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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】線形発電機のためのコアの同期化
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/04 20060101AFI20231110BHJP
   H02P 103/20 20150101ALN20231110BHJP
   H02P 101/25 20150101ALN20231110BHJP
【FI】
H02P9/04 J
H02P103:20
H02P101:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527040
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 US2021058056
(87)【国際公開番号】W WO2022098869
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/109,973
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513127423
【氏名又は名称】メインスプリング エナジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シーファレル, ニック
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ユク ヘイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルゼリック, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ロエル, マシュー
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590AB17
5H590GB05
5H590HA02
5H590HA04
5H590HA10
5H590HA15
5H590HA18
5H590HA19
5H590JA02
5H590JB04
5H590KK06
(57)【要約】
2つまたはそれより多くの線形発電機を制御するためのシステムおよび方法が、提供され、それぞれが、サイクルを成すように、繰り返される挙動に従って動作する。制御システムが、2つまたはそれより多くの線形発電機のうちの第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作サイクルの間の所望の位相オフセットを決定するために制御回路網を利用する。動作中に、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットが、決定される。制御システムの制御回路網は、第1の線形発電機または第2の線形発電機のうちの少なくとも1つの動作を修正し、所望の位相効果を達成するために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つまたはそれより多くの線形発電機を制御するための方法であって、前記方法は、
制御回路網を使用して、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定することと、
動作中に、前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットを決定することと、
前記制御回路網を使用して、前記第1の線形発電機または前記第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作を修正し、前記所望の位相オフセットを達成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記実際の位相オフセットを決定することは、前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の動作の差異を測定または推定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望の位相オフセットは、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点時間の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点位置の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の位置・時間軌道の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の電気出力の差異、または、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の圧力特徴の差異
のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所望の位相オフセットは、
BDC位置を達成する時間の差異、
TDC位置を達成する時間の差異、
規定された位置を達成する時間の差異、または、
速度を達成する時間の差異
のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
動作を修正することは、
一方または両方の線形発電機の頂点位置を修正すること、
一方または両方の線形発電機の頂点位置の時間を修正すること、
前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の先行の線形発電機および後続の線形発電機を識別すること、
一方または両方の線形発電機の電力出力を修正すること、
一方または両方の線形発電機によって発生させられる電磁力を修正すること、または、
一方または両方の線形発電機の振動数を修正すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の固有振動数を一致させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
システムであって、
少なくとも1つの第1のトランスレータを備える第1のコアと、
少なくとも1つの第2のトランスレータを備える第2のコアと、
前記第1のコアおよび前記第2のコアにおける電流フローを制御するための電力エレクトロニクスシステムと、
制御システムであって、
第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定することと、
動作中に、前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットを決定することと、
前記第1の線形発電機または前記第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作を修正し、前記所望の位相オフセットを達成することと
を行うための制御システムと
を備えるシステム。
【請求項8】
前記第1のコアは、少なくとも1つの第1のステータを備え、前記第2のコアは、少なくとも1つの第2のステータを備え、前記電力エレクトロニクスシステムは、前記第1のステータおよび前記第2のステータに結合されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1のトランスレータは、対向トランスレータの第1の対を備え、
前記第1のコアは、前記対向トランスレータの第1の対に対応する第1のステータの対を備え、
前記少なくとも1つの第2のトランスレータは、対向トランスレータの第2の対を備え、
前記第2のコアは、前記対向トランスレータの第2の対に対応する第2のステータの対を備える、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1のトランスレータは、第1の振動数において第1の頂点と第2の頂点との間を並進し、
前記少なくとも1つの第2のトランスレータは、第2の振動数において第3の頂点と第4の頂点との間を並進し、
前記実際の位相オフセットは、
前記第1の頂点および前記第3の頂点、
前記第2の頂点および前記第4の頂点、または、
前記第1の振動数および前記第2の振動数
のうちの1つに基づく、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御システムは、前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の動作の差異を測定または推定することによって前記実際の位相オフセットを決定する、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記所望の位相オフセットは、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点時間の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点位置の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の位置・時間軌道の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の電気出力の差異、または、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の圧力特徴の差異
のうちの少なくとも1つに基づく、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記所望の位相オフセットは、
BDC位置を達成する時間の差異、
TDC位置を達成する時間の差異、
規定された位置を達成する時間の差異、または、
速度を達成する時間の差異
のうちの1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御システムは、
一方または両方の線形発電機の頂点位置を修正すること、
一方または両方の線形発電機の頂点位置の時間を修正すること、
前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の先行の線形発電機および後続の線形発電機を識別すること、
一方または両方の線形発電機の電力出力を修正すること、
一方または両方の線形発電機によって発生させられる電磁力を修正すること、または、
一方または両方の線形発電機の振動数を修正すること
のうちの少なくとも1つを実施することによって動作を修正する、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御システムは、前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の固有振動数を一致させる、請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
非一時的なコンピュータ読取可能媒体であって、前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体上にエンコードされた命令を有し、前記命令は、制御回路網によって実行されると、
第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定することと、
動作中に、前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットを決定することと、
前記第1の線形発電機または前記第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作を修正し、前記所望の位相オフセットを達成することと
を前記制御回路網に行わせる、非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
前記所望の位相オフセットは、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点時間の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の頂点位置の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の位置・時間軌道の差異、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の電気出力の差異、または、
前記第1の線形発電機と前記第2の線形発電機との間の圧力特徴の差異
のうちの少なくとも1つに基づく、実施形態16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
前記所望の位相オフセットは、
BDC位置を達成する時間の差異、
TDC位置を達成する時間の差異、
規定された位置を達成する時間の差異、または、
規定された速度を達成する時間の差異
のうちの1つを含む、実施形態16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
動作を修正するための前記命令は、
一方または両方の線形発電機の頂点位置を修正すること、
一方または両方の線形発電機の頂点位置の時間を修正すること、
前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の先行の線形発電機および後続の線形発電機を識別すること、
一方または両方の線形発電機の電力出力を修正すること、
一方または両方の線形発電機によって発生させられる電磁力を修正すること、または、
一方または両方の線形発電機の振動数を修正すること
のうちの少なくとも1つを行うための命令を含む、実施形態16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体上にエンコードされた命令をさらに含み、前記命令は、制御回路網によって実行されると、前記第1の線形発電機および前記第2の線形発電機の固有振動数を一致させることを前記制御回路網に行わせる、実施形態16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、線形発電機の動作を制御することを対象とし、より具体的には、反応サイクルに基づいて動作する、2つの線形発電機の位相ロック制御(「コアの同期化」)を対象とする。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年11月5日に出願された、米国仮特許出願第63/109,973号の利益を主張する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、線形発電機(すなわち、2つまたはそれより多くの線形発電機)の動作を制御することを対象とする。いくつかの実施形態では、制御回路網が、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定するために使用される。第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットが、動作中に決定される。制御回路網は、第1の線形発電機または第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作を修正し、所望の位相オフセットを達成するために使用される。
【0004】
いくつかの実施形態では、実際の位相オフセットを決定することは、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の差異を測定または推定することを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、所望の位相オフセットは、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の頂点時間の差異、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の頂点位置の差異、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の位置・時間軌道の差異、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の電気出力の差異、および/または第1の線形発電機と第2の線形発電機との間で推定もしくは測定された圧力特徴の差異のうちの少なくとも1つに基づく。
【0006】
いくつかの実施形態では、所望の位相オフセットは、BDC位置を達成する時間の差異、TDC位置を達成する時間の差異、規定された位置を達成する時間の差異、および/または速度を達成する時間の差異のうちの1つを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、動作を修正することは、一方または両方の線形発電機の頂点位置を修正すること、一方または両方の線形発電機の頂点位置の時間を修正すること、第1および第2の線形発電機の先行および後続の線形発電機を識別すること、一方または両方の線形発電機の電力出力を修正すること、一方または両方の線形発電機によって発生させられる電磁力を修正すること、ならびに/もしくは一方または両方の線形発電機の振動数を修正することのうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、線形発電機の動作を制御することはさらに、第1の線形発電機および第2の線形発電機の固有振動数を一致させることを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、線形発電機の動作を制御するシステムは、少なくとも1つの第1のトランスレータを備える第1のコアと、少なくとも1つの第2のトランスレータを備える第2のコアと、第1のコアおよび第2のコアにおける電流フローを制御するための電力エレクトロニクスシステムと、制御システムとを備える。いくつかの実施形態では、制御システムは、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定し、動作中に、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットを決定し、第1の線形発電機または第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作を修正し、所望の位相オフセットを達成するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のコアは、少なくとも1つの第1のステータを備え、第2のコアは、少なくとも1つの第2のステータを備え、電力エレクトロニクスシステムは、第1のステータおよび第2のステータに結合される。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のトランスレータは、対向トランスレータの第1の対を備える。いくつかの実施形態では、第1のコアは、対向トランスレータの第1の対に対応する第1のステータの対を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のトランスレータは、対向トランスレータの第2の対を備え、第2のコアは、対向トランスレータの第2の対に対応する第2のステータの対を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のトランスレータは、第1の振動数において第1の頂点と第2の頂点との間を並進する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2のトランスレータは、第2の振動数において第3の頂点と第4の頂点との間を並進する。いくつかの実施形態では、実際の位相オフセットは、第1の頂点および第3の頂点、第2の頂点ならびに第4の頂点、および/または第1の振動数ならびに第2の振動数のうちの1つに基づく。
【0013】
いくつかの実施形態では、制御システムは、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の差異を測定または推定することによって、実際の位相オフセットを決定する。
