(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(54)【発明の名称】半導体構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20231110BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H10B12/00 801
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527715
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2021128087
(87)【国際公開番号】W WO2023273079
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110746053.8
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ハン チンフア
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD06
5F083AD11
5F083AD69
5F083GA09
5F083GA28
5F083HA06
5F083JA03
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR06
5F083PR12
5F083PR36
(57)【要約】
本開示は、半導体構造およびその製造方法を開示し、製造方法は、ベースを提供する工程と、ベース上にビットラインを形成し、ベースから離れるビットラインの表面に、順に配列された第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域を含む半導体チャネルを形成する工程と、半導体チャネルの側壁を取り囲む第1誘電体層を形成する工程であって、同一のビットライン上の隣接する半導体チャネルの側壁に位置する第1誘電体層の間に第1ギャップを有する、工程と、第1誘電体層の材料とは異なる材料で第1ギャップを充填する第2誘電体層を形成する工程と、チャネル領域の側壁が露出されるまで第1誘電体層の一部を除去する工程と、少なくともチャネル領域の側壁面を覆う絶縁層を形成する工程であって、絶縁層と第2誘電体層との間に第2ギャップを有する、工程と、第2ギャップを充填するワードラインを形成する工程と、を含む。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造の製造方法であって、
ベースを提供する工程と、
前記ベース上にビットラインを形成し、前記ベースから離れる前記ビットラインの表面に半導体チャネルを形成する工程であって、前記ベースが前記ビットラインを指向する方向において、前記半導体チャネルは、順に配列された第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域を含む、工程と、
前記半導体チャネルの側壁を取り囲む第1誘電体層を形成する工程であって、同一の前記ビットライン上の隣接する前記半導体チャネルの側壁に位置する前記第1誘電体層の間に第1ギャップを有する、工程と、
前記第1ギャップを充填する第2誘電体層を形成する工程であって、前記第2誘電体層の材料と前記第1誘電体層の材料とが異なる、工程と、
前記チャネル領域の側壁が露出されるまで前記第1誘電体層の一部を除去する工程と、
少なくとも前記チャネル領域の側壁面を覆う絶縁層を形成する工程であって、前記絶縁層と前記第2誘電体層との間に第2ギャップを有する、工程と、
前記第2ギャップを充填するワードラインを形成する工程と、を含む、半導体構造の製造方法。
【請求項2】
前記チャネル領域の側壁が露出されるまで前記第1誘電体層の一部を除去する工程は、
前記第2ドーピング領域の側壁が露出されるまで、前記第1誘電体層の一部をエッチングする工程と、
第3誘電体層を形成する工程であって、前記第3誘電体層は、前記第2ドーピング領域の側壁を取り囲み、且つ前記第2誘電体層の側壁に位置し、前記第2ドーピング領域の側壁に位置する前記第3誘電体層と、前記第2誘電体層の側壁に位置する前記第3誘電体層とが共通に取り囲んで、底部が前記第1誘電体層を露出するスルーホールを形成し、前記第3誘電体層の材料と前記第1誘電体層の材料とが異なる、工程と、
前記スルーホールが露出した前記チャネル領域の側壁に位置する前記第1誘電体層を除去する工程であって、余剰の前記第1誘電体層は、前記第1ドーピング領域の側壁を取り囲む、工程と、を含む、
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁層を形成する工程は、
露出された前記チャネル領域の側壁を熱酸化処理して、前記絶縁層を形成する工程を含み、前記絶縁層は、余剰の前記チャネル領域の側壁面を覆う、
請求項2に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項4】
前記ワードラインを形成する工程は、
前記第2ギャップおよび前記スルーホールを充填する初期ワードラインを形成する工程であって、前記初期ワードラインはさらに、隣接する前記ビットライン上の前記チャネル領域の側壁の前記絶縁層の間に位置する、工程と、
前記スルーホール内に位置する前記初期ワードラインを除去する工程であって、余剰の前記初期ワードラインは前記ワードラインとして使用される、工程と、を含む、
請求項2に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項5】
前記ワードラインを形成した後、前記半導体構造の製造方法は、前記スルーホールを充填する第4誘電体層を形成する工程をさらに含む、
請求項4に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項6】
前記チャネル領域の側壁が露出されるまで前記第1誘電体層の一部を除去する工程は、前記第2ドーピング領域の側壁に位置する前記第1誘電体層を除去する工程をさらに含み、前記絶縁層を形成する工程において、前記絶縁層はさらに、前記第2ドーピング領域の側壁を覆う、
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項7】
前記ワードラインを形成する工程は、
前記第2ギャップを充填する初期ワードラインを形成する工程であって、前記初期ワードラインはさらに、隣接する前記ビットライン上の前記半導体チャネルの側壁の一部における前記絶縁層の間に位置する、工程と、
前記初期ワードラインの一部を除去する工程であって、余剰の前記初期ワードラインは、前記チャネル領域の側壁に位置する前記絶縁層のみを取り囲む前記ワードラインとして使用される、工程と、を含む、
請求項6に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項8】
前記ビットラインおよび前記半導体チャネルを形成する工程は、
前記ベース上に第1マスク層を形成する工程と、
前記第1マスク層をマスクとして前記ベースをエッチングし、複数の第1トレンチを形成する工程と、
前記第1マスク層を除去して、前記第1トレンチに第5誘電体層を形成する工程と、
前記第5誘電体層と余剰の前記ベースとが共通に構成した上面に第2マスク層を形成する工程と、
前記第2マスク層をマスクとして前記ベースと前記第5誘電体層とをエッチングし、複数の第2トレンチ、前記ビットラインおよび前記半導体チャネルを形成する工程であって、前記ベース表面に垂直な方向において、前記第2トレンチの深さは、前記第1トレンチの深さより小さい、工程と、
前記第2マスク層を除去する工程と、を含む、
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項9】
前記第1マスク層は、互いに分離された複数の第1開口を有し、前記第2マスク層は、互いに分離された複数の第2開口を有し、前記第1開口の延在方向は、前記第2開口の延在方向に対して垂直である、
請求項8に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項10】
前記半導体チャネルの側壁に垂直な方向において、前記第1開口の開口幅と前記第2開口の開口幅との比が2~1であり、隣接する前記第1開口間の間隔は、隣接する前記第2開口間の間隔と等しい、
請求項9に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項11】
前記第1誘電体層を形成する工程は、
前記第2トレンチの側壁に位置する第6誘電体層を形成する工程であって、余剰の前記第5誘電体層と前記第6誘電体層とは共通に前記第1誘電体層を形成し、前記第2トレンチの側壁に位置する前記第6誘電体層の間に前記第1ギャップを有する、工程を含む、
請求項8に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項12】
前記半導体構造の製造方法は、
エピタキシャル成長工程を用いて、前記第2ドーピング領域の上面にコンデンサ接触層を形成する工程をさらに含み、前記ビットライン上の前記コンデンサ接触層の正投影は、前記ビットライン上の前記第2ドーピング領域の正投影を覆う、
