(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】抗反転機構を有する傘
(51)【国際特許分類】
A45B 25/02 20060101AFI20231110BHJP
A45B 25/22 20060101ALI20231110BHJP
A45B 19/10 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A45B25/02 B
A45B25/22
A45B19/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527214
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021057853
(87)【国際公開番号】W WO2022098722
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516104674
【氏名又は名称】シェッドレイン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヘイソーンスウェイト,デイビッド
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104LB02
(57)【要約】
傘は、傘に加えられる反転力に対抗する力を各親骨組立体に加えるように構成される抗反転機構を含む。抗反転機構は、第一親骨及び第二親骨に結合される第一親骨接合部と、第一親骨接合部に結合される細長い第一部材と、細長い第一部材及び遠位親骨に結合される細長い第二部材とを含む。第一親骨接合部は内側溝部を含み、細長い第一部材はワイヤを含み、ワイヤはワイヤの第一端部に曲げクリップ部分を有し、曲げクリップ部分は内側溝部内に受容され、内側溝部の床部に対して付勢されると、ワイヤは第一親骨接合部に取り付けられる。
【選択図】
図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部及び反対側の第二端部を有する細長い中棒と、
前記細長い中棒を中心に摺動可能に配置された下ろくろと、
複数の親骨組立体であって、各親骨組立体は遠位親骨を有する複数の親骨を含み、前記親骨組立体は開位置と閉位置との間で移動する受骨によって前記下ろくろに取り付けられ、前記開位置では、前記複数の親骨は開いた伸長位置にあり、前記閉位置では、前記複数の親骨は閉じた折りたたみ位置にある、前記複数の親骨組立体と、
傘に加えられる反転力に対抗する力を各親骨組立体に加えるように構成される抗反転機構であって、前記複数の親骨の第一親骨及び第二親骨に結合される第一親骨接合部、前記第一親骨接合部に結合される細長い第一部材、ならびに前記細長い第一部材及び前記遠位親骨に結合される細長い第二部材を含む、前記抗反転機構と、
を含み、
前記第一親骨接合部は内側溝部を含み、前記細長い第一部材はワイヤを含み、前記ワイヤは前記ワイヤの第一端部に曲げクリップ部分を有し、前記曲げクリップ部分は前記内側溝部内に受容され、前記内側溝部の床部に対して付勢されると、前記ワイヤが前記第一親骨接合部に結合される、傘。
【請求項2】
前記内側溝部は、前記第一親骨接合部の底面に沿って形成された底部開口部を通してアクセス可能である、請求項1に記載の傘。
【請求項3】
前記内側溝部は、前記底部開口部も画定する第一端壁部によって画定され、前記第一端壁部は、湾曲した底縁部、及び前記内側溝部の前記床部に至る湾曲した頂縁部を有する、請求項2に記載の傘。
【請求項4】
前記床部は、第一傾斜区間及び隣接する第二傾斜区間によって画定され、前記第一傾斜区間は第一方向に傾斜し、前記第二傾斜区間は反対の第二方向に傾斜し、前記曲げクリップ部分は前記第一傾斜区間及び前記第二傾斜区間に接して着座する、請求項1に記載の傘。
【請求項5】
前記第一方向は、前記第一親骨接合部の底面に向かう方向であり、前記第二方向は、前記第一親骨接合部の上面に向かう方向である、請求項4に記載の傘。
【請求項6】
前記底部開口部は閉じた開口部である、請求項2に記載の傘。
【請求項7】
前記曲げクリップ部分は、湾曲端部、前記湾曲端部に接合された第一傾斜部分、及び前記第一傾斜部分に接合された第二傾斜部分を含む、請求項1に記載の傘。
【請求項8】
前記第一傾斜部分は第一方向に傾斜し、前記第二傾斜部分は前記第一方向に対向する第二方向に傾斜する、請求項7に記載の傘。
【請求項9】
前記第一傾斜部分及び前記第二傾斜部分はV字形状の構造を画定し、前記曲げクリップ部分の前記第一傾斜部分及び前記第二傾斜部分は、前記内側溝部の前記床部の角度付き区間に直に接して着座し、前記ワイヤの直線状の主要部分は、前記第一親骨接合部の外面に沿って延在する、請求項7に記載の傘。
【請求項10】
前記曲げクリップ部分は、前記底部開口部を通過し、前記内側溝部の前記床部に入り、その中に着座するように構成される、請求項2に記載の傘。
【請求項11】
前記湾曲端部は、前記第一親骨接合部の第一端壁部に接して着座し、前記第一端壁部は、前記内側溝部及び前記底部開口部との両方を画定し、前記第一端壁部は、湾曲底縁部と、前記内側溝部の前記床部に至る湾曲頂縁部とを有する、請求項7に記載の傘。
【請求項12】
前記曲げクリップ部分は、前記第一傾斜部分及び前記第二傾斜部分が前記ワイヤの主要部分から外向きに撓むことができるように曲げられることにより、前記曲げクリップ部分はエネルギーを蓄える、請求項1に記載の傘。
【請求項13】
前記底部開口部を塞ぐために、前記ワイヤの湾曲端部に隣接する前記底部開口部内に受容されるインサートをさらに含む、請求項2に記載の傘。
【請求項14】
前記インサートは、凸状の第一側と、前記第一側の反対側の凹状の第二側とを有する長方形の本体を含み、前記凹状の第二側は、前記ワイヤの前記湾曲端部を受容する、請求項13に記載の傘。
【請求項15】
前記長方形の本体は、前記長方形の本体に対して拡大するヘッドを有し、前記ヘッドは、前記インサートを前記第一親骨接合部に取り付けるために前記第一親骨接合部とインタロックするロックタブを有する、請求項14に記載の傘。
【請求項16】
前記第一親骨接合部は、前記第一親骨接合部の1つの端部を画定して前記底部開口部に隣接する一対の離隔された第一指部及び第二指部を含む、請求項2に記載の傘。
【請求項17】
前記ワイヤは金属ワイヤを含み、前記細長い第二部材は、前記金属ワイヤの1つの端部をスイベル接合部と連結するストリングを含み、前記ストリングは前記スイベル接合部内でオーバーモールドされる、請求項1に記載の傘。
【請求項18】
前記内側溝部は、前記第一親骨接合部の上面に沿って開口している細長い溝部である、請求項1に記載の傘。
【請求項19】
前記細長い溝部の長さは、前記第一親骨接合部の一対の平行な直立壁部の間に位置している、請求項18に記載の傘。
【請求項20】
前記曲げクリップ部分は、湾曲端部、前記湾曲端部に接合された第一傾斜部分、及び前記第一傾斜部分に接合された第二傾斜部分を含み、前記第一傾斜部分及び前記第二傾斜部分はV字形状の構造を画定し、前記第一傾斜部分の長さは、前記第二傾斜部分の長さよりも長い、請求項1に記載の傘。
【請求項21】
前記ワイヤは、前記第一親骨接合部の底面に直に接して着座し、それに沿って外側に延在する主要部分を含む、請求項20に記載の傘。
【請求項22】
前記ワイヤは金属ワイヤを含み、前記曲げクリップ部分は付勢されたばねクリップを含む、請求項1に記載の傘。
【請求項23】
第一端部及び反対側の第二端部を有する細長い中棒と、
