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特表2023-548504安全性が強化されたバッテリーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】安全性が強化されたバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20231110BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20231110BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20231110BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231110BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/224
H01M50/233
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526645
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 KR2022008811
(87)【国際公開番号】W WO2022270880
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081116
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ミュン-キ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-スク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ-ミ・ジュン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012AA03
5H012AA07
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC10
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY08
5H040DD03
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
(57)【要約】
本発明は、バッテリーモジュールの内部において生じたガスや火炎などの排出が安定的に行われるように構造が改善されたバッテリーモジュールを開示する。本発明の一態様に係るバッテリーモジュールは、1つ以上のバッテリーセルを備えるセルアセンブリと、内部空間に前記セルアセンブリを収容し、前記セルアセンブリから生成されたベントガスが排出可能なようにベント孔が形成されたモジュールケースと、前記モジュールケースの外側に設けられ、互いに異なる材質から構成された外ハウジング及び内ハウジングを備え、前記ベント孔から排出されたベントガスが流れ込んで前記内ハウジングの表面に沿って流れて外部に排出できるようにするベントユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のバッテリーセルを備えるセルアセンブリと、
内部空間に前記セルアセンブリを収容し、前記セルアセンブリから生成されたベントガスが排出可能なようにベント孔が形成されたモジュールケースと、
前記モジュールケースの外側に設けられ、互いに異なる材質から構成された外ハウジング及び内ハウジングを備え、前記ベント孔から排出されたベントガスが流れ込んで前記内ハウジングの表面に沿って流れて外部に排出できるようにするベントユニットと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記外ハウジングは、少なくとも一方の端部が折り曲げられたプレート状に構成され、前記内ハウジングは、前記外ハウジングの内面を覆う、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記外ハウジングは、外周部の少なくとも一部分が前記モジュールケースの外面に溶接された形状に結合される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記外ハウジングおよび前記内ハウジングは、互いに異なる金属材質から構成されて少なくとも一部分が貼り合わせられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記内ハウジングは、前記外ハウジングよりも溶融点が高い材質から構成される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記内ハウジングは、前記ベントガスの流れ方向に沿って厚さが互いに異なる部分を備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記ベント孔は、前記モジュールケースの側面に形成され、
