェブを、所望の位置、例えばエラー有りの物体まで迅速に移動させることができる。転移装置の巻回位置では、ウェブを全体的にまたは部分的に供給し、再び供給方向とは反対の方向に移動させることができる。このことは、物体の処理の修正と、より良好な検査とを可能にする。物体無しのウェブの区間も、ラインクリアランスを実施するために、転移装置の巻回位置では特に迅速に装置を通って搬送することができる。
【0020】
ウェブを最初に供給する際の物体の移動方向は、特に供給方向または物体の供給方向と呼ばれる。供給方向は、特にウェブを最初に供給する際の物体の前進方向に合致する。後退方向は、供給方向とは反対の方向に向けられている。
【0021】
排出箇所は、特にウェブ上の場所であり、そこからエラー有りの物体が、排出時に不良品受けに転移させられる。排出箇所は、排出中、いくつかの実施形態ではウェブのあらゆる場所のうち、不良品受けに対して最大の近さを有している。転移箇所は、特にウェブ上の場所であり、そこから少なくとも1つのエラー無しの物体が、転移時にウェブまたは別のウェブに転移させられる。転移箇所は、転移中、いくつかの実施形態ではウェブのあらゆる場所のうち、受け箇所に対して最大の近さを有している。
【0022】
所定の箇所におけるウェブの曲率という用語は、特に、この箇所におけるウェブの直線的な延在部からのウェブの逸脱、またはこの箇所におけるウェブの方向転換を表す。ウェブの所定の箇所における曲率は、特に、この箇所のウェブに最も良く近似した円の半径である曲率半径の逆数として生じる。曲率の別の呼称は、特に曲げである。ウェブの曲率は、ウェブに沿って様々な値をとることができる。排出曲率は、特に排出箇所におけるウェブの曲率を表す。転移曲率は、特に転移箇所におけるウェブの曲率を表す。転移曲率および排出曲率は、特に物体の固有剛性に基づき、転移箇所または排出箇所におけるウェブからの物体の剥離を生じさせる。巻回区間は、特に排出箇所から転移箇所まで延びている。巻回曲率は、特に巻回区間におけるウェブに沿った曲率を表す。巻回曲率は、ウェブに沿って様々な値を有していてよい。巻回曲率は、特に排出曲率および転移曲率よりも小さな値を有している。特に、巻回曲率の最大絶対値は、排出曲率の絶対値および転移曲率の絶対値よりも小さい。
【0023】
第1の摺動手段および/または第2の摺動手段は、ウェブを押圧して、ウェブの曲げまたは曲率を生じさせるように形成されている。第1の摺動手段は、特に第2の摺動手段と同一である。
【0024】
設定された選出基準という用語には、複数の選出基準が設定される場合も含まれる。ウェブの設定可能部分は、ウェブの複数の設定可能部分を含んでいてもよい。「係合」という用語は、特に「何かを押圧する」という意味か、またはウェブの延在部の曲率を意図的に変化させるという意味を有している。
【0025】
受け箇所は、特にウェブまたは別のウェブ上の位置であり、この位置にその都度、エラー無しの物体が転移させられる。各受け箇所が、特に空間的に固定された同じ受け箇所に位置する一方で、物体は、転移時にこの受け箇所に転移させられる。ただし、受け箇所への物体の転移中に受け箇所がとる位置という用語には、以下の説明では各物体の転移中にそれぞれ異なる受け箇所がそれぞれ異なる位置をとる可能性も含まれるものとする。
【0026】
物体は、特にラベルとして形成されている。物体は、好適には接着剤によりウェブに取り付けられている。
【0027】
第1のセンサが、装置の組立状態で、特にウェブの上方に配置されている。第1のセンサは、代替的にウェブの側方またはウェブの下方に配置されていてもよい。
【0028】
本装置は、エラー有りの特にラベルの形態の物体を自動的に除去し、隙間無く仕上げられたロールを提供する。装置における単一ウェブの処理は、好適には製薬分野における基準値を満たす物体、好適にはラベルロールの、特にエラー無しのロールを製造する。本発明は特に、ウェブ上に固着された物体を含むロールを修正しかつ/または検査する装置であって、この装置は、
a.ウェブをローラから繰り出すローラ機構と、
b.ウェブ上のエラー無しの物体および/またはエラー有りの物体を検出する第1のセンサと、
c.エラー有りの物体を受け入れる不良品受けと、
d.少なくとも1つのエラー無しの物体を受け入れる、ウェブまたは別のウェブ上の受け箇所と、
e.エラー有りの物体を、ウェブから不良品受けへ、転移装置の排出位置において転移させる転移装置であって、排出位置において転移装置は排出中、不良品受けから排出間隔を有しており、エラー無しの物体を、ウェブから受け箇所へ、転移装置の転移位置において転移させるために、転移位置において転移装置が物体の転移中、受け箇所から転移間隔を有している、転移装置と、
f.ウェブを繰り出す前の、ウェブ上の物体の最初の位置を保持する転移装置の巻回位置であって、巻回位置において転移装置は、ウェブ全体またはウェブの設定可能部分の繰出し中に、受け箇所が物体の受け箇所への転移中にとる位置から転移間隔よりも大きな間隔を有しておりかつ不良品受けから排出間隔よりも大きな間隔を有している、巻回位置と、
を有する、装置に関する。
【0029】
転移装置が巻回位置をとる場合には、転移装置のウェブへの係合無しに、ウェブを、転移装置が転移位置または排出位置に向けられている場合よりも迅速に移動させることができ、これにより、物体の処理が加速される。ウェブを、所望の位置、例えばエラー有りの物体まで迅速に繰り出すことができる。転移装置の巻回位置では、ウェブを全体的にまたは部分的にローラから繰り出し、再び巻き取ることができる。このことは、物体の処理の修正と、より良好な検査とを可能にする。物体無しのウェブの区間も、ラインクリアランスを実施するために、転移装置の巻回位置では特に迅速に装置を通って搬送することができる。
【0030】
本装置は、準備動作および保守整備動作の他に、特に以下の動作形式、すなわち:
1.(供給方向および後退方向への)巻回
2.ウェブの検査および/または方向付けを伴う(供給方向および後退方向への)巻回
3.物体の巻回、排出および/または転移ならびにウェブの検査を伴う(供給方向への)ウェブの繰出し
4.物体の巻回、排出および/または転移ならびにウェブの検査を伴う(後退方向への)ウェブの繰出し
5.(供給方向および後退方向への)刷り損じの巻取り
6.(供給方向への)ラインクリアランス式の包装
を有している。
【0031】
発明の好適な実施形態
本装置の1つの好適な実施形態は、転移装置が、特に転移装置の排出位置および/または転移位置においてウェブを送るための、少なくとも1つの転移縁部を有していることを特徴とする。特に、第1の摺動手段および/または第2の摺動手段が、転移縁部として形成されている。転移縁部は、特に楔の形状を有している。転移縁部は、ウェブに進入し、ウェブの曲率を生じさせ、特に、特別に大きな曲率の場合には、鋭角の折曲げ角度を有するウェブの折曲げ部を生じさせる。ウェブ上に固着された、特に接着された物体の、供給方向において前方の端部が、特に折曲げ部の位置で物体の固有剛性に基づきウェブから剥がされ、受け箇所または不良品受けの方向に搬送される。転移間隔および排出間隔は、供給方向における物体の長さよりも小さいため、物体の前方の端部は、物体の後方の端部がウェブから剥がされる前に、受け箇所または不良品受けに到達する。次いで、ウェブの移動により、物体は不良品受けに、またはウェブもしくは別のウェブ上の受け箇所に移される、またはそこに引き渡される。これにより、物体が排出または転移させられる。
【0032】
この実施形態の1つの改良は、転移縁部を排出位置、転移位置および/または巻回位置の間で旋回させる旋回機構を特徴とし、この場合、特に転移縁部は回転盤に形成されており、特に、ウェブは転移縁部の巻回位置では回転盤に沿って延びている。旋回機構は、排出位置、転移位置および/または巻回位置に相当する、転移縁部の様々な向きおよび/または位置を生じさせる。
【0033】
回転盤の回転は、排出位置、転移位置および/または巻回位置に相当する、転移縁部の様々な向きを、省スペースで生じさせる。転移縁部は、巻回位置では特に各物体の転移中、不良品受けおよび/または各受け箇所から離反する方向に向いているため、回転盤は、転移縁部と不良品受けおよび/または受け箇所のこの位置との間に配置されている。この場合、好適には、ウェブは回転盤にわたって延在している。回転盤に沿ったウェブの曲率は連続的に変化しており、この場合、排出時の排出箇所または転移時の転移箇所におけるウェブの曲率に関しては比較的小さな値をとるため、物体がウェブから剥がされることはない。
【0034】
上述した実施形態の1つの改良は、特に転移縁部を巻回位置から転移位置へと旋回させるために、転移縁部が旋回アームに形成されていることを特徴とする。旋回アームは、転移縁部の旋回運動の、より大きな半径を可能にする。転移縁部は、追加的に旋回アームに旋回可能に支持されていてよい。
【0035】
有利には、転移装置は、第1の転移縁部と第2の転移縁部とを有しており、この場合、特に第1の転移縁部は、第2の転移縁部よりも不良品受けの近くに配置されており、第2の転移縁部は、各物体の受け箇所への転移中に各受け箇所がとる位置に、第1の転移縁部よりも近くに配置されている、または各転移縁部は、不良品受けに対して等間隔をあけて配置されている。第1の転移縁部が、不良品受けのより近くに配置されており、かつ第2の転移縁部は、各受け箇所への各物体の転移中に各受け箇所がとる位置のより近くに配置されている実施形態では、第1の転移縁部は、転移装置の排出位置において不良品受けに対して排出間隔をとり、第2の転移縁部は、転移装置の転移位置において各受け箇所に対して転移間隔をとる。各転移縁部が、不良品受けに対して等間隔をあけて配置されている実施形態では、特に排出が、両転移縁部により行われてよい。
【0036】
本装置の好適な構成では、不良品受けは、物体の供給方向において、受け箇所への各物体の転移中の各受け箇所の位置の上流側に配置されている。供給方向でのウェブの供給時に排出および転移が行われる場合、特に排出は、時間的に転移の前に行われる。つまり、そこから物体を転移させるウェブ上の箇所において、ウェブ上にはエラー無しの物体のみが位置している。
【0037】
本装置の1つの別の実施形態は、転移装置の一部として、または物体の供給方向において転移装置の下流側に、調整可能な長さを有する、ウェブの蓄え器区間を通して案内するウェブ蓄え器が配置されていることを想定している。ウェブ蓄え器は、その延在長さを調整可能に形成されているため、ウェブ蓄え器が受け入れるウェブの区間の長さに関するウェブ蓄え器の容量は、可変である。ウェブは、ウェブ蓄え器の下流側で減速または停止することがあり、この場合にはウェブ蓄え器の容量が増大するため、ウェブは、転移装置においてまたは転移装置の下流側でウェブ蓄え器に受け入れられる。つまり、物体の転移時に、ウェブ上の受け箇所への正確な転移を可能にするために、特にウェブを停止させることができる。この場合、ウェブに沿った各物体の転移に際して、受け箇所は、物体の供給方向においてウェブ蓄え器の下流側に配置されている。
【0038】
この実施形態の1つの改良は、ウェブ蓄え器が、少なくとも1つのウェブ蓄え器ローラを有しており、ウェブ蓄え器ローラは、ウェブ蓄え器の作動状態においてウェブに係合することを特徴とする。特に、ウェブ蓄え器ローラは、ウェブ蓄え器の作動状態において、ウェブを押圧する。好適には、ウェブ蓄え器は、複数のウェブ蓄え器ローラを有している。各ウェブ蓄え器ローラは、ウェブ蓄え器の作動時に、特に互いに対して移動し、このとき、各ウェブ蓄え器ローラはウェブに係合する。この場合、ウェブは蛇行状または円弧状に形成されており、ウェブ蓄え器が非作動状態の場合のウェブの延在部に対して横方向の広がりを有している。ウェブ蓄え器ローラの移動が増大することにより、ウェブ蓄え器の容量が増大する。ウェブ蓄え器が非作動状態のとき、ウェブ蓄え器ローラは、好適にはウェブに沿った列の形態で、互いに対向して位置しかつウェブから離間して配置されている。ウェブ蓄え器を作動させるために、列がウェブに対して横方向に移動され、各ウェブ蓄え器ローラが互いに傍らを通過して移動される。