複数の親骨組立体であって、各親骨組立体は第一親骨、第二親骨及び第三親骨を有する複数の親骨を含む、前記複数の親骨組立体と、
傘に加えられる反転力に対抗する力を各親骨組立体に加えるように構成される抗反転機構であって、前記複数の親骨の第一親骨及び第二親骨に結合される第一親骨接合部、前記第一親骨接合部に結合される可撓性の細長い第一部材、ならびに前記細長い第一部材及び前記第三親骨に結合される細長い第二部材を含む、前記抗反転機構と、
を含み、
前記第一親骨接合部は内側溝部を含み、前記内側溝部は、前記第一親骨接合部の上面に沿って開口しており、前記第一親骨接合部の前記底面に沿って形成された底部開口部を通してアクセスでき、
前記細長い第一部材はワイヤを含み、前記ワイヤは前記ワイヤの第一端部に曲げクリップ部分を有し、前記曲げクリップ部分は前記内側溝部内に受容され、前記内側溝部の床部に対して付勢されると、前記ワイヤが前記第一親骨接合部に脱着可能に結合され、
前記床部及び前記曲げクリップ部分のそれぞれは、前記曲げクリップ部分が前記内側溝部内に着座するときに互いに接して着座させる複数の角度付き区間を有する、傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
この出願は、2020年11月6日に出願された米国仮特許出願第63/110,722号に基づいており、その優先権を主張するものであり、その内容全体が、それぞれの全体が明示的に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、傘に関し、さらに特に、抗反転特徴を有する傘用親骨組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
周知のように、傘は暴風雨、特に液体及び着氷性降水、またはさらには日光などから使用者を防護する器具である。従来の傘には、以下の部品、中棒、傘生地、親骨、下ろくろ、ばね及び石突きが含まれる。中棒は、底部の傘の手元(またはパティオモデルの場合にはベーススタンド)と頂部の傘生地との間に延びる金属製または木製のシャフトである。傘生地は、雨、風及び日光を受ける傘の布製部品である。親骨は、傘の構造及び形状を決定するものである。外側親骨は傘生地を支え、内側親骨(受骨と呼ばれることもある)は、支持体として機能し、外側親骨を傘の中棒に連結する。下ろくろは、親骨/受骨に連結されながら、中棒を上下に摺動し、傘生地の開閉機能を担う。多くの傘の設計には、傘生地が開いているときに下ろくろを上方に保持する上はじき、傘生地が閉じているときに下ろくろを下方に保持する下はじき、そして時として伸縮式モデルでは中棒の長さを伸長させるためのボールばねの中はじきが含まれる。厳密には、装飾用の石突き(フェルールとも呼ばれる)は、傘の最頂部で、傘生地より上に見いだされる。
【0004】
傘の親骨は、傘の布製傘生地を支持する折りたたみ構造で機能する。通常の動作条件下では、傘の布製傘生地が完全に展開されるようになる場合、及び突風によって傘生地がひっくり返りやすい場合、傘生地に作用する力はピーク値に向かい増加する。これらの力は、傘生地から傘生地親骨に伝達され、風の方向に応じて反対方向で親骨に作用することができる。したがって、親骨は、2つの主な反対方向のいずれかから親骨に作用することができる力に抵抗するのに十分な強度でなければならない。
【0005】
それらの強度要件に加えて、傘の親骨の形状は、傘が折りたたまれる場合の実質的に一直線の輪郭と、傘生地が完全に展開される場合の湾曲した輪郭との間で変化しなければならない。一直線の設計は、傘が折りたたまれる場合に折りたたまれた親骨が傘の中棒と平行になることを可能にすることを目的としており、湾曲した設計は典型的なキノコのような形状(釣鐘形状とも呼ばれる)を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様では、傘は、傘に加えられる反転力に対抗する力を各親骨組立体に加えるように構成される抗反転機構を含む。抗反転機構は、第一親骨及び第二親骨に結合される第一親骨接合部と、第一親骨接合部に結合される細長い第一部材と、細長い第一部材及び遠位親骨に結合される細長い第二部材とを含む。第一親骨接合部は内側溝部を含み、細長い第一部材はワイヤを含み、ワイヤはワイヤの第一端部に曲げクリップ部分を有し、曲げクリップ部分は内側溝部内に受容され、内側溝部の床部に対して付勢されると、ワイヤは第一親骨接合部に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による例示的な二重傘生地傘の上面図である。
【
図2】傘生地が示されておらず、伸長位置に示されている抗反転機構を備えた中棒、下ろくろ、及び親骨組立体の側面図である。
【
図3】部分的に閉位置にある下ろくろ及び親骨組立体を示す側面図である。
【
図4】部分的に閉位置にある下ろくろ及び親骨組立体を示す拡大図である。
【
図7】傘生地が示されておらず、部分的に折りたたみ位置に示されている、別の実施形態による抗反転機構を備えた中棒、下ろくろ、及び親骨組立体の側面図である。
【
図8】伸長位置での下ろくろ及び親骨組立体を示す側面図である。
【
図10】抗反転機構の一部である露先用コネクタシステムの分解斜視図である。
【
図11】抗反転機構の一部である露先用コネクタシステムの分解斜視図である。
【
図12】抗反転機構の一部である露先用コネクタシステムの分解斜視図である。
【
図13】組立状態での露先用コネクタシステムの斜視図である。
【
図14】組立状態での露先用コネクタシステムの斜視図である。
【
図15】組立状態での露先用コネクタシステムの斜視図である。
【
図16】傘生地が示されておらず、全開位置に示されている、さらに別の実施形態による抗反転機構を備えた中棒、下ろくろ、及び親骨組立体の側面図である。
【
図18】抗反転機構のクリップ端部の拡大図である。
【
図20】抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の底面斜視図である。
【
図21】抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の上面斜視図である。
【
図22】傘生地が示されておらず、全開位置に示されている、さらに別の実施形態による抗反転機構を備えた中棒、下ろくろ、及び親骨組立体の側面図である。
【
図23】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の拡大図である。
【
図24】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の側面図である。
【
図25】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の上面斜視図である。
【
図26】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の斜視図である。
【
図27】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の断面図である。
【
図28】傘生地が示されておらず、部分的に開位置に示されている、さらに別の実施形態による抗反転機構を備えた中棒、下ろくろ、及び親骨組立体の側面図である。
【
