(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】エンベロープウイルス蔓延を妨げるためのエトキシ化アルコールの使用
(51)【国際特許分類】
A01N 31/02 20060101AFI20231110BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20231110BHJP
A01N 55/10 20060101ALI20231110BHJP
A01N 55/02 20060101ALI20231110BHJP
D06M 13/144 20060101ALI20231110BHJP
D06M 13/503 20060101ALI20231110BHJP
D06M 13/463 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A01N31/02
A01P1/00
A01N55/10 100
A01N55/02 150
D06M13/144
D06M13/503
D06M13/463
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526636
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 US2021055535
(87)【国際公開番号】W WO2022093571
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500233555
【氏名又は名称】マイクロバン プロダクツ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジーナ パリーゼ スローン
【テーマコード(参考)】
4H011
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AA04
4H011BA01
4H011BB03
4H011BB16
4H011BB19
4H011DA10
4H011DC10
4H011DF04
4H011DH03
4L033AB04
4L033AC10
4L033AC15
4L033BA11
4L033BA14
4L033BA86
4L033BA93
(57)【要約】
エトキシ化アルコール及び抗微生物剤の組合せがウイルス蔓延を妨げるのに使用される方法を提供する。本方法はエンベロープウイルス蔓延を妨げるのに特に好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス蔓延を妨げる方法であって、
エトキシ化アルコールと抗微生物剤との組合せを使用することを含む、方法。
【請求項2】
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記抗微生物剤は、有機酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組合せは、基体に塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基体は、織物である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記組合せは、ポリマー又は紙に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
基体にエトキシ化アルコール及び抗微生物剤を塗布して、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
【請求項11】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記抗微生物剤は、有機酸である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基体は、織物である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
ポリマー又は紙に、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤を組み込み、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
【請求項17】
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、請求項16に記載の方法。
クレーム2に表現を合わせました。
【請求項18】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
エトキシ化アルコールを抗微生物剤と併用して、有効性を達成するのに必要な単独の抗微生物剤の量よりも少ない抗微生物剤で有効性を達成することを含む、方法。
【請求項19】
抗ウイルス効果を有し、
エトキシ化アルコール、及び、抗微生物剤を含む、組成物。
【請求項20】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許商標庁において2020年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/108,689号及び2021年10月18日に出願された米国特許出願第17/504,050号の優先権を主張するものである。その開示は全体が参照により本明細書に組み入れられたものとする。
