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特表2023-548545注射可能な皮下注射針に対応した薬剤/ワクチンバイアルに取り付けられた使い捨てアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】注射可能な皮下注射針に対応した薬剤/ワクチンバイアルに取り付けられた使い捨てアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A61M11/02 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526935
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 SG2021050664
(87)【国際公開番号】W WO2022098298
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10202010968P
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514197821
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン ホールディングス ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グアン ビン リー
(57)【要約】
注射装置の時間のかかる準備を省きながら、注射器タイプの注射動作でワクチンや薬剤を注入するために、ポンプ作動式バイアルに針を取り付けるためのアダプタ。アダプタは、ルアー先端を画定する第1の端部と、定量投与の流動性媒体を受けるために、媒体リザーバにアクセスするように構成された第2の端部を有するスプレーポンプ装置を含む。ルアー先端は、スプレーポンプ装置から受け取った定量投与の流動性媒体を送達するために、針カニューレに固定されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量投与の流動性媒体を送達するためのアダプタであって、
ルアー先端を画定する第1の端部と、定量投与の流動性媒体を受けるために、媒体リザーバにアクセスするように構成された第2の端部と、を有するスプレーポンプ装置であって、前記ルアー先端は、前記スプレーポンプ装置から受け取った定量投与の前記流動性媒体を送達するために、針カニューレに固定されるように構成されるスプレーポンプ装置を備える、アダプタ。
【請求項2】
定量投与の流動性媒体を送達するための装置であって、
流動性媒体を保持するように構成された媒体リザーバと、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる管路と、を有するアクチュエータであって、前記アクチュエータの前記第2の端部は、作動力が加えられると、第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成される、アクチュエータと、
前記アクチュエータの前記第2の端部に設けられた流入口であって、前記媒体リザーバから前記アクチュエータの前記管路に、定量投与の前記流動性媒体を移送するように構成された、流入口と、
前記アクチュエータの前記第1の端部に設けられる開口部と、
前記アクチュエータの前記第1の端部に関連付けられた連結部材であって、針カニューレが前記アクチュエータの前記第1の端部の前記開口部と流体連通して、定量投与の前記流動性媒体を送達するように、前記針カニューレと協働するように構成される、連結部材と、を備える、装置。
【請求項3】
前記連結部材が、ルアー先端を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記針カニューレが、前記ルアー先端に予め組み立てられており、
前記針カニューレに着脱可能なカバーをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記媒体リザーバは、バイアルであり、前記アクチュエータの第2の端部が、前記バイアルに取り付けるように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記バイアルが、穿孔可能な隔壁を含み、前記アクチュエータの第2の端部が、前記隔壁に関連する穿孔要素を含み、前記穿孔要素が、前記アクチュエータと前記バイアルとの間に流体連通を提供するための流体通路を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記穿孔要素は、非患者用カニューレを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記作動力を加えた後に、前記アクチュエータを前記第1の位置に戻すための付勢要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータの前記流入口と協働するように構成されたバルブを含み、前記アクチュエータの前記第2の位置への移動が、前記バルブを開かせて、定量投与の前記流動性媒体を前記アクチュエータの前記管路に導入する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記流動性媒体の投与量は、皮下又は筋肉内に適用される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
