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特表2023-548600低グレード神経膠腫を処置するためのRAFインヒビター
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  • 特表-低グレード神経膠腫を処置するためのRAFインヒビター 図1
  • 特表-低グレード神経膠腫を処置するためのRAFインヒビター 図2
  • 特表-低グレード神経膠腫を処置するためのRAFインヒビター 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】低グレード神経膠腫を処置するためのRAFインヒビター
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20231110BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231110BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231110BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P35/00
A61P43/00 105
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527333
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2021058337
(87)【国際公開番号】W WO2022099074
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,724
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/138,285
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522212055
【氏名又は名称】デイ ワン バイオファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】399052796
【氏名又は名称】デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライト, カレン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ハース-コーガン, ダフニー アデル
(72)【発明者】
【氏名】ブラックマン, サミュエル シー.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC27
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC51
(57)【要約】
神経膠腫(例えば、小児低グレード神経膠腫)を処置するための方法および組成物が、本明細書で記載される。いくつかの実施形態において、小児低グレード神経膠腫を処置する方法であって、上記方法は、それを必要とする被験体に、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)、またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する方法が、本明細書で記載される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間あたり約400mg/m~約600mg/mの化合物Aに等しい量において投与される。いくつかの実施形態において、上記被験体は、20歳未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、前記方法は、
(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)、またはその薬学的に受容可能な塩を、前記被験体に投与する工程であって、ここで前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約600mg/mの化合物Aに等しい、工程、
を包含し、
ここで前記被験体は、20歳未満である、
方法。
【請求項2】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の前記初期用量は、1週間あたり約500mg/m~約600mg/mの化合物Aに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の前記初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約500mg/mの化合物Aに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の前記初期用量は、1週間あたり約420mg/mの化合物Aに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の前記初期用量は、1週間あたり約530mg/mの化合物Aに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、前記方法は、
前記被験体に、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、前記被験体において少なくとも2000ng/mLの化合物Aの観察される最大血漿濃度(Cmax)を達成するために十分な量で投与する工程、
を包含し、
ここで前記被験体は、20歳未満である、
方法。
【請求項7】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、前記被験体において、2000ng/mL~8000ng/mLの化合物AのCmaxを達成するために十分な量で投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、前記方法は、
前記被験体に、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、少なくとも約400,000ng*h/mLの化合物Aの濃度曲線下面積(AUCss)を達成するために十分な量で投与する工程、
を包含し、
ここで前記被験体は、20歳未満である、
方法。
【請求項9】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、前記被験体において、400,000ng*h/ml~1600,000ng*h/mlの化合物Aの(AUCss)を達成するために十分な量で投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、前記方法は、
前記被験体に、(i) (R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、(ii)皮膚関連状態または障害を処置するための1またはこれより多くの治療剤と組み合わせて投与する工程、
を包含し、
ここで前記被験体は、20歳未満である、
方法。
【請求項11】
前記1またはこれより多くの治療剤は、色素沈着した皮膚に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記LGGは、X線撮像での再発疾患またはX線撮像での進行性疾患である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミドである、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、液体懸濁物として投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、錠剤として投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間あたり単一用量として投与される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間に2~4用量投与される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも24ヶ月の期間にわたって投与される、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記被験体は、20歳またはそれより年少である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体は、15歳またはそれより年少である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記被験体は、0.5m~約2.0mの体表面積(BSA)を有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記被験体は、0.5m~約1.5mのBSAを有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記LGGは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1またはこれより多くのものを有する、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記LGGは、BRAF変異を有する、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記BRAF変異は、非V600 BRAF変異である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記BRAF変異は、V600E変異である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記被験体は、以下の野生型融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、およびNFIA:RAF1のうちの1またはこれより多くのものを有すると同定される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記被験体は、KIAA1549:BRAF野生型融合を有すると同定される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記被験体は、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する前に、手術、照射、および化学療法から選択される1またはこれより多くの治療を受けたことがある、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体は、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する前に、完全または部分的な切除を受けたことがある、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、600mgの最大用量で投与される、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記最大用量は、経口で(PO)1週間に1回、600mgである、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の研究に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所の国立がん研究所によって神経膠腫における標的化療法に関するSPORE助成金の一部として、授与番号P50 CA 165962の下で政府支援を得て行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
相互参照
本出願は、2020年11月6日出願の米国仮特許出願第63/110,724号および2021年1月15日出願の米国仮特許出願第63/138,285号(これらの各々の全内容は、本明細書に参考として援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
背景
2012年に、全世界で推定1410万ものがん症例が存在した。この数字は、2035年までに2400万へと増大すると予測される。がんは、未だに米国において二番目に多い死亡原因であり、4例の死亡のうちのほぼ1例を占める。2014年には、米国において、推定1,665,540の新たながん症例が診断され、585,720のがんによる死亡が存在すると思われる。医学の進歩により、がんの生存率は改善しているが、ある特定の患者集団および特定のがんは、さらなる研究をなお必要としている。特に、小児患者におけるがんの処置の必要性は継続している。
【0004】
毎年、米国において18歳未満のおよそ15,500人の小児および全世界では300,000人の小児が、がんと診断される。さらに、がんは、未だに米国における小児の疾患による死亡原因の中で最も多く、年間1,700人を超える死亡を占める。小児がんのより安全かつより効果的な治療が必要であるにもかかわらず、小児患者のための新たな薬物は稀少である。再発または進行性の低グレード神経膠腫、すなわち、小児において診断される最も一般的な脳腫瘍であるpLGGを有する小児患者の承認された治療および標準治療は存在しない。従って、小児がん患者の新しくかつより効果的な処置の未だ満たされていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの局面において、本開示は、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)、またはその薬学的に受容可能な塩を、被験体に投与する工程であって、ここで化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約600mg/mの化合物Aに等しい、工程を包含し、ここで被験体は、20歳未満である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約500mg/m~約600mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約500mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約410mg/m~約430mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約420mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の初期用量は、1週間あたり約530mg/mの化合物Aに等しい。
【0006】
1つの局面において、本開示は、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、被験体に、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、被験体において少なくとも2000ng/mLの化合物Aの観察される最大血漿濃度(Cmax)を達成するために十分な量で投与する工程を包含し、ここで被験体は、20歳未満である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、被験体において、2000ng/mL~8000ng/mLの化合物AのCmaxを達成するために十分な量で投与される。
【0007】
1つの局面において、本開示は、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、被験体に、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、少なくとも約400,000ng*h/mLの化合物Aの濃度曲線下面積(AUCss)を達成するために十分な量で投与する工程を包含し、ここで被験体は、20歳未満である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、被験体において、400,000ng*h/ml~1600,000ng*h/mlの化合物Aの(AUCss)を達成するために十分な量で投与される。
【0008】
1つの局面において、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、被験体に、(i) (R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩を、(ii)皮膚関連状態または障害を処置するための1またはこれより多くの治療剤と組み合わせて投与する工程を包含し、ここで被験体は、20歳未満である、方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、1またはこれより多くの治療剤は、色素沈着した皮膚に投与される。
【0009】
1つの局面において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩を投与することで低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、LGGは、X線撮像での再発疾患またはX線撮像での進行性疾患である。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミドである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、液体懸濁物として投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、錠剤として投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間あたり単一用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間に2~4用量投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも24ヶ月の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、20歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、15歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、0.5m~約2.0mの体表面積(BSA)を有する。いくつかの実施形態において、被験体は、0.5m~約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、LGGは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1またはこれより多くのものを有する。いくつかの実施形態において、LGGは、BRAF変異を有する。いくつかの実施形態において、BRAF変異は、非V600 BRAF変異である。いくつかの実施形態において、被験体は、以下の野生型融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYC・:RAF1、ATG7:RAF1、およびNFIA:RAF1のうちの1またはこれより多くのものを有すると同定される。いくつかの実施形態において、被験体は、KIAA1549:BRAF野生型融合を有すると同定される。
【0010】
