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特表2023-548566手持ち式ロボット手術機器システムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】手持ち式ロボット手術機器システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/00 20160101AFI20231110BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20231110BHJP
   A61B 17/90 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A61B34/00
A61B17/17
A61B17/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527069
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2021058249
(87)【国際公開番号】W WO2022099002
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,685
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
2.SWIFT
3.SMALLTALK
4.PASCAL
5.ADA
6.ERLANG
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】マイケルソン,フィリップ,ブライス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
(57)【要約】
本教示は、ユーザーの手によって自由に把持可能であるように適合された手持ち可能な本体(14)と、手持ち可能な本体と動作可能に連結された軌道アセンブリーと、を含むガイド機器を提供し、軌道アセンブリーは、手持ち可能な本体から延びるシャフト(76)と、シャフトと接続されたピボットフレーム(26)と、を含む。軌道アセンブリーは、ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材(20)と、ガイド部材から外向きに延び、ガイド部材と連結された、支持部材と、シャフトの軸と同じ空間で延び、シャフトの軸に実質的に平行な、2つのアクチュエーターであって、各アクチュエーターが、支持部材と枢動可能に連結された、アクチュエーターと、を含む。軌道アセンブリーは、アクチュエーターの直線運動をガイド部材の枢動運動に変換して軌道軸を調節する。ガイド部材は、ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、目標軌道に合わせて調節可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用デバイスの軌道を位置合わせするためのロボット支援型の手持ち可能なガイド機器であって、
ユーザーの手によって自由に把持可能であり動かされるように適合された、手持ち可能な本体と、
前記手持ち可能な本体と動作可能に連結された軌道アセンブリーと、
を備え、前記軌道アセンブリーは、
前記手持ち可能な本体から延びるシャフトと、
前記シャフトと接続されたピボットフレームと、
前記ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材と、
前記ガイド部材から外向きに延び、前記ガイド部材と連結された、支持部材と、
前記シャフトの軸と同じ空間で延び、前記シャフトの軸に実質的に平行な、2つのアクチュエーターであって、それぞれが前記支持部材と枢動可能に連結された、アクチュエーターと、
を含み、
前記軌道アセンブリーは、前記アクチュエーターの直線運動を前記ガイド部材の枢動運動に変換して軌道軸を調節し、前記アクチュエーターは、前記ガイド部材と連結された前記支持部材を押したり引いたりするように選択的に構成されており、
前記ガイド部材は、前記アクチュエーターを用いて、前記ガイド部材の前記軌道軸を少なくとも2自由度で調節して前記軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、前記目標軌道に合わせて調節可能である、
ガイド機器。
【請求項2】
前記ガイド部材は、外科的処置の間に手術用デバイスが通り抜けることを可能にするように構成されている、請求項1に記載のガイド機器。
【請求項3】
前記ピボットフレームは、前記ピボットフレームの内面に沿って空所を含み、前記空所内にはリテーナーが配設されており、そうすることで、前記アクチュエーターが前記ガイド部材を前記目標軌道に合わせて調節するときに前記ガイド部材と前記ピボットフレームとの前記連結が維持される、請求項1または請求項2に記載のガイド機器。
【請求項4】
前記ピボットフレームおよび前記ガイド部材は、リテンションアセンブリーを含み、前記リテンションアセンブリーは、突出部および相補形のポケットを含む、請求項3に記載のガイド機器。
【請求項5】
前記リテンションアセンブリーは、前記ピボットフレームに対する前記ガイド部材の回転を制限して、前記アクチュエーターの動作の間に前記目標軌道を維持する、請求項4に記載のガイド機器。
【請求項6】
前記アクチュエーターは、前記ガイド部材を前記目標軌道と位置合わせするように、前記ガイド部材のピッチおよびロールを制御する、請求項1から5のいずれか1項に記載のガイド機器。
【請求項7】
ピンを骨の中に載置するために、ユーザーの手によって自由に把持可能で動かされるように適合された手術用ガイド機器であって、
手持ち可能な本体と、
前記手持ち可能な本体と動作可能に連結された軌道アセンブリーと、
を備え、前記軌道アセンブリーは、
前記手持ち可能な本体から延びるシャフトと、
前記シャフトの遠位端と連結されたピボットフレームと、
前記ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材と、
前記ピボットフレームを前記ガイド部材に接続するリテーナーと、
前記ガイド部材から外向きに延び、前記ガイド部材と連結された、支持部材と、
前記支持部材と枢動可能に接続された2つのアクチュエーターと、
を含み、
前記ガイド部材は、前記アクチュエーターを用いて、前記ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して前記軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、前記目標軌道に合わせて調節され、
前記リテーナーは、前記アクチュエーターが前記ガイド部材を前記目標軌道に合わせて調節するときに前記ガイド部材と前記ピボットフレームとの前記連結を維持する、
手術用ガイド機器。
【請求項8】
前記ピボットフレームは、前記ピボットフレームの内面から延びる突出部を含み、前記ガイド部材は、前記ガイド部材の外面に、前記突出部に相補形の溝を含む、請求項7に記載の手術用ガイド機器。
【請求項9】
前記ガイド部材は、外科的処置の間に手術用デバイスが通り抜けることを可能にするように構成されている、請求項7または請求項8に記載の手術用ガイド機器。
【請求項10】
前記ピボットフレームは、前記ピボットフレームの内面に沿って空所を含み、前記空所内にはリテーナーが配設されており、そうすることで、前記アクチュエーターが前記ガイド部材を前記目標軌道に合わせて調節するときに前記ガイド部材と前記ピボットフレームとの前記連結が維持される、請求項7~9のいずれか1項に記載の手術用ガイド機器。
【請求項11】
前記ピボットフレームおよび前記ガイド部材は、リテンションアセンブリーを含み、前記リテンションアセンブリーは、突出部および相補形のポケットを含む、請求項10に記載の手術用ガイド機器。
【請求項12】
前記リテンションアセンブリーは、前記ピボットフレームに対する前記ガイド部材の回転を制限して、前記アクチュエーターの動作の間に前記目標軌道を維持する、請求項11に記載の手術用ガイド機器。
【請求項13】
前記アクチュエーターは、前記ガイド部材を前記目標軌道と位置合わせするように、前記ガイド部材のピッチおよびロールを制御する、請求項7~12のいずれか1項に記載の手術用ガイド機器。
【請求項14】
ロボット支援型の手持ち可能なガイド機器であって、
ユーザーの手によって自由に把持され動かされるように適合された、手持ち可能な本体と、
前記手持ち可能な本体に動作可能に連結された位置決めアセンブリーであって、前記手持ち可能な本体と枢動可能に連結された複数の位置決めアクチュエーターを含む、位置決めアセンブリーと、
前記位置決めアセンブリーの前記複数のアクチュエーターと動作可能に連結された軌道アセンブリーと、
を備え、前記軌道アセンブリーは、
シャフトと、
前記シャフトと連結されたピボットフレームと、
前記ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材と、
前記ガイド部材と連結された支持部材と、
前記支持部材に枢動可能に連結された2つの軌道アクチュエーターと、
を含み、
前記複数の位置決めアクチュエーターは、前記位置決めアセンブリーを前記軌道アセンブリーと動作可能に連結し、前記複数の位置決めアクチュエーターは、前記軌道アセンブリーの姿勢を少なくとも3自由度で調節するように構成されており、
軌道アセンブリーは、前記軌道アクチュエーターを用いて、前記ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して前記軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、前記ガイド部材を前記目標軌道に合わせて調節する、
ガイド機器。
【請求項15】
前記ガイド部材は、外科的処置の間に手術用デバイスが通り抜けることを可能にするように構成されている、請求項14に記載のガイド機器。
【請求項16】
前記位置決めアセンブリーは、前記軌道アセンブリーを目標位置に合わせて調節する、請求項14または請求項15に記載のガイド機器。
【請求項17】
前記位置決めアクチュエーターは、前記手持ち可能な本体に対する前記軌道アセンブリーのピッチ、ロール、および並進を制御する、請求項14~16のいずれか1項に記載のガイド機器。
【請求項18】
前記軌道アクチュエーターは、前記ガイド部材を前記目標軌道と位置合わせするように、前記位置決めアセンブリーに対する前記ガイド部材のピッチおよびロールを制御する、請求項17に記載のガイド機器。
【請求項19】
ロボットガイド機器を使用する方法であって、
前記ロボットガイド機器は、軌道アセンブリーと連結された手持ち可能な本体を含み、前記軌道アセンブリーは、ピボットフレーム、ガイド部材、および複数のアクチュエーターを含み、各アクチュエーターは、前記手持ち可能な本体および前記ガイド部材と枢動可能に連結され、
前記方法は、
前記複数のアクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節することによって、前記手持ち可能な本体に対して2自由度で前記軌道アセンブリーを動かすステップと、
前記手持ち可能な本体に対する前記ガイド部材の動きを3自由度に拘束するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
ロボットガイド機器を使用する方法であって、
前記ロボットガイド機器は、位置決めアセンブリーと連結された手持ち可能な本体を含み、前記位置決めアセンブリーは、前記手持ち可能な本体および軌道アセンブリーと枢動可能に連結された複数の位置決めアクチュエーターを含み、前記軌道アセンブリーは、ピボットフレーム、ガイド部材、および複数の軌道アクチュエーターを含み、各軌道アクチュエーターは、前記ガイド部材と枢動可能に連結され、
前記方法は、
前記手持ち可能な本体に対して3自由度で前記位置決めアセンブリーを調節するステップと、
前記複数の位置決めアクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節して、前記軌道アセンブリーを3自由度で動かすステップと、
前記複数の軌道アクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節することによって、前記手持ち可能な本体および前記位置決めアセンブリーに対して2自由度で前記軌道アセンブリーを動かすステップと、
前記手持ち可能な本体および前記位置決めアセンブリーに対する前記ガイド部材の動きを3自由度に拘束するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年11月6日出願の米国特許仮出願第63/110,685号に対する優先権およびそのすべての利益を主張するものであり、その文献の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、手持ち式手術用ロボット機器システムおよび使用方法に関する
【背景技術】
【0003】
穴をあけるかまたはネジを載置するときに、手術用ツールを拘束するために物理的ガイドが用いられることが多い。場合によっては、物理的ガイドは、置換用植込み片を受けるために関節を準備する目的で、そのような手術用ツールを拘束する。患者に物理的ガイドを位置決めおよび固定するのに必要な時間は、外科的処置を行うのに必要な全体の時間の大部分を占めることがある。
【0004】
ジグを適切に位置合わせおよび固定するために、ならびに穴をあけるために使用される手術用ツールの位置および/または向きを追跡するために、ナビゲーションシステム(トラッキングシステムとも称される)を使用することができる。トラッキングシステムは、典型的には、ツールおよび穿孔される組織と関連付けられた1つまたは複数のトラッカーを用いる。その場合に、ユーザーがディスプレイを見て、所望の軌道に対するツールの現在の位置を判定することができる。ディスプレイは、ツールの進行を視認するために、ユーザーが手術部位から目を離す必要があるように配置される場合がある。そのことによって、ユーザーが手術部位に集中できなくなる恐れがある。また、ユーザーがツールを所望の通りに載置することが難しくなる場合がある。
【0005】
ロボット支援型の手術は、典型的には、6自由度(DOF:degree of freedom)で動くことができるロボットアームを用いた大型のロボットに依存している。それらの大型ロボットは、手術室における動作および操作が煩雑な場合がある。
【0006】
それらの課題のうちの1つまたは複数に対処するためのシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0007】
一般的な一態様は、ユーザーの手によって自由に把持可能であり動かされるように適合された、手持ち可能な本体と、手持ち可能な本体と動作可能に連結された軌道アセンブリーとを含み、軌道アセンブリーは、手持ち可能な本体から延びるシャフトと、シャフトと接続されたピボットフレームとを含む。軌道アセンブリーは、ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材と、ガイド部材から外向きに延び、それと連結された、支持部材と、シャフトの軸と同じ空間で延び、それに実質的に平行な、2つのアクチュエーターであって、それぞれが支持部材と枢動可能に連結された、アクチュエーターとを含む。軌道アセンブリーは、アクチュエーターの直線運動をガイド部材の枢動運動に変換して軌道軸を調節するように構成されており、アクチュエーターは、ガイド部材と連結された支持部材を押したり引いたりするように選択的に構成されている。ガイド部材は、アクチュエーターを用いて、ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、目標軌道に合わせて調節可能である。
