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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】ブラシホルダアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 39/42 20060101AFI20231110BHJP
   H02K 13/00 20060101ALI20231110BHJP
   H01R 39/38 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H01R39/42
H02K13/00 T
H01R39/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527062
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 US2021057701
(87)【国際公開番号】W WO2022098643
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/109,455
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515041468
【氏名又は名称】カッツフォース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUTSFORTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カッツフォース、ロバート エス.
【テーマコード(参考)】
5H613
【Fターム(参考)】
5H613AA02
5H613BB05
5H613BB15
5H613BB26
5H613BB33
5H613GA12
(57)【要約】
導電性カーボンブラシを電気装置の導電性表面と接触した状態に配置するための例示的なブラシホルダアセンブリが開示されている。いくつかの態様において、例示的なブラシホルダアセンブリは、ブラシホルダから延びるバックボーンを含むブラシホルダと、取り外し可能なハンドルとを含む。更に、取り外し可能なハンドルは、バックボーンに解放可能に係合したフレームと、フレームに固定されたグリップとを含む。いくつかの態様において、ブラシホルダアセンブリは、ブラシホルダアセンブリの上部ビームおよび下部ビームに取り外し可能に結合された取り外し可能なキャッチアームを含む。キャッチアームの取り外しは、上部ビームの下部ビームからの取り外しを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性カーボンブラシを電気装置の導電性表面と接触した状態に配置するためのブラシホルダアセンブリであって、
ブラシホルダから延びるバックボーンを含むブラシホルダと、
取り外し可能なハンドルであって、前記バックボーンに解放可能に係合したフレームと前記フレームに固定されたグリップとを含む取り外し可能なハンドルと、を備えるブラシホルダアセンブリ。
【請求項2】
前記フレームは、その第1の端部領域に第1の開口部を含み、前記バックボーンは、前記第1の開口部内に延出する第1の突起部を含む、請求項1に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項3】
前記バックボーンは、前記バックボーンの第1の側面に位置する第2の突起部と、前記第1の側面とは反対側の前記バックボーンの第2の側面に位置する第3の突起部と、を含み、
前記第2の突起部及び前記第3の突起部は、前記フレームの一部と係合して、前記取り外し可能なハンドルを前記バックボーンに固定するように構成されている、請求項1又は2に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項4】
前記フレームは、前記バックボーンの前記第1の側面に沿って延びている第1のタブ及び前記バックボーンの前記第2の側面に沿って延びている第2のタブを有する、第2の端部領域を含み、
前記第1のタブが第2の開口部を含み、前記第2のタブが第3の開口部を含み、
前記バックボーンの前記第2の突起部が前記フレームの前記2の開口部を通って延出するよう構成されており、
前記バックボーンの前記第3の突起部が前記フレームの前記第3の開口部を通って延出して、前記取り外し可能なハンドルを前記バックボーンに固定するよう構成されている、請求項3に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは、前記ハンドルを前記バックボーンから取り外す目的で、前記第2の突起部及び前記第3の突起部をそれぞれ前記第2の開口部及び前記第3の開口部から解放するために、前記バックボーンから離れるように撓むように構成されている、請求項4に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のタブと前記第2のタブとの間に挿入可能であり、前記第1のタブと前記第2のタブとを横方向に互いに反対方向へバックボーンから離れるように撓ませる取り外しツール、を更に備えており、
前記第1のタブ及び前記第2のタブをバックボーンから離れるように撓ませることにより、前記フレームが前記バックボーンから解放される、請求項5に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項7】
前記バックボーンに対する前記取り外し可能なハンドルの動きを制限するために前記第1の突起部が前記第1の開口部の周面に係合するように、前記第1の突起部が前記第1の開口部の中に延出している、請求項2から6のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項8】
前記フレームは、前記バックボーンに対する前記取り外し可能なハンドルの相対的な移動を制限するために前記バックボーンの下面に力を加えるように構成された、第1のフランジ及び第2のフランジを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項9】
前記バックボーンは、前記バックボーンの基部に向かって幅が広がっている、請求項1から8のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項10】
前記フレームの少なくとも一部は、前記グリップの少なくとも一部に埋め込まれている、請求項1から9のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項11】
前記フレームが前記バックボーンに係合されたときに、前記グリップの一部が前記フレームの表面と前記バックボーンの表面との間で圧縮される、請求項10に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項12】
電気装置のブラシホルダアセンブリのための取り外し可能なハンドルであって、
金属材料から形成されているフレームであって、前記ブラシホルダアセンブリのバックボーンに摺動自在に係合するように構成されているフレームと、
ゴム又はポリマー材料から形成されているグリップであって、前記フレームの周りに成形されているグリップと、を備える、取り外し可能なハンドル。
【請求項13】
前記フレームは、前記バックボーンの第1の側面に沿って延びることが可能な第1のタブと、前記第1の側面とは反対側の前記バックボーンの第2の側面に沿って延びることが可能な第2のタブとを含み、
前記第1のタブは第1の開口部を含み、前記第2のタブは第2の開口部を含み、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が、それぞれ前記バックボーンの第1の突起部及び第2の突起部を受け入れるように構成されている、請求項12に記載の取り外し可能なハンドル。
【請求項14】
前記第1のタブ及び前記第2のタブは、前記ハンドルを前記バックボーンから取り外す目的で、前記第1の突起部及び前記第2の突起部をそれぞれ前記第1の開口部及び前記第2の開口部から解放するためにバックボーンから離れるように撓むように構成されている、請求項13に記載の取り外し可能なハンドル。
【請求項15】
ブラシホルダアセンブリであって、
下部ビームと、
前記下部ビームに枢動可能に結合された上部ビームと、
第1の端部領域及び第2の端部領域を含む取り外し可能なキャッチアームと、を備え、
前記キャッチアームの前記第1の端部領域は、前記上部ビームに取り付けられるように構成されており、
前記キャッチアームの前記第2の端部領域は、前記下部ビームに取り付けられるように構成されている、ブラシホルダアセンブリ。
【請求項16】
前記キャッチアームは、前記キャッチアームの前記第1の端部領域に沿って配置された第1の開口部を更に含み、
前記第1の開口部は、前記上部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、請求項15に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項17】
前記キャッチアームは、前記キャッチアームの前記第2の端部領域に沿って配置された第2の開口部を更に含み、
前記第2の開口部は、前記下部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、請求項15又は16に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の開口部はテーパ面を含み、
前記下部ビームから延びている前記ピンが、前記第2の開口部の前記テーパ面と嵌合するように構成されたテーパ面を含む、請求項17に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の開口部が非円形であり、
前記下部ビームから延びている前記ピンは、第1の回転向きでは前記第2の開口部を通って延出することができるが、前記第1の回転向きとは異なる第2の回転向きでは前記第2の開口部を通って延出することが防止される、請求項17又は18に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項20】
前記下部ビームから延びている前記ピンの回転軸を中心とした、前記下部ビームに対する前記キャッチアームの回転が、前記キャッチアームを前記下部ビームから取り外すように設計されている、請求項19に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項21】
前記キャッチアームの前記第1の端部領域は第1の幅を含み、
前記キャッチアームの前記第2の端部領域は第2の幅を含み、
前記第1の幅は前記第2の幅より小さい、請求項15から20のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項22】
前記下部ビームの側面に沿って延びるカバープレートを更に備え、
前記カバープレートは、前記キャッチアームの前記第2の端部領域と前記下部ビームの前記側面との間に配置された第1の端部領域を含む、請求項15から21のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項23】
