(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】ペットフード組成物
(51)【国際特許分類】
A23K 10/30 20160101AFI20231110BHJP
A23K 20/121 20160101ALI20231110BHJP
A23K 20/105 20160101ALI20231110BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20231110BHJP
【FI】
A23K10/30
A23K20/121
A23K20/105
A23K50/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526101
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021058777
(87)【国際公開番号】W WO2022103836
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502329223
【氏名又は名称】ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】エフライム、エデン
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー、エデム-エリクプリム
(72)【発明者】
【氏名】ジュエル、デニス
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA06
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150DA01
2B150DA08
2B150DB04
2B150DD31
(57)【要約】
本明細書には、プロポリスを含むペットフード組成物が、それを作製および使用する方法とともに記載されている。本開示の一態様によると、約0.1重量%超の量のプロポリスと、約10~約40重量%のタンパク質と、約9~約25重量%の脂質と、約10~約90重量%の炭水化物とを含む食品組成物であって、すべての重量パーセントが食品組成物の総重量に基づいている、ペットフード組成物が提供されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットフード組成物であって、
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%を超える量でプロポリスを含む、ペットフード組成物。
【請求項2】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1~約20重量%の量で存在する、請求項1に記載のペットフード組成物。
【請求項3】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.5~約15重量%の量で存在する、請求項1または請求項2に記載のペットフード組成物。
【請求項4】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1~約10重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項5】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1~約5重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項6】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1~約3重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項7】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1~約2重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項8】
前記プロポリスが花粉、フラボノイド、ポリフェノール、テルペノイド、またはそれらの二つ以上の組み合わせを含む、請求項1~7のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項9】
前記フラボノイドがフラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノノール、カルコン、ジヒドロカルコン、イソフラボン、イソジヒドロフラボン、フラバン、イソフラバン、ネオフラボノイド、フラボノイドグリコシド、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項8のペットフード組成物。
【請求項10】
フラボノイドが、2-(1-(2-メチルコルトノイルオキシ)-1-メチルエチル)-8-オキソ-1、2-ジヒドロフラノ[2,3-H]2H-クロメン、3-メチル-ブト-2-エン酸、2,2-ジメチル-8-オキソ-3、4-ジヒドロ-2H,8H-ピラノ[3,2-g]クロメン-3-イルエステル、2H-シクロペンタシクロオクテン,4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1,2,2、3-テトラメチル、ゲルマニコール、ジメチル-1,3,5,6-テトラメチル-[1,3-(13C2)]ビシクル、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項8または請求項9に記載のペットフード組成物。
【請求項11】
前記テルペノイドが非環式モノテルペン、単環式モノテルペン、二環式モノテルペン、またはそれらの二つ以上の組み合わせを含む、請求項8に記載のペットフード組成物。
【請求項12】
テルペノイドが、ドデカ-1,3,5,6,8,10-ヘキサエン-9,10-ジカルボン酸塩、スピロ[ベンゾ[a]シクロペンタ[3,4]シクロブタ[1,2-c]シクロヘプテン-、8(5H),2’-[1,3]ジオキサン]、6,7,7b,10a-テトラヒドロ-1、14-メチル-コレスト-7-エン-3-オール-15-オン、(3α,4α)-4-メチル-スティグマスト-22-エン-3-オール、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項8または請求項11に記載のペットフード組成物。
【請求項13】
前記プロポリスが花粉と、フラボノイド、ポリフェノール、テルペノイドのうちの一つ以上とを含む、請求項8~請求項12のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項14】
前記組成物がブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、トコフェロール、およびそれらの誘導体のうちの少なくとも一つを実質的に含まない(任意選択的に含まない)請求項1~13のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項15】
前記組成物が、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、トコフェロール、およびそれらの誘導体を実質的に含まない(任意選択的に含まない)請求項1~14のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項16】
前記組成物が抗酸化剤を実質的に含まない、請求項1~15のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項17】
前記組成物が抗酸化剤を含まない、請求項1~16のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項18】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約6~約12重量%の水分を含む、請求項1~17のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項19】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約65~約85重量%の水分を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項20】
前記組成物が柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む、請求項1~19のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項21】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約10~約40重量%のタンパク質をさらに含む、請求項1~20のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項22】
前記タンパク質の約10~約99重量%が可消化タンパク質である、請求項21に記載のペットフード組成物。