【0008】
各実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。ガイド部材は、外科的処置の間に手術用デバイスが通り抜けることを可能にするように構成されている。ピボットフレームは、ピボットフレームの内面に沿って空所を含むことができ、空所内にはリテーナーが配設されており、そうすることで、アクチュエーターがガイド部材を目標軌道に合わせて調節するときにガイド部材とピボットフレームとの連結が維持される。ピボットフレームおよびガイド部材は、リテンションアセンブリーを含むことができ、リテンションアセンブリーは、突出部および相補形のポケットを含む。ピボットフレームのリテンションアセンブリーは、ピボットフレームの内面から延びる突出部を含むことができ、ガイド部材は、ガイド部材の外面に、突出部に相補形の溝またはポケットを含むことができる。リテンションアセンブリーは、ピボットフレームに対するガイド部材の回転を制限して、アクチュエーターの動作の間に目標軌道を維持することができる。アクチュエーターは、ガイド部材を目標軌道と位置合わせするように、ガイド部材のピッチおよびロールを制御する。
【0009】
目標軌道は、計画された植込み位置など、手術計画に基づいて設定できるか、または仮想境界または仮想オブジェクトに従ってユーザーによって設定できる。
【0010】
別の一般的な態様は、ロボット支援型の手持ち可能なガイド機器を含む。ロボット支援型の手持ち可能なガイド機器はまた、ユーザーの手によって自由に把持され動かされるように適合された、手持ち可能な本体と、手持ち可能な本体に動作可能に連結された位置決めアセンブリーであって、手持ち可能な本体と枢動可能に連結された複数の位置決めアクチュエーターを含む、位置決めアセンブリーと、位置決めアセンブリーの複数のアクチュエーターと動作可能に連結された軌道アセンブリーとを含み、軌道アセンブリーは、シャフトと、シャフトと連結されたピボットフレームと、ピボットフレームと枢動可能に連結されたガイド部材と、ガイド部材と連結された支持部材と、支持部材に枢動可能に連結された2つの軌道アクチュエーターとを含む。本機器は、複数の位置決めアクチュエーターが位置決めアセンブリーを軌道アセンブリーと動作可能に連結し、複数の位置決めアクチュエーターが軌道アセンブリーの姿勢を少なくとも2自由度で調節するように構成されていることも含む。本機器は、軌道アセンブリーが、軌道アクチュエーターを用いて、ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、ガイド部材を目標軌道に合わせて調節することも含む。本態様の他の実施形態は、対応するコンピューターシステムと、装置と、1つまたは複数のコンピューターストレージデバイスに記録されたコンピュータープログラムとを含み、それぞれ、本方法の動作を行うように構成されている。
【0011】
上記の態様はいずれも、全体的にまたは部分的に組み合わせることができる。上記の態様の特徴はいずれも、全体的にまたは部分的に組み合わせることができる。いずれかの態様に関する上記の実装形態はいずれも、任意の他の態様と組み合わせることができる。上記の実装形態はいずれも、同じ態様に関するものでも異なる態様に関するものでも任意の他の実装形態と組み合わせることができる。
【0012】
本開示は添付の図面と併せて検討するときに以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解されるようになるため、本開示の利点は容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ロボット手術システムの斜視図である。
図2】ロボット機器の斜視図である。
図3】軌道を調節するロボット機器の斜視図である。
図4A-4B】ニュートラル位置にあるロボット機器を示す図である。
図5A-5B】右に傾斜した位置にあるロボット機器を示す図である。
図6A-6B】左に傾斜した位置にあるロボット機器を示す図である。
図7A-7B】前方に傾斜した位置にあるロボット機器を示す図である。
図8A-8B】後方に傾斜した位置にあるロボット機器を示す図である。
図9】コントロールシステムのブロック図を示し、様々なソフトウェアモジュールも示す図である。
図10A】軌道アセンブリーの部分断面図である。
図10B】アクチュエーターの断面図である。
図10C】アクチュエーターの斜視図である。
図10D】アクチュエーターの斜視図である。
図10E】手持ち部分にあるボールソケット形コネクターの部分断面である。
図11】軌道アクチュエーターの背面斜視図である。
図12A-12B】軌道アセンブリーの正面斜視図である。
図13A-13C】ガイド部材およびピボットフレームの様々な図である。
図14】機器の一実施形態の斜視図である。
図15A-15B】図14の機器の斜視図である。
図16A-16C】ニュートラル軌道かつ右側配列の図14の機器の斜視図である。
図17A-17C】ニュートラル軌道かつ左側配列の図14の機器の斜視図である。
図18A-18C】ニュートラル軌道かつ前方配列の図14の機器の斜視図である。
図19A-19C】ニュートラル軌道かつ後方配列の図14の機器の斜視図である。
図20A-20B】肩に植込み片を処置する前および後の患者の部分解剖図である。
図21】植込み片を組み込むための所望の軌道を位置合わせする機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[概要]
図1を参照すると、手術システム10が示されている。手術システム10は、患者12が肩関節の植込み片IMを受容できるように、患者12の一部分を切除するために患者12に肩の処置を行うところが示されている。手術システム10は、ドリル、ネジ、ピンのガイドまたは他の形態の治療を伴う処置を含む、他のタイプの外科的処置を行うために使用することができる。図1から分かるように、手術システム10は肩の手術を行うところが示されている。いくつかの例において、外科的処置は、膝の手術、股関節の手術、脊椎の手術、および/または足首の手術を含み、膝の植込み片、股関節の植込み片、肩の植込み片、脊椎の植込み片、および/または足首の植込み片など、手術用の植込み片によって置換される予定の組織を除去することを含むことができる。ロボットシステム10およびここに開示される技術は、他の処置、手術、または非手術を行うために用いることができ、ロボットシステムが利用される産業上の用途または他の用途で用いることができる。
【0015】
図1を参照すると、手術システム10はロボットガイド機器14を含む。いくつかの例において、(図1に示されているような)ガイド機器14をユーザーが手で把持および支持する。図2に最もよく示されているように、機器14は、ユーザーが手で掴みかつ/または支持する手持ち部分16を備える。
【0016】
機器14は、ガイドアームを利用せずにユーザーによって自由に動かし支持することができ、例えば、処置中にツールの重量が専らユーザーの手で支持されるように、ピン、ネジ、および/またはドリルの載置をガイドしながら人間のユーザーによって把持されるように構成することができる。言い換えれば、機器14は、ユーザーの手が重力に抗して機器14を支持するように把持されるように構成できる。機器14は、重さが8ポンド以下、6ポンド以下、5ポンド以下、またはそれどころか3ポンド以下とすることができる。機器14は、ANSI/AAMI HE75:2009に対応する重量を有することができる。機器14は、ドライバーなどのツールの軌道をガイドする軌道アセンブリー18も備える。機器14を動作させる本方法は、受動アームまたはロボットアームによる助けなしにユーザーが機器14の重量を吊り下げることを含むことができる。
【0017】
図2を参照すると、以下でさらに説明する手術システム10の一定の動作において、手術用ツール(ドリル、ネジ、ピン、ドライバーなど)の軌道を解剖学的構造と位置合わせするために、軌道アセンブリー18を介してガイド部材20が手持ち部分16に接続している。ガイド部材20は、エンドエフェクターと称されることもある。ガイド部材20は導管として構成でき、その導管を通して開放した通路が配設されている。いくつかの例において、ガイド部材20は、内径が一定の管として構成できる。他の例において、ガイド部材は、導管の第1の端部でより大きい内径を有し、第2の端部でより小さい第2の直径を有することができる。開口部は、ドリル、ネジ、ピン、針などまたはそれらの組み合わせなどの手術機器を収容するように、任意の適切なサイズまたは形状のものでよい。他の例において、ガイド部材20は、ピンまたはネジなどの手術機器および/または手術リテーナーが通り抜けることを可能にできる任意の形状を有してよい。他の例において、ガイド部材20は、「U」字形または「C」字形などの形状を有してよい。ガイド部材20は、ピボットフレーム26と接続されている。ピボットフレーム26は、軌道軸を中心に回転しないようにガイド部材20を拘束することによって、ガイド部材20が調節されている間にガイド部材20を保持する。一例において、ガイド部材20は、必要に応じて新たな/異なるガイド部材20を取り付けできるように、軌道アセンブリー18およびピボットフレーム26から取り外し可能でよい。ガイド部材20は、ドライバーまたは他の手術機器の軌道を患者12の組織と接触させるようにガイドするように設計できる。いくつかの例において、手術機器は、ドリル、または図1に示されているようなドライバー、または生検針など他のタイプの付属品でよい。他の場合には、ガイド部材の代わりに手術用ツールを用いることができる。手術用ツールは、ドリル、ドライバー、タップ、超音波機器、掘削具、のこぎり、または他の切削ツールでよい。このような例においては、ロボット機器は、手術用ツール用の駆動モーターを含むことになる。
【0018】
ユーザーが手持ち部分16を手で把持している間に、1つまたは複数のアクチュエーター21、22を備えるアクチュエーターアセンブリー400が、手持ち部分16に対して2自由度以上で軌道アセンブリー18を動かして、手術用ツールを所望の位置および/または向きに(例えば、外科的処置の間に肩および/または脊椎に対して所望の姿勢に)載置することを支援するロボット運動を提供する。アクチュエーターアセンブリー400は、並列、直列、またはその両方に配置されたアクチュエーター21、22を備えることができる。図2に見られる一例において、アクチュエーター21、22は並列に配置されている。いくつかの例において、アクチュエーター21、22は、手持ち部分16に対して2自由度以上で軌道アセンブリー18を動かす。いくつかの例において、アクチュエーターアセンブリー400は、ピッチおよびロールなど、少なくとも2自由度で、軌道アセンブリー18を手持ち部分16に対して動かすように構成されている。いくつかの例において、本明細書に示されているように、アクチュエーター21、22は、軌道アセンブリー18およびその関連する軌道アセンブリー座標系TCSを、手持ち部分16およびその関連するベース座標系BCSに対して2自由度だけで動かす。例えば、軌道アセンブリー18およびその軌道アセンブリー座標系TCSは、ピッチ運動を提供するためにそのy軸を中心に回転することと、ロール運動を提供するためにそのx軸を中心に回転することができる。z軸の並進運動を提供するために、ベース座標系BCSのz軸と一致する軸Zに沿って並進することが企図される。ピッチ、ロール、およびz軸の並進のうちの起こりうる運動が、図3の矢印によって、および図4A図4B図5A図5B図6A図6B図7A図7B、および図8A図8Bの概略図にそれぞれ示されている。いくつかの例において、アクチュエーターは、手持ち部分16に対して4自由度以上で軌道アセンブリー18を動かすことができる。
【0019】
図2に戻ると、シャフト76およびピボットフレーム26を含む拘束アセンブリー24を用いて、手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18の動きを、アクチュエーターアセンブリーによって制御されない残りの自由度に拘束することができる。ピボットフレーム26は、本明細書に記載するように運動を拘束する任意の適切な形状または構成を備えることができる。図3に示されている例において、ピボットフレーム26は、ヨー運動を拘束するためにベース座標系BCSのz軸を中心にした回転を拘束すること、x軸の並進を拘束するためにベース座標系BCSのx軸方向の並進を拘束すること、およびy軸の並進を拘束するためにベース座標系BCSのy軸方向の並進を拘束することによって、軌道アセンブリー座標系TCSの運動を限定するように動作する。アクチュエーターアセンブリー400およびピボットフレーム26は、以下でさらに説明する一定の状況において、ドリルまたはピンドライバーなど、ガイドチューブを通して挿入される機器またはデバイスの軌道を事実上制御するように制御されている。
【0020】
図9を参照すると、機器14を制御するために、機器コントローラー28または他のタイプの制御ユニットが設けられている。機器コントローラー28は、機器14の動作および手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18(およびガイド部材20)の運動を指揮する、1つもしくは複数のコンピューターまたは任意の他の適切な形態のコントローラーを備えることができる。機器コントローラー28は、中央処理装置(CPU)および/または他のプロセッサー、メモリー、ならびにストレージ(図示せず)を有することができる。機器コントローラー28は、以下で説明するようにソフトウェアを搭載している。プロセッサーは、機器14の動作を制御するために1つまたは複数のプロセッサーを含むこともできる。プロセッサーは、任意のタイプのマイクロプロセッサー、マルチプロセッサー、および/またはマルチコア処理システムとすることができる。機器コントローラー28は、付加的にまたは代替的に、1つもしくは複数のマイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、および/または本明細書に記載する機能を実行できる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、もしくはファームウェアを備えることができる。プロセッサーという用語は、いずれの実施形態も単一のプロセッサーに限定するものではない。機器14は、1つもしくは複数のディスプレイおよび/または入力デバイス(例えば、トリガー、押しボタン、フットスイッチ、キーボード、マウス、マイクロフォン(音声起動)、ジェスチャ制御デバイス、タッチスクリーンなど)を有するユーザーインターフェースUIを備えることもできる。
【0021】
機器コントローラー28はガイド部材20の動作を制御する。機器コントローラー28は、手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18およびガイド部材20の状態(例えば、位置および/または向き)を制御する。機器コントローラー28は、アクチュエーター21、22によって引き起こされる、手持ち部分16に対するおよび/または解剖学的構造に対するガイド部材の運動の速度(線速度または角速度)、加速度、または他の派生物を制御することができる。
【0022】
