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特表2023-548452耐屈曲ローラを有する接地係合トラックシステムにおけるローラフレームアセンブリおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】耐屈曲ローラを有する接地係合トラックシステムにおけるローラフレームアセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/14 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
B62D55/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524456
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021056729
(87)【国際公開番号】W WO2022093880
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】17/084,162
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スアンノ、ジェンナーロ
(72)【発明者】
【氏名】アベロ、ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】ダーゲス、マイケル ジェイムズ
(57)【要約】

接地係合トラックシステム(14)は、トラックローラフレーム(16)、アイドラ(28)、およびトラックローラ(50)とアイドラ(28)との間の位置でトラックローラフレーム(16)によって支持される耐屈曲ローラ(52、54)を含む。耐屈曲ローラ(52、54)は、部分的に中にアイドラ(28)を受け、接地係合トラック(38)の偏向感知セクション(118)の屈曲に対抗するように位置付けられるアイドラ空間(56)を画定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地係合トラックシステム(14)であって、
フロントフレーム端部(18)およびバックフレーム端部(20)を含むトラックローラーフレーム(16)と、
前記トラックローラフレーム(16)に取り付けられたアイドラリコイルアセンブリ(22)と、
前記フロントフレーム端部(18)で前記アイドラリコイルアセンブリ(22)によって支持されるアイドラ(28)であって、前記アイドラ(28)が、アイドラ軸(32)の周りに円周方向に延在し、後方停止位置と前方位置との間で前方後方方向に移動可能なアイドラ踏面(30)を含む、アイドラ(28)と、
前記トラックローラフレーム(16)によって支持される内側耐屈曲ローラ(52、152、252)と、
前記トラックローラフレーム(16)によって支持される外側耐屈曲ローラ(54)と、を備え、
アイドラ空間(56)が、前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)と前記外側耐屈曲ローラ(54)との間に画定され、前記アイドラ踏面(30)が、前記アイドラの前記後方停止位置で前記アイドラ空間(56)内にある、接地係合トラックシステム。
【請求項2】
前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)および前記外側耐屈曲ローラ(54)が、互いに対して自由に回転可能であり、
前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)が、第一の半軸(62、162、262)と、第一のローラ軸の周りの回転のため前記第一の半軸(62、162、262)上に支持され、第一の内側ローラシェル面(68、168、268)を有する第一のローラシェル(66、166、266)と、第一のローラ踏面(74、174、274)と、前記第一のローラ踏面(74、174、274)に隣接する第一の半径方向に突出する円周フランジ(76、176、276)と、を含み、
前記外側耐屈曲ローラ(54)が、第二の半軸(70)と、第二のローラ軸の周りの回転のため前記第二の半軸(70)上に支持され、第二の内側ローラシェル面(73)を有する第二のローラシェル(72)と、第二のローラ踏面(78)と、前記第二のローラ踏面(78)に隣接して第二の半径方向に突出する円周フランジ(80)と、を含む、請求項1に記載の接地係合トラックシステム(14)。
【請求項3】
前記トラックローラフレーム(16)によって支持され、前記トラックローラフレーム(16)に沿って前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)および前記外側耐屈曲ローラ(54)の後方に長手方向に分布する、複数の標準トラックローラ(50)と、
前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)によって接触された内側トラックレール(46)を形成する一緒に結合されたトラックリンク(40)の内側トラックチェーン(42)と、前記外側耐屈曲ローラ(54)によって接触された外側トラックレール(48)を形成する一緒に結合されたトラックリンク(40)の外側トラックチェーン(44)と、前記内側トラックチェーン(42)および前記外側トラックチェーン(44)にそれぞれ取り付けられた複数のトラックシューズ(58)とを含む、接地係合トラック(38)と、をさらに備える、請求項1または2に記載の接地係合トラックシステム(14)。