前記ベントユニットは、前記モジュールケースの側面に取り付けられ、前記内ハウジングが上下方向に厚さが互いに異なる部分を備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記外ハウジングと前記内ハウジングとの間の一部は、所定の距離だけ離れる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月22日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0081116号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーに関し、より詳細には、安全性が強化されたバッテリーモジュールとこれを含むバッテリーパック及び自動車等に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に伸び、ロボット、電気自動車などの商用化が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、そのうちリチウム二次電池は、ニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
この種のリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ケースと、を備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分類される。
【0007】
最近には、携帯型電子機器などの小型装置のみならず、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(Energy Starge System;ESS、電力貯蔵装置)などの中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として二次電池が広く用いられている。このような二次電池は、複数が電気的に接続された状態で、モジュールケースの内部に一緒に収容される形態で、1つのバッテリーモジュールを構成することができる。なお、このようなバッテリーモジュールが複数接続されて1つのバッテリーパックを構成することができる。
【0008】
ところが、このように、バッテリーパックの内部に複数のバッテリーモジュールが含まれる場合、バッテリーモジュール間の熱的連鎖反応に脆弱である可能性がある。例えば、いずれか1つのバッテリーモジュールの内部において熱暴走(thermal runaway)などの事象が生じる場合、このような熱暴走は、他のバッテリーモジュールに伝播(propagation)されることが抑えられる必要がある。もし、バッテリーモジュール間の熱暴走の伝播が抑えられなければ、特定のバッテリーモジュールにおいて生じた事象は複数のバッテリーモジュールの連鎖的な反応を引き起こしてしまい、爆発や火災を引き起こしたり、その規模を大きくしたりする虞がある。
【0009】
特に、いずれか1つのバッテリーモジュールにおいて熱暴走などの事象が生じる場合、ガスや火炎などが外部に排出されることが懸念される。このとき、ガスや火炎などの排出を適宜に制御することができなければ、他のバッテリーモジュールに向かってガスや火炎などが排出されて、他のバッテリーモジュールの熱的連鎖反応を引き起こす虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、上記問題を解決するために案出されたものであり、バッテリーモジュールの内部において生じたガスや火炎などの排出が安定的に行われるように構造が改善されたバッテリーモジュールとこれを含むバッテリーパック及び自動車等を提供することを目的とする。
【0011】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の詳細な説明から当業者にとって明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の一態様に係るバッテリーモジュールは、1つ以上のバッテリーセルを備えるセルアセンブリと、内部空間に前記セルアセンブリを収容し、前記セルアセンブリから生成されたベントガスが排出可能なようにベント孔が形成されたモジュールケースと、前記モジュールケースの外側に設けられ、互いに異なる材質から構成された外ハウジング及び内ハウジングを備え、前記ベント孔から排出されたベントガスが流れ込んで前記内ハウジングの表面に沿って流れて外部に排出できるようにするベントユニットと、を含む。
【0013】
ここで、前記外ハウジングは、少なくとも一方の端部が折り曲げられたプレート状に構成され、前記内ハウジングは、前記外ハウジングの内面を覆う形状に構成されてもよい。
【0014】
また、前記外ハウジングは、外周部の少なくとも一部分が前記モジュールケースの外面に溶接された形状に結合されてもよい。
【0015】
さらに、前記外ハウジングと前記内ハウジングは、互いに異なる金属材質から構成されて少なくとも一部分が貼り合わせられた形状に構成されてもよい。
【0016】
さらにまた、前記内ハウジングは、前記外ハウジングよりも溶融点が高い材質から構成されてもよい。
【0017】
さらにまた、前記内ハウジングは、前記ベントガスの流れ方向に沿って厚さが互いに異なる部分を備えていてもよい。
【0018】
さらにまた、前記ベント孔は、前記モジュールケースの側面に形成され、前記ベントユニットは、前記モジュールケースの側面に取り付けられ、前記内ハウジングが上下方向に厚さが互いに異なる部分を備えていてもよい。
【0019】
これらに加えて、前記外ハウジングと前記内ハウジングとの間の一部は、所定の距離だけ離れた形状に構成されてもよい。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様に係るバッテリーパックは、本発明に係るバッテリーモジュールを含む。