【0039】
有利なのは、第1の供給ローラ、第2の供給ローラ、第1の受容ローラおよび第2の受容ローラであり、この場合、ウェブは第1の供給ローラから繰り出されて第2の受容ローラに巻き取られ、別のウェブは第2の供給ローラから繰り出されて第1の受容ローラに巻き取られる。特に、ウェブ供給部が、第1の供給ローラおよび/または第2の供給ローラを有している。この実施形態では、別のウェブは、ウェブから独立して、固有の速度で移動可能である。別個に繰り出すことができる別のウェブは、ウェブ蓄え器に対する代替手段である。物体は、特に転移に際してウェブから別のウェブに移される。各エラー無しの物体のための受け箇所は、別のウェブ上に位置している。
【0040】
1つの好適な構成は、第1のセンサ、および特に第2のセンサが、物体の供給方向において転移装置の上流側、転移装置のところおよび/または転移装置の下流側および/または受け箇所の上流側および/または受け箇所の下流側に配置されていることを特徴とする。この実施形態は、好適にはウェブに沿って配置された少なくとも1つの第2のセンサを特徴としており、この場合、物体の供給方向において、特に第1のセンサは転移装置の上流側に配置されており、少なくとも1つの第2のセンサは転移装置の下流側に配置されている。第1のセンサが、特に物体におけるエラーを検出するのに対し、第2のセンサはとりわけ、ウェブ上の物体の位置を、特に転移後に確認するために使用される。第1のセンサおよび/または第2のセンサは、それらが転移装置におけるウェブの区間に向けられている場合には、特に転移装置に位置している。第1のセンサおよび/または第2のセンサは、例えば各物体に個別に印を付けるために、特に処理ユニット(下記参照)により物体に印刷が施された後の物体の特徴の検出に用いられる。1つの物体が、第1のセンサおよび/または第2のセンサによりエラー有りと検出された後で、この物体に、特にエラー有りの印を付けることができる。ウェブおよび別のウェブを有する装置の1つの実施形態では、第1のセンサおよび/または第2のセンサは、特に少なくとも1つのエラー無しの物体がウェブから別のウェブに転移させられた後に、特に別のウェブ上の物体の特徴を検出するために用いられる。これは特に、エラー無しの物体の転移前に既に複数の物体が別のウェブ上に固着されている実施形態に関する。
【0041】
さらに、本装置は好適には、装置を制御する制御装置を有している。制御装置は、特に第1のセンサの信号を受信し、好適にはウェブおよび転移装置を外部の設定に相応して制御する。
【0042】
好適には、本装置は、ウェブに沿って配置された少なくとも1つの加工ユニットを有しており、この場合、物体の供給方向において、特に加工ユニットは転移装置の上流側に配置されており、少なくとも1つの別の加工ユニットが転移装置の下流側に配置されている。加工ユニットは、とりわけプリンタまたはポンチとして形成されている。加工ユニットは、特に製薬に使用される物体またはウェブを特に個別に構成するために用いられる。加工ユニットは、貼合わせ、分配、乾燥、レーザ加工、打抜きまたは印刷等の、物体またはウェブを加工する様々なステップに使用することができる。加工ユニットにより印刷することで、特にエラー有りの物体に、エラー有りの印が付けられる。
【0043】
好適には、本装置は、データを記憶しかつ/またはデータを外部データソースと交換するインタフェースを有している。外部データソースは、特にエラー有りの物体とエラー無しの物体とを区別するために、第1のセンサにより供給される情報と比較されるデータを提供する。
【0044】
転移装置を使用して、ウェブ上に固着された物体を修正しかつ/または検査する、特に先行請求項のうちのいずれか1項記載の装置を使用する方法であって、この方法では転移装置を、エラー有りの物体を排出するために転移装置が排出中、第1の摺動手段によりウェブの排出箇所にウェブの排出曲率を生じさせる排出位置に向けることができ、かつ/または、転移装置を、エラー無しの物体を転移させるために転移装置が少なくとも1つのエラー無しの物体の転移中、第2の摺動部材によりウェブの転移箇所にウェブの転移曲率を生じさせる転移位置に向けることができ、このときウェブを、ウェブ供給部を介して供給方向に供給する、方法において、ウェブ全体またはウェブの設定部分の供給中に、転移装置を巻回位置に向け、巻回位置において転移装置は、ウェブの、転移箇所と排出箇所とを含む巻回区間の巻回曲率を生じさせ、このとき巻回曲率の最大値は、排出曲率および転移曲率よりも小さくなっていることを特徴とする。
【0045】
転移装置が巻回位置に向けられている場合には、ウェブを特に迅速に移動させることができる。物体の処理中、ウェブを全体的または部分的に供給しかつ再び供給方向とは反対の方向に移動させることができるため、本方法の実施中に修正が可能である。
【0046】
好適には、転移装置を使用して、ウェブ上に固着された物体を修正する方法であって、この方法では、特に上述した実施形態のうちの1つによる装置を使用して、転移装置を、転移装置が、エラー有りの物体を受け入れる不良品受けから排出間隔を有している排出位置に向けることができ、かつ/または転移装置を、転移装置がエラー無しの物体の転移時に、エラー無しの物体を受け入れるウェブまたは別のウェブ上の受け箇所から転移間隔を有している転移位置に向けることができ、このときウェブをローラから繰り出す、方法において、転移装置は、ウェブ全体またはウェブの設定部分の繰出し中は巻回位置に向けられており、巻回位置において転移装置は、受け箇所への物体の転移中に受け箇所がとる位置から転移間隔よりも大きな間隔をとると共に、不良品受けから排出間隔よりも大きな間隔をとることを特徴とする。
