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特表2023-548438繊維からなるリムを有する複合板紙容器、およびそのような容器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(54)【発明の名称】繊維からなるリムを有する複合板紙容器、およびそのような容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/30 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B65D3/30 A BRH
B65D3/30 BSE
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551643
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 SE2021051009
(87)【国際公開番号】W WO2022093089
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】2051256-2
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523150923
【氏名又は名称】ジーピーアイ システムズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ラングレン グッドマン,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】ゲゼリウス,ジオリ
(57)【要約】
本願の複合板紙容器は、底端において閉止される管状体を備え、管状体は管状体の上端における容器上部開口部と反対側の容器底部開口上に位置し、管状体は容器本体の内部に面する内面と、容器本体の内部とは反対側を向く外面とを有し、管状体は長手方向に延在し、複合容器は容器上部開口部および/または容器底部開口部を取り囲むリムを備え、リムはその接続部において管状体の端縁に沿って管状体の端部分に取り付けられる。前記リムの接続部は遠位端を有し、リムは、針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を含む成形リムであり、管状体は、カートン基材層と熱可塑性溶着層とを有する積層シート材料から作られ、管状体は溶接によってリムの接続部に接続され、リムの遠位端は管状体の長手方向距離に見て、管状体の端縁から少なくとも4ミリメートル、任意的に4ミリメートルから50ミリメートルの範囲内の位置に接続され、複合板紙容器の製造方法にも関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク固形物用の複合板紙容器(1)であって、前記複合板紙容器(1)は、底端(3)において閉止される管状体(2)を備え、前記管状体(2)は前記管状体(2)の上端(6)における容器上部開口部(5)と反対側の容器底部開口(4)上に位置し、前記管状体(2)は、前記容器本体(2)の内部に面する内面(7)と、前記容器本体(2)の内部とは反対側を向く外面(8)とを有し、前記管状体(2)は長手方向(L)に延在し、前記複合容器(1)は前記容器上部開口部(5)および/または前記容器底部開口部(4)を取り囲むリム(9)を備え、リム(9)は、リム(9)の接続部(11)において管状体(2)の端縁(12)に沿って管状体(2)の端部分(10)に取り付けられ、前記リム(9)の接続部(11)は遠位端(11a)を有し、前記リム(9)は、針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を含む成形リム(9)であり、管状体(2)は、カートン基材層と熱可塑性溶着層(14)とを有する積層シート材料(8)から作られ、管状体(2)は、溶接によってリム(9)の接続部(11)に接続され、前記リムの遠位端(11a)は、前記管状体(2)の長手方向距離(L)に見て、前記管状体の端縁(12)から少なくとも4mm、任意的に4mmから50mmの範囲内の距離に位置に接続されることを特徴とする複合板紙容器(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の複合板紙容器(1)であって、前記リム(9)は内側リム(9a