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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】医療製品のための包装システム
(51)【国際特許分類】
   A01N 1/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A01N1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527323
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 US2021055713
(87)【国際公開番号】W WO2022103557
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/111,901
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/504,694
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517415528
【氏名又は名称】アクソジェン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ロモット、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ドイエルリング、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】スレイド、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】カブラ、シャシャンク
(72)【発明者】
【氏名】セヴェリン、ジェーン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011CA01
4H011CB02
4H011CB04
4H011CB05
4H011CC01
(57)【要約】
包装システムが、ホルダ(102)、および、内側トレイまたはバイアルなどの内側容器を含む。ホルダは、1つまたは複数の組織標本などの1つまたは複数の医療製品をその中に受け入れかつ保有するように構成された空洞(118a、118b)を形成するために協働する、トップ部分(102a)およびボトム部分(102b)を含む。内側容器は、ホルダをその中に受け入れるように構成された内部領域を画定する。ホルダは、空洞を形成する側壁を含み、側壁は、空洞を内側容器の内部領域に流体接続するように構成されたチャネル(122)を含む。包装システムは、内側容器をその中に受け入れるように構成されたウェルを含む外側容器をさらに備え得る。包装システムは、医療製品の保管および/または保存を促進し得る液体中に医療製品が包装されることを可能にし得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の医療製品をその中に受け入れるように構成されかつ前記1つまたは複数の医療製品をその中に保有するように構成された空洞を形成するために協働するトップ部分およびボトム部分を含むホルダと、
前記ホルダをその中に受け入れるように構成された内部領域を画定する内側容器と、
を備える、包装システムであって、
前記ホルダが、前記空洞を形成する側壁を含み、前記側壁が、前記空洞を前記内側容器の前記内部領域に流体接続するように構成されたチャネルを含む、包装システム。
【請求項2】
前記内側容器が、第1の部分および第2の部分を含む内側トレイを含み、前記第1の部分および前記第2の部分が、それぞれ、互いに連結されたときにシールを形成するかみ合い部分を含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
前記内側容器をその中に受け入れるように構成されたウェルを含む外側容器
をさらに備える、請求項1に記載の包装システム。
【請求項4】
前記チャネルが、前記側壁における延長部および凹みによって形成される、請求項1に記載の包装システム。
【請求項5】
前記側壁における前記延長部および凹みが、丸みを付けられる、請求項4に記載の包装システム。
【請求項6】
前記ホルダ、前記内側容器、または前記外側容器のうちの少なくとも1つが、プラスチック材料でかつ/または熱成形を介して形成される、請求項1に記載の包装システム。
【請求項7】
前記内側容器がバイアルである、請求項1に記載の包装システム。
【請求項8】
前記バイアルが、1つまたは複数の保有特徴を含み、前記1つまたは複数の保有特徴が、前記バイアル内へ内向きに突出し、かつ、前記バイアル内に受け入れられたときの前記ホルダの運動を制約する寸法となされる、請求項7に記載の包装システム。
【請求項9】
前記バイアルが、表面上に位置付けられたときの前記バイアルの転動を阻止するように構成された1つまたは複数の表面特徴を含む、請求項7に記載の包装システム。
【請求項10】
前記ホルダの前記空洞内に1つまたは複数の医療製品を保存するように構成された流体をさらに備える、請求項1に記載の包装システム。
【請求項11】
1つまたは複数の医療製品を包装する方法であって、
ホルダの空洞内に医療製品を挿入する工程と、
前記ホルダを閉じて前記医療製品を封入する工程と、
前記ホルダおよび前記医療製品を内側容器の一方の部分内に挿入する工程と、
前記内側容器の前記一方の部分内へ液体を送達する工程と、
前記内側容器の別の部分を前記内側容器の前記一方の部分に連結して、前記内側容器内に前記ホルダおよび前記医療製品を封入する工程と、
前記内側容器、前記ホルダ、および前記医療製品を外側容器内に挿入する工程と、
前記外側容器の一部分を封止材料で覆う工程と、
を備える、方法。
【請求項12】
前記ホルダを閉じる工程が、前記ホルダのボトム部分上の連結部分を前記ホルダのトップ部分上の連結部分に連結して前記医療製品を前記ホルダの前記空洞内に封入する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記外側容器の前記部分を前記封止材料で覆う工程が、前記外側容器上にタイベック(登録商標)シールを形成する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記医療製品が、神経組織、静脈グラフト、血管組織、泌尿器組織、腱、または筋組織のうちの1つまたは複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記液体が、体積で約2%から約15%のジメチルスルホキシド(DMSO)、ならびに1種または複数種の一価および/もしくは二価の金属カチオンを含む溶液を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
1つまたは複数の医療製品を保管する方法であって、
請求項11に記載の方法に従って前記1つまたは複数の医療製品を包装する工程と、
前記1つまたは複数の包装された医療製品を保管する工程と、
を備える、方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の包装された医療製品を摂氏おおよそ-85度の温度に対し晒す工程
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の包装された医療製品を保管する工程が、前記1つまたは複数の医療製品を摂氏約15度から摂氏約30度の温度に対し晒す工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1つまたは複数の医療製品のためのホルダであって、
トップ部分と、
ジョイントを介して前記トップ部分に枢動可能に接続されたボトム部分と、
を備え、
前記トップ部分および前記ボトム部分が、1つまたは複数の医療製品をその中に保持するように構成された空洞を形成するために協働し、前記空洞が、前記ホルダの外部に流体接続され、
前記トップ部分もしくは前記ボトム部分のうちの一方または両方が、前記空洞を形成する側壁を含み、
前記側壁が、前記空洞を前記ホルダの前記外部に流体接続するための複数のチャネルを含み、前記側壁を貫通する前記チャネルが、前記側壁における丸みを付けられた延長部および凹みによって形成される、
ホルダ。
【請求項20】
前記トップ部分および前記ボトム部分が、それぞれ、互いに嵌合されたときに閉じた構成において前記ホルダを固定するように構成された連結部分を含み、前記トップ部分の前記連結部分が、穴またはペグのどちらかを含み、前記ボトム部分の前記連結部分が、前記トップ部分の前記ペグまたは前記穴と嵌合するように構成された前記ペグまたは前記穴のどちらかを含む、請求項19に記載のホルダ。
【請求項21】
前記トップ部分および前記ボトム部分が、プラスチックで形成され、かつ、熱成形を介して成形される、請求項19に記載のホルダ。
【請求項22】
請求項19に記載のホルダ、および、
バイアル
を備える、包装システム。
【請求項23】
前記バイアルが、1つまたは複数の保有特徴を含み、前記1つまたは複数の保有特徴が、前記バイアル内へ内向きに突出し、かつ、前記バイアル内に受け入れられたときの前記ホルダの運動を制約する寸法となされる、請求項22に記載の包装システム。
【請求項24】
前記バイアルが、表面上に位置付けられたときの前記バイアルの転動を阻止するように構成された1つまたは複数の表面特徴を含む、請求項23に記載の包装システム。
【請求項25】
前記ホルダの前記空洞内に収容された1つまたは複数の医療製品を保存するように構成された流体をさらに備える、請求項22に記載の包装システム。
【請求項26】
前記バイアルが、少なくとも部分的に透明であり、かつ、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、もしくはフッ素化エチレンプロピレンのうちの1つまたは複数で形成される、請求項22に記載の包装システム。
【請求項27】
前記バイアルが、摂氏約-85度から摂氏約50度に及ぶ温度に耐えるように構成される、請求項26に記載の包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、医療製品のための包装システムに関し、より詳細には、流体中の組織製品の室温保管のための包装システムを含む、流体中に医療製品を保管するための包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生物組織は、生体内移植において使用されたときに、同等の合成デバイスと比較して改善された機能的性能を提供し得る。しかし、組織グラフトの入手の可能性および使用は、供給制約、および、組織グラフトを輸送しかつ/または保管することのロジスティクス上の懸念によって制限され得る。外科的移植での使用に適し得る組織の輸送および保管を可能にする様々な技法が開発されてきた。しかし、開発された技法の多くは、極度に低い温度においてドナー組織を保管するための特殊な冷蔵機器または凍結機器の使用を必要とし得る。そのような要求は、入手可能な組織を使用することができる施設を制限する可能性があり、かつ/または、最終的に使用する外科施設に対する組織の輸送を複雑にする可能性がある。さらに、他の技法は、乾燥組織の調製および保管を含む。乾燥しているか低温で保管されているかを問わず、そのような組織製品は、それらを外科的な使用に適したものにするために、不便かつ時間のかかる手術前の調製を必要とし得る。さらに、様々な知られた保管システムは、組織を保管流体中に覆うこと、流体シールを維持すること、流体損失を防ぐこと、などのために、保管システムの特定の向きを必要とする点において、限定され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書において説明される包装システムおよび関連する方法は、これらの問題のうちのいくつかを克服するのに役立つことができ、かつ/または、湿式保存された組織の輸送、保管、手術前の調製、および最終使用を改善するのに役立つことができる。例えば、いくつかの適切な保管手法では、組織は、組織の有用保管寿命を延長することができる保存溶液中に保管され得る。いくつかのそのような保管手法では、組織は、医療処置において使用されるまで、保存溶液中に保有され得る。さらに、本明細書において説明される包装システムおよび関連する方法は、組織製品の室温保管において使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施態様によれば、包装システムが、ホルダおよび内側容器を含み得る。ホルダは、1つまたは複数の医療製品をその中に受け入れるように構成されかつ1つまたは複数の医療製品をその中に保有するように構成された空洞を形成するために協働する、トップ部分およびボトム部分を含み得る。内側容器は、ホルダをその中に受け入れるように構成された内部領域を画定し得る。ホルダは、空洞を形成する側壁を含んでよく、側壁は、空洞を内側容器の内部領域に流体接続するように構成されたチャネルを含んでよい。