図29】インサートを含む抗反転機構の親骨接合部及びクリップ端部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で説明されるように、本発明は、その中棒構造及び親骨組立体を含むがこれらに限定されない、傘の多数の構成要素に関する改良を対象とする。本明細書で論じられるように、本発明の特徴は、手動式傘と自動式傘との両方で実装されることができる。さらに、その他の特徴は他のタイプの傘によって実装されることができる。したがって、以下の説明及び図面は、本発明の教示を実装する例示的な実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の例示的な一実施形態による傘100の上面図を示し、複数の親骨組立体が示されている。
図2は、傘生地のない傘100を示す側面図である。傘100は、第一(頂)端部及び反対側の第二(底)端部を有する中棒130を含む。中棒130自体は、協働して中棒130を提供するために任意の数の異なる構成要素から形成されることができ、
図2に示される中棒130は、使用者が傘を手動で開閉する手開き式傘組立体の部品である。中棒の第一端部には、中棒130を窄める上ろくろ141を設けることができ、第二端部には、使用者が把持する手元105を設ける。中棒130に沿って可動な下ろくろ140を設ける。
【0010】
傘100は、主な傘生地として機能する第一傘生地110と、補助的な傘生地として機能する第二傘生地120とが存在するという点で、二重傘生地設計のものであることができる。第一傘生地110と第二傘生地120との両方が、それらの最内側の部分に沿って中棒の頂部で上ろくろにアンカー固定され、第二傘生地120も、本明細書で説明されるように、その周辺の近くの選択位置で第一傘生地110に取り付けられる。図示の傘生地の形状及びサイズは単なる例示であり、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。したがって、
図1は、二重傘生地設計の一例だけを示しており、限定するものではない。第二傘生地120の外周部は、第一傘生地110の底面に沿って配置されることができるため、当技術分野で知られているように、第一傘生地は、第二傘生地によって覆われる中央開口部を有することができるが、二重傘生地設計は、2枚の傘生地の間の縫目が選択位置で開いていることで、通気することが可能になるため、通気口として機能する。
【0011】
第一傘生地110は大きい中央開口部を有し、その中央開口部の上に第二傘生地120は、2枚の傘生地の間に通気口を画定するように配置され、第二傘生地120の外周縁部は第一傘生地110の上に重なる。
【0012】
傘100は、上ろくろと下ろくろ140との両方に結合される複数の親骨組立体を含むことにより、下ろくろ140の運動方向に基づいて、親骨組立体200及び取り付けられた傘生地(図示せず)が開閉する。本明細書に記載されているように、各親骨組立体はいくつかの親骨部品によって規定され、これらいくつかの親骨部品は、別のものに枢動可能に取り付けられると、下ろくろ140が傘生地を開閉することに応答して、親骨組立体が折りたたまれて、伸長することが可能になる。
【0013】
親骨組立体と下ろくろ140との間の連結は、第一受骨210によって行われる。受骨210は、第一端部212及び反対側の第二端部214を有する細長い構造であり、第二端部214は、本明細書で論じられるように親骨組立体に枢動可能に取り付けられ、第一端部212は下ろくろ140に枢動可能に取り付けられる。第一受骨210と下ろくろ140との間、及び第一受骨210と親骨組立体との間の枢軸連結は、リベットまたはピンなどのファスナなどによって成し遂げられることができる。より具体的には、第一受骨接合部(第一連結点/枢軸)225は、第一受骨210と第二端部214の親骨組立体との間に形成され、同様の受骨接合部は、第一受骨210と第一端部212の下ろくろ140との間に形成され得る。
【0014】
第一受骨210は、金属(例えば、亜鉛合金)を含む任意の数の異なる材料から形成されることができる。
【0015】
図2~6に示されるように、親骨組立体はいくつかの細長い親骨構成要素(部品)から形成されることができ、これらいくつかの細長い親骨構成要素が互いに、そして傘の他の構成要素に結合され、開閉する親骨組立体を設ける。図示の実施形態では、各親骨組立体は、複数の親骨部品を含み、さらに特に、親骨組立体は、3つの別個の親骨部品、すなわち、第一親骨部品220、第二親骨部品400、及び第三親骨部品600を含む。
【0016】
第一親骨部品220は、第一端部222及び反対側の第二端部224を含む。第二親骨部品400は、第一端部410及び反対側の第二端部413を含む。第三親骨部品600は、第一端部602及び反対側の第二端部604を含む。
【0017】
親骨部品220、400、600の間のアタッチメントは、親骨組立体200が開くことも閉じることも可能にする枢動性のものである。より具体的には、本明細書で説明されるように、枢動接合部などをそれぞれの部品間に設けることができ、親骨組立体が開く(伸長する)場合も閉じる(折りたたまれる)場合も所望の親骨動作を可能にする。
【0018】
第一親骨部品220の第一端部222は、上ろくろに枢動可能に連結され、第二端部224は、枢動接合部(枢軸点)414で第二親骨部品400の第一端部410に連結される。この枢動接合部により、第一親骨部品220及び第二親骨部品400は、全閉位置と全開位置との間で枢動することが可能になる。
【0019】
第二受骨230も設けられ、第一受骨210と第二親骨部品400との間に延在する。より具体的には、第二受骨230は、第一端部232及び反対側の第二端部234を有する。第一端部232は、枢軸215で第一受骨210の第二端部214に枢動可能に取り付けられる。第二端部234は、枢軸412で第二親骨部品400の第一端部410に枢動可能に取り付けられる。第一端部232またはその近くで第二受骨230の上面に沿って、第二受骨230は、フックなどの形態であることができる結合部材242を有する。フック242は、第一親骨部品220に対向する。
【0020】
付勢部材240は、第二受骨230と第一親骨部品220との間に付勢して取り付けられる。付勢部材240は、細長いばねを備えることができ、その第一端部では、細長いばねがフック242に取り付けられ、その第二端部では、第一親骨部品220に連結点244で取り付けられる。第一親骨部品220は、C字形状の断面を有することができるため、
図2~6に示されるように、付勢部材240を受け入れることができるセンターチャンネルが存在する。したがって、付勢部材240は、第二受骨230及び第一親骨部品220に付勢力を加える。特に、傘100が閉じている場合、付勢部材240は、第二受骨230を第一親骨部品220に向けて引き寄せるように機能することができる。
【0021】
第一親骨部品220の上面に沿って、結合部材247がある。結合部材247は、はとめの形態であることができる。
【0022】
上述のように、第二親骨部品400の第一端部410は、第一親骨部品220と第二受骨230との両方に枢動可能に取り付けられ、第二端部413は、以下でより詳細に説明されるように、親骨接合部材500に枢動可能に取り付けられる。第二親骨部品400もまた、C字形状の断面を有することができるため、その中に形成されたセンターチャンネルを有することができる。
【0023】
親骨接合部材500は、第一端部502及び第二端部504を有する。親骨接合部材500は、2つの画定された枢動取り付け領域を有し、さらに特に、第一端部502では、第一取り付け領域が画定され、第二取り付け領域では、第二端部413が親骨接合部材500のこの第二取り付け領域に枢動可能に取り付けられる。親骨接合部材500の第二端部504は、第三親骨部品600の受容を可能にする管状構造を有することができる。第三親骨部品600は、円筒形状を有することができ、可撓性金属ロッドの形態であることができる。第三親骨部品600の第一端部602は、第二端部504の開口部内に受容されるように、第二端部504に取り付けられてから、結合などを含む任意の数の従来の技法を使用するように、そこに固定して取り付けられる。