別の局面において、本開示は、本明細書で記載されるように、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、上記方法は、最大用量での化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の投与をさらに包含する方法を提供する。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の最大用量は、600mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩の最大用量は、1週間に1回、経口で(PO)600mgである。
【0011】
援用の表示
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参考として援用されることが具体的にかつ個々に示されるものと同程度に、本明細書に参考として援用される。
【0012】
図面の簡単な説明
本発明の新規な特徴は、特に、添付の特許請求の範囲の中で示される。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、例証的な実施形態を示す以下の詳細な説明を参照することによって得られ、その中で、本発明の原理が利用され、添付の図面は、以下のとおりである:
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、化合物Aでの処置に対して完全奏効(100%低減)または部分奏効(腫瘍の二次元測定において>50%低減)を有したpLGG患者でのフェーズ1治験データを図示する。RAF融合を有する8名の患者のうちの5名が、ベースラインと比較して、RANO基準に従って、完全奏効または部分奏効(≧50%低減と定義される)のいずれかを有した。RAF融合を有する8名の患者のうちの2名は、長期の安定病態を有した。RAF融合を有する1名の患者は、化合物Aに応答しなかった。NF1関連pLGGを有する1名の患者は、化合物Aに応答しなかった。
【0014】
図2図2は、経時的な化合物Aに対する個々のpLGG患者応答のフェーズ1治験データを図示する。病変サイズの縮小は、化合物A投与の開始後に得られた1回目の放射線画像において9名の患者のうちの6名において観察された。応答までのメジアン時間は、10.5週間であった。2名の患者は完全奏効を達成し、これは、2年間までの投与期間全体を通じて維持された。3名の患者が部分奏効を有し、2名が長期の安定病態を達成し、2名が応答を達成しなかった。
【0015】
図3図3は、pLGG患者における化合物Aのフェーズ2治験デザインを図示する。その試験は、活性化BRAF変化(例えば、KIAA1549-BRAF融合)またはBRAF活性化変異(例えば、V600E)を有する再発または進行性のpLGGを有する6ヶ月齢~25歳の小児患者を含む。化合物Aの経口投与は、420mg/mの用量で1週間に1回投与される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
プロテインキナーゼは、細胞再生プロセスにおいて重要な役割を果たす。具体的には、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達経路は、細胞外シグナルを核へと中継して、遺伝子発現および重要な細胞機能を調節するキナーゼカスケードからなる。Ras/Raf/MEK/ERKシグナル伝達経路によって制御される遺伝子発現は、増殖、分化、アポトーシス、および血管新生を含む基本的な細胞プロセスを調節する。Ras/Raf/MEK/ERKシグナル伝達のこれらの多様な役割は、種々のタイプのがんにおいて異常に活性化される。この経路内の遺伝子の変異は、増大した細胞増殖、およびアポトーシスへの抵抗性を生じる構成的に活性なタンパク質をもたらし得る。
【0017】
Raf(セリン/スレオニンプロテインキナーゼ)は、3種のRafアイソフォームメンバー(B-Raf、C-Raf(Raf-1)およびA-Raf)を与える3種の遺伝子からなる遺伝子ファミリーによってコードされる。これらタンパク質の各々は、高度に保存されたアミノ末端調節領域およびカルボキシ末端における触媒ドメインを共有する。各アイソフォームは、Ras/Raf/MEK/ERK経路において役割を有するが、B-Rafは、MEKの主要活性化因子であることが示されている。B-Rafは、B-Rafが活性化された状態になる細胞内の細胞膜へとRas:GTPによって動員される。順に、B-RafはMEK1/2の活性化を担い、MEK1/2は、ERK1/ERK2を活性化する。B-Raf遺伝子における変異は、B-Rafが上流のシグナルとは無関係にシグナル伝達することを可能にする。結果として、変異したB-Rafタンパク質(例えば、V600E)は、MEKおよびERKの過剰な下流のシグナル伝達を引き起こす。これは、過剰な細胞増殖および生存および腫瘍形成をもたらす。変異したB-Rafによるシグナル伝達カスケードの過剰活性化は、多数の悪性疾患に関係があるとされる。B-Raf特異的インヒビター(例えば、ベムラフェニブ)は、実際に、変異体B-Raf V600Eを発現する黒色腫の処置の見込みを示している。
【0018】
神経膠腫は、組織学的には、主に星細胞または乏突起神経膠細胞の形態を示すかどうかに基づいて定義され、細胞充実性、核非定型性、壊死、有糸分裂像、および微小血管増殖(全て、生物学的に侵襲性の挙動と関連する特徴)によってグレード分けされる。星細胞腫は、2つの主要なタイプ、高グレードおよび低グレードのものがある。高グレード腫瘍は、急速に増殖し、十分に血管形成し、脳に容易に拡がり得る。低グレード星細胞腫は、通常は限局性であり、長期間にわたってゆっくりと増殖する。高グレード腫瘍は、遙かに侵襲性であり、非常に集中的な治療を必要とし、低グレード腫瘍より生存期間が短いことと関連する。小児における星細胞腫瘍のうちの大部分は、低グレードであるのに対して、成人における大部分は、高グレードである。これらの腫瘍は、脳および脊髄においてどこにでも発生し得る。より一般的な低グレード星細胞腫のうちのいくつかは、以下である:若年性毛様細胞性星細胞腫(JPA)、線維性星細胞腫、多形性黄色星細胞腫(pleomorphic xantroastrocytoma)(PXA)および胚芽異形成性神経上皮腫瘍(desembryoplastic neuroepithelial Tumor)(DNET)。その2つの最も一般的な高グレード星細胞腫は、未分化星細胞腫(AA)および多形性膠芽細胞腫(GBM)である。
【0019】
小児低グレード神経膠腫(PLGG)は、最も一般的な小児脳腫瘍をまとめて示す世界保健機関(WHO)グレードIおよびIIの不均一な群を包含する。それらは、種々の組織学の腫瘍(例えば、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、乏突起膠腫および血管中心性神経膠腫(angiocentric glioma))を包含する。血管中心性神経膠腫は、緩慢な臨床経過を有するWHOグレードI腫瘍である。それは、大脳皮質において生じ、星細胞腫および上衣腫と、組織学的特徴を共有する。血管中心性神経膠腫は、小児において医学的に難治性のてんかん発作を引き起こす。
【0020】
Ras経路は、成人患者における多数の腫瘍に関係があるとされる。低グレード神経膠腫(LGG)は、小児における最も一般的な脳腫瘍であり、大部分は、RAS/RAF経路を経る異常なシグナル伝達を有する。完全な切除は、多くの患者においてしばしば実現可能ではなく、不完全に切除されたLGGは、進行および再発の割合が高い。現在最良の利用可能な治療は、有効性が制限されており、長期間の疾病負荷および処置関連罹患率は、重大である。LGGを有する小児に関する現在までの最大の無作為化フェーズIII治験からの結果は、わずか47%という5年無イベント生存率を示した。
【0021】
本開示は、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与することによって、神経膠腫(例えば、小児低グレード神経膠腫)を処置する方法を提供する。患者の体表面積に基づく投与レジメン(例えば、mg/m)は、記載される方法に適していることが発見された。いくつかの実施形態において、患者の体表面積に基づく投与レジメン(例えば、mg/m)は、患者の体重に基づく投与レジメン(例えば、mg/kg)より適している。また、ある特定の用量での処置(例えば、1週間あたり400mg/mより高い化合物A)を開始することは、有益であり得ることが発見された。
【0022】
本明細書で使用される用語は、別段示されなければ、以下の定義された意味と一致するものとする。
【0023】
定義
本出願において、「または(or)」の使用は、別段述べられなければ、「および/または(and/or)」を意味する。用語「および/または」および「これらの任意の組み合わせ」およびそれらの文法上の等価物は、本明細書で使用される場合、交換可能に使用され得る。これらの用語は、任意の組み合わせが具体的に企図されることを伝え得る。例証目的に過ぎないが、以下の語句「A、B、および/またはC」または「A、B、C、またはこれらの任意の組み合わせ」は、「個々にA; 個々にB; 個々にC; AおよびB; BおよびC; AおよびC; ならびにA、B、およびC」を意味し得る。用語「または」は、文脈が具体的に選言的な(disjunctive)使用に言及しなければ、連言的に(conjunctively)または選言的に使用され得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「Rafキナーゼ」とは、セリン/スレオニンプロテインキナーゼのファミリーのうちの任意の1つに言及する。そのファミリーは、3つのアイソフォームメンバー(B-Raf、C-Raf(Raf-1)、およびA-Raf)からなる。Rafプロテインキナーゼは、細胞外シグナルを核へと中継して、遺伝子発現および重要な細胞機能を調節するキナーゼカスケードからなるMAPKシグナル伝達経路に関与する。文脈によって別段示されなければ、用語「Rafキナーゼ」は、任意の種(が挙げられるが、これらに限定されない)に由来する任意のRafキナーゼタンパク質をいうことが意味される。1つの局面において、上記Rafキナーゼは、ヒトRafキナーゼである。
【0025】
用語「Rafインヒビター(Raf inhibitor)」または「Rafのインヒビター(inhibitor of Raf)」は、上記セリン/スレオニンプロテインキナーゼであるRaf(変異体形態を含む)の1またはこれより多くのアイソフォームメンバー(B-Raf、C-Raf(Raf-1)および/またはA-Raf)と相互作用し得る化合物を表すために使用され得る。Raf変異体形態のうちのいくつかの例としては、B-Raf V600E、B-Raf V600D、B-Raf V600K、B-Raf V600E + T5291および/またはB-Raf V600E + G468Aが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記Rafキナーゼは、少なくとも約50%阻害されるか、少なくとも約75%阻害されるか、少なくとも約90%阻害されるか、少なくとも約95%阻害されるか、少なくとも約98%阻害されるか、または少なくとも約99%阻害される。いくつかの実施形態において、Rafキナーゼ活性を50%低減するために必要とされるRafキナーゼインヒビターの濃度は、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約25nM未満、約10nM未満、約5nM未満、または約1nM未満である。
【0027】
いくつかの実施形態において、このような阻害は、1またはこれより多くのRafアイソフォームに対して選択的である。すなわち、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、変異体B-Raf、A-Raf、およびC-Rafキナーゼのうちの1またはこれより多くのものに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600E、A-RafおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600E、A-RafおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600D、A-RafおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600K、およびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、単にB-Raf V600に選択的であるわけではない。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、単にB-Raf V600Eに選択的であるわけではない。
【0028】
いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-RafおよびC-Rafキナーゼに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600EおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600DおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600KおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Eに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Dに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Kに対して選択的である。
【0029】
用語「汎Rafインヒビター(pan-Raf inhibitor)」とは、Rafタンパク質のB-Raf V600アイソフォーム以外のものも阻害するRafインヒビターである。
【0030】
用語「約(about)」または「およそ(approximately)」とは、当業者によって決定されるとおりの特定の値に関する許容可能な誤差範囲内を意味し得、これは、その値がどのように測定または決定されたか、すなわち、測定システムの限界に一部依存する。例えば、「約」は、当該分野の慣例に従って、1または1より大きい標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」は、所定の値の20%まで、15%まで、10%まで、5%まで、または1%までの範囲を意味し得る。いくつかの実施形態において、「約」とは、所定の値の10%までの範囲に言及する。いくつかの実施形態において、「約」は、所定の値の5%までの範囲に言及する。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、その用語は、値の1桁以内、5倍以内、または2倍以内を意味し得る。
【0031】
本明細書および特許請求項の範囲において使用される場合、文言「含む、包含する(comprising)」(ならびに含む(comprising)の任意の形態(例えば、「含む、包含する(comprise)」および「含む、包含する(comprises)」))、「有する(having)」(ならびに有する(having)の任意の形態(例えば、「有する(have)」および「有する(has)」))、「含む、包含する、が挙げられる(including)」(ならびに含む、包含する、が挙げられる(including)の任意の形態(例えば、「含む、包含する、が挙げられる(includes)」および「含む、包含する、が挙げられる(include)」))または「含む、含有する(containing)」(ならびに含む、含有する(containing)の任意の形態(例えば、「含む、含有する(contains)」および「含む、含有する(contain)」))は、包括的または制限がなく、さらなる、記載されていない要素または方法の工程を排除しない。本明細書で考察される任意の実施形態が、本開示の任意の方法または組成物に関して実行され得ること、およびその逆が企図される。さらに、本開示の組成物は、本開示の方法を達成するために使用され得る。
【0032】
本明細書中での「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「一実施形態(an embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」または「他の実施形態(other embodiments)」に対する言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくともいくつかの実施形態の中に含まれるが、必ずしも全ての実施形態に含まれているわけではないことを意味する。本開示の理解を促進するために、多くの用語および語句が、以下で定義される。本明細書で使用される場合、用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」および「処置すること(treating)」は、上記被験体が罹患しているがんに関する介入の全範囲(例えば、がんの1またはこれより多くの症状を緩和する、遅らせる、停止させる、もしくは逆転させる、およびそのがんが実際には排除されないとしても、そのがんの進行を遅延させるための、組み合わせの投与)を含むことが意味される。処置は、例えば、症状の重篤度、症状の数、または再発の頻度の減少、例えば、腫瘍増殖の阻害、腫瘍増殖の停止、または既に存在する腫瘍の退縮を含み得る。
【0033】
用語「治療上有効な量」とは、本明細書で使用される場合、所望の治療効果を達成するために必要な投与量および継続時間において有効な量に言及する。上記組成物の治療上有効な量は、個体の状態、年齢、性別、および体重、ならびに上記個体の所望の応答を誘発する上記タンパク質の能力のような要因に応じて変動し得る。治療上有効な量はまた、処置に対して有益な効果を有する組成物の任意の毒性または有害な効果を超える量である。
【0034】
用語「被験体」とは、本明細書で使用される場合、哺乳動物を意味し、「哺乳動物」としては、ヒトが挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、上記被験体は、本開示の方法に従う処置の開始の前に、処置を受けたことがある。いくつかの実施形態において、上記被験体は、がんの再発を発生させるかまたは経験するリスクにある。
【0035】
「薬学的に受容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤」とは、薬剤と一緒に被験体に投与され得、その薬理学的活性を破壊せず、上記薬剤の治療上の量を送達するために十分な用量において投与される場合に非毒性である賦形剤、キャリアまたは希釈剤をいう。
【0036】