【0005】
包装システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。内側容器は、第1の部分および第2の部分を含む内側トレイを含むことができ、第1の部分および第2の部分は、それぞれ、互いに連結されたときにシールを形成するかみ合い部分を含むことができる。包装システムは、外側容器をさらに含むことができ、外側容器は、内側容器をその中に受け入れるように構成されたウェルを含むことができる。チャネルは、側壁における延長部および凹みによって形成されてよい。側壁における延長部および凹みは、丸みを付けられてよい。ホルダ、内側容器、または外側容器のうちの少なくとも1つは、プラスチック材料でかつ/または熱成形を介して形成されてよい。
【0006】
内側容器は、バイアルであってよい。バイアルは、1つまたは複数の保有特徴を含んでよく、この保有特徴は、バイアル内へ内向きに突出し、かつ、バイアル内に受け入れられたときのホルダの運動を制約する寸法となされる。バイアルは、表面上に位置付けられたときのバイアルの転動を阻止するように構成された1つまたは複数の表面特徴を含んでよい。包装システムは、ホルダの空洞内に1つまたは複数の医療製品を保存するように構成された流体をさらに含んでよい。
【0007】
別の実施態様では、1つまたは複数の医療製品を包装する方法が、ホルダの空洞内に医療製品を挿入する工程と、ホルダを閉じて医療製品を封入する工程と、ホルダおよび医療製品を内側容器の一方の部分内に挿入する工程と、内側容器の一方の部分内へ液体を送達する工程と、内側容器の別の部分を内側容器の一方の部分に連結して、内側容器内にホルダおよび医療製品を封入する工程と、内側容器、ホルダ、および医療製品を外側容器内に挿入する工程と、外側容器の一部分を封止材料で覆う工程と、を含み得る。
【0008】
1つまたは複数の医療製品を包装する方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。ホルダを閉じる工程は、ホルダのボトム部分上の連結部分をホルダのトップ部分上の連結部分に連結して医療製品をホルダの空洞内に封入する工程を含み得る。外側容器の一部分を封止材料で覆う工程は、外側容器上にタイベックシールを形成する工程を含み得る。医療製品は、神経組織、静脈グラフト、血管組織、泌尿器組織、腱、筋組織のうちの1つまたは複数を含み得る。液体は、体積で約2%から約15%のジメチルスルホキシド(DMSO)、ならびに1種または複数種の一価および/もしくは二価の金属カチオンを含む溶液を含み得る。
【0009】
別の実施態様では、1つまたは複数の医療製品を保管する方法が、1つまたは複数の医療製品を包装する方法に従って1つまたは複数の医療製品を包装する工程を含むことができ、また、1つまたは複数の包装された医療製品を保管する工程も含むことができる。方法は、1つまたは複数の包装された医療製品を摂氏おおよそ-85度の温度に対し晒す工程をさらに含み得る。1つまたは複数の包装された医療製品を保管する工程は、1つまたは複数の医療製品を摂氏約15度から摂氏約30度の温度に対し晒す工程を含み得る。
【0010】
さらに別の実施態様では、1つまたは複数の医療製品のためのホルダが、トップ部分と、ジョイントを介してトップ部分に枢動可能に接続されたボトム部分と、を含み得る。トップ部分およびボトム部分は、1つまたは複数の医療製品をその中に保持するように構成された空洞を形成するために協働し得る。空洞は、ホルダの外部に流体接続され得る。トップ部分もしくはボトム部分のうちの一方または両方が、空洞を形成する側壁を含み得る。側壁は、空洞をホルダの外部に流体接続するための複数のチャネルを含み得る。側壁を貫通するチャネルは、側壁における丸みを付けられた延長部および凹みによって形成され得る。
【0011】
ホルダは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。トップ部分およびボトム部分は、それぞれ、互いに嵌合されたときに閉じた構成においてホルダを固定するように構成された連結部分を含み得る。トップ部分の連結部分は、穴またはペグのどちらかを含んでよく、ボトム部分の連結部分は、トップ部分のペグまたは穴と嵌合するように構成されたペグまたは穴のどちらかを含んでよい。トップ部分およびボトム部分は、プラスチックで形成され、かつ、熱成形を介して成形されてよい。
【0012】
包装システムが、1つまたは複数の医療製品のためのホルダ、およびバイアルを含み得る。バイアルは、1つまたは複数の保有特徴を含んでよく、この保有特徴は、バイアル内へ内向きに突出し、かつ、バイアル内に受け入れられたときのホルダの運動を制約する寸法となされる。バイアルは、表面上に位置付けられたときのバイアルの転動を阻止するように構成された1つまたは複数の表面特徴を含んでよい。包装システムは、ホルダの空洞内に収容された1つまたは複数の医療製品を保存するように構成された流体をさらに含んでよい。バイアルは、少なくとも部分的に透明であってよく、また、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、もしくはフッ素化エチレンプロピレンのうちの1つまたは複数で形成されてよい。バイアルは、摂氏約-85度から摂氏約50度に及ぶ温度に耐えるように構成され得る。
【0013】
本明細書において開示される包装システム、医療製品、および包装システム内に医療製品を保管する方法は、人間および他の脊椎動物の外科的介入において使用されるほかに、生体外解析を含む臨床検査、比較、および分析において使用され得ることを、当業者は理解するであろう。
【0014】
具体的に例示されるもの以外の、包装システムの材料、サイズ、形状など、溶液(すなわち保存溶液、すすぎ溶液など)、および/または医療製品を保管するもしくは取り出す方法が、過度の実験に頼ることなしに本開示の実施に用いられ得ることもまた、当業者は理解するであろう。任意のそのような材料および方法の当技術分野で知られている全ての機能上の同等物が、本開示に含まれることを意図されている。
【0015】
本開示の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本開示の例示的な実施形態を示しているが、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者には明らかになるであろうことから、詳細な説明および例は、例示のために与えられているにすぎないことを理解されたい。特定の化合物が1つの一般的な式に属すると見なされるというだけの理由でそれが別の一般的な式に属し得ないということではないことに、留意されたい。
【0016】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを示していなければ、複数形の言及を含む。用語「おおよそ(approximately)」および「約(about)」は、言及される数または値とほとんど同じであることを意味する。本明細書において使用されるとき、用語「おおよそ」および「約」は一般に、指定された量または値の±5%を包含するものと理解されたい。特許請求の範囲における用語「または(or)」の使用は、代替物のみを言及することが明示的に示されていない限り、または代替物が相互に排他的であることが明示的に示されていない限り、「および/または(and/or)」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみならびに「および/または」を言及する定義を支持する。本明細書において使用されるとき、「別の(another)」は、少なくとも第2のまたはそれ以上を意味し得る。本明細書において使用されるとき、「隣接する(adjacent)」および「近位の(proximate)」は、構成要素が当接接触しているかまたは分離されているが近傍のもしくは付近の配置にあることを意味するために使用される。さらに、用語「トップ(top)」および「ボトム(bottom)」は、図に示された向きを指す用語であることに留意されたい。それでもなお、これらの用語は相対的な用語であり、本明細書において論じられる様々な構成要素の相対的な位置または向きは、構成要素に向かう視点、重力に対する構成要素の配置、などに応じて変化し得る。
【0017】
用いられてきた用語および表現は、限定の用語としてではなく説明の用語として使用されており、また、そのような用語および表現の使用において、図示されかつ説明された特徴のいかなる同等物またはその一部を除外する意図はないが、特許請求される本開示の範囲内で様々な修正が可能であることが、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の態様による、部分的に組み立てられた構成における例示的な包装システムを示す図。
図2】本開示の態様による、組み立てられていない構成における図1の包装システムを示す図。
図3A】本開示の態様による、図1の包装システムの一部分を示す図。
図3B】本開示の態様による、図1の包装システムの一部分を示す図。
図3C】本開示の態様による、図1の包装システムの一部分を示す図。
図3D】本開示の態様による、図1の包装システムの一部分を示す図。
図3E】本開示の態様による、図1の包装システムの一部分を示す図。
図4】本開示の態様による、包装システムを組み立てるための例示的な方法を示す流れ図を提供する図。
図5A】本開示の態様による、部分的に組み立てられた構成における別の例示的な包装システムを示す図。
図5B】本開示の態様による、組み立てられていない構成における図5Aの包装システムを示す図。
図6A】本開示の態様による、部分的に組み立てられた構成におけるさらに別の例示的な包装システムを示す図。
図6B】本開示の態様による、組み立てられていない構成における図6Aの包装システムを示す図。