【0047】
転移装置を使用して、ウェブ上に固着された物体を含むロールを修正する、特に上述した実施形態のうちの1つによる装置を使用する方法では、特に転移装置を、転移装置がエラー有りの物体を受け入れる不良品受けから排出間隔を有している排出位置に向け、かつ/または転移装置を、転移装置がエラー無しの物体の転移時に、エラー無しの物体を受け入れるウェブまたは別のウェブ上の受け箇所から転移間隔を有している転移位置に向け、このときウェブをローラから繰り出し、かつ/または転移装置を、ウェブ全体またはウェブの設定部分の繰出し中に巻回位置に向け、巻回位置において転移装置は、受け箇所への物体の転移中に受け箇所がとる位置から転移間隔よりも大きな間隔をとると共に、不良品受けから排出間隔よりも大きな間隔をとる。
【0048】
転移装置が巻回位置に向けられている場合には、ウェブを特に迅速に移動させることができる。物体の処理中、ウェブを全体的または部分的に繰り出しかつ再び巻き取ることができるため、本方法の実施中に修正が可能である。
【0049】
転移装置が巻回位置に向けられている間は、ウェブを供給方向または後退方向に巻くことができる。このとき、物体、特にラベルが転移または排出させられることはない。この場合、ウェブ蓄え器は、好適には非作動状態である。このプロセスは、転移装置が転移位置または排出位置に向けられている場合に比べて高速で行われる。
【0050】
特に、転移時にはウェブを停止させ、これにより、物体を各受け箇所にセットし、このようにしてウェブ上の空白箇所を満たすことができる。物体の排出は、特に一定のウェブ速度で行われる。
【0051】
本方法の有利な実施形態は、第1のセンサが、ウェブ上のエラー無しの物体および/またはエラー有りの物体を検出することを特徴とする。第1のセンサは、特に物体の供給方向において不良品受けおよび/または転移装置の上流側に配置されている。不良品受けおよび/または転移装置の下流側には、第2のセンサが配置されていてよい。
【0052】
上述した構成の1つの改良は、以下の連続するステップ、すなわち:
i.最初にウェブを供給し、このとき転移装置を巻回位置または転移位置に向けるステップと、
ii.第1のセンサがエラー有りの物体を検出するステップと、
iii.引き続き残りのウェブを供給し、このとき転移装置を排出位置および/または転移位置および/または巻回位置に向けるステップと、
を特徴とする。
【0053】
本方法のこの改良では、第1のセンサがエラー有りの物体、特に供給方向において第1のエラー有りの物体を検出するまで、ウェブを特に迅速に繰り出すため、方法が加速させられる。
【0054】
本方法の1つの好適な構成は、連続するステップ、すなわち:
iv.最初にウェブを、全体的または部分的に供給方向とは反対の方向に移動させるステップと、
v.引き続きウェブを、全体的または部分的に供給方向に供給し、このとき転移装置を、排出位置、転移位置および/または巻回位置に向けるステップと、
を特徴とする。
【0055】
ウェブ上の物体は、特にウェブが供給方向とは反対の方向に移動する際に、エラーを検査される。次にウェブを供給する際に、転移または排出が行われる。供給は、特にその都度正確に、エラー有りのラベルを転移装置のところに排出のために位置決めするウェブの長さで行われる。
【0056】
巻回時には、特にエラー有りの物体と、エラー無しの物体とが検出される。供給方向とは反対の方向にウェブが移動した後に、アルゴリズムおよび/または手動入力により、好適には最適化されたまたは適合された選別が決定される。次いで、ウェブの供給時に、基準値に基づく選別が実施される。
【0057】
ウェブの供給方向とは反対の方向にウェブを移動させた後に、物体の、エラー無しまたはエラー有りとしての誤った分類を、転移または排出前に、供給方向においてなお修正することができる。これにより、不良品が減少する。
【0058】
ウェブの供給時にエラー有りの物体が排出されかつ/またはエラー無しの物体を転移させる構成では、転移装置が巻回位置に向けられている場合に、供給方向に対して反対の方向への移動を特に迅速に行うことができる。
【0059】
本方法の1つの改良は、ステップiv)に基づきウェブを移動させる間に、第1のセンサが、ウェブ上のエラー無しの物体および/またはエラー有りの物体を検出し、特に第1のセンサにより検出した物体の特徴を、ステップiv)に基づくウェブの移動時に記憶することを特徴とする。この改良では、ウェブの移動時に第1のセンサにより行われる、物体の、エラー無しの物体とエラー有りの物体とへの区別の正当性を、ウェブの移動後に検査することができる。次いで、供給方向へのウェブの供給時に、エラー有りの物体の排出および/またはエラー無しの物体の転移が行われる。特徴の記憶は、特にインタフェースにおいて行われる。ステップv)では、記憶した特徴に関するデータを、好適にはインタフェースから好適には再び呼び出す。
【0060】
