(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-20
(54)【発明の名称】神経系メトリックに基づく病気検出
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0245 20060101AFI20231113BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20231113BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20231113BHJP
A61B 5/026 20060101ALI20231113BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20231113BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20231113BHJP
【FI】
A61B5/0245 200
A61B5/16 130
A61B5/00 102E
A61B5/00 G
A61B5/026 120
A61B5/0245 B
G16H50/20
G16H50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579829
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021039263
(87)【国際公開番号】W WO2021263212
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フォー,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】アッシュバッハー,カースティン
(72)【発明者】
【氏名】アルティニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ハープリート
(72)【発明者】
【氏名】チャップ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA10
4C017AA11
4C017AB02
4C017AC26
4C017BC11
4C017BC21
4C017CC02
4C038PP05
4C038PS00
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4C117XB01
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4C117XB18
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4C117XE26
4C117XE76
4C117XJ34
5L099AA04
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
病気検出のための方法、システム、およびデバイスが説明される。方法は、ユーザに関連する心拍変動(HRV)データをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。方法は、HRVデータを分類器に入力することと、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の偏差基準の充足を識別することとを含み得る。方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることを含み得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病気を自動的に検出するための方法であって、
ユーザに関連する心拍変動データをウェアラブルデバイスから受信することであって、前記心拍変動データは、第1の時間間隔および前記第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通して前記ウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、
前記心拍変動データを分類器に入力することと、
前記分類器を使用して、前記第1の時間間隔を通して収集された前記心拍変動データの第1のサブセットと前記第2の時間間隔を通して収集された前記心拍変動データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、前記病気リスクメトリックは、前記ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の時間間隔の少なくとも一部および前記第2の時間間隔の少なくとも一部を通して前記心拍変動データの周波数コンテンツを決定することをさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記心拍変動データの前記周波数コンテンツを決定することは、
前記心拍変動データの低周波数コンテンツを決定することと、
前記心拍変動データの高周波数コンテンツを決定することと
をさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記周波数コンテンツ、前記高周波数コンテンツ、または両方に少なくとも部分的に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の、前記心拍変動データの前記周波数コンテンツと前記心拍変動データの高周波数コンテンツとの間の乖離度を識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記乖離度を識別することに少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザに関連する生理学的データを前記ウェアラブルデバイスから受信することであって、前記生理学的データは、前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔を通して前記ウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、
前記生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連する複数の睡眠段階を識別することと、
前記第1の時間間隔内の前記複数の睡眠段階の第1の睡眠段階に対応する前記心拍変動データの第1の部分と、前記第2の時間間隔内の前記複数の睡眠段階の第2の睡眠段階に対応する前記心拍変動データの第2の部分とを識別することと
をさらに含み、前記第1の睡眠段階および前記第2の睡眠段階は、同じタイプの睡眠段階を含み、前記心拍変動データを前記分類器に入力することは、前記心拍変動データの前記第1の部分および前記心拍変動データの前記第2の部分を入力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザに関連する概日リズムに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の時間間隔の少なくとも第1の部分および前記第2の時間間隔の第2の部分を識別することと、
前記第1の時間間隔の前記第1の部分に対応する前記心拍変動データの第1の部分および前記第2の時間間隔の前記第2の部分に対応する前記心拍変動データの第2の部分を識別することと
をさらに含み、前記心拍変動データを前記分類器に入力することは、前記心拍変動データの前記第1の部分および前記心拍変動データの前記第2の部分を入力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記心拍変動データに関連するRMSSD(root mean square of successive differences)メトリックを識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記RMSSDメトリックに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザに関連する生理学的データを前記ウェアラブルデバイスから受信することとであって、前記生理学的データは、前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔を通して前記ウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、
前記生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、安静時心拍数データ、心拍変動平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを識別することと、
前記安静時心拍数データ、前記心拍変動平均化スコアデータ、前記回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを前記分類器に入力することと
をさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記安静時心拍数データ、前記心拍変動平均化スコアデータ、前記回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の前記安静時心拍数データの減少、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の前記心拍変動平均化スコアデータの減少、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の前記回復メトリックデータの増加、またはそれらの任意の組合せを識別すること
をさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記安静時心拍数データの前記減少、前記心拍変動平均化スコアデータの前記減少、前記回復メトリックデータの前記増加、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザに関連する生理学的データを前記ウェアラブルデバイスから受信することであって、前記生理学的データは、前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔を通して前記ウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、
前記生理学的データを前記分類器に入力することと、
前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔を通して収集された前記生理学的データを前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔内の複数の睡眠間隔に分類することと
さらに含み、前記複数の睡眠間隔の各睡眠間隔は、覚醒睡眠段階、浅い睡眠段階、急速眼球運動睡眠段階、または深い睡眠段階のうちの1つに関連付けられ、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記生理学的データを分類することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の急速眼球運動睡眠段階に関連する睡眠段階の第1の持続時間における第1の変化、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔との間の前記深い睡眠段階に関連する睡眠段階の第2の持続時間における第2の変化、または両方を識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記第1の変化、前記第2の変化、または両方に少なくとも部分的に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザデバイスを介しておよび前記グラフィカルユーザインターフェースに前記病気リスクメトリックを表示させることに応答して、ユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力を使用して前記分類器をトレーニングすることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ入力は、陽性の病気検査、病気症状の発現、または両方を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記心拍変動データに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連する呼吸数データを識別することと、
前記呼吸数データを前記分類器に入力することと
をさらに含み、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記呼吸数データに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて使用して前記ユーザから前記心拍変動データを収集する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザデバイスは、前記ユーザに関連するユーザデバイス、前記ユーザを含むユーザのグループに関連する管理者に関連するユーザデバイス、または両方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記心拍変動データは、前記ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ、前記心拍変動データは、前記複数のユーザに関連する複数のウェアラブルデバイスを介して収集され、前記方法は、
前記分類器を使用して、それぞれの各ユーザの前記心拍変動データに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することと、
管理者ユーザデバイスの前記グラフィカルユーザインターフェースに、前記複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
病気を自動的に検出するための装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、前記命令は、前記装置に、
ユーザに関連する心拍変動データをウェアラブルデバイスから受信することであって、前記心拍変動データは、第1の時間間隔および前記第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通して前記ウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、
前記心拍変動データを分類器に入力することと、
前記分類器を使用して、前記第1の時間間隔を通して収集された前記心拍変動データの第1のサブセットと前記第2の時間間隔を通して収集された前記心拍変動データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、
ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、前記病気リスクメトリックは、前記ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることと
を行わせるように前記プロセッサによって実行可能である、装置。
【請求項20】
前記命令は、前記装置に、
前記第1の時間間隔の少なくとも一部および前記第2の時間間隔の少なくとも一部を通して前記心拍変動データの周波数コンテンツを決定することを行わせるように前記プロセッサによって実行可能であり、前記1つまたは複数の偏差基準の前記充足を識別することは、前記周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づく、
請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、2020年6月25日に出願された「DETECTING TRANSITIONS BETWEEN HEALTHY AND UNHEALTHY STATES」と題するRAIらによる米国仮特許出願第63/043,892号、2020年7月8日に出願された「DETECTING TRANSITIONS BETWEEN HEALTHY AND UNHEALTHY STATES」と題するAschbacherらによる米国仮特許出願第63/049,405号、および2020年11月23日に出願された「DETECTING TRANSITIONS BETWEEN HEALTHY AND UNHEALTHY STATES」と題するRAIらによる米国仮特許出願第63/116,981号の利益を主張する、2021年6月24日に出願された「ILLNESS DETECTION BASED ON NERVOUS SYSTEM METRICS」と題するPHOらによる米国非仮特許出願第17/357,562号の利益を主張し、これらの各々は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[発明の属する技術分野]
以下は、神経系メトリックに基づく病気検出を含む、ウェアラブルデバイスおよびデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
一部のウェアラブルデバイスは、温度データ、心拍数データなどを含む生理学的データをユーザから収集するように構成され得る。多くのユーザは、自分の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の態様による、病気検出技法をサポートするシステムの一例を示す。
【
図2】本開示の態様による、病気検出技法をサポートするシステムの一例を示す。
【
図3】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする神経系図の一例を示す。
【
図4】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする神経系図の一例を示す。
【
図5】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする神経系図の一例を示す。
【
図6】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする温度データ図の一例を示す。
【
図7】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする温度データ図の一例を示す。
【
図8】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする修正可能な行動予測因子図の一例を示す。
【
図9】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする修正可能な行動予測因子図の一例を示す。
【
図10】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする修正可能な行動予測因子図の一例を示す。
【
図11】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする月経周期モデルの一例を示す。
【
図12】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする健康管理プラットフォームの一例を示す。
【
図13】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする装置のブロック図を示す。
【
図14】本開示の態様による、病気検出技法をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図を示す。
【
図15】本開示の態様による、病気検出技法をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
【
図16】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【
図17】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【
図18】本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一部のウェアラブルデバイスは、温度データ、心拍数データなどを含む生理学的データをユーザから収集するように構成され得る。取得された生理学的データは、ユーザの動きおよび睡眠パターンなどの他の活動を分析するために使用され得る。多くのユーザは、自身の睡眠パターン、活動、および全体的な身体の健康を含む、自分の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。
【0006】
本開示の態様は、病気を検出および予測するための技法を対象とする。特に、本開示のコンピューティングデバイスは、健康状態から不健康状態へのユーザの遷移を検出し得る。例えば、本開示の態様は、健康状態から不健康状態への遷移を初期段階で(例えば、症状の発現前に)検出し、症状の発現および/または来るべき不健康状態に関連する症状の悪化の前に、潜在的な遷移をユーザに通知し得る。ユーザの観点からは、早期検出(例えば、症状の発現前の病気の検出)は、健康状態から不健康状態へのユーザの遷移の予測のように見受けられ得るか、または言い換えると、ユーザが免疫学的応答を経験していることを示し得る。そのため、本開示の態様は、ユーザの不健康状態の発現を検出および/または予測し得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスはまた、不健康状態から健康状態へのユーザの遷移を検出/予測し得る。
【0007】
本開示の目的のために、「健康状態」という用語および同様の用語は、病気の症状および/または特定の診断が存在しないユーザの身体的状態(例えば、正常な状態)を指すために使用され得る。逆に、「不健康状態」という用語および同様の用語は、本明細書では、ユーザが病気を経験しているときのユーザの身体的状態を指すために使用され得る。例えば、ユーザは、発熱、悪寒、咽頭痛、頭痛、および他の症状などの疾患症状を経験しているとき、不健康状態であり得る。不健康状態を引き起こし得る例示的な病気としては、A/B型インフルエンザおよび新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの細菌感染またはウイルス感染が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
健康状態から不健康状態への遷移は、ユーザが健康であると感じる状態からユーザが不健康であると感じる状態への遷移を指し得、それによって、それらの自覚症状は、基礎となる疾患、感染症、状態、または診断の存在を反映し得る。例えば、健康状態から不健康状態への遷移は、発熱および/または他の状態(例えば、身体能力の低下)などの症状の発現を含み得る。逆に、不健康状態から健康状態への遷移は、症状の軽減、寛解、または解消を含み得る。
【0009】
いくつかの実装形態では、健康状態および不健康状態は、それぞれ発症前状態(pre-symptomatic state)および発症状態(symptomatic state)と呼ばれ得る。例えば、健康状態では、ユーザは、症状(例えば、病気または感染症の症状)を経験していない可能性がある。ユーザは、症状(例えば、病気/感染症の症状)を経験していないかもしれないが、ユーザは、症状を経験し得る状態に遷移しているシナリオにある可能性がある。例えば、ユーザは、症状を経験していない期間も感染している可能性がある。別の言い方をすると、ユーザは、病気/感染を経験しているかもしれないが、まだ症状が出ていない(例えば、健康だと感じている)可能性がある。発症前の期間はまた、個人が病気を拡大させる可能性が最も高い時期であり得る。そのため、病気の拡大を食い止めるための介入を可能にするために、発症前状態の間に病気を検出することが望まれている。
【0010】
ある期間(例えば、潜伏期間)の後、ユーザは、発症状態(例えば、不健康状態)に遷移し得る。ユーザは、発症前状態から発症状態に遷移し得るが、場合によっては、ユーザは、発症しないこともある。本開示のいくつかの態様は、発症前段階の間(例えば、ユーザが病気の症状を経験する前)の病気の検出を対象とする。しかしながら、本明細書で説明される技法はまた、ユーザが発症しないか、または自身の症状に気付かない場合に、病気を検出するために使用され得る。
【0011】
したがって、本開示のいくつかの技法は、ウェアラブルデバイスを介してユーザから収集された生理学的データ(例えば、測定された生理学的データ)に基づいて、発症前段階で病気を識別するために使用され得る。例示的な生理学的パラメータは、神経系情報(例えば、心拍数データ、心拍変動(HRV)データ)、温度データ、呼吸数データ、動き/活動データ(例えば、睡眠および動きに関連するアクティグラフィーベースのデータ)などを含み得るが、これらに限定されない。例えば、場合によっては、本明細書で説明される技法は、病気を識別するために、HRVデータおよび他の神経系パラメータの変化を利用し得る。他の場合では、本明細書で説明される技法は、病気を識別するために、ユーザのロケーションと併せて、ユーザの温度データの変化(例えば、日中の高い/低い温度読取り値の変化)を利用してもよい。追加または代替の実装形態では、本明細書で説明される技法は、病気を識別するために、修正可能な行動予測因子(例えば、身体活動、睡眠)に関連するデータを利用し得る。いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、病気の発現の予測を改善するために、モデル(例えば、月経周期モデル、週次パターン調整モデル、年次パターン調整モデル、季節パターン調整モデル)を利用して、ユーザの動き、活動、および生理学的反応の周期的で予測可能な変化を考慮し得る。
【0012】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、複数の異なる時間間隔(例えば、参照ウィンドウ、予測ウィンドウ)にわたって収集された生理学的データを使用して、病気を検出し得る。それぞれの時間間隔にわたって収集された生理学的データの比較を使用して、偏差基準の充足を識別し得、1つまたは複数の偏差基準の充足は、病気の可能を識別するために使用され得る。例えば、本明細書で説明される技法は、ユーザの移動ベースラインパラメータ(例えば、ベースライン温度データ、ベースラインHRVデータ)を決定するために、ユーザが健康状態にある間に第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)にわたってユーザの生理学的パラメータ値を決定し得る。本明細書で説明される技法はさらに、第2の後続の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)にわたって収集された生理学的データをベースラインパラメータと比較して、ベースラインパラメータからの偏差を決定し得、この偏差(例えば、偏差基準の充足)は、病気を示し得る。
【0013】
追加または代替の実装形態では、本明細書で説明されるシステムは、健康状態のユーザの(例えば、参照ウィンドウ内の)個人化されたまたはグループ由来の「ベースライン」生理学的パラメータ値を決定し得る。次いで、システムは、これらの移動ベースライン生理学的パラメータ値および/またはベースライン生理学的パラメータ値の分布からの1つまたは複数の偏差(例えば、1つまたは複数の後続の早期検出/予測ウィンドウ内に含まれる偏差)に基づいて、不健康状態への遷移を検出/予測し得る。
【0014】
いくつかの実装形態では、健康状態から不健康状態への遷移を検出するために、本開示のシステムおよび方法は、1つまたは複数の分類器(例えば、機械学習分類器、アルゴリズムなど)を利用し得る。例えば、いくつかの実装形態では、本開示のシステムおよび方法は、性能評価のためにベイズの影響を受けた半教師あり方法論を利用した多変量空間における変化点または異常検出ストラテジを採用し得る。階層的または混合モデリング手法を利用して、グループ固有のモデルパラメータを提供し、それによって、特定のユーザセグメントに対してより高いアルゴリズム精度を提供し得る。他の実装形態では、健康状態に戻る遷移(例えば、COVID-19または他の病気からの回復)を検出するために、本開示のシステムおよび方法は、逸脱したパラメータ値から以前のベースラインパラメータ値/範囲に戻ることを検出し得る。
【0015】
本明細書で説明される技法は、健康状態から不健康状態への検出/予測された遷移を様々な方法でユーザに通知し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に、メッセージまたは他の通知を表示させて、不健康状態への潜在的な遷移の可能性(例えば、病気リスクメトリック、病気予測メトリック)をユーザに通知し、ユーザに勧告を行い得る。一例では、GUIは、ユーザが、安静にすること、水分補給すること、および/または医師の予約をスケジュールすることで潜在的な病気に備えるようにとの勧告を表示し得る。GUIはまた、来るべき不健康状態の検出/予測を行うために使用されるデータを示すグラフィックス/テキストを含み得る。例えば、GUIは、通常のベースラインからの温度偏差に基づいて、来るべき病気が予測されたことを示し得る。早期警告(例えば、顕著な症状の前の)に基づいて、ユーザは、来るべき病気の重症度を軽減するのに役立ち得る早期措置を講じ得る。追加的に、ユーザは、早期警告に基づいて、日常活動(例えば、勤務時間および余暇時間)を修正/スケジュールし得る。
【0016】
いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、リスク推定値を提供するために、または組織側でのさらなる検査またはスクリーニングのためのフォローアップアクションを必要とする可能性が最も高い個人の識別を支援するために、個人のグループを監視するように割り当てられた管理者(例えば、組織の管理者、または患者コホートを監督する医療専門家)に通知し得る。そのようなデバイスは、追加のケアが提供されるべき個人のサブグループの選択を改善するため、または別様に安全プロトコルを採用するためのツールとして、モデル結果を提示し得る。そのような状況では、病気検出メトリックおよび他の病気スコアは、確定的、絶対的、または診断的ではなく、リスク、スクリーニング、またはリソース割振りの予備的な評価において企業を支援することを意図したものであり、確認診断のための追加のツールと併せて使用されることが意図され得る。
【0017】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データの収集をサポートするシステムの文脈で説明される。本開示の追加の態様は、例示的な神経系図、温度データ図、修正可能な行動予測因子図、例示的な月経周期モデル、および例示的な健康管理プラットフォームの文脈で説明される。本開示の態様は、病気検出技法に関連する装置図、システム図、およびフローチャートによってさらに示され、それらを参照して説明される。
【0018】
図1は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートするシステム100の一例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102が着用および/または操作し得る複数の電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108および1つまたは複数のサーバ110をさらに含む。
【0019】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング型ウェアラブルデバイス、腕時計型ウェアラブルデバイスなど)、ユーザデバイス106(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で知られている任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連する電子デバイスは、以下の機能性のうちの1つまたは複数を含み得る:1)生理学的データを測定すること、2)測定されたデータを記憶すること、3)データを処理すること、4)処理されたデータに基づいて、ユーザ102に(例えば、GUIを介して)出力を提供すること、5)互いにおよび/または他のコンピューティングデバイスとデータを通信すること。異なる電子デバイスが、機能性の1つまたは複数を実行し得る。
【0020】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に着用されるように構成されたリング型コンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に着用されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、フィットネスバンド、またはブレスレット)、および/またはヘッドマウントコンピューティングデバイス(例えば、眼鏡/ゴーグル)などのウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、バンド、ストラップ(例えば、柔軟性のあるまたは柔軟性のないバンドまたはストラップ)、スティックオンセンサなどを含み得、これらは、頭に巻くバンド(例えば、額のヘッドバンド)、腕に巻くバンド(例えば、前腕のバンドおよび/または二頭筋のバンド)、および/または脚に巻くバンド(例えば、大腿またはふくらはぎのバンド)、耳の後ろのバンド、脇の下のバンドなど、他のロケーションに配置され得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられてもよいし、衣料品に含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、衣服のポケットおよび/またはポーチに含まれ得る。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留めおよび/またはピン留めされてもよいし、他の方法でユーザ102の近傍内に維持されてもよい。衣料品の例としては、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えば、ジャケット)、および下着が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツデバイスなどの他のタイプのデバイスとともに含まれ得る。例えば、ウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー板、テニスラケット、ゴルフクラブ、および/またはトレーニング用のウェイトに取り付けられてもよいし、含まれてもよい。
【0021】
本開示の多くは、リング型ウェアラブルデバイス104の文脈で説明され得る。したがって、「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」という用語、および同様の用語は、本明細書で別段の記載がない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、「リング104」という用語の使用は、本開示の態様が他のウェアラブルデバイス(例えば、腕時計型ウェアラブルデバイス、ネックレス型ウェアラブルデバイス、ブレスレット型ウェアラブルデバイス、イヤリング型ウェアラブルデバイス、アンクレット型ウェアラブルデバイスなど)を使用して実行され得ることが本明細書で企図されるので、限定するものと見なされるべきではない。
【0022】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォンおよびタブレットコンピューティングデバイスなどのハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含み得る。ユーザデバイス106はまた、ラップトップおよびデスクトップコンピューティングデバイスなどのパーソナルコンピュータを含み得る。他の例示的なユーザデバイス106は、他の電子デバイスと(例えば、インターネットを介して)通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、ホルターモニタ)などの医療デバイスを含み得る。医療デバイスはまた、ペースメーカおよび除細動器などの埋め込み型医療デバイスを含み得る。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えば、IoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えば、ビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば、ワイヤレス通信ハブ)、セキュリティシステム、スマート家電(例えば、サーモスタットおよび冷蔵庫)、およびフィットネス機器などのホームコンピューティングデバイスを含み得る。
【0023】
いくつかの電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、心拍変動(HRV)、アクティグラフィー、電気皮膚反応、パルスオキシメトリ、および/または他の生理学的パラメータなど、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定せず、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。例えば、リング(例えば、ウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション、またはサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された受信した生理学的データを処理し得る。
【0024】
いくつかの実装形態では、ユーザ102は、いくつかが生理学的パラメータを測定し得、いくつかが測定された生理学的パラメータを処理し得る複数の電子デバイスを操作し得るか、またはそれらに関連付けられ得る。いくつかの実装形態では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えば、ウェアラブルデバイス104)を有し得る。ユーザ102はまた、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス、スマートフォン)を有するか、またはそれに関連付けられ得、ウェアラブルデバイス104およびユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106はまた、動き/活動パラメータなど、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定し得る。
【0025】
例えば、
図1に示されるように、第1のユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aを操作し得るか、またはそれらに関連付けられ得る。この例では、ユーザ102-aに関連するユーザデバイス106-aは、リング104-aによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。これに対し、第2のユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計型ウェアラブルデバイス104-c(例えば、腕時計104-c)、およびユーザデバイス106-bに関連付けられ得、ユーザ102-bに関連するユーザデバイス106-bは、リング104-bおよび/または腕時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、第nのユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイス(例えば、リング104-n、ユーザデバイス106-nの配置)に関連付けられ得る。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、腕時計104)および他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、および他のワイヤレスプロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合され得る。
【0026】
システム100の電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、ワイヤードまたはワイヤレス通信プロトコルを介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。例えば、
図1に示されるように、電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。ネットワーク108は、インターネットなどの転送制御プロトコルおよびインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装し得るか、または他のネットワーク108プロトコルを実装し得る。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール、またはコンピュータネットワーク108との任意の他の適切な形態の対話を介したデータの移送を容易にし得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1のユーザ102-aに関連するリング104-aは、は、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合され得、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加または代替の場合、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、腕時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0027】
システム100は、ユーザデバイス106と1つまたは複数のサーバ110との間でオンデマンドのデータベースサービスを提供し得る。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信し得、データを記憶および分析し得る。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供し得る。場合によっては、サーバ110は、1つまたは複数のデータセンタに位置していてもよい。サーバ110は、データ記憶、管理、および処理のために使用され得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインターフェースを提供し得る。
【0028】
いくつかの態様では、システム100は、ウェアラブルデバイスによって収集されたデータに基づく自動睡眠段階分類のための技法をサポートし得る。特に、システム100は、ユーザ102が眠っている期間を検出し、ユーザ102が眠っている期間を1つまたは複数の睡眠段階に分類する。例えば、
図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、HRV、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連する生理学的データを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは、機械学習分類器に入力され得、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(または眠っていた)期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、レム(REM)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))、および深い睡眠段階(NREM)を含む異なる睡眠段階に期間を分類するように構成され得る。