図6C】本開示の態様による、開いた構成における図6Aの包装システムの一部分を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一般に、本開示の様々な実施形態は、包装システムに関し得る。いくつかの実施態様では、包装システムは、外科的処置に関連する使用を意図し得る1つまたは複数の医療製品、例えば1つまたは複数の組織標本、神経グラフト(例えば、アクソジェン(Axogen)によるAvance(登録商標)神経グラフト)、などを包装するために利用され得る。いくつかの例では、包装システムは、例えば室温(例えば、摂氏約15度から摂氏約30度に及ぶ)におけることを含めて医療製品の保管および/または保存を促進し得る液体中に医療製品が包装されることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、液体は、保存液および/または保存溶液を含み得る。さらに、いくつかの実施形態例では、本開示と一致する包装システムが、その中に収容された医療製品の操作、例えば包装からのおよび/または他の動作中からの医療製品の取出しを促進する特徴を含み得る。さらに、本開示と一致する包装システムが、医療製品が1つまたは複数の包装要素内に包装されることを可能にし得る1つまたは複数の材料および/または構成を含むことができ、そのような包装要素は、例えば、室温(例えば、摂氏約15度から摂氏約30度に及ぶ)におけることを含めて医療製品の保管および/または保存を促進し得る。いくつかの態様では、本開示と一致する包装システムが、医療製品が液体中に包装されかつ保管されることを可能にし得る。医療製品は、1つもしくは複数の材料で形成された1つもしくは複数の包装要素内に収容されかつ/または1つもしくは複数の構成において収容されてよく、これは、室温よりも寒い温度および温かい温度(例えば、摂氏約-85度から摂氏約50度に及ぶ)に対し晒されることおよび/または保管されている医療製品に適した温度範囲におけることを含めて、医療製品の保管および/または保存を促進し得る。
【0020】
図1は、部分的に組み立てられた構成における包装システム100を示し、図2は、組み立てられていない構成における包装システム100を示す。包装システム100は、ホルダ102を含む。ホルダ102は、1つまたは複数の医療製品104を保持、封入、または他の方法で支持し得る。包装システム100はまた、内側容器、例えば内側トレイ106と、外側容器、例えば外側トレイ108とを含み得る。内側トレイ106および外側トレイ108は、例えば、その中に保存液、例えば流体110を封入もしくは収容するために、および/または滅菌バリヤを提供するために、少なくとも部分的にホルダ102を包囲し得る。図1に示されるように、包装システム100が組み立てられたときに、流体110は、医療製品104を包囲し得る。いくつかの態様では、流体110は、例えば室温において医療製品104を保存するのに役立ち得る。示されていないが、取外し可能な封止材料が、その中にシールされた構成要素の滅菌性を保護することを含めて外側トレイ108上にバリヤまたはコーティングを形成するために、外側トレイ108の少なくとも一部分上に配置され得る。
【0021】
医療製品104を封入する包装システム100が言及されるが、包装システム100は、流体によって部分的にまたは完全に沈められるか、コートされるか、もしくは他の方法で包囲されるように意図された任意の製品のために使用され得ることに留意されたい。さらに、流体110が言及されるが、流体110は、医療製品104、例えば神経グラフト(例えば、アクソジェン(Axogen)によるAvance(登録商標)神経グラフト)などを含む、1つまたは複数の組織標本(例えば、動物由来の組織標本、ヒト由来の組織標本、または他の方法で合成のもしくは培養された組織標本)の保管および/または保存を促進し得る1種または複数種の液体であり得ることに、留意されたい。
【0022】
図3A~3Eに関してより詳細に示されるように、ホルダ102は、例えばジョイント112によって枢動可能に連結されたトップ部分102aおよびボトム部分102bを含む、一般的なクラムシェル設計を含み得る。いくつかの態様では、ジョイント112は、コインドヒンジ(coined hinge)によって形成され得る。例えば、ジョイント112は、ホルダ102の隣接した部分よりも材料のより狭いもしくは小さい幅および/または厚さを含み得る。いくつかの態様では、ジョイント112は、ホルダ102の隣接した部分よりも凝縮した材料を含み得る。これらの態様では、ジョイント112は、例えば、閉じた構成において、および/またはトップ部分102aとボトム部分102bとの間の1つもしくは複数の開いた構成、部分的に開いた構成、完全に開いた構成、などにおいて、ホルダ102の向きを維持するのに役立ち得る。これは、ユーザがホルダ102またはその一部分を解放するときにトップ部分102aおよびボトム部分102bがそれらの位置を互いに対して実質的に維持するように、ユーザがホルダ102を開くことを可能にし得る。例えば、ユーザは、トップ部分102aおよびボトム部分102bが互いにおおよそ180度に向けられるように、ホルダ102を開き、開かれたホルダ102を比較的平坦に置くことができる。ユーザがホルダ102またはその一部分を解放するときに、ホルダ102は、この向きを実質的に維持することができる。別の例では、ユーザが、トップ部分102aおよびボトム部分102bが互いに接触しているように、ホルダ102を開き、そしてホルダ102を折り返すことができる。ユーザがホルダ102またはその一部分を解放するときに、ホルダ102は、この向きを維持することができる。コインドヒンジジョイント112を含むいくつかの実施形態では、ユーザがホルダ102またはその一部分を解放し次第トップ部分102aおよびボトム部分102bがそれらの相対的な向きを維持する能力は、ユーザがホルダ102から医療製品104を取り出すことをより容易にし得る。
【0023】
ホルダ102は、実質的に矩形であってよく、また、例えばジョイント112の反対側に、自由端114を含んでよい。それでもなお、示されてはいないが、ホルダ102は、医療製品104に対応する場合もあればそうでない場合もある、実質的に円形、楕円形、三角形、五角形、または別の適切な形状であってよい。ホルダ102は、例えばジョイント112もしくは自由端114のうちの1つまたは複数上に、1つまたは複数の連結部分116を含んでよい。連結部分116は、図3A~3Eに関して以下でより詳細に論じられるように、解放可能な固定機構を形成するために、摩擦嵌め、プレス嵌め、スナップ嵌め、などを形成するための嵌合する突出部および凹部(例えば、ペグ/穴)の配置を含み得る。ホルダ102の部分は、本明細書においてトップ部分およびボトム部分と呼ばれるが、これらの用語は相対的なものであり、組み立てられたときに、トップ部分102aまたはボトム部分102bのどちらも重力に関して他方の部分より上または下になり得ることに、留意されたい。
【0024】
図1および2に示されるように、閉じた構成において連結されると、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、例えば医療製品104を受け入れるための空洞118を集合的に画定しかつ/または空洞118を形成するために協働し得る。示される空洞118は、全体的に矩形であり、また、少なくとも部分的に側壁120によって形成され得る。空洞118の幅、長さ、および深さは、空洞118内に保有されるべき医療製品104のサイズ、形状、または他の詳細に応じて変化し得る。空洞118は、任意の適切な形状であってよく、また、その中に収容されるべき医療製品104の形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。さらに、ホルダ102は、ホルダ102が内側トレイ106内に位置決めされたときに空洞118をホルダ102の外側に対し、例えば内側トレイ106に流体接続するために、1つまたは複数のチャネル122、例えばホルダ102の側壁120を貫通して横方向に延在する入口/出口を含み得る。図3A~3Eに示されるように、チャネル122は、トップ部分102aまたはボトム部分120bのうちの1つまたは複数の側壁120における延長部124および凹み126によって形成され得る。例えば、図3Cに示されるように、ボトム部分102bは、チャネル122を含んでよく、トップ部分102aは、チャネル122の一部分上に嵌まるサイズとされてよい。1つの態様では、示されていないが、延長部124および凹み126は、例えばトップ部分102aからの1つの延長部124をボトム部分102bにおける1つの凹み126内にかみ合わせることによりまたはその逆によりトップ部分102aおよびボトム部分102bが連結され得るように、少なくとも部分的にオフセットした形でトップ部分102aおよびボトム部分102b上に位置決めされ得る。例えば、延長部124は、トップ部分102aとボトム部分102bとの間の開口部が1つのチャネル122を形成するように、凹み126内に部分的にのみ受け入れられてもよい。さらに、別の態様では、示されていないが、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、閉じた構成において連結されたときにトップ部分102aおよびボトム部分102bの側壁120が少なくとも部分的に重なり合うがチャネル122も形成するように、それぞれが側壁120を含み得る。
【0025】
いくつかの態様では、医療製品104は、組織を含み得る。例えば、医療製品104は、ヒト組織または動物組織を含んでよく、または、合成組織もしくは培養組織であってよい。本開示に関連して使用され得る組織の例は、神経組織または神経グラフト(例えば、アクソジェン(Axogen)によるAvance(登録商標)神経グラフト)、静脈グラフト、血管組織、泌尿器組織、腱、筋組織、などを含み得るが、それらに限定されない。
【0026】
ホルダ102は、内側トレイ106内に位置決めされ得る。図2に示されるように、内側トレイ106は、第1の部分106aおよび第2の部分106bを含むことができ、これらは、ホルダ102、医療製品104、および流体110を封入するために、例えば摩擦嵌め、プレス嵌め、またはスナップ嵌めの配置を介して互いに嵌めることができる。第1の部分106aは、第1のポケット130aを含むことができ、第2の部分106bは、第2のポケット130bを含むことができる。ポケット130aおよび130bは、例えば、第1の部分106aおよび第2の部分106bにおける半円筒状の凹みであってよい。したがって、第1の部分106aおよび第2の部分106bが互いに連結されたときに、ポケット130aおよび130bは、ホルダ102、医療製品104、および流体110を収容するための実質的に円筒状の中空空洞を形成することができる。第1の部分106aおよび第2の部分106bは、ポケット130aおよび130bとともに、任意の適切な形状であってよく、また、その中に収容されるべきホルダ102の形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。
【0027】
