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特表2023-548639衛星ネットワークにおいて天体暦に基づいたセル再選択過程を行う方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-20
(54)【発明の名称】衛星ネットワークにおいて天体暦に基づいたセル再選択過程を行う方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/20 20090101AFI20231113BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20231113BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20231113BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20231113BHJP
【FI】
H04W48/20
H04W48/10
H04W48/16 132
H04W48/16 130
H04W84/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571735
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2021014860
(87)【国際公開番号】W WO2022086244
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0137255
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, サンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソンフン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD43
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
(57)【要約】
本発明は、4Gシステム以後、さらに高いデータ送信率をサポートするための5G通信システムをIoT技術と融合する通信技法及びそのシステムを提供する。5G通信技術及びIoT関連技術に基づいて知能型サービス(例えば、スマートホーム、スマートビルディング、スマートシティ、スマートカー又はコネクテッドカー、ヘルスケア、デジタル教育、小売業、セキュリティー及び安全関連サービスなど)に適用されることができる。本発明の一実施形態によれば、衛星ネットワーク(又は、非地上ネットワークにおいて端末がセル再選択過程を行う方法及び装置が提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NTN(non-terrestrial network)における端末の方法であって、
基地局のサービングセルから、少なくとも一つのセル再選択パラメーターを含む設定情報を受信する段階と、
前記少なくとも一つのセル再選択パラメーター及び前記サービングセルに関する位置情報に基づき、セル再選択条件を確認する段階と、
前記セル再選択条件に基づき、新しいセルを再選択する段階と、を有することを特徴とする端末の方法。
【請求項2】
前記セル再選択条件を確認する段階は、前記サービングセルと前記端末との間の距離に基づき、前記サービングセルのランク(rank)を決定する段階と、
周辺セルと前記端末との間の距離に基づき、前記周辺セルのランクを決定する段階と、を含み、
前記サービングセル及び前記周辺セルは、衛星セルであることを特徴とする請求項1に記載の端末の方法。
【請求項3】
前記サービングセルと前記端末との間の距離が第1の臨界値より小さい又は等しい場合、前記サービングセルのランクは、前記サービングセルに対する測定結果及び前記サービングセルの位置に関連したオフセットに基づいて決定され、
前記サービングセルと前記端末との間の距離が前記第1の臨界値より大きい場合、前記サービングセルのランクは、前記サービングセルに対する測定結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の端末の方法。
【請求項4】
前記周辺セルと前記端末との間の距離が第2の臨界値より小さい又は等しい場合、前記周辺セルのランクは、前記周辺セルに対する測定結果及び前記周辺セルの位置に関連したオフセットに基づいて決定され、
前記周辺セルと前記端末との間の距離が前記第2の臨界値より大きい場合、前記周辺セルのランクは、前記周辺セルに対する測定結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の端末の方法。
【請求項5】
前記新しいセルは、前記サービングセル及び前記周辺セルの内の最もランクが高いセルであるか、又は前記サービングセル及び前記周辺セルの内の距離条件を満たすセルの内、最もランクが高いセルであることを特徴とする請求項2に記載の端末の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つのセル再選択パラメーターは、前記サービングセルの位置情報に基づいた周辺セル測定を行うか否かの決定に対する活性化又は非活性化を指示するインジケーター(indicator)を含み、
前記インジケーターが活性化を指示する場合、前記周辺セル測定を行うか否かは、前記サービングセルと前記端末との間の距離に基づいて決定され、
前記インジケーターが非活性化を指示する場合、前記周辺セル測定を行うか否かは、前記周辺セル測定に関連した臨界値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の端末の方法。
【請求項7】
前記インジケーターが活性化を指示し、前記サービングセルと前記端末との間の距離が第3の臨界値より小さい又は等しい場合、前記周辺セル測定が行われ、
前記インジケーターが活性化を指示し、前記サービングセルと前記端末の間の距離が前記第3の臨界値より大きい場合、前記周辺セル測定は省略されることを特徴とする請求項6に記載の端末の方法。
【請求項8】
NTN(non-terrestrial network)の端末であって、
送受信部と、
前記送受信部に接続され、基地局のサービングセルから、少なくとも一つのセル再選択パラメーターを含む設定情報を受信し、前記少なくとも一つのセル再選択パラメーター及び前記サービングセルに関する位置情報に基づき、セル再選択条件を確認し、前記セル再選択条件に基づき、新しいセルを再選択する制御部と、を有することを特徴とする端末。
【請求項9】
前記制御部は、前記サービングセルと前記端末との間の距離に基づき、前記サービングセルのランク(rank)を決定し、
周辺セルと前記端末との間の距離に基づき、前記周辺セルのランクを決定し、
前記サービングセル及び前記周辺セルは、衛星セルであることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記サービングセルと前記端末との間の距離が第1の臨界値より小さい又は等しい場合、前記サービングセルのランクは、前記サービングセルに対する測定結果及び前記サービングセルの位置に関連したオフセットに基づいて決定され、
前記サービングセルと前記端末との間の距離が前記第1の臨界値より大きい場合、前記サービングセルのランクは、前記サービングセルに対する測定結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記周辺セルと前記端末との間の距離が第2の臨界値より小さい又は等しい場合、前記周辺セルのランクは、前記周辺セルに対する測定結果及び前記周辺セルの位置に関連したオフセットに基づいて決定され、
前記周辺セルと前記端末との間の距離が前記第2の臨界値より大きい場合、前記周辺セルのランクは、前記周辺セルに対する測定結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記新しいセルは、前記サービングセル及び前記周辺セルの内の最もランクが高いセルであるか、又は前記サービングセル及び前記周辺セルの内の距離条件を満たすセルの内、最もランクが高いセルであることを特徴とする請求項9に記載の端末。
【請求項13】
前記少なくとも一つのセル再選択パラメーターは、前記サービングセルの位置情報に基づいた周辺セル測定を行うか否かの決定に対する活性化又は非活性化を指示するインジケーター(indicator)を含み、
前記インジケーターが活性化を指示する場合、前記周辺セル測定を行うか否かは前記サービングセルと前記端末との間の距離に基づいて決定され、
前記インジケーターが非活性化を指示する場合、前記周辺セル測定を行うか否かは前記周辺セル測定に関連した臨界値に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項14】
前記インジケーターが活性化を指示し、前記サービングセルと前記端末との間の距離が第3の臨界値より小さい又は等しい場合、前記周辺セル測定が行われ、
前記インジケーターが活性化を指示し、前記サービングセルと前記端末との間の距離が前記第3の臨界値より大きい場合、前記周辺セル測定は省略されることを特徴とする請求項13に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおける端末及び基地局の動作に関し、衛星ネットワーク(又は、非地上ネットワーク(non-terrestrial network:NTN))においてセル再選択過程を行う方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4G通信システムの商用化以後に増加傾向にある無線データトラフィック需要を満たすために、改善された5G通信システム又はpre-5G通信システムを開発するための努力が行われている。
このような理由により、5G通信システム又はpre-5G通信システムは、4Gネットワークを超す(Beyond 4G Network)通信システム又はLTEシステム以降(Post LTE)のシステムと呼ばれている。
【0003】
高いデータ送信率を達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(例えば、60ギガ(60GHz)帯域のような)での具現が考えられている。
超高周波帯域での伝播の経路損失の緩和及び伝播の伝達距離を増加させるために、5G通信システムではビームフォーミング(beamforming)、massive MIMO、FD-MIMO(full dimensional MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beam-forming)、及び大規模アンテナ(large scale antenna)技術が論議されている。
【0004】
さらに、システムのネットワーク改善のために、5G通信システムでは進化した小型セル、改善された小型セル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network:cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、デバイス間通信(device to device communication:D2D)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協力通信(cooperative communication)、CoMP(Coordinated Multi-Points)、及び受信干渉除去(interference cancellation)などの技術開発が行われている。
この他にも、5Gシステムでは進歩したコーディング変調(advanced coding modulation、ACM)方式であるFQAM(hybrid FSK and QAM modulation)及びSWSC(sliding window superposition coding)と、進歩した接続技術であるFBMC(filter bank multi carrier)、NOMA(non orthogonal multiple access)、及びSCMA(sparse code multiple access)などが開発されている。
【0005】
一方、インターネットは、人間が情報を生成して消費する人間中心の接続網から事物などの分散した構成要素間に情報を取り交わして処理するIoT(internet of things、事物インターネット)網へ進化している。
クラウドサーバなどとの接続によるビックデータ(big data)処理技術などがIoT技術に結合されたIoE(internet of everything)技術も台頭してきている。
IoTを具現するためにセンシング技術、有無線通信及びネットワークインフラ、サービスインターフェース技術、及び保安技術のような技術要素が求められ、近年には事物間の接続のためのセンサーネットワーク(sensor network)、マシンツーマシン(machine to machine:M2M)、MTC(machine type communication)などの技術が研究されている。
IoT環境では、接続された事物で生成されたデータを収集、分析して人間の生活に新しい価値を創出する知能型IT(internet technology)サービスが提供され得る。
