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特表2023-548591効率的な空間利用を伴うコンパクトなバーティポート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】効率的な空間利用を伴うコンパクトなバーティポート
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20231110BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20231110BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20231110BHJP
   B64F 3/00 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G5/00 A
B64D27/24
B64F3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527282
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2021058281
(87)【国際公開番号】W WO2022099030
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/111,522
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520504231
【氏名又は名称】ウィスク アエロ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティグ、ジェイムズ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ロング、ジェフリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ツァーリノトツキー、ウリ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA26
(57)【要約】
実施例は、コンパクトなバーティポート・システムを提供する。バーティポート・システムは、典型的には異なる空間及び異なるタイミングにおいて行われる複数の活動を1つの空間及び時間周期に統合することにより、効率的且つコンパクトであり得る。例えば、航空機が着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移動されているときに、航空機はまた、同時に充電され得る。また、航空機が移動されている間に、乗客の入れ替えが行われ得る。結果として、コンパクトなバーティポート・システムが、より小さな空間、例えば建物の最上部又はより小さな土地に適合し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着陸ゾーンと、
離陸ゾーンと、
前記着陸ゾーンと前記離陸ゾーンとの間に位置決めされた少なくとも1つの表面を含む移行ゾーンと、
複数機の航空機を前記着陸ゾーンから前記離陸ゾーンへ前記移行ゾーンを渡って同時に物理的に移送するように構成された移送設備であって、前記複数機の航空機のそれぞれが移送設備に連結され且つ前記移行ゾーンに位置している間に、前記複数機の航空機のそれぞれにおいて乗客の入れ替えを可能にするように構成された移送設備と、
複数の充電器であって、前記複数の充電器の各充電器は、前記航空機が前記移送設備に連結され且つ前記移行ゾーンに位置している間に、前記複数機の航空機のうちの1機の航空機の電池を充電するように構成され、また前記複数の充電器の各充電器は、
電源、及び、
前記電源に連結された電気カプラであって、前記航空機の前記電池に連結して電力を供給するように構成された電気カプラ
を含んでいる、複数の充電器と
を有する、システム。
【請求項2】
前記離陸ゾーン、前記着陸ゾーン、又は前記移行ゾーンのうちの1つ又は複数の下の通路と、
前記移行ゾーンに隣接する、又は前記移行ゾーン内の少なくとも1つの乗客入場ポイントであって、前記通路に連結された乗客入場ポイントと
をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの表面は少なくとも1つの経路を含み、前記移送設備は、前記複数機の航空機を前記着陸ゾーンから前記離陸ゾーンへ前記少なくとも1つの経路を渡って同時に物理的に移送するように構成された複数のカートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のカートの各カートは、一度に1機の航空機を物理的に移送するように構成され、また前記複数のカートの各カートは、任意の所与の時点において前記移行ゾーン内の異なる位置に位置している、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の充電器は、前記複数のカートのそれぞれが前記複数の充電器のうちの1つの充電器を含むように前記複数のカート上に配置され、それにより、前記複数のカートの各カートが、前記航空機を物理的に移送するのと同時に前記航空機の前記電池を充電するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のカートの各カートは、前記航空機を物理的に支持するように構成されたプラットフォームを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のカートの各カートは、前記航空機を機械的に持ち上げるために垂直方向に移動するように構成された少なくとも1つの機械的カプラをさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のカートの各カートは、
前記プラットフォームに連結された1つ又は複数の車輪のセットと、
前記電源と前記1つ又は複数の車輪のセットとに連結されたモータであって、前記プラットフォームが移動するために前記1つ又は複数の車輪のセットを回転させるように構成されたモータと
をさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の充電器は、複数の固定された場所で、前記少なくとも1つの経路上に配置され、前記複数のカートの各カートは、前記複数の充電器のうちの少なくとも1つを通過するときに一時的に停止するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの経路は単一の経路であり、前記複数の充電器は、前記単一の経路に沿って一列に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの経路は複数の経路であり、前記複数の経路のそれぞれが前記複数の充電器のうちの1つを含み、それにより前記複数機の航空機の各航空機は、前記着陸ゾーンから前記離陸ゾーンへ移動されているとき、前記複数の充電器のうちの1つのみを通過する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表面は単一の経路であり、前記単一の経路の始まりが、前記着陸ゾーンの終わりに隣接し、前記単一の経路の終わりが、前記離陸ゾーンの始まりに隣接する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記着陸ゾーンは第1の方向に配向され、前記離陸ゾーンは第2の方向に配向され、前記単一の経路は第3の方向に配向される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の方向は前記第2の方向に対して平行であり、前記第1の方向及び前記第2の方向は、どちらも前記第3の方向に対して垂直である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の方向は前記第2の方向に対して平行であり、前記第3の方向は、前記第1の方向及び前記第2の方向に対して角度を付けられている、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の方向は前記第2の方向に対して平行であり、前記第1の方向及び前記第2の方向は、どちらも前記第3の方向に対して逆平行である、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記移行ゾーンは、前記着陸ゾーンに隣接し、前記離陸ゾーンに隣接し、且つ前記着陸ゾーンと前記離陸ゾーンとの間に位置決めされる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記移行ゾーンと前記着陸ゾーンとの間の第1の境界の少なくとも一部に沿って位置決めされた第1の障壁と、
前記移行ゾーンと前記離陸ゾーンとの間の第2の境界の少なくとも一部に沿って位置決めされた第2の障壁と、
前記第1の障壁に隣接して位置決めされた第1の歩道と、
前記第2の障壁に隣接して位置決めされた第2の歩道と
をさらに有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記着陸ゾーン及び前記離陸ゾーンは同じ場所にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記着陸ゾーンは第1の着陸ゾーンであり、前記離陸ゾーンは第1の離陸ゾーンであり、前記移行ゾーンは第1の移行ゾーンであり、前記少なくとも1つの表面は第1の表面であり、前記複数機の航空機は第1の複数機の航空機であり、前記システムは、
第2の着陸ゾーンと、
第2の離陸ゾーンと、
前記第2の着陸ゾーンと前記第2の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第2の表面を含む第2の移行ゾーンと
をさらに有し、
前記移送設備は、
前記第1の複数機の航空機を前記第1の着陸ゾーンから前記第1の離陸ゾーンへ前記第1の表面を渡って物理的に移送するように構成された第1の複数のカートと、
第2の複数機の航空機を前記第2の着陸ゾーンから前記第2の離陸ゾーンへ前記第2の表面を渡って物理的に移送するように構成された第2の複数のカートと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の移行ゾーンの始まりが、前記第1の着陸ゾーンの終わりに隣接し、前記第1の移行ゾーンの終わりが、前記第1の離陸ゾーンの始まりに隣接し、前記第1の着陸ゾーンが、第1の方向に配向され、前記第1の離陸ゾーンが、前記第1の方向に対して平行な第2の方向に配向され、前記第1の移行ゾーンが、前記第1の方向及び前記第2の方向に対して垂直な第3の方向に配向され、前記第2の移行ゾーンの始まりが、前記第2の着陸ゾーンの終わりに隣接し、前記第2の移行ゾーンの終わりが、前記第2の離陸ゾーンの始まりに隣接し、前記第2の着陸ゾーンが、前記第1の方向に配向され、前記第2の離陸ゾーンが、前記第2の方向に配向され、前記第2の移行ゾーンが、前記第3の方向に配向され、前記第1の着陸ゾーンの前記終わりが、前記第2の着陸ゾーンの始まりに隣接し、前記第1の離陸ゾーンの前記終わりが、前記第2の離陸ゾーンの始まりに隣接する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の着陸ゾーンと前記第2の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第3の表面を含む第3の移行ゾーンであって、前記第1の複数のカートは、前記第1の複数機の航空機を前記第1の着陸ゾーンから前記第2の離陸ゾーンへ前記第3の表面を渡って物理的に移送するようにさらに構成されている、第3の移行ゾーンと、
前記第2の着陸ゾーンと前記第1の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第4の表面を含む第4の移行ゾーンであって、前記第2の複数のカートは、前記第2の複数機の航空機を前記第2の着陸ゾーンから前第1の離陸ゾーンへ前記第4の表面を渡って物理的に移送するようにさらに構成されている、第4の移行ゾーンと
をさらに有する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の表面は、前記第1の着陸ゾーンから前記第1の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第1のセットを含み、前記第2の表面は、前記第2の着陸ゾーンから前記第2の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第2のセットを含み、前記第3の表面は、前記第1の着陸ゾーンから前記第2の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第3のセットを含み、前記第4の表面は、前記第2の着陸ゾーンから前記第1の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第4のセットを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも2つの経路の第1のセットのうちのそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、前記少なくとも2つの経路の第2のセットのうちのそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、前記少なくとも2つの経路の第3のセットのうちのそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、前記少なくとも2つの経路の第4のセットのうちのそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の着陸ゾーンは、前記少なくとも2つの経路の第1のセットのうちのそれぞれのサイズの少なくとも2倍のサイズを有する、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の着陸ゾーン、前記第1の離陸ゾーン、前記第2の着陸ゾーン、前記第2の離陸ゾーン、前記第1の移行ゾーン、前記第2の移行ゾーン、前記第3の移行ゾーン、及び前記第4の移行ゾーンは、共同で矩形形状を形成し、前記第1の着陸ゾーン、前記第1の離陸ゾーン、前記第2の着陸ゾーン、及び前記第2の離陸ゾーンはそれぞれ、前記矩形形状のそれぞれの隅部を占め、前記第1の着陸ゾーン及び前記第2の着陸ゾーンは、対向する隅部の第1のセットを占め、前記第1の離陸ゾーン及び前記第2の離陸ゾーンは、対向する隅部の第2のセットを占める、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの表面は、前記複数機の航空機を同時に物理的に支持するように構成された円形プラットフォームの形態であり、前記移送設備は、前記円形プラットフォームに連結され且つ前記円形プラットフォームを回転させるように構成されたモータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記移送設備は複数のカートをさらに含み、前記複数のカートの各カートは、前記複数機の航空機のうちの1機を前記着陸ゾーンから前記円形プラットフォームへ物理的に移送するように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の充電器は、前記円形プラットフォーム上の1つ又は複数の固定された場所に配置されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