図3に示されているように、機器コントローラー28は、手持ち部分16に搭載された制御ハウジング29を備えることができ、制御ハウジング29の内側に1つまたは複数の制御盤31(例えば、1つまたは複数のプリント回路基板および関連する電子構成要素)が位置している。制御盤31は、アクチュエーター21、22を(例えば、モーターコントローラーによって)制御するためのマイクロコントローラー、デバイスドライバー、メモリー、センサー、または他の電子構成要素を備えることができる。機器コントローラー28は、制御盤31とデータ通信および電力通信しているオフボードの制御コンソール33を備えることもできる。本明細書に記載されているセンサーSおよび/またはアクチュエーター21、22は、制御盤31に信号を送信することができ、制御盤31は、処理のためにデータ信号をコンソール33に送出し、コンソール33は、アクチュエーター21、22に電力供給し、それらの位置決めを制御するために、制御盤31に電力指令および/または位置指令をフィードバックすることができる。処理が制御ハウジングの制御盤上でも行われ得ることが企図される。もちろん、別個の制御ハウジングが必要ないことが企図される。
【0023】
いくつかの事例において、コンソール33は、アクチュエーター21、22(および/または以下でさらに説明するアクチュエーター94、96、98)に電力供給しそれを制御するための単一のコンソールを備えることができる。いくつかの事例において、コンソール33は、アクチュエーター21、22に電力供給しそれを制御するためのコンソールを1つ備えることができる。駆動モーターMに電力供給しそれを制御するためのこのようなコンソールの一つは、参照により本明細書に組み込まれる、「Control Console to which Powered Surgical Handpieces are Connected,the Console Configured to Simultaneously Energize more than one and less than all of the Handpieces」という名称の2004年9月30日出願の米国特許第7,422,582号に記載されているようなものでよい。フレックス回路としても知られているフレキシブル回路が、アクチュエーター21、22および/または他の構成要素を機器コントローラー28と相互連結することができる。例えば、フレキシブル回路FCは、アクチュエーター21、22と制御盤31との間に設けることができる。有線であれ無線であれ、他の形態の連結が、付加的にまたは代替的に、構成要素の間に存在してよい。
【0024】
図1に戻って簡単に参照すると、手術システム10はさらに、ナビゲーションシステム32を含む。ナビゲーションシステム32の一例が、参照により本明細書に組み込まれる、「Navigation System Including Optical and Non-Optical Sensors」という名称の2013年9月24日出願の米国特許第9,008,757号に記載されている。ナビゲーションシステム32は様々な対象物の動きを追跡する。このような対象物には、例えば、機器14、ガイド部材20、および解剖学的構造、例えば、脊椎および肩が含まれる。ナビゲーションシステム32は、それらの対象物を追跡して、(ナビゲーション)ローカライザー座標系LCLZに対する各対象物の状態情報を収集する。本明細書で用いるように、対象物の状態には、限定されるものではないが、追跡される対象物(例えば、その座標系)の位置および/もしくは向き、またはその位置および/もしくは向きの等価物/派生物を定義するデータが含まれる。例えば、その状態は、対象物の姿勢でよく、かつ/または線速度データ、角速度データなどを含んでよい。
【0025】
ナビゲーションシステム32は、ナビゲーションコントローラー36および/または他のタイプの制御ユニットを収容する、カートアセンブリー34を含むことができる。ナビゲーションユーザーインターフェースUIは、ナビゲーションコントローラー36と動作可能に通信している。ナビゲーションユーザーインターフェースUIは、1つまたは複数のディスプレイ38を含む。ナビゲーションシステム32は、追跡された対象物の相対的な状態のグラフィック描写を、1つまたは複数のディスプレイ38を用いてユーザーに表示することができる。ナビゲーションユーザーインターフェースUIはさらに、ナビゲーションコントローラー36に情報を入力するか、または別法でナビゲーションコントローラー36のある面を選択/制御する、1つまたは複数の入力デバイスを備える。このような入力デバイスは、対話式タッチスクリーンディスプレイを含む。ただし、入力デバイスは、押しボタン、フットスイッチ、キーボード、マウス、マイクロフォン(音声起動)、ジェスチャ制御デバイスなどの任意の1つまたは複数を含むことができる。
【0026】
ナビゲーションシステム32は、ナビゲーションコントローラー36に接続されたナビゲーションローカライザー44も含む。一例において、ローカライザー44は、光学式ローカライザーであり、カメラユニット46を含む。カメラユニット46は、1つまたは複数の光学式センサー50を収容する外部ケーシング48を有する。ローカライザー44は、それ自体のローカライザーコントローラー49を備えることができ、さらにビデオカメラVCを備えることができる。
【0027】
ナビゲーションシステム32は、1つまたは複数のトラッカーを含む。いくつかの例において、トラッカーは、ポインタートラッカーPT、ツールトラッカー52、第1の患者トラッカー54、および第2の患者トラッカー56を含む。図1に示されている例において、ツールトラッカー52は機器14にしっかりと取り付けられており、第1の患者トラッカー54は患者12の上腕骨Hにしっかりと貼付されており、第2の患者トラッカー56は患者12の肩甲骨SCにしっかりと貼付されている。この例において、患者トラッカー54、56は、骨の各部分にしっかりと貼付されている。ポインタートラッカーPTは、解剖学的構造をローカライザー座標系LCLZにレジストレーションさせるために使用され、かつ/または他の較正および/もしくはレジストレーション機能のために使用される、ポインター57にしっかりと貼付されている。1つまたは複数の椎骨、皮膚、脚の骨、股関節など、肩の構成要素以外の患者の他の位置に、患者トラッカーを接続できることも企図される。
【0028】
ツールトラッカー52は、機器14の任意の適切な構成要素に貼付されてよく、いくつかの事例では、手持ち部分16に、軌道アセンブリー18に、ガイド部材20に直接的に、またはそれらの組み合わせに取り付けられてよい。トラッカー52、54、56、PTは、ファスナー、クランプなどによる任意の適切な手法で、それぞれの構成要素に固定することができる。例えば、トラッカー52、54、56、PTは、関連する対象物に対するそれぞれのトラッカーの関係(測定)を判定する適切な(補助的な)手法がある限り、堅固に固定されても、柔軟に連結されても(光ファイバー)、物理的に全く連結されなくてもよい(超音波)。トラッカー52、54、56、PTの任意の1つまたは複数は、アクティブマーカーを含むことができる。アクティブマーカーは発光ダイオード(LED)を含むことができる。代替的に、トラッカー52、54、56、PTは、カメラユニット46から放出される光を反射するリフレクターなどのパッシブマーカーを有することができる。本明細書に詳細に記載しないが、印刷されたマーカー、または他の適切なマーカーも利用できる。
【0029】
対象物を追跡するために様々な座標系を用いることができる。例えば、座標系は、ローカライザー座標系LCLZと、軌道アセンブリー座標系TCSと、ベース座標系BCSと、トラッカー52、54、56、PTのそれぞれと関連付けられた座標系と、解剖学的構造と関連付けられた1つまたは複数の座標系と、解剖学的構造の術前および/または術中の画像(例えば、CT画像、MRI画像など)および/またはモデル(例えば、2Dモデルまたは3Dモデル)と関連付けられた1つまたは複数の座標系と、TCP(ツール中心点)座標系とを備えることができる。様々な座標系の座標は、例えば、レジストレーション、較正、幾何学的関係、測定などによる座標系間の関係を確立する際の変換式を用いて、他の座標系に変換することができる。
【0030】
図3に示されているように、いくつかの例において、TCPは、ガイド部材20の遠位端で定義される、TCP座標系の所定の基準点または原点である。ガイド部材20の形状は、TCP座標系に対しておよび/または軌道アセンブリー座標系TCSに対して定義することができる。ガイド部材20は、TCP座標系に対しておよび/または軌道アセンブリー座標系TCSに対して定義され、ナビゲーションシステム32に格納された、1つまたは複数の幾何学的特徴、例えば、周囲長、円周長、半径、直径、幅、長さ、高さ、体積、面積、表面/平面、(任意の1つまたは複数の軸に沿った)運動エンベロープの範囲などを含むことができる。いくつかの例において、ガイド部材20は、(例えば、ネジを載置するための)軌道を有し、その軌道は、便宜上および例示を簡単にするために記載されるが、いずれの特定の形態にもガイド部材20を限定する意図はない。点、他のプリミティブ、メッシュ、他の3Dモデルなどを用いて、ガイド部材20を仮想的に表すことができる。TCP座標系、軌道アセンブリー座標系TCS、およびツールトラッカー52の座標系は、ガイド部材20の構成に応じて様々な手法で定義することができる。例えば、ポインター57は、ツールトラッカー52の座標系に対する軌道アセンブリー座標系TCSの姿勢を判定する(較正する)、ツールトラッカー52の座標系に対するTCP座標系の姿勢を判定する、および/または軌道アセンブリー座標系TCSに対するTCP座標系の姿勢を判定するために、軌道アセンブリー18および/またはガイド部材20における較正ディボットと共に使用することができる。TCP座標系の姿勢を直接的に測定するために、1つまたは複数の付加的なトラッカー/マーカーをガイド部材20に直接的に取り付け、それを固定することなど、他の技術を使用することもできる。いくつかの事例において、トラッカー/マーカーは、手持ち部分16、軌道アセンブリー18、またはその両方に取り付け、固定することもできる。
【0031】
軌道アセンブリー18がアクチュエーター21、22を介して手持ち部分16に対して複数の自由度で動くことができるので、機器14は、エンコーダー、(アナログまたはデジタルの出力のある)ホール効果センサー、および/または任意の他の位置感知方法を用いて、ベース座標系BCSに対するTCP座標系および/または軌道アセンブリー座標系TCSの姿勢を測定することができる。機器14は、以下でさらに説明するようにベース座標系BCSに対するTCP座標系および/または軌道アセンブリー座標系TCSの姿勢を判定するためにアクチュエーター21、22の動作を測定するセンサーからの測定値を使用することができる。
【0032】
ローカライザー44はトラッカー52、54、56、PT(例えば、その座標系)をモニタリングして、トラッカー52、54、56、PTのそれぞれの状態を判定する。そのトラッカーの状態は、それにそれぞれ取り付けられている対象物の状態にそれぞれ対応する。ローカライザー44は、公知の三角測量技術を行って、トラッカー52、54、56、PTおよび関連する対象物の状態を判定することができる。ローカライザー44は、トラッカー52、54、56、PTの状態をナビゲーションコントローラー36に提供する。いくつかの例において、ナビゲーションコントローラー36は、トラッカー52、54、56、PTの状態を判定し、それを機器コントローラー28に通信する。
【0033】
ナビゲーションコントローラー36は、1つもしくは複数のコンピューター、または任意の他の適切な形態のコントローラーを備えることができる。ナビゲーションコントローラー36は、中央処理装置(CPU)および/または他のプロセッサー、メモリー、ならびにストレージ(図示せず)を有する。プロセッサーは、任意のタイプのプロセッサー、マイクロプロセッサー、またはマルチプロセッサーシステムとすることができる。ナビゲーションコントローラー36はソフトウェアを搭載している。ソフトウェアは、例えば、ローカライザー44から受信した信号を、追跡されている対象物の位置および/または向きを表すデータに変換する。ナビゲーションコントローラー36は、付加的にまたは代替的に、1つもしくは複数のマイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、および/または本明細書に記載されている機能を実行できる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、もしくはファームウェアを備えることができる。プロセッサーという用語は、いずれの実施形態も単一のプロセッサーに限定するものではない。
【0034】
対象物の状態を判定するために三角測量技術を用いたナビゲーションシステム32の一例が示されているが、ナビゲーションシステム32は、機器14、ガイド部材20、および/または患者12を追跡するための任意の他の適切な構成を有してよい。別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザー44は、超音波ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーションコントローラー36に接続された超音波撮像デバイスを備えることができる。超音波撮像デバイスは、前述の対象物のいずれか、例えば、機器14、ガイド部材20、および/または患者12を撮像し、超音波画像に基づいてナビゲーションコントローラー36への状態信号を生成する。超音波画像は、2D、3D、またはその両方の組み合わせでよい。ナビゲーションコントローラー36は、対象物の状態を判定するために、ほぼリアルタイムで画像を処理することができる。超音波撮像デバイスは、任意の適切な構成を有することができ、図1に示されているようなカメラユニット46とは異なっていてよい。
【0035】
別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザー44は、無線周波数(RF)ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーションコントローラー36に接続されたRFトランシーバーを備えることができる。機器14、ガイド部材20、および/または患者12は、それに取り付けられたRFエミッターまたはトランスポンダーを備える。RFエミッターまたはトランスポンダーは、受動的または能動的に通電できる。RFトランシーバーは、RF追跡信号を伝送し、RFエミッターから受信したRF信号に基づいてナビゲーションコントローラー36への状態信号を生成する。ナビゲーションコントローラー36は、受信したRF信号を分析して相対的な状態をそれに関連付けることができる。RF信号は任意の適切な周波数のものでよい。RFトランシーバーは、RF信号を用いて効率的に対象物を追跡するために、任意の適切な位置に位置決めすることができる。さらに、RFエミッターまたはトランスポンダーは、図1に示されているトラッカー52、54、56、PTと大きく異なっていてよい、任意の適切な構造上の構成を有することができる。
【0036】