【請求項4】
トラックローラフレームアセンブリ(15)であって、
フロントフレーム端部(18)、バックフレーム端部(20)、上部フレーム側部(21)、および下部フレーム側部(23)を含むトラックローラフレーム(16)と、
前記フロントフレーム端部(18)での回転のために支持されるアイドラ(28)と、
第一のローラ軸の周りの回転のために、前記トラックローラフレーム(16)によって支持され、第一のローラ踏面(74、174、274)および第一のローラシェル内側面(68、168、268)を有する第一のローラシェル(66、166、266)を支持する、第一の半軸(62、162、262)カンチレバーを含む、内側耐屈曲ローラ(52、152、252)と、
第二のローラ軸の周りの回転のために、前記トラックローラフレーム(16)によって支持され、第二のローラ踏面(78)および第二のローラシェル内側面(73)を有する第二のローラシェル(72)を支持する第二の半軸(70)カンチレバーを含む、外側耐屈曲ローラ(54)と、を備え、
前記第一のローラシェル内側面(68、168、268)および前記第二のローラシェル内側面(73)が、前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)と前記外側耐屈曲ローラ(54)との間で内側-外側方向に延在するアイドラ空間(56)を画定し、前記アイドラ(28)が、前記アイドラ空間(56)内に部分的に位置付けられる、トラックローラフレームアセンブリ。
【請求項5】
前記アイドラ空間(56)が、前記第一の内側ローラシェル面(68、168、268)と前記第二の内側ローラシェル面(73)との間に連続的に延在する体積であり、
前記内側耐屈曲ローラ(52、152、252)が、第一の半径方向に突出する円周フランジ(76、176、276)を含み、前記外側耐屈曲ローラ(54)が、第二の半径方向に突出する円周フランジ(80)を含み、
前記第一のローラ踏面(74、174、274)が、前記第一の内側ローラシェル面(68、168、268)と前記第一の半径方向に突出する円周フランジ(76、176、276)との間に軸方向に延在し、前記第二のローラ踏面(78)が、前記第二の内側ローラシェル面(73)と前記第二の半径方向に突出する円周フランジ(80)との間に軸方向に延在する、請求項4に記載のトラックローラフレームアセンブリ(15)。
【請求項6】
前記トラックローラフレーム(16)に取り付けられ、前記第一の半軸(62、162、262)を支持する第一の締付マウント(84)と、前記第一の半軸(62、162、262)と前記第一のローラシェル(66、166、266)との間を封止する第一の面シールアセンブリ(92、192、292)と、前記トラックローラフレーム(16)に取り付けられ、前記第二の半軸(70)を支持する第二の締付マウント(87)と、前記第二の半軸(70)と前記第二のローラシェル(72)との間を封止する第二の面シールアセンブリと、をさらに備える請求項4または5に記載のトラックローラフレームアセンブリ(15)。
【請求項7】
前記第一の半軸(62、162)および前記第二の半軸(70)の各々が、拡張シャフトヘッド(64)を含み、それぞれの拡張シャフトヘッド(64)とローラシェル(66、72、166)との間に半径方向にジャーナルベアリング(94、194)、およびそれぞれの拡張シャフトヘッド(64)とローラシェル(66、72、166)との間に軸方向にスラストベアリング(96、97、197、199)を更に含む、請求項4~6のいずれかに記載のトラックローラフレームアセンブリ(15)。
【請求項8】
接地係合トラックシステムを動作させる方法であって、
トラックローラフレーム(16)に結合されたアイドラ(28)およびトラックローラ(50)の周りのトラックシューズ(58)に取り付けられた、一緒に結合されたトラックリンク(40)の接地係合トラック(38)を前進させることと、
前記接地係合トラック(38)の前記前進に基づいて、前記アイドラ(28)をアイドラ軸の周りで回転させ、トラックローラ軸の周りで前記トラックローラ(50)を回転させることと、
前記アイドラ(28)と前記トラックローラ(50)の先導の一つとの間に延在する前記接地係合トラック(38)の偏向感知セクション(118)を、前記偏向感知セクション(118)と、基礎となる基盤(116)の輪郭または組成物のうちの少なくとも一方における不均一性との間の接触に基づいて上向きに付勢することと、
前記アイドラ軸と前記トラックローラ(50)の前記先導の一つの前記トラックローラ軸との間の長手方向の位置で、前記接地係合トラック(38)と接触して、前記トラックローラフレーム(16)によって支持される耐屈曲ローラ(52、54、152、252)で、前記偏向感知セクション(118)の屈曲に対向することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記偏向感知セクション(118)の前記屈曲の前記対向が、前記アイドラ(28)を受けるアイドラ空間(56)がアイドラ空間を連続的に延在するように、互いに対して面するトラックローラフレーム(16)上に支持された二つの耐屈曲ローラ(52、54、152、252)カンチレバーで前記屈曲と対向することをさらに含み、