請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項13】
半導体構造であって、
ベースと、
前記ベース上に位置するビットラインと、
前記ビットライン表面に位置し、前記ベースが前記ビットラインを指向する方向において、順に配列された第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域を含み、前記第1ドーピング領域は、前記ビットラインに接する、半導体チャネルと、
前記第1ドーピング領域を取り囲んで設けられた第1誘電体層であって、同一の前記ビットライン上の隣接する前記第1ドーピング領域の側壁の前記第1誘電体層の間に第1ギャップを有する、第1誘電体層と、
少なくとも前記チャネル領域の側壁面を覆う絶縁層と、
前記チャネル領域の側壁に位置する前記絶縁層を取り囲むワードラインであって、隣接する前記ワードラインの間に第2ギャップを有する、ワードラインと、
少なくとも前記第1ギャップと前記第2ギャップとに位置する隔離層であって、前記ベースから離れる前記隔離層の上面は、前記第2ドーピング領域から離れる前記隔離層の上面より低くない、隔離層と、を含む、半導体構造。
【請求項14】
前記ベース、前記ビットラインおよび前記半導体チャネルは、同一の半導体素子を有する、
請求項13に記載の半導体構造。
【請求項15】
前記第1ドーピング領域、前記チャネル領域および前記第2ドーピング領域には、同じタイプのドーピングイオンがドーピングされ、前記第1ドーピング領域における前記ドーピングイオンのドーピング濃度は、前記チャネル領域における前記ドーピングイオンのドーピング濃度および前記第2ドーピング領域における前記ドーピングイオンのドーピング濃度と一致し、前記ドーピングイオンは、N型イオンまたはP型イオンのいずれかである、
請求項13に記載の半導体構造。
【請求項16】
前記半導体構造はさらに、前記第2ドーピング領域の上面に位置するコンデンサ接触層を含み、前記ビットライン上の前記コンデンサ接触層の正投影が、前記ビットライン上の前記第2ドーピング領域の正投影を覆い、前記コンデンサ接触層は前記ドーピングイオンを有し、前記コンデンサ接触層内の前記ドーピングイオンのドーピング濃度は、前記第2ドーピング領域における前記ドーピングイオンのドーピング濃度より大きい、
請求項15に記載の半導体構造。
【請求項17】
前記ビットライン上の前記チャネル領域の正投影は、前記ビットライン上の前記第2ドーピング領域の正投影より小さく、且つ、前記ビットライン上の前記第1ドーピング領域の正投影より小さい、
請求項13に記載の半導体構造。
【請求項18】
前記隔離層は、
前記第1ギャップと前記第2ギャップ内に位置し、且つ前記ベースから離れる上面が、前記ベースから離れる前記第2ドーピング領域の上面より低くない第2誘電体層と、
前記第2ドーピング領域の側壁を覆う第3誘電体層と、を含む、
請求項13に記載の半導体構造。
【請求項19】
前記ビットライン上の前記絶縁層の外周の正投影は、前記ビットライン上の前記第3誘電体層の外周の正投影より小さい、
請求項18に記載の半導体構造。
【請求項20】
前記第1誘電体層は、
隣接する前記ビットラインの間隔に位置し、且つ隣接する前記ビットライン上の隣接する前記第1ドーピング領域の間隔に位置する第5誘電体層と、
同一の前記ビットライン上の隣接する前記第1ドーピング領域の側壁に位置し、且つ前記第5誘電体層の側壁に位置する第6誘電体層と、を含む、
請求項13に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
【0002】
本願は、2021年07月01日に中国特許局に提出された、出願番号が202110746053.8であり、発明の名称が「半導体構造およびその製造方法」である特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0003】
本開示は、半導体構造およびその製造方法に関するものであるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0004】
半導体デバイスの集積密度がますます高くなるにつれて、半導体構造内のトランジスタの配置方式や、半導体構造内の個々の機能デバイスのサイズの縮小方式について研究が開始された。
【0005】
関連技術において、サドル型フィントランジスタに基づくダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memor)メモリセルの占有面積が6F2(F:所定の工程条件下で得られる最小パターンサイズである)であり、DRAMの占有面積をさらに小さくするために、DRAMを等比でスケーリングすると、近接ゲート効果などの問題が発生し、DRAMの電気的性能に悪影響を及ぼすことになる。垂直なゲートオールアラウンド(GAA:Gate-All-Around)トランジスタ構造を選択トランジスタ(access transistor)として利用する場合、その占有面積が4F2となり、原則として、より高い密度効率を実現できるが、サイズの一部では、製造工程に用いる機器および製造プロセスの制約のため、ワードラインエッチングが困難であることなどの問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下、本開示で詳細に説明する主題の概要である。本概要は、特許請求の範囲の保護範囲を制限するものではない。
【0007】
本開示の実施例は、ワードラインの形成工程を簡略化し、且つサイズ精度が高く、サイズの小さいワードラインおよび半導体チャネルを形成するのに有利な半導体構造およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施例の第1態様では、半導体構造の製造方法を提供し、当該方法は、ベースを提供する工程と、前記ベース上にビットラインを形成し、前記ベースから離れる前記ビットラインの表面に半導体チャネルを形成する工程であって、前記ベースが前記ビットラインを指向する方向において、前記半導体チャネルは、順に配列された第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域を含む、工程と、前記半導体チャネルの側壁を取り囲む第1誘電体層を形成する工程であって、同一の前記ビットライン上の隣接する前記半導体チャネルの側壁に位置する前記第1誘電体層の間に第1ギャップを有する、工程と、前記第1ギャップを充填する第2誘電体層を形成する工程であって、前記第2誘電体層の材料と前記第1誘電体層の材料とが異なる、工程と、前記チャネル領域の側壁が露出されるまで前記第1誘電体層の一部を除去する工程と、少なくとも前記チャネル領域の側壁面を覆う絶縁層を形成する工程であって、前記絶縁層と前記第2誘電体層との間に第2ギャップを有する、工程と、前記第2ギャップを充填するワードラインを形成する工程と、を含む。
【0009】
本開示の実施例の第2態様では、半導体構造を提供し、当該半導体構造は、ベースと、前記ベース上に位置するビットラインと、前記ビットライン表面に位置し、前記ベースが前記ビットラインを指向する方向において、順に配列された第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域を含み、前記第1ドーピング領域は、前記ビットラインに接する、半導体チャネルと、前記第1ドーピング領域を取り囲んで設けられた第1誘電体層であって、同一の前記ビットライン上の隣接する前記第1ドーピング領域の側壁の前記第1誘電体層の間に第1ギャップを有する、第1誘電体層と、少なくとも前記チャネル領域の側壁面を覆う絶縁層と、前記チャネル領域の側壁に位置する前記絶縁層を取り囲むワードラインであって、隣接する前記ワードラインの間に第2ギャップを有する、ワードラインと、少なくとも前記第1ギャップと前記第2ギャップとに位置する隔離層であって、前記ベースから離れる前記隔離層の上面は、前記第2ドーピング領域から離れる前記隔離層の上面より低くない、隔離層と、を含む。
【0010】
図面と詳細な説明を読んで理解した後、他の態様を理解することができる。
【0011】