【0014】
いくつかの実施形態では、制御システムは、第1の線形発電機および第2の線形発電機の固有振動数を一致させる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、制御回路網によって実行されると、制御回路網に、第1の線形発電機および第2の線形発電機の動作の間の所望の位相オフセットを決定させる、その上にエンコードされた命令を有する、非一時的なコンピュータ読取可能媒体を対象とする。命令はさらに、制御回路網に、動作中に、第1の線形発電機と第2の線形発電機との間の実際の位相オフセットを決定させる。第1の線形発電機または第2の線形発電機のうちの少なくとも一方の動作が、所望の位相オフセットを達成するように修正されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、動作を修正するための命令は、一方または両方の線形発電機の頂点位置を修正すること、一方または両方の線形発電機の頂点位置の時間を修正すること、第1および第2の線形発電機の先行および後続の線形発電機を識別すること、一方または両方の線形発電機の電力出力を修正すること、一方または両方の線形発電機によって発生させられる電磁力を修正すること、ならびに/もしくは一方または両方の線形発電機の振動数を修正することのうちの少なくとも1つのための命令を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、制御回路網によって実行されると、制御回路網に、第1の線形発電機および第2の線形発電機の固有振動数を一致させる、その上にエンコードされた命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示は、1つまたはそれより多くの種々の実施形態に従って、以下の図を参照して詳細に説明される。図面は、例証の目的のためのみに提供され、典型的または例示的な実施形態を描写するにすぎない。これらの図面は、本明細書に開示される概念の理解を促進するために提供され、これらの概念の範疇、範囲、または可用性の限定として見なされるべきではない。明確化および例証のし易さのために、これらの図面が、必ずしも縮尺通りに作製されているわけではないことに留意されたい。
【0019】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的制御システムのブロック図と、例証的発電機アセンブリの断面図とを示す。
【0020】
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、複数のコアを有する例証的システムのブロック図を示す。
【0021】
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による、線形発電機を制御するための制御システムを有する、例証的システムのブロック図を示す。
【0022】
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、BDC時間を調節するための例証的制御技法を図示する。
【0023】
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのコアのトランスレータに関する例証的な位置対時間の2つのプロットを示す。
【0024】
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、権限の不在状態から権限保持状態への遷移の間のコントローラ挙動を図示する、2つのプロットを示す。
【0025】
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、コア同期コントローラを起動しているソフトウェアの種々のピース間のインターフェース説明を図示する、ブロック図を示す。
【0026】
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮および拡張ストロークにわたる自由ピストン発電機の例示的な位置、力、ならびに電力図を図示する。
【0027】
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮および拡張ストロークにわたる自由ピストン発電機の他の例示的な位置、力、ならびに電力図を図示する。
【0028】
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮および拡張ストロークにわたる自由ピストン発電機の例示的な位置・速度ならびに位置・力軌道を図示する。
【0029】
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による、振動数に及ぼす力プロファイルの影響を図示する、トランスレータに関するLEM力対位置を図示する、2つのプロットを示す。
【0030】
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態による、コア間の位相差を制御するためのプロセスを図示する。
【0031】
図13図13は、本開示のいくつかの実施形態による、線形発電機システムを管理し、動作させるためのプロセスを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
2つの線形発電機(または「発電機」)のコアを同時に動作させることは、発電機の出力および音響プロファイルが、周期的であり、サイクル位相と一定ではないため、望ましくない電気的ならびに音響的影響を生じさせ得る。線形発電機は、それぞれがトランスレータが移動中であるときに個別のトランスレータに作用する、起電力を生成するステータを含む、1つまたはそれより多くの線形電磁機械(「LEM」)を含む。例えば、線形発電機は、対向トランスレータ構成にある、2つのLEMを含み得る。各LEMは、線形発電機を備え得る。動作中に、各トランスレータは、ストロークの各端部において(例えば、ストロークの上死点(「TDC」)および下死点(「BDC」)または他の頂点において)、一時的に定常状態となる。したがって、線形発電機によって(例えば、各LEMから)発生させられる電力は、発電機サイクル振動数の約2倍で脈動する。音響ノイズの軽減は、約180度の位相差から恩恵を得るが、一般的なDCバス上の電圧スイングは、約90度の位相差において動作された場合、より小さくなるであろう。90度の位相差は、静電容量要件を低減させ得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つの発電機コアが、開始または停止しており、他方と同期化され得ないときに、電圧上での建設的干渉を回避するために、発電機間でDCバスを分割することが、好ましくあり得る。
【0033】
コアを同期化するための他の論理的根拠は、音響出力(例えば、ノイズ)である。線形発電機は、サイクルの吸気部分(例えば、掃気の間に吸気ポートに提供される、空気および燃料)の間よりも、排気プロセス(例えば、排出事象)に対応するサイクル部分の間に、高いレベルのノイズを生成し得る。2つの発電機は、相互作用し、ノイズ放出において、建設的かつ破壊的な干渉(すなわち、拍動または別様に複合化されたパルスによって呈される)を生成し得る。2つの発電機コアの拍動は、いくつかの状況では、より高い音響ノイズピークと、望ましくない低振動数振幅サイクルとを生成し得る。
【0034】
コアの同期化(「コア同期」)のためのシステムおよび方法は、2つの発電機コアの振動数ならびに位相化を同期化することによって、前述の問題を軽減させることに役立つ。故に、排気圧力脈動が、圧力波(例えば、音)が、最小限に建設的またはそうでなければあまり建設的ではなくなるように、例えば、180度離れて位相化されてもよい。
【0035】
発電機コアを同期化することの別の潜在的恩恵は、コア間のブリージング変動性を制御するための能力を含む。排気背圧は、コアの排気システムが下流に接続する距離に応じて、2つのシステムを結合し得る。本効果は、コアが、消音器、排気後処置機器(例えば、酸化触媒、選択的触媒還元、触媒コンバータ)、熱交換器、または共通の出口結合点等において任意の共通の制約された流路を共有するときに、特に顕著であり得る。
【0036】
発電機コアを同期化することはまた、排気後処置機器を通してピーク流率を平衡化し得る。排気後処置機器またはデバイス(例えば、固体触媒転換物、酸化触媒、三元触媒、もしくは選択還元触媒(SCR))は、典型的には、ピークおよび平均流量によって有効性が限定される。ピーク流率は、2つのコアがそれ自体のより小さい後処置デバイスを通して排気しているときではなく、2つのコアが、位相を異にしており、1つの大きい後処置デバイスを通して排気しているときにより良好である。したがって、位相を異にするコアを起動することは、両方のコアによって共有される、単一の後処置デバイスの使用を可能にし得る。
【0037】
いくつかの線形発電機コア/シリンダが共通のフレームを共有する実施形態では、高い空気ばね(AS)圧力を有する、全てのコアを同時に回避することが、有益であり得る。AS圧力は、フレームを伸展させる。同時にピークになる複数のコアのAS圧力が、圧力が位相を異にしているような場合よりも共通フレーム上に多くの応力を加え得る。例えば、フレームに対して4つのコアが、存在した場合、フレームは、ASピーク圧力が相互から90°位相を異にした場合、より軽くあり得る。いくつかの実施形態では、同期化しない共通フレームに搭載されたコアは、フレームにトルクを付与し得る(例えば、これは、逆捻転または他の変形、応力、もしくは両方を生じさせ得る)。燃料圧力が、極端に低い場合、ラインは、これが給送している吸気プレナム圧力に対して敏感であり得る。したがって、予測可能な燃料流量を達成するために、吸気圧力変動が、コア間の位相化を調節することによって、同期化されることができる。これらの課題はそれぞれ、説明される発電機コアを同期化することによって、それらの効果を少なくとも軽減させる、または可能性として、排除させ得る。
【0038】
制御システム
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的制御システム180のブロック図と、例証的発電機アセンブリ100の断面図とを示す。発電機アセンブリ100は、対向自由ピストン線形発電機として構成される。図示されるように、発電機アセンブリ100は、駆動区分150および158と、線形電磁機械152ならびに156と、電力シリンダアセンブリ154とを含む。
【0039】
発電機アセンブリ100は、軸106に沿って移動する(例えば、軸106に沿って線形に並進する)ように構成される、トランスレータ110と、120とを含む。トランスレータ110および120は、シリンダ102、104、ならびに105内を移動し、したがって、(例えば、ストロークまたはサイクル等の好適な範囲にわたって積分
【数1-12】
を使用して決定される)境界作業を実施するための拡張および圧縮容積197、198、ならびに199を形成するように構成される。明確化のために、本明細書に説明されるシステムおよびアセンブリの空間的配列は、概して、軸方向と、半径方向と、方位方向とを有する、円筒形座標の関連において参照されるであろう。任意の好適な座標系が、本開示に従って使用され得る(例えば、円筒形座標が、任意の好適な座標系にマップされ得る)ことを理解されたい。軸106が、軸方向に指向され、半径方向が、軸106に対して直角である(例えば、軸106から離れるように指向される)ものとして定義されることに留意されたい。方位方向は、軸106を中心とした(例えば、軸106および半径方向の両方に対して直交し、軸106を中心として指向された)角度方向として定義される。
【0040】
いくつかの実施形態では、発電機アセンブリ100の定常構成要素は、シリンダ102と、シリンダ104と、シリンダ105と、ステータ118と、ステータ128と、軸受筐体116と、軸受筐体117と、軸受筐体126と、軸受筐体127とを含む。いくつかの実施形態では、軸受筐体116および117は、(例えば、直接接続されるか、または撓曲、搭載、もしくは両方等の中間構成要素によって結合されるかのいずれかで)ステータ118に結合される。例えば、軸受筐体116および117は、ステータ118に整合(例えば、横方向または軸方向に整合)ならびに添着され、磁石アセンブリ113とステータ118との間の半径方向空隙を維持してもよい。同様に、いくつかの実施形態では、軸受筐体126および127は、ステータ128に剛性に結合される。さらなる実施例では、いくつかの実施形態では、軸受筐体126および127は、ステータ118またはステータ128のいずれかに整合されるが、発電機アセンブリもしくはその構成要素の別の部分に添着される。
【0041】
トランスレータ110は、全てが実質的に剛性に結合され、軸106に沿った実質的剛体として、定常構成要素に対して移動する、管112と、ピストン111と、ピストン114と、磁石アセンブリ113とを含む。トランスレータ120は、全てが実質的に剛性に結合され、実質的剛体として、軸106に沿って移動する、管122と、ピストン121と、ピストン124と、磁石アセンブリ123とを含む。いくつかの実施形態では、磁石アセンブリ113および123は、それぞれ、管112ならびに122の領域であり得る。いくつかの実施形態では、磁石アセンブリ113および123は、それぞれ、管112ならびに122に添着される、別個の構成要素を含んでもよい。反応区分197が、ピストン111および121ならびにシリンダ102のボア103によって境界される。ガススプリング198および199が、個別のピストン114および124ならびに個別のシリンダ104および105によって境界される。故に、トランスレータ110および120が、軸106に沿って移動するにつれて、反応区分197、ガススプリング198、ならびにガススプリング199の容積は、拡張し、収縮する。さらに、例えば、それらの容積内の圧力は、容積が、それぞれ、増加または減少するにつれて、減少もしくは増加する。軸受筐体116、117、126、および127はそれぞれ、それ自体と対応するトランスレータ(例えば、管112ならびに122)との間にガス軸受を提供するように構成される。例えば、軸受筐体116、117、126、および127はそれぞれ、(例えば、流動システムを介して)加圧ガスをガス軸受に指向するように構成されてもよい。例証的実施例では、軸受筐体116、117、126、および127はそれぞれ、軸受ガスが、ガス軸受を通して(例えば、直接、または他の輸送管を介して)環境内に流入するために十分な圧力を有するように、周囲気圧(例えば、海水面における1気圧)を上回る絶対圧力を有する加圧ガスをガス軸受に指向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸受ガスが、環境(例えば、約1気圧)、ブリージングシステム内の圧力(例えば、1気圧を上回る、またはそれを下回り得る、給気圧もしくは排気システム内のガス圧力)、または任意の他の好適な圧力基準に対して加圧されてもよい。いくつかの実施形態では、発電機アセンブリ100は、トランスレータ110および120に対してガス軸受を形成する、軸受筐体116、117、126、ならびに127を用いて、(例えば、潤滑液の使用を伴わない、または固体間接触軸受の使用を伴わない)オイルレス動作のために構成される。シリンダ102は、圧縮区分197を格納する、ボア103を含む。シリンダ102はまた、ボア103をシリンダ102の外側に結合し、流体交換を可能にする、例証的なポート119と、ポート129とを含む。
【0042】
ステータ118、磁石アセンブリ113、管112、および軸受筐体116ならびに117が、LEM156を形成する。同様に、ステータ128、磁石アセンブリ123、管122、および軸受筐体126ならびに127が、LEM152を形成する。さらに、LEMは、随意に、トランスレータに添着される、1つまたはそれより多くのピストンを含んでもよい。例えば、LEMは、ステータ118と、トランスレータ110と、軸受筐体116および117とを含むように定義されてもよい。さらなる実施例では、LEMは、ステータ128と、トランスレータ120と、軸受筐体126および127とを含むように定義されてもよい。LEMは、定常アセンブリ(例えば、ステータおよび軸受筐体)と、軸に沿って移動するように制約される、並進アセンブリ(例えば、トランスレータ)とを含み、ステータは、トランスレータ上に電磁力を印加し、軸に沿った運動を生じさせる、ならびに/もしくはもたらすことが可能である。LEMの軸受筐体は、ステータに添着されてもよいが、そうである必要ではない。例えば、軸受筐体は、直接、または1つまたはそれより多くの介在構成要素、もしくはそれらの任意の組み合わせによってのいずれかで、ステータ、構造フレーム、シリンダに結合されてもよい。ステータ118および128は、複数の位相を形成する、複数の相巻線を含んでもよい。位相のそれぞれにおける電流は、(例えば、対応する電力エレクトロニクスと、処理機器とを含み得る)制御システムによって、トランスレータ110および120の位置、トランスレータ110ならびに120の運動に影響を及ぼす、トランスレータ110および120との相互作用を可能にする、またはそれらの任意の組み合わせを行うように制御されてもよい。いくつかの実施形態では、磁石アセンブリ113および123は、(例えば、交互に入れ替わるN極ならびにS極の)アレイに配列される、永久磁石を含む。トランスレータ110および120は、実質的剛性アセンブリとして移動するため、個別の磁石アセンブリ113ならびに123に印加される電磁力が、トランスレータ110および120を加速ならびに減速させる。いくつかの実施形態では、ステータ118および128が、(例えば、空冷システムによって)空冷される、(例えば、液体冷却システムによって)液体冷却される、または両方であってもよい。いくつかの実施形態では、ステータ118および128は、個別のトランスレータ110ならびに120、またはそれらの個別の磁石アセンブリ113および123の周囲に配列される(例えば、モータ空隙は、ある厚さプロファイルを伴う、弓形である)。例えば、ステータ118および128は、個別のトランスレータ110ならびに120の周囲で完全に(例えば、その周囲で360度方位的に)、またはその周囲で部分的に(例えば、方位的に配列された区画と、位相の巻線間に方位的に配列された間隙とを有して)延在してもよい。いくつかの実施形態では、ステータ118および128は、個別のトランスレータ110ならびに120またはそれらの個別の磁石アセンブリ113および123に沿って軸方向に配列される。例えば、磁石アセンブリ113および123は、平坦な磁石区分を含んでもよく、ステータ118ならびに128は、磁石区分に対応する平坦表面を含んでもよい(例えば、モータ空隙は、ある厚さプロファイルを伴う平面状である)。いくつかの実施形態では、ステータ118および128は、個別のトランスレータ110ならびに120、またはそれらの個別の磁石アセンブリ113および123に沿って軸方向に延在する。
【0043】