IoTは、既存のIT(information technology)技術と多様な産業間の融合及び複合を介してスマートホーム、スマートビルディング、スマートシティ、スマートカー又はコネクテッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマート家電、先端医療サービスなどの分野に応用することができる。
【0006】
これに従って、5G通信システムをIoT網に適用するための多様な試みが行われている。
例えば、センサーネットワーク(sensor network)、マシンツーマシン(machine to machine:M2M)、MTC(machine type communication)などの5G通信技術が、ビームフォーミング、MIMO、及びアレイアンテナなどの技法により具現されている。
前述したビックデータ処理技術としてクラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN)が適用されることも5G技術とIoT技術の融合の一例と言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の地上網(terrestrial network)とは異なり、衛星ネットワーク(又は、(Non-terrestrial network:以下、NTN)をサポートする端末が、衛星セルのセンター(cell center)に位置している場合と衛星セルの端(cell-edge)に位置している場合との間の受信信号強度の差異が小さく、端末がセルのセンターにある場合にも周辺セルを再選択するか、頻繁にピンポンセルを再選択する(frequent ping-pong cell reselection)などの問題点が発生する可能性がある。
したがって、NTNにおいてセル再選択過程を行う方法及び装置が考案される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した問題点を解決するために、本発明の一態様によれば、NTNにおける端末の方法が提供される。
前記端末の方法は、基地局のサービングセルから、少なくとも一つのセル再選択パラメーターを含む設定情報を受信する段階と、前記少なくとも一つのセル再選択パラメーター及び前記サービングセルに関する位置情報に基づき、セル再選択条件を確認する段階と、前記セル再選択条件に基づき、新しいセルを再選択する段階と、を有する。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、NTNの端末が提供される。
前記端末は、送受信部と、前記送受信部に接続され、基地局のサービングセルから、少なくとも一つのセル再選択パラメーターを含む設定情報を受信し、前記少なくとも一つのセル再選択パラメーター及び前記サービングセルに関する位置情報に基づき、セル再選択条件を確認し、前記セル再選択条件に基づき、新しいセルを再選択する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によるNTNにおける端末の方法及びその端末によれば、NTNにおける端末は、セル再選択過程をさらに効率的に行うことができる。
具体的には、端末が衛星の天体暦を考慮したセル再選択過程を行うことができるので、NTNにおいてセル再選択時に発生する問題点を解決することができる。
本発明で得ることができる効果は、前述した効果に制限されず、言及していない他の効果は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば下記の記載から明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上記の目的及び他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照し、本発明の実施形態に対する次の説明によってさらに明確になる。
図1】本発明の一実施形態によるLTEシステムの構造を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの無線プロトコル構造を示す図である。
図5】基地局が端末の接続を解除し、端末がRRC接続モード(RRC_CONNECTED)からRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)に切り替えた後、RRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)にある端末がセル再選択過程を行う手順を示す図である。
図6】地上網又はNTNにおいて、端末がセルのセンターに位置している場合とセルの端に位置している場合との間の受信信号強度(received signal strength)を比較した図である。
図7】本発明の一実施形態により、基地局が端末の接続を解除し、端末がRRC接続モード(RRC_CONNECTED)からRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)に切り替えた後、RRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)にある端末が衛星セル再選択過程を行う手順を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による端末の概略構成を示すブロック図である。
図9】本発明の一実施形態による基地局の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記に、添付した図面を参照して本発明の動作原理を詳細に説明する。
下記において本発明を説明するにあたり、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
また、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図又は慣例などによって変更することができる。
したがって、その定義は、本明細書全般にわたった内容に基づいて下すべきである。
【0013】
下記において本発明を説明するにあたり、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
下記に、添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
下記の説明で用いられる接続ノード(node)を識別するための用語、ネットワークエンティティ(network entity)を指し示す用語、メッセージを指し示す用語、ネットワークエンティティ間のインターフェースを指し示す用語、多様な識別情報を指し示す用語などは、説明の便宜のために例示したものである。
したがって、本発明は後述する用語に限定されるものではなく、同等な技術的意味を持つ対象を指し示す他の用語が用いられることができる。
【0015】
以下、説明の便宜のために、本発明は、3GPP(登録商標) LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)規格で定義している用語及び名称を用いる。
しかし、本発明が上記用語及び名称によって限定されるものではなく、他の規格によるシステムにも同一に適用され得る。
本発明でeNBは、説明の便宜のためにgNBと混用して用いられ得る。
すなわち、eNBと説明した基地局は、gNBを表すこともできる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるLTEシステムの構造を示す図である。
図1を参照すると、図に示したとおり、LTEシステムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(Evolved Node B、以下、ENB、Node B又は基地局)(1-05、1-10、1-15、1-20)とMME(mobility management entity)(1-25)及びS-GW(Serving-Gateway)(1-30)で構成される。
ユーザ端末(user equipment、以下、UE又は端末)(1-35)は、ENB(1-05~1-20)及びS-GW(1-30)を介して外部ネットワークに接続する。
【0017】
図1においてENB(1-05~1-20)は、UMTSシステムの既存のノードBに対応する。
ENBは、UE(1-35)と無線チャンネルを介して接続され、既存のノードBより複雑な役割を行う。
LTEシステムにおいては、インターネットプロトコルによるVoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムサービスをはじめとする全てのユーザトラフィックが共有チャンネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEのバッファー状態、使用可能送信電力状態、チャンネル状態などの状態情報を取り集めてスケジューリングする装置が必要であり、これをENB(1-05~1-20)が担当する。
【0018】
一つのENBは、通常は複数のセルを制御する。
例えば、100Mbpsの送信速度を具現するために、LTEシステムは、例えば、20MHz帯域幅で直交周波数分割多重方式(orthogonal frequency division multiplexing、以下、OFDMという)を無線接続技術として用いる。
また、端末のチャンネル状態に合わせて変調方式(modulation scheme)とチャンネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(adaptive dodulation&coding、以下、AMCという)方式を適用する。
S-GW(1-30)は、データベアラを提供する装置であり、MME(1-25)の制御に従ってデータベアラを生成するか除去する。
MMEは、端末に対する移動性管理機能及び各種制御機能を担当する装置であって、複数の基地局に接続される。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態によるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図である。
図2を参照すると、LTEシステムの無線プロトコルは、端末とENBにおいてそれぞれPDCP(packet data convergence protocol)(2-05、2-40)、RLC(radio link control)(2-10、2-35)、MAC(medium access control)(2-15、2-30)からなる。
【0020】
PDCP(packet data convergence protocol)(2-05、2-40)は、IPヘッダ圧縮/復元などの動作を担当する。
PDCPの主な機能は、下記のように要約される。
【0021】
・ヘッダ圧縮及び圧縮解除機能(Header compression and decompression:ROHC only)
・ユーザデータ送信機能(Transfer of user data)
・順次的伝達機能(In-sequence delivery of upper layer PDUs at PDCP re-establishment procedure for RLC AM)
・順序再整列機能(For split bearers in DC(only support for RLC AM):PDCP PDU routing for transmission and PDCP PDU reordering for reception)
・重複検出機能(Duplicate detection of lower layer SDUs at PDCP re-establishment procedure for RLC AM)
・再送信機能(Retransmission of PDCP SDUs at handover and、 for split bearers in DC、of PDCP PDUs at PDCP data-recovery procedure、for RLC AM)
・暗号化及び復号化機能(Ciphering and deciphering)
・タイマーに基づいたSDU削除機能(Timer-based SDU discard in uplink.)
【0022】
無線リンク制御(radio link control、以下、RLCという)(2-10、2-35)は、PDCP PDU(protocol data unit)を適切な大きさに再構成してARQ動作などを行う。
RLCの主な機能は、下記のように要約される。
【0023】
・データ送信機能(Transfer of upper layer PDUs)
・ARQ機能(Error Correction through ARQ(only for AM data transfer))
・接合、分割、再組立機能(Concatenation、segmentation and reassembly of RLC SDUs(only for UM and AM data transfer))
・再分割機能(Re-segmentation of RLC data PDUs(only for AM data transfer))
・順序再整列機能(Reordering of RLC data PDUs(only for UM and AM data transfer)
・重複検出機能(Duplicate detection(only for UM and AM data transfer))