前記方法が、前記二つの耐屈曲ローラ(52、54、152、252)上の半径方向に突出する円周フランジ(76、80、176、276)と前記接地係合トラック(38)内のトラックリンク(40)との間の接触により前記二つの耐屈曲ローラ(52、54、152、252)に対する前記接地係合トラック(38)の横方向変位を制限することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
機械(10)内の接地係合トラックシステム(14)のためのローラ(152、252)であって、
ローラ軸の周りに円周方向に、およびローラシェル内側面(168、268)を有する第一のローラシェル軸端部(161、261)と、ローラシェル外側面(171、271)を有する第二のローラシェルの軸端部(169、269)との間に軸方向に延在する外側ローラ踏面(174、274)を含むローラシェル(166、266)と、
前記ローラ軸の周りに円周方向に延在し、ジャーナルボア(175、275)、および前記ジャーナルボア(175、275)と前記ローラシェル内側面(168、268)との間に軸方向に延在するスラストボア(177、276)を形成する、内側シェル面(173、273)をさらに含む前記ローラシェル(166、266)と、
前記ジャーナルボア(175、275)内にシェル支持端部(163)と、前記第二のローラシェル軸端部(169、269)の外側に突出する取り付け端部(165)とを含むローラシャフト(162、262)と、
前記第二のローラシェル軸端部(169、269)で前記ローラシェル(166、266)内に少なくとも部分的に位置付けられた面シールアセンブリ(192、292)と、
前記シェル支持端部(163)に取り付けられ、前記スラストボア(177、276)内に位置付けられたスラストフランジ(191、291)と、
前記ローラシェル(166、266)に取り付けられ、少なくとも部分的に前記スラストボア(177、276)内に位置付けられたシェルキャップ(193、293)と、
前記ローラ(152、252)内に閉じ込められ、前記スラストフランジ(191、291)と接触する、スラストベアリング(197、199、297、299)と、を備える、ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、接地係合トラックシステムに関し、より詳細には、偏向感知トラックセクションの屈曲に対抗するように位置付けられた接地係合トラックシステムにおける耐屈曲ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
オフハイウェイ機器における接地係合トラックシステムは、建設、道路建設、および林業から鉱業、埋め立て地、ならびにその他多くの用途に世界中で使用されている。典型的な例では、トラックリンクの無限ループは、トラックシューに取り付けられた平行なトラックチェーンに配置され、一つ以上のアイドラ、トラックローラ、キャリアローラ、および駆動スプロケットを含む複数の回転要素の周りに延在する。
【0003】
こうしたトラックシステムを用いる機械は、硬質および/または不均一な基盤、または切り株、岩石、破片、もしくはその他の材料を含む軟質の、降伏する基盤材料上を走行することを含む、非常に厳しい動作条件に日常的にさらされる。また、接地係合トラックシステムは、急勾配の機械推進にも使用され、数トンの重量の機械および材料を運搬する。トラックシステムの構成要素は通常、非常に堅牢であるように設計され、また厳しい条件を考慮してしばしば使用可能である。きびしい現場条件はまた、性能を維持する場合、様々な構成要素の不規則なまたは予測不可能な摩耗を引き起こし、定期的な整備および/または交換が必要となる場合がある。エンジニアは、摩耗や寿命を最適化および/または管理するための改善策や代替戦略を日常的に模索しており、また、トラックシステムのメンテナンスと性能に関連する、新たに観察された、または特徴付けされた現象に対処している。接地係合トラックシステムの一例は、Hasselbuschらによる米国特許第6,364,438号に記載される。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、接地係合トラックシステムは、フロントフレーム端部およびバックフレーム端部を有するトラックローラフレーム、およびトラックローラフレームに取り付けられたアイドラリコイルアセンブリを含む。アイドラは、フロントフレーム端部のアイドラリコイルアセンブリによって支持され、アイドラ軸の周りに円周方向に延在するアイドラ踏面を含む。アイドラは、後方停止位置と前方位置との間で前方後方方向に移動可能である。接地係合トラックシステムは、トラックローラフレームによって支持される内側耐屈曲ローラ、およびトラックローラフレームによって支持される外側耐屈曲ローラをさらに含む。アイドラ空間は、内側耐屈曲ローラと外側耐屈曲ローラとの間に画定される。アイドラ踏面は、アイドラの後方停止位置のアイドラ空間内にある。
【0005】