明細書に組み込まれて明細書の一部を構成する図面は、本開示の実施例を示し、説明とともに本開示の実施例の原理を解釈するために使用される。これらの図面には、類似した符号は、類似した構成要素を示す。以下の説明における図面は、本開示のすべての実施例ではなく、いくつかの実施例である。当業者にとっては、創造的な労働なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図2】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図3】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図4】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図5】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図6】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図7】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図8】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図9】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図10】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図11】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図12】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図13】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図14】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図15】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図16】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図17】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図18】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図19】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図20】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図21】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図22】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図23】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図24】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図25】本開示の一実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図26】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図27】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図28】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図29】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図30】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【
図31】本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施例の技術的解決策を本開示の実施例の図面に組み合わせて明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本開示のすべての実施例ではなく、実施例の一部であることは明らかである。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働なしに獲得したすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。なお、本開示の実施例および実施例の特徴は、衝突することなく互いに任意に組み合わせることができる。
【0014】
分析の結果、GAAトランジスタ内の半導体チャネルのチャネル領域の側壁を取り囲むワードラインを形成する際、通常には、堆積とエッチングの2つの工程により、互いに分離された複数のワードラインを形成する必要のあることが分かった。しかしながら、集積度が高く、隣接する半導体チャネル間の間隔も小さく、エッチング工程によりワードラインを形成する工程では、エッチングの精度の制御が困難であるため、ワードラインを形成するサイズ精度の制御も困難である。さらに、GAAトランジスタのサイズが小さい場合、垂直構造のGAA接合型トランジスタを形成しようとすると、半導体チャネルの各領域へのドーピング濃度の制御が困難となり、最終的に形成されるPN接合の歩留りに影響を与える。
【0015】
本開示の実施例は、半導体構造およびその製造方法を提供し、製造方法において、第1誘電体層の一部が、後続に形成する必要のある絶縁層とワードラインの位置を占め、後続に第2誘電体層を形成した後、チャネル領域の側壁に位置する第1誘電体層を除去する際に、余剰の第1誘電体層が第1ドーピング領域の側壁に位置することにより、チャネル領域の側壁に絶縁層を形成するときに、余剰の第1誘電体層が第1ドーピング領域を影響から保護することができ、絶縁層と第2誘電体層との間に第2ギャップを形成すると、自己整列の方式で、第2ギャップに正確な寸法を有するワードラインを形成することができ、エッチング工程を経ずに、高寸法精度のワードラインを形成することができるため、ワードラインの形成工程の簡略化に有利であり、第2ギャップのサイズを調整することにより、小さいサイズを有するワードラインを得ることができる。さらに、第1ドーピング領域、チャネル領域および第2ドーピング領域におけるドーピングイオンのドーピング濃度は同一でもよいため、半導体チャネル105によって構成されたデバイスを無接合トランジスタ(Junctionless Transistor)とする。
【0016】
本開示の実施例は、半導体構造の製造方法を提供し、以下、図面に組み合わせて本開示の実施例による半導体構造の製造方法について詳細に説明する。
図1~
図25は、本開示の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。なお、説明の便宜上、半導体構造の製造方法の工程を明確に示すために、本実施例の
図1~
図25は、いずれも半導体構造の例示的な局所構造図である。
【0017】
図1を参照すれば、ベース100を提供し、本実施例において、ベース100は、基板110、および基板110上に順に積層されたバッファ層120と保護層130を含む。
【0018】
本実施例において、ベース100を提供することは、次の工程を含む。
【0019】
基板110を提供し、基板110の材料の種類は、元素半導体材料または結晶性無機化合物半導体材料であり得る。元素半導体材料は、ケイ素またはゲルマニウムであってもよく、結晶性無機化合物半導体材料は、炭化ケイ素、ゲルマニウム化ケイ素、ヒ化ガリウムまたはインジウムガリウムヒ素などであってもよい。
【0020】
基板110は、第1タイプのイオンがドーピングされた半導体ウェル層11と、半導体ウェル層11上に設けられた初期半導体層10とを含む。
【0021】
初期半導体層10に対してドーピング処理およびアニーリング処理を行うことにより、初期半導体層10内に第2タイプのイオンがドーピングされるようにし、後続に初期半導体層10の基でビットラインおよび半導体チャネルを形成するために使用される。第2タイプのイオンは、第1タイプのイオンと異なり、第1タイプのイオンと第2タイプのイオンは、いずれもN型イオンまたはP型イオンのいずれかである。N型イオンは、ヒ素イオン、リンイオンまたはアンチモンイオンのうちの少なくとも1つであり、P型イオンは、ホウ素イオン、インジウムイオンまたはガリウムイオンのうちの少なくとも1つである。
【0022】
ドーピング処理は、高温拡散またはイオン注入の方法を採用することができ、イオン注入の方式を用いて初期半導体層10に対してドーピング処理を行った後、アニーリング処理のアニーリング温度は、800℃~1000℃である。
【0023】
本実施例において、初期半導体層10内の第2タイプのイオンドーピング濃度は、1×1019atom/cm3~1×1020atom/cm3であり、初期半導体層10が半導体ウェル層11を指向する方向において、初期半導体層10内の第2タイプのイオンのドーピング深さが150nm~250nmである。第1タイプのイオンは、P型イオンであり、第2タイプのイオンは、N型イオンである。他の実施例において、第1タイプのイオンがN型イオンであり得、第2タイプのイオンがP型イオンであり得る。
【0024】
半導体ウェル層11から離れる初期半導体層10の一側では、バッファ層120と保護層130とが順に積層されて形成される。いくつかの例では、堆積工程を用いてバッファ層120と保護層130を形成してもよく、バッファ層120の材料が酸化ケイ素であり、保護層130の材料が窒化ケイ素である。
【0025】
保護層130を形成するために化学気相堆積工程を用いて窒化ケイ素を堆積することができ、窒化ケイ素膜層の酸化速度が非常に遅いため、窒化ケイ素膜層の下に位置する基板110を保護し、基板110が酸化されることを防止するのに有利である。