前記カバープレートの前記端部領域は、前記キャッチアームの後面に対して横方向外向きの力を加える、請求項22に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項24】
前記カバープレートの第2の端部領域は、前記下部ビームのスロットに挿入可能なタブを含む、請求項22又は23に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項25】
ブラシホルダアセンブリであって、
上部ビームと、
前記上部ビームに枢動可能に結合された下部ビームと、
前記下部ビームに取り付けられたブラシホルダであって、第1の側壁及び第2の側壁を含むブラシホルダと、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間で前記ブラシホルダに摺動自在に配置されたカーボンブラシと、を備え、
前記第1の側壁、前記第2の側壁、あるいは前記第1の側壁及び前記第2の側壁の両方は、その上縁部に、その下縁部に向かって下方に延びる切欠き部を含み、
前記ブラシホルダアセンブリは、前記カーボンブラシの上面に下向きの力を加えるように構成されたコイル状部分を含むばねを備える、ブラシホルダアセンブリ。
【請求項26】
前記ばねの前記コイル状部分内に配置された摩耗状態モニタを更に備えており、
前記摩耗状態モニタの少なくとも一部は、前記カーボンブラシの使用中に前記カーボンブラシの長さが減少するにつれて前記上縁部より下に移動する、請求項25に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項27】
前記摩耗状態モニタの少なくとも一部が前記上縁部より下に位置するとき、前記摩耗状態モニタの少なくとも一部が前記切欠き部を通して横方向に露出する、請求項26に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項28】
前記切欠き部は、前記摩耗状態モニタへの又は前記摩耗状態モニタからの無線信号を妨げないように構成されている、請求項26又は27に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項29】
ブラシホルダアセンブリであって、
上部ビームと、
前記上部ビームに枢動可能に結合された下部ビームと、
前記下部ビームに取り付けられたブラシホルダであって、その中にカーボンブラシを摺動自在に受け入れるように構成されているブラシホルダと、を備え、
前記下部ビームは、それらの間に溝を画定している、第1の側壁及び第2の側壁を含み、
前記溝は、前記ブラシホルダアセンブリを電気装置に固定するための取付けブロックを取り外し可能に受け入れるように構成されており、
前記第1の側壁は、前記側壁を貫いて前記溝内に延びている開口部を含む、ブラシホルダアセンブリ。
【請求項30】
第1の端部領域及び第2の端部領域を含む取り外し可能なキャッチアームを更に備えており、
前記キャッチアームの前記第1の端部領域は、前記上部ビームに取り付けられるように構成されており、
前記キャッチアームの前記第2の端部領域は、前記下部ビームに取り付けられるように構成されている、請求項29に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項31】
前記キャッチアームは、
前記キャッチアームの前記第1の端部領域に沿って配置された第1の開口部であって、前記上部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、第1の開口部と、
前記キャッチアームの前記第2の端部領域に沿って配置された第2の開口部であって、前記下部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、第2の開口部と、を更に含む、請求項30に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項32】
前記下部ビームの前記第1の側壁に沿って延びるカバープレートを更に備えており、
前記カバープレートは、前記キャッチアームの前記第2の端部領域と前記下部ビームの前記第1の側壁との間に配置された第1の端部領域を含む、請求項31に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項33】
前記カバープレートは、前記第1の側壁の前記開口部を横切って延びている、請求項32に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項34】
前記カバープレートの前記端部領域は、前記キャッチアームの後面に対して横方向外向きの力を加える、請求項32又は33に記載のブラシホルダアセンブリ。
【請求項35】
前記カバープレートの第2の端部領域は、前記下部ビームのスロットに挿入可能なタブを含む、請求項32から34のいずれか一項に記載のブラシホルダアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、電気装置及び/又はスリップリングアセンブリにおいて使用され得るブラシ及びブラシホルダアセンブリに関する。より詳細には、本開示は、動く導電性表面に対してブラシを保持するように構成されたブラシホルダアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気装置におけるブラシの目的は、静止している接点から動いている接触面に、又はその逆に、電流を流すことである。ブラシ及びブラシホルダは、発電機、電気モータ、及び/又はスリップリングアセンブリなどの電気装置、又はスライディング接続用途、例えば、回転クレーンなどの回転機械のスリップリングアセンブリ、あるいはモノレールのリニアスライディング接続などで使用され得る。多くの電気装置におけるブラシは、黒鉛、炭素黒鉛(carbon graphite)、電気黒鉛(electrographite)、金属黒鉛(metal graphite)などの導電性材料から作製されているブロック又はその他の構造であり、1つ又は複数の導電性表面と接触して電流を流すように適合されている。導電性のリード線又はシャントがブラシから延びており、別の導電性部材からブラシへの、及び/又はブラシから別の導電性部材への電気経路を提供する。
【0003】
設計によっては、ブラシボックス型のブラシホルダ、又は他のタイプのブラシホルダが、動作中に電気装置の動く接触面に接触するブラシを支持するために使用されることがある。ブラシ及びブラシボックスは、ブラシがブラシボックス内で摺動することができ、ブラシと、ブラシが接触する動く接触面との間の継続的な接触を提供することができるように設計することができる。動作中に、電気装置の1つ以上の構成要素を交換する必要があること、電気装置の1つ以上の構成要素が検査又は注意を要すること、及び/又はメンテナンスを実行する必要があることを示す、異常状態及び/又は閾値状態が発生することがある。例えば、異常状態及び/又は閾値状態は、ブラシ、ブラシホルダ、ハンドルアセンブリ、ばね、及び/又は他の構成要素の1つ以上を交換する必要があること、ブラシ、ブラシホルダ、ハンドルアセンブリ、ばね、及び/又は他の構成要素の1つ以上を検査する必要があること、及び/又はメンテナンスを実行する必要があること、を示すことがある。ブラシホルダアセンブリの個々の構成要素を交換することができるように、分解及び再組立てが可能なブラシホルダアセンブリを設計することが有利であろう。
【発明の概要】
【0004】
導電性カーボンブラシを電気装置の導電性表面と接触した状態に配置するための例示的なブラシホルダアセンブリは、ブラシホルダから延びるバックボーンを含むブラシホルダと、取り外し可能なハンドルとを含む。更に、取り外し可能なハンドルは、バックボーンに解放可能に係合したフレームと、フレームに固定されたグリップとを含む。
【0005】
これに加えて、又はこれに代えて、フレームは、フレームの第1の端部領域に第1の開口部を含み、バックボーンは、第1の開口部内に延出する第1の突起部を含む。
これに加えて、又はこれに代えて、バックボーンは、バックボーンの第1の側面に位置する第2の突起部と、第1の側面とは反対側のバックボーンの第2の側面に位置する第3の突起部とを含み、第2の突起部及び第3の突起部は、フレームの一部と係合して、取り外し可能なハンドルをバックボーンに固定するように構成されている。
【0006】
これに加えて、又はこれに代えて、フレームは、バックボーンの第1の側面に沿って延びている第1のタブ及びバックボーンの第2の側面に沿って延びている第2のタブを有する、第2の端部領域を含み、第1のタブが第2の開口部を含み、第2のタブが第3の開口部を含み、バックボーンの第2の突起部がフレームの第2の開口部を通って延出するよう構成されており、バックボーンの第3の突起部がフレームの第3の開口部を通って延出して、取り外し可能なハンドルをバックボーンに固定するよう構成されている。
【0007】
これに加えて、又はこれに代えて、第1のタブ及び第2のタブは、ハンドルをバックボーンから取り外す目的で、第2の突起部及び第3の突起部をそれぞれ第2の開口部及び第3の開口部から解放するためにバックボーンから離れるように撓むように構成されている。
【0008】
これに加えて、又はこれに代えて、第1のタブと第2のタブとの間に挿入可能であり、第1のタブと第2のタブとを横方向に互いに反対方向へバックボーンから離れるように撓ませる取り外しツール、を更に備えており、第1のタブ及び第2のタブをバックボーンから離れるように撓ませることにより、フレームがバックボーンから解放される。
【0009】
これに加えて、又はこれに代えて、バックボーンに対する取り外し可能なハンドルの動きを制限するために第1の突起部が第1の開口部の周面に係合するように、第1の突起部が第1の開口部の中に延出している。
【0010】
これに加えて、又はこれに代えて、フレームは、バックボーンに対する取り外し可能なハンドルの相対的な移動を制限するためにバックボーンの下面に力を加えるように構成された第1のフランジ及び第2のフランジを含む。
【0011】
これに加えて、又はこれに代えて、バックボーンは、バックボーンの基部に向かって幅が広がっている。
これに加えて、又はこれに代えて、フレームの少なくとも一部は、グリップの少なくとも一部に埋め込まれている。
【0012】
これに加えて、又はこれに代えて、フレームがバックボーンに係合されたときに、グリップの一部がフレームの表面とバックボーンの表面との間で圧縮される。
電気装置のブラシホルダアセンブリのための取り外し可能なハンドルは、金属材料から形成されているフレームを含む。更に、フレームは、ブラシホルダアセンブリのバックボーンに摺動自在に係合するように構成されている。また、取り外し可能なハンドルは、ゴム又はポリマー材料から形成されているグリップを含み、グリップは、フレームの周りに成形されている。
【0013】
これに加えて、又はこれに代えて、フレームは、バックボーンの第1の側面に沿って延びることが可能な第1のタブと、第1の側面とは反対側のバックボーンの第2の側面に沿って延びることが可能な第2のタブとを含み、第1のタブは第1の開口部を含み、第2のタブは第2の開口部を含み、第1の開口部及び第2の開口部が、それぞれバックボーンの第1の突起部及び第2の突起部を受け入れるように構成されている。