【0029】
いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。特に、GUIは、ユーザ102-aが眠っている時間間隔を表示し得、時間間隔のセグメントは、対応する睡眠段階を用いてラベル付けされるかまたは他の方法で示される。いくつかの実装形態では、本明細書で説明される睡眠段階分類技法は、推奨就寝時刻(bedtime)、推奨覚醒時刻(wake-up time)などのユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用され得る。さらに、いくつかの実装形態では、本明細書で説明される睡眠段階分類技法は、睡眠スコア(sleep score)、レディネススコア(readiness score)などのそれぞれのユーザのスコアを計算するために使用され得る。
【0030】
いくつかの態様では、システム100は、生理学的データ収集、病気検出、および本明細書で説明される他の技法をさらに改善するために、概日リズム由来の特徴を利用し得る。概日リズムという用語は、約24時間ごとに繰り返される個人の睡眠-覚醒サイクルを調整する自然な内部プロセスを指し得る。この点に関して、本明細書で説明される技法は、睡眠段階分類を改善するために、概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば、概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102-aから収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力され得る。この例では、概日リズム調整モデルは、より正確な睡眠段階分類を提供するために、ユーザの睡眠を通して収集された生理学的データを「重み付け」または調整するように構成され得る。いくつかの実装形態では、システムは、最初に、「ベースライン」概日リズム調整モデルから開始し得、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれの各ユーザ102に固有の、調整された個別の概日リズム調整モデルを生成し得る。
【0031】
いくつかの態様では、システム100は、これらの他のリズムの位相によるデータの比較をさらに改善するために、他の生体リズムを利用し得る。例えば、週単位のリズムが個人のベースラインデータ内で検出された場合、モデルは、曜日別にデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルの調整を必要とし得る生体リズムは、以下を含む:1)ウルトラディアン(1日よりも速いリズムであり、睡眠状態における睡眠サイクルと、覚醒状態の間の測定される生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性の振動とを含む)、2)概日リズム、3)作業スケジュールのように、概日リズムの上に課されることが示される非内因性の日周リズム、4)週単位のリズム、または外因的に課される他の人為的な時間周期性(例えば、12日の「週」を持つ仮定上の文化であれば、12日リズムが使用され得る)、5)女性の場合の数日間の卵巣リズムおよび男性の場合の精子形成リズム、6)月齢リズム(人工光が少ないかまたは全くない状態で生活している個人に関連がある、7)季節的リズム。
【0032】
生体リズムは、必ずしも定常リズムとは限らない。例えば、多くの女性は、周期間で卵巣周期の長さのばらつきを経験し、ウルトラディアンリズムは、個人内であっても、全く同じ時間にまたは日をまたいで全く同じ周期性では起きるとは考えられていない。そのため、生理学的データにおいてこれらのリズムの時間分解能を維持しながら周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技法を使用して、これらのリズムの検出を改善し、測定された時間の各瞬間に各リズムの位相を割り当て、それによって調整モデルおよび時間間隔の比較を修正し得る。
【0033】
説明される生体リズムは、生理学的モダリティにわたって常に同一であるとは限らない。例えば、タイムゾーンを横断する移動の後、新しいタイムゾーンへのいくつかのリズムの整合は、他のリズムまたは変数の場合より迅速に行われ得る(例えば、ウルトラディアンリズムは、概日リズムより迅速に回復し得、または心拍数は、呼吸数より迅速にその正常なリズム特性を回復し得る)。同様に安定した関係を失うことは、病気の一般的な特徴である。そのため、「健康な」および「不健康な」時間間隔の分類は、変数ごとの振幅および瞬時周波数などのリズムパラメータを含めることによってさらに精緻化され得、変数間のリズムの関係を記述するパラメータを含めることによってさらに精緻化され得る(心拍数のウルトラディアンリズムに対する温度のウルトラディアンリズムの整合、共有情報(co-information)、コヒーレンスなどの場合のように)。結果として得られる関係パラメータは、比較されるモデルに対して十分な時間分解能を維持するように生成されなければならない。
【0034】
生体リズム調整モデルおよびパラメータは、個人または個人のグループの動的ベースラインをより正確に捉えるために、必要に応じて線形または非線形の組合せで追加され得る。次いで、重みおよびモデルは、「健康な」時間間隔と「不健康な」時間間隔との間の比較の精度を向上させるための特徴として使用され得る。例えば、病気を検出/予測するために、ユーザの自然な概日リズム(例えば、「温度リズム」)を通じたユーザの温度データが、概日リズム(例えば、HRVリズム、呼吸数リズム)に関して評価される他の生理学的パラメータと比較され得る。
【0035】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、病気の発現を識別するための技法をサポートし得る。システム100の態様は、発症前段階の間に病気を識別するための技法(例えば、症状の発現前の病気検出)をサポートし得る。特に、
図1に示されるシステム100は、分類器(例えば、機械学習分類器)を使用して、ユーザから収集された生理学的データに基づいてユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる可能性を識別するための技法をサポートし得る。いくつかの実装形態では、本明細書で説明される技法は、異なる時間間隔(例えば、第1の/参照時間間隔、第2の/予測時間間隔)にわたって収集された生理学的データ(およびそのリズムパラメータ)を比較して、偏差基準の充足を識別し得、1つまたは複数の偏差基準の充足は、病気リスクメトリック(例えば、「リスクスコア」)、病気予測メトリック、病気重症度メトリック、病気回復メトリックなどを予測するために使用され得る。
【0036】
例えば、
図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、HRV、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連する生理学的データを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは分類器に入力され、分類器は、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる可能性または確率に関連する病気リスクメトリック(または他のメトリック)を決定するように構成される。いくつかの態様では、分類器に入力されたデータを処理して、生体リズムおよび生理学的データタイプ(例えば、温度、心拍数、およびそれらのリズムの関係におけるウルトラディアンリズムおよび概日リズム)にわたるリズムパラメータを決定し得、結果として得られるパラメータも分類器に入力される。いくつかの態様では、分類器は、機械学習ではないが、他の人工知能手法、または人工知能にも機械学習にも依拠しない経験的に導出された線形弁別器に基づき得る。
【0037】
システム100は、ユーザデバイス106-aに、病気リスクメトリックの指示を表示させるように構成され得、これにより、ユーザ102-aは、病気を予防するため、病気の重症度を軽減するため、病気の持続期間を低減するため、病気の拡大を防止するため、またはそれらの任意の組合せのために、予防策を講じることおよび/または睡眠もしくは活動ルーチンを調整することができる。
【0038】
場合によっては、システム100は、病気を識別するために、神経系メトリック(例えば、交感神経/副交感神経活動を示すメトリック)を利用し得る。例えば、システム100は、異なる時間間隔(例えば、参照ウィンドウ、予測ウィンドウ)にわたって収集されたHRVデータを比較して、偏差基準の充足を識別し得、偏差基準の充足は、病気の発現を示す。例えば、病気の発現を識別するために、HRVデータの低周波数コンテンツの経時的な変化に対するHRVデータの高周波数コンテンツの経時的な変化が使用され得る。
【0039】
追加または代替の場合、システム100は、病気の発現を識別するために、温度データを利用してもよい。特に、システム100は、病気の発現を決定するために、ユーザの地理的位置と併せて温度データを利用し得る。例えば、より寒冷な気候(例えば、フィンランド)で生活している第1のユーザ102の日中の高いおよび/または低い温度読取り値の変化は、より温暖な気候(例えば、マイアミ)で生活している第2のユーザ102の日中の高いおよび/または低い温度読取り値の変化と比較して、病気をより示すものであり得る。同様に、生体リズムの季節変動は、北の地域(例えばフィンランド)と南の地域(例えばマイアミ)との間で異なる。そのため、いくつかの実装形態では、システム100は、ロケーションデータ(例えば、地理的位置、緯度)を使用して、ユーザの温度データに対する「予測重み」を決定し得、予測重みは、病気を予測するための温度データの相対的な予測精度に関連付けられる。そのような場合、所与のユーザ102が健康状態から不健康状態に遷移することとなる可能性がどの程度であるかを決定するために、予測重みは、収集された温度データと併せて使用され得る。
【0040】
追加または代替の場合、システム100は、病気の発現を識別するために、修正可能な行動予測因子(例えば、身体活動、睡眠)に関連する生理学的データを利用してもよい。例えば、機械学習分類器を使用して、ユーザの活動および/または睡眠の経時的な変化を示す偏差基準の充足を識別し得、ユーザの活動および/または睡眠の経時的な変化は、病気を識別するために使用され得る。さらに、いくつかの実装形態では、システム100は、病気の発現の予測を改善するために、モデル(例えば、月経周期モデル、週次パターン調整モデル、年次パターン調整モデル、季節パターン調整モデル)を利用して、ユーザの動き、活動、および生理学的反応の周期的で予測可能な変化を考慮し得る。例えば、システム100は、ユーザ102-aの月経周期モデルを識別および/または生成し得、月経周期モデルを使用して、ユーザ102-aの病気検出を改善し得る。この例では、月経周期モデルを使用して、ユーザの月経周期に基づくユーザの生理学的データの自然な周期的変化(例えば、月経期中の体温の上昇)を考慮し得、それによって、偽陽性の病気予測を低減/排除し得る。
【0041】
本明細書で説明される技法は、ウェアラブルデバイスによって収集されたデータを使用して、改善された病気検出を提供し得る。特に、本明細書で説明される技法は、ウェアラブルデバイスを介してユーザ102から収集された生理学的データに基づいて、ユーザ102が健康状態から不健康状態に(またはその逆に)遷移することとなるかどうかを予測するために使用され得る。病気検出を実行するために使用される生理学的データは、神経系情報(例えば、心拍数データ、HRVデータ)、温度データ、呼吸数データ、動き/活動データ、睡眠データなどを含み得る。さらに、システム100は、ロケーションデータなどの追加のデータを利用して、病気を識別するための様々な生理学的パラメータの予測精度を決定し得、これにより、病気検出技法の精度を向上させ得る。さらに、ユーザの活動、睡眠、および/または生理学的パラメータ(例えば、月経周期モデル、週次/季節/年次パターン調整モデル)の周期的で予測可能な変化を考慮することによって、本明細書で説明される技法は、病気検出をさらに改善し、それによって、ユーザ102に、ユーザの全体的な身体的健康に関するより価値のある洞察を提供し得る。
【0042】
本開示の1つまたは複数の態様が、上記で説明した問題以外の問題を追加的または代替的に解決するためにシステム100において実装され得ることが、当業者によって理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明されるような「従来の」システムまたはプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、説明および添付の図面は、本開示の態様の実装から生じる例示的な技術的改善を含むにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0043】
図2は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートするシステム200の一例を示す。システム200は、システム100を実装してもよいし、システム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、
図1を参照して説明したように、リング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、およびサーバ110の例を示す。
【0044】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに着用されるように構成され得、ユーザの指の周りに着用されたときに1つまたは複数のユーザ生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定および決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素濃度などを含み得るが、これらに限定されない。
【0045】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えば、スマートフォン)をさらに含む。例えば、リング104は、ユーザデバイス106とワイヤレスおよび/またはワイヤード通信し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、測定および処理されたデータ(例えば、温度データ、フォトプレチスモグラム(PPG)データ、モーション/加速度計データ、リング入力データなど)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新などのデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106は、処理および/または記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0046】
リング104は、内側ハウジング205-aおよび外側ハウジング205-bを含み得るハウジング205を含み得る。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、デバイス電子機器、電源(例えば、バッテリ210および/またはコンデンサ)、デバイス電子機器および/または電源を相互接続する1つまたは複数の基板(例えば、プリント可能回路基板)などを含むが、これらに限定されない、リングの様々な構成要素を記憶するか、または別の方法で含み得る。デバイス電子機器は、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225などのデバイスモジュール(例えば、ハードウェア/ソフトウェア)を含み得る。デバイス電子機器はまた、1つまたは複数のセンサを含み得る。例示的なセンサは、1つまたは複数の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えば、PPGシステム235)、および1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。
【0047】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連する信号を生成するように構成された関連するモジュール(図示せず)を含み得る。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続を介して互いに通信可能に結合され得る。さらに、リング104は、光センサ(例えば、LED)、オキシメータなどを含む、ユーザから生理学的データを収集するように構成された追加および/または代替のセンサまたは他の構成要素を含み得る。
【0048】
図2を参照して図示および説明されたリング104は、単に例示の目的で提供されている。そのため、リング104は、
図2に示されるような追加のまたは代替の構成要素を含み得る。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造され得る。例えば、構成要素(例えば、センサ)がより少ないリング104が製造され得る。特定の例では、単一の温度センサ240(または他のセンサ)、電源、および単一の温度センサ240(または他のセンサ)を読み取るように構成されたデバイス電子機器を有するリング104が製造され得る。別の特定の例では、温度センサ240(または他のセンサ)は、(例えば、プラスチック/ゴムバンドおよび/またはテープを使用して)ユーザの指に取り付けられ得る。この場合、センサは、温度センサ240(または他のセンサ)を読み取る手首着用型コンピューティングデバイスなどの別のコンピューティングデバイスに配線され得る。他の例では、追加のセンサおよび処理機能性を含むリング104が製造され得る。
【0049】
ハウジング205は、1つまたは複数のハウジング205の構成要素を含み得る。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えば、シェル)および内側ハウジング205-a構成要素(例えば、成形品)を含み得る。ハウジング205は、
図2に明示的には示されていない追加の構成要素(例えば、追加の層)を含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、リング104は、デバイス電子機器および他の導電材料(例えば、電気トレース)を外側ハウジング205-b(例えば、金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する、1つまたは複数の絶縁層を含み得る。ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、基板(複数可)、および他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えば、ハウジング205は、圧力および衝撃などの機械力から、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を保護し得る。ハウジング205はまた、水および/または他の化学物質から、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を保護し得る。
【0050】
外側ハウジング205-bは、1つまたは複数の材料から製造され得る。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度および耐摩耗性を提供し得るチタンなどの金属を含み得る。外側ハウジング205-bはまた、他の材料(例えば、ポリマー)から製造され得る。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、保護的ならびに装飾的であり得る。
【0051】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインターフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば、医療グレードポリマー)または他の材料から形成され得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-aは透明であり得る。例えば、内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透明であり得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-a構成要素は、外側ハウジング205-a上に成形され得る。例えば、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-b金属シェル内に合うように成形(例えば、射出成形)されたポリマーを含み得る。
【0052】
リング104は、1つまたは複数の基板(図示せず)を含み得る。デバイス電子機器およびバッテリ210は、1つまたは複数の基板上に含まれ得る。例えば、デバイス電子機器およびバッテリ210は、1つまたは複数の基板上に搭載され得る。例示的な基板は、フレキシブルプリント回路基板(PCB)(例えば、ポリイミド)などの1つまたは複数のPCBを含み得る。いくつかの実装形態では、電子機器/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装デバイス(例えば、表面実装技術(SMT)デバイス)を含み得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の基板(例えば、1つまたは複数のフレキシブルPCB)は、デバイス電子機器間の電気通信を提供する電気トレースを含み得る。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイス電子機器に接続し得る。
【0053】
デバイス電子機器、バッテリ210、および基板は、様々な方法でリング104内に配置され得る。いくつかの実装形態では、デバイス電子機器を含む1つの基板は、センサ(例えば、PPGシステム235、温度センサ240、モーションセンサ245、および他のセンサ)がユーザの指の内面とインターフェースするように、リング104の底部(例えば、下半分)に沿って搭載され得る。これらの実装形態では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば、別の基板上に)含まれ得る。
【0054】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば、回路および他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに起因する機能を生み出すことが可能なアナログおよび/またはデジタル回路を実装する、任意のディスクリートおよび/または集積電子回路構成要素を含み得る。例えば、モジュールは、アナログ回路(例えば、増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路、および/または他の信号調整回路)を含み得る。モジュールはまた、デジタル回路(例えば、組合せ論理回路または順序論理回路、メモリ回路など)を含み得る。
【0055】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のメモリデバイスなど、任意の揮発性、不揮発性、磁気、または電気媒体を含み得る。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶し得る。例えば、メモリ215は、それぞれのセンサおよびPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば、モーションデータ、温度データ、PPGデータ)を記憶するように構成され得る。さらに、メモリ215は、1つまたは複数の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに起因する様々な機能を実行させる命令を含み得る。本明細書で説明されるリング104のデバイス電子機器は、例示的なデバイス電子機器にすぎない。そのため、デバイス電子機器を実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計考慮事項に基づいて変動し得る。
【0056】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに起因する機能は、1つまたは複数のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せとして具現化され得る。モジュールとしての異なる特徴の描写は、異なる機能面を強調することを意図したものであり、そのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも暗示するものではない。むしろ、1つまたは複数のモジュールに関連する機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよいし、共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0057】
リング104の処理モジュール230-aは、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、および/または他の処理デバイスを含み得る。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば、処理モジュール230-aは、モジュールおよびセンサなどのリング104の他の構成要素に/からデータを送信/受信し得る。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装され得る。したがって、モジュールは、回路(例えば、通信回路および電力回路)とも呼ばれ得る。
【0058】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、本明細書において処理モジュール230-aに起因する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含み得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-a(例えば、マイクロコントローラ)は、通信モジュール220-aによって提供される通信機能性(例えば、統合されたBluetooth(登録商標)Low Energyトランシーバ)および/または追加のオンボードメモリ215などの、他のモジュールに関連する追加の特徴を含み得る。
【0059】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106の通信モジュール220-b)とのワイヤレスおよび/またはワイヤード通信を提供する回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth(登録商標)回路および/またはWi-Fi回路などのワイヤレス通信回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路などのワイヤード通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104およびユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106に/からデータを送信/受信するように構成され得る。例示的なデータは、限定ではないが、モーションデータ、温度データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ、およびステータス更新(例えば、充電ステータス、バッテリ充電レベル、および/またはリング104構成設定)を含み得る。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えば、ソフトウェア/ファームウェア更新)およびデータを受信するように構成され得る。
【0060】
リング104は、バッテリ210(例えば、充電式バッテリ210)を含み得る。例示的なバッテリ210は、リチウムイオンまたはリチウムポリマータイプのバッテリ210を含み得るが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、ワイヤレス充電され得る。いくつかの実装形態では、リング104は、コンデンサなどのバッテリ210以外の電源を含み得る。電源(例えば、バッテリ210またはコンデンサ)は、リング104の湾曲に合致する湾曲した幾何学形状を有し得る。いくつかの態様では、充電器または他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、またはそれを補完する、データを収集するために使用され得る、追加のセンサを含み得る。さらに、リング104のための充電器または他の電源は、ユーザデバイス106として機能し得、その場合、リング104のための充電器または他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信されたデータを記憶および/または処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0061】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば、電力モジュール225は、リング104とインターフェース接続されたときにバッテリ210を充電する外部ワイヤレス充電器とインターフェースし得る。充電器は、104充電中にリング104との指定された向きを生むように、リング104の基準構造と嵌合する基準構造を含み得る。電力モジュール225はまた、デバイス電子機器の電圧(複数可)を調整し、デバイス電子機器に出力される電力を調整し、バッテリ210の充電状態を監視し得る。いくつかの実装形態では、バッテリ210は、高電流放電、104充電中の過電圧、および104放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する保護回路モジュール(PCM)を含み得る。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD)保護を含み得る。
【0062】
1つまたは複数の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合され得る。温度センサ240は、温度センサ240によって読み取られたまたは感知された温度を示す温度信号(例えば、温度データ)を生成するように構成され得る。処理モジュール230-aは、温度センサ240のロケーションにおけるユーザの温度を決定し得る。例えば、リング104において、温度センサ240によって生成された温度データは、ユーザの指におけるユーザの温度(例えば、皮膚温度)を示し得る。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触し得る。他の実装形態では、ハウジング205の一部(例えば、内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば、薄い熱伝導性バリア)を形成し得る。いくつかの実装形態では、ユーザの指に接触するように構成されたリング104の部分は、熱伝導性部分と熱絶縁性部分とを有し得る。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。熱絶縁性部分は、リング104の部分(例えば、温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0063】
いくつかの実装形態では、温度センサ240は、処理モジュール230-aが温度を決定するために使用し得るデジタル信号(例えば、温度データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240がパッシブセンサを含む場合、処理モジュール230-a(または温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて温度を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負温度係数(NTC)サーミスタなどのサーミスタ、または抵抗器、トランジスタ、ダイオード、および/もしくは他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含み得る。
【0064】
処理モジュール230-aは、経時的にユーザの温度をサンプリングし得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングレートにしたがってユーザの温度をサンプリングし得る。例示的なサンプリングレートは、1サンプル/秒を含み得るが、処理モジュール230-aは、1サンプル/秒よりも高い/低い他のサンプリングレートで温度信号をサンプリングするように構成され得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの温度をサンプリングし得る。1日を通して十分な速度(例えば、1サンプル/秒)でサンプリングすることで、本明細書で説明される分析に十分な温度データを提供し得る。
【0065】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データを処理し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたる平均温度値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての温度値を合計し、その1分間のサンプルの数で割ることによって、平均温度値を毎分決定し得る。1サンプル/秒で温度がサンプリングされる特定の例では、平均温度は、1分間のすべてのサンプリングされた温度の合計を60秒で割ったものであり得る。メモリ215は、経時的に平均温度値を記憶し得る。いくつかの実装形態では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた温度の代わりに平均温度(例えば、1分あたり1つ)を記憶し得る。
【0066】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、構成可能であり得る。いくつかの実装形態では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであり得る。他の実装形態では、サンプリングレートは、昼夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装形態では、リング104は、生理学的変化を示すものではない温度の大きなスパイク(例えば、熱いシャワーからの温度スパイク)などの温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、104運動中の過度の動き(例えば、モーションセンサ245によって示されるような)などの他の要因により信頼できない可能性がある温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。
【0067】
リング104(例えば、通信モジュール)は、サンプリングされたおよび/または平均の温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106は、サンプリングされたおよび/または平均の温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにサーバ110に転送し得る。
【0068】
リング104は、単一の温度センサ240を含むものとして示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるなど、1つまたは複数のロケーションにおいて複数の温度センサ240を含み得る。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であり得る。追加的または代替的に、1つまたは複数の温度センサ240は、加速度計および/またはプロセッサとともになど、他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば、他の構成要素とともにパッケージ化されてもよい)。
【0069】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明されたものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得し、処理し得る。例えば、処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々からの温度データを個別にサンプリングし、平均化し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、指上の異なるロケーションにある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の温度の平均に基づいて単一の温度を決定するように構成され得る。
【0070】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば、任意の指)における遠位温度を取得し得る。例えば、リング104上の1つまたは複数の温度センサ240は、指の下側から、または指上の異なるロケーションで、ユーザの温度を取得し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、(例えば、サンプリングレートで)遠位温度を連続的に取得し得る。リング104によって指で測定される遠位温度が本明細書で説明されているが、他のデバイスが同じ/異なるロケーションで温度を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位温度は、ユーザの手首または他の外部身体ロケーションで測定される温度とは異なり得る。追加的に、ユーザの指で測定された遠位温度(例えば、「シェル」温度)は、ユーザの深部温度とは異なり得る。そのため、リング104は、身体の他の内部/外部ロケーションでは取得されない可能性がある有用な温度信号を提供し得る。場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他のロケーションでの他の温度測定によって提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。
【0071】
リング104は、PPGシステム235を含み得る。PPGシステム235は、光を送信する1つまたは複数の光送信機を含み得る。PPGシステム235はまた、1つまたは複数の光送信機によって送信される光を受信する、1つまたは複数の光受信機を含み得る。光受信機は、光受信機によって受信された光の量を示す信号(以下では「PPG」信号)を生成し得る。光送信機は、ユーザの指の領域を照射し得る。PPGシステム235によって生成されたPPG信号は、照射領域における血液の灌流を示し得る。例えば、PPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる照射領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定する。処理モジュール230-aは、ユーザの呼吸数、心拍数、HRV、酸素飽和度、および他の循環パラメータなどの様々な生理学的パラメータをユーザのパルス波形に基づいて決定し得る。
【0072】
いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光受信機(複数可)がユーザの指の領域を通して反射された透過光を受信する反射型PPGシステム235として構成され得る。いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通して光受信機(複数可)に直接送信されるように、光送信機(複数可)および光受信機(複数可)が互いに対向して配列される、透過型PPGシステム235として構成され得る。
【0073】
PPGシステム235に含まれる送信機および受信機の数および比率は、変化し得る。例示的な光送信機は、発光ダイオード(LED)を含み得る。光送信機は、赤外線スペクトルおよび/または他のスペクトルの光を送信し得る。例示的な光受信機は、光センサ、フォトトランジスタ、および光ダイオードを含み得るが、これらに限定されない。光受信機は、光送信機から受信された波長に応答してPPG信号を生成するように構成され得る。送信機および受信機のロケーションは変化し得る。追加的に、単一のデバイスは、反射型および/または透過型PPGシステム235を含み得る。
【0074】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装形態では、反射型PPGシステム235を含み得る。これらの実装形態では、PPGシステム235は、(例えば、リング104の底部において)中心に位置する光受信機と、光受信機の両側に位置する2つの光送信機とを含み得る。この実装形態では、PPGシステム235(例えば、光受信機)は、光送信機の一方または両方から受信された光に基づいてPPG信号を生成し得る。
【0075】
処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングする間に光を送信するように光送信機の一方または両方を制御し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングする間に、より強い受信信号を持つ光送信機に、光を送信させ得る。例えば、選択された光送信機は、PPG信号がサンプリングレート(例えば、250Hz)でサンプリングされている間、光を連続的に放出し得る。
【0076】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることで、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形が得られ得る。パルス波形は、複数の心周期についての血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。追加的に、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る、呼吸誘発変動を含んでもよい。処理モジュール230-aは、いくつかの実装形態では、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、本明細書で説明されるユーザ生理学的パラメータを決定するために、生成されたときのおよび/またはメモリ215からのパルス波形を処理し得る。
【0077】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、パルス波形におけるピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば、1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、インタービート間隔(IBI)と呼ばれ得る。処理モジュール230-aは、決定された心拍数値およびIBI値をメモリ215に記憶し得る。