別の態様では、トラックローラフレームアセンブリは、フロントフレーム端部、バックフレーム端部、上部フレーム側部、および下部フレーム側部を有するトラックローラフレームを含む。アイドラは、フロントフレーム端部での回転のために支持される。トラックローラフレームアセンブリは、第一のローラ軸の周りの回転のため、トラックローラフレームによって支持され、第一のローラ踏面および第一のローラシェル内側面を有する第一のローラシェルを支持する第一の半軸カンチレバーを有する、内側耐屈曲ローラをさらに含む。トラックローラフレームアセンブリは、第二のローラ軸の周りの回転のために、トラックローラフレームによって支持され、第二のローラ踏面および第二のローラシェル内側面を有する第二のローラシェルを支持する第二の半軸カンチレバーを含む、外側耐屈曲ローラをさらに含む。第一のローラシェル内側面および第二のローラシェル内側面は、内側耐屈曲ローラと外側耐屈曲ローラとの間に内側外側方向に延在するアイドラ空間を画定し、アイドラはアイドラ空間内に部分的に位置付けられる。
【0006】
さらに別の態様では、接地係合トラックシステムを動作させる方法は、トラックローラフレームに結合されたアイドラおよびトラックローラの周りのトラックシューズに取り付けられた、一緒に結合されたトラックリンクの接地係合トラックを前進させることを含む。方法は、接地係合トラックの前進に基づいて、アイドラをアイドラ軸の周りに回転させ、トラックローラをトラックローラ軸の周りに回転させることをさらに含む。方法はさらに、アイドラとトラックローラの先導の一つとの間に延在する接地係合トラックの偏向感知セクションを、偏向感知セクションと、基礎となる基盤の輪郭または組成物の少なくとも一方における不均一性との間の接触に基づいて上向きに付勢することを含む。方法はさらに、トラックローラの先導の一つであるアイドラ軸とトラックローラ軸との間の長手方向の位置で、接地係合トラックと接触するトラックローラフレームによって支持される耐屈曲ローラで、偏向感知セクションの屈曲に対向することを含む。
【0007】
さらに別の態様では、機械内の接地係合トラックシステムのためのローラは、ローラ軸の周りに円周方向に、かつローラシェル内側面を有する第一のローラシェル軸端部と、ローラシェル外側面を有する第二のローラシェル軸端部との間を軸方向に延在する、外側ローラ踏面を有するローラシェルを含む。ローラシェルはさらに、ローラ軸の周りに円周方向に延在し、ジャーナルボアを形成する内側シェル表面と、ジャーナルボアとローラシェル内側面との間に軸方向に延在するスラストボアとを含む。ローラはまた、ジャーナルボア内にシェル支持端部を有するローラシャフトと、第二のローラシェル軸端部の外側に突出する取り付け端部とを含む。フェイスシールアセンブリは、第二のローラシェル軸端部で、ローラシェル内に少なくとも部分的に位置付けられる。スラストフランジは、取り付け端部に取り付けられ、スラストボア内に位置付けられ、シェルキャップはローラシェルに取り付けられ、少なくとも部分的にスラストボア内に位置付けられる。スラストベアリングは、ローラ内に閉じ込められ、スラストフランジと接触する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態による、接地係合トラックシステムを有する機械の側面図である。
図2図2は、一実施形態による、接地係合トラックシステムの斜視、部分断面図である。
図3図3は、一実施形態による、接地係合トラックシステムの線図である。
図4図4は、一実施形態による、耐屈曲ローラの断面図である。
図5図5は、一実施形態による、接地係合トラックシステムのトラックローラフレームアセンブリの線図である。
図6図6は、別の実施形態による、接地係合トラックシステム用のローラの断面側面図である。
図7図7は、別の実施形態による、接地係合トラックシステム用のローラの部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、一実施形態による機械10が示される。機械10は、フレーム12、およびフレーム12に結合された接地係合トラックシステム14を含む。接地係合トラックシステム14(以下、「トラックシステム14」)は、フロントフレーム端部18、バックフレーム端部20、上部フレーム側部21、および下部フレーム側部23を有するトラックローラフレーム16を有するトラックローラフレームアセンブリ15を含む。アイドラリコイルアセンブリ22は、トラックローラフレーム16に取り付けられ、ヨーク24およびヨーク24と結合されたアクチュエータ26を含む。アイドラ28は、フロントフレーム端部18でアイドラリコイルアセンブリ22によって支持され、アイドラ回転軸32の周りのヨーク24への回転のために取り付けられてもよい。アイドラリコイルアセンブリ22は、フロントフレーム端部18とバックフレーム端部20との間の前方後方方向の並進移動のためにアイドラ28を支持し、その結果、アイドラ28は、概して既知の様式でトラックシステム14の動作中に衝撃などに応答して移動することができる。アクチュエータ26は、ガスばね、コイルばね、あるいは任意の他の適切なアクチュエータまたはアクチュエータの組み合わせを含み得る。アイドラ28は、例えば、アクチュエータ26がボトムアウトする、またはそうでない場合、その並進運動を停止する後方停止位置と図1に示すようにおよそ前方位置との間で、前方後方方向に移動可能であり得る。アイドラ28はまた、アイドラ回転軸32の周りに円周方向に延在するアイドラ踏面30を含む。トラックシステム14は、後方アイドラ34、およびドライブスプロケット36をさらに含むことができ、アイドラ28、後方アイドラ34およびドライブスプロケット36をいわゆる「ハイドライブ」構成に配置する。他の例では、トラックシステム14の回転可能なトラック接触要素は、楕円形のトラック構成など、異なる配置を有し得る。トラックシステム14は、トラックシューズ58に取り付けられ、様々な回転可能なトラック接触要素の周りに延在する無限ループを形成するトラックリンク40を含む、接地係合トラック38をさらに含む。