図示されるように、制御システム180は、位相コントローラ181および182(ハードウェアの意味において、「位相」は、複数の相に群化され得る、ステータ上の複数の巻線を指し、複数の位相の各位相は、複数の巻線のうちの1つまたはそれより多くの巻線を含む)と、電力エレクロトニクス183ならびに184と、補助コントローラ185と、センサシステム186とを含む。いくつかの実施形態では、各位相コントローラ181および182は、多相ステータの1つまたはそれより多くの位相(例えば、個別のステータ118ならびに128の位相)への電流の印加を制御するように構成される。さらに、位相コントローラ181および182はそれぞれ、各位相制御システムに分散される電気システム全体の要素を含み得る。例証的実施例では、位相コントローラ181および182は、他の位相コントローラ(例えば、他の類似のコントローラ)に加えて、ステータ(例えば、ステータ118および128)の複数の位相のそれぞれを制御するために含まれてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム180は、1つより多くの発電機アセンブリを制御する。いくつかの実施形態では、制御システム180は、単一の発電機アセンブリを制御し、複数の制御システムが、複数の発電機アセンブリを制御するために使用されてもよく、相互および/または中央コントローラと通信してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182は、個別の電力エレクロトニクス183ならびに184を介して個別のステータ118および128の1つまたはそれより多くの位相における電力を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、各対応する位相に印加されるように所望またはコマンドされる電流が、位相コントローラ181および182によってローカルで計算される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くの位相に印加されるように所望もしくはコマンドされる電流が、位相(例えば、ステータ118および128の位相、随意に、示されていない他のステータの他の位相)のそれぞれに印加されるべき電流を決定する、(図1に図示されないが、図2に制御システム250として示される)中央コントローラから通信される。例えば、1つまたはそれより多くの位相に印加されるように所望もしくはコマンドされる電流は、測定された磁石またはトランスレータ位置を達成する、(例えば、各位相によって印加された電磁力から合算された)総LEM力を達成する、トランスレータ速度もしくは加速度を達成する、所望のトランスレータ位置(例えば、頂点位置)を達成する、またはそれらの任意の組み合わせを行うために決定されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182は、対応する位相における磁束を感知するように構成される。例えば、位相コントローラ181ならびに182は、位相の磁束を感知し、感知された束を制御フィードバックとして使用してもよい。いくつかのそのような実施形態では、位相コントローラ181および182は、電流センサを含む、または電流センサから入力を受信するように構成される必要はない。いくつかのそのような実施形態では、位相コントローラ181および182はそれぞれ、(例えば、位相、DCバス、または両方毎に1つ)1つまたはそれより多くの電流センサを含む。センサシステム186は、発電機アセンブリ100、制御システム180、または両方の中に配設され得る、トランスレータ110および120と個別のステータ118ならびに128との間の相対位置を測定するための、位置センサ(例えば、線形エンコーダ)、ステータ118および128の相電流を測定するための、電流センサ、ステータ118ならびに128と関連付けられる電圧を測定するための、電圧センサ、流体温度ならびに/もしくは構成要素温度を測定するための、温度センサ、振動を測定するための、加速度計、変位量を測定するための、歪みセンサ、任意の他の好適なセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、各位相を横断して印加された電流または印加された電圧が、任意の好適な程度に、ローカルで(すなわち、位相コントローラ181もしくは182のインスタンスによって)制御される。いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182は、相電流上でローカル制御ループを実行してもよい。例えば、電流コマンドが、通信リンクを経由して、中央コントローラから位相コントローラ181および182のそれぞれに通信されてもよい。制御機構の任意の好適な部分もまた、本開示に従って分散されてもよい。例えば、位置測定が、全ての位相に分散されてもよく、位相コントローラ181および182はそれぞれ、個別の電力エレクロトニクス183ならびに184によって印加され得る、電流コマンドを決定するための所望の位置および力を決定してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182はそれぞれ、個別の電力エレクロトニクス183ならびに184に制御信号を提供するように構成される。電力エレクロトニクス183および184は、個別のステータ118ならびに128の各位相の位相リード線に電気的に結合し、位相に電流を提供するように構成される。故に、電力エレクロトニクス183および184は、DCバスならびに位相リード線に関連のある電流量および電圧量のために構成される、構成要素を含む。位相コントローラ181および182は、位相リード線ならびに電力エレクロトニクス183および184によって要求されるように、そのように高い電流量または電圧量を電気的に管理もしくはそれと相互作用するように構成される必要はない。いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182ならびに電力エレクロトニクス183および184は、ステータ118ならびに128の各位相への電流を制御および印加するように構成される、単一のモジュールまたは2つの個別のモジュールに組み合わせられる、もしくは統合されてもよい。いくつかの実施形態では、電力エレクロトニクス183および184は、1つより多くの位相間で共有されてもよい。例えば、電力エレクロトニクス183および184は、複数の電力回路を含み、複数の制御信号を受信するように構成され、1つより多くの位相に電流を印加するように構成されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182はそれぞれ、位置を推定または測定する中心アルゴリズムではなく、(例えば、非一時的なコンピュータ読取可能媒体内に記憶される命令に基づいて)ステータに対するトランスレータの位置を推定するように構成されてもよい。故に、中心アルゴリズムは、いくつかの位相コントローラ間で分散されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の位相コントローラのための各位置推定器は、分散された位置推定器の一部であってもよい。分散された位置推定器は、例えば、各対応する位相における位相電圧の感知に基づいて、位置を推定してもよい。いくつかのそのような実施形態では、専用の位置センサは、含まれる必要はなく、したがって、位置センサのコストおよび信頼性懸念を節約する。
【0049】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182、ならびに/もしくは補助コントローラ185が、位相コントローラ181および182の機能を処理するための電力を管理する、(例えば、電力エレクロトニクス183ならびに184のための)診断、電力を要求する意の他の好適なプロセスまたはそれらの任意の好適な組み合わせを実施するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム180の好適な構成要素が、グリッド(例えば、3相電力を有する電力系統)に結合されてもよい。例えば、電力エレクロトニクス183および184が、制御システム180と別個である、またはその一部として含まれる、グリッドタイインバータを介してグリッドに結合されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、制御システム180の好適な構成要素が、位相リード線188および189を介してLEM(例えば、LEM152ならびに156)の1つまたはそれより多くの位相に結合されてもよい。例えば、電力エレクロトニクス183および184が、個別の位相リード線188ならびに189に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、位相リード線188および189は、位相あたり2つの位相リード線(例えば、N個の位相のための2×N個の位相リード線、すなわち、フルブリッジトポロジ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、位相リード線188および189は、位相あたり1つの位相リード線(例えば、N個のワイ字形に接続された位相のN個の位相リード線、すなわち、ハーフブリッジトポロジ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、位相リード線188および189は、星形構成に配線されてもよい。例えば、ワイ字形タイプの構成に関して、各位相からの1つの位相リード線が、ともに結合され、(例えば、正味ゼロの電流入力または出力を有し、そのため、位相電流は、合計がゼロにならなければならない)中性位相電圧を形成し得る一方、各位相制御システムは、制御された位相電圧、したがって、電流を、対応する位相の他のリード線に印加する。いくつかのそのような実施形態では、DCバス電圧の一部(例えば、バスと中性電圧との間の差異)のみが、ステータ118および128の各位相を横断して適用するために利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、位相毎の位相リード線が、独立した構成に配線されてもよい。例えば、制御システム180は、位相毎にフルHブリッジを含んでもよく、完全なDCバス電圧を、位相を横断していずれの方向にも印加する(例えば、所望の電流をいずれの方向にも流動させる)ことが可能であり得る。本構成は、各位相に対して利用可能である、より大きい電圧範囲ならびに他の位相からの制御独立を提供する。例えば、一般的な中性的なワイ字形接続を伴わない場合、相電流は、合計がゼロになる必要はない。いくつかの実施形態では、制御システム180は、LEM152および156の位相(例えば、そのステータ118ならびに128の巻線)から電力を抽出するように構成されてもよい。例えば、検出されたシステム故障または通信の損失の場合に、位相コントローラ181および182は、対応する位相内で逆起電力(「emf」)の反対方向に電流をコマンドすることによって、トランスレータの運動エネルギーからエネルギーを抽出するように試みてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、制御システム180の好適な構成要素が、入力/出力(I/O)187の一部として図示される、通信(COMM)リンクに結合されてもよい。例えば、位相コントローラ181および182、電力エレクロトニクス183ならびに184、補助コントローラ185、センサシステム186、またはそれらの組み合わせが、I/O187(例えば、そのCOMMリンク)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、COMMリンクは、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル、シリアルケーブル、任意の他の好適な有線リンク、またはそれらの任意の組み合わせ等の有線通信リンクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、COMMリンクは、例えば、Wi-Fi伝送機/受信機、Bluetooth(登録商標)伝送機/受信機、任意の他の好適な無線リンク、またはそれらの任意の組み合わせ等の無線通信リンクを含んでもよい。図示されるように、I/O187は、データ、メッセージ、信号、情報、またはそれらの組み合わせの伝送を可能にする、任意の好適な通信リンクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム180は、I/O187を介して中央コントローラシステムに結合される。例えば、いくつかの実施形態では、位相コントローラ181および182は、I/O187のCOMMリンクを介して中央コントローラと通信する。
【0052】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、(例えば、210と、220と、230とを含む)複数のコアを有する、例証的システム200のブロック図を示す。図示されるように、システム200は、コア210、220、および230と、コントローラ211、221、ならびに231と、制御システム250とを含む。図2に含まれる省略記号は、任意の好適な数のコアが、制御システム250と通信する対応するコントローラに加えて、含まれ得ることを示す。システムが、本開示による、1つのコア、2つのコア、または2つより多くのコアを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、制御は、コントローラ241または包含制御システム250の必要なく、コントローラ211、221、および231間で分散されてもよい。
【0053】
コア210、220、および230はそれぞれ、例えば、図1の発電機アセンブリ100等の個別の発電機アセンブリを含んでもよい。コントローラ211、221、および231はそれぞれ、例えば、図1の位相コントローラ181ならびに182および/または図1の補助コントローラ185から成ってもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ211、221、および231はそれぞれ、図1の電力エレクロトニクス183と、184とを備えてもよい。コア210、220、および230は、それぞれ、コントローラ211、221、ならびに231のそれぞれに、それぞれ通信可能に結合される。コントローラ211、221、および231は、例えば、図1の制御システム180の構成要素のうちのいずれかまたは全てを含み得る、コントローラシステム241に通信可能に結合される。コア210、220、および230のそれぞれを制御するための命令が、コントローラ211、221、ならびに231のうちのいずれかまたは全ての中に記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ241は、コア210、220、および230のそれぞれを同期化するために、コントローラ211、221、ならびに231を動作させるための命令を備える。いくつかの実施形態では、制御システム250は、コアコントローラ間に分散される、調整役割を用いて排除される。
【0054】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、線形発電機340を制御するための制御システム310を有する、例証的システムのブロック図である。線形発電機340は、例えば、図1-2に関して上記に説明されるような、任意の好適な線形発電機であってもよい。制御システム310は、線形発電機340に結合される、1つまたはそれより多くのセンサ360と通信してもよい。制御システム310は、線形発電機340の動作側面または性質を調節するために使用され得る、補助システム320と通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つより多くの線形発電機が、制御システム310によって制御されてもよい。例えば、制御システム310は、任意の数の線形発電機に対応する補助システムおよびセンサと通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、ユーザインターフェースシステム350を介してユーザと相互作用するように構成されてもよい。
【0055】
制御システム310は、処理機器312、通信インターフェース313、ユーザインターフェース314、センサインターフェース315、制御インターフェース316、(例えば、コンピュータ実行可能命令参照情報および/またはデータを記憶するための)メモリ317、任意の他の好適な構成要素もしくはモジュール、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。制御システム310は、少なくとも部分的に、1つまたはそれより多くの集積回路、ASIC、FPGA、マイクロコントローラ、DSP、コンピュータ、端末、制御ステーション、ハンドヘルドデバイス、モジュール、任意の他の好適なデバイス、もしくはそれらの任意の組み合わせにおいて実装されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310の構成要素は、図3に示されるように、個々の通信リンクまたは通信バス311を介して、通信可能に結合されてもよい。処理機器312は、センサインターフェース315によってセンサ360から受信されるような線形発電機340に関する情報を処理するように(例えば、ソフトウェアを使用して、または有線で)構成され得る、1つまたはそれより多くのプロセッサ(例えば、中央処理ユニット)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、任意の他の好適なハードウェア構成要素、もしくはそれらの任意の組み合わせ等の任意の好適な処理回路網を含んでもよい。センサインターフェース315は、センサ360、信号調整器、信号プレプロセッサ、任意の他の好適な構成要素、またはそれらの任意の組み合わせに電力を供給するための電力供給源を含んでもよい。例えば、センサインターフェース315は、センサ360からの信号を調整ならびに前処理するためのフィルタ、増幅器、サンプラ、およびアナログ/デジタルコンバータを含んでもよい。センサインターフェース315は、(例えば、IEEE802.3イーサネット(登録商標)またはユニバーサルシリアルバスインターフェースを使用する)有線接続、(例えば、IEEE802.11「Wi-Fi」もしくはBluetooth(登録商標)を使用する)無線結合、光学結合、誘導結合、任意の他の好適な結合、またはそれらの任意の組み合わせであり得る、通信結合319を介して、センサ360と通信してもよい。制御システム310、より具体的には、処理機器312は、関連のある時間スケールにわたって線形発電機340の制御を提供するように構成されてもよい。例えば、1つまたはそれより多くの温度の変化は、1つまたはそれより多くの検出された発電機動作特性に応答して制御可能であり得、制御は、線形発電機の動作に関連のある時間スケール(例えば、過熱ならびに/もしくは構成要素故障を防止し、下記に説明されるような頂点制御を適正に提供し、診断事象の場合にシャットダウンを可能にするため、および/または適正な負荷追跡のために十分に速い応答)に基づいて提供されてもよい。
【0056】
センサ360は、線形発電機340の任意の好適な性質または側面を感知するように構成され得る、任意の好適なタイプのセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、補助システム320のシステムの側面および/または性質を感知するように構成される、1つまたはそれより多くのセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ360は、線形発電機340の構成要素、線形発電機340に導入される、またはそれから回収される流体、もしくは両方の温度を感知するように構成される、温度センサ(例えば、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、または光学温度センサ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ360は、線形発電機340の区分(例えば、反応が、燃焼反応を含み得る、反応区分またはガス駆動区分)内の圧力、線形発電機340に導入される、もしくはそれから回収される流体の圧力、または両方を感知するように構成される、1つまたはそれより多くの圧力センサ(例えば、圧電式圧力トランスデューサ、歪みベースの圧力トランスデューサ、もしくはガスイオン化センサ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ360は、(例えば、摩擦力または他の関連のある力情報、圧力情報、もしくは加速度情報を示し得る)引張力、圧縮力、または剪断力等の線形発電機340内の力を感知するように構成される、1つまたはそれより多くの力センサ(例えば、圧電式力トランスデューサもしくは歪みベースの力トランスデューサ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ360は、電圧、電流、電力出力および/または入力(例えば、電圧によって乗算された電流)、線形発電機340ならびに/もしくは補助システム320の任意の他の好適な電気性質、またはそれらの任意の組み合わせを感知するように構成される、1つまたはそれより多くの電流ならびに/もしくは電圧センサ(例えば、線形発電機340のLEMに結合される電流計および/または電圧計)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ360は、発電機のピストンアセンブリおよび/または任意の他の構成要素の位置、発電機のピストンアセンブリならびに/もしくは任意の他の構成要素の速さ、発電機のピストンアセンブリおよび/または任意の他の構成要素の加速度、線形発電機340ならびに/もしくは補助システム320の流率、酸素または窒素酸化物放出レベル、他の放出レベル、任意の他の好適な性質、もしくはそれらの任意の組み合わせを感知するように構成される、1つまたはそれより多くのセンサを含んでもよい。