【0078】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定し得る。処理モジュール230-aは、経時的なHRV値をメモリ215に記憶し得る。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調、またはベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定し得る。追加的または代替的に、呼吸数は、HRVデータに基づいて決定されてもよい。呼吸数は、1分あたりの呼吸数で、または別の呼吸数(例えば、30秒あたりの呼吸数)として計算され得る。処理モジュール230-aは、経時的なユーザ呼吸数値をメモリ215に記憶し得る。
【0079】
リング104は、1つまたは複数の加速度計(例えば、6D加速度計)および/または1つまたは複数のジャイロスコープ(ジャイロ)など、1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。モーションセンサ245は、センサの動きを示すモーション信号を生成し得る。例えば、リング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する1つまたは複数の加速度計を含み得る。別の例として、リング104は、角運動(例えば、角速度)および/または向きの変化を示すジャイロ信号を生成する1つまたは複数のジャイロセンサを含み得る。モーションセンサ245は、1つまたは複数のセンサパッケージに含まれ得る。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度および加速度を測定し得るBosch BMl160慣性微小電気機械システム(MEMS)センサである。
【0080】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば、50Hz)でモーション信号をサンプリングし、サンプリングされたモーション信号に基づいて、リング104の動きを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、リング104の加速度を決定するために加速度信号をサンプリングし得る。別の例として、処理モジュール230-aは、角運動を決定するためにジャイロ信号をサンプリングし得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、モーションデータをメモリ215に記憶し得る。モーションデータは、サンプリングされたモーションデータ、ならびにサンプリングされたモーション信号(例えば、加速度および角度値)に基づいて計算されるモーションデータを含み得る。
【0081】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えば、リング104は、生のサンプリングされた温度データおよび計算された温度データ(例えば、平均温度)などの温度データを記憶し得る。別の例として、リング104は、パルス波形およびパルス波形に基づいて計算されたデータ(例えば、心拍数値、IBI値、HRV値、および呼吸数値)などのPPG信号データを記憶し得る。リング104はまた、直線運動および角運動を示すサンプリングされたモーションデータなどのモーションデータを記憶し得る。
【0082】
リング104または他のコンピューティングデバイスは、サンプリングされた/計算された生理学的データに基づいて追加の値を計算し、記憶し得る。例えば、処理モジュール230は、睡眠メトリック(例えば、睡眠スコア)、活動メトリック、およびレディネスメトリックなどの様々なメトリックを計算し、記憶し得る。いくつかの実装形態では、追加の値/メトリックは、「導出値」と呼ばれ得る。リング104または他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、動きに関して様々な値/メトリックを計算し得る。モーションデータについての例示的な導出された値は、動きカウント値、規則性値、強度値、代謝当量値(MET:metabolic equivalence of task)、および配向値(orientation value)を含み得るが、これらに限定されない。動きカウント、規則性値、強度値、およびMETは、経時的なユーザの動きの量(例えば、速度/加速度)を示し得る。配向値は、リング104がユーザの指上でどのように方向付けられているか、およびリング104が左手に着用されているか右手に着用されているかを示し得る。
【0083】
いくつかの実装形態では、動きカウントおよび規則性値は、1つまたは複数の期間(例えば、30秒から1分の1つまたは複数の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、動きの数および動きの関連強度(例えば、加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中、および高に分類され得る。METは、ある期間(例えば、30秒)の間104の動きの強度、動きの規則性/不規則性、および異なる強度に関連する動きの数に基づいて決定され得る。
【0084】
いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後、サンプリングされたデータを削除し得る。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化し得る。特定の例では、1分間のユーザの平均温度がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の期間にわたって平均温度を計算し、その後、1分間の平均温度データを消去し得る。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量および/またはリング104が最後にデータをユーザデバイス106に送信してからの経過時間などの様々な要因に基づいて、データを圧縮し得る。
【0085】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104上に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えば、ユーザの温度は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定されてもよく、他のデバイスがユーザの温度を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば、手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含み得る。追加的に、外部医療デバイス(例えば、ウェアラブル医療デバイス)および/または埋め込み型医療デバイスなどの医療デバイスは、ユーザの生理学的パラメータを測定し得る。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つまたは複数のセンサが、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る。
【0086】
生理学的測定は、日中および/または夜間を通して連続的に行われ得る。例えば、いくつかの実装形態では、リング104は、各日/睡眠日の全体を通して、1つまたは複数の測定周期性にしたがって、連続的に生理学的データを取得する(例えば、温度読取り値、HRV読取り値、呼吸数読取値を決定する)ように構成され得る。言い換えると、リング104は、そのような測定を実行するための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。
【0087】
追加または代替の実装形態では、生理学的測定は、日中の部分および/または夜間の部分の間104に行われてもよい。いくつかの実装形態では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態、および/または睡眠状態などの特定の状態にあるとの決定に応答して行われ得る。例えば、リング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104または他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしているときおよび/または睡眠しているときを検出し、その検出された状態に対する生理学的パラメータ(例えば、温度)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技法を実装するために、ユーザが他の状態にあるとき、安静/睡眠生理学的データおよび/または他のデータを使用し得る。
【0088】
いくつかの実装形態では、本明細書で前に説明したように、リング104は、データを収集、記憶、および/または処理するように構成され得、記憶および/または処理のために、本明細書で説明されるデータのいずれかをユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ280)、1つまたは複数の追加のアプリケーション、およびGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイスなどを含む他のモジュールおよび構成要素をさらに含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106上にインストールされ得るアプリケーション(例えば、「アプリ」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインターフェース(UI)モジュール255、取得モジュール260、処理モジュール230-b、通信モジュール220-b、アプリケーションデータを記憶するように構成された記憶モジュール(例えば、データベース265)を含む。
【0089】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、またはそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば、場合によっては、リング104によって収集されたデータは、事前処理され、ユーザデバイス106に送信され得る。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対していくつかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、または両方を実行し得る。例えば、場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行してもよいし、一方で、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的高いレイテンシを許容し得る動作のためにサーバ110にデータを送信してもよい。
【0090】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106、およびサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいてユーザの1つまたは複数のスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)を生成するために使用され得る。例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、HRVなどを含むデータをユーザから収集するためにユーザによって着用され得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日」に対するユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用され得る。いくつかの態様では、スコアは、第1の睡眠日がスコアの第1のセットに関連付けられ、第2の睡眠日がスコアの第2のセットに関連付けられるように、それぞれの睡眠日ごとにユーザについて計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日ごとに計算され得る。スコアは、睡眠スコア、レディネススコアなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0091】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日がそれぞれの暦日の午前0時から午前0時までとなるように、従来の暦日と一致し得る。他の場合では、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば、睡眠日は、暦日の6:00pm(18:00)から次の暦日の6:00pm(18:00)までであってもよい。この例では、6:00pmは、「カットオフ時間」として機能し得、6:00pmの前にユーザから収集されたデータは、現在の睡眠日にカウントされ、6:00pmの後にユーザから収集されたデータは、次の睡眠日にカウントされる。ほとんどの個人は夜に最もよく眠るという事実により、暦日に対して睡眠日をオフセットすることで、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えば、GUIを介して)選択的に調整することが可能であり得、それにより、それぞれのユーザが通常睡眠する持続時間と睡眠日を一致させることができる。
【0092】
いくつかの実装形態では、それぞれの日のユーザの各総合スコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)は、1つまたは複数の「誘因(contributor)」、「要因(factor)」、または「寄与因子(contributing factor)」に基づいて決定/計算され得る。例えば、ユーザの総合的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、安らぎ度、急速眼球運動(レム)睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング、またはそれらの任意の組合せを含む誘因のセットに対して計算され得る。睡眠スコアは、任意の数の誘因を含み得る。「総睡眠」誘因は、睡眠日のすべての睡眠期間の合計を指し得る。「効率」誘因は、ベッドにいる間の起きている時間と比較して眠っている時間の割合を反映し得、各睡眠期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日の長い睡眠期間(例えば、主睡眠期間)の効率平均を使用して計算され得る。「安らぎ度」誘因は、ユーザの睡眠がどの程度安らいでいるかを示し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算され得る。安らぎ度の誘因は、「覚醒カウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザが目覚めたとき)の合計)、過剰な動き、および「起床カウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザがベッドから出るとき)の合計)に基づき得る。
【0093】
「レム睡眠」誘因は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指し得る。同様に、「深い睡眠」誘因は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指し得る。「レイテンシ」誘因は、ユーザが眠りにつくまでにかかる時間(例えば、平均、中央値、最長)を表し得、各期間の持続時間およびそのような期間の数によって重み付けされて、睡眠日を通した長い睡眠期間の平均を使用して計算され得る(例えば、所与の1つまたは複数の睡眠段階の統合は、それ自体の誘因であってもよいし、他の誘因を重み付けしてもよい)。最後に、「タイミング」誘因は、睡眠日および/または暦日内の睡眠期間の相対的なタイミングを指し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算し得る。
【0094】
別の例として、ユーザの全体的なレディネススコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、温度、活動、活動バランス、またはそれらの任意の組合せを含む誘因のセットに基づいて計算され得る。レディネススコアは、任意の数の誘因を含み得る。「睡眠」誘因は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指し得る。「睡眠バランス」誘因は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指し得る。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間(例えば、過去2週間)にわたってとっていた睡眠がユーザのニーズとバランスがとれているかをユーザに示し得る。典型的には、成人が、健康で、常に注意を払い、精神的にも身体的にも最高の能力を発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠を必要とする。しかしながら、時折よく眠れない日があるのは普通のことであり、そのため、睡眠バランス誘因は、各ユーザの睡ニーズが満たされているかどうかを決定するために、長期的な睡眠パターンを考慮する。「安静時心拍数」誘因は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)からの最低心拍数、および/または主睡眠期間後に発生する一睡(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0095】
続けて、レディネススコアという「誘因」(例えば、要因、寄与因子)を参照すると、「HRVバランス」誘因は、主睡眠期間および主睡眠期間の後に起こる一睡からの最高HRV平均を示し得る。HRVバランス誘因は、第1の期間(例えば、2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、ある第2のより長い期間(例えば、3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザがユーザの回復状態を追跡するのを助け得る。「回復指数」誘因は、最長睡眠期間に基づいて計算され得る。回復指数は、ユーザの安静時心拍数が夜間に安定するのにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の徴候は、ユーザの安静時心拍数が、夜の前半の間で、ユーザが目を覚ます少なくとも6時間前に安定し、翌日のために身体を回復させる時間を残していることである。「体温」誘因は、最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)に基づいて、または一睡中のユーザの最も高い体温が最長期間中の最も高い体温よりも少なくとも0.5℃高い場合に最長睡眠期間後に起こる一睡に基づいて計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間ユーザの体温を測定し得、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示し得る。ユーザの体温が正常範囲外(例えば、0.0より明らかに上または下)である場合、体温誘因は、強調表示される(例えば、「注意(Pay attention)」状態に進む)か、または別の方法でユーザに対するアラートを生成し得る。
【0096】
いくつかの実装形態では、システム200の様々なデバイスは、病気検出のための技法をサポートし得る。特に、システム200は、感染または病気の発症前の期間中のユーザの神経免疫応答および神経系応答を示す生理学的データに基づいて病気検出をサポートし得る。症状があることに気付く前の感染の早期潜伏期間は、早期検出のための重要な好機である。ウェアラブルから導出される神経系バランスのマーカーは、病気であることに気付く前の「潜伏期間」において、感染症の発現および症候性疾患への遷移を検出するのを助け得る。例えば、COVID-19の文脈では、実際に発熱するかまたは気分が悪くなるまでの最長14日間、何の症状も経験することなく感染し得る。これを14日の期間は、COVID-19の「発症前の期間」と呼ばれ得る。インフルエンザは、より短い潜伏時間または発症前の期間がより短く、典型的には最大4日であり得る。発症前の期間はまた、個人がウイルスを蔓延させる可能性が最も高い期間である。そのため、病気の拡大を止めるための介入を可能にするために、発症前状態の間に病気を検出することが望まれている。
【0097】
COVID-19および他のウイルスまたは細菌感染を含む多くの種類のインフルエンザ様疾患の場合、侵入した病原菌に対する身体の免疫応答は、自律神経系を調節し、それによって、「病気の症状」をもたらし得る信号(例えば、炎症性サイトカイン)を脳に伝達する。ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)によって収集された生理学的データは、分類器/アルゴリズム(例えば、機械学習分類器)に供給されるマーカーまたは「特徴」を構築することによって、これらの早期神経系変化を検出し得る。これらのマーカーは、連続心拍数監視、PPGデータ、導出されたIBIシリーズ、またはそれらの任意の組合せから導出され得る。指で測定されたPPGおよび他の生理学的データは、(毛細血管血流と比較して)動脈血流に基づくので、リング104を介して指から収集された生理学的データは、手首から収集された生理学的データと比較してより敏感かつ正確であり得、それによって、潜伏期間(または発症前の期間)中に病気を検出するための神経系バランスマーカーに非常に高感度な信号を提供する。
【0098】
ユーザの神経系バランスは、ユーザの交感神経系応答および副交感神経系応答の相対的な拮抗作用(例えば、プッシュアンドプル)を含み得る。特に、ストレスにさらされると(例えば、病気/感染への暴露または病原体からの攻撃)、副交感神経系(例えば、「休息と消化」または回復に関連する神経系の部分)は、心臓、免疫細胞、および他の身体組織へのその緊張性、抑制性の入力の一部を停止し得る。本質的に、「ブレークから足を離す」ことで、神経系は、より大きな交感神経入力を可能にして、「闘争・逃走」系に関与し得る。これは、単球/マクロファージのような免疫細胞を骨髄から血流および組織に動員し、そこでウイルス感染細胞を探し出すことによって、感染の最も初期の段階において免疫系に有利である。したがって、神経系の変化は、感染の時点の近くまたは症状の発現前(例えば、COVID-19の場合、症状の発現の2~14日前)に起こり得る。
【0099】
交感神経応答と副交感神経応答との間の拮抗作用により、「神経系バランス」がもたらされ、これは、心拍数および血管系に影響を与え、PPG由来のマーカーの変化として現れ、感染症/病気に対するユーザの免疫応答に影響を与える、協調したアドレナリン作動性およびコリン作動性入力の組合せを説明し得る。基本的には、神経系の両方の対抗制御的な面(交感神経/アドレナリン作動性および副交感神経/コリン作動性)が必要であり、いくつかの教科書および他の文献に伝統的に提示されているような対抗制御的な様式で常に動くとは限らない。
【0100】
感染/病気に応答して、脳は、神経系を介して、骨髄および脾臓などの末梢免疫器官に信号を送る。これらの信号は、単球/マクロファージなどのより多くの免疫細胞を血流中に放出し、免疫細胞は、感染細胞を追い詰めて感染細胞と闘うのを助け得る。神経系バランスは、感染に対するこの免疫応答を制御し、病気からの回復を導くために必要とされる。神経系バランスは、心臓および免疫細胞への副交感神経系および交感神経系の両方の入力の関数である。さらに、睡眠は、神経系バランスの文脈において一意であり、神経系バランスは、日中と夜間(または起きているときと寝ているとき)で、異なる活性化パターンを有する。したがって、システム200のウェアラブルデバイス104(例えば、リング104)は、睡眠および他の神経系応答を示す生理学的データを取り込むように構成され得、これは、感染/病気の前(およびその間)の夜間の神経系バランスの固有の測定値を提供し得ることが本明細書で企図される。
【0101】
ユーザの神経系は、病気/感染と闘うために免疫系と脳との間の接続を媒介し、これにより、身体が病気(例えば、インフルエンザ様呼吸器ウイルス)に感染したことを脳が「学習」し、感染に対する全身応答を調整し、疲労、疼痛などの「病気の症状」を発現させて、身体が感染と闘うのを助ける重要な信号伝達経路を提供する。例えば、感染を特定すると、神経系は、体温を調節する脳の視床下部中枢に炎症シグナルを伝達し得、それによって、身体を発熱させ、ウイルス複製を阻害することで生存を高め得る。
【0102】
それにもかかわらず、神経系は、病気/感染以外の多くの他の刺激にも応答するので、システム200は、病気に対する応答するより大きなパターンを検出するために、多くのマーカーにわたる微妙な変化を組み合わせるように構成され得る。実際、収集された生理学的データに関連する個々の特徴は、それ自体では、病気を強く示すものではない場合がある。しかしながら、複数の特徴が一緒に組み合わされ、多くの特徴/マーカーと併用されると、システム200の機械学習分類器は、病気を検出する際に非常に正確になり得る。したがって、システム200は、病気を識別するために、副交感神経と交感神経との間の神経系のバランスおよび感染が引き起こす行動結果(例えば、より早くまたはより長く眠ることなど)といった複数の側面を利用し得る。言い換えると、本明細書で説明される技法は、単一のパラメータまたは特徴内の個々の「異常」ではなく、ユーザの活動、睡眠、および/または生理学的データ内の偏差の学習されたパターンに基づいて、病気を決定/予測し得る。
【0103】
したがって、システム200は、神経系応答(例えば、HRV、呼吸数)を示す生理学的データを使用して病気の発現を識別するための技法をサポートし得る。特に、本明細書で説明される技法は、第1の時間間隔(参照ウィンドウ)および第2の時間間隔(予測ウィンドウ)を通してユーザから収集されたHRVデータを比較し得、第1の時間間隔から第2の時間間隔へのHRVデータの変化に基づいて偏差基準の充足を決定し得る。次いで、偏差基準の充足は、「病気リスクスコア」、「病気予測メトリック」、またはユーザの病気を示す何らかの他のメトリックを決定するために使用され得、決定されたメトリックをユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに報告し得る。言い換えると、システム200は、ユーザからHRVデータを収集し、収集されたHRVデータをその同じユーザのベースラインHRVデータと比較して、ユーザのベースラインHRVデータからの偏差を決定し得、偏差は、病気を示し得る。追加的または代替的に、システム200は、(例えば、HRVデータに基づいて)ユーザの呼吸数を決定してもよく、病気の発現を識別するために、ユーザのベースライン呼吸数からの偏差を決定してもよい。
【0104】
いくつかの実装形態では、収集されたHRVデータは分類器に入力され得、分類器は、病気を検出するために、それぞれの時間間隔(例えば、参照ウィンドウ、予測ウィンドウ)にわたって1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するように構成される。いくつかの実装形態では、病気の発現を識別するために、ユーザから収集されたHRVデータの周波数コンテンツが使用され得る。例えば、システム200のリング104、ユーザデバイス106、および/またはサーバ110は、ユーザから収集されたHRVデータに関連するHRV周波数帯域および時間領域メトリックを決定し得る。HRVデータの時間領域コンテンツ/メトリックは、RMSSD(root mean square of successive differences)を含み得る。さらに、HRVデータの周波数領域コンテンツ/メトリックは、高周波数(HF:0.15~0.40Hz;最小期間=30秒;ローリングウィンドウ=1分)および低周波数(LF:0.04~0.15Hz;最小期間=90秒;ローリングウィンドウ=2~5分)範囲、呼吸数、および超低周波数(VLF:0.015~0.04Hz;最小期間270秒)を含み得る。これらの周波数特徴は、動きおよび他のアーチファクトならびに異所性収縮を信号から除去した後に、当該周波数の長さに応じて1~10分のウィンドウにわたってローリングベースで計算され得る。
【0105】
システム200の様々な構成要素は、それぞれの周波数帯域における生のスペクトルパワーおよび/またはそれぞれの周波数帯域ごとのピーク周波数を決定し得る。これらの高分解能粒度での周波数抽出は、睡眠期間中の様々な点から様々な統計的パラメータを抽出するように構成された特徴エンジニアリングパイプラインに供給され得る。これらは、分布の分位数(例えば、1%、50%、99%など)またはワッサースタイン計量(Wasserstein metric)などの分布全体におけるシフトを検査するメトリックを含み得るが、これらに限定されない。言い換えると、特徴エンジニアリングパイプラインは、特定の時間ウィンドウ(例えば、ローリング1~10分時間ウィンドウ)の特徴を計算するとともに、時間ウィンドウにわたる統計値(例えば、一晩にわたる中央値)を計算するように構成され得、計算された特徴および統計値は、本明細書で説明される様々な病気検出技法を実行するために、分類器(例えば、機械学習分類器)に供給され得る。いくつかの実装形態では、分布の変化は、様々な「ベースライン期間」にわたって個人化された方法で所与のユーザの値の範囲に関する事前知識の影響を反映するように、ベイズ統計学(Bayesian statistics)を使用してフレーム化され得る。
【0106】
いくつかの実装形態では、神経系応答に関連する生理学的データ(例えば、HRVデータ)に関連する特徴は、レム睡眠中とノンレム睡眠中の呼吸数を分離するなど、「睡眠インテリジェントな」方法で抽出され得る。特徴は、異なる生理学的影響が優勢であり得る夕方、晩、または夜遅く(the early, middle, or late portions of the evening)から抽出され得る。例えば、免疫系の概日リズムは、おおよそ9:00pmから2:00amの間、免疫系が、強力な攻撃を開始し、サイトカインをより多く分泌する態勢ができている可能性があることを示唆するが、夜遅くには、交感神経媒介性の内臓神経信号が、翌日の概日リズムを同調させる信号を開始し、それによってこの信号に重大な影響を与える可能性がある。したがって、システム200は、一晩の睡眠全体にわたって収集された生理学的データに基づいて、複数の睡眠期間にわたって収集された生理学的データに基づいて、および/または既知の概日リズムおよび生理機能にしたがって決定された時間間隔内に収集された生理学的データに基づく「睡眠段階インテリジェントな」もしくは経時的に情報を与えられた特徴に基づいて、病気検出を実行するように構成され得る。
【0107】
いくつかの態様では、システム200は、それぞれの時間間隔(例えば、第1の/参照時間間隔、第2の/予測時間間隔)を通してHRVデータの周波数コンテンツを決定し得る。例えば、システム200(および/または機械学習分類器)の特徴エンジニアリングパイプラインは、収集された生理学的データの夜にわたるローリング時間ウィンドウ(例えば、ローリング2分時間間隔)における高周波数信号および低周波数信号の周波数および振幅(例えば、生のスペクトルパワー)を決定し得る。次いで、システム200は、決定された特徴(例えば、ローリング2分間隔の一晩全体にわたる高周波数振幅の50%分位数)に関する統計を計算して、生理学的データのそれぞれの夜についてのパラメータ/値の単一のセットを決定し得る。
【0108】
取得されたHRVデータに関連する周波数コンテンツは、
図3を参照してさらに示され、説明され得る。
【0109】
図3は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする神経系
図300の一例を示す。特に、神経系
図300は、HRV周波数コンテンツ
図305-aおよび神経系メトリック
図305-bを含む。
【0110】
HRV周波数コンテンツ
図305-aは、発症前段階で病気を検出するために、HRV周波数帯域の分析を使用して、どのようにして病気の前の交感神経指標と副交感神経指標との乖離度(divergence)を捉え得るかを示す。特に、HRV周波数コンテンツ
図305-aは、COVID-19に関連する症状を含むインフルエンザ様症状を経験した10,000人を超える個人についての、低周波数コンテンツ(低周波数曲線310-a)および高周波数コンテンツ(高周波数曲線310-b)を示す。HRV周波数コンテンツ
図305-aのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)を示し、時間=0は、それぞれのユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示す。HRV周波数コンテンツ
図305-aのx軸は、2つの異なるメトリック(例えば、低周波数曲線310-aおよび高周波数曲線310-b)を一緒にグラフ化するように正規化される。
【0111】
低周波数曲線310-aは、夜間睡眠期間中にIBIシリーズから導出されるHRVメトリックである、低周波数帯域におけるピーク周波数の99パーセンタイル(99%ile)を表す。高周波数曲線310-bは、夜間睡眠期間中にIBIシリーズから導出される別のHRVメトリックである、高周波数帯域におけるピーク周波数の1パーセンタイル(1%ile)を表す。いくつかの態様では、低周波数曲線310-aは、交感神経系応答を表し得、高周波数曲線310-bは、副交感神経系応答を表し得る。
【0112】
HRV周波数コンテンツ
図305-aに示されるように、症状の発現前に2つの周波数の範囲内に協調的なシフトが存在し得る。すなわち、症状の発現前の低周波数曲線310-aと高周波数曲線310-bとの間には乖離がある。低周波数曲線310-aおよび高周波数曲線310-bは、それぞれ、交感神経活動および副交感神経活動に関連付けられるので、症状の発現前のそれぞれの曲線310の乖離度は、それぞれの応答(例えば、交感神経応答、副交感神経応答)をより明確にし得る。低周波数曲線310-aと高周波数曲線310-bとの間のこの乖離度は、感染と闘うために血流中への免疫細胞の放出を刺激するための、骨髄などの免疫器官への入力の変化を反映し得る。
【0113】
いくつかの態様では、システム200は、ユーザのHRVデータの低周波数コンテンツ(例えば、低周波数曲線310-a)および/またはユーザのHRVデータの高周波数コンテンツ(例えば、高周波数曲線310-b)に基づいて、発症前段階で(例えば、時間=0における病気の発現の前に)病気を識別し得る。場合によっては、システム200(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、機械学習分類器)は、病気を識別するために、低周波数曲線310-aおよび高周波数曲線310-bの乖離度を識別し得る。例えば、第1の間隔(例えば、参照ウィンドウ)の間、正規化された低周波数曲線310-aは、正規化された高周波数曲線310-bより大きくてもよい。これに対し、第2の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)の間、正規化された高周波数曲線310-bは、正規化された低周波数曲線310-aより大きくてもよい。そのため、システム200は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のそれぞれの曲線310間の乖離度に基づいて、病気の発現を検出し得る。
【0114】
システム200は、神経系応答に関連する追加の生理学的パラメータを利用して、病気の発現を決定し得る。例えば、神経系メトリック
図305-bは、病気検出のために使用され得るユーザのIBIシリーズから導出された以下の3つの異なるメトリックを示す:安静時心拍数(曲線310-c)、HRV平均化スコア(曲線310-d)、および回復メトリック(曲線310-e)。いくつかの実装形態では、本明細書で前述したように、安静時心拍数、HRV平均化スコア(例えば、「HRVバランス」)、および回復メトリック(例えば、「回復指数」)は、ユーザのレディネススコアを決定するために使用される「誘因」または「寄与因子」を含み得る。
【0115】
神経系メトリック
図305-bのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)を示し、時間=0は、それぞれのユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示す。神経系メトリック
図305-bのそれぞれの曲線310-c、310-d、および310-eは、最近のデータを、0から100(y軸)に正規化されたユーザの長期平均と比較することによって計算され得る。
図3に示されるように、神経系メトリック
図305-bに示されるそれぞれの神経系メトリックは、発症前の期間における病気検出のための貴重な洞察を提供し得る。
【0116】
特に、ユーザのHRV平均化スコア、または「HRVバランス」に関連する曲線310-dは、実質的に症状の発現前に低下する。ユーザのHRV平均化スコア(例えば、HRVバランス)を反映する曲線310-dは、最近の夜間HRV(例えば、より最近のデータにより多くの重みが与えられている、対数変換されたRMSSDの14日間加重平均)を、過去数ヶ月にわたるユーザの長期HRVと比較する。追加的に、安静時心拍数(前夜の最低の10分心拍数をユーザの心拍数の長期平均と比較する)を反映する曲線310-cもまた、症状の発現前に低下する。最後に、レディネススコアのための回復指数(例えば、回復メトリックデータ)を反映する曲線310-eもまた、症状の発現に至るまでの日数の増加を呈する。回復メトリックデータ、または回復指数は、ユーザの安静時心拍数が一晩で安定するのにかかる時間を指し得る。曲線310-eの増加は、心拍数がその最低点に到達した後の回復に専念する夜間の割合の増加を反映し得る。通常よりも長い回復時間は、わずかに病気を微弱に予測するものであり得る。まとめると、曲線310-cの減少(例えば、安静時心拍数の減少)、曲線310-dの減少(例えば、HRV平均化スコアの減少)、曲線310-eの増加(例えば、回復メトリックデータの増加)、またはそれらの任意の組合せが、病気予測のために使用され得る。
【0117】
【0118】
それぞれの
図405-a~405-dのx軸は、症状の発現の前後の日付(例えば、月-日)、ここで、
図405の各々における垂直基準線は、ユーザの病気症状の発現を示す。HRV周波数コンテンツ
図405-aのy軸は、ユーザからのHRVデータの高周波数コンテンツと低周波数コンテンツとの間の相関を示す。就寝時刻
図405-bのy軸は、それぞれの日付の午前0時の後の持続時間(分単位)として測定されたユーザの就寝時刻を示す。RMSSD
図405-cのy軸は、ユーザの最長睡眠持続時間のRMSSD測定値をミリ秒単位で示し、レム睡眠
図405-dのy軸は、ユーザの総レム睡眠持続時間を秒単位で示す。
【0119】
HRV周波数コンテンツ
図405-aに見られるように、症状の発現のおよそ5~7日前に、高周波数HRVピーク周波数と低周波数HRVピーク周波数との相関に顕著な増加がある。追加的に、就寝時刻
図405-bは、ユーザが、症状の発現に至るまでの数日間、より早く就寝し得ることを示し(例えば、就寝時刻
図405-bの曲線の減少)、RMSSD
図405-cは、症状の発現に至るまでの数日間、HRVデータのRMSSDがより低いことを示す。RMSSD(および/または他のHRVメトリック)の減少は、近づきつつある病気を示し得る副交換神経症状の離脱を示し得る。最後に、レム睡眠
図405-dは、症状の発現に至るまでのレム睡眠の増加を示す。
【0120】
図4に示される個々の神経系の特性/パラメータは、個別にはいくらかノイズが多い可能性があるが、これらのそれぞれのパラメータは、併用または組み合わせられたとき、病気を効果的に予測するために使用され得る。例えば、高周波数HRVコンテンツと低周波数HRVコンテンツとの間の相関の増加を、より早い就寝時刻および増加したレム睡眠とともに使用して、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移し得ることを識別し得る。
【0121】
図5は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする神経系
図500の一例を示す。特に、神経系
図500は、深い睡眠段階およびレム睡眠段階の最長睡眠持続時間を示す第1の
図505-aと、深い睡眠およびレム睡眠として分類される総睡眠の相対的な割合を示す第2の
図505-bとを含む。
【0122】
それぞれの
図505-aおよび505-bのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)であり、時間=0は、それぞれのユーザの症状の発現日を示す。それぞれの
図505-aおよび505-bのy軸は、同じグラフ上でそれぞれの曲線を示すようにz正規化されており、第1の
図505-aは、それぞれのユーザがレム睡眠段階(曲線510-a)および深い睡眠段階(曲線510-b)で費やした時間の長さを示し、第2の
図505-bは、レム睡眠(曲線510-c)または深い睡眠(曲線510-d)として分類されるユーザの総睡眠の相対的な割合を示す。
【0123】
睡眠中、ユーザは、異なる睡眠段階/フェーズ(例えば、深い睡眠段階、浅い睡眠段階、レム睡眠段階、覚醒睡眠段階)を呈する。レム睡眠段階とノンレム睡眠段階とでは、神経系バランスのパターンが特徴的に異なっており、それぞれの睡眠段階の変化が、病気の発現の予測に使用され得る。特に、システム200は、リング104から収集された生理学的データ(例えば、HRVデータ、呼吸数データ、温度データなど)を分類器(例えば、機械学習分類器)に入力するように構成され得、分類器は、生理学的データをそれぞれの睡眠段階に分類する。その後、睡眠段階データ(例えば、ユーザがそれぞれの睡眠段階で費やした持続時間を示すデータ)が、病気を予測するために使用され得る。この点に関して、分類器/アルゴリズムは、これらの睡眠段階と神経系バランスまたはHRVのメトリックとの間で生じる複雑な相互作用を作成または「学習」し得る。これらの特徴を一緒に見ることによって、機械学習分類器は、神経系が睡眠中の病気にどのように応答するかの複雑さのより正確な理解を深め得る。
【0124】
例えば、第1の
図505-aに示されるように、ユーザがレム睡眠で費やす時間の長さの増加(例えば、曲線510-aの増加)だけでなく、ユーザが深い睡眠で費やす時間の長さの減少(例えば、曲線510-bの減少)を使用して、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することを予測し得る。さらに、第2の
図505-bに示されるように、レム睡眠で費やされるユーザの睡眠の相対的な割合の増加(例えば、曲線510-c)および深い睡眠で費やされるユーザの睡眠の相対的な割合の減少(例えば、曲線510-d)を追加的または代替的に使用して、症状の発現を予測してもよい。
【0125】
場合によっては、ユーザから取得された生理学的データは、病気を予測するために、「睡眠インテリジェントな」方法で使用され得る。すなわち、システム200は、病気を予測するときに、夜の特定の期間および/または特定の睡眠段階の間に収集された生理学的データのみを利用し得る。例えば、時系列的に知らされた特徴は、ユーザの既知の概日リズムおよび生理機能に基づいて決定され得、特徴は、異なる生理学的影響が優勢であり得る夕方、晩、または夜遅くから抽出され得る。
【0126】