さらに別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザー44は、電磁ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーションコントローラー36に接続されたEMトランシーバーを備えることができる。機器14、ガイド部材20、および/または患者12は、それに取り付けられた、任意の適切な磁気トラッカー、電磁トラッカー、誘導トラッカーなどのEM構成要素を備えることができる。トラッカーは受動的または能動的に通電できる。EMトランシーバーは、EM場を生成し、トラッカーから受信したEM信号に基づいてナビゲーションコントローラー36への状態信号を生成する。ナビゲーションコントローラー36は、受信したEM信号を分析して、相対的な状態をそれに関連付けることができる。ここでも、このようなナビゲーションシステム32の例は、図1に示されているナビゲーションシステム32の構成とは異なる構造上の構成を有することができる。
【0037】
ナビゲーションシステム32は、ここでは具体的に列挙しない任意の他の適切な構成要素または構造を有することができる。さらに、図示されているナビゲーションシステム32に関して上述した技術、方法、および/または構成要素はいずれも、本明細書に記載されているナビゲーションシステム32の他の例のいずれにも実装または提供することができる。例えば、ナビゲーションシステム32は、慣性追跡を単独で、または追跡技術の任意の組み合わせを利用でき、付加的にまたは代替的に、光ファイバーベースの追跡、マシンビジョン追跡などを含むことができる。
【0038】
図9を参照すると、手術システム10はコントロールシステム60を含み、そのコントロールシステム60は、とりわけ、機器コントローラー28およびナビゲーションコントローラー36を備えている。コントロールシステム60はさらに、1つまたは複数のソフトウェアプログラムおよびソフトウェアモジュールを含む。ソフトウェアモジュールは、ロボットシステム10の制御を助けるためにデータを処理するように、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、またはそれらの組み合わせ上で動作する、1つまたは複数のプログラムの一部とすることができる。ソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールは、コントローラー28、36の1つまたは複数のプロセッサー70によって実行されることになる、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、またはそれらの組み合わせのメモリー64に格納されたコンピューター可読命令を含む。メモリー64は、非一時的メモリー、RAM、不揮発性メモリーなど、任意の適切な構成のメモリーでよく、ローカルにまたはリモートデータベースから実装することができる。付加的に、ユーザーにプロンプトを表示しかつ/またはユーザーと通信するためのソフトウェアモジュールは、1つまたは複数のプログラムの一部を形成することができ、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、またはそれらの組み合わせのメモリー64に格納された命令を含むことができる。ユーザーは、ナビゲーションユーザーインターフェースUIまたは他のユーザーインターフェースUIのいずれかの入力デバイスと対話して、ソフトウェアモジュールと通信することができる。ユーザーインターフェースソフトウェアは、機器コントローラー28および/またはナビゲーションコントローラー36とは別個のデバイス上で動作することができる。機器14は、電源/データ接続を介して機器コントローラー28と通信することができる。電源/データ接続は、ナビゲーションシステム32によって生成され、機器コントローラー28に伝送される位置および向きのデータに基づいて機器14を制御するために使用される、入力および出力のためのパスを提供することができる。
【0039】
コントロールシステム60は、本明細書に記載されている機能および方法を実行するのに適した、任意の適切な構成の入力デバイス、出力デバイス、および処理デバイスを備えることができる。コントロールシステム60は、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、もしくはそれらの組み合わせを備えることができ、かつ/またはそれらのコントローラーのうちの1つだけもしくは付加的なコントローラーを備えることができる。コントローラーは、図9に示されているように有線バスもしくは通信ネットワークを介して、無線通信を介して、または別法で通信することができる。コントロールシステム60は、コントローラーと称されることもある。コントロールシステム60は、1つもしくは複数のマイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、センサー、ディスプレイ、ユーザーインターフェース、インジケーター、および/または本明細書に記載されている機能を実行できる他の適切なハードウェア、ソフトウェアもしくはファームウェアを備えることができる。
【0040】
[機器]
例示的な一構成において、機器14は図10図13Cに最もよく示されている。機器14は、ユーザーによって把持されることになる手持ち部分16と、ガイド部材20を支持するように手持ち部分16に可動接続された軌道アセンブリー18と、手持ち部分16に対して2自由度で軌道アセンブリー18を動かすように軌道アセンブリー18と手持ち部分16とを動作可能に相互連結する、複数のアクチュエーター21、22を有するアクチュエーターアセンブリー400と、軌道アセンブリー18と手持ち部分16とを動作可能に相互連結するピボットフレーム26を有する拘束アセンブリー24とを含む。
【0041】
手持ち部分16は、ユーザーが機器14を手で支持できるようにユーザーによって掴まれるグリップ72を備える。手持ち部分16は、ユーザーの手が把持するためのグリップや、濡れているときかつ/または血が付いているときにユーザーの手が滑らないようにするためのテクスチャード加工または混合材料コーティングなど、人間工学的な特徴を有するように構成することができる。手持ち部分16は、様々な手のサイズのユーザーに対応するようにテーパー部分を含むことができ、ユーザーの手および/または指の輪郭に合うように起伏をつけることができる。手持ち部分16はベース74も備え、ベース74には、1つまたは複数のファスナー、接着剤、溶着などによってグリップ72が取り付けられている。アクチュエーター21、22は、以下でさらに説明するジョイントを介してジョイント支持体77、78において、ベース74に可動接続することができる。
【0042】
図2図10、および図11に最もよく示されているように、軌道アセンブリー18、特にガイド部材20は、コントロールアーム80を備える。各コントロールアーム80はアクチュエーターマウント86、88を含み、アクチュエーターマウント86、88において、アクチュエーター21、22が、以下でさらに説明するように、ジョイントを介してガイド部材20のコントロールアーム80に可動接続されることになる。アクチュエーターマウント86、88は、軌道アセンブリー18が手持ち部分16に対して少なくとも2自由度で動くことができるように、アクチュエーター21、22を組み付けるのに適したブラケットなどを備えることができる。
【0043】
アクチュエーター21、22は、図示の事例において、ベース74とガイド部材20のコントロールアーム80との間で延びる電気リニアアクチュエーターを備える。作動すると、アクチュエーター21、22の有効長さが変化して、アクチュエーター21、22の対応する軸に沿って、ガイド部材20と手持ち部分16のベース74との間の距離が変更される。それゆえ、アクチュエーター21、22は協働してそれらの有効長さを変更し、手持ち部分16に対して少なくとも2自由度で軌道アセンブリー18を動かす。図示の事例では、2つのアクチュエーター21、22が設けられており、第1および第2のアクチュエーター21、22または軌道アセンブリーアクチュエーター21、22と称されることがある。第1および第2のアクチュエーター21、22は、第1の能動軸AA1および第2の能動軸AA2に沿って有効長さを調節可能である(図11参照)。第1および第2のアクチュエーター21、22は、先に説明したように、手持ち部分16に対するガイド部材20のピッチの向き、ロールの向き、またはその両方のうちの1つまたは複数を調節するように、有効長さを独立に調節可能である。以下でさらに説明するいくつかの例では、より多くのアクチュエーターを設けることができる。いくつかの例において、アクチュエーター21、22は、ロータリーアクチュエーターを備えることができる。アクチュエーター21、22は、任意の適切なサイズまたは形状のリンクを1つまたは複数有するリンケージを備えることができる。アクチュエーター21、22は、手持ち部分16に対して少なくとも2自由度のガイド部材20の動きを可能にするのに適した任意の構成を有することができる。
【0044】
この事例において、アクチュエーター21、22は、複数の能動ジョイントを介して、ベース74およびガイド部材20のコントロールアーム80に接続されている。能動ジョイントは、アクチュエーターマウント77、78においてアクチュエーター21、22をベース74に接続する第1能動ジョイント92を1組含む。一事例において、図10に示されているように、第1の能動ジョイント92は、能動球ジョイント81を備える。球ジョイント81はソケットコネクター82を備える。第1のソケットコネクター82は、アクチュエーターマウント77、78を、アクチュエーター21、22の球スタッド84と枢動可能に連結する。その結果、アクチュエーター21、22は、手持ち部分16のベース74に対して少なくとも2自由度で動くことができる。ピンを受けるU字ジョイントを備えた能動ジョイントブロックなど、他のタイプの能動ジョイントも企図される。
【0045】
図10を参照すると、能動ジョイントは、軌道アクチュエーター21、22をガイド部材20のコントロールアーム80に接続する第2の能動ジョイント108も1組備える。図示の事例において、第2の能動ジョイント108は、ジョイント支持体86、88において支持されている。一例において、第2の能動ジョイント108はそれぞれ、ガイド部材20のコントロールアーム80に対して枢動するように配置された球ジョイント110を備える。各球ジョイント110は、アクチュエーター21、22から延びるボールスタッド112を有し、ボールスタッド112は、ジョイント支持体86、88の一方におけるコントロールアーム80それぞれのソケットマウント114に枢動可能に係合し、そうすることで、それぞれのアクチュエーター21、22がそのそれぞれのジョイント支持体77、78内で枢動でき、手持ち部分16に対してガイド部材20を動かす。
【0046】
図10を参照すると、アクチュエーター21、22はそれぞれ、ハウジング134を備える。ハウジング134は、キャニスター136と、キャニスター136にネジ連結されたキャップ138とを備える。第1の能動ジョイント92の一部を形成するボールスタッド84は、ハウジング134に固定されており、そうすることで、ハウジング134およびボールスタッド84は、第1の能動ジョイント92を介して手持ち部分16に対して一緒に動くことができる。
【0047】
アクチュエーター21、22はそれぞれ、各ハウジング134に配設されたモーター142も備える。モーター142は、ハウジング134に配設されたケーシング144と、ケーシング144内に配設されたモーター巻線アセンブリー146とを有する。各モーター142は、親ネジ150に固定された回転子148も有する。親ネジ150は、1つまたは複数のブッシュおよび/またはベアリング151によって、ハウジング134内で回転するように支持されている。回転子148および関連する親ネジ150は、モーター142の選択的な通電の際にハウジング134に対して回転するように構成されている。親ネジ150は、逆作動しないように細かいピッチおよびリード角を有する(すなわち、セルフロックしている)。その結果、軌道アセンブリー18に加えられる負荷が、モーター142を簡単に逆作動させることはない。いくつかの例において、親ネジ150は、3級の8-36のネジ山を有し、リードが0.02から0.03インチ/回転である。他のネジ山のタイプ/サイズを用いてもよい。
【0048】
アクチュエーター21、22はそれぞれ、別々のモーターコントローラーによって制御することができる。モーターコントローラーは、各アクチュエーター21、22を個別に所与の目標位置に向けるために、アクチュエーター21、22それぞれに別々に接続することができる。いくつかの例において、モーターコントローラーは、比例積分微分(PID:proportional integral derivative)コントローラーである。いくつかの例において、モーターコントローラーは、機器コントローラー28と一体にするかまたはその一部を形成することができる。例示を簡単にするために、モーターコントローラーは、機器コントローラー28の一部分として本明細書に記載されるものとする。
【0049】
電源は、コンソール33を介してモーター142に、例えば32VDC電力信号を供給する。32VDC信号は、機器コントローラー28を通してモーター142に印加される。機器コントローラー28は、各モーター142に電力信号を選択的に供給して、モーター142を選択的に起動する。モーター142のこのような選択的な起動によってガイド部材20が位置決めされる。モーター142は、ブラシレスDCサーボモーター、他の形態のDCモーターなどを含む、任意の適切なタイプのモーターでよい。電源はまた、機器コントローラー28に電力供給して、機器コントローラー28内部の構成要素に通電する。電源が、例えば、12VDC、24VDC、40VDCなど、他のタイプの電力信号を供給できることを理解されたい。代替的に、機器はバッテリーパックを含むことができる。
【0050】
1つまたは複数のセンサーS(ここでも図10参照)が機器コントローラー28に信号を伝送して戻し、そうすることで、機器コントローラー28は、関連するアクチュエーター21、22の現在の位置(すなわち、測定位置)を判定することができる。それらの信号のレベルは、関連する回転子148の回転位置に応じて異なる場合がある。一実装形態において、センサーSは、所与の回転内の回転子148の回転位置を高精度で解明することができる。それらのセンサーSは、回転子148からまたは親ネジ150に載置された他の磁石から、感知した磁場に基づいてアナログ信号および/またはデジタル信号を出力するホール効果センサーでよい(例えば、図10の2極磁石MG参照)。ホール効果センサーに通電するための低電圧信号、例えば、5VDCを、ホール効果センサーが関連付けられたモーター142と関連するモーターコントローラーから供給できる。いくつかの例において、回転子の位置を感知するために、2つのホール効果センサーがハウジング134に配設され、回転子148の周りで互いに90度離間しており、そうすることで、機器コントローラー28は、回転子148の位置を判定し、その増分回転をカウントすることができる(このようなセンサーSおよび磁石MGの一つが図10に示されている)。いくつかの事例において、ホール効果センサーは、増分カウントを表すデジタル信号を出力する。様々なタイプのモーターおよびセンサーの構成が可能である。いくつかの例において、モーター142はブラシレスDCサーボモーターであり、2つ以上の内部ホール効果センサーは回転子148の周りで互いから90度、120度、または任意の他の適切な間隔だけ離間していてよい。センサーSは、アブソリュートエンコーダーまたはインクリメンタルエンコーダーを備えることもでき、そのエンコーダーを用いて、回転子148の回転位置を検出し、回転子148の回転をカウントすることができる。1つまたは複数のセンサーとして他のタイプのエンコーダーを使用してもよい。センサーは、アクチュエーター上で、およびハウジング、ナット、ネジなど、調節される各アクチュエーターの位置を判定するのに適した周辺構成要素上で、任意の適切な位置に載置することができる。さらに別の構成において、センサーレスモーター制御を利用することができる。このような実装形態において、各回転子の位置は、モーターの逆起電力および/またはインダクタンスを測定することによって判定できる。適切な一例を米国特許第7,422,582号に見出すことができ、その文献は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