・エラー検出機能(Protocol error detection(only for AM data transfer))
・RLC SDU削除機能(RLC SDU discard(only for UM and AM data transfer))
・RLC再確立機能(RLC re-establishment)
【0024】
MAC(2-15、2-30)は、一つの端末に構成された複数のRLC階層装置に接続され、RLC PDUをMAC PDUに多重化し、MAC PDUからRLC PDUを逆多重化する動作を行う。
MACの主な機能は、下記のように要約される。
【0025】
・マッピング機能(Mapping between logical channels and transport channels)
・多重化及び逆多重化機能(Multiplexing/demultiplexing of MAC SDUs belonging to one or different logical channels into/from transport blocks(TB) delivered to/from the physical layer on transport channels)
・スケジューリング情報報告機能(Scheduling information reporting)
・HARQ機能(Error correction through HARQ)
・ロジカルチャンネル間の優先順位調節機能(Priority handling between logical channels of one UE)
・端末間の優先順位調節機能(Priority handling between UEs by means of dynamic scheduling)
・MBMSサービス確認機能(MBMS service identification)
・送信フォーマット選択機能(Transport format selection)
・パディング機能(Padding)
【0026】
PHY階層(2-20、2-25)は、上位階層データをチャンネルコーディング及び変調してOFDMシンボルを生成し、無線チャンネルに送信するか、無線チャンネルを介して受信したOFDMシンボルを復調及びチャンネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作をする。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの構造を示す図である。
図3を参照すると、図に示したとおり、次世代移動通信システム(以下、NR又は2g)の無線アクセスネットワークは、次世代基地局(new radio Node B、以下、NR gNB又はNR基地局)(3-10)とNR CN(new radio core network)(3-05)で構成される。
ユーザ端末(new radio user equipment、以下、NR UE又は端末)(3-15)は、NR gNB(3-10)及びNR CN(3-05)を介して外部ネットワークに接続する。
【0028】
図3においてNR gNB(3-10)は、既存のLTEシステムのeNB(Evolved Node B)に対応する。
NR gNBは、NR UE(3-15)と無線チャンネルで接続され、既存のノードBより優れたサービスを提供する。
次世代移動通信システムでは、全てのユーザトラフィックが共有チャンネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEのバッファー状態、使用可能送信電力状態、チャンネル状態などの状態情報を取り集めてスケジューリングする装置が必要であり、これをNR NB(3-10)が担当する。
【0029】
一つのNR gNBは、通常は、複数のセルを制御する。
現在のLTEに対比して超高速データ送信を具現するために、既存の最大帯域幅以上を有することができ、直交周波数分割多重方式(orthogonal frequency division multiplexing、以下、OFDMという)を無線接続技術として、追加的にビームフォーミング技術が組み合わされる。
また、端末のチャンネル状態に応じて変調方式(modulation scheme)とチャンネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(Adaptive Modulation&Coding、以下、AMCという)方式を適用する。
【0030】
NR CN(3-05)は、移動性サポート、ベアラ設定、QoS設定などの機能を行う。
NR CNは、端末に対する移動性管理機能及び各種制御機能を担当する装置であり、複数の基地局に接続される。
また、次世代移動通信システムは、既存のLTEシステムとも連動することができ、NR CNがMME(3-25)とネットワークインターフェースを介して接続される。
MMEは、既存の基地局であるeNB(3-30)に接続される。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態による次世代移動通信システムの無線プロトコル構造を示す図である。
図4を参照すると、次世代移動通信システムの無線プロトコルは、端末とNR基地局においてそれぞれNR SDAP(service data adaptation protocol)(4-01、4-45)、NR PDCP(packet data convergence protocol)(4-05、4-40)、NR RLC(radio link control)(4-10、4-35)、NR MAC(medium access control)(4-15、4-30)からなる。
【0032】
NR SDAP(4-01、4-45)の主な機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
【0033】
・ユーザデータの伝達機能(transfer of user plane data)
・アップリンクとダウンリンクに対するQoS flowとデータベアラのマッピング機能(mapping between a QoS flow and a DRB for both DL and UL)
・アップリンクとダウンリンクに対してQoS flow IDをマーキングする機能(marking QoS flow ID in both DL and UL packets)
・アップリンクSDAP PDUに対してrelective QoS flowをデータベアラにマッピングさせる機能(reflective QoS flow to DRB mapping for the UL SDAP PDUs)
【0034】
SDAP階層装置に対し、端末は、RRCメッセージによって各PDCP階層装置別、又はベアラ別、又はロジカルチャンネル別に、SDAP階層装置のヘッダを用いるか否か、又はSDAP階層装置の機能を用いるか否かの設定を受け取る。
SDAPヘッダが設定された場合、SDAPヘッダのNAS QoS反映設定1ビットインジケーター(indicator)(NAS reflective QoS)とAS QoS反映設定1ビットインジケーター(AS reflective QoS)により、端末がアップリンクとダウンリンクのQoS flowとデータベアラに対するマッピング情報を更新又は再設定するように指示する。
SDAPヘッダは、QoSを表す「QoS flow ID」情報を含む。
QoS情報は、円滑なサービスをサポートするためのデータ処理優先順位、スケジュールリング情報などとして用いられる。
【0035】
NR PDCP(4-05、4-40)の主な機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
【0036】
・ヘッダ圧縮及び圧縮解除機能(Header compression and decompression:ROHC only)
・ユーザデータ送信機能(Transfer of user data)
・順次的伝達機能 (In-sequence delivery of upper layer PDUs)
・非順次的伝達機能(Out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)
・順序再整列機能(PDCP PDU reordering for reception)
・重複検出機能(Duplicate detection of lower layer SDUs)
・再送信機能(Retransmission of PDCP SDUs)
・暗号化及び復号化機能(Ciphering and deciphering)
・タイマーに基づいたSDU削除機能(Timer-based SDU discard in uplink.)
【0037】
前述のNR PDCP装置の順序再整列機能(reordering)は、下位階層において受信したPDCP PDUをPDCP SN(sequence number)に基づいて順序に再整列する機能であり、再整列された順序にデータを上位階層に伝達する機能を含むことができ、又は順序を考慮せずに、直接伝達する機能を含むことができる。
また、順序を再整列して流失したPDCP PDUを記録する機能を含むことができ、流失したPDCP PDUに対する状態を送信側に報告する機能を含むことができ、流失したPDCP PDUに対する再送信を要請する機能を含むことができる。
【0038】
NR RLC(4-10、4-35)の主な機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
【0039】
・データ送信機能(Transfer of upper layer PDUs)
・順次的伝達機能(In-sequence delivery of upper layer PDUs)
・非順次的伝達機能(Out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)
・ARQ機能(Error Correction through ARQ)
・接合、分割、再組立機能(Concatenation、segmentation and reassembly of RLC SDUs)
・再分割機能(Re-segmentation of RLC data PDUs)
・順序再整列機能(Reordering of RLC data PDUs)
・重複検出機能(Duplicate detection)
・エラー検出機能(Protocol error detection)
・RLC SDU削除機能(RLC SDU discard)
・RLC再確立機能(RLC re-establishment)
【0040】
上記において、NR RLC装置の順次的伝達機能(In-sequence delivery)は、下位階層から受信したRLC SDUを順序に上位階層に伝達する機能であり、本来、一つのRLC SDUが多数のRLC SDUに分割されて受信された場合、これを再組立して伝達する機能を含むことができる。
受信したRLC PDUをRLC SN(sequence number)又はPDCP SN(sequence number)を基準として再整列する機能を含むことができ、順序を再整列して流失したRLC PDUを記録する機能を含むことができ、流失したRLC PDUに関する状態を送信側に報告する機能を含むことができ、流失したRLC PDUに対する再送信を要請する機能を含むことができる。
【0041】
流失したRLC SDUがある場合、流失したRLC SDU以前までのRLC SDUのみを順序に上位階層に伝達する機能を含むことができ、又は、流失したRLC SDUがあっても所定のタイマーが満了された場合、タイマーが始まる前に受信された全てのRLC SDUを順序に上位階層に伝達する機能を含むことができ、流失したRLC SDUがあっても所定のタイマーが満了された場合、現在まで受信された全てのRLC SDUを順序に上位階層に伝達する機能を含むことができる。
また、上記においてRLC PDUを受信する順序に(一連番号、Sequence numberの順序と関係なく、到着順に)処理してPDCP装置に順序と関係なく(Out-of sequence delivery)伝達することもでき、segmentの場合には、バッファーに格納されているか、後に受信されるsegmentを受信して完全な一つのRLC PDUに再構成した後、処理してPDCP装置に伝達することができる。
上記NR RLC階層は、接合(concatenation)機能を含まないこともあり、上記機能をNR MAC階層で行うか、NR MAC階層の多重化(multiplexing)機能に代替することができる。
【0042】
上記において、NR RLC装置の非順次的伝達機能(Out-of-sequence delivery)は、下位階層から受信したRLC SDUを順序と関係なく直接上位階層に伝達する機能である。
一つのRLC SDUが複数のRLC SDUに分割されて受信された場合、これを再組立して伝達する機能を含むことができ、受信したRLC PDUのRLC SN又はPDCP SNを格納して順序を整列し、流失したRLC PDUを記録しておく機能を含むことができる。
【0043】
NR MAC(4-15、4-30)は、一つの端末に構成された複数のNR RLC階層装置に接続されることができ、NR MACの主な機能は、次の機能の内の一部を含み得る。
【0044】
・マッピング機能(Mapping between logical channels and transport channels)