第1および第2の供給ローラならびに第1および第2の受容ローラを備えた装置の実施形態に関連した方法の1つの別の実施形態は、ウェブを、ウェブ上に固着された物体と共に第1の供給ローラから繰り出して第2の受容ローラに巻き取り、このとき転移装置が、エラー有りの物体を排出しかつ/またはエラー無しの物体をウェブから別のウェブに転移させ、別のウェブを第2の供給ローラから繰り出して第1の受容ローラに巻き取り、このとき別のウェブ上には複数の物体が形成されているか、または別のウェブは物体無しで形成されていることを特徴とする。別のウェブ上には、受け箇所の上流側において1つの実施形態では複数の物体が配置されており、または別の実施形態では物体が全く配置されていない。特に、第2の受容ローラは、エラー有りの物体の排出および少なくとも1つのエラー無しの物体の転移後にウェブを巻き取る。別のウェブ上に物体が配置されていない構成では、少なくとも1つのエラー無しの物体が、物体無しの別のウェブ上に転移させられる。別のウェブが複数の物体、特にラベルを有している構成では、好適には少なくとも1つのエラー無しの物体が、別のウェブ上の物体のうちの少なくとも1つに被せられるかまたは載置される。これにより、特に多層のラベルが製造される。
【0061】
本方法の1つの実施形態は、以下のステップ、すなわち:
1.第1のセンサが、ウェブの繰出しおよび/または巻取り時に、エラー有りの物体とエラー無しの物体とを互いに区別することができる、物体の特徴を検出するステップと、
2.制御装置が、特徴に基づく情報を処理し、転移装置を制御するステップと、
3.転移装置が、以下の位置、すなわち、転移位置、排出位置および/または巻回位置のうちの1つをとるステップと、
を有している。
【0062】
本発明のその他の利点は、説明および図面から明らかである。また、上述した特徴および以下でさらに説明する特徴は、それぞれ単独で使用されてよいか、または複数を任意に組み合わせて使用されてもよい。図示して説明する実施形態は、最終的な列挙を意味するものではなく、むしろ本発明の説明のための例示的な特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】ウェブ上に固着された物体を修正する装置の第1の実施形態を概略的に示す図である。
図2】転移位置にある転移装置を備えた、ウェブ上に固着された物体を修正する装置の第1の実施形態を概略的に示す図である。
図3】物体を修正する装置の第2の実施形態を概略的に示す図である。
図4a】転移位置に転移装置の第2の実施形態が設けられている、物体を修正する装置の第3の実施形態を概略的に示す図である。
図4b】排出位置にある転移装置を備えた、物体を修正する装置の第3の実施形態を示す図である。
図4c】巻回位置にある転移装置を備えた、物体を修正する装置の第3の実施形態を示す図である。
図5】第2の実施形態の転移装置を備えた本装置の第4の実施形態を示す図である。
図6】本装置の第5の実施形態を示す図である。
図7】本装置の第6の実施形態を示す図である。
図8】本装置の第7の実施形態を示す図である。
図9】本装置の第8の実施形態を示す図である。
図10】本装置の第9の実施形態を示す図である。
図11】本装置の第10の実施形態を示す図である。
図12】本装置の第11の実施形態を示す図である。
図13】本装置の第12の実施形態を示す図である。
図14】本装置の第13の実施形態を示す図である。
図15】本装置の第14の実施形態を示す図である。
図16】物体を修正する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1には、ウェブ12a上に固着された物体14、特にラベルを修正する装置10が概略的に示されている。ウェブ12aを供給するウェブ供給部8は、第1の供給ローラ18aの形態の巻取り機からウェブ12aを繰り出すローラ機構16を有しており、ローラ機構16は、ウェブ12aを搬送する送りユニット20a,20bを備えている。ウェブ12aは、第1の供給ローラ18aから、ウェブ12aを方向付ける複数の搬送ローラ24に沿って物体14の供給方向VRにおいて第1の受容ローラ22aへと移動する。ウェブ12aに向けられた第1のカメラの形態の第1のセンサ26aは、ウェブ12a上のエラー無しの物体14および/またはエラー有りの物体14の検出に用いられる。供給方向VRにおいて第1のセンサ26aの下流側に配置された不良品受け28において、エラー有りの物体14が排出される。このために、転移装置32の、第1の転移縁部30aを有する第1の摺動手段6aが排出位置34aに向けられており(図4b参照)、排出位置34aにおいて、第1の転移縁部30aは、不良品受け28から排出間隔36a(図4b参照)をあける。不良品受け28は、特にエラー有りの物体を受ける不良品受けウェブを有している(図示せず)。物体14は、第1の転移縁部30aが排出位置34aに位置していると、ウェブ12aから不良品受け28に転移させられる。
【0065】
供給方向VRにおいて第1の転移縁部30aの下流側には、転移装置32の、第2の転移縁部30bを有する第2の摺動手段6bが配置されている。転移装置32の第2の転移縁部30bは、旋回機構38によって転移位置34bへと旋回されてよく(図2参照)。この場合、第2の転移縁部30bは、エラー無しの物体14を受けるウェブ12a上の受け箇所40から転移間隔36b(図4a参照)を有している(図4a参照)。
【0066】
第2の転移縁部30bは、巻回位置34cに位置している。巻回位置34cでは、第1の転移縁部30aが不良品受け28から、排出間隔36a(図4b参照)よりも大きな間隔をあけて配置されており、第2の転移縁部30bは、転移中、受け箇所40の所定の位置42から、転移間隔36b(図4a参照)よりも大きな間隔をあけて配置されている。ウェブ12aは第2の転移縁部30bに沿って滑動し、このときウェブ12aは直線的な延在部を有している。
【0067】
第2の転移縁部30bの下流側には、調整可能な長さを有する、ウェブ12aの蓄え器区間46(図4a参照)を一時的に受け入れるウェブ蓄え器44が配置されている。ウェブ蓄え器44は、ウェブ12aに係合する、複数列に配置された複数のウェブ蓄え器ローラ48を有している。図1に示すように、転移装置32が巻回位置34cに向けられている場合には、ウェブ蓄え器44は非作動状態であり、このときウェブ蓄え器ローラ48はウェブ12aから所定の間隔をあけて配置されている。