【0010】
また、ここで図2を参照すると、接地係合トラック38は、内側トラックレール46を形成する結合されたトラックリンク40の内側トラックチェーン42と、外側トラックレール48を形成する結合されたトラックリンク40の外側トラックチェーン44とを含み得る。トラックシューズ50はそれぞれ、内側トラックチェーン42および外側トラックチェーン44の両方に取り付けられ得る。機械10は、トラックタイプのトラクタの文脈で示されているが、他の実施形態では、機械10は、トラックタイプのローダ、ハーフトラック、またはさらに別のタイプのオフハイウェイ機械であってもよい。複数のトラックローラ50は、下部フレーム23でトラックローラフレーム16に結合され、概して従来的な様式で機械10の重量の大部分を支持し得る。接地係合トラック38は、図1に示すように、アイドラ28とトラックローラ50の先導の一つとの間に延在する、偏向感知セクション118を含む。少なくとも部分的には、アイドラリコイルアセンブリ22によって支持されるアイドラ28の前方後方への動きを適応させることに基づいて、偏向感知セクション118は、本明細書でさらに論じられる適応なしで、ライド、グレーディング性能、および潜在的に他のパラメータに悪影響を及ぼさないような方法で、「屈曲」に対して使用中に上向きに付勢され得る。偏向感知セクション118は、現在、アイドラ28とトラックローラ50の先導または前方の一つとの間に接地係合トラック38のどの部分が延在するかに基づいて画定されるかが認識されるであろうし、接地係合トラック38は、様々な回転可能なトラック接触要素の周りを前進するので、接地係合トラック38の異なる部分は、偏向感知セクションであると理解されるであろう。
【0011】
接地係合トラック38の望ましくないたわみまたはいわゆる「屈曲」を軽減または除去するために、トラックシステム14は、トラックローラフレーム16によって支持される内側耐屈曲ローラ52、およびトラックローラフレーム16によって支持される外側耐屈曲ローラ54を含む。また図3を参照すると、アイドラ空間56が、内側耐屈曲ローラ52(以下、「ローラ52」)と外側耐屈曲ローラ54(以下、「ローラ54」)との間に、内側外側方向に画定され、アイドラ28が部分的にアイドラ空間56内に位置付けられる。アイドラ踏面30は、アイドラ28の後方停止位置のアイドラ空間56内であってもよく、アイドラ28の前方位置のアイドラ空間56内であってもよい。図1では、アイドラ軸32がほぼアイドラ28の前方位置に位置し得るときが示されており、アイドラ28の後方停止位置に現れ得るときに、参照符号32’で示される。前方位置と後方停止位置との間の並進距離39も図1に示される。
【0012】
図示した実施形態では、ローラ52およびローラ54は、それぞれ第一のローラ軸60および第二のローラ軸61の周りで、互いに対して自由に回転可能である。ローラ52およびローラ54は、第一のローラ軸60および第二のローラ軸61が共線となるように同軸に配置され得る。ローラ52は、第一のローラ軸60の周りの回転のために第一の半軸62と、第一の半軸62によって支持される第一のローラシェル66カンチレバーとを含み得る。ローラ52は、ローラ52の最も内側の軸方向端部に位置し得る第一の内側ローラシェル面68を含み得る。ローラ54は、第二のローラ軸61の周りの回転のために、第二の半軸70と、第二の半軸70によって支持され、ローラ54の最も内側の軸方向端部に位置し得る、第二の内側ローラシェル面73を含む、第二のローラシェル72カンチレバーとを含むことができる。図面からは、第一の内側ローラシェル面68および第二の内側ローラシェル面73は、それぞれ、実質的に平面かつ実質的に円形であってもよく、アイドラ空間56は体積であり、図示されるように、第一の内側ローラシェル面68と第二の内側ローラシェル面73との間に連続的に延在し、かつ遮るものがない円筒形体積である。
【0013】
ローラ52は、第一のローラ軸60の周りに円周方向に延在する第一のローラ踏面74と、第一のローラ踏面74に隣接する第一の半径方向に突出する円周フランジ76とをさらに含み得る。ローラ54は、第二のローラ軸61の周りに円周方向に延在する第二のローラ踏面78と、第二のローラ踏面78に隣接する第二の半径方向に突出する円周フランジ80とを含み得る。図示した実施形態では、第一のローラ踏面74は、第一の内側ローラシェル面68と第一の半径方向に突出する円周フランジ76との間に軸方向に延在し、第二のローラ踏面78は、第二の内側ローラシェル面73と第二の半径方向に突出する円周フランジ80との間に軸方向に延在する。フランジ76および80は、トラックリンク40と接触して、ローラ52および54およびトラックリンク40上のフランジ76と80との間の接触によって、二つのローラ52および54に対するトラックチェーン42および44を含む、接地係合トラック38の横方向の変位を制限することができる。他の実施形態では、フランジ76および80は、ローラシェル内側面68および73に隣接して位置付けられ得る。さらに別の実施形態では、フランジ76および80は、図示したように実質的に提供され得、ローラ52および54は、それぞれ、内側面68および73に隣接する追加の半径方向に突出する円周フランジを備え得る。