)であり、複合板紙容器(1)はパルプ繊維を含む成形蓋部品である蓋部品を備え、これにより針葉樹パルプ繊維などの蓋部品が外側リム(9b)と蓋部(9c)を含み、外側リム(9b)と蓋部(9c)が一体成形され、外側リム(9b)はヒンジ部(9d)を介して蓋部(9c)に接続されており、外側リム(9b)は内側リム(9a)に接続可能である複合板紙容器(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の複合板紙容器(1)であって、複合板紙容器(1)には、プラスチック製の縁部品、蓋部品、または底部品などのプラスチック部品が含まれない複合板紙容器(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、前記リム(9)は、0.2から1.5kg/dmの範囲内、任意的には0.2から1kg/dmの範囲内の、任意的に0.4から0.8kg/dmの範囲内の密度を有する複合板紙容器(1)。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、前記リム(9)は、第1側壁部および第2側壁部(13a、13b)と、前記管状体(2)の端縁(12)に対向する底部(13c)とを備えるU字形または四角エッジのU字形トラック部分(13)を備え、前記底部(13c)と前記第1側壁部(13a)との間の抜き勾配(a)は0度から10度の範囲内であり、任意的には0度から5度の範囲内である複合板紙容器(1)。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、前記リム(9)は、前記第1側壁部と、前記管状体(2)の端縁(12)に対向する底部とを備えるL字形接続部を備え、前記底部と前記第1側壁部との間の抜き勾配(a)は、0度から10度の範囲内であり、任意的には0度から5度の範囲内である複合板紙容器(1)。
【請求項7】
請求項5または6に記載の複合板紙容器(1)であって、前記リム(9)は、前記第1側壁部(13a)から延在するガイド側壁部(13d)を備え、前記ガイド側壁部は、前記管状体(2)の前記端縁(12)から前記管状体の前記長手方向(L)に見て、前記管状体(2)への距離が増加する傾斜壁部である複合板紙容器(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、熱可塑性溶着層(12)は、ポリエチレン層を備える、またはポリエチレン層からなる複合板紙容器(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、前記熱可塑性溶着層(12)は、前記ラミネートシート素材において、少なくとも15g/m、例えば20g/mから160g/mの範囲内、任意的には35g/mから140g/m、または40g/mから120g/mの坪量を有する複合板紙容器(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の複合板紙容器(1)であって、前記ラミネートシート材料(8)は金属箔層を含む複合板紙容器(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバルク固形物用の複合板紙容器(1)を作る方法であって、前記方法は、
カートン基材層および熱可塑性溶着層(14)を含む板紙積層シート材料(2”)を管(2’)に曲げるステップa)であって、管(2’)は長手方向(L)と、前記長手方向(L)に垂直な半径方向(R)とを有し、板紙材料(2’)の重なり合うまたは隣接する側縁部(16、17)を結合することによって管(2’)を長手方向(L)に閉じて、それによって前記管状体(2)を形成し、前記管状体(2)は、管状体(2)の内部に面する内面(7)と、前記管状体(2)の内部とは反対側を向く外面(8)とを有するステップa)と、
前記管(2)に所定の断面形状を与えるステップb)と、
前記管状体(2)の上端(6)の容器上部開口部(5)の反対側の容器底部開口部(4)の上の底端部(3)で前記管状体(2)を閉じるステップc)と、
d)針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を成形型(15)に供給し、それによってパルプ繊維を含む三次元形状の遠位端(11a)を有する接続部(11)を含むリム構成要素(9)を形成するステップd)と、