【0068】
ウェブ蓄え器44の下流側には、供給方向VRに加工ユニット50、特にプリンタまたはポンチが配置されている。加工ユニット50は特に、ウェブ12aに印刷するために用いられる。加工ユニット50には、供給方向VRにおいて第2および第3のカメラの形態の別のセンサ26b,26cが続いている。第2のカメラによって、特にウェブへの印刷を検査することができ、第3のカメラによって、物体およびウェブの最終的な検査を実施することができる。
【0069】
ウェブ12aの刷り損じ部分、例えばウェブの余分な印刷部分を巻き取るために、刷り損じ巻取り機52が用いられる。供給方向VRにおいて第1の供給ローラ18aの下流側には、第1の継ぎ台54aが配置されている。供給方向VRにおいて第1の受容ローラ22aの上流側には、第2の継ぎ台54bが配置されている。継ぎ台54a,54bは特に、刷り損じ部分をウェブ12aから切り取るか、または追加的なウェブ(図示せず)をウェブ12aに継ぎ合わせるために用いられる。
【0070】
図2には、物体14を修正する装置10が概略的に示されており、転移装置32の第2の転移縁部30bは、旋回機構38によって転移位置34bに旋回させられている。旋回機構38は、特に図2に破線で示す旋回アーム66を有している。この場合、第2の転移縁部30bはウェブ12aに係合しており、これにより、ウェブ12aは鋭角の折曲げ角度または変向角度を有することになる。
【0071】
図3には、物体14を修正する装置10の第2の実施形態が概略的に示されている。この実施形態では、第1の実施形態とは異なり、ウェブ12aが第1の供給ローラ18aから繰り出されて第2の受容ローラ22bに巻き取られる。別のウェブ12bが、第2の供給ローラ18bから繰り出されて第1の受容ローラ22aに巻き取られる。転移に際して、物体14は転移位置の第2の転移縁部30bにより、ウェブ12aから、別のウェブ12b上の受け箇所40へと転移させられる。エラー無しの物体14が、ウェブ12aから別のウェブ12bに移される。
【0072】
図4aには、転移位置34bにある転移装置32の第2の実施形態を備えた装置10の第3の実施形態が概略的に示されている。転移装置32は、ここでは回転盤70aに形成された第1の転移縁部30aを有している。転移縁部30aは、回転盤70aの回転により、排出位置34a(図4b参照)、転移位置34bおよび/または巻回位置34c(図4c参照)に向けられる。転移縁部30aは、楔の形状を有している。転移縁部30aは、ウェブ12aに進入し、ウェブ12aを押圧し、ウェブ12aの転移箇所88に、特に鋭角の折曲げ角度を有する折曲げ部の形態の転移曲率94を生じさせる。ウェブ12a上に固着された、特に接着された物体14の、供給方向VRにおいて前方の端部が、折曲げ部の位置で転移曲率94と物体14の固有剛性とに基づきウェブ12aから剥がされ、受け箇所40の方向に搬送される。転移縁部30aと受け箇所40との間の転移間隔36bは、供給方向VRにおける物体14の長さよりも小さいため、物体14の前方の端部は、物体14の後方の端部がウェブ12aから剥がされる前に、受け箇所40に到達する。次いで、ウェブ12aの移動により、物体14は、ウェブ12a上の受け箇所40に移される。これにより、物体14は転移する。
【0073】
ウェブ12aの蓄え器区間46を受け入れる転移装置32のウェブ蓄え器44は作動状態にあり、ウェブ蓄え器44は、いくつかの実施形態では作動機構86によって作動状態にされる。代替的に、ウェブ蓄え器44は、例えば自重によって作動してもよい。ウェブ蓄え器44の列状に配置されたウェブ蓄え器ローラ48は、互いにずらされてウェブ12aに係合しており、これにより、ウェブ12aは蛇行状に形成されている。
【0074】
図4bには、排出位置34aにある転移装置32を備えた装置10の第3の実施形態が示されている。転移縁部30aは不良品受け28に向けられており、不良品受け28から、供給方向VRにおける物体14の長さよりも小さな排出間隔36aをあけている。ウェブ12aは、排出位置34aにある転移縁部30aにより、排出箇所90に、特に鋭角の折曲げ角度を有する折曲げ部の形態の排出曲率96を有している。エラー有りの物体14の、供給方向VRにおいて前方の端部は、これらが折曲げ部に到達して不良品受け28に移動するときに、折曲げ角度のところでウェブ12aから剥がされる。前方の端部はそれぞれ不良品受け28に付着し、エラー有りの物体14はそれぞれ、供給方向VRにおけるウェブ12aの移動により、不良品受け28に移される。これにより、エラー有りの物体14は排出される。ウェブ蓄え器ローラ48は、ウェブ蓄え器44の容量を変更するために、供給方向に対して垂直な横方向TRに移動可能である。
【0075】
図4cには、巻回位置34cにある転移装置32の第2の実施形態を備えた装置10の第3の実施形態が示されている。転移縁部30aは、不良品受け28と、各物体14の受け箇所40への転移中に各受け箇所40が占める位置42(図4a参照)とから離反する方向に向けられている。回転盤70aは、転移縁部30aと不良品受け28との間と、転移縁部30aと受け箇所40の位置42との間とに配置されている。ウェブ12aは、巻回区間92において回転盤70に当接している。巻回区間92の巻回曲率98は、回転盤70aに沿って変化する。特に、巻回曲率98は、排出時の排出曲率96および転移時の転移曲率94(図4a、図4b参照)よりも小さな値をとるため、物体14がウェブ12aから剥離されることはない。転移縁部30aは、ウェブ12aの繰出し中、各物体14の受け箇所40への転移中に各受け箇所40が占める位置42(図4a参照)から、転移間隔36b(図4a参照)よりも大きな間隔DAUを有しており、かつ不良品受け28から、排出間隔36a(図4b参照)よりも大きな間隔DSTを有している。