【0024】
第一親骨部品220及び第二親骨部品400が両方ともC字形状の断面を有し、金属から形成されることができるが、第三親骨部品600はより可撓性であり、円筒形ロッドのような中実構造を有する。第三親骨部品600の第二端部604には、親骨露先610が設けられる。親骨露先610は、主な第一傘生地110の周縁部が取り付けられる金属部品であることができる。例えば、親骨露先610を貫通する孔部を形成することができ、この孔部を通って第一傘生地110の一部が延在することができる。また親骨露先610は、親骨露先610の下面の区間に沿って延在する突出部612を含む。突出部612は、一体化して形成され、中空構造を有することから、親骨露先610と同一の材料から形成されることが好ましい。
【0025】
本発明の抗反転機構は、第一ワイヤ部分300(内側傘生地用のワイヤ結合部材)、第二ワイヤ部分310を有する第一ワイヤ部材、第二ワイヤ部材700、及び第三ワイヤ部材800を含む。
【0026】
第一ワイヤ部材は、第一ワイヤ部分300及び第二ワイヤ部分310を形成するように曲がる曲げワイヤ構造を有し、第一ワイヤ部材がそれ自体の上で曲がることから、第一ワイヤ部分及び第二ワイヤ部分が互いに沿って延在することで、第一ワイヤ部材の2つの自由端は互いに近接する。第一ワイヤ部材を結合部材247(はとめ)に通し、第一ワイヤ部材を第一親骨部材220に固定する。
【0027】
第二親骨部材400の上面に沿って位置する結合部材415によって、第二ワイヤ部分310を第二親骨部材400に結合する。結合部材415は、第二ワイヤ部分310を取り付けるクリップまたははとめの形態であり得る(すなわち、第二ワイヤ部分310は結合部材415内の孔部を通って延在する)。
【0028】
第一ワイヤ部分300の自由端は金属製露先部材などの露先部材302を含み、第二ワイヤ部分310の自由端は第一端部502の枢軸312で親骨接合部材500に取り付けられる。以下に説明されるように、第一端部300は、補助的な傘生地120の反転を防止するための手段を設けるように、補助的な傘生地120に結合される。
【0029】
第二ワイヤ部材700は、第一端部702及び反対側の第二端部を有する細長いワイヤ(例えば、金属ロッド)である。第一端部702は、第二親骨部品400の底部を通過して第二親骨部品400内に画定されたセンターチャンネルに入るように第二親骨部品400にアンカー固定されてから、リベットなどのように、その中に固定して取り付けられる曲げ端部であることができる。第二ワイヤ部材700は、その第一端部702でのみアンカー固定されるため、本明細書で説明されるように加えられた力の下で撓むカンチレバーのように作られた可撓性構造を表す。第二ワイヤ部材700は金属製ワイヤ(例えば、金属ロッド)であることができ、この金属製ワイヤは、剛性であり、通常の動作条件下でその形態を維持する。本明細書で説明されるように、第三ワイヤ部材800は、通常の使用中に容易に曲げることができ、非直線形状を容易にとることができるより細いワイヤまたは金属製ストリングを表すという点で、かなり異なる形態を有する。第三ワイヤ部材800は、第二ワイヤ部材700よりもはるかに剛性が低く、通常の使用下では、故意に曲げられた端部702を除いて、その細長く直線状の形態を維持する。第三ワイヤ部材800は、ポリマー製ワイヤ、ケーブル、またはストリングなどの合成(ポリマー)材料から形成されることもできる。
【0030】
第二ワイヤ部材700の自由端にはコネクタ710が設けられ、リベットなどのように第二ワイヤ部材700の自由端に枢動可能に取り付けられることができる。コネクタ710は、第二ワイヤ部材700の自由端を受け入れるプラスチック製中空構造であることができる。またコネクタ710は、剛性金属の第二ワイヤ部材700よりもはるかに可撓性で細い第三ワイヤ部材800に取り付けられるため、自由に曲がることなどができる。第三ワイヤ部材800は、ナイロン被覆ステンレス鋼線であることができる。要素711は、コネクタ710を第二ワイヤ部材700に取り付けるための手段を表すことができる。
【0031】
第三ワイヤ部材800の第一端部802はコネクタ720に取り付けられるため、このコネクタは第三ワイヤ部材800を第二ワイヤ部材700に連結する。第三ワイヤ部材800の第二端部804は、親骨露先610の突出部612に取り付けられる。このようにして、第三ワイヤ部材800は主な第一傘生地110に取り付けられる。第三ワイヤ部材800が着色ナイロンのために着色ワイヤであることができ、一実施形態では、第三ワイヤ部材800が、その他の方法で着色されたステンレス鋼または黒色の親骨機構であるものと区別されるために赤色を有することが理解されよう。
【0032】
親骨組立体は、以下の方法で第一及び第二傘生地110、120に取り付けられることができる。
【0033】
補助的な傘生地120は、取り付けられた糸を貫通孔部241に通すように第一親骨部材220に取り付けられることで、補助的な傘生地120が第一親骨部材220にアンカー固定される。中央開口部を形成する第一傘生地110の内縁部では、第二傘生地120は、ワイヤ部分300も捕捉するステッチ(糸)のように、第一傘生地110にアンカー固定されることができる。この取り付け点は、ワイヤ部分300の自由端302の内部に位置し、反対に、このワイヤ部分は、端部302に親骨露先を使用して、第二傘生地120の外周縁部に一旦アンカー固定される。したがって、2枚の傘生地110、120への取り付け点から端部302までのワイヤ部分300の長さは、第一傘生地110に取り付けられず、その上に延在し、反転力に対抗するように自由に可撓性である。
【0034】
親骨接合部材500は孔部315を有し、糸が第一傘生地110に取り付けられている状態で糸を使用して、糸が孔部315を通過し、第一傘生地110をアンカー固定するように、この孔部に第一傘生地110が取り付けられる。
【0035】
さらに、第三親骨部材600は、第三親骨部材600を第一傘生地110にアンカー固定するように、糸またはステッチを使用して第一傘生地110に取り付けられることができる。
【0036】
本発明の一態様によれば、ワイヤ部材300、310、700、800によって規定される抗反転機構が設けられ、選択された動作条件の間、そして特に風の強い条件またはその他の悪条件の間、傘に加えられる反転力に対抗するように構成される。傘の使用者には周知であるように、突風が傘の内側に向かい上昇する場合、風が加えた圧力により、傘生地が反転するため、親骨がその傘生地を逆効果の力で外向きに押すように機能する。一般に傘生地は、反転が起こると凹形状を呈し、同様に、親骨が力で押されて意図しない方向に枢動するため、1つ以上の親骨が破損することがある。これにより、傘が使用できなくなる。本発明の傘は、上記で個別に論じられているいくつかの構成要素から作られる抗反転機構を有する。
【0037】
したがって、ワイヤ/ケーブル800は、本明細書で開示されるように、抗反転機構を傘生地露先610に取り付ける抗反転ワイヤであると考えられることができる。ケーブル800は、ナイロン被覆ステンレス鋼線の形態であることができ、そうであることが好ましい。ただし、Kevlar繊維または他のタイプの高強度繊維などの他の構造も適している場合がある。