システムによって、着陸ゾーンで航空機を受け入れるステップと、
前記システムによって、前記航空機を前記着陸ゾーンから移行ゾーンを渡って離陸ゾーンへ物理的に移送するステップと、
前記航空機を移送している間に、前記システムによって、前記航空機の1つ又は複数の電池を充電するステップと、
前記航空機を移送している間に前記航空機での乗客の入れ替えが行われることを可能にするステップと、
前記システムによって、前記航空機を前記離陸ゾーンに置くステップと、
前記システムによって、前記航空機が前記離陸ゾーンから出発することを可能にするステップと
を含む、方法。
【請求項31】
前記航空機を物理的に移送するステップは、前記システムのカートによって前記航空機に機械的に連結することを含み、前記航空機を前記離陸ゾーンに置くステップは、前記システムの前記カートによって前記航空機から機械的に分離することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記航空機での前記乗客の入れ替えが行われることを可能にするステップは、所定の最大速度未満の速度で前記航空機を物理的に移送することを含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月9日に出願され「Vertiport And Charge Cart System」と題された米国仮特許出願第63/111,522号に対して米国特許法第119条(e)に基づいて利益を主張するものであり、その開示はあらゆる目的のために全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
小型の個人用自動航空機は、直航路を進行することができるので、効率的な輸送を提供することができる。それらは、道路交通量が激しい人口密集領域において特に効率的であり得る。しかし、都市などの交通が密な領域は、典型的には、限られた高額な不動産を有し、それらは、典型的には、都市内の空港に適するであろう大面積の利用可能地ではない。
【発明の概要】
【0003】
効率的な空間利用を伴うコンパクトなバーティポート・システムの実例(又は実施例)が、本明細書において説明される。バーティポート・システムは、典型的には異なる空間及び異なるタイミングにおいて行われる複数の活動を1つの空間及び時間周期に統合することにより、効率的且つコンパクトであり得る。例えば、電気航空機が着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移動されているときに、電気航空機の1つ又は複数の電池も同時に充電され得る。また、航空機が(例えば、ゆっくりとした、安定した安全な態様で)移動されている間に乗客の入れ替えが行われ得る。結果として、コンパクトなバーティポート・システムが、より小さな空間(例えば、建物の最上部、駐車場、又は他のより小さな土地)に適合し得る。
【0004】
さらに、バーティポート・システムの様々なゾーンの効率的な構成が、限られた空間の使用をさらに向上させ得る。実例として、着陸ゾーンが(例えば、電池を再充電すること及び/又は乗客の入れ替えのための)移行ゾーンに直接接続することができ、また、移行ゾーンは、離陸ゾーンに直接接続することができる。これは、航空機が着陸ゾーン(例えば、第1の滑走路又はパッド)の終わりから離陸ゾーン(例えば、第2の滑走路又はパッド)の始まりへ直接運ばれることを可能にし得る。いくつかの実施例では、バーティポート・システムの様々なゾーンが、z形状に配置され得る。さらに、同様のゾーン配置の複数のバージョンが、組み合わせられ得る。例えば、複数のz形状構成が、矩形の空間を十分に利用するために、隣接して位置決めされ得る。
【0005】
様々な実施例によれば、着陸ゾーン、離陸ゾーン、及び、着陸ゾーンと離陸ゾーンとの間に位置決めされた少なくとも1つの表面を含む移行ゾーンを有するシステムが提供される。システムは、移送設備をさらに含み、この移送設備は、複数機の航空機を着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移行ゾーンを渡って同時に物理的に移送するように構成され、且つ、複数機の航空機のそれぞれが移送設備に連結され且つ移行ゾーンに位置している間に複数機の航空機のそれぞれにおいて乗客の入れ替えを可能にするように構成される。システムはまた、複数の充電器を含み、各充電器は、複数機の航空機のうちの1機の航空機が移送設備に連結され且つ移行ゾーンに位置している間にその航空機の電池を充電するように構成される。各充電器は、電源、及び電源に連結された電気カプラを含み、電気カプラは、航空機の電池に連結してパワー(電力)を供給するように構成されている。
【0006】
さらなる実施例によれば、少なくとも1つの表面は、少なくとも1つの経路を含む。移送設備は、複数機の航空機を着陸ゾーンから離陸ゾーンへ少なくとも1つの経路を渡って同時に物理的に移送するように構成された複数のカートを含む。複数の充電器は、複数のカートのそれぞれが複数の充電器からの1つの充電器を含むように、また、複数のカートからの各カートが航空機を物理的に移送するのと同時に航空機の電池を充電するように構成されるように、複数のカート上に配置される。
【0007】
さらなる実施例によれば、少なくとも1つの表面は、単一の経路であり、単一の経路の始まりが、着陸ゾーンの終わりに隣接し、単一の経路の終わりが、離陸ゾーンの始まりに隣接する。着陸ゾーンは、第1の方向に配向され、離陸ゾーンは、第2の方向に配向され、単一の経路は、第3の方向に配向される。
【0008】
さらなる実施例によれば、第1の方向は、第2の方向に対して平行であり、第1の方向及び第2の方向は、どちらも第3の方向に対して垂直である。
【0009】
さらなる実施例によれば、第1の方向は、第2の方向に対して平行であり、第1の方向及び第2の方向は、どちらも第3の方向に対して逆平行(antiparallel)である。
【0010】
さらなる実施例によれば、少なくとも1つの表面は、複数機の航空機を同時に物理的に支持するように構成された円形プラットフォームの形態であり、移送設備は、円形プラットフォームに連結され且つ円形プラットフォームを回転させるように構成されたモータを含む。
【0011】
実施例は、システムにより着陸ゾーンにおいて航空機を受け入れるステップと、航空機を着陸ゾーンから移行ゾーンを渡って離陸ゾーンへ物理的に移送するステップと、航空機を移送している間に航空機の1つ又は複数の電池を充電するステップと、航空機を移送している間に航空機において乗客の入れ替えが行われることを可能にするステップと、航空機を離陸ゾーンに置くステップと、航空機が離陸ゾーンから出発することを可能にするステップと、を有する方法を、さらに提供する。
【0012】
本発明の様々な実施例が、以下の詳細な説明及び添付の図面において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】様々な実施例による、バーティポート・システムの実例を示す図である。
図2A】様々な実施例による、カートの実例を示す図である。
図2B】様々な実施例による、カートの実例を示す図である。
図3】様々な実施例による、ゾーンの代替的な構成を含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図4】様々な実施例による、代替的な入場ポイント及び退場ポイントを含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図5A】様々な実施例による、乗客の入れ替え及び航空機のリセットのための別々の領域を含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図5B】様々な実施例による、組み合わせられた離陸ゾーン及び着陸ゾーンを含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図6】様々な実施例による、移行ゾーン内に複数の経路を含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図7】様々な実施例による、ゾーンの複数のセットを含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図8】様々な実施例による、相互接続されたゾーンのセットを含むバーティポート・システムの実例を示す図である。
図9】いくつかの実施例による、バーティポート・システムの様々なゾーンの使用を次々に行うための例示的な方法及びスケジュールを示す図である。
図10】様々な実施例による、回転ラック様式のバーティポート・システムの実例を示す図である。
図11】様々な実施例による、航空機をリセットするための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施例は、プロセス、装置、及び/又はシステムを含めて、多くの方法で実施され得る。本明細書では、それらの実施態様、又は本発明が取り得る任意の他の形態は、技法と呼ばれ得る。一般に、開示されるプロセスのステップの順序は、本発明の範囲内で変更され得る。そうでないことが述べられていない限り、構成要素は、所与のタイミングで作業を実行するように一時的に構成される一般的な構成要素として、又は作業を実行するため製造される特定の構成要素として、実施され得る。
【0015】
様々な実施例は、効率的な空間利用を伴うコンパクトなバーティポート・システムを提供する。バーティポート・システムは、典型的には異なる空間及び異なるタイミングにおいて行われる複数の活動を1つの空間及び時間周期に統合することにより、効率的且つコンパクトであり得る。例えば、電気航空機が着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移動されているときに、電気航空機の1つ又は複数の電池も同時に充電され得る。また、航空機が(例えば、ゆっくりとした、安定した安全な態様で)移動されている間に乗客の入れ替えが行われ得る。結果として、コンパクトなバーティポート・システムが、より小さな空間(例えば、建物の最上部、駐車場、又は他のより小さな土地)に適合し得る。
【0016】
さらに、バーティポート・システムの様々なゾーンの効率的な構成が、限られた空間の使用をさらに向上させ得る。実例として、着陸ゾーンが(例えば、電池を再充電すること及び/又は乗客の入れ替えのための)移行ゾーンに直接接続することができ、また、移行ゾーンは、離陸ゾーンに直接接続することができる。これは、航空機が着陸ゾーンの終わりから離陸ゾーンの始まりへ直接運ばれることを可能にし得る。いくつかの実施例では、バーティポート・システムの様々なゾーンが、z形状に配置され得る。さらに、同様のゾーン配置の複数のバージョンが、組み合わせられ得る。例えば、複数のz形状構成が、矩形の空間を十分に利用するために、隣接して位置決めされ得る。
【0017】
図1は、いくつかの実施例による、バーティポート・システム105の実例を示す。バーティポート・システム105は、飛行から航空機を受け入れ、後続の飛行のために航空機をリセットし、且つ、航空機がその後の飛行のために出発することを可能にする、基礎構造を含み得る。いくつかの実施例によれば、バーティポートは、少なくともいくつかの類似の構成要素を含んで、空港に類似し得る。典型的な空港とは対照的に、バーティポートは、垂直離着陸(VTOL:vertical takeoff and landing)が可能な航空機との使用のためにさらに構成され得る。いくつかの実施例では、VTOL航空機のために特に構成されるバーティポートが、典型的な滑走路を含む典型的な空港と比較してより小さな着陸領域及び離陸領域により、より小さな設置面積を有し得る。
【0018】
図1に示されるように、バーティポート・システム105は、着陸ゾーン110、移行ゾーン115、及び離陸ゾーン120を含み得る。航空機112が、着陸ゾーン110に到着し、その後で離陸ゾーン120を介してバーティポート・システム105を出発し得る。移行ゾーン115が、着陸ゾーン110を離陸ゾーン120に接続し得る。移行ゾーン115は、設備をホストし、且つ、航空機112が初回の飛行を終えるための、また、航空機112が2回目の飛行のために準備されるための空間を提供し得る。これは、航空機112の電源(例えば、電池)を再充電するための、乗客を入れ替える(例えば、第1の飛行から乗客を降ろし、第2の飛行のための乗客を乗せる)ための、及び/又は航空機112を着陸ゾーン110から離陸ゾーン120へ移送するための、設備及び空間を含み得る。
【0019】
様々な実施例によれば、航空機112は、移行ゾーン115を渡って連続的に又は反復的に移動され得る。図1は、航空機112が着陸ゾーン110から離陸ゾーン120へ移動されるときの、航空機112のいくつかの例示的な位置を示す。
【0020】
いくつかの実施例によれば、複数機の航空機が、バーティポート・システム105に同時に存在し得る。各航空機は、着陸ゾーン110から離陸ゾーン120へ移動され、再充電され、且つ、乗客の入れ替えを経ながら、同時にリセットされ且つ処理され得る。例えば、図1は、様々な位置/タイミングにおける同じ航空機112を示す代わりに、バーティポート・システム105にまた様々な異なる場所に同時に存在する複数機の航空機の例示として解釈され得る。
【0021】
実施例は、航空機112を着陸ゾーン110から離陸ゾーン120へ物理的に移送するように構成された様々なタイプの移送設備を提供する。移送設備は、1機又は複数機の航空機112を支持し且つ/又は移動させることができる任意の適切な設備を含み得る。例えば、移送設備は、1つ又は複数のカート、リフト、タグ、コンベヤ・ベルト、軌道システム、及び/若しくは任意の他の適切な機構を含み得る。図1では、移送設備は、カート150の形態を取る。複数のカートが存在してよく、その場合、各カート150は、一度に1機の航空機112を物理的に移送するように構成される。
【0022】
様々な実施例では、バーティポート・システム105はまた、1つ又は複数の航空機電池を充電する(例えば、再充電する)ように構成された1つ又は複数の充電器160を含む。充電器160は、様々な形態を取ることができ、且つ、航空機112が移行ゾーン115に位置している間及び/又は移送設備(例えば、カート150)に連結されている間に充電されることを可能にする様々な位置に存在することができる。充電器160は、航空機112の1つ又は複数の電池に連結してパワーを供給するように構成された電気カプラ(例えば、ワイヤ、ケーブル、プラグ、及び/又は他の電気接点)に連結された電源(例えば、電池)を含み得る。図1では、各カート150上に1つの充電器160が配置されている。結果として、各カート150は、同時に航空機112を再充電し且つ航空機112を物理的に移送することができる。
【0023】
I.カート