【0021】
さらに、上記目的を達成するための本発明のさらに他の態様に係る自動車は、本発明に係るバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、特定のバッテリーモジュールにおいて熱暴走などの事象が生じるとしても、他のバッテリーモジュールに熱暴走の状況が伝播されることを抑えることができる。
【0023】
特に、本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールに設けられたベントのための構造物が高温のガスや火炎にも拘わらず崩れることなく安定的に保たれることにより、バッテリーモジュールのベント制御機能が確保され続けることが可能になる。
【0024】
また、本発明の一態様によれば、簡単な構造であり、バッテリーモジュールのベントを制御し、バッテリーモジュール間の熱伝播を防ぐことができるという効果が奏される。
【0025】
これらの他にも、本発明は、色々な他の効果を奏することができ、これについては各実施構成において説明したり、当業者が容易に類推可能な効果などについては当該説明を省略したりする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項のみに限定されて解釈されてはいけない。
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す組み合わせ状態の斜視図である。
図2図1における一部の構成に対する分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るベントユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図4図3のベントユニットを正面から眺めた様子を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を側面から眺めた様子を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るベントユニットの構成を概略的に示す断面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係るベントユニットの構成を概略的に示す断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態に係るベントユニットの構成を正面から眺めた様子を示す図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態に係るベントユニットの構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す組み合わせ状態の斜視図であり、図2は、図1における一部の構成に対する分解斜視図である。
【0031】
図1及び図2を参照すると、本発明に係るバッテリーモジュールは、セルアセンブリ100、モジュールケース200及びベントユニット300を含む。
【0032】
前記セルアセンブリ100は、1つ以上のバッテリーセルを備えていてもよい。ここで、それぞれのバッテリーセルは、二次電池を意味することがある。二次電池は、電極組立体、電解質及び電池ケースを備えていてもよい。特に、セルアセンブリ100に設けられたバッテリーセルは、パウチ型二次電池であってもよい。但し、二次電池の他のタイプ、例えば円筒形電池や角形電池もまた、本発明のセルアセンブリ100に採用可能である。
【0033】
複数の二次電池は、互いに積層された形状にセルアセンブリ100を形成することができる。例えば、複数の二次電池は、それぞれ上下方向(図中のZ軸方向)に起立した状態で、水平方向(図中のX軸方向)に並べられた形状に積層されてもよい。それぞれのバッテリーセルは、電極リードを備えていてもよいが、このような電極リードは、各バッテリーセルの両端部に位置してもよく、一方の端部に位置してもよい。電極リードが両方向に突出した二次電池は両方向セルと呼び、電極リードが一方向に突出した二次電池は単方向セルと呼ぶことができる。本発明は、このような二次電池の具体的な種類や形態(形状、タイプ)により何ら制限されるものではなく、本発明の出願時点で既に公知となっている多種多様なタイプの二次電池が本発明のセルアセンブリ100に採用可能である。
【0034】
前記モジュールケース200は、内部に空き空間が形成されて内部空間にセルアセンブリ100を収容するように構成されてもよい。例えば、モジュールケース200は、天板、底板、左側板、右側板、前板及び後板を備えて、内部空間を限定するように構成されてもよい。ここで、天板、底板、左側板、右側板、前板及び後板のうちの少なくとも2枚以上は、一体化した形状に構成されてもよい。
【0035】