【0026】
いくつかの例では、基板110は、シリコン基板であり、窒化ケイ素の格子定数および熱膨張係数と、シリコン基板の格子定数および熱膨張係数との不整合率がとても大きいため、シリコン基板上に窒化ケイ素を直接形成する場合、窒化ケイ素とケイ素の界面で欠陥密度が大きくなり、キャリアトラップおよび複合中心となりやすく、ケイ素のキャリア移動度に影響を与え、それにより、半導体構造の性能および動作寿命に影響を与える。窒化ケイ素フィルムの応力が大きく、シリコン基板上に直接堆積すると、亀裂現象が生じやすい。シリコン基板上に窒化ケイ素を堆積する前に、バッファ層120として、先に酸化ケイ素を堆積することにより、導体構造の性能および動作寿命の向上に有利である。
【0027】
図1~
図4を参照すれば、ベース100上にビットライン104を形成し、ベース100から離れるビットライン104の表面に半導体チャネル105を形成し、ベース100がビットライン104を指向する方向Zにおいて、半導体チャネル105は、順に配列された第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIを含む。
【0028】
本実施例において、ビットライン104および半導体チャネル105を形成する工程は、次の工程を含む。
【0029】
図1を参照すれば、ベース100上に互いに分離された複数の第1開口bを有する第1マスク層102を形成し、第1開口bの延在方向Xに沿って、第1開口bの長さは、後続に形成されるビットラインの長さと一致する。
【0030】
図2を参照すれば、第1マスク層102をマスクとしてベース100をエッチングし、複数の第1トレンチaを形成し、第1マスク層102を除去する。
【0031】
本実施例において、ベース100表面に垂直な方向Zにおいて、第1トレンチaの深さは、250nm~300nmである。第1トレンチaの深さが初期半導体層10内の第2タイプのイオンのドーピング深さより大きいため、第2タイプのイオンがドーピングされた初期半導体層10の完全なエッチングを確保するのに有利であり、後続に第2タイプのイオンドーピング濃度の高い半導体チャネルおよびビットラインを形成するのに容易である。
【0032】
図3を参照すれば、第1トレンチaに第5誘電体層153を形成する。
【0033】
本実施例において、次の工程を採用して第5誘電体層153を形成することができる。堆積工程を行って、保護層130の上面を覆うとともに充填される第5誘電体膜を形成し、保護層130の上面が露出されるまで第5誘電体膜に対して化学機械的に平坦化処理を行い、余剰の第5誘電体膜を第5誘電体層153として使用する。第5誘電体膜の材料は、酸化ケイ素を含む。
【0034】
第5誘電体層153と余剰のベース100とが共通に構成する上面に互いに分離された複数の第2開口cを有する第2マスク層112を形成し、第2開口cの延在方向Yに沿って、第2開口cの長さは、後続に形成されるワードラインの長さと一致する。
【0035】
本実施例において、
図1および
図3を組み合わせて参照すれば、第1開口bの延在方向Xが第2開口cの延在方向Yに対して垂直であるため、後続に形成される半導体チャネルが4F2の配置となり、半導体構造の集積密度のさらなる向上に有利である。他の実施例において、第1開口の延在方向は、第2開口の延在方向と交差しており、両方の間の挟角は90°であり得る。
【0036】
チャネル領域IIの側壁を取り囲む第1誘電体層を露出させるスルーホールが後続に形成できるのを確保するように、方向Yにおける第1開口bの開口幅と方向Xにおける第2開口cの開口幅との比が2~1であり、それにより、ワードラインの製造のための第2ギャップを形成するのに有利である。いくつかの例では、方向Yにおける第1開口bの開口幅が方向Xにおける第2開口cの開口幅に等しく、隣接する第1開口b間の間隔が、隣接する第2開口c間の間隔と等しく、これは、一方で、後続に形成される複数の半導体チャネルを整列させて、半導体構造の集積密度をさらに向上させ、もう一方で、同一のマスク版で第1マスク層102および第2マスク層112を形成することができるため、半導体構造の製造コストの低減に有利である。
【0037】
本実施例において、第1マスク層102および第2マスク層112の形成方法は、いずれも自己整列4重パターニング(SAQP:Self-Aligned Quadruple Patterning)または自己整列2重パターニング(SADP:Self-aligned Double Patterning)を含む。
【0038】
図4を参照すれば、第2マスク層112をマスクとしてベース100(
図1を参照)および第5誘電体層153をエッチングし、複数の第2トレンチd、ビットライン104および半導体チャネル105を形成し、ベース100の表面に垂直な方向Zにおいて、第2トレンチdの深さが、第1トレンチaの深さより小さいため、ビットライン104を形成するとともに、半導体ウェル層11から離れるビットライン104の一側に、互いに分離された複数の半導体チャネル105を形成するのに有利であり、ビットライン104は、半導体チャネル105の第1ドーピング領域Iに接し、第2マスク層112を除去する。
【0039】
いくつかの例では、第2トレンチdの深さが100nm~150nmであり、初期半導体層10(
図1を参照)内の第2タイプのイオンのドーピング深さが150nm~250nmであるため、第2タイプのイオンがドーピングされた初期半導体層10の大部分または全部を2回のエッチングにより半導体チャネル105に変換するのに有利である。
【0040】
基板110の材料は、シリコンであり、第5誘電体層153の材料は、酸化ケイ素であり、第2マスク層112をマスクとしてベース100および第5誘電体層153をエッチングする工程において、エッチング工程における酸化ケイ素へのエッチング速度がシリコンへのエッチング速度より大きいため、ビットライン104の側壁の一部が露出される可能性がある。
【0041】
本実施例において、半導体ウェル層11上に間隔をあけて配列された複数のビットライン104を形成することができ、各ビットライン104は、少なくとも1つの第1ドーピング領域Iに接することができる。
図4では、4個のビットライン104を互いに間隔をおいて配置すること、および各ビットライン104が4個の第1ドーピング領域Iに接していることを例として、実際の電気的要求に応じて、ビットライン104の数および各ビットライン104に接する第1ドーピング領域Iの数を合理的に設定することができる。
【0042】
隣接するビットライン104と、隣接する半導体チャネル105との間の電気的絶縁を実現するために、第2マスク層112をマスクとしてベース100および第5誘電体層153をエッチングした後、余剰の第5誘電体層153はさらに、隣接するビットライン104の間隔に配置され、および隣接する半導体チャネル105の間隔に配置される。
【0043】
本実施例において、初期半導体層10(
図1を参照)にN型イオンがドーピングされているため、本工程で形成されたビットライン104および半導体チャネル105にN型イオンをドーピングすることができる。
【0044】
ビットライン104にN型イオンがドーピングされ、半導体ウェル層11にP型イオンがドーピングされ、ビットライン104と半導体ウェル層11は、ビットライン104のリークの防止に有利であり、半導体構造の電気的性能をさらに向上させる、PN接合を構成する。他の実施例において、ベースは、半導体ウェル層を含まなくてもよく、即ち、ベースが初期半導体層であり、且つビットラインが初期半導体層の表面に位置する。
【0045】
半導体チャネル105によって構成されたデバイスは、無接合トランジスタで、即ち、第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域III内のドーピングイオンのタイプが同一である。例えば、ドーピングイオンは、いずれもN型イオンであり、さらに、第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域III内のドーピングイオンが同様であってもよい。ここでの「無接合」とは、PN接合がないこと、即ち、半導体チャネル105によって構成されたトランジスタにPN接合がないこと、即ち、第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域III内のドーピングイオンのドーピング濃度が同一であることを意味する。このようにすると、次のような利点がある。一方で、第1ドーピング領域Iおよび第2ドーピング領域IIIに対して追加のドーピングを行う必要がなく、それにより、第1ドーピング領域Iおよび第2ドーピング領域IIIへのドーピング工程の制御が困難である問題を回避し、特に、トランジスタサイズのさらなる縮小につれて、第1ドーピング領域Iおよび第2ドーピング領域IIIへの追加のドーピングを行うと、ドーピング濃度の制御がさらに困難になり、もう一方で、デバイスが無接合トランジスタであるため、超急峻ソースドレイン濃度勾配ドーピング工程を採用して、ナノスケール範囲内で超急峻PN接合を製造する現象を回避するのに有利であり、ドーピング急変によるしきい値電圧ドリフトやリーク電流の増加などの問題を回避でき、短チャネル効果の抑制にも有利であり、数ナノスケール範囲内でも依然として動作することができるため、半導体構造の集積密度と電気的性能のさらなる向上に寄与する。ここでの追加のドーピングとは、第1ドーピング領域Iおよび第2ドーピング領域IIIのドーピングイオンタイプと、チャネル領域IIのドーピングイオンタイプとを異ならせるために行うドーピングを指す。