本開示に適切な「薬学的に受容可能な塩」とは、過度な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトまたは動物の組織と接触した状態での使用に適していると当該分野で概して考えられている酸または塩基の塩であり得る。このような塩は、塩基性残基(例えば、アミン)の無機酸および有機酸塩、ならびに酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩を含む。具体的な薬学的塩としては、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、アルカン酸(例えば、酢酸)、HOOC-(CH)n-COOH(ここでnは0~4である)のような酸の塩などが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、薬学的に受容可能なカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、さらなる薬学的に受容可能な塩としては、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第17版, Mack Publishing Company, Easton, PA, p. 1418 (1985)によって列挙されるものが挙げられることを、この開示および当該分野での知識から認識する。概して、薬学的に受容可能な酸または塩基の塩は、任意の従来の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。簡潔には、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基の形態と、化学量論的な量の適切な塩基または酸とを、適切な溶媒中で反応させることによって調製され得る。
【0037】
本明細書で提供される範囲は、その範囲内の値の全てに関する簡略表記法であることが理解される。例えば、1~50という範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50、ならびに前述の整数の間の全ての間に入る小数の値(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、および1.9のような)からなる群の任意の数字、数字の組み合わせ、または部分範囲を含むことが理解される。部分範囲に関しては、上記範囲のいずれかの端点から延びる「入れ子状の部分範囲(nested sub-range)」が具体的に企図される。例えば、1~50という例示的な範囲の入れ子状の部分範囲は、一方の方向において1~10、1~20、1~30、および1~40、または他方の方向において50~40、50~30、50~20、および50~10を含み得る。
【0038】
別段述べられなければ、本明細書で示される構造は、1またはこれより多くの同位体富化された原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことが意味される。例えば、重水素またはトリチウムによって水素原子が置換されていることを除いて、または13Cが富化もしくは14Cが富化されている炭素によって炭素原子が置換されていることを除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
【0039】
本明細書で記載されるある特定の化合物は、互変異性形態において存在してもよく、上記化合物の全てのこのような互変異性形態は、本開示の範囲内である。別段述べられなければ、本明細書で示される構造はまた、その構造の全ての立体化学的形態;すなわち、各不斉中心に関してRおよびS配置を含むことが意味される。従って、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体ならびにエナンチオマーおよびジアステレオマー混合物が、本開示の範囲内である。
【0040】
RAFインヒビター
Rafキナーゼの活性を阻害し得る化合物は、本開示の方法において使用され得る。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf V600より多くのRafキナーゼのアイソフォームを阻害する。ある実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf V600Eより多くのRafキナーゼタンパク質のアイソフォームを阻害する。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、変異体B-Raf、A-Raf、およびC-Rafを阻害する。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600E、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600K、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600D、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600K、およびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600EおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600DおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、B-Raf(野生型)、B-Raf V600KおよびC-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Rafに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Eに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Dに対して選択的である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、変異体B-Raf V600Kに対して選択的である。
【0041】
Rafインヒビターは、それらが、Rafキナーゼに結合および/またはRafキナーゼを阻害する能力に関してインビトロまたはインビボでアッセイされ得る。インビトロアッセイは、化合物がRafキナーゼの酵素活性を阻害する能力を定量するための方法として、RafキナーゼによるMEKのリン酸化を測定するために生化学的FRETアッセイを含む。上記化合物はまた、それらが、Rafキナーゼ活性によって媒介される細胞機能または生理学的機能に影響を及ぼす能力に関してアッセイされ得る。例えば、インビトロアッセイは、がん細胞におけるphosphor-ERKの量を定量する。これらの活性の各々に関するアッセイは、当該分野で公知である。
【0042】
いくつかの実施形態において、上記薬学的組成物はまた、以下を含む:組成物の重量で少なくとも約10重量%の濃度の1またはこれより多くの充填剤(例えば、マンニトール、セルロース、炭酸カルシウム、デンプン、糖(例えば、デキストロース、ラクトースなど));この組成物の重量で約10%またはこれ未満の濃度の甘味料(例えば、スクラロース、ソルビトール、サッカリン、フルクトース、アスパルテーム、またはこれらの組み合わせ);上記組成物の重量で約10重量%またはこれ未満の濃度の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせ);必要に応じて、上記組成物の重量で約10重量%またはこれ未満の濃度の湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、SLS);上記組成物の重量で約2重量%またはこれ未満の濃度の流動促進剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、またはこれらの組み合わせ);および上記組成物の重量で約5重量%またはこれ未満の濃度の滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、またはこれらの組み合わせ)。
【0043】
このような薬学的組成物は、必要に応じて、その視覚的訴求、味、および香りを増強するために、1またはこれより多くの着色剤、香料、および/または矯味矯臭薬を含み得る。
【0044】
他の実施形態において、本発明は、散剤組成物(上記のとおり)の形態にある薬学的組成物を提供し、これはまた、種々の疾患の処置のために固体単位投与形態へと製剤化され得る。従って、本発明はまた、投与の不正確性に関して、特に、小児患者に関して上記の問題を克服する新規な投与形態(例えば、顆粒剤、ペレット、ミニタブレット(mini-tablet)、および他の固体投与形態)を企図する。これらの安定な固体単位投与形態は、任意の形状(とりわけ、卵形、球形、円筒形、楕円形、立方形、四角形、または矩形を含む)を有し得る。錠剤またはミニタブレットは、平らな、浅い、標準的な、深い凸型の、もしくは二重の深い凸型の面またはこれらの組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1錠あたり10~500mgの強度を有するように製剤化される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1錠あたり10~50mg、25~75mg、50~100mg、75~125mg、125~175mg、または150~250mgの強度を有するように製剤化される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1錠あたり20mgの強度を有するように製剤化される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1錠あたり100mgの強度を有するように製剤化される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1錠あたり10mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mgまたは200mgの強度を有するように製剤化される。いくつかの実施形態において、上記錠剤の用量強度は、化合物Aの遊離塩基に基づく。
【0045】
他の実施形態において、本発明は、錠剤へと製剤化され得る薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、上記錠剤は、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を含む。いくつかの実施形態において、上記錠剤は、受容可能な賦形剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、上記受容可能な賦形剤としては、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー(コポビドン)、クロスカルメロースナトリウムおよびOpradry(登録商標)のうちの1またはこれより多くのものが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記錠剤は、異なる色でコーティングされ得る。
【0046】
1つの局面において、上記薬学的組成物は、上記薬学的組成物の投与を単純化するために、少なくとも1またはこれより多くのミニタブレットを含む単位投与形態(例えば、カプセル剤、サシェなど)へと製剤化され得る。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、少なくとも1個のミニタブレット、または上記でおよび以下の説明において提供されるとおりの複数のミニタブレットを含むカプセル剤またはパケットを含み得る。別の実施形態において、上記単位用量は、散剤形態において、実質的に無定形または無定形の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の特定の用量を含むパウチ、パケットまたはサシェを含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であるRafインヒビターが、本明細書で記載される。化合物Aの構造は、以下に例証される:
【化1】
化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、US8293752B2に記載される。化合物Aは、DAY101ともいわれる(以前は、TAK-580、BIIB024、またはMLN2480)。化合物Aは、トボラフェニブ(tovorafenib)ともいわれる。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミドである。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物Aの薬学的に受容可能な塩である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物Aの溶媒和物である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物Aの結晶形態である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物Aの水和物である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、化合物Aの結晶形態である。いくつかの実施形態において、上記Rafインヒビターは、
【化2】
である。
【0048】
いくつかの実施形態において、化合物Aの薬学的に受容可能な塩が記載される。適切な薬学的に受容可能な塩は、例えば、S.M.Bergeら, d J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19(本明細書に参考として援用される)に記載されるものを含む。本明細書で記載される化合物の薬学的に受容可能な塩は、適切な無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基から得られるものを含む。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)で、もしくはまたは有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)で、またはイオン交換のような当該分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、以下が挙げられる:アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩など。適切な塩基から得られる塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN+(C1-4アルキル)塩が挙げられる。本開示はまた、任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定する。水溶性もしくは油溶性または分散性の生成物は、このような四級化によって得られ得る。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合には、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、四級アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートのような対イオンを使用して形成される、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
【0049】
投与
Rafキナーゼのインヒビターの適切な1日投与量は、一般には、単一もしくは分割、または複数の用量において、単一薬剤として最大耐用量の約10%~約100%の範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、上記適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約15%~約100%である。いくつかの実施形態において、上記適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約25%~約90%である。いくつかの他の実施形態において、上記適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約30%~約80%である。いくつかの他の実施形態において、上記適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約40%~約75%である。いくつかの他の実施形態において、上記適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約45%~約60%である。いくつかの実施形態において、適切な投与量は、単一薬剤として最大耐用量の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%o、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、または約110%である。
【0050】
Rafインヒビターの適切な投与量は、日中または夜間(night)のいずれのときにも摂取され得る。いくつかの実施形態において、Rafインヒビターのうちの選択的インヒビターの適切な投与量は、朝に摂取される。いくつかの他の実施形態において、Rafインヒビターの適切な投与量は、晩(evening)に摂取される。いくつかの他の実施形態において、Rafインヒビターの適切な投与量は、朝および晩の両方に摂取される。Rafインヒビターの適切な投与量が、食物とともにまたはなしで摂取され得ることは、理解される。いくつかの実施形態において、Rafインヒビターの適切な投与量は、食事とともに摂取される。いくつかの実施形態において、Rafインヒビターの適切な投与量は、絶食中に摂取される。
【0051】
Rafインヒビターを投与する工程を包含する、神経膠腫(例えば、低グレード神経膠腫)のようながんを処置する方法が、本明細書で記載される。いくつかの実施形態において、上記方法は、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、化合物Aの結晶形態を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、化合物Aの塩を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、化合物Aを投与する工程を包含する。
【0052】
被験体の体表面積(BSA)に基づいて化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物(例えば、mg/m)を投与する工程を包含する、神経膠腫(例えば、低グレード神経膠腫)のようながんを処置する方法が、本明細書で記載される。BSAは、任意の適切な計算方法によって決定され得る。いくつかの実施形態において、上記BSAは、モステラー式(√((身長×体重)/3600))によって決定される。いくつかの実施形態において、上記BSAは、投与の各サイクルの開始時に決定される。
【0053】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり約600mgまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、または約1000mgまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり約600mgまでの化合物Aの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり約800mgまでの化合物Aの量において投与される。