・多重化及び逆多重化機能(Multiplexing/demultiplexing of MAC SDUs)
・スケジュールリング情報報告機能(Scheduling information reporting)
・HARQ機能(Error correction through HARQ)
・ロジカルチャンネル間の優先順位調節機能 (Priority handling between logical channels of one UE)
・端末間の優先順位調節機能(Priority handling between UEs by means of dynamic scheduling)
・MBMSサービス確認機能(MBMS service identification)
・送信フォーマット選択機能(Transport format selection)
・パディング機能(Padding)
【0045】
NR PHY階層(4-20、4-25)は、上位階層データをチャンネルコーディング及び変調してOFDMシンボルを生成し、無線チャンネルに送信するか、無線チャンネルを介して受信したOFDMシンボルを復調及びチャンネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作を行う。
【0046】
図5は、基地局が端末の接続を解除し、端末がRRC接続モード(RRC_CONNECTED)からRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)に切り替えた後、RRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)にある端末がセル再選択過程を行う手順を示す図である。
【0047】
本発明において、セル再選択過程(又はセル再選択手順)は、RRC遊休モード(RRC_IDLE)又はRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)にある端末が、所定の理由、又は移動によりサービングセル(Serving Cell)のサービス品質が周辺セル(Neighbor Cell)のサービス品質より低くなる時、現在のサービングセルを維持するか、又は周辺セルにセルを再選択するかを決定する手順を意味する。
【0048】
ハンドオーバーの場合、網(MME又はAMF(access and mobility management function)又はsource eNB又はsource gNB)によりハンドオーバー動作をするか否かが決定されるのに対し、セル再選択の場合、セル測定値に基づいて端末が自らセル再選択動作をするか否かを決定する。
端末が移動しながら再選択するセルは、現在キャンプ-オンしているサービングセルと同じNR周波数(NR intra-frequency)を用いるセル、サービングセルと異なるNR周波数(NR inter-frequency)を用いるセル、又は他の無線接続技術(radio access technology、以下、RAT)において用いる周波数(inter-RAT frequency)を用いるセルを意味する。
【0049】
図5を参照すると、端末(5-01)は、RRC接続モード(5-05)(RRC_CONNECTED)である。
(5-10)段階において、RRC接続モードにある端末(5-01)は、基地局(5-02)からRRC接続解除メッセージ(RRCRelease message)を受信する。
メッセージには、非活性化設定情報(例えば、suspendConfig)が含まれ得る。
メッセージには、各RAT別(例えば、NR EUTRA、UTRA-FDD、UTRA-TDDなど)の周波数ごとの一つのセル再選択優先順位設定情報と、RATに関係なく共通して適用可能なタイマー値(例えば、t320タイマー値)が含まれ得る。
【0050】
(5-15)段階において、受信したRRC接続解除メッセージに非活性化設定情報が含まれるか否かにより、端末はRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)に遷移(又は進入)する。
例えば、非活性化設定情報が含まれたRRC接続解除メッセージを成功的に受信した場合、RRC接続モードにある端末は、RRC非活性化モードに遷移する。
それに対し、非活性化設定情報が含まれないRRC接続解除メッセージを成功裏に受信した場合、RRC接続モードにある端末は、RRC遊休モードに遷移する。
【0051】
(5-20)段階において、端末は、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードでセル選択手順を行う。
セル選択手順は、端末が、選択したPLMN(public land mobile network)又はSNPN(stand-alone non-public network)で適切なセル(suitable cell)を検索してキャンプ-オンする過程を意味し、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードで適切なセルを検索してキャンプ-オンしたセルを、サービングセルと指し示す。
端末は、セル選択手順を行うために、セルで放送するシステム情報(例えば、MIB及び/又はSIB1)を受信する。
【0052】
例えば、端末は、セル選択基準(Cell selection criteria、S criteria、又は数式1と指し示すことができる。)によってセルを選択することができる。
例えば、下記に示す数式1を満たすセルを選択する。
【数1】
【0053】
数式1で用いられるパラメーターそれぞれに対する定義は、3GPP(登録商標)標準文書TS38.304を参考することができ、パラメーターは、セルが放送するシステム情報(例えば、SIB1、SIB2)に含まれる。
下記において、数式1が適用される本発明の実施形態に対してもパラメーターが同じである。
【0054】
例えば、Srxlevは、セル選択受信レベル値(dB単位)、Squalは、セル選択品質値(dB単位)、Qrxlevmeasは、測定されたセル受信レベル値(RSRP)、Qrxlevminは、セルに対して最小限に求められる受信レベル値(dBm単位)、Qrxlevminoffsetは、Srxlev評価を考慮したQrxlevminに対するオフセット、Pcompensationは、補償電力値、Qoffsettempは、セルに対して一時的に適用されるオフセット、Qqualminは、セルに対して最小限に求められる品質レベル(dB単位)、Qqualminoffsetは、Squal評価を考慮したQqualminに対するオフセットを意味する。
【0055】
(5-25)段階において、端末は、システム情報(SIB3、SIB4、...、SIB8、SIB24)を取得(又は受信)する。
各システム情報には、RAT別の周波数ごとの一つのセル再選択優先順位設定情報及びセル再選択パラメーターが含まれ得る。
例えば、SIB2は、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末が「NR intra-frequency」、「NR inter-frequency」、「inter-RAT frequency」セルを再選択するのに共通に適用される情報(又はパラメーター)を含み得る。
【0056】
例えば、SIB3は、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末が「NR intra-frequency」セルを再選択するためにのみ適用される情報/パラメーターを含む。
例えば、SIB4は、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末が「NR inter-frequency」セルを再選択するためにのみ適用される情報/パラメーターを含む。
例えば、SIB5には、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末が「LTE frequency(inter-RAT frequency)」セルを再選択するためにのみ適用される情報/パラメーターを含む。
【0057】
(5-30)段階において、端末は、セル再選択評価手順(cell reselection evaluation process)を行う。
セル再選択評価手順は、次の一連の過程を意味する。
【0058】
・周波数優先順位適用方法(Reselection priorities handling)
・測定規則(Measurement rules for cell reselection)
・セル再選択評価基準(Cell reselection criteria)
【0059】
周波数優先順位適用方法は、端末が(5-10)段階において受信したRRC接続解除メッセージに、各RAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報とRATに共通して適用されるタイマー値が含まれるか否かによって決定される。
例えば、下記のような方法に基づいて周波数優先順位が決定される。
一方、下記のような方法は、例であるだけで、本発明はこれに限定されず、多様な方法に基づいて周波数優先順位を決定することができる。
【0060】
・RRC接続解除メッセージに各RAT別の周波数ごとの一つのセル再選択優先順位設定情報とRATに共通して適用可能なタイマー値が含まれる場合、T320タイマーが駆動される間、(5-25)段階において取得したシステム情報にあるRAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報を無視し、RRC連結解除メッセージに含まれているセル再選択優先順位設定情報を適用して周波数優先順位を決定する。
T320タイマーが満了する場合、(5-25)段階において取得したシステム情報にあるRAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報を適用し、周波数優先順位を決定する。
【0061】
・RRC接続解除メッセージに各RAT別の周波数ごとの一つのセル再選択優先順位設定情報が含まれており、RATに共通して適用可能なタイマー値が含まれない場合、(5-25)段階において取得したシステム情報にあるRAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報を無視し、RRC接続解除メッセージに含まれているセル再選択優先順位設定情報を適用して周波数優先順位を決定する。
【0062】
・RRC接続解除メッセージに、各RAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報とRATに共通して適用可能なタイマー値が含まれない場合、(5-25)段階において取得したシステム情報にあるRAT別の周波数ごとのセル再選択優先順位設定情報を適用して周波数優先順位を決定する。
【0063】
上記測定規則は、端末が、所定の理由又はバッテリー消費を最小化するために周波数優先順位を適用し、次の測定規則に基づいて周辺セル測定(neighbor cell measurement)を行う。
一方、次の測定規則は、例であるだけで、本発明はこれに限定されず、端末は多様な測定規則に基づいて周辺セル測定を行うことができる。
【0064】
・もし、サービングセルの受信レベルと受信品質が臨界値より大きい場合(Srxlev>SIntraSearchP and Squal>SIntraSearchQ)、端末は、「NR intra-frequency」測定を行わない。
そうでない場合、端末は、「NR intra-frequency」測定を行う。
ここで、SIntraSearchPは、「NR intra-frequency」測定に対するSrxlev臨界値を意味し、SIntraSearchQは、「NR intra-frequency」測定に対するSqual臨界値を意味する。
【0065】
・現在のサービングセルの周波数よりセル再選択優先順位が高い「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」に対し、端末は、3GPP(登録商標)標準文書TS38.133に従って周辺セル測定を行う。
【0066】
・もし、サービングセルの受信レベルと受信品質が臨界値より大きい場合(Srxlev>SnonIntraSearchP and Squal>SnonIntraSearchQ)、端末は、現在のサービングセルの周波数よりセル再選択優先順位が低い又は等しい「NR inter-frequency」、又は現在のサービングセルの周波数よりセル再選択優先順位が高い「inter-RAT frequency」に対して測定を行わない。
そうでない場合、現在のサービングセルの周波数よりセル再選択優先順位が低い又は等しい「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」に対し、端末は、3GPP(登録商標)標準文書TS38.133に従って周辺セル測定を行う。
参考までに、臨界値(例えば、前述したSIntraSearchP、SIntraSearchQ、SnonIntraSearchP、SnonIntraSearchQ)とサービングセルの受信レベル、受信品質は、(5-30)段階において受信したシステム情報を介して取得又は導出される。
【0067】
ここで、SnonIntraSrachPは、「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」測定に対するSrxlev臨界値を意味し、SnonIntraSearchQは、「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」測定に対するSqual臨界値を意味する。
