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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】アクチュエータの運転開始方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 4/00 20060101AFI20231110BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H02P4/00
G05B19/042
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023525624
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2021079527
(87)【国際公開番号】W WO2022090148
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020128240.0
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512216148
【氏名又は名称】アウマ リースター ゲーエムベーハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUMA Riester GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Aumastrasse 1, D-79379 Muellheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デニス ブルッフ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター マルス
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ベッヒャー
【テーマコード(参考)】
5H220
5H501
【Fターム(参考)】
5H220BB09
5H220CC06
5H220CX06
5H220JJ12
5H220JJ53
5H501AA30
5H501KK07
5H501MM09
(57)【要約】
アクチュエータ(1)の運転開始方法であって、アクチュエータ(1)の動作パラメータがインタラクティブメニュー構造において順次に問い合わされて入力され、メニュー構造内に、順次に問い合わされるべき動作パラメータを決定する少なくとも1つの経路が定義されており、パラメータ入力の確認応答により、定義された経路に沿った次のパラメータ入力へのジャンプが引き起こされ、特に、経路は、メニュー構造の複数の分岐を接続している、ことを特徴とする方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ(1)の運転開始方法であって、
前記アクチュエータ(1)の動作パラメータがインタラクティブメニュー構造において順次に問い合わされて入力され、
前記メニュー構造内に、順次に問い合わされるべき動作パラメータを決定する少なくとも1つの経路が定義されており、
パラメータ入力の確認応答により、定義された経路に沿った次のパラメータ入力へのジャンプが引き起こされ、特に、前記経路は、前記メニュー構造の複数の分岐を接続している、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記経路内のジャンプは、前記パラメータ入力または先行のパラメータ入力に依存して行われる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
動作パラメータは、終端状態またはトルクである、かつ/または、終端状態が入力された動作パラメータから計算される、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
パラメータ入力は、前記アクチュエータが終端状態へ運動することによって行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
1つの経路内で少なくとも1回の動作モードの変更(S8,S13)が強制的に行われ、特に、設定された経路内でのジャンプは、設定された動作状態の変更(S8,S13)が実際に行われた場合にのみ行われる、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記動作モードの変更(S8,S13)は、ユーザにより手動で、または自動的に行われる、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記アクチュエータ(1)は、少なくとも2つの動作モードを有し、第1の動作モードでは、前記アクチュエータの手動での運動が可能であり、第2の動作モードでは、パラメータ入力が可能である、
請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
2つの終端状態の差に対して対応する回転の数が計算されるか、または、終端状態および回転の数に対して対応する第2の終端状態が計算される、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
入力された動作パラメータの妥当性検査が実行され、特に、終端状態が不均等であるか否か、および、各終端状態もしくは終端状態間の差がインクリメントの最大数を超過していないか否かが検査される、