【0046】
半導体チャネル105を半導体ウェル層11から離れるビットライン104の上面に垂直に形成するGAAトランジスタは、3D積層された半導体構造を構成することができ、GAAトランジスタの電気的性能に悪影響を与えることなく、サイズ特徴がより小さいGAAトランジスタを設定して、半導体構造の集積密度を向上させるのに有利である。
【0047】
本実施例において、第1マスク層102と第2マスク層112を利用して、2回のエッチング工程により、ビットライン104と半導体チャネル105を同時に形成し、これは、一方で、第1開口bと第2開口cのサイズを調整することにより、半導体チャネル105のサイズを調整して、寸法精度の高い半導体チャネル105を形成し、もう一方で、ビットライン104と半導体チャネル105は、いずれも基板110をエッチングすることにより形成されるもので、即ち、ビットライン104と半導体チャネル105は、同一の膜層構造で形成されるため、ビットライン104と半導体チャネル105が一体構造になり、それにより、ビットライン104と半導体チャネル105との間の界面状態欠陥を改善し、半導体構造の性能を向上させることができる。第1マスク層102をマスクとしてベース100をエッチングした後、第1トレンチaには、第5誘電体層153がさらに形成されて、後続にチャネル領域IIの側壁と第2誘電体層との間に隙間を形成するための事前準備を行い、それにより、後続のワードラインを製造するための第2ギャップを形成するのに有利である。
【0048】
図5~
図8を参照すれば、半導体チャネル105の側壁を取り囲む第1誘電体層113を形成し、同一のビットライン104上の隣接する半導体チャネル105の側壁に位置する第1誘電体層113間に第1ギャップeを有する。
【0049】
図7は、
図6に示す構造の第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図であり、
図8は、
図6に示す構造の第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図である。なお、後続に説明の必要に応じて、第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図および第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図のうちの1方または両方を設定し、1つの図面のみを参照する場合、図面は、第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図であり、2つの図面を同時に参照する場合、図面は、まず第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図であり、次が第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図である。
【0050】
本実施例において、第1誘電体層を形成する工程は、次の工程を含む。
【0051】
図5を参照すれば、第2トレンチdの側壁と底部を共形で覆う6誘電体膜103を形成し、さらに、保護層130と第5誘電体層153の上面に位置する。
【0052】
図5および
図6を組み合わせて参照すれば、保護層130が露出されるまで第6誘電体膜103に対してマスクレスでのドライエッチング工程を行い、同一のエッチング時間内で、エッチング工程により、第6誘電体膜103の異なる領域をエッチングした厚さが同じであることを利用して、第6誘電体層163を形成する。
【0053】
図6~
図8を組み合わせて参照すれば、第6誘電体層163は、第2トレンチdの側壁に位置し、第5誘電体層153は、隣接する半導体チャネル105の間隔に位置し、第5誘電体層153と第6誘電体層163とが共通に第1誘電体層113を構成し、第2トレンチdの側壁に位置する第6誘電体層163の間には第1ギャップeを有する。
【0054】
第6誘電体層163の材料は、第5誘電体層153の材料と同様であり、後続にエッチング工程により、チャネル領域IIの側壁に対応する第6誘電体層163と第5誘電体層153を一括して除去することが容易であり、それにより、チャネル領域IIの側壁と後続に形成される第2誘電体層との間に隙間が形成されるため、後続のワードラインを製造するための第2ギャップを形成するのに有利である。第6誘電体層163の材料と第5誘電体層153の材料がすべて酸化ケイ素である。
【0055】
他の実施例において、第6誘電体層の材料は、第6誘電体層の材料と第5誘電体層の材料とが絶縁効果の良好な材料であることのみを満足すれば、第5誘電体層の材料と異なってもよい。その後、チャネル領域の側壁に対応する第6誘電体層および第5誘電体層を段階的に除去することができる。
【0056】
図7および
図9を組み合わせて参照すれば、第1ギャップeを充填する第2誘電体層123を形成し、第2誘電体層123の材料は、第1誘電体層113の材料と異なる。
【0057】
いくつかの例では、次の工程を採用して第2誘電体層123を形成することができる。堆積工程を行って、保護層130上面を覆うとともに第1ギャップeを充填する第2誘電体膜を形成し、第2誘電体膜、保護層130、バッファ層120および第1誘電体層113(
図6を参照)に対して第2ドーピング領域IIIの上面が露出されるまで化学機械的に平坦化処理し、余剰の第2誘電体膜を第2誘電体層123として使用する。第2誘電体膜の材料は、窒化ケイ素を含む。
【0058】
図10~
図17を参照すれば、チャネル領域IIの側壁が露出されるまで第1誘電体層113の一部を除去する。
【0059】
いくつかの例では、チャネル領域IIの側壁が露出されるまで第1誘電体層113の一部を除去する工程は、次の工程を含む。
【0060】
図9および
図10を組み合わせて参照すれば、半導体チャネル105と第2誘電体層123をマスクとして第2ドーピング領域IIIの側壁が露出されるまで第1誘電体層113の一部をエッチングする。いくつかの例では、ビットライン104に垂直で半導体チャネル105を指向する(向かう)方向Zにおいて、第2ドーピング領域IIIの高さは、30nm~50nmである。
【0061】
図11~
図14を参照すれば、
図12は、
図11の例示的な平面図であり、
図13は、第3断面方向CC1に沿う例示的な断面図であり、
図14は、第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図である。
【0062】
第2ドーピング領域IIIの側壁を取り囲み且つ第2誘電体層123側壁に位置する、第3誘電体層133を形成し、第2ドーピング領域IIIの側壁に位置する第3誘電体層133と、第2誘電体層123側壁に位置する第3誘電体層133は共通に取り囲んで、底部が第1誘電体層113を露出するスルーホールfを形成し、第3誘電体層133の材料は、第1誘電体層113の材料と異なる。
【0063】
図13および
図14を参照すれば、第3誘電体層133が、第2ドーピング領域IIIの側壁を取り囲みながら、第6誘電体層163の上面と第5誘電体層153の上面の一部を覆い、スルーホールfが露出したのは、第5誘電体層153の上面の一部である。
【0064】
本実施例において、次の工程を採用して第3誘電体層133を形成することができる。堆積工程を行って、半導体チャネル105、第1誘電体層113および第2誘電体層123で共通に構成される表面を共形で覆う第3誘電体膜を形成し、第2ドーピング領域IIIの上面が露出されるまで第3誘電体膜に対してマスクレスでのドライエッチング工程を行い、同一のエッチング時間内で、エッチング工程により、第3誘電体膜の異なる領域をエッチングした厚さが同じであることを利用して、第1誘電体層113を露出する第3誘電体層133を形成する。第3誘電体層133の材料は、窒化ケイ素を含む。
【0065】
前述の第1マスク層102と第2マスク層112において、方向Yにおける第1開口bの開口幅と、方向Xにおける第2開口cの開口幅との比が2~1であり、第3誘電体層133を形成する際に、第3誘電体層133が同一のビットライン104上の隣接する半導体チャネル105間の間隔を充填するとともに、隣接するビットライン104上の隣接する半導体チャネル105間のギャップを充填しないことを確保するのに有利であり、それにより、第5誘電体層153の上面の一部を露出するスルーホールfを形成することを確保し、後続にスルーホールfを利用して第1誘電体層113の一部を除去することが容易である。
【0066】
図15~
図17を参照すれば、スルーホールfが露出したチャネル領域IIの側壁に位置する第1誘電体層113を除去し、余剰の第1誘電体層113は、第1ドーピング領域Iの側壁を取り囲む。