【0068】
一方、セル再選択評価基準は、端末が決定した周波数優先順位に応じて異なるセル再選択評価基準を適用する。
具体的には、端末は、次の場合に対し、異なるセル再選択基準を適用する。
一方、本発明は、下記の例の場合に限定されず、セル再選択基準の適用には、多様な場合があり得る。
【0069】
■第1の場合:
●現在のサービング周波数より優先順位が高い「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」が、少なくとも一つ以上存在する場合
■第2の場合:
●現在のサービング周波数より優先順位が低い「NR inter-frequency」又は「inter-RAT frequency」が、少なくとも一つ以上存在する場合
■第3の場合:
●現在のサービング周波数、又は現在のサービング周波数と優先順位が等しい「NR inter-frequency」が、少なくとも一つ以上存在する場合
■第4の場合:
●第1の場合又は第2の場合によるセル再選択基準を満たしたNRセルが、複数個存在する場合
【0070】
セル再選択基準を満たす複数個のセルが異なる優先順位である場合、端末は、高い優先順位のRAT/周波数が低い優先順位のRAT/周波数より重要視し、セル再選択を行う(Cell reselection to a higher priority RAT/frequency shall take precedence over a lower priority RAT/frequency if multiple cells of different priorities fulfil the cell reselection criteria)。
例えば、端末は、第1の場合、又は第1の場合によって発生した第4の場合を優先視し、セル再選択を行う。
上記場合を満たさない場合、端末は、第3の場合によってセル再選択を行う。
上記場合を全て満たさない場合、第2の場合、又は第2の場合によって発生した第4の場合によってセル再選択を行う。
【0071】
第1の場合によってセル再選択基準を適用する場合、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末は、「Higher priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」を適用する。
ここで、「Higher priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」は、次のようである。
【0072】
・もし、サービングセルで放送するシステム情報(例えば、SIB2)によってThreshServing、LowQが放送され、端末が現在のサービングセルにキャンプ-オンして1秒が過ぎた場合(ここで、ThreshServing、LowQは、低い優先順位に向かって再選択する場合、サービングセルに対して用いられるSqual臨界値を意味する。)、
【0073】
●端末は、各周波数にある一つ又は複数個のセルの内の下記の条件Aを満たすか否かを判断し、候補ターゲットセルリストを各周波数別に導き出す。
条件Aで用いられるTreselectionRATパラメーターとThreshX、HighQパラメーターは、システム情報に含まれている。
例えば、サービング周波数より優先順位が高い「NR frequency」にあるセルに対する場合、SIB4にパラメーター値が含まれ、サービング周波数より優先順位が高い「inter-RAT frequency」にあるセルに対する場合、SIB5にパラメーター値が含まれる。
ここで、TreselectionRATは、セル再選択タイマー値を意味し、ThreshX、HighQは、サービング周波数より高い優先順位のRAT又は周波数に向かって再選択する場合、Squal臨界値を意味する。
【0074】
■条件A:高い優先順位にあるNR周波数にあるセル又はE-UTRAN RATセルの受信品質(Squal)が、TreselectionRAT期間の間ThreshX、HighQより大きい場合(A cell of a higher priority NR or E-UTRAN RAT/frequency fulfils Squal>ThreshX、HighQ during a time internal TreselectionRAT
【0075】
・そうでない場合
【0076】
●端末は、各周波数にある一つ又は複数個のセルの内の下記の条件Bを満たすか否かを判断し、候補ターゲットセルリストを各周波数別に導き出す。
条件Bで用いられるTreselectionRATパラメーターとThreshX、HighPパラメーターは、システム情報に含まれている。
例えば、サービング周波数より優先順位が高い「NR frequency」にあるセルに対する場合、SIB4にパラメーター値が含まれ、サービング周波数より優先順位が高い「inter-RAT frequency」にあるセルに対する場合、SIB5にパラメーター値が含まれる。
ここで、ThreshX、HighPは、サービング周波数より高い優先順位のRAT又は周波数に向かって再選択する場合、Srxlev臨界値を意味する。
【0077】
■条件B:端末が、現在のサービングセルにキャンプ-オンして1秒が過ぎ(more than 1 second has elapsed since the UE camped on the current serving cell)、高い優先順位にあるRATセル又は周波数セルの受信レベル(Srxlev)がTreselectionRAT期間の間ThreshX、HighPより大きい場合(A cell of a higher priority RAT/frequency fulfils Srxlev>ThreshX、HighP during a time internal TreselectionRAT
【0078】
「Higher priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」を満たすセルが複数個存在するか否かを判断する。
この時、複数個のセルとは、最も高い優先順位にある一つの周波数(highest-priority frequency)にある複数個のセルを指し示すか、又は最も高い優先順位にある周波数が複数個(highest-priority frequencies)が存在し、各周波数別に一つ又は複数個のセルが存在する際に、これを満たす全体の周波数に対する複数個のセルを指し示す。
もし、複数個存在する場合、端末は、「highest-priority frequency」がNR周波数である場合、追加的にセル別のランキングを導き出し、「highest ranked cell」にセル再選択を行う。
すなわち、第1の場合によって発生した第4の場合によってセル再選択基準を適用する場合、下記の条件により「highest ranked cell」にセル再選択を行う。
【0079】
・端末は、セル選択基準を満たす全てのセルに対してランキングを行う(The UE shall perform ranking of all cells that fulfil the cell selection criterion S)。
・セル選択基準を満たすセルに対して、端末は、RSRP測定値に基づいてセル別のRankを導き出す。
サービングセルと周辺セルのRankは、下記に示す数式2に従ってそれぞれ計算される。
・サービングセルRankと周辺セルRankは、下記に示す数式2に従ってそれぞれ計算される。
【0080】
本発明において、サービングセルのRankは、Rと指し示し、周辺セルのRankは、Rと指し示す。
【数2】
【0081】
ここで、Qmeas(Qmeas、s及びQmeas、n)は、セル再選択に用いられるRSRP測定結果(RSRP measurement quatity)を意味する。
Qoffsetは、「intra-frequency」に対し、Qoffsets、nが有効(valid)な場合、Qoffsets、nと同一であり、もし、Qoffsets、nが有効でない場合、「0」である。
また、Qoffsetは、「inter-frequency」に対し、Qoffsets、nが有効な場合、Qoffsets、nとQoffsetfrequencyを加えたものと同一であり、もしQoffsets、nが有効でない場合、Qoffsetfrequecyと同一である。
Qoffsettempは、セルに対して一時的に適用されるオフセットを意味する。
【0082】
・端末が新しいセル(例えば、highest ranked cell)で再選択するためには、次の条件が満たされなければならない。
【0083】
■もし、rangeToBestCellがSIB2において設定されなかった場合、最もランキングが高いセル(highest ranked cell)にセル選択を行う。
ここで、rangeToBestCellは、特定範囲の値を意味する。
【0084】
■もし、rangeToBestCellがSIB2において設定された場合、最もランキングが高いセル(highest ranked cell)のR値のrangeToBestCellに属するR値を有するセルの内の「absThreshSS-BlocksConsolidation」より大きいビームの数が最も多いセルにセル再選択を行う(perform cell reselection to the cell with the highest number of beams above the threshold(i.e. absThreshSS-BlocksConsolidation) among the cells whose R value is within rangeToBestCell of the R value of the highest ranked cell)。
ここで、「absThreshSS-BlocksConsolidation」は、NR周波数別にシグナリングされ、RSインデックス別のL1測定統合(consolidation)のための臨界値を意味する。
【0085】
■TrselectionRAT期間の間のセル再選択基準を満たすセルは、現在のサービングセルより優れていること(the new cell is better than the serving cell according to the cell reselection criteria during a time interval TreselectionRAT)
【0086】
・端末は、現在のサービングセルにキャンプ-オンして1秒以上過ぎなければならない。
【0087】
第2の場合によってセル再選択基準を適用する場合、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末は、「Lower priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」を適用する。
「Lower priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」は、次のようである。
【0088】
・もし、サービングセルで放送するシステム情報(例えば、SIB2)によってThreshServing、LowQが放送され、端末が現在のサービングセルにキャンプ-オンして1秒が過ぎた場合
【0089】
●端末は、各周波数にある一つ又は複数個のセルの内の下記の条件Cを満たすか否かを判断し、候補ターゲットセルリストを各周波数別に導き出す。
条件Cで用いられるTreselectionRATパラメーター、ThreshServing、LowQパラメーター、ThreshX、LowQパラメーターは、システム情報に含まれている。
例えば、サービング周波数に対するパラメーター(例えば、ThreshServing、LowQ)は、SIB2に含まれ、サービング周波数より優先順位が低い「NR frequency」にあるセルに対する場合、SIB4にパラメーター値(例えば、TreselectionRAT、ThreshX、LowQ)が含まれ、サービング周波数より優先順位が低い「inter-RAT frequency」にあるセルに対する場合、SIB5にパラメーター値(例えば、TreselectionRAT、ThreshX、LowQ)が含まれる。
【0090】
■条件C:TreselectionRAT期間の間に、現在のサービングセルの受信品質(Squal)がThreshServing、LowQより小さく、低い優先順位にあるNR周波数のセル又はE-UTRAN/RATセルの受信品質(Squal)がThreshX、LowQより大きい場合(The serving frequency fulfils Squal<ThreshServing、LowQ and a cell of a lower priority NR or E-UTRAN RAT/frequency fulfils Squal>ThreshX、LowQ during a time internal TreselectionRAT
【0091】
・そうでない場合
【0092】
●端末は、各周波数にある一つ又は複数個のセルの内の下記の条件Dを満たすか否かを判断し、候補ターゲットセルリストを各周波数別に導き出す。
条件Dで用いられるTreselectionRATパラメーター、ThreshServing、LowPパラメーター、ThreshX、LowPパラメーターは、システム情報に含まれている。