定量投与の流動性媒体を送達する方法であって、
スプレーポンプ装置を有する媒体リザーバを提供するステップであって、前記スプレーポンプ装置は、出口開口部を有し、そこに作動力が加えられると、定量投与を供給するように構成される、前記媒体リザーバを提供するステップと、
前記スプレーポンプ装置の前記出口開口部に針カニューレを固定するステップと、
を備え、
前記スプレーポンプ装置への前記作動力の適用が、定量投与の前記流動性媒体を、前記針カニューレを通して排出させる、方法。
【請求項12】
前記針カニューレを固定するステップのために、前記スプレーポンプ装置の前記出口開口部に、ルアー先端を提供するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記媒体リザーバが、穿孔可能な隔壁を有するバイアルを含み、前記スプレーポンプ装置が、前記隔壁を穿孔するために構成された穿孔要素を含み、
前記穿孔要素で、前記バイアルの前記隔壁を穿孔するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記穿孔要素は、非患者用カニューレを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記バイアル及び前記スプレーポンプ装置の少なくとも一方は、前記バイアル及び前記スプレーポンプ装置を互いに固定するための連結アセンブリを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記針カニューレに着脱可能なカバー及び前記穿孔要素のための折りたたみ可能なスリーブを提供するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記流動性媒体の投与量は、皮下又は筋肉内に適用される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月4日に出願された「注射可能な皮下注射針に対応した薬剤/ワクチンバイアルに取り付けられた使い捨てアダプタ」と題されたシンガポール出願第10202010968P号の優先権を主張し、その開示全体は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ワクチンや薬剤を注射するためのポンプ作動式バイアルに針を取り付けるためのアダプタに関し、より詳細には、注射装置の時間のかかる準備を省きながら、一般的な注射器タイプの注射動作を用いて、薬剤/ワクチンを即座に活性化し投与できるアダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
個人の予防接種は、麻疹、おたふく風邪、風疹、ポリオ、肝炎、水痘などの疾患を制御するための既知の技術である。免疫接種やワクチンは、通常、注射器を用いて投与され、注射器は、注射器の投与前、バイアルから注射器に薬剤/ワクチンの投与量を引き込むステップを含む。これは手間のかかる作業であり、投与量を正しく確認するためには、一定の医学的訓練が必要である。特に、発展途上国では、短期間に多くの人にワクチンが投与されることがよくある。したがって、注射器に薬剤を引き込むステップを省略することが望まれる。
【0004】
米国特許第5,554,125号に示されるような予め充填されたバイアルは、薬剤を注射器に引き込むステップを省略することができる。予め充填されたバイアルの欠点は、医療従事者が、予め充填されたバイアルを使用するために特定のタイプの注射器を所有するとともに、注射器内でバイアルを組み立てる方法を知っている必要がある。また、この組み立ては、特に、多くの人にワクチンを接種する場合、時間がかかることがある。予め充填された注射器も知られており、注射器/予め充填されたバイアル全体が予め組み立てられユニット全体として出荷されるため、時間の節約になる装置として使用されているが、これらの装置は高価で、プランジャーロッドを収容するために大きなパッケージ面積を必要とし、プランジャーロッドの不注意な作動を防ぐための特別なパッケージが必要となる。
【0005】
予め充填された注射器の経済的な代替品の1つは、針と流体連通する1回分の薬剤を予め充填した折り畳み可能なリザーバを含む、米国特許第4,955,871号によって教示される。リザーバは、薬剤をその中に封入するために、それらの縁に沿って密封されている一対の対向する可撓性膜から形成される。対向する膜を挟む又は絞る力を加えると、膜が崩壊し、その結果、薬物がリザーバから針を介して、患者に投与される。このタイプの装置の難点は、操作にある程度の器用さが必要なこと、不用意に作動しないように慎重に扱う必要があること、薬をすべて排出するのに十分な力を加える必要があること、出荷時に不用意に中身が出ないように特定のタイプのパッケージを使用しなければならないことである。
【0006】