【0057】
制御インターフェース316は、補助システム320のうちの1つまたはそれより多くと通信するための有線接続、無線結合、光学結合、誘導結合、任意の他の好適な結合、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御インターフェース316は、アナログ制御信号を補助システム320のうちのいずれかまたは全てに提供するためのデジタル/アナログコンバータを含んでもよい。
【0058】
補助システム320は、加熱/冷却(H/C)システム322、圧力制御システム324、駆動制御システム326、電力エレクトロニクスシステム328、吸/排気(I/E)システム330、および/または任意の他の好適な制御システム332を含んでもよい。加熱/冷却システム322は、冷却、加熱、または両方を線形発電機340に提供するための、ポンプ、流体リザーバ、圧力調整器、バイパス、ラジエータ、流体導管、(例えば、電気加熱器のための)電力回路網、任意の他の好適な構成要素、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。圧力制御システム324は、圧力制御された流体を線形発電機340に供給(随意に、受容)するための、ポンプ、コンプレッサ、流体リザーバ、圧力調整器、流体導管、任意の他の好適な構成要素、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。駆動制御システム326は、駆動ガスを線形発電機340に供給(随意に、受容)するための、コンプレッサ、ガスリザーバ、圧力調整器、流体導管、制御弁、任意の他の好適な構成要素、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、駆動制御システム326は、図1-2に関して上記に説明される駆動部(例えば、ガススプリング)構成要素のうちのいずれかを制御するための任意の好適な構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、他のシステム332が、酸化剤および/または燃料を線形発電機340に供給するための、例えば、カム動作型システム、ソレノイドシステム、もしくは任意の他の電子機械デバイス、または電気機械等の弁調節システムを含む。弁調節はまた、例えば、単一ピストンアセンブリ配列または二重ピストンアセンブリ配列を有するポートなし発電機等の中で、発電機から外への排気流出を調整するために使用されてもよい。排気弁は、ユニットフロー掃気を可能にするように、電磁コイル(例えば、リニアモータ)を用いて制御されてもよい。いくつかの実施形態では、特に、酸素反応が関わる、直接注入が、利用されてもよい。
【0059】
ユーザインターフェース314は、ユーザインターフェースシステム350のうちの1つまたはそれより多くと通信するための有線接続、無線結合、光学結合、誘導結合、任意の他の好適な結合、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ユーザインターフェースシステム350は、ディスプレイ、入力デバイス、マウス、オーディオデバイス、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、または他のインターネットサービスを介してアクセスされる遠隔インターフェース、任意の他の好適なユーザインターフェースデバイス、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔インターフェースは、発電機から遠隔にあるが、発電機の現場に近接してもよい。他の実施形態では、遠隔インターフェースは、発電機および発電機の現場の両方から遠隔にあってもよい。例えば、ディスプレイは、例えば、グラフィックス、テキスト、画像、または他の映像をユーザに提供し得る、タッチスクリーンもしくは任意の他の好適なディスプレイスクリーン、またはそれらのスクリーンの任意の組み合わせ等のディスプレイスクリーンを含んでもよい。例えば、ユーザインターフェースシステム350は、例えば、ディスプレイスクリーン上に1つまたはそれより多くのソフトコマンドをもたらすことによって、ユーザとの触覚相互作用を提供し得る、タッチスクリーンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、1つまたはそれより多くのユーザ入力を受信し、制御を提供するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御システム310は、センサフィードバックに基づいて制御設定を無効化し、ユーザインターフェースシステム350への1つまたはそれより多くのユーザ入力に応じて制御信号を補助システム320に準拠させてもよい。さらなる実施例では、ユーザは、1つまたはそれより多くの制御変数(例えば、温度、圧力、流速、仕事入力/出力、もしくは他の変数)に関する定点値を入力してもよく、制御システム310は、定点値に基づいて制御アルゴリズムを実行してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、動作特性(例えば、線形発電機340または補助システム320の1つまたはそれより多くの所望の性質値)は、製造業者、ユーザ、もしくは両方によって予め定義されてもよい。例えば、特定の動作特性が、制御システム310のメモリ317の中(例えば、または処理機器312のメモリの中)に記憶されてもよく、1つまたはそれより多くの制御信号を提供するためにアクセスされてもよい。いくつかの実施形態では、動作特性のうちの1つまたはそれより多くが、ユーザ、コンピュータ命令、受信されたセンサ値、もしくは他の入力、任意の他の好適な基準、またはそれらの任意の組み合わせによって変更されてもよい。制御システム310は、それらの動作特性を維持、調節、または別様に管理するために使用されてもよい。例えば、制御システム310は、温度および圧力等の環境条件に基づいて動作を改変するために使用されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、制御システム310は、少なくとも部分的に、所望の発電機性能(例えば、所望の頂点位置)および1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの現在の位置に基づいて、線形発電機の1つまたはそれより多くのピストンアセンブリ(例えば、図1の発電機アセンブリ100のトランスレータ110ならびに120等の自由ピストンアセンブリ)のための位置・力軌道を算出する。計算された位置・力軌道に基づいて、制御システム310は、電力エレクトロニクスシステム328に、ひいては、規定された時間または位置間隔にわたって特定の電磁力を1つまたはそれより多くのピストンアセンブリに印加する、相電流を印加させることによって、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの変位を生じさせる。制御システム310による各位置・力軌道の計算は、以前に決定された軌道(位置・力、時間・位置、もしくは任意の他の好適な軌道)からの逸脱に関係なく算出され得る。制御システム310は、(例えば、特定の事象、クロックパルス、モデル反復に応答して)特定のトリガがアクティブ化されるとき、ピストンアセンブリのストロークまたはサイクルにわたって繰り返し、発電機の動作状態に対する変更後に、もしくはそれらの任意の組み合わせで、位置・力軌道を計算してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310はまた、所望の発電機性能のタイミングに関係なく、位置・力軌道を計算してもよい。いくつかの事例では、制御システム310は、発電機の動作状態に基づいて、位置・力軌道を計算してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、以前の位置・力軌道の一部として計算された先行する力に基づいて、または1つまたはそれより多くのピストンアセンブリに印加された先行する力に基づいて、発電機の現在の動作パラメータを推定してもよい。ある事例では、制御システム310は、閉形式解、数値的反復解、または両方の組み合わせを使用して、位置・力軌道を計算してもよい。複数のピストンアセンブリを用いた実施形態では、制御システム310はまた、個別のピストンアセンブリ毎に位置・力軌道を計算することに加えて、複数のピストンアセンブリのための同期化力を計算し、同期化計算に基づいて、ある力を複数のピストンアセンブリに印加させ、所望に応じて複数のピストンアセンブリの移動を同期化してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、発電機の動作状態に応じて、位置・力軌道制御技法と別の制御技法(例えば、以前に決定された軌道からの逸脱の計算に依拠する制御技法)との間で切り替える、ハイブリッド制御方略を採用してもよい。制御システム310は、特定の線形発電機のトランスレータ間の同期化(例えば、トランスレータ110および120は、相互に同期化され、対向運動をもたらし得る)、2つまたはそれより多くの線形発電機のトランスレータ間(例えば、図2のコア210、220、ならびに230のトランスレータ間)の同期化もしくは位相オフセット、またはそれらの組み合わせを生じさせてもよい。
【0062】
制御側面
本明細書に説明される制御システムおよび方法は、2つより多くのコア間で位相を同期化する、または別様に制御するために(例えば、位相が、位置軌道に対応するように)使用され得る。例示的実施形態として、2つのコアが、本明細書に図示される。
【0063】
コア同期の一実施形態は、他の発電機に対する特定の位相化にロックするために、1つの発電機のBDC(下死点)頂点位置標的を操作することによって、振動数および位相制御を達成する。BDCの本操作は、(例えば、スライダクランクまたは他の機械的機構を介して)固定された点にBDCを制約する機械的連結部の不在に起因して、BDC位置を自由に制御する、線形発電機上のみにおいて可能である。
【0064】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、BDC時間を調節するための例示的制御技法を図示する。例えば、図4に図示されるように、状態/機械図400は、コア同期アルゴリズムの3つの制御モード(例えば、明確に異なるモード)を示す。状態410において動作しながら、本システムは、所望の位相(例えば、小さいオフセットまたはオフセットなし)の近傍での微調整のために使用され得る、比例・積分・微分(PID)コントローラを実装し、2つの他の状態420および430にある間、(例えば、より遅く、より速い)デッドビートモードは、完全な制御権限を使用することによって位相ロックするための最速時間を提供してもよい。図400に図示される状態遷移は、例えば、PIDからデッドビートへの遷移基準が、位相誤差がPID位相誤差限定値を上回る場合、かつ収束するための時間が、より速く進行すること(例えば、Tfast)よりも遅く進行すること(例えば、Tslow)によってより小さくなることが推測される場合に、より遅くなることを示す。各状態において動作する間、例証的状態更新計算が、示される。
【0065】
いくつかの実施形態では、コア同期制御は、リーダコア(アクティブ同期を実施しない、または所望の位相オフセットを達成するようにその挙動を修正しないコア)およびフォロワコア(所望の位相オフセットを達成するようにその挙動を修正するコア、すなわち、アクティブ同期を実施するコア)の最後のBDC時間を使用し、2つのコアのサイクル位相差(例えば、BDC、TDCのタイミング、位置、任意の他の好適な動作パラメータ)を決定する。例えば、いくつかの実施形態では、コアが両方とも、それらの個別のBDCを同時に満たす場合、それらは、同位相にあると見なされる。しかしながら、一方のコアが、他方のコアがそのTDCを満たすのと同時にそのBDCを満たす場合、コアは、180度位相を異にしている。しかしながら、他の実施形態では、位相は、圧縮および拡張ストロークが、同一の持続時間ではないため、サイクルを、ピストンの場所ではなく、時間で除算することによって、決定されてもよい。制御は、次いで、所望の位相差を使用し、誤差を決定し、本差異に基づいて動作する。いくつかの実施形態では、誤差は、ゼロまたは任意の他の位相差であり得る、現在の位相差と所望の位相差との間の差異である。現在の位相差は、測定される、推定される、計算される、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。本システムは、各コアの振動数の知識を伴う、デッドビート制御を実装し得、これは、制御システムが、収束時間をゼロ位相誤差に最小限化するために、より速く、またはより遅くに調節するかどうかを選定することを可能にする。いくつかの実施形態では、制御システムは、誤差が、ゼロ位相誤差に向かって収束するために十分に低い(例えば、閾値を下回る)ときに、比例積分(PI)制御に切り替える。2モードコントローラは、発電機が反応しているときに、常時、アクティブである。2つのモードは、デッドビートおよびPID制御である。デッドビートモードは、制御部の権限を最大限化しながら、誤差が大きいときに、コントローラの動態を最小限化するために使用される。PID制御モードは、最小限のチャタリングを用いて特定の位相上に達するために使用される。コントローラは、これらの2つの方法の中で、ヒステリシスを用いて、位相標的と計算された位相との間の差異である、位相誤差を検査することによって判断する。デッドビートモード制御とPIDモード制御との間で変更するための判断は、全ての発電機サイクルにおいて行われる。
【0066】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのコアのトランスレータに関する例証的な位置対時間の2つのプロット500および550を示す。プロット500は、それぞれ、コアA(例えば、ここでは、フォロワ)、およびコアB(例えば、ここでは、リーダ)上の吸気側トランスレータに関する位置対時間「x(t)」のトレース501ならびに502を示す。プロット550は、それぞれ、コアaおよびbの排気トランスレータに関する類似のトレース551ならびに552を示す。トレース501および502は、トレース551ならびに552に加えて、180度のオフセットを伴って2つのコアを正常に同期化する、線形発電機のトランスレータを図示する。位相オフセットは、実装されているそのコア同期を示す、対向する対称性(例えば、コアAのトランスレータは、コアBのトランスレータがBDCに到達するときにTDCに到達し、逆もまた同様である)による、位置対時間トレース(例えば、トレース501、502、551、および552)によって図示される。
【0067】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、権限の不在から権限の獲得への遷移の間のコントローラ挙動を図示する、2つのプロット600および650を示す。プロット600は、トランスレータのBDC位置(すなわち、トレース601)と、公称のBDC位置(すなわち、トレース602)とを示す。図示されるように、トレース601は、BDC位置における変動を呈する。時間610において、コア同期が、アクティブ化され、トレース601は、(例えば、トレース602の公称のBDC位置をより密接に達成する)挙動の変化を呈する。プロット650は、トレース651によって示される位相差と、トレース652によって示される所望の位相とを伴う、フォロワコアによって測定されるような(例えば、そのうちの一方が、プロット600のBDC位置に対応する)2つのコアの間の測定された位相差を示す。時間軸は、プロット600および650にわたって同一であり(例えば、時間610は、時間660と同一である)、コントローラが、時間610に先立ってコア同期を維持するために十分な権限を有しておらず、したがって、(例えば、デッドビート制御を適用することによって)時間610の後にコアを同期化することが可能であることを例証する。プロット600および650は、権限限定に対応する一定値によってマーキングされ得る、デッドビート制御と、位相差の厳密な制御によってマーキングされる、PIDモードとを実証する。プロット650に図示されるように、(i)時間660の前に、位相差が、経時的にドリフトし(例えば、1つのコアがわずかにより速い振動数を有することを示す、「0」度にリセットする)、(ii)時間660の後、コア間の位相差は、コア同期を使用して約180度に維持される。
【0068】
加えて、PID動態は、時間610に先立って急激な低下を生じさせる。これは、コントローラが、デッドビート制御の代わりにPID制御をアクティブ化する、低い位相誤差の領域を通して通過することによって引き起こされる。PIDコントローラは、回復するが、権限の不在に起因して、デッドビート制御に逆戻りする。デッドビート制御は、権限の不在を理解するためにはるかにより迅速であり、より深いBDCにより速く進行し、リードコアに追いつくようにコマンドすることを再開する。最終的には、リードコアは、フォロワコア(同期動作を行うコア)が位相標的にロックするために十分に減速する。
【0069】
通信側面
コアを同期化するための基本的な課題は、(例えば、線形発電機コアが、別個のコンピュータによって制御されるときに)制御コンピュータ間で情報を共有する課題である。コア間リンクをメイン通信リンクとして使用して、BDC事象の時間を他のコアに通信し、メインリンクが稼働しないときにメッセージキューイングテレメトリトランスポートプロトコル(以降、「MQTTプロトコル」)に戻るための、複数の方略が、存在する。本開示は、MQTTプロトコルを使用するものとして説明されるが、イーサネット(登録商標)通信ネットワークプロトコルを経由して実装されるパブリッシャ/サブスクライバアーキテクチャ等の任意の他の好適な通信プロトコルが、使用され得ること、または比較的に長い待ち時間チャネルを横断した通信のために好適な任意のプロトコルが、MQTTプロトコルの代わりに利用され得ることを理解されたい。
【0070】
コア間リンク
いくつかの実施形態では、制御システムは、(例えば、コア間リンクを介して情報を伝送するために)短い待ち時間の通信を達成するように構成される。例えば、データを伝送するための最も速い方法は、第1の制御モジュールからの1つのコアと関連付けられる位置情報を、高速データリンクを経由して(例えば、別のコアと関連付けられる)別の制御モジュールに送信することであり得、同期化を実施するコアは、それ自体と他のコアのBDC位置を計算するように構成される。他のコアデータは、BDC計算への入力の別のセットとして見なされる。いくつかの実施形態では、リンクは、許容可能な帯域幅と、待ち時間(例えば、高い信頼性を伴う一次コアサイクル振動数を優に下回る、待ち時間)とを伴う、SPI、イーサネット(登録商標)、RS-485、無線、または任意の他の好適な通信リンクであり得る。
【0071】
MQTTプロトコル通信
代替アプローチは、データを、一方のコアから他方に、より遅い通信リンクを介して送信することである。これは、付加的なハードウェアを要求しないであろうため、すでに通信チャネルを有するシステムにとって、有用であり得る。しかしながら、本方法は、アルゴリズムに送達される情報において著しい量の待ち時間を被り得るため、厄介であり得る。これを考慮するために、本アルゴリズムは、コア間の時間歪み/ドリフトを追跡し、次いで、他のコアの潜在BDC時間を予測し、アルゴリズムがそれに基づいて実行する、コアの現在のBDC時間を整合させることができる。本技法は、制御アルゴリズムに送達される2つの時間が、相互のサイクル周期内(例えば、TDCからBDCへ、およびTDCに戻る、基準コアの1つの発電機サイクル内)であり、したがって、制御部が、サイクル間のコアの移送差を追跡し得ることを確実にする。