第1の部分106aおよび第2の部分106bは、かみ合い部分をそれぞれが含み得る。例えば、第1の部分106aは、第1の部分106aによって形成された平面の外へ延在する突出部によって形成され得る第1のかみ合い部分132aを含んでよい。第2の部分106bは、第2の部分106bによって形成された平面内へ陥凹された凹みによって形成され得る第2のかみ合い部分132bを含んでよい。第1のかみ合い部分132aと第2のかみ合い部分132bとの連結は、第1の部分106aと第2の部分106bとの間にシールを形成するのに役立つことができ、このシールは、例えば、流体(例えば、流体110)が内側トレイ106から漏出するのを阻止するかまたは完全に防ぐ。かみ合い部分132aおよび132bは、全体的に楕円形の形状を含むことができ、この形状は、第1の部分106aおよび第2の部分106bの連結を促進し得る。かみ合い部分132aおよび132bの全体的に楕円形の形状はまた、流体110が内側トレイ106から漏出するのを阻止するかまたは完全に防ぐシールを形成し得る。例えば、かみ合い部分132aおよび132bの楕円形の形状は、かみ合い部分132aと132bとの間に実質的に一貫した径方向力(例えば、実質的に均等に伝播する力)を生成することができ、また、第1の部分106aと第2の部分106bとの間にシールされたポケットを形成することができる。代替として、かみ合い部分132aと132bは、限定されることなしに、やはり流体110が内側トレイ106から漏出するのを阻止するかまたは完全に防ぐシールを形成するのに役立ち得る1つまたは複数の他の形状(例えば、全体的に円形、全体的に三角形、全体的に矩形、など)を含むことができる。
【0028】
さらに、図1に示されるように、いくつかの実施形態では、内側トレイ106は、連結部分134を含むことができ、この連結部分134は、嵌合する突出部および凹部(例えば、ペグ/穴)の配置を含むことができる。例えば、図2に示されるように、第1の部分106aは、ペグまたは他の適切な突出部を含み得る第1の連結部分134aを含むことができ、第2の部分106bは、穴、開口部、または他の適切な陥凹部分を含み得る第2の連結部分134bを含むことができる。第1の部分134aおよび第2の部分134bが互いに嵌合されるときに、それらは、第1のかみ合い部分132aおよび第2のかみ合い部分134bを互いに位置合わせすることができ、また、第1の部分106aおよび第2の部分106bを互いに固定するのに役立つことができる。1つの態様では、図2に示されるように、第1の部分106aは、テーパ付けされた側方部分136aを含むことができ、第2の部分106bは、テーパ付けされた側方部分136bを含むことができる。テーパ付けされた側方部分136aおよび136bは、かみ合い部分134aおよび134bのように、第1の部分106aおよび第2の部分106bの同じ端部に対し隣接するかまたは第1の部分106aおよび第2の部分106bの同じ端部上に(例えば、ポケット130aおよび130bの同じ端部に対し隣接するかまたはポケット130aおよび130bの同じ端部上に)位置し得る。さらに、ホルダ102を封入するために第1の部分106aおよび第2の部分106bが互いに連結されるときに、ホルダ102は、第1の部分106aおよび第2の部分106bに対して少なくとも部分的に固定されてよい。例えば、ホルダ102の1つまたは複数の部分が、例えば保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などにホルダ102が内側トレイ106内で実質的に移動しないように、第1の部分106aと第2の部分106bとの間で部分的に圧搾されるかまたは他の方法で固定され得る。
【0029】
外側トレイ108は、全体的に楕円形の形状を含み得る。1つの態様では、外側トレイ108は、平坦な端部分108a、および、丸みを付けられた端部分108bを含む。平坦な端部分108aおよび丸みを付けられた端部分108bは、全体的に真っ直ぐであり得る側方部分108cおよび108dによって接続され得る。外側トレイ108は、ウェル140を含み、ウェル140は、内側トレイ106の少なくとも一部分を受け入れるように構成される。例えば、ウェル140は、外側トレイ108によって形成された平面内へ延在する、外側トレイ108の凹められた部分によって形成され得る。代替として、示されていないが、外側トレイ108は、任意の適切な形状であってよく、また、その中に収容されるべき内側トレイ106の形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。
【0030】
さらに、ウェル140は、1つもしくは複数の階層構造、または1つもしくは複数の深さの異なる部分を含み得る。例えば、ウェル140は、中央部分140aを含むことができ、また、1つまたは複数の縁部分140bを含むことができる。中央部分140aは、縁部分140bよりも深くてよい。例えば、縁部分140bは、外側トレイ108の縁および中央部分140aから推移するために、角度(例えば、45度)を付けられ得る。いくつかの態様では、外側トレイ108は、例えばウェル140に対し隣接するかまたはウェル140に接続される、タブまたは切欠き部分142を含み得る。これらの態様では、内側トレイ106は、ウェル140内に位置決めされてよく、また、示されていないが、外側トレイ108およびその内容物の滅菌性を維持することができる滅菌コーティングまたはバリヤを外側トレイ108の一部分上に形成するために、封止材料(例えば、高密度スパンボンドポリエチレン繊維で形成されたシール、またはタイベック(Tyvek)(登録商標)シール)が、ウェル140上に被着され得る。
【0031】
外側トレイ108のウェル140内に位置決めされた内側トレイ106により、テーパ付けされた側方部分136aおよび136bによって形成されたテーパ付けされた側方部分136は、図1に示されるように、切欠き部分142と位置が合うかまたは切欠き部分142に対し隣接して位置決めされ得る。切欠き部分142は、ユーザが封止材料を外側トレイ108から操作する(例えば、取り外す)こと、および、ユーザが外側トレイ108を開いてホルダ102および医療製品104を収容している内側トレイ106を晒すことに役立つように構成され得る。さらに、切欠き部分142は、ユーザがホルダ102および医療製品104にアクセスするために内側トレイ106を操作する(例えば、第1の部分106aまたは第2の部分106bのうちの一方を取り外す)のに役立ち得る。1つの態様では、切欠き部分142は、例えば滅菌コーティングまたはバリヤを取り外して外側トレイ108の内容物にアクセスするためにユーザが外側トレイ108上に形成された滅菌コーティングまたはバリヤを掴むのに役立ち得る。
【0032】
ウェル140に戻り参照すると、ウェル140はまた、例えば保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などに内側トレイ106から漏れ得る任意の流体110を保有するのに役立ち得る。ウェル140はまた、使用中の包装の操作中に、例えばユーザが医療製品104を取り出すか他の方法でアクセスするために包装システム100を開くときに内側トレイ106から漏れる可能性のある任意の流体110を保有するように構成され得る。1つの態様では、ウェル140は、外側トレイ108のための全体的に平坦なボトムを形成することができる平坦化された部分を含み得る。平坦化された部分は、保管または運送中の複数の包装システム100の積重ねまたは包装を促進し得る。さらに、外側トレイ108の全体的に平坦なボトム部分が、医療製品104の開口および/または使用中に、例えば医療処置前、医療処置中、または医療処置後に、外側トレイ108が平坦な表面上に位置決めされるときに、包装システム100の位置付けを促進し得る。ホルダ102、内側トレイ106、もしくは外側トレイ108のうちの1つまたは複数のサイズは、任意の適切なサイズおよび/または厚さであってよいことに、留意されたい。例えば、上記で論じられたように、ホルダ102のサイズおよび/または形状は、医療製品104のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。さらに、内側トレイ106のサイズおよび/または形状は、ホルダ102のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もあり、また、外側トレイ108のサイズおよび/または形状は、内側トレイ106のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。
【0033】
図3A~3Eは、ホルダ102の様々な図を描写する。すでに述べたように、ホルダ102は、ジョイント112によって接続され得るトップ部分102aおよびボトム部分102bを含む。ホルダ102はまた、連結端部114を含み得る。ジョイント112および連結端部114のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の連結部分116を含み得る。例えば、図3Aは、ホルダ102の上面図であり、図3Bは、ホルダ102の側面図である。トップ部分102aおよびボトム部分102bがジョイント112によって連結される実施形態では、連結端部114は、ジョイント112の反対側のトップ部分102aおよびボトム部分102bの端部によって形成され得る。したがって、連結端部114を形成するトップ部分102aおよびボトム部分102bの端部は、例えばジョイント112を介したトップ部分102aおよびボトム部分102bの運動を介して、互いに対して移動可能である。別の態様では、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、例えばジョイント112によって連結されない、別々の部分であり得る。この態様では、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、例えば1つまたは複数の連結部分116を介して分離可能かつ連結可能であり得る。
【0034】
図3Aに示されるように、ホルダ102は、医療製品104(図示せず)を受け入れるように構成された空洞118を含み、空洞118は、トップ部分102aまたはボトム部分102bのうちの一方または両方における側壁120によって形成され得る。側壁120は、上記で論じられたように、複数のチャネル122を含む。図3Bに示されるように、チャネル122は、例えばボトム部分102bにおいて、側壁120における複数の延長部124および凹み126によって形成され得る。ボトム部分102bに固定されたトップ部分102aにより、チャネル122は、空洞118とホルダ102が内側トレイ106内に位置決めされたときに内側トレイ106によって形成されるポケットとの間を流体110(図示せず)が流れることを可能にするように開く。それでもなお、延長部124および空洞118は、ある向き(すなわち、ホルダ102の長さに沿って延在する直線的な向き)において医療製品104を保有するように構成され得る。さらに、延長部124および凹み126は、丸みを付けられるか、または、形状の段階的な変化を含んでよく、これは、空洞118内への医療製品104の挿入中、空洞118からの医療製品104の取出し中、および/または保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などの医療製品104の損傷を防ぐのに役立ち得る。さらに、凹み126は、ホルダ102からの医療製品104の操作(例えば、取出し)を促進し得る。例えば、ユーザが、医療製品104にアクセスするために、鉗子、ピンセット、または別の適切な医療デバイスを使用することができ、また、医療デバイスは、空洞118内の医療製品104にアクセスするために、凹み126に通され得る。
【0035】