鼻腔内に薬剤を供給するためのスプレーポンプ装置が知られている。異なるタイプのスプレーポンプ装置の例は、米国特許出願第2012/0193377号、米国特許第5,893,486号、及び、米国特許第7,299,949号に開示されており、それらの開示は参照によりその全体が組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当技術分野では、注射装置の時間のかかる準備を省略しながら、一般的な注射器タイプの注射動作を用いて容易に操作できる薬剤/ワクチンの即時活性化及び投与のためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示はまた、定量投与の流動性媒体を送達するためのアダプタに関する。流動性媒体の投与は、皮下又は筋肉内に適用することができる。アダプタは、ルアー先端を画定する第1の端部と、定量投与の流動性媒体を受けるために、媒体リザーバにアクセスするように構成された第2の端部を有するスプレーポンプ装置を含む。ルアー先端は、スプレーポンプ装置から受け取った流動性媒体の定量を送達するために、針カニューレに固定されるように構成される。
【0009】
本開示はまた、定量投与の流動性媒体を送達するための装置に関する。この装置は、流動性媒体を保持するように構成された媒体リザーバと、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部の間に延びる管路と、を有するアクチュエータと、を含み、アクチュエータの第2の端部は、その上に作動力を加えることによって第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成される。入口は、アクチュエータの第2端部に流入口が設けられる。流入口は、流動性媒体の定量を媒体リザーバからアクチュエータの管路に移送するように構成される。開口部は、アクチュエータの第1の端部に設けられ、連結部材は、アクチュエータの第1の端部に関連付けられる。連結部材は、針カニューレがアクチュエータの第1の端部の開口部と流体連通して流動性媒体の定量投与を行うように、針カニューレと協働するように構成される。
【0010】
1つの構成によれば、連結部材は、ルアースリップ先端を構成することができる。ルアースリップ先端を使用することで、ルアーロック先端に比べ、1回の注入動作にかかる時間を短縮することができる。しかし、ルアーロック先端を含む他の連結部材を本発明のアダプタに使用できることを理解できる。針カニューレは、ルアー先端に予め組み立てられ、完成品としてパッケージ化され得る。また、注射時に針カニューレをアクチュエータに組み付けることもできる。針カニューレに着脱可能なカバーを設けることができる。
【0011】
一実施形態によれば、媒体リザーバは、流動性媒体の一回使用量を含む取り外し可能なバイアルであり得る。バイアルには、単回投与又は複数回投与、1人の患者専用、又は一連の使い捨て送達装置の使用による複数の患者用を含めることができる。バイアルは、穿孔可能な隔壁を含むことができ、アクチュエータの第2の端部は、隔壁に関連する穿孔要素を含むことができる。この穿孔要素は、アクチュエータとバイアルの間に流体連通を提供するための流体通路を含む。一実施形態によれば、穿孔要素は、非患者用カニューレを構成することができる。
【0012】
アクチュエータは、作動力の印加後にアクチュエータを第1の位置に戻すための付勢要素を含むことができる。この付勢要素は、ばね又は他の周知の付勢要素であり得る。
【0013】
装置は、アクチュエータの入口と協働するように構成されたバルブも含み得、アクチュエータの第2の位置への移動は、バルブを開かせて、定量投与の流動性媒体をアクチュエータの管路に導入する。
【0014】
本開示はまた、定量投与の流動性媒体を送達する方法に関する。この方法は、それに関連するスプレーポンプ装置を有する媒体リザーバを提供することを含み、スプレーポンプ装置は、出口開口部を有し、そこに作動力が加えられると、定量投与を供給するように構成される。この方法は、スプレーポンプ装置の出口開口部に針カニューレを固定することをさらに含み、スプレーポンプ装置への作動力の適用は、定量投与の流動性媒体が針カニューレを通って出る。
【0015】
一実施形態によれば、針カニューレをそこに固定するために、ルアーロック先端などのルアー先端をスプレーポンプ装置の出口開口部に追加することができる。
【0016】
媒体リザーバは、ポンプ装置自体に設置することも、別のバイアルにすることもできる。別個のバイアルは、穿孔可能な隔壁を有することができ、スプレーポンプ装置は、隔壁を穿孔するために構成された穿孔要素を含むことができる。この配置では、方法は、バイアルの隔壁を穿孔要素で穿孔することを含む。一実施形態によれば、穿孔要素は、非患者用カニューレを構成することができる。バイアルとスプレーポンプ装置の少なくとも一方は、バイアルとスプレーポンプ装置を一緒に固定するための連結アセンブリを含む。この連結アセンブリは、ねじ式アセンブリ、クリップ、ラッチなどで構成することができる。
【0017】
針カニューレには取り外し可能なカバーを、穿孔要素には折り畳み可能なスリーブを設け、針カニューレ及び/又は穿孔要素の無菌性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の上述及びその他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて取られた本開示の実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、本開示自体もよりよく理解されるであろう。
図1図1は、本発明の実施形態に係る、定量投与の流動性媒体を送達するための装置の断面図である。