前記リム(9)が容器上部開口部(5)および/または容器底部開口部(4)を取り囲むように、管状体(2)の端縁(12)に沿って管状体(2)の端部(10)にリム(9)を設け、それによりリム接続部(11)の先端縁(11a)が管状体の端縁(12)から少なくとも4mmの範囲内、任意的に管状体(2)の長手方向(L)に見て、4mmから50mmの範囲内に位置するようにするステップe)と、
管状体(2)の端部(10)に、立体的に形成された容器部品(3)の接続部(11)を溶接により取り付けて複合板紙容器(1)を形成するステップf)と、を備える方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ステップd)は、U字形または四角エッジのU字形トラック部分(13)を備えるリム(9)を形成することを含み、前記U字形または角エッジのU字形トラック部分(13)は、第1側壁部および第2側壁部(13a、13b)および底部(13c)を備え、前記ステップe)は、底部(13c)が管状体(2)の端縁(12)に面するようにリム(9)を配置することを含む方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記リム(9)は、前記第1側壁部と、前記管状体(2)の前記端縁(12)に面する底部とを備えるL字形接続部を備え、前記底部と前記第1側壁部との間の抜き勾配(a)は、0度から10度の範囲内であり、任意的には0度から5度の範囲内である方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の方法であって、底部(13c)と第1側壁部(13a)との間の抜き勾配(a)は、0度から10度の範囲内であり、任意的には0度から5度の範囲内である方法。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか一項に記載の方法であって、前記リム(9)は、0.2から1.5kg/dmの範囲内、任意的には0.2から1kg/dmの範囲内の、任意的に0.4から0.8kg/dmの範囲内の密度を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合板紙容器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳児用ミルク、タバコ、洗剤などの製品の使い捨て容器の分野では、容器をリサイクル可能にすることは言うまでもなく、使い捨て容器の資源使用を最小限に抑えことにより、そのような製品の二酸化炭素排出量を削減することが継続的に必要とされている。本明細書で言及される使い捨て容器は、カートン層、すなわち主にセルロース系繊維から作られた層を含む積層シート材料から作られた管状体を有する複合容器である。特定の容器では、容器の上端と下端に、包装容器の端に接続されたプラスチックリムが含まれている。これにより、包装容器に快適できちんとした外観が与えられ、容器の上部または底部の耐摩耗性も向上する。プラスチック部品を含まない容器を提供するために、容器の上部および/または底部を、管状体の折り畳まれた端部から作製してもよい。しかし、そのような包装容器の外観は、包装容器の底端部の魅力が若干劣り、耐摩耗性も劣る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
紙ベースの材料は、形状安定性が低く、プラスチック部品に比べて損傷や摩耗に対する耐性が低いと考えられてきたため、従来、板紙容器のカバーやリムの製造にはあまり適していないと考えられてきた。また、リムと容器の蓋との間をしっかりと密閉したりすることは言うまでもなく、そのような構成要素を板紙製の容器本体にきつく取り付けることは困難であった。
【0004】
したがって、包装された商品の耐久性や包装の安全性を犠牲にすることなく、リサイクル可能性が改善された食品などのデリケートな商品のさらなる包装を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、請求項1に記載の複合板紙容器および請求項11に記載の複合板紙容器の製造方法によって達成することができる。本発明のさらなる利点および有利な特徴は、以下の説明および従属請求項に開示される。
【0006】