【0072】
いくつかの実施形態では、通信方略は、各コアに対応するエンコーダを読み取る(例えば、各コアの位置を測定する、または各コアと関連付けられる制御モジュールからの位置情報を受信する)ことを含み得る。エンコーダから受信されるデータまたは情報に基づいて決定されるような各コアの位置は、コアが、同期化されるかどうかを示す、各コアの位置の相対的差異を決定するために処理されてもよい(例えば、各コア位置は、他のコアの位置に対して測定されてもよい)。
【0073】
いくつかの実施形態では、通信方略は、変化するデジタル信号を送信することを含み得る。例えば、信号は、拡張の間に同期化検出および修正がオフであり得ることを示し、逆に、圧縮の間に同期化検出および修正がオンであることを示し得る、情報を含んでもよい。信号の立ち上がりおよび立ち下りエッジは、修正命令の精度検出、報告、ならびに処理を可能にする、TDCおよびBDCの非常に高い分解能通信を提供し得る。信号はまた、サイクルの他の時点の間のステータス、データ、または構成要素状態(例えば、いずれかの方向におけるピーク速度もしくはポート縁の交差)を報告するためにも利用され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、通信方略は、各コアおよび各コアの対応する監視/報告構成要素から情報を受信するための別のコンピューティングデバイスの使用を含み得る。付加的なコンピューティングデバイスが、各コアコントローラへのコマンドを発生させ、提供するために、任意の受信されたデータ、信号、または他の情報を処理してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、通信方略は、複数のコアを監視および制御するための単一のコントローラを使用することを含み得る。これは、算出の複雑度を低減させ得、また、複数のコアのそれぞれのための修正命令の分散と関連付けられるタイミングも低減させ得る。
【0076】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、コア同期コントローラを起動しているソフトウェアの種々のピース間のインターフェース説明を図示する、ブロック図を示す。例えば、図7は、制御システム(例えば、図1-3の構成要素のうちのいずれかまたは全てと、それらの任意の組み合わせとを備える、制御システム)によって同期化されるように構成される、異なるコアのBDC時間を報告および処理するための、例証的通信方略に対応し得る。いくつかの実施形態では、制御通信システム700は、MQTTプロトコルに基づく通信方略を利用してもよい。いくつかの実施形態では、制御通信システム700は、コントローラ間プロトコル(以降、「C2Cプロトコル」)に基づく通信方略を利用してもよい。いくつかの実施形態では、制御通信システム700の第1の部分が、MQTTプロトコルを利用し得る一方、制御通信システム700の第2の部分が、C2Cプロトコルを利用してもよい。
【0077】
制御通信システム700は、通信経路704によって示されるような、少なくとも1つの他のコア位置報告リアルタイム処理ユニット(以降、「RPU」)706に通信可能に結合される、コア制御回路網702を備える。本開示は、RPUを使用するものとして説明されるが、コア制御コンピュータとインターフェースをとるように構成される、遠隔制御ユニット(例えば、RCU)、ヘテロジニアスヘキサコアプロセッサ、または任意のプロセッサ等の任意の他の処理ユニットも、使用され得ることを理解されたい。コア制御回路網702は、第1のコアのための中央制御ユニットに対応し得る一方、他のコア位置報告RPU708は、(例えば、図1および2に示されるシステムによって例示されるような)第1のコアとの同期化を要求する、第2のコアに対応する制御回路網の一部に対応し得る。コア制御回路網702はさらに、他のコア位置受信RPU708と、コア位置報告RPU712と、コア制御加速処理ユニット(以降、「APU」)716とを備える。本開示は、APUを使用するものとして説明されるが、コア制御コンピュータとインターフェースをとるように構成される、ヘテロジニアスヘキサコアプロセッサまたは任意のプロセッサ等の任意の他の処理ユニットも、使用され得ることを理解されたい。他のコア位置受信RPU708は、コア制御回路網702に対応する第1のコアが、コア位置報告RPU712によって報告されるような第1のコア位置に基づいて、第1のコアおよび第2のコアの同期化を可能にするための修正された命令を要求するかどうかを決定するために、通信経路704を介して、第2のコアの位置に関連する情報を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、通信経路704は、C2Cプロトコルに適合してもよく、第2のコア位置を報告する通信信号の形態にある、データを伝送するように構成されてもよい。
【0078】
コア位置報告RPU712および他のコア位置受信RPU708はそれぞれ、第1のコアならびに第2のコアに関するコア位置データを、それぞれ、通信経路714および通信経路710を介して、コア制御APU716にそれぞれ伝送する。通信経路714は、通信信号の形態にあるデータを伝送するとき、MQTTプロトコルまたはC2Cプロトコルのいずれに準拠してもよい。通信経路710は、C2Cプロトコルに準拠してもよく、通信経路704を通して受信された信号の元の、または修正されたバージョンを伝送してもよい。
【0079】
コア制御APU716はさらに、コア特質更新モジュール718を備える。コア特質更新モジュール718は、コアデータを受信し、コアと第2のコアの位置および/または軌道を同期化するために、コア位置もしくはコア軌道の修正のための命令を発生させるように構成されてもよい(例えば、述べられるパラメータはそれぞれ、コアの適切な同期化を可能にするように更新を要求し得る、コア特質に対応し得る)。コア特質更新モジュール718は、コアサイクルデータ生成器720と、コア同期判断モジュール724と、一般コア制御ユニット728とを備える。コアサイクルデータ生成器720は、通信経路710および714を通して、データならびに/もしくはメッセージを含む、信号を受信するように構成される。コアサイクルデータ生成器720は、制御システム700がC2Cプロトコルに準拠するように構成されるときのみ、通信経路710を通してデータおよび/またはメッセージを受信してもよい。コアサイクルデータ生成器720は、通信経路722に沿って、BDC位置を理解する2つのコアのうちの一方または両方のいずれかを示す、1つまたはそれより多くのフラグを含む、信号を伝送するために、通信経路704および710の両方から受信されたデータを利用してもよい。通信経路722に沿って伝送された信号は、通信経路726に沿って、データを含む信号を伝送するために、コアを同期化する必要性を示すフラグ、コアが同期化されることを示すフラグ、および/またはBDCタイミングデータ(例えば、コアのそれぞれのBDCステータスに対応するタイムスタンプ、もしくは各コアのBDCステータスのそれぞれの相対的時間差)のうちの少なくとも1つを含む、命令を発生させるように構成される、コア同期判断モジュール724によって受信されてもよい。通信経路726に沿って伝送された信号は、コアの制御に対する修正を発生させるために利用されることができる。
【0080】
一般コア制御ユニット728が、通信経路726に沿って伝送されたメッセージ、データ、および信号を受信するように構成される。一般コア制御ユニット728は、比較的に長い待ち時間チャネルを横断した通信のために好適である、MQTTプロトコルまたはC2Cプロトコルのうちのいずれかもしくは両方または任意のプロトコルに準拠するように構成されてもよい。一般コア制御ユニット728は、通信経路726から伝送されたメッセージ、データ、および信号を受信するように構成される、コア同期コントローラ730を備える。いくつかの実施形態では、コア同期コントローラ730は、一般コア制御ユニット728と関連付けられるコアの位置または軌道のうちのいずれかの修正を可能にする、一般コア制御ユニット728に対応するコントローラのための命令を発生させるために、信号もしくはメッセージに対応するデータを処理するように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、コア制御APUはさらに、(例えば、制御通信システム700がMQTTプロトコルに準拠するように構成される実施形態では)同期化基礎構造734を備える。同期化基礎構造734は、コア同期判断モジュール724から通信経路732に沿って、信号、メッセージ、および/またはデータを受信するように構成される。同期化基礎構造734は、ゲートウェイ738と通信可能に結合される。ゲートウェイ738は、メッセージが、制御通信システム700と関連付けられる第1のコアと同期化されるべきである、第2のコアに対応する通信回路網によって、伝送、受信、および/または処理され得るように、通信経路736を通して同期化基礎構造734から受信されたメッセージを変換もしくは修正するように構成されてもよい。ゲートウェイ738はさらに、第2のコアに対応する、伝送と、処理と、他のプロトコルとを含み得る、ネットワークプロトコル740を含む(例えば、ネットワークプロトコル740は、MQTTプロトコルに準拠するブローカを含み得る)。通信経路736はまた、ゲートウェイ738によって、第2のコアから同期化基礎構造734への同期要件フラッグまたはBDCステータスに対応する、メッセージ、信号、ならびに/もしくはデータを提供するために、ネットワークプロトコル740に基づいて、利用されてもよい。受信されたメッセージ、信号、および/またはデータは、同期化基礎構造734によって処理され、同期要件フラグもしくは同期ステータスが第1のコアまたは第2のコアから報告されるかどうかを示す、メッセージを含む信号として、伝送される。
【0082】
制御方略
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、線形発電機の位置、力、および電力を図示する。示されるように、図8は、圧縮ストロークと、拡張ストロークとを含む、2ストロークピストンサイクルを伴う線形発電機に関して、例示的位置820、力840、および電力860図を経時的に図示する。位置図820を参照すると、図8において標識されるように、参照目的のために、正の軸方向は、TDCからBDCへの(例えば、反応シリンダの中心から離れるような)方向に対応する。例えば、図1-2の自由ピストンアセンブリでは、中心線は、垂直軸の起点に対応し、中心線から離れる方向は、自由ピストンアセンブリ(例えば、図1のトランスレータ110および120等)毎の正の方向であろう。位置図820によって分かり得るように、ピストンアセンブリは、BDCにおいて圧縮ストロークを開始し、TDCに進行し、その時点で、拡張(または電力)ストロークが、開始する。拡張ストロークの間に、ピストンアセンブリは、BDCに戻るように進行する。
【0083】
図840を参照すると、力は、TDCからBDCへの方向において印加されるときに、正となる。例えば、図1-2の自由ピストンアセンブリでは、中心線から離れる方向に印加される力は、正の力であろう。力図840において分かり得るように、圧縮ストロークの間に、比較的に一定の正の力が、ピストンアセンブリに印加されてもよく、拡張ストロークの間に、力は、(中心線に向かう方向に)負であり得、LEMが両方のストロークの間にエネルギーを抽出することを可能にする。印加される力が、一定である必要はないこと、およびいくつかの実施形態では、可変力プロファイルが、例えば、比較的に一定の電力出力を生成するために印加され得ることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、本明細書に描写されるように、力が、ピストンアセンブリ速度が比較的に低いとき、そうすることの非効率性に起因して、印加されない場合があることも理解されたい。電力出力は、ピストンアセンブリの力および速度の負の積である。具体的に電力図860を参照すると、図示される理想的な場合では、いかなる電力も、ピストンサイクルの圧縮および拡張ストロークを実施するために、本システムに入力される必要はないことが分かり得る。むしろ、上記に説明されるように、理想的な場合では、圧縮ストロークの間に本システムへの付加的エネルギー入力を伴わずに後続の圧縮ストロークを実施するために、拡張ストロークの間に少なくとも1つの駆動区分の中に貯蔵された、十分なエネルギーが、存在する。
【0084】
理想的なシナリオでは、図8に関して説明されるような圧縮および拡張ストロークの間に、いかなる電力入力も回避することが、望ましくあり得るが、いくつかの実施形態では、ある程度の電力入力を提供することが、必要または望ましくあり得る。それに応じて、図9は、本開示のいくつかの他の実施形態による、線形発電機の位置、力、および電力を図示する。図8と同様に、図9は、圧縮ストロークと、拡張ストロークとを含む、2ストロークピストンサイクルを伴う線形発電機に関して、例示的位置920、力940、および電力960図を経時的に図示する。位置図920は、概して、図8に図示される位置図820のものに類似するが、力図940および電力図960が、図8に図示されるものと異なり得ることを理解されたい。圧縮ストロークの間の力図940を参照すると、902において、力が、短い周期にわたって最初に印加された力から反対方向に印加され得ることが分かり得る。これはまた、同一の短い周期にわたる電力入力を示す、負の電力が、904において見られ得る、電力図960内にも反映される。本力の印加および電力入力が、いくつかの理由のために起こり得るが、いくつかの実施形態では、これは、ピストンアセンブリの速さを制御する、またはそうでなければ、ピストンアセンブリが、後続の拡張ストロークの前に適切な、もしくは所望のTDC位置に到達することを確実にするために行われ得る。例えば、力は、ピストンアセンブリの速さを増加させるために印加されてもよい。同様に、力図940をさらに参照すると、拡張ストロークの間に、906において、力が、短い周期にわたる拡張ストロークの残部に対して反対方向に印加され得、これがまた、同一の短い周期にわたる電力入力を示す、負の電力が、908において見られ得る、電力図960にも反映されていることが、分かり得る。上記に説明されるように、本印加された力および入力電力は、いくつかの理由のために起こり得るが、いくつかの実施形態では、力は、ピストンアセンブリの速さを制御する、またはそうでなければ、ピストンアセンブリが、後続の圧縮ストロークの前に適切な、もしくは所望のBDC位置に到達することを確実にするために、このように、電力入力に印加されてもよい。例えば、力は、上記に説明されるように、ピストンアセンブリの速さを増加させるために印加されてもよい。
【0085】
図9に関して説明される圧縮ストロークおよび/または拡張ストロークの間の入力電力の提供は、必ずしも理想的な動作ではないが、各ストロークにわたる正味電気エネルギー出力が、依然として、ゼロを上回ること(すなわち、各ストロークにわたるいかなる正味電気エネルギー入力も存在しないこと)を理解されたい。これは、ゼロを下回る曲線の面積によって減算された、ゼロを上回る曲線の面積によって表される、各ストロークにわたる積分が、実質的にゼロを上回ることが分かり得る、電力図960から明白である。故に、各ストロークにわたって本システムによって出力される電気エネルギーの量は、上記に説明されるように、ピストンアセンブリ位置を制御するために入力される電気エネルギーを上回る。本明細書で使用されるように、「正味電気エネルギー」は、図1-2に関して上記に説明されるもの等のLEMの中またはそこから外への電気エネルギー伝達を指す。いくつかの実施形態では、LEMは、電力エレクロトニクス(例えば、DCバス、IGBT、コンデンサ、および/または任意の他の好適な構成要素を含む)、バッテリ、ならびに/もしくはグリッドタイインバータに結合される、ステータを含んでもよい。故に、いくつかの実施形態では、一部の電気エネルギーが、LEMに結合される電力エレクロトニクス、バッテリ、および/またはグリッドタイインバータを介して、LEMに入力され得るが、上記に説明されるような所与のストロークにわたる正味電気エネルギーは、LEMから電力エレクロトニクス、バッテリ、および/またはグリッドタイインバータに出力されるであろう。
【0086】
線形発電機は、所与のストロークにわたっていかなる正味電気入力も伴わずに動作され得るが、本開示の原理が、圧縮ストロークの間(例えば、立ち上げの間)等のストロークの間の正味電気入力に伴って動作する線形発電機を含む、任意の好適な線形発電機に適用され得ることを理解されたい。
【0087】
図8-9の軌道は、2ピストン、単一反応区分線形発電機(例えば、2ストローク自由ピストン発電機)に適用され得る。下記に説明され、対応する図内に図示されるものは、概して、自由ピストン線形発電機に適用可能な制御システムである。故に、上記に説明されるように、本制御システムは、前述に参照されるものに説明されるもの、および米国特許第8,662,029号に組み込まれるもの等の他の自由ピストン発電機アーキテクチャ(例えば、燃焼反応に依拠する反応発電機)に適用可能である。当業者によって理解されるであろうように、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の修正および代替構成が、利用されてもよく、他の変更が、行われてもよい。例えば、図1-2に関して上記に説明される2ピストンアーキテクチャに加えて、本明細書に説明される制御システムが、例えば、単一ピストンアーキテクチャに適用可能である。同様に、2ストロークの適用に加えて、本明細書に説明される制御システムはまた、例えば、4ストロークサイクルに基づいて動作する、線形発電機にも適用可能である。
【0088】
図10は、圧縮ストロークおよび拡張ストロークにわたる線形発電機内のピストンアセンブリの例示的な位置・速度ならびに位置・力軌道(例えば、それぞれ、パネル1000の軌道1010および1020)を示す。例証のために、1020に示される力値は、図3の制御システム310(例えば、または、図1のコントローラ180、図2の制御システム250もしくはそのコントローラ211、221、および231)によって計算され、LEMを介してピストンアセンブリに電磁力を及ぼすことによってピストンアセンブリに適用される、力値に対応する。図10に図示されるプロファイルは、明確化および例証のし易さの目的のために、理想化されている、簡略化されている、または両方である。実際のプロファイルが、異なり得ることを理解されたい。電磁力は、本明細書では、LEM力、LEM力値、モータ力、モータ力値、力、または力値と称される。図10および継続する軌道図を参照すると、正の方向は、TDCからBDCへの方向に対応する(例えば、正の速度は、TDCからBDCまで移動しているピストンアセンブリに対応し、正の力は、BDCに向かう方向に印加されている力に対応する)。
【0089】
加えて、図10および継続する軌道図を参照すると、ゼロ位置点は、対向ピストン線形発電機(例えば、図1-2)のための中心線または単一ピストン線形発電機(例えば、図5)のための反応区分端部(すなわち、反応区分の先頭)に対応する。図10に示されるように、ピストンアセンブリは、BDCとTDC(例えば、頂点位置)との間で循環する一方、LEMは、ピストンアセンブリの運動の反対方向に力を印加し、それによって、両方のストロークにわたって正味電気エネルギー出力を生成する。両方のストロークにわたって正味電気エネルギー出力を生成することは、拡張ストロークから十分なエネルギーを貯蔵し、後続の圧縮ストロークを実施するために要求される十二分のエネルギーを提供し得るように、駆動区分が定寸されることを要求する。本パラダイムは、概して、以下の議論で仮定されるが、本明細書に開示される制御技法が、正味電気エネルギー入力が圧縮ストロークの間に要求されるように、駆動区分が定寸される、線形発電機と、駆動区分がなく、圧縮ストロークを実施するために要求されるエネルギーの全てがLEMによって提供される、線形発電機とに適用され得ることを理解されたい。軌道1020に示されるストローク毎の単一モータ力値は、線形発電機が動作し得る方法の理想化された表現である。以下は、制御システム310が、線形発電機内のピストンアセンブリの変位を制御し、所望の性能を達成するために使用され得る、具体的実施形態の議論である。