【請求項23】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約9~約25重量%の脂質をさらに含む、請求項1~22のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項24】
総脂質の約50重量%以上が動物源から得られる、請求項23に記載の食品組成物。
【請求項25】
前記総脂質の約80重量%以上が動物源から得られる、請求項23に記載の食品組成物。
【請求項26】
前記総脂質の約50重量%以上が植物源から得られる、請求項23に記載の食品組成物。
【請求項27】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約10~約90重量%の炭水化物をさらに含む、請求項1~26のいずれかに記載のペットフード組成物。
【請求項28】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための組成物であって、前記組成物が0.1重量%超の量のプロポリスを含み、すべての重量パーセントが乾燥物質基準で前記組成物の総重量に基づいている、組成物。
【請求項29】
前記コンパニオンアニマルがイヌ科動物またはネコ科動物である、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
食物摂取量を減少させながら、体重を増加させるのに有用な組成物であって、前記組成物が0.1重量%超の量のプロポリスを含み、すべての重量パーセントが乾燥物質基準で前記組成物の総重量に基づいている、組成物。
【請求項31】
前記コンパニオンアニマルがイヌ科動物またはネコ科動物である、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための方法であって、前記方法が、有効量のペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含み、ペットフード組成物が、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%超の量のプロポリスを含む、方法。
【請求項33】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1~約20重量%、約0.5~約15重量%、約1~約10重量%、約1~約5重量%、約1~約3重量%、または約1~約2重量%の量で存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ペットフード組成物が抗酸化剤を実質的に含まない、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が抗酸化剤を含まない、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が約6~約12重量%の水分を含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が約65~約85重量%の水分を含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記コンパニオンアニマルがイヌ科動物またはネコ科動物である、請求項32~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させ、体重を増加させるための方法であって、前記方法が、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%超の量のプロポリスを含む有効量のペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含む、方法。
【請求項41】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1~約20重量%、約0.5~約15重量%、約1~約10重量%、約1~約5重量%、約1~約3重量%、または約1~約2重量%の量で存在する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物が抗酸化剤を実質的に含まない、請求項40または請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物が抗酸化剤を含まない、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約6~約12重量%の水分を含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約65~約85重量%の水分を含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む、請求項40~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記コンパニオンアニマルがイヌ科動物またはネコ科動物である、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物が少なくとも1日1回、30日以上にわたり、前記コンパニオンアニマルに給餌される、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
約0.1重量%超の量のプロポリスと、約10~約40重量%のタンパク質と、約9~約25重量%の脂質と、約10~約90重量%の炭水化物とを含む食品組成物であって、すべての重量パーセントが乾燥物質基準で前記食品組成物の総重量に基づいている、食品組成物。
【請求項50】
コンパニオンアニマルにおける糖化最終産物および尿毒症毒素を減少させるための食品組成物の使用であって、前記食品組成物が、約0.1重量%超の量のプロポリスと、約10~約40重量%のタンパク質と、約9~約25重量%の脂質と、約10~約90重量%の炭水化物とを含み、すべての重量パーセントが乾燥物質基準で前記食品組成物の総重量に基づいている、食品組成物の使用。
【請求項51】
10日以上にわたり毎日ペットに給餌した後で、前記糖化最終産物を少なくとも10%減少させるための、請求項50に記載の食品組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月11日に出願された米国仮特許出願第63/112,361号の優先権の利益を主張するものであり、これにより、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
体重管理の失敗は典型的に、過剰なカロリーを消費して、それらカロリーを燃焼しないことと(これは体重増加をもたらす)、体重を維持するために十分なカロリーを消費できないことと(これは体重減少をもたらす)のうちのいずれかに起因して発生する。
【0003】
飼育動物の健康は、その食給餌と密接に関係している場合がある。正しい給餌は、元気で健康なペットをもたらすはずである。正しい給餌を達成するために、動物にとって有益な効果をもたらす特定の成分およびそれらの成分の濃度を利用しうる。こうした有益な効果には、動物の体重の増加、または毎日の食物摂取量の減少、またはこれら両方が含まれうる。
【0004】
従って、動物の体重を増加させること、または食物摂取量を減少させること、またはこれら両方に影響を及ぼすことによってなど、動物に有益な影響を与えうるペットフード組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、本開示の一つ以上の実施の一部の態様の簡略化された要約を単に紹介することを意図するものである。本開示が適用可能であるさらなる範囲は、本明細書で以下に提供される「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。本概要は広範な概説ではなく、本教示の鍵となる要素または重要な要素を特定することも意図しておらず、本開示の範囲を説明することも意図していない。むしろ、その目的は、以下の「発明を実施するための形態」の前置きとして、一つ以上の概念を簡略化された形式で提示することにすぎない。
【0006】
出願人は、ペットフード組成物内の特定の成分を利用することが、効果的な健康上の利益をもたらすことを発見した。一つの態様では、健康上の利益は、動物の質量を増加させることであってもよい。別の態様では、健康上の利益は、動物の食物摂取量を減少させることであってもよい。別の態様では、利益は、動物の食物摂取量を減少させること、および動物の体重を増加させることであってもよい。別の態様では、動物はコンパニオンアニマルであってもよい。別の態様では、動物は高齢の動物であってもよい。別の態様では、動物はイヌ科動物であってもよい。従って、一つの態様では、本発明は、プロポリスを含むペットフード組成物である。
【0007】