第1の態様によれば、本開示は、バルク固体用の複合板紙容器に関する。複合板紙容器は、管状体の上端にある容器上部開口部の反対側の容器底部開口部の上で下端が閉じられている管状体を備えている。管状体は、容器本体の内部に面する内面と、容器本体の内部とは反対側を向く外面とを有する。管状体は長手方向に延在する。複合容器は、容器上部開口部および/または容器底部開口部を取り囲むリムを備える。リムは、管状体の端縁に沿ってリムの接続部で管状体の端部に取り付けられる。リムの接続部は遠位端を有する。管状体は、カートン基材層と熱可塑性溶着層とを含む積層シート材料から作られる。リムは、針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を含む成形リムである。管状体の端部をリムの接続部に溶接することにより、管状体とリムとが接続される。接続部の先端縁は、管状体の長手方向に見て、管状体の端縁から少なくとも4mmの距離に位置している。
【0007】
リムは、パルプ繊維を含む成型リムであり、成型リムは、針葉樹パルプ繊維などの95%から100%のパルプ繊維、任意的に、未使用針葉樹パルプ繊維、任意的には98%から100%のパルプ繊維から構成されてもよい。成形トレイやブリスター、成形またはエンボス加工された箱などの成形用途のために開発されたそのような材料の例は、例えば、ビラルドグラデン(Billerud Gruvdn)においてBillerud FibreForm(登録商標)として販売されている。同様の材料は、モンディ(Mondi)から入手可能な易成形紙である。
【0008】
複合板紙容器の管状体は、カートン基材層と内側熱可塑性溶着層とを含む積層シート材料から作られる。本開示が関連する複合板紙包装容器は、湿気に敏感なバルク固体を保管することを目的としているが、通常は、冷蔵庫など冷却された空間で保管することを目的としておらず、ポリエチレンなどの外側高分子樹脂層は必要ない。しかしながら、このタイプの複合板紙容器の管状体には、耐摩耗性を高め、見た目に美しい包装容器を提供するために、ワニスなどの外側コーティング組成物が設けられることが多い。
【0009】
包装された商品の耐久性や包装の安全性を犠牲にすることなく、リサイクル可能性が向上した食品などのデリケートな商品の包装を提供することが望まれている。しかし、リムはパルプ繊維を含む成型リムであるため、従来のプラスチック製リムに比べて構造の柔軟性が低く、表面がより不規則になる可能性があり、これによりリムと管状板紙本体との間の密閉性が低下する可能性がある。これにより、空気および/または湿気が管状体とリムとの間の空間に侵入する危険性があるため、包装された商品の耐久性または包装の安全性が低下する可能性がある。しかしながら、驚くべきことに、本発明者は、管状体の端縁から長手方向に少なくとも4mm延在する接続部を備えたリムを設け、このリムを内層が設けられた管状体に溶接することによって、熱可塑性の溶着層により、食品などのデリケートな商品の包装を可能にする満足のいく密閉性を達成しながら、容易にリサイクル可能な容器の底部または上部の容器端に整った外観を提供することができる。接続部を有するリムは、管状体の端縁から長手方向に少なくとも4mm、任意的には管状体の端縁から長手方向に4mmから50mm延在することが判明した。任意的には、管状体の端縁から長手方向に5mmから40mmの部分は、リムの最も脆弱な部分、すなわち、リムの最も脆弱な部分、たとえば接続箇所の支持を提供する管状体壁によって、リムの形状安定性を強化する。
【0010】
リムは管状体の端部に取り付けられ、管状体の端部は容器上部開口部の周囲または容器底部開口部のいずれかにあってもよい。複合板紙容器は、容器上部開口部と容器底部開口部の両方の周囲に本開示によるリムを備えることができる。
【0011】
リムは内側リムであってもよく、複合板紙容器はさらに蓋コンポーネントを含んでもよい。蓋コンポーネントは、針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を含む成型された蓋コンポーネントであってもよく、内側リムと同じ材料から同じ方法で作られてもよい。蓋コンポーネントは、蓋部と外側リムとを含んでもよく、外側リムと蓋部は一体成形され、ヒンジ部を介して互いに接続されてもよい。外側リム部は内側リムに接続可能である。外側リム構成要素は、スナップオン接続、スライドイン接続などによって内側リムに機械的に接続されてもよい。
【0012】