いくつかの例において、ホール効果センサーからの出力信号が機器コントローラー28に送信される。機器コントローラー28は、受信した信号をそのレベルの変化についてモニタリングする。それらの信号に基づいて、機器コントローラー28は回転子の位置を判定する。回転子の位置は、初期位置すなわちホーム位置から回転子148が回転した程度と見なすことができる。回転子148は360°の回転を複数回行うことができる。したがって、回転子の位置は360°を超える場合がある。カウントと称されるスカラー値が、ホーム位置からの回転子の位置を表す。回転子148は、時計回り方向にも反時計回り方向にも回転する。複数の信号(アナログまたはデジタル)の信号レベルが、定義された状態変化を起こすたびに、機器コントローラー28は、そのカウントをインクリメントまたはデクリメントして、回転子の位置変化を示す。回転子148が完全に360°回転するごとに、機器コントローラー28は、カウント値を固定カウント数だけインクリメントまたはデクリメントする。いくつかの例において、カウントは、回転子148の360度の回転につき100と3,000との間でインクリメントまたはデクリメントされる。いくつかの例において、回転子の位置をモニタリングするためにインクリメンタルエンコーダーが使用されるときなど、回転子148の360度の回転ごとに1,024の位置(カウント)が存在する。機器コントローラー28の内部には、各アクチュエーター21、22と関連付けられたカウンターがある。そのカウンターは、インクリメントまたはデクリメントされたカウントの累計数に等しい値を格納する。カウント値は、正、ゼロ、または負とすることができる。いくつかの事例において、カウント値は、回転子148のインクリメンタルな動きを定義する。それゆえ、アクチュエーター21、22の回転子148は、まず、ホーム位置と称される既知の位置(以下でさらに説明する)に動かされ、その後、カウント値を使用して回転子148の現在の位置を定義することができる。
【0052】
親ネジ150はそれぞれ、キャリア116とネジ連結されている。キャリア116は、親ネジ150を受けるために雌ネジボア117を有し、そうすることで、親ネジ150はそれぞれ、キャリア116のうちの対応する1つを並進させて、複数のアクチュエーター21、22のうちの対応する1つの有効長さを調節することができ、その結果、機器コントローラー28によって測定されるカウントが変更される。親ネジ150が回転すると、手持ち部分16およびアクチュエーターモーター142に対してキャリア116が伸長および収縮することが可能になる。キャリア116は、アクチュエーター21、22のそれぞれから延びるボールスタッド112と一体にされている。ハウジング134および対応するキャリア116はそれぞれ、親ネジ150がキャリア116に対して回転できるように、少なくとも1自由度の相対的な動きが拘束される。いくつかの例において、図10A図10Dに示されているように、キャリアは1つまたは複数のレール180を含み、レール180は、アクチュエーターモーターハウジング134の相補形のスロット178で受けられる。レール180および相補形のスロット178によって、ボールスタッド112と連結されたキャリア116を親ネジ150が上昇および下降させて、作動時に各キャリア116を長手方向に効率的に並進させることが可能になる(すなわち、図10Bの方向矢印参照)。より詳細には、ボールスタッド84が関連する能動軸AA1、AA2を中心に回転できないこと(すなわち、第1の能動ジョイント92、特にソケットマウント82内のリテーナー176と、ボールスタッド84上の相補形の溝174との構成によって、ボールスタッド84はこのような回転運動が制限されている-図10A図10C、および図10E参照)と、キャリア116が関連する能動軸AA1、AA2を中心に回転できないこと(すなわち、レール180と相補形のスロット178との構成によって、キャリア116はそのような回転運動が制限されている)とのおかげで、親ネジ150はキャリア116に対して回転することができる。他の例において、アクチュエーターモーター142に対する第1の能動ジョイント92およびキャリア116の回転運動を抑える他の方法が企図される。
【0053】
先に説明したように、アクチュエーター21、22は、手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18の動きを可能にするように、有効長さを能動的に調節可能である。その有効長さの一例は、図11でアクチュエーター21に「EL」を付した。ここで、有効長さELは、関連するキャリア116の中央から関連する第1の能動ジョイント92の中央まで測定される。各アクチュエーター21、22が調節されるときに、関連するキャリア116の中に親ネジ150がネジ込まれる距離またはそこから出される距離を変更することによって有効長さELが変化し、そうすることで、関連するキャリア116の中央から関連する第1の能動ジョイント92の中央までの距離が変更される。アクチュエーター21、22は、有効長さELの最小値と最大値との間で調節可能である。各アクチュエーター21、22の有効長さELは、手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18の様々な動きを引き起こすために変化する、能動軸AA1、AA2に沿ったガイド部材20と手持ち部分16との間の距離を示す任意の適切な手法で表す/測定することができる。
【0054】
拘束アセンブリー24は、アクチュエーター21、22によって提供される動きを拘束するようにアクチュエーター21、22と協働する。アクチュエーター21、22は2自由度の動きを提供し、拘束アセンブリー24は3自由度の動きを拘束する。図示の事例において、拘束アセンブリー24は、ピボットフレーム26、ならびにピボットフレーム26を手持ち部分16のベース74に接続するシャフト76を備える。シャフト76は、アクチュエーター21、22とは独立に、ピボットフレーム26と手持ち部分16とを動作可能に相互連結する。
【0055】
一事例において、図11および図12A図12Bに示されているように、アクチュエーター21、22が異なる位置にあることが表示されており、異なる軌道を有するガイド部材20が示されている。図11において、アクチュエーター21および22が中央位置にあり、その結果、ガイド部材20がピボットフレーム26内で中央にあり、軌道がピボットフレーム26の底面に垂直になっているところが示されている。図12Aおよび図12Bは、ガイド部材20の軌道を調節するようにアクチュエーター21、22が別々の位置に動かされたところを示す。各アクチュエーターが通電されると、アクチュエーターモーター142はキャリア116内で親ネジ150を回転させて、ボールスタッド112が、続いて、コントロールアーム80が、押されるかまたは引かれて、ガイド部材20の軌道が変更される。ピボットフレーム26は、ガイド部材20の回転を防止しながら、ガイド部材20を枢動させることができる。その結果、ガイド部材20は、手持ち部分16のベース74に対して2自由度で動くことができる。
【0056】
アクチュエーター21、22が作動されると、ガイド部材20はピボットフレーム26内で枢動する。ガイド部材20は、その軌道を調節する間は軌道軸TAを中心に回転しないように、ピボットフレーム26内で保持される。一例において、図13A図13Cに示されているように、ガイド部材20は、ピボットフレーム26のボアに保持され、変形可能なシールおよび回転防止アセンブリーによって保持されている。回転防止アセンブリーはリテンションアセンブリーと呼ばれることもある。一例において、変形可能なシールはOリングでよく、回転防止アセンブリーは、ガイド部材の外面にある相補形の受け部を有する、ピボットフレーム26のボアに延びる突出部でよい(すなわち、フィンガーアンドグルーブ機構)。ガイド部材の外面は、変形可能なシールおよび回転防止アセンブリーに接触しそれを受けるような形状でよい。ただし、ガイド部材をピボットフレーム内に保持し、軌道軸を中心にした拘束なしの回転を防ぐための任意の適切な特徴が企図される。
【0057】
図示の事例において、アクチュエーター21、22は、中央位置にあるときを含め、アクチュエーター21、22がどの位置にあっても能動軸AA1、AA2が平行な構成になるように配置されている。軸AA1、AA2を概して平行に維持すると、より細いベース74および関連するグリップ72を可能になるようにアクチュエーターの構成が維持される。能動軸AA1、AA2が傾いた構成にあることを含む、他の構成が企図される。
【0058】
アクチュエーター、能動ジョイント、および拘束アセンブリーのさらなる構成が可能である。いくつかの事例において、拘束アセンブリーは無くてよく、機器14の軌道アセンブリー18は手持ち部分16に対してさらなる自由度で可動である可能性がある。さらに、先に言及したように、以下で説明するアクチュエーターアセンブリーを用いてよい。
【0059】
[代替的構成]
図14図19Cを参照すると、代替的構成の機器14’が示されており、機器14’は、手持ち部分16’と動作可能に連結された複数の位置決めアクチュエーター94、96、98を含む位置決めアセンブリー100と、軌道アクチュエーター21’、22’を含む軌道アセンブリー18’と、ピボットフレーム26’を有する拘束アセンブリー24’と、ガイド部材20’とを含む。位置決めアセンブリー100は、軌道アセンブリー18’の姿勢を少なくとも3自由度で調節するように構成されており、軌道アセンブリー18’は、軌道アクチュエーター21’、22’を用いて、ガイド部材の軌道軸を少なくとも2自由度で調節して軌道軸TAを目標軌道と位置合わせすることによって、ガイド部材20’を目標軌道に合わせて調節するように構成されている。
【0060】
図14および図15A図15Bを参照すると、機器14’は、ユーザーによって把持されることになる手持ち部分16’を含む。手持ち部分16’は、機器14’のうちの、ユーザーが把持し、手持ち可能な本体16’を握ることによって手で支持する部分である。手持ち部分16’によって、拘束なしにユーザーが機器14’を動かし、操作することが可能になる。位置決めアセンブリー100は、手持ち式本体16’に可動接続されている。手持ち部分16’と位置決めアセンブリー100とが動作可能に相互連結されるように、第1の位置決めアクチュエーター96および第2の位置決めアクチュエーター98が、ピボット部材102に沿って、手持ち部分16’と調節ベース103との間に位置している。位置決めアクチュエーター96、98は、組立ておよび機能が図10図12Bを参照しながら上述した軌道アクチュエーター21、22と実質的に同様でよい。位置決めアクチュエーター96、98は、軌道アセンブリー18’のピッチおよびロールを調節するように構成することができる。位置決めアクチュエーター96、98は、能動ジョイント104において手持ち部分16’におよび能動ジョイント106において調節ベース103に連結されている。ピボット部材102は、手持ち部分16’に固定されており、手持ち部分16’に対して動かない。むしろ、ピボット部材102は、ボールソケット形連結として構成された能動ジョイント107で調節ベース103に連結されており、ピボット部材102の連結端部がボールを有し、調節プレート103が受容ソケットを有する。
【0061】
位置決めアクチュエーター96、98は、図示の事例において、手持ち部分16’と調節プレートとの間で延びる電気リニアアクチュエーターを備える。作動すると、アクチュエーター96、98の有効長さが変化して、位置決めアクチュエーター96、98の対応する軸に沿って手持ち部分16’と調節プレート103との間の距離が変更される(図15A図15B)。それゆえ、アクチュエーター96、98は協働してそれらの有効長さを変更し、手持ち部分16’に対して少なくとも3自由度で位置決めアセンブリー100を動かす。位置決めアクチュエーター96、98は、第1の能動軸AA1’および第2の能動軸AA2’に沿って有効長さを調節可能である(図15B参照)。第1および第2の位置決めアクチュエーター96、98は、ピッチの向きおよびロールの向きのうちの1つまたは複数を調節するように、有効長さを独立に調節可能である。アクチュエーター96、98は、いくつかの例において、ロータリーアクチュエーターを備えることができる。アクチュエーター96、98は、任意の適切なサイズまたは形状のリンクを1つまたは複数有するリンケージを備えることができる。位置決めアクチュエーター96、98は、手持ち部分16’に対して少なくとも3自由度で軌道アセンブリー18’を動かすように、位置決めアセンブリー100の動きを可能にするのに適した任意の構成を有することができる。
【0062】
本事例において、位置決めアクチュエーター96、98は、複数の能動ジョイント104、106を介して、調節ベース103および手持ち部分16’に接続されている。能動ジョイントは、アクチュエーターマウント115においてアクチュエーター96、98を手持ち部分16’に接続する第1の能動ジョイント104を1組含む。一事例において、図14に示されているように、第1の能動ジョイント104は、能動球ジョイントを備える。球ジョイントはソケットコネクター118を備える。ソケットコネクター118は、アクチュエーターマウント115を、アクチュエーター96、98の球スタッド120と枢動可能に連結する。その結果、アクチュエーター96、98は、手持ち部分16’に対して少なくとも3自由度で、位置決めアセンブリー100(および続いて軌道アセンブリー18’)を動かすことができる。ピンを受けるU字ジョイントを備えた能動ジョイントブロックなど、他のタイプの能動ジョイントも企図される。
【0063】
図14を参照すると、能動ジョイントは、位置決めアクチュエーター96、98を調節ベース103に接続する第2の能動ジョイント106も1組備える。図示の事例において、第2の能動ジョイント106は、ジョイント支持体130において支持されている。第2の能動ジョイント106はそれぞれ、調節ベース103に対して枢動するように配置された球ジョイントを備える。各球ジョイントは、アクチュエーター96、98から延びるボールスタッド158を有し、ボールスタッド158は、調節ベース103におけるソケットマウント160に枢動可能に係合し、そうすることで、それぞれのアクチュエーター96、98が能動ジョイント106内で枢動でき、手持ち部分16’に対して位置決めアセンブリー100を動かして、軌道アセンブリー18’の位置を変更する。
【0064】