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
入力された動作パラメータを用いてテスト走行(S17)が実行され、特に、生じたトルクが記録されて基準値として記憶される、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
駆動モータ(2)および操作ユニット(4)を備えたアクチュエータ(1)において、
前記操作ユニット(4)は、少なくとも1つの動作モード選択スイッチ(9)、画面(7)およびパラメータ入力用のキー(8)を有しており、
前記アクチュエータ(1)、特に制御ユニット(3)は、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法を実行するように構成されている
ことを特徴とするアクチュエータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータの運転開始方法につき説明する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータでは、通常、最初の運転開始時にバルブの終端位置を実際の組み込み状況において調節することができる。この場合、その都度の終端状態に到達した際に駆動モータをスイッチオフすることができる。これにより、例えば、アクチュエータの駆動モータが全トルクで終端状態まで走行して例えば駆動制御されるバルブまたは伝動装置が損傷を受けることを防止できる。
【0003】
運転開始は、これまで、終端状態の対応する動作パラメータをアクチュエータ駆動制御部に入力するための操作スリーブを使用して行われてきた。ただし、このことは煩雑であり、エラーをまねきやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、アクチュエータの運転開始を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の本発明の課題は、請求項1記載の方法により解決される。
【0006】
本発明により、アクチュエータの動作パラメータがインタラクティブメニュー構造において順次に問い合わされて入力される。メニュー構造内に、順次に問い合わされるべき動作パラメータを決定する少なくとも1つの経路が定義されており、パラメータ入力の確認応答により、定義された経路に沿った次のパラメータ入力へのジャンプが引き起こされる。
【0007】
インタラクティブメニュー構造により、入力されるべき動作パラメータが問い合わされる。したがって、ユーザハンドブックに則した煩雑なプログラミングまたは終端状態の入力を行う必要はない。このため、本発明を使用しない場合に必要となる、あるパラメータ入力から次のパラメータ入力への手動のナビゲーションが省略される。このように、当該ナビゲーションは自動的に行われ、メニューによりガイドされる運転開始が可能となる。
【0008】
この場合、メニュー構造は、それぞれ異なる動作パラメータを問い合わせる複数の分岐を有することができる。有利な実施形態では、経路は、メニュー構造のこれらの分岐のうちの複数を接続することができ、これにより、分岐間でのジャンプも行えるようになる。よって、メニュー構造は線形ではなく、つねに経路によって定義される。ゆえに、経路は、2つ以上のステップを相互に離間させている2つのメニューポイントを相互に直接に接続することができ、または換言すれば、メニュー構造においていったんの乗入(Aufsteigen)およびこれに続く降出(Absteigen)によらなければ到達できない2つのメニューポイントを相互に接続することができる。
【0009】
有利な実施形態では、経路内のジャンプは、パラメータ入力または先行のパラメータ入力に依存して行われる。これにより、例えば、上述したように、メニュー構造の第1の分岐から入力に応じて第2の分岐または第3の分岐へジャンプすることができ、しかもこの場合に完全な第2の分岐への問い合わせを行う必要はない。これにより、例えば、動作パラメータに対する代替的な入力の可能性を定義することができる。
【0010】
このように、一実施例では、例えば、2つの終端状態、または下方の終端状態およびストローク量、または上方の終端状態およびストローク量のいずれを入力すべきかにつき、まずパラメータ設定の形式を問い合わせることができる。3つの入力の可能性の選択に応じて、必要な動作パラメータ入力の適切なメニューエントリを相互に接続する経路が生成される。当該経路は、この場合、メニュー構造の様々な分岐として存在してもよい。
【0011】
一実施形態では、動作パラメータは、直接に入力可能な終端状態またはストローク量である。代替的に、入力された動作パラメータから終端状態を計算することもできる。例えば、下方の終端状態もしくは上方の終端状態を入力し、さらにストローク量を回転の数として入力した後、そこからそれぞれ他方の終端状態を計算することができる。このようにすれば、アクチュエータのいっそうフレキシブルな構成が可能である。したがって、2つの終端状態間の間隔が固定のストローク量により定義される適用分野が得られる。今日の従来技術では、終端状態を調整する前に、この調整のための変換を手動で行わなければならなかった。本発明によれば、より簡単かつより迅速であってより確実な入力が可能となる。なぜなら、ここでの変換では伝動装置および他の影響因子を自動的に考慮することができ、これにより、入力エラーが確実に回避されるからである。
【0012】
動作パラメータは、数値として、例えばキーまたはスイッチを介して入力することができる。