あるいは、リムは、リムおよび蓋コンポーネントの一部であってもよく、リムおよび蓋コンポーネントのリム部分および蓋部は、一体成形されてもよく、リム部分は、ヒンジ部分を介して蓋部に接続され、ここで、リム部分は管状体に溶接されている。
【0013】
リムは、第1接続部を介して管状体の内面または外面のいずれかに接続され得る。第1接続部は、管状体の全周に亘って延在する周方向接続部である。第1接続部は、管状体の端部全体に沿って、管状体の内面および/または外面に接続されている。
【0014】
リムには、管状体に面する表面上に熱可塑性層を設けることができる。熱可塑性樹脂層は表面の凹凸が少ないリムを提供し、これにより密閉性が向上し、包装された商品の耐久性や包装された商品の安全性が向上します。
【0015】
板紙包装容器には、上端部のリムから離れた位置において管状体の内面に取り付けられた内部輸送用閉鎖部が設けてもよい。輸送用閉鎖部は完全にまたは部分的に取り外し可能な閉鎖部であってもよい。完全にまたは部分的に取り外し可能な輸送用閉鎖部は、気密性またはガス透過性であってもよい。気密封止部は、輸送用封止部によって画定されるコンパートメントの気密封止を提供するに適した、例えばアルミニウム箔、シリコン被覆紙、プラスチックフィルム、またはそれらの積層体などの任意の材料または材料の組み合わせから製造してもよい。包装容器内に保管されるバルク固体が空気および/または湿気に敏感であり、包装されたバルク固体が周囲空気と接触するのを避けることが望ましい場合、気密輸送用閉鎖部は有利である。輸送用閉鎖部は取り外し可能な閉鎖部であるため、複合板紙容器のリサイクル性に影響を与えない。
【0016】
複合板紙容器は、プラスチック製の縁部品、蓋部品、または底部品などのプラスチック部品を含まなくてもよい。したがって、このような複合板紙容器により、使用者は最初にプラスチック部品を管状体から分離することなく容器をリサイクルすることができる。
【0017】
リムは、0.2から1.5kg/dmの範囲内の、任意的に0.2から1kg/dmの範囲内の、任意的に0.4から0.8kg/dmの範囲内の密度を有してよい。本開示のリムは成形リムであるため、構造的耐久性、好ましくはプラスチックリムと同様の構造的耐久性を有する必要がある。内側リム構成要素および外側リム構成要素などの追加のリム部品に接続されるリム構成要素の場合、リム構成要素はある程度の柔軟性を有し、構造的に安定である必要がある。
【0018】
リムは断面図に示されているように、対向する壁部である第1側壁部および第2側壁部と、管状体の端縁に面する底部とを備える、U字形または四角エッジのU字形のトラック部分を備えることができる。管状体のこと。底部と第1側壁部との間の抜き勾配は、0度から10度の範囲内であってもよく、任意的には0度から5度の範囲内であってもよい。管状体壁は板紙ブランクと、それゆえに薄い長方形の断面により形成されるので、0度から10度の範囲内の抜き勾配、または0度から5度の範囲内の抜き勾配によって、管状体、底部および第1側壁部との間にしっかりと嵌ることが可能になる。これにより、梱包された商品の耐久性と梱包の安全性が向上する。
【0019】
第1側壁部と第2側壁部との間の距離は、第1側壁部および第2側壁部全体に沿って3mm未満で変化させてもよい。これは、第1側壁部と第2側壁部とが一定の距離を有することを意味する。したがって、第1側壁部および第2側壁部は、管状体の内面および外面とよく整列し、したがって、管状体とリムの第1側壁部および第2側壁部との間にわずかな隙間しか残らない。
【0020】
リムは断面図に示されるように、第1側壁部と管状体の端縁に面する底部とを備えるL字形の接続部を備えることができる。リムはL字形の断面を有していてもよい。底部と第1側壁部との間の抜き勾配は0度から10度の範囲内、または0度から5度の範囲内である。第1側壁部は管状体の内面に当てられてもよく、第1側壁部はリムの接続部に対応する。これにより、L字型接続部と管状体端部分との間の緊密な嵌合が促進され、包装された商品の耐久性および包装の安全性が向上する。
【0021】
リムは第1接続部から、例えば第1側壁部から延在する案内側壁部を備えることができる。誘導側壁部は、第1接続部よりも管状体までの距離が大きい部分である。ガイド側壁部は管状体の端縁から管状体の長手方向に見て、管状体への距離が大きくなる傾斜壁部であってもよい。リムはパルプ繊維から作られているため、その構造はプラスチック製のリムよりも壊れやすく、柔軟性が低い可能性があり、さらにリムと管状板紙本体との間の摩擦が大きくなる可能性がある。リムを管状体に取り付ける際にリムまたはエッジ部分を損傷する危険性を低減するために、リムは第1側壁部から延在するガイド側壁部を備えさせてもよい。これは、リムが管状体の端部が挿入されるU字形または角エッジU字形のトラック部分を備える場合に有利となる。