図2図2(a)~(d)は、本発明の実施形態に従った図1の装置の特定の個々の構成要素を示す。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る、定量投与の流動性媒体を送達するためのアダプタの断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るアダプタと共に使用することができるスプレーポンプ装置の一実施形態を示す断面図である。
図5A図5Aは、本発明の実施形態に係るアダプタと共に使用することができるスプレーポンプ装置の他の実施形態の正面透視図である。
図5B図5Bは、本発明の実施形態に係るアダプタと共に使用することができるスプレーポンプ装置の他の実施形態の正面断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るアダプタと共に使用することができるスプレーポンプ装置の他の実施形態を示す断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るアダプタと共に使用することができる切断要素がスプレーポンプ装置に組み込まれている、スプレーポンプ装置のさらに別の実施形態の断面図である。
【0019】
対応する参照符号は、いくつかの図の中で対応している部分を示す。本明細書に記載される例示は、本開示の例示的な実施形態を示しており、そのような例示は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成及び使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、及び、代替物は、当業者に容易に明らかなことである。任意の、及び、全てのそのような修正、変形、等価物、及び代替物は、本発明の主旨および範囲の中に入ることが意図されたものである。
【0021】
以下、説明の目的のために、用語「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右の(right)」、「左の(left)」、「垂直の(vertical)」、(水平の(horizontal)」、「上の(top)」、「下の(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および以下の明細書に記載される具体的な装置およびプロセスは、単に本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法、及び、他の物理的な特徴は、限定的であるとしてみなされるべきではない。
【0022】
ここで、一般に、10として示される、定量投与の流動性媒体12を送達するための装置の透視図を示す図1が参照される。流動性媒体の投与は、皮下又は筋肉内に適用することができる。また、装置10の個々の構成要素を示す図2(a)~(d)を参照されたい。この装置は、出口開口部16を有する、一般に14として示されるスプレーポンプ装置を含む。スプレーポンプ装置14の第1の端部18は、針カニューレ20と協働するように構成される。一実施形態によれば、スプレーポンプ装置14の第1の端部18は、ルアー先端19を含むことができ、針カニューレ20は、ルアー先端19にラッチするために構成された針ベース21を含む。スプレーポンプ装置14は、媒体12を含むバイアル26の隔壁24を穿孔することができる、非患者用針カニューレなどの穿孔要素又は切断要素23を含むことができる第2の端部22を有する。フランジ28に押圧を加えることなどによる、矢印Aで示すような作動力の適用により、スプレーポンプ装置の第1の位置から第2の位置への移動が生じ、定量投与の流動性媒体12がスプレーポンプ装置14内に導入されるようにする。作動力を解除すると、スプレーポンプ装置は矢印Bで示すように第1の位置に戻り、定量投与が出口開口部16から針カニューレ20に出て、その後、患者に投与されることになる。スプレーポンプ装置は、30,32,34によって例示されるようなクリップオン配置、ねじ込み配置、スナップフィット配置、又は、任意の他の周知の配置によって媒体バイアルに固定することができる。
【0023】
一実施形態によれば、媒体リザーバ又はバイアル26は、流動性媒体12の1回使用量を含むことができる。あるいは、バイアル26は、一連の使い捨て送達装置又はスプレーポンプ装置14で使用するための複数の投与量を含むことができる。
【0024】
ここで、本願の装置10と共に使用することができる1つのタイプのスプレーポンプ装置14を含む、定量投与の流動性媒体を送達するための、一般に50として示されるアダプタの断面図を示す図3が参照される。スプレーポンプ装置14は、一般に52と示されるアクチュエータを備え、第1の端部54と、第2の端部56と、第1の端部54と第2の端部56の間に延びる管路60とを有する。アクチュエータの第2の端部56は、矢印Cで示すように、そこに作動力が加えられると、第1の位置から第2の位置へと移動するように構成されている。この作動力は、フランジ58に遠位に向けられた力を加えることにより達成することができる。アクチュエータ52の第2の端部56には、流入口56aが設けられる。流入口56aは、図1に26で示されるような媒体リザーバから、アクチュエータ52の管路60内に定量投与の流動性媒体を移送するように構成される。アクチュエータ52の第2の端部56は、吸引チャンバ62及び垂直ボア63を介して、アクチュエータ52とバイアル26との間に流体連通を提供するための流体通路61を含む非患者カニューレなどの穿孔要素からなり得る。アダプタ50は、ねじ66によって示されるようなねじ係合によって、図1に示されるようなスナップフィット配置30,32,34によって、又は、任意の他の既知の取り付け配置によって、媒体リザーバ又はバイアル26に固定することができる。アクチュエータ52の第1の端部54には開口部54aが設けられ、アクチュエータ52の第1の端部54には、ルアーや他の周知の連結部材とすることができる連結部材64が関連付けられる。連結部材は、図1に示すように、針カニューレ20と協働するように構成され、針カニューレが、定量投与の流動性媒体を送達するためにアクチュエータ52の第1の端部の開口部54aと流体連通しているようにする。