【0013】
有利な実施形態では、パラメータ入力は、アクチュエータが終端状態へ運動することによって行われる。この場合、アクチュエータの駆動モータが実際に調整されるべき終端状態へと運動し、ここでの位置が動作パラメータ入力として設定される。ここで、アクチュエータは、例えば手動でハンドホイールを介して、または電気的に、例えばキーまたはスイッチを介して駆動モータを駆動制御することで、運動可能である。また、例えば予め定められたスイッチオフモーメントによって識別される終端状態への自動的な運動を行うこともできる。
【0014】
特に有利な実施形態では、1つの経路内で少なくとも1回の動作モードの変更が強制的に行われる。このようにすれば、例えば特定の形式のパラメータ入力を、例えば上述した手動でのアクチュエータの運動によって、強制的に行うことができる。
【0015】
例えば、パラメータ設定が可能であるモードからアクチュエータの走行が可能であるモードへの動作モードの変更を行うことができる。
【0016】
この場合、設定された経路の内部でのジャンプは、設定された動作状態の変更が実際に実行された場合にのみ行われるように構成可能である。このために、例えば、動作モード選択スイッチを設けることができる。
【0017】
基本的に、動作モードの変更は、ユーザが手動で行うことができる。有利な実施形態では、動作モードの変更は自動的に行われ、これにより、強制変更の条件が自動的に満たされる。これにより、誤操作を低減することができる。
【0018】
一実施形態では、アクチュエータは少なくとも2つの動作モードを有しており、ここで、第1の動作モードではアクチュエータの手動での運動が可能であり、第2の動作モードではパラメータ入力が可能である。このようにすることで、パラメータ入力中のアクチュエータの運動を防止することができる。他方では、これにより、上述したようなアクチュエータの運動によるパラメータ入力も可能である。
【0019】
有利な実施形態では、2つの終端状態間の差が回転の数として計算されるか、または終端状態およびストローク量に対して対応する第2の終端状態が計算される。これにより、各データが妥当であるか否かの検証が容易となり、例えば遠く離れた終端状態への到達も容易となる。
【0020】
この場合、回転の数は、アクチュエータの出力軸を基準としたものであってよい。
【0021】
このために、駆動モータのインクリメント値発生器のインクリメント数および/または伝動装置の変速比が既知であると有利でありうる。これらの値は設定値として格納可能であるか、またはメニュー構造の内部で先行して問い合わせ可能である。後者の場合、メニューにより制御されたパラメータ入力をそれぞれのアクチュエータへの適応化なしに使用できるという利点が得られる。
【0022】
特に有利な実施形態では、入力された動作パラメータの妥当性検査が実行される。このようにすれば、誤操作およびエラーを伴った運転開始を排除することができる。
【0023】
妥当性検査では、例えば、各終端状態が不均等であるか否か、ならびに終端状態間の差がインクリメントの最大数もしくは回転の最大数を超過していないか否かを検査することができる。これにより特に、アクチュエータがその物理的な限界を超えて負荷されることを防止できる。
【0024】
有利な実施形態では、特にパラメータ入力の終了後に、入力された動作パラメータによるテスト走行が実行される。このようにすれば、アクチュエータが所望の通りに機能するか否かを確認することができる。
【0025】
特に有利な実施形態では、テスト走行中に生じたトルクが記録され、基準値として記憶される。これらの基準値を使用して、後の時点で、例えばアクチュエータに接続されたアーマチュアの経時劣化を確認することができる。
【0026】
以下に、本発明を、添付の図面に関する実施例に則して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】アクチュエータを示すブロック回路図である。
図2a図1のアクチュエータの操作ユニットを示す図である。
図2b】位置「オフ」における、図2aの動作モード選択スイッチを示す図である。
図3】複数の分岐経路もしくは代替経路を有する、アクチュエータの運転開始のための例示的なインタラクティブメニュー構造を示す図である。
図4】複数の分岐経路もしくは代替経路を有する、アクチュエータの運転開始のための例示的なインタラクティブメニュー構造を示す図である。
図5】複数の分岐経路もしくは代替経路を有する、アクチュエータの運転開始のための例示的なインタラクティブメニュー構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1には、アクチュエータ1のブロック回路図が示されている。アクチュエータは、電気駆動モータ2と、この駆動モータ2を駆動制御する制御ユニット3と、を備えている。制御ユニット3は操作ユニット4に接続されており、この操作ユニット4を介して、制御ユニットがユーザによって操作可能となる。
【0029】
駆動モータ2は伝動装置5に接続されている。伝動装置5には、調整素子6、例えばアーマチュアまたはバルブが結合されている。このようなアクチュエータは従来技術において十分に公知であるので、ここではこれ以上の詳細については立ち入らない。
【0030】