【0090】
パネル1030は、本明細書に開示される位置・力軌道制御技法の一実施形態を図示する、位置・速度軌道1040と、位置・力軌道1050とを示す。本実施形態では、(位置・力軌道の計算が基づく)所望の発電機条件は、ピストンアセンブリの所望の頂点位置(
【数1-1】
および
【数1-2】
)である。すなわち、制御目的は、所望のTDCおよびBDC位置においてゼロ速度を有するように、ピストンアセンブリの変位に影響を及ぼすことである。ピストンアセンブリの実際の頂点位置(
【数1-3】
および
【数1-4】
)が、例証目的のために、ピストンアセンブリの所望の位置と異なるものとしてパネル1030に示されている。しかしながら、ピストンアセンブリの所望の頂点位置と実際の頂点位置との間の差異が、ゼロ、正、負、またはそれらの任意の組み合わせであり得、位置・力軌道制御技法の具体的実装に応じて変動し得ることを理解されたい。本実施形態では、新しい位置・力軌道が、位置・力軌道プロット1050に示される力値によって図示されるように、固定時間間隔において計算される(すなわち、より高い速度において、力値は、より長い距離にわたってピストンアセンブリに印加され、より低い速度において、力値は、より短い距離にわたってピストンアセンブリに印加される)。制御システム(例えば、制御システム310)は、固定時間間隔(例えば、1、5、100kHz)において力決定を実行してもよい。位置・力軌道プロット1050内の力値は全て、例証目的のために、ピストンアセンブリの運動の反対方向にあるものとしてパネル1030に示されている(すなわち、LEMは、常に、ピストンアセンブリの運動エネルギーを電気エネルギーに転換している)。しかしながら、各力値が、正の力値(すなわち、拡張ストロークの間にピストンアセンブリの変位を促し、圧縮ストロークの間にピストンアセンブリの変位を妨げる)、負の力値(すなわち、圧縮ストロークの間にピストンアセンブリの変位を促し、拡張ストロークの間にピストンアセンブリの変位を妨げる)、またはゼロもしくは中性の力値(すなわち、いかなる力も印加することなく、その現在の運動量を使用して、ピストンアセンブリ変位が継続することを可能にする)を含む、任意の好適な力値であり得ることを理解されたい。
【0091】
本実施形態では、パネル1030を参照すると、圧縮ストロークの第1の位置・力軌道が、位置・力軌道プロット1040内の力値Fによって図示されるように、BDCにおいて計算される。制御システム310は、少なくとも部分的に(例えば、図3のセンサ360に基づいて決定される)ピストンアセンブリの現在の位置およびピストンアセンブリの所望の頂点位置(
【数1-5】
)に基づいて本第1の力値を計算し、次いで、本実施形態では、定められた時間間隔に基づいて起こる、ピストンアセンブリの新しい位置が決定され、新しい位置・力軌道が計算されるまで、発電機のLEMを介して、本力をピストンアセンブリに印加する。これらの順次ステップは、ピストンアセンブリがTDC(
【数1-6】
)に達するまで繰り返され、その時点で、制御システム310は、次いで、BDCにおける新しい所望の頂点位置(
【数1-7】
)に基づいて、順次ステップを繰り返す。所望の頂点位置は、サイクルを横断して一定のままである、ストローク内で一定のままである、サイクルを横断して変化する、ストローク内で変化する、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、制御システム(例えば、制御システム310)は、位置・力軌道を計算するために熱力学の第1法則(すなわち、エネルギー保存)を適用してもよい。例えば、単一ピストン自由ピストン発電機に関して、位置・力軌道は、発電機の理想化されたストローク(すなわち、熱伝達、ガスブローバイ、または摩擦からの損失がない)にわたって、LEMから/への仕事、反応区分ガスから/への仕事、ピストンアセンブリの運動エネルギー、および駆動区分から/への仕事が合計でゼロになるはずであることを認識することによって、計算されることができる。これは、例えば、
【数1-8】
が、LEMから/への仕事であり、
【数1-9】
が、反応区分ガスから/への仕事であり、
【数1-10】
が、ピストンアセンブリの運動エネルギーであり、
【数1-11】
が、駆動区分から/への仕事である、方程式1で捕捉されることができる。
【数1】
LEMから/への仕事は、ピストンアセンブリの現在の位置(
【数2-1】
)から、ピストンアセンブリの所望の標的位置(
【数2-2】
)(例えば、所望の頂点位置)までのピストンアセンブリの位置(
【数2-3】
)の変化にわたってモータ力(
【数2-4】
)を積分することによって、計算されることができる。新しい力値が、計算され、次いで、続いて、適用されるまで、各力値が、LEMによってピストンアセンブリに適用されるため、モータ力は、ピストンアセンブリの現在の位置とピストンアセンブリの所望の標的位置との間で一定であるものとしてモデル化されることができる。これは、LEMから/への仕事の計算を、
【数2-5】
が、TDCまたはBDCのいずれかの所望の標的位置であり得る、方程式2に示されるような所望の標的位置と現在の位置との間の差異で乗算されるモータ力のみに簡略化する。
【数2】
反応区分ガスから/への仕事は、ピストンアセンブリの現在の位置における反応区分容積(
【数3-1】
)から、ピストンアセンブリの所望の標的位置における反応区分容積(
【数3-2】
)までの反応区分の容積の変化にわたって、反応区分ガスの圧力を積分することによって、計算されることができる。本実施例では、所望のTDCおよびBDC標的位置に関して、反応区分から/への仕事は、
【数3-3】
が、反応区分の容積であり、
【数3-4】
が、反応区分の容積の関数としての反応区分ガス圧力であり、
【数3-5】
が、TDCまたはBDCのいずれかの所望の標的位置に基づき得る、方程式3に従って、計算されることができる。
【数3】
ピストンアセンブリの運動エネルギーは、方程式4に示されるように、ピストンアセンブリの質量(
【数4-1】
)およびピストンアセンブリの現在の速度(
【数4-2】
)の2乗の積の2分の1に等しい。
【数4】
駆動区分から/への仕事は、駆動区分のタイプに依存する。駆動区分が、ガススプリングを備える場合、ガススプリングから/への仕事は、反応区分ガスから/への仕事の計算と同様に計算されることができる。駆動区分が、機械的スプリングを備える場合、機械的スプリングから/への仕事は、フックの法則に基づいて計算されてもよい。駆動区分が、ガススプリングおよび機械的スプリングの両方を備える場合、駆動区分から/への仕事は、2つのモデルの組み合わせを使用して、計算されることができる。本実施例では、例証目的のために、駆動区分は、ガススプリングを備え、ガススプリング(駆動区分)から/への仕事は、
【数5-1】
が、ガススプリングから/への仕事であり、
【数5-2】
が、ガススプリングの容積であり、
【数5-3】
が、ガススプリングの容積の関数としてのガススプリングガス圧力であり、
【数5-4】
が、ピストンアセンブリの現在の位置におけるガススプリングの容積であり、
【数5-5】
が、TDCまたはBDCのいずれかの所望の標的位置に基づき得る、ピストンアセンブリの所望の標的位置におけるガススプリングの容積である、方程式5を使用して、計算されることができる。
【数5】
方程式1で仕事およびエネルギー値を計算するためのモデルを有すると、位置・力軌道のモータ力値は、方程式6aに示されるように、方程式2-5を方程式1に代入することによって、計算されることができる。LEMによって印加される力(FLEM)は、したがって、トランスレータの現在および所望の位置に基づく、Fと、FLEMの値を補完、置換、または別様に修正するために使用され得る、同期化力(Fsync)との和である(例えば、方程式6bの右辺の力は、係数を用いて加重もしくは別様に修正され得る)。
【数6】
方程式6aに見られ得るように、位置・力軌道を計算するための本モデルは、ピストンアセンブリアプローチの現在の位置がピストンアセンブリの所望の標的位置に接近する(すなわち、方程式6a内の分母がゼロに接近する)につれて、縮小する水平線を有する。実践的限界が、ゼロによる除算を回避するように、最小水平線(すなわち、ピストンアセンブリの現在の位置とピストンアセンブリの所望の標的位置との間の最小差)に、制御システム310によって設定される、または制御システム310に入力されることができ、これは、いくつかの実施形態では、所望の標的位置の近傍の制御システム310の有効権限を制限し得る。ピストンアセンブリと、反応区分ガスと、ガススプリングガスとの間の界面の断面積が、一定であるものとしてモデル化されることができる場合、方程式6a内の反応区分ガス仕事およびガススプリングガス仕事は、個別の区分の容積がピストンアセンブリの位置のアフィン関数であるため、現在の位置から所望の標的位置までのピストンアセンブリ位置の変化に基づいて計算されることができる。本代入は、
【数7-1】
が、ピストンアセンブリの位置の関数としての反応区分ガス圧力であり、
【数7-2】
が、ピストンアセンブリの位置の関数としてのガススプリングガス圧力であり、
【数7-3】
が、ピストンアセンブリと反応区分ガスとの間の界面の断面積であり、
【数7-4】
が、ピストンアセンブリとガススプリングガスとの間の界面の断面積である、方程式7に示されている。
【数7】
【0093】
方程式6および7に示されるように、各位置・力軌道は、少なくとも部分的に、ピストンアセンブリの現在の位置ならびにピストンアセンブリの所望の頂点位置(すなわち、所望の標的位置)に基づいて、以前に決定された軌道からの逸脱に関係なく、新しい位置・力軌道が計算されるであろう時間に関係なく、かつピストンアセンブリが所望の頂点位置に到達する時間に関係なく、計算される。発電機サイクルのストロークにわたって、本モデルを使用して位置・力軌道を繰り返し計算することは、自由ピストン発電機の動作状態の変化およびそれに対する変更(高速または低速、意図的もしくは非意図的)が、各新しい位置・力軌道計算において考慮されることを可能にし、それによって、発電機の動作状態の障害を除外することが可能である、自由ピストン発電機のための制御技法を提供する。制御技法は、例えば、反応変動性、不発、燃料エネルギー含有量の変化、ガス温度または圧力の変化、LEM相の損失、駆動区分ばね定数の変化もしくはそれに対する変更、または任意の他の好適な障害、もしくはそれらの任意の組み合わせに起因する、障害を除外することが可能である。方程式6および7は、例えば、熱伝達、ガスブローバイ、または摩擦等からのエネルギー損失が線形発電機内に存在していないことを仮定して、導出された。しかしながら、エネルギー損失が、本明細書に開示される位置・力軌道制御技法に含まれ得ることを理解されたい。例えば、発電機のガス状区分内の熱伝達損失は、(位置または体積の関数としてモデル化され得る)ガス温度の関数としてモデル化されることができ、LEMの中の熱伝達損失は、電流および抵抗の関数としてモデル化されることができ、発電機のガス状区分内のガスブローバイ損失は、(位置もしくは体積の関数としてモデル化され得る)ガス圧力の関数としてモデル化されることができ、摩擦損失は、一定の力、材料性質、位置、および/または速度の関数としてモデル化されることができる。
【0094】
方程式6を解法することは、本実施例では、反応区分ガスおよびガススプリングガスの両方に関して、体積の変化にわたる圧力の積分を要求する。これらの積分は、熱力学的性質モデル、熱伝達モデル、ガスブローバイモデル、摩擦モデル、または任意の他の好適なモデル、もしくはそれらの任意の組み合わせに基づいて、数値的反復解(例えば、常微分方程式解法)を使用して、算出されることができる。これらの積分はまた、本システムにおける熱伝達、ガスブローバイ、摩擦、および他の損失からの影響を組み込み得る、熱力学的モデルに基づく閉形式解を使用して、算出されることもできる。閉形式解を使用し、位置・力軌道を計算することは、数値的反復解と比較して、算出時間を節約する。これは、制御システム310が、発電機の動作状態の障害をより良好に考慮し得る、より短い時間間隔で(すなわち、より速い振動数で)新しい位置・力軌道を計算することを可能にすることができる。例えば、反応区分およびガススプリング内のガスの圧縮ならびに拡張は、可逆的であるものとしてモデル化されることができる。ガスの圧縮および拡張のための可逆仕事は、
【数8-1】
が、状態1時のガスの圧力であり、
【数8-2】
が、状態1時のガスの体積であり、
【数8-3】
が、状態2時のガスの体積であり、
【数8-4】
が、比熱の比である、方程式8を使用して、計算されることができる。
【数8】
等エントロピであるものとして反応区分ガスおよびガススプリングガスの圧縮ならびに拡張をモデル化することは、
【数9-1】
が、反応区分ガスのための比熱の比であり、
【数9-2】
が、ガススプリングガスのための比熱の比である、方程式9に示されるように、位置・力軌道を計算するための閉形式解を生じさせることができる。
【数9】
方程式9に示されるように、比熱の異なる比は、(例えば、組成の差異を考慮するように)反応区分ガスおよびガススプリングガスのために使用されることができる。比熱の異なる比はまた、(例えば、反応区分ガスの組成の変化を考慮するように)圧縮ストロークおよび拡張ストロークのために、(例えば、ポートが露出されている間の発電機ブリージングの間の変化を考慮するように)ストローク内の具体的位置間隔のために、(例えば、ガス温度の変化を考慮するように)位置・力軌道の計算毎に、任意の他の好適な目的または理由のために、もしくはそれらの任意の組み合わせのために、使用されることができる。閉形式解はまた、
【数10-1】
が、反応区分ガスのためのポリトロープ指数であり、
【数10-2】
が、ガススプリングガスのためのポリトロープ指数である、方程式10に示されるように、ポリトローププロセスであるものとしてガス圧縮および拡張をモデル化することによって、導出されることもできる。
【数10】
ポリトローププロセスであるものとしてガスの圧縮および拡張をモデル化することは、位置・力軌道を計算するための閉形式解を維持しながら、熱伝達、ガスブローバイ、摩擦、他の損失、またはそれらの任意の組み合わせの影響が考慮されることを可能にする。反応区分ガスならびにガススプリングガスのためのポリトロープ指数は、モデル化された、または実験的に決定された発電機性能データもしくは情報に基づくことができる。異なるポリトロープ指数が、圧縮ストロークおよび拡張ストロークのために、ストローク内の具体的位置間隔のために、位置・力軌道の計算毎に、任意の他の好適な目的または理由のために、もしくはそれらの任意の組み合わせのために、使用されることができる。
【0095】
制御システム310が方程式9または10を解法するために、反応区分およびガススプリング内のガスの圧力は、ピストンアセンブリの各現在の位置において、測定もしくは推定されなければならない、または両方である。ピストンアセンブリの現在の位置におけるガスの圧力は、圧電式圧力トランスデューサ、歪みベースの圧力トランスデューサ、ガスイオン化センサ、任意の他の好適な圧力センサ、またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の好適なセンサ360を使用して、測定されることができる。ピストンアセンブリの現在の位置におけるガスの圧力はまた、推定されることもできる。一般に、(圧力の測定とは対照的に)圧力の推定に依拠することは、高価で、多くの場合、信頼性のない圧力センサの必要性を回避するため、コストを節約し、より高い信頼性の発電機動作につながり得る。例えば、ガスの圧縮および拡張は、
【数11-1】
が、ピストンアセンブリの現在の位置における推定されたガス圧力であり、
【数11-2】
が、ピストンアセンブリの以前に決定された位置における測定または推定されたガス圧力であり、
【数11-3】
が、ピストンアセンブリの同一の以前に決定された位置におけるガスの測定もしくは推定された体積である、それぞれ、方程式11または12を使用して、等エントロピもしくはポリトロープであるものとしてモデル化されることができる。方程式11および12は、反応区分と、駆動区分とを含む、発電機の任意の区分内の現在のガス圧力を推定することに適用可能である。
【数11】
別の実施例では、ガススプリング駆動区分を伴う単一ピストン自由ピストン発電機に関して、力平衡モデルが、ガススプリングの測定または推定された現在のガス圧力、以前に適用/計算されたモータ力値、ピストンアセンブリの質量、およびピストンアセンブリの現在の測定もしくは推定された加速度に基づいて、反応区分の現在のガス圧力を推定するように、トランスレータに適用されることができる。本力平衡モデルは、
【数13-1】
が、ピストンアセンブリの現在の位置における反応区分の中の推定されたガス圧力であり、
【数13-2】
が、ピストンアセンブリの現在の加速度であり、
【数13-3】
が、以前に適用/計算されたモータ力であり、
【数13-4】
が、ガススプリング内の測定または推定された現在のガス圧力である、方程式13に示される。
【数13】
力平衡モデルはまた、次いで、例えば、方程式11または12を通して、反応区分の現在のガス圧力を計算するために使用され得る、以前に測定もしくは推定された他の値に基づいて、反応区分の以前のガス圧力を推定するために使用されてもよい。本力平衡モデルは、
【数14-1】
が、ピストンアセンブリの以前の位置における反応区分の推定されたガス圧力であり、
【数14-2】
が、ピストンアセンブリの以前に決定された加速度であり、
【数14-3】
が、ガススプリングの以前に決定されたガス圧力である、方程式14である。
【数14】
(方程式13および14を導出するために使用されるものに類似する)力平衡モデルがまた、例えば、駆動区分等の発電機の他の区分内の現在または以前のガス圧力を推定するためにも使用され得ることを理解されたい。
【0096】
いくつかの実施形態では、制御システム310は、自由ピストンアセンブリの固定された以前の位置から現在の位置までの発電機サイクルのストロークにわたってエネルギー平衡を積分することによって、自由ピストン発電機の区分内の現在のガス圧力を推定してもよく、固定された以前の位置は、例えば、頂点位置、ポート開放または閉鎖位置、反応事象、任意の他の好適な位置、もしくはそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、ガススプリング駆動区分を伴う単一ピストン自由ピストン発電機に関して、現在のガス圧力は、
【数15-1】
が、固定された以前の位置から現在の位置までのLEMから/への仕事であり、
【数15-2】
が、固定された以前の位置から現在の位置までの反応区分ガスから/への仕事であり、
【数15-3】
が、固定された以前の位置から現在の位置までのガススプリング区分ガスから/への仕事である、固定された以前の位置から現在の位置までの自由ピストンアセンブリのエネルギー平衡をモデル化する、方程式15を使用することによって、推定されることができる。
【数15】
反応区分およびガススプリング区分内のガスの圧縮ならびに拡張は、個別の区分から/への仕事の閉形式解を生じさせるように、可逆的および/またはポリトロープであるものとしてモデル化されることができる。ポリトロープであるものとして反応区分およびガススプリング区分内のガスの圧縮ならびに拡張をモデル化して、本実施例に関して、固定された以前の位置および現在の位置から、反応区分から/へ、ならびにガススプリング区分から/への仕事は、
【数16-1】
が、固定された以前の位置における測定または推定された反応区分ガス圧力であり、
【数16-2】
が、固定された以前の位置における反応区分容積であり、
【数16-3】
が、固定された以前の位置における測定および推定されたガススプリング区分ガス圧力であり、