例えば、レム睡眠の期間中に収集されたHRVデータは、他の睡眠段階(例えば、深い睡眠段階、浅い睡眠段階)中に収集されたHRVデータと比較して、病気を検出するのにより有用であり得る。そのため、いくつかの実装形態では、システム200は、病気を予測するときに、定義された睡眠段階中に収集された生理学的データ、夜間の持続時間、および/または睡眠段階のタイプを利用し得る。例えば、システム200は、偏差基準の充足を識別し、病気の発現を予測するために、第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)内のレム睡眠段階中に収集されたHRVデータと、第2の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)内のレム睡眠段階中に収集されたHRVデータとを利用し得る。
【0127】
同様に、システム200は、病気を決定するために、ユーザの自然な概日リズムの周期全体を通して定義された時間間隔で収集された生理学的データを利用し得る。例えば、ユーザの自然な概日リズムによれば、おおよそ2:00am~4:00amの間の生理学的変化は、この時間間隔が、病気と闘うために身体が生物学的応答を自然に増加させる傾向がある時間に対応し得るので、病気をより示すものであり得る。別の例として、ユーザの自然な概日リズムによれば、ユーザの通常の就寝時刻の後の最初の180分(例えば、予想される睡眠の最初の180分)、およびユーザの通常の覚醒時刻の前の最後の180分(例えば、予想される睡眠の最後の180分)以内の生理学的変化は、病気をより示すものであり得る。言い換えると、ユーザの自然な概日リズムは、病気を決定/予測するときに特に関心のあり得る絶対時間ウィンドウおよび相対時間ウィンドウを識別するために使用され得る。そのため、システム200は、ユーザの概日リズムを識別し得、病気を検出するために、概日リズムの特定の時間間隔内に収集された生理学的データを、概日リズムの同じ時間間隔内に収集された生理学的データと比較し得る。例えば、システム200は、ベースラインHRVデータからの偏差を決定して、病気を検出するために、2:00amから4:00amの間に収集されたHRVデータを、前の日(previous days)の2:00amから4:00amの間に収集されたユーザのベースラインHRVデータと比較し得る。
【0128】
健康状態から不健康状態へのユーザの遷移を決定/予測するための例は、例示的であり得る。この例では、リング104は、経時的にユーザから生理学的データを取得し得る。例えば、リング104は、ユーザのHRVデータ、温度データ、パルス波形データ、呼吸数、心拍数、血中酸素濃度、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを取得/決定し得る。それぞれのデータストリーム(例えば、温度データ、心拍数データ、HRVデータなど)は、生理学的データの「パラメータ」と呼ばれ得る。リング104は、取得/決定された生理学的データをユーザデバイス106に送信し得る。さらに、いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、取得された生理学的データをサーバ110に送信し得る。
【0129】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、本明細書では「ベースライン決定ウィンドウ」または「参照ウィンドウ」と呼ばれ得る第1の時間間隔の間に取得されたデータに基づいて健康なベースライン値/範囲を決定し得る。ユーザデバイス106は、本明細書では「早期検出ウィンドウ」または「予測ウィンドウ」と呼ばれ得る第2の時間間隔の間に偏差決定のために使用される値を決定し得る。予測ウィンドウは、参照ウィンドウの後に発生する時間のウィンドウであり得る。いくつかの実装形態では、参照ウィンドウは、2つの時間ウィンドウが連続時間ウィンドウを形成するように、早期検出ウィンドウに隣接し得る。いくつかの実装形態では、2つの時間ウィンドウは、ある期間だけ互いに離れていてもよい。いくつかの実装形態では、同じ時間ウィンドウが、異なるベースライン/偏差を計算するために使用され得る。いくつかの実装形態では、異なる時間ウィンドウが、異なるベースライン/偏差を計算するために使用され得る。参照ウィンドウ、予測ウィンドウ、不健康時間ウィンドウ、および回復時間ウィンドウのための時間ウィンドウは、任意の持続時間であり得る。例えば、時間ウィンドウは、分単位、時間単位、日単位、または週単位であり得る。
【0130】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、生理学的データのそれぞれのパラメータについての健康なベースライン値/範囲を決定し得る。健康なベースライン値/範囲は、ユーザが健康状態にあるときのユーザの生理学的パラメータについての値および/または値の範囲を示し得る。例えば、健康なベースライン値/範囲は、健康な温度特性、呼吸数特性、HR特性、および/またはHRV特性を示し得る。ユーザデバイス106は、測定された生理学的パラメータの各々について1つまたは複数の健康なベースライン値/範囲を決定し得る。例えば、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、健康ベースラインHRV範囲、健康なベースライン呼吸数範囲、健康なベースライン温度範囲などを決定し得る。ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ベースライン参照ウィンドウ(例えば、第1の時間間隔)内の取得された生理学的データに基づいて、それぞれのパラメータについて健康なベースライン値/範囲を決定し得る。いくつかの実装形態では、ベースライン値/範囲は、時間領域、周波数領域、または両方における値/範囲であり得る。
【0131】
本開示の目的のために、「生理学的データ」、「ベースライン生理学的データ」という用語および同様の用語は、収集された生理学的読取り値(例えば、温度読取り値、心拍数読取り値など)だけでなく、周波数、振幅、位相など、収集された生理学的読取り値に関連する他のパラメータ/特性も指すために使用され得る。例えば、「ベースライン温度データ」という用語は、ユーザから収集された生の/処理された温度読取り値、ならびに温度データの周波数コンテンツを指し得る。この点に関して、「生理学的データ」という用語および同様の用語は、「生理学的パラメータ」、「動的生理学的パラメータ」、「生理学的特性」などと交換可能に使用され得る。例えば、「温度データ」という用語は、生の/処理された温度読取り値、ならびに周波数、振幅、位相、安定性などの他のリズム温度パラメータを指すために、「動的温度パラメータ」または「温度特性」という用語と交換可能に使用され得る。
【0132】
場合によっては、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、病気検出に使用される第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)および第2の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)を選択し得る。いくつかの実装形態では、参照ウィンドウが事前分布を構成し、予測ウィンドウが事後分布を構成する、ベイズ統計法が利用され得る。他の実装形態では、ベイズ法は、モデル出力された病気の確率が、ユーザまたは雇用主ベースの製品の観点から対処可能または対処不可能として分類され得る適切な弁別閾値を選択するために使用され得る。例えば、地方または雇用センターまたは同様の人口統計学におけるCOVID-19の罹患率は、事後データ駆動型分布の統計的可能性を評価するための事前分布を提供し得る。
【0133】
同じ例を続けると、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザの最近の(例えば、現在の)生理学的データの1つまたは複数のパラメータが、対応する健康なベースライン値/範囲のうちの1つまたは複数から逸脱するかどうかを決定し得る(例えば、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別し得る)。場合によっては、偏差基準の充足の識別は、機械学習分類器によって実行され得る。健康なベースライン値/範囲のうちの1つまたは複数からの偏差は、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移し得ることを示し得る。例えば、ユーザデバイス106は、ユーザの温度読取り値が、決定された健康なベースライン温度範囲から逸脱すること、およびユーザのHRV読取り値が、決定された健康なベースラインHRV範囲から逸脱することを決定し得る。別の例として、ユーザデバイス106は、早期検出ウィンドウ内の温度データが健康な温度ベースライン値/範囲のうちの1つまたは複数から逸脱するかどうかを決定し得る。
【0134】
その後、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、健康から不健康への遷移の基準(例えば、偏差基準)に基づいて、健康状態から不健康状態への遷移があり得るかどうかを決定し得る。偏差基準は、満たされた場合にユーザが健康状態から不健康状態に遷移している可能性があることを示す1つまたは複数の偏差(例えば、温度偏差基準、HRV偏差基準、呼吸数偏差基準)を示し得る。各健康なベースライン値/範囲は、1つまたは複数の偏差基準に関連付けられ得る。いくつかの実装形態では、健康なベースライン範囲/値からの単一の偏差が、偏差基準を満たし得る。いくつかの実装形態では、偏差基準は、1つまたは複数のHRV偏差、温度偏差、1つまたは複数の呼吸数偏差など、1つまたは複数の生理学的パラメータについて所与の時間間隔内に複数の偏差が発生することを必要とし得る。
【0135】
1つまたは複数の偏差基準が満たされる場合、ユーザデバイス106は、健康状態から不健康状態への遷移が検出/予測されたことをユーザに通知し得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、アプリケーションGUI275内で、または別の方法(例えば、プッシュ通知)で、ユーザデバイス106上でユーザに通知し得る。別の例として、サーバ110が決定を行う場合、サーバ110は、ウェブベースのGUI275を介してまたは別の方法(例えば、プッシュ通知)を介して、ユーザに通知し得る。いくつかの実装形態では、GUI275は、ベースラインデータおよび/または偏差に関連する生理学的データを(例えば、ダッシュボード内に)提示し得る。いくつかの実装形態では、GUI275は、偏差および/または決定を要約する要約値(例えば、要約予測値)を提供し得る。いくつかの実装形態では、GUI275は、ユーザが近い将来に不健康状態に遷移し得るという予測がある理由を示すテキスト通知をユーザに提供し得る。
【0136】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、1つまたは複数のリスクおよび/または予測値(例えば、病気リスク値、病気予測値)をユーザに報告し得る。リスク/予測値、他の生理学的データ/値、および本明細書で説明される技法は、病気の検出/予測に加えて、様々な目的のために使用され得る。例えば、データ/値は、診断、予後予測(例えば、誰が入院または呼吸補助を必要とする可能性が高いか)、リスク層別化(例えば、誰が最もリスクが高いか)、リソース割振り意思決定(例えば、誰がCOVID-19に関して検査されるべきか、およびどのくらいの頻度で個人が検査されるべきか)、精密医療(例えば、誰に対してどの治療が最良に作用するか)、治療効果の監視(例えば、日々の改善をもたらす所与の治療)、緊急治療トリアージ、薬力学/応答目的、および他の目的のために使用され得る。そのようなデジタルバイオマーカーは、病気の拡大を防止し、仕事への復帰を容易にし、発症前または無症状の個人の早期発見を行い、その後の増悪の可能性の早期予後バイオマーカーを潜在的に識別するために、COVID-19またはインフルエンザ様疾患が疑われる患者にとって非常に影響力があり得る。
【0137】
いくつかの実装形態では、システム200は、決定された病気評価メトリック(例えば、病気リスクメトリック、病気予測メトリック)に関する何らかの情報または他の洞察を提供するように構成され得る。個人化された洞察は、病気評価スコアを生成するために使用された収集された生理学的データの態様を示し得る。例えば、ユーザが高温を経験しない(例えば、熱がない)が、依然として比較的高い病気評価スコア(例えば、病気の高い確率)を呈する場合、個人化された洞察を提供することで、高い病気評価スコアを引き起こしている追加の情報が提供され得る。さらに、個人化された洞察を提供することで、より大きなユーザエンゲージメントがより高められ得る。さらに、個人化された洞察は、「高い病気評価スコアを引き起こしているものは何ですか?」、「体温は正常なのに、なぜ高い病気評価スコアなのですか?」、「病気リスクメトリック(例えば、健康リスク管理(HRM)スコア)が日によって大きく変化することがあるのはなぜですか?」、「レディネススコアとHRMスコアが別のことを指しているのはなぜですか?」、「喘息持ちです;スコアが高いのは、呼吸数のためですか、それとも別のものも感知しているからですか?」などの質問に対する回答を提供し得る。この点に関して、洞察は、生の生理学的データ、ユーザのプライバシー、または病気評価スコアを生成するために使用されるアルゴリズム/モデルの詳細を公開することなく、病気評価スコアに対する寄与因子を説明し得る。
【0138】
例えば、ユーザデバイス106は、GUI275を介して、生成された病気評価スコアへの主要な誘因である収集された生理学的データの1つまたは複数のパラメータを表示し得る。例えば、高い病気評価スコアが主に高い温度読取り値に起因して決定された場合、GUI275は、温度の変化が高い病気評価スコアの主な理由であることを示し得る。別の例として、ユーザが呼吸数の増加および安静時心拍数の上昇は呈するが、温度の上昇は呈さない場合、GUI275は、呼吸数および安静時心拍数が高い病気評価スコアの主な理由であることを示し得る。他の場合では、洞察は、所与のユーザについて経時的にすべてのまたは上位の誘因の傾向を示してもよい。
【0139】
いくつかの実装形態では、システム200は、分類器(例えば、機械学習分類器のための教師あり学習)をトレーニングし、病気検出技法を改善するために、検出/予測された病気に関するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えば、ユーザデバイス106は、ユーザが体調を崩す相対的な可能性を示す病気リスクメトリックを表示し得る。その後、ユーザは、症状の発現、陽性の病気検査などの1つまたは複数のユーザ入力を入力し得る。これらのユーザ入力は、次いで、分類器をトレーニングするために分類器に入力され得る。言い換えると、ユーザ入力は、決定された病気リスクメトリックを妥当性確認または確認するために使用され得る。
【0140】
本開示の多くは、取得された生理学的データ(例えば、HRVデータ、温度データ)に基づいて健康状態から不健康状態への遷移を決定/予測することの文脈で説明されているが、本開示の態様は、取得された生理学的データに基づいて不健康状態から健康状態への遷移を決定/予測するためにも使用され得る。例えば、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザがいつ不健康状態から健康状態に遷移する(または現在遷移している)かを決定/予測するために、他の生理学的パラメータ(例えば、パルス波形データ、呼吸数データ、心拍数データ、HRVデータ、アクティグラフィーデータ、電気皮膚反応データ、酸素飽和度データ)とともに温度バイオマーカーに基づいて遷移を検出し得る。検出された遷移を示す同様の通知およびアラートが(例えば、GUI275を介して)ユーザに提供され得る。
【0141】
それぞれのユーザのベースライン温度範囲を使用する同様の技法が、発症前段階でユーザの病気を決定/予測するために使用され得る。例えば、リング104は、第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)にわたってユーザから生理学的データ(例えば、温度データ)を取得し得る。温度データは、ユーザの指で測定される皮膚温度を含み得る。温度データは、サンプリングレート(例えば、1サンプル/分など)または温度収集周期でサンプリングされ得る。いくつかの実装形態では、温度データは、昼夜を通して連続的にサンプリングされ得る。指で測定された皮膚温度が使用され得るが、他の温度測定値(例えば、皮膚温度および/または深部温度)を異なるユーザロケーションから取得してもよい。リング104は、取得/決定されたデータをユーザデバイス106または他のコンピューティングデバイス(例えば、サーバ110)に送信し得る。同様に、ユーザデバイス106は、取得された生理学的データをサーバ110に送信し得る。ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザの1日以上の温度データを取得し得る。追加的に、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、(例えば、ユーザデバイス106を介して)リング104から経時的にユーザの温度データを取得し続け得る。
【0142】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、受信された温度データをフィルタリングし得る。例えば、サーバ110は、温度データにローパスフィルタを適用し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、温度データを処理するときに1つまたは複数の変換を実装し得る。例えば、サーバ110は、ローパスフィルタと組み合わせて離散ウェーブレット変換(DWT)を実装し得る。温度データをフィルタリングすることで、温度データのノイズ量およびいくつかの極端な変動が低減され得る。例えば、温度データの初期フィルタリング/処理は、偽の異常を除去し得、これにより、システム200のそれぞれのデバイスは、早期病気発現をより示すものであり得る真正の異常/パターンをより明確に識別することを可能にし得る。さらに、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、または他のコンピューティングデバイスは、誤ったデータ読取り値を除去する処理を実施し得る。例えば、(例えば、モーションセンサによって示されるような)大量の活動に関連する温度または他の生理学的読取り値は、データから除去されるか、または別の方法でアルゴリズムによって数学的に調整され得る。追加的に、熱いシャワーなどのユーザ温度を示すものではない温度が除去または数学的に調整され得る。誤ったまたは信頼できないデータの除去は、より信頼できる予測を確実にするのを助け得る。
【0143】
その後、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)を通して収集された温度データに基づいて、ユーザに関連するベースライン温度データを決定し得る。ベースライン温度データは、温度データの線形統計メトリック(例えば、最小/最大/平均/中央値温度読取り値)、ならびに温度周期性、周波数コンテンツ(例えば、周波数組成、ベースライン周波数コンテンツ)、経時的な周波数の安定性(例えば、月経期、ウルトラディアンリズム、概日リズムに関する温度読取り値の安定性)、またはそれらの任意の組合せなどの温度読取り値の動的記述、これらの動態と他の生理学的変数との関係を含み得る。
【0144】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、第2の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)を通してリング104によって収集された追加の温度データを受信し得る。この例では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、1つまたは複数の偏差基準が満たされているかどうかを識別するために、追加の温度データをベースライン温度データと比較し得る。例えば、サーバ110は、ベースライン温度データおよび追加の温度データを分類器に入力し得、分類器は、1つまたは複数の偏差基準の充足(またはその欠如)を識別するように構成される。場合によっては、分類器は、温度データとベースライン温度データとの間の偏差または変化が何らかの温度変化閾値を満たす(例えば、それ以上である)かどうかを決定するために、温度データをベースライン温度データと比較し得る。言い換えると、分類器は、ユーザのベースライン温度読取り値/範囲に対する温度読取り値/範囲の間の変化が温度変化閾値を超える場合に、偏差基準の充足を識別し得る。
【0145】
次いで、システム200は、偏差基準の充足に基づいて、検出/予測された病気をユーザに通知し得る。例えば、ユーザデバイス106は、GUI275を介して、病気リスクメトリックの指示を表示し得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。
【0146】
場合によっては、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ベースライン温度データと追加の温度データとの間の高いおよび/または低い日中温度読取り値(例えば、最大および/または最小日中温度読取り値)間の偏差に基づいて、偏差基準の充足を識別し得る(例えば、病気を予測し得る)。例えば、ベースライン温度データと、温度変化閾値を満たす追加の温度データとの間の、ユーザの典型的な高い日中温度読取り値間の変化(例えば、何らかの閾値以上の変化)は、病気を示し得る。別の例として、ベースライン温度データと温度変化閾値を満たす追加の温度データとの間のユーザの典型的な低い日中温度読取り値間の変化(例えば、何らかの閾値以上の変化)は、病気を示し得る。場合によっては、ユーザは、症状の発現前に、高い温度および低い温度の両方において逸脱し得る。さらに、温度の大きな偏差は病気の発現を示し得るが、いくつかの実装形態では、より小さな偏差も病気の発現を示し得る。さらに、ユーザ自身の基準温度データに基づいて病気を決定/予測することで、典型的な一般温度閾値(例えば、37℃)を超える絶対温度値の増加に依拠する技法などの他の病気検出技法では得られない可能性がある個人化された検出のレベルが提供され得る。
【0147】
いくつかの実装形態では、病気を予測するために温度データの周波数コンテンツも使用され得る。例えば、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、リング104から温度データを受信し得、周波数領域生理学的データ(例えば、周波数領域温度データ)を決定し得る。例えば、ユーザデバイス106は、1つまたは複数の期間(例えば、夜間/日中)にわたって周波数コンテンツの1つまたは複数の範囲を決定し得る。ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、計算された周波数領域生理学的データ値を1つまたは複数のモデル/分類器に入力し得る。1つまたは複数のモデル/分類器は、任意の機械学習モデル、機械学習分類器、または当技術分野で知られている他のアルゴリズム(例えば、ランダムフォレスト分類器、勾配ブースト分類ツリー、ニューラルネットワークアルゴリズム)を含み得る。
【0148】
いくつかの実装形態では、周波数領域特徴は、同様の周波数範囲に同調されたピーク発見アルゴリズムによって近似され得る。これらのピーク(またはトラフ)発見特徴は、ピークの顕著性、ピークの数、隣接するピーク間の距離、およびピークの幅を定量化し得る。周波数領域特徴のそのような近似は、通常の概日リズムおよびウルトラディアンリズムのリズムパターン、ならびに病気が引き起こし得るこれらのリズムの乱れを捉えつつ、アルゴリズムがリアルタイム生成環境で機能することを可能にし得る。この近似の一例は、日中の最小温度値および夜間の最大温度値を定量化する日次特徴(daily feature)を含むことによって、温度における22~26時間の概日リズムを近似することであり得る。組み合わせると、そのような特徴は、22~26時間概日リズムの顕著性または振幅における病気誘発変化を効果的に捉え得る。
【0149】
同じ例を続けると、ユーザデバイス106および/またはサーバは、周波数領域温度データに基づいて健康な温度ベースライン値/範囲を決定し得る。例えば、ユーザデバイス106は、温度ベースライン決定ウィンドウ内の温度データに基づいて健康な温度ベースライン値/範囲を決定し得る。別の例として、ユーザデバイス106は、ユーザの概日リズムに対応する22~26時間の範囲内の周波数領域温度データに基づいて、健康な温度ベースライン値/範囲を決定し得る。
【0150】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザの最近の(例えば、現在の)温度データが健康な温度ベースライン値/範囲のうちの1つまたは複数から逸脱しているかどうかを決定し得る。例えば、ユーザデバイス106は、低周波数信号強度が第2の時間間隔(例えば、予測ウィンドウ)の間に健康な範囲から逸脱するかどうかを決定し得る。別の例として、ユーザデバイス106は、ユーザの自然な概日リズム内の特定の持続時間に対する低周波数信号強度が、第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)の間の概日リズムの対応する持続時間に対して健康なベースラインから逸脱するかどうかを決定し得る。
【0151】
次いで、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、偏差基準(例えば、健康/不健康遷移基準)に基づいて、健康状態から不健康状態への遷移があり得るかどうかを決定し得る。偏差基準は、周波数領域および/または時間領域温度信号における偏差などの1つまたは複数の温度偏差基準を含み得る。言い換えると、ユーザデバイス106および/またはサーバは、温度データの周波数領域特徴に基づいて、1つまたは複数のモデル(例えば、機械学習分類器)からの出力が、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移していることを示すかどうかを決定し得る。
【0152】
本明細書では、周波数領域温度データは、時間領域データでは視覚的に明らかでない場合があるユーザの健康状態への洞察をもたらし得ることに留意されたい。例えば、時間領域温度データは、必ずしも発熱または他の温度変化を示すとは限らないが、周波数領域は、本明細書で説明される技法を使用して、ユーザの健康状態および可能な遷移に関する関連情報を提供し得る。さらに、本明細書で説明される技法は、概日リズムにほぼ対応する22~26時間の範囲にしたがってデータを分析し得る。さらに、概日リズムに対応する時間範囲以外の範囲が使用され得る。例えば、8~12時の間範囲(例えば、ウルトラディアンリズム)、2~5時間の範囲(例えば、ウルトラディアンリズム)、および/または1~2時間の範囲(例えば、睡眠関連リズム)に関連する周波数領域コンテンツが使用され得る。本明細書で説明される範囲以外の範囲もまた、温度偏差の分析ならびに健康/不健康状態間のユーザの遷移の検出/予測に使用され得る。
【0153】
いくつかの実装形態では、温度データの周波数分析は、ヒートマップまたはスペクトログラムとして示され得る。例えば、スペクトログラムは、温度対時間信号の周波数コンテンツをグラフで示し得る(例えば、取得された温度データの低周波数コンテンツから高周波数コンテンツを時間経過とともに示す)。周波数領域温度データのスペクトログラムは、低周波数信号強度の偏差(例えば、低周波数電力の範囲における偏差)を示し得、様々な技法を使用して生成/計算され得る。例えば、スペクトログラムデータは、連続ウェーブレット変換(CWT)技法、フーリエ変換技法(例えば、高速フーリエ変換)、または他の技法を使用して計算され得る。
【0154】
周波数領域温度データのスペクトログラムのy軸は、時間単位で周期長の単位を示し得る(例えば、周期=1/周波数)。別の言い方をすれば、y軸は、周期長(例えば、時間単位)に関して信号の周波数コンテンツを表し得る。場合によっては、周波数領域温度データのスペクトログラムは、近似の概日リズム(例えば、24時間を中心とした22~26時間の期間範囲内)に対応する高い信号強度を示し得、これは、上述したように、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移していることを示し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザの近似の概日リズムに対応する低周波数信号強度に関する1つまたは複数の偏差基準(例えば、22~26時間範囲内の低周波数信号強度におけるパターン)にしたがって、不健康状態への遷移を検出/予測し得る。
【0155】
いくつかの態様では、(温度データの周波数コンテンツに加えて)取得された温度データの他の「リズムパラメータ」が、病気を識別/予測するために使用され得る。一般に、周波数コンテンツは、ユーザの自然な生理的/生体リズム(例えば、概日リズム、ウルトラディアンリズムなど)の1つの構成要素にすぎない。生理学的リズムに関連する他のリズム由来パラメータ(またはリズム評価パラメータ)は、振幅、安定性、位相などを含み得る。
【0156】
偏差基準(例えば、健康/不健康遷移基準)は、低周波数信号強度の偏差(例えば、低周波数電力/信号強度の範囲の偏差)を含む、本明細書で説明される偏差および遷移基準のうちの1つまたは複数を含み得る。偏差基準は、ユーザの周波数領域温度データが(例えば、ベースライン温度データに基づいて)低周波数信号強度の健康な範囲の外側に逸脱するときに満たされ得る。いくつかの実装形態では、周波数領域温度データの健康な範囲は、中心の健康な低周波数信号強度の上および下の値の範囲に関して、それぞれの各ユーザについて定義され得る。例えば、健康な範囲は、ベースライン温度データに基づいて決定されるように、この範囲の中心の周りの約1つの標準偏差として定義され得る。別の例として、健康な範囲は、範囲の中心の周りの約2つの標準偏差として定義され得る。
【0157】
追加または代替の実装形態では、偏差基準は、第2の時間間隔内のユーザの低周波数信号強度が、何らかの閾値期間にわたって、(ベースライン温度データに基づいて決定された)健康な範囲の外側にあるとき、満たされてもよい。例えば、健康状態から不健康状態への遷移は、健康な範囲より上または下の偏差が閾値期間よりも長く続くことに応答して検出/予測され得る。いくつかの実装形態では、偏差/遷移基準は、大きさ条件を含み得る。例えば、健康状態から不健康状態への遷移は、偏差が健康な範囲より閾値の大きさだけ上または下であることに応答して検出/予測され得る。
【0158】
いくつかの実装形態では、偏差基準(例えば、遷移基準)は、健康な範囲からの必要な偏差の数を含み得る。例えば、健康状態から不健康状態への遷移は、偏差基準が閾値数(例えば、2つ以上)の満たされたことに応答して検出/予測され得る。いくつかの実装形態では、偏差は、偏差基準を満たすために、閾値期間残ることおよび/または閾値の大きさを有することが求められ得る。いくつかの実装形態では、偏差基準は、いくつかの偏差極性を含み得る。例えば、健康状態から不健康状態への遷移は、低い偏差の後に高い偏差が続くことを検出したことに応答して検出/予測され得る。偏差基準は、温度、呼吸数、心拍数、およびHRVなどの生理学的パラメータのいずれかについての1つまたは複数の偏差を含み得る。いくつかの実装形態では、偏差基準は、時間領域、周波数領域、または両方における偏差に基づき得る。
【0159】
いくつかの実装形態では、健康状態から不健康状態への遷移は、温度偏差基準および1つまたは複数の他の偏差基準の充足など、閾値数の偏差基準が充足されることに応答して検出/予測され得る。いくつかの実装形態では、偏差基準は、複数の異なる偏差基準が考慮に入れられる複合決定を含み得る。例えば、異なる重みが異なる偏差に割り当てられ得(例えば、より強い偏差基準に対してより重い重み付け)、健康状態から不健康状態への遷移は、異なる重み付けされた基準の合計が閾値より大きい場合に検出/予測され得る。いくつかの実装形態では、偏差基準は、温度基準の充足の後に別の遷移基準の充足が続くなど、定義された一連の指標の充足を必要とし得る。
【0160】
温度データの低周波数信号強度は、インフルエンザおよび発熱の発現前に健康なベースライン範囲から逸脱し得ることが分かっている。健康なベースライン範囲の外側の低周波数信号強度の偏差は、ユーザが不健康状態に入り得ることを示し得る。追加的に、低周波数信号強度は、回復前に健康なベースライン範囲に戻り得る。低周波数信号強度が健康な範囲に再び入ることは、ユーザが健康状態に再び入り得ることを示し得る。
【0161】
本明細書で説明されるように、リング104(または他のデバイス)は、昼夜を通してユーザの温度データ(例えば、皮膚温度データ)を取得し得る。本明細書で説明される周波数領域分析技法は、健康/不健康状態間のユーザの遷移の検出/予測のために、日中および/または夜間データの任意の組合せを使用し得る。例えば、いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイス(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、連夜の夜間データ(例えば、ユーザが眠っている間の)などの夜間データに対して周波数領域分析を実行し得る。別の例として、いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、データに、ユーザが起きている時間と眠っている時間とを交互に繰り返す間の連日のデータが含まれるように、昼夜を通してデータに対して周波数領域分析を実行し得る。さらに他の例では、コンピューティングデバイスは、データに、ユーザが起きている/活動している間に取得された連日のデータが含まれるように、日中データに対して周波数領域分析を実行し得る。
【0162】
本明細書で説明される周波数領域分析技法は、夜間データ、日中データ、および/または丸一日データ(例えば、連続24時間データ)に関連する周波数範囲における1つまたは複数の信号偏差など、データの1つまたは複数の異なるセットについて1つまたは複数の周波数範囲における偏差を監視し得る。例えば、コンピューティングデバイスは、夜間データ(例えば、連夜のデータ)に関連する単一の周波数範囲内の偏差に基づいて、ユーザの遷移を検出/予測し得る。別の例として、コンピューティングデバイスは、夜間データに関連する複数の周波数範囲内の偏差に基づいて、ユーザの遷移を検出/予測し得る。別の例として、コンピューティングデバイスは、1つまたは複数の夜間周波数範囲内の偏差および1つまたは複数の日中周波数範囲内の偏差に基づいて、ユーザの遷移を検出/予測し得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイス(例えば、ユーザデバイス106、サーバ110)は、規則を使用して、いつユーザが健康/不健康状態間で遷移しているかを検出/予測し得る。例えば、規則(複数可)は、1つまたは複数のデータセットについての1つまたは複数の周波数帯域における指定された偏差に基づいて遷移が生じ得ることを示し得る。
【0163】
いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイス(例えば、ユーザデバイス106、サーバ110)は、1つまたは複数のモデルを使用して、いつユーザが健康状態と不健康状態との間で遷移しているかを検出/予測し得る。モデルは、本明細書で説明されるスペクトログラムデータのいずれかを入力として使用し得る。例えば、モデルは、ベースライン値および偏差値のいずれかを入力として使用し得る。特定の例では、モデルは、1つまたは複数の異なるデータセット(例えば、夜間、日中、一日中)における1つまたは複数の周波数帯域に関連するベースライン値および偏差値を使用し得る。モデルはまた、他のユーザ生理学的パラメータ(例えば、心拍数、HRV、呼吸数など)に関連する入力を受信し得る。入力は、モデルに応じて様々な方法でフォーマットされ得る。例えば、入力は、周波数スペクトログラムデータに基づく10進値および/または2進値(例えば、偏差yes/no)を含み得る。
【0164】
いくつかの実装形態では、モデルは、ユーザが状態間で遷移している可能性を示す値(例えば、0~1の10進値)を出力し得る。ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、モデル出力値を閾値と比較して、不健康状態に遷移する可能性が高いかどうかを決定し得る。いくつかの実装形態では、システム200の様々な構成要素(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、入力を受信し、出力値を生成するように構成される、1つまたは複数の機械学習モデル(例えば、教師あり学習モデル)を実装し得る。
【0165】
いくつかの実装形態では、システム200の構成要素(例えば、ユーザデバイス106、サーバ110)は、病気検出のために使用されることになる時間間隔(例えば、第1の時間間隔/参照ウィンドウ、第2の時間間隔/予測ウィンドウ)を選択し得る。特に、システム200は、それぞれの時間間隔の各々の間に取得された生理学的データが互いに比較され得るように、異なる時間間隔(例えば、異なるウィンドウ)を選択/識別し得る。異なる時間間隔の間に取得された生理学的データを比較することによって、システム200は、それぞれの時間間隔の間に取得された生理学的データ間で偏差基準(例えば、何らかの閾値を満たす偏差)が満たされているかどうかを決定し得、偏差基準の充足は、病気を示し得る。
【0166】
例えば、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、取得された生理学的データ(例えば、温度データ、HRVデータなど)のための参照ウィンドウおよび予測ウィンドウを選択し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、取得された生理学的データのための参照ウィンドウおよび後続の予測ウィンドウを定義し得る。参照ウィンドウ(例えば、第1の時間間隔)の間に取得された生理学的データは、ベースライン生理学的データ(例えば、ベースライン温度データ、ベースラインHRVデータなど)を決定するために使用され得る。これに対し、予測ウィンドウ(例えば、第2の時間間隔)の間に取得された生理学的データは、それぞれの時間間隔の間の偏差基準が満たされるかどうかを決定するために、ベースライン生理学的データと比較され得る。場合によっては、予測ウィンドウは、直近に取得された温度データ(例えば、直近の1~5日の温度データ)を含み得る。
【0167】
いくつかの実装形態では、参照ウィンドウおよび予測ウィンドウは、1日単位で定義され得る。例えば、参照ウィンドウは、1日以上の生理学的データ(例えば、1週間の温度データ)を含み得る。同様に、予測ウィンドウは、1日以上の温度データを含み得る(例えば、その予測ウィンドウ内の特徴仕様のために自己回帰戦略を採用する)。参照ウィンドウおよび予測ウィンドウのサイズは、利用可能な生理学的データの量に応じて変化し得る。例えば、最小量の生理学的データが利用可能であるとき、参照ウィンドウおよび予測ウィンドウは、最小サイズを有してもよいし、人口統計学的/医学的に類似するユーザの事前知識から引き出してもよい。特定の例では、サーバ110が最低2日間の生理学的データで動作し、2日間のユーザ生理学的データを現在有する場合、サーバ110は、参照ウィンドウを1日のデータとして選択し、次いで、予測ウィンドウを翌日のデータとして選択し得る。最小量の利用可能なデータを使用することで、サーバ110は、サーバ110が計算のためにより大きいデータセットを取得するのを待つ場合よりも早く、健康状態と不健康状態との間の遷移を検出することが可能であり得る。
【0168】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110がリング104からより多くの生理学的データを取得するとき、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、参照ウィンドウおよび/または予測ウィンドウを長くし得る。例えば、サーバ110は、分析のために生理学的データのよりロバストなセットを確立するために、参照ウィンドウを長くし得る。特定の例では、3日目のデータを取得することは、参照ウィンドウを最初の2日間のデータに拡張させ得る。この特定の例では、予測ウィンドウは、データの最新の日(例えば、データの3日目)を占有し得る。サーバ110は、参照ウィンドウおよび予測ウィンドウを任意の長さに長くし得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、ある日の生理学的データが、その日を通して(例えば、その日の90%以上について)有効データの最小部分(例えば、有意な温度閾値内)を含むことを求め得る。ウィンドウの各々は1日以上のデータを含み得るが、他の持続時間の生理学的データを含む参照ウィンドウおよび予測ウィンドウが実装されてもよい。
【0169】
病気検出のために使用される参照ウィンドウおよび予測ウィンドウは、任意の長さ(例えば、時間量、日数などの)を呈し得る。場合によっては、参照ウィンドウは、7日間のデータを含み得、予測ウィンドウは、2日間のデータ(例えば、直近の2日間のデータ)を含み得る。参照ウィンドウおよび予測ウィンドウは、時間とともに移動するローリングウィンドウであり得る。例えば、ウィンドウは、1日単位でまたは他の単位で移動し得る。いくつかの実装形態では、ウィンドウは、1日が始まる前(例えば、仕事の前)にユーザに予測が提供され得るように、予測計算が朝(例えば、ユーザの覚醒時刻)までに実行されるように1日単位で移動され得る。
【0170】
単一の予測ウィンドウが定義され得るが、いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、複数の予測ウィンドウを定義し得る。例えば、複数の予測ウィンドウは、参照ウィンドウの後に連続して発生し得る。複数の予測ウィンドウの各々は、1日以上のデータを含み得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、最初に、新しいデータが受信されたときに参照ウィンドウを拡張し得る。参照ウィンドウを所望の長さ(例えば、7日間)に拡張した後、サーバは、追加の生理学的データの各日について1つまたは複数の追加の予測ウィンドウを追加し得る。
【0171】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、参照ウィンドウおよび予測ウィンドウを使用し得るが、いくつかの実装形態では、本開示の態様は、参照ウィンドウを使用せずに、予測ウィンドウに基づいて、健康状態と不健康状態との間のユーザの遷移を検出し得る。例えば、サーバ110は、ユーザが健康状態と不健康状態との間で遷移しているかどうかを決定するために、1人以上の他のユーザ(例えば、同様の人口統計、同様の生理学的データなどを有するユーザ)からのデータを使用し得る。サーバ110は、参照ウィンドウを形成するのに十分なデータが利用可能でない場合、予測ウィンドウのみを使用し得る。例えば、生理学的データの現在の1日のみが利用可能である場合、サーバ110は、1日目を予測ウィンドウとして使用し得る。その後、サーバ110は、追加のデータ(例えば、追加の日)を取得し、参照ウィンドウと予測ウィンドウの両方を定義し得る。参照ウィンドウが利用不可能である場合、サーバ110は、同様の他のユーザ(例えば、同様の年齢、性別、基礎となる条件など)に基づいて、検出/予測パラメータ(例えば、スコアリング特徴)を選択し得る。