【0025】
図3を引き続き参照すると、アダプタ50は、アクチュエータの流入口56a及び通路61と協働するように構成されたボールシール弁70などの弁を含むこともでき、アクチュエータの第2の位置への移動は、弁70を開いて流動性媒体の定量をアクチュエータの管路60に導入する。図3に示す実施形態では、管路60は、通路61、吸引チャンバ62、及び、垂直ボア63からなり、これら全てが互いに流体連通して、流動性媒体を媒体リザーバ26からアクチュエータ52を通って開口部54aの外に移送することが理解され得る。アクチュエータ52は、装置の使用中にアクチュエータ52内の圧力を調節するための空気交換孔72を含むこともできる。アクチュエータは、そこに作動力が加えられた後、矢印Dで示すように、アクチュエータ52を第1の位置に戻すための付勢要素74を含み得る。この付勢要素は、ばね又は他の周知の付勢要素であり得る。
【0026】
針カニューレ20は、ルアー先端19又は連結部材64に予め組み立てられて、完全なユニットとしてパッケージ化され得ることが理解され得る。あるいは、針カニューレ20は、注射時に、アクチュエータ52に組み付けることができる。針カニューレの取り外し可能なカバー(図示せず)を設けるとともに、針カニューレ及び/又は穿孔要素の無菌性を維持するために、穿孔要素の折り畳み可能なスリーブ(図示せず)を設けることができる。
【0027】
ここで、図3に示したアダプタ50と共に使用することができる、一般に100として示されるスプレーポンプ装置の一実施形態の断面図を示す図4を参照する。鼻腔スプレーポンプ100は、吐出される薬剤(図示せず)の1回分を保持するように構成されたリザーバ102を含む。リザーバ102は、閉鎖端103と開放端104との間に延在する。キャップ105は、リザーバ102の開放端104の上に配置されるように構成される。キャップ105は、キャップ105の上面107に中心的に配置された開口106を含む。ステム109は、キャップ105がリザーバ102の開放端104の上に配置されたときに、キャップ105の開口106内に保持されるように構成される。また、ステム109は、キャップ105の開口106を通して、ピストン113がリザーバ102内に配置される第1のステム位置(図4に示す)と、ピストン113が第1のピストン位置から第2のピストン位置(図示せず)に移動するリザーバ102の閉鎖端103に向かってステム109が移動する第2のステム位置(図示せず)の間でスライド移動可能に構成される。ピストン113は、所望であれば、他の好ましい実施形態において、代替的にリザーバ開放端104の上に止まることができることが理解されるであろう。ピストン113は、リザーバ102とステム109の両方と密封又は実質的に密封する必要がある。
【0028】
鼻腔スプレーポンプ100は、ステム109の出口端110によって受け取られるように構成された鼻腔スプレーポンプヘッド114を含む。鼻腔スプレーポンプヘッド114は、ステム109の出口端110を通って移動する薬剤が通過し、そこから吐出された薬剤を受け取るために使用者の鼻腔内又はそれに隣接して配置されるように構成された鼻腔スプレーポンプヘッド開口部116で排出することのできる経路115を含む。
【0029】
ピストン係合手段118は、閉鎖端103の上方の所定の高さでリザーバ102内に配置される。ピストン係合手段118は、ピストン113をピストン係合手段118に係合させて、ステムの第2のステム位置への移動を可能にしながら、リザーバ102の閉鎖端103へのピストン113の移動を保持又は阻止する。ステム109が第2のステム位置に移動すると、ピストン113が、ピストン係合手段118に係合し、ピストン113を保持したまま、ステム109を第2のステム位置に向かって継続して移動させ、それによって管路112の入口を露出させる。管路112は、その後、リザーバ102内の薬剤と連通し、そこを流れることができる。
【0030】
ステムが第2のステム位置に移動し、ピストン113がピストン係合手段118に係合すると、ステム109の第2のステム位置への移動により、リザーバ102に配置された薬剤が圧力下で管路112を通って、ステム109の出口端110から押し出される。その後、薬剤は、鼻腔スプレーポンプヘッド114内の経路115を通って、使用者の鼻腔(鼻孔)に送達するために鼻腔スプレーポンプヘッド開口部116で出るように移動する。本発明のアダプタ50は、薬剤が患者の皮下又は筋肉内に送達され得るように、スプレーポンプヘッド114に固定することができる。
【0031】