【0022】
管状体は、ラミネートシート素材において、少なくとも15g/m、例えば20g/mから160g/mの範囲内、任意的には35g/mから140g/m、または40g/mから120g/mの坪量を有する。本発明者らは、熱可塑性溶着層のそのような坪量により、パルプ繊維を含むリムとの溶着が強化されることが判明した。従来、リムはプラスチックリムであり、したがって、プラスチックリムと熱可塑性溶着層を含む板紙容器との間の溶着が容易になる。しかし、熱可塑性溶着層がそのような坪量を有する場合、本発明による管状体とリムとの間の耐久性および耐湿性を備えた改善されたシールが達成される。
【0023】
熱可塑性溶着層は、ポリエチレン層を含んでもよく、またはポリエチレン層からなってもよい。
【0024】
熱可塑性溶接層は、その中に分散された金属粉末または金属化ポリマーを含んでもよい。
【0025】
ラミネートシート材料は、アルミニウム箔などの金属箔層を含んでもよい。金属箔層は、カートン基材層と熱可塑性溶着層との間に配置されてもよい。熱可塑性接着層などの接着層を金属箔層とカートン基材層との間に配置してもよい。金属箔層は、5マイクロメートル~30マイクロメートル、例えば5マイクロメートルから15マイクロメートル、例えば5.5マイクロメートルから6.5マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0026】
本明細書に開示される複合包装容器に使用され得るラミネート本体シート材料は、以下に開示される必須の構造カートン基材層および内側熱可塑性溶着層f)に加えて、1つまたは複数の層を含み得る。積層体シート材は、外側から内側に向かって順に以下のような構造を有することができる。
a)ラッカーなどのオプションのポリマーコーティング、
b)選択的な印刷層および/または着色層
c)カートン基材層
d)任意のポリマー結合層、例えば、ポリエチレン(PE)層
e)任意のバリア層、例えば、アルミニウム(Al)箔バリア層
f)内側の熱可塑性溶着層、たとえばポリエチレン(PE)層。内側の熱可塑性溶着層は、ポリエチレン(PE)層と低密度ポリエチレン(LDPE)層などの2つ以上の副層で構成されていてもよい。副層は、共押出されて内側ポリマー層を形成してもよく、または一緒に積層される別個のフィルムとして形成されてもよい。
【0027】
第2の態様によれば、本開示は、請求項1から3までのいずれか一項に記載のバルク固体用複合板紙容器を製造する方法に関し、その方法は、以下を備える。
ステップa) カートン基材層および熱可塑性溶着層を含む板紙積層シート材料を管に曲げ、管は長手方向と、前記長手方向に垂直な半径方向とを有し、板紙材料の重なり合うまたは隣接する側縁部を結合することによって管を長手方向に閉じて、それによって前記管状体を形成し、前記管状体は、管状体の内部に面する内面と、前記管状体の内部とは反対側を向く外面とを有する
ステップb) 前記管に所定の断面形状を与える
ステップc) 前記管状体の上端の容器上部開口部の反対側の容器底部開口部の上の底端部で前記管状体を閉じる
ステップd) 針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を成形型に供給し、それによってパルプ繊維を含む三次元形状の遠位端を有する接続部を含むリム構成要素を形成する
ステップe) 前記リムが容器上部開口部および/または容器底部開口部を取り囲むように、管状体の端縁に沿って管状体の端部にリムを設け、それによりリム接続部の先端縁が管状体の端縁から少なくとも4mmの範囲内に位置するようにするステップe)
ステップf) 管状体2の端部に、立体的に形成された容器部品の接続部を溶接により取り付けて複合板紙容器を形成する
【0028】
この方法では、ステップd)が第1側壁部および第2側壁部と底部とを備えるU字形または四角エッジのU字形のトラック部分を含むようにリムを形成するステップを含むことを含んでもよく、ステップe)は底部が管状体の端縁に面するようにリムを配置することを含む。
【0029】