【0172】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、各ウィンドウ(例えば、参照ウィンドウ、予測ウィンドウ)についての生理学的パラメータ分布またはヒストグラム(例えば、温度分布、HRV分布など)を生成し得る。例えば、温度データの文脈では、分布は、指定された確率範囲内に入る温度値の数を示し得る。例えば、7日参照ウィンドウの場合、分布は、指定された範囲内に入るこの7日ウィンドウ中の温度値の数を示し得る。別の例として、複数日予測ウィンドウの場合、分布は、指定された範囲内に入る複数日ウィンドウ中の温度値の数を示し得る。複数のウィンドウが使用される実装形態では、分布は、参照ウィンドウおよび/または予測ウィンドウの各々について行われ得る。例えば、第1および第2のウィンドウは、対応する第1および第2の参照/予測ウィンドウ分布を有し得る。
【0173】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、分布の各々について1つまたは複数の生理学的パラメータ分布値(例えば、温度分布値、HRV分布値)を決定し得る。分布値は、温度および他の信号値がウィンドウ内でどのように分布しているかを示す値であり得る。例えば、ウィンドウの分布値は、そのウィンドウ内の値の中心傾向、分散、尖度、およびスキューを示し得る。
【0174】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、各ウィンドウについて1つまたは複数の分布を決定し得る。いくつかの実装形態では、各分布は、分布値に関連する最小値もしくは最大値、および/またはスペクトルの下端(例えば、0.001、0.01)および上端(例えば、0.95、0.975、0.99)上の分布のノンパラメトリック分位数を定義する閾値に関連付けられ得る。例えば、高い温度偏差の場合、高いパーセンタイル温度値を使用して分布値が決定され得る。この例では、この高いパーセンタイル温度値を上回る温度値は、高い温度偏差として定義され得る。別の言い方をすると、この高い閾値温度値を上回る温度はいずれも、高い温度偏差または異常と見なされ得る。低い温度偏差に関して、分布値は、低いパーセンタイル温度値を使用して決定され得る。この例では、最小温度値を下回る温度値は、低い温度偏差として定義され得る。別の言い方をすると、最小温度閾値を下回る温度はいずれも、低い温度偏差または潜在的に異常として定義され得る。
【0175】
閾値は、様々な方法で定義され得る。いくつかの実装形態では、閾値は、ウィンドウの分布に含まれる値に基づいて定義され得る。例えば、閾値は、分布の上位/下位分位数として定義され得る。特定の例では、高い温度偏差に対する閾値は、分布内の温度の95%よりも高い温度として定義され得る。別の特定の例では、低い温度偏差に対する閾値は、分布内の温度の最小5%未満である温度として定義され得る。いくつかの実装形態では、分布および/または閾値は、他の方法で決定されてもよい。例えば、分布値および/または閾値は、分布内の最大/最小温度、分布内の温度の範囲、分布内の平均/中央値温度に基づいて、および/または分布に関連する他の要因に基づいて決定され得る。分布値はまた、他の処理技法を使用して決定され得る。
【0176】
いくつかの事例では、当該分布は多変量であり得る。例えば、活動(またはMET単位)と温度との間の固有の生理学的関係が与えられると、サーバは、多変量分布に対する異常または変化を評価し得る。同様に、心拍数、HRV、呼吸数および温度の分布は、多変量の文脈内で理解され得る。いくつかの時間帯(例えば、入眠時)におけるいくつかの信号およびそれらの多変量時系列にわたるコヒーレンスまたはその欠如は、予測、検出、または予後アルゴリズムのための有用な特徴を提供し得る。
【0177】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、各ウィンドウについて1つまたは複数の分布値を計算し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、両方のウィンドウについて単一の分布値を計算し得る。例えば、サーバ110は、両方のウィンドウについて高い温度分布値を決定し得る。高い温度分布値は、閾値よりも大きい温度値の割合を示し得る。参照ウィンドウに関して、サーバ110は、閾値よりも大きい温度値の数を最初に決定することによって、高い温度分布値を計算し得る。次いで、サーバ110は、閾値よりも大きい温度値の数を参照ウィンドウ内の温度値の数で割り得る。
【0178】
サーバ110は、参照ウィンドウ内と同様の方法で予測ウィンドウ内の高い温度分布値を決定し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、参照ウィンドウからの値を使用して、予測ウィンドウで使用される閾値を定義し得る。例えば、サーバ110は、参照ウィンドウからの閾値(例えば、温度閾値)を、予測ウィンドウのための計算における閾値として使用し得る。
【0179】
いくつかの実装形態では、参照ウィンドウおよび予測ウィンドウにわたる比較は、複数の時間スケールから導出される参照ウィンドウを組み込み得る。例えば、人間の行動は、平日-週末の変化に起因して7日周期で顕著に変化し得、顕著な生理学的変化を生じさせるが、人間のホルモン周期は、(特に女性は)ほぼ月単位で変化し、これもまた、生理学的変化および皮膚温度の変化を特異的に生じさせる。外部温度は、1年周期で変化し得、それによって、日常生活において観察される皮膚温度の異常に影響を与え得る。したがって、適切な参照ウィンドウは、異なる情報スケールからの重み付けされた入力のセットを組み込み得るか、または行動的および生物学的に関連する様々な時間スケールにわたって測定された複数の以前の参照分布に照らして所与の現在の分布を重み付けし得る。
【0180】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、各ウィンドウ内の複数の分布値を決定し得る。例えば、サーバ110は、各ウィンドウ内の複数の高い温度(または多変量温度/活動)分布値を決定し得る。別の例として、サーバ110は、各ウィンドウ内の複数の低い温度分布値を決定し得る。別の例として、サーバ110は、ウィンドウ内の高いおよび低い温度について1つまたは複数の分布値を決定し得る。特定の例では、サーバ110は、0.999、0.995、および0.975の閾値分位数に対して高い温度分布値を決定し得る。サーバ110はまた、0.025、0.01、および0.001の閾値分位数に対した低い温度分布値を決定し得る。複数の高い/低い温度分布値が決定される実装形態では、複数の閾値を上回るいくつかの温度値は、2回(例えば、分布値計算ごとに1回)カウントされ得る。代替的に、分布値は、閾値間の温度値の数に基づいて計算されてもよい。いくつかの反復では、参照ウィンドウと早期検出/予測ウィンドウとのこの比較は、Kullback-Leibler(KL)ダイバージェンス方法、または直接密度比推定を使用して計算され得る。
【0181】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、生理学的データ(例えば、単変量または多変量分布値)が参照ウィンドウに対して予測ウィンドウ内で逸脱するかどうかを決定するために、参照ウィンドウと比較して予測ウィンドウ内の生理学的データ(例えば、温度値、HRV値)の分布を分析し得る。言い換えると、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、それぞれのウィンドウ内で収集された生理学的データを比較して、病気を識別するために使用され得る偏差基準の充足(またはその欠如)を識別し得る。
【0182】
例えば、サーバ110は、予測ウィンドウ内の温度値と参照ウィンドウ内の温度値との間の偏差の量を示す相対分布値(例えば、相対分布比)を決定し得る。一例では、サーバ110は、予測ウィンドウ内の分布値を参照ウィンドウ内の対応する分布値で割ることによって、相対分布値を決定し得る。各ウィンドウが複数の分布値を有する例では、サーバ110は、複数の分布値のペアの各々について相対分布値を決定し得る。
【0183】
相対分布値(例えば、相対リスク比)の大きさは、参照ウィンドウから予測ウィンドウへの偏差の量を示し得る。高い温度偏差に関して、参照ウィンドウに対する予測ウィンドウ内の高い温度値の割合が大きいほど、高い温度についての相対分布値がより大きくなり得る。低い温度偏差に関して、参照ウィンドウに対する予測ウィンドウ内の低い温度値の割合が大きいほど、低い温度についての相対分布値がより大きくなり得る。そのため、より大きい相対分布値は、ウィンドウ間の高い温度/低い温度のより大きい偏差を示し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、相対分布値に基づいて、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移しているかどうかを決定し得る。例えば、サーバ110は、ユーザが遷移しているかどうかを決定するために相対分布値を使用する1つまたは複数の閾値/モデルを含み得る。
【0184】
病気を識別するために、それぞれのウィンドウ内の相対分布値のピークが使用され得る。相対分布値におけるピーク(例えば、0.999閾値、0.975閾値、0.005閾値、0.001閾値)の発生は、病気の発現を示し得る。例えば、経時的なピークの数および/またはピークの値は、病気の発現を示し得る。サーバ110は、ピークの数、ピークの値、ピークの配置、および本明細書で説明される追加のデータに基づいて、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移しているかどうかを決定し得る。
【0185】
その後、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、予測ウィンドウおよび参照ウィンドウ内の生理学的データ分布(例えば、温度分布)の分析に基づいて、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移しているかどうかを決定し得る。例えば、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、決定された相対分布値によって表される温度値の1つまたは複数の偏差に基づいて、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移しているかどうかを決定し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、早期予測ウィンドウと参照ウィンドウとの間の分布(例えば、温度分布)における偏差を決定し得、決定された偏差(例えば、偏差基準の充足)に基づいて、ユーザが不健康状態に遷移しているかどうかを決定し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、状態遷移決定を行うために分類器または他の機械学習モデルを実装し得る。
【0186】
いくつかの実装形態では、サーバ110は、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移する相対的確率を示す病気リスクメトリックまたは病気予測メトリックを出力し得る。例えば、サーバ110は、算出された相対分布値のうちの1つまたは複数に基づいて病気予測メトリックを決定し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、単一の予測値、または本明細書で説明される1つまたは複数の意味に関連する複数の予測値を生成し得る。いくつかの実装形態では、予測値は、サーバ110がどのように構成されるかに応じて様々な意味を有し得る10進値であり得る。他の実装形態では、予測値は、様々な意味を有し得る、0値または1値などの2進値であり得る。いくつかの実装形態では、病気予測メトリックは、病気の可能性を示し得る。例えば、10進値は、ユーザが不健康状態に遷移している確率を示し得る。別の例として、1の2進値は、ユーザが不健康状態に遷移していることを示し得る。この例では、0の2進値は、ユーザが健康状態にあり、遷移していない可能性が高いことを示し得る。
【0187】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、様々な異なる方法で病気リスクメトリック(例えば、病気予測メトリック)を決定し得る。予測値の意味は、予測値がどのように計算されるかに依存し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、相対分布値を受け取り、相対分布値に基づいて予測値を計算する関数(例えば、式)を使用し得る。いくつかの実装形態では、関数は、異なる相対分布値に適用される重み付けを含み得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、規則ベースの計算を使用して、予測値を計算し得る。例示的な規則は、閾値を上回る/下回る相対分布値の数、相対分布値の大きさ、相対分布値におけるスパイクのタイミング、または相対分布値および/もしくは他の分布パラメータの大きさ/タイミング/配置に関連する任意の他のデータに基づいて予測値を定義し得る。
【0188】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、機械学習モデル(例えば、教師あり学習モデル)を使用して、病気リスクメトリック(例えば、病気予測メトリック)を決定し得る。予測値を決定するために使用されるモデルは、本明細書では、「早期検出/予測モデル」または「予測モデル」と呼ばれ得る。予測モデルは、トレーニングデータでトレーニングされ得る。トレーニングデータは、ユーザが病気の症状をいつ発症したかにしたがってラベル付けされたユーザのセットからのデータを含み得る。いくつかの実装形態では、予測モデルは、相対分布値を入力として受信し得る。予測モデルは、受信された入力に基づいて1つまたは複数の病気予測値を生成し得る。予測値(複数可)の解釈は、モデルがどのように生成されるかに依存し得る。いくつかの実装形態では、本明細書で説明されるように、モデルによって出力される病気リスクメトリックは、モデルが症状の発現にしたがってラベル付けされたデータを使用してトレーニングされる場合、病気の可能性を示し得る。
【0189】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、(例えば、モデリングにおいて)自己回帰機能を実装し得る。例えば、サーバ110は、複数の予測ウィンドウを定義し得る。サーバ110が複数の予測ウィンドウを定義する実装形態では、サーバ110は、各予測ウィンドウについての相対分布値を計算し得る。これらの実装形態では、サーバ110は、各予測ウィンドウについての相対分布値に基づいて1つまたは複数の予測値を生成し得る。例えば、予測モデルが入力として相対分布値を取る場合、このモデルは、単一の予測ウィンドウの代わりに2つの予測ウィンドウが使用される場合の2倍の入力を受信し得る。複数の予測ウィンドウを使用することにより、潜伏期間、ウイルス複製の期間、または症状の発現までの予想日数の観点から異なる行動を示す病気をより厳密にモデル化し得る。例えば、単一のより大きい予測ウィンドウよりも、予測ウィンドウを複数の別個の日に使用する方が病気の潜伏をより良好に捉え得る。いくつかの実装形態では、自己回帰構成要素は、症状の発現日に近づき、体温調整に影響を与える理論的可能性を伴って、発熱状態および/またはメディエータおよび/または他の滅菌もしくは病原体関連免疫刺激(DAMPおよびPAMP)に関連する体温調節の設定点変化を反映する、複数日ベースライン増加勾配の上に重ねられる、日周リズムまたは概日リズムの周波数における複数のオーバーシュートによって定義される位相遷移を検出し得る。
【0190】
いくつかの実装形態では、システム200は、ユーザの病気検出技法をさらに改善するために、それぞれのユーザに関連するロケーション情報(例えば、ユーザの地理的位置)を活用し得る。快適な範囲内(例えば、暑すぎず、寒すぎない)に体内温度を維持する身体の能力は、健康な機能のために重要である。環境温度(例えば、周囲温度)の変化は、人間の身体が絶えず適応しなければならない主要な要因の1つであり、したがって、人間の身体の「サーモスタット」設定、または様々な摂動(例えば、感染、運動によって誘発される熱、外に出て温度の急激な変化を経験することなど)に応答して身体が1日を通して体温をどのように動的に上昇および低下させるかを調整することを必要とする。
【0191】
より極端な緯度(例えば、極地の近く)で生活するユーザは、光の季節変動がより大きいより寒冷な気候を経験する。したがって、より高い緯度にいるユーザは、極度の寒さおよび光に適応しなければならない。例えば、フィンランドのヘルシンキ(北緯約60度)では、月平均気温は、約-7℃から約21℃の範囲であり得、平均日照時間は、約6時間から19時間の範囲であり得る。これに対し、ギリシャのクレタ島(北緯約35度)では、月平均気温は、約12℃から30℃の範囲であり得、平均日照時間は、約10時間から14.5時間の範囲であり得る。露光量は、温度の毎日の概日リズムの重要な制御因子(regulator)である。
【0192】
暑い気候または寒い気候への暴露は、特に日中に、遠位皮膚温度に影響を与え、これは、病気検出に影響を与える「天井」および「床」効果をもたらし得る。例えば、平均して、より寒冷な気候で生活している第1のユーザの皮膚温度読取り値の99パーセンタイル(99%ile)は、より温暖な気候で生活している第2のユーザの皮膚温度読取り値の99パーセンタイルと比較して、わずかに低い可能性がある。この差は、より寒冷な気候で生活しているユーザの場合、皮膚温度読取り値の99パーセンタイルにおいて、病気によって誘発される増加をより明らかにし得る。対照的に、より温暖な気候では、99パーセンタイル皮膚温度読取り値の一時的な上昇に対する外部環境の影響は、より多くの「ノイズ」を加えるか、または病気の影響を部分的にマスクする可能性がある。そのため、体内温度と周囲温度との間により大きな温度勾配が存在するとき(より寒冷な気候にいるときなど)、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)は、過剰な熱損失を防止し、深部温度上昇を容易にするために用いられる血管収縮応答により、温度および心拍数のわずかな増加、またはHRVの減少を検出する際に利点を有し得る。
【0193】
別の言い方をすれば、温度の偏差は、より温暖な気候で生活しているユーザと比較して、より寒冷な気候で生活しているユーザの場合、より明白であり得る。そのため、皮膚温度の偏差は、より温暖な気候におけるユーザの皮膚温度の偏差と比較して、より寒冷な気候におけるユーザの病気をより示すものであり得る(例えば、より高い予測値を有する)。この概念は、
図6および
図7を参照してさらに示され、説明される。
【0194】
図6は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする温度データ
図600の一例を示す。特に、温度データ
図600は、より寒冷な気候におけるユーザの高い日中温度読取り値/範囲を示す第1の
図605-aと、より温暖な気候におけるユーザの高い日中温度読取り値/範囲を示す第2の
図605-bとを含む。
【0195】
図605-aおよび605-bのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)を示し、時間=0は、それぞれ、より寒冷な気候(例えば、より高い緯度;北緯55度)およびより温暖な気候(例えば、より低い緯度;北緯35度)におけるユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示す。
図605-aおよび605-bにおける時間=0での病気の発現は、COVID-19、インフルエンザ、および同様の症状を有する他の病気を含む、様々な呼吸器またはインフルエンザ様疾患を包含し得る。
図605-aおよび605-bのy軸は、それぞれ、より寒冷な気候およびより温暖な気候におけるユーザの高い日中温度(摂氏)を示す。具体的には、
図605-aおよび605-bのy軸は、日中のユーザの温度読取り値の99パーセンタイル(99%ile)を示し、これは、外れ値をフィルタリングした後の、それぞれのユーザの最大日中温度であると考えられ得る。
【0196】
高緯度(例えば、フィンランド付近)および/またはより寒冷な気候におけるユーザの高い日中温度読取り値/範囲を示す
図605-aに示すように、ウェアラブルデバイスを介して測定される最大日中温度は、症状の発現に至るまでの数日および数週間、上昇し得る。日中の末梢(例えば、手、指)における皮膚温度は、より寒冷な気候ではより低くなる傾向があるという事実により、末梢での血管収縮によって深部温度を上昇させようとする身体の試みを検出することはより容易であり得る。皮膚温度および深部温度は、日中には相関がより低く、より対抗制御的になるので、これはまた、睡眠中とは対照的に、日中に特に明らかであり得る。
【0197】
これに対し、より低い緯度(例えば、米国の南部)および/またはより温暖な気候におけるユーザの高い日中温度読取り値/範囲を示す
図605-bを参照すると、ユーザは、より寒冷な気候におけるユーザと比較して、病気の発現に至るまでの高い日中温度の上昇があまり顕著でない可能性がある。言い換えると、より温暖な気候におけるユーザにとって、日中の最大温度が上昇しても、病気は決定的には現れない場合がある。まとめると、より寒冷な気候におけるユーザは、より温暖な気候におけるユーザと比較して、高い日中温度のより顕著な上昇を経験し得ることが分かっている。
【0198】
図7は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする温度データ
図700の一例を示す。特に、温度データ
図700は、より寒冷な気候におけるユーザの低い日中温度読取り値を示す第1の
図705-aと、より温暖な気候におけるユーザの低い日中温度読取り値を示す第2の
図705-bとを含む。
【0199】
図705-aおよび705-bのX軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、数日)を示し、時間=0は、それぞれ、より寒冷な気候(例えば、より高い緯度;北緯55度)およびより温暖な気候(例えば、より低い緯度;北緯35度)におけるユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示す。
図705-aおよび705-bにおける時間=0での病気の発現は、COVID-19、インフルエンザ、および同様の症状を有する他の病気を含む、様々な呼吸器またはインフルエンザ様疾患を包含し得る。
図705-aおよび705-bのy軸は、それぞれ、より寒冷な気候およびより温暖な気候におけるユーザの低い日中温度(摂氏)を示す。具体的には、
図705-aおよび705-bのy軸は、日中のユーザの温度読取り値の1パーセンタイル(1%ile)を示し、これは、外れ値をフィルタリングした後の、それぞれのユーザの最小日中温度であると考えられ得る。本明細書では、y軸の絶対値が、第2の
図705-b(25~28℃)と比較して第1の
図705-a(22~23℃)にわたって大幅に異なることに留意されたい。
【0200】
感染/病気は、深部温度の上昇を引き起こし得る。身体がこの上昇を達成するための1つの方法は、身体の外殻(shell)を通した熱損失を防止することによって、熱を保つことであり得る。皮膚は、血管収縮(皮膚表面にある微小血管を狭めること)によって部分的にこれを達成する。この血管収縮は、
図7に示されるように、最低日中温度値の増加として最も明らかであり得る。この現象は、同じユーザの前日またはベースライン期間と比較して、ユーザのある日から取得された日中温度の分布の1%ileとして、様々な機械学習アルゴリズムについて識別および/または特徴付けられ得る。
【0201】
例えば、
図705-aおよび705-bに示すように、1%ileの日中温度読取り値/範囲は、緯度または気候にかかわらず、病気の期間中、ユーザについて上昇し得る。さらに、
図705-aおよび
図705-bの比較は、より寒冷な気候で生活しているユーザが、病気の発現に至るまでの数日および数週間に日中の低い温度読取り値/範囲のより大きな増加を経験し得ることを示す(例えば、より寒冷な気候におけるユーザの場合の低い日中温度のより大きな発症前の上昇)。
【0202】
したがって、いくつかの実装形態では、システム200は、本明細書で説明される病気予測技法を改善するために、ロケーション情報および他の要因(例えば、緯度、季節、環境暴露)を利用し得る。例えば、アルゴリズムまたは機械学習分類器は、ユーザの緯度または経度、月を含むか、または季節的に補正された時系列を利用して、結果として得られる温度信号を気候関連変化に対して「定常」にし得る。ツリーベースのアルゴリズムまたは他の機械学習モデルなどのアルゴリズム/分類器は、暴露および環境要因と個々のユーザの一意の生理学的時系列との間の相互作用をモデル化するように学習し得る。場合によっては、分類器は、病気をより良好に検出するために、環境、気候、および季節性の影響に敏感な複数の信号を組み合わせて、信号対ノイズ比を改善し得る。さらに、分類器は、ロケーション、気候、および環境暴露要因を含み得る、特定の同様の特性に基づいてグループ化されたユーザのプールに対して、病気を異なって予測するように構成され得る。
【0203】
別の言い方をすれば、緯度および/または他のロケーション情報は、特に季節または月のような時間ベースの特徴と併用されたとき、地域の温度の一般的な範囲のための粗いプロキシとして機能し得る。これらの特徴は、病気を予測するための統計的日中温度読取り値の相対的な予測値に影響を与える、「モデレータ」または要因として機能し得る。これらのモデレータは、所与の日中温度特徴が病気の予測因子として特に有用であるか否かの条件を決定し得る。いくつかの実装形態では、システム200は、より複雑な気象および地域情報を、ユーザデバイス106からのユーザのジオロケーションと組み合わせて使用して、環境暴露のより正確な推定値を導出し、個人がいつ屋内または屋外にいるかを識別し得る。そのようなロケーション情報は、病気を識別するための温度データの相対的な予測精度を決定するために使用され得る。
【0204】
例えば、システム100のユーザデバイス106および/またはサーバ110は、リング104によって取得された、ユーザに関連する温度データを受信し得る。ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、追加的に、ユーザに関連するロケーション情報を受信/識別し得る。ロケーション情報は、ユーザの地理的位置、ユーザの緯度、または両方を含み得る。場合によっては、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、GUI275を介して受信されたユーザ入力に基づいてユーザのロケーション情報を受信し得る。例えば、ユーザは、ウェアラブルアプリケーション250内に自宅の住所またはおおよその自宅の位置を入力し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザデバイス106の全地球測位モジュール(例えば、全地球測位衛星(GPS)モジュール、全地球的航法衛星システム(GNSS)モジュール)、またはそれらの任意の組合せに基づいて、ロケーション情報を決定してもよい。
【0205】
この例では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、温度データおよびロケーションデータを機械学習分類器に入力し得、機械学習分類器は、ロケーション情報に基づいて、温度データの1つまたは複数の偏差基準(例えば、ユーザについてのベースライン温度データからの温度読取り値の偏差)の充足を識別するように構成される。
【0206】
特に、ロケーション情報は、取得された温度データに関連する1つまたは複数の「予測重み」を識別/生成するために機械学習分類器によって使用され得る。予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連付けられ得る。例えば、
図6および7に示され説明されるように、より寒冷な気候におけるユーザは、より温暖な気候におけるユーザと比較して、病気の発現に至るまでより有意な温度変化を経験し得る。そのため、より寒冷な気候におけるユーザの温度変化(および温度読取り値)は、より温暖な気候におけるユーザの温度変化/温度読取り値と比較して、より高い相対的な「予測重み」を有し得る。場合によっては、ロケーションデータは、予測重みを生成するために使用され得る、ユーザの地理的位置および/または気候データ(例えば、周囲温度データ)を決定するために使用され得る。周囲温度データは、ユーザデバイス106から取得されたデータ、時期、決定された地理的位置の気候データ、またはそれらの任意の組合せに基づき得る。
【0207】
そのため、場合によっては、機械学習分類器は、より寒冷な気候におけるユーザから収集された温度データに対して比較的高い予測重みを割り振り、より温暖な気候におけるユーザから収集された温度データに対して比較的低い予測重みを割り振り得る。その後、ユーザから収集された温度データのための予測重みを識別すると、機械学習分類器は、予測重みに基づいて(例えば、予測重みを使用して)収集された温度データを「重み付け」して、重み付けされた温度データを生成し得る。次いで、重み付けされた温度データは、偏差基準の充足を識別し、病気を予測するために、機械学習分類器によって使用され得る。
【0208】
ユーザのロケーション情報を決定し、ロケーション情報(および/または周囲温度データ)に基づいて温度データの予測重みを決定することによって、本明細書で説明される技法は、様々な気候におけるユーザ間の皮膚温度応答を補償するように構成され得る。言い換えると、ロケーション情報(例えば、緯度)は、病気を識別するための温度データの相対的な予測精度を決定するために使用され得る外部気候/周囲温度の大まかなプロキシとして使用され得る。そのため、本明細書で説明される技法は、国際規模でより正確で効率的な病気検出技法をサポートし得る。
【0209】
ロケーションは、生体リズムパラメータに現れる季節的変化にも影響を与え得る(例えば、暦年を通して緯度の影響を受け得る日長は、温度の概日リズムパラメータに影響を与え得る)。このようにして、ロケーション情報は、いくつかの態様では、季節性または季節相が要因である「健康な」時間間隔および「不健康な」時間間隔の分類を重み付けまたは修正するために使用され得る。
【0210】
さらに、いくつかの態様では、罹病率についての情報がユーザのロケーションにおいて利用可能である場合、個人またはグループの病気検出閾値または分類器が修正され得る。例えば、インフルエンザの発生率がマイアミで大幅に上昇しており、ユーザのロケーション情報が、ユーザがマイアミに位置していることを示す場合、検出閾値は、局所的なリスクの上昇を反映するために下げられ得る。
【0211】
追加または代替の実装形態では、温度データのための予測重みを生成する代わりに、システム200は、単に温度データとロケーション情報の両方を分類器に入力し得、温度データとロケーション情報のどの組合せが病気を予測するかを分類器に学習させてもよい。言い換えると、システム200は、温度データおよびロケーション情報を分類器(例えば、機械学習分類器)に入力し得、受け取った温度データおよびロケーション情報に基づいて病気を決定/予測するように分類器をトレーニングし得る。そのような場合、分類器は、それぞれの各ユーザの相対的な位置(および/または気候/周囲温度)に応じて病気を予測するときに、ユーザにわたる温度変化が様々な予測精度を呈し得ることを認識するようにトレーニングされ得る。
【0212】
いくつかの実装形態では、システム200は、追加的または代替的に、病気検出を実行するために、睡眠および活動などの修正可能な行動予測因子に関連するデータを使用してもよい。科学的証拠によれば、より活動的である、またはより良好な睡眠をとるなどの健康な行動で、インフルエンザ様疾患(COVID-19を含む)で体調を崩すリスクを最小限に抑えることができ、抗体反応の強度を改変することさえできることが示されている。しかしながら、従来のウェアラブルデバイスは、発症前段階で病気を検出するためにウェアラブルデバイスを介して収集され得る睡眠および活動に関連するメトリックを効果的に識別していない。
【0213】
ユーザの年齢、性別、生理機能、または既存の医学的状態など、病気を識別するために使用される予測アルゴリズム/分類器のいくつかの態様は、一般に、ユーザが変更できるものではない。これに対し、活動および睡眠は両方とも、ユーザが修正することができる保健行動である(「修正可能な行動予測因子」)。さらに、これらの修正可能な行動予測因子は、ユーザが体調を崩すにつれて変化を呈し得る。そのため、本明細書で説明される技法は、発症前状態の間の病気検出技法をさらに精緻化するために、修正可能な行動予測因子に関連するリング104を介して収集されたデータを利用し得る。病気検出を実行するために使用され得る修正可能な行動予測因子は、日中の活動、睡眠持続時間、および睡眠のタイミング(例えば、就寝時刻、覚醒時刻)、リング104の着用に関連するアドヒアランス(例えば、ユーザがリング104を着用する頻度/一貫性)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0214】
病気の重要な行動的徴候は、疲れ易くなる、運動するためのエネルギーをあまり有していないという感覚である。この疲労感は、ウイルス感染細胞の認識時に免疫系によって分泌される炎症性タンパク質(例えば、サイトカイン)によって引き起こされる。これらの炎症性サイトカインは、エネルギーを保存するように脳に信号を送り、脳は、行動を改めてエネルギー消費を減少させることによってこれを達成する。
【0215】
いくつかの態様では、リング104は、アクティグラフィーセンサおよび/または加速度計を使用して活動(例えば、動き)を測定するように構成され得る。リング104、ユーザデバイス106、および/またはサーバ110は、アクティグラフィーデータおよび/または活動に関連する他のデータ(例えば、加速度計データ)を変換し、これらのデータストリームを、活動中に消費されるエネルギーの尺度であるMETの推定値に変換するように構成され得る。これは、
図8を参照してさらに示され、説明され得る。
【0216】
図8は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする修正可能な行動予測因子
図800の一例を示す。特に、修正可能な行動予測因子
図800は、症状の発現の前後の数日間における3つの活動関連メトリック(比較のために正規化された)を示す第1の
図805-aと、症状の発現の前後の数日間における睡眠タイミング関連メトリック(例えば、就寝時刻、覚醒時刻)を示す第2の
図805-bとを含む。
【0217】
図805-aおよび805-bのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)を示し、時間=0は、ユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示す。
図805-aのy軸は、同じグラフ内で経時的に活動関連メトリックの相対的な増加および減少を示すためにz正規化されている。
図805-bのy軸は、正規化された単位で就寝時刻および覚醒時刻の変化を示す。
【0218】
図8に示される
図805-aを参照すると、曲線810-aは、経時的なユーザの毎日の非活動持続時間を示し、曲線810-bは、経時的なユーザの1日あたりの平均MET(average daily MET)(例えば、エネルギー消費)を示し、曲線810-cは、経時的な中強度または高強度の活動中に累積された合計MET分を示す。
図805-aに見ることができるように、ユーザは、症状の発現前の数日間、非活動的になる傾向がある(例えば、病気の発現の前の曲線810-aの増加)。さらに、症状の発現前の数日間、1日あたりの平均MET(エネルギー消費)は減少し(例えば、曲線810-bの減少)、中強度または高強度の活動中に累積された合計MET分は低下する(例えば、曲線810-cの減少)。3つすべての曲線810-a、810-b、810-cは、症状の発現後に最も有意な変化を呈し得るが、症状の発現の直前には活動が低下する方向に加速的な予測変化がある。そのため、いくつかの実装形態では、システム200は、病気を予測するために、これらの特性/パラメータ(例えば、非活動、1日あたりの平均MET、活動中に蓄積された合計MET)を利用し得る。
【0219】
活動の減少(曲線810-aの減少)または1日あたりの平均METの減少(曲線810-bの減少)は、病気検出のための有用なメトリックであり得るが、これらの変化はわずかであり得、活動は、病気以外の多くの理由で変化し得る。さらに、活動またはMETに基づくメトリックは、生の数値または絶対数よりも意味がなく、人の通常の活動レベルに対する低下を検出するために構築されたときにより意味があるものになり得る。したがって、いくつかの実装形態では、システム200のそれぞれの構成要素(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザの1日あたりの平均METを、代表的な以前のベースライン(例えば、14日間)にわたる同じユーザの以前の1日あたりの中央値METに対する変化として決定するように構成され得る。言い換えると、システム200は、ユーザの予想される活動および/または1日あたりのMETの変化を決定するために、第2の時間間隔(例えば、症状の発現前の予測ウィンドウ)からの活動および/または1日あたりのMETを、前の第1の時間間隔(例えば、参照ウィンドウ)から決定された活動および/または1日あたりのMETと比較し得る。この点に関して、異なる時間間隔の間の活動および1日あたりのMETの変化(例えば、ユーザのベースラインの1日あたりのMETに対する1日あたりのMETの変化)を使用して、偏差基準の充足を識別し、病気の発現を予測し得る。
【0220】
いくつかの実装形態では、システム200は、所与のユーザの1日あたりの生の絶対平均METスコアを病気検出のための特徴として利用し得、同時に、過去30日間にわたる1日あたりの平均METスコアのローリング平均も含むことができる(これは、等しく重み付けされてもよいし、時間的に後方に漸進的に減少する重みを与えられてもよい)。病気検出のための機械学習分類器/アルゴリズムへの入力としてこれらの特徴の両方を含めることで、機械学習分類器は、ユーザ内正規化戦略を学習することが可能であり得る。言い換えると、ユーザの過去の活動および1日あたりのMET値を機械学習分類器に提供することによって、機械学習分類器は、ある参照時間間隔にわたる(例えば、過去1ヶ月にわたる)そのユーザの活動/1日あたりのMETの典型的なレベルに対する活動/1日あたりのMETの最近の変化を決定することが可能であり得る。
【0221】
さらに、運動は免疫系を強化し、極めて活動的なユーザを感染/病気にかかりにくくする。そのため、何らかの参照ウィンドウ(例えば、過去1か月)にわたる活動および1日あたりのMETのローリング平均特徴を使用することにより、機械学習分類器は、病気になる可能性が低い「より強い」免疫系を有する個人を識別することが可能であり得る。
【0222】
いくつかの実装形態では、システム200は、追加的または代替的に、病気検出を改善するために、機械学習分類器内の特徴入力として、何らかの参照ウィンドウ(例えば、過去1か月)にわたる1日あたりの平均METの標準偏差を含んでもよい。1日あたりの平均METの標準偏差により、ユーザが高レベルの活動にどの程度一貫して従事しているかを把握し得る。これに対し、平均値(mean)(例えば、平均(average))は、個人が週に1日たくさんの運動に従事する場合、大きくなり得る。しかしながら、最適な免疫系効果は、より一貫した運動レジメンに関連付けられ得る。したがって、代表的な時間ウィンドウ(例えば、過去1ヶ月)にわたる活動の平均値および標準偏差の両方を含むことで、機械学習分類器は、極めて活動的なユーザおよび一貫して活動的なユーザが病気になりにくい低いか否かを学習することが可能であり得る。
【0223】
さらに、病気に起因する平均METの「低下」は、そもそも活動的でないユーザの場合、検出できない場合がある。言い換えると、極めて非活動的なユーザの場合、ユーザの通常の低い活動ベースラインに対する活動の減少を検出することは困難であり得る。したがって、ユーザのより長期の「特色」または「基準」活動レベル、それらのレベルの一貫性、さらには急激なまたは「状態」変化を捉える特徴を含めることは、相互作用を学習することができる1つのモデル(例えば、ツリーまたはニューラルネットワークタイプのアルゴリズム)内に一緒に組み合わせられると、最も有用であり得る。
【0224】
【0225】
それぞれの
図905-a~905-dのx軸は、症状の発現の前後の日付(例えば、月-日)を示し、
図905の各々内の5月11日(05-11)と5月18日(05-18)との間の基準線は、ユーザのそれぞれの病気症状の発現(例えば、乾性/湿性呼吸、アレルギー反応、胃腸症状、発熱症状などの発現)を示す。活動持続時間
図905-aのy軸は、30日ウィンドウにわたる活動持続時間(active duration)(分単位)のローリング平均を示す。活動一貫性
図905-bのy軸は、30日ウィンドウにわたる活動持続時間(分単位)の標準偏差を示す(例えば、より多いまたはより少ない活動一貫性)。MET
図905-cのy軸は、1日あたりのMET消費(例えば、努力の観点からの全体性能)を呈する。最後に、週次パターン
図905-dのy軸は、x軸上の所与の日が週末の日を含むかどうかに関する真/偽表示を示す(例えば、0=平日、1=週末)。一般に、週次パターン
図905-d(例えば、週次パターン調整モデル)は、ユーザの活動が、概して、週末により高くなり得るので、周期的な週次パターンに基づいて、ユーザの活動予想を調整するために使用され得る。
【0226】
図9に見ることができるように、ユーザは、症状の発現前に、活動持続時間の低下(例えば、活動持続時間
図905-aの低下)および活動一貫性の低下(例えば、活動一貫性
図905-bの低下)を呈し得る。活動持続時間および活動一貫性におけるこれらのパターンは、一般に、ほぼ同時に起こり得るので、病気を識別/予測するための特徴として使用され得る。さらに、
図905を週次パターン
図905-dと比較すると、ユーザが、一般に、平日と比較して週末により高い活動を呈することが分かる。最後に、症状の発現の数日後における活動持続時間の増加(例えば、活動持続時間
図905-aの増加)、活動一貫性の増加(例えば、活動一貫性
図905-bの増加)、およびMET消費の増加(例えば、MET
図905-cの増加)は、ユーザが不健康状態から健康状態に戻ったこと(例えば、病気の回復)を示すものであり得る。
【0227】
一般に、システム200は、
図9に示される活動特徴に関連する生理学的データ(例えば、活動持続時間、活動一貫性、MET)を機械学習分類器に入力し得、それにより、機械学習分類器は、複数の活動特徴を組み合わせる方法を学習し、発症前の期間においてそれぞれの各ユーザを最良に記述するパターンを決定し得る。各ユーザは病気に対して異なって応答し得るので、それぞれの各ユーザからのデータを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングすることで、機械学習分類器は、病気に対するそれぞれの各ユーザの個別の応答を識別することが可能になり得る。そのため、
図9に示される活動特徴は、ユーザが不健康状態から健康状態に、またはその逆に遷移することとなることを識別/予測するために使用され得る。
【0228】
一般に、活動メトリックは、平日および週末または特定の曜日と揃えられた「季節性」または予測可能なパターンを示す。例えば、