また、前記モジュールケース200は、図2のH1で示すように、少なくとも一方の側にベント孔が形成されてもよい。例えば、モジュールケース200の左側板及び右側板にそれぞれベント孔H1が形成されてもよい。このようなベント孔H1は、内部空間に収容されたセルアセンブリ100からベントガスが生成されて噴出された場合、生成されたベントガスがモジュールケース200の外部空間に排出可能なように構成されてもよい。例えば、ベント孔H1は、モジュールケース200を内外部方向に貫通するように、完全に開放した形状に形成されてもよい。しかしながら、ベント孔H1は完全に開放されることなく、正常の状態では閉鎖されていて、圧力や温度などの変化に応じて開放可能な形状に構成されてもよい。さらに、ベント孔H1は、一方向に長く延びた形状に形成されてもよい。例えば、図2に示すように、ベント孔H1は、上下方向に長く延びた形状に形成されてもよい。なお、ベント孔H1は、モジュールケース200の側面、特に、左側面と右側面に形成されてもよい。但し、このようなベント孔H1は、モジュールケース200の他の部分、たとえば天面、底面、前面及び/又は背面に形成されてもよい。この他に、モジュールケース200に形成されたベント孔H1は、このような形状に加えて、他の多種多様な形状に構成されてもよい。
【0036】
前記ベントユニット300は、モジュールケース200の外側に設けられてもよい。特に、前記ベントユニット300は、モジュールケース200におけるベント孔H1の形成された部分に取り付けられてもよい。例えば、図2に示すように、ベント孔H1がモジュールケース200の左側面と右側面に形成された場合、ベントユニット300は、モジュールケース200の左側面と右側面のそれぞれの外部に取り付けられてもよい。
【0037】
このようなベントユニット300の構成については、図3及び図4をさらに参照してより詳細に説明する。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係るベントユニット300の構成を概略的に示す斜視図であり、図4は、図3のベントユニット300を正面から眺めた様子を示す図である。
【0039】
図1から図4を参照すると、前記ベントユニット300は、ベント孔H1から排出されたベントガスが流れ込んで外部に排出されるように構成されてもよい。すなわち、前記ベントユニット300は、ベントチャンネルとして機能するように内部空間を限定する形状に構成されてもよい。より具体例として、図3及び図4を参照すると、前記ベントユニット300は、右側部、上部、下部及び前方部が閉鎖され、左側部及び後方部が開放された形状に構成されてもよい。ここで、閉鎖された右側部、上部、下部及び前方部により内部空間が限定され、そのような内部空間がベントチャンネルとして機能してもよい。また、開放された左側部及び後方部によりベントガスの流出入が起こり得る。さらに、図3及び図4の実施形態において、開放された左側部へのモジュールケース200のベントガスの流れ込み、および開放された後方部へのベントガスの排出が行われ得る。この場合、モジュールケース200から排出されたベントガスはベントユニット300に流れ込んで、流れて外部に排出されてもよい。
【0040】
特に、前記ベントユニット300は、図3及び図4に示すように、外ハウジング320と内ハウジング310を備えていてもよい。ここで、外ハウジング320と内ハウジング310は、互いに異なる材質から構成されてもよい。また、ベントユニット300は、ベント孔H1から排出されたベントガスが流れ込んで内ハウジング310の表面に沿って流れて外部に排出できるように構成されてもよい。すなわち、ベントユニット300における内ハウジング310は、ベントチャンネルを形成してベントガスと実際に接触する部分であるといえる。さらに、ベントユニット300における外ハウジング320は、内ハウジング310の外側の少なくとも一部分を包み込む形状に構成されてもよい。逆に、ベントユニット300における内ハウジング310は、外ハウジング320の内側の少なくとも一部分を覆う形状に構成されてもよい。
【0041】
このような実施構成の場合、ベントユニット300は、ベントガスが内部空間に流れ込んで外部に排出されるまで、主として内ハウジング310に接触するように構成されてもよい。さらに、ベントユニット300は、ベントガスが内ハウジング310にのみ接触され、外ハウジング320には接触されないように構成されてもよい。但し、一部の実施形態の場合、ベントガスが外ハウジング320に部分的に接触するように構成されてもよい。
【0042】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300の内側と外側が互いに異なる材質から構成されることにより、その位置と機能などに適した材質が採択されるようにすることができる。特に、ベントユニット300の内側に位置する内ハウジング310は、主としてベントガスと接触する部分であり、ベントユニット300の外側に位置する外ハウジング320は、バッテリーモジュールの外部に露出され、モジュールケース200と接触する部分であってもよい。したがって、このような内ハウジング310と外ハウジング320の各機能や位置に適した材質から各構成要素が構成されることが可能になる。このため、この場合、ベントユニット300のベント性能と構造的な剛性などが安定的に確保されるようにする上で有利になり得る。
【0043】
前記外ハウジング320は、少なくとも一方の端部が折り曲げられたプレート状に構成されてもよい。例えば、図3及び図4に示すところを参照すると、前記外ハウジング320は、概ね立てられたプレート状に構成されるが、上端部、下端部及び前端部がモジュールケース200の位置する左側方向(-X軸方向)に折り曲げられた形状に構成されてもよい。また、内ハウジング310は、このような外ハウジング320の内面を覆う形状に構成されてもよい。例えば、図3及び図4の構成において、外ハウジング320の左側にモジュールケース200が位置する場合、内ハウジング310は外ハウジング320の左側の表面に位置して外ハウジング320の左側の表面の一部または全体が露出されないように構成されてもよい。さらに、内ハウジング310は、外ハウジング320の左側の表面、すなわち、内側の表面を覆うため、外ハウジング320の左側の表面の形状に対応する形状に形成されてもよい。したがって、内ハウジング310は、大きさのみが外ハウジング320よりも僅かに小さいだけであり、外ハウジング320と同様に、概ね立てられたプレート状に構成され、上端部、下端部及び前端部がモジュールケース200の方向に折り曲げられた形状に構成されると言える。