少なくとも一つの実施形態では、本発明はペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%以上の量で存在するプロポリスを含むペットフード組成物に関する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%で存在する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.5%~約15%で存在する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約10%で存在する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約5%の量で存在する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約3%の量で存在する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約2%の量で存在する。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を実質的に含まない。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を含まない。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約6%~約12%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約65%~約85%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物は柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む。
【0008】
特定の実施形態では、本発明は、コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための組成物を対象とし、組成物は組成物の総重量に基づいて、0.1%超の量のプロポリスを含む。特定の実施形態では、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物またはネコ科動物である。
【0009】
特定の実施形態では、本発明は、体重を増加させながら食物摂取量を減少させるのに有用な組成物を対象とし、組成物は組成物の総重量に基づいて、0.1%超の量のプロポリスを含む。特定の実施形態では、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物またはネコ科動物である。
【0010】
特定の実施形態では、本発明は、コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための方法を対象とし、方法は、有効量のペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含み、ペットフード組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%超の量のプロポリスを含む。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%、約0.5%~約15%、約1%~約10%、約1%~約5%、約1%~約3%、または約1%~約2%の量で存在する。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を実質的に含まない。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を含まない。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約6%~約12%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約65~約85重量%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物は柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む。特定の実施形態では、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物またはネコ科動物である。
【0011】
さらなる特定の実施形態では、本発明は、コンパニオンアニマルの食物摂取量を低減させ、体重を増加させるための方法を対象とし、方法はペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%超で存在するプロポリスを含む有効量のペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含む。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%、約0.5%~約15%、約1%~約10%、約1%~約5%、約1%~約3%、または約1%~約2%の量で存在する。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を実質的に含まない。特定の実施形態では、組成物は抗酸化剤を含まない。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約6%~約12%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、約65%~約85%の水分を含む。特定の実施形態では、組成物は柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む。特定の実施形態では、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物またはネコ科動物である。
【0012】
本発明が適用可能であるさらなる範囲は、以下に提供される「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。当然のことながら、「発明を実施するための形態」および特定の実施例は、本発明の典型的な実施形態を示しているものの、例示の目的のみを意図していて、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の特徴および利点は、本発明の特定の実施形態についての以下のより詳細な「発明を実施するための形態」から、および添付図面に図示の通りに明らかになる。
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の態様による例示の食品組成物または比較の食品組成物を与えられた後の、ネコの尿毒症毒素レベルの棒グラフである。
【0015】
【
図2】
図2は、本発明の態様による例示の食品組成物または比較の食品組成物を与えられた後の、ネコの糖化最終産物レベルの棒グラフである。
【0016】
当然のことながら、様々な態様は、図に示す組成物、配置、手段に限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
例示の目的のために、本発明の原理は、その様々な例示的な実施形態を参照することによって記述されている。本発明の特定の実施形態が本明細書に具体的に記述されているものの、当業者であれば、同じ原理が等しく適用可能であり、他の用途および方法に採用されることができることを容易に認識するであろう。本発明が、その用途において、示された任意の特定の実施形態の詳細に限定されないことが理解される。本明細書で使用される用語は、記述の目的のためのものであり、本発明、その用途、または使用を限定しない。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」および「その(the)」は、文脈によって別途規定されない限り、複数の参照を含む。成分の任意のクラスの単数形は、そのクラス内の一つの化学種だけでなく、それらの化学種の混合物も指す。「一つの(a)」(または「一つの(an)」)、「一つ以上の」および「少なくとも一つの」という用語は本明細書において、互換的に使用されてもよい。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」および「有する(having)」という用語は、互換的に使用されてもよい。「含む(include)」という用語は、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。「含む(including)」という用語は、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0019】
全体を通して使用されている「範囲」は、その範囲内にあるありとあらゆる値を記述するための省略表現として使用される。範囲内の任意の値を、その範囲の末端として選択することができる。例えば、0.5~6%の範囲は、多くの中から、例えば0.6%、0.7%、0.9%など、5.95%、5.97%、5.99%を含む上限値までなど、すべての中間値を明示的に含むことになる。文脈が別様を明確に規定しない限り、本明細書に記載の他の数値特性および/または要素的範囲の各々に同じものが適用される。
【0020】