ホルダ102は、医療製品104が空洞118内に取出し可能に位置付けられることを可能にすることができ、ホルダ102はまた、包装システム100内の医療製品104を保護および/または保有することができる。例えば、ホルダ102は、サイズ空洞118と比較して相対的に小さいサイズを有する1つの医療製品104が所望の位置および/または構成において空洞118内に保有されることを可能にし得る。例えば、ホルダ102は、空洞118内の医療製品104の利用可能な運動の度合いを減少させる(例えば、医療製品104の側面の周りの自由空間の量を減少させて空洞118内の医療製品104の運動を最小限に抑える)ように構成され得る。例えば、側壁102の厚さは、空洞118の幅を制御することができ、これは、空洞118内の医療製品104の横方向運動および/または形状の変化を制限するのに役立ち得る。ホルダ102は、相対的により大きな空洞118内の相対的に小さな医療製品104を支持することができるので、いくつかの例示的な実施形態では、包装システム100の態様は、高度の器用さを必要とすることなしにユーザによる包装システム100の操作を促進するサイズとなされ得る。さらに、ホルダ102の外側寸法は、例えば、流体110の必要な体積を減少させること、ホルダ102の運動を減少させること、医療製品104が流体110中に沈められたままでいることを確実にするのに役立つこと、などのために、内側ホルダ106の内側寸法に近似し得る。ホルダ102はまた、医療製品104の直接操作を必要とすることなしに、ホルダ102内(例えば、滅菌野内)から治療部位への(例えば、手術野への)医療製品104の移送を促進し得る。例えば、ユーザが、より小さな、より繊細な医療製品104を操作するのではなく、ホルダ102を操作して医療製品104を操作することができる。さらに、示されていないが、ホルダ102の空洞118は、例えば様々なサイズ、厚さ、幅、長さ、などの医療製品104に適応するために、1つまたは複数の階層構造または異なる深さを含むことができる。1つまたは複数の階層構造もしくは異なる深さは、それぞれの医療製品104を受け入れるサイズとなされてよく、これは、1つのホルダ102が様々な医療製品104を受け入れるように構成されることを可能にし得る。これらの態様では、ホルダ102は、医療製品104の形状を制約しかつ/または包装中、保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などに医療製品104を損傷から保護するのに役立ち得る。ホルダ102はまた、包装システム100の向きにかかわらず医療製品104が流体110によって包囲されることを確実にするのに役立ち得る。
【0036】
図3Cは、連結されていない構成における、例えば部分的に開かれた構成における、ホルダ102の斜視図である。図3Dは、完全に開かれた位置におけるホルダ102の上面図であり、図3Eは、完全に開かれた位置におけるホルダ102の側面図である。示されるように、トップ部分102aは、例えばトップ部分102a内の陥凹領域によって形成された(すなわち、ボトム部分102bから離れるように延在する方向に陥凹された)トップ空洞118aを含む。ボトム部分102bは、例えば側壁120によって形成されたボトム空洞118bを含む。トップ部分102aおよびボトム部分102bが連結されたときに、トップ空洞118aおよびボトム空洞118bは、医療製品104および流体110を受け入れるように構成された空洞118を形成する。
【0037】
さらに、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、1つまたは複数の連結部分116(図1)を形成するための特徴を含み得る。例えば、トップ部分102aは、1つまたは複数の穴、開口部、もしくはインデント116aを含んでよく、ボトム部分102bは、1つまたは複数のペグもしくは突出部116bを含んでよい。1つまたは複数の穴、開口部、もしくはインデント116a、および1つまたは複数のペグもしくは突出部116bは、トップ部分102aがボトム部分102bに連結されたときにペグ116bが対応する穴116a内に嵌まるように、ホルダ102が閉じた構成にあるときに位置が合うように構成され得る。穴116aは、貫通穴でなくてよく、むしろ、一方の端部が閉じられたトップ部分102aにおける凹められた部分であってよいことに、留意されたい。1つの態様では、ホルダ102は、2セットの対応する穴116aおよびペグ116bを含み得る。例えば、第1の穴116aおよび第1のペグ116bが、ジョイント112に対し近位に位置決めされてよく、第2の穴116aおよび第2のペグ116bが、連結端部114、例えばトップ部分102a上の連結端部114aおよびボトム部分102b上の連結端部114bに対し近位に位置決めされてよい。この態様では、ペグ116bは、ボトム空洞118bの対向する端部上に位置決めされ得る。さらに、穴116aはトップ部分102a上に示されており、ペグ116bはボトム部分102b上に示されているが、本開示はそのように限定されるものではない。例えば、1つまたは複数の穴116aが、ボトム部分102b上に位置決めされてよく、1つまたは複数のペグ116bが、トップ部分102a上に位置決めされてよい。さらに、1つの態様では、トップ部分102aは、第1の端部上に1つの穴116aを含み、かつ、第2の端部上に1つのペグ116bを含み得る。同様に、ボトム部分102bは、ホルダ102が閉じられたときに各穴116aが対応するペグ116bと位置合わせされるように、第1の端部上に1つのペグ116bを含み、かつ、第2の端部上に1つの穴116aを含み得る。
【0038】
穴116aおよびペグ116bは、対応する形状を含み得る。例えば、示されるように、穴116aおよびペグ116bは、全体的に円筒状の形状または円形断面の形状を含んでよいが、穴116aおよびペグ116bは、三角形断面の形状、正方形もしくは矩形断面の形状、または任意の他の適切な断面の形状を含むことができるので、本開示はそのように限定されるものではない。上記で述べられたように、ジョイント112は、コインドヒンジを含むことができ、また、穴116aおよびペグ116bが連結されていなければ、ジョイント112は、例えばトップ部分102aとボトム部分102bとの間の1つまたは複数の開いた構成、部分的に開いた構成、完全に開いた構成、などの構成においてホルダ102の向きを維持するのに役立ち得る。
【0039】
上記で述べられたように、包装システム100は、1つまたは複数の医療製品104、例えば1つまたは複数の組織標本、神経グラフト(例えば、アクソジェン(Axogen)によるAvance(登録商標)神経グラフト)、などを収容しかつ封入するように構成されてよく、また、流体110中に1つまたは複数の医療製品104を保有することができる。流体110は、生体適合性のものであってよく、また、例えば摂氏おおよそ-85度から摂氏おおよそ50度の間の温度に耐えることが可能であってよい。さらに、流体110は、例えば摂氏おおよそ15度から摂氏おおよそ30度の間の室温において医療製品104を保存するように構成されてよい。さらに、包装システム100の様々な構成要素は、生体適合性のものであってよく、また、例えば摂氏おおよそ-85度から摂氏おおよそ50度の間の温度に耐えることが可能であってよい。さらに、包装システム100の様々な構成要素は、例えば摂氏おおよそ15度から摂氏おおよそ30度の間の室温において医療製品104および流体110を保有するように構成されてよい。包装システム110および流体110が晒される温度は、例えば、医療製品104のタイプおよび/もしくはサイズ、保管および/もしくは保存の期間、包装される医療製品に関連して使用されるべき滅菌プロセス、ならびに/あるいは1つまたは複数の他のもしくは追加の要因に応じて変化し得ることに、留意されたい。当業者は、包装システム100によって保持される組織または他の医療製品104のタイプのための適切な温度を認識するであろう。
【0040】
包装システム100は、重力に対する包装システム100の向きにかかわらず医療製品104が流体110に沈められるかまたは他の方法で流体110によって包囲されるように、十分な流体110を含み得る。1つの態様では、流体110は、内側トレイ106によって形成された空洞を完全に満たさない場合があるが、空洞は、空洞内のいかなる気泡も決して医療製品104に接触しないような寸法決とされ得る。いくつかの態様では、内側トレイ106内に気泡を取り込むことが、ホルダ102にアクセスするために内側トレイ106を開いているときに内側トレイ106から流体110が漏れるリスクを低減するのに役立つ場合があり、内側トレイ106を過剰充填するリスクを低減することに役立つ場合があり、かつ/または、例えばより低い温度に対し晒している間に凍結した場合/ときに、流体110の膨張に適応するのに役立つ場合がある。
【0041】
述べられたように、流体110は、その中に沈められた組織標本の保管および/または保存を促進し得る1種または複数種の液体を含み得る。例えば、流体110は、室温および/または他のより寒いもしくはより暑い温度(例えば、摂氏約-85度から摂氏約50度)での医療製品104の保管および/または保存を促進し得る。1つの例によれば、流体110は、体積で約2%から約15%、例えば5%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含む溶液を含み得る。溶液は、約150g/Lから約2.5g/Lの塩化ナトリウムの追加を通じて調製されていてもよい。溶液は、約0.3g/Lの塩化カリウムの追加を通じて調製されていてもよい。溶液は、約0.2g/Lの塩化カルシウムの追加を通じて調製されていてもよい。溶液は、約0.4g/Lの重炭酸ナトリウムの追加を通じて調製されていてもよい。溶液は、約0.1g/Lの塩化マグネシウムの追加を通じてさらに調製されてよい。どちらも参照により全体として本明細書に援用される「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」という名称の米国特許出願第16/898,224号および同じく「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」という名称の米国特許出願第16/939,889号において開示されている保存溶液を含めて、一価および/または二価の金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、など)の混合物を備える溶液を含むがこれに限定されない様々な他の液体が、本開示と一致する実施形態に関連して利用され得ることが、理解されるであろう。
【0042】
上記で論じられたように、ホルダ102の形状は、経時的および滅菌中の(例えば、以下でさらに論じられるように、照射中の)安定性のために医療製品104を所与の向きにおいて(例えば、真っ直ぐなまたは直線的な構成において)収容するのに役立ち得る。ホルダ102は、流体110中に沈められかつ/または覆われた医療製品104を保つために存在するべき比較的少量の液体110を維持しながら1つまたは複数の液密容器(例えば、内側トレイ106)がホルダ102の周りに位置付けられることを可能にするために、包装システム100に対して小さな設置面積を有し得る。さらに、ホルダ102および内側トレイ106のより小さなサイズ、ならびにより少ない流体110は、製造費用を削減し得る。すでに述べられたように、ホルダ102は、流体110がホルダ102内に収容されたときに医療製品104と相互に作用することを可能にし、かつ、医療製品104が例えば医療処置での使用のために調製されているときに内側トレイ106からのホルダ102の取出しに応じて流体110がホルダ102から効率的に流れることを可能にするために、チャネル122を含む。さらに、内側トレイ106および外側トレイ108は、ホルダ102が内側トレイ106から取り出されるときに流体110を受け止めるまたは保有するのに役立ち得る。例えば、流体110は、チャネル122を介してホルダ102から流れてよく、また、内側トレイ106内に、または内側トレイ106が外側トレイ108内に位置決めされている場合には外側トレイ108内に保有されてよい。