【0014】
これに加えて、又はこれに代えて、第1のタブ及び第2のタブは、ハンドルをバックボーンから取り外す目的で、第1の突起部及び第2の突起部をそれぞれ第1の開口部及び第2の開口部から解放するためにバックボーンから離れるように撓むように構成されている。
【0015】
別の例示的なブラシホルダアセンブリは、下部ビームと、下部ビームに枢動可能に結合された上部ビームと、第1の端部領域及び第2の端部領域を含む取り外し可能なキャッチアームと、を含む。更に、キャッチアームの第1の端部領域は、上部ビームに取り付けられるように構成されており、キャッチアームの第2の端部領域は、下部ビームに取り付けられるように構成されている。
【0016】
これに加えて、又はこれに代えて、キャッチアームは、キャッチアームの第1の端部領域に沿って配置された第1の開口部を更に含み、第1の開口部は、上部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている。
【0017】
これに加えて、又はこれに代えて、キャッチアームは、キャッチアームの第2の端部領域に沿って配置された第2の開口部を更に含み、第2の開口部は、下部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている。
【0018】
これに加えて、又はこれに代えて、第2の開口部はテーパ面を含み、下部ビームから延びているピンが、第2の開口部のテーパ面と嵌合するように構成されたテーパ面を含む。
これに加えて、又はこれに代えて、第2の開口部が非円形であり、下部ビームから延びているピンは、第1の回転向きでは第2の開口部を通って延出することができるが、第1の回転向きとは異なる第2の回転向きでは第2の開口部を通って延出することが防止される。
【0019】
これに加えて、又はこれに代えて、下部ビームから延びているピンの回転軸を中心とした、下部ビームに対するキャッチアームの回転が、キャッチアームを下部ビームから取り外すように設計されている。
【0020】
これに加えて、又はこれに代えて、キャッチアームの第1の端部領域は第1の幅を含み、キャッチアームの第2の端部領域は第2の幅を含み、第1の幅は第2の幅より小さい。
これに加えて、又はこれに代えて、下部ビームの側面に沿って延びるカバープレートを更に備え、カバープレートは、キャッチアームの第2の端部領域と下部ビームの側面との間に配置された第1の端部領域を含む。
【0021】
これに加えて、又はこれに代えて、カバープレートの端部領域は、キャッチアームの後面に対して横方向外向きの力を加える。
これに加えて、又はこれに代えて、カバープレートの第2の端部領域は、下部ビームのスロットに挿入可能なタブを含む。
【0022】
別の例のブラシホルダアセンブリは、上部ビームと、上部ビームに枢動可能に結合された下部ビームと、下部ビームに取り付けられたブラシホルダであって、第1の側壁及び第2の側壁を含むブラシホルダと、第1の側壁と第2の側壁との間でブラシホルダに摺動自在に配置されたカーボンブラシと、を含む。更に、第1の側壁、第2の側壁、あるいは第1の側壁及び第2の側壁の両方は、その上縁部に、その下縁部に向かって下方に延びる切欠き部を含む。更に、ブラシホルダアセンブリは、カーボンブラシの上面に下向きの力を加えるように構成されたコイル状部分を含むばねを含む。
【0023】
これに加えて、又はこれに代えて、ばねのコイル状部分内に配置された摩耗状態モニタを更に備えており、摩耗状態モニタの少なくとも一部は、カーボンブラシの使用中にカーボンブラシの長さが減少するにつれて上縁部より下に移動する。
【0024】
これに加えて、又はこれに代えて、摩耗状態モニタの少なくとも一部が上縁部より下に位置するとき、摩耗状態モニタの少なくとも一部が切欠き部を通して横方向に露出する。
これに加えて、又はこれに代えて、切欠き部は、摩耗状態モニタへの又は摩耗状態モニタからの無線信号を妨げないように構成されている。
【0025】
別の例のブラシホルダアセンブリは、上部ビームと、上部ビームに枢動可能に結合された下部ビームと、下部ビームに取り付けられたブラシホルダとを含み、ブラシホルダは、その中にカーボンブラシを摺動自在に受け入れるように構成されている。更に、下部ビームは、それらの間に溝を画定している、第1の側壁及び第2の側壁を含み、溝は、ブラシホルダアセンブリを電気装置に固定するための取付けブロックを取り外し可能に受け入れるように構成されている。更に、第1の側壁は、側壁を貫いて溝内に延びている開口部を含む。
【0026】
これに加えて、又はこれに代えて、第1の端部領域及び第2の端部領域を含む取り外し可能なキャッチアームを更に備えており、キャッチアームの第1の端部領域は、上部ビームに取り付けられるように構成されており、キャッチアームの第2の端部領域は、下部ビームに取り付けられるように構成されている。
【0027】
これに加えて、又はこれに代えて、キャッチアームは、キャッチアームの第1の端部領域に沿って配置された第1の開口部であって、上部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、第1の開口部と、キャッチアームの第2の端部領域に沿って配置された第2の開口部であって、下部ビームから延びているピンを受け入れるように構成されている、第2の開口部とを更に含む。
【0028】
これに加えて、又はこれに代えて、下部ビームの第1の側壁に沿って延びるカバープレートを更に備えており、カバープレートは、キャッチアームの第2の端部領域と下部ビームの第1の側壁との間に配置された第1の端部領域を含む。
【0029】
これに加えて、又はこれに代えて、カバープレートは、第1の側壁の開口部を横切って延びている。
これに加えて、又はこれに代えて、カバープレートの端部領域は、キャッチアームの後面に対して横方向外向きの力を加える。
【0030】
これに加えて、又はこれに代えて、カバープレートの第2の端部領域は、下部ビームのスロットに挿入可能なタブを含む。
いくつかの実施形態、態様、及び/又は例の上記の要約は、本開示の各実施形態又はすべての実装形態を説明することを意図していない。図及び以下に続く詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示するものである。
【0031】
本開示の態様は、添付の図面を参照しながら様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】電気機械の回転構成要素に隣接して配置された例示的なブラシホルダアセンブリの説明図である。
図2図1の例示的なブラシホルダアセンブリの一部の分解組立図である。
図3図1の例示的なブラシホルダアセンブリの一部の断面図である。
図4図1の例示的なブラシホルダアセンブリの一部の斜視図である。
図5図4に示した例示的なブラシホルダアセンブリの一部の詳細図である。
図5A図5に示した例示的なブラシホルダアセンブリの一部の端面図である。
図6図4に示した例示的なブラシホルダの一部の別の詳細図である。
図7図4に示した例示的なブラシホルダアセンブリの一部と位置合わせされた取り外しツールを示している。
図8図4に示した例示的なブラシホルダアセンブリの2つの構成要素の係合解除を示している。
図9図4に示した例示的なブラシホルダアセンブリの2つの構成要素の底面図を示している。
図10図1の例示的なブラシホルダアセンブリのハンドルのためのバックボーンを有する例示的な上部ビームを示している。
図11図1の例示的なブラシホルダアセンブリの上部ビームと下部ビームとの係合を示している。
図12】係合されたロック位置(図12)と係合解除されたアンロック位置(図13)との間の、例示的なブラシホルダの下部ビームに対する上部ビームの枢動を示している。
図13】係合されたロック位置(図12)と係合解除されたアンロック位置(図13)との間の、例示的なブラシホルダの下部ビームに対する上部ビームの枢動を示している。
図14図1の例示的なブラシホルダアセンブリの構成要素の分解組立図である。
図14A図14に示した分解された構成要素の斜視図である。
図15図1の例示的なブラシホルダアセンブリのキャッチアームの正面図である。
図16図15に示したキャッチアームの斜視図である。
図16A図15に示したキャッチアームの側面図である。
図17】キャッチアームを下部ビームから取り外す例示的なステップを示している。
図18A図12の線18-18の一部に沿った断面斜視図を示している。
図18B図12の線18-18の別の部分に沿った断面斜視図を示している。
図19】識別タブを含む例示的なブラシホルダアセンブリの斜視図である。
図20】識別タブがブラシホルダアセンブリから取り外された状態の、図19の例示的なブラシホルダアセンブリの斜視図である。
図21】使用中にブラシの長さが減少するにつれてブラシホルダアセンブリのブラシホルダ内で並進する、例示的なブラシホルダアセンブリのブラシを示している。
図22】ブラシホルダアセンブリの一部を示している。
図23】ブラシホルダアセンブリの一部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の態様は、様々な修正形態及び代替形態に適用可能であるが、その具体的な態様は、図面において例として示されており、詳細に説明される。しかしながら、本開示の態様を、記載された特定の実施形態に限定するようには意図していないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内に入る全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含するものである。
【0034】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると想定される。「約」という用語は、一般には、当業者が、記載された値と等価である(すなわち同じ機能又は結果を有する)とみなす数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数字を含むものとして示されることがある。
【0035】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内のすべての数値を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関するいくつかの好適な寸法、範囲及び/又は値が開示されているが、本開示によって触発された当業者であれば、望ましい寸法、範囲及び/又は値が、明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0036】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、「又は」という用語は、内容が明らかに他のことを示さない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に使用される。
【0037】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面において、異なる図面における同様の要素は同じ番号が付されている。詳細な説明及び図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、例示的な実施形態を描いており、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。描かれた例示的な実施形態は、例示としてのみ意図されている。任意の例示的な実施形態の選択された特徴は、特に明記されていない限り、追加の実施形態に組み込むことができる。