【0002】
本発明はウイルスを妨げる方法、より詳細にはエンベロープウイルス蔓延を妨げる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ウイルスは超微小な感染性の粒子であり、生体細胞内で複製され、疾患を引き起こす。ウイルス粒子は、外側リン脂質二重層の有無に基づき、エンベロープ及び非エンベロープウイルスに分けられる。インフルエンザ及びRSウイルス(RSV)などのエンベロープウイルスは、環境表面で最大24時間存在することができる。コロナウイルスもエンベロープウイルスであり、硬い非多孔質表面上で何日も存在することができる。過去10年間にわたって、コロナウイルスやエボラ株などのエンベロープウイルスに起因する4つのパンデミックがあった。
【0004】
抗菌剤は数分以内にウイルスを不活性化することができる化学物質であるが、抗菌活性は続かない。例えば、ヒトが接触する、くしゃみをする、又は表面に触れば、抗菌後に新しいウイルス粒子が導入される場合があり、新たに汚染された表面はウイルス伝染の媒介物となる。従来の抗菌剤は、ウイルス伝染を妨害するための、長期にわたる保護を提供することができない。
【0005】
ポリマーや織物など、硬い又は柔らかい表面に長期にわたって抗ウイルス保護を適用することによって、表面を媒介としたウイルス伝染を止める必要がある。
【0006】
全てのウイルス粒子(ビリオン)は、カプシドと呼ばれるタンパク質の保護殻に囲まれた核酸からなる。エンベロープウイルス粒子は、カプシドを囲むリン脂質二重層を有する。このエンベロープは「出芽」と呼ばれるプロセスにおいて、感染細胞つまり宿主細胞に由来するものである。出芽プロセス中、新たに形成されたウイルス粒子は「エンベロープ型」になる、つまり、細胞膜の小さな断片から作られる外膜で包まれる。このエンベロープは続く新しい宿主細胞への接着及び感染に必要である。
【0007】
亜鉛抗微生物物質、銀系抗微生物物質、第4級アミン化合物、第4級シラン、及び、有機酸など、多くの抗微生物剤は、カプシド又は核酸の破壊に作用する。いくつかの例において、ウイルスの完全な不活化を達成するのに必要とされる活性レベルは、抗微生物物質がヒトの健康にリスクを引き起こすようなものである。従って、ヒトへの有毒性が増加するリスクを引き起こすことなく、抗微生物活性の抗ウイルス活性を高める必要性がある。
【0008】
従って、本発明はこれらの必要性に対処し、解決する方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、エンベロープウイルス蔓延を妨げる方法に関する。本方法は、エトキシ化アルコールを基体に塗布することを含み、この塗布によりエンベロープウイルスが妨げられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態において、ウイルス蔓延を妨げる方法が提供される。本方法は、エトキシ化アルコールと抗微生物剤との組合せを使用することを含む。本方法は、エンベロープウイルス蔓延を妨げるのに特に好適である。
【0011】
本発明の一実施形態において、エトキシ化アルコールを使用する方法が提供される。本方法は、エトキシ化アルコールと及び抗微生物剤を塗布して、ウイルス蔓延を妨げることを含む。本方法は、エンベロープウイルス蔓延を妨げるのに特に好適である。
【0012】
本発明の一実施形態において、エトキシ化アルコールを使用する方法が提供される。本方法は、エトキシ化アルコールと及び抗微生物剤を塗布して、ウイルス蔓延を妨げることを含む。本方法は、エンベロープウイルス蔓延を妨げるのに特に好適である。
【0013】
本発明の一実施形態において、エトキシ化アルコールを使用する方法が提供される。本方法は、ポリマー又は紙に、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤を組み込み、ウイルス蔓延を妨げることを含む。本方法は、エンベロープウイルス蔓延を妨げるのに特に好適である。
【0014】
本発明の一実施形態において、エトキシ化アルコールを使用する方法が提供される。本方法は、エトキシ化アルコールを抗微生物剤と併用して、有効性を達成するのに必要な単独の抗微生物剤の量よりも少ない抗微生物剤で有効性を達成することを含む。
【0015】
本発明の一実施形態において、抗ウイルス効果を有する組成物が提供される。この組成物は、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤を含む。
【0016】
本発明の適用可能性の更なる領域は、以下に挙げる詳細な説明から明らかになるであろう。本発明の好ましい実施形態を示すが、詳細な説明及び具体的な実施例は説明のためにのみ記載されており、本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態の以下の説明は、実際は単なる例示であり、本発明、その適用又は使用を限定する意図は全くない。以下の説明は、本発明の実施可能な開示を提供するために、例としてのみ本明細書に記載されるが、本発明の範囲又は趣旨を限定するものではない。
【0018】