【数16-4】
が、固定された以前の位置におけるガススプリング区分容積である、それぞれ、方程式16ならびに17を使用して、計算されることができる。
【数16】
LEMから/への仕事は、
【数18-1】
が、直前の計算ステップにおけるピストンアセンブリの位置であり、
【数18-2】
が、直前の計算ステップにおいて決定される(次いで、直前の計算ステップにおけるその位置から、その現在の位置まで、ピストンアセンブリに印加される)LEM力であり、
【数18-3】
が、直前の計算ステップにおける、固定された以前の位置からピストンアセンブリの位置までのLEMから/への仕事の量である、各計算ステップを用いてLEMから/への仕事の量を更新する、方程式18を使用して、計算されることができる。
【数18】
現在の位置におけるピストンアセンブリの運動エネルギーは、方程式3を使用して計算されることができる。方程式16-18および3は、閉形式解を使用して、反応区分またはガススプリング区分内の現在のガス圧力を推定するように、方程式15に代入されることができる。例えば、方程式19は、反応区分ガスの現在の圧力を推定するための閉形式解を示す。
【数19】
方程式6、7、9、および10、または類似方程式を導出するために(例えば、発電機内の損失を含むために)使用される任意の他の好適な第1法則ベースの分析もまた、方程式11-14ならびに19を導出するために使用されるものに類似する技法を使用して(すなわち、現在および以前に決定された圧力、力、体積、位置、速度、ならびに加速度の使用を通して)、自由ピストン発電機の区分内の現在もしくは前のガス圧力を推定するために、別個に、または組み合わせにおいて、使用されてもよい。加えて、方程式11-14および19は、相互と、ならびに/もしくは他の好適な推定モデルとの組み合わせにおいて使用され、方程式11-14および19を導出するために使用されるものに類似する技法を使用して(すなわち、現在ならびに以前に決定された圧力、力、容積、位置、速度、および加速度の使用を通して)、自由ピストン発電機内の区分内の現在または以前のガス圧力を推定してもよい。
【0097】
以前に計算された値(例えば、力、加速度、圧力、速度、位置)を使用して現在の値(例えば、現在のガス圧力)を推定することは、着目値への好適な係数を用いた無限インパルス応答(IIR)フィルタまたは有限インパルス応答(FIR)フィルタ等の平滑化フィルタ、もしくはルーエンバーガー観測器またはカルマンフィルタ等の動的推定器の使用を要求し得る。ピストンアセンブリの現在または以前の位置におけるガスの圧力は、熱力学的関係モデル(例えば、方程式11もしくは12)、力平衡モデル(例えば、方程式13または14)、もしくは第1法則分析(例えば、方程式6、7、9、10、または19)、もしくはそれらの組み合わせを使用して、推定されることができる。例えば、ピストンアセンブリの現在または以前の位置におけるガスの圧力は、2つのモデルを使用して推定されることができ、モデルのうちの一方は、一次推定値として使用され、他方のモデルは、カルマンフィルタ、ルーエンバーガー観測器、もしくはモデル予測推定等の推定技法を使用して、一次推定値を改良するために使用される。別の実施例では、ピストンアセンブリの現在または以前の位置におけるガスの圧力は、任意の2つのモデルからの推定値間の誤差の最小化に基づいて、推定されることができる。本最小化は、2つのモデルを加重し、例えば、いくつかの位置測定を前提とした加速度推定値、以前の圧力測定値または推定値からの逸脱、先行するサイクルもしくはストロークからの圧力測定値または推定値からの逸脱、算出時間、雑音もしくは障害統計に関する情報、任意の他の好適なコスト、またはそれらの任意の組み合わせ等の他のコストを含むことができる。いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリの現在または以前の位置におけるガス圧力の推定は、不十分、雑音が多い、もしくは遅い測定を提供し得る、任意のそうでなければ不適切なセンサからの圧力の測定によって、改良されることができる。
【0098】
ピストンアセンブリの絶対速度が低く、その絶対加速度が高いとき、LEMの効率は、低くあり得、ピストンアセンブリの変位に影響を及ぼすためのLEMの能力は、限定され得る。その効率が低く、制御権限が限定されるときに、LEMが力をピストンアセンブリに印加することを回避するために、いくつかの実施形態では、制御システム310は、自由ピストン発電機の規定動作パラメータに基づいて、ピストンアセンブリに印加される力の規模を低減または排除し得る。規定動作パラメータは、ピストンアセンブリの位置、速度、または加速度、LEMのステータもしくはトランスレータの温度、発電機の区分内のガス圧力、任意の他の好適なパラメータ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、制御システム310は、位置・速度軌道1070および位置・力軌道1080を示す、パネル1060に示されるように、ピストンアセンブリの位置に基づいて、力をピストンアセンブリに印加するためのLEMの能力を遮断し得る。本実施例では、制御システム310は、本開示に従って位置・力軌道を計算するが、ピストンアセンブリの位置がカットオフ位置の外側にあるとき、制御システム310は、位置・力軌道計算ステップにおいて計算される力値を適用しないことを決定する。いくつかの実施形態では、制御システム310は、自由ピストン発電機の規定動作条件に基づいて、位置・力軌道計算ステップにおいて計算される力値と異なる量の力をピストンアセンブリに印加することを決定してもよい。例えば、制御システム310は、発電機の動作状態の急激な変化を回避するために、(例えば、カットオフ位置の外側の)ピストンアセンブリの位置に基づいて、位置・力軌道計算ステップにおいて計算される力値に、力低減関数を適用してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、自由ピストン発電機の規定動作条件に基づいて、(i)位置・力軌道を計算しないこと、および(ii)力をピストンアセンブリに印加しないことの両方を決定してもよい。
【0099】
位置・力軌道を計算し、ガス圧力を推定するための種々のモデル(すなわち、方程式1-19)は、単一ピストン自由ピストン発電機を対象としているが、同一のモデルが、拡張され、限定ではないが、(例えば、図1-2に図示されるような)個別の駆動区分、個別のLEM、および共有反応区分を伴う対向ピストン自由ピストン発電機等の複数のピストンアセンブリを伴う自由ピストン発電機に適用され得ることを理解されたい。例えば、方程式1を導出するために使用される同一の第1法則分析は、個別の駆動区分、個別のLEM、および共有反応区分を伴う対向ピストン自由ピストン発電機の各ピストンアセンブリに適用されることができる。これは、
【数20-1】
および
【数20-2】
が、2つのLEMから/への仕事であり、
【数20-3】
が、反応区分ガスから/への仕事であり、
【数20-4】
ならびに
【数20-5】
が、2つのピストンアセンブリの運動エネルギーであり、
【数20-6】
および
【数20-7】
が、2つの駆動区分から/への仕事である、エネルギー平衡方程式20aならびに20bを生じさせる。方程式20aおよび20bは、方程式6、7、9、ならびに10を導出するために使用されるものと同一または類似のモデルを使用して、個別のピストンアセンブリ毎に位置・力軌道を計算するために、制御システム310によって使用されることができる。
【数20】
方程式1が複数のピストンアセンブリを伴う自由ピストン発電機に拡張された(例えば、方程式20aおよび20b)、類似する様式で、方程式13ならびに14を導出するために使用される同一の力平衡モデルならびに方程式15を導出するために使用される同一の第1法則分析が、発電機の区分内のガス圧力を推定するための複数のピストンアセンブリを伴う自由ピストン発電機に拡張され得ることが、容易に明白となるであろう。
【0100】
対向ピストンアセンブリを伴う自由ピストン発電機の制御において生じる考慮事項は、ピストンアセンブリの同期化である。いくつかの対向ピストン自由ピストン発電機では、2つのピストンアセンブリの(TDCおよびBDCの両方における)頂点が、システム安定性を維持するために少なくとも実質的に同期化されることが所望され得る。他の対向ピストン自由ピストン発電機では、あるレベルの非同期化が、例えば、発電機ブリージング、ガス交換、または任意の他の好適な発電機動作条件等の発電機性能目的のために所望され得る。対向ピストン自由ピストン発電機のいくつかの実施形態では、制御システム310は、個別のピストンアセンブリの位置間の差異を調整してもよい。本明細書で使用されるように、用語「調整する」は、例えば、ゼロ等の基準に制御することを指す。制御システム310は、比例・積分・微分(PID)制御、最適な制御、ロバストな制御、線形象限レギュレータ制御、モデル予測制御、適応制御、任意の他の好適な技法、またはそれらの任意の組み合わせ等の調整のための任意の好適な制御技法を採用してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、PID制御を使用し、ピストンアセンブリの位置を調整および同期化してもよい。例えば、制御システム310は、PID制御を使用し、制御入力(例えば、個別のLEMによってピストンアセンブリに適用される力値)を決定し、それらの動心に対するピストンアセンブリ間の位置の差異を調整してもよい。対向力が、それぞれを実質的に等しく同期化し、頂点位置での障害を最小限化するように、各ピストンアセンブリに追加されてもよい。これは、実質的に正味力の平衡を保ち、したがって、十分な同期化を維持するように、持続的に行われてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、ピストンアセンブリのゼロ速度位置において(すなわち、個別の頂点において)規定ポアンカレ写像を使用してもよい。例えば、制御システム310は、ストロークを2つの半分に分割し、ストロークの第1の半分の間に1つの方向へ付加的モータ力を印加し、次いで、ストロークの第2の半分の間に反対方向へ付加的モータ力を印加することができる。制御システム310は、拡張ストロークに先立って、(例えば、2つのピストンアセンブリの任意の好適な期待位相化を使用して、以前のストロークのタイミングに基づいて、任意の他の好適な技法に基づいて、またはそれらの任意の組み合わせで)第1のピストンアセンブリがBDCに遅れるであろうことを決定し、運動の方向への拡張ストロークの第1の半分の間に付加的モータ力を本第1のピストンアセンブリに印加し(すなわち、変位を促し)、次いで、運動の反対方向への拡張ストロークの第2の半分の間に付加的モータ力を本第1のピストンアセンブリに印加する(すなわち、変位を妨げる)ことができる。逆に、第2のピストンアセンブリに関して、制御システム310は、拡張ストロークの第1の半分の間に運動の反対方向へ付加的モータ力を本第2のピストンアセンブリに印加し(すなわち、変位を妨げ)、次いで、拡張ストロークの第2の半分の間に運動の方向へ付加的モータ力を本第2のピストンアセンブリに印加する(すなわち、変位を促す)ことができる。いくつかの実施形態では、制御システム310は、所望の発電機性能の所望のタイミングに基づいて、同期化力を決定してもよい。例えば、制御システム310は、個別のピストンアセンブリの頂点が、十分に小さい時間差内で起こるように、一方または両方のピストンアセンブリに印加される同期化力を決定してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、制御システム310は、反復適応制御技法を使用してもよい。反復適応制御は、自由ピストン発電機の動作状態、条件、性能、および/またはパラメータが比較的に定常であり、サイクル間変動が限定されるときに、有利であり得る。いくつかの実施形態では、制御システム310は、以前の発電機サイクルからの位置・力軌道に基づいて、現在の発電機サイクルのための各反復において位置・力軌道を決定する、反復適応制御技法を使用してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム310は、(例えば、より平滑またはより持続的な力プロファイルを施行するように)既知の望ましい伝播経路に向かって力値を駆動する、反復適応制御技法を使用してもよい。例えば、制御システム310は、最初に、以前のサイクルからの情報(例えば、力値、発電機性能等)に基づいて、発電機サイクルにわたる一連の離散力値として位置・力軌道を概算してもよい。制御システム310は、次いで、発電機サイクルの各ストロークにわたって離散力値をピストンアセンブリに適用させてもよく、各サイクルの終わりに、制御システム310は、発電機動作特性、測定値、性能、および/または条件に基づいて、離散力値を調節してもよい。制御システム310は、例えば、ピストンアセンブリが、所与のストロークのための所望の標的位置を十分に達成しない場合、後続のサイクルに先立って、離散力値の全てまたはいくつかを改変してもよい。例えば、ピストンが、以前のサイクルで所望の標的TDCの手前で頂点に達する場合、制御システム310は、後続のサイクルで、離散力値のうちのいくつかまたは全ての規模を低減させ得る。共有(または共通)反応区分を伴う対向ピストン自由ピストン発電機を用いた実施形態では、制御システム310は、後続のサイクルの間に、依存して、もしくは独立して、ピストンアセンブリのうちの一方または両方のためのストロークの1つまたはそれより多くの部分の中の離散力値を改変し得る。例えば、現在の発電機サイクルで、吸気ピストンアセンブリがTDCにおいてその頂点に到達した後に、排気ピストンアセンブリがTDCにおいてその頂点に到達する場合、制御システム310は、後続のサイクルで、TDCにおいて十分な同期化を達成するために、排気ピストンアセンブリに適用される離散力値を調節することができ、吸気ピストンアセンブリに適用される離散力値を調節することができない。これは、例えば、制御システム310が、ストロークの第1の半分にわたって排気ピストンアセンブリに適用される離散力値の規模を低減させ、それによって、ピストンの中間点速度が増加することを可能にし、次いで、ストロークの第2の半分にわたって排気ピストンアセンブリに適用される離散力値の規模を増加させ、それによって、TDCにおいて十分な同期化を達成することによって、達成されることができる。いくつかの実施形態では、制御システム310は、以前に決定された軌道(位置・力、位置・速度、時間・位置、または任意の好適な軌道)からの逸脱を計算することに基づく、反復適応制御技法を使用してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、制御システム310は、複数の制御技法間で切り替えることが可能であるハイブリッド制御技法を使用してもよい。ハイブリッド制御技法は、多種多様な動作条件を横断して自由ピストン発電機を制御し、発電機動作の十分に速く、大きい障害(例えば、反応不発、機械的故障、ガス品質変化、または任意の他の好適な変化)が起こり得るときに、自由ピストン発電機を制御し、定常もしくは安定動作条件下で(例えば、定常かつ持続的な電力出力時に)自由ピストン発電機を制御するために、有利であり得る。例えば、制御システム310は、発電機の始動の間に位置・力軌道制御技法を採用し、次いで、発電機動作が十分に安定または定常な状態になるときに、反復適応制御技法に切り替わることができる。制御システム310は、次いで、十分に大きい障害が検出される場合、または新しい発電機動作条件(例えば、より多いまたはより少ない電力出力、発電機動作停止)が所望される場合に、位置・力軌道制御技法に戻るように切り替わることができる。
【0103】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、振動数に及ぼす力プロファイルの影響を図示する、トランスレータに関する例証的なLEM力対位置の2つのプロット1100および1150を示す。力「F」は、LEM(例えば、そのステータの位相)によってトランスレータに印加される力である。位置「x」は、LEMのトランスレータの位置である(例えば、「x=0」は、中心に両方のピストンを伴う、電力シリンダである)。正の力が、中心から軸方向に外向きに指向され、トランスレータを中心から離れるように押動する。負の力が、中心に向かって軸方向に内向きに指向され、電力・シリンダの中心に向かってトランスレータを押動する。パネル1100および1150は、ベースライン位置・力プロファイル(例えば、ストロークまたはサイクルにわたる位置・力軌道)を実線トレースとして示し、拡張ストロークにわたる同期力プロファイル(例えば、ストロークもしくはサイクルにわたる位置・力軌道)を破線ドットトレースとして示す。
【0104】
パネル1100を参照すると、同期位置・力プロファイルは、特定のコアの対応するトランスレータのより速い振動数を提供するであろうものである。パネル1100が、例証的であり、本開示に従って、異なる振動数を伴う同一の頂点を維持するためにも使用され得る、他の同期プロファイルが存在することを理解されたい。例えば、図8-10のプロファイルは、コアの位相オフセットを同期化または別様に管理するために修正されてもよい。例えば、図8-10のプロファイルは、拡張(および圧縮)ストロークの一部にわたってゼロ力を呈し、ストロークに沿って(例えば、ストロークを通して途中で)コントローラのみに「係合」し、好適な力を印加し、所望の頂点位置(例えば、TDCまたはBDC)を達成することを可能にするように修正されてもよい。したがって、振動数を増加させることは、FLEM、Fsyncを修正する、または別様に、トランスレータに印加された力を(例えば、方程式1-20に適用されるような)振動数の変化を生じさせるように修正することによって達成可能であり得る。
【0105】
パネル1150を参照すると、サイクル振動数を低減させること(例えば、コアのトランスレータの速度を低下させること)は、制御システムが、ストロークの一部(例えば、ストロークの第1の半分)にわたって標準的な頂点アルゴリズムより高い力(例えば、Fsyncは、Fと同一の符号を有し、方程式6aおよび6bのFに対して付加的である)を印加し、次いで、再び、標準アルゴリズムを「係合」させ、これに力を補正させ、所望の頂点(例えば、または、ストロークの残部)を達成することを伴い得る。いくつかの実施形態では、制御システムは、ある乗数がストロークの一部(例えば、ストロークの第1の半分)にわたって力Fに適用される、持続的制御スキームを適用してもよい。例えば、コアが、同期化されていない、またはそうでなければ位相オフセットに対するいかなる調節も、必要とされない場合、制御システムは、いかなる乗数(例えば、1の乗数)も適用しないであろう。例証のために、制御システムは、1未満の乗数を適用し、振動数の増加を達成し、1を上回る乗数を適用し、振動数の減少を達成してもよい。いくつかの実施形態では、制御システムは、トランスレータに印加される力(例えば、FLEM)を調節するために乗数を使用する、フィードバック制御技法を実装してもよく、例証的な権限は、ゼロ~無限、ゼロ~1を上回る整数、ゼロ~1を上回る数、そのうちの一方が1を下回り、一方が1を上回る、2つの整数間、または任意の他の好適な範囲の乗数に限定する(例えば、力は、LEMの能力に基づく別の値によって飽和され得る)。
方程式21a-21dは、制御システムが適用し得る、力決定のいくつかの実施例を図示する。
【数21】