【0038】
図1は、ブラシホルダアセンブリ12を含むことができる例示的なシステム10を示している。いくつかの点で、ブラシホルダアセンブリ12は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「BRUSH HOLDER APPARATUS,BRUSH ASSEMBLY,AND METHOD」と題する米国特許第7,034,430号に記載されているブラシホルダアセンブリとの類似性を有する場合がある。しかしながら、例示的なシステム10は、本明細書に記載されている特徴を含む。
【0039】
図1は、ブラシホルダアセンブリ12が、カーボンブラシ14がその中に配置されるブラシホルダ16を含むことができることを更に示している。図1は、いくつかの例において、ブラシ14の1つ以上の側面をブラシホルダ16(例えばブラシボックス)によって囲むことができ、それによってブラシホルダ16は、回転構成要素20の導電性表面18に向かうブラシ14の直線的な又は長手方向の移動を案内するための複数の案内面を含むことができることを示している。言い換えれば、ブラシ14は、ブラシ14が摩耗するにつれて、ブラシホルダ16の複数の案内面によって画定される開口部の中で直線的に並進することができる。いくつかの実施形態では、ブラシホルダ16が箱の形態をとらなくてもよいが、ブラシ14の直線的な又は長手方向の移動を案内するために、ブラシ14の1つ以上の側面に当接する、及び/又は取り囲む、及び/又はブラシ14若しくはその一部の中に延びるか又はそこを通って延びる、溝、ポスト、柱などの1つ又は複数の案内面を含むことができることが企図される。
【0040】
図1は、いくつかの実施形態では、導電性表面18とのブラシ14の係合及び係合解除を容易にするために、ハンドルアセンブリ22をホルダアセンブリ12(ブラシホルダ16を含む)に結合することができる、又は他の方法でホルダアセンブリ12に設けることができることを更に示している。ハンドルアセンブリ22及びその個々の構成要素については、以下に更に詳細に説明する。
【0041】
図2は、上述したようにブラシホルダ16に対して配置されたブラシ14を含むブラシホルダアセンブリ12の側面図を示している。図2は、ブラシ14が、第1の端面又は上側端面24、及び第2の端面又は下側端面26、並びにそれらの間に延びる長さを含むことができることを更に示している。第2の端面26は、電気機械(例えばコレクタリング、スリップリング、又は整流子)の動く(例えば回転する、摺動する)構成要素20(図1に示す)の導電性表面18(図1に示す)と電気的に接触して、そこから電流を伝導することができる。
【0042】
いくつかの例では、ブラシホルダ16は、別の構造に取り付けられるか、又は他の方法で別の構造に係合するように構成及び適合された取付けブロック(取付けブロックは図2に示していない)に固定することができる。ブラシホルダアセンブリ12は、電気機械の回転構成要素20(図1に示す)の表面などの導電性表面18(図1に示す)と接触した状態でブラシ14を配置するように構成することができる。ブラシ14は、ブラシ14の第2の端面26が導電性表面18(図1に示す)に係合するように、ブラシホルダ16の下縁部から延びていてもよい。
【0043】
図2に示したように、ブラシホルダアセンブリ12は、互いにヒンジ結合又は枢動可能に結合された上部ビーム30及び下部ビーム32を含むことができる。上部ビーム30及び下部ビーム32が互いに整列している(例えば、上部ビーム30の長手方向軸が下部ビーム32の長手方向軸と平行である)とき、ブラシホルダ16は、ブラシ14が導電性表面18(図1に示す)と隣接するか又は接触するような係合位置又はロック位置にあると考えることができる。以下により詳細に説明するように、上部ビーム20が下部ビーム32から傾いている(例えば、上部ビーム30の長手方向軸が下部ビーム32の長手方向軸に対して斜めになっている)とき、ブラシホルダ16は、ブラシ14が導電性表面18(図1に示す)と隣接してない、間隔が空いている、又は他の状態で直接的に電気接触していないような係合解除位置又はアンロック位置にあると考えることができる。
【0044】
図2は、ブラシホルダアセンブリ12が摩耗状態モニタ38及びスペーサ40を含むことができることを更に示している。摩耗状態モニタ38の追加の態様、並びに関連する構造及び機能性は、米国特許出願公開第2020/0112133号及び同第2020/0112223号に記載されており、これらの文書の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。スペーサ40は、ブラシ14の第1の端面24に取り付けることができる。更に、図2は、摩耗状態モニタ38をばね41に結合することができることを示している。いくつかの例では、ばね41の一部が、摩耗状態モニタ38の一部の周りにコイル状に巻かれ、ばね41の細長い部分がコイル状の部分から延びている。したがって、摩耗状態モニタ38を、ばね41のコイル状部分の中に配置することができる。
【0045】
上述したように、いくつかの例では、摩耗状態モニタ38は、ばね41の表面に隣接して、又は、そうでなければ、ばね41のコイル状部分の中など、ばね41の中に取り付けることができる。ばね41は、定荷重ばねを含むことができ、定荷重ばねは、ブラシ14、摩耗状態モニタ38、あるいはブラシ14及び摩耗状態モニタ38の両方に張力を加えて、ブラシ14を回転構成要素20(図2には示していない)の導電性表面18(図2には示していない)に向けて付勢させて接触させる。言い換えれば、ばね29は、ブラシ14を、スリップリング、整流子などの電気機械の回転構成要素20(図2に示していない)に係合させる力を提供するように設計されたコイル状部分を含むことができる。
【0046】
更に、ばね41は、ブラシホルダ16の一部及び/又はブラシホルダアセンブリ12の下部ビーム32に取り付けることができる。いくつかの例では、ばね41の第1の端部は、ばね41の細長い部分がブラシ14と下部ビーム32との間でブラシ14の側面に沿って延びている状態で、ブラシホルダ16及び/又は下部ビーム32に取り外し可能に結合することができる。
【0047】
図2は、ブラシ14から電気を伝導するために、ブラシホルダアセンブリ12が、ブラシ14の第1の端面24からブラシホルダアセンブリ12の1つ以上の構成要素まで延びている1つ以上の導電性ワイヤ36を含むことができることを更に示している。例えば、導電性ワイヤ36は、ブラシ14の第1の端面24から延びて、下部ビーム32、上部ビーム30、あるいは下部ビーム32及び上部ビーム30の両方に取り付けることができる。
【0048】
いくつかの例では、遠隔サイトモニタ(図には示していない)は、ブラシホルダアセンブリ12の1つ以上の構成要素の少なくとも状態を監視するように構成することができる。この目的のため、遠隔サイトモニタは、特定の機械又は特定の場所における各ブラシホルダアセンブリ12を識別する、及び/又は、ブラシホルダアセンブリ12へのブラシ14の取付け日など、各ブラシホルダアセンブリ12及び/又はその構成要素の取付け日及び任意の整備日を記憶するように、構成することができる。以下により詳細に説明するように、各システム10のブラシホルダアセンブリは、電気機械(例えば発電機)上のブラシホルダアセンブリ12の特定の位置に対応する識別タグを含むことができる。システム10は、固有の識別タグに従って、各ブラシホルダアセンブリ12に関連付けられるブラシを識別してブラシの状態を監視することができる。更に、いくつかの例では、摩耗状態モニタ38(又はブラシホルダアセンブリ12の他のセンサ)は、ブラシ14又は電気機械の他の構成要素が取り外された、及び/又は交換されたことを示す信号、及び/又は、新しいブラシ14が取り付けられたことの指示情報、をサイトモニタに出力することができる。構成要素交換の情報は、摩耗状態モニタ38、ブラシアセンブリ12の1つ以上のセンサ、及び/又はサイトモニタによって収集及び監視することができる。
【0049】
上述したように、いくつかの実施形態では、導電性表面18とのブラシ14の係合及び係合解除を容易にするために、ハンドルアセンブリ22をブラシホルダアセンブリ12に取り付けることができる。例えば、ハンドルアセンブリ22を動かすことによって下部ビーム32に対して上部ビーム30が作動し(例えば、枢動する、摺動する、解放する)、ブラシホルダアセンブリ12を取付けブロック又は電気機械の他の取付け具から係合解除するように、ハンドルアセンブリ22を上部ビーム30に取り付けることができる。以下により詳細に説明するように、いくつかの例では、ハンドルアセンブリ22、又はその一部は、上部ビーム30又はブラシホルダアセンブリ12の別の部分から取り外し可能とすることができる。
【0050】
図2は、フレーム42及びグリップ44を含むことのできるハンドルアセンブリ22の分解組立図を示している。フレーム42は、ステンレス鋼などの金属材料から形成することができ、グリップ44は、ゴム又はポリマー材料から形成することができる。以下に詳細に説明するように、組み立てられたとき、グリップ44は、フレーム42全体を実質的に覆うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、グリップ44は、フレーム42を実質的に取り囲み、導電性表面18とのブラシ14の係合及び係合解除を容易にするように設計された人間工学的形状を提供することができる。フレーム42は、グリップ44の剛性支持を提供するように設計することができることが理解されよう。したがって、いくつかの例では、グリップ44をフレーム42の上にオーバーモールドすることができる。グリップ44は、ゴム又はポリマー材料から形成されている場合、ユーザがグリップ44を把持したときに、ブラシホルダアセンブリ12の導電性構成要素からの絶縁障壁を追加的に提供することができる。
【0051】
以下により詳細に説明するように、いくつかの例では、フレーム42の1つ以上の表面及び/又は係合特徴部は、上部ビーム30のバックボーン34に係合するように設計することができる。フレーム42の係合特徴部は、上部ビーム30のバックボーン34から解放可能に係合するように設計することができる。フレーム42及びグリップ44がバックボーン34から解放されることを可能にすることにより、必要な場合にハンドルアセンブリ22を取り外して交換できるようにすることができる。例えば、いくつかの例では、時間の経過に伴ってグリップ44が摩耗したり劣化したりすることがある。ブラシホルダアセンブリ12全体を交換するのではなく、ハンドルアセンブリ22(フレーム42及びグリップ44を含む)を単に交換することが望ましいことがある。
【0052】