実施例による例示的なカート150が、図2Aに示されている。示されるように、カート150は、プラットフォーム151などの支持構造を含み得る。プラットフォーム151は、1機又は複数機の航空機112を物理的に支持するように構成された耐荷重表面を含むことができ、航空機112はその上に静止することができる。カート150は、航空機112に連結して移行中の航空機112に追加的な安定性及び支持を提供することができる1つ又は複数の機械的カプラ152をさらに含み得る。カート150はまた、モータ153(例えば、電源によって作動し得る)及び/又は車輪154などの移動性構成要素を含み得る。モータ153は、1つ又は複数の車輪154のセットに連結されてよく、且つ、カート150が移動する(したがって、プラットフォーム151が移動する)ように1つ又は複数の車輪154のセットを回転させるように構成され得る。いくつかの実施例では、カート150は、階段155及び/又は梯子などの、乗客がカート150及び/又は航空機112に乗るのを支援する構成要素を含み得る。階段155並びに/又は梯子などの、乗客がカート150及び/若しくは航空機112に乗るのを支援する構成要素は、引込可能且つ延長可能であってよい。例えば、階段155は、乗客の搭乗及び降機のために延長してよく、且つ、カート150及び/又は航空機112が移動しているときには引っ込んでよい。
【0024】
様々な実施例によれば、自動化され得るカート150は、航空機112を(例えば、機械的カプラ152及び/又はプラットフォーム151を使用して)機械的に持ち上げ且つ/又は支持し、次いで、航空機112が持ち上げられ且つ/又は支持された位置にある間に移行ゾーン115を渡って航空機112を移送することができる。機械的カプラ152は、航空機112を持ち上げ(例えば、垂直方向に移動させ)、保持し、且つ/又は移動させるための支持梁、フォークリフト、張力ライン(tension line)、フック、機械的接点、若しくは任意の他の適切なツールを含み得る。
【0025】
いくつかの実施例では、航空機112は、カート150上に直接着陸し得る。例えば、航空機112は、プラットフォーム151上に直接着陸し得る。或いは、航空機112が着陸ゾーン110に着陸した後で、カート150が、航空機112の真下の位置へ移動し得る。例えば、カート150は、航空機112の背後から、航空機112の正面から、又は任意の他の適切な接近角度から、航空機112の下に移動し得る。いくつかの実施例では、航空機のそりが航空機112の両側に位置付けられる場合があり、そのため、カート150は、横から入ることができない。次いで、カート150は、航空機112の持上げに取り掛かることができる。この場合、カート150は、プラットフォーム151を使用しなくてよく且つ/又は含まなくてよく、代わりに機械的カプラ152を用いて航空機112に連結して航空機112を持ち上げることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、航空機112は、独立した地上移動をすることができないそりなどの着陸装置を有し得る。他の実施例では、航空機112は、そりの代わりに車輪を含むことができ、カート150は、航空機112を持ち上げる代わりに航空機112を引っ張ることができる。
【0027】
様々な実施例によれば、カート150は、着陸ゾーン110から移行ゾーン115へ移動し次いで離陸ゾーン120へ移動しながら、様々な表面上を独立して進行することができる。他の実施例では、カート150は、定められた軌道若しくは経路を辿り且つ/又はそれらに接続され得る。
【0028】
上記で述べられたように、1つ又は複数のカート150が、移行ゾーン115を通じて着陸ゾーン110と離陸ゾーン120との間で1機又は複数機の航空機112を移送させることができる。航空機112を移送している間、カート150は、航空機112の1つ又は複数の電池を再充電するために電力を提供することもできる。それにより、再位置決め及び再充電が異なるタイミングでまた異なる空間において起こる代わりに、それらの両方の活動のために移行ゾーン115が使用され得るので、バーティポートの空間効率及び時間効率が有利に向上され得る。
【0029】
電気航空機112を再充電するための電力を提供するために、充電器160が、カート150の構成要素として含まれ得る。複数のカート150のそれぞれが、複数の充電器160のうちの1つを含むことができる。充電器160が、電源161(例えば、カート上の電池、又はカート外のバーティポート電源への有線接続)と、航空機112の1つ又は複数の電池に連結してパワーを供給するように構成された電気カプラ162と、を含み得る。さらに、カート150は、別個のカート外のバーティポート電源161に接続することによりカート上の電源を再充電するための追加的な電気カプラ162を含み得る。いくつかの実施例では、充電器の電源161はまた、モータ153にパワーを提供し得る。
【0030】
1つの実例では、電気カプラ162は、カート150の陥凹トラフ内に収められ得る。カート150が航空機112に接近して機械的に連結するときに、電気カプラ162は、ユーザ/オペレータの関与を伴わずに、カートから(例えば、垂直方向に又は水平方向に)自動的に出現して、航空機112の充電ポートに接続し得る。
【0031】
いくつかの実施例では、1つ又は複数の機械的カプラ152及び1つ又は複数の電気カプラ162が、1つの多目的カップリングを通じて航空機112に機械的支持及び充電の両方を提供する単一の構成要素に統合され得る。
【0032】
機械的カプラ152及び電気カプラ162のそれぞれは、航空機112の本体、航空機112の翼、及び/或いは航空機112の1つ又は複数のポート若しくは連結点などの、航空機112の任意の適切な部分に取外し可能に取り付けられ得る。様々な実施例によれば、航空機112上の電気連結点及び機械連結点は、互いに隣接してよく、又は、その代わりに航空機112の離れた場所又は無関係の場所に存在してよい。
【0033】
さらなる実施例では、充電器160は、無線充電のために装備され得る。したがって、航空機112に物理的に接続する電気カプラ162に加えて又はその代わりに、充電器160は、充電器160と航空機112の充電モジュールとの間の物理的接触を伴わずに航空機112に(例えば、航空機112における対応する無線電荷受取りモジュール(wireless charge receiving module)に)パワーを伝達することができる無線充電モジュールを含み得る。
【0034】
様々な実施例によれば、カート150は、移行ゾーン115を渡って進行している間に航空機112の1つ又は複数の電池を十分に充電し且つ/又は完全に充電するように構成され得る。最適なカート速度が、着陸ゾーン110と離陸ゾーン120との間の進行距離(例えば、20メートル)(又は、移行ゾーン115の幅)を、航空機を充電するのに必要とされる時間(例えば、30分間)で割ることによって計算され得る。
【0035】
上記で述べられたように、カート150は、航空機112が移行している(例えば、移行設備に連結され且つ/又は移行ゾーン115内に位置している)間に乗客の入れ替えが行われることを可能にし得る。例えば、1人又は複数人の乗客の第1の組が、航空機112が着陸ゾーン110に到着した後で航空機112から出ることができ、1人又は複数人の乗客の第2の組が、航空機が離陸ゾーン120から出発する前に航空機112に入ることができる。カート速度は、航空機がカート150によって移動されている間でさえ乗客が(ゆっくりとした安定した速度において)航空機に安全に出入りすることができるように、最大閾値未満に設定され得る。いくつかの実施例では、カート150は、可変速度を有することができ、速度は、乗客が航空機112を出入りしているときに低下(又は、停止)される。
【0036】
さらに、カート150は、航空機112の総重量及び/又はバランス(例えば、重心)を判定することができるスケール(scale;秤又は計量)モジュール156を追加的に含み得る。例えば、新たな乗客の組が航空機112に(例えば、手荷物とともに又は手荷物なしで)乗った後で、カート150は、航空機112の新たな総重量及び/又はバランスを計算するために1つ又は複数のカート上のスケールモジュール156を使用することができる。次いで、計算された重量及び/又はバランスのデータは、次の飛行に使用される航空機112(例えば、航空機コンピュータ)に提供され得る。いくつかの実施例では、カート150及び/又は航空機112は、バランス及び重量配分を向上させるために、重量及びバランスの情報を使用して、航空機112内の乗客及び/若しくは手荷物の位置決めの必要とされる又は推奨される変更を判定することができる。スケール機能をカートに組み込むことは、別個のスケールの必要性、航空機112に乗る前の乗客及び/又は手荷物を計量する別個のプロセスの必要性、並びに航空機112内での最適な乗客及び/又は手荷物の位置付けの別個の判定の必要性を、有利に排除することができる。
【0037】
実施例による、航空機112に連結されたときのカート150の1つの実例が、図2Bに示されている。示されるように、カート150は、プラットフォーム151、機械的カプラ152、車輪154、階段155(例えば、引っ込められた位置で示されている)及び/又は充電器160を含み得る。カート上電源161及びカート外電源161の両方が示されているが、実施例は、一方又は両方が含まれることを可能にする。また、2つの電気カプラ162、即ちカート-航空機電気カプラ162及びカート外電源-カート電源電気カプラ162が示されているが、実施例は、一方又は両方が含まれることを可能にする。航空機112の連結点113が示されている。連結点113は、1つ又は複数の航空機電池への接続を提供することができ、且つ、カート150の対応する電気カプラ162への取外し可能な連結のために構成され得る。
【0038】
II.バーティポートのゾーン
図1を参照すると、着陸ゾーン110は、やって来る航空機112を受け入れるように構成された第1の空間又は表面(例えば、第1の航空機滑走路)を含み得る。離陸ゾーン120は、航空機112が出発するのを可能にするように構成された第2の空間又は表面(例えば、第2の航空機滑走路)を含み得る。着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、それぞれが航空機112を支持することができ、且つ、航空機112が飛行から着陸し且つ/又は地面から出発するのに十分な空間を提供することができる。着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、アスファルト、コンクリート、タールマック、木、金属、及び/又は天然表面材料(例えば、草、土、砂利、氷、砂、塩)などの任意の適切な材料をそれぞれが含むことができる。さらに、着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120は、表面上若しくは表面の下の(例えば、氷の形成を防ぐための)加熱要素、排水システム、印及び標識、並びに/又は任意の他の適切な要素を含み得る。
【0039】
いくつかの実施例では、着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120の幅は、航空機112のサイズの少なくとも2倍であり得る。例えば、幅は、3メートル、5メートル、10メートル、20メートル、又は任意の他の適切な幅であり得る。着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120の長さは、離陸のための加速及び/又は着陸時の減速に必要とされる空間に基づいて構成され得る。例えば、長さは、10メートル、20メートル、30メートル、50メートル、100メートル、又は任意の他の適切な長さであり得る。
【0040】
いくつかの実施例では、バーティポート・システム105は、水平離着陸(HTHL:horizontal takeoff and landing)を利用する航空機のために構成され得る。例えば、着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120の長さは、HTHL航空機を収容するように構成された滑走路の形態を取ることができる。
【0041】
他の実施例では、バーティポート・システム105は、垂直離着陸(VTOL)が可能な航空機のために構成され得る。この場合、離着陸に必要とされ得る空間がより小さくて済み、また、着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120の長さは、典型的な滑走路と比較して減少され得る。そのような着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120は、滑走路の代わりに、パッド(例えば、着陸パッド又は離陸パッド)の形態を取ることができる。例えば、形状及びサイズ(例えば、長さ及び幅)は、典型的な滑走路よりも小さいように構成されてよいが、航空機112のサイズ(例えば、対応する長さ又は幅)の少なくとも2倍であり得る。実施例は、着陸ゾーン110及び/又は離陸ゾーン120が滑走路、パッド、ハイブリッド滑走路パッドの寸法サイズ、及び任意の他の適切なサイズを有することを可能にする。
【0042】
着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120のそれぞれは、3つの別々のリージョン、即ち(1)接地及び上昇(TLOF:Touchdown and Liftoff)領域、(2)最終進入及び離陸(FATO:Final Approach and Takeoff)領域、及び(3)安全領域を含み得る。TLOFは、その上で航空機112が着陸し且つ/又は離陸する、一般に舗装された耐荷重領域であり得る。FATOは、その上方で航空機112が空中停止若しくは着陸のための進入の最終段階を終える空間内の領域、及び/又はその上方で航空機112が空中停止位置若しくは着陸位置から離陸の初期段階を開始する空間内の領域であり得る。TLOFは、FATOの中央にあってよい。安全領域は、追加的な緩衝空間を提供する、FATOを取り囲む空間内の領域であり得る。
【0043】
実施例によれば、移行ゾーン115は、着陸ゾーン110と離陸ゾーン120との間に位置決めされた少なくとも1つの空間又は表面を含み得る。例えば、移行ゾーン115は、1つ若しくは複数の経路、1つ若しくは複数の(例えば、回転することができる)プラットフォーム、並びに/又は着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120からカート及び/又は航空機を移送するときに使用され得る任意の他の表面をそれぞれが含むことができる、1つ又は複数の(例えば、舗装され得る)表面を含み得る。移行ゾーン115は、飛行を終えること(例えば、乗客の降機)、新たな飛行を開始すること(例えば、乗客の搭乗)、及び/又は後続の飛行のために航空機112をリセットすること(例えば、航空機を再配置すること、電池を充電すること、清掃、など)のために、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120の外側に空間を提供することができる。移行ゾーン115は、移送設備及び/又は充電器などの、これらの作業を行うのを支援する設備をホストすることができる。
【0044】
図1に示された実例では、移行ゾーン115は、1つの表面を含む。表面は、複数機の航空機112を(例えば、縦1列に)同時に収容することができる1つの細長い経路を含み、各航空機112は、移行ゾーン115にわたって異なる前進点にある。そのような表面は、航空機112を物理的に支持することができ、且つ、アスファルト、コンクリート、タールマック、木、金属、及び/又は天然表面材料(例えば、草、土、砂利、氷、砂、塩)などの任意の適切な材料を含むことができる。移行ゾーン115はまた、表面上若しくは表面の下の(例えば、氷の形成を防ぐための)加熱要素、排水システム、印及び標識、並びに/又は任意の他の適切な要素を含み得る。
【0045】