例えば、サービング周波数に対するパラメーター(例えば、ThreshServing、LowP)は、SIB2に含まれ、サービング周波数より優先順位が低いNRfrequencyにあるセルに対する場合、SIB4にパラメーター値(例えば、TreselectionRAT、ThreshX、LowP)が含まれ、サービング周波数より優先順位が低い「inter-RAT frequency」にあるセルに対する場合、SIB5にパラメーター値(例えば、TreselectionRAT、ThreshX、LowP)が含まれる。
【0093】
■条件D:端末が、現在のサービングセルにキャンプ-オンして1秒が過ぎ(more than 1 second has elapsed since the UE camped on the current serving cell)、TreselectionRAT期間の間に、現在のサービングセルの受信レベル(Srxlev)がThreshServing、LowPより小さく、低い優先順位にあるRATのセル又は周波数にあるセルの受信レベル(Srxlev)がThreshX、LowPより大きい場合(The serving frequency fulfils Srxlev<ThreshServing、LowP and a cell of a lower priority RAT/frequency fulfils Srxlev>ThreshX、LowP during a time internal TreselectionRAT
【0094】
「Lower priority NR Inter-frequency and inter-RAT cell reselection criteria」を満たすセルが複数個存在するか否か判断する。
もし、複数個存在する場合(第2の場合によって発生した第4の場合によってセル再選択基準を適用する場合)、端末は、前述の方法により追加的にセル別のランキングを導き出し、「highest ranked cell」にセル再選択を行う。
【0095】
第3の場合によってセル再選択基準を適用する場合、前述の方法によりセル別のランキングを導き出し、「highest ranked cell」にセル再選択を行う。
【0096】
(5-35)段階において、端末は、前述したセル再選択評価手順により最終ターゲットセルでセルを再選択する。
この時、該当セルで放送されるMIBとSIB1を受信し、該当セルの状態が禁止されたと指示されず、又は禁止されたと見なされず(cell status is “barred” is not indicated or not to be treated as if the cell status is “barred”)、受信したSIB1に基づいて該当セルの受信レベルと受信品質を新しく導き出してセル再選択基準を満たす(Srxlev>0 AND Squal>0)か否かを判断し、該当セルで最終的に再選択する。
【0097】
一方、前述した既存の地上網(terrestrial network)において、端末がセルのセンター(cell center)に位置している場合とセルの端(cell-edge)に位置している場合を比較すると、受信レベル(Srxlev)、受信品質(Squal)、絶対的な信号強度(reference signal received power、RSRP)、相対的な信号品質(reference signal received quality、RSRQ)の差が大きいので、端末がセルのセンターにある場合、周辺セルを再選択する問題、又は頻繁なピンポンセル再選択の問題(frequent ping-pong cell reselection issue)が微小である。
しかし、端末が、非地上ネットワーク(Non-terrestrial network、NTN)(又は衛星ネットワーク)をサポートする場合、問題点が発生する可能性がある。
具体的な内容は、図6を参照して説明することにする。
【0098】
図6は、地上網又はNTNにおいて、端末がセルのセンターに位置している場合とセルの端に位置している場合の間の受信信号強度を比較した図である。
図6の(a)を参照すると、端末が地上網セルのセンター(cell center)に位置している場合、又は地上網セルの端(cell-edge)に位置している場合、地上網セルから受信した測定値(例えば、受信レベル(Srxlev)、受信品質(Squal)、絶対的な信号強度(reference signal received power:RSRP))の差が大きいことを確認することができる。
【0099】
一方、図6の(b)を参照すると、端末が衛星セルのセンター(cell center)に位置している場合、又は衛星セルの端(cell-edge)に位置している場合、衛星セルから受信した測定値(例えば、受信レベル(Srxlev)、受信品質(Squal)、絶対的な信号強度(reference signal received power:RSRP))の差がほとんどないことを確認することができる。
この場合、端末が衛星セルのセンターにある場合にも、周辺セルを再選択するか、頻繁なピンポンセルを再選択する(frequent ping-pong cell reselection issue)など問題点が発生する可能性がある。
【0100】
したがって、本発明では、前述の問題点を解決するために、天体暦に基づいたセル再選択(ephemeris-based cell reselection)過程を提案する。
以下、図7を参照し、本発明で提案する天体暦に基づいたセル再選択過程を説明する。
【0101】
図7は、本発明の一実施形態により、基地局が端末の接続を解除し、端末がRRC接続モード(RRC_CONNECTED)からRRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)に切り替えた後、RRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)にある端末が衛星セル再選択過程を行う手順を示す図である。
【0102】
本発明の一実施形態では、非地上ネットワーク(Non-terrestrial network、以下、NTN)において、RRC非活性化モード(RRC_INACTIVE)又はRRC遊休モード(RRC_IDLE)にある端末が衛星(satellite)セル再選択過程を行う手順を提案する。
具体的には、NTNをサポートする端末と衛星セルは、次のような特徴を持つ。
【0103】
・NTN端末:NTNをサポートする端末は、GNSS(global navigation satellite system)能力を持つ。
GNSSを駆動する端末は、自身の位置を把握することができる。
例えば、GNSSを駆動する端末は、地球中心座標を基準として自身の位置を把握することができる。
・衛星セル:衛星セルは、システム情報を介してNTNをサポートする端末に天体暦情報(ephemeris information)を提供する。
例えば、天体暦情報とは、衛星の位置情報を意味する。
天体暦情報は、新しく定義されるシステム情報、又は既存に定義されているシステム情報を介し、NTNをサポートする端末に提供される。
一方、衛星セルは、NR基地局に接続され、NR基地局が提供する情報を、NTNをサポートする端末にフォワーディングする。
本発明において衛星セルは、NTN基地局とも指し示す。
【0104】
もし、NTNをサポートする端末がGNSSを駆動しない場合、前述した実施形態により、セル再選択過程を行う。
すなわち、自身の位置が把握できない端末は、前述した実施形態によりセル再選択過程を行う。
これとは異なり、もし、NTNをサポートする端末がGNSSを駆動する場合、自身の位置と基地局が提供する天体暦情報を用いてセル再選択過程を行う。
すなわち、自身の位置が把握できる端末は、自身の位置と基地局が提供する天体暦情報を用いてセル再選択過程を行う。
一方、本発明では、基地局が提供する天体暦情報を用いてセル再選択過程を行い、天体暦に基づいたセル再選択(ephemeris-based cell reselection)と名付ける。
本発明では、前述した実施形態において説明したセル再選択パラメーターと比較し、セル再選択に用いられる点では同じ目的であるが、NTN端末のためのセル再選択パラメーターが新しく導入され、このような新しいセル再選択パラメーターは、システム情報を介して放送され得る。
【0105】
具体的には、もし、NTN端末のためのセル再選択パラメーターが新しく導入されない場合、NTN端末は、前述した実施形態において説明したセル再選択パラメーターを適用してセル再選択評価手順を行う。
もし、NTN端末のためのセル再選択パラメーターが新しく導入され、システム情報を介して放送される場合、NTN端末は、セル再選択のために新しく導入されたセル再選択パラメーターを適用し、セル再選択手順を行う。
以下、本発明では、説明の便宜上、セル再選択パラメーターが新しく導入され、端末が新しく導入されたセル再選択パラメーターに基づいてセル再選択過程を行う場合を中心に説明する。
しかし、これは単に説明の便宜のためのものであり、本発明は、これに限定されない。
【0106】
図7を参照すると、NTN端末(7-01)は、「NTN gNB or satellite cell」(7-02)とRRC接続を設定してRRC接続モード(7-05)(RRC_CONNECTED)にある。
【0107】
(7-10)段階において、RRC接続モード端末(7-01)は、「NTN gNB or satellite cell」(7-02)からRRC接続解除メッセージ(例えば、RRCRelease)を受信する。
メッセージには、RRC非活性化モードに遷移するための設定情報(例えば、suspendConfig)が格納される(又は含まれる)。
又は、メッセージには、各RAT別(例えば、NR、EUTRAなど)の周波数ごとの一つのセル再選択優先順位設定情報とRAT別に無関係に共通して適用可能なタイマー値(例えば、t320 value)が格納される。
本発明では、メッセージにNTNをサポートする周波数であるか否かを表すインジケーター、又は周波数別の衛星セルを表すための所定のセル識別子(例えば、Physical Cell Id)、衛星のタイプ(低軌道、静止衛星、HAPSなど)、測定規則に適用されるSIntraSearchP、SIntraSearchQ、SnonIntraSearchP、SnonIntraSearchQの内の少なくとも一つを考慮し、端末とサービング衛星の距離差によって測定を行うか否かを決定することを活性化(enable)又は非活性化(disable)できるインジケーター又は情報要素などが含まれる。
【0108】
(7-15)段階において、RRC接続解除メッセージを受信した端末(7-01)は、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードに遷移する。
端末は、RRC接続解除メッセージに非活性化モードに遷移するための設定情報が格納されている場合、これを適用してRRC非活性化モードに遷移する。
そうでない場合、端末はRRC遊休モードに遷移する。
【0109】
(7-20)段階において、RRC遊休モード又はRRC非活性化モードにある端末(7-01)は、セル選択手順を行う。
セル選択手順は、前述した実施形態による。
【0110】
(7-25)段階において、端末(7-01)は、セル再選択過程を行うために「NTN gNB or satellite cell」(7-02)が放送するシステム情報(例えば、SIB3、SIB4、SIB5、etc)を取得/受信する。
本発明の一実施形態では、前述した実施形態で明示した情報の他に「NTN gNB or satellite cell」(7-02)が、次の情報を既存のシステム情報又は新規システム情報を介して放送することができる。
【0111】
・サービング(衛星)セルの天体暦情報(例えば、SIB2 or new SIB)
・所定のNR周波数における周辺(衛星)セルの天体暦情報(例えば、SIB3、SIB4 or new SIB)
■天体暦情報にマッピングされた(衛星)セルを識別できる(衛星)セル識別子(例えば、PCI)が含まれる。
【0112】
・端末とサービング(衛星)セルの間の所定の距離臨界値(Dserving)とoffset値(Qoffsetlocation、serving)(例えば、SIB2 or new SIB)
■Qoffsetlocation、servingは、端末とサービング(衛星)セルとの間の距離が、Dservingより小さい、又はDservingより小さいか等しい場合、端末は、サービングセルランキング導出時にQoffsetlocation、servingを適用する。
【0113】
・端末と周辺(衛星)セルの間の所定の距離臨界値(Dneighbor)とoffset値(Qoffsetlocation、neighbor)(例えば、SIB3 or SIB4 or new SIB)
■Qoffsetlocation、neighborは、端末と周辺(衛星)セルとの間の距離がDneighborより小さい、又はDservingより小さいか等しい場合、端末は、周辺セルランキング導出時にQoffsetlocation、neighborを適用する。
■Dneighbor値は、周波数別にシグナリングされ、セル別にシグナリングされることもできる。
■Qoffsetlocation、neighborは、周波数別にシグナリングされ、セル別にシグナリングされることもできる。
【0114】
・前述のDservingとDneighborは、一つの値でシグナリングされる。