別途明記されていない限り、本明細書において、および本明細書のどこかで表現される割合および量はすべて、全組成物の重量割合を指すものと理解されるべきである。別途明記されていない限り、「wt.%」および「重量%」で存在する成分または構成成分への言及は、組成物の総重量に基づいて組成物中に存在するその成分または構成成分の量を指す。乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて重量パーセントが提供される場合、こうした重量パーセントは、水を除く場合の組成物中のその成分または構成成分の重量パーセントを指す。
【0021】
本出願によると、数値に伴う「約」という用語の使用は、その数字の+/-5%であってもよい値を指す。本明細書で使用される「実質的に含まない」という用語は、組成物の約5.0重量%(「wt.」)未満、3.0重量%未満、1.0重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.25重量%未満の量を意味することを意図する。本明細書で使用される「含まない」という用語は、検出可能な量が存在しないことを意味することが意図される。
【0022】
「ペットフード組成物」という用語は、動物および好ましくはペットによる摂取に適した組成物を意味する。ペットフード組成物は、限定されないが、栄養的にバランスの取れた、毎日の給餌に適した組成物、ならびに栄養的にバランスが取れている場合もあればそうでない場合もある、サプリメントおよび/またはおやつを含んでもよい。「栄養的にバランスの取れた」という用語は、ペットフード組成物などの組成物が、政府機関およびペット栄養の分野を含むがこれに限定されない、認識されている当局の勧告に基づいて、適切な量および割合で命を維持するための既知の必要な栄養素を有することを意味する。ペットフード組成物はドライ組成物(例えば、キブル)、セミモイスト組成物、ウェット組成物、またはこれらの任意の混合物であってもよい。特定の実施形態では、組成物は、グレービー、飲料水、ヨーグルト、粉末、懸濁液、チューズ、おやつ(例えば、ビスケット)、または任意の他の送達形態などのサプリメントであってもよい。
【0023】
「有効量」という用語は、材料または材料の量が、疾患または健康状態の一つ以上の症状の防止、緩和、または寛解などであるがこれらに限定されない、意図された結果を達成するために有効であることを示す。
【0024】
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用または参照されるすべての特許、特許出願、刊行物、その他の参考文献は、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。本開示における定義と、引用された参照文献における定義に矛盾がある場合、本開示が支配する。
【0025】
本開示は、ペットフード組成物、およびこうしたペットフード組成物をコンパニオンペットの治療のために使用する方法を対象とする。特定の実施形態では、ペットはイヌ科動物である。他の実施形態では、イヌ科動物は高齢である。さらなる実施形態では、ペットはネコ科動物である。特定の実施形態では、ネコ科動物は高齢である。特定の実施形態では、高齢のペットは少なくとも4、5、6、または7歳である。
【0026】
本発明者らは驚くべきことに、また予想外に、プロポリスを含むペットフード食餌を動物に提供することが、動物の健康上の利益の向上をもたらすことを発見した。こうした健康上の利益の向上は、多数の態様によって例示されうる。最初の態様では、健康上の利益は、動物の体重を増加させることであってもよい。別の態様では、健康上の利益は、動物の食物摂取量を減少させることであってもよい。別の態様では、健康上の利益は、動物の体重を増加させることと、その一方で同時に動物の食物摂取量を減少させることとの両方であってもよい。
【0027】
一つの態様では、本開示は従って、ペットフード組成物の重量に基づいて、約0.1%以上の量で存在するプロポリスを含むペットフード組成物を提供する。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%の量で存在する。組成物の一部の実施形態は、低減された量の抗酸化剤を有してもよい。限られた量で含まれている、または組成物から除外されている抗酸化剤は、ブチルヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチルヒドロキシトルエン(「BHT」)、tert-ブチルヒドロキノン(「TBHQ」)、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、そのトコフェロール誘導体、ローズマリー、ブドウの種子、クルクマ、植物の混合物、またはそれらの二つ以上の組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、ペットフード組成物は、低減された量の(例えば、実質的に含まないか、または含まない)ローズマリー、ブドウの種子、クルクマ、またはそれらの混合物を有する。特定の実施形態では、ペットフード組成物は、抗酸化剤を実質的に含まない。例えば、組成物は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、または約0.01重量%以下の抗酸化剤を含んでもよい。特定の実施形態では、ペットフード組成物は、抗酸化剤を含まない。
【0028】
プロポリスは一般的に、ミツバチが様々な植物の実生および芽から採取する、糊様の天然樹脂物質である。プロポリスは花粉、フラボノイド、ポリフェノール、テルペノイド、またはそれらの二つ以上の組み合わせのうちの一つ以上を含むことが好ましい。例えば、プロポリスはフラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノノール、カルコン、ジヒドロカルコン、イソフラボン、イソジヒドロフラボン、フラバン、イソフラバン、ネオフラボノイド、フラボノイドグリコシド、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択されるフラボノイドを含んでもよい。プロポリスは、抗炎症性、抗ウイルス性、抗酸化性、抗がん性、抗菌性、抗アレルギー性の特性を提供する一つ以上のフラボノイドを含むことが好ましい。少なくとも一つの実施形態では、プロポリスは、2-(1-(2-メチルコルトノイルオキシ)-1-メチルエチル)-8-オキソ-1、2-ジヒドロフラノ[2,3-H]2H-クロメン、3-メチル-ブト-2-エン酸、2,2-ジメチル-8-オキソ-3、4-ジヒドロ-2H,8H-ピラノ[3,2-g]クロメン-3-イルエステル、2H-シクロペンタシクロオクテン,4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1,2,2、3-テトラメチル、ゲルマニコール、ジメチル-1,3,5,6-テトラメチル-[1,3-(13C2)]ビシクル、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択されるフラボノイドを含む。組成物は、非環式モノテルペン、単環式モノテルペン、二環式モノテルペン、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される一つ以上のテルペノイドを含むプロポリスを含んでもよい。少なくとも一つの実施形態では、プロポリスは、ドデカ-1,3,5,6,8,10-ヘキサエン-9,10-ジカルボン酸塩、スピロ[ベンゾ[a]シクロペンタ[3,4]シクロブタ[1,2-c]シクロヘプテン-、8(5H),2’-[1,3]ジオキサン]、6,7,7b,10a-テトラヒドロ-1、14-メチル-コレスト-7-エン-3-オール-15-オン、(3α,4α)-4-メチル-スティグマスト-22-エン-3-オール、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択されるテルペノイドを含む。組成物は、金属イオンをキレート化することができるポリフェノールなど、一つ以上のポリフェノールを含んでもよい。
【0029】
プロポリスは、様々な量または濃度で存在してもよい。一つの実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%以上の量で存在してもよい。特定の実施形態では、プロポリスはペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%の量で存在する。例えば、プロポリスは、約0.1重量%、0.5重量%、0.8重量%、1.0重量%、約1.2重量%、約1.4重量%、約1.6重量%、約1.8重量%、約2.0重量%、約2.2重量%、約2.4重量%、約2.6重量%、約2.8重量%、約3.0重量%、約3.2重量%、約3.4重量%、約3.6重量%、約3.8重量%、約4.0重量%、約4.2重量%、約4.4重量%、約4.6重量%、約4.8重量%、または約5.0重量%、約8.0重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約15.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、または約20.0重量%の量で存在してもよい。別の実施例において、プロポリスは、乾燥物質基準でのペットフード組成物の重量に基づいて、約0.1%~約10%、約0.1%~約7%、約0.1%~約5%、または約0.1%~約3%の量で存在しうる。さらなる実施形態では、プロポリスは、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約6%以上、約10%以上、または約15%以上の量で存在する。さらなる実施形態では、プロポリスは、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約20%、約0.1%~約15%、約0.1%~約10%、約0.1%~約6%、約0.1%~約4%、約0.5%~約5%、約1%~約15%、約1%~約10%、約1%~約5%、約1%~3%、または約1%~約2%の量で存在する。