【0044】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300が簡単な構造に構成されることが可能になる。特に、この場合、ベントユニット300の内部空間に対して開放部が広く形成されることが可能になる。したがって、ベントユニット300がモジュールケース200に取り付けられるとき、モジュールケース200に形成されたベント孔の位置に大きく拘束されないことができる。例えば、図3及び図4の構成を参照すると、ベントユニット300の内部空間が左側部分の全体的に開放されて、ベントユニット300の左側部分の全体が流入口を形成するといえる。そのため、ベントユニット300をモジュールケース200の外部に取り付けるとき、モジュールケース200のベント孔H1とベントユニット300の流入口とを正確に位置合わせする上での困難性が大きくないため、バッテリーモジュールの組立て性及び製造工程性が向上する。また、この場合、1つのベントユニット300を色々な種類のモジュールケース200に取り付けることができるので、ベントユニット300の互換性が向上する。
【0045】
前記ベントユニット300は、モジュールケース200の外面に取り付けられてもよい。特に、前記ベントユニット300の外ハウジング320は、外周部の少なくとも一部分がモジュールケース200の外面に溶接された形状に結合されてもよい。これについては、図5を参照してより詳細に説明する。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を側面から眺めた様子を示す図である。
【0047】
図5を参照すると、ベントユニット300がモジュールケース200に取り付けられた状態で、ベントユニット300の外部に露出された部分は外ハウジング320であるといえる。また、外ハウジング320は、外周部の少なくとも一部分、たとえば図5のWで示すように、上端、下端及び前端(図中の右側の端部)の部分が溶接された形状に構成されてもよい。特に、外ハウジング320の上端、下端及び前端の部分は連続して溶接されてもよい。すなわち、図5の構成において、溶接部は、外ハウジング320の上端の後端部から前方(+Y軸方向)に向かって延びていて下部方向(-Z軸方向)に折り曲げられて延び、再び後方(-Y軸方向)に折り曲げられて後端部まで延びる形状に形成されてもよい。
【0048】
この場合、ベントユニット300の上端、下端及び前端の部分は閉鎖され、ベントユニット300の後端(図中の左側の端部)の部分は開放されてもよい。そのため、モジュールケース200のベント孔H1から排出されたガスは、モジュールケース200の後方、すなわち、図中の-Y軸方向に流れて外部に排出されてもよい。ここで、外ハウジング320は、全体の外周部のうち、ベントガスが排出される排出口の部分のみを除いて、残りの部分は全体的にモジュールケース200に溶接されると言える。
【0049】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300とモジュールケース200の組立て及び固定が簡単に行われ、ベントユニット300の内部のベント流路の形成が行われ易い他、排出口以外の部分に対する密閉性が確保され易い。
【0050】
一方、図1及び図2に示すように、ベントユニット300は、モジュールケース200の両側に位置してもよい。例えば、ベントユニット300は、モジュールケース200の左側部と右側部にそれぞれ取り付けられてもよい。この場合、複数のベント経路を介してモジュールケース200の内部のベントガスが外部に排出可能になるので、ベント性能がより一層向上する。また、この場合、モジュールケース200の内部から排出されるガスが複数のベントユニット300に分散可能になるので、それぞれのベントユニット300に流れ込むベントガスの噴出圧力が下がる。
【0051】
上記実施構成において、複数のベントユニット300、すなわち、左側のベントユニット300と右側のベントユニット300は、互いに反対の方向にベントガスの流れが形成されるように構成されてもよい。より具体例として、図1及び図2の構成を参照すると、左側のベントユニット300の排出口はバッテリーモジュールの前方(+Y軸方向)側に形成され、右側のベントユニット300の排出口はバッテリーモジュールの後方(-Y軸方向)側に形成されてもよい。この場合、ベントガスは、図1の矢印で示すように、左側のベントユニット300からは前方に排出され、右側のベントユニット300からは後方に排出されてもよい。
【0052】
本発明のこのような構成によれば、複数のベントユニット300に対するベント方向が互いに反対の方向に形成されることにより、特定の場所や位置に高温のガスや火炎が集中することを防ぐことができる。
【0053】