【0054】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり1200mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり1000mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり800mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり600mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり500mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり300mg/mまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり200mg/mまでの量において投与される。Rafインヒビター(例えば、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物)の適切な投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、1用量あたり10mg/m~約1000mg/mの範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、単一用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、分割用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、複数用量として投与される。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の他の適切な投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、1用量あたり約200mg/m~約800mg/mの範囲に及び得る。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の他の適切な投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、1用量あたり約75mg/m~約200mg/mの範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、上記適切な投与量は、1用量あたり約100mg/m~約200mg/mである。いくつかの他の実施形態において、適切な投与量は、毎日2回の約150mg/m~約600mg/mである。いくつかの実施形態において、適切な投与量は、1用量あたり約20mmg/m2、約25mg/m、約30mg/m、約35mg/m、約40mg/m、約45mg/m、約50mg/m、約55mg/m、約60mg、約65mg/m、約70mg/m、約75mg/m、約80mg/m、約85mg/m、約90mg/m、約95mg/m、約100mg/m、約105mg/m、約110mg/m、約115mg/m、約120mg/m、約125mg/m、約130mg/m、約135mg/m、約140mg/m、約145mg/m、約150mg/m、約155mg/m、約160mg/m、約165mg/m、約170mg/m、約175mg/m、約180mg/m、約185mg/m、約190mg/m2、約195mg/m、約200mg/m2、約220mg/m 約240mg/m、約260mg/m、約280mg/m、約300mg/m、約320mg/m、約340mg/m、約360mg/m、約380mg/m、約400mg/m、約420mg/m、約440mg/m、約460mg/m、約480mg/m、約500mg/m、約520mg/m 約530mg/m、約560mg/m、約580mg/m、約600mg/m、約620mg/m、約640mg/m、約660mg/m、約680mg/m、約700mg/m、約720mg/m、約740mg/m、約760mg/m、約780mg/m、約800mg/m、約825mg/m、約850mg/m、約900mg/m、約950mg/m約1000mg/m、約1050mg/m、または約1100mg/mである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の適切な投与量は、1用量あたり約100mg~約1000mgの化合物Aである。いくつかの実施形態において、適切な投与量は、d・seあたり約20mg約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg約195mg、約200mg約220mg約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、約420mg、約440mg、約460mg、約480mg、約500mg、約520mg約530mg、約560mg、約580mg、約600mg、約620mg、約640mg、約660mg、約680mg、約700mg、約720mg、約740mg、約760mg、約780mg、または約800mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎週投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、投与は、化合物Aの遊離塩基形態に基づく。
【0055】
化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、開始用量において被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約100~約1000mg/mの化合物Aである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約20mg/m2、約25mg/m、約30mg/m、約35mg/m、約40mg/m、約45mg/m、約50mg/m、約55mg/m、約60mg、約65mg/m、約70mg/m、約75mg/m、約80mg/m、約85mg/m、約90mg/m、約95mg/m、約100mg/m、約105mg/m、約110mg/m、約115mg/m、約120mg/m、約125mg/m、約130mg/m、約135mg/m、約140mg/m、約145mg/m、約150mg/m、約155mg/m、約160mg/m、約165mg/m、約170mg/m、約175mg/m、約180mg/m、約185mg/m、約190mg/m2、約195mg/m、約200mg/m2、約220mg/m 約240mg/m、約260mg/m、約280mg/m、約300mg/m、約320mg/m、約340mg/m、約360mg/m、約380mg/m、約400mg/m、約420mg/m、約440mg/m、約460mg/m、約480mg/m、約500mg/m、約520mg/m 約530mg/m、約560mg/m、約580mg/m、約600mg/m、約620mg/m、約640mg/m、約660mg/m、約680mg/m、約700mg/m、約720mg/m、約740mg/m、約760mg/m、約780mg/m、約800mg/m、約825mg/m、約850mg/m、約875mg/m、約900mg/m、約925mg/m、約950mg/m、約975mg/m、または約1000mg/mである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に2回、3回、4回、5回、6回、または7回投与される。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約825mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約660mg/mAである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約530mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約420mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約410mg/m~約430mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約400mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約350mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約350mg/mである。いくつかの実施形態において、開始用量は、1週間あたり約280mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約600mg/m~約700mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約500mg/m~約550mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約400mg/m~約500mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約200mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、初期用量は、1週間あたり約250mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、上記投与は、化合物Aの遊離塩基形態に基づく。いくつかの実施形態において、上記投与は、1週間に1回投与される。
【0056】
化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、維持用量で被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、維持用量は、~約100~約1000mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約100~約800mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約20mg/m2、約25mg/m、約30mg/m、約35mg/m、約40mg/m、約45mg/m、約50mg/m、約55mg/m、約60mg、約65mg/m、約70mg/m、約75mg/m、約80mg/m、約85mg/m、約90mg/m、約95mg/m、約100mg/m、約105mg/m、約110mg/m、約115mg/m、約120mg/m、約125mg/m、約130mg/m、約135mg/m、約140mg/m、約145mg/m、約150mg/m、約155mg/m、約160mg/m、約165mg/m、約170mg/m、約175mg/m、約180mg/m、約185mg/m、約190mg/m2、約195mg/m、約200mg/m2、約220mg/m 約240mg/m、約260mg/m、約280mg/m、約300mg/m、約320mg/m、約340mg/m、約360mg/m、約380mg/m、約400mg/m、約420mg/m、約440mg/m、約460mg/m、約480mg/m、約500mg/m、約520mg/m 約530mg/m、約560mg/m、約580mg/m、約600mg/m、約620mg/m、約640mg/m、約660mg/m、約680mg/m、約700mg/m、約720mg/m、約740mg/m、約760mg/m、約780mg/m、約800mg/m、約825mg/m、約850mg/m、約875mg/m、約900mg/m、約925mg/m、約950mg/m、約975mg/m、または約1000mg/mである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に2、3、4、5、6、または7回投与される。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約825mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約660mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約530mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約420mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約350mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約280mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約600mg/m~約700mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約500mg/m~約550mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約400mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約420mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約410mg/m~約430mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約350mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約400mg/m~約500mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約200mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、1週間あたり約250mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、維持用量は、初期用量と同じである。いくつかの実施形態において、維持用量は、初期用量より高い。いくつかの実施形態において、維持用量は、初期用量より低い。いくつかの実施形態において、上記投与は、化合物Aの遊離塩基形態に基づく。いくつかの実施形態において、上記投与は、1週間に1回投与される。
【0057】
化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、最大耐用量において被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約100~約1200mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約100~約800mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約20mg/m2、約25mg/m、約30mg/m、約35mg/m、約40mg/m、約45mg/m、約50mg/m、約55mg/m、約60mg、約65mg/m、約70mg/m、約75mg/m、約80mg/m、約85mg/m、約90mg/m、約95mg/m、約100mg/m、約105mg/m、約110mg/m、約115mg/m、約120mg/m、約125mg/m、約130mg/m、約135mg/m、約140mg/m、約145mg/m、約150mg/m、約155mg/m、約160mg/m、約165mg/m、約170mg/m、約175mg/m、約180mg/m、約185mg/m、約190mg/m2、約195mg/m、約200mg/m2、約220mg/m 約240mg/m、約260mg/m、約280mg/m、約300mg/m、約320mg/m、約340mg/m、約360mg/m、約380mg/m、約400mg/m、約420mg/m、約440mg/m、約460mg/m、約480mg/m、約500mg/m、約520mg/m 約530mg/m、約560mg/m、約580mg/m、約600mg/m、約620mg/m、約640mg/m、約660mg/m、約680mg/m、約700mg/m、約720mg/m、約740mg/m、約760mg/m、約780mg/m、約800mg/m、約825mg/m、約850mg/m、約875mg/m、約900mg/m、約925mg/m、約950mg/m、約975mg/m、または約1000mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1用量あたり約500mg/m、約520mg/m 約530mg/m、約560mg/m、約580mg/m、または約600mg/mである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に2回、3回、4回、5回、6回、または7回投与される。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約825mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約660mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約530mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約420mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約280mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約800mg/m~約1000mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約600mg/m~約800mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約500mg/m~約550mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約400mg/m~約450mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約400mg/m~約500mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約200mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、1週間あたり約250mg/m~約300mg/mである。いくつかの実施形態において、上記投与は、化合物Aの遊離塩基形態に基づく。
【0058】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の上記長期的投与は、1週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の上記長期的投与は、1日に1回、2日ごとに1回、3日ごと、または1週間に1回である。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の上記長期的投与は、1日に少なくとも1回、2日ごとに少なくとも1回、少なくとも3日ごと、または1週間に少なくとも1回である。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の上記長期的投与は、1日に多くても1回、2日ごとに多くても1回、多くても3日ごと、または1週間に多くても1回である。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、本明細書で開示されるとおりの量を使用して長期的に投与される。
【0059】
いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1週間に1回、長期的に投与される。