【0067】
スルーホールfが第1誘電体層113の上面の一部を露出するため、第1誘電体層113の材料が、第2誘電体層123および第3誘電体層133の材料とすべて異なる場合、スルーホールfにエッチング液を注入して、ウェットエッチング工程により、チャネル領域IIの側壁に位置する第1誘電体層113を除去し、第1ドーピング領域Iの側壁に位置する第1誘電体層113を残すことができる。
【0068】
第2誘電体層123と第3誘電体層133が共通に支持骨格を構成し、支持骨格は、第2ドーピング領域IIIに接して接続され、支持骨格の一部が、第1誘電体層113に埋め込まれている。ウェットエッチング工程を行うステップにおいて、一方で、支持骨格が半導体チャネル105を支持固定する役割を果たし、エッチング液が流れるとき、半導体チャネル105に対する押圧力を生じ、これは、半導体構造の安定性を向上させるために、半導体チャネル105の押圧による傾きやずれを回避するのに有利であり、もう一方で、支持骨格は、第2ドーピング領域IIIの側壁を包み込むため、エッチング液による第2ドーピング領域IIIの損傷を回避するのに有利である。
【0069】
チャネル領域IIの側壁に位置する第1誘電体層113を除去した後、チャネル領域IIと第2誘電体層123との間には、第3ギャップgを形成し、スルーホールfと第3ギャップgが共通に洞窟構造hを構成する。
【0070】
図18および
図19を参照すれば、少なくともチャネル領域IIの側壁面を覆う絶縁層106を形成し、絶縁層106と第2誘電体層123との間には、第2ギャップiを有する。
図19を参照すれば、第2ギャップiは、隣接するビットライン104の隣接する半導体チャネル105側壁の絶縁層106の間にも位置する。
【0071】
本実施例において、半導体チャネル105の材料がシリコンであるため、絶縁層106を形成する工程は、露出されたチャネル領域IIの側壁に対して熱酸化処理を行って、絶縁層106を形成し、絶縁層106が余剰のチャネル領域IIの側壁面を覆う、工程を含む。絶縁層106の材料は、酸化ケイ素である。他の実施例において、堆積工程により、チャネル領域の側壁面を覆う絶縁層を形成することもできる。
【0072】
露出されたチャネル領域IIの側壁に対して熱酸化処理を行って、チャネル領域IIの領域の一部が絶縁層106に変換されることにより、ビットライン104上のチャネル領域IIの正投影が、ビットライン104上の第2ドーピング領域IIIの正投影より小さく、且つ、ビットライン104上の第1ドーピング領域Iの正投影より小さく、これは、エッチング工程を採用することなく、ビットライン104が半導体チャネル105を指向する方向Zに垂直な断面において、断面積がより小さいチャネル領域IIを形成するのに有利であり、後続に形成されるワードラインのチャネル領域IIへの制御能力の向上に有利であり、それにより、GAAトランジスタのオン/オフをより容易に制御する。
【0073】
いくつかの例では、方向Zに垂直な断面において、チャネル領域IIの幅Wおよびチャネル領域IIの長さLが10nm以下であり、これは、後続に形成されるワードラインのチャネル領域IIへの良好な制御能力を確保するのに有利である。方向Zにおいて、チャネル領域IIの高さが30nm~50nmである。
【0074】
第2ドーピング領域IIIの上面が露出されているため、熱酸化処理の過程において、第2ドーピング領域IIの上面に近接する領域の一部も絶縁層106に変換される。本実施例において、余剰の第2ドーピング領域IIIの上面に位置する絶縁層106を後続の工程で除去する。他の実施例において、熱酸化処理の後に、余剰の第2ドーピング領域の上面に位置する絶縁層を除去し、余剰のチャネル領域の側壁面を覆う絶縁層のみを残してもよい。
【0075】
続いて、
図18および
図19を参照すれば、ビットライン104上の絶縁層106の外周の正投影が、ビットライン104上の第3誘電体層133の外周の正投影より小さく、即ち、半導体チャネル105から離れる絶縁層106の外壁が、半導体チャネル105から離れる第3誘電体層133の外壁よりも半導体チャネル105に近接し、それにより、後続のワードラインがチャネル領域IIの側壁に位置する絶縁層106を取り囲むことができるように、絶縁層106と第2誘電体層123との間に第2ギャップiを有するのを確保する。半導体チャネル105から離れる絶縁層106の外壁は、半導体チャネル105から離れる第1誘電体層113(
図15を参照)の外壁よりも半導体チャネル105に近接してもよい。
【0076】
図20および
図22を参照すれば、
図22は、
図21の1つのワードライン107が4個の半導体チャネル105を取り囲む部分断面図である。
【0077】
第2ギャップiを充填するワードライン107を形成する。
【0078】
本実施例において、ワードライン107を形成する工程は、第2ギャップiおよびスルーホールfを充填する初期ワードラインを形成する工程を含む。初期ワードラインは、絶縁層106と第2誘電体層123との間に位置し、且つ、隣接するビットライン104上の隣接するチャネル領域IIの側壁の絶縁層106間に位置し、スルーホールf内に位置する初期ワードラインを除去し、余剰の初期ワードラインをワードライン107として使用する。堆積工程により、初期ワードラインを形成することができ、初期ワードラインの材料は、多結晶シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、銅またはタングステンのうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
初期ワードラインは、洞窟構造h(
図15を参照)を自己整列に充填し、スルーホールf内に位置する初期ワードラインを除去した後、エッチング工程によるワードライン107の寸法の設計を必要とせずに、正確な寸法のワードライン107を自己整列に形成するのに有利であり、ワードライン107の形成工程の簡略化に有利であり、第2ギャップiのサイズを調製することにより、小さなサイズのワードライン107を得ることができる。
【0080】
図23を参照すれば、ワードライン107を形成した後、さらに、スルーホールf(
図21を参照)を充填する第4誘電体層143を形成する。
【0081】
本実施例において、次の工程を採用して第4誘電体層143を形成することができる。堆積工程を行って、第2ドーピング領域IIIの上面に位置する絶縁層106の上面を覆うとともに、スルーホールfを充填する第4誘電体膜を形成し、絶縁層106の上面が露出されるまで第4誘電体膜に対して化学機械的に平坦化処理し、余剰の第4誘電体膜を第4誘電体層143として使用する。第4誘電体膜は、第2誘電体層および第3誘電体層の材料とは同様であり、いずれも窒化ケイ素を含む。他の実施例において、第2ドーピング領域の上面が露出されるまで第4誘電体膜に対して化学機械的に平坦化処理することができ、即ち、第2ドーピング領域の上面に位置する絶縁層を同期的に除去し、余剰の第4誘電体膜を第4誘電体層として使用することができる。
【0082】
図23~
図25を参照すれば、第2ドーピング領域IIIの上面に位置する絶縁層106を除去し、エピタキシャル成長工程を採用して、第2ドーピング領域IIIの上面にコンデンサ接触層108を形成し、ビットライン104上のコンデンサ接触層108の正投影は、ビットライン104上の第2ドーピング領域IIIの正投影を覆う。
【0083】
一方で、エピタキシャル成長工程を採用するのは、第2ドーピング領域IIIとコンデンサ接触層108との間の連続性が向上し、格子特性の違いや格子ずれによるコンタクト欠陥が低減され、コンタクト欠陥によるコンタクト抵抗が低減され、キャリアの伝送能力や移動速度が向上し、さらに、第2ドーピング領域IIIとコンデンサ接触層108との間の導電性が向上し、半導体構造の動作中の発熱が低減されるのに有利であり、もう一方で、エピタキシャル成長工程を採用するのは、ビットライン104上のコンデンサ接触層108の正投影が大きくなるのに有利であり、後続にコンデンサ接触層108上に容量構造の下部電極を形成する場合、コンデンサ接触層108と下部電極との間の接触面積が大きくなり、それにより、コンデンサ接触層108と下部電極との間のコンタクト抵抗が低減されるのに有利である。
【0084】
エピタキシャル成長工程のステップにおいて、コンデンサ接触層108に第2ドーピング領域IIIと同じタイプのドーピングイオンがドーピングされ、コンデンサ接触層108におけるドーピングイオンのドーピング濃度が、第2ドーピング領域IIIにおけるドーピングイオンのドーピング濃度より大きいため、コンデンサ接触層108の抵抗が第2ドーピング領域IIIの抵抗より小さく、これは、第2ドーピング領域IIIと下部電極との間の伝送抵抗のさらなる低減に有利である。
【0085】
コンデンサ接触層108と第4誘電体層143とが共通に構成する表面に容量構造(未図示)を形成する。
【0086】