いくつかの実施例では、移行ゾーン115の幅は、航空機112の幅に類似するか又は航空機112の幅よりも僅かに大きい場合がある。例えば、航空機の幅が10メートルである場合、移行ゾーン115は、11メートルの幅を有し得る。航空機112は移行ゾーン115において飛行を始めること又は飛行を終了することができないので、移行ゾーン115は、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120と同じ量の緩衝空間を必要とし得ない。
【0046】
移行ゾーン115の長さ116は、航空機112を充電するのに必要とされる時間、任意の所与の時点においてバーティポート・システム105上に収容されることが望ましい航空機112の数、並びに/又は各航空機112及びカート150のために必要とされる空間に基づいて構成され得る。例えば、バーティポート・システム105が、5分おきに新たに到着する航空機を収容するように設計されており、且つ、航空機112を充電するのに30分かかる場合、1番目の航空機112が到着して充電プロセスを開始した後、1番目の航空機112がなおも充電プロセスを受けている間に、5機の追加的な航空機が到着し得る。各航空機/カート・システムが(例えば、航空機及び/又はカートの間の緩衝空間を含めて)10メートルの長さを有する場合、移行ゾーンは、少なくとも60メートルの長さ116を有するように設計され得る。これは、着陸ゾーン110に到着し次第航空機のいずれに対してもいかなる遅延も伴わずに全6機の航空機が移行ゾーン115を渡って充電し且つ移動するのに十分な空間を可能にする。或いは、図1における移行ゾーン115の長さ116は、利用可能な空間に基づいて構成され得る。例えば、建物の屋上のサイズ寸法が、移行ゾーン115の長さ116を、20メートルであるように制限し得る。
【0047】
様々な実施例によれば、移行ゾーン115は、カート150及び航空機112が別のカート150及び航空機112を追い越すのに十分な幅であるか、又は十分な幅のセクションを有し得る。例えば、先の飛行後に残ったある程度の量の電荷/パワーをなおも有する航空機112が到着する場合があり、したがって、再充電プロセスに対して全ての時間を必要としない。結果として、その航空機112は、離陸ゾーン120までの列内でさらに前方にいる別の航空機112の前に、その後の飛行のための準備を整えることができる。移行ゾーン115における余剰の幅を使用すると、十分に充電されるのがより近いいずれの航空機112も、1機又は複数機の他の航空機112を迂回され、それにより、さらに列の前方に近づいて配置され得る
【0048】
様々な実施例によれば、乗客は、任意の適切なタイミングで航空機112に搭乗させられまた航空機112から降機させられてよく、このタイミングは、航空機112が移送され且つ充電されている時間を有利に含むことができ、そのため、別個の乗客入れ替えゾーンのための追加的な空間を割り当てる必要がない。図1に示されるように、乗客降機位置(passenger deplaning position)130が、移行ゾーン115の最初のセクション内に配置されてよく、この最初のセクションは、航空機112が着陸ゾーン110内に到着した後でカート150及び航空機112が入る最初の領域であり得る。また、乗客乗機位置(passenger boarding position)135が、移行ゾーン115の最後のセクションに配置されてよく、この最後のセクションは、カート150及び航空機112が離陸ゾーン120からバーティポート・システム105を出発する前に移送される最後の領域であり得る。しかし、実施例は、乗客が他のタイミング及び位置において航空機112に入ること及び/又は航空機112から出ることも可能にする。例えば、乗客がバーティポート・システム105に到着したときに、次の利用可能な航空機112が移行ゾーン115の最後のセクションに存在しない場合がある(例えば、航空機112は、移行ゾーン115の中間に存在する場合がある)。乗客は、この時点において航空機112に乗ることを認められて、カート150が航空機112の充電及び移送を完了する間、航空機112内で待機することができる。
【0049】
バーティポート・システム105は、1つ又は複数のアクセス・ポータルをさらに含むことができ、乗客は、アクセス・ポータルを通ってバーティポート・システム105に入ること及び/又はバーティポート・システム105から出ることができる。例えば、バーティポート・システム105は、乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170を含み得る。様々な実施例によれば、乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170は、階段、エスカレータ、エレベータ、及び/又は歩道などの、任意の適切なタイプのアクセス・ポータルを含み得る。アクセス・ポータルは、バーティポート・システム105の表面レベルの下に配置された回廊に接続してよい。例えば、バーティポート・システム105が建物の屋根の上に配置されている場合、乗客退場ポイント175及び乗客入場ポイント170は、建物のより低い階に接続され得る。バーティポート・システム305が地面に配置されている場合、乗客退場ポイント175及び乗客入場ポイント170は、地面の下のトンネル及び/又は通路に接続され得る。
【0050】
いくつかの実施例では、乗客退場ポイント175及び/若しくは乗客入場ポイント170に連結され得る1つ又は複数の通り道(例えば、トンネル、歩道、など)は、バーティポート・システム105の一部と考えられ得る。1つ又は複数の通り道は、離陸ゾーン120、着陸ゾーン110、及び/又は移行ゾーン115の下に配置され得る。
【0051】
実施例によれば、乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170は、バーティポート・システム105の任意の適切な領域内に配置され得る。図1に示されるように、乗客退場ポイント175は、航空機112及び/又はカート150が最初に着陸ゾーン110から移行ゾーン115に入ることができる場所に近い、移行ゾーン115の始まりに隣接して配置され得る。それにより、示されるように、乗客退場ポイント175は、乗客降機位置130の近くに都合良く配置され得る。やはり図1に示されるように、乗客入場ポイント170は、航空機112及び/又はカート150が移行ゾーン115を離れて離陸ゾーン120に入ることができる場所に近い、移行ゾーン115の終わりに隣接して配置され得る。それにより、示されるように、乗客入場ポイント170は、乗客乗機位置135の近くに都合良く配置され得る。
【0052】
いくつかの実施例では、乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170は、移行ゾーン115内に配置され得る。いくつかの実施例では、図1に示された乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170の(例えば、移行ゾーン115の細長い表面経路に隣接した)場所もまた、移行ゾーン115の一部(例えば、移行ゾーン115内)と考えられ得る。
【0053】
いくつかの実施例では、航空交通制御装置又は自動航空機通信ネットワークが、異なる航空機112の到着時刻を調整し得る。この状況では、到着する航空機112のために着陸ゾーン110及び/又は移行ゾーン115内に利用可能な空間が常に存在するように、各到着は、時間に間隔を(例えば、少なくとも1分、2分、3分、4分、又は5分)空けられ得る。結果として、到着する各航空機112は、すぐにカート150に連結されて着陸ゾーン110から移行ゾーン115へ移動されるだけでなく、すぐに充電を始めることができる。
【0054】
他の実施例では、航空機は、移行ゾーン115内に利用可能な空間が存在しないときですら、到着を許可され得る。この場合、着陸ゾーン110は、待機/保管領域として使用される余分な空間を(例えば、着陸ゾーン110の終わりに)含むことができる。あふれ出た航空機は、移行ゾーン115内の空間及び/又はカート150が利用可能になるまで、待機領域内で(カート150の有無に関わらず)待機することができる。あふれ出た航空機は邪魔にならない所に(例えば、待機領域内に)位置し得るので、さらなる航空機112が着陸ゾーン110内に到着することが可能であり得る。
【0055】
いくつかの実施例では、次の利用可能な航空機112を含むカート150が、次の乗客が航空機112に乗るまで、移行ゾーン115の終わりで待機することができ、次いで、カート150は、航空機112を離陸ゾーン120内に置くことができる。或いは、カート150は、充電を終えたときに航空機を離陸ゾーン120内に置くことができ、航空機112は、次の乗客が到着するまでそこで待機することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、次の乗客が到着する前に複数機の航空機112が充電を終えた場合、複数機の航空機112のそれぞれが、それらのそれぞれのカートにより、離陸ゾーン120の(例えば、離陸ゾーン120の始まりにおける)余分の待機/保管領域内に置かれ得る。結果として、カート150、及び移行ゾーン115内の空間は、到着するさらなる航空機112のために利用可能とされ得る。離陸ゾーン120及び/又は待機領域が完全に占められると、さらなる航空機は、移行ゾーン115内で待機してもよく、その場合、カート150は、離陸領域120に向かう移動を停止してよいが、航空機112の充電を続けることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、バーティポート・システム105における空間が航空機112によって完全に占められた場合、バーティポート・システム105は、たとえ出発する乗客がいない場合でも、1機又は複数機の航空機112を離陸ゾーン120から出発させることができる。例えば、到着する乗客を有してやって来る航空機112が着陸するのを可能にすることは最優先すべきことと考えられ得るので、存在する数機の航空機112は、乗客なしで出発するように命令され得る。いくつかの実施例では、そのような空いている航空機112は、航空機112が十分でないが出発したい乗客からの要望を有する別のバーティポート・システムに配分され得る。実施例は、リアルタイムの需要、時刻、又は任意の他の適切な検討事項に基づいて複数の異なるバーティポートの間で航空機112が自動的に再配分されることを可能にする。
【0058】
上記のように、カート150は、移行ゾーン115と一緒に、(1)航空機112を着陸ゾーン110から離陸ゾーン120にリセットすること、(2)航空機112を再充電すること、及び(3)乗客を入れ替えること、のために必要とされる空間と時間とを効率的に組み合わせることができる。
【0059】
III.充電ステーション
図1に関して上記で論じられたように、充電器160は、様々な形態を取ることができ、且つ、航空機112が移行ゾーン115内に位置している間及び/又は移送設備に連結されている間に充電されることを可能にする様々な場所に存在することができる。既に論じられたように、いくつかの実施例では、充電器160は、カート150上に配置され得る。他の実施例では、1つ又は複数の充電器160は、その代わりに、移行ゾーン115の1つ又は複数の表面上の1つ又は複数の固定された場所に配置され得る。
【0060】
例えば、1つ又は複数の充電器は、地面上の固定された場所に設置され得る。移送設備は、移行ゾーン115を渡って航空機112を物理的に移送するために航空機112に連結するカートを含むものとして、なおも具現化され得る。しかし、カート150に航空機充電能力及び航空機充電構成要素を備える代わりに、カート150は、1つ又は複数の地上充電器160の所である程度の時間にわたって一時的に停止するように構成され得る。充電器160の所で停止したときに、航空機112は、充電器160に電気的に連結されて、再充電プロセスの一部又は全部を受けることができる。
【0061】
いくつかの実施例では、移行ゾーン115の表面が、複数の充電ステーション位置を有する細長い経路を含むことができ、複数の充電ステーション位置は、経路に沿って連続的に列を成して配置され得る。例えば、充電器160が、図1に示された移行ゾーン115上の各航空機112の位置に設置され得る。カート150が、航空機112を1つの充電ステーションから次の充電ステーションへ反復的に移動させ得る。例えば、カート150は、第1の充電器160の所で第1の時間周期にわたって停止することができ、航空機112は、第1の充電器160に電気的に連結されて、電池再充電プロセスの第1の部分を経験することができる。次いで、予め定められた特定の時間の後、又は、ある事象(例えば、新たな航空機が到着するか又は別の航空機が出発し、したがって、待機中の各航空機が位置を進めることができる)に応答して、航空機112は、充電器160から分離することができ、カート150は、充電器160を有する第2の位置へ航空機112を移動させることができる。第2の位置において、カート150は、再度停止して、航空機112が第2の充電器160に接続することを可能にすることができる。カート150及び航空機112は、航空機112が完全に充電されるか、十分に充電されるか、及び/又はカート150が航空機112を離陸ゾーンに置くまで、このようにしてステーションからステーションへ反復的に進むことができる。
【0062】
表面配置の充電器160は、電源161(例えば、バーティポート・システム105のための中央電源、又は局部電池)、及び、航空機112の1つ又は複数の電池に連結してパワーを供給するように構成された1つ又は複数の電気カプラ162を含み得る。1つの実例では、電気カプラ162は、コンソール内に収められ得る。カート150及び航空機112がコンソールの特定の範囲に入ると、電気カプラ162は、コンソールから(例えば、垂直方向又は水平方向に)自動的に出現して、航空機112の充電ポートに接続し得る。さらなる実施例では、充電器160は、無線充電に対応し得る。したがって、航空機112に物理的に接続する電気カプラ162に加えて又はその代わりに、充電器160は、充電器160と航空機112の充電モジュールとの間の物理的接触を伴わずに航空機112に(例えば、航空機112における対応する無線電荷受取りモジュールに)パワーを伝達することができる無線充電モジュールを含み得る。
【0063】
実施例は、本明細書において論じられるか又は図に示されるバーティポート・システムのいずれもが、カート上に配置される充電器又は固定された地上位置に設置される充電器を含むことを可能にする。
【0064】
IV.バーティポートの構成:Z形状のゾーン
様々な実施例によれば、バーティポート・システム105の様々なゾーンの効率的な配置及び構成を通じて、付加的なコンパクトなバーティポートの効率が達成され得る。例えば、図1に示されるように、着陸ゾーン110、移行ゾーン115、及び離陸ゾーン120は、バーティポート・システム105のための効率的なz形状を一緒に形成し得る。このz形状の構成は、着陸とその後の離陸との間の航空機の進行距離を最小限に抑えることにより、その後の飛行のために航空機112をリセットするのに必要とされるエネルギー及び時間を最小限に抑えることができる。
【0065】
示されるように、航空機112が大抵は自然に停止し得る所である着陸ゾーン110の終わりは、移行ゾーン115に隣接し且つ/又は移行ゾーン115に接続される着陸ゾーン110の部分であり得る。この接続は、着陸ゾーン110の真の終わりにおいて、又は、着陸ゾーン110の終わりの近くで(例えば、2メートル内、5メートル内、10メートル内、又は20メートル内で)起こり得る。