【0038】
したがって、ワイヤ700は、傘生地の下側に加えられる力(例えば、圧力)の結果として傘の反転に抵抗する反作用力を加える抗反転ばねとして機能するように構成されることができる。したがって、抗反転ばね(ワイヤ700)は、親骨組立体、特に第三親骨部品600などを通常の動作位置に維持するように付勢力を加える。したがって、この付勢力は、加えられた反転力(例えば、上向きに向けられる突風)の結果としての第三親骨部品600の上向きの運動に反作用する。ワイヤ800の強度により、傘生地の外周部品が上向きに持ち上がることによって反転する(その結果、部品に応力がかかり、破損しやすくなる)ことが防止される。
【0039】
親骨部品220、400、600は、任意の数の異なる材料から形成されることができ、本発明によれば、親骨220、400、600が2つ以上の異なる材料から形成されることができることが理解されよう。例えば、親骨部品220、400は、アルミニウムなどの金属から形成されることができるが、本発明の一態様によれば、親骨部品600は炭素材料(例えば、溝付き炭素)から形成されることができる。
【0040】
図5に示されるように、折りたたみ状態では、第二ワイヤ部材700は、第二親骨部品400に近接して(それに隣接して平行に延びるように)位置決めされる。ただし、全開位置では、第二ワイヤ部材700の自由端は、第二親骨部品400から下向きに撓み、そこから離隔され、下向きに撓むこととそのカンチレバー構造により、エネルギーを蓄えるばね要素として機能することができる。同様に、閉状態では、第三ワイヤ800は、示されるように第三親骨部品600に隣接し、それに平行に延びるが、開位置では、ワイヤ800は、撓んだワイヤ部材700によって第三親骨部品600から引き離されるため、張力を受ける。
【0041】
要素300、700、800がワイヤ部材として説明されているが、これらの要素がワイヤ構造に限定されず、多くの種類の非弾性材料で形成されることができ、ストリング、ワイヤ、リボンなどを含む様々な形態を取ることができることが理解されよう。これらの要素は、曲げられるが、力(非弾性)を受けて伸長しない。
【0042】
図7~9は、抗反転機構またはシステム1100を実装することができる1つの例示的な傘1000を示す。
図1~6の実施形態と同様に、
図7~9の実施形態がシステム1100を実装できる傘の1つのタイプにすぎず、システム1100が多くの異なるタイプの傘に実装されることができることが理解されよう。
【0043】
傘1000は、一重傘生地タイプの傘であってもよく、または
図1~6に示されるように二重傘生地設計であってもよい。傘1000が傘100と同様であるため、同様の要素には同じ番号が付けられている。特に、傘1000は、傘100と同じ部品を多数含むことができるため、傘1000と傘100との両方に共通する同じ部品を表すために同じ図の凡例が使用される。
【0044】
傘1000は、上ろくろと下ろくろ140との両方に結合される複数の親骨組立体1010を含むことにより、下ろくろ140の運動方向に基づいて、親骨組立体1010及び取り付けられた傘生地(図示せず)が開閉する。本明細書に記載されているように、各親骨組立体はいくつかの親骨部品によって規定され、これらいくつかの親骨部品は、別のものに枢動可能に取り付けられると、下ろくろ140が傘生地を開閉することに応答して、親骨組立体が折りたたまれて、伸長することが可能になる。
【0045】
各親骨組立体1010は、親骨組立体200の構造と非常に類似していることができるが、1つの違いは、第一ワイヤ部材が、
図1~6の二重傘生地設計に対して
図7~9の一重傘生地に応じるために異なる構造を有することである。特に、第一ワイヤ部分300を除去するが、第二ワイヤ部分310を維持する。第二ワイヤ部分310は、第一実施形態(
図1~6)のように曲げ返されて第一ワイヤ部分300を形成することとは対照的に、結合部材247で終端する。
【0046】
さらに、傘1000は3段折型の親骨の傘であるが、抗反転システム1100は3段折型の親骨の傘に実装されることに限定されないことが理解されよう。代わりに、抗反転システム1100は、全部で3段折以外の親骨を有する親骨構造に実装されることができる。図示された3段折型の親骨の傘では、抗反転システム1100は、示されて本明細書に記載されているように、第二親骨と第三親骨との間に組み込まれている。
【0047】
抗反転システム1100は、第二ワイヤ部分(細長い第一部材)310を有する細長い第一部材、細長い第二部材、及び細長い第三部材を含む。細長い第二部材が第二ワイヤ部材700と同一または同様であり得、細長い第三部材が第三ワイヤ部材800と同一または同様であり得ることが理解されるであろう。本明細書で論じられるように、これらの要素310、700、800のそれぞれは、ワイヤであることに限定されないが、代わりに、ワイヤ、ストリング、リボンなどの多くの異なる形態を取ることができる。特にこれは、細長い第一部材310及び細長い第三部材800の場合である。
【0048】
傘1000と傘100との間の1つの主な違いは、細長い第三部材800が第三親骨部品600に結合される方法である。ここでもまた、下記の結合技法は、細長い第三部材800を第三親骨部品600に結合することに限定されないが、一般に、細長い第三部材800を任意の遠位親骨(例えば、2段折の親骨の傘では、遠位親骨は第二親骨である)に結合する方法である。以下に説明される取り付け方法が
図1~6に示される傘構造に実装されることができることが理解されよう。
【0049】
第二親骨部品400がプレス加工された金属製親骨の形態であることができるが、射出成形プラスチックまたは他の材料のものなど、他の形態を取ることもできるため、金属製親骨に限定されないことが理解されよう。撓むことができる金属製ワイヤまたはロッドであることができる細長い第二部材700は、第一端部で第二親骨部品400に取り付けられる。
【0050】
示されるように、細長い第二部材700は、細長い第三部材800にそのそれぞれの端部で取り付けられる。多くの実施形態では、細長い第二部材700及び細長い第三部材800は、異なる材料で形成される。例えば、細長い第二部材700は、剛性で可撓性の金属製ロッドまたはワイヤの形態であり得、細長い第三部材800は、より細いストリングまたはワイヤまたはケーブルの形態であり得る。
【0051】
特に、
図8に示すように、コネクタ1009を使用して、細長い第二部材700及び細長い第三部材800を連結することができる。一実施形態では、細長い第三部材800(ストリング)をコネクタ1009にオーバーモールドして、細長い第三部材800とコネクタ1009との間に固定した連結部を設けることができる。細長い第二部材700の第二端部はコネクタ1009に取り付けられ、細長い第三部材800の第一端部はコネクタ1009に取り付けられる。したがって、コネクタ1009は、2つの異なる材料で形成される2つの異なる構造を結合するための手段を提供することができる。
【0052】
細長い第三部材800(例えば、ワイヤまたはストリングまたはリボン)を第三親骨部品600に取り付ける方法は、
図10~15に最もよく示されている。より具体的には、傘1000は、細長い第三部材800を第三親骨部品600に容易に取り付けることを可能にする露先連結システム1001を含む。
【0053】
一般に、細長い第三部材800に関連付けられる第一コネクタ1200(第一結合部品)を、第三親骨部品600に関連付けられる第二コネクタ1300(第二結合部品)に嵌合し、細長い第三部材800を第三親骨部品600に取り付ける。本明細書で説明されるように、取り付け機構は、細長い第三部材800と第三親骨部品600との間にスナップフィットなどを形成することができる機械式のものであることができる。