キャニスタ119が設けられ、キャップ105は、キャニスタ119の上に配置され、キャニスタ119を密封するように構成される。ピストン113は、管路112がピストン113によって密封又は実質的に密封される第1のピストン位置からのピストン113の移動に抵抗を与えるように、干渉嵌合でステム109について係合される。下部肩部122は、ピストンが下端111に向かってステム109を下降するのを防止するための座部又は停止手段を提供するために、ステム109の周りに配置される。上部肩部123が、ステム109の周りに配置され、ステム109の出口端110に向かって下部肩部122から間隔を置いて配置され、リザーバ102の閉鎖端103から離間するステム109の移動を防止し、これにより、第1のステム位置と第2のステム位置との間のキャップ105内のステム109の移動の長さを制限する。
【0032】
次に図5A及び図5Bを参照すると、図3に示した本発明のアダプタ50と共に使用することができる実施形態による鼻腔スプレーポンプ200が示される。この実施形態では、図4のキャニスタ119は使用されず、リザーバ202は、鍔205と密封的に係合する。ピストン213は、図6及び図7に示すように、第1のピストン位置に弾力的に付勢される。ピストン213とステム209との間のわずかな干渉嵌合も、ピストン213の第2のピストン位置への移動に対する付勢を与えるために提供される。圧縮ばね217は、ステム209の周りに配置され、ピストン213を所定の力で第1のピストン位置に付勢する。ばね217は、ステム209の肩部223とピストン213との間に配置される。ピストン213は、下端が下部肩部222に係止される。
【0033】
図5Bに最もよく見られるように、第2の上部肩部223Bは、ステム209の出口端に向かって上部肩部223から間隔をあけて配置される。第2の上部肩部223Bは、鍔205内に保持される。
【0034】
ステム209をリザーバ202の閉鎖端203に向かって第2のステム位置に移動させると、ピストン213がピストン係合手段218に係合して、ステム209の下方移動を可能にしながら、ステム209に対するピストン213の移動を保持又は阻止する。ばね217は、第1のピストン位置から第2のピストン位置へのピストン213の移動に対する付勢を提供する。
【0035】
図4に記載された実施形態と同様に、ステム219の第2のステム位置への移動及びピストン213の第2のピストン位置への移動は、ピストン213が第1のピストン位置に配置されている管路212の出口の封鎖を解除又はクリア移動して、リザーバ202内の薬剤が管路212を通って、鼻腔内に分注するためにステム209の出口端を通ることができる。ピストン係合手段218が取り外され、ステム209及び/又はピストン213のリザーバ202の閉鎖端203への移動によって与えられる圧力の影響下で、ピストン213がばね217の付勢に対して移動できることが理解されるであろう。
【0036】
本発明のアダプタ50は、図5A及び図5Bの鼻腔スプレーポンプヘッド214に固定することができ、鼻腔スプレーポンプ200の使用及びカニューレ20を通じた内容物の患者への送達を容易にする。図6は、本発明のアダプタ50(図3)と共に使用することができる装置300のさらに別の実施形態を示す。装置300は、2つのアクチュエータ肩部314を有するアクチュエータ部313を含む本体312と、それに隣接するジャケット315とから構成される。ジャケット315は、その両側面に切り欠き316を含む。
【0037】
本体312は、上方に突出し、スプレーノズル336を含むポート部334をさらに備える。使用しないときは、このポート部334は保護スリーブ338で覆われる。
【0038】
ポート部334の内部322は、ジャケットの空間323と連通する。この連続した内部322,323には、作動スリーブ347の対応するマウント328に挿入された一端が開口した容器からなる媒体リザーバ327が収容される。このマウント328は、作動面318を含む。
【0039】
アクチュエータスリーブ317は、装置の中心線335に沿った取り付けタブ344の間にシフト可能に配置され、これらのタブは弾性であり、その端部に反引っ掛けラッチ突起345を持ち、ガイドフランジ347の後ろの所定の位置にスナップインし、したがって、下から所定の位置に挿入した後にアクチュエータスリーブが脱落しないように保護する。この位置には、作動時に切断される、オリジナリティセーフガードを形成する明確なブレークリンクが設けられている場合がある。
【0040】
媒体リザーバには、吐出する媒体329、例えば、皮膚を通して受容される薬液が収納される。それは、柔軟で密封性のあるプランジャプラグ331が所定の位置に押し込まれ、その中に閉鎖要素332としてボールが押し込まれる内側開口部333を有することによって閉鎖される。開口部333のオリフィスは、フレア状であってもよい。
【0041】
このボール332は、開口部333の媒体に面する部分に配置される。それは非常に大きいので、比較的柔軟なプランジャプラグの素材を押し広げ、その結果、自身の弁座350を形成する。この結果、プランジャプラグ332の外面がポンプバレルを形成する媒体リザーバの内壁に及ぼすシール圧力が増加する。
【0042】