【0076】
図5には、第2の実施形態の転移装置32を備えた装置10の第4の実施形態が示されている。ウェブ12aは、第1の供給ローラ18aから供給方向VRに第1の受容ローラ22aへ繰り出される。転移装置32は、ウェブ蓄え器44を備えて形成されている。物体14の供給方向VRにおいて転移装置32の上流側には、第1のセンサ26aが配置されている。転移装置32の上流側の第1のセンサ26aは、物体14のエラーの有無の検査を実施する。制御装置76が装置10を制御する。特に、制御装置76は、第1のセンサ26aの信号に基づき、転移縁部30aを、エラー無しの物体14を転移させる転移位置34bまたはエラー有りの物体14を排出する排出位置34a(図4a、図4b参照)へと旋回させる。図5には、転移位置34bにある転移縁部30aが示されている。搬送ローラ24は、ウェブ12aをガイドするために用いられる。
【0077】
図6には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、制御装置76と、第1のセンサ26aとを備えた装置10の第5の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、転移装置32の下流側には第2のセンサ26bが配置されている。転移装置32の下流側の第2のセンサ26bは、転移後または排出後の物体14の検査を実施し、特に、ウェブ12a上のエラー無しの物体14の位置が正しいか否かと、エラー有りの物体14が排出されたか否かと、を検査する。第2のセンサ26bにより、最終的な確認が実施される。
【0078】
図7には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、制御装置76と、第1のセンサ26aとを備えた装置10の第6の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、転移装置32は、回転盤70aに形成された第1の転移縁部30aに加えて、別の回転盤70bに形成された第2の転移縁部30bを有している。
【0079】
第1の転移縁部30aは、第2の転移縁部30bよりも不良品受け28の近くに配置されている。第2の転移縁部30bは、各物体14の受け箇所40への転移中、第1の転移縁部30aよりも、ウェブ12a上の各受け箇所40の位置42の近くに配置されている。第1のセンサ26aは、第1の転移縁部30aの上流側に配置されている。排出は、第2の転移縁部30bを介した転移前に、第1の転移縁部30aを介して行われる。転移装置32の転移および排出の機能は、第1の転移縁部30aと第2の転移縁部30bとに分けられており、これにより、各物体14の受け箇所40への転移中、不良品受け28と、各受け箇所40の位置42とを、よりフレキシブルに配置することができる。転移装置32の各機能の構造的な分離は、両転移縁部30a,30bの間で行われる。
【0080】
図8には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第7の実施形態が示されている。第6の実施形態とは異なり、転移装置32の第1の転移縁部30aと第2の転移縁部30bとは、不良品受け28に対して等間隔をあけて配置されている。第2の転移縁部30bは、第1の転移縁部30aに対向して位置している。両転移縁部30a,30bは、エラー有りの物体14の排出に使用することができる。
【0081】
図9には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第8の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、装置10はウェブ12aの他に、別のウェブ12bを有している。ウェブ12aは、第1の供給ローラ18aから繰り出されて第2の受容ローラ22bに巻き取られる。別のウェブ12bは、第2の供給ローラ18bから繰り出されて第1の受容ローラ22aに巻き取られる。転移時に、その都度少なくとも1つのエラー無しの物体14が、転移縁部30aによって、転移位置34bにおいて、ウェブ12aから別のウェブ12b上の受け箇所40へと転移させられる。エラー無しの物体14が、ウェブ12aから別のウェブ12bに移される。別のウェブ12bは、特にウェブ蓄え器44(図1を参照)を代替する。別のウェブ12bは、特に多層ラベルの製造に使用することができる。
【0082】
図10には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第9の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、装置10は、第1および第2の加工ユニット50a,50bを有している。第1の加工ユニット50aは、供給方向VRにおいて不良品受け28の上流側に配置されており、第2の加工ユニット50bは、供給方向VRにおいて転移装置32の下流側に配置されている。加工ユニット50a,50bは、貼合わせ、分配、乾燥、レーザ加工、打抜きまたは印刷等の、物体14またはウェブ12aを加工する様々なステップに使用することができる。
【0083】
図11には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第10の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、装置10は、特にデータを外部データソース(図示せず)と交換するためのインタフェース82を有している。外部データソースは、特にエラー有りの物体14とエラー無しの物体14とを区別するために、第1のセンサ26aにより供給される情報と比較されるデータを提供する。インタフェース82を介して、上流手順のデータを使用することもできる。
【0084】