本発明により、エンベロープウイルス蔓延を妨げる方法が提供される。本方法は、エトキシ化アルコールの使用、より好ましくはエトキシ化アルコールとの抗微生物剤との併用を含む。
【0019】
本発明の一実施形態において、抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される。
【0020】
本発明の一実施形態において、抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
本発明の一実施形態において、抗微生物剤は、有機酸である。
【0022】
エトキシ化アルコールは、構造的には、エトキシ成分の反復単位を特徴とする親水性の頭部、及び、直鎖炭素鎖を特徴とする親油性の尾部を有する。エトキシ化度、又はモル数を1から16まで変更することにより、頭部を変えることができる。典型的に、尾部はC4-C16の様々な鎖長を有する。
【0023】
本発明の方法により、エトキシ化アルコールは抗微生物剤と併用され、エンベロープ層の流動性を増加させることにより、エンベロープウイルスに対する抗微生物剤の活性が高められる。エンベロープ層の透過性が変化すると、抗微生物物質の濃度を増加させることなく、抗微生物剤の浸透性及び抗ウイルス性が増大すると考えられる。エトキシ化アルコールを含むと、それに伴い類似の利点を実現するのに必要とされる抗微生物物質の量を減少させることができる。
【0024】
本発明の方法において、エトキシ化アルコールは、抗微生物剤の抗ウイルス性を高めるのに使用される。多数の種類の抗微生物剤が高められる。さらに、炭素鎖長及びエトキシ化度は、観察された効果を高める利点を変える場合がある。好ましくは、炭素数が≧9であると、エトキシ化度は>5モルである。
【0025】
更に、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤の組合せは、最終用途のシナリオに応じ、他のアジュバントと組み合わされてよい例えば、相溶化剤は、エトキシ化アルコールをポリマーに組み込むのに使用されてよい。洗浄性能、ストリーキング(streaking)、光輝、安定性、及び、相溶性のためのアジュバントは、下記説明のいずれかのために添加することができ、最終消費者による使用を容易にする。
【0026】
実施例1.織物上のエトキシ化アルコールとの多様な化学作用。
【0027】
2つの異なる抗微生物物質であるジンクピリチオンと第4級アンモニウムシランとを調査した。各化学物質をそれぞれ、選択したエトキシ化アルコールと組み合わせて試験した。化学物質(エトキシ化アルコール有り及び無し)は、典型的な織物材に塗布され(pad-applied)、ISO18184規格により、エンベロープバクテリオファージPhi6(非常に研究されたエンベロープヒトウイルスの代用)を使用して試験された。ISO18184の合格要件は、2対数削減(99%削減)である。表1より、抗微生物剤は、記載された濃度では抗ウイルス活性が限定的であることを示す。しかしながら、エトキシ化アルコールの添加は、エンベロープ層の透過性を増加させ、これにより、ビリオンの残部に抗微生物剤を到達させる。これは、未処理の対照と比較して、対数削減を<1から>3まで増加させることにより、抗微生物物質の活性を高めた。このように、エトキシ化アルコールと抗微生物剤との組合せにより、予想外の相乗効果があった。結果を表1に示す。
【0028】
【0029】
【0030】
実施例2.様々な炭素鎖長及びエトキシ化度(EO)
【0031】
液体として使用するために、1つの抗微生物物質のみを評価に選択した。材料を、ベースの抗微生物物質としての第4級シランと共にスプレー製品に調製した。2つの異なるエトキシ化アルコールを使用した。1つは炭素鎖長が9、EOが5であり、もう1つは、C12-C14の炭素鎖長範囲であって、EOが12を有する化合物の混合物であった。これらを、改変されたEPA01-1Aにより試験し、「合格」基準は、最低で99.9%削減(3対数削減)に設定する。簡潔には、抗微生物製剤をガラス基体に塗布し、乾燥させた。乾燥したら、Gardco摩耗試験機を使用し、(洗浄動作をシミュレートする)湿式及び乾式摩耗を行うことにより、フィルムの永続性を試験した。その後、フィルムに既知濃度のエンベロープウイルス(Phi6)を接種し、未処理の対照に対する生存ウイルス粒子を評価し、抗ウイルス活性を測定した。以下の表2より、短炭素鎖エトキシ化アルコール(C9、5EO)では、第4級シランがビリオンに作用するためのエンベロープの透過性が十分でなく、不合格(有効性なし)という結果であったことを示す。第4級シランと長炭素鎖エトキシ化アルコール(C12-15、12EO)との組み合わせでは、結果は合格であった(≧99.9%削減)。
【0032】
【0033】
エトキシ化アルコールの特定の組み合わせは、既存の抗微生物物質の抗ウイルス有効性を高めるのに使用することができる。抗微生物物質との組合せにおけるエトキシ化アルコールは、スプレー、濃縮物、泡状物質、噴霧、ぬぐい取り、又は、代替の形式として使用されることができる。抗微生物物質との組合せにおけるエトキシ化アルコールは、スプレー、パッド浴、吸尽浴、キスローラ、又は型押しにより織物に塗布されることができる。エトキシ化アルコールと鉱微生物物質との組合せは、織物について記載したように、ミル中又は仕上げ中にマスターバッチを介して紙に組み込ませることができる。エトキシ化アルコールと抗微生物物質との組み合わせは、マスターバッチ又は最終仕様濃度でポリマーに組み込ませることができる。