他の実施例において、ワードラインを形成した後、ウェットエッチング工程を採用して、第2誘電体層と第3誘電体層を除去して、ワードラインおよび第1誘電体層の全面を露出する第4ギャップを形成し、堆積工程を採用して、第4ギャップを充填する第7誘電体層を形成し、第7誘電体層は一体構造であるため、第7誘電体層の緻密性が高く、内部欠陥が少なく、これは、隣接する半導体チャネルおよび隣接するビットライン間への第7誘電体層の隔離効果を高めるのに有利である。第7誘電体層の材料は、第2誘電体層の材料と同様であってもよく、いくつかの例では、第7誘電体層の材料と第2誘電体層の材料はいずれも窒化ケイ素である。
【0087】
他の実施例において、コンデンサ接触層を形成せずに、第2ドーピング領域の上面に位置する絶縁層を除去した後に、第2ドーピング領域の上面に直接に容量構造を形成してもよい。
【0088】
要約すると、第1誘電体層113と第2誘電体層123を形成することにより、第2誘電体層123をマスクとして第1誘電体層113に対してエッチングし、洞窟構造hを形成し、堆積工程を採用して、エッチング工程によるワードライン107の寸法の設計を必要とせずに、洞窟構造hに正確な寸法のワードライン107を自己整列に形成し、これは、ワードライン107の形成工程の簡略化に有利であり、第2ギャップiのサイズを調製することにより、小さなサイズのワードライン107を得ることができる。
【0089】
本開示は、半導体構造の製造方法をさらに提供し、当該半導体構造の製造方法は、前述の実施例とほぼ同じで、チャネル領域の側壁が露出されるまで第1誘電体層の一部を除去する工程が異なること、を主たる相違点とする。以下、本願の別の実施例による半導体構造の製造方法を図面に組み合わせて詳細に説明し、前述の実施例と同一または対応する部分は、前述の実施例の詳細な説明を参照することができる。
【0090】
図26~
図31は、本開示の別の実施例による半導体構造の製造方法の各工程に対応する例示的な構造図である。なお、説明の便宜上、半導体構造の製造方法の工程を明確に示すために、本実施例の
図26~
図31はすべて半導体構造の例示的な局所構造図であり、後続に説明の必要に応じて、構造における第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図および第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図のうちの1方または両方を設定し、1つの図面のみを参照する場合、図面は、第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図であり、2つの図面を同時に参照する場合、図面は、まず第1断面方向AA1に沿う例示的な断面図であり、次が第2断面方向BB1に沿う例示的な断面図である。
【0091】
本実施例において、
図26および
図27を参照すれば、ベース上にビットライン204および半導体チャネル205が形成され、第1誘電体層213および第2誘電体層223が形成され、ベースに半導体ウェル層21を有し、第1誘電体層213は、第5誘電体層253および第6誘電体層263を含む。ビットライン204、半導体チャネル205、第1誘電体層213および第2誘電体層223を形成する工程は、上述した実施例の工程と同様であるため、ここでは省略する。
【0092】
図27を参照すれば、チャネル領域IIの側壁が露出されるまで第1誘電体層213の一部を除去する工程は、第2ドーピング領域IIIの側壁に位置する第1誘電体層213を除去し、即ち、余剰の第1誘電体層213は、第1ドーピング領域Iの側壁面にのみ位置する、工程を含む。
【0093】
図28および
図29を参照すれば、絶縁層206を形成し、絶縁層206は、チャネル領域IIの側壁面を覆うだけでなく、第2ドーピング領域IIIの側壁面および上面にも位置し、絶縁層206と第2誘電体層223との間には第2ギャップiを有する。
【0094】
本実施例において、半導体チャネル205の材料がシリコンであるため、絶縁層206を形成する工程は、露出されたチャネル領域IIの側壁と第2ドーピング領域IIIの側壁および上面を熱酸化処理して、絶縁層206を形成し、絶縁層206が余剰のチャネル領域IIおよび余剰の第2ドーピング領域IIIの側壁面を覆う。他の実施例において、堆積工程により、チャネル領域の側壁と第2ドーピング領域の側壁および上面を覆う絶縁層を形成することもできる。
【0095】
露出されたチャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIの側壁を熱酸化処理するため、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIの領域の一部を絶縁層206に変換することにより、ビットライン204上におけるチャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIの正投影が、すべてビットライン204上における第1ドーピング領域Iの正投影より小さく、これは、エッチング工程を採用せずに、ビットライン204が半導体チャネル205を指向する方向Zに垂直な断面において、断面積がより小さいチャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIを形成し、これは、半導体チャネル205によって構成されたトランジスタのしきい値電圧を下げるのに有利であり、トランジスタが低いしきい値電圧でオン/オフを実現する。
【0096】
いくつかの例では、方向Zに垂直な断面において、チャネル領域IIの幅Wおよびチャネル領域IIの長さが10nm以下であり、これは、トランジスタのしきい値電圧が小さいことを確保するのに有利である。方向Zにおいて、チャネル領域IIの高さが30nm~50nmである。
【0097】
本実施例において、余剰の第2ドーピング領域IIIの上面に位置する絶縁層206を後続の工程で除去する。他の実施例において、熱酸化処理の後、余剰の第2ドーピング領域の上面に位置する絶縁層を除去し、余剰のチャネル領域および余剰の第2ドーピング領域の側壁面を覆う絶縁層のみを残してもよい。
【0098】
図30および
図31を参照すれば、ワードライン207を形成する。ワードライン207を形成する工程は、次の工程を含む。
【0099】
第2ギャップi(
図29を参照)を充填する初期ワードラインを形成し、即ち、初期ワードラインは、隣接するビットライン204上のチャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIの側壁の絶縁層206の間に位置する。堆積工程により、初期ワードラインを形成することができる。
【0100】
初期ワードラインの一部を除去し、余剰の初期ワードラインをワードライン207として使用し、ワードライン207は、チャネル領域IIの側壁に位置する絶縁層206を取り囲む。
【0101】
初期ワードラインが第2ギャップiを自己整列に充填することにより、エッチング工程によるワードライン207の寸法の設計を必要とせずに、後続に正確な寸法のワードライン207を自己整列に形成するのに有利であり、ワードライン207の形成工程の簡略化に有利であり、第2ギャップiのサイズの調製により、小さなサイズのワードライン207を得ることができる。
【0102】
第2ドーピング領域IIIの側壁に位置する絶縁層206間のギャップを充填する第4誘電体層を形成し、次に、第2ドーピング領域IIIの上面に位置する絶縁層206を除去する。第4誘電体層の形成と絶縁層206の一部の除去の工程は、上述した実施例の工程と同様である。他の実施例において、第4誘電体層を形成する前に、第2ドーピング領域の側壁および上面に位置する絶縁層を除去した後、第1ドーピング領域の上面を露出する第4誘電体層を形成してもよい。
【0103】
本実施例において、第2ドーピング領域IIIの上面にコンデンサ接触層および容量構造を形成してもよく、コンデンサ接触層および容量構造を形成する工程は、上述した実施例の工程と同様である。
【0104】
要約すると、第1誘電体層213と第2誘電体層223を形成することにより、第2誘電体層223をマスクとして第1誘電体層213に対してエッチングし、第2ギャップiを形成し、堆積工程を採用して、エッチング工程によるワードライン207の寸法の設計を必要とせずに、第2ギャップiに正確な寸法のワードライン207を自己整列に形成し、これは、ワードライン207の形成工程の簡略化に有利であり、第2ギャップiのサイズの調製により、小さなサイズのワードライン207を得ることができる。
【0105】
本開示は、半導体構造をさらに提供し、上述したいずれかの実施例による半導体構造の製造方法によって製造される。
【0106】
図24および
図25を参照すれば、半導体構造は、半導体ウェル層11を含むベースと、半導体ウェル層11上に位置するビットライン104と、ビットライン104表面に位置し、ベースがビットライン104を指向する方向Zにおいて、順に配列された第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIを含み、第1ドーピング領域Iは、ビットライン104に接する、半導体チャネル105と、を含む。
【0107】
本実施例において、ベース、ビットライン104および半導体チャネル105は、同一の半導体素子を有する場合、半導体チャネル105とビットライン104は、半導体素子からなる同一の膜層構造で形成されるため、半導体チャネル105とビットライン104とが一体構造であり、それにより、半導体チャネル105とビットライン104との界面状態欠陥が改善され、半導体構造の性能が向上する。