【0030】
ペットフード組成物は、タンパク質および/または可消化粗タンパク質を含んでもよい。「可消化粗タンパク質」は、胃の酵素で消化した後、利用可能な、または遊離窒素(アミノ酸)へと変換されることができるタンパク質の部分である。可消化粗タンパク質のインビトロ測定は、ペプシンなどの胃の酵素を使用することと、試料を消化することと、消化後に遊離アミノ酸を測定することとによって達成されてもよい。可消化粗タンパク質のインビボ測定は、飼料/フード試料中のタンパク質レベルを測定することと、試料を動物に給餌することと、動物の糞便中で収集される窒素の量を測定することとによって達成されてもよい。
【0031】
組成物のタンパク質および/または可消化粗タンパク質は、様々な量または濃度で存在する場合がある。一つの実施形態では、タンパク質はペットフード組成物の総重量に基づいて、約10%~約40%の量で存在してもよい。例えば、タンパク質は、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%の量で存在してもよい。別の実施例において、タンパク質は、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約10%~約25%、約15%~約25%、または約15%~約20%の量で存在してもよい。特定の実施形態では、タンパク質は、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約12%~約35%、約13%~約25%、または約15%~約25%の量で存在する。
【0032】
組成物中のタンパク質の一部分は、可消化タンパク質であってもよい。例えば、組成物は、タンパク質の約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、約98重量%以上、または約99重量%以上が可消化タンパク質である、タンパク質の量を含んでもよい。一部の実施形態では、例えば望ましい組成物が体重減少を促進する時、可消化タンパク質であるタンパク質の一部分は、組成物中のタンパク質の総量に基づいて、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、または約10重量%以下である。さらなる実施形態では、可消化タンパク質であるタンパク質の量は、組成物中のタンパク質の総量に基づいて、約10~約99重量%、約10~約95重量%、約10~約90重量%、約10~約70重量%、約10~約50重量%、約10~約30重量%、約30~約99重量%、約30~約95重量%、約30~約90重量%、約30~約70重量%、約30~約50重量%、約50~約99重量%、約50~約95重量%、約50~約90重量%、約50~約70重量%、または約70~約99重量%、約70~約95重量%、約70~約90重量%であり、その中の範囲および部分範囲を含む。
【0033】
本発明の組成物は随意に、ペットフード組成物での使用に適した追加的な成分を含んでもよい。こうした成分の例としては、脂質、炭水化物、食物繊維、アミノ酸、ミネラル、微量元素、ビタミン、添加物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0034】
炭水化物は、オート麦繊維、セルロース、落花生殻、ビートパルプ、パーボイルド米、コーンスターチ、コーングルテンミール、およびこれら成分源の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、当業者に知られている任意の様々な成分源から供給されることができる。炭水化物を供給する穀物としては、小麦、トウモロコシ、大麦、米を挙げることができるが、これらに限定されない。フードの炭水化物含有量は、当業者に知られている任意の数の方法によって決定されることができる。一般的に、炭水化物の割合は、可溶無窒素物(「NFE」)として計算されることができ、これは以下のように計算されることができる。NFE=100%-(水分%)-(タンパク質%)-(脂質%)-(灰分%)-(粗繊維%)。組成物中に存在する炭水化物の量(例えば、NFEとして計算される)は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約10~約90重量%、約10~約70重量%、約10~約50重量%、約10~約40重量%、約10~約30重量%、約10~約20重量%、約20~約90重量%、約20~約70重量%、約20~約50重量%、約20~約40重量%、約30~約90重量%、約30~約70重量%、約30~約50重量%、約30~約40重量%、約50~約90重量%、約50~約70重量%、または約70~約90重量%であってもよい。
【0035】
食物繊維とは、動物の消化酵素による消化に耐性を有する植物の構成成分を指す。食物繊維としては、可溶性繊維および不溶性繊維が挙げられる。可溶性繊維は、小腸での消化および吸収に対して耐性があり、かつ大腸で完全にまたは部分的に発酵されるものであり、例えばビートパルプ、グアーガム、チコリー根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、オート麦、マメ類、柑橘類、大麦、またはエンドウである。不溶性繊維は、例えばセルロース、全粒小麦製品、小麦オート麦(wheat oat)、コーンブラン、亜麻仁、ブドウ、セロリ、サヤインゲン、カリフラワー、ジャガイモの皮、果物の皮、野菜の皮、落花生殻、および大豆繊維を含む、任意の様々な成分源から供給されることができる。粗繊維としては、穀物などの植物の細胞壁および細胞含有物(例えば米、トウモロコシ、およびマメなどの穀物の殻)に含有されている消化されにくい成分が挙げられる。本開示の組成物中の典型的な粗繊維量は、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約0~10重量%、約1~約5重量%、約1~約3重量%、または約1~約2重量%とすることができる。
【0036】
ペットフード組成物は、全食物繊維を含んでもよい。全食物繊維は、様々な量または濃度で存在しうる。一つの実施形態では、全食物繊維はペットフード組成物の総重量に基づいて、約20%未満の量で存在しうる。特定の実施形態では、全食物繊維はペットフード組成物の総重量に基づいて、約10%~約20%の量で存在する。例えば、全食物繊維は、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、約15.0重量%、約15.5重量%、約16.0重量%、約16.5重量%、約17.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、約18.5重量%、約19.0重量%、約19.5重量%、または約20.0重量%の量で存在してもよい。別の実施例において、全食物繊維はペットフード組成物の総重量に基づいて、約10%~約18%、約12%~約18%、または約15%~約18%の量で存在しうる。さらなる実施形態では、全食物繊維は、乾燥物質基準でのペットフード組成物の総重量に基づいて、約15%~約20%、約16%~約19%、または約16%~約18%の量で存在する。
【0037】
必須アミノ酸を含むアミノ酸は、遊離アミノ酸として本開示の組成物に添加されることができ、または任意の数の成分源(例えば粗タンパク質)によって本開示の組成物に供給されることができる。必須アミノ酸は、新規に合成できない、または生命体により不十分な量しか合成できないアミノ酸であり、それ故に食事内に供給されなければならない。必須アミノ酸は、生命体の代謝に依存して、種ごとに異なる。例えば、イヌおよびネコ(ならびにヒト)の必須アミノ酸はフェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、リシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニンであることが一般的に理解されている。加えて、タウリンは、専門的にはアミノ酸ではないがシステインの誘導体であり、ネコにとっての必須栄養素である。
【0038】
本発明の組成物は随意に、脂質を含んでもよい。「脂質」という用語は一般的に、通常の室温(例えば、25℃)および圧力(例えば、1気圧)にて概して固体または液体であってもよい脂質または脂質の混合物を指す。一部の場合において、脂質は、標準室温および標準圧力にて粘性液体または非結晶性固体であってもよい。