【0034】
エトキシ化アルコールの特定の組み合わせは、既存の抗微生物物質の抗ウイルス有効性を高めるのに使用することができる。
【0035】
現在の技術では、ウイルスは、瞬間的に殺菌することしかできない。接触、せき、くしゃみ、又は、エアロゾル飛沫の沈降の直後に、表面は再汚染される。感染率の高いウイルスは、表面上で数日間生存することができる(Kramerら、2006年)。本発明の組合せ及び方法は、多数の形式で、露出した表面に継続的な抗ウイルス保護を提供することができる。織物又はポリマーのような固体の表面に組み込まれ、表面保護を可能にする。さらに、製造後に塗布するために、液体ベースの製品に組み合わせることができる。
【0036】
このように、本発明において、エトキシ化アルコールは抗微生物剤と組み合わされ、関連する抗ウイルス活性を高める。さらに、本明細書に記載する抗微生物物質とエトキシ化アルコールとの組合せは、エトキシ化度の必要な放物線分布を例えば12モルのエトキシレートまで移動させる。
【0037】
実施例3
【0038】
織物の配合をポリエステルで試験した。C12-15及び12モルのエトキシレートを、製品重量で0.05重量%から0.5重量%で添加した。材料を織物に塗布(pad-applied)した後、150℃で45秒間硬化させた。AATCC61(2A)プロトコルの2サイクルにより、材料の耐久性について試験した。作製した状態で、材料はエンベロープバクテリオファージ(Phi6)を99.9%削減(3対数削減)させることができた。61(2A)プロトコルの2サイクルで洗浄すると、有効性はやはり明らかであるが、Phi6バクテリオファージは90%削減(1対数削減)まで低下した。
【0039】
さらに、Phi6に対する有効性及び耐久性についてスプレー方式を試験した(上記実施例2を参照)。
【0040】
従って、本発明は幅広い有用性及び適用を有することが当業者により容易に理解されるであろう。本明細書に記載したもの以外の本発明の多くの実施形態及び適応形態、並びに多くの変形、変更及び均等配置は、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本発明及びその上述の説明から明らかであるか、又はこれらから合理的に示唆されるであろう。従って、本発明はその好ましい実施形態に関して本明細書に詳細に記載されているが、この開示は本発明の単なる説明及び例示であり、本発明の完全で実現できる開示を提供する目的のためにのみ成されることが理解されるべきである。上記開示は本発明を限定すること、或いは他の実施形態、適応形態、変形、変更及び均等配置を除外することを意図しておらず、解釈されるべきでもない。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス蔓延を妨げる方法であって、
エトキシ化アルコールと抗微生物剤との組合せを使用することを含む、方法。
【請求項2】
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記抗微生物剤は、有機酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組合せは、基体に塗布される、請求項1
から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基体は、織物である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記組合せは、ポリマー又は紙に組み込まれる、請求項1
から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
基体にエトキシ化アルコール及び抗微生物剤を塗布して、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
【請求項11】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記抗微生物剤は、有機酸である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、請求項10
から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基体は、織物である、請求項10
から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
ポリマー又は紙に、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤を組み込み、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
【請求項17】
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、請求項16に記載の方法
。
【請求項18】
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
エトキシ化アルコールを抗微生物剤と併用して、有効性を達成するのに必要な単独の抗微生物剤の量よりも少ない抗微生物剤で有効性を達成することを含む、方法。