【0066】
同様に、典型的にはそこから航空機112が離陸プロセスを始めることができる離陸ゾーン120の始まりは、移行ゾーン115に隣接し且つ/又は移行ゾーン115に接続される離陸ゾーン120の部分であり得る。この配置は、離陸ゾーン120に沿った不要な移動を少しも伴わずに航空機112が離陸のために位置決めされることを可能にする。この接続は、離陸ゾーン120の真の始まりにおいて、又は、離陸ゾーン120の始まりの近くで(例えば、2メートル内、5メートル内、10メートル内、又は20メートル内で)起こり得る。
【0067】
この終わり-始まりの接続の組合せは、着陸ゾーン110を離陸ゾーン120に接続するための最短の最も効率的な方法を提供する。例えば、対照的に、着陸ゾーン110の始まりが(終わりの代わりに)移行ゾーン115に接続されていた場合、航空機112は、着陸後に、移行ゾーン115に入る前に(例えば、カート150を介して)着陸ゾーン110の長さを引き返さなければならない可能性がある。それにより、その後の飛行のために航空機112をリセットするのにより多くの時間及びエネルギーが非効率的にかかる可能性があり、また、着陸ゾーン110がより長時間にわたって占められる可能性があり、それにより、さらなる航空機が着陸することが妨げられ得る。最も効率的な構成ではないが、そのような構成(例えば、着陸ゾーン110の始まりが(終わりの代わりに)移行ゾーン115に接続された構成、又は類似の構成)もまた、不動産規制、区分要件、などによって正当化され得るので、本開示の範囲に含まれる。
【0068】
図1に示されるように、着陸ゾーン110(例えば、第1の表面)は、第1の方向に配向されてよく、離陸ゾーン120(例えば、第2の表面)は、第2の方向に配向されてよく、第1の方向及び第2の方向は、平行であるか、別の形で似ていてよい。例えば、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120がどちらも卓越風向に対向するようにそれらの両方を配向することが望ましい場合がある。
【0069】
移行ゾーン115(例えば、第3の表面)は、第3の方向に配向され得る。図1に示されるように、第3の方向は、第1及び第2の方向に対して角度を付けられ得る。いくつかの実施例では、第3の方向は、第1及び第2の方向に対して垂直であり得る。移行ゾーン115と他のゾーンとの間の角度は、バーティポート・システム105に割り当てられた全体的な空間の形状に基づいて決定され得る。
【0070】
いくつかの実施例では、移行ゾーン115は、どちらの方向への移動も可能にし得る(例えば、カート150は、どちらの方向へも移動することができる)。さらに、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、名称を切り替えることが可能であり得る(例えば、着陸ゾーン110が離陸ゾーン120になり、その逆も同様である)。これは、風が典型的な方向とは反対に動いている場合などの特定の状況において有用であり得る。風に逆らって着陸及び離陸することが望ましい場合がある。したがって、風が着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120の背後から(例えば、後ろから前へ)吹いている場合、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、名称を切り替えることができ、移行ゾーン115を渡る交通は、方向を切り替えることができる。
【0071】
本発明の実施例は、z形状構成に類似した便益を得ることができるさらなる構成が使用されることを可能にする。例えば、航空機112が同じ向首方向(directional heading)で着陸し且つ離陸するz形状構成とは対照的に、離陸ゾーン120は、その代わりに、航空機が着陸時機首方向(landing heading)とは反対の機首方向で離陸するように、着陸ゾーン110の反対方向(例えば、着陸ゾーン110に対して逆平行)に配向され得る。これは、u形状に似る場合がある。u形状構成は、z形状構成のそれに類似した態様での短い移行ゾーン115を渡る航空機112の効率的なリセットを可能にする。しかし、u形状構成は、典型的な矩形形状の不動産空間にうまく適合し得る。u形状は矩形の空間を効率的に使用することができるが、典型的には卓越風向に逆らって離陸及び着陸の両方を行うことが航空機にとって好ましいので、状況によっては、風向がu形状構成を望ましくなくするか又は実用的でないものにし得る。VTOL航空機などのためのいくつかの実施例では、風向は、懸案事項になり得ないか、又は、それほど懸案事項にならない場合がある。
【0072】
着陸ゾーン110、移行ゾーン115、及び離陸ゾーン120の構成並びに配置は、臨機応変に修正されてよく、また、利用可能な不動産の土地又は表面の形状、周囲の障害物(例えば、建物、丘陵、山、気流)、周囲の飛行規定(例えば、制限された空域、又は規制された飛行経路)、航空機の能力(例えば、垂直対水平の離陸及び着陸)、などのような多数の外部要因に基づいて決定され得る。したがって、外部要因に応じて、最適な構成は、図1に示された構成に関して、1つ若しくは複数のゾ-ンのサイズ(例えば、長さ)を修正すること、1つ若しくは複数のゾーンの配向及び/又は相対角度を修正すること、並びに/或いは1つ若しくは複数のゾーンの相対位置及び/又は接続点を修正することを伴い得る。1つの実例として、長く狭小な表面の条地が利用可能な場合では、着陸ゾーン110、移行ゾーン115、及び離陸ゾーン120は全て、1つの長く連続的な条地において、同じ方向に並べられ得る。
【0073】
z形状及びu形状のような構成は、短い移行ゾーン115を可能にするが、短い移行ゾーン115は、所与の時点において収容され(例えば、カート上に配置され且つ充電され)得る航空機の数を制限し得る。したがって、いくつかの実施例では、さらなる航空機112が収容され得るように移行ゾーン115を延長するために、代替的な構成が使用され得る。例えば、移行ゾーン115は、離陸ゾーン120に向かう途中に任意の適切な数のターン、曲り、スイッチバック、又は他の迂回路を作ることによって長くされ得る。また、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、移行ゾーン115がそれらを(例えば、90度ではない角度を使用して)接続するためにさらに遠くへ延在するように、任意の方向においてさらに互い違いにされ得る。或いは、図1に示されるように着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120を互い違いにする代わりに、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120は、(例えば、ここでは着陸方向及び離陸方向が同じであり得ること以外は、u形状構成におけるように)互いに平行し且つ互いに並べられ得る。この場合、移行ゾーン115は、着陸ゾーン110の終わりから離陸ゾーン120の始まりまで延在するために、離陸/着陸方向に等しく且つ反対の方向に(例えば、図1では下向きに)主に延在し得る。これは、移行ゾーン115を延長すると同時に、矩形の不動産領域又は矩形の屋上における利用可能な空間の効率的な使用をもたらし得る。そのようなバーティポート構成の実例が、図3~5に関して以下に示される。図3~5では、移行ゾーン115は、真っ直ぐであり、比較的短く、且つ、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120に対して逆平行である。より長い移行ゾーン115が望ましい場合、移行ゾーン115は、着陸ゾーン110及び離陸ゾーン120に対して(例えば、逆平行でなく)角度を付けられ、且つ/又は、上記で述べられたように任意の適切な数のねじれ及びターンを(例えば、利用可能な不動産空間の幅に基づいて)含み得る。
【0074】
図1には示されていないが、バーティポート・システム105はまた、離陸ゾーン120において航空機112を降ろしたカートのための戻り経路を含み得る。実例として、戻り経路は、移行ゾーン115に隣接し得るが、空のカートは、移行ゾーン115におけるカートとは反対方向に移動する。いくつかの実施例では、戻り経路は、経路を延長するために、ねじれ及びターンを伴い得る。それにより、任意の未使用の不動産空間を活用することができ、バーティポート・システム105が余分のカートを保管することを可能にすることができ、且つ/又は、カート上のカート電源161を(例えば、バーティポート地上電源の所で停止し且つそれに接続することによって)再充電するための空間/時間をカートに提供することができる。
【0075】
V.バーティポート構成:平行なレーン
図3は、ゾーンの代替的な構成を含むバーティポート・システム305の実例を示す。示されるように、着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320は、実質的に位置合わせされ(例えば、図3の見え方からすると、垂直に位置合わせされ)得る。例えば、着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320の始まりは、垂直に位置合わせされてよく、且つ/又は、着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320の終わりは、垂直に位置合わせされてよい。着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320はまた、同じ又は類似の方向に(例えば、平行に)配向されてよい。
【0076】
移行ゾーン315は、着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320の両方に隣接し、且つ、着陸ゾーン310と離陸ゾーン320との間に位置し得る。移行ゾーン315はまた、着陸ゾーン310及び/又は離陸ゾーン320と位置合わせされ(例えば、図3の見え方からすると、垂直に位置合わせされ)得る。さらに、移行ゾーン315は、着陸ゾーン310及び/又は離陸ゾーン320に対して反対方向に(例えば、逆平行に)配向され得る。
【0077】
航空機の着陸方向及び離陸方向(例えば、第1及び第2の方向)は、どちらも着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320の下から上へ(例えば、図3の見え方からすると、上方へ)配向され得る。着陸ゾーン310の終わりから離陸ゾーン320の始まりへ移動するために、航空機は、離陸/着陸方向に対して等しく且つ反対の(例えば、逆平行の)方向(例えば、第3の方向)に(例えば、図3では下方に)移行ゾーン315を渡って(例えば、カートを介して)移送され得る。
【0078】
図3に示されたバーティポート・システム305のゾーン配置は、同時に、着陸ゾーン310から離陸ゾーン320への効率的且つ直接的な移送を実現し、着陸方向及び離陸方向がどちらも同じ方向に(例えば、風に逆らって)配向されることを可能にし、且つ、矩形の空間(例えば、矩形の土地区画又は屋上)にうまく適合し得る矩形形状を作り出すことができる。
【0079】
バーティポート・システム305は、1つ若しくは複数の保護障壁(例えば、380A及び380B)、並びに/又は1つ若しくは複数の歩道(例えば、385A及び385B)をさらに含み得る。保護障壁380A及び380Bは、壁、フェンス、間隙、ざらざらした地面、又は任意の他の適切なタイプの障壁(barrier)若しくは標識の形態を取ることができる。第1の障壁380Aは、移行ゾーン315と着陸ゾーン310との間の第1の境界の少なくとも一部に沿って位置決めされ得る。第2の障壁380Bは、移行ゾーン315と離陸ゾーン320との間の第2の境界の少なくとも一部に沿って位置決めされ得る。
【0080】
歩道385A及び385Bは、舗装された定常的な経路、動く経路(例えば、コンベヤ・ベルト)、エスカレータ、階段、又は任意の他の適切なタイプの乗客回廊の形態を取ることができる。歩道385A及び385Bは、移行ゾーン315とそれぞれの障壁380A及び380Bとの間にそれらの両方に隣接して位置決めされ得る。
【0081】
様々な実施例によれば、別々の歩道385A及び385Bが、入って来る乗客及び出て行く乗客のために使用され得る。第1の障壁380A及び第1の歩道385Aは、降機する乗客を、航空機312から出口領域又は出口ポータルまでバーティポート・システム305を通じて案内することができる。第2の障壁380B及び第2の歩道385Bは、乗機する乗客を、入口領域又は入口ポータルから航空機312までバーティポート・システム305を通じて案内することができる。障壁380A及び380B並びに歩道385A及び385Bは、乗客が歩いて着陸ゾーン310及び/又は離陸ゾーン320に入るのを防ぐことができる。障壁380A及び380Bは、移行ゾーン315を取り囲むことができ、また、障壁380A及び380Bは、航空機312が移行ゾーン315から着陸ゾーン310及び離陸ゾーン320に出入りするのを可能にするために、1つ又は複数の端部に間隙を含むことができる。
【0082】
図4は、バーティポート・システム405の別の実例を示す。図4に示されたバーティポート・システム405は、図3に示されたバーティポート・システム305との多くの類似点を共有する。しかし、図4に示されたバーティポート・システム405は、乗客退場ポイント475及び乗客退場ポイント470をさらに含む。示されるように、降機する乗客は、航空機412から都合良く位置付けられた乗客退場ポイント475(例えば、階段、エレベータ、エスカレータ、など)へ直接進むことができる。同様に、乗機する乗客は、都合良く位置付けられた乗客入場ポイント470(例えば、階段、エレベータ、エスカレータ、など)から航空機412へ直接進むことができる。それにより、乗客は移行ゾーン415に隣接する歩道の長さに渡って移動する必要がないので、乗客がバーティポート・システム405内で徒歩に使う空間及び時間の量が有利に減少され得る。示されるように、乗客退場ポイント475及び乗客入場ポイント470は、それぞれの歩道及びそれぞれの障壁の終わりに位置付けられる。しかし、実施例は、乗客退場ポイント475及び乗客入場ポイント470がそれぞれの歩道の中央領域に又は任意の他の適切な場所に位置付けられることを可能にする。
【0083】
図5Aは、バーティポート・システム505Aの別の実例を示す。図5Aに示されたバーティポート・システム505Aは、図4に示されたバーティポート・システム405との多くの類似点を共有する。しかし、図4とは対照的に、図5Aに示されたバーティポート・システム505Aは、乗客退場ポイント575A及び乗客入場ポイント570Aを移行ゾーン515Aの始まり及び終わりにそれぞれ位置決めする。さらに、乗客降機ゾーン530Aが、移行ゾーン515Aの始まりにおける移行ゾーン515Aの第1の位置に限定され得る。同様に、乗客乗機ゾーン535Aが、移行ゾーン515Aの第3の位置に限定され得る。乗客退場ポイント575Aは、乗客降機ゾーン530A(退出ポイントとも呼ばれ得る)内に位置付けられてよく、乗客入場ポイント570Aは、乗客乗機ゾーン535A(進入ポイントとも呼ばれ得る)内に位置付けられてよい。
【0084】