・前述のオフセット(例えば、Qoffsetlocation、serving又はQoffsetlocation、neighbor)は、衛星のタイプ(低軌道、静止衛星、HAPSなど)によって異なる値がシグナリングされることもできる。
・SIntraSearchP、SIntraSearchQ、SnonIntraSearchP、SnonIntraSearchQの内の少なくとも一つを考慮し、端末とサービング衛星の距離差によって測定を行うか否かを決定することを活性化(enable又はactivate)又は非活性化(disable又はdeactivate)できるインジケーター又は情報要素などが含まれることもできる。
【0115】
例えば、端末とサービング衛星の距離差に基づき、「intra-frequency」測定、「inter-frequency」測定、又は「inter-RAT frequency」測定を行うか否かを決定することを活性化(enable)又は非活性化(disable)することができる。
【0116】
(7-30)段階において、端末(7-01)は、天体暦に基づいたセル再選択評価手順(ephemeris based cell reselection evaluation process)を行う。
セル再選択評価手順は、次の一連の過程を意味する。
【0117】
・周波数優先順位適用方法(Reselection priorities handling)
・測定規則(Measurement rules for cell reselection)(一実施形態によると、修正された測定規則であり得る。)
・セル再選択評価基準(Cell reselection criteria)
【0118】
周波数優先順位適用方法は、前述した実施形態による。
測定規則は、前述した実施形態による。
本発明の一実施形態においては、前述した測定規則を、端末とサービング(衛星)セルの距離に基づき、周辺(衛星)セル又は周辺(衛星)セルが属した周波数を測定するか否かを活性化(enable)又は非活性化(disable)可能な、修正された測定規則として適用する。
例えば、従来のように、サービング(衛星)セルの測定値によって周辺セルを測定するか否かを判断せず、端末とサービング(衛星)セルの距離差が所定の距離差の以下又は未満の場合にのみ周辺セルを測定することもできる。
一方、所定の距離基準に関する距離臨界値は、基地局がシステム情報又はRRC接続解除メッセージにより端末に提供する。
【0119】
距離臨界値は、前述したDservingを意味し、又は別途の所定の距離臨界値を意味する。
端末は、サービング(衛星)セルとの距離差により、従来の測定規則に基づいて測定を行うか否かを決定することを端末が自ら活性化(enable)又は非活性化(disable)することができ、又は基地局が明示的にサービング(衛星)セルとの距離差により測定を行うか否かを決定することを活性化(enable)又は非活性化(disable)することもできる(例えば、インジケーターを通じて、サービング(衛星セル)との距離差に基づいてサービングセル測定を行うか否かを決定することを活性化(enable)又は非活性化(disable)することができる。)。
又は、本発明の一実施形態では、前述した測定規則を、端末と周辺(衛星)セルの距離に基づいて周辺セル又は周辺セルが属した周波数を測定するか否かを活性化(enable)又は非活性化(disable)可能な、修正された測定規則として適用することもできる。
【0120】
例えば、端末と周辺(衛星)セルの距離差が所定の距離差の以下又は未満である場合にのみ、周辺セル又は周辺セルが属した周波数を測定することもできる。
所定の距離基準に関する距離臨界値は、基地局がシステム情報又はRRC接続解除メッセージにより端末に提供する。
距離臨界値は、前述したDneighborを意味し、又は別途の所定の距離臨界値を意味することもできる。
端末は、周辺(衛星)セルとの距離差により周辺セル測定を行うか否かを端末が自ら活性化(enable)又は非活性化(disable)することができ、又は基地局が明示的に周辺(衛星)セルとの距離差により周辺セル測定を行うか否かを活性化(enable)又は非活性化(disable)することもできる(例えば、インジケーターを通じて周辺セル測定を行うか否かを活性化(enable)又は非活性化(disable)することができる。)。
【0121】
セル再選択評価基準は、前述した実施形態による。
本発明の一実施形態による端末がセルランキングを導出する必要がある場合、下記に示す数式3を通じてセルランキングを導き出すことができる。
【数3】
【0122】
・ここで、
■Qoffsetlocation、serving:端末とサービング(衛星)セルとの間の距離が距離臨界値(例えば、Dserving)より小さい、又は距離臨界値より小さいか等しい場合、Qoffsetlocation、servingは、数式3に適用される。
又は、端末とサービング(衛星)セルとの間の距離が距離臨界値(例えば、Dserving)より大きい、又は距離臨界値より大きいか等しい場合、Qoffsetlocation、servingは、セルランキングの導出に用いられず、この場合、数式2のRに対する数式によりRが導き出される。
【0123】
■Qoffsetlocation、neighbor:端末と周辺(衛星)セルとの間の距離が距離臨界値(例えば、Dneighbor)より小さい、又は距離臨界値より小さいか等しい場合、Qoffsetlocation、neighborは、数式3に適用される。
又は、端末と周辺(衛星)セルとの間の距離が距離臨界値(例えば、Dneighbor)より大きい、又は距離臨界値より大きいか等しい場合、Qoffsetlocation、neighborは、セルランキングの導出に用いられず、この場合、数式2のRに対する数式によりRが導き出される。
【0124】
一方、Qoffsetlocation、servingとQoffsetlocation、neighborは、衛星周波数に指示された場合にのみ適用されるか、衛星周波数に指示された所定の周辺セルに対してのみ適用することもできる。
すなわち、衛星セルでないセルに対しては、offsetを適用せずにセルランキングを導き出すことを意味する。
この場合、衛星セルでないセルに対しては、数式2によりセルランキングが導き出される。
また、一実施形態によると、オフセット(例えば、Qoffsetlocation、serving又はQoffsetlocation、neighbor)は、衛星の種類によって異なる値が適用されることもできる。
【0125】
(7-35)段階において、本発明の一実施形態による端末(7-01)は、「highest ranked cell」を再選択する。
又は、距離条件を満たすセルの中から「highest ranked cell」を再選択することもできる。
もし、距離条件を満たすセルがない場合、端末は、S criteriaを満たすセルの内の端末とセルとの間の距離が最も短いセルに再選択する。
又は、端末は、端末とセルとの間の距離が最も短いセルに再選択をすることもできる。
ここで、距離条件を満たすセルは、端末との距離が特定距離より小さい(又は小さいか同じである)セルを意味する。
ここで、特定距離は、前述の距離臨界値の内のいずれか一つであることができ、別途に設定された値であることもできる。
又は、offset(例えば、Qoffsetlocation、serving又はQoffsetlocation、neighbor)が導入されない場合、端末は、端末とセルとの間の距離条件を満たすセルの中から「highest ranked cell」を再選択することもできる。
【0126】
本発明の一実施形態による天体暦に基づいたセル再選択過程は、次の特徴の内の少なくとも一つを考慮して行われる。
【0127】
1.「nonIntraSearch」(「inter-frequency」測定を行うか否か又は「inter-RAT frequency」測定を行うか否かの決定)と「intraSearch」(「intra-frequency」測定を行うか否かの決定)を信号強度でなくサービング衛星との距離差に基づいてそれぞれ活性化(enable)又は非活性化(disable)(又はnonIntraSearchとintraSearchをいずれも考慮して活性化(enable)又は非活性化(disable))する。
【0128】
2.「cell edge condition」を距離に基づいて定義する。
例えば、前述のセル選択基準(Cell selection criteria、S criteria)を満すか否かを距離に基づいて定義する。
【0129】
3.天体暦に基づいた「cell reselection」において、天体暦に基づいたオフセット(ephemeris offset)は、所定の周波数に該当する周辺セルのranking測定時にのみ適用する(例えば、衛星周波数に指示された周辺周波数に対してのみ天体暦に基づいたオフセットを適用して該当周波数のセルに対するセルランキングを決定する。)。
【0130】
4.サービング周波数で周辺衛星セルのPCI(physical cell ID)を知らせ、端末は、周辺衛星セルに対しては、天体暦に基づいたオフセット(Ephemeris offset)(例えば、前述のQoffsetlocation、serving又はQoffsetlocation、neighbor)を適用してセルランキングを決定し、非衛星セル(例えば、衛星セルでないセル)に対しては、天体暦に基づいたオフセットを適用せずにセルランキングを決定する。
【0131】
5.オフセット(例えば、Qoffsetlocation、serving又はQoffsetlocation、neighbor)は、衛星の種類(例えば、低軌道、静止衛星、HAPSなど)によって異なる値である(又は、決定される。)。
【0132】
6.端末は、「highest ranked cell」を再選択することができ、又は所定の距離条件を満たすセルの中から「highest ranked cell」を再選択することもでき、又は(S criteriaを満たすセルの中から)端末とセルとの間の距離が最も短いセルに再選択することもできる。
【0133】
図8は、本発明の一実施形態による端末の概略構成を示すブロック図である。
図8を参照すると、端末は、RF(Radio frequency)処理部(8-10)、基底帯域(baseband)処理部(8-20)、格納部(8-30)、制御部(8-40)を含む。
【0134】
RF処理部(8-10)は、信号の帯域変換、増幅など無線チャンネルを介して信号を送受信するための機能を行う。
すなわち、RF処理部(8-10)は、基底帯域処理部(8-20)から提供される基底帯域信号をRF帯域信号に上向き変換した後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信されるRF帯域信号を基底帯域信号に下向き変換する。
例えば、RF処理部(8-10)は、送信フィルター、受信フィルター、増幅器、ミキサー(mixer)、オシレーター(oscillator)、DAC(digital to analog convertor)、ADC(analog to digital convertor)などを含み得る。
【0135】
図において、一つのアンテナのみを図に示したが、端末は、複数のアンテナを備えることができる。
また、RF処理部(8-10)は、複数のRFチェーンを含むことができる。
さらに、RF処理部(8-10)は、ビームフォーミング(beamforming)を行うことができる。
ビームフォーミングのために、RF処理部(8-10)は、複数のアンテナ、又はアンテナ要素(element)を介して送受信される信号それぞれの位相及び強度を調節することができる。
また、RF処理部は、MIMOを行うことができ、MIMO動作実行時に複数のレイヤーを受信することができる。
【0136】
基底帯域処理部(8-20)は、システムのPHY階層規格に応じて基底帯域信号及びビット列間の変換機能を行う。
例えば、データ送信時、前記基底帯域処理部(8-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(8-20)は、RF処理部(8-10)から提供される基底帯域信号を復調及び復号化することによって受信ビット列を復元する。
例えば、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)方式に対応する場合、データ送信時、基底帯域処理部(8-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成し、複素シンボルを副搬送波にマッピングした後、IFFT(inverse fast Fourier transform)演算及びCP(cyclic prefix)挿入によってOFDMシンボルを構成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(8-20)は、RF処理部(8-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT(fast Fourier transform)によって副搬送波にマッピングされた信号を復元した後、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。
【0137】
基底帯域処理部(8-20)及びRF処理部(8-10)は、前述したように信号を送信及び受信する。