図12には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第11の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、この実施形態では第1のセンサ26aは供給方向VRにおいて転移装置32の下流側に配置されている。ウェブ12aは、特に後退方向RRにおいて供給方向VRとは逆方向に移動し、このとき第1のセンサ26aが、物体14のエラーを検査する。次いで、ウェブ12aは供給方向VRに供給され、このときエラー無しの物体14は転移させられ、エラー有りの物体14は排出される。
【0085】
図13には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第12の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、装置10は転移装置32のところに加工ユニット50aと、供給方向VRにおいて加工ユニット50aの下流側に配置された第2のセンサ26bとを有している。加工ユニット50aは、ウェブ12aに印刷するために、例えば所定の番号を付与するために、特にプリンタとして形成されている。加工ユニット50aは、ウェブ12aを個別化する。下流側に配置された第2のセンサ26bは、ウェブ12aの正しい印刷を検査する。
【0086】
図14には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第13の実施形態が示されている。第4の実施形態とは異なり、装置10は転移装置32のところに、ウェブ12aに対して互いに対向して位置するように配置された第2のセンサ26bと第3のセンサ26cとを有している。センサ26b,26cは、特にウェブ12aの表側および裏側の汚れ、欠陥、または光学的に検出可能なその他の特徴、例えば透明なウェブ12a上の汚点等を検査する。次いでこれらの情報は、物体14の誤った分類を回避するために、不良品受け28または転移装置32の下流側のセンサ(図示せず)によっても利用することができる。
【0087】
図15には、第1の供給ローラ18aと、第1の受容ローラ22aと、第1のセンサ26aと、制御装置76とを備えた装置10の第14の実施形態が示されている。第15の実施形態とは異なり、装置10は別のウェブ12bを有しており、この場合、ウェブ12aは第1の供給ローラ18aから第2の受容ローラ22bへ繰り出され、別のウェブ12bは第2の供給ローラ18bから第1の受容ローラ22aへ繰り出される。エラー無しの物体14が、ウェブ12aから別のウェブ12bに転移させられる。別のウェブ12bの汚れまたは欠陥を検査するために、第2のセンサ26bと第3のセンサ26cとが別のウェブ12bに対して互いに対向して位置するように配置されている。
【0088】
図16には、転移装置32を使用して、ウェブ12上に固着された物体14を修正する方法100が概略的に示されており、この方法100では、転移装置32を、エラー有りの物体14を排出するために転移装置32が排出中、特に第1の摺動手段6aによりウェブ12aの排出箇所90にウェブ12aの排出曲率96を生じさせる排出位置34aに向けることができ、かつ/または、転移装置32を、特に上述した実施形態のうちの1つによる装置10を使用してエラー無しの物体14を転移させるために転移装置32が少なくとも1つのエラー無しの物体14の転移中、特に第2の摺動部材6bによりウェブ12aの転移箇所88にウェブ12aの転移曲率94を生じさせる転移位置34bに向けることができる。第1のステップ102では、ウェブ12aを、ウェブ供給部(8)を介して供給方向(VR)に供給する。第2のステップ104では、ウェブ12a全体またはウェブ12aの設定部分の繰出し中に、転移装置32を巻回位置34cに向け、巻回位置34cにおいて転移装置32は、ウェブ12a全体またはウェブ12aの設定可能部分の供給中に、ウェブ12aの、転移箇所88と排出箇所90とを含む巻回区間92の巻回曲率98を生じさせ、このとき、巻回曲率98の最大値は、排出曲率96および転移曲率94よりも小さくなっている。
【0089】
図面の全ての図をまとめると、本発明は、ウェブ12a上に固着された物体14を修正する装置10に関する。ウェブ供給部8が、供給方向VRにウェブ12aを供給する。装置10のセンサ26aが、ウェブ12a上の物体14のエラーの有無の検出に用いられ、このときエラー無しの物体14は、設定された選出基準を満たしており、エラー有りの物体14は、これを満たしていない。装置10は、転移位置34bにおいて、少なくとも1つのエラー無しの物体14を、ウェブ12a上または別のウェブ12b上の受け箇所40に移すように形成された転移装置32を有している。転移装置32はさらに、排出位置34aにおいてエラー有りの物体14を不良品受け28に移すように形成されている。排出位置34aにおいて転移装置32は、エラー有りの物体14を排出するために、排出中、特に第1の摺動手段6aにより、ウェブ12aの排出曲率96を、ウェブ12aの排出箇所90に生じさせる。転移位置において転移装置32は、エラー無しの物体14を転移させるために、物体14の転移中、特に第2の摺動手段6bにより、ウェブ12aの転移曲率94を、ウェブ12aの転移箇所88に生じさせる。装置10は、ウェブ12a全体またはウェブ12aの一部の供給中に転移装置32が旋回可能な、転移装置32の巻回位置34cを特徴としており、巻回位置34cにおいて転移装置32は、ウェブ12aの、転移箇所88と排出箇所90とを含む巻回区間92の巻回曲率98を生じさせ、このとき、巻回曲率98の最大値は、排出曲率96および転移曲率94よりも小さくなっている。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】