【請求項19】
抗ウイルス効果を有し、
エトキシ化アルコール、及び、抗微生物剤を含む、組成物。
【請求項20】
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
液体として使用するために、1つの抗微生物物質のみを評価に選択した。材料を、ベースの抗微生物物質としての第4級シランと共にスプレー製品に調製した。2つの異なるエトキシ化アルコールを使用した。1つは炭素鎖長が9、EOが5であり、もう1つは、C12-C14の炭素鎖長範囲であって、EOが12を有する化合物の混合物であった。これらを、改変されたEPA01-1Aにより試験し、「合格」基準は、最低で99.9%削減(3対数削減)に設定する。簡潔には、抗微生物製剤をガラス基体に塗布し、乾燥させた。乾燥したら、Gardco摩耗試験機を使用し、(洗浄動作をシミュレートする)湿式及び乾式摩耗を行うことにより、フィルムの永続性を試験した。その後、フィルムに既知濃度のエンベロープウイルス(Phi6)を接種し、未処理の対照に対する生存ウイルス粒子を評価し、抗ウイルス活性を測定した。以下の表3より、短炭素鎖エトキシ化アルコール(C9、5EO)では、第4級シランがビリオンに作用するためのエンベロープの透過性が十分でなく、不合格(有効性なし)という結果であったことを示す。第4級シランと長炭素鎖エトキシ化アルコール(C12-15、12EO)との組み合わせでは、結果は合格であった(≧99.9%削減)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
従って、本発明は幅広い有用性及び適用を有することが当業者により容易に理解されるであろう。本明細書に記載したもの以外の本発明の多くの実施形態及び適応形態、並びに多くの変形、変更及び均等配置は、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本発明及びその上述の説明から明らかであるか、又はこれらから合理的に示唆されるであろう。従って、本発明はその好ましい実施形態に関して本明細書に詳細に記載されているが、この開示は本発明の単なる説明及び例示であり、本発明の完全で実現できる開示を提供する目的のためにのみ成されることが理解されるべきである。上記開示は本発明を限定すること、或いは他の実施形態、適応形態、変形、変更及び均等配置を除外することを意図しておらず、解釈されるべきでもない。
本出願時の特許請求の範囲に記載の内容を以下に記載しておく。
(項目1)
ウイルス蔓延を妨げる方法であって、
エトキシ化アルコールと抗微生物剤との組合せを使用することを含む、方法。
(項目2)
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記抗微生物剤は、有機酸である、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記組合せは、基体に塗布される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記基体は、織物である、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記組合せは、ポリマー又は紙に組み込まれる、項目1に記載の方法。
(項目10)
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
基体にエトキシ化アルコール及び抗微生物剤を塗布して、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
(項目11)
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記抗微生物剤は、銀化合物、銅化合物、第4級アンモニウム化合物又は第4級アンモニウム化合物の混合物、及び、これらの組合せからなる群から選択される、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記抗微生物剤は、有機酸である、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記基体は、多孔質又は非多孔質表面である、項目10に記載の方法。
(項目15)
前記基体は、織物である、項目10に記載の方法。
(項目16)
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
ポリマー又は紙に、エトキシ化アルコール及び抗微生物剤を組み込み、ウイルス蔓延を妨げることを含む、方法。
(項目17)
前記ウイルスは、エンベロープウイルスである、項目16に記載の方法。
クレーム2に表現を合わせました。
(項目18)
エトキシ化アルコールの使用方法であって、
エトキシ化アルコールを抗微生物剤と併用して、有効性を達成するのに必要な単独の抗微生物剤の量よりも少ない抗微生物剤で有効性を達成することを含む、方法。
(項目19)
抗ウイルス効果を有し、
エトキシ化アルコール、及び、抗微生物剤を含む、組成物。
(項目20)
前記抗微生物剤は、ジンクピリチオン、第4級アンモニウムシラン、及び、これらの組合せからなる群から選択される、項目19に記載の組成物。
【国際調査報告】