図3は、上部ビーム30のバックボーン34に係合したハンドルアセンブリ22(フレーム42及びグリップ44を含む)を示す断面図である。上述したように、図3は、フレーム42の一部をグリップ44の一部の中に埋め込むことができることを示している。言い換えれば、グリップ44をフレーム42の1つ以上の表面に取り付け、その一方で、フレーム42の他の表面の一部にはグリップ44の材料が存在しないままとすることができる。例えば、いくつかの例では、フレーム42の内面にはグリップ44の材料が存在しないままで、グリップ44をフレーム42の外面に接触させることができる。グリップ44の材料が存在しないフレーム42の部分は、バックボーン34の1つ以上の特徴部及び/又は表面に係合するように設計することができる。ハンドルアセンブリ22の他の部分では、グリップ44の材料の一部は、フレーム22とバックボーン34との間に(場合によっては圧縮されて)介在し、それらの間に締まりばめを提供することができる。
【0053】
図4は、上部ビーム30のバックボーン34と係合したフレーム42を示している。図4に示したように、フレーム42及びバックボーン34の両方は、互いに嵌合及び/又は係合してフレーム42とバックボーン34との係合を促進する様々な特徴部を含むことができる。簡潔化のため、図4ではグリップ44を省いてあり、したがってフレーム42とバックボーン34との係合が視覚化されていることを理解することができる。
【0054】
図4は、バックボーン34が、第1の端部領域46及び第2の端部領域48を含むことができることを示している。バックボーン34の第2の端部領域48は、バックボーン34から離れる方向に延びている突起部50を含むことができる。いくつかの例では、突起部50は、バックボーン34の長手方向軸と実質的に整列していてもよい。更に、図4は、突起部50が円形の断面形状を含むことができることを示している。しかしながら、突起部50の断面には他の形状も企図される。例えば、突起部50は、三角形、正方形、卵形、長方形、幾何学的形状、ドーム、多角形、又は他の任意の適切な形状を含むことができる。
【0055】
図4は、バックボーン34をフレーム42に係合させるために、フレーム42の端部領域48に位置する開口部52を通って突起部50が延びていてもよいことを更に示している。図4は、開口部52の形状が突起部50とほぼ同じ形状であってよいことを示している。言い換えれば、図4に示した例では、開口部52は、突起部50の円形断面形状を反映する円形形状をとることができる。(上述したように)突起部50が様々な断面形状をとることができるのと同様に、開口部52は、突起部50によって画定される任意の特定の断面形状と嵌合するように設計される様々な断面形状をとり得ることを更に理解できるであろう。
【0056】
遠位突起部50と開口部52との係合は、フレーム42とバックボーン34との間のいくつかの接触点のうちの1つとすることができる。フレーム42とバックボーン34との間にいくつかの接触点/係合点を有することは、ハンドルアセンブリ22がバックボーン34上に配置されたときに、フレーム42とバックボーン34との間の固定を強化する結果になり得ることが理解できるであろう。
【0057】
開口部52を介した端部突起部50とバックボーン34との係合に加えて、図4は、フレーム42とバックボーン34との間の別の係合点を示している。例えば、図4は、フレーム42が第1のタブ54aを含むことができることを示している。第1のタブ54aは、バックボーン34から離れるように、横方向に撓むように設計され得るフレーム42の部分を含むことができる(第1のタブ54aの撓みは、以下図7図9において更に詳細に示される)。以下により詳細に説明するように、第1のタブ54aは、バックボーン34の反対側の端部の近くでバックボーン34の側面に配置された側面突起部58aに係合するように設計された開口部56aを含むことができる。
【0058】
端部突起部50及び開口部52の設計及び係合と同様に、開口部56aの形状は、側面突起部58aの形状を反映するように設計することができる。したがって、ハンドルアセンブリ22(フレーム42及びグリップ44の両方を含む)がバックボーン34上に配置されるとき、第1のタブ54aが横方向外向きに撓んで側面突起部58aの上を覆うように摺動し、それによって側面突起部58aが開口部56aの位置と合い、開口部56aを通って延出することを理解することができる。言い換えれば、ハンドルアセンブリ22がバックボーン34上に進められるとき、第1のタブ54aは、側面突起部58aが開口部56aの位置と合うまでバックボーン34から離れるように横方向外向きに撓むことができる。側面突起部58aと開口部56aの位置が合った後、第1のタブ54aは、横方向内向きに戻る(バックボーン34に向かって元に戻る)ことができ、それにより、第1のタブ54a(及び結果としてフレーム42)が側面突起部58aに固定される。なお図4には示していないが、フレーム42は、フレーム42の反対側に、例えばバックボーン34の反対側でバックボーン上に位置する別の側面突起部58bに係合する同じ取付け特徴部(例えば開口部56b)を含む第2のタブ54bを含むことができることに留意されたい。第2のタブ54b、第2の開口部56b、及び近位突起部58bは、例えばバックボーン34の反対側に配置されているだけで、第1のタブ54a、第1の開口部56a、及び近位突起部58aと同一とすることができる。
【0059】
図5は、フレーム42の第2の端部領域48の詳細図を示している。特に、図5は、突起部50が開口部52を通って延出するようにバックボーン34と係合したフレーム42を示している。しかしながら、図5は、いくつかの例において、突起部50の外周面の一部分(例えば、突起部50の円周面)と、開口部52を画定しているフレーム42の一部との間に隙間53が存在し得るように、突起部50及び/又は開口部52を設計することができることを更に示している。例えば、図5Aの端面図に示したように、突起部50は完全な円形でなくてもよい。代わりに、突起部50の周面は、平坦化された面(例えば平坦面)51を含むことができ、突起部50の周面に沿った平坦化された面53と、開口部52を画定しているフレーム42の表面との間に隙間53を設ける。突起部50の平坦化された面53は、突起部50の下面が開口部52の表面に確実に接触し、それらの間に固定力を発生させるために、突起部50のサイズと開口部52のサイズとの間に公差を設けることができる。
【0060】
これに代えて、開口部52は、完全な円形でなくてもよい。代わりに、開口部52は、突起部50の周面と、開口部52を画定しているフレーム42の表面との間に隙間53を提供する拡大部分を含むことができる。開口部52の拡大部分は、突起部50の下面が開口部52の表面に確実に接触し、それらの間に固定力を発生させるために、突起部50のサイズと開口部52のサイズとの間に公差を設けることができる。
【0061】
図6は、フレーム42の第2の端部領域48の別の詳細図を示している。具体的には、図6は、バックボーン34と係合しているフレーム42の底面図を示している。図5と同様に、図6は、開口部52を通って延出する突起部50を示している。更に、図6は、フレーム42が、フレーム42の第1の側面37a及び第2の側面37bからバックボーン34の底面35に沿って内側に向けて延びる第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bを含むことができることを示している。図6に示したように、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bは、バックボーン34の底面35に位置する傾斜した棚62に係合することができる。傾斜した棚62は、バックボーン34の底面35の一部に沿って延びる斜面又は傾斜面と表現することもできる。
【0062】
ハンドルアセンブリ22(フレーム42を含む)をバックボーン42に取り付けるために、フレーム42は、バックボーン34の第2の端部48から第1の端部46に向けてバックボーン34に沿った方向に進められ、それによって、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bのそれぞれが傾斜した棚62に係合し得ることを理解することができる。傾斜した棚62は、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bがバックボーン34に沿って進められるとき、フレーム42がバックボーン34に沿って徐々に進められるにつれて、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bのそれぞれが傾斜した棚35(62)に係合して力を加え得るように設計し得ることを理解できる。
【0063】
傾斜した棚35に対する第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bの押圧により、突起部50と開口部52との係合、並びに第1のタブ54a及び第2のタブ54bと突起部58a/58bとの係合とともに、ハンドルアセンブリ22とバックボーン34との強固な係合を提供できることが理解できるであろう。なお、いくつかの例では、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bは、バックボーン34の下面35及び傾斜した棚62に直接接触することができるが、他の例では、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bとバックボーン34の表面35及び/又は傾斜した棚62との間にグリップ44の材料の層が介在した状態で、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bがバックボーン34の下面35及び傾斜した棚62に間接的に接触してもよい。したがって、グリップ44の材料を、第1のフランジ60a及び第2のフランジ60bの少なくとも一部の周りに成形して、それらの間に締まりばめ、圧縮ばめを提供することができる。
【0064】
図7図9は、ハンドルアセンブリ22(フレーム42及びグリップ44を含む)をバックボーン34から取り外すための方法を示している。図4図6と同様に、図7図9は、フレーム42に取り付けられるグリップ44を省いて示している。しかしながら、バックボーン34からのハンドルアセンブリ22の取り外しは、グリップ44がフレーム42に取り付けられた状態で、以下の方法に従って達成され得ることを理解することができる。
【0065】
図7は、フレーム42及び上部ビーム30(バックボーン34の下面35を含む)の底面図を示している。上述したように、図7は、フレーム42が第1のタブ54a及び第2のタブ54bを含み、これらの各タブは、開口部56a/56b(図7では開口部56bが視界から遮られていることに留意されたい)と突起部58a/58b(図7では突起部58bが視界から遮られていることに留意されたい)の係合及び係合解除を可能にするために、バックボーン34の両側でバックボーン34から離れるように横方向へ撓むように設計することができることを示している。
【0066】
更に、図7は、バックボーン34からのフレーム42の取り外しを支援するために、ハンドルアセンブリ取り外しツール64を採用することができることを示している。具体的には、図7は、ハンドルアセンブリ取り外しツール64を利用して、第1のタブ54a及び第2のタブ54bの両方をバックボーン34から離れるように横方向へ互いに反対方向に撓ませることができ、それによって、突起部58a/58bが開口部56a/56bから係合解除され、フレーム42がバックボーン34から引き離されるときにタブ54a/54bが突起部58a/58b上を摺動するための隙間が提供されることを示している。