図2aには、例として、アクチュエータの操作ユニット4が示されている。操作ユニット4は、本発明による方法に従った情報のグラフィック表示およびインタラクティブな運転開始のための画面7を備えている。画面の下に、例として、可変の機能を有する4つのキー8が配置されている。4つのキー8に代えて、例えばダイアルスイッチまたはトグルスイッチもしくはトグルキーのような他の入力手段を設けることもできる。例えば、同軸的に結合された2つのダイアルスイッチを備えたダイアル操作部を使用して、これらのダイアルスイッチの回転を磁気的に検出することができる。
【0031】
付加的に、操作ユニット4は、動作モード選択スイッチ9を有しており、この動作モード選択スイッチ9は、この実施例では3つの異なる動作モードをサポートしている。
【0032】
図示されている動作モード「ローカル」では、操作ユニット4、例えばキー8を介しての、または自動化された状態での、駆動モータ2の操作が可能である。これにより、駆動モータ2は、キー押しによって開閉走行することができる。このときにはパラメータ設定は不可能である。
【0033】
動作モード「オフ」(図2b)では、駆動モータ2が非アクティブ状態とされる。当該動作モードでは駆動モータの運動は不可能である。当該動作モードでは例えばパラメータ入力が可能である。
【0034】
動作モード「リモート」は通常動作を表しており、この通常動作では、駆動モータを例えば制御室からリモート制御することができる。このときにはパラメータ設定は不可能である。
【0035】
これら3つの動作モードには別の名称が付されていてもよい。より少数のもしくはより多数の動作モードが存在していてもよい。
【0036】
図3図5には、アクチュエータの運転開始のための例示的なインタラクティブメニュー構造が示されている。
【0037】
運転開始のためのインタラクティブメニュー構造は、例えば、最初のスイッチオン時に、または運転開始アシスタントの選択によって、S1で開始される。インタラクティブメニュー構造は、この実施例では、順次に問い合わされるべき動作パラメータを決定するための少なくとも1つの経路を含む。定義された経路に沿った次のパラメータ入力へのジャンプは、パラメータ入力の確認応答を経なければ行われない。
【0038】
この実施例に示されているインタラクティブメニュー構造は、問い合わされて入力された動作パラメータのグラフィック表示のために、操作ユニット4の画面7を使用している。この場合、表示されている画面上で、その都度1つの動作パラメータのみが問い合わされる。このようにすれば、小さな画面においても見やすく表示して入力を行うことができる。ユーザは、運転開始によってインタラクティブにガイドされ、この場合、確認応答後つねに、入力が要求される次の動作パラメータだけを受け取る。
【0039】
したがって、この実施例では、インタラクティブメニュー構造は画面ページとして編成されている。当該画面ページのそれぞれは1回ずつのパラメータ入力に相当するが、ここで、パラメータ入力を含まずテキストを表示するのみの指示ページを設けてもよい。なお、すべての画面ページは、次の画面ページに到達するために確認応答を受けなければならない。
【0040】
よって、経路は、特定の画面ページを接続し、これにより、順次に表示される画面ページの順序を定義する。この場合、経路は、例えばそれぞれ異なる分岐内に存在する画面ページを相互に接続することもできる。このようにすることで、非線形のシーケンス、またはメニュー構造によって設定されていないシーケンスを、画面ページによって規定することができる。
【0041】
経路は分岐を含んでいてよく、この場合、パラメータ入力に依存して経路のさらなる延在特性が変更される。
【0042】
この実施例では、まず、以降のスイッチオフ形式の選択についての指示S2が行われる。当該画面の確認応答がなされた後、続いて、S3で、「終端状態 閉」でのスイッチオフ形式の選択が行われる。この実施例では、ここで位置およびトルクの選択が示されている。このとき、他のアクチュエータでは、別のスイッチオフ形式または他のスイッチオフ形式が存在していてよい。
【0043】
続いて、S4で、「終端状態 開」でのスイッチオフ形式の選択が行われる。
【0044】
続いて、S5で、「スイッチオフモーメント 閉」のパラメータ入力が行われ、S6で、「スイッチオフモーメント 開」のパラメータ入力が行われる。
【0045】
続いて、どのような形式で2つの終端状態を入力すべきかの選択S7が行われる。両方の終端状態を入力することができる。駆動モータの「終端状態 閉」およびストローク量、または「終端状態 開」およびストローク量を入力することができる。選択に応じて、経路は、メニュー構造のそれぞれ異なる分岐へ移行する。
【0046】
図4には、こうした代替的な各分岐および対応する経路が示されている。図の左方の第1の経路10は、両方の終端状態の問い合わせである。続くステップS8において、まず、動作モードの変更が強制的に行われる。このために、図2aに示されている動作モード選択スイッチ9を設けることができる。この実施例では、図2bに示されているように、まず、動作モード「ローカル」への変更が行われなければならない。動作モード「ローカル」では、図2aにつき説明したように、操作ユニット4を介して、駆動モータの手動での駆動制御が可能である。動作モード選択スイッチ9の切り替えにより、当該画面の確認応答を行うことができる。
【0047】
次いで、キー8を介して駆動モータを閉鎖すべきであるとの指示S9が示される。続いて、S10で、アクチュエータがキー8を介して閉鎖される。到達した終端状態が動作パラメータとしてセットされる。
【0048】
次いで、キー8を介して駆動モータを開放すべきであるとの指示S11が示される。続いて、S12で、アクチュエータがキー8を介して開放される。到達した終端状態が動作パラメータとしてセットされる。