プランジャプラグ331の開口部333には、多かれ少なかれ直線的に下部を切り落とした管として形成されたアクチュエータ342が係合するが、ボール332によって閉鎖されないように、そのオリフィス面に横方向の凹部351を有する構成が望ましい。アクチュエータ342の外周は、プランジャプラグ331の開口部333にシールフィットしており、その長さは本実施形態におけるプランジャプラグの長さと同じである。これに隣接して、停止面として機能するアクチュエータ肩部があり、この肩部は、アクチュエータキャリア348に設けられる。アクチュエータキャリア348は、本体312の下方に面した受容スリーブ341の所定の位置に押し込まれ、ノズル336に面したその上面によって、霧化に影響を与えるノズル渦巻き溝を形成する。アクチュエータ及びそれと一体のアクチュエータキャリア348は、ポート型アクチュエータの中央の内側通路によってアクチュエータの部分に形成され、外側流体案内溝によって上部に形成される全長の排出通路340を備える。
【0043】
装置300は、以下のように機能する。排出される媒体329で満たされた媒体リザーバ327は、プランジャプラグ331と閉鎖要素332によって閉鎖され、アクチュエータスリーブ317に挿入され、図示のように所定の位置にラッチされるまで、取り付けタブ344の間に下から中心的に位置する。この配置の結果、アクチュエータ342は、アクチュエータが閉鎖要素332を押し出す作動運動を開始する位置の直前、又は前方の位置まで前進される。排出装置を作動させるときは、2本の指で対向するアクチュエータ肩部314を固定し、親指で作動面318を押すようにする。これにより、アクチュエータスリーブ317が上方に移動し、アクチュエータ342がボール332に突き当たり、一方では、プランジャプラグ331を押す力から、他方では、通常は非圧縮性の媒体329の抵抗圧から、プランジャプラグ331に抵抗圧を与えることになる。これは、アクチュエータ342がボールを媒体リザーバの内部へさらに押し込み、それに応じてプランジャプラグ331がわずかに上方に移動することができ、あるいは、変位流体のためのスペースを確保するための変形を経験することによって行われる。
【0044】
ボール332がプランジャプラグの全長穿孔開口部333から媒体リザーバ内に押し出されると、中央排出開口部340は自由になり、媒体は排出開口部340を介してノズル336に移動し、そこから霧化して出てくることができる。これは、十分な作動圧が蓄積されるまで生じない。アクチュエータがボールを完全に押し込んだ直後に、停止面353がプランジャプラグ331の上部に接触し、媒体の排出とともにプランジャプラグを媒体リザーバへと押し込む。
【0045】
図7は、本発明のアダプタ50(図3)と共に使用することができる排出装置400のさらに別の実施形態を示す。排出装置400は、ハウジング405と、指当て408と、実質的に円筒形の受容空間407と、を備える。
【0046】
適用範囲から離れた側では、受容空間407は、この受容空間407に変位可能に嵌め込まれた押圧スリーブ404によって少なくとも部分的に封止される。適用部に向けられたその端部において、押圧スリーブ404は、停止鍔420を有する。押圧スリーブ404の適用部に面した端部には、芯出し円錐433が設けられており、押圧スリーブの装着時に、そこに設けられた挿入ベベル422上で受容空間407にスライドし、結果として押圧スリーブ404の挿入を容易にする。押圧スリーブ404は、つる巻きばね423によって非作動位置に保持される。装置400の端部には、親指支持部424が設けられる。
【0047】
押圧スリーブ404の押圧円錐444は、実質的に円筒形の供給スリーブ409を取り囲み、排出ストロークA4の方向に、円周状の鍔形状により開始ロック領域432上で供給スリーブ409と積極的に接続される。親指支持部424に圧縮力を加える際、開始ロック領域432は、押圧スリーブ404から供給スリーブ409への力の伝達を許容する。吐出ストローク方向A4に対抗して、押圧スリーブ及び基本ハウジングの中心軸に沿って、適用部の方向にある、供給スリーブ409上には、開始ロック領域432と間隔をおいて押圧ロック領域431が設けられる。供給スリーブ409は、供給スリーブベース430によって、適用範囲から離れた端部で閉じられる。開始ロック領域432の上方には、供給スリーブ409の外郭に、2つの間隔を置いたロックリング、並びに、それぞれの場合に、所定のロックリング421からすぐ近傍に間隔を置いた保持リング434が設けられる。それぞれの場合、1つのロックリング421と保持リング434が、供給スリーブ409の非操作時ロック領域436と操作時ロック領域437を形成する。
【0048】
供給スリーブ409は、実質的に全長に亘って延びた円筒状の穴を備え、開始ロック領域432の近傍の直径が供給スリーブベース430の直前まで縮小される。供給スリーブ409の内壁には、ガイドノーズ446が回転対称の円形で120度ずつずれて設けられる。また、供給スリーブ409の適用範囲に面した端部には、円周状のガイド鍔445が設けられる。
【0049】
ガイド鍔445及びガイドノーズ446上で、排出ストロークの間、供給スリーブ409によって帯状に囲まれる媒体リザーバ402を摺動させる。媒体リザーバは、エラストマーから作られたシール要素410で閉じられる。
【0050】