【0039】
脂質は、肉、食肉副産物、キャノーラ油、魚油、植物など、当業者に知られている様々な成分源のいずれかによって供給されることができる。植物性脂質源としては、小麦、亜麻仁、ライ麦、大麦、米、ソルガム、トウモロコシ、オート麦、粟、小麦胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆、落花生、綿実だけでなく、これらおよび他の植物性脂質源に由来する油が挙げられる。本開示の組成物はペットフード組成物の総重量に基づいて、少なくとも約9重量%(または約9~約25重量%、または約10~約20重量%、または約10~約15重量%)の総脂質を含有してもよい。一部の場合において、組成物中の脂質は粗脂質である。粗脂質は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約10~約20重量%、約10~約18重量%、約10~約16重量%、約12~約20重量%、約12~約18重量%、または約12~約16重量%の量で組成物の中に含まれてもよい。一部の場合において、総脂質の約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、または約90重量%以上が動物源から得られることが好ましい場合がある。代替的に、総脂質の約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、または約90重量%以上が植物源から得られてもよい。
【0040】
本開示の組成物はまた、例えば塩化物、ヨウ化物、フッ化物、硫化物、もしくは酸化物などの対イオンを有する、一つ以上のミネラルおよび/または微量元素(例えば、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、クロム、モリブデン、セレン、もしくは鉄塩類)を、欠乏を回避し、かつ健康を維持するために必要とされる量で含有することもできる。これらの量は、例えばOfficial Publication of the Associate of American Feed Control Officials,Inc.(”AAFCO”),Nutrient Requirements of Dogs and Cats,2006で提供されている通り、当業者に知られている。典型的なミネラルの量は、約0.1%~約4%、または約1%~約2%である。
【0041】
本発明の組成物はまた、欠乏を回避し、かつ健康を維持するために必要とされる量でビタミンを含むことができる。これらの量および測定方法は当業者に知られている。例えば、Official Publication of the Associate of American Feed Control Officials,Inc.(”AAFCO”),Nutrient Requirements of Dogs and Cats,2006は、イヌおよびネコにとってのこうした成分の推奨される量を提供している。本明細書で企図される通り、ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、葉酸、コリン、イノシトール、ナイアシン、パントテン酸が挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の組成物中の典型的なビタミンの量は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約0~約3%、または約1%~約2%である。
【0042】
ペットフード組成物の栄養成分は、様々な食品源に由来してもよい。非限定的な例として、タンパク質、炭水化物、脂質、繊維栄養素、ビタミンは、動物源(鶏肉、牛肉、豚肉など)、および/または植物源(コーングルテンミール、小麦グルテン、グルテン、柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトなど)のうちの一つ以上の使用によって提供されてもよい。特定の実施形態では、栄養成分は、少なくとも柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトを利用することによって提供される。
【0043】
本開示の組成物は、食味強化剤および安定剤などの他の添加物を、当業者によく知られている量および組み合わせで追加的に含むことができる。安定化物質としては、例えば組成物の貯蔵寿命を増加させる傾向にある物質が挙げられる。本発明の組成物中に含めるために潜在的に適切である他のこうした添加物の他の例としては、例えば防腐剤、着色剤、抗酸化剤、風味剤、協力剤および捕捉剤、包装ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、湿潤剤が挙げられる。前述の添加剤のリストは、一部の実施形態では潜在的に適切でありうるものの、前述の添加剤のうちの一つ以上は、組成物の他の実施形態から除外されてもよい。乳化剤および/または増粘剤の例としては、例えばゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、加工デンプンが挙げられる。組成物中のこうした添加物の濃度は典型的に、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、最大約5重量%とすることができる。一部の実施形態では、こうした添加物の濃度(特に、こうした添加物が主に栄養バランス剤(ビタミンおよびミネラルなど)である場合)は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約0~約2.0重量%である。一部の実施形態では、こうした添加物の濃度(この場合も特に、こうした添加物が主に栄養バランス剤である場合)は、乾燥物質基準での組成物の総重量に基づいて、約0~約1.0重量%である。
【0044】
本明細書に開示されているペットフード組成物は、湿潤組成物または乾燥組成物であってもよく、プロポリスおよびその他の成分は、食品組成物の中に組み込まれるか、または例えば表面上に噴霧する、凝集させる、振りかける、または析出させることによって、任意の組成物構成成分の表面上で組み込まれることができる。
【0045】
特定の態様では、任意の粘度または含水量のペットフード組成物が企図されていて、例えば本発明の組成物は、例えば動物用のドライ、モイスト、またはセミモイスト食品組成物とすることができる。「セミモイスト」は、約25~約35%の水分を含有する食品組成物を指す。「モイスト」フードは、約60~90%以上の含水量を有する食品組成物を指す。「ドライ」フードは、約3~約12%の含水量を有する食品組成物を指し、多くの場合、小片またはキブルの形態で製造される。
【0046】
ペットフード産業において、食物は一般的に「ウェット」または「ドライ」として分類されている。ウェットフードは比較的に高い量の水分を持ち、通常は、空気が実質的にまたは完全に除外された缶または容器内に存在する。こうしたフードの例は、液体グレービー、または一般的に容器の形状を取るローフタイプの材料の存在下で、「ぶつ切りの、およびグレービーな」個々の固体粒子である。ドライフードは概して、焼き付けられたまたは押し出された材料であり、押し出された材料はその後、通常キブルとして知られる個別の形状の部分に切断される。プロポリスは、従来の手段によって、ウェットフードまたはドライフードに容易に組み込まれることができる。
【0047】
特定の実施形態では、ペットフード組成物は水分を含む。水分は、様々な量または濃度で存在しうる。一つの実施形態では、水分はペットフード組成物の総重量に基づいて、約5%~約15%の量で存在しうる。例えば、水分は、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約8.5重量%、約9.0重量%、約9.5重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、または約15.0重量%の量で存在しうる。別の実施例において、水分はペットフード組成物の総重量に基づいて、約6%~約12%、約9%~約13%、約9%~約11%、または約9%~約13%の量で存在しうる。特定の実施形態では、水分はペットフード組成物の総重量に基づいて、約5%~約12%、約6%~約11%、または約7%~約10.0%の量で存在する。さらなる実施形態では、水分はペットフード組成物の総重量に基づいて、約65%~約85%、約60%~約80%、または約60%~約75%の量で存在する。
【0048】
特定の実施形態では、ペットフードは乾燥形態である。特定の実施形態では、ペットフードはキブルである。特定の実施形態では、キブルは乾燥している。他の実施形態では、キブルは水分を含む。
【0049】