前記外ハウジング320と内ハウジング310は、それぞれ互いに異なる金属材質から構成されてもよい。また、外ハウジング320と内ハウジング310は、それぞれ金属プレート状に構成され、互いの少なくとも一部分の面同士が貼り合わされた形状に構成されてもよい。特に、ベントユニット300は、互いに異なる材質の金属板材が貼り合わせられたクラッドメタル(Clad Metal)の形状に構成されてもよい。すなわち、ベントユニット300は、内ハウジング310を構成する第1金属板材と外ハウジング320を構成する第2金属板材とが貼り合わせられたクラッドメタルの形状に構成されてもよい。この場合、ベントユニット300は、互いに異なる2つ以上の金属層から構成されているといえる。このとき、内側に位置する金属層は内ハウジング310であり、外側に位置する金属層は外ハウジング320であると言える。
【0054】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300に対して様々な性能が確保されるようにすることができる。特に、ベントユニット300は、外部の衝撃や振動、高温のガスや火炎などにも拘わらずその形状や位置などが安定的に保たれる必要がある。また、ベントユニット300は、モジュールケース200に取り付けるとき、組立て性に優れているほどよい。上記実施構成においては、互いに異なる金属材質が1つのベントユニット300に存在するので、ベントユニット300はこれらの諸特性を併せ持つことができる。
【0055】
前記内ハウジング310は、外ハウジング320よりも溶融点が高い材質から構成されてもよい。特に、内ハウジング310と外ハウジング320は、両方とも金属材質から構成され、さらに、貼り合わせられてクラッドメタルの形状に構成されてもよいが、内ハウジング310は、外ハウジング320よりも溶融点が高い金属材質から構成されてもよい。内ハウジング310は、ベントユニット300から排出されるベントガスや火炎、スパークなどと直接的に接触する部分であるといえる。したがって、内ハウジング310は、高い温度にも拘わらず溶融され難く、上手く耐える材質から構成されることがよい。
【0056】
これに対し、外ハウジング320は、内ハウジング310よりも溶融点は多少低いとしても、構造的な剛性や溶接性に優れた材質から構成されてもよい。特に、図5などを参照して前述したように、ベントユニット300における、外側に位置する外ハウジング320は、モジュールケース200と溶接されてもよい。たとえば外ハウジング320は、レーザー溶接またはブレージング溶接などの方式によりモジュールケース200の外面に溶接されてもよい。したがって、外ハウジング320は、一定のレベル以上の構造的剛性や耐腐食性などを有するとともに、モジュールケース200との溶接性に優れた材質から構成されてもよい。
【0057】
例えば、外ハウジング320は、アルミニウム材質から構成されてもよい。この場合、内ハウジング310は、このような外ハウジング320の材質よりも溶融点が高い材質から構成されてもよい。例えば、内ハウジング310は、鉄(Fe)やステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)などのように、溶融点が高い材質から構成されてもよい。
【0058】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300のベント性能がより安定的に確保可能である。すなわち、ベントユニット300は、外ハウジング320によりモジュールケース200との強い結合力が確保可能であり、内ハウジング310によりベントガスや火炎などに対する高温安定性が確保可能である。特に、熱暴走などの事象が生じたとき、モジュールケース200の内部からベント孔H1を介して吐き出されるガスや火炎は非常に高い温度を有し得るが、このようなガスや火炎に直接的に晒される内ハウジング310は、熱に強い材質から構成されるので、ガスや火炎の高い温度にも拘わらず、ベントユニット300の構造の崩れが起きないようにすることができる。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態に係るベントユニット300の構成を概略的に示す断面図である。例えば、図6は、図3のベントユニット300に対して、A1部分の変形された断面構成に対する一例を上部から見下ろした様子を示す図であり得る。
【0060】
図6を参照すると、前記内ハウジング310は、部分的に厚さが互いに異なるように構成されてもよい。特に、内ハウジング310は、ベントガスの流れ方向に沿って厚さが互いに異なる部分を備えるように構成されてもよい。例えば、図6の構成において、ベントガスの流れ方向は、矢印で示すように、-Y軸方向であるといえる。このとき、内ハウジング310は、ベントガスの流れ方向に厚さが互いに異なるように形成されてもよい。
【0061】
より具体例として、図6の構成において、内ハウジング310の一部分の厚さT1と内ハウジング310の他の部分の厚さT2は、互いに異なるように形成されてもよい。また、図6の構成において、厚さT1は厚さT2よりも厚いといえる。さらに、ベントユニット300の内部空間において、厚さT1で示す部分は、厚さT2で示す部分よりもベントガスの流れからみて上流側に位置するといえる。したがって、前記図6の実施構成においては、ベントガスの流れ方向に沿って内ハウジング310の厚さが互いに異なるように形成されるが、特に、上流側の厚さT1が下流側の厚さT2よりも厚く形成されているといえる。なお、内ハウジング310は、少なくとも部分的に排出口に向かって進むにつれて次第に厚さが薄くなるように構成されてもよい。このとき、内ハウジング310の内部の表面は、図6に示すように、排出口に向かって進むにつれて流路が次第に広くなる形状に、傾斜面が形成されてもよい。