【0054】
より具体的には、第一コネクタ1200は、第三親骨部品600の遠位端部に取り付けられるために提供される。したがって、第一コネクタ1200は第三親骨部品600の端部に固定して取り付けられ、同様に、第二コネクタ1300は細長い第三部材800の遠位端部に取り付けられるために提供される。第一結合部品1200は内側露先とみなされることができ、第二コネクタ1300は外側露先とみなされることができる。本明細書に記載されるように、内側露先は、外側露先内に受容されるように構成される。したがって、第一コネクタ1200は雄部品とみなされることができ、第二コネクタ1300は雌部品とみなされることができる。
【0055】
したがって、第一コネクタ1200は、第三親骨部品600の遠位端部604に位置する。第一コネクタ1200は、キャップとして第三親骨部品600の遠位端部604を嵌脱するほぼ円筒形の部品であり得る。第一コネクタ1200は、第一コネクタ1200の側面に沿って外向きに突出する一対のロックタブ(第一ロック要素)1210を含む。例えば、ロックタブ1210は、第一結合部品1200の側面に沿って互いに対向して(180度離れて)位置していることができる。図示された実施形態では、第一コネクタ1200は、第一コネクタ1200の側面に沿って形成される一対の平坦部1209を有し、2つのロックタブ1210は、これら2つの平坦部1209に沿って形成される。ロックタブ1210のそれぞれは、丸みを帯びた構造を有することができる。
【0056】
第一コネクタ1200の1つの端部1203(近位端部)は、第一コネクタ1200のもう1つの区間に対して拡大されることができ、より具体的には、端部1203は、本明細書に記載されるように止め部としても機能する環状形状のフランジであることができる。より具体的には、第一コネクタ1200が第二コネクタ1300に受け入れられると、第一コネクタ1200は、フランジ1203が第二コネクタ1300の開口端部に接して着座するまで挿入される。
【0057】
示されるように、第一コネクタ1200は、キャップとして第三親骨部品600の遠位端部604を完全に被嵌することができる。
【0058】
一実施形態では、第一コネクタ1200は、遠位端部604の上に第一コネクタ1200をオーバーモールドすることを含むがこれに限定されない任意の数の従来の技法を使用して遠位端部604に取り付けられてもよく、または第一結合部品1200は、結合剤(接着剤)または他の技法によって遠位端部604に取り付けられる先に製造された部品であってもよい。
【0059】
したがって、第一コネクタ1200は、遠位端部604の端部にキャップ形態を有するため、雄部品とみなされることができる。
【0060】
第二コネクタ1300は、示されるように、細長い第三部材800の遠位端部に配置される。第二コネクタ1300は、第二コネクタ1300の開口した第一端部1303でアクセスされる中空内部1304を有する中空の円筒形部品の形態である主要部分1302を有する。反対側の第二端部1305は、第二コネクタ1300の閉口端部である。主要部分1302内に、一対の開口部または窓部(第二ロック要素)1310が形成される。特に、ロックタブ1210が窓部1310内に摺動可能に受け入れられると、2つのコネクタ1200、1300の間に固定して結合されることから、窓部1310の間隔及び位置は、ロックタブ1210の位置及び間隔と相補的である。したがって、中空内部1304の軸方向の長さは、第一コネクタ1200が中空内部1304内に受け入れられる場合、第一コネクタ1200の遠位端部が中空内部1304の遠位端部に当接するように、第一コネクタ1200の軸方向(長手方向)の長さを考慮して選択される。同時に、ロックタブ1210は窓部1310に入り、第一コネクタ1200を第二コネクタ1300に効果的に結合する。換言すれば、ロックタブ1210を窓部1310に受け入れることは、スナップフィットタイプの結合のものであり得、さらに特に、第一コネクタ1200を第二コネクタ1300から係脱することを意図したものではないという点で、一方向の不可逆的なタイプの結合である。2つのコネクタ1200、1300の間の嵌合は、クリップタイプの動作とみなされることができる。
【0061】
また第二コネクタ1300は、主要部分1302と一体であり、そこから外向きに延出する延出部1350を含む。延出部1350は、主要部分1302の区間(長さ)に沿って長手方向に延在する。延出部1350は、細長い第三部材800の遠位端部が延出部1350に固定して取り付けられるという点で、細長い第三部材800のアンカーとして機能する。細長い第三部材800が中空内部1304から離されて効果的に位置選定され位置決めされた後、第一結合部品1200を第二結合部品1300に受け入れることを細長い第三部材800が妨げることができないように、延出部1350を中空内部1304から離隔する。
【0062】
細長い第三部材800の遠位端部は、任意の数の適切な技法を使用して延出部1350に固定される。例えば、遠位端部はオーバーモールドプロセスによってアンカー固定されることができ、この遠位端部では、延出部1350(及びそのことについては第二コネクタ1300全体)がオーバーモールドプロセスによって細長い第三部材800の周りに形成される。延出部1350は、第二コネクタ1300の下側に沿っているとみなされることができる。
【0063】
結合剤の使用など、他の技法を使用して、細長い第三部材800を延出部1350にアンカー固定することができる。
【0064】
図13~15は、第一結合部品(内側露先)1200が第二コネクタ1300の中空内部1304内に完全に受け入れられている組立状態での第一及び第二コネクタ(内側/外側露先)1200、1300を示す。上述のように、2つのコネクタ1200、1300間のロックは、ロックタブが窓部に受け入れられることにより生じる。
【0065】
ロックタブ1210の前縁部は、ロックタブ1210を窓部1310に受け入れることを可能にするために、ベベル形縁部であり得る。ベベル形縁部により、第二コネクタ1300は、撓むことが可能になると、第一コネクタ1200を通して中空内部1304に入れることが可能になり、タブ1210が第一コネクタ1200の最も幅広い部品を画定するため、タブ1210が窓部1310に受け入れられると、あらゆる撓みが解放される。
【0066】
したがって、本発明の露先連結システム1001は、細長い第三部材800(ストリング、ワイヤ、リボン)を親骨の遠位端部、この場合には第三親骨部品600に結合するための手段を提供するように構成される。2つのコネクタ部品を使用することにより、細長い第三部材800と第三親骨部品600との間に単純でありながら効果的な連結を確立することができる。このようにして、抗反転機構を傘設計に容易に組み込むことができ、抗反転機構と親骨組立体との間の取り付けを露先連結システム1001によって達成することができる。
【0067】
第一コネクタ1200が細長い第三部材800に関連付けられ、第二コネクタ1300が親骨600に関連付けられるように、露先連結システム1001を構築することが可能であることも理解されるであろう。
【0068】
図16~22は、抗反転機構またはシステム2100を実装することができる1つの例示的な傘2000を示す。本明細書に記載の先の実施形態と同様に、