【0049】
図の中央の第2の経路11は、駆動モータの「終端状態 閉」および固定のストローク量の入力を含んでいる。ステップS8~S10は第1の経路10に対応する。ここでは、対応する画面は、実際には、メニュー構造内の1箇所のみに生じうる。この場合、経路が分岐を越えて対応する画面を接続するので、必要な画面のみが表示されて問い合わされる。こうした同一の画面には以下それぞれ同じ参照符号を付してある。
【0050】
位置が入力された後、S13で、まず、動作モードが「オフ」へ切り替えられなければならず、この動作モードにおいて、動作モード選択スイッチ9が相応の位置へ動かされる(図2b)。次いで、ストローク量の入力についての指示S14が示され、さらにS15で、キー8を介したストローク量値自体の入力が促される。
【0051】
図の右方の第3の経路12は、駆動モータの「終端状態 開」および固定のストローク量の入力を含んでいる。ここでは、S8で動作モードが「ローカル」へ変更された後、S11でアクチュエータの開放が指示され、続いて、S12でキー8を介してアクチュエータが開放される。次いで、第2の経路のステップS13~S15が行われる。
【0052】
第2の経路および第3の経路では、入力された終端状態およびストローク量から、欠落した終端状態が計算される。この場合、ストローク量を、まず、回転値発生器の回転量またはインクリメントへ変換することができる。
【0053】
基本的に、入力のたびに妥当性検査を実行することができるので、誤入力が起こりえない。妥当でない値が確認された場合には確認応答が拒絶され、これにより、次のパラメータ入力へのジャンプが不可能となる。この場合、画面内のエラーを有する値を強調表示することができ、または別のエラーメッセージを表示することもできる。
【0054】
例えば、2つの終端状態は、アクチュエータの完全走行により達成されうるインクリメントの最大数と同じであってはならず、またそれ以上相互に離間して位置していてはならない。
【0055】
本実施例では、第1の位置値を調整する際に、インクリメント値発生器のその都度の値が記録される。続いて、第2の位置値が達成されるまでインクリメント数が計数される。このとき、65000超の値(例えば216)でありうるインクリメントの最大数が超過されると、ゼロからの計数が開始される。つまり、位置値の差は当該値より大きくなってはならない。
【0056】
駆動モータを実際に終端状態へ運動させることに代えて、単に数値を入力することも可能である。このための動作モードの切り替えは必要ない。
【0057】
こうしてパラメータ入力が完了する。図5には、インタラクティブメニュー構造のさらなる経過が示されている。ステップS16では、入力された動作パラメータによるテスト走行を実行すべきか否かを選択することができる。
【0058】
イエスの場合、S8でまず動作モードが「ローカル」へ切り替えられ、続いてS17でテスト走行が行われる。このとき、位置および/またはトルクを基準値として記憶することができ、これにより、これらの位置および/またはトルクを後の比較のために取り置くことができる。テスト走行が終了した後、S13で、動作モードが再び「オフ」へ切り替えられる。
【0059】
続いて、テスト走行が望まれなかった場合には、運転開始が完了したことの指示S18が行われる。これに続いて、S19で、調整された動作パラメータがあらためてオーバービューとして示される。
【0060】
ここで、本明細書に示した各メニュー構造は単なる例示にすぎない。用途に応じて、他の動作パラメータまたは別の動作パラメータの問い合わせおよび入力を行うことができる。
【0061】
図1とは異なり、操作ユニット4は必ずしもアクチュエータ1内にまたはアクチュエータ1に接して配置されていなくてよく、または必ずしもアクチュエータ1に接続されていなくてよい。操作ユニット4は、アプリとして、例えばスマートフォン上、タブレット上またはノートPC上で実行可能である。
【0062】
このようにして、例えば、操作ユニット4なしで、特に画面7なしでアクチュエータ1を構成することが可能となり、これによりコストを節約することができる。ただし、こうした構成にもかかわらず、動作モード選択スイッチ9がアクチュエータ1に物理的に配置されていてもよく、これにより、アプリを介した誤操作が排除される。
【符号の説明】
【0063】
1 アクチュエータ
2 駆動モータ
3 制御ユニット
4 操作ユニット
5 伝動装置
6 調整素子/アーマチュア/バルブ
7 画面
8 キー
9 動作モード選択スイッチ
10 第1の経路
11 第2の経路
12 第3の経路
S1 指示「アシスタントの開始」
S2 指示「スイッチオフ形式の選択」
S3 「終端状態 閉」のスイッチオフ形式の入力
S4 「終端状態 開」のスイッチオフ形式の入力
S5 「スイッチオフモーメント 閉」の入力
S6 「スイッチオフモーメント 開」の入力
S7 「終端状態タイプ」の入力
S8 動作モード選択「ローカル」
S9 指示「アーマチュアの閉鎖」
S10 「終端状態 閉」位置への到達による入力
S11 指示「アーマチュアの開放」
S12 「終端状態 開」位置への到達による入力
S13 動作モード選択「オフ」
S14 指示「ストローク量の入力」
S15 ストローク量の入力
S16 「テスト走行の実行」の入力
S17 テスト走行の実行
S18 指示「入力完了」
S19 指示「オーバービュー」
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
【国際調査報告】