【0060】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1ヶ月に4回、1ヶ月に5回、1ヶ月に6回、またはより多く、被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1ヶ月に4回、1ヶ月に5回、1ヶ月に6回、被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、多くとも1ヶ月に1回、多くとも1ヶ月に2回、多くとも1ヶ月に3回、多くとも1ヶ月に4回、多くとも1ヶ月に5回、多くとも1ヶ月に6回、被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、本明細書で開示されるとおりの量を使用して長期的に投与される。
【0061】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、30日間、60日間、120日間、180日間、240日間、300日間、360日間、720日間、1440日間、1880日間、または3600日間のクールにわたって被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも30日間、少なくとも60日間、少なくとも120日間、少なくとも180日間、少なくとも240日間、少なくとも300日間、少なくとも360日間、少なくとも720日間、少なくとも1440日間、少なくとも1880日間、または少なくとも3600日間のクールにわたって被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、長くても30日間、長くても60日間、長くても120日間、長くても180日間、長くても240日間、長くても300日間、長くても360日間、長くても720日間、長くても1440日間、長くても1800日間、または長くても3600日間のクールにわたって被験体に長期的に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、本明細書で開示されるとおりの量を使用して長期的に投与される。
【0062】
いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日間のクールにわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日間のクールにわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日間のクールにわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日間のクールにわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも1年間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも1年間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも1年間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも1年間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。
【0063】
いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約400~約450mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約410および430mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約500~約550mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。いくつかの実施形態において、少なくとも530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年にわたって1週間に1回、長期的に投与される。
【0064】
いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、30日間、60日間、120日間、180日間、240日間、300日間、360日間、720日間、1440日間、1880日間、または3600日間のクールにわたって、28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも30日間、少なくとも60日間、少なくとも120日間、少なくとも180日間、少なくとも240日間、少なくとも300日間、少なくとも360日間、少なくとも720日間、少なくとも1440日間、少なくとも1880日間、または少なくとも3600日間のクールにわたって、28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、長くても30日間、長くても60日間、長くても120日間、長くても180日間、長くても240日間、長くても300日間、長くても360日間、長くても720日間、長くても1440日間、長くても1800日間、または長くても3600日間のクールにわたって、28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、本明細書で開示されるとおりの量を使用して長期的に投与される。
【0065】
いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、360日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、1年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。
【0066】
いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、720日の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約280mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約350mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約420mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約400~約450mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約410~約430mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。いくつかの実施形態において、約530mg/mの化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が、少なくとも2年の期間にわたって28日の処置サイクルにおいて長期的に投与される。
【0067】
いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、最大用量まで毎週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、600mgより高い。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、多くても600mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、多くても530mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、多くても420mgである。いくつかの実施形態において、毎週1回(QW)の最大投与は、多くても350mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、多くても280mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、600mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、530mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、420mgである。いくつかの実施形態において、毎週1回(QW)の最大投与は、350mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大投与は、280mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、化合物Aである。
【0068】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎週1回(QW)最大用量まで経口投与(PO)される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、600mgより高い。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、最大で600mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、最大で530mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、最大で420mgである。いくつかの実施形態において、毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、最大で350mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、最大で280mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、600mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、530mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、420mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、350mgである。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の毎週1回(QW)の最大経口用量(PO)は、280mgである。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、化合物Aである。
【0069】
化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、用量上昇/下降スキームにおいて被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、上記用量上昇/下降スキームは、用量上昇の1回もしくはこれより多くのサイクル、用量下降の1回もしくはこれより多くのサイクル、または両方を含む。いくつかの実施形態において、その初期用量は、1週間あたり約200~約600mg/mの化合物Aに等しい。いくつかの実施形態において、その初期用量は、1週間あたり約400~約500mg/mの化合物Aに等しい(例えば、1週間に1回、420mg/mの化合物A)。いくつかの実施形態において、その初期用量は、1週間あたり約500~約600mg/mの化合物Aに等しい。例示的な用量上昇/下降スキームは、表1-A、1-B、および1-Cにおいて例証される。表1A~1Cにおいて示されるように、上記被験体は、その初期用量において投与され得る。被験体がその初期用量に耐容性を示さない場合、低減された用量が投与され得る。上記被験体がその低減された用量に耐容性を示さない場合、さらに低減された用量が投与され得る。被験体がその初期用量に耐容性を示す場合、上記被験体は、増大された用量で投与され得る(表1-Aまたは表1-Cを参照のこと)か、またはその初期用量で投与され続ける(表1-Bを参照のこと)。
【0070】
【表1-A】
【0071】
【表1-B】
【0072】
【表1-C】
【0073】
化合物Aは、毎週1回(QW)の投与を裏付け得る長い半減期を有するRafキナーゼインヒビターである。いくつかの実施形態において、化合物Aは、各投与間で6日間の休薬期間を伴って毎週1回投与される。Rafインヒビター(例えば、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物)の適切な毎週の投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、約1500mgまでの毎週1回(QW)の範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、単一もしくは分割、または複数の用量において、1500mgまでを毎週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、約1000mgまでを毎週1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1000mgまでを毎週1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、単一用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり600mgまでの量においてQWで投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1週間に1回600mgまでの量において経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、28日サイクルの2日目、9日目、16日目、および23日目に、1用量あたり600mgまでの量において投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、分割用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、同じ日に分割用量として投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、複数用量で投与される。適切な毎週の投与量は、1用量あたり約1000mgまで、各投与間で6日間の休薬期間で1週間に1回を含む。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、1用量あたり1000mgまで、各投与間で6日間の休薬期間で1週間に1回投与される。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の他の適切な毎週の投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、1週間に1回、1用量あたり約200mg~約1000mgの範囲に及び得る。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の他の適切な毎週の投与量は、一般に、単一もしくは分割、または複数の用量において、約400mg~約1000mgの範囲に及び得る。ある実施形態において、上記適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約400mg~約900mgである。いくつかの実施形態において、上記適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約500mg~約900mgである。いくつかの他の実施形態において、上記適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約400mg~約600mgである。いくつかの他の実施形態において、上記適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約200mg~約500mgである。いくつかの他の実施形態において、上記適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約200mg~約300mgである。いくつかの実施形態において、適切な毎週の投与量は、1週間に1回、1用量あたり約200mg、300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、または約900mgである。いくつかの実施形態において、上記QW投与スケジュールは、優れた安全性に基づいて、他の利用可能な治療から、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、およびタキサンの組み合わせを区別する。いくつかの実施形態において、上記QW投与スケジュールは、優れた有効性に基づいて、他の利用可能な治療から、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、およびタキサンの組み合わせを区別する。
【0074】
化合物Aはまた、28日の処置サイクルにおいて1週間に1回投与され得る。いくつかの実施形態において、その開始用量は、400mg、次いで、600mg、次いで、800mgである。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、200mgの2日ごとの処置スケジュールで到達する。いくつかの実施形態において、最大耐用量は、600mgの1週間に1回の処置スケジュールで到達する。
【0075】