図9に示されるように、ユーザは、概して、平日と比較して週末により活動的であり得る。同様の周期的パターンが、月単位、年単位などで識別され得る。例えば、ユーザは、一般に、寒い月と比較して暖かい月により活動的になり得る。これは、暖かくなり雨/雪が少なくなった影響か、または活動ライフスタイルを変化させるパンデミックロックダウンの影響のいずれかであり得る。
【0229】
したがって、いくつかの実装形態では、システム200は、ある時間間隔に対して比較的周期的な活動、行動、または他の生理学的パラメータを記述する1つまたは複数のモデル(例えば、パターン調整モデル)を利用し得る。モデルは、週次活動モデル、年次活動モデル、月経周期モデルなどを含み得る。活動または他の生理学的パラメータの周期的で予測可能な変化を考慮することによって、本明細書で説明される技法は、活動/生理学的データのどの変化が病気に起因し、どの変化が、予測可能な周期的ユーザ行動(例えば、週末にはより活動的である)および/または予測可能な生理学的反応(例えば、毎月の月経期)に基づくかをより効果的に識別することが可能であり得る。
【0230】
例えば、場合によっては、システム200の構成要素(例えば、ユーザデバイス、サーバ110)は、平日を「0」と表し、週末を「1」と表す特徴またはモデル(例えば、週次パターン調整モデル)(例えば、週次モデル:M-0、T-0、W-0、Th-0、F-0、S-1、Su-1)を生成し得る。この例では、平日/週末を表す週次パターン調整モデルは、病気検出を改善するために、機械学習分類器またはアルゴリズム(例えば、ツリーアルゴリズム、勾配ブースティング分類ツリー)中に活動特徴とともに含まれ得る。そのような場合、機械学習分類器は、病気検出を改善するために、週末と平日との間のユーザ活動の違いを考慮するように特徴相互作用を構築または「学習」し得る。例えば、週次パターン調整モデルを機械学習分類器に入力することによって、機械学習分類器は、ユーザが平日にあまり活動的でないと決定するように構成され得るので、平日の低い活動メトリック(例えば、低いMET)を、病気を示すものとして識別する可能性が低くなり得る。場合によっては、特徴は、各曜日であってもよく、6つの異なる曜日と1つの基準日としてダミーコード化され得る。
【0231】
いくつかの実装形態では、システム200は、季節的自己回帰移動積分平均(SARIMA)モデルを、ユーザが健康であることが知られていた30日間以上の過去の時系列に適用し得る。季節順パラメータは、週あたりの季節性を把握するために7に固定され得る。そのようなモデルは、それぞれの各ユーザについてトレーニングされ、所与のユーザが活動において週次パターンを呈する程度を反映するパラメータを出力し得る。次いで、これらの個人化されたSARIMA係数は、過去N日にわたるローリングウィンドウに基づいて、より大きい機械学習分類器のための特徴として入力され得る。追加的または代替的に、時系列分類モデル(例えば、ランダム畳み込みカーネル変換(ROCKET)モデルまたはMiniROCKETモデル)が使用されてもよく、これらは、本質的に、自己回帰または他の時間依存パターンをモデル化し得る。
【0232】
場合によっては、ウェアラブルデバイスを着用することに対するユーザのアドヒアランスは、病気検出/分析を実行するときに追加の修正可能な行動予測因子を含み得る。行動医学の分野の用語を借用すると、「アドヒアランス」は、ユーザがリング104を着用しているか否か、またはどれだけ頻繁にユーザがリングを着用するか(例えば、ユーザがリング104を着用する頻度/一貫性)を指し得る。一般に、ユーザは、病気になったときに、より頻繁にリング104を着用する(例えば、病気のアドヒアランスが増加する)ことが分かっている。さらに、アドヒアランスの増加は、一部のユーザの場合、病気からの回復を示すことが分かっている。実際、ユーザは一般に、症状の発現直後および病気からの回復中に、アドヒアランスの増加(例えば、より一貫した着用時間、非着用時間の減少)を呈する。これは、ユーザが病気であるときに生理学的データを見ることへの関心が高まったこと、またはユーザが病気または様々な活動のために自分のリング104を取り外す可能性が低くなり得るという事実によるものであり得る。
【0233】
この点に関して、「アドヒアランスデータ」という用語は、ユーザがリング104を着用する頻度または一貫性に関連するデータを指し得る。いくつかの態様では、リング104は、検出されたユーザ温度読取り値、呼吸数、心拍数データなどの存在(または不在)を介して、リング104が充電されている持続時間に基づいて、ユーザがリングを着用しているかどうかを決定し得る。この点に関して、リング104は、「アドヒアランスデータ」を決定してユーザデバイス106および/またはサーバ110に送信し得、これは、ユーザがリング104を着用するアドヒアランスを決定するために使用され得る。さらに、アドヒアランスデータ(例えばアドヒアランスデータの変化)は、病気の発現、病気からの回復、または両方を識別するためにシステム200によって使用され得る。例えば、ユーザデバイス106は、ユーザのアドヒアランスデータの変化(例えば、リング104のより頻繁な/一貫した着用、リング104のより少ない頻度の/より少ない一貫性の着用)を識別し得る。この例では、ユーザデバイス106は、アドヒアランスデータの変化に基づいて、病気リスクメトリックを決定すること、病気の発現/病気の回復を予測すること、またはそれらの任意の組合せを行い得る。
【0234】
疲労の症状は、病気の別の重要な行動的徴候を含み得る。身体が感染を感知すると、免疫系は、感染との闘いにエネルギーを向けるように脳に信号を送る。機械学習アルゴリズムのための睡眠タイミング特徴は、通常よりも早く眠りにつくこと(「より早い就寝時刻」)、より速く眠りにつくこと(より低い「レイテンシ」)、通常の睡眠時間よりも長い持続時間の間眠ること、通常よりも遅くに目を覚ますことなどを含み得る。いくつかの実装形態では、本明細書で説明される病気検出分類器/アルゴリズムは、14日間などの代表的な期間にわたる以前の典型的な平均または中央値を表す特徴と併せて、絶対値を含み得る。他の実装形態では、病気検出アルゴリズムは、今日の測定値と過去14日間の中央値(または妥当な長さの代表的なベースライン)との間の相違として、現在の日のメトリックを表し得る。そのような特徴は、曜日または週末/平日のバイナリ特徴の有無にかかわらず、ツリーアルゴリズムまたはニューラルネットワークアルゴリズムに入力され得る。
【0235】
例えば、
図8に示される
図805-bを再び参照する。
図805-bのx軸は、症状の発現の前後の時間(例えば、日数)を示し、ここで、時間=0は、ユーザの症状の発現(例えば、症状の最初の発症)を示し、
図805-bのy軸は、正規化された単位で就寝時刻および覚醒時刻の変化を示す。曲線810-dは、前の午前0時からの分数として定量化され、前の代表的なベースライン期間(例えば、過去7~14日間)にわたるユーザの中央値就寝時刻に対するデルタとして計算される、ユーザの就寝時刻を示す。同様に、曲線810-eは、前の午前0時からの分数として定量化され、前の代表的なベースライン期間(例えば、前の7~14日間)にわたるユーザの中央値覚醒時刻に対するデルタとして計算される、ユーザの覚醒時刻を示す。
【0236】
図805-bに見ることができるように、ユーザは一般に、病気症状の発現前、より早く就寝し(例えば、曲線810-dの減少)、より遅く目を覚ます(例えば、曲線810-eの増加)。そのため、いくつかの実装形態では、システム200は、病気の発現を決定するために、ユーザの睡眠データ(例えば、就寝時刻、覚醒時刻)を決定し得る。特に、睡眠データの変化(例えば、就寝時刻および/または覚醒時刻の変化)を使用して、偏差基準の充足(またはその欠如)を識別し得、それは、その後、病気を識別/予測するために使用される。
【0237】
すべてのユーザが病気に同じように応答するわけではない。さらに、ウイルスおよび感染は、異なる方法でユーザに影響を与え得る。したがって、異なるユーザは、病気に応答して、睡眠タイミング変数の集合にわたって異なる睡眠パターンを呈し得る。分類器(例えば、機械学習分類器、機械学習アルゴリズム、ツリーベースのアルゴリズム)は、特徴の一団にわたって異なる睡眠データパターンおよび閾値を自動検出するように構成され得、これは、本明細書で説明される病気予測技法を改善し得る。さらに、各ユーザ自身の睡眠データを参照データとして利用することによって、分類器は、各ユーザに対して個別にトレーニングされ得、これにより、分類器は、それぞれの各ユーザの睡眠データの変化をより正確に検出し、それによって、それぞれの各ユーザの睡眠データに基づいて病気を予測することができる。
【0238】
【0239】
それぞれの
図1005-a~1005-dのx軸は、症状の発現の前後の日付(例えば、月-日)を示し、
図1005の各々内の5月11日(05-11)と5月18日(05-18)との間の基準線は、ユーザのそれぞれの病気症状の発現(例えば、乾性/湿性呼吸、アレルギー反応、胃腸症状、発熱症状などの発現)を示す。就寝時刻
図1005-aのy軸は、前の午前0時からの分数(the minutes since the prior midnight)として定量化され、30日ウィンドウにわたるローリング平均として計算されたユーザの就寝時刻を示す。覚醒時刻
図1005-bのy軸は、前の午前0時からの分数として定量化され、30日ウィンドウにわたるローリング平均として計算されたユーザの覚醒時刻を示す。睡眠持続時間
図1005-cのy軸は、ユーザの睡眠の持続時間を一晩あたりの秒数で示す。最後に、週次パターン
図1005-dのy軸は、x軸上の所与の日が週末の日を含むかどうかに関する真/偽表示を示す(例えば、0=平日、1=週末)。一般に、週次パターン
図1005-dは、周期的な週次パターンに基づいてユーザの睡眠予想を調整するために使用され得る。例えば、ユーザは、一般に、仕事で起きる必要がない週末にはより多く眠ることができる。
【0240】
図9に見ることができるように、ユーザは、症状の発現に至るまでの数日間、より早く就寝を開始し(例えば、就寝時刻
図1005-aの増加)、より遅くに目を覚まし得ること(例えば、覚醒
図1005-bの増加)が分かっている。さらに、ユーザは、症状の発現に至るまでの数日間、より長く眠り得る(例えば、睡眠持続時間
図1005-cの増加)。この点に関して、ユーザの睡眠データのこれらの特徴(例えば、就寝時刻、覚醒時刻、睡眠持続時間)は、病気の発現を予測するために使用される偏差基準を識別するために、分類器(例えば、機械学習分類器)に入力され得る。
【0241】
様々なパラメータの相対的な一貫性(例えば、就寝時刻の一貫性、覚醒時刻の一貫性)もまた、本明細書で説明される病気検出技法を実行するために使用され得る。一般に、人間は、一貫した睡眠習慣を有する(例えば、ユーザは、通常、毎日同じような時間に就寝し、目を覚ます)。一貫した睡眠習慣により、人体内の細胞を環境に合わせることができ、エネルギーを血流に動員させるまたは感染と闘うのに最良の時間を知ることによってエネルギー効率を最適化することができる。そのため、一貫した睡眠習慣は、病気を予防するのを助け得る。
【0242】
したがって、ユーザの睡眠習慣(例えば、就寝時刻および覚醒時刻)の「一貫性」に関連する睡眠タイミングパラメータ/特徴が、病気の発現を予測するために使用され得る。就寝時刻の一貫性および覚醒時刻の一貫性は、それぞれ、個人が眠りについたまたは目を覚ました前回の午前0時からの分数の、ある参照時間間隔(例えば、過去30日間)にわたる標準偏差として測定され得る。特に、症状の発現前の数日間は、就寝時刻および覚醒時刻の両方がより一貫性がなくなる(または変動する)ことが分かっている。これは、病気の潜伏期間中の行動の変化によるものであり得る。そのため、いくつかの実装形態では、睡眠データの一貫性(例えば、就寝時刻の一貫性、覚醒時刻の一貫性、睡眠持続時間の一貫性)に関連する特徴/パラメータは、本明細書で説明されるように、病気を予測または識別するために使用され得る。
【0243】
いくつかの実装形態では、システム200は、本明細書で説明される病気検出技法を改善するために、1つまたは複数の「パターン調整モデル」を利用し得る。パターン調整モデルは、ユーザの行動、活動、睡眠パターン、および/または生理学的データの予測可能な変化を考慮するために使用され得る。いくつかの実装形態では、パターン調整モデルは、反復する周期的パターンを考慮するために使用され得る。パターン調整モデルは、週次パターン調整モデル、季節パターン調整モデル、年次パターン調整モデル、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0244】
例えば、
図9の
図905-dおよび
図10の
図1005-dに関して本明細書で前に説明したように、週次パターン調整モデルは、平日および週末をそれぞれ表す一連の「0」および「1」を含み得る。この例では、週次パターン調整モデルは、平日と週末との間のユーザの睡眠パターンおよび/または活動パターンの変化を考慮するために使用され得る(例えば、分類器に入力され得る)。そのため、週次パターン調整モデルを分類器に入力することによって、システム200は、近づきつつある病気を示す睡眠パターン/活動パターンの変化と、1週間を通しての行動の通常の周期的変化に起因する変化とをより効果的に区別することが可能であり得る。
【0245】
同様に、年次パターン調整モデルおよび/または季節パターン調整モデルは、システム200が、近づきつつある病気を示す睡眠パターン/活動パターンの変化と、1年を通しての行動の通常の周期的変化に起因する変化とを区別するのを助け得る(例えば、ユーザは、典型的には、夏の数カ月と比較して冬の数カ月の間はあまり活動的でない)。いくつかの実装形態では、システム200は、ユーザごとに、それぞれの各ユーザのパターン調整モデルを生成し得る。特に、システム200は、ユーザの生理学的データを取得し得、取得された生理学的データに基づいてユーザのパターン調整モデルを生成し得る。
【0246】
例えば、数週間を通してユーザの生理学的データを収集することによって、システム200は、ユーザが、遅くに就寝して、遅くに起き、一般に、平日と比較して週末により活動的である(「ユーザアクティブネスメトリック(user activeness metric)」として表され得る)と決定し得る。この点に関して、システム200は、この情報を得る週次パターン調整モデルを生成し得る。そのため、ユーザのための週次パターン調整モデルを生成することによって、システム200は、ユーザの行動(例えば、睡眠パターン、活動パターン)および/または生理学的データの変化を、病気に起因するものと、単にユーザの通常の週間ルーチンに起因するものとの間でより効果的に区別することが可能であり得る。例えば、週次パターン調整モデルを分類器に入力することで、分類器が、週末のより遅い就寝時刻およびより遅い覚醒時刻を病気に起因するものと解釈する可能性が下げられ得る。
【0247】
いくつかの態様では、パターン調整モデルは、本明細書で説明される病気検出技法を改善し得る「予測重み」を生成するために使用され得る。本明細書で前述したように、予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連する何らかの重み付けメトリックまたは他のメトリックを指し得る。例えば、より高い予測重みは、病気を予測するためのより高い相対精度(例えば、病気を識別する際に精度がより高い)に関連付けられ得、より低い予測重みは、病気を予測するためのより低い相対精度(例えば、病気を識別する際に精度がより低い)に関連付けられ得る。
【0248】
例えば、ユーザは、一般に、遅くに就寝して、遅くに起き得、平日と比較して週末により活動的であり得る。この例では、週末のより遅い就寝時刻およびより遅い覚醒時刻を示す睡眠データは、これらのパラメータが病気を示すのではなくユーザの通常の毎週の睡眠習慣に起因する可能性がより高いという点で、より低い「予測重み」に関連付けられ得る。この点に関して、システム200は、決定されたパターン調整モデル(例えば、週次パターン調整モデル、季節パターン調整モデル、年次パターン調整モデル)を利用して、生理学的データ、睡眠データ、活動データなどの1つまたは複数の「予測重み」を生成し得、予測重みは、本明細書で説明される病気検出技法を改善するために使用される。特に、予測重みおよび/またはパターン調整モデルは、病気を識別するために使用される偏差基準の充足(またはその欠如)を決定するために、分類器に入力され得る。特に、週末のより高いユーザアクティブネスメトリックおよび平日のより低いユーザアクティブネスメトリックは、それぞれ、週末および平日の異なる「予測重み」を決定するために使用され得、睡眠データ、活動データ、または両方の変化は、それぞれの予測重みに対して評価される。
【0249】
いくつかの実装形態では、システム200は、正常な月経周期に起因する生理学的データの予測可能な周期的変化を考慮するように構成されたパターン調整モデル(例えば、月経周期モデル)を利用し得る。例えば、自然周期のユーザは、それぞれのユーザが自身の月経周期のどこにいるかに基づいて、生理学的データの変化を呈することが分かっている。このような温度偏差は、月経周期を調節するホルモンであるプロゲステロンに起因し得る。例えば、ユーザの温度は、ユーザの月経周期を通して変動し得、ユーザは、一般に、月経周期の黄体期の間に、最大温度読取り値を呈し得る。この点に関して、月経周期モデルを利用することにより、システム200は、病気に起因する生理学的データおよび他のパラメータ(例えば、睡眠データ、活動データ)の変化と、どの変化が単にユーザの自然な月経周期によるものであるかをより効率的に決定し得る。特に、月経周期モデルの使用は、システム200が月経周期を通しての自然な温度上昇を、病気を示すものとして誤って解釈する頻度を低減または排除し得る。
【0250】
いくつかの実装形態では、システム200は、それぞれの各ユーザについて月経周期モデルを生成し得る。言い換えると、システム200は、それぞれの各ユーザの生理学的データを利用して、それぞれのユーザに合わせた月経周期モデルを生成し得る。これは、
図11を参照してさらに示され、説明され得る。
【0251】
図11は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする月経周期モデル1100の一例を示す。特に、月経周期モデル1100は、生の温度データ
図1105-a、フィルタリングされた温度データ
図1105-b、矩形波温度データ
図1105-c、周期位相
図1105-dを示す。
【0252】
それぞれの図の各々のx軸は、ユーザの月経周期が評価される時間(例えば、日付)を示す。生の温度データ
図1105-aおよびフィルタリングされた温度データ
図1105-bは、ある基準期間(例えば、過去60日)にわたるユーザの1日あたりの平均の高い温度読取り値に対して測定された、ユーザの1日あたりの高い温度読取り値(摂氏温度)の偏差を示す。言い換えると、
図1105-aおよび1105-bのy軸は、ユーザ内温度偏差を示す。矩形波温度データ
図1105-cのy軸は、周期の予測される位相を示し、1は黄体期を示し、0は卵胞期を示す。周期位相
図1105-dのy軸は、ユーザの月経周期の位相を0から1まで示し、0は、新たな月経期の開始を示し、1は、月経期の終了を示す。
【0253】
いくつかの態様では、システム200は、経時的にユーザから生理学的データ(例えば、温度データ)を取得し得る。場合によっては、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、それぞれの日について単一の日次温度を決定し得、それは、通常、それぞれの日の高い夜間温度読取り値を表す。単一の高い温度読取り値が、生の温度データ
図1105-aに示されている。その後、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、生の温度データをフィルタリングして(例えば、バンドパスフィルタを適用して)、フィルタリングされた温度データ
図1105-bを生成し得る。温度データをフィルタリングすることで、熱いシャワー、日の当たる所にいることなどに起因し得る異常に高いまたは低い温度読取り値を生の温度データ
図1105-aから除去し得る。
【0254】
それぞれの
図1105内に示されているように、温度読取り値(例えば、何らかの温度閾値以上である温度読取り値)のピークを識別するために、ピーク発見アルゴリズムがそれぞれの
図1105上で使用され得る。一般に、ピーク発見アルゴリズムは、一般に、月経周期内の特定の位相(例えば、黄体期)に対応し得る温度読取り値のピークを発見し得る。言い換えると、いくつかの実装形態では、ピーク発見アルゴリズムは、ユーザが一般に自然に上昇した温度を呈する月経期の終わりに対応し得る温度スパイクを識別するために使用され得る。
【0255】
場合によっては、システム200は、月経期に関する一般に理解されている知識にしたがってピーク発見アルゴリズムを実装し得る。例えば、自然周期のほとんどの女性の月経周期は、典型的には20~40日間続く。そのため、場合によっては、ピーク発見アルゴリズムは、ピーク発見アルゴリズムが、互いに15日未満しか離れていない温度ピーク(したがって、月経期)を識別しないように、互いに少なくとも15日離れたピークを識別するように構成され得る。この点に関して、システム200は、月経周期モデルを生成するために月経周期持続時間閾値を実装し得る。「月経周期持続時間閾値」という用語は、先行する月経期に対する月経期の推定タイミング(例えば、月経期の間の持続時間)、先行する黄体期に対する黄体期の間の推定持続時間タイミング、先行する卵胞期に対する卵胞期の推定タイミング、またはそれらの任意の組合せを指し得る。月経周期持続時間閾値の使用により、システムは、バースコントロールおよび/または閉経に起因し得るノイズの多い温度読取り値の存在下で、月経周期内の特定相をより効率的に識別することが可能であり得る。さらに、いくつかの実装形態では、ピーク発見アルゴリズムは、ユーザの温度読取り値がある日数にわたって上昇した(例えば、何らかの温度閾値を満たす)場合のみ、温度ピークを識別するように構成され得る。
【0256】
その後、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、ユーザの月経周期の特性(例えば、月経期)を識別し得る。場合によっては、システム200は、ピーク発見アルゴリズムを介して識別されたピークに基づいて(例えば、月経周期持続時間閾値に基づいて)月経期を識別し得る。追加または代替の場合、システム200は、ユーザデバイス106を介して受信されたユーザ入力に基づいて、それぞれのユーザの月経周期の月経期を識別してもよい。例えば、ユーザは、ユーザデバイス106のGUI275を介して1つまたは複数のユーザ入力を入力し得、ユーザ入力は、ユーザの月経周期に関連付けられる。ユーザ入力は、月経周期の月経期の開始/終了、月経周期の排卵期などを示し得る。場合によっては、システム200は、ユーザデバイス106(例えば、GUI275)に、ユーザの月経周期に関連するユーザ入力のためのプロンプトを表示させ得、ユーザ入力は、プロンプトに応答して受信される。
【0257】
この点に関して、システム200は、ユーザの月経周期の特性(例えば、月経期の開始/終了、排卵期の開始/終了、卵胞期の開始/終了、黄体期の開始/終了、月経周期全体を通した温度読取り値など)を決定するために、取得された生理学的データ、ユーザ入力、または両方を利用するように構成され得る。場合によっては、システム200は、ユーザデバイス106に、(例えば、GUI275を介して)月経周期の1つまたは複数の特性をユーザに表示させ得る。
【0258】
次いで、システム200は、それぞれのユーザの月経周期の識別された特性に基づいて(例えば、月経期の識別された開始/終了、卵胞期/黄体期の識別された開始/終了などに基づいて)、ユーザの月経周期モデルを生成し得る。例えば、周期位相
図1105-dに示されるように、月経周期モデルは、ユーザの周期位相を示し得る。周期位相は、経時的にユーザが月経期全体のどの程度にいるのか(例えば、進行の割合)を示すように、0から1まで測定され得る。例えば、ユーザの月経期が一般に25日間続く場合、各日が月経周期の1/25=0.04を占めることになる。例えば、新たな月経期の1日目は、周期位相
図1105-dにおいて0.04(1/25=0.04)で表され得、月経期の2日目は、周期位相
図1105-dにおいて0.08(2/25=0.08)で表され得る。同様に、月経期の25日目(例えば、推定の最終日)は、周期位相
図1105-dにおいて1(25/25=1)で表され得、月経期が終わりにあるか、または終わりに近い可能性が高いことを示す。
【0259】
ユーザの月経周期モデルを生成すると、システム200は、ユーザのスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)をより効率的に決定するために、月経周期モデルを利用し得る。例えば、月経周期モデルに基づいて、分類器は、ユーザが一般に、各月経期の終わりに向かって温度上昇を呈することを識別するように構成され得る。この点に関して、分類器は、睡眠スコアおよびレディネススコアを決定するときに、月経期の後半部分の間の予想される高い温度を考慮に入れるように構成され得る。
【0260】
さらに、システム200は、本明細書で説明される病気検出/予測技法を改善するために、それぞれの各ユーザについて月経周期モデルを利用するように構成され得る。ユーザの生理学的データとともにユーザの月経周期モデルを分類器に入力することによって、分類器は、生理学的データの変化(例えば、温度読取り値の増加)が、近づきつつある病気に起因するものなのか、単にユーザの自然な月経周期に起因するものなのかをより効率的に識別するように構成され得る。
【0261】
例えば、いくつかの実装形態では、システム200は、決定された月経周期モデルに基づいて、ユーザから取得された温度データの1つまたは複数の予測重みを決定し得る。本明細書で前述したように、予測重みは、病気を予測するための温度データの相対的な予測精度に関連付けられ得る。特に、より高い予測重みを有する温度データは、病気をより示すものであり得(例えば、予測精度がより高い)、より低い予測重みを有する温度データは、病気をより示さないものであり得る(例えば、予測精度がより低い)。例えば、周期位相
図1105-dを参照すると、システム200は、月経期のより早い部分(例えば、0~1のスケールで0により近い日)の間に取得された高い温度読取り値は、より高い予測重みに関連付けられ、月経期のより遅い部分(例えば、0~1のスケールで1により近い日)の間に取得された高い温度読取り値は、より低い予測重みに関連付けられると決定し得る。これらの予測重みは、ユーザが、各月経期の終わり近くで温度読取り値の上昇を自然に呈すので、各月経期の終わりに向かって上昇する温度読取り値は自然で、予想されており、したがって、病気を示す可能性が低いという事実を考慮に入れ得る。
【0262】
別の例として、月経期、黄体期、および/または卵胞期の間に取得されたユーザの温度読取り値は、比較的低い予測重み(例えば、病気を検出するためのより低い相対的な予測精度)に関連付けられ得るのに対して、月経期、黄体期、および/または卵胞期以外で取得されたユーザの温度読取り値は、比較的高い予測重み(例えば、病気を検出するためのより高い相対的な予測精度)に関連付けられ得る。
【0263】
ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、1つまたは複数の予測重みを使用して、経時的にユーザから取得された温度データを重み付けして、重み付けされた温度データを生成するように構成され得る。取得された温度データに重み付けすることによって、システム200(例えば、システム200によって実装される分類器)は、自然な月経周期全体にわたる上昇した温度読取り値が、月経周期を通してそれぞれの温度読取り値がいつ収集されたかに応じて、病気をより示すものまたはより示さないものであり得るという事実を考慮するように構成され得る。次いで、重み付けされた温度読取り値は、病気を決定/予測するために使用される偏差基準の充足を識別するために使用され得る。
【0264】
いくつかの実装形態では、システム200は、複数のユーザから収集されたデータに基づいて病気を決定/予測するために使用される分類器、アルゴリズム、またはモデルをテストおよび妥当性確認するように構成され得る。例えば、システム200のサーバ110は、ユーザデバイス106のセットからトレーニングデータを受信し得る。ユーザデバイス106の各々は、それぞれのユーザから生理学的データを収集するように構成される、リング104または他のウェアラブルデバイス104に関連付けられ得る(例えば、通信可能に結合される)。トレーニングデータは、収集された生理学的データ(例えば、温度データ、HRVデータなど)および/またはユーザのセットから収集されたユーザステータスデータを含み得る。さらに、サーバ110は、病気評価メトリック(例えば、病気リスクメトリック、病気予測メトリック)を生成し、ユーザデバイス106に送信するように構成され得る。
【0265】
同じ例を続けると、サーバ110は、ユーザデバイス106のセットから生理学的データ(例えば、温度データ)およびユーザステータスデータを収集し得る。ユーザステータスデータは、様々なタイプのデータを含み得る。例えば、ユーザステータスデータは、症状の説明およびタイミングなどの症状データを含み得る。ユーザステータスデータはまた、診断状態を含み得る。いくつかの実装形態では、ユーザステータスデータは、ユーザがサーバ110に報告し得る自己報告データを含み得る。他の実装形態では、ユーザステータスデータは、別の当事者によってサーバ110に報告され得る。いくつかの実装形態では、自己報告データは、外部ソース(例えば、医師の診断および検査結果)によって検証され得る。いくつかの実装形態では、ユーザステータスデータは、温度データまたは他のユーザ生理学的データに基づいて決定される症状/病気(例えば、発熱)などのユーザ生理学的データから導出される結論を含み得る。
【0266】
例示的な自己報告データは、A/B型インフルエンザまたはCOVID-19などの病気を示す症状を含み得る。他の実装形態では、症状は、うつ病および不安などの認知または精神衛生の問題とより一般的に関連付けられ得るが、これは、これらの懸念が感染または免疫調節不全の文脈でも生じ得るためである。いくつかの実装形態では、サーバ110および/またはユーザデバイス106は、ユーザがウェブベースのGUI275および/またはアプリケーションGUI275から選択するための症状/病気のリストを提供し得る。ユーザステータスデータは、様々な時間に報告され得る。例えば、ユーザステータスデータは、1回(例えば、病気の発現時)または複数回(例えば、毎日)報告され得る。この点に関して、病気検出モデルは、アルゴリズム的に生成された病気の可能性の予測を受信することに応答して、ユーザフィードバックによって半教師ありであってもよい。例えば、ユーザは、リングまたは他のデバイスによって検出された相転移を代替的に説明することができる、考えられる最近の行動または環境または健康関連の変化のオプションのメニューまたはチェックリストを提供され得る。次いで、そのようなプロンプトに対するユーザの応答は、そのユーザのための将来の予測を調整するために(例えば、ベイジアン様式で)使用され得る。
【0267】
追加の例示的なユーザステータスデータおよびトレーニングデータは、限定はしないが、1)診断を確認するための、または感染/免疫性/ワクチン接種応答を定量化するための血液検査/スワブ検査/生物学的検査または医療検査、2)医療記録データ、3)ユーザが症状を経験したと報告する時間に対する自己報告のタイミングに基づく症状リコールバイアスの導出(例えば、自覚症状報告に影響を与えるリコールバイアスに対する自己報告の信頼度を較正するためのモデル内の特徴)、4)経時的な地域(都市、郵便番号など)ごとのCOVID-19の罹患率、5)特定の雇用センター(例えば、病院施設または食肉パッキング工場またはスポーツチーム)および/または職業役割(例えば、看護師または病院管理者)に固有の罹患率、6)地方/都市の人口密度、SES、および人口統計に関する国勢調査ベースのデータ、7)外部の温度、湿気などに関する気象データ、ならびに8)交通データ(例えば、ユーザが公共交通機関を利用するかどうかのメトリックを導出し、地元住民の移動を定量化するために使用される)を含み得る。
【0268】
いくつかの実装形態では、ユーザステータスデータは、取得された温度データに関連するユーザジオロケーション(例えば、緯度/経度)などの他のデータを含み得る。そのようなジオロケーションデータは、ジオロケーション固有の予測モデルを生成するために使用され得る。追加的に、ジオロケーションデータは、ユーザが不健康状態に遷移する可能性が高いかどうかを評価するために使用され得る。ユーザステータスデータはまた、ユーザの雇用場所および雇用形態、ユーザ人口統計データ(例えば、年齢および性別)、他の健康状態、またはユーザおよび/もしくはユーザの環境を説明する他のデータを示し得る。本明細書で説明されるユーザステータスデータのいずれも、より標的化された予測モデルおよび予測決定を行うために使用され得る。
【0269】
サーバ110(例えば、モデル生成モジュール)は、生理学的データ(例えば、温度データ)および関連するユーザステータスデータを含むデータのトレーニングセットを使用して、1つまたは複数の病気予測モデル(例えば、分類器、アルゴリズム、または病気を検出/予測するために使用される他のモデル)をトレーニングし得る。サーバ110は、本明細書で説明される病気予測モデル(例えば、分類器)を生成するために、様々な異なるラベル付けされたトレーニングデータを使用し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、1日あたりの値に分割された相対分布値を含むトレーニングデータを使用し得る。サーバ110はまた、ユーザが健康であったか不健康であったかを示す相対分布データの各日のラベルを含み得る。例えば、ラベルは、不健康(例えば、症状の発現)に対して1、健康に対して0であり得る。この例では、病気予測モデルは、ユーザの病気リスクメトリックを生成し得る。場合によっては、病気リスクメトリックは、ユーザが不健康状態に遷移している可能性を示す0~1の病気予測値を含み得る。サーバ110は、各ユーザについて複数日(例えば、週)分のデータを使用して病気予測モデルを生成し得る。
【0270】
その後、サーバ110は、1つまたは複数の病気予測モデル(例えば、分類器)の性能をテスト/妥当性確認し得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、1つまたは複数の病気予測モデルからの出力をトレーニングデータと比較することによって、1つまたは複数の病気予測モデルをテスト/妥当性確認し得る。言い換えると、サーバ110は、教師あり学習技法を使用して、1つまたは複数の病気予測モデルの性能をテスト/妥当性確認し得る。次いで、サーバ110は、本明細書で説明されるように、1つまたは複数の病気予測モデルを使用してユーザの病気評価メトリック(例えば、病気リスクメトリック、病気予測値)を生成し得、病気評価メトリックは、それぞれのユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる確率または可能性に関連付けられる。
【0271】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106および/またはサーバ110は、それぞれのユーザの特性に基づいて、病気評価メトリック(例えば、病気リスクメトリック、病気予測値)を生成および/または解釈し得る。例えば、サーバ110は、ユーザのロケーションに基づいて病気リスクメトリックを生成および/または解釈し得る。一例では、その時点で病気がより蔓延しているジオロケーションにいるユーザは、病気が蔓延していないジオロケーションにいるユーザよりも低い表示確率で病気が警告され得る(例えば、ベイズ統計または他の方法を使用して)。同様に、サーバ110は、クラスタまたは混合モデリング技法を含む、同じ場所/雇用形態(例えば、同じオフィス、同じフロントラインワークなど)にいるユーザなどの他のユーザとの類似性に基づいて、病気リスクメトリックを生成/解釈し得る。この場合、サーバ110は、職場の他の人が体調を崩していた場合に、より低い確率で病気の可能性をユーザに警告し得る。いくつかの実装形態では、閾値は、マネージャ/雇用主によって設定され得る。1つまたは複数の予測モデルは、ユーザ特性に基づいてトレーニングおよび/または使用され得る。
【0272】
図12は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする健康管理プラットフォーム1200の例を示す。健康管理プラットフォーム1200は、システム100、システム200、または両方の態様を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。
【0273】
健康管理プラットフォーム1200は、1人以上のユーザ102の健康監視(例えば、HRMサービス)を実行するように構成され得る。特に、健康管理プラットフォーム1200は、1人以上のユーザ102に関連する一部の管理者(例えば、管理者ユーザデバイス106-d)に生理学的データ、病気リスクメトリックなどを提供するために、1人以上のユーザ102の生理学的データを監視する(例えば、連続的に監視する)ように構成され得る。いくつかの実装形態では、管理者ユーザデバイス106-dは、医療専門家(例えば、医師、看護師)、組織の管理者(例えば、ビジネスオーナー、ビジネスマネージャ)、パーソナルトレーナー、コーチ(例えば、スポーツチームのコーチ)などによって操作されてもよいし、それらに関連付けられてもよい。この点に関して、健康管理プラットフォーム1200は、1人以上のユーザ102に関連する健康関連情報(例えば、病気リスクスコア)を一部の管理者(管理者ユーザデバイス106-d)に提供するように構成され得る。
【0274】
管理者ユーザデバイス106-dは、
図2に示されるユーザデバイス106の一例を含み得る。いくつかの実装形態では、管理者ユーザデバイス106-dは、ユーザデバイス106-a、106-b、および/または106-cのうちの1つを含み得る。言い換えると、場合によっては、ユーザ102-a、102-b、102-cのうちの1つは、それぞれのユーザ102-a、102-b、102-cの各々の健康関連情報を受信する管理者を含み得る。他の場合では、管理者ユーザデバイス106-dは、管理者がユーザ102-a、102-b、102-cのうちの1人ではないように、別のデバイスを含んでもよい。
【0275】
例えば、健康管理プラットフォーム1200は、第1のユーザ102-a、第2のユーザ102-b、および第3のユーザ102-cを含み得る。ユーザ102-a、102-b、102-cは、対応するウェアラブルデバイス(例えば、それぞれリング104-a、104-b、104-c)および対応するユーザデバイス106-a、106-b、106-cに関連付けられ得る。
図2を参照して本明細書で説明されるように、リング104-a、104-b、104-cの各々は、それぞれのユーザ102-a、102-b、102-cに関連する生理学的データ(例えば、温度情報、HRV情報、呼吸数情報)を連続的に取得するように構成され得る。リング104は、一定間隔または不規則間隔で生理学的データを連続的に取得し、取得された生理学的データを対応するユーザデバイス106-a、106-b、106-cに送信するように構成され得る。
【0276】
その後、ユーザデバイス106-a、106-b、106-cは、それぞれのリング104-a、104-b、104-cから受信された生理学的データに対して処理動作を実行するように構成され得る。追加的または代替的に、ユーザデバイス106-a、106-b、106-cは、受信された生理学的データを1つまたは複数のサーバ110に(例えば、ネットワーク108を介して)送信(例えば、中継、転送)してもよく、1つまたは複数のサーバ110は、本明細書で説明される処理動作を実行するように構成される。
【0277】
いくつかの実装形態では、健康管理プラットフォーム1200は、管理者ユーザデバイス106-dのGUIに、それぞれのユーザから取得された生理学的データおよび/または取得された生理学的データに基づいて計算/識別されたパラメータの全部もしくは一部を表示させ得る。例えば、管理者ユーザデバイス106-dが、ユーザ102-a、102-b、102-cのための診療所の管理者に関連付けられている場合、管理者ユーザデバイス106-dは、それぞれのユーザ102に関連する生理学的データ、それぞれのユーザ102の睡眠データ(例えば、睡眠段階、睡眠持続時間)などを受信し、表示し得る。この点に関して、健康管理プラットフォーム1200は、それぞれのユーザの各々についての健康関連データが、適用可能な医療専門家または他のユーザに連続的に報告されることを可能にし得、これは、それぞれのユーザ102についてのより正確で包括的な医療決定を可能にし得る。
【0278】
いくつかの実装形態では、健康管理プラットフォーム1200は、病気関連メトリック(例えば、病気リスクメトリック、病気予測メトリック)を管理者ユーザデバイス106-dに報告し得る。例えば、ユーザデバイス106-a、106-b、106-cおよび/またはサーバ110は、それぞれのユーザ102-a、102-b、102-cの各々について病気リスクメトリック(例えば、病気予測メトリック、病気評価メトリック)を決定するように構成され得る。それぞれの構成要素は、1つまたは複数の分類器(例えば、機械学習分類器)を用いるなど、本明細書で説明される技法にしたがって病気リスクメトリックを決定するように構成され得る。その後、ユーザデバイス106-a、106-b、106-cおよび/またはサーバ110は、病気リスクメトリックを管理者ユーザデバイス106-dに報告し得る。この点に関して、ユーザデバイス106-a、106-b、106-cおよび/またはサーバ110は、管理者ユーザデバイス106-dのGUIに、ユーザ102のうちの少なくとも1人の少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させる。
【0279】
いくつかの実装形態では、健康管理プラットフォーム1200は、それぞれの病気リスクメトリックの比較に基づいて、管理者ユーザデバイス106-d上に生理学的データおよび/または病気リスクメトリックを表示し得る。例えば、管理者ユーザデバイス106-dは、病気のリスクが最も高い(例えば、最も高い病気リスクスコア)ユーザ102から病気のリスクが最も低い(例えば、最も低い病気リスクスコア)ユーザ102の順に、それぞれのユーザの病気リスクメトリックを表示し得る。他の場合では、病気リスクスコアは、何らかの他の順序で管理者ユーザデバイス106-d上に表示されてもよい。
【0280】
いくつかの態様では、健康管理プラットフォーム1200は、管理者ユーザデバイス106-dおよび/または他のユーザデバイス106を介して受信された1つまたは複数のユーザ入力に基づいて、生理学的データおよび/または病気リスクメトリックを(管理者ユーザデバイス106-dを介して)報告し得る。ユーザ入力は、病気リスクメトリックの識別、病気リスクメトリックの報告、または両方に関連付けられ得る。言い換えると、ユーザ入力は、病気リスクメトリックがどのように報告されるか、どの病気リスクメトリックが報告されるかなどを調整するために使用され得る。ユーザ入力は、病気リスクメトリックを識別するための閾値、病気リスクメトリックを報告するための閾値、または両方に関連付けられ得る。
【0281】
例えば、管理者は、病気リスクメトリックを報告するための閾値を(例えば、管理者ユーザデバイス106-dを介して)入力し得る。この例では、健康管理プラットフォーム1200は、それぞれの病気リスクメトリックが閾値を満たす(例えば、閾値以上である)場合にのみ、管理者ユーザデバイス106-dに病気リスクメトリックを報告するように構成され得る。この点に関して、健康管理プラットフォーム1200は、健康管理プラットフォーム1200が、何らかの閾値信頼度で、ユーザ102が体調を崩すことを予測する場合にのみ、病気アラートが生成されるように調整され得る。そのような技法は、管理者ユーザデバイス106-dに送信されるアラートの量を低減し得る。