図15A図15Bに示されているように、位置決めアクチュエーター96、98およびピボット部材102は、手持ち部分16’および機器14’の長手方向軸に対して傾いた、並列の構成になるように配置されている。位置決めアクチュエーター96、98およびピボット部材102は、概して三角形の形状に配置されており、ピボット部材102が前方位置に、位置決めアクチュエーター96、98が後方位置にある。位置決めアセンブリーはさらに、機器14’の長手方向軸に沿って配置された並進アクチュエーター94を含む。並進アクチュエーター94は、位置決めアクチュエーター96、98およびピボット部材102の反対側で、調節ベース103に連結されている。並進アクチュエーター94は、軌道アセンブリー18’の長手方向の並進を制御するように構成することができる。
【0065】
位置決めアセンブリー100は、手持ち部分16’に対するz軸並進(手持ち部分16’に対する長手方向の並進)、ピッチ、およびロールを変更するように、軌道アセンブリー18’を3自由度で動かすように構成されている。位置決めアセンブリーは、並進アクチュエーター94を通して軌道アセンブリー18’に連結されている。並進アクチュエーターは、位置決めアクチュエーター96、98および軌道アクチュエーター21’、22’と実質的に同様であり、実質的に同様に動作する。並進アクチュエーター94は、能動軸AA3に沿って有効長さELを変更する(図15A図15B)。並進アクチュエーター94は、能動ジョイントと連結しておらず、むしろ、位置決めアセンブリー100および手持ち部分16’に対して軌道アセンブリー18’を並進させるように位置決めアセンブリーと軌道アセンブリー18’との間で固定されている。
【0066】
図14図19Cに最もよく示されているように、軌道アセンブリー18’は軌道ベース172を備え、軌道ベース133は、位置決めアセンブリー100の並進アクチュエーター94ならびに拘束アセンブリー24’および軌道アクチュエーター21’、22’に動作可能に連結されている。
【0067】
上述したように、軌道アクチュエーター21’、22’は、図示の事例において、軌道ベースとガイド部材20’のコントロールアーム80’との間で延びる電気リニアアクチュエーターを備える。作動すると、アクチュエーター21’、22’の有効長さが変化して、軌道アクチュエーター21’、22’の対応する軸に沿って、ガイド部材20’と軌道ベース172との間の距離が変更される。それゆえ、アクチュエーター21’、22’は協働してそれらの有効長さを変更し、手持ち部分16’および位置決めアセンブリーに対して少なくとも2自由度で軌道アセンブリー18’を動かす。図示の事例では、2つの軌道アクチュエーター21’、22’が設けられており、第1および第2の軌道アクチュエーター21’、22’または軌道アセンブリーアクチュエーター21’、22’と称されることがある。軌道アクチュエーター21’、22’は、能動軸AA4および能動軸AA5に沿って有効長さを調節可能である(図15A図15B参照)。第1および第2のアクチュエーター21’、22’は、先に説明したように、手持ち部分16’に対するガイド部材20’のピッチの向きおよびロールの向きのうちの1つまたは複数を調節するように、有効長さを独立に調節可能である。アクチュエーター21’、22’は、いくつかの例において、ロータリーアクチュエーターを備えることができる。アクチュエーター21’、22’は、任意の適切なサイズまたは形状のリンクを1つまたは複数有するリンケージを備えることができる。アクチュエーター21’、22’は、手持ち部分16’および位置決めアセンブリー100に対して少なくとも2自由度のガイド部材20’の動きを可能にするのに適した任意の構成を有することができる。
【0068】
この事例において、軌道アクチュエーター21’、22’は、複数の能動ジョイントを介して、軌道ベース172およびガイド部材20’のコントロールアーム80’に接続されている。能動ジョイントは、アクチュエーターマウント77’、78’においてアクチュエーター21’、22’を軌道ベース172に接続する第1の能動軌道ジョイント92’を1組含む。一事例において、図14に示されているように、第1の能動ジョイント92’は、能動球ジョイント81’を備える。球ジョイント81’はソケットコネクター82’を備える。第1のソケットコネクター82’は、アクチュエーターマウント77’、78’を、アクチュエーター21’、22’の球スタッド84’と枢動可能に連結する。その結果、アクチュエーター21’、22’は、並進アクチュエーター94および位置決めアセンブリー100に対して少なくとも2自由度でガイド部材20’を動かすことができる。ピンを受けるU字ジョイントを備えた能動ジョイントブロックなど、他のタイプの能動ジョイントも企図される。
【0069】
図14を参照すると、能動ジョイントは、軌道アクチュエーター21’、22’をガイド部材20’のコントロールアーム80’に接続する第2の能動ジョイント108’も1組備える。図示の事例において、第2の能動ジョイント108’は、ジョイント支持体86’、88’において支持されている。第2の能動ジョイント108’はそれぞれ、ガイド部材20’のコントロールアーム80’に対して枢動するように配置された球ジョイント110’を備える。各球ジョイント110’は、アクチュエーター21’、22’から延びるボールスタッド112’を有し、ボールスタッド112’は、ジョイント支持体86’、88’の一方におけるコントロールアーム80’のそれぞれのソケットマウント114’に枢動可能に係合し、そうすることで、それぞれのアクチュエーター21’、22’がそのそれぞれのジョイント支持体77’、78’内で枢動でき、手持ち部分16’および位置決めアセンブリー100に対してガイド部材20’を動かす。
【0070】
拘束アセンブリー24’は、アクチュエーター21’、22’によって提供されるガイド部材20’の動きを拘束するように軌道アクチュエーター21’、22’と協働する。アクチュエーター21’、22’は2自由度の動きを提供し、拘束アセンブリー24’は3自由度の動きを拘束する。図示の事例において、拘束アセンブリー24’は、ピボットフレーム26’、ならびにピボットフレーム26’を手持ち部分16’のベース74’に接続するシャフト76’を備える。ガイド部材20’はコントロールアーム80’を備える。各コントロールアーム80’はアクチュエーターマウント86’、88’を含み、アクチュエーターマウント86’、88’において、アクチュエーター21’、22’が、ジョイントを介してガイド部材20’のコントロールアーム80’に可動接続されることになる。アクチュエーターマウント86’、88’は、軌道アセンブリー18’が位置決めアセンブリー100に対して少なくとも2自由度で動くことができるように、アクチュエーター21’、22’を組み付けるのに適したブラケットなどを備えることができる。
【0071】
図15A図19Cに示されているように、アクチュエーター21’、22’、94、96、98が異なる位置にあることが表示されており、位置決めアセンブリー100および軌道アセンブリー18’が異なる位置にあることが示されている。図15A図16Bにおいて、アクチュエーター21’、22’、94、96、98は、中央位置に、したがって機器14’のニュートラル位置にあるところが示されている。ガイド部材20’は、ピボットフレーム26’内で中央にあり、軌道がピボットフレーム26’の底面に対して垂直になっている。
【0072】
アクチュエーター21’、22’が作動されると、ガイド部材20’はピボットフレーム26’内で枢動する。ガイド部材20’は、その軌道を調節する間は軌道軸TAを中心に回転しないように、ピボットフレーム26’内で保持される。
【0073】
図13A図13Cに戻ると、ガイド部材20は、ピボットフレーム26のボアに保持され、変形可能なシール162および回転防止アセンブリー164によって保持されている。一例において、変形可能なシール162はOリングでよく、回転防止アセンブリー164は、ガイド部材20の外面にある相補形の受け部168を有する、ピボットフレーム26のボア170に延びる突出部166を含んでよい。ガイド部材20の外面は、変形可能なシール162および回転防止アセンブリー164に接触しそれを受けるような形状でよい。ただし、ガイド部材20をピボットフレーム26内に保持し、軌道軸を中心にした回転を防ぐための任意の適切な特徴が企図される。
【0074】
図示の事例において、位置決めアクチュエーター96、98および軌道アクチュエーター21’、22’は、アクチュエーターが中央位置にあるときを含め、どの位置にあっても、能動軸AA1’、AA2’およびAA4、AA5がそれぞれ平行な構成にあるように配置されている。軸AA1’、AA2’およびAA4、AA5を概して平行に維持すると、アクチュエーターの構成が直列に維持され、より細いベース74’が可能になる。付加的に、アクチュエーター21’、22’、96、98の構成は、軌道アセンブリー18’およびガイド部材20’のより優れた調節を可能にする。
【0075】
図16A図16Cは、アクチュエーター96、98が機器14’の位置を右側配列に調節するところを示す。アクチュエーター96が伸長され、アクチュエーター98が後退されると、位置決めアセンブリー100は右に動かされる。位置決めアセンブリー100は調節ベース103を動かして、軌道アセンブリー18’の位置を変更する。軌道アクチュエーター21’、22’は、アクチュエーター22’を伸長しアクチュエーター21’を後退させることでガイド部材20’の軌道を調節することによって右側配列を補償し、そうすることで、手持ち部分16’が配置されている角度に実質的に合致する軌道に合わせてガイドアーム80’がガイド部材20’を調節する。同様に、図17A図17Cは左側配列の機器14’を示す。位置決めアセンブリー100は、アクチュエーター98を伸長しアクチュエーター96を後退させることによって、調節ベース103を左に位置決めしている。軌道アセンブリー18’は、アクチュエーター22’を後退させてガイドアーム80’の一方を引き上げるように調節し、他方のガイドアーム80’を押し下げるようにアクチュエーター21’を伸長する。ガイド部材20’は、続いて、手持ち部分16’の位置に対して所望の軌道に動かされる。
【0076】
図18A図18Cおよび図19A図19Cを参照すると、位置決めアクチュエーター96、98は中央位置にある。図18A図18Cは、並進アクチュエーター94が伸長位置にあり、軌道アセンブリーを前方に傾斜させるところを示す。前方傾斜を補償するために、軌道アセンブリーアクチュエーター21’、22’は後退されて、ガイド部材20’を軌道アセンブリー18’に向けて調節し、軌道が垂直に維持される。同様に、図19A図19Cは、並進アクチュエーター94が十分に後退した位置にあり、軌道アセンブリー18’を後方に傾斜させるところを示す。動きを補償するために、軌道アクチュエーター21’、22’は伸長され、コントロールアーム80’を押し下げて、ガイド部材20’が垂直の軌道に合わせて調節される。
【0077】
位置決めアセンブリー、軌道アセンブリー、アクチュエーター、能動ジョイント、および拘束アセンブリーのさらなる構成が可能である。いくつかの事例において、拘束アセンブリーは無くてよく、機器14’の軌道アセンブリー18’は、手持ち部分16’に対してさらなる自由度で可動である可能性がある。
【0078】
[動作]
機器14の動作を制御するためにコントロールシステム60によって用いられるソフトウェアは、境界生成器182を含む(図9参照)。境界生成器182は、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、および/または別個のコントローラーなどの他の構成要素に実装することができる。境界生成器182は、機器14から遠隔で動作する別個のシステムの一部であってもよい。図21を参照すると、境界生成器182は、機器14の動きおよび/または動作を拘束するための1つまたは複数の仮想境界184を生成する、ソフトウェアプログラムまたはモジュールである。仮想境界184は、以下で説明するように、様々な動作/制御領域の輪郭を描くように提供することができる。仮想境界184は、1次元(1D)、2次元(2D)、3次元(3D)でよく、点、線、軸、軌道、平面(解剖学的構造または他の境界によって囲まれた無限平面または平面セグメント)、体積、または複合的な幾何形状を含む他の形状を備えることができる。仮想境界184は、ピクセル、点群、ボクセル、三角メッシュ、他の2Dモデルまたは3Dモデル、それらの組み合わせなどによって表現することができる。米国特許出願公開第2018/0333207号および米国特許第8,898,043号は、参照によって組み込まれ、それらの特徴はいずれも、外科的処置の計画または実行を容易にするために用いることができる。
【0079】
仮想境界184は様々な手法で使用できる。例えば、コントロールシステム60は、境界の内側に留まるようにガイド部材20の一定の動きを制御し、境界の外側に留まるようにガイド部材20の一定の動きを制御し、境界上に留まる(例えば、点および/または軌道上に留まる)ようにガイド部材20の一定の動きを制御し、境界に近づく(誘引境界)ようにもしくは境界から反発される(反発境界)ようにガイド部材20の一定の動きを制御し、および/または境界に対する機器14の関係(例えば、空間、速度など)に基づいて機器14の一定の動作/機能を制御することができる。境界184の他の使用も企図される。
【0080】
いくつかの例において、仮想境界184のうちの1つは、図3に示されているように、所望の軌道である。コントロールシステム60は、いくつかの事例において、最終的にガイド部材20を所望の軌道上に維持するように機能する。ガイド部材20の位置決めを制御する仮想境界184は、図3に示されているように、境界内におよび所望の軌道上に留まるようにガイド器具を拘束するために、ドリル、椎弓根スクリュー、および/またはピンよりもわずかに大きい領域を有するものなど、体積境界であってもよい。したがって、所望の軌道は、仮想線セグメント境界、仮想体積境界、または他の形態の仮想境界によって画定することができる。仮想境界184は、仮想オブジェクトと称されることもある。仮想境界184は、3D骨モデルなどの解剖学的モデルAMに対して画定することができる(解剖学的モデルAMがそれらのレジストレーションによって実際の上腕骨H上に仮想的に重ねられていることを示す、図3参照)。言い換えれば、仮想境界184と関連付けられる点、線、軸、軌道、平面、体積などは、(例えば、それがレジストレーションされる、関連する解剖学的構造を追跡することによる)解剖学的モデルAMの追跡が仮想境界184の追跡も可能にするように、解剖学的モデルAMの座標系に対して固定された座標系において画定することができる。
【0081】
解剖学的モデルAMは、仮想境界184が解剖学的モデルAMおよび関連する座標系と関連付けられるように、第1の患者トラッカー54にレジストレーションされる。仮想境界184は、例えば、植込み片のサイズ、形状、体積などに基づいて画定される、植込み片特有のものでよく、かつ/または、例えば、患者の解剖学的構造に基づいて画定される患者特有のものでよい。仮想境界184は、術前、術中、またはそれらの組み合わせで作られる境界でよい。言い換えれば、仮想境界184は、外科的処置の開始前、外科的処置中(組織除去中を含む)、またはそれらの組み合わせで画定できる。仮想境界184は、コントロールシステム60が作るか、他のソース/システムから受け取るなど、多数の手法で提供できる。仮想境界184は、検索および/または更新のためにメモリーに格納してよい。
【0082】
図20A図20Bにあるような肩の植込み片IMを受ける上腕骨Hを準備するときなど、場合によっては、仮想境界184は、肩の植込み片IMのための複数の軌道(例えば、植込み片を肩甲骨SCに固定する4つの軌道)を描くために使用できる複数の平坦な境界を備え、肩甲骨SCの遠位端の3Dモデルと関連付けられる。図21などの一例において、それらの複数の仮想境界184は、コントロールシステム60によって1回に1つを起動されて、切断を1回に1つの平面に拘束することができる。