【0067】
図7は、ハンドルアセンブリ取り外しツール64の遠位端部65が、スロット67によって隔てられた1つ以上のプロング66を含むことができることを示している。スロット67は、1つ以上のプロング66がタブ56a/56bの両方及び上部ビーム30の面68に接触するように、上部ビーム30の一部と嵌合するように設計することができる。図7に示した破線69は、ユーザが取り外しツール64をフレーム42及び上部ビーム30のバックボーン34に係合させる際の取り外しツール64の挿入経路を示している。取り外しツール64のプロング66は、第1のタブ54a及び第2のタブ54bをバックボーン34から離れるように横方向へ互いに反対向きにそらせながら、上部ビーム30の面68とそこから延びるバックボーン34との間に配置することができる。タブ56a/56bが突起部58a/58bから外れるように、タブ56a/56bをバックボーン34から横方向へ離れるように撓ませた後、ユーザは、ハンドルアセンブリ22を把持し、フレーム42を含むハンドルアセンブリ22を上部ビーム30の面68から離れるように引き、ハンドルアセンブリ22をバックボーン34から係合解除させることができる。
【0068】
図7は、プロング66の各々の前縁部(例えば、プロング66の各々の前縁部のプロファイル)が、角度のついた面又は表面70を含むことができることを更に示しており、この面又は表面70は、第1のタブ54a及び第2のタブ54bの各々と接触させられたときに、取り外しツール64が上部ビーム30に向かって徐々に進められる(例えば、面68に沿って進められる)際にタブ54a/54bを横方向外向きに段階的に撓ませるか又はそらせるように設計されている。
【0069】
図8は、フレーム42が上部ビーム30のバックボーン34から取り外される様子を示す斜視図である。簡潔化のために、ハンドルアセンブリ取り外しツール64は、図8から省かれている。しかしながら、上述したように、図8の矢印71は、第1のタブ54a及び第2のタブ54bの各々が、バックボーン34の側面から互いに反対方向に横方向に撓むことができ、それによって、(矢印72で示したように)フレーム42がバックボーン34から引き抜かれるときにタブ54a/54bの各々が突起部58a/58b(突起部58bは図8では視界から遮られていることに留意されたい)から外れるように隙間が提供されることを示している。
【0070】
図8はまた、突起部58a/58bの各々が、突起部の第1の遠位端から突起部の第2の近位端まで横方向外向きに増加する傾斜(例えば斜面)を含むように、突起部58a/58bの各々を設計することができることを示している。言い換えれば、ハンドルアセンブリ22がバックボーン34上へ挿入されるとき、第1のタブ54a及び第2のタブ54bは、突起部58a/58bの傾斜した部分に沿って乗り上げ、それによって、フレーム42が近位に進められるにつれて徐々に横方向外向きに撓むことができることが理解される。タブ54a/54bの各々は、開口部56a/56bが突起部58a/58bに達するまで各突起部58a/58bの各傾斜部分に沿って乗り上げた後、上述したように内向きに元に戻り、突起部58a/58bの各々が開口部56a/56b内に延出し得る(図8ではタブ54b、開口部56a、及び突起部58bは視界から遮られていることに留意されたい)。この構成は、ハンドルアセンブリ22をバックボーン34上に容易に摺動させることを可能にし得るが、ハンドルアセンブリ取り外しツール64の支援なしに、フレーム42がバックボーン34から取り外されることを防ぐことも理解されるであろう。
【0071】
図9は、フレーム42が上部ビーム30のバックボーン34から取り外される様子を示す上面図である。上述したように、図9の矢印71は、第1のタブ54a及び第2のタブ54bの各々が、バックボーン34から離れるように横方向外向きに撓むことを示している。更に、図9の詳細図は、上述した突起部58bの傾斜部分73を示している。図9の詳細図は、傾斜部分73が、第1の近位端75及び第2の遠位端74を含み、それによって、突起部58bは、遠位端74から近位端75まで、バックボーン34から離れるように横方向に傾斜していることを示している。上述したように、取り外されるとき、ハンドルアセンブリ取り外しツール64を利用して、第1のタブ54a及び第2のタブ54bを横方向外向きに撓ませて、突起部58bの傾斜部分73の横方向範囲を越えることができる。
【0072】
図10は、上部ビーム30のバックボーン34の側面図を示している。いくつかの例では、バックボーン34は、1つ以上のテーパ状領域を含むことができる。例えば、図10は、バックボーン34のテーパ状領域76を示している。テーパ状領域76は、第2の厚さX(上面から反対側の下面まで測定)より遠位に配置された第1の厚さY(上面から反対側の下面まで測定)を含むことができる。ハンドルの基部により近い厚さXは、(ハンドルの先端部により近い)厚さYよりも大きくすることができる。バックボーン34のこのテーパ状の設計構造は、フレーム42がバックボーン34に沿ってバックボーン34の基部に向かって近位に進められるときに、フレーム42の固定を改善し得ることを理解することができる。例えば、ハンドルアセンブリ22がバックボーン34上へ挿入されるとき、フレーム42がバックボーン34のより薄い部分からより厚い部分に進むにつれて、フレーム42には、バックボーン34に対して増大したクランプ力がかかり得る。
【0073】
上述したように、電気機械の回転表面18との間でブラシ14を係合及び係合解除することは、下部ビーム32に対して上部ビーム30を回転又は枢動させることを含むことができる。下部ビーム32に対して上部ビーム30を回転させるとき、上部ビーム30と下部ビーム32との整列(alignment)を維持することが望ましい場合があることを理解することができる。図11の詳細図は、上部ビーム30を下部ビーム32に対して回転させることを可能にするように設計されたいくつかの構成要素を示している。更に、詳細図に示した構成要素は、上部ビームが下部ビーム32に対して回転する際に、上部ビーム30と下部ビーム32との整列を維持するようにも設計されている。なお図12及び図13は、下部ビーム32に対して回転する上部ビーム30の側面図を提供する。
【0074】
図11は、上部ビーム30と下部ビーム32を、第1のピン接続部78及び第2のピン接続部80を介して互いに取り外し可能に結合することができることを示している。図11の詳細図は、第1のピン接続部78のいくつかの構成要素を示している。例えば、図11の詳細図に示した第1のピン接続部78は、下部ビーム32の端部領域にピン止めされた上部ビーム30の端部領域を含むことができる。具体的には、上部ビーム30の端部領域は、下部ビーム32の端部領域に沿って位置する開口部85を通って延出するように設計されたピン84を含むことができる。ピン84は、上部ビーム30がピン84の中心軸を中心に枢動することを可能にし、その結果、上部ビーム30が下部ビーム32に対して回転し得ることを理解することができる。
【0075】
更に、図11は、上部ビーム30が、上部ビーム30の側壁86から離れるように延びるフランジ83を含むことができることを示している。図11から、フランジ83と側壁86とが一緒になって、溝82を形成し得ることを理解することができる。更に、溝82は、下部ビーム32の端部領域に沿って位置するレール81を受け入れるように設計することができる。図11に示したように、溝82は、下部ビーム32上に位置するレール81の湾曲線にほぼ一致する湾曲を含むことができる。溝82及び湾曲したレール81の両方の曲率半径が、ピン84の曲率半径に一致し得ることを理解することができる。溝82内にレール81が係合していることにより、上部ビーム30が両方の横方向において下部ビーム32に対して横方向にシフトする能力を制限し得ることを更に理解することができる。言い換えれば、溝82内にレール81が係合していることにより、上部ビーム30が下部ビーム32に対して回転しているときに、ピン84が開口部85から係合解除されることを防止することができる。上述したように、レール81と溝82とが係合していることにより、上部ビーム30が下部ビーム32に対して回転している間、下部ビーム32と上部ビーム30との垂直方向の整列を維持することができる。
【0076】
図12は、上部ビーム30に取り付けられたフレーム42と、ブラシホルダ16内に配置されたブラシ14とを含むブラシアセンブリホルダ12の側面図を示している。図12に示した側面図は、(上述して図11に示した)ピン接続部78とは反対側でのブラシアセンブリ12の側面であることを理解することができる。
【0077】
図12は、(上述した)第1のピン接続部78と共に、上部ビーム30を下部ビーム32に結合することのできる第2のピン接続部80を更に示している。第2のピン接続部80は、上部ビーム30と下部ビーム32の両方に取り外し可能に結合可能なキャッチアーム88を含むことができ、その一部は上部ビーム30の一部と重なることができ、その一部は下部ビーム32の一部と重なることができる。例えば、キャッチアーム88は、上部ビーム30上に位置するピン90を受け入れるように設計されている開口部91を含むことができる。キャッチアーム88は、下部ビーム32に位置するピン89と係合するように設計された別の開口部97を更に含むことができる。ピン90と開口部91との係合及びピン89と開口部97との係合は、(上述した第1のピン接続部78と共に)上部ビーム30を下部ビーム32に結合する一方で、以下に更に説明するように、上部ビーム30を下部ビーム32から分離することを可能にし得ることを理解することができる。
【0078】
図13は、上述したように下部ビーム32に対する上部ビーム30の回転を示している。例えば、図13に示した矢印92は、下部ビーム32に対する上部ビーム32(フレーム42を含む)の枢動回転を表している。図13から、上部ビーム30がピン90を中心に枢動回転し得ることを理解することができる。上述の図11を再び参照すると、ピン84とピン90は同じ中心回転軸を共有することができ、したがって、上部ビーム30が下部ビーム32に対して動くとき、上部ビーム30は、ピン84の中心回転軸(図13では見えないが図11には示されている)及びピン90の中心回転軸を中心に同時に回転し得ることを理解することができる。
【0079】
図14は、ブラシアセンブリホルダ12(ブラシホルダ16内に配置されたブラシ14を含む)の分解組立図を示している。上述したように、そのライフサイクルの間に、システム10の様々な構成要素を交換することが望ましい場合があることを理解することができる。システム10の様々な構成要素を交換するためには、システム10の構成要素を分解し、再組み立てすることが必要である。
【0080】