【0282】
いくつかの態様では、健康管理プラットフォーム1200(例えば、サーバ110、ユーザデバイス106-a、106-b、106-c)は、管理者ユーザデバイス106-dに、1つまたは複数の勧告を表示させ得る。勧告は、それぞれのユーザ102-a、102-b、102-cの決定された病気リスクメトリックに関連付けられ得る。例えば、管理者ユーザデバイス106-dは、ユーザ102が医師の予約をスケジュールするようにとの勧告、ユーザ102が仕事または何らかの他の活動を休んで家にいるようにとの勧告、ユーザが隔離するようにとの勧告、ユーザ102が潜在的な病気に備えるようにとの勧告(例えば、水分補給、休息)などを表示し得る。そのため、健康管理プラットフォーム1200は、病気の拡大を防止するのを助け得、病気の大流行の可能性を防止し得る。
【0283】
場合によっては、健康管理プラットフォーム1200は、体調を崩すと予測されるユーザ102以外のユーザ102に対して、(管理者ユーザデバイス106-dを介して)勧告を生成し得る。例えば、サーバ110が、第1のユーザ102-aが体調を崩す可能性が高い(例えば、高い病気リスクメトリック)と予想し、第1のユーザ102-aが、第2のユーザ102-bとキュービクルを共有する場合、サーバ110は、管理者ユーザデバイス106-cに、第2のユーザ102-bが、第1のユーザ102-aの病気リスクメトリックと第1のユーザと第2のユーザ102との間の潜在的な接触とに基づいて、医師の予約をスケジュールするか、または仕事を休んで家にいるようにとの勧告を表示させ得る。
【0284】
さらに、健康管理プラットフォーム1200は、あるユーザ102の病気リスクメトリックを別のユーザ102の病気リスクメトリックに基づいて修正するように構成され得る。例えば、上記の例を続けると、第1のユーザ102-aおよび第2のユーザ102-bは、キュービクルを共有し得る。この情報は、管理者ユーザデバイス106-dを介して健康管理プラットフォーム1200に入力され得、ユーザ102-aと102-bとの間の潜在的な接触および/またはユーザ102-aと102-bとの間の潜在的な近接を決定するために使用され得る。この例では、サーバ110は、第1のユーザ102-aの第1の病気リスクメトリックおよび第2のユーザ102-bの第2の病気リスクメトリックを決定し得る。第1の病気リスクメトリックは、第1のユーザ102-aが体調を崩しているかまたは体調を崩す可能性が極めて高いことを示し得る。そのため、サーバ110は、第1のユーザ102-aの第1の病気リスクメトリックおよび/またはそれぞれのユーザ102-aおよび102-b間の潜在的な接触/潜在的な近接に基づいて、第2のユーザ102-bの第2の病気リスクメトリックを選択的に修正する(例えば、選択的に増加させる)ように構成され得る。
【0285】
図13は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートするデバイス1305のブロック
図1300を示す。デバイス1305は、入力モジュール1310、出力モジュール1315、およびウェアラブルアプリケーション1320を含み得る。デバイス1305はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信し得る。
【0286】
入力モジュール1310は、様々な情報チャネル(例えば、病気検出技法に関連する制御チャネル、データチャネル、情報チャネル)に関連する、パケット、ユーザデータ、制御情報、またはそれらの任意の組合せなどの情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス1305の他の構成要素に渡され得る。入力モジュール1310は、単一のアンテナまたは複数のアンテナのセットを利用し得る。
【0287】
出力モジュール1315は、デバイス1305の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば、出力モジュール1315は、様々な情報チャネル(例えば、病気検出技法に関連する制御チャネル、データチャネル、情報チャネル)に関連する、パケット、ユーザデータ、制御情報、またはそれらの任意の組合せなどの情報を送信し得る。いくつかの例では、出力モジュール1315は、トランシーバモジュールにおいて入力モジュール1310とコロケートされ得る。出力モジュール1315は、単一のアンテナまたは複数のアンテナのセットを利用し得る。
【0288】
例えば、ウェアラブルアプリケーション1320は、データ取得構成要素1325、分類器構成要素1330、ユーザインターフェース構成要素1335、またはそれらの任意の組合せを含み得る。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション1320またはその様々な構成要素は、入力モジュール1310、出力モジュール1315、または両方を使用して、または別の方法でそれらと協働して、様々な動作(例えば、受信、監視、送信)を実行するように構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1320は、入力モジュール1310から情報を受信するか、出力モジュール1315に情報を送信するか、または情報の受信、情報の送信、または本明細書で説明されるような様々な他の動作を実行するために入力モジュール1310、出力モジュール1315、もしくは両方と組み合わせて統合され得る。
【0289】
ウェアラブルアプリケーション1320は、本明細書で開示される例にしたがって病気を自動的に検出することをサポートし得る。データ取得構成要素1325は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。分類器構成要素1330は、HRVデータを分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。分類器構成要素1330は、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。ユーザインターフェース構成要素1335は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。
【0290】
図14は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートするウェアラブルアプリケーション1420のブロック
図1400を示す。ウェアラブルアプリケーション1420は、本明細書で説明されるように、ウェアラブルアプリケーションもしくはウェアラブルアプリケーション1320の態様、あるいは両方の例であり得る。ウェアラブルアプリケーション1420、またはその様々な構成要素は、本明細書で説明される病気検出技法の様々な態様を実行するための手段の例であり得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1420は、データ取得構成要素1425、分類器構成要素1430、ユーザインターフェース構成要素1435、睡眠段階構成要素1440、概日リズム構成要素1445、ユーザ入力構成要素1450、またはそれらの任意の組合せを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いに直接または間接的に通信し得る。
【0291】
ウェアラブルアプリケーション1420は、本明細書で開示される例にしたがって病気を自動的に検出することをサポートし得る。データ取得構成要素1425は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。分類器構成要素1430は、HRVデータを分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。ユーザインターフェース構成要素1435は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。
【0292】
いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してHRVデータの周波数コンテンツを決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づく。
【0293】
いくつかの例では、HRVデータの周波数コンテンツを決定することをサポートするために、分類器構成要素1430は、HRVデータの低周波数コンテンツを決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、HRVデータの周波数コンテンツを決定することをサポートするために、分類器構成要素1430は、HRVデータの高周波数コンテンツを決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、周波数コンテンツ、高周波数コンテンツ、または両方に少なくとも部分的に基づく。
【0294】
いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のHRVデータの低周波数コンテンツとHRVデータの高周波数コンテンツとの間の乖離度を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、乖離度を識別することに少なくとも部分的に基づく。
【0295】
いくつかの例では、データ取得構成要素1425は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。いくつかの例では、睡眠段階構成要素1440は、生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する複数の睡眠段階を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、睡眠段階構成要素1440は、第1の時間間隔内の複数の睡眠段階の第1の睡眠段階に対応するHRVデータの第1の部分と、第2の時間間隔内の複数の睡眠段階の第2の睡眠段階に対応するHRVデータの第2の部分とを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、第1の睡眠段階および第2の睡眠段階は、同じタイプの睡眠段階を含み、HRVデータを分類器に入力することは、HRVデータの第1の部分およびHRVデータの第2の部分を入力することを含む。
【0296】
いくつかの例では、概日リズム構成要素1445は、ユーザに関連する概日リズムに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、概日リズム構成要素1445は、第1の時間間隔の第1の部分に対応するHRVデータの第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分に対応するHRVデータの第2の部分を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、HRVデータを分類器に入力することは、HRVデータの第1の部分およびHRVデータの第2の部分を入力することを含む。
【0297】
いくつかの例では、分類器構成要素1430は、HRVデータに関連するRMSSDメトリックを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、RMSSDメトリックに少なくとも部分的に基づく。
【0298】
いくつかの例では、データ取得構成要素1425は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく。
【0299】
いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の安静時心拍数データの減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のHRV平均化スコアデータの減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の回復メトリックデータの増加、またはそれらの任意の組合せを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、安静時心拍数データの減少、HRV平均化スコアデータの減少、回復メトリックデータの増加、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく。
【0300】
いくつかの例では、データ取得構成要素1425は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、生理学的データを分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通して収集された生理学的データを第1の時間間隔および第2の時間間隔内の複数の睡眠間隔に分類するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、複数の睡眠間隔の各睡眠間隔は、覚醒睡眠段階、浅い睡眠段階、レム睡眠段階、または深い睡眠段階のうちの1つに関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、生理学的データを分類することに少なくとも部分的に基づく。
【0301】
いくつかの例では、分類器構成要素1430は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のレム睡眠段階に関連する睡眠段階の第1の持続時間における第1の変化、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の深い睡眠段階に関連する睡眠段階の第2の持続時間における第2の変化、または両方を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の変化、第2の変化、または両方に少なくとも部分的に基づく。
【0302】
いくつかの例では、ユーザ入力構成要素1450は、ユーザデバイスを介しておよびGUIに病気リスクメトリックを表示させることに応答して、ユーザ入力を受信ための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、分類器構成要素1430は、ユーザ入力を使用して分類器をトレーニングするための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、ユーザ入力は、陽性の病気検査、病気症状の発現、または両方を示す。
【0303】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて使用してユーザからHRVデータを収集する。いくつかの例では、ユーザデバイスは、ユーザに関連するユーザデバイス、ユーザを含むユーザのグループに関連する管理者に関連するユーザデバイス、または両方を含む。
【0304】
いくつかの例では、HRVデータは、ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ、分類器構成要素1430は、それぞれの各ユーザのHRVデータに少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、HRVデータは、ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ、ユーザインターフェース構成要素1435は、管理者ユーザデバイスのGUIに、複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0305】
図15は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートするデバイス1505を含むシステム1500の図を示す。デバイス1505は、本明細書で説明されるように、デバイス1505の構成要素の例であるか、またはその構成要素を含み得る。いくつかの実装形態では、デバイス1505は、本明細書で説明されるユーザデバイス106の例を含み得る。デバイス1505は、通信モジュール1510、アンテナ1515、ウェアラブルアプリケーション1520、ユーザインターフェース構成要素1525、データベース1530、メモリ1535、およびプロセッサ1540などの、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)およびサーバ110との双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(例えば、バス1545)を介して電子通信してもよいし、他の方法で(例えば、動作可能に、通信可能に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されてもよい。
【0306】
通信モジュール1510は、アンテナ1515を介してデバイス1505のための入力信号および出力信号を管理し得る。通信モジュール1510は、
図2に示され説明されたユーザデバイス106の通信モジュール220-bの例を含み得る。この点に関して、通信モジュール1510は、
図2に示されるように、リング104およびサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール1510はまた、デバイス1505に統合されていない周辺機器を管理し得る。場合によっては、通信モジュール1510は、外部周辺機器への物理的接続またはポートを表し得る。場合によっては、通信モジュール1510は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのオペレーティングシステムまたは別の既知のオペレーティングシステムを利用し得る。他の場合では、通信モジュール1510は、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または同様のデバイスを表すか、またはこれらと対話してもよい。場合によっては、通信モジュール1510は、プロセッサ1540の一部として実装され得る。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール1510、ユーザインターフェース構成要素1525を介して、または通信モジュール1510によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1505と対話し得る。
【0307】
場合によっては、デバイス1505は、単一のアンテナ1515を含み得る。しかしながら、いくつかの他の場合では、デバイス1505は、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であり得る、2つ以上のアンテナ1515を有し得る。通信モジュール1510は、本明細書で説明されるように、1つまたは複数のアンテナ1515、ワイヤードリンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。例えば、通信モジュール1510は、ワイヤレストランシーバを表し得、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。通信モジュール1510はまた、パケットを変調して、変調されたパケットを送信のために1つまたは複数のアンテナ1515に提供し、1つまたは複数のアンテナ1515から受信されたパケットを復調するためのモデムを含み得る。
【0308】
ユーザインターフェース構成要素1525は、データベース1530内のデータ記憶および処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインターフェース構成要素1525と対話し得る。他の場合では、ユーザインターフェース構成要素1525は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース1530は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク、または緊急バックアップデータベースの例であり得る。
【0309】
メモリ1535は、RAMおよびROMを含み得る。メモリ1535は、実行されると、プロセッサ1540に、本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含むコンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ1535は、とりわけ、周辺構成要素またはデバイスとの対話などの基本ハードウェアまたはソフトウェア動作を制御し得る、基本I/Oシステム(BIOS)を含み得る。
【0310】
プロセッサ1540は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、ディスクリートハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せ)を含み得る。場合によっては、プロセッサ1540は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。他の場合では、メモリコントローラはプロセッサ1540に統合されてもよい。プロセッサ1540は、メモリ1535に記憶されたコンピュータ可読命令を実行して、様々な機能(例えば、睡眠ステージングアルゴリズムのための方法およびシステムをサポートする機能またはタスク)を実行するように構成され得る。
【0311】
ウェアラブルアプリケーション1520は、本明細書で開示される例にしたがって病気を自動的に検出することをサポートし得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1520は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。ウェアラブルアプリケーション1520は、HRVデータを分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1520は、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1520は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。
【0312】
本明細書で説明される例にしたがってウェアラブルアプリケーション1520を含むかまたは構成することによって、デバイス1505は、改善された病気検出/予測のための技法をサポートし得る。特に、本明細書で説明される技法は、ウェアラブルデバイス104を介して取得され得る神経系関連の特性/パラメータに基づく、発症前段階での病気検出を可能にし得る。そのため、発症前段階での病気検出を可能にすることによって、本明細書で説明される技法は、病気の拡大を抑え、病気の重症度を低下させ得る。
【0313】
図16は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法1600を示すフローチャートを示す。方法1600の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス106またはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1600の動作は、
図1~
図15を参照して説明したように、ユーザデバイス106によって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイス106は、説明された機能を実行するようにユーザデバイス106の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイス106は、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0314】
1605において、方法は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。1605の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1605の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、データ取得構成要素1425によって実行され得る。
【0315】
1610において、方法はHRVデータを分類器に入力することを含み得る。1610の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1610の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0316】
1615において、方法は、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することを含み得る。1615の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1615の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0317】
1620において、方法は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることを含み得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。1620の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1620の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素1435によって実行され得る。
【0318】
図17は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法1700を示すフローチャートを示す。方法1700の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス106またはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1700の動作は、
図1~
図15を参照して説明したように、ユーザデバイス106によって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイス106は、説明された機能を実行するようにユーザデバイス106の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイス106は、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0319】
1705において、方法は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。1705の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1705の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、データ取得構成要素1425によって実行され得る。
【0320】
1710において、方法は、HRVデータを分類器に入力することを含み得る。1710の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1710の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0321】
1715において、方法は、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してHRVデータの周波数コンテンツを決定することを含み得る。1715の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1715の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0322】
1720において、方法は、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することを含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づく。1720の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1720の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0323】
1725において、方法は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることを含み得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。1725の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1725の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素1435によって実行され得る。
【0324】
図18は、本開示の態様による、病気検出技法をサポートする方法1800を示すフローチャートを示す。方法1800の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス106またはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1800の動作は、
図1~
図15を参照して説明したように、ユーザデバイス106によって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイス106は、説明された機能を実行するようにユーザデバイス106の機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイス106は、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0325】
1805において、方法は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される。1805の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1805の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、データ取得構成要素1425によって実行され得る。
【0326】
1810において、方法は、ユーザに関連する概日リズムに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分を識別することを含み得る。1810の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1810の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、概日リズム構成要素1445によって実行され得る。
【0327】
1815において、方法は、第1の時間間隔の第1の部分に対応するHRVデータの第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分に対応するHRVデータの第2の部分を識別することを含み得る。1815の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1815の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、概日リズム構成要素1445によって実行され得る。
【0328】
1820において、方法は、HRVデータを分類器に入力することを含み得、HRVデータを分類器に入力することは、HRVデータの第1の部分およびHRVデータの第2の部分を入力することを含む。1820の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1820の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0329】
1825において、方法は、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することを含み得る。1825の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1825の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、分類器構成要素1430によって実行され得る。
【0330】
1830において、方法は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることを含み得、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる。1830の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1830の動作の態様は、
図14を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素1435によって実行され得る。
【0331】
上記で説明した方法は可能な実装形態について説明しており、動作およびステップは並べ替えられるか他の方法で修正され得ること、ならびに、他の実装形態が可能であることに留意されたい。さらに、これらの方法の2つ以上の方法からの態様が組み合わされてもよい。
【0332】
病気を自動的に検出するための方法が説明される。方法は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することであって、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、HRVデータを分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを含み得る。
【0333】
病気を自動的に検出するための装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することであって、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、HRVデータを分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0334】
病気を自動的に検出するための別の装置が説明される。装置は、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、手段と、HRVデータを分類器に入力するための手段と、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段と、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段であって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、手段とを含み得る。
【0335】
病気を自動的に検出するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、ユーザに関連するHRVデータをウェアラブルデバイスから受信することであって、HRVデータは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、HRVデータを分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0336】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してHRVデータの周波数コンテンツを決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づき得る。
【0337】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、HRVデータの周波数コンテンツを決定することは、HRVデータの低周波数コンテンツを決定し、HRVデータの高周波数コンテンツを決定するための動作、特徴、手段、または命令を含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、低周波数コンテンツ、高周波数コンテンツ、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0338】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のHRVデータの低周波数コンテンツとHRVデータの高周波数コンテンツとの間の乖離度を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、乖離度を識別することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0339】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する複数の睡眠段階を識別し、第1の時間間隔内の複数の睡眠段階の第1の睡眠段階に対応するHRVデータの第1の部分と、第2の時間間隔内の複数の睡眠段階の第2の睡眠段階に対応するHRVデータの第2の部分とを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、第1の睡眠段階および第2の睡眠段階は、同じタイプの睡眠段階を含み、HRVデータを分類器に入力することは、HRVデータの第1の部分およびHRVデータの第2の部分を入力することを含む。
【0340】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する概日リズムに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分を識別し、第1の時間間隔の第1の部分に対応するHRVデータの第1の部分および第2の時間間隔の第2の部分に対応するHRVデータの第2の部分を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、HRVデータを分類器に入力することは、HRVデータの第1の部分およびHRVデータの第2の部分を入力することを含む。
【0341】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、HRVデータに関連するRMSSDメトリックを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、RMSSDメトリックに少なくとも部分的に基づき得る。
【0342】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを識別し、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せを分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、安静時心拍数データ、HRV平均化スコアデータ、回復メトリックデータ、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づき得る。
【0343】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の安静時心拍数データの減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のHRV平均化スコアデータの減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の回復メトリックデータの増加、またはそれらの任意の組合せを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、安静時心拍数データの減少、HRV平均化スコアデータの減少、回復メトリックデータの増加、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づき得る。
【0344】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、生理学的データを分類器に入力し、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通して収集された生理学的データを第1の時間間隔および第2の時間間隔内の複数の睡眠間隔に分類するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、複数の睡眠間隔の各睡眠間隔は、覚醒睡眠段階、浅い睡眠段階、レム睡眠段階、または深い睡眠段階のうちの1つに関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、生理学的データを分類することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0345】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のレム睡眠段階に関連する睡眠段階の第1の持続時間における第1の変化、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間の深い睡眠段階に関連する睡眠段階の第2の持続時間における第2の変化、または両方を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の変化、第2の変化、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0346】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスを介しておよびGUIに病気リスクメトリックを表示させることに応答して、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力を使用して分類器をトレーニングするための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0347】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ユーザ入力は、陽性の病気検査、病気症状の発現、または両方を示す。
【0348】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、HRVデータに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する呼吸数データを識別し、呼吸数データを分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、呼吸数データに少なくとも部分的に基づき得る。
【0349】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0350】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて使用してユーザからHRVデータを収集する。
【0351】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ユーザデバイスは、ユーザに関連するユーザデバイス、ユーザを含むユーザのグループに関連する管理者に関連するユーザデバイス、または両方を含む。