この配置は、乗客入れ替え領域を移行ゾーン515Aの限られた部分に含有することができ、したがって、移行ゾーン515Aの残りの部分を他の活動に利用可能にすることができる。例えば、乗客降機ゾーン530Aと乗客乗機ゾーン535Aとの間に位置付けられた移行ゾーン515Aの第2の部分が、航空機512Aを清掃すること、航空機の機内環境を事前調整すること、再充電すること、メンテナンス、及び/又はその後の飛行のために他の方法で航空機512Aを準備若しくはリセットすることのために、使用され得る。この移行ゾーン515Aの第2の部分は、リセット・ゾーン537Aと呼ばれ得る。いくつかの実施例では、リセット・ゾーン537Aは、地上整備員が航空機512Aをリセットし且つ準備するのに可能な限り多くの時間を有することができるように、最大化され得る。
【0085】
いくつかの実施例では、再充電は、リセット・ゾーン537A内のみで実行され得る。他の実施例では、再充電は、乗客降機ゾーン530A及び乗客乗機ゾーン535Aなどの他のゾーンでも行われ得る。例えば、充電は、航空機512Aがカートに電気的に連結されたときに(例えば、これは、着陸ゾーン510Aにおいて起こり得る)始まってよい。
【0086】
図5Bは、バーティポート・システム505Bの別の実例を示す。図5Bに示されたバーティポート・システム505Bは、着陸ゾーンと離陸ゾーンとを着陸及び離陸の両方に使用される単一の統合された多目的表面に組み合わせることにより、よりコンパクトである。言い換えれば、着陸ゾーン及び離陸ゾーンは、同じ場所に存在し得る。この統合されたゾーンは、離着陸ゾーン(landing and takeoff zone)511Bと呼ばれ得る。この場合、移行ゾーン515Bは、滑走路の終わりを同じ滑走路の始まりに接続する表面であり得る。移行ゾーン515Bは、図5Bに示されるように、離着陸ゾーン511Bに隣接して位置決めされ且つ離着陸ゾーン511Bに対して逆平行に配向され得る。いくつかの実施例では、離着陸ゾーン511Bは、カーブ又は曲りを含むことができ、又は、任意の他の適切な形状の経路を有することができる。他の実施例では、移行ゾーン515Bは、再充電及び/又は乗客の入れ替えが完了した後でカート550B及び/又は航空機512Bを滑走路上の同じ位置に戻すループであり得る。着陸ゾーン及び離陸ゾーンが同じ空間を占める場合でも、その空間(例えば、単一の滑走路)は最初に着陸ゾーンとして使用され(例えば、航空機を受け入れ)、次いで航空機512Bが移行ゾーン515Bを渡って進行した後で離陸ゾーンとして使用され得る(例えば、航空機が出発するのを可能にする)ので、移行ゾーン515Bは、依然として着陸ゾーンと離陸ゾーンとの間に位置決めされていると考えられ得る。
【0087】
VI.バーティポートの構成:ワン・ストップ経路
図6は、バーティポート・システム605の別の実例を示す。図6に示されたバーティポート・システム605は、図に示されたバーティポート・システム305との多くの類似点を共有する。しかし、図6に示されたバーティポート・システム605では、移行ゾーン615は、複数の経路616A、616B、616C、及び616Dを有する表面を含む。
【0088】
図6に示されるように、経路616A、616B、616C、及び616Dのそれぞれは、着陸ゾーン610から離陸ゾーン620に直接接続し得る。結果として、各航空機612は、(例えば、図3におけるように)移行ゾーン615全体を下るのとは対照的に、経路616A、616B、616C、及び616Dのうちの1つだけを渡って移動することにより、離陸ゾーン620に到達することができる。離陸ゾーン620に入った後、航空機612は、離陸ゾーン620の底又は開始領域へ移動することができる。また、各航空機612は、(例えば、全ての航空機が着陸ゾーン610の最上部/終わりから移行ゾーン615の最上部に入る代わりに)着陸ゾーン310から、利用可能な経路616A、616B、616C、及び616Dのいずれかにおける利用可能な空間内へ直接移動することができる。
【0089】
図3における細長い経路とは対照的に、経路616A、616B、616C、及び616Dのそれぞれは、比較的短くてよい(例えば、およそ航空機のサイズ)。各経路は、一度に1機の航空機612を収容するように構成され得る。この場合、航空機612が、充電プロセス、乗客入れ替えプロセス、及び/又はリセット・プロセスの持続時間にわたって1つの位置に留まることができる。
【0090】
実施例は、上記で論じられたように、充電器がカート上に又は移行ゾーン615上に別々に配置されることを可能にする。いくつかの実施例では、経路616A、616B、616C、及び616Dのそれぞれは、固定された充電ステーションを含み得る。これは、各航空機612が単一の地上充電器に連結して、別の地上充電器へ移動する必要なしに充電プロセスを完了することができるので、図6の構成に適し得る。
【0091】
移行ゾーン615を複数の別々の経路に分離することは、遅延又は渋滞を引き起こし得る航空機612の1列の待ち行列を排除することができる。例えば、各航空機612は、他の航空機612のための遅延又は割り込みを引き起こすことなしに、必要とされるだけの時間を充電にかけることができる。
【0092】
VII.バーティポートの構成:複数の積み重ねられたゾーンのセット
図7は、各ゾーンの倍数を含むバーティポート・システム705の実例を示す。示されるように、各ゾーンの複数のバージョンは、1つの領域に一緒に積み重ねられ得る。この実例は、図1に示されるようなz形状構成の複数の積重ねセットを使用するが、実施例は、他の構成(例えば、図3に示された構成)が同様に積み重ねられることを可能にする。
【0093】
第1の着陸ゾーン710A、移行ゾーン715A、及び/又は離陸ゾーン720Aを含む第1のゾーンのセットは、第2の着陸ゾーン710B、移行ゾーン715B、及び/又は離陸ゾーン720Bを含む第2のゾーンのセットに隣接して位置決めされ得る。ゾーン(例えば、着陸、移行、及び離陸)の2つのセットが示されているが、組み合わせられた1つのバーティポート・システム705を作り出すために、図7に示されたゾーンの上方又は下方に、任意の適切な数のゾーンのセットが含まれて積み重ねられ得る。
【0094】
ゾーンの2つのセットは、任意の適切な態様で互いに対して配置され得る。1つの実例では、ゾーンの2つのセットは、位置合わせされる(例えば、図7の見え方からすると、水平に位置合わせされる)。例えば、図7に示されるように、第1の着陸ゾーン710Aは、第1の着陸ゾーン710Aの終わりが第2の着陸ゾーン710Bの始まりに隣接し且つ/又は接続するように、第2の着陸ゾーン710Bと同じ方向に配向され且つ/又は水平に位置合わせされ得る。同様に、第1の離陸ゾーン720Aは、第1の離陸ゾーン720Aの終わりが第2の離陸ゾーン720Bの始まりに隣接し且つ/又は接続するように、第2の離陸ゾーン720Bと同じ方向に配向され且つ/又は水平に位置合わせされ得る。さらに、第1の移行ゾーン715Aは、第2の移行ゾーン715Bに対して平行であり得る。
【0095】
積み重ねられた複数のゾーンを含むことは、上記の効率的なゾーン構成(例えば、z形状)の利点を維持しながら、利用可能な空間をより十分に利用することができる。例えば、z形状のゾーン構成は、矩形の不動産空間(例えば、矩形の土地又は矩形の屋上)の一部を利用することができない。しかし、一緒に積み重ねられたいくつかのz形状構成は、矩形の空間をより良好に利用することができる。
【0096】
さらに、複数の着陸ゾーン、離陸ゾーン、及び移行ゾーンの存在は、遙かに頻繁な航空機の到着セッション、出発セッション、及び再充電セッションを可能にし得る。例えば、ゾーン(例えば、着陸、移行、及び離陸)の単一のセットが5分間当たりに1機の航空機を受け入れ且つ処理することができ、且つ、バーティポート・システム705内にゾーンの5つのセットが存在する場合、バーティポート・システム705は、全体として毎分1機の航空機を受け入れることができる。
【0097】
様々な実施例によれば、バーティポート・システム705は(例えば、バーティポート・コンピュータ及び/又は通信システムを介して)、任意の適切な基準に基づいて、進入する航空機に特定の着陸ゾーン(例えば、710A又は710B)に着陸するように指示することができる。例えば、着陸ゾーンは、反復的に循環され得る(例えば、最初に着陸ゾーン710Aを使用し、次いで着陸ゾーン710Bを使用し、次いで含まれるのであれば別の着陸ゾーンを使用する、など)。或いは、バーティポート・システム705は、目下(例えば、乗客が航空機から出るための、又は航空機がその後の使用のために再充電され且つリセットされるための)待機時間が最短であるいずれかのゾーン(例えば、着陸、移行、及び離陸)のセットを利用することができる。
【0098】
様々な実施例によれば、ゾーンの1つ又は複数のセットが、特定の構成要素及び/又はゾーンを共有し得る。例えば、複数のカートが、ゾーンの第1のセット及びゾーンの第2のセットによって共有され得る。そのような実施例では、カートは、必要とされている場所に基づいて、別々のゾーンのセットの間で理知的に分配され得る。或いは、別々のカートが、別々のゾーンのセットに充てられ得る。例えば、第1の複数のカートが、ゾーンの第1のセットのために提供されて、第1の複数機の航空機を第1の着陸ゾーン710Aから第1の離陸ゾーン720Aへ第1の移行ゾーン715Aを渡って物理的に移送するように構成され得る。同様に、第2の複数のカートが、ゾーンの第2のセットのために提供されて、第2の複数機の航空機を第2の着陸ゾーン710Bから第2の離陸ゾーン720Bへ第2の移行ゾーン715Bを渡って物理的に移送するように構成され得る。
【0099】
さらに、いくつかの実施例では、別々の着陸ゾーン710A及び710Bが、1つの連続的な着陸ゾーンに組み合わせられ得る。複数の移行ゾーン715A及び715Bが、単一の連続的な着陸ゾーンの異なる部分から離れるように通じ得る。同様に、別々の離陸ゾーン720A及び720Bが、1つの連続的な離陸ゾーンに組み合わせられ得る。
【0100】
バーティポート・システム705は、1つ又は複数の乗客退場ポイント(例えば、775A及び775B)、及び1つ又は複数の乗客入場ポイント(例えば、770A及び770B)を含み得る。実施例によれば、乗客退場ポイント775A及び775B、並びに乗客入場ポイント770A及び770Bは、ゾーンによって占められていない空間を活用するために、ゾーンのセットの中間などのバーティポート・システム705の任意の適切な領域内に位置付けられ得る。図7に示されるように、乗客退場ポイント775A及び775Bは、対応する移行ゾーン(例えば、715A及び715B)の始まり、即ち航空機及び/又はカートが着陸ゾーン(例えば、710A及び710B)から最初に移行ゾーンに入ることができる場所に隣接して位置付けられ得る。やはり図7に示されるように、乗客入場ポイント770A及び770Bは、対応する移行ゾーン(例えば、715A及び715B)の終わり、即ち航空機及び/又はカートが離陸ゾーン(例えば、720A及び720B)に入るために移行ゾーンを離れることができる場所に隣接して位置付けされ得る。
【0101】
VIII.バーティポート構成:相互接続されたゾーンのセット
図8は、様々な実施例による、相互接続されたゾーンのセットを含むバーティポート・システム805の実例を示す。示されるように、各ゾーンの複数のバージョンが、単一のバーティポート・システム805内で相互接続され得る。この実例は、図6に示された移行ゾーン615と同様に、単一の航空機経路を複数含む移行ゾーンを使用するが、実施例は、他の構成(例えば、図1、3、4及び5に示された構成)が同様に相互接続されることを可能にする。
【0102】
バーティポート・システム805は、2つの別々の着陸ゾーン810A~B(例えば、2つの別々の表面)、2つの別々の離陸ゾーン820A~B(例えば、2つの別々の表面)、及び4つの別々の移行ゾーン815A~D(例えば、4つの別々の表面)を含み得る。着陸ゾーン810A~B、及び離陸ゾーン820A~Bは、それぞれ、矩形形状のバーティポート・システム805のそれぞれの隅部に位置付けられてよく、移行ゾーン815A~Dのそれぞれは、ロケーション・ゾーンと離陸ゾーンの別々の対の中間に位置決めされ且つそれに接続され得る。結果として、移行ゾーン815A~Dは、プラス形状を一緒に取ることができる。
【0103】
1つの実施例では、2つの着陸ゾーン810A~Bは、対向する隅部(例えば、左上及び右下)に位置決めされ、2つの離陸ゾーン820A~Bは、残りの対向する隅部(例えば、右上及び左下)に位置決めされる。これらの隅部ゾーンのそれぞれは、4つの移行ゾーン815A~Dによって分離される。移行ゾーン815A~Dのそれぞれは、着陸ゾーン810A~Bのうちの1つから離陸ゾーン820A~Bのうちの1つへの固有の接続ルートを提供する。この幾何学的配置は、着陸ゾーン810A~Bのそれぞれが移行ゾーン815A~Dにより(他の着陸ゾーンではなく)両方の離陸ゾーン820A~Bに接続されることを可能にする。結果として、着陸する航空機は、離陸ゾーン820A~Bのどちらにも移動することが可能であり得るので、バーティポート・システム805内で移動するための複数の選択肢を有する。
【0104】
いくつかの実施例では、バーティポート・システム805は、1つの大きな連続的な表面を有し得る。様々なゾーン(様々な表面と説明され得る)は、同じ表面の一部であってよいが、印又は他の標識によって分離され得る。
【0105】
この実例では、移行ゾーン815A~Dのそれぞれは、表面を含み、各表面は、2つの経路(例えば、8つの経路816A~Hのうちの2つ)を含むが、実施例は、各移行ゾーン表面が任意の適切な数の経路を含むことを可能にする。各経路は、着陸ゾーン810A~Bのうちの1つを離陸ゾーン820A~Bのうちの1つに接続する。これは、着陸する航空機に、バーティポート・システム805内で移動するためのさらに多くの選択肢を提供する。例えば、第1の着陸ゾーン810Aに着陸する航空機812が、次に移動する位置の4つの異なる選択肢を有し得る。航空機812は、第1の移行ゾーン815A又は第2の移行ゾーン815Bのどちらにも移動することができ、また、これらの選択肢の中で、航空機812は、第1の経路816A、第2の経路816B、第3の経路816C、又は第4の経路816Dへ移動することができる。航空機812がどの移行ゾーンを使用するかに応じて、航空機812は、続いて、第1の離陸ゾーン820A又は第2の離陸ゾーン820Bへ移動することができる。
【0106】
したがって、バーティポート・システム805の相互接続されたゾーンは、航空機812を受け入れ、リセットし、送り出すときの経路指定の柔軟性を提供することが分かる。これは、任意の所与のタイミングにおいて同時に到着、リセット、及び/又は出発し得る複数機の航空機を効率的に調整するのを支援することができる。
【0107】
図6と同様に、図8では、各航空機812は(例えば、カートを介して)、着陸ゾーン810A~Bのうちの1つから、隣接する移行ゾーン815A~Dのうちの1つにおける利用可能な経路へ直接移動することができる。経路816A~Hのそれぞれは、一度に1機の航空機812を収容するように構成され得る。航空機812は、充電プロセス、乗客入れ替えプロセス、及び/又は他のリセット・プロセスの期間にわたって1つの場所に留まることができる。次いで、航空機812は、離陸ゾーン820A~Bのうちの最も近い方へ直接移動することができる。
【0108】