被験体に投与される上記Rafインヒビターの投与量はまた、投与頻度に依存する。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、各投与間で6日間の休薬期間で毎週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、2日ごとに投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、22日サイクルにおいて化合物Aが投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、28日サイクルにおいて化合物Aが投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、28日サイクルにおいて投与され、ここで化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、28日サイクルの1日目、3日目、5日目、8日目、10日目、12日目、15日目、17日目、19日目、22日目、24日目、および26日目に投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は28日サイクルにおいて投与され、ここで化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、28日サイクルの2日目、9日目、16日目、および23日目に投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも26サイクルにわたって投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、11サイクル、12サイクル、13サイクル、14サイクル、15サイクル、16サイクル、17サイクル、18サイクル、19サイクル、20サイクル、21サイクル、22サイクル、23サイクル、24サイクル、25サイクル、26サイクル、27サイクル、28サイクル、29サイクル、または30サイクルにわたって投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも20サイクル、21サイクル、22サイクル、23サイクル、24サイクル、25サイクル、26サイクル、27サイクル、28サイクル、29サイクル、30サイクル、31サイクル、32サイクル、33サイクル、34サイクル、35サイクル、36サイクル、または40サイクルにわたって投与される。いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、または48ヶ月にわたって投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも8週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも10週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも10.5週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも12週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも15週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも20週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも28週間の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも2ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも3ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも4ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも5ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも6ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも7ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも8ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも9ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも10ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも11ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも12ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも13ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも14ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも15ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも16ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも17ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも18ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも19ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも20ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも21ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも22ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも23ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも24ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも25ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも26ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも27ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも28ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも29ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも30ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも36ヶ月の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも5年の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、少なくとも10年の期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期的に被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、1週間あたり400mg/m~約600mg/m(例えば、420mg/m)の化合物Aにおいて被験体に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩は、化合物Aである。
【0076】
1つの局面において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与して、処方された薬物動態プロフィールを達成することによって、神経膠腫(例えば、小児低グレード神経膠腫)を処置する方法が、本明細書で開示される。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の投与中または投与後に、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の血漿濃度は、検証された生体分析アッセイで決定され得る。例えば、以下の薬物動態(PK)パラメーターが、適切である場合には計算され得る: 観察される最大血漿濃度(Cmax)、0~tまでの濃度対時間曲線下面積(AUC0-t)、および薬物の見かけ上の経口クリアランス(CL/F)。
【0077】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与して、処方されたCmaxレベルを達成することによって、神経膠腫(例えば、小児低グレード神経膠腫)を処置する方法が、本明細書で開示される。化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物が投与される場合、Cmaxが測定され得る。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記被験体において、少なくとも2000ng/mLという化合物AのCmaxを達成するために十分な化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物の量を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも2500ng/mL、少なくとも3000ng/mL、少なくとも3500ng/mL、少なくとも4000ng/mL、少なくとも4500ng/mL、少なくとも5000ng/mL、少なくとも5500ng/mL、少なくとも6000ng/mL、少なくとも6500ng/mL、少なくとも7000ng/mL、少なくとも7500ng/mL、または少なくとも8000ng/mLの化合物AのCmaxを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
【0078】
いくつかの実施形態において、記載される方法は、上記被験体において、適切な範囲内である化合物AのCmaxを達成するために十分な量の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する方法を提供する。いくつかの実施形態において、Cmaxは、約2,000ng/mL~約8,000ng/mLである。いくつかの実施形態において、Cmaxは、少なくとも約2,000ng/mLである。いくつかの実施形態において、Cmaxは、最大で約8,000ng/mLである。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、約2,000ng/mL~約2,500ng/mL、約2,000ng/mL~約3,000ng/mL、約2,000ng/mL~約3,500ng/mL、約2,000ng/mL~約4,000ng/mL、約2,000ng/mL~約4,500ng/mL、約2,000ng/mL~約5,000ng/mL、約2,000ng/mL~約5,500ng/mL、約2,000ng/mL~約6,000ng/mL、約2,000ng/mL~約6,500ng/mL、約2,000ng/mL~約7,000ng/mL、約2,000ng/mL~約8,000ng/mL、約2,500ng/mL~約3,000ng/mL、約2,500ng/mL~約3,500ng/mL、約2,500ng/mL~約4,000ng/mL、約2,500ng/mL~約4,500ng/mL、約2,500ng/mL~約5,000ng/mL、約2,500ng/mL~約5,500ng/mL、約2,500ng/mL~約6,000ng/mL、約2,500ng/mL~約6,500ng/mL、約2,500ng/mL~約7,000ng/mL、約2,500ng/mL~約8,000ng/mL、約3,000ng/mL~約3,500ng/mL、約3,000ng/mL~約4,000ng/mL、約3,000ng/mL~約4,500ng/mL、約3,000ng/mL~約5,000ng/mL、約3,000ng/mL~約5,500ng/mL、約3,000ng/mL~約6,000ng/mL、約3,000ng/mL~約6,500ng/mL、約3,000ng/mL~約7,000ng/mL、約3,000ng/mL~約8,000ng/mL、約3,500ng/mL~約4,000ng/mL、約3,500ng/mL~約4,500ng/mL、約3,500ng/mL~約5,000ng/mL、約3,500ng/mL~約5,500ng/mL、約3,500ng/mL~約6,000ng/mL、約3,500ng/mL~約6,500ng/mL、約3,500ng/mL~約7,000ng/mL、約3,500ng/mL~約8,000ng/mL、約4,000ng/mL~約4,500ng/mL、約4,000ng/mL~約5,000ng/mL、約4,000ng/mL~約5,500ng/mL、約4,000ng/mL~約6,000ng/mL、約4,000ng/mL~約6,500ng/mL、約4,000ng/mL~約7,000ng/mL、約4,000ng/mL~約8,000ng/mL、約4,500ng/mL~約5,000ng/mL、約4,500ng/mL~約5,500ng/mL、約4,500ng/mL~約6,000ng/mL、約4,500ng/mL~約6,500ng/mL、約4,500ng/mL~約7,000ng/mL、約4,500ng/mL~約8,000ng/mL、約5,000ng/mL~約5,500ng/mL、約5,000ng/mL~約6,000ng/mL、約5,000ng/mL~約6,500ng/mL、約5,000ng/mL~約7,000ng/mL、約5,000ng/mL~約8,000ng/mL、約5,500ng/mL~約6,000ng/mL、約5,500ng/mL~約6,500ng/mL、約5,500ng/mL~約7,000ng/mL、約5,500ng/mL~約8,000ng/mL、約6,000ng/mL~約6,500ng/mL、約6,000ng/mL~約7,000ng/mL、約6,000ng/mL~約8,000ng/mL、約6,500ng/mL~約7,000ng/mL、約6,500ng/mL~約8,000ng/mL、または約7,000ng/mL~約8,000ng/mLである化合物AのCmaxを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与して、化合物Aの処方されたAUCレベルを達成することによって、神経膠腫(例えば、小児低グレード神経膠腫)を処置する方法が、本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、時間0~tまでの濃度対時間曲線下面積(AUC0-t)またはAUCss(定常状態AUC)は、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与された被験体において測定される。いくつかの実施形態において、AUC0-tは、AUC0-12(またはAUC0-12hr)、AUC0-24(またはAUC0-24hr)、またはAUC 0-48(またはAUC0-48hr)である。いくつかの実施形態において、上記AUC0-tは、AUC0-24である。いくつかの実施形態において、上記AUCは、AUCssである。
【0080】
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される方法は、上記被験体において、処方された定常状態AUC(AUCss)を達成するために十分な量の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも約100,000ng*h/mLである化合物AのAUCssを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約200,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約300,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも約400,000ng*h/mLである化合物AのAUCssを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約500,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約400,000ng*h/mL~少なくとも約800,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約500,000ng*h/mL~少なくとも約700,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約300,000ng*h/mL~少なくとも約800,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、少なくとも約200,000ng*h/mL~少なくとも約800,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、約100,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、最大で約600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、最大で約800,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、最大で約1,000,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、最大で約1,200,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUCssは、最大で約1,600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、約100,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、200,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、300,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL,400,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、500,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約500,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、約500,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mL、約500,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、600,000ng*h/mL~約1,600,000ng*h/mL、約600,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mL、または約600,000ng*h/mL~約800,000ng*h/mLである化合物AのAUCssを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、約300,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約650,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約750,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約650,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約750,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約850,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約950,000ng*h/mL、または約400,000ng*h/mL~約1,000,000ng*h/mLである化合物AのAUCssを達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される方法は、上記被験体において、処方されたAUC0-tを達成するために十分な量の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記AUC0-tは、AUC0-24である。