【0352】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、HRVデータは、ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ得、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、分類器を使用して、それぞれの各ユーザのHRVデータに少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別し、管理者ユーザデバイスのGUIに、複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させるためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0353】
病気を自動的に検出するための方法が説明される。方法は、ユーザに関連する温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、温度データは、第1の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、第1の時間間隔を通して収集された温度データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連するベースライン温度データを識別することと、ユーザに関連する追加の温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、追加の温度データは、第1の時間間隔の後の第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、ベースライン温度データおよび追加の温度データを分類器に入力することと、分類器を使用して、ベースライン温度データと追加の温度データとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを含み得る。
【0354】
病気を自動的に検出するための装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ユーザに関連する温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、温度データは、第1の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、第1の時間間隔を通して収集された温度データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連するベースライン温度データを識別することと、ユーザに関連する追加の温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、追加の温度データは、第1の時間間隔の後の第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、ベースライン温度データおよび追加の温度データを分類器に入力することと、分類器を使用して、ベースライン温度データと追加の温度データとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0355】
病気を自動的に検出するための別の装置が説明される。装置は、ユーザに関連する温度データをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、温度データは、第1の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、手段と、第1の時間間隔を通して収集された温度データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連するベースライン温度データを識別するための手段と、ユーザに関連する追加の温度データをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、追加の温度データは、第1の時間間隔の後の第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、手段と、ベースライン温度データおよび追加の温度データを分類器に入力するための手段と、分類器を使用して、ベースライン温度データと追加の温度データとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段と、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段であって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、手段とを含み得る。
【0356】
病気を自動的に検出するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、ユーザに関連する温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、温度データは、第1の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、受信することと、第1の時間間隔を通して収集された温度データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連するベースライン温度データを識別することと、ユーザに関連する追加の温度データをウェアラブルデバイスから受信することであって、追加の温度データは、第1の時間間隔の後の第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、ベースライン温度データおよび追加の温度データを分類器に入力することと、分類器を使用して、ベースライン温度データと追加の温度データとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0357】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連するベースライン温度データのベースライン周波数コンテンツを識別することと、追加の温度データの追加の周波数コンテンツを識別することと、ベースライン周波数コンテンツおよび追加の周波数コンテンツを分類器に入力することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、ベースライン周波数コンテンツおよび追加の周波数コンテンツに少なくとも部分的に基づき得る。
【0358】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔内の少なくとも第1の日についてのベースライン温度データ内の第1の高い日中温度範囲を識別し、第2の時間間隔内の少なくとも第2の日についての追加の温度データ内の第2の高い日中温度範囲を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、第1の高い日中温度範囲および第2の高い日中温度範囲は、それぞれ第1の日および第2の日内にユーザから収集された温度読取り値のパーセンタイル閾値以上であり得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の高い日中温度範囲、第2の高い日中温度範囲、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0359】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の高い日中温度範囲と第2の高い日中温度範囲との間の変化が温度変化閾値を超えることを識別するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0360】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔内の少なくとも第1の日についてのベースライン温度データ内の第1の低い日中温度範囲を識別し、第2の時間間隔内の少なくとも第2の日についての追加の温度データ内の第2の低い日中温度範囲を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、第1の低い日中温度範囲および第2の低い日中温度範囲は、それぞれ第1の日および第2の日内にユーザから収集された温度読取り値のパーセンタイル閾値以下であり得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の低い日中温度範囲、第2の低い日中温度範囲、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0361】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、第1の低い日中温度範囲と第2の低い日中温度範囲との間の変化が温度変化閾値を超えることを識別するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0362】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔内の各日について日中間隔内にウェアラブルデバイスによって収集されたベースライン温度データの第1のサブセットを識別し、第2の時間間隔内の各日について日中間隔内にウェアラブルデバイスによって収集された追加の温度データの第2のサブセットを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、温度データを分類器に入力することは、ベースライン温度データの第1のサブセットおよび追加の温度データの第2のサブセットを分類器に入力することを含む。
【0363】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連するロケーション情報、日の出-日の入りカレンダー、ユーザに関連する識別された就寝時刻、ユーザに関連する識別された覚醒時刻、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、日中間隔を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0364】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部について、ユーザに関連するロケーション情報を識別し、ロケーション情報を分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、分類器は、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するように構成され得る。
【0365】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの地理的位置に関連する周囲温度データを識別し、周囲温度データを分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、周囲温度データに少なくとも部分的に基づき得る。
【0366】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、気候データ、時期、または両方を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、周囲温度データを識別することは、気候データ、時期、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0367】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ロケーション情報を識別することは、ユーザデバイスからロケーション情報の指示を受信するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0368】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ロケーション情報は、ユーザの地理的位置、ユーザの緯度、または両方を含む。
【0369】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、分類器を使用して、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、追加の温度データに関連する1つまたは複数の予測重みを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づき得る。
【0370】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、分類器を使用して、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づいて追加の温度データを重み付けして、重み付けされた温度データを生成することと、ユーザに関連する追加の生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、追加の生理学的データは、第1の時間間隔および第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、追加の生理学的データを分類器に入力することとを行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、重み付けされた温度データ、追加の生理学的データ、またはそれらの組合せに少なくとも部分的に基づき得る。
【0371】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、第1の時間間隔を通して温度データを受信することは、第1の時間間隔の複数の日の各日を通して、温度収集周期性にしたがって、ユーザに関連する複数の温度読取り値を受信するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0372】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0373】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0374】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ユーザデバイスは、ユーザに関連するユーザデバイス、ユーザを含むユーザのグループに関連する管理者に関連するユーザデバイス、または両方を含む。
【0375】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、温度データおよび追加の温度データは、ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ得、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連するベースライン温度データを識別することと、複数のユーザの各ユーザのベースライン温度データを分類器に入力することと、分類器を使用して、それぞれの各ユーザのベースライン温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することと、管理者ユーザデバイスのGUIに、複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させることとを行うためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0376】
病気を自動的に検出するための方法が説明される。方法は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、受信された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別することと、身体活動データ、睡眠データ、または両方を分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集された身体活動データの第1のサブセット、睡眠データの第1のサブセット、または両方と、第2の時間間隔を通して収集された身体活動データのそれぞれの第2のサブセット、睡眠データのそれぞれの第2のサブセット、または両方との間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる確率に関連付けられる、表示させることとを含み得る。
【0377】
病気を自動的に検出するための装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、受信された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別することと、身体活動データ、睡眠データ、または両方を分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集された身体活動データの第1のサブセット、睡眠データの第1のサブセット、または両方と、第2の時間間隔を通して収集された身体活動データのそれぞれの第2のサブセット、睡眠データのそれぞれの第2のサブセット、または両方との間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる確率に関連付けられる、表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0378】
病気を自動的に検出するための別の装置が説明される。装置は、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、手段と、受信された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別するための手段と、身体活動データ、睡眠データ、または両方を分類器に入力するための手段と、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集された身体活動データの第1のサブセット、睡眠データの第1のサブセット、または両方と、第2の時間間隔を通して収集された身体活動データのそれぞれの第2のサブセット、睡眠データのそれぞれの第2のサブセット、または両方との間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段と、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段であって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる確率に関連付けられる、手段とを含み得る。
【0379】
病気を自動的に検出するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集される、受信することと、受信された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部および第2の時間間隔の少なくとも一部を通してユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別することと、身体活動データ、睡眠データ、または両方を分類器に入力することと、分類器を使用して、第1の時間間隔を通して収集された身体活動データの第1のサブセット、睡眠データの第1のサブセット、または両方と、第2の時間間隔を通して収集された身体活動データのそれぞれの第2のサブセット、睡眠データのそれぞれの第2のサブセット、または両方との間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる確率に関連付けられる、表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0380】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、身体活動データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のユーザに関連する身体活動の減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のユーザに関連するエネルギー消費の減少、または両方を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、身体活動の減少、エネルギー消費の減少、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0381】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、身体活動データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のユーザに関連する身体活動の持続時間の減少、第1の時間間隔と第2の時間間隔との間のユーザに関連する身体活動の一貫性の減少、または両方を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、身体活動の持続時間の減少、身体活動の一貫性の減少、または両方に少なくとも部分的に基づき得る。
【0382】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する追加の生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、追加の生理学的データは、第1の時間間隔の少なくとも一部に先行する第3の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、追加の生理学的データに少なくとも部分的に基づいてユーザに関連するユーザアクティブネスメトリックを識別し、ユーザアクティブネスメトリックに基づいて身体活動データ、睡眠データ、または両方に関連する1つまたは複数の予測重みを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づき得る。
【0383】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザの活動パターン、ユーザの睡眠パターン、または両方に関連するパターン調整モデルを識別し、パターン調整モデルを分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、パターン調整モデルに少なくとも部分的に基づき得る。
【0384】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、パターン調整モデルは、週次パターン調整モデル、季節パターン調整モデル、年次パターン調整モデル、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0385】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、パターン調整モデルを識別することは、ユーザに関連する追加の生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、追加の生理学的データは、第1の時間間隔の少なくとも一部に先行する第3の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、追加の生理学的データに少なくとも部分的に基づいてパターン調整モデルを生成するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0386】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、それぞれ活動パターンおよび睡眠パターンに基づいて、身体活動データ、睡眠データ、または両方に関連する1つまたは複数の予測重みを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づき得る。
【0387】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1の時間間隔の間に収集された睡眠データの第1の部分と第2の時間間隔の間に収集された睡眠データの第2の部分との間の1つまたは複数の変化が1つまたは複数の閾値を満たすことを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、1つまたは複数の変化に少なくとも部分的に基づき得る。
【0388】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の変化は、ユーザの就寝時刻の変化、ユーザの覚醒時刻の変化、ユーザの睡眠持続時間の変化、ユーザの睡眠潜時の変化、ユーザの就寝時刻の一貫性の変化、ユーザの覚醒時刻の一貫性の変化、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0389】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連するアドヒアランスデータを識別し、ここで、アドヒアランスデータは、ユーザがウェアラブルデバイスを着用する頻度に関連付けられ、アドヒアランスデータの変化を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別すること、ユーザデバイスのGUIに、病気リスクメトリックを表示させること、または両方は、アドヒアランスデータの変化を識別することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0390】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0391】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0392】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ユーザデバイスは、ユーザに関連するユーザデバイス、ユーザを含むユーザのグループに関連する管理者に関連するユーザデバイス、または両方を含む。
【0393】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは、ユーザを含む複数のユーザに関連付けられ得、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、受信された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別し、複数のユーザの各ユーザの身体活動データ、睡眠データ、または両方を分類器に入力し、分類器を使用して、複数のユーザの各ユーザの身体活動データ、睡眠データ、または両方に少なくとも部分的に基づいて、複数のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別し、管理者ユーザデバイスのGUIに、複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させるためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0394】
病気を自動的に検出するための方法が説明される。方法は、ユーザの月経周期に関連する月経周期モデルを識別することと、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集された温度データを少なくとも含む、受信することと、生理学的データおよび月経周期モデルを分類器に入力することと、分類器を使用して、月経周期モデルに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔を通して収集された温度データの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集された温度データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを含み得る。
【0395】
病気を自動的に検出するための装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ユーザの月経周期に関連する月経周期モデルを識別することと、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集された温度データを少なくとも含む、受信することと、生理学的データおよび月経周期モデルを分類器に入力することと、分類器を使用して、月経周期モデルに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔を通して収集された温度データの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集された温度データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0396】
病気を自動的に検出するための別の装置が説明される。装置は、ユーザの月経周期に関連する月経周期モデルを識別するための手段と、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集された温度データを少なくとも含む、手段と、生理学的データおよび月経周期モデルを分類器に入力するための手段と、分類器を使用して、月経周期モデルに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔を通して収集された温度データの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集された温度データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するための手段と、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させるための手段であって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、手段とを含み得る。
【0397】
病気を自動的に検出するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、ユーザの月経周期に関連する月経周期モデルを識別することと、ユーザに関連する生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは、第1の時間間隔および第1の時間間隔に続く第2の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集された温度データを少なくとも含む、受信することと、生理学的データおよび月経周期モデルを分類器に入力することと、分類器を使用して、月経周期モデルに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間間隔を通して収集された温度データの第1のサブセットと第2の時間間隔を通して収集された温度データの第2のサブセットとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することと、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連する病気リスクメトリックを表示させることであって、病気リスクメトリックは、ユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0398】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスを介して、月経周期の月経期の開始、月経周期の月経期の終了、月経周期の排卵期、またはそれらの任意の組合せに関連する1つまたは複数のユーザ入力を受信し、1つまたは複数のユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて月経周期モデルを生成するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0399】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関連する追加の生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し、ここで、追加の生理学的データは、第1の時間間隔の少なくとも一部に先行する第3の時間間隔を通してウェアラブルデバイスを介して収集され、追加の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの月経周期に関連する1つまたは複数の特性を識別し、1つまたは複数の識別された特性に少なくとも部分的に基づいて月経周期モデルを生成するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0400】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスのGUIに、1つまたは複数の特性を識別することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの月経周期に関連するプロンプトを表示させ、ユーザデバイスを介して、プロンプトに応答して1つまたは複数のユーザ入力を受信するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、月経周期モデルを生成することは、1つまたは複数のユーザ入力に少なくとも部分的に基づき得る。
【0401】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の特性は、月経周期の月経期の開始、月経周期の月経期の終了、月経周期の排卵期、月経周期全体を通した温度読取り値、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0402】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、月経周期に関連する1つまたは複数の特性を識別することは、追加の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、温度閾値を満たす複数の温度読取り値を識別するための動作、特徴、手段、または命令を含み得、複数の温度読取り値の各温度読取り値は、月経周期の月経期、月経周期の黄体期、月経周期の卵胞期、またはそれらの任意の組合せに対応する。
【0403】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、月経周期に関連する月経周期持続時間閾値を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、月経周期持続時間閾値は、先行する月経期に対する月経期の推定タイミング、先行する黄体期に対する黄体期の推定タイミング、先行する卵胞期に対する卵胞期の推定タイミング、またはそれらの任意の組合せに関連付けられ、複数の月経期の各月経期は、月経周期持続時間閾値に少なくとも部分的に基づいて識別され得る。
【0404】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、分類器を使用して、月経周期モデルに少なくとも部分的に基づいて温度データに関連する1つまたは複数の予測重みを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の予測重みは、病気を検出するための相対的な予測精度に関連付けられ、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づき得る。
【0405】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、分類器を使用して、1つまたは複数の予測重みに少なくとも部分的に基づいて温度データを重み付けして、重み付けされた温度データを生成するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の偏差基準の充足を識別することは、重み付けされた温度データに少なくとも部分的に基づき得る。
【0406】
自動病気検出のための方法が説明される。方法は、1人以上のユーザに関連する生理学的データを受信することであって、生理学的データは、1人以上のユーザのそれぞれに関連する1つまたは複数のウェアラブルデバイスを介して連続的に収集される、受信することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データを、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのそれぞれのウェアラブルデバイスを介してそれぞれの各ユーザから連続的に収集される生理学的データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて識別することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットを分類器に入力することと、分類器を使用して、それぞれの各ユーザに関連するベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、1人以上のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することと、管理者ユーザデバイスのGUIに、1人以上のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させることであって、少なくとも1つの病気リスクメトリックは、少なくとも1人のユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを含む。
【0407】
自動病気検出のための装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、1人以上のユーザに関連する生理学的データを受信することであって、生理学的データは、1人以上のユーザのそれぞれに関連する1つまたは複数のウェアラブルデバイスを介して連続的に収集される、受信することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データを、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのそれぞれのウェアラブルデバイスを介してそれぞれの各ユーザから連続的に収集される生理学的データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて識別することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットを分類器に入力することと、分類器を使用して、それぞれの各ユーザに関連するベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、1人以上のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することと、管理者ユーザデバイスのGUIに、1人以上のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させることであって、少なくとも1つの病気リスクメトリックは、少なくとも1人のユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0408】
自動病気検出のための別の装置が説明される。装置は、1人以上のユーザに関連する生理学的データを受信するための手段であって、生理学的データは、1人以上のユーザのそれぞれに関連する1つまたは複数のウェアラブルデバイスを介して連続的に収集される、手段と、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データを、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのそれぞれのウェアラブルデバイスを介してそれぞれの各ユーザから連続的に収集される生理学的データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて識別するための手段と、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットを分類器に入力するための手段と、分類器を使用して、それぞれの各ユーザに関連するベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、1人以上のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別するための手段と、管理者ユーザデバイスのGUIに、1人以上のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させるための手段であって、少なくとも1つの病気リスクメトリックは、少なくとも1人のユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、手段とを含み得る。
【0409】
自動病気検出のためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、1人以上のユーザに関連する生理学的データを受信することであって、生理学的データは、1人以上のユーザのそれぞれに関連する1つまたは複数のウェアラブルデバイスを介して連続的に収集される、受信することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データを、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのそれぞれのウェアラブルデバイスを介してそれぞれの各ユーザから連続的に収集される生理学的データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて識別することと、1人以上のユーザの各ユーザのベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットを分類器に入力することと、分類器を使用して、それぞれの各ユーザに関連するベースライン生理学的データおよび生理学的データの第2のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、1人以上のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することと、管理者ユーザデバイスのGUIに、1人以上のユーザのうちの少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させることであって、少なくとも1つの病気リスクメトリックは、少なくとも1人のユーザが健康状態から不健康状態に遷移することとなる相対的確率に関連付けられる、表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0410】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、管理者ユーザデバイスのGUIに、1人以上のユーザに関連する1つまたは複数の病気リスクメトリックを表示させるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の病気リスクメトリックの順序は、1つまたは複数の病気リスクメトリックの比較