また、図6に関して上記で述べられたように、図8のバーティポート・システム805は、固定された充電器が経路816A~Hのそれぞれに設置されることを可能にする。各航空機812は1つの場所に動かずにいる間に充電することができるので、カートは、充電設備を備えなくてもよい。代わりに、航空機812が、移行ゾーン815A~Dの経路816A~H内の指定された充電領域内に位置決めされた固定された充電設備に連結され得る。このようにしてカートを単純化することは、より順応性があり且つ効率的なバーティポート・システム805を提供することができる。
【0109】
バーティポート・システム805は、図7に関して上記で説明されたものに少なくともある程度類似した便益を提供し得る。例えば、バーティポート805は、矩形の不動産領域又は矩形の屋上における全ての利用可能な空間の効率的な使用をもたらし得る。また、この配置により、カートは、需要に基づいて共有され且つ分配され得る。或いは、別々のカートのセットが、移行ゾーンに対する着陸ゾーンの各対形成(例えば、4つのセット)に充てられ得る。さらに、複数の着陸ゾーン810A~B及び離陸ゾーン820A~Bは、複数機の航空機が同時に着陸及び/又は離陸することができ、また着陸ゾーン810A~B及び離陸ゾーン820A~Bが別のやり方で同時に運用され得るので、より高頻度の航空機交換を可能にすることができる。さらに、この配置は、細長い滑走路を必要とせずにより小さな正方形状の着陸パッド及び離陸パッドとともに機能し得るVTOL航空機によく適し得る。
【0110】
乗客入場/退場領域870が、バーティポート・システム805の中央に位置付けられ得る。乗客入場/退場領域870は、図1に関して上記で説明された乗客退場ポイント175及び/又は乗客入場ポイント170に類似し得る。しかし、ここでは、乗客入場/退場領域870は、入場及び退場の両方のための1つの統合されたアクセス・ポータルであり得る。或いは、入場及び退場のための2つの異なる経路が、それぞれ、同じ領域870内で互いに隣接して位置付けられ得る。
【0111】
いくつかの実施例では、着陸ゾーン810A~B及び離陸ゾーン820A~Bのそれぞれは、航空機812のサイズ(例えば、長さ及び幅)の少なくとも2倍であり得るが、移行ゾーン815A~Dの経路816A~Hは、航空機812と同じ又は類似のサイズを有し得る。したがって、着陸ゾーン810A~B及び離陸ゾーン820A~Bのそれぞれは、経路816A~Hのそれぞれのサイズの2倍であり得る。例えば、着陸ゾーン810A~B及び離陸ゾーン820A~Bのそれぞれは、2つの経路816A~Hの長さに等しい長さ、及び/又は2つの経路816A~Hの幅に等しい幅を有し得る。結果として、2つの(例えば、充電器を含む)経路816A~Hが、各着陸ゾーンと離陸ゾーンとの間に都合良く適合し得る。
【0112】
図8では1つの移行ゾーン当たり2つの(例えば、充電ステーションを含む)経路が示されているが、本発明の実施例は、移行ゾーンのそれぞれが任意の適切な数(例えば、1、2、3、4、5、10、など)の経路及び/又は充電器を含むことを可能にする。
【0113】
IX.ゾーンを互い違いにするための方法
図9は、いくつかの実施例による、バーティポート・システム805の様々なゾーンの使用を互い違いにするための例示的な方法及びスケジュールを示す。
【0114】
図9に示された表では、列は、時間周期を表す。例えば、「1」と標識された第1の列が第1の時間周期を表し、「2」と標識された第2の列が第2の時間周期を表す、などである。いくつかの実施例によれば、各時間周期は、同じ持続時間を有し得る。例えば、各時間周期は、15分間の持続時間を有し得る。他の時間(例えば、1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間)が使用されてよい。
【0115】
図9に示された表では、行は、様々な場所を表す。例えば、行は、両方の着陸ゾーン810A~B、両方の離陸ゾーン820A~B、及び各移行ゾーン815A~Dの各経路816A~Hを含む。
【0116】
上記で述べられたように、複数機の航空機が同時に到着して、バーティポート・システム805によって処理され得る。各航空機は、各場所においてある程度の時間を費やし得る。例えば、各航空機は、航空機の電池を十分に充電し且つ/又は乗客を入れ替えるために、所与の経路において最長で4時間周期を費やし得る。図9に示された表では、各セルは、時間周期1~13のセットにわたる複数機の航空機の場所を示す。
【0117】
示されるように、2機の航空機が、同じ又は同じようなタイミングで2つの異なる着陸ゾーンに到着することができる。次いで、それらの2機の航空機は、充電ステーションを有する経路へ(例えば、充電カートに取り付けられている間に)移動されてよく、その経路において、2機の航空機は(例えば、4時間周期の持続時間にわたって)一時停止し且つ充電される。充電が終わると、航空機は、適切な離陸ゾーンへ移動されて、出発することができる。
【0118】
具体例として、航空機1及び2がどちらも時間周期1において、着陸ゾーン810A及び810Bにそれぞれ到着する。次いで、航空機1及び2は、時間周期2において経路816A及び816Eへそれぞれ移動される。航空機1及び2は、時間周期5の間中、経路816A及び816Eに留まる。次いで、時間周期6において、航空機1及び2は、離陸ゾーン820A及び820Bへそれぞれ移動され、時間周期7の前にそこから出発することができる。航空機1及び2が充電され且つ/又は乗客を入れ替えている間に、さらなる航空機3~10が到着する。航空機3~8は、それぞれ、他の利用可能な経路816B、816C、816D、816F、816G、及び816Hのうちの1つへ移動される。航空機1及び2が経路816A及び816Eから外へ移動して、経路816A及び816Eを空にすると、航空機9及び10が、時間周期6においてそれらの経路へ移動され得る。
【0119】
同時に到着する2機の航空機を異なる方向に送ることにより、離陸ゾーン820A及び820Bの使用を分散させることが好ましい場合がある。例えば、示されるように、航空機1が、離陸ゾーン820Aに通じる経路816Aに送られ、一方で、航空機2が、離陸ゾーン820Bに通じる経路816Eに送られる。そのようにして、両方の航空機が同時に再充電を終えた場合(この実例では、それらの航空機はそのようにする)、それらの航空機は、同じ離陸ゾーンをめぐって争う代わりに、どちらも別々の離陸ゾーンへ直ちに移動され得る。
【0120】
X.バーティポート構成:回転ラック
図10は、回転ラック様式のバーティポート・システム1005の実例を示す。この実例では、(例えば、図1及び図3~5に示されるような)定常的な細長い経路の代わりに、移行ゾーンの表面は、円形プラットフォーム1023の形態を取ることができる。円形プラットフォーム1023は、物理的に(例えば、反時計回りに)回転するように構成され得る。回転により、円形プラットフォーム1023の縁部に位置する航空機1012及び/又は連結されたカート1050は、円形プラットフォーム1023の第1の側の着陸ゾーン1010から円形プラットフォーム1023の第2の側の離陸ゾーン1020へ移送され得る。
【0121】
円形プラットフォーム1023は、モータによって回転的に駆動されるように連結され得る。円形プラットフォームは、回転しながら1機又は複数機の航空機1012を同時に物理的に支持するように構成された平坦な表面であってよい。実施例は、プラットフォームが楕円形、矩形、6角形、8角形、又は任意の他の適切な形状などの円以外の他の形状を取ることを可能にする。
【0122】
移送設備は、図10に示されるように、なおもカート1050を含むことができる。カート1050は、航空機1012を着陸ゾーン1010から円形プラットフォーム1023へ移動させ、その後円形プラットフォーム1023から離陸ゾーン1020へ移動させるように構成され得る。示されるように、航空機1012は、着陸ゾーン1010に到着し、カート1050に連結され且つ/又はカート1050によって支持され得る。航空機1012は、カート1050の上に直接着陸することができる。次いで、航空機1012は、カート1050により円形プラットフォーム1023上へ移送される。例えば、自動推進式であるか又は着陸ゾーン1010内の移動軌道によって移動され得るカート1050は、着陸ゾーン1010から円形プラットフォーム1023へ移動するか又は移動され得る。カート1050は、円形プラットフォーム1023に位置すると、円形プラットフォーム1023に接続されることなしに円形プラットフォーム1023上で静止することができるか、或いは、円形プラットフォーム1023に物理的に付随することができる。この時点で、円形プラットフォーム1023の回転は、カート1050及び航空機1012を離陸ゾーン1020に向かって移動させ続けることができる。したがって、カート1050及び円形プラットフォーム1023は一緒に、航空機1012に着陸ゾーン1010から離陸ゾーン1020まで示されたルート1028を移動させることができる。円形プラットフォーム1023はまた、移行ゾーンの一部であることに加えて、航空機1012の移動を支援するので、移送設備の一部と考えられ得る。
【0123】
上記で述べられたように、充電器は、カート1050上に設置されるか、又は、移行ゾーンにおける他の場所に設置され得る。図10に示されるように、充電器は、移行ゾーンの円形プラットフォーム1023に連結され得る。電気カプラ1062(例えば、充電器の構成要素)が、例えば円形プラットフォーム1023内の開口部を介して、又はコンソール固定具から、円形プラットフォーム1023の中央領域1026(例えば、中心軸)から延在し得る。ワイヤ又はケーブルの形態を取ることができる電気カプラ1022は、航空機1012を電源(例えば、円形プラットフォーム1023に、円形プラットフォーム1023内に、又は円形プラットフォーム1023の下に位置し得る)に連結し、それにより航空機の電池を充電することができる。これは、複数の電気カプラを有する単一の充電器の形態を取ることができる。他の実施例では、別々の充電器(例えば、電源及び/又は電気カプラ)が、円形プラットフォーム1023の縁部の周りなどの異なる場所において円形プラットフォーム1023の周りに分配され得る。
【0124】
円形プラットフォーム1023は、航空機の電池が再充電されている間、回転することができる。結果として、航空機1012は、充電が起こっている間、ルート1028に沿って移送され得る。
【0125】
円形プラットフォーム1023は、例えば、反時計方向に回転することができる。円形プラットフォーム1023が十分遠くまで回転すると(且つ/又は、充電が完了すると)、航空機1012は、電気カプラ1022から脱離することができ、次いで、カート1050は、離陸ゾーン1020へ移動するか又は移動され得る。いくつかの実施例では、円形プラットフォーム1023は、航空機1012及び/又はカート1050が出発する前に、270度、180度、90度、又は任意の他の適切な回転距離だけ(例えば、時計方向又は反時計方向に)回転し得る。航空機1012が離陸ゾーン1020に位置すると、航空機1012は、飛行を開始することにより出発することができる。円形プラットフォーム1023上の目下利用可能な位置は、その位置がまた着陸ゾーン1010と位置合わせされるように回転すると、別のカート及び/又は航空機によって埋められ得る。いくつかの実施例では、航空機1012は、より多くの充電時間を有するため、乗客を待つため、又は任意の他の適切な目的のために、1回又は複数回のさらなる回転にわたってプラットフォーム上に滞在することができる。
【0126】
円形プラットフォーム1023は、15分間に90度の回転を完了する速度、別の言い方をすれば1回の完全回転当たり1時間の速度などの、任意の適切な速度で回転し得る。いくつかの実施例によれば、円形プラットフォーム1023は、カート1050が円形プラットフォーム1023に入るとき又は円形プラットフォーム1023から出て行くときに、一時的に停止及び/又は減速し得る。或いは、円形プラットフォーム1023は、停止及び/又は減速することなしに連続的に回転し得る。さらなる代替形態として、円形プラットフォーム1023は、反復的な回転を経験し得る。例えば、円形プラットフォーム1023は、一定の時間間隔(例えば、15分間)にわたって一時停止し、次いで、次の位置まで進むために一定の距離だけ(例えば、45度、90度、など)回転し、そして別の時間間隔(例えば、もう一度15分間)にわたって停止することができる。
【0127】
航空機1012及び/又はカート1050が最初に円形プラットフォーム1023上に到着すると、航空機が移動されている間に電池充電プロセスを開始するために航空機が電源に連結され且つ電源によって充電され得るように、円形プラットフォームにおける電気カプラ1022が、航空機1012に連結され得る。これは、第1の時間周期(例えば、15分間の持続時間を有する)中に起こり得る。航空機1012は、第1の時間周期中の任意のタイミングで円形プラットフォーム1023に到着することが可能とされるか、又は、航空機1012は、第1の時間周期の始まり若しくは終わりに(例えば、円形プラットフォーム1023上の利用可能な位置が着陸ゾーン1010と位置合わせされるときに)のみ到着することを可能とされ得る。第2の時間周期(例えば、15分間の持続時間を有する)において、円形プラットフォームは回転し、それにより航空機1012を離陸ゾーンに向かって移送することができる。円形プラットフォーム1023は、第1の位置から第2の位置へ回転することができる。これは、90度回転などの一定量の回転を含み得る。いくつかの実施例では、円形プラットフォーム1023は、一定の時間周期(例えば、15分間)にわたる連続的な回転を介して、この量だけ回転する。他の実施例では、円形プラットフォーム1023は、一定の時間周期(例えば、15分間)がすでに経過した後で、回転を反復的に実行する。第3の時間周期(例えば、15分間の持続時間を有する)において、円形プラットフォーム1023は、第2の位置から第3の位置へ(例えば、同じ方向にもう一度90度)回転し得る。第3の時間周期(例えば、15分間の持続時間を有する)において、円形プラットフォーム1023は、第3の位置から第4の位置へ(例えば、同じ方向にもう一度90度)回転し得る。この時点で、円形プラットフォームは、第1の位置から第4の位置まで全体で270度回転していてよく、航空機1012は、離陸ゾーン1020と位置合わせされた場所に存在し得る。次いで、航空機は、電気カプラ1022から(例えば、再充電プロセスを完了した後で)切り離されて離陸ゾーン1020へ(例えば、カート1050によって)移動されてよく、航空機1012は、出発することができる。次いで、円形プラットフォーム1023は、第4の位置から第5の位置へ(例えば、同じ方向にもう一度90度)回転し得る。場合によっては、第5の位置は、第1の位置と同じであり得る。言い換えれば、円形プラットフォーム1023は、この時点で1回の全回転を終えることができる。この時点で、円形プラットフォーム1023のこの同じ領域は、別の航空機を移送するために使用され得る。さらなる航空機が、円形プラットフォーム1023上に、しかし円形プラットフォーム上の異なる場所に、すでに位置していてよい。
【0128】
4つのカート1050及び4機の航空機1012が、同時に(例えば、電気カプラ1022によって)充電され且つ円形プラットフォーム1023によって移送されるものと示されているが、実施例は、円形プラットフォーム1023が任意の適切な数のカート1050及び/又は航空機1012を同時に支持し、充電し、且つ移送することを可能にする。
【0129】