【0043】
包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、プラスチック材料、例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、フッ素化エチレンプロピレン、などのうちの1種または複数種で形成され得る。いくつかの態様では、プラスチック材料は、1種または複数種のコポリエステル、ポリマー、または上述のプラスチック材料の他の組み合わせで形成され得る。選択されるプラスチック材料は、包装システム100および任意の内容物(例えば、医療製品104、流体110、など)が包装システム100の組立て前、組立て中、または組立て後に滅菌され得るように、1つまたは複数の滅菌技法、例えばガンマ線滅菌、照射、または他の適切な滅菌技法に適合し得る。例えば、包装システム100、医療製品104、および流体110は、凍結(例えば、おおよそ-85℃)され、かつ、コールドチェーンγ線照射に対し晒され得る。
【0044】
いくつかの態様では、包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、包装システム100の内部に(例えば、空洞118内に)移動する酸素を防ぐかまたはその量を減少させるために、そこを通る酸素の流れに対し不透過性であるかまたは酸素の流れを妨げる材料で形成されて、酸素バリヤを形成し得る。さらに、内側トレイ106および外側トレイ108は、医療製品104および流体110に到達する可能性のある任意の汚染物質に対する二段バリヤを形成し得る。例えば、内側トレイ106は、医療製品104および流体110に到達する可能性のある任意の汚染物質に対する第1のバリヤを形成することができ、外側トレイ108は、封止材料で覆われたときに、医療製品104および流体110に到達する可能性のある任意の汚染物質に対する第2のバリヤを形成することができる。いくつかの実施形態では、包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、多層プラスチック材料から形成され得る。
【0045】
包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、熱成形されてよく、例えば、プラスチックシートを曲げやすい成形温度まで加熱し、加熱されたシートを所望の形状にモールディングし、かつ/またはモールディングされたシートをトリミングして構成要素の所望の形状を形成することによって、形成されてよい。代替として、包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、射出モールディングによって形成されてよい。さらに、包装システム100の1つまたは複数の構成要素は、包装システム100の1つまたは複数の他の構成要素とは異なる材料でまたは異なる形成プロセスを介して形成され得ることに、留意されたい。さらに、包装システム100の様々な構成要素のために選択される材料は、使用される流体110のタイプによって決まってよく、使用される流体110のタイプは、包装システム100内に保管される医療製品104のタイプによって決まってよい。さらに、包装システム100の様々な構成要素のために選択される材料は、例えば、医療製品102の可視化を可能にするために、少なくとも部分的に透明であってよい。
【0046】
図4は、包装システム100内に医療製品104を封入するための方法400の流れ図である。最初に、方法400は、1つまたは複数の医療製品がホルダ102のチャネル118内に挿入される工程402を含む。次いで、方法400は、ホルダ102を閉じる工程を含む工程404を含む。上記で述べられたように、ホルダ102を閉じる工程は、ジョイント112においてホルダ102を折り曲げて、トップ部分102aの連結端部114aをボトム部分102bの連結端部114bの方へ持っていく工程を含み得る。代替として、上記で述べられたように、トップ部分102aおよびボトム部分102bは、互いに分離していてよく(すなわち、ホルダ102は、ジョイント112を含まなくてよい)、ホルダ102は、トップ部分102aをボトム部分102bに固定することによって閉じられてよい。
【0047】
次に、方法400は、ホルダ102および医療製品104を内側トレイ106の一方の部分内に挿入する工程を含む、工程406を含む。上記で述べられたように、ホルダ102および医療製品104は、第1の部分106aのポケット130a内に、または第2の部分106bのポケット130b内に挿入され得る。次いで、方法400は、内側トレイ106の部分内へ流体110を送達する工程を含む、工程408を含む。流体110は、例えば1つまたは複数のチャネル122を通って空洞118内へ流れることにより、医療製品104を包囲し得る。次に、方法400は、内側トレイ106の他方の部分を内側トレイ106の一方の部分に連結する工程を含む、工程410を含む。上記で述べられたように、工程410は、かみ合い部分132aおよび132bならびに内側トレイ連結部分134aおよび134bを位置合わせしかつ連結する工程を含み得る。
【0048】
次いで、方法400は、内側トレイ106、ホルダ102、および医療製品104が外側トレイ108内に挿入される工程412を含む。例えば、包装システム100を組み立てる人物は、内側トレイ106、ホルダ102、および医療製品104を外側トレイ108内に手作業で位置付けることができる。代替として、機械(例えば、ロボット)が、方法400の1つまたは複数の部分、例えば内側トレイ106およびホルダ102ならびに医療製品102を外側トレイ108内に挿入する工程を実行するようにプログラムされるかまたは他の方法で構成されてよい。次に、方法400は、外側トレイ108の少なくとも一部分を1つまたは複数の封止材料で覆う工程を含む、工程414を含む。いくつかの態様では、工程412は、任意選択であり得る。例えば、いくつかの態様では、包装システム100は、ホルダ102および内側トレイ106を含み、かつ、外側トレイ108を含まない場合がある。したがって、これらの態様では、工程414は、内側トレイ106の少なくとも一部分を1つまたは複数の封止材料で覆う工程を含むように修正され得る。さらに、方法400および方法400に含まれる工程は、内側トレイ106および外側トレイ108を含む包装システム100に関するものとして論じられるが、方法400、または方法400の工程の一部分は、本明細書において論じられる他の容器(例えば、包装システム500の態様、バイアル660を含む包装システムの態様、など)に適用可能であり得る。さらに、方法400はまた、例えば包装システム100をコールドチェーンγ線照射のための摂氏約-85度の温度に対し晒すことによる、包装システム100を滅菌する任意選択の工程を含み得ることに、留意されたい。
【0049】
1つの態様では、工程408は、おおよそ10mLからおおよそ100mLの流体110を内側トレイ106へ送達する工程を含み得る。内側トレイ106へ送達される流体110の量は、ホルダ102、医療製品104、もしくは内側トレイ106のうちの1つまたは複数のサイズによって決まってよい。いくつかの態様では、ホルダ102、医療製品104、もしくは内側トレイ106のうちの1つまたは複数がより小さい場合、より小さい体積の流体110が、内側トレイ106へ送達され得る。同様に、ホルダ102、医療製品104、もしくは内側トレイ106のうちの1つまたは複数がより大きい場合、より大きい体積の流体110が、内側トレイ106へ送達され得る。例えば、いくつかの態様では、工程408は、おおよそ45mLからおおよそ65mLの流体110を内側トレイ106へ送達する工程を含み得る。
【0050】
いくつかの態様では、内側トレイ106および外側トレイ108のうちの一方または両方が、包装システム100の開口中に流体110を保有するのに役立つことができ、これは、医療処置のための滅菌野において漏出し得る液体110の量を減少させること、より容易な清掃および/または廃棄を可能にすること、などができる。さらに、ホルダ102および医療製品104が内側トレイ106から取り出されるときに、チャネル122は、他の方法で医療製品104を乱すことなしに(例えば、移動させること、曲げること、などなしに)、流体110がホルダ102から内側トレイ106内へ流れ出ることを可能にし得る。
【0051】
本開示の様々な態様は、流体110を収容するのに役立つことができ、流体110は、1つまたは複数の医療製品104をその医療製品の貯蔵寿命にわたって保存するのに役立つことができる。包装システム100はまた、医療製品が、医療製品に損害を与え得る空気に対し晒されないように、流体110が医療製品を常に覆っていることを確実にするのに役立つことができる。例えば、ホルダ102は、医療製品を包装システム100内の実質的に同じ位置に維持するのに役立ち得る。包装システム100は、液体損失を防ぐためのシールをなおも維持しながら、医療製品104が例えば保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などに任意の向きにおいて位置決めされることを可能にするのに役立ち得る。ホルダ102は、例えば流体110に沈められるかまたは他の方法で流体110によって覆われた医療製品104を保つことにより、医療製品104の貯蔵寿命全体にわたって医療製品104の機械的特性を維持するのに役立ち得る。ホルダ102は、例えば医療製品104を特定の構成において保有すること、および/またはチャネル122介した医療製品104へのアクセスを提供することにより、医療製品104の取出しを促進し得る。例えば、医療製品104は、直線的な構成において保有されてよく、また、例えばガンマ線照射を介して滅菌されてよい。
【0052】
さらに、ホルダ102は、内側トレイ106および外側トレイ108と一緒に、包装システム100内の滅菌環境を維持するのに役立ち得る。さらに、ホルダ102の設計は、ユーザ(例えば、医師など)が例えば手術室環境における使用のために医療製品を調製しているときに、ユーザがホルダ102を包装システム100の残りの部分から取り出すのと同時に流体110を医療製品104の周りから(例えば、チャネル122を通じて)流し出すことを可能にし得る。例えば、流体110および/またはすすぎ溶液が、ホルダ102から流れ出ることができ、次いで、内側トレイ106および/または外側トレイ108内に保有され得る。さらに、内側トレイ106および外側トレイ108のうちの1つまたは複数は、それぞれ、流体110の収容を助長するために、閉じられたときに(例えば、ホルダ102から外向きの方向において)径方向の力を作り出すように設計され得る。包装システム100は、医療製品104が流体110中に覆われるのを確実にすると同時に、医療製品104を沈めるかまたは他の方法で覆うのに必要な流体110の量を減少させるのに役立つことができ、流体110は高価であったり、入手するのが困難であったり、作製するのが困難であったりする場合があるので、このことは、包装システム100を組み立てることにおける全体的な費用および/または困難さを減少させることができる。
【0053】