底部と第1側壁部との間の抜き勾配は、0度から10度の範囲内であってもよく、任意的には0度から5度の範囲内であってもよい。
【0030】
第1側壁部と第2側壁部との間の距離は、第1側壁部および第2側壁部に沿って3mm未満で変化させてもよい。これは、第1側壁部と第2側壁部がそれらの間に一定の距離を有し、したがって管状体の内面および外面と整列し、管状体と第1側壁部とリムの第2側壁部との間にわずかな隙間しか残さないことを意味する。
【0031】
リムは、0.2から1.5kg/dmの範囲内の、任意的に0.2から1kg/dmの範囲内の、任意的に0.4から0.8kg/dmの範囲内の密度を有してよい。内側リム部品および外側リム部品などの追加のリム部品に接続されるリム部品の場合、リム部品はある程度の柔軟性を有し、構造的に安定できる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示による複合板紙容器を示す図である。
図2】板紙ブランクを示す図である。
図3】板紙ブランクを管状体に折り畳む様子を示す図である。
図4】板紙ディスクを管状本体に挿入し、それによって容器底部を形成する様子を示す図である。
図5】板紙ディスクを管状本体に挿入し、それによって容器底部を形成する様子を示す図である。
図6】リムおよび蓋部品を形成するためのパルプ繊維の成形を示す図である。
図7】内側リム構成要素と外側リムおよび蓋構成要素とを備える成形リムを示す図である。
図8】溶接によって内側リム構成要素を管状本体に取り付ける様子を示す図である。
図9】外側リムおよび蓋構成要素を内側リム構成要素に取り付け、それによって本開示による方法によって製造された複合板紙容器を形成することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面は概略的なものであり、材料の層や容器の構成要素などの個々の構成要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解されたい。図示される複合板紙容器および複合板紙容器を形成する方法のステップは、例としてのみ提供され、本発明を限定するものと考えるべきではない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定される。
【0034】
図1は、バルク固形物用の複合板紙容器1を示しており、複合板紙容器1は、管状体2を備え、その底端3は管状体2の上端6にある容器上部開口部5の反対側の容器底部開口部4の上で閉じられている。管状体2は、容器本体2の内部に面する内面7と、容器本体2の内部とは反対側に面する外面8とを有する。管状体2は、底端3と上端6との間で長手方向Lに延在する。複合容器1は、容器上部開口部5を取り囲むリム9を備える。リム9は、針葉樹パルプ繊維などのパルプ繊維を含む成形された内側リム9aである。内側リム9aは、内側リム9aの接続部11が管状体2の端縁12に沿って管状体2の端部10に溶接されることにより管状体2に取り付けられている。内側リム9aの接続部11は遠位端11aを有し、このリムは管状体の端縁12から4mmから50mmの範囲内の距離dに位置する。
【0035】
複合容器1はさらに、外側リム9bと蓋部9cとを含む蓋部品を備える。外側リム9bと蓋部9cとは一体成形されている。外側リム9bは、ヒンジ部9dを介して蓋部9cに接続されている。外側リム9bは内側リム9aに接続され、外側リム9bは、スナップオン機能、スライドイン接続、接着剤または任意の他の適切な手段によって接続され得る。蓋部材は内側リム9aと同じ材質で作られている。
【0036】
内側リム9aは、断面図で見られるように、第1側壁部13aおよび第2側壁部13bと、管状体2の端縁12に面する底部13cとを備える、四角縁U字形トラック部分13を備える。第1側壁部13aは、内側リム9aの接続部11に対応する。しかしながら、内側リムは、リムの接続部に対応する第1側壁部と、管状体2の端縁12に面するように配置された底部とを備えたL字形の断面を有していてもよい。
【0037】
管状体2は、カートン基材層および熱可塑性溶着層14を含む積層シート材料から作られる。
【0038】