【0014】
実践的な実装形態では、ローラ52およびローラ54は実質的に同一であってもよく、一方は他方の位置で使用することもできる。したがって、ローラ52の図4も参照する以下の説明は、ローラ54に対しても言及する類推によって理解され得る。第一の半軸62は、第一の拡張シャフトヘッド64を含んでもよく、第一のローラシェル66は、第一の拡張シャフトヘッド64上に支持される。ローラ54は、同様にまたは同一に構成することができる。トラックローラフレームアセンブリ15、特にローラ52は、拡張シャフトヘッド64とローラシェル66との間に半径方向にジャーナルベアリング94を含んでもよい。ローラ52はまた、拡張シャフトヘッド64とローラシェル66との間に軸方向にスラストベアリング96を含んでもよい。第二のスラストベアリング97は、一部の実施形態では、第一のスラストベアリング96の反対側に位置付けられてもよい。第一の半軸62はまた、軸方向に延在するオイル穴104と、オイル穴104から様々なベアリング表面に潤滑オイルを供給するよう構成される半径方向に延在するクロス穴106とを含み得る。
【0015】
図2にも示されるように、トラックローラフレームアセンブリ15は、トラックローラフレーム16に取り付けられ、第一の半軸62を支持する第一の締付マウント84をさらに含み得る。また、図2には、トラックローラフレーム16にも取り付けられ、図2では見えない第二の半軸70を支持する第二の締付マウント87も示されている。トラックローラフレームアセンブリ15および特にローラ52は、第一の半軸62と第一のローラシェル66との間を封止する第一の面シールアセンブリ92も含み得、第二の面シールアセンブリは、第二の半軸70と第二のローラシェル72との間の封止に提供され得ることが理解されよう。第一の締付マウント84は、第一の半軸62を受ける、その中に形成された穴88を有するクランプ本体86と、その内の一つが示されている、クランプ本体86をトラックローラフレーム16に締め付けする複数のボルト90とを備えてもよい。締付マウント87は、同様に構成されてもよい。
【0016】
ここで図5を参照すると、トラックシステム14およびトラックローラフレームアセンブリ15のさらなる詳細の図が示されている。図示した実施形態では、トラックローラ50は、トラックローラフレーム16によって支持され、内側耐屈曲ローラ52および外側耐屈曲ローラ54の後方のトラックローラフレーム16に沿って長手方向に分布する、標準トラックローラを含み得る。本明細書に意図される標準トラックローラとは、使用のために組み立てられた時に二つのトラックチェーンに同時に接触する、内側踏面53および外側踏面55を有するローラシェル57を含むトラックローラを意味する。それにもかかわらず、実施形態は、非標準トラックローラ、例えば、耐屈曲ローラ52および54に類似または同一のカンチレバー支持分割トラックローラ、または標準トラックローラと分割トラックローラのいくつかの組み合わせが使用される場合が意図される。標準トラックローラ50間のローラ間間隔110は、標準トラックローラ50の先導または前方の一つと、耐屈曲ローラ52および耐屈曲ローラ54のそれぞれとの間のローラ間間隔112とは異なる、例えば、より小さい場合がある。ローラ間間隔110は、ローラ軸60、61とアイドラ軸32との間のローラとアイドラの間隔114と類似、または潜在的に等しくなり得るが、本開示はそれによって限定されるものではない。ローラ間間隔110は、本実施例の標準トラックローラ50のローラ軸51の間に画定される。
【0017】
ここで図6を参照すると、機械の接地係合トラックシステムにおいて、耐屈曲ローラとしての使用に適した別のローラ152が示されている。ローラ152は、本明細書に記述される他のローラに関して記載したものと類似または同一の方法で使用することができ、前述の説明は、別段の示唆がある場合または文脈から明らかである場合を除き、ローラ152に対する類推により適用するものとして理解されるべきである。ローラ152は、ローラ軸160の周りに円周方向に延び、かつローラシェル内側面168を有する第一のローラシェル軸端部161と、ローラシェル外側面171を有する第二のローラシェル軸端部169との間に軸方向に延在する、外側ローラ踏面174を有するローラシェル166を含む。ローラシェル166は、ローラ軸160の周りに円周方向に延在し、ジャーナルボア175およびジャーナルボア175とローラシェル内側面168との間に軸方向に延在するスラストボア177を形成する内側シェル面173をさらに含む。
【0018】
ローラ152は、ジャーナルボア175内にシェル支持端部163を含むローラシャフト162と、第二のローラシェル軸端部169から外側に突出する取り付け端部165とをさらに含む。面シールアセンブリ192は、第二のローラシェル軸端部169で、ローラシェル166内に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。図示した実施形態では、面シールアセンブリ192は、ローラシェル166内に形成された軸方向に延在する凹部187内に部分的に受けられる。半径方向に延在する円周フランジ176は、外側踏面174に隣接し、外側踏面174は、フランジ176とローラシェル内側面168との間に軸方向に延在する。前述の実施形態と同様に、第二のフランジまたは代替的なフランジ位置を使用してもよい。半径方向内側に傾斜した凹状の移行面180は、外側踏面174からローラシェル内側面168まで延在する。