図5Aおよび5Bは、包装システム100に類似した要素を含む、本開示による代替的な例を示す。図5Aは、部分的に組み立てられた構成における包装システム500の一部分を示し、図5Bは、組み立てられていない構成における包装システム500を示す。包装システム500は、1つまたは複数の医療製品504を保持するように構成されたホルダ502を含む。包装システム500はまた、内側容器、例えばポーチ550と、外側容器、例えばトレイ508とを含む。ホルダ502は、上記で論じられたように、ホルダ102に類似してよく、トレイ508は、上記で論じられたように、外側トレイ108に類似してよい。さらに、図5Bに示されるように、包装システム500は、カバー552を含み得る。
【0054】
図5Aに示されるように、ホルダ502は、ポーチ550内に位置決めされてよく、また、包装中、流体510が、ポーチ550へ送達されてホルダ502および医療製品504を包囲してよい。ポーチ550は、第1の端部550aおよび第2の端部550bを含み得る。例えば、第1の端部550aは、シールされてよく、第2の端部550bは、包装中に最初に開いていてよく、もしくはその逆も同様であり、または、両方の端部が開いていてよい。ホルダ502および流体510は、包装中に開いた端部を通してポーチ550内に挿入され得る。ポーチ550へ送達される流体510の量は、ポーチ550内のホルダ502を実質的に包囲するのに十分であり得る。おおよそ10mLからおおよそ100mLの流体510、例えばおおよそ45mLからおおよそ65mLの流体510が、ホルダ502を覆うためにポーチ550へ送達され得る。次いで、この場合では第2の端部550bにある開いた端部は、ホルダ502および流体510を封入するためにシールされ得る。両方の端部が最初に開いている場合、開いた端部のうちの一方は、ポーチ550への流体510の送達の前にシールされてよく、他方の端部は、流体510がポーチ550へ送達された後でシールされてよい。このようにして、ポーチ550は、内側トレイ106と同様に機能し、ホルダ502の周りに流体510を収容することができる。ポーチ550は、適切なプラスチック材料、例えば上記で論じられた材料のうちのいずれかで形成され得る。ポーチ550の1つの端部は、予めシールされてよく、ポーチ550の別の端部は、ホルダ502および流体510がポーチ550へ送達された後でシールされてよい。さらに、上記で述べられたように、流体510は、シールされたポーチ550内に小さな気泡が存在するように、ポーチ550を完全に満たさなくてもよく、そのような気泡は、ホルダ502にアクセスするためにポーチ550を開いているときにポーチ550から流体510が漏れるリスクを低減するのに役立つ場合があり、ポーチ550を過剰充填するリスクを低減するのに役立つ場合があり、かつ/または、例えばより低い温度に対し晒された場合/ときに凍結するときに、流体510の膨張に適応するのに役立つ場合がある。
【0055】
図5Bに示されるように、ポーチ550内に収容されたホルダ502および医療製品504を含むポーチ550は、トレイ508内に、例えばウェル540内に位置決めされ得る。次いで、上記で論じられたように、トレイ508は、シールされ得る。例えば、トレイ508は、トレイ封止部分554を含むことができ、このトレイ封止部分554は、封止材料(例えば、接着剤)を含み得るか、または、封止材料に結合するように構成され得る。カバー552もまた、封止部分556を含むことができ、この封止部分556は、封止材料(例えば、接着剤)を含み得るか、または、封止材料に結合するように構成され得る。この態様では、カバー552は、トレイ508がカバー552内にある状態で封止部分554および封止部分556が位置合わせされるように、トレイ508上に位置決めされ得る。示されていないが、トレイ508およびカバー552は、上記で論じられた1つまたは複数の特徴、例えば連結部分134aおよび134b、切欠き部分142、などを含み得る。
【0056】
封止部分554および封止部分556のうちの一方または両方は、封止材料を含み得る。例えば、1つの態様では、カバー552は、封止部分556上に接着剤を含み得る。接着剤は、ユーザによって適用されてよく、取外し可能なフィルムを取り外すことによって覆われなくてよく、または、他の方法でカバー522に連結されかつ/もしくはカバー552上で覆われなくてよい。それに加えて、または代替としてカバー552とトレイ508とを連結してカバー552とトレイ508との間にシールを形成するのに役立つように、追加の機構が使用されてもよい。カバー554がトレイ508上に位置決めされると、トレイ508およびカバー554は、トレイ508内のポーチ550、ホルダ502、医療製品504、および液体510をシールすることができる。
【0057】
図6A~6Cは、包装システム100に類似した要素を含む、本開示による別の代替的な例を示す。図6Aは、組み立てられていない構成における包装システム600の構成要素を示し、図6Bは、部分的に組み立てられた構成における包装システム600を示す。包装システム600は、1つまたは複数の医療製品604を保持するように構成されたホルダ602を含む。図6Aは、閉じた構成におけるホルダ602を示し、図6Cは、開いた構成におけるホルダ602を示す。包装システム600はまた、ホルダ602を保持するように構成された内側容器、例えばバイアル660を含む。包装システム600は、バイアル660を保持するように構成された外側容器、例えばシェル662をさらに含み得る。しかし、いくつかの態様では、包装システム600は、ホルダ602およびバイアル660を含むがシェル662を含まないことに、留意されたい。
【0058】
ホルダ102および502と同様に、ホルダ602は、医療製品604を受け入れかつ封入するように構成された空洞618を形成するために、トップ部分602aおよびボトム部分602bによって形成され得る。例えば、図6Cに示されるように、空洞618を形成するために、トップ部分602aは、トップ空洞618aを含むことができ、ボトム部分602bは、ボトム空洞618bを含むことができる。空洞618の幅、長さ、および深さは、医療製品604のサイズ、形状、または他の詳細に応じて変化し得る。トップ部分602aおよびボトム部分602bのうちの1つまたは複数は、上記で論じられたように、1つまたは複数のチャネルを含む側壁を含み得る。トップ部分602aおよびボトム部分602bは、別々の部分であってよく、または、ジョイント612において連結されてよく、ジョイント612は、いくつかの実施形態では、テーパまたは狭くなった幅もしくは厚さを含み得る。例えば、ジョイント612は、上記で論じられたように、コインドヒンジを含み得る。ホルダ602はまた、上記で論じられたように、1つまたは複数の連結部分616を含むことができ、例えば、図6Cに示されるように、各連結部分616が、例えばトップ部分602a内に1つまたは複数の穴、開口部、もしくはインデント616aを含み、かつ、例えばボトム部分602b内に1つまたは複数のペグもしくは突出部616bを含む。さらに、図6Aに示されるように、ホルダ602は、突出部および凹部(例えば、ペグ/穴)の配置によって形成された1つまたは複数の中央連結部分616c、例えば4つの中央連結部分616cを含むことができ、中央連結部分616cは、図3A~3Eに関して上記で詳細に論じられたように、解放可能な固定機構を形成するために、摩擦嵌め、プレス嵌め、スナップ嵌め、などを形成する。例えば、中央連結部分616cは、図6Cに示されるように、例えばトップ部分602aにおける1つまたは複数の穴、開口部、もしくはインデント616d、および例えばボトム部分602bにおける1つまたは複数のペグもしくは突出部616eによって形成され得る。
【0059】
さらに、図6Aに示されるように、ホルダ602は、連結端部614にアクセスタブ614aを含み得る。例えば、トップ部分およびボトム部分(図3A~3Eおよび6C)のうちの一方が、アクセスタブ614aを形成するために、トップ部分およびボトム部分のうちの他方よりも幅広の部分を含んでよく、アクセスタブ614aは、ユーザがホルダ602を操作する(例えば、トップ部分およびボトム部分を分離することによりホルダ602を開く)のに役立ち得る。別の態様では、示されていないが、トップ部分の連結端部614は、第1の方向、例えば横方向において、ボトム部分の連結端部614よりもさらに遠くに延在してよく、その逆も同様である。この連結端部614のトップ部分またはボトム部分の相対的により遠くへの延在は、第1のアクセスタブ614aを形成することができ、ボトム部分の連結端部614は、第2の横方向においてトップ部分の連結端部614よりもさらに遠くに延在して、第2のアクセスタブ614aを形成することができる。さらに、示されていないが、ホルダ602の態様(例えば、アクセスタブ614a)は、ホルダ102、ホルダ502、および/または包装システム100、500、600の他の構成要素に含まれ得る。
【0060】
バイアル660は、バイアル空洞664を含む。例えば、医療製品604がホルダ602内に位置決めされると、ホルダ602および医療製品604は、バイアル660のバイアル空洞664内に挿入され得る。図6Aに示されるように、バイアル空洞664のボトム部分は、例えばホルダ602のジョイント612の一部分を受け入れるように構成された、テーパ付けされたまたは狭くなった部分660aを含むことができ、これは、バイアル空洞664内にホルダ602を保有および/または固定するのに役立ち得る。さらに、バイアル660は、ホルダ602および医療製品604の送達のために取り外され得るキャップ660bを含む。キャップ660bは、ねじキャップ、ストッパ、またはバイアル660を選択的にシールするように構成された他のデバイスであってよい。例えば、バイアル660は、ねじ部660cを含んでよく、キャップ660bは、対応する内側ねじ部(図示せず)を含んでよい。バイアル660およびキャップ660bは、漏出、蒸発、などを通じた流体の損失を防ぐのに役立つように、液体(例えば、流体110)のための液密容器を形成し得る。バイアル660は、バイアル660内のホルダ602とともに、包装システム600の向きにかかわらず医療製品604が保存溶液(例えば、流体110)中に沈められることを確実にするのに役立ち得る。バイアル660の内側寸法は、例えば、流体の必要な体積を減少させること、ホルダ602の運動を減少させること、医療製品604が流体中に沈められたままでいることを確実にするのに役立つこと、などのために、おおよそホルダ602の外側寸法であってよい。この態様では、バイアル660は、バイアル660を満たしかつ医療製品604を沈めるのに必要な流体の量を減少させるために、非円形の断面(外周または内周のどちらか)を含み得る。バイアル660はまた、例えばバイアル660内の液体(例えば、流体110)の体積を示すために、1つまたは複数の表示666を含み得る。このようにして、バイアル660は、内側トレイ106およびポーチ550と同様に機能し、かつ、ホルダ602の周りに流体を収容することができる。例えば、上記で述べられたように、流体は、シールされたバイアル660内に小さな気泡が存在するように、バイアル660を完全に満たさなくてもよく、そのような気泡は、ホルダ602にアクセスするためにバイアル660を開いているときにバイアル660から流体が漏れるリスクを低減するのに役立つ場合があり、過剰充填するリスクを低減することに役立つ場合があり、かつ/または、例えばより低い温度に対し晒している間に凍結した場合/ときに、流体の膨張に適応するのに役立つ場合がある。
【0061】