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも約10,000ng*h/mLである化合物AのAUC0-24を達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも約50,000ng*h/mLである化合物AのAUC0-24を達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、少なくとも約100,000ng*h/mLである化合物AのAUC0-24を達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、AUC0-24は、少なくとも約100,000ng*h/mL~少なくとも約600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUC0-24は、約100,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUC0-24は、少なくとも約100,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、AUC0-24は、最大で約600,000ng*h/mLである。いくつかの実施形態において、方法は、被験体において、約100,000ng*h/mL~約150,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約200,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約250,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約300,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約350,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約100,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約200,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約250,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約300,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約350,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約150,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約250,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約300,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約350,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約200,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約300,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約350,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約250,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約350,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約300,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約400,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約350,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約450,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約400,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約450,000ng*h/mL~約500,000ng*h/mL、約450,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約450,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、約500,000ng*h/mL~約550,000ng*h/mL、約500,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mL、または約550,000ng*h/mL~約600,000ng*h/mLである化合物AのAUC0-24を達成するために十分な量の化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される方法は、上記被験体において、処方されたAUC0-∞を達成するために十分な量の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、化合物AのAUC0-∞は、約250μg・hr/L~約1,600μg・hr/Lを含む。いくつかの実施形態において、化合物AのAUC0-∞は、少なくとも約250μg・hr/Lを含む。いくつかの実施形態において、化合物AのAUC0-∞は、最大で約1,600μg・hr/Lを含む。いくつかの実施形態において、化合物AのAUC0-∞は、約250μg・hr/L~約350μg・hr/L、約250μg・hr/L~約450μg・hr/L、約250μg・hr/L~約550μg・hr/L、約250μg・hr/L~約650μg・hr/L、約250μg・hr/L~約750μg・hr/L、約250μg・hr/L~約850μg・hr/L、約250μg・hr/L~約950μg・hr/L、約250μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約250μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約250μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約250μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約350μg・hr/L~約450μg・hr/L、約350μg・hr/L~約550μg・hr/L、約350μg・hr/L~約650μg・hr/L、約350μg・hr/L~約750μg・hr/L、約350μg・hr/L~約850μg・hr/L、約350μg・hr/L~約950μg・hr/L、約350μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約350μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約350μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約350μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約450μg・hr/L~約550μg・hr/L、約450μg・hr/L~約650μg・hr/L、約450μg・hr/L~約750μg・hr/L、約450μg・hr/L~約850μg・hr/L、約450μg・hr/L~約950μg・hr/L、約450μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約450μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約450μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約450μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約550μg・hr/L~約650μg・hr/L、約550μg・hr/L~約750μg・hr/L、約550μg・hr/L~約850μg・hr/L、約550μg・hr/L~約950μg・hr/L、約550μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約550μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約550μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約550μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約650μg・hr/L~約750μg・hr/L、約650μg・hr/L~約850μg・hr/L、約650μg・hr/L~約950μg・hr/L、約650μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約650μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約650μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約650μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約750μg・hr/L~約850μg・hr/L、約750μg・hr/L~約950μg・hr/L、約750μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約750μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約750μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約750μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約850μg・hr/L~約950μg・hr/L、約850μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約850μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約850μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約850μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約950μg・hr/L~約1,000μg・hr/L、約950μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約950μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約950μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約1,000μg・hr/L~約1,250μg・hr/L、約1,000μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約1,000μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、約1,250μg・hr/L~約1,500μg・hr/L、約1,250μg・hr/L~約1,600μg・hr/L、または約1,500μg・hr/L~約1,600μg・hr/Lを含む。
【0083】
第2の薬剤の投与
いくつかの実施形態において、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物は、第2の治療剤とともに投与される。いくつかの実施形態において、上記第2の治療剤は、皮膚関連状態または障害(例えば、ざ瘡様発疹(acneiform rash)、斑状丘疹状発疹、ドライスキン、またはHFSR(発疹、手足皮膚反応(Rash,hand-foot skin reaction))を処置するために投与される。いくつかの実施形態において、低グレード神経膠腫の処置は、皮膚関連状態または障害を処置するために、1)化合物Aおよび2)1またはこれより多くの治療剤を投与される。いくつかの実施形態において、上記第2の治療剤は、濾胞反応(follicular reaction)、湿疹反応、爪囲炎、および手足症候群のうちの1またはこれより多くのものを処置するための薬剤である。いくつかの実施形態において、上記第2の治療剤は、ケトコナゾール、ステロイドクリーム剤/軟膏剤、局所用クリンダマイシン、経口抗生物質、および局所用角質溶解薬である。
被験体
【0084】
いくつかの実施形態において、被験体は、約0.5m~約2.0mの体表面積(BSA)を有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約0.5m~約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約0.5m、0.75m、1.0m、1.25m、1.5m、または1.75mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約0.5m~約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約2.0mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.9mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.8mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.7mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.6mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.4mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.3mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.2mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.1mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約1.0mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約0.9mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約0.8mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約0.7mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約0.6mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、最大で約0.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.4mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.6mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.7mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.8mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約0.9mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.0mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.1mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.2mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.3mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.4mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約0.5m~約0.75m、約0.5m~約1m、約0.5m~約1.25m、約0.5m~約1.5m、約0.75m~約1m、約0.75m~約1.25m、約0.75m~約1.5m、約1m~約1.25m、約1m~約1.5m、または約1.25m~約1.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約1.5m~約2.0mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、約2m~約2.5mのBSAを有する。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも1.5mのBSAを有する。
【0085】