【0019】
ローラ152は、ローラシャフト162のシェル支持端部163に取り付けられたスラストフランジ191をさらに含む。スラストフランジ191は、スラストボア177内に位置付けられる。また、図示した実施形態では、スラストボア177は半径方向により大きな直径を有し、ジャーナルボア175は半径方向により小さい直径を有する。内側シェル面173は、ジャーナルボア175とスラストボア177との間で移行する内側肩面195を含み得る。ジャーナルベアリング194は、シェル支持端部163と内側シェル面173との間に半径方向にローラ152内に位置付けられてもよい。ローラ152はまた、ローラシェル166に取り付けられ、少なくとも部分的にスラストボア177内に位置付けられたシェルキャップ193を含む。図示した実施形態では、シェルキャップ193は、ローラシェル166の内ねじ181およびシェルキャップ193の外ねじ182によって形成されるねじ接続によって、ローラシェル166に取り付けられてもよい。代替的な実施形態では、シェルキャップ193は、いくつかの例を挙げると、締り嵌め、ボルト、または溶接などの別の適切な機構によって取り付けられてもよい。スラストベアリング197は、ローラ152内に閉じ込められ、スラストフランジ191と接触する。スラストベアリング197は、スラストフランジ191と内側肩面195との間に挟まれた第一のスラストベアリングを含み得る。ローラ152は、スラストフランジ191とシェルキャップ193との間に閉じ込められた第二のスラストベアリングを含み得る。スラストフランジ191は、ローラシャフト162とは別個のピースであってもよく、ローラシャフト162に取り付けられてもよい。ローラシャフト162とスラストフランジ191との間の取り付けは、スラストフランジ191上の外ねじ185によって形成されるねじ接続、およびローラシャフト162上の内ねじ183によってなり得る。
【0020】
他の実施形態では、締め嵌め、ボルト、溶接、または任意の他の適切な取り付け戦略を使用してもよい。潤滑空洞200は、シェルキャップ193およびスラストフランジ191のそれぞれによって部分的に形成され得る。プラグ186は、潤滑空洞200にアクセスし、充填するなどのため、シェルキャップ193内に位置付けられることができる。上述のように、スラストフランジ191は、ローラシャフト162とは別個のピースであってもよく、ローラシャフト162のシェル支持端部163内に形成された軸方向に延在する凹部184内に部分的に位置付けられてもよい。さらに他の実施形態では、ねじ接続は、スラストフランジ上の内ねじに嵌合された外ねじを備えたローラシャフト162の突起部によって形成されてもよく、スラストフランジおよびローラシャフトは、単一の一体部品として形成されてもよく、または様々な他の構造のいずれかを使用してもよい。スラストフランジ191は、シェル支持端部163の半径方向外側に延在する。図6から、スラストフランジ191とローラシェル166との間、およびそれぞれスラストフランジ191とシェルキャップ193との間のスラストベアリング197と199の閉じ込めが、ローラシェル166とローラシャフト162との間のスラスト負荷を内向きまたは外向きに反応させることを可能にすることが分かる。ローラシャフト162は、潤滑空洞200からジャーナルベアリング194および関連するベアリング表面へ潤滑オイルなどを供給する、本明細書に記載の他の実施形態のものと概して同様の内部ボア(番号なし)を備えてもよい。
【0021】
ここで図7を参照すると、別の実施形態によるローラ252が示されており、また、接地係合トラックシステムにおいて本明細書で論じた他の実施形態に類似して展開するために構造化されている。ローラ252は、ローラ軸260の周りに円周方向に、かつローラシェル内側面268を有する第一のローラシェル軸端部261と、ローラシェル外側面271を有する第二のローラシェル軸端部269との間に軸方向に延在する、外側踏面274を有するローラシェル266を含む。ローラシェル266はまた、ローラ軸260の周りに円周方向に延在し、その中に位置付けられたジャーナルベアリング294を有するジャーナルボア275、およびジャーナルボア275とローラシェル内側面268との間に軸方向に延在するスラスト穴277を形成する内側シェル面273を含む。面シールアセンブリ292は、本明細書で論じる他の面シールアセンブリと同様に構成されてもよく、ローラシェル266とローラシャフト262との間を流体封止する。面シールアセンブリ292は、ローラシェル軸端部269で、ローラシェル266内に少なくとも部分的にある。半径方向に延在する円周フランジ276は、図示した他の実施形態に対する代替案と一致して、踏面274に隣接して形成され、二つのフランジのうちの一つであってもよく、またはローラシェル266上の他の場所に位置してもよい。スラストフランジ291は、ローラシャフト262に取り付けられ、スラストボア277内に位置付けられる。シェルキャップ293は、ローラシェル266に取り付けられ、少なくとも部分的にスラストボア277内に位置付けられる。第一のスラストベアリング297は、ローラ252内に閉じ込められ、スラストフランジ291と接触する。
【0022】