さらに、バイアル660は、1つまたは複数の保有特徴660d、例えばバイアル空洞664内へ内向きに突出する内側突出部またはフィンを含むことができ、この保有特徴660dは、バイアル660内のホルダ602の運動(例えば、回転)を防ぎかつ/または減少させること、および、例えば照射またはユーザ点検のために医療製品604が可視であることを確実にすることに役立ち得る。保有特徴660dは、バイアル660の形成中にモールディングされるかまたは他の方法で形成されるか、バイアル660の形成後に追加されるか、などであってよい。1つの態様では、保有特徴660dは、バイアル660のトップ部分における1つまたは複数の保有特徴660d、および、バイアル660のボトム部分における1つまたは複数の保有特徴660dを含み得る。この態様では、バイアル660のトップ部分における保有特徴660dは、例えば約1~3mm、または約2mmだけ、ねじ部660cから離間されてよく、これは、バイアル660がモールディングを介して形成されるのを可能にするのに役立ち得る。バイアル660の開口部は、ホルダ602を受け入れるために、また、ユーザの指、鉗子、などによるホルダ602の取出しを可能にするために、十分な広さであってよい。さらに、キャップ660bおよび/またはバイアル660の1つもしくは複数の部分は、1つもしくは複数の表面特徴(例えば、隆起部、溝、など)、および/または1つもしくは複数の形状(例えば、八角形の平坦部)を含んでよく、これは、バイアル660が転倒した場合および/または表面上で水平に向けられた場合にバイアル660が転動するのを阻止するのに役立ち得る。例えば、キャップ660bは、1つまたは複数の突出部もしくは隆起部660eを含むことができ、これは、バイアル660が表面上に水平に位置付けされたときに転動するのを防ぐのに役立つことができ、かつ/または、例えばホルダ602にアクセスするためにバイアル660を開いているときにユーザがキャップ660bを把持するのに役立つことができる。代替として、またはそれに加えて、バイアル660の1つまたは複数の部分、例えばボトム部分が、平坦な表面660fを含み得る。例えば、バイアル660のボトム部分は、8つの平坦な表面660fを有する八角形のボトムを含んでよく、これは、バイアル660が表面上に水平に位置付けされたときに転動するのを防ぐのに役立つことができ、かつ/または、例えばキャップ660bを取り外すときにユーザがバイアル660を把持するのに役立つことができる。1つの態様では、バイアル660は、例えばキャップ660bの下に誘導シール(induction seal)を含んでよく、これは、追加の滅菌バリヤを提供するのに役立ち得る。それに加えて、または代替としてバイアル660は、非円形内側の断面を含むことができ、これは、バイアル660を満たすのに必要とされる流体(例えば、流体110)の量を減少させると同時に、なおもホルダ602に適応し、かつ/または、バイアル660内の特定の構成においてホルダ602を保有するのに役立ち得る。
【0062】
シェル662は、バイアル660を受け入れるように構成され得るシェルウェル688を含む。シェル662は、保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などにバイアル660、キャップ660b、ホルダ602、および医療製品604の損傷を防ぐのに役立ち得る。シェルウェル688は、バイアル660を受け入れるように構成された1つまたは複数のスロット670を含み得る。シェルウェル688はまた、すすぎ工程中にホルダ602および医療製品604を受け入れるためのたらいとして使用され得る。例えば、医療製品604を使用するための(例えば、移植のための)調製する工程において、ホルダ602および医療製品604は、バイアル660から取り出されてよく、また、シェルウェル688内に位置決めされてすすぎ溶液ですすがれてもよい。シェルウェル688は、すすぎ溶液、および/または医療製品604からすすぎ落とされる任意の液体、固体(例えば、異物)、などを保有するのに役立ち得る。さらに、示されていないが、シェルウェル688は、例えばユーザが医療製品604をすすぐのに役立つように、1つまたは複数の充填線もしくは他の適切な表示を含み得る。ホルダ602、バイアル660、もしくはシェル662のうちの1つまたは複数のサイズは、任意の適切なサイズおよび/または厚さであってよいことに、留意されたい。例えば、上記で論じられたように、ホルダ602のサイズおよび/または形状は、医療製品604のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。さらに、バイアル660のサイズおよび/または形状は、ホルダ602のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もあり、シェル662のサイズおよび/または形状は、バイアル660のサイズおよび/または形状に対応する場合もあればそうでない場合もある。
【0063】
さらに、シェルウェル688は、1つまたは複数の突出部分672a、672b、672cを含むことができ、これらは、相対的により狭いまたはより浅いスロット670によって接続され得る。突出部分672a、672b、672c、およびスロット670は、シェル662内のバイアル660を固定するのに役立ち得る。突出部分672a、672b、672cはまた、例えばシェル662の外部とバイアル660との間にシェルウェル688の開いた部分を提供することにより、シェル662内のバイアル660にかかる衝撃を軽減するのに役立ち得る。1つの態様では、突出部分672a、672b、672cは、シェルウェル688の端部分および中央部分に位置決めされ得る。シェル662は、1つまたは複数の(例えば、切欠き部分142に類似した)切欠き部分もしくはタブ674をさらに含むことができ、これは、ユーザがシェル662を把持するかまたは他の方法でシェル662を操作する(例えば、開く)のに役立ち得る。切欠き部分674またはタブは、シェル662の残りの部分からある角度(例えば、おおよそ180度から0度の間、おおよそ135度、おおよそ90度、おおよそ45度、おおよそ30度、おおよそ15度、など)において離れるように延在し得る。さらに、いくつかの態様では、切欠き部分674またはタブは、ユーザによって操作される前または後、例えばシェル662を開くときに、シェル662の残りの部分から180度よりも大きい角度において離れるように延在し得る。さらに、示されていないが、シェルウェル688をシールするために、カバーまたは封止材料が、シェルウェル688の周囲の周りに含まれ得る。カバーまたは封止材料は、切欠き部分674またはタブに連結されなくてよく、これは、包装システム600を開いているときにユーザがカバーまたは封止材料をシェル662から分離するのに役立ち得る。例えば、フォイルポリウレタンカバーが、シェルウェル688上に位置決めされ得る。代替として、またはそれに加えて、カバー、シール、もしくはポーチが、シェル662全体の周りに位置決めされ得る。これらの態様では、カバーは、シェル662の周りまたはシェル662内に滅菌バリヤを形成するのに役立つことができ、これは、例えば図5Bにおけるカバー552と同様に、包装システム600の安全な保管、輸送、手術前の取扱い、などを促進するのに役立ち得る。さらに、示されていないが、シェル662は、例えば、覆いをシェル662に連結するのに役立つように、図1および2に関して論じられたように1つまたは複数の連結部分134aおよび134bを含み得るか、または、図5Aおよび5Bに関して論じられたように封止部分554および556を含み得る。1つの例では、シェル662は、バイアル660をシェル662内に封入するために、スナップ式の蓋を含み得る。別の例では、シェル662は、バイアル660、ホルダ602、および医療製品604を封入するためにシールされてよく、包装システム600は、ポーチ内に位置付けられてシールされてよい。さらに別の例では、シェル662は、バイアル660の周りに滅菌バリヤを形成するのに役立つように、ポーチまたは他の外側容器に置き換えられ得る。
【0064】
示されていないが、包装システム100、500、および600の1つまたは複数の構成要素は、例えば印刷されるか、デボス加工されるか、エンボス加工されるか、刻印されるか、もしくは他の方法で構成要素上に形成された1つもしくは複数の印のための空間を含み得るか、またはそれらの印を含み得る。例えば、1つまたは複数の印は、1つまたは複数の医療製品104、504、および604を識別するか、または他の方法でユーザに対し情報(例えば、包装データ、有効期限、適合性因子、保管指示、など)を提供し得る。
【0065】
包装システム100と同様に、包装システム500および600は、1つまたは複数の医療製品を特定の向きにおいて保有するのに役立つことができ、また、例えば包装中、保管中、輸送中、手術前の取扱い中、などに1つまたは複数の医療製品を保存するのに役立つように、1つもしくは複数の医療製品が流体中に沈められるかまたは他の方法で流体中に覆われることを確実にするのに役立つことができる。さらに、包装システム500および600は、1つまたは複数の医療製品および流体を滅菌野内にシールするのに役立つことができる。包装システム500および600は、包装システム500および600を開いている間流体を保有するのに役立つことができ、また、医療処置における1つまたは複数の医療製品の使用中に流体を保有するのに役立つことができる。
【0066】
本明細書において論じられた様々な態様、例えば包装システム100、500、および600は、所望の(例えば、直線的な)向きにおける1つまたは複数の医療製品の保有を促進し得る。例えば、所望の向きは、収容される医療製品にもよるが、医療製品の折り返し、丸まり、湾曲、変形、などを防ぐのに望ましいものであり得る。さらに、本明細書において論じられる様々な態様、例えば包装システム100、500、および600は、変動温度に対し晒されたときでさえ、包装システム内に流体(例えば、流体110)を保有することを助長し得る。さらに、本明細書において論じられる様々な態様、例えば包装システム100、500、および600は、包装システムの向きにかかわらず流体が1つまたは複数の医療製品を包囲するように、流体の保有を促進し得る。本明細書において論じられる様々な態様、例えば包装システム100、500、および600(ならびにその中に保有される流体)は、変動温度ならびに温度変化、例えば室温から摂氏-85度になり室温に戻る温度変化、および/またはより寒いもしくはより温かい温度になる温度変化に耐えるように設計され得る。さらに、本明細書において論じられる様々な態様、例えば包装システム100、500、および600は、例えばその中に保有された1つまたは複数の医療製品をユーザが可視化することを可能にするために、少なくとも部分的に透明であり得る。さらに、本明細書において論じられる様々な態様、例えば包装システム100、500、および600は、包装システムの1つもしくは複数の部分が開かれるときおよび/または保有された医療製品が扱われかつ/もしくは取り出されるときの流体(例えば、流体110またはすすぎ溶液)の保有を助長し得る。
【0067】
本開示の他の実施形態は、本明細書の考察、および本明細書において開示される実施形態の実践から、当業者には明らかになるであろう。本開示の特定の特徴が、例示的なシステム、デバイス、および方法の文脈内で論じられたが、本開示は、そのように限定されるものではなく、開示される一般的原理に従って、本明細書における例の代替形態および変形形態を含む。本明細書および例は単に例示的なものと考えられることが意図されており、本開示の正確な範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】