適用範囲に面するピストン押圧面416において、排出ストロークの間、シール要素410は、ポンプロッド又はラム403のロッド又はラム押圧面415による圧縮力の作用を受け、媒体リザーバ402に変位可能に嵌め込まれたシール要素410が、貯蔵媒体417に抵抗圧を生じさせるようにする。ポンプラム403は、基本ハウジング405のラム受け部412に案内され、実質的に円筒形で回転対称の設計を有し、その対称軸の近くに、中間チューブ411の形態の中間流路406を有する。中間流路406は、基本ハウジング405の弁室439に設けられた弁ブロック438によって、適用部の方向及び非操作状態において閉鎖される。排出ノズル440は、弁室439の出口を囲む領域にの弁ブロック438の上方に設けられ、排出ノズル440の直径と周囲領域との間の著しい断面差の結果として、吐出媒体417の噴霧をもたらす。
【0051】
適用範囲から離れた中間チューブ411の端面は、楔状に切断され、その結果、切断先端414が形成される。排出ストロークの間、切断先端414は、シール要素410に設けられたボアに滑り込み、この位置でシール要素410を通って切断する。その結果、中間チューブ411は、媒体リザーバ402に貯留された媒体417に浸漬することができる。
【0052】
排出装置400の望ましくない動作を防止するために、作動領域として作用する供給スリーブ409の作動領域435と波形要素425との間には、排出装置の対称軸の周りに円形に、120°の角度で取り付けられ、供給スリーブ409の非操作時ロック領域436に積極的に係合する3つのロック要素419がある。さらに、受容空間407及び押圧スリーブによって形成される作動空間には、圧縮ばねとして作用する、つる巻きばね423が設けられ、受容空間407の外壁によって形成される周方向の停止縁部418に対して押圧スリーブ404を積極的に押圧する。
【0053】
排出装置400から中程度の吐出をもたらすために、使用者は、好ましくは、中指と人差し指を指支持部408に置き、同時に親指を使って親指支持部424に押圧を及ぼす。使用者は、特に、つる巻きばね423の付勢、波形要素425と供給スリーブ409の作動領域435との間の積極的な接続を克服するために必要な変形力、及び、摩擦部分からなる作動力を少なくとも加える必要がある。使用者によって操作力が排出装置に加えられると同時に、波形要素425のロック要素419は、波形要素425内に位置する波形突起(図示せず)の弾性変形によってロック解除され、作動領域435の適用範囲の方向へのスライドを可能にする。押圧スリーブ404と供給スリーブ409の両方が移動し始め、使用者は、つる巻きばね423のばね張力と摺動摩擦力に対してのみ働けばよいことになる。
【0054】
供給スリーブ409の押圧鍔429が媒体リザーバベース428に接触すると同時に、媒体リザーバ402と供給スリーブ409の間に積極的な係合がもたらされ、これら2つの構成要素の共同前進をもたらす。排出ストローク方向A4における媒体リザーバ402の移動を通じて、シール要素410は中間チューブ411の切断先端414に接触し、使用者が、親指支持部424に増加する押圧をかけると穿孔される。その結果、中間チューブ411は媒体リザーバ402に入り、そこに封入された媒体は、最初にほぼ無圧で中間流路406に流入することができる。媒体417の加圧は、媒体リザーバ402の排出ストローク方向A4への継続的な移動の間に行われる。
【0055】
ポンプラム403のラム押圧面415は、シール要素410のピストン押圧面416に係合し、使用者によって加えられる親指の押圧によって、媒体417をますます圧力下に置くことができる。媒体リザーバ402内の圧力が上昇した結果、媒体417は、中間流路406に沿って、中間流路406を上方に終端する弁ブロック438の方向に流れる。設計上定められた最低圧力に達すると、弁ブロック438と弁ブロック439とで形成される弁が開く。媒体417は、排出ノズル440の急激な断面変化の結果、噴霧形態で環境中に渡される。
【0056】
排出ストロークは、押圧スリーブ404の適用範囲に面する前面が、波形要素425の前面に突き当たると同時に終了する。供給スリーブの作動領域435は、波形要素425のロック要素419がそのような位置に達したときに、操作時ロック領域437に積極的に係合して供給スリーブをこの位置に保持するように設計される。押圧スリーブ404のブロック長に達することによってさらなる媒体の流れが防止されるので、使用者は、親指支持部424及び供給スリーブベース430に対する親指の押圧を減少させる。したがって、つる巻きばね423に蓄えられたエネルギーは、排出ストローク方向A4に逆行する押圧スリーブ404の移動をもたらす。帯状に溝付きされた押圧円錐444は、元の開始ロック領域432から押圧ロック領域431にスライドし、受容空間407の外側スリーブの停止縁部418上でその停止鍔420に再び係合する。これにより、押圧スリーブ404による供給スリーブ409のさらなる動作が可能となり、対応する操作力を加えることで第2の排出工程を行うことができる。
【0057】
本発明のアダプタ50は、上述したスプレー排出装置のいずれにも使用でき、当技術分野で知られている他のスプレー排出装置にも使用できることが理解できる。
【0058】
本開示は例示的な構造を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神及び範囲の中でさらに修正され得るものである。したがって、本願は、その一般原則を用いた本開示のあらゆる変形、使用、または適応を包含することを意図している。さらに、本願は、本開示が関連する技術分野における既知又は慣例の範囲内で、添付の請求項の範囲内に収まるような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】