図16~22の実施形態がシステム2100を実装することができる傘の1つのタイプにすぎず、システム2100が多くの異なるタイプの傘に実装されることができることが理解されよう。
【0069】
傘2000は、3段折の親骨設計の一重傘生地タイプの傘であることができる。傘2000が傘100及び1000と同様であるため、同様の要素には同じ番号が付けられている。特に、傘2000は、傘100、1000と同じ部品を多数含むことができるため、傘2000と傘100及び1000との両方に共通する同じ部品を表すために同じ図の凡例が使用される。
【0070】
傘2000は、第一(頂)端部及び反対側の第二(底)端部を有する中棒130を含む。中棒130自体は、協働して中棒130を提供するために任意の数の異なる構成要素から形成されることができ、
図2に示される中棒130は、使用者が傘を手動で開閉する手開き式傘組立体の部品である。中棒の第一端部には、中棒130を窄める上ろくろ141を設けることができ、第二端部には、使用者が把持する手元を設ける。中棒130に沿って可動な下ろくろ140を設ける。
【0071】
傘2000は、上ろくろ141と下ろくろ140との両方に結合される複数の親骨組立体2200を含むことにより、下ろくろ140の運動方向に基づいて、親骨組立体2200及び取り付けられた傘生地(図示せず)が開閉する。本明細書に記載されているように、各親骨組立体2200はいくつかの親骨部品によって規定され、これらいくつかの親骨部品は、別のものに枢動可能に取り付けられると、下ろくろ140が傘生地を開閉することに応答して、親骨組立体が折りたたまれて、伸長することが可能になる。
【0072】
親骨組立体2200は3段折の親骨設計のものであり、より具体的には、親骨組立体2200は第一親骨2300、第二親骨2310、及び第三親骨2320を含む。第一親骨2300は、第一端部で上ろくろ141に取り付けられる。
【0073】
親骨組立体2200と下ろくろ140との間の連結は、第一受骨210によって行われる。受骨210は、第一端部及び反対側の第二端部を有する細長い構造であり、第二端部は本明細書で論じられるように親骨組立体2200に枢動可能に取り付けられ、第一端部は下ろくろ140に枢動可能に取り付けられる。第一受骨210と下ろくろ140との間、及び第一受骨210と親骨組立体2200との間の枢軸連結は、リベットまたはピンなどのファスナなどによって成し遂げられることができる。より具体的には、第一受骨接合部(第一連結点/枢軸)225は、第一受骨210と第二端部の親骨組立体との間に形成され、同様の受骨接合部は、第一受骨210と第一端部の下ろくろ140との間に形成され得る。第一受骨接合部225は、第一親骨2300の端部の間の位置で第一親骨2300に連結される。
【0074】
第一受骨210は、金属(例えば、亜鉛合金)を含む任意の数の異なる材料から形成されることができる。
【0075】
第一親骨2300は、その壁部の間に第一受骨接合部225を受け入れ、第一受骨接合部225と第一親骨2300との間の枢動取り付けを可能にするC字形状の構造を有することができる。
【0076】
第一親骨接合部2400は、設けられ、第一親骨2300及び第二親骨2310を枢動可能に連結するのに役立つ。第一親骨接合部2400は、第一端部2402及び反対側の第二端部2404を有する。第一端部2402は、第一指部2410と、第一指部2410から離隔された第二指部2412とによって規定される分離した指部設計を有する。第二端部2404は、第二親骨2310の1つの端部がアンカー固定される管状構造であることができる。
【0077】
第一親骨接合部2400は、上面2401及び反対側の背面2403を有する。
【0078】
第一親骨接合部2400は、指部2410、2412と第二端部2404との間に位置する第一及び第二結合フィン2420、2422も含む。フィン2420、2422は、上面2401に沿って位置している。指部2410、2412及びフィン2410、2412のそれぞれは、その中に形成された開口部を有し、これらの開口部は、以下に説明されるように、異なる部品を合わせて結合するためのファスナを受け入れる。
【0079】
第一親骨接合部2400は、上面2401に沿って開口し、第二端部2404に向かい伸長する細長い内側溝部2430を含む。第一親骨接合部2400は、細長い内側溝部2430内に直接通じる底部開口部2440を含む。底部開口部2440は、長方形の形状を有する。細長い内側溝部2430は、開口部2440から閉口した端部2421まで延在する。細長い内側溝部2430の床部は平坦ではないが、代替に輪郭があり、より具体的には、床部は、底面2403に向かい下向きに傾斜する第一区間2432と、第一区間2432から上面2401に向かい上向きに傾斜する第二区間2434とを有する。第一区間2432及び第二区間2434は、互いに連続している。示されるように、第一区間2432の長さは、第二区間2434の長さよりも長い。
【0080】
底部開口部2440は内壁部2445を画定し、そのうえ内壁部は細長い内側溝部2430の1つの端部を画定する。本明細書で説明される理由により、内壁部2445の頂縁部及び/または底縁部が丸みを帯びることができる。換言すれば、細長い内側溝部2430の第一区間2432の1つの端部が丸みを帯びる(縁部が面取りされる)ことができる。同様に、内壁部2445の底部も同じように丸みを帯びて、別の面取りされた縁部を画定することができる。
【0081】
図に示されるように、第一受骨接合部225に取り付けられる第一端部2452(例えば、カール状の端部)と、第一親骨接合部2400に取り付けられる第二端部2454(例えば、カール状の端部)とを有するワイヤ2450または他の剛性の細長い構造によって、第一受骨210を第一親骨接合部2400に結合する。
図23に示されるように、第二端部2454は、第一指部2410と第二指部2412との内及びそれらの間に受容されるカプラによって取り付けられる。
【0082】
第二親骨接合部2500は、第二親骨2310を第三親骨2320に枢動可能に取り付ける。第二親骨接合部2500は、第一端部及び第二端部を有する。親骨接合部材2500は、2つの画定された取り付け領域を有し、さらに特に、第一端部では、第一取り付け領域2502が画定され、第二取り付け領域2504では、第二親骨接合部2500が第二親骨2310の端部カプラ2315に対して枢動可能であるため、傘の開閉中に第二及び第三親骨2310、2320が互いに対して枢動することが可能になる。端部カプラ2315は、中空の内部空間を有することができ、この中空の内部空間内に第二親骨2310の端部を受け入れ、結合、ファスナなどの従来の技法を使用して固定する。親骨接合部材2500の第二端部は、第三親骨2320の受容を可能にする管状構造を有することができる。
【0083】
第三親骨2320は、円筒形状を有することができ、可撓性金属ロッドまたは剛性プラスチックロッドの形態であることができる。第三親骨2320の第一端部は、第二端部の開口部内に受容されるように、第二親骨接合部2500の第二端部に取り付けられてから、結合などを含む任意の数の従来の技法を使用するように、そこに固定して取り付けられる。
【0084】
本開示の抗反転機構は、第一ワイヤ2600、第二ワイヤ2610、及びケーブル2620を含む。
【0085】