図示するように、スラストベアリング297は、スラストフランジ291とローラシェル266との間に挟まれる。スラストフランジ291は、本明細書で企図される任意の戦略によって、またはなおも他によって、ローラシャフト262に取り付けられてもよく、あるいはローラシャフト262と一体的に形成されてもよい。プラグ286は、シェルキャップ293内に位置付けられ、潤滑剤空洞300を流体封止する。ローラ252は、例えば、ローラ軸260に対して概ね垂直に配向され、ローラシャフト262を通って延在して、締付マウントアセンブリまたはトラックローラフレーム内の位置決めまたは取り付けダウエルを受ける、ダウエルボア259をさらに含み得る。
【0023】
ローラ252は、ローラ152との類似点を有し、ローラ152と互換的に使用することができるが、特定の差異も有する。ローラ152は、スラストフランジ191の反対側の軸方向面上に第一および第二のスラストベアリング197および199を含むが、ローラ252は、ローラシェル266とスラストフランジ291との間に動作可能に結合されたただ一つのスラストベアリング、および面シールアセンブリ292とローラシェル266との間に動作可能に結合された別のスラストベアリング299を含む。ローラ252はまた、ローラシャフト構成に関してローラ152とは異なる場合がある。ローラシャフト162のローラ支持端部163は、取り付け端部165に対して比較的拡張大されるのに対し、ローラシャフト262は、その軸方向長さに沿って概ね一貫した直径を有する直線シャフトであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
上述のように、ローラ配置を含むトラックシステム構成は、多くの異なる要因に依存してもよく、またそれぞれのトラックローラフレームに対して使用中に、アイドラが衝撃などに応答して並進運動できる必要性を含み得る。アイドラ並進運動に適応する必要性は、アイドラの後方に延びる比較的サポートされていない接地係合トラックのセクションを結果として生じ得る。標準的なトラックローラは、アイドラがそれらと衝突しやすい場所には一般的に配置されないためである。使用中、基盤との相互作用により、時には、サポートされない区間のトラックが、ライドまたはグレーディング動作中などの性能にマイナスの影響を与えるような方法で、上方にたわむ、または「屈曲」することがある。
【0025】
本開示によれば、および図1を引き続き参照すると、動作トラックシステム14は、アイドラ28、トラックローラ50、および様々な他の回転可能トラック接触要素の周りの接地係合トラック38を前進させることを含み得る。接地係合トラック38の前進間、前方移動方向または後方移動方向において、アイドラ28はアイドラ軸32の周りで回転し、トラックローラ50は、接地係合トラック38の前進に基づいて、トラックローラ軸51の周りで回転する。図1に示すように、機械10は、基盤116上に位置付けられる。偏向感知セクション118は、アイドラ軸32と、トラックローラ50の先導の一つであるトラックローラ軸51との間に延在する。不均一性120は、基盤116内またはその上に存在する。基盤116は、土壌、砂利、埋め立て廃棄物、または様々な他の基盤材料のいずれかを含み得る。不均一性120は、基となる基盤116の輪郭または組成物のうちの少なくとも一方における不均一性を意味する。輪郭の不均一性は、そうでなければ、多かれ少なかれ均一な基盤材料の組成物における隆起または同種のものを意味する場合がある。また、基礎基盤中の不均一性は、土壌中の岩、より小さな岩の中の大きな岩、切り株、または様々な他の障害物の存在などの組成物中の不均一性であってもよい。偏向感知セクション118が移動し、不均一120に接触するとき、セクション118は、セクション118と不均一120との間の接触に基づいて上向きに付勢され得る。概して上向きの負荷が、矢印122によって図1に示される。上述のように、耐屈曲ローラのない特定の以前の設計では、偏向感知トラックセクションの上向きに付勢すると、屈曲になる可能性がある。本開示によれば、区域118の屈曲は、トラックローラフレーム16によって支持され、接地係合トラック38と接触する、一つ以上の耐屈曲ローラ52および54とは対向する。接地係合トラック38と一つ以上の耐屈曲ローラとの間の接触は、トラックローラ50の先導の一つであるアイドラ軸32とトラックローラ軸51との間の長手方向の位置で発生し得る。
【0026】
本明細書は、例示目的のみとし、本開示の範囲をいかなる形でも狭めるように解釈されるべきではない。従って、当業者は、本開示の完全および公正な範囲および趣旨から逸脱することなく、本開示の実施形態にさまざまな修正を行うことができることを理解するであろう。その他の態様、特徴および利点は、添付図面および添付の特許請求の範囲を検討の上で明らかになるであろう。本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、一つ以上の品目を含むことが意図されており、「一つ以上(one or more)」と交換可能に使用され得る。一つの項目のみが意図される場合、「一つの」または類似の言い回しが使用される。また、本明細書で使用される「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」またはこれに類する用語は、非限定な用語であることが意図される。さらに、「に基づく」という語句は、別段の明示がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】