【0083】
機器コントローラー28および/またはナビゲーションコントローラー36は、仮想境界184に対するガイド部材20の状態を追跡する。一例において、TCP座標系の状態(例えば、ガイド部材の姿勢)は、ガイド部材20が所望の状態に残るようにアクチュエーター21、22に関する目標位置を決定する目的で、仮想境界184に対して測定される。
【0084】
図9に戻ると、2つの付加的なソフトウェアプログラムまたはモジュールが、機器コントローラー28および/またはナビゲーションコントローラー36上で動作する。1つのソフトウェアモジュールが挙動制御186を行う。挙動制御186は、ガイド部材20に関する次の指令/所望の位置および/または向き(例えば、所望の姿勢)を示すデータを計算するプロセスである。場合によっては、TCPの所望の位置だけが挙動制御186から出力され、場合によっては、ガイド部材20の指令姿勢が出力される。境界生成器182からの出力(例えば、座標系のうちの1つまたは複数における仮想境界184の現在の位置および/または向き)は、アクチュエーター21、22の次の指令位置および/またはガイド部材20に関する向きを決定するために、挙動制御186への入力として供給することができる。挙動制御186は、以下でさらに説明するように、指令姿勢を決定するために、その入力を1つまたは複数の他の入力と一緒に処理することができる。
【0085】
機器コントローラー28は、各アクチュエーター21、22に指令信号を送信してガイド部材20を所望の姿勢に向けて調節することによって、1つまたは複数のアクチュエーター21、22を制御することができる。機器コントローラー28は、アクチュエーター21、22が手持ち部分16に対して軌道アセンブリー18を調節できる全長を認識していてよい。いくつかの例において、機器コントローラー28は、アクチュエーター21、22が調節できる全長を認識しており、アクチュエーター21、22に指令信号を送信して位置間で測定距離を動かすことができる。測定された位置は、既知の位置でもよく、アクチュエーター21、22の現在の位置とアクチュエーターの限界との間の距離でもよい。アクチュエーター21、22が動いて到達する各位置は、アクチュエーターの移動の正の限界および負の限界から測定した距離でよい(すなわち、親ネジの両端間の位置)。機器コントローラー28は、以下で説明するように、アクチュエーター21、22を測定された位置までおよびその位置から動くように指令してよい。
【0086】
機器コントローラー28は、各アクチュエーター21、22に指令信号を送信して、アクチュエーター21、22を最初の位置から、ガイド部材20を所望の姿勢になるように載置する指令位置まで動かすことができる。いくつかの例において、指令位置は、ナビゲーションシステム32と連動する機器コントローラー28によって決定されて、手持ち部分16、患者トラッカーPT、54、56、所望の軌道などの仮想オブジェクト、またはそれらの組み合わせに対するガイド部材20および軌道アセンブリー18の位置を判定し、ガイド部材20を所望の姿勢になるように載置するためにアクチュエーター21、22に信号を送信して一定の距離を調節することができる。機器コントローラーは、ガイド部材20の所望の調節を達成するために、ある位置まで動くようにアクチュエーター21、22に指令してよい。機器コントローラー28は、所望の軌道を実現するためにガイド部材20を所望の姿勢に向かって調節するように、計算した距離だけ線形に動くようにアクチュエーター21、22を制御することができる。アブソリュートエンコーダーが使用されるときなど、他の例において、機器コントローラーは、アクチュエーター21、22に信号を送信して、アブソリュートエンコーダーによって判定された手持ち部分16に対する軌道アセンブリー18の既知の位置に基づいて、各アクチュエーター21、22を所望の位置に載置することができる。
【0087】
いくつかの例において、アクチュエーター21、22の1つまたは複数がその限界に到達したときに、機器コントローラー28は、アクチュエーターがガイド部材20を所望の姿勢および軌道に向かって調節できる範囲にガイド部材20を戻すために、手持ち部分16が調節されることを要求できる。機器は、ガイド部材20を所望の姿勢に載置する特定の手法で手持ち部分16が動かされる必要があるということをユーザーに通知するために、ディスプレイ38、任意選択のガイダンスアレイ、またはその両方に、ユーザーインターフェースUIを含むことができる。いくつかの例において、ディスプレイ38、任意選択のガイダンスアレイ、またはその両方にあるユーザーインターフェースUIは、アクチュエーター21、22がガイド部材20を調節していた場合と同じようにして手持ち部分16を動かすようにユーザーに通知するが、アクチュエーターが所望の軌道を維持しながら目標の向きに残っている間は、手持ち部分16を操作することによってガイド部材20の位置を修正するようにユーザーに依存する。
【0088】
第2のソフトウェアモジュールはモーションコントロール188を行う。モーションコントロール188の一態様は、機器14の制御である。モーションコントロール188は、目標姿勢を定義するデータを挙動制御186から受信する。それらのデータに基づいて、モーションコントロール188は、機器14が挙動制御186に指令される通りにガイド部材20を位置決めできるように、(例えば、逆運動学によって)各アクチュエーター21、22の回転子148の次の回転子位置を決定する。一事例において、モーションコントロール188は、各モーター142の回転子の位置を調整し、モーター142が関連するアクチュエーター21、22を目標回転子位置まで可能な限り密接に確実に駆動するように、各モーター142が出力するトルクを頻繁に調節する。
【0089】
いくつかの事例において、機器コントローラー28は、各アクチュエーター21、22について、回転子148の測定位置と目標位置との差を判定する。機器コントローラー28は、(回転子のトルクに比例する)目標電流を出力して、電圧を変化させてアクチュエーターの電流を初期電流から目標電流まで調節する。目標電流は、アクチュエーター21、22の動きを実現して、ガイド部材20を測定姿勢から目標姿勢まで動かす。これは、目標姿勢がジョイント位置に変換された後に行われてよい。一例において、各回転子148の測定位置は、エンコーダーなど、上述したセンサーSから導き出すことができる
【0090】
境界生成器182、挙動制御186、およびモーションコントロール188は、ソフトウェアプログラムのサブセットであってよい。代替的に、それぞれが、それらの任意の組み合わせを別々におよび/または独立に動作させるソフトウェアプログラムであってよい。「ソフトウェアプログラム」という用語は、本明細書では、記載されている技術的解決策の様々な機能を実行するように構成されたコンピューター実行可能命令を説明するために用いられる。話を簡単にするために、「ソフトウェアプログラム」という用語は、境界生成器182、挙動制御186、および/またはモーションコントロール188の任意の1つまたは複数を少なくとも包含するものである。ソフトウェアプログラムは、機器コントローラー28、ナビゲーションコントローラー36、またはそれらの任意の組み合わせに実装できるか、またはコントロールシステム60によって任意の適切な手法で実装されてよい。
【0091】
ユーザーの対話を処理するために臨床アプリケーション190を設けることができる。臨床アプリケーション190は、ユーザーの対話の多くの面を処理し、術前計画、植込み片の載置および保持、レジストレーション、骨準備の視覚化を含む手術ワークフロー、ならびに植込み片適合性の術後評価などを調整する。臨床アプリケーション190は、ディスプレイ38に出力するように構成されている。臨床アプリケーション190は、それ自体の別個のプロセッサー上で動作してもよく、機器コントローラー28および/またはナビゲーションコントローラー36と並行して動作してもよい。一例において、臨床アプリケーション190は、ユーザーによって植込み片の載置が設定された後に、境界生成器182との間のインターフェースとなり、次いで、境界生成器182によって返された仮想境界184を機器に送信する。ユーザーのガイドを助けるために、可聴、触知(例えば、振動)など、他のタイプのフィードバックも使用できることを理解されたい。拡張現実技術、解剖学的構造への光の投影を用いるなど、他のタイプの視覚的フィードバックを使用することもできる。
【0092】
以下の定義を含む本出願において、「コントローラー」という用語は、「回路」という用語に置き換えることができる。「コントローラー」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、もしくはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、もしくはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサー回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサー回路によって実行されるコードを格納するメモリー回路(共有、専用、またはグループ)、説明した機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、またはシステムオンチップなどの上記の一部もしくは全部の組み合わせを指すか、その一部であるか、またはそれらを含むことができる。
【0093】
コントローラーは、1つまたは複数のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例において、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)につながっている有線または無線のインターフェースを実装することができる。LANの例としては、米国電気電子学会(IEEE)規格802.11-2016(WIFI無線ネットワーク規格としても知られている)およびIEEE規格802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーク規格としても知られている)がある。WPANの例としては、Bluetooth(登録商標) Special Interest GroupのBLUETOOTH無線ネットワーク規格およびIEEE規格802.15.4がある。
【0094】
コントローラーは、インターフェース回路を用いて他のコントローラーと通信することができる。本開示ではコントローラーが他のコントローラーと論理的に直接通信するものとして示されている場合があるが、様々な構成において、コントローラーは、実際には、通信システムを介して通信することがある。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルーター、およびゲートウェイなどの物理的および/または仮想的ネットワーキング機器を含む。いくつかの構成において、通信システムは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続するかまたはそれを横断する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)および仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む技術を使用して、インターネットまたはポイントツーポイント専用回線を介して互いに接続された複数のLANを含むことができる。
【0095】
様々な構成において、コントローラーの機能は、通信システムを介して接続された複数のコントローラーの間で分散させることができる。例えば、複数のコントローラーは、ロードバランシングシステムによって分散された同じ機能を実装することができる。さらなる例において、コントローラーの機能は、サーバー(リモートまたはクラウドとしても知られている)コントローラーと、クライアント(またはユーザー)コントローラーとの間で分割することができる。
【0096】
コントローラーの一部または全部のハードウェアの特徴は、IEEE規格1364-2005(一般に「Verilog」と呼ばれる)およびIEEE規格10182-2008(一般に「VHDL」と呼ばれる)など、ハードウェア記述用の言語を用いて定義することができる。ハードウェア記述言語は、ハードウェア回路を製造および/またはプログラムするために用いてよい。いくつかの構成において、コントローラーの一部または全部の特徴は、以下で説明するコード記述およびハードウェア記述の両方を含む、IEEE1666-2005(一般に「SystemC」と呼ばれる)などの言語によって定義することができる。
【0097】
様々なコントローラープログラムは、メモリー回路に格納することができる。メモリー回路という用語は、コンピューター可読媒体という用語のサブセットである。コンピューター可読媒体という用語は、本明細書で用いるように、(搬送波上など)媒体を通って伝播する一時的な電気信号または電磁信号を含まず、したがって、コンピューター可読媒体という用語は、有形であり非一時的であると見なすことができる。非一時的コンピューター可読媒体の非限定的な例には、不揮発性メモリー回路(フラッシュメモリー回路、消去可能なプログラム可能読取り専用メモリー回路、またはマスク読取り専用メモリー回路など)、揮発性メモリー回路(スタティックランダムアクセスメモリー回路またはダイナミックランダムアクセスメモリー回路など)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタルの磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光学式記憶媒体(CD、DVD、またはBlu-ray(登録商標)ディスクなど)がある。
【0098】
本出願に記載されている装置および方法は、コンピュータープログラムにおいて具現化される1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピューターを構成することによって作られる専用コンピューターによって、部分的にまたは全体的に実装することができる。上述した機能ブロックおよびフローチャート要素は、ソフトウェア仕様として働き、熟練技術者またはプログラマーのルーチンワークによってコンピュータープログラムに変換することができる。
【0099】
コンピュータープログラムは、少なくとも1つの非一時的コンピューター可読媒体に格納されたプロセッサー実行可能命令を含む。コンピュータープログラムは、格納されたデータを含むかまたはそれに依存することができる。コンピュータープログラムは、専用コンピューターのハードウェアと対話する基本入力/出力システム(BIOS)、専用コンピューターの特定のデバイスと対話するデバイスドライバー、1つまたは複数のオペレーティングシステム、ユーザーアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
【0100】
コンピュータープログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(JavaScriptオブジェクト記法)など、解析される記述テキスト、(ii)アセンブリーコード、(iii)コンパイラーによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリターによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラーによるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含むことができる。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5リビジョン)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SENSORLINK、およびPython(登録商標)を含む言語による構文を用いて記述することができる。
【0101】
I.手術用ロボット機器であって、機器は、手持ち可能な本体と、手持ち可能な本体と動作可能に連結された軌道アセンブリーとを備え、軌道アセンブリーは、手持ち可能な本体から延びるシャフトと、シャフトの遠位端と連結されたピボットフレームと、ピボットフレームと枢動可能に連結されたツールと、ピボットフレームをガイド部材に接続するリテーナーと、ツールから外向きに延び、それと連結された、支持部材と、支持部材と枢動可能に接続された2つのアクチュエーターとを含み、ツールは、アクチュエーターを用いて、ツールの軌道軸を少なくとも2自由度で調節して軌道軸を目標軌道と位置合わせすることによって、目標軌道に合わせて調節され、リテーナーは、アクチュエーターがツールを目標軌道に合わせて調節するときに、ツールとピボットフレームとの連結を維持する、機器。
【0102】
II.ロボット支援型の手持ち可能な機器であって、機器は、ユーザーの手によって自由に把持され動かされるように適合された、手持ち可能な本体と、手持ち可能な本体に動作可能に連結された位置決めアセンブリーであって、手持ち可能な本体と枢動可能に連結された複数の位置決めアクチュエーターを含む、位置決めアセンブリーと、位置決めアセンブリーの複数のアクチュエーターと動作可能に連結された第2のアクチュエーターアセンブリーとを備え、第2のアクチュエーターアセンブリーは、シャフトと、シャフトと連結されたピボットフレームと、ピボットフレームと枢動可能に連結されたエンドエフェクターと、エンドエフェクターと連結された支持部材と、支持部材に枢動可能に連結された2つのアクチュエーターとを含み、複数の位置決めアクチュエーターは、位置決めアセンブリーを第2のアクチュエーターアセンブリーと動作可能に連結する、機器。
【0103】
III.ロボット機器を使用するためのコンピューター実装方法またはソフトウェア製品であって、ロボット機器は、軌道アセンブリーと連結された手持ち可能な本体を含み、軌道アセンブリーは、ピボットフレーム、エンドエフェクター、および複数のアクチュエーターを含み、各アクチュエーターは、手持ち可能な本体およびエンドエフェクターと枢動可能に連結されている、方法または製品であって、複数のアクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節することによって、手持ち可能な本体に対して2自由度で軌道アセンブリーを動かすステップと、手持ち可能な本体に対するエンドエフェクターの動きを3自由度に拘束するステップとを含む、方法または製品。
【0104】
IV.ロボットガイド機器を使用するためのコンピューター実装方法またはソフトウェア製品であって、ロボットガイド機器は、位置決めアセンブリーと連結された手持ち可能な本体を含み、位置決めアセンブリーは、手持ち可能な本体および軌道アセンブリーと枢動可能に連結された複数の位置決めアクチュエーターを含み、軌道アセンブリーは、ピボットフレーム、ガイド部材またはエンドエフェクター、および複数の軌道アクチュエーターを含み、各軌道アクチュエーターは、ガイド部材またはエンドエフェクターと枢動可能に連結されている、方法または製品であって、手持ち可能な本体に対して3自由度で位置決めアセンブリーを調節するステップと、複数の位置決めアクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節して、軌道アセンブリーを3自由度で動かすステップと、複数の軌道アクチュエーターの1つまたは複数の有効長さを能動的に調節することによって、手持ち可能な本体および位置決めアセンブリーに対して2自由度で軌道アセンブリーを動かすステップと、手持ち可能な本体および位置決めアセンブリーに対するガイド部材またはエンドエフェクターの動きを3自由度に拘束するステップと、を含む方法、またはそれらのステップを行うソフトウェアを含むプログラム。
【0105】
対象物の位置および向きの組み合わせが対象物の姿勢と称されることを理解されたい。本開示全体を通して、本明細書に記載する概念の適切な代替例を実現するために、姿勢という用語は1つまたは複数の自由度の位置および/または向きに置き換えてよく、その逆も同様であることが企図される。言い換えれば、姿勢という用語の使用はいずれも、位置に置き換えることができ、位置という用語の使用はいずれも、姿勢に置き換えてよい。
【0106】
本教示による方法は、例えば、コンピューター実装方法である。例えば、本教示による方法のすべてのステップまたはステップの単にいくつか(すなわち、ステップの総数よりも少ない)が、コンピューター(例えば、少なくとも1つのコンピューター)によって実行され得る。コンピューター実装方法の構成は、データ処理方法を行うためのコンピューターの使用である。さらに、本教示において、本明細書に開示される本方法は、少なくとも1つのコンピューター(例えば、ナビゲーションシステムの一部である少なくとも1つのコンピューター)の少なくとも1つのプロセッサー上で、少なくとも1つのプロセッサーによって実行される以下の例示的なステップを実行することを含む。
【0107】
データを(技術的に)例えば電子的におよび/または光学的に処理するために、コンピューターは、例えば少なくとも1つのプロセッサーおよび例えば少なくとも1つのメモリーを備える。プロセッサーは、例えば、半導体、例えば、少なくとも部分的にnおよび/またはpドープ半導体、例えば、II族、III族、IV族、V族、VI族半導体材料の少なくとも1つ、例えば(ドープした)シリコンおよび/またはガリウムヒ素である、物質または組成物から作られる。記載されている計算ステップまたは判定ステップは、例えば、コンピューターによって行われる。判定ステップまたは計算ステップは、例えば、技術的方法のフレームワーク内で、例えばプログラムのフレームワーク内で、データを判定するステップである。コンピューターは、例えば、任意の種類のデータ処理デバイス、例えば電子データ処理デバイスである。コンピューターは、それ自体が、例えば、デスクトップPC、ノートブック、ネットブックなどであると一般に考えられるデバイスとすることができるが、例えば携帯電話または埋込み型プロセッサーなど、任意のプログラム可能な装置とすることもできる。コンピューターは、例えば、「サブコンピューター」のシステム(ネットワーク)を備えることができ、各サブコンピューターは、それ自体がコンピューターを表す。「コンピューター」という用語は、クラウドコンピューター、例えばクラウドサーバーを含む。コンピューターという用語は、サーバーリソースを含む。「クラウドコンピューター」という用語は、例えば、少なくとも1つのクラウドコンピューターのシステム、および、例えば、サーバーファームなどの複数の動作可能に相互接続されたクラウドコンピューターを備える、クラウドコンピューターシステムを含む。このようなクラウドコンピューターは、好ましくは、ワールドワイドウェブ(WWW)などのワイドエリアネットワークに接続されており、ワールドワイドウェブにすべて接続されたコンピューターの、いわゆるクラウドに位置している。このようなインフラストラクチャーは、特定のサービスを実施するコンピューターの物理的な位置および/または構成をエンドユーザーが知る必要がない、計算、ソフトウェア、データアクセス、およびストレージサービスを説明する「クラウドコンピューティング」のために用いられる。例えば、「クラウド」という用語は、この点で、インターネット(ワールドワイドウェブ)のメタファーとして用いられる。例えば、クラウドは、コンピューティングインフラストラクチャーアズアサービス(IaaS)を提供する。クラウドコンピューターは、本教示の方法を実行するために用いられるオペレーティングシステムおよび/またはデータ処理アプリケーションのための仮想ホストとして機能することができる。クラウドコンピューターは、例えば、Amazon Web Services(商標)によって提供されているelastic compute cloud(EC2)である。コンピューターは、例えば、データを受信もしくは出力しかつ/またはアナログデジタル変換を行うインターフェースを備える。例えば、本教示は、必要とされる専門的なケアおよび知識を用いて実行されたときでも実質的な健康リスクがある、専門的な医学知識が実行される必要がある身体への実質的な物理的介入を表す侵襲性ステップを伴わない可能性があるか、または具体的には、それを含まないかもしくは包含しない可能性がある。データは、例えば、物理的性質を表すかつ/または技術信号から生成されるデータである。技術信号は、例えば、(技術的)検出デバイス(例えば、マーカーデバイスを検出するためのデバイスなど)および/または(技術的)分析デバイス(例えば、(医用)撮像方法を行うためのデバイスなど)によって生成され、技術信号は、例えば、電気信号または光学信号である。技術信号は、例えば、コンピューターによって受信されたまたは出力されたデータを表す。コンピューターは、好ましくは、コンピューターによって出力された情報を、例えばユーザーに表示できるようにする、ディスプレイデバイスに動作可能に接続されている。ディスプレイデバイスの一例には、仮想現実デバイスまたは拡張現実デバイス(仮想現実眼鏡または拡張現実眼鏡とも称される)がある。ディスプレイデバイスの別の例には、例えば、ディスプレイデバイスに画像情報コンテンツを表示するために使用される信号を生成するためのディスプレイ制御データをコンピューターから受信するためにコンピューターに動作可能に接続された液晶ディスプレイを備えた、標準的なコンピューターモニターがある。
【0108】
本教示は、コンピューターによってプログラム上で実行されるときに、1つもしくは複数の方法、例えば、本明細書に記載されている1つもしくは複数の方法のステップをコンピューターに実行させる命令を備えるコンピュータープログラム、および/または、プログラムが格納されたコンピューター可読記憶媒体(例えば、非一時的コンピューター可読記憶媒体)、および/または、前記プログラム記憶媒体を備えるコンピューター、および/または、(物理的な、例えば電気の、例えば技術的に生成された)信号波、例えば、本明細書に記載されている方法ステップのいずれかもしくはすべてを行うように適合されたコード手段を備えた、プログラム、例えば前述のプログラムを表す情報を搬送する、例えば、電磁搬送波などのデジタル信号波にも関する。信号波は、一例において、前述のコンピュータープログラムを搬送するデータキャリア信号である。本教示は、少なくとも1つのプロセッサーおよび/または前述のコンピューター可読記憶媒体、例えばメモリーを備えた、コンピューターにも関し、プログラムはプロセッサーによって実行される。
【0109】
本教示のフレームワーク内では、コンピュータープログラム要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって具現化できる(これは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)。本教示のフレームワーク内では、コンピュータープログラム要素は、コンピューター使用可能な、例えば、コンピューター可読のデータ記憶媒体によって具現化できるコンピュータープログラム製品の形態を取ることができ、そのデータ記憶媒体は、命令実行システム上でまたはそれと関連して使用する前記データ記憶媒体において具現化される、コンピューター使用可能な、例えば、コンピューター可読なプログラム命令、「コード」、または「コンピュータープログラム」を備える。このようなシステムはコンピューターとすることができ、コンピューターは、本教示に従ってコンピュータープログラム要素および/またはプログラムを実行する手段を備える、データ処理デバイスとすることができ、例えば、データ処理デバイスは、コンピュータープログラム要素を実行するデジタルプロセッサー(中央処理装置すなわちCPU)を備え、任意選択で、コンピュータープログラム要素のために使用されるデータを格納しかつ/またはコンピュータープログラム要素を実行することによって生み出される、揮発性メモリー(例えば、ランダムアクセスメモリーすなわちRAM)を備える。本教示のフレームワーク内では、コンピューター使用可能な、例えば、コンピューター可読のデータ記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイス上でまたはそれと関連して使用するプログラムを含み、格納し、通信し、伝搬し、または搬送できる、任意のデータ記憶媒体とすることができる。コンピューター使用可能な、例えば、コンピューター可読のデータ記憶媒体は、例えば、限定されるものではないが、電子式、磁気式、光学式、電磁気式、赤外線、または半導体の、システム、装置、もしくはデバイス、または例えばインターネットなどの伝搬媒体とすることができる。
【0110】
以下の定義を含む本出願において、「コントローラー」という用語は「回路」という用語に置き換えることができる。「コントローラー」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、もしくはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、もしくはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサー回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサー回路によって実行されるコードを格納するメモリー回路(共有、専用、またはグループ)、説明された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント、またはシステムオンチップなどにおける上記の一部もしくは全部の組み合わせを指すか、それらの一部であるか、またはそれらを含むことができる。
【0111】
先の説明においていくつかの例を論じてきた。しかし、本明細書で論じた態様は、排他的ではなく、本開示をどのような特定の形態にも限定するものではない。それらの態様の様々な改変が当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された包括的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に利用できる。使用されている用語は、限定ではなく、説明の言葉の性質をもつことが意図されている。上記の教示に鑑みて多くの改変および修正が可能であり、本開示は詳細に説明したものとは異なる手法で実施できる。
図1
図2
図3
図4A-4B】
図5A-5B】
図6A-6B】
図7A-7B】
図8A-8B】
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12A-12B】
図13A-13C】
図14
図15A-15B】
図16A-16C】
図17A-17C】
図18A-18C】
図19A-19C】
図20A-20B】
図21
【国際調査報告】