【0062】
本発明のこのような実施構成によれば、ベントユニット300の内部に高温のガスや火炎などが流れ込むとしても、ベントユニット300の構造的な安定性がより一層確実に保証可能である。特に、同じ内ハウジング310であるとしても、その位置に応じて、加えられる温度や圧力などが異なってくる可能性がある。また、ベント流路の上流側、換言すれば、モジュールケース200のベント孔H1に近い部分においては、ベント孔H1から噴出されたガスや火炎が一番先に当たるため、印加される圧力や熱が内ハウジング310の他の部分に比べて相対的に非常に大きい可能性がある。したがって、上記実施構成のように、ベント流路の上流側に位置するほど内ハウジング310の厚さを厚く形成する場合、高い圧力や熱にも拘わらず構造的な安定性を保つことができる。さらに、この場合、ベントユニット300の内部、すなわち、内ハウジング310側においては、上流側の温度が下流側の温度に比べて高温に形成され得るが、このような上流側の熱がベントユニット300の外部、すなわち、外ハウジング320側には伝わらないことができる。そのため、ベントユニット300の上流側、すなわち、ベント孔H1が形成された部分においてバッテリーモジュールの外部に位置する他の構成要素、たとえば他のバッテリーモジュールに熱が伝わることを防ぐことができる。
【0063】
また、内ハウジング310は、ベント孔H1と対面する部分の厚さが他の部分に比べて厚く形成されてもよい。内ハウジング310におけるベント孔H1と向かい合う部分においては、ベント孔H1から噴出されたガスや火炎が内ハウジング310の表面に略垂直な方向に流れることができる。これに対し、内ハウジング310の他の部分、すなわち、ベント孔H1と向かい合う部分ではなく、それ以外の部分においては、概ねガスや火炎が内ハウジング310の表面に平行な方向に流れることができる。
【0064】
そのため、前記実施形態のように、内ハウジング310におけるベント孔H1と対面する部分の厚さを最も厚くする場合、ガスや火炎による高温・高圧の噴射力にも拘わらず、容易に損傷もしくは破損されず、その形状を安定的に保つことができる。
【0065】
図7は、本発明の他の実施形態に係るベントユニット300の構成を概略的に示す断面図である。例えば、図7は、図6の変形された実施形態であるといえる。
【0066】
図7を参照すると、内ハウジング310は、P1で示すように、少なくとも一方の端部が外ハウジング320に向かって折り曲げられた形状に構成されてもよい。すなわち、図7の構成において、内ハウジング310は、ベントチャンネルを形成するために、+Y軸方向に延びた部分の端部が-X軸方向に折り曲げられてもよい。また、このような内ハウジングの-X軸方向の端部は、再び+Y軸方向に折り曲げられた形状に構成されてもよい。さらに、外ハウジング320は、このような内ハウジング310の折り曲げられた端部を収容するための形状のものであって、溝が形成されてもよい。例えば、図7のP1で示すように、外ハウジング320は、+Y軸方向に延びた部分の端部が-X軸方向、+Y軸方向及び-X軸方向にこの順に折り曲げられた形状に構成されてもよい。なお、このような折り曲げ形状に形成された外ハウジング320の端部の溝には、内ハウジング310の折り曲げられた端部が挿入され得る。
【0067】
本発明のこのような実施構成によれば、内ハウジング310の端部が外ハウジング320の端部に挿入される形状に構成されることにより、外ハウジング320と内ハウジング310との結合性が向上する。また、このような実施構成によれば、ベントガスにより外ハウジング320が損傷されることを防ぐことができる。特に、図7の矢印B1で示す部分は、モジュールケース200と接触された部分であるといえる。このとき、上記実施構成においては、B1にガスが流れ込むとしても、流れ込んだガスが外ハウジング320に達する経路を増加させることにより、高温のガスが外ハウジング320を損傷させることを抑えることができる。
【0068】
また、前記ベント孔H1は、モジュールケース200の側面に形成されてもよい。さらに、前記ベントユニット300は、このようなベント孔の位置に対応してモジュールケース200の側面に取り付けられてもよい。例えば、ベント孔は、図2に示すように、モジュールケース200の左側面及び右側面に形成されてもよい。なお、ベントユニット300は、モジュールケース200の左側面及び右側面に取り付けられてもよい。
【0069】
特に、ベントユニット300は、内ハウジング310が上下方向に厚さが互いに異なる部分を備えるように構成されてもよい。これについては、図8を参照してより詳細に説明する。
【0070】
図8は、本発明のさらに他の実施形態に係るベントユニット300の構成を正面から眺めた様子を示す図である。図8は、図4の図面に対する他の変形例であるといえる。
【0071】
図8を参照すると、内ハウジング310は、上部側の厚さが下部側の厚さよりも厚く形成されてもよい。より具体的には、同図に示すように、内ハウジング310の上部のうちの一部分の厚さをT3とし、内ハウジング310の下部のうちの一部分の厚さをT4とした場合、T3はT4よりも大きく構成されてもよい。
【0072】