図14は、ブラシホルダアセンブリ12の分解中に互いに分離するように構成され得るブラシホルダアセンブリ12の様々な構成要素を一般的に示している。例えば、以下により詳細に説明するように、キャッチアーム88は、キャッチアームを上部ビーム30のピン90から引き離すことによって取り外すことができる。言い換えれば、ピン90は、開口部91に係合することができるが、キャッチアーム88がピン90によって妨げられることなくピン89を中心に回転できるように、キャッチアーム88がピン90から横方向に離れて配置されるように、取り外し力を加えてキャッチアーム88をピン90から離れるように引っ張る、又は撓ませることによって取り外すこともできる。キャッチアーム88がピン89と係合したままの状態で、キャッチアーム88がピン89を中心に回転することを可能にするために、キャッチアーム88がピン90から離れるように撓むことができることに留意されたい。更に、以下により詳細に説明するように、キャッチアーム88を更に回転させることにより、(ピン89と開口部97とのテーパ状バヨネット型接続を介して)下部ビーム32からキャッチアーム88を取り外すことが可能となり得る。
【0081】
キャッチアーム88を上部ビーム30及び下部ビーム32から取り外した後、ピン接続部78を容易に操作してピン84を開口部85から取り外し(いずれも図11に示してある)、それによって上部ビーム30(図2に示したハンドルアセンブリ22を含む)を下部ビーム23から解放することができる。図14Aに示したように、ピン接続部78は、ピン接続部80と異なるように構成することができる。すなわち、ピン接続部78は、上部ビーム30のピン84を受け入れるための貫通開口部85を含むことができ、一方、ピン接続部80は、貫通開口部を備えていなくてもよい。その代わりに、ピン接続部80は、サドル61を含み、ピン90がキャッチアーム88の開口部91に係合されている間、上部ビーム30の表面がサドル61に対して並置される。サドル61は、ピン84及びピン90の中心回転軸に曲率中心を有する凹状の曲面を含むことができ、上部ビーム30が下部ビーム32に対して枢動する際に上部ビーム30の凸面がサドル61の凹面に沿って摺動することができる。ピン90が開口部91から係合解除されると、上部ビーム30を、サドル61から回転軸に対して横方向に取り外すことができ、上部ビーム30を操作してピン84を他方のピン接続部78の開口部85から取り外すことが可能になる。
【0082】
なお図14ではブラシホルダアセンブリ12が分解されているため、第1のピン接続部78が図において見えていることに更に留意されたい。上述したように、第1のピン接続部78は、第2のピン接続部80と整列していてもよい(例えば、ピン90とピン84は、共通の中心回転軸を共有してもよい)。
【0083】
更に、図14は、ブラシホルダアセンブリ12がカバープレート93を更に含むことができることを示している。カバープレート93は、下部ビーム32との係合を介して所定の位置に保持することができる。例えば、カバープレート93の下端部は、カバープレート93が下部ビーム32の側面に沿って並置されたときに、下部ビーム32の側面に沿ってスロット25に挿入可能なタブ23を含むことができる。更に、カバープレート93は、カバープレート93の反対側の上端部が、下部ビーム32の側面と、下部ビーム32に面したキャッチアーム88の裏面との間に挟まれることを介して、更に所定の位置に保持することができる。更に、いくつかの例では、カバープレート93の上端部は、下部ビーム32から離れるように(したがって、キャッチアーム88の裏面に向かって)湾曲するように設計された弓形又は湾曲形状を含むことができ、それによってカバープレート93がキャッチアーム88の裏面に対して張力をかけて係合及び保持される(これは、上述したようにタブ23がスロット25に挿入されていることに加えてもよい)。カバープレート93の弓形又は湾曲形状によって加えられる張力は、カバープレート93ががたつくこと及び/又はブラシホルダアセンブリ12から係合解除されることを防止し得ることを理解することができる。
【0084】
図15及び図16は、キャッチアーム88を示している。いくつかの例ではほぼ細長い板であってもよいキャッチアーム88は、第1の端部94と、第1の端部94とは反対側の第2の端部95とを含むことができる。キャッチアーム88の最長寸法である第1の端部94と第2の端部95との間の距離は、キャッチアーム88の長さと見なすことができる。上記に開示したように、第1の端部94は、上部ビーム30に隣接して配置されるキャッチアーム88の端部とすることができ、一方、キャッチアームの第2の端部95は、下部ビーム32に隣接して配置することができる。
【0085】
更に、上述したように、キャッチアーム88は、上部ビーム30のピン90に係合するように設計された開口部91と、下部ビーム32のピン89に係合するように設計された別の開口部97とを含むことができる。更に、上述したように、キャッチアーム88は、(キャッチアーム88がより大きく撓むことを可能にすることに加えて)ブラシホルダアセンブリ12からキャッチアーム88を取り外すときに利用され得る追加の開口部96を更に含むことができる。具体的には、キャッチアーム取り外しツール(図に示していない)が開口部91及び開口部96に係合することができ、それにより、キャッチアーム取り外しツールを操作する(例えば回転)ことで、キャッチアーム88を回転させて下部ビーム32のピン89から係合解除する。下部ビーム32のピン89とキャッチアーム88の開口部97との係合解除についてのより詳細な説明は、図18に関して以下に記載する。
【0086】
図15は、キャッチアーム88を横切る、キャッチアーム88の長さに垂直に測定されるキャッチアーム88の幅が、キャッチアーム88の長さに沿って変化し得ることを更に示している。いくつかの例では、第2の端部95に隣接するキャッチアーム88の幅を、第1の端部94に隣接するキャッチアーム88の幅よりも大きくてもよい。例えば、図15は、第2の端部95により近い位置において第1の幅Wを有し、第1の端部94により近い位置において幅Wより小さい第2の幅Wを有するキャッチアーム88を示している。更に、キャッチアーム88は、第2の幅Wよりも第1の端部94に近い位置において、幅W及び幅Wの両方よりも小さい第3の幅Wを有することができる。いくつかの例では、キャッチアーム88の厚さは、キャッチアーム88の長さに沿って実質的に均一とすることができる。したがって、幅Wでとられたキャッチアーム88の断面積は、幅Wでとられたキャッチアーム88の断面積より小さくてもよく、幅Wでとられたキャッチアーム88の断面積は、幅Wでとられたキャッチアーム88の断面積より小さくてもよい。更に、開口部91を横切る幅Wでとられた断面積は、幅Wでとられた断面積よりも第2の端部95に向かってより近くに位置し、幅Wでとられた断面積よりも小さい場合があることに留意されたい。したがって、キャッチアーム88の断面積は、第2の端部95から第1の端部94に向かって一般に減少してもよい。
【0087】
図15は、上述したように、ブラシホルダアセンブリ12からキャッチアーム88を取り外す際に利用することのできる開口部96を更に示している。更に、(開口部96を形成するために)キャッチアーム88から材料を除去することにより、キャッチアーム88の第2の端部95を、開口部96が存在しない場合よりも大きな程度で撓ませることができるため、開口部96が追加の機能を果たし得ることを理解することができる。したがって、キャッチアーム88の幅、したがって断面積を(その任意の所与の部分に沿って)減少させ、1つ以上の開口部(例えば開口部96)を含めることにより、キャッチアーム88がその全長に沿って均一に撓むことを可能にし得ることを理解することができる。可変の幅及び開口部を含むようにキャッチアーム88を設計することにより、上述したように、上部ビーム30が下部ビーム32に対して枢動されるときにキャッチアーム88が永久的に変形することが防止されるように、キャッチアーム88が十分に撓むことを可能にし得ることが更に理解できる。更に、上部ビーム30に隣接するキャッチアーム88の部分における可撓性を高めることは、ブラシホルダアセンブリ12の分解中にキャッチアーム88を撓ませて、結果として上部ビーム30から分離するユーザの能力を助けることにもなり得る。
【0088】
図16は、キャッチアーム88の斜視図を示している。特に、開口部97は、開口部97とピン89との間の相対的な回転を通じてピン89にロック可能に係合するように構成することができる。例えば、開口部97を非円形とすることができ、ピン89は、キャッチアーム88が第1の回転向きにあるときにピン89を開口部97に通すことができ、その後、キャッチアーム88が第1の回転向きとは異なる第2の回転向きにあるときにピン89を開口部97から外すことができないように、開口部97の非円形開口部を補完する形状とすることができる。例えば、キャッチアーム88は、開口部97の両側で開口部内に延びる面取りされたフランジを含み、キャッチアーム88を貫くほぼ長方形の開口部を形成することができる。ピン89は、対応するほぼ長方形の頭部を有することができ、この頭部は、第1の回転向きにおいて開口部97を通ることができ、その後、第2の回転向きにおいて開口部97からピン89が外れることを防止するために、面取りされたフランジに係合するように回転される。
【0089】
図16Aは、キャッチアーム88の側面図を示している。図16は、いくつかの例では、キャッチアーム88が、第1の端部94から第2の端部95までその長さに沿って弓形に曲がって、又は湾曲していてもよいことを示している。したがって、キャッチアーム88は、キャッチアーム88の第1の側に凹状に湾曲した表面又は面31を含み、キャッチアーム88の反対側の第2の側に凸状に湾曲した表面又は面33を含むことができる。図16Aは、キャッチアーム88が湾曲していても及び/又は弓形に曲がっていてもよい例示的な曲率半径を示している。望まれる特定の曲げ性能に応じて、キャッチアーム88は、より小さいか又はより大きい曲率半径で弓形に曲がり得る(例えば湾曲させる)ことを理解することができる。
【0090】
湾曲した形状を含むようにキャッチアーム88を設計することは、キャッチアーム88を上部ビーム30のピン90及び下部ビーム32のピン89に固定することを支援し得ることを理解することができる。例えば、キャッチアーム88を(開口部91内へのピン90及び開口部97内へのピン89の係合を介して)上部ビーム30及び下部ビーム32に固定するときに、キャッチアーム88の凹面31が下部ビーム32の側面に面する状態で、第1の端部94及び第2の端部95がそれぞれ、キャッチアーム88を取り付けることのできる上部ビーム30及び下部ビーム32の側面に向かって湾曲するようにキャッチアーム88が向くよう、キャッチアーム88を設計し得ることを理解することができる。
【0091】
更に、キャッチアーム88を下部ビーム32に固定することは、開口部91内にピン90を取り付けるときに、キャッチアーム88の第1の端部94を上部ビーム30から離れるように撓ませることを含むことができる。(第1の端部94に沿った)キャッチアーム88の湾曲が、開口部91内にピン90が挿入された状態で、ピン90を囲む上部ビーム30の表面に横方向の撓み力を付与することを理解することができる。更に、(第2の端部95に沿った)キャッチアーム88の湾曲は、ピン89に力を付与し、それによってピン89は、開口部97を画定しているキャッチアーム88のフランジの表面に、等しくかつ反対の力を付与することを理解することができる。湾曲したキャッチアーム88によって、ピン90の周りの上部ビーム30上、及びピン89の面取りされた表面上に付与される力は、キャッチアーム88を下部ビーム32に固定することを支援し得ることを理解することができる。言い換えれば、キャッチアーム88の湾曲により、ピン89及び上部ビーム30によってキャッチアーム88に加えられる力は、キャッチアーム88をその平衡湾曲状態からより直線状の状態へと離れるように撓ませ、キャッチアーム88と上部ビーム30及び下部ビーム32との間に保持力を提供する。これらの力により、キャッチアーム88はピン89を介して下部ビーム32に固定される。