方程式21aを参照すると、制御システムは、方程式6bを適用し得るが、トランスレータ仕事(F)および同期化力(Fsync)に基づいて決定される力を加重する、係数を伴う。係数「a」および「b」は、参照情報に基づいて、本システムの状態(例えば、同期化または非同期化)に基づいてある値(例えば、「a」は、1に固定され得る)、もしくは選択された値の離散セットに限定される、モデルまたは方程式に基づいて(例えば、動作パラメータ、基準値、ならびに/もしくは測定された値に基づいて)決定される、任意の他の好適な基準に基づいて決定される、またはそれらの任意の組み合わせである、任意の好適な範囲に限定され得る。方程式21bを参照すると、制御システムは、決定された所望のモータ力(例えば、トランスレータの仕事に基づいて決定される力である、F1)に加重する、乗数を適用してもよい。例えば、「a」は、コアのトランスレータの振動数が増加または減少されることになるかどうかに応じて、1未満から1を上回るものまでの範囲に及び得る。方程式21cを参照すると、制御システムは、(例えば、本システムが同期化している、または非同期化しているかどうかに応じて)1つより多くの力決定技法の中から選択してもよい。例えば、制御システムは、方程式のセット、モデルのセット、パラメータ値のセット、参照情報のセット(例えば、基準値)の中から選択する、またはそうでなければ、選択に基づく異なる力決定を適用してもよい。方程式21dを参照すると、制御システムは、任意の好適な基準に基づいて同期化するか、または非同期化するときに力決定を修正してもよい。
【0106】
制御のいくつかの他の方法が、将来の実装に関して想起されている。例えば、両方のコアのBDC修正が、フォロワコアの権限要件を減少させるために、リーダ・フォロワではなく、調整命令に基づいて遂行されてもよい。いくつかの実施形態では、コアは、対称的に、または異なる振動数帯域において修正され得る。いくつかの実施形態では、同期化命令を発生させるためのアルゴリズムが、一元化される、両方のコアにBDC修正をコマンドすることが可能である、または、各コアが、安定性を達成するために、共通アルゴリズムに依拠し、それ自体でBDCを計算するように、分散され得る。いくつかの実施形態では、本アルゴリズムは、シリンダブリージングおよび吸気・排気非対称平衡化等の複数の基準を満たすために、BDC位置を決定するためのより大規模なアルゴリズムの成分として実装され得る。
【0107】
別の実施例では、一方または両方のコアの電力が、振動数を補正し、BDCオフセットをゆっくりとゼロにするように修正されてもよい。本アプローチは、コア振動数を一致させるが、拡張対圧縮の電力生成からの非対称性の不利益を被らない。電力およびBDCを制御することの本調整は、一群のコントローラであり得る。概して、電力は、位相ではなく振動数を制御することができる一方、BDCは、位相を制御することを可能にする、即時の効果を有する。電力範囲を縮小するために、いくつかの選択肢が、存在する。例えば、いくつかの非限定的な実施例は、コアを相互に非常に類似させ、それぞれの上における電力を一致させることと、それらの固有振動数をチェックした後、コアを一致させること(例えば、製造施設が、20個のコアを作製する場合、最も類似するものを対にすること)と、コアの振動数を根本的に調節するために、他のアクチュエータを導入すること(例えば、標準的なk×dxばねモデル内のkを調節することによって、空気ばねの有効剛度を変更するために、ブーストボックスへの入口に弁を提供すること)とを含む。いくつかの実施形態では、空気ばねの有効剛度を変更する(例えば、標準的なk x dxばねモデル内のdxまたはdVを調節する)ためにブーストボックスの容積を修正するための機構が、提供されてもよい。
【0108】
BDCおよび電力を維持しながら、力プロファイルを調節する。例えば、図5は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのコアのトランスレータの位置・力軌道を図示する。個別のステータによって印加される、各コアのトランスレータ上の力は、コアの個別のBDC位置、電力出力、または両方を維持するように修正される。
【0109】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、コア間の位相差を制御するためのプロセス1200を図示する。
【0110】
ステップ1202において、本システムは、2つまたはそれより多くのコアを同期化するかどうかを決定する。本決定は、制御システムによって、例えば、測定値に基づいて自動的に行われ得る、またはこれは、手動で、すなわち、外部信号もしくはユーザ入力によって設定されてもよい。ステップ1201において、本システムは、線形発電機と関連付けられる1つまたはそれより多くの測定値を受信もしくは別様に決定する。
【0111】
ステップ1203において、本システムは、第1のコアと第2のコアとの間の位相オフセットを決定する。いくつかの実施形態では、本システムは、複数の位相オフセット(例えば、Nコアシステムでは、基準コアとN-1個の他のコアとの間のN-1個の値(Nは、1を上回る正の整数である))を決定する。
【0112】
ステップ1204において、本システムは、ステップ1203の決定された位相オフセットとステップ1205の所望の位相オフセットの比較に基づいて、線形発電機の動作を修正し、ここで、本システムは、第1のコアおよび第2のコアとの間の所望の位相オフセットを受信または別様に決定する。いくつかの実施形態では、本システムは、複数の所望の位相オフセット(例えば、Nコアシステムでは、基準コアとN-1個の他のコアとの間のN-1個の値(Nは、1を上回る正の整数である))を決定する。本システムは、ステップ1206-1212によって図示されるように、線形発電機またはそのコアの任意の好適な動作側面を調節してもよい。
【0113】
ステップ1206において、本システムは、ステータによって、対応するトランスレータ上に印加された電磁力を修正する。いくつかの実施形態では、各コアは、2つのステータと、2つのトランスレータとを含み(例えば、2つのLEMを有し)、それに応じて、本システムは、個別のステータが印加するための2つの力値を決定する。
【0114】
ステップ1208において、本システムは、吸気システム、排気システム、またはそれらの組み合わせの動作の側面を修正する。例えば、吸気システムは、燃料システム、吸気空気システム(例えば、ブースト吹送機を含む)、中間冷却器、電力シリンダに空気および燃料を提供する任意の他の好適な側面、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。さらなる実施例では、排気システムは、排ガスの流量または性質を制御するための、消音器、調整パイプ、背圧弁、輸送管、任意の他の好適な構成要素、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0115】
ステップ1210において、本システムは、駆動システムの動作の側面を修正する。いくつかの実施形態では、各コアは、2つの駆動区分(例えば、2つのガススプリング)を含み、それに応じて、本システムは、コアの各駆動区分の動作を制御する。
【0116】
ステップ1212において、本システムは、補助システムの動作の側面を修正する。
【0117】
例証的実施例では、本システムは、ステップ1203において位相オフセットを決定し、ステップ1205において所望の位相オフセットを決定する。位相オフセットは、2つまたはそれより多くのコア間の、位置の差異、位置が達成される時間、位置・時間軌道の差異、速度・時間軌道の差異、力・時間軌道の差異、時間の関数としての電力出力の差異、時間の関数としての圧力もしくは流動特徴の差異、任意の他の動作パラメータの差異、またはそれらの組み合わせであり得る。本システムは、決定された位相オフセットおよび所望の位相オフセットに基づいて、線形発電機の動作を修正する。動作を修正することは、ステータによってトランスレータに印加される電磁力を(例えば、電力エレクトロニクスシステムを使用して電流を制御することによって)調節することを含んでもよい。本システムは、いずれかまたは両方のコアの頂点位置、頂点位置と関連付けられる時間、位置・時間軌道、振動数、電力出力、任意の他の動作パラメータ、およびそれらの任意の組み合わせを修正してもよい。
【0118】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、線形発電機システムを管理し、動作させるためのプロセス1300を図示する。プロセス1300は、制御システム(例えば、図1、2、3、7、および12に示されるような、制御システムならびにそれらの構成要素のうちのいずれかまたは全て)が、本開示のいくつかの実施形態に従って、線形発電機内の伝搬経路に沿った1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの変位を制御するための例証的ステップを含む。
【0119】
ステップ1304において、非同期動作モード1306または同期動作モード1308のうちの一方が、制御システムによって、例えば、測定値に基づいて自動的に選択されるか、もしくはこれは、手動で、すなわち、外部信号またはユーザ入力によって設定され得るかのいずれかである。ステップ1304において、非同期モード1306が、選択される場合、ステップ1310における動作モードを変更するかどうかの決定が、(例えば、決定されたLEM力、補助システムステータス、手動入力、または位相オフセットのうちの少なくとも1つに基づいて)行われる。ステップ1310において、動作モードを変更することが、決定された(例えば、ステップ1310において「はい」である)場合、制御システムは、動作モードを同期動作モード1308に変更する。ステップ1310において、動作モードの変更が、必要とされていないことが、決定された(例えば、ステップ1310において「いいえ」である)場合、制御システムは、種々のパラメータ(例えば、LEM力、補助システムステータス、および/または位相オフセット)を監視し続け、動作モードの将来の変更がステップ1310において保証されるかどうかを決定する。
【0120】
ステップ1304において、同期モード1308が、選択された場合、ステップ1312において、動作モードを変更するかどうかの決定が、(例えば、決定された位相オフセット、所望の位相オフセット、および/または線形発電機の動作を修正するための命令のうちの少なくとも1つに基づいて)行われる。ステップ1312において、動作モードを変更することが、決定された(例えば、ステップ1312において「はい」である)場合、制御システムは、動作モードを非同期動作モード1306に変更する。ステップ1312において、動作モードの変更が、必要とされていないことが、決定された(例えば、ステップ1312において「いいえ」である)場合、制御システムは、種々のパラメータ(例えば、決定された位相オフセット、所望の位相オフセット、および/または線形発電機の動作を修正するための命令が受信されているかどうか)を監視し続け、動作モードの将来の変更がステップ1312において保証されるかどうかを決定する。
【0121】
いくつかの実施形態では、ステップ1304、1310、および/または1312は、制御システムが停止するためのコマンドを送信するまで、繰り返される。停止するためのコマンドは、例えば、制御システムが、異なる制御技法に切り替えること、発電機をオフにすること、機械的または電気的安全スイッチが、任意の他の好適な理由のために切れたことを決定していること、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の好適な理由のために、送信されてもよい。ステップ1304、1310、および/または1312は、特定のトリガのアクティブ化に基づいて繰り返す、もしくは発電機ストロークまたはサイクルの全体を通して繰り返すことができる。例えば、ステップ1304、1310、および/または1312は、特定の閾値交差、任意の他の好適なトリガ、もしくはそれらの任意の組み合わせにおける特定の事象に応答して、繰り返すことができる。別の実施例では、ステップ1304、1310、および/または1312は、特定の時間間隔(例えば、1kHz、10kHz等)において、もしくは特定の離散位置間隔(例えば、1ミリメートル毎、1ミクロン毎等)において繰り返すことができる。
【0122】
非同期モード1306および/または同期モード1308に対応する属性を決定するための好適なセンサが、位置を決定するための、磁気エンコーダ、光学エンコーダ、光学格子エンコーダ、レーザベースのエンコーダ、圧力センサ、任意の他の好適なセンサ、もしくはそれらの任意の組み合わせの使用を通して、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの位置もしくは他の属性を監視し得る。現在の位置は、BDCとTDCとを含め、それらの間の任意の位置であることができる。線形自由ピストン発電機の場合では、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの現在の位置は、ピストンアセンブリあたり単一の伝搬軸に沿った、単一の次元として表され得るが、本開示の教示が、ピストンアセンブリが、現在の位置が多次元的に表され得る、1つより多くの次元において移動することが可能である、自由ピストン発電機に適用され得ることを理解されたい。
【0123】
ステップ1304において同期モード1308を選択した後、制御システムは、1つまたはそれより多くのコマンドを自由ピストン発電機ならびに/もしくはその補助部に送信し、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの変位に影響を及ぼしてもよい。変位は、例えば、LEMを介して1つまたはそれより多くのピストンアセンブリ上に電磁力を付与することによって、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリに力を印加することによって影響を及ぼされ得る。以下の議論は、LEMを通して力を印加することを対象とするが、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリへの力の印加が、例えば、駆動区分の性質を調節すること(例えば、駆動区分のばね剛度もしくはばね定数を調節すること)等による、他の技法を通しても印加され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、モータ力の印加は、2014年1月7日に発行された、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,624,542号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)において説明されるような技法を使用して、実装されることができる。
【0124】
1つまたはそれより多くのピストンアセンブリ上にもたらされる力値は、ステップ1302における位相情報の決定に寄与し得る、位置・力軌道に基づく。ピストンアセンブリ上に力が「もたらされる」の言及が、制御システムが、ピストンアセンブリ上に力を付与し、制御システムによって示されるような力(正の力、負の力、またはゼロの力を含む)を付与する機構を生じさせることを指すことを理解されたい。いくつかの実施形態では、制御システムは、少なくとも部分的に、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの所望の発電機性能(例えば、所望の頂点位置)および現在の位置に基づいて、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリに関する位置・力軌道を計算してもよい。制御システムによる位置・力軌道の計算は、以前に決定された軌道(位置・力、時間・位置、または任意の他の好適な軌道)に関係なく、算出され得る。例えば、ストロークの開始時に計算された軌道(すなわち、以前に計算された軌道)を使用し、次いで、伝播の経過の間の本以前に計算された軌道からの逸脱を補償する代わりに、ステップ1304、1310、および/または1312が繰り返される度に、完全に新しい軌道が計算される。本タイプの解決策は、自由ピストン発電機の動作状態の変化およびそれに対する変更が、各新しい位置・力軌道計算を用いて考慮されることを可能にする。制御システムは、発電機の現在または過去の動作状態にも基づいて、位置・力軌道を計算してもよい。例えば、制御システムは、1つまたはそれより多くのピストンアセンブリの任意の好適な性質(例えば、速度、加速度、寸法、機械的性質)、反応区分ガスの任意の好適な性質(例えば、圧力、温度、密度、比熱、寸法)、駆動区分の任意の好適な性質(例えば、ガススプリングの場合には、ガス性質、機械ばねの場合には、機械的性質、寸法)、LEMの任意の好適な性質(例えば、モータ力定数、モータ力限界、モータ電流限界、モータ抵抗)、発電機性能の任意の好適な性質(例えば、効率、電力出力、空気流、燃料流、排気流、燃料組成、排気組成、温度、圧力)、発電機の動作特性、性能、パラメータ、および環境の任意の他の好適な計算、測定、もしくは推定値またはインジケータ、もしくはそれらの任意の組み合わせに基づいて、位置・力軌道を計算してもよい。
【0125】
参照を容易にするために、付随の図は、同じ参照番号を用いて標識される複数の構成要素を示し得る。これは、必ずしも、同じように標識される複数の構成要素が、相互に同じであることを示すわけではないことを理解されたい。例えば、114および124と標識されるピストンは、異なるサイズ、幾何学形状、材料、任意の他の好適な特性、またはそれらの任意の組み合わせを有し得る。
【0126】
本開示が、本明細書に説明される実施形態に限定されておらず、任意の好適なシステムとの関連において実装され得ることを理解されたい。いくつかの好適な実施形態では、本開示は、往復運動機関およびコンプレッサに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、自由ピストン発電機およびコンプレッサに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復運動機関および自由ピストン発電機等の燃焼ならびに反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復運動コンプレッサおよび自由ピストンコンプレッサ等の非燃焼ならびに非反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、駆動区分(例えば、ガススプリング)を伴う、線形往復運動デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、オイルフリー往復運動および自由ピストン発電機ならびにコンプレッサに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部反応または外部反応を伴う、オイルフリー自由ピストン発電機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、圧縮着火(例えば、予混合圧縮着火(HCCI)、成層電荷圧縮着火(SCCI)、または他の圧縮着火)、火花着火、もしくは両方を用いて動作する、オイルフリー自由ピストン発電機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、気体状燃料、液体燃料、または両方を用いて動作する、オイルフリー自由ピストン発電機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、線形自由ピストン発電機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部燃焼または反応に伴って動作する機関もしくは(例えば、燃焼等の熱源または外部反応からの)外部加熱を伴う任意のタイプの熱機関に適用可能である。
【0127】
前述は、本開示の原理の例証にすぎず、種々の修正が、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって行われてもよい。上記に説明される実施形態は、限定ではなく、例証の目的のために提示される。本開示はまた、本明細書に明示的に説明されるもの以外の多くの形態をとることができる。故に、本開示は、明示的に開示される方法、システム、および装置に限定されず、以下の請求項の精神内である、それらへの変形例ならびにそれらの修正を含むことを意図していることが強調される。本明細書に説明されるステップまたは構成要素の順序は、ステップのシーケンスの種々の代替的組み合わせもしくは順列が、想定されるため、例証の目的のためにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図していない。
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【国際調査報告】