図2から図9は、バルク固形物用の複合板紙容器1の製造方法を示している。図2は、カートン基材層および熱可塑性溶着層14を含む板紙積層シート材料2”を示す。ラミネートシート材料2”は、対向する側縁16、17を有する。図3は、板紙積層シート材料2”を、長手方向Lを有する管2’に曲げる最初のステップa)を示し、板紙材料2の隣接する側縁16,17を接合することによって管2’を長手方向Lに閉じ、それによって管状体2を形成する。側縁16、17の間の接合部は、シールストリップによって覆われていてもよい。あるいは、側縁16、17は重なり合って接合されてもよい。形成された管状体2は、管状体2の内部に面する内面7と、管状体2の内部とは反対側を向く外面8とを有する。ラミネートシート材料の熱可塑性溶着層14は、管状体2の内面7上に配置される。管は、所定の断面形状を有するように成形される。図示の例では、断面形状は角が丸まった変形長方形となっている。管状体は、円形、楕円形、または三角形、正方形、五角形などの任意の多角形または変形多角形などの任意の有用な断面形状を有し得ることが理解されるべきである。
【0039】
図4および図5は、管状体2の上端6の容器上部開口部5とは反対側の容器底部開口部4を覆う底端3で管状体2を閉じるステップc)を示す。底部開口部4は、板紙製の底部ディスク18を管の底端3に押し込むことによって押圧することによって閉じられる。底部ディスク18は、長手方向Lにおいて底端3に向かって屈曲した周縁フランジ18aを有する。屈曲した周縁フランジ18aは、例えば溶接によって管状体2の内面7に取り付けることができる。板紙底部ディスク18は、カートン基材層と熱可塑性溶着層とを含む積層シート材料で構成することができる。底部リムは、管状体の底端3に適用されてもよく、底部リムは、本開示によるパルプ繊維を含む成形リムであってもよく、本開示に応じて、溶接によって適用されてもよく、または接着により取り付けられてもよい。
【0040】
図6は、外側リム9bおよび蓋部9cからなる蓋部品を形成する工程を示す。成形された外縁および蓋部は、針葉樹パルプ繊維をパルプスラリーの形態などで成形ツール15内に供給することによって形成される。成形ツール15は、雌型成形ツール構成要素15aと、嵌合する雄型成形ツール構成要素15bとを備え、それらの間でパルプ繊維がプレスされて、パルプ繊維を含む三次元形状の蓋コンポーネントを形成する。内側リム9a(対応する方法で成形されたものを図7に示す)。
【0041】
図7は、内側リム9aと、外側リム9bと蓋部9cとが一体成形され、外側リム9bが2つのヒンジ部9dを介して蓋部9cに接続された蓋部とを示す。
【0042】
内側リム9aは、断面図で見られるように、第1側壁部13aおよび第2側壁部13bと底部13cとを備え、管状体2の端縁12に面するように意図された四角U字形のトラック部分13を有する。第1側壁部13aは、内側リム9aの接続部11に相当する。しかし、リムは同様にL字形であってもよく、第1側壁部がリムの接続部に対応し、底部が管状体2の端縁12に面するように意図されている。底部13cと第1側壁部13aとの間の抜き勾配αは、0度から10度の範囲内である。
【0043】
図8は、管状体2の端縁12に沿って管状体2の端部10に内側リム9aを溶接することによって内側リム9aを取り付け、内側リム9aが容器上部開口部5を取り囲むステップを示す。この図では、溶接は、誘導コイル19aおよびプレスプランジャ19bを備える溶接ユニット19によって実行される。
【0044】
溶接ユニット19は、誘導コイル19aを備える高周波誘導溶接ユニットを備える。プレスプランジャ19bは、非拡張状態と半径方向に拡張した状態との間で変形可能な拡張可能な溶接ツール51を備える。
【0045】
拡張状態では、溶接ツール51の外周によって画定される断面積(フットプリント)は、溶接ツール51の非拡張状態に比べて大きくなる。
【0046】
溶接ツール51が内側リム9aの取付位置にある状態で、プレスプランジャ19bが管状体2内に挿入されると、溶接ツール51は拡張状態に変形する。
【0047】
溶接ツール51が拡張した状態では、溶接ツール51の外周縁部が管状体2内に挿入された内側リム9aに接触し、内側リム9aを押圧する。これにより、管状体2の内側に押し付けられ、誘導コイル19aを作動させることによって管状体2の内側に誘導溶接することができる。
【0048】
図9は、管状体2の端部10に内側リム9aを取り付けるときと、内側リム9aに外側リム9b及び蓋部9cをスナップフィットにより取り付ける工程を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】