特定の態様では、本出願は、本開示の組成物のいずれかを作製する方法をさらに開示する。ウェット形態または缶詰形態での本発明の組成物の調製において、任意の成分(例えば、プロポリス、タンパク質、炭水化物)は一般的に例えば、配合物の加工中、例えば組成物の他の構成成分の混合中および/または混合後などに組成物の中に組み込まれることができる。これらの構成成分の組成物への分配は、従来の手段によって達成されることができる。一部の実施形態では、粉砕した動物タンパク性組織および家禽タンパク性組織は、魚油、穀物粒、他の栄養的にバランスが取れている成分、特殊目的の添加物を含む他の成分(例えば、ビタミンおよびミネラル混合物、無機塩、セルロースおよびビートパルプ、増量剤、ならびにこれに類するもの)と混合されていて、また加工のために十分な量の水が添加されている。これらの成分は、構成成分をブレンドしながら加熱するために適切な容器内で混合されることができる。例えば、直接蒸気注入によって、または熱交換器を備えた容器を使用することによってなど、任意の適切なやり方を使用して、混合物の加熱を行うことができる。最後の成分の添加に続いて、混合物を約50°F(10℃)~約212°F(100℃)の温度範囲に加熱することができる。一部の場合において、混合物を約70°F(21℃)~約140°F(60℃)の温度範囲に加熱することができる。これらの範囲外の温度も一般的に許容可能であるが、他の加工助剤を使用しなければ、商業的に非実用的である場合がある。適切な温度に加熱されると、材料は典型的に、濃厚液の形態になるであろう。この濃厚液は缶の中に充填されることができる。缶の中に充填されると、蓋が付けられ、容器は気密密封される。次いで、密封した缶は、内容物を滅菌するために設計された従来の機器の中に定置される。これは通常、約230°F(110℃)を超える温度に、適切な時間にわたって加熱することによって達成され、この時間は例えば、使用する温度および組成物に依存する。
【0050】
ペットフード組成物は代替的に、従来のプロセスを使用して、乾燥形態で調製されることができる。典型的に、例えば動物性タンパク質、植物性タンパク質、穀物等をなどの乾燥成分は粉砕され、一緒に混合される。次いで、脂質、油、動物性タンパク質、水などの湿った成分または液体成分を加え、乾燥混合物と混合する。次いで、混合物をキブルまたは類似の乾燥片へと加工する。キブルは多くの場合、ドライ成分とウェット成分の混合物を高圧および高温にて機械作業に供し、小さい開口部を通して押し出し、回転ナイフによってキブルへと切断される押出成形プロセスを使用して形成される。次いで、ウェットキブルを随意に乾燥させる、および/または一つ以上の局所的なコーティング(これは、例えば風味剤、脂質、油、粉末、およびこれに類するものを含んでもよい)を用いてコーティングする。キブルはまた、押出成形ではなく焼き上げるプロセスを用いてドウから作製されることができ、このプロセスにおいてドウは型の中に定置された後、乾燥加熱処理される。
【0051】
ペットフード組成物は、ペットフード組成物を消費するコンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるか、または食物摂取量を減少させて体重を増加させるかのいずれかに有効な頻度および期間で投与されてもよい。特定の実施形態では、組成物は少なくとも一日一回投与され、特定の状況において、組成物は週に二回、または週に一回など、より少ない頻度で投与される。特定の実施形態では、投与は、少なくとも約1週、例えば少なくとも約2週、少なくとも約3週、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、または少なくとも約3年にわたり継続しうる。一つの実施形態では、投与は、実質的に動物の残りの寿命にわたり、開始の時から継続される。一般に、ペットフード組成物は、コンパニオンアニマルがペットフード組成物を摂取する時に、コンパニオンアニマルに投与される。
【0052】
一つの実施形態では、本開示は、コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させる方法を提供し、方法は、前述および実施例内に記載の通りのプロポリスを含むペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含む。好ましい実施形態では、食物摂取量の減少は、本明細書に記載の通りの発明組成物の摂取の不在下で起こることになる減少よりも大きい。特定の実施形態では、食物摂取量の変化は、代謝体重当たり少なくとも約7g、約7.7g、約8g、約9g、またはそれを超えるグラム数である。
【0053】
別の実施形態では、本開示は、コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させ、その体重を増加させる方法を提供し、方法は、前述および実施例内に記載の通りのプロポリスを含むペットフード組成物をコンパニオンアニマルに給餌することを含む。方法は、10日以上、15日以上、または30日以上にわたるペットへの毎日の給餌後、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、または好ましくは少なくとも30%だけ糖化最終産物を減少させるために使用されうる。好ましい実施形態では、食物摂取量の減少および体重の増加は、本明細書に記載の通りの発明組成物の摂取の不在下で起こることになる減少と増加よりも大きい。特定の実施形態では、食物摂取量の変化は、代謝体重当たり少なくとも約7g、約8g、約9g、またはそれを超えるグラム数である。特定の実施形態では、体重の増加は、少なくとも約0.3kg、約0.37kg、約0.4kg、約0.5kg、またはそれを超えるキログラム数である。
【実施例】
【0054】
本明細書に記載の実施例およびその他の実施は例示的であり、本開示の組成物および方法の全範囲の記述に限定することを意図しない。特定の実施、材料、組成物、および方法の同等の変更、修正、および変形は、実質的に類似の結果を伴って、本開示の範囲内で行われてもよい。
【0055】
実施例1
年長のイヌ40匹は給餌前30日間中、試験前の食物を与えられた。次いで、治療期間を開始し、その時点でイヌを4つの群(それぞれイヌ10匹を有する)のうちの一つに無作為に割り当てた。その後、各群は、プロポリスのみを含有する食品組成物、または抗酸化剤のみを含有する食品組成物、またはプロポリスと抗酸化剤を含有する食品組成物、またはこれら二つの成分のいずれも含有しない食品組成物を与えられた。これらの食品組成物を、30日間にわたりイヌに給餌した。試験全体を通じて、毎日の食物摂取量の測定と、週1回の体重測定を行った。各イヌの1日の平均摂取量および代謝体重を、体重に対して計算した。ここで代謝体重は、動物の体重(単位:キログラム)の3/4乗に等しい。食物量は、摂取によって体重が維持されるように提供された。給餌前期間および治療期間の後の体重の差(Δ体重)の平均を、各治療食物に対して計算した。代謝重量当たりの食物摂取量の変化を、式「(食物の変化)/(体重(Kg)X0.75)」によって計算した。
【0056】
食品組成物は、表1に記載の通りに配合された。数値は、ペットフード組成物の重量に基づいた、その構成成分の重量パーセントを表す。組成物は約7.4~10.3%の水分を含有した。
【表1】
【0057】
実施例2
実施例1からの給餌試験の結果を表2に示す。
【表2】
【0058】
表2に示す通り、プロポリスのみを含むペットフード組成物を給餌した動物では、動物が消費した食物の量を同時に減少させながら、体重を補助するための、年長のイヌ内のエネルギー利用の再配分を示した。
【0059】
実施例3
プロポリスを含有する例示の食品組成物、または比較の食品組成物を1か月間与えた後に、7歳以上のネコ20匹を評価し、ネコの尿毒症毒素および糖化最終産物のレベルに対する例示の食品組成物の効果を評価した。ネコ20匹は例示の食品組成物または比較の組成物のいずれかを与えられる前に、維持食品で1か月のウォッシュアウト期間を経た。例示の食品組成物および比較の食品組成物の配合を表1に示す。注目すべきことに、比較の食品組成物は、比較の食品組成物がプロポリスを含有していなかったことを除き、例示の食品組成物と同じ配合を有していた。
【表3】
【0060】
ネコ20匹は2つの群に無作為に割り当てられ、プロポリスを含有する例示の食品組成物、またはプロポリスを含有しない比較の食品組成物を1か月間にわたり与えられた。ウォッシュアウト期間の終了時、および給餌期間の終了時に、血漿メタボロミクスのための試料を収集した。ウォッシュアウト期間後から給餌期間終了時までの各代謝産物のレベルの変化(給餌終了-ウォッシュアウト終了)を比較して、給餌に関連する代謝物レベルの統計的差異を評価した。
【0061】
プロポリスを含有する食品は、2,4-ジクロロフェノール硫酸塩、4-メトキシフェノール硫酸塩、2-アミノフェノール硫酸塩、フェノール硫酸塩、3-アセチルフェノール硫酸塩、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3-メトキシカテコール硫酸塩、クアイアコール硫酸塩、N6-メチルリシン、キヌレン酸塩、N-アセチルキヌレニンを含む尿毒症毒素の血漿濃度の有意な減少(P<0.05)をもたらした。表4は、例示の食品組成物または比較の組成物のいずれかを1か月間にわたり与えた後の前述の尿毒症毒素の各々の平均レベルを示す。
【表4】
【0062】
図1で見られる通り、例示の食品組成物は、尿毒症毒素の有意な減少をもたらした。