【0092】
図12及び図13に戻ると、キャッチアーム88の第1の端部94が撓む能力は、図12及び図13に関して示し、かつ上述したように、ハンドルが2つの位置間で回転することを可能にしながらも、ハンドルアセンブリ22を所定の位置に維持することを支援し得ることを更に理解することができる。例えば、図12及び図13は、上部アーム30が、第1の端部94に沿ってキャッチアーム88の縁部に係合するように設計された隆起ボス115を含むことができることを示している。キャッチアーム88と隆起ボス115との係合は、上部ビーム30を所定の位置に維持し得ることを理解することができる。例えば、図12は、ブラシ14に最も近い方のキャッチアーム88の縁部が隆起ボス115と係合し、それによって上部ビームを図12に示したロック位置又は係合位置に維持することを示している。キャッチアーム88の第1の端部94は、外側に(上部ビーム30及び下部ビーム32から離れるように)撓むことができるので、ユーザは、ハンドルアセンブリ22を図13に示した位置まで回転させることができる。ハンドルアセンブリ22が回転されるとき、ハンドルアセンブリ22が図12に示した位置から図13に示したロック解除位置又は係合解除位置まで回転される際に、隆起ボス115がキャッチアーム88の第1の端部94の下を通るように、キャッチアーム88の第1の端部94が外側に撓むことができる。隆起ボス115がキャッチアーム88の第1の端部94の下を通過した後、第1の端部94の撓みは上部ビーム30に向かって戻り、それにより、ブラシ14から最も離れている方の、第1の端部94に沿ったキャッチアーム88の縁部が、隆起ボス115に係合することを理解することができる。ブラシ14から離れている方の第1の端部94に沿ったキャッチアーム88の縁部の係合は、ハンドルアセンブリを、図13に示した構成に維持することができる。
【0093】
図17は、キャッチアーム88を下部ビーム32から取り外す例示的なステップを示している。上記に示したように、キャッチアーム88は、開口部97(キャッチアーム88に配置される)に係合するピン89(下部ビーム89に配置される)を介して下部ビームに取り付けることができる。いくつかの例では、ピン89は、開口部97のフランジ上に位置する嵌合円錐面に係合するように設計されたテーパ状の円錐面を含み得ることを理解することができる。ピン89を中心として開口部97を回転させると、キャッチアーム88を上部ビーム32に取り付けるときに、ピン89および開口部97の嵌合面が、キャッチアーム88を下部ビーム32の外面に向かって「引く」ことが可能となり、したがってピン89が開口部97から出ることに対する抵抗が生じる。反対に回転させると(図17の矢印98で示した)、キャッチアーム88を下部ビーム32から緩めることができる。言い換えれば、ピン89を中心とするキャッチアーム88の回転により、(回転方向に応じて)キャッチアーム88を上部ビーム30に係合させる、又は上部ビーム30から係合解除させることができる。
【0094】
図18A及び図18Bは、図12の線18-18に沿った断面斜視図を示している。図18Aは、下部ビーム32の開口部97のフランジの面取りされた表面103内に係合されたピン89の面取りされた表面104を示している。例えば、図18Aは、ピン89の面取りされた表面104と開口部97のフランジの面取りされた表面103との間に発生する力Fを示している。更に、図18Aは、キャッチアーム88の裏面と下部ビーム32との間に挟まれたカバープレート93を示している。上述した(かつ図18Aに示した)ように、カバープレート93は、カバープレート93がキャッチアーム88の裏面に押し付けられる(力Fとして示した)ことを可能にする湾曲形状を含むことができ、それによって、カバープレート93ががたつくこと、及び/又はブラシホルダアセンブリ12から係合解除されることを防止する。図18Bは、上部ビーム30がキャッチアーム88の第1の端部94に対して力Fを加えているとき、キャッチアーム88の第1の端部94が上部ビーム30に対して反対の力を加えることを示す。力の組合せにより、ピン89を介してキャッチアーム88が下部ビーム32に固定される。
【0095】
いくつかの例では、電気装置(図示せず)に沿って互いに隣接して配置された複数のブラシホルダアセンブリからブラシホルダアセンブリ12を識別することが望ましいことがある。特定のブラシホルダアセンブリの位置を識別する1つの方法は、ブラシホルダアセンブリ12に識別タグ99を含めることである。例えば、図19は、上部ビーム30に取り付けられた識別タグ99を示している。識別タグ99は、ブラシホルダアセンブリ12のシリアル番号、空間位置、順序などの情報を含むことができる。
【0096】
いくつかの例では、ブラシホルダアセンブリ12から識別タグ99を取り外すことが有利であることがある。図20は、いくつかの例において、識別タグ99が、上部ビーム30から取り外し可能であり、ブラシホルダアセンブリ12の上部ビーム30から分離された後に交換され得ることを示している。識別タグ99を上部ビーム30上で迅速に取り外し及び交換できるように、上部ビーム30は、識別タグ99に配置されたタブ又は突起部を受け入れるように構成し得ることを理解することができる。
【0097】
図19及び図20はまた、ブラシホルダアセンブリ12が取付けブロック120に取り付けられるとき、下部ビーム32及び上部ビーム30が、取付けブロック120を摺動自在に受け入れるように構成された溝114を画定することができることを更に示している。図に示していないが、取付けブロック120は、移動する導電性表面に近接してブラシホルダアセンブリ12を配置するために、電気装置にボルト締め、溶接、又は他の方法で固定することができる。
【0098】
図21は、ブラシが摩耗又は長さが減少した後のブラシ14の異なる識別可能な摩耗状態を表す異なる時間的機会における、図1に示したブラシ監視システム10の側面図を示している。図1は、ブラシ監視システム10のブラシ14が電気機械に最初に取り付けられたときなどの初期時間的機会Tにおけるブラシ14の第1の構成(例えば初期摩耗状態)を示している。図1は、(図1に関して上述したように)ブラシ14がブラシホルダ16内に配置され、ブラシ14の下面26が回転構成要素20の導電性表面18と係合している状態を示している。図21は、ブラシ14が一定期間にわたって回転構成要素20の導電性表面18に係合して長さが減少した後など、より後の時間的機会Tにおけるブラシ14の第2の構成(例えば第2の摩耗状態)を示している。
【0099】
図21は、摩耗状態モニタ38がブラシホルダ16内で並進する際に、摩耗状態モニタ38の信号ピックアップ能力を向上させるように設計され得る切欠き部分102をブラシホルダ16が含むことができることを更に示している。摩耗状態モニタ38は、ブラシ14の摩耗状態に関する信号を遠隔監視システムに無線で送信するように設計することができる。したがって、摩耗状態モニタ38は、システム10との間で信号を無線で送信及び/又は受信する必要があり得る。ブラシホルダ16を構築するために使用される材料が、摩耗状態モニタ38の無線信号を受信又は送信する能力を妨害する可能性があることを理解することができる。したがって、ブラシホルダ16の無線信号を妨害する部分を除去することにより、摩耗状態モニタ38の無線信号を受信及び/又は送信する能力を向上させることができる。
【0100】
図22は、上述したブラシホルダアセンブリ12の斜視図を示している。更に、図22の詳細図は、下部ビーム32に位置する開口部100を示している。開口部100は、ブラシホルダアセンブリ12の製造ステップにおいて利用することができる。具体的には、開口部100は、傾斜面101を製造する際に利用することができる。例えば、ブラシホルダ16、特に下部ビーム32を構築するときに、開口部100を利用して面101を形成することができる。更に、面101は、上述した取付けブロック(図22には示していない)と係合するブラシホルダ16の特徴部とすることができる。例えば、下部ビーム32は、成形プロセスで形成することができる。成形プロセス(金属射出成形プロセスなど)において下部ビーム32を成形する際に、下部ビーム32に沿って延びる溝114を形成又は画定するために第1の成形用治具を使用し、面101を形成又は画定するために第2の成形用治具を使用することができる。したがって、成形された下部ビーム32から第1の成形用治具及び第2の成形用治具を別々の異なる方向で取り外すことができるように、第1の成形用治具を第2の成形用治具から分離することができる。下部ビーム32を成形する際に、開口部100を通して第2の成形用治具を取り外すこととは無関係に、第1の成形用治具を溝114から取り外すことができる。なおカバープレート93は、組み立てられたブラシホルダアセンブリ12の開口部100を覆って、組み立てられたブラシホルダアセンブリ12において開口部100が見えないように隠すことができることに留意されたい。
【0101】
図23は、上述したブラシホルダアセンブリ12の別の斜視図を示している。具体的には、図23の詳細図は、図22に示した開口部100の別の図を示している。下部ビーム32は、それらの間に溝114を画定している、第1の側壁110及び第2の側壁を含むことができる。溝114は、ブラシホルダアセンブリ10を電気装置に固定するための取付けブロック(図示せず)を取り外し可能に受け入れるように構成されている。開口部100は、第1の側壁110を貫通して溝114内に延びていてもよい。図23は、第1の取付け特徴部105及び第2の取付け特徴部106を示しており、第1の取付け特徴部105及び第2の取付け特徴部106の各々は、上述した取付けブロック(図22には示していない)と係合するように構成されている。傾斜面101は、第1の取付け特徴部105及び第2の取付け特徴部106の両方によって共有することができる。第1の取付け特徴部105及び第2の取付け特徴部106は、集合的に、上部ビーム30を取付けブロックに適切に位置合わせすることができるように、ブラシホルダ16を適切な角度で取付けブロックに向けるように設計されている位置合わせボス(alignment boss)として画定することができる。更に、第1の取付け特徴部105は、ブラシホルダアセンブリ12が取付けブロックに固定されるときに、ブラシホルダ16がその最終位置に回転することを可能にするように設計することができる。
【0102】
当業者には、本開示の態様が、本明細書に記載され本明細書において企図されている特定の実施形態以外の様々な形態で明示され得ることが認識されるであろう。したがって、添付の請求項に記載されている本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、形態及び詳細における逸脱を行うことができる。
図1
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【国際調査報告】