本発明のこのような構成によれば、ベントユニット300の内部においてベントガスが流れるとき、ベントユニット300の構造的な安定性がより一層確実に保たれることが可能である。特に、モジュールケース200のベント孔からベントユニット300の内部へとベントガスが流れ込むときには、内ハウジング310の上部から下部に至るまでの全体を通してベントガスが流れ込む可能性がある。ところが、ベントガスの温度は高温であるため、ベントユニット300の内部空間に流れ込んだベントガスは、図8の矢印で示すように、ベントユニット300の内部空間のうち、上部側に向かうという性質を有し得る。したがって、ベントユニット300の内部空間のうち、下部側よりも上部側の方にさらに多くの熱エネルギーが加えられ得る。ところが、上記実施構成によれば、内ハウジング310の上部側の厚さが下部側の厚さよりも厚く形成されることにより、このような上部側に加えられる熱的ストレスに効果的に対応することができる。そのため、上記実施構成の場合、ベントユニット300の全体を通して熱的ストレスに対する安定性が保証可能である。
【0073】
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るベントユニット300の構成を概略的に示す断面図である。例えば、図9は、図6に対して変形された他の実施形態であるといえる。
【0074】
図9を参照すると、外ハウジング320と内ハウジング310との間の少なくとも一部は、所定の距離だけ離れた形状に構成されてもよい。例えば、ベントユニット300は、図9の構成においてC1で示すように、外ハウジング320と内ハウジング310との間に空き空間が形成されるように構成されてもよい。このとき、外ハウジング320と内ハウジング310との間の空き空間には、空気のような気体層が形成され得る。特に、ベントユニット300は、ベント孔と対面する部分において外ハウジング320と内ハウジング310との間の離隔空間が存在するように構成されてもよい。
【0075】
本発明のこのような実施構成によれば、外ハウジング320と内ハウジング310との間の離隔空間に位置している気体層、いわゆる空気層により断熱性能が向上する。すなわち、上記実施構成によれば、内ハウジング310側の熱が外ハウジング320側に伝わることが抑えられることが可能になる。したがって、外ハウジング320の外部に位置する他のバッテリーモジュールなどに熱暴走の伝播が起きることが低減可能である。
【0076】
また、上記実施構成によれば、外ハウジング320と内ハウジング310との間の離隔空間が圧力や力に対する緩衝空間として機能することができる。特に、ベント孔側から噴出されたベントガスは、内ハウジング310を加圧することができる。このとき、内ハウジング310と外ハウジング320との間の空き空間により、内ハウジング310への加圧力は緩衝されて、外ハウジング320側に伝わることが低減可能である。したがって、ベントガスの噴出圧力により外ハウジング320とモジュールケース200との結合力が解除されたり損傷されたりすることが防止もしくは低減可能である。そのため、この場合、ベントユニット300の構造的な安定性がさらに向上する。
【0077】
本発明に係るバッテリーパックは、上述した本発明に係るバッテリーモジュールを1つ以上含み得る。また、本発明に係るバッテリーパックは、このようなバッテリーモジュールに加えて、他の様々な構成要素、たとえばバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)やバスバー、パックケース、リレー、電流センサーなどのように、本発明の出願時点で既に公知となっているバッテリーパックの構成要素等をさらに含み得る。
【0078】
本発明に係るバッテリーモジュールは、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車に適用可能である。すなわち、本発明に係る自動車は、本発明に係るバッテリーモジュールまたは本発明に係るバッテリーパックを含み得る。また、本発明に係る自動車は、このようなバッテリーモジュールやバッテリーパックの他に、自動車に含まれる他の様々な構成要素等をさらに含み得る。例えば、本発明に係る自動車は、本発明に係るバッテリーモジュールの他に、車体やモーター、エレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの制御装置などをさらに含み得る。
【0079】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向指示語が用いられたが、これらの用語は説明のしやすさのために用いられたものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって自明である。
【0080】
以上、本発明については、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明の技術的な思想はこれらに何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的な思想と特許請求の範囲の均等な範囲内において様々な修正及び変形を加えて実施することが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0081】
100 セルアセンブリ
200 モジュールケース
300 ベントユニット
310 内ハウジング、
320 外ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】