【0063】
ネコの糖化最終産物(AGE)のレベルも判定され、評価された。AGEは、リシンなどのアミノ酸の糖化によって形成される。血液中のAGEの蓄積の増加は、老化、様々な疾患状態、酸化ストレスに関連する。以下の表5に示す通り、例示の食品組成物を与えられたネコは、AGE、すなわちピラリン(P=0.0014)およびN6-カルボキシメチルリシン(CML)(P=0.0029)の血漿濃度の有意な減少を有した。例示の食品組成物はまた、酸化ストレスマーカーであるメチオニンスルホキシド(P=0.0265)の有意な減少をもたらした。
図2は、例示の食品組成物を投与されたネコのAGEおよび酸化マーカーの有意な減少を示す。
【表5】
【0064】
本発明は、本発明の完全な開示を行う目的でかなり詳細に記載されている幾つかの実施形態を参照しながら記述されているが、こうした実施形態は単に例示的であり、本発明のすべての態様の網羅的な列挙を限定または代表することを意図していない。本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲から決定されるべきである。さらに、本発明の精神および原理から逸脱することなく、こうした詳細において数多くの変更がなされうることが当業者に明白であろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットフード組成物であって、
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%を超える量でプロポリスを含む、ペットフード組成物。
【請求項2】
前記プロポリスが、乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1~約20重量%、約0.5~約15重量%、約1~約10重量%、約1~約5重量%、約1~約3重量%、または約1~約2重量%の量で存在する、請求項1に記載のペットフード組成物。
【請求項3】
前記プロポリスが花粉、フラボノイド、ポリフェノール、テルペノイド、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1または2に記載のペットフード組成物。
【請求項4】
前記フラボノイドがフラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノノール、カルコン、ジヒドロカルコン、イソフラボン、イソジヒドロフラボン、フラバン、イソフラバン、ネオフラボノイド、フラボノイドグリコシド、およびそれらの組み合わせから選択され、任意選択で、前記フラボノイドが、2-(1-(2-メチルコルトノイルオキシ)-1-メチルエチル)-8-オキソ-1、2-ジヒドロフラノ[2,3-H]2H-クロメン、3-メチル-ブト-2-エン酸、2,2-ジメチル-8-オキソ-3、4-ジヒドロ-2H,8H-ピラノ[3,2-g]クロメン-3-イルエステル、2H-シクロペンタシクロオクテン,4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1,2,2、3-テトラメチル、ゲルマニコール、ジメチル-1,3,5,6-テトラメチル-[1,3-(13C2)]ビシクル、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項3に記載のペットフード組成物。
【請求項5】
前記テルペノイドが非環式モノテルペン、単環式モノテルペン、二環式モノテルペン、またはそれらの組み合わせを含み、任意選択で、前記テルペノイドが、ドデカ-1,3,5,6,8,10-ヘキサエン-9,10-ジカルボン酸塩、スピロ[ベンゾ[a]シクロペンタ[3,4]シクロブタ[1,2-c]シクロヘプテン-、8(5H),2’-[1,3]ジオキサン]、6,7,7b,10a-テトラヒドロ-1、14-メチル-コレスト-7-エン-3-オール-15-オン、(3α,4α)-4-メチル-スティグマスト-22-エン-3-オール、およびそれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項3に記載のペットフード組成物。
【請求項6】
前記プロポリスが、花粉と、フラボノイド、ポリフェノール、テルペノイドのうちの一つ以上とを含む、請求項3~5のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項7】
前記組成物がブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、トコフェロール、およびそれらの誘導体のうちの少なくとも一つを実質的に含まず(任意選択的に含まない)、好ましくは、前記組成物が、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、トコフェロール、およびそれらの誘導体を実質的に含まない(任意選択的に含まない)、請求項1~6のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項8】
前記組成物が抗酸化剤を実質的に含まず、好ましくは、前記組成物が抗酸化剤を含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約6~約12重量%の水分を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項10】
前記組成物が、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約65~約85重量%の水分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項11】
前記組成物が柑橘類果肉、ニンジン、米、ホウレンソウ、トマトをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項12】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約10~約40重量%のタンパク質をさらに含み、任意選択で、前記タンパク質の約10~約99重量%が可消化タンパク質である、請求項1~11のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項13】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約9~約25重量%の脂質をさらに含み、任意選択で、総脂質の約50重量%以上または約80%以上が動物源から得られるか、または前記総脂質の約50重量%以上が植物源から得られる、請求項1~12のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項14】
乾燥物質基準で前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約10~約90重量%の炭水化物をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項15】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための、請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項16】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させながら、体重を増加させるための、請求項~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項17】
前記コンパニオンアニマルが、イヌ科動物またはネコ科動物である、請求項15または16に記載のペットフード組成物。
【請求項18】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるための方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物を前記コンパニオンアニマルに給餌することを含む、方法。
【請求項19】
コンパニオンアニマルの食物摂取量を減少させるとともに、体重を増加させるための方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物を前記コンパニオンアニマルに給餌することを含む、方法。
【請求項20】
コンパニオンアニマルにおける糖化最終産物および尿毒症毒素を減少させるための、請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物であって、前記ペットフード組成物が、約0.1重量%超の量のプロポリスと、約10~約40重量%のタンパク質と、約9~約25重量%の脂質と、約10~約90重量%の炭水化物とを含み、すべての重量パーセントが乾燥物質基準で前記食品組成物の総重量に基づいており、任意選択で、前記ペットフード組成物が、10日以上にわたり毎日ペットに給餌した後で、前記糖化最終産物を少なくとも10%減少させる、請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【国際調査報告】