いくつかの実施例では、円形プラットフォーム1023の中央1026に位置する電気カプラ1022の端部は、円形プラットフォーム1023の各反復的な移動後に電気カプラ1022が1機の航空機から抜かれて次の航空機へ移動し得るので、円形プラットフォーム1023とともに回転し得ない。したがって、いくつかの実施例によれば、集電環は電気カプラ1022に必要でない場合がある。他の実施例では、電気カプラ1022が、円形プラットフォーム1023が回転している間、同じ航空機112に連結されたままでいる場合があり(例えば、航空機の全充電プロセスに対して1つの電気カプラ)、電気カプラ1022とともに集電環が使用され得る。
【0130】
円形プラットフォーム1023と中央領域1026から突出する電気カプラ1022との組合せは、充電構成要素及びケーブル・ルーティングを有利に集中させ且つ単純化することができる。例えば、複数のカートにそれら自体の電池及びケーブルを備え付ける代わりに、又は、中央充電システムへの接続を維持する複数のカートを有する代わりに、図10は、中央領域から来る複数のカプラを単一の充電システムに提供することができる。回転する円形プラットフォーム1023の空間的配置により、各航空機1012は、充電システム自体を移動させることを必要とせずに、離陸ゾーン1020に向かって移動している間に充電システムに同時に接続され得る。
【0131】
いくつかの実施例では、図10に示されたカート1012のそれぞれは、代わりに、定常的なプラットフォームの形態を取ることができる。この場合、他の別々のカート又は移送機構(例えば、リフト又はクレーン)が、航空機を(例えば、円形プラットフォーム1023の現在の回転位置に起因して2つのプラットフォームが互いに隣接して位置付けられているときに)1つのプラットフォームから別のプラットフォームへ移動させることができる。
【0132】
XI.航空機をリセットするための方法
図11は、航空機をリセットするために例示的なバーティポート・システムによって実行されるステップの流れ図を示す。
【0133】
ステップS702において、バーティポート・システムは、航空機を受け入れることができる。航空機は、バーティポート・システムの着陸ゾーンに着陸することができる。
【0134】
ステップS704において、バーティポート・システムは、移行ゾーンを通じて航空機を移送することができる。例えば、バーティポート・システムのカートが、航空機に機械的に連結し且つ/又は航空機を持ち上げて、移行ゾーンを介して離陸ゾーンに向かって着陸ゾーンから離れる方向に航空機を移送し始めることができる。カートは、移行ゾーンにおいてステーションからステーションへ連続的に又は反復的に移動することができる。カートは、持続的な速度又は可変の速度で移動することができる。最終的に、カートは、移行ゾーンから離陸ゾーンに入ることができる。
【0135】
いくつかの実施例では、バーティポート・システムは、回転プラットフォームを含み得る。航空機は、着陸ゾーンから(例えば、カートを介して)回転プラットフォームの隣接する縁部へ移送されることができ、次いで、プラットフォームは、航空機が離陸ゾーンに隣接するまで、(例えば、連続的に又は反復的に)回転することができる。次いで、航空機は、回転プラットフォームから(例えば、カートを介して)離陸ゾーンへ移送され得る。
【0136】
ステップS706において、バーティポート・システムは、1つ又は複数の航空機電池を充電することができる。充電するステップS706は、移送するステップS704と同時に且つ/又は重複して起こり得る。(例えば、S704からの)移送カートが、航空機電池に電気的に連結することができる充電器を含み得る。充電器は、カートが航空機を移送している間に1つ又は複数の航空機電池を再充電することができる。
【0137】
他の実施例では、1つ又は複数の充電器が、移行ゾーンの表面上に配置され得る。例えば、充電器のセットが、細長い経路に沿って順々に設置され得るか、又は、1つの充電器が、短い経路内に設置され得る。カートは、充電器のうちの1つ又は複数の所で停止し、航空機がある期間にわたって充電器に電気的に連結することを可能にし、次いで、航空機を次の充電器へと(又は、離陸ゾーン内へと)前方へ移動させることができる。
【0138】
他の実例では、1つ又は複数の充電器が、回転プラットフォーム上に配置される。航空機は、回転プラットフォーム上の充電器に電気的に連結して、プラットフォームが回転している間に充電を受けることができる。次いで、航空機は、プラットフォームを外れて移行ゾーン内へ移送される前に、充電器から分離することができる。
【0139】
ステップS708において、バーティポート・システムは、乗客の入れ替えを可能にすることができる。乗客の入れ替えのステップS708は、移送するステップS704及び/若しくは充電するステップS706と同時に且つ/又は重複して起こり得る。到着する乗客は、航空機から出て、次いでバーティポート・システムから出ることができる。出発する乗客は、バーティポート・システムに入り、次いで航空機に入ることができる。航空機は、乗客の入れ替えが安全に起こり得るように、ゆっくりとした(例えば、所定の最大速度未満の速度における)安定した態様で移送され得る。いくつかの実施例では、航空機を移送しているカートは、乗客の入れ替えを可能にするために減速するか又は停止することができる。
【0140】
ステップS710において、バーティポート・システムは、航空機を離陸ゾーンに置くことができる。例えば、1つ若しくは複数の航空機電池が完全に(又は適当に)再充電された後、航空機が移行ゾーンを渡って移送された後、及び/又は乗客の入れ替えが完了した後、航空機は、離陸のために離陸ゾーン内に配置され得る。これは、航空機からの機械的及び/又は電気的な分離を含み得る。次いで、いくつかの実施例では、カートが、領域を離れて、別の航空機を捕捉するために着陸ゾーンに戻ることができる。
【0141】
ステップS712では、バーティポート・システムは、航空機が出発することを可能にすることができる。航空機は、離陸して、別の目的地及び/又はバーティポート・システムへ飛行することができる。
【0142】
実施例は、プロセスが複数機の航空機に対して同時に実行されることを可能にする。例えば、複数機の航空機が順々に到着することができ、各航空機は、異なるカートに連結され且つ/又は回転プラットフォームの異なる位置に配置されることができ、また、各航空機は、移送され且つ再充電され得る。各航空機は、任意の所与の瞬間において異なる場所に位置付けられ、且つ、互い違いの態様で処理され得る。
【0143】
本発明の実施例は、利用可能な空間及び時間を効率的に使用するコンパクトなバーティポート・システムを有利に可能にする。例えば、移行ゾーンが、(1)航空機を着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移動させる作業、(2)航空機電源を再充電する(又は、そうでなければ、航空機に燃料を補給する)作業、及び(3)乗客を入れ替える作業を完遂するために使用され得る。すると、結果として、典型的には3つの異なる空間を使用しまた3つの異なるタイミングにおいて別々に実行される活動が、割り当てられた1つの領域内で同時に実行され得る。
【0144】
XII.さらなる実施例
いくつかの実施例によれば、システムが、着陸ゾーンと、離陸ゾーンと、着陸ゾーンと離陸ゾーンとの間に位置決めされた少なくとも1つの表面を含む移行ゾーンと、複数機の航空機を着陸ゾーンから離陸ゾーンへ移行ゾーンを渡って同時に物理的に移送するように構成され、且つ、複数機の航空機のそれぞれが移送設備に連結され且つ移行ゾーンに位置している間に複数機の航空機のそれぞれにおいて乗客の入れ替えを可能にするように構成された、移送設備と、複数の充電器であって、複数の充電器の各充電器が、航空機が移送設備に連結され且つ移行ゾーンに位置している間に複数機の航空機からの1機の航空機の電池を充電するように構成され、また、複数の充電器の各充電器が、電源、及び、電源に連結された電気カプラであって、航空機の電池に連結してパワーを供給するように構成された、電気カプラを含む、複数の充電器と、を有する。
【0145】
さらなる実施例では、着陸ゾーンは、第1の着陸ゾーンであり、離陸ゾーンは、第1の離陸ゾーンであり、移行ゾーンは、第1の移行ゾーンであり、少なくとも1つの表面は、第1の表面であり、複数機の航空機は、第1の複数機の航空機であり、システムは、第2の着陸ゾーンと、第2の離陸ゾーンと、第2の着陸ゾーンと第2の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第2の表面を含む第2の移行ゾーンと、をさらに有し、ここで、移送設備は、第1の複数機の航空機を第1の着陸ゾーンから第1の離陸ゾーンへ第1の表面を渡って物理的に移送するように構成された第1の複数のカートと、第2の複数機の航空機を第2の着陸ゾーンから第2の離陸ゾーンへ第2の表面を渡って物理的に移送するように構成された第2の複数のカートと、を含む。
【0146】
さらなる実施例では、第1の移行ゾーンの始まりは、第1の着陸ゾーンの終わりに隣接し、第1の移行ゾーンの終わりは、第1の離陸ゾーンの始まりに隣接し、第1の着陸ゾーンは、第1の方向に配向され、第1の離陸ゾーンは、第1の方向に対して平行な第2の方向に配向され、第1の移行ゾーンは、第1の方向及び第2の方向に対して垂直な第3の方向に配向され、ここで、第2の移行ゾーンの始まりは、第2の着陸ゾーンの終わりに隣接し、第2の移行ゾーンの終わりは、第2の離陸ゾーンの始まりに隣接し、第2の着陸ゾーンは、第1の方向に配向され、第2の離陸ゾーンは、第2の方向に配向され、第2の移行ゾーンは、第3の方向に配向され、第1の着陸ゾーンの終わりは、第2の着陸ゾーンの始まりに隣接し、第1の離陸ゾーンの終わりは、第2の離陸ゾーンの始まりに隣接する。
【0147】
さらなる実施例では、システムは、第1の着陸ゾーンと第2の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第3の表面を含む第3の移行ゾーンであって、第1の複数のカートが、第1の複数機の航空機を第1の着陸ゾーンから第2の離陸ゾーンへ第3の表面を渡って物理的に移送するようにさらに構成される、第3の移行ゾーンと、第2の着陸ゾーンと第1の離陸ゾーンとの間に位置決めされた第4の表面を含む第4の移行ゾーンであって、第2の複数のカートが、第2の複数機の航空機を第2の着陸ゾーンから第1の離陸ゾーンへ第4の表面を渡って物理的に移送するようにさらに構成される、第4の移行ゾーンと、をさらに含む。
【0148】
さらなる実施例では、第1の表面は、第1の着陸ゾーンから第1の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第1のセットを含み、ここで、第2の表面は、第2の着陸ゾーンから第2の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第2のセットを含み、第3の表面は、第1の着陸ゾーンから第2の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第3のセットを含み、第4の表面は、第2の着陸ゾーンから第1の離陸ゾーンへの少なくとも2つの経路の第4のセットを含む。
【0149】
さらなる実施例では、第1のセットの少なくとも2つの経路のそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、第2のセットの少なくとも2つの経路のそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、第3のセットの少なくとも2つの経路のそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成され、第4のセットの少なくとも2つの経路のそれぞれが、一度に1機の航空機を収容するように構成される。
【0150】
さらなる実施例では、第1の着陸ゾーンは、第1のセットの少なくとも2つの経路のそれぞれのサイズの少なくとも2倍のサイズを有する。
【0151】
さらなる実施例では、第1の着陸ゾーン、第1の離陸ゾーン、第2の着陸ゾーン、第2の離陸ゾーン、第1の移行ゾーン、第2の移行ゾーン、第3の移行ゾーン、及び第4の移行ゾーンは、一緒に矩形形状を取ることができ、ここで、第1の着陸ゾーン、第1の離陸ゾーン、第2の着陸ゾーン、及び第2の離陸ゾーンは、それぞれ、矩形形状のそれぞれの隅部を占め、第1の着陸ゾーン及び第2の着陸ゾーンは、対向する隅部の第1のセットを占め、第1の離陸ゾーン及び第2の離陸ゾーンは、対向する隅部の第2のセットを占める。
【0152】
さらなる実施例では、少なくとも1つの表面は、複数機の航空機を同時に物理的に支持するように構成された円形プラットフォームの形態であり、移送設備は、円形プラットフォームに連結され且つ円形プラットフォームを回転させるように構成されたモータを含む。
【0153】
さらなる実施例では、移送設備は、複数のカートをさらに含み、複数のカートの各カートは、複数機の航空機のうちの1機を着陸ゾーンから円形プラットフォームへ物理的に移送するように構成されている。
【0154】
さらなる実施例では、複数の充電器は、円形プラットフォーム上の1つ又は複数の固定された場所に配置される。
【0155】
いくつかの実施例によれば、方法が、システムにより着陸ゾーンにおいて航空機を受け入れるステップと、システムにより航空機を着陸ゾーンから移行ゾーンを渡って離陸ゾーンへ物理的に移送するステップと、航空機を移送している間にシステムにより航空機の1つ又は複数の電池を充電するステップと、航空機を移送している間に航空機において乗客の入れ替えが行われることを可能にするステップと、システムにより航空機を離陸ゾーンに置くステップと、システムにより航空機が離陸ゾーンから出発することを可能にするステップと、を有する。
【0156】
さらなる実施例では、航空機を物理的に移送するステップは、システムのカートにより航空機に機械的に連結することを含み、航空機を離陸ゾーンに置くステップは、システムのカートにより航空機から機械的に分離することを含む。
【0157】
さらなる実施例では、航空機において乗客の入れ替えが行われることを可能にするステップは、所定の最大速度未満の速度で航空機を物理的に移送することを含む。
【0158】
本発明は特定の実施例に関連して説明されたが、本開示にアクセス可能な当業者は、変形及び修正が可能であることを理解するであろう。
【0159】
本明細書において使用される全ての数値は例示の目的のためのものであり且つ変更され得ることが、理解されるべきである。場合によっては、規模感を提供するために範囲が指定されるが、開示された範囲外の数値は、除外されない。
【0160】
本明細書における全ての図表は概略的なものとして意図されていることもまた、理解されるべきである。そうでないことが具体的に示されていない限り、図面は、そこに示された要素の任意の特定の物理的配置、又は示された全ての要素が必要であることを暗示するようには意図されていない。本開示にアクセス可能な当業者は、図面に示されているか又は他の方法で本開示において説明された要素が修正又は省略され得ること、及び、示されていない又は説明されていない他の要素が追加され得ることを、理解するであろう。
【0161】
上記の説明は、説明に役立つものであり、制限的なものではない。本開示を検討することにより、当業者には本発明の多くの変形が明らかになるであろう。したがって、特許権保護の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲をその全範囲又は均等物と一緒に参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】