これにより、基底帯域処理部(8-20)及びRF処理部(8-10)は、送信部、受信部、送受信部、又は通信部と指し示すことができる。
さらに、基底帯域処理部(8-20)及びRF処理部(8-10)の内の少なくとも一つは、それぞれ異なる複数の無線接続技術をサポートするために複数の通信モジュールを含み得る。
また、基底帯域処理部(8-20)及びRF処理部(8-10)の内の少なくとも一つは、それぞれ異なる周波数帯域の信号を処理するためにそれぞれ異なる通信モジュールを含み得る。
例えば、互い異なる無線接続技術は、無線LAN(例:IEEE 802.11)、セルラー網(例:LTE)などを含み得る。
また、それぞれ異なる周波数帯域は、超高周波(SHF:super high frequency)(例:2.NRHz、NRhz)帯域、mm波(millimeter wave)(例:60GHz)帯域を含み得る。
【0138】
格納部(8-30)は、端末の動作のための基本プログラム、アプリケーション、設定情報などのデータを格納する。
特に、格納部(8-30)は、第2の無線接続技術を用いて無線通信を行う第2の接続ノードに関連した情報を格納することができる。
そして、格納部(8-30)は、制御部(8-40)の要請に応じて格納されたデータを提供する。
【0139】
制御部(8-40)は、端末の全般的な動作を制御する。
例えば、制御部(8-40)は、基底帯域処理部(8-20)及びRF処理部(8-10)を介して信号を送受信する。
また、制御部(8-40)は、格納部(8-40)にデータを記録し、読み取る。
このために、制御部(8-40)は、少なくとも一つのプロセッサ(processor)を含む。
例えば、制御部(8-40)は、通信のための制御を行うCP(communication processor)及びアプリケーションなど上位階層を制御するAP(application processor)を含み得る。
【0140】
図9は、本発明の一実施形態による基地局の概略構成を示すブロック図である。
図9を参照すると、基地局は、RF処理部(9-10)、基底帯域処理部(9-20)、バックホール通信部(9-30)、格納部(9-40)、制御部(9-50)を含む。
【0141】
RF処理部(9-10)は、信号の帯域変換、増幅など無線チャンネルを介して信号を送受信するための機能を行う。
すなわち、RF処理部(9-10)は、基底帯域処理部(9-20)から提供される基底帯域信号をRF帯域信号に上向き変換した後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信されるRF帯域信号を基底帯域信号に下向き変換する。
例えば、RF処理部(9-10)は、送信フィルター、受信フィルター、増幅器、ミキサー、オシレーター、DAC、ADCなどを含み得る。
図において、一つのアンテナのみを図に示したが、第1の接続ノードは、複数のアンテナを備えることができる。
また、RF処理部(9-10)は、複数のRFチェーンを含み得る。
さらに、RF処理部(9-10)は、ビームフォーミングを行うことができる。
ビームフォーミングのために、RF処理部(9-10)は、複数のアンテナ又はアンテナ要素を介して送受信される信号それぞれの位相及び強度を調節する。
RF処理部(9-10)は、一つ以上のレイヤーを送信することによって下向きMIMO動作を行うことができる。
【0142】
基底帯域処理部(9-20)は、第1の無線接続技術のPHY階層規格に応じて基底帯域信号及びビット列間の変換機能を行う。
例えば、データ送信時、前記基底帯域処理部(9-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(9-20)は、RF処理部(9-10)から提供される基底帯域信号を復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。
例えば、OFDM方式に対応する場合、データ送信時、基底帯域処理部(9-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成し、複素シンボルを副搬送波にマッピングした後、IFFT演算及びCP挿入によってOFDMシンボルを構成する。
また、データ受信時、基底帯域処理部(9-20)は、RF処理部(9-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT演算によって副搬送波にマッピングされた信号を復元した後、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。
基底帯域処理部(9-20)及びRF処理部(9-10)は、前述したように信号を送信及び受信する。
これにより、基底帯域処理部(9-20)及びRF処理部(9-10)は、送信部、受信部、送受信部、通信部、又は無線通信部と指し示す。
【0143】
バックホール通信部(9-30)は、ネットワーク内の他のノードと通信を行うためのインターフェースを提供する。
すなわち、バックホール通信部(9-30)は、主基地局で他のノード、例えば、補助基地局、コアネットワークなどに送信されるビット列を物理的信号に変換し、他のノードから受信される物理的信号をビット列に変換する。
【0144】
格納部(9-40)は、主基地局の動作のための基本プログラム、アプリケーション、設定情報などのデータを格納する。
特に、格納部(9-40)は、接続された端末に割り当てられたベアラに関する情報、接続された端末から報告された測定結果などを格納する。
また、格納部(9-40)は、端末に多重接続を提供するか中断するかの判断基準になる情報を格納する。
そして、格納部(9-40)は、制御部(9-50)の要請に応じて格納されたデータを提供する。
【0145】
制御部(9-50)は、主基地局の全般的な動作を制御する。
例えば、制御部(9-50)は、基底帯域処理部(9-20)及びRF処理部(9-10)、又はバックホール通信部(9-30)を介して信号を送受信する。
また、制御部(9-50)は、格納部(9-40)にデータを記録し、読み取る。
このために、制御部(9-50)は、少なくとも一つのプロセッサを含む。
【符号の説明】
【0146】
1-05、1-10、1-15、1-20 次世代基地局(ENB、NR gNB)
1-25、3-25 MME
1-30 S-GW
1-35、3-15 ユーザ端末(UE又は端末)
3-05 NR CN
3-30 eNB
8-10、9-10 RF処理部
8-20、9-20 基底帯域処理部
8-30、9-40 格納部
8-40、9-50 制御部
9-30 バックホール通信部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける端末の方法において、
サービングセルに対するセル選択受信レベル値(Srxlev)及びセル選択品質値(Squal)の測定を行う段階と、
前記サービングセルのセル選択受信レベル値が第1基準値以上であり、前記サービングセルのセル選択品質値が第2基準値以上であることを識別する段階と、
衛星サポート情報と関連するSIB(System Information Block)に含まれる距離基準値を受信する段階と、
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離を識別する段階と、
前記サービングセルが前記第1基準値以上の前記セル選択受信レベル値及び前記2基準値以上の前記セル選択品質値を満たす場合、前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離及び前記距離基準値に基づき、少なくとも1つ以上の隣接セルの測定を行う段階と、
前記少なくとも1つ以上の隣接セルの測定に基づき、セル再選択を行う段階と、を有することを特徴とする端末の方法
【請求項2】
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離は、前記距離基準値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項3】
前記少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定は、
前記距離基準値が前記端末に送信されなかった場合、
前記端末が前記端末に対する位置測定をサポートしない場合、又は
前記端末の位置情報が獲得されない場合の内の少なくとも1つの場合には、行われないことを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項4】
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離が前記距離基準値よりも小さい場合、前記少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定は、行われないことを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項5】
前記SIBは、天体暦情報を含み、
前記SIBは、常時、サービングセルからブロードキャスティングされることを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項6】
前記少なくとも1つ以上の隣接セルの測定を行う段階は、周波数内測定(intra-frequency measurements)を行う段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項7】
前記少なくとも1つ以上の隣接セルの測定を行う段階は、前記サービングセルの優先順位と同じであるか低い優先順位を有する「NR intra-frequency」測定を行う段階、又は
前記サービングセルの優先順位と同じであるか低い優先順位を有する「inter-RAT(Radio Access Technology)周波数」の測定を行う段階の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項8】
前記セル選択受信レベル値が前記第1基準値よりも低いか前記セル選択品質値が前記第2基準値よりも低い場合、少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定を行う段階をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の端末の方法
【請求項9】
無線通信システムにおける端末において、
送受信部と、
送受信部と結合した制御部と、を有し、
前記制御部は、
サービングセルに対するセル選択受信レベル値(Srxlev)及びセル選択品質値(Squal)の測定を行い、
前記サービングセルのセル選択受信レベル値が第1基準値以上であり、前記サービングセルのセル選択品質値が第2基準値以上であることを識別し、
衛星サポート情報と関連するSIB(System Information Block)に含まれる距離基準値を受信し、
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離を識別し、
前記サービングセルが前記第1基準値以上の前記セル選択受信レベル値及び前記2基準値以上の前記セル選択品質値を満たす場合、前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離及び前記距離基準値に基づき、少なくとも1つ以上の隣接セルの測定を行い、
前記少なくとも1つ以上の隣接セルの測定に基づき、セル再選択を行うように設定されることを特徴とする端末
【請求項10】
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離は、前記距離基準値よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の端末
【請求項11】
前記少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定は、
前記距離基準値が前記端末に送信されなかった場合、
前記端末が前記端末に対する位置測定をサポートしない場合、又は
前記端末の位置情報が獲得されない場合の内の少なくとも1つの場合には、行われないことを特徴とする請求項9に記載の端末
【請求項12】
前記端末と前記サービングセルの基準位置との間の距離が前記距離基準値よりも小さい場合、前記少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定は、行われないことを特徴とする請求項9に記載の端末
【請求項13】
前記SIBは、天体暦情報を含み、
前記SIBは、常時サービングセルからブロードキャスティングされることを特徴とする請求項9に記載の端末
【請求項14】
前記少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定は、周波数内測定(intra-frequency measurements)、
前記サービングセルの優先順位と同じであるか低い優先順位を有する「NR intra-frequency」測定、又は
前記サービングセルの優先順位と同じであるか低い優先順位を有する「inter-RAT周波数」の測定の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の端末
【請求項15】
前記制御部は、前記セル選択受信レベル値が前記第1基準値よりも低いか前記セル選択品質値が前記第2基準値よりも低い場合、少なくとも1つ以上の隣接セルに対する測定を行うようにさらに設定されることを特徴とする請求項9に記載の端末
【国際調査報告】