第一ワイヤ2600は、第一親骨2300の頂部に沿って取り付けられる結合部材2301で第一親骨2300に取り付けられる第一端部を有する。結合部材2301は、第一親骨2300の第一端部を受け入れる中央開口部を有するキャッチのような構造であり得る。したがって、第一親骨2300の第一端部は、フック形状であることができる。第一ワイヤ2600の中間区間は、第二親骨2310の上面に沿って位置している結合部材2303によって第二親骨2310に結合されることができる。結合部材2303は、クリップまたははとめの形態であることができ、このクリップまたははとめに、第一ワイヤ2600は結合される(例えば、第一ワイヤ2600は結合部材2301内の孔部を通り延在することができる)。第一ワイヤ2600の第二端部は、第二親骨接合部2500の第一取り付け領域2502に取り付けられる。
【0086】
したがって、第一ワイヤ2600は、第一親骨2300と第二親骨接合部2500との間にアンカー固定される、剛性ケーブルまたは他の細長い構造のような、金属製ワイヤなどの形態であり得る。
【0087】
第二ワイヤ2610は、第一端部2612及び反対側の第二端部2614を有する抗反転ばね要素であると考えられることができる。第二ワイヤ2610は、ばね鋼などの金属で形成されることができる。
【0088】
第一端部2612は、細長い内側溝部2430と嵌合して係合するように設計されるクリップの形態である。
図27に示されるように、第二ワイヤ2610の第一端部2612は、それ自体の上で曲げ返されるように曲がった端部である。曲がった第一端部2612は、第二ワイヤ2610の主要区間2615から第一傾斜区間2616に移行する湾曲区間2613によって規定される。第二移行部は、第一傾斜区間2616と、第二ワイヤ2610の自由端を規定する第二傾斜区間2617とによって規定される。第一傾斜区間2616が細長い内側溝部2430の床部の第一区間2432に対して位置決めされ、第二傾斜区間2617が細長い内側溝部2430の床部の第二区間2434に対して位置決めされるように、湾曲区間2613は底部開口部2440を通じて延出する。
【0089】
第二ワイヤ2610がばね特性を有し、クリップとして機能するため、第一端部2612は、クリップとして機能すると、細長い内側溝部2430の床部に対して付勢される。換言すれば、第一端部2612は、第一親骨接合部2400にクリップ留めされるため、その第一端部に固着してアンカー固定される。
【0090】
第二ワイヤ2610を第一親骨接合部2400に結合して係合するために、第二傾斜区間2617は、最初に底部開口部2440を通して送られ、蛇行することで細長い内側溝部2430に入る。内壁部2445の面取りされた縁部は、細長い内側溝部2430にクリップ端部が入ることを促進する。クリップ端部のばね性により、クリップ端部が細長い内側溝部2430に送り込まれると、内壁部2445の頂部で面取りされた縁部は、主要区間2615に対する傾斜区間2615、2617の分離を促進することにより、ばね力が発生し、クリップ端部が細長い内側溝部2430に入ると、ばね力によってクリップ端部が第一親骨接合部2400に留められる(クランプ留めされる)ことにより、クリップ端部が適所に保持される。
【0091】
クリップ端部をこのように挿入して、細長い内側溝部2430と係合することにより、第二ワイヤ2600の主要区間2615が第二親骨2310の底部に沿って配置される。
【0092】
第二ワイヤ2610の第二端部は、ケーブル2620に連結される。要素2620はケーブルであると説明されているが、コード、ストリングもしくはロープ、または細いワイヤもしくは容易に曲げて変形させることができる他の可撓性構造の形態を取ることができることが理解されよう。第二ワイヤ2610及びケーブル2620は、スイベル接合部2640によって互いに結合されることができる。例えば、ケーブル2620の第一端部は固定方式でスイベル接合部2640の1つの端部に固定され、第二ワイヤ2610の第二端部はスイベル接合部2640のもう1つの端部に枢動可能に取り付けられる。例えば、スイベル接合部2640はプラスチック製部品であり得、ケーブル2620はスイベル接合部2640内にオーバーモールドされ得る。第二ワイヤ2610の第二端部は、スイベル接合部2640の1つの端部に形成された固定構造を中心に枢動するカール状の端部であることができる。このようにして、第二ワイヤ2610は、ケーブル2620に枢動可能に取り付けられる。
【0093】
ケーブル2620を第三親骨2320に取り付ける方法は、
図10~15に最もよく示されているものと同じである。より具体的には、傘2000は、ケーブル2620を第三親骨2320に容易に取り付けることを可能にする露先連結システム1001を含む。本明細書に説明されるように、露先連結システム1001は、2つのコネクタ1200、1300間の連結の結果として、ケーブル2620を第三親骨2320に取り付けるためのスナップフィットを提供する。
【0094】
ケーブル2620の遠位端部は、任意の数の適切な技法を使用して延出部1350に固定される。例えば、遠位端部はオーバーモールドプロセスによってアンカー固定されることができ、この遠位端部では、延出部1350(及びそのことについては第二コネクタ1300全体)がオーバーモールドプロセスによってケーブル2620の周りに形成される。延出部1350は、第二コネクタ1300の下側に沿っているとみなされることができる。
【0095】
ケーブル2620が着色ナイロンのために着色ワイヤであることができ、一実施形態では、その他の方法で着色されたステンレス鋼または黒色の親骨機構であるものと区別されるためにケーブル2620が赤色を有することが理解されよう。
【0096】
図26~29は、本開示の別の特徴を示す。より具体的には、インサートまたはプラグ2700は、ワイヤ2610のクリップ端部の滑動を防止するために、底部開口部2440に挿入されることができる。開示されるように、第一端部2612で湾曲区間2613は、底部開口部2440内にあり、内壁部2445に接して着座するが、底部開口部2440のもう1つの端部は開口したままである。インサート2700は、底部開口部2440のこの開口端部に対して相補的な形状を有する。したがって、インサート2700は、1つの端部が凸状の湾曲端部でありながら、もう1つの端部が湾曲区間2613を収容する凹状の湾曲端部であり得る、長方形の形状を有する。この設計は、底部開口部2440のこの開口端部の形状を反映する。あるいは、インサート2700は、底部開口部2440の開口端部を塞ぎ、ワイヤ2610のクリップ端部の不要な滑動を防止するのに役立つ限り、平らな端部など、他の形状を有することができる。
【0097】
インサート2700は、インサート2700の挿入の程度を制限し、インサート2700が押されて底部開口部2440を完全に通り抜けることを防止する拡大ヘッド2702を有することができる。拡大ヘッド2702の反対側のインサート2700の端部は、ロックタブ2705などのロック部材を含むことができる。このロックタブ2705は、第一親骨接合部2400の壁部構造を係合して、インサート2700を底部開口部2440内にロックして保定する。例えば、インサート2700は、スナップフィットによって第一親骨接合部2400に取り付けられることができる。したがって、インサート2700により、ワイヤ2610のクリップ端部が第一親骨接合部2400から不注意に係脱しないことが確保される。
【0098】
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、本発明は、他の形態で、そして他の材料及び構造を使用して実施されることができる。したがって、本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲の記載及びその均等物によって定義される。
【国際調査報告】