1つの局面において、低グレード神経膠腫(LGG)の処置を必要とする被験体においてLGGを処置する方法であって、上記方法は、化合物A、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を、上記被験体に投与する工程を包含する方法が、本明細書で記載される。いくつかの実施形態において、上記LGGは、以下の変異のうちの1またはこれより多くのものを有する: RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異。実施形態において、患者は、MAPK変異を有する進行性の転移性またはかなりの(respectable)黒色腫を有するように含められた。いくつかの実施形態において、上記LGGは、BRAF変異を有する。いくつかの実施形態において、上記LGGは、V600E変異を有する。いくつかの実施形態において、上記LGGは、V600D変異を有する。いくつかの実施形態において、上記LGGは、V600K変異を有する。いくつかの実施形態において、上記LGGは、非V600E変異を有する。いくつかの実施形態において、上記BRAF変異は、非V600 BRAF変異である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、以下の野生型融合のうちの1またはこれより多くのものを有すると同定される: KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、およびNFIA:RAF1。いくつかの実施形態において、上記被験体は、SRGAP3:RAF1融合を有すると同定される。いくつかの実施形態において、上記被験体は、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定される。いくつかの実施形態において、上記被験体は、KIAA1549:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、STARD3NL:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、BCAS1:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、KHDRBS2:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、CCDC6:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、FAM131B:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、SRGAP:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、CLCN6:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、GNAI1:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、MRKN1:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、GIT2:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、GTF21:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、FXR1:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、RNF130:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、GTF21:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、BRAF:MACF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、TMEM106B:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、PPC1CC:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、CUX1:BRAF融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、SRGAP3:RAF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、QK1:RAF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、FYCO:RAF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、ATG7:RAF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、NFIA:RAF1融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、BRAF遺伝子融合を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、CRAF遺伝子融合を有する。
【0086】
化合物Aを投与する間に被験体の包含の基準が必要とされ得る。いくつかの実施形態において、被験体は、X線撮像での再発の非血液悪性疾患またはX線撮像での進行性の非血液悪性疾患を有する。いくつかの実施形態において、上記血液悪性疾患は、CNSまたは固形腫瘍に由来する。いくつかの実施形態において、上記血液悪性疾患は、RAS、RAF<EK、ERKの活性化と関連する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、NF1を有すると同定されていない。いくつかの実施形態において、上記被験体は、全身治療のうちの少なくとも1つの系統を受けたことがある。いくつかの実施形態において、上記被験体は、X線撮像での進行のエビデンスを有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、全身治療(例えば、化学療法)のうちの少なくとも1つの系統を受けたことがあり、X線撮像での進行のエビデンスを有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、再発性のLGGを有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、難治性のLGGを有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、上記LGGを処置するための手術を以前に受けたことがある。いくつかの実施形態において、上記被験体は、完全なおよび部分的な外科的切除を以前に受けたことがある。
【0087】
化合物Aを投与する間の副次的転帰尺度の基準が、考慮され得る。いくつかの実施形態において、上記副次的転帰尺度は、安全性、薬物動態、運動機能、ECG測定に対する効果、または視力を含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、上記被験体は、約6ヶ月齢~25歳である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、小児である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、青年である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、成人である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、約1歳~25歳である。いくつかの実施形態において、被験体は、25歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、20歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、15歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、10歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、被験体は、6ヶ月齢~5歳である。いくつかの実施形態において、被験体は、6ヶ月齢~10歳である。いくつかの実施形態において、被験体は、6ヶ月齢~15歳である。いくつかの実施形態において、被験体は、20歳、19歳、18歳、17歳、16歳、15歳、14歳、13歳、12歳、11歳、10歳またはそれより年少である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳、23歳、24歳、25歳である。いくつかの実施形態において、上記被験体は、パフォーマンスステータスに関して測定される。いくつかの実施形態において、上記パフォーマンスステータスは、KarnofskyパフォーマンスステータスまたはLanskyパフォーマンスステータスである。いくつかの実施形態において、Karnofskyステータスは、50より高いかまたはこれに等しい。いくつかの実施形態において、Lanskyステータスは、50より高いかまたはこれに等しい。いくつかの実施形態において、上記被験体は、低グレード神経膠腫を有する。いくつかの実施形態において、上記被験体は、標準治療に失敗したことがある。
【実施例
【0089】
実施例
【0090】
実施例1: 化合物A処置スケジュール
【0091】
化合物Aを、530mg/mの用量(800mgを超えない)において、毎週1回(QW)PO投与する(28日サイクルの1日目、8日目、15日目、22日目)。体表面積(BSA)を、モステラー式(√((身長×体重)/3600))によって決定する。この試験に登録した患者を、安全性評価委員会(SRC)がプロトコールに特定された旧来の用量制限毒性(protocol-specified traditional dose limiting toxicity)(DLT)基準に基づいてデータを評価して、化合物A処置の最初の28日間の後に安全性および化合物A耐容性に関して評価する。上記患者が1週間あたり530mg/mの用量に耐容性を示す場合、化合物Aを、同じ用量において投与し続ける。上記患者が、1週間あたり530mg/mの用量に耐容性を示さない場合、低減された用量(例えば、420mg/m)を投与する。上記患者が、1週間あたり420mg/mの用量に耐容性を示さない場合、さらに低減された用量を投与する。
【0092】
処置サイクルを、疾患の進行または許容不能な毒性の非存在下で28日ごとに反復する。患者は、サイクル3(C3)の終了で開始して、3サイクルごとの終了時に、彼らの疾患のX線撮像による評価を受ける。患者は、RANO基準によって疾患進行のX線撮像でのエビデンスが出るまで、または患者のケアチームによって他の理由から推奨される場合に、化合物Aを継続する。
【0093】
疾患進行のX線撮像でのエビデンスを有する患者は、ケアチームの見解で、上記患者が処置を継続することから臨床上の利益を得ている場合には、化合物Aを継続することが許容されることもある。疾患の評価は、進行していても処置されている患者については、継続するべきである。
【0094】
化合物Aを、530mg/m(800mgを超えない)において、経口錠剤または年齢に適した製剤(懸濁物またはスプリンクル(sprinkle))として投与する。錠剤を嚥下できる患者は、錠剤製剤を受容する。およそ50名の患者が、錠剤製剤を受容することになる。錠剤を嚥下できないかまたは嚥下する意志のない患者は、いったん入手可能になった後、年齢に適した製剤を受容する。およそ10名の患者が、年齢に適した製剤を受容することになる。
【0095】
患者は、サイクル1、1日目1(すなわち、C1D1)に、530mg/m QW(800mg QWを超えない)での処置を開始する。各サイクルは、28日間の継続投与からなる。
【0096】
実施例2. 患者-レベル用量、曝露、および予備応答データ
【0097】
3+3デザインを使用する。毎週経口による350mg/mの成人用量(代表的な成人BSA 1.7mを使用する)に基づくと、小児試験の開始用量は、成人RP2Dの80%であった。これは、毎週経口による280mg/mであった。用量制限毒性(DLT)が観察されるまで、用量を、患者間での段階的様式で上昇させた。3種の異なる用量レベル: 280mg/m、350mg/m、および420mg/m
【0098】
処置を、成人用量の80%で開始した(すなわち、以下の計算に基づいて毎週1回経口による280mg/m):
・ 毎週1回600mgの成人用量および平均成人BSA(m) 1.73m=350mg/m
・ 350mg/mの80%=280mg/m 開始用量。
【0099】
用量上昇スキームは、表1-Aに記載される。初期フェーズは、毎週、最大530mg/m/用量への3用量上昇レベルを含んだ。
【0100】
薬物動態試験を、静脈アクセスが許容される場合、治験のフェーズI構成要素における全ての患者に対して行った。初期フェーズ1は、毎週最大530mg/m/用量への3用量上昇レベルを含んだ。PK試験も行って、末梢血単核細胞におけるリン酸化ERKを評価した。
【0101】
予備分析から、曝露に基づく応答に差異が存在し得ることが示唆された。mg/kg単位での小児の値のPK分析から、ほぼ2.2倍の差異が示唆された。さらに、予備観察から、最低のBSAおよび最高の曝露を有する患者間で、より堅固な応答が注記された。
【0102】
患者-レベル用量、曝露、および予想される曝露を、表3に例証する。応答データを、表2に例証する。
【表2】
略語: AUC0-∞=時間0から無限大までの濃度-時間曲線下面積; BSA=体表面積; RANO応答(SPD): CR=-100%; PR=ベースラインからの-50%またはより大きな低減; PD=最下点から≧25% 増殖、SD=-50%~+25%の間。被験体-8(PNOC014-08)は、420mg/mで投与し、PKデータを有しなかったが、RANO基準によってCRの最良の応答を達成した。
【表3】
略語: AUC0-∞=時間0から無限大までの濃度-時間曲線下面積; BSA=体表面積
【0103】
さらなる結果および分析を、図1および図2に示す。
【0104】
図2は、経時的な化合物Aに対するこれらの9名の個々の小児LGG(pLGG)患者応答のフェーズ1治験データを図示する。病変サイズの縮小は、化合物A投与の開始後に得られた1回目の放射線画像において9名の患者のうちの6名において観察された。応答までのメジアン時間は、10.5週間であった。2名の患者は完全奏効を達成し、これは、2年間までの投与期間全体を通じて維持された。3名の患者が部分奏効を有し、2名が長期の安定病態を達成し、2名が応答を達成しなかった。
【0105】
図1は、化合物Aでの処置に対して完全奏効(100%低減)または部分奏効(腫瘍の二次元測定において>50%低減)を有したこれらのpLGG患者でのフェーズ1治験データを図示する。RAF融合を有する8名の患者のうちの5名が、ベースラインと比較して、RANO基準に従って、完全奏効または部分奏効(≧50%低減と定義される)のいずれかを有した。RAF融合を有する8名の患者のうちの2名は、長期の安定病態を有した。RAF融合を有する1名の患者は、化合物Aに応答しなかった。NF1関連pLGGを有する1名の患者は、化合物Aに応答しなかった。
【0106】
実施例3: 化合物A処置スケジュール
【0107】
この治験は、2つのBSA下位群において最大耐用量の別個の決定を可能にするために、改変されたベイズ適合Sub-TITEデザイン(Bayesian adaptive Sub-TITE design)(下位群特異的な時間-対-事象連続再評価法)に従う(表1-Cを参照のこと)。化合物Aを、経口錠剤として投与する。その開始用量は、1週間ごとの経口による420mg/m2/用量である(表1-Cを参照のこと)。用量上昇決定を、上記Sub-TITEベイズモデルによって知らせる。薬物動態試験を、治験の全患者に対して行う。薬力学試験(末梢血単核細胞におけるリン酸化ERKの測定を含む)をまた、治験の全患者に対して行う。組織ベースの薬力学試験を、腫瘍組織が利用可能である患者に対して行う。
【0108】
実施例4: 再発または進行性の低グレード神経膠腫を有する小児および若年成人患者における化合物Aの有効性および安全性を評価するためのフェーズ2試験
【0109】
この治験は、フェーズ2多施設オープンラベル試験に従って、既知のBRAF変化を有する再発または進行性低グレード神経膠腫を有する小児、青年、および若年成人患者における経口汎RAFインヒビター化合物Aの安全性および有効性を評価する。
【0110】
およそ60名の小児患者を、26サイクルの計画された期間(およそ24ヶ月)にわたって、化合物A(経口汎RAFインヒビター)で処置する。
【0111】
化合物Aを、各28日の処置サイクルにわたって1週間に1回、420mg/m(600mgを超えない)の推奨されるフェーズ2用量(RP2D)において経口投与する。化合物Aを、経口錠剤として投与する。例えば、2種の強度(20mgおよび100mg)の即時放出錠剤を投与し得る。処置サイクルを、疾患進行または許容不能な毒性がない場合に、28日ごとに反復する。患者は、3サイクルごとの終了時に、彼らの疾患の評価を受ける。患者は、治験担当者によって決定されるとおりのRANO基準による疾患進行のX線撮像でのエビデンス、許容不能な毒性、患者による同意の撤回、または死亡まで、化合物Aを継続する。
【0112】
疾患進行のX線撮像でのエビデンスを有する患者は、治験担当者の見解および治験依頼者の承認において、その患者が試験処置を継続することから臨床上の利益を得ている場合には、化合物Aを継続することが許容されることもある。進行していても処置されている患者についての疾患の評価は、規則的なスケジュールに従って継続するべきである。
【0113】
主要転帰尺度は、RANO基準に基づいて、独立した放射線審査委員会(independent radiology review committee)(IRC)によって行われる。副次的転帰尺度はまた、考慮される。例えば:
1)安全性および耐容性[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
2)薬物動態[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
3)心電図(ECG)およびFridericiaの式による心拍数で補正したQT間隔(QTcF)延長に対する効果[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
4)RANO基準を使用する治験担当者によるORR[時間枠:処置の12ヶ月以内]、
5)RAPNO基準を使用するIRCおよび治験担当者によるORR[時間枠:処置の12ヶ月以内],
6)RANOおよびRAPNO基準を使用するIRCおよび治験担当者による無増悪生存期間(PFS)[時間枠:第1の用量から試験終了まで]、
7)RANOおよびRAPNO基準を使用するCRまたはPRの最良の全体的応答に伴う奏効期間(DOR)[時間枠:処置の12ヶ月以内]、
8)応答までの時間[時間枠:処置の12ヶ月以内]、
9)臨床上の利益率[時間枠:処置の12ヶ月以内]、
10)視力[時間枠:処置の12ヶ月以内]、および
11)分子プロファイリング[時間枠:第1の用量から試験終了まで]。
【0114】
他の予め特定された転帰尺度が評価され得る。例えば:
1)応答および進行までの時間(TTP)[時間枠:処置の12ヶ月以内]、
2)全腫瘍容積[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
3)拡散係数の変化[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
4)クオリティーオブライフ(QoL)および健康有用性(health utility)[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、
5)運動機能[時間枠:第1の用量から処置終了まで]、および
6)応答の耐久性[時間枠:処置終了後2年間]。
【0115】
包含基準は、既知の活性化しているBRAF活性化を有する再発または進行性LGGを有する6ヶ月齢~25歳の間の患者を含み得る。包含基準はまた、LGGの組織病理学診断および活性化しているBRAF変化の分子診断の確認を必要とし得る。症例によっては、上記患者は、少なくとも1つの系統の全身治療を受けていなければならず、X線撮像での進行のエビデンスを有する。症例によっては、上記患者は、RANO基準によって定義されるとおりの少なくとも1つの測定可能な病変を有しなければならない。
【0116】
症例によっては、患者は、腫瘍がさらなる以前に既知の活性化している分子変化を有する場合には、排除され得る。患者は、X線撮像での進行の非存在下で臨床上の進行の症状が存在する場合には、排除され得る。症例によっては、患者は、神経線維腫症1型(NF-1)の診断が既知であるかまたは疑われる場合に、排除され得る。さらに、患者は、治験プロトコールに従って排除され得る。
【0117】
例示的な治験デザインを、図3に図示する。
【0118】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態が例証によって提供されるに過ぎないことは、当業者に明らかである。ここで多くのバリエーション、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者に想起される。本明細書で記載される発明の実施形態に対する種々の変更は、本発明を実施するにあたって使用され得ることは、理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある方法および構造は、それによって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】