【0108】
半導体素子は、シリコン、炭素、ゲルマニウム、ヒ素、ガリウム、インジウムのうちの少なくとも1つを含むことができる。ベース、ビットライン104および半導体チャネル105の材料タイプは、元素半導体材料または結晶性無機化合物半導体材料であってもよい。元素半導体材料は、シリコンまたはゲルマニウムであってもよく、結晶性無機化合物半導体材料は、炭化ケイ素、ゲルマニウム化ケイ素、ヒ化ガリウムまたはインジウムガリウムヒ素などであってもよい。
【0109】
第1ドーピング領域I、チャネル領域IIおよび第2ドーピング領域IIIには、同じタイプのドーピングイオンがドーピングされ、第1ドーピング領域Iにおけるドーピングイオンのドーピング濃度は、チャネル領域IIにおけるドーピングイオンのドーピング濃度および第2ドーピング領域IIIにおけるドーピングイオンのドーピング濃度と一致する場合、半導体チャネル105によって構成されたデバイスは、無接合トランジスタであり、これは、超急峻ソースドレイン濃度勾配ドーピング工程を採用して、ナノスケール範囲内で超急峻PN接合を製造する現象を回避するのに有利であるため、ドーピング急変によるしきい値電圧ドリフトやリーク電流の増加などの問題を回避でき、短チャネル効果の抑制にも有利であり、数ナノスケール範囲内でも依然として動作することができるため、半導体構造の集積密度と電気的性能のさらなる向上に寄与する。ドーピングイオンは、N型イオンまたはP型イオンのうちの1つである。
【0110】
ビットライン104上のチャネル領域IIの正投影は、ビットライン104上の第2ドーピング領域IIIの正投影より小さく、且つ、ビットライン104上の第1ドーピング領域Iの正投影より小さい。エッチング工程を採用せずに、ビットライン104が半導体チャネル105を指向する方向Zに垂直な断面において、断面積がより小さいチャネル領域IIを形成するのに有利であり、ワードライン107のチャネル領域IIへの制御能力の向上に有利であり、それにより、GAAトランジスタのオン/オフをより容易に制御する。
【0111】
いくつかの例では、方向Zに垂直な断面において、チャネル領域IIの幅Wおよびチャネル領域IIの長さLが10nm以下であり、これは、トランジスタのしきい値電圧が小さいことを確保するのに有利である。方向Zにおいて、チャネル領域IIの高さが30nm~50nmである。
【0112】
図6および
図24~
図25を組み合わせて参照すれば、半導体構造は、第1ドーピング領域Iを取り囲んで設けられた第1誘電体層113をさらに含み、同一のビットライン104上の隣接する第1ドーピング領域Iの側壁の第1誘電体層113の間に第1ギャップを有する。
【0113】
第1誘電体層113は、第5誘電体層153と第6誘電体層163とを含み得、第5誘電体層153は、隣接するビットライン104の間隔に位置し、且つ隣接するビットライン104上の隣接する第1ドーピング領域Iの間隔に位置し、第6誘電体層163は、同一のビットライン104上の隣接する第1ドーピング領域Iの側壁に位置し、且つ第5誘電体層153の側壁に位置する。第1誘電体層113は、隣接する半導体チャネル105と隣接するビットライン104との間の電気的絶縁を実現するために使用される。
【0114】
半導体構造は、少なくともチャネル領域IIの側壁面を覆う絶縁層106をさらに含む。本実施例において、絶縁層106は、チャネル領域IIの側壁面のみを覆う。他の実施例において、絶縁層は、チャネル領域と第2ドーピング領域の両方の側壁面を覆うことができる。
【0115】
半導体構造は、ワードライン107と隔離層109とをさらに含み、ワードライン107は、チャネル領域IIの側壁に位置する絶縁層106を取り囲み、隣接するワードライン107の間に第2ギャップを有し、隔離層109は、少なくとも第1ギャップと第2ギャップとに位置し、ベースから離れる隔離層109の上面は、ベースから離れる第2ドーピング領域IIIの上面より低くない。
【0116】
隔離層109は、第2誘電体層123と第3誘電体層133とを含んでもよく、第2誘電体層123は、第1ギャップと第2ギャップとに位置し、ベースから離れる第2誘電体層123の上面は、ベースから離れる第2ドーピング領域IIIの上面より低くなく、第3誘電体層133は、第2ドーピング領域IIIの側壁を覆う。
【0117】
いくつかの例では、第2誘電体層123の上面は、第2ドーピング領域IIIの上面と面一であり、隔離層109は、第4誘電体層143をさらに含む。続いて、
図25を参照すれば、第4誘電体層143は、第2誘電体層123と第3誘電体層133とが共通に構成した上面に位置し、隣接する第3誘電体層133が構成した間隔に位置する。第2誘電体層123、第3誘電体層133および第4誘電体層143の材料は同一であり、隔離層109を共通に構成して、隣接する半導体チャネル105と隣接するビットライン104との間の電気的絶縁を実現する。他の例では、第2誘電体層、第3誘電体層および第4誘電体は、一体成形構造であってもよく、この場合、隔離層の緻密性が高く、内部欠陥が少なく、これは、隣接する半導体チャネルおよび隣接するビットライン間への隔離層の隔離効果を高めるのに有利である。
【0118】
他の実施例において、絶縁層がチャネル領域および第2ドーピング領域の両方の側壁面を覆う場合、隔離層は、第2誘電体層および第4誘電体層を含み、そのうち、第2誘電体層は、第1ギャップと第2ギャップとに位置し、ベースから離れる第2誘電体層の上面は、ベースから離れる第2ドーピング領域の上面より低くなく、第4誘電体層は、第2誘電体層と絶縁層とが構成した間隔に位置し、隣接する絶縁層が構成した間隔に位置し、第4誘電体層は、第2誘電体層の上面を覆う。
【0119】
ビットライン104上の絶縁層106の外周の正投影は、ビットライン104上の第3誘電体層133の外周の正投影より小さい。
【0120】
半導体構造は、第2ドーピング領域IIIの上面に位置するコンデンサ接触層108をさらに含んでもよく、ビットライン104上のコンデンサ接触層108の正投影は、ビットライン104上の第2ドーピング領域IIIの正投影を覆い、コンデンサ接触層108は、ドーピングイオンを有し、コンデンサ接触層108におけるドーピングイオンのドーピング濃度は、第2ドーピング領域IIにおけるドーピングイオンのドーピング濃度より大きい。
【0121】
コンデンサ接触層108と第2ドーピング領域IIIとに同じタイプのドーピングイオンがドーピングされ、コンデンサ接触層108におけるドーピングイオンのドーピング濃度が、第2ドーピング領域IIIにおけるドーピングイオンのドーピング濃度より大きいため、コンデンサ接触層108の導電性能のさらなる向上に有利である。ビットライン104上のコンデンサ接触層108の正投影が、ビットライン104上の第2ドーピング領域IIIの正投影を覆うため、コンデンサ接触層108と後続の他の導電構造との間の接触面積を増やすのに有利であり、それにより、コンデンサ接触層108と後続の他の導電構造との間のコンタクト抵抗を低減させる。
【0122】
半導体構造は、コンデンサ接触層108と第4誘電体層143とが共通に構成した表面に位置する容量構造(未図示)をさらに含んでもよい。
【0123】
要約すると、ビットライン104が半導体チャネル105を指向する方向Zに垂直な断面において、チャネル領域IIの断面積が、第1ドーピング領域Iおよび第2ドーピング領域IIの断面積より小さいため、半導体チャネル105によって構成されたトランジスタのしきい値電圧を下げるのに有利であり、トランジスタが低いしきい値電圧でオン/オフを実現する。半導体チャネル105によって構成されたデバイスは、無接合トランジスタであり、これは、超急峻ソースドレイン濃度勾配ドーピング工程を採用して、ドーピング急変によるしきい値電圧ドリフトやリーク電流の増加などの問題を回避でき、短チャネル効果の抑制にも有利であり、半導体構造の集積密度と電気的性能のさらなる向上に寄与する。
【0124】
なお、本開示は、本明細書に記載された構成要素の詳細な構造および配置方式に適用を限定するものではないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態を有することができ、さらに、様々な形態で実現され実行されることができる。前述の変形形態と修正形態は、本開示の範囲内に属する。なお、本明細書で開示および限定された本開示は、本明細書および/または図面に記載されたまたは明らかにした2つまたは2つ以上の個別の特徴のすべての代替的な組み合わせにまで及ぶことが理解されるべきである。これらのすべての異なる組み合わせは、本開示の複数の代替態様を構成する。本明細書に記載され実施形態は、本開示を実現するために既知の最適方法を示しており、当業者が本開示を利用できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本開示の実施例は、ワードラインを形成する工程を簡略化するとともに、サイズが小さく精度の高いワードラインを形成するのに有利である、半導体構造およびその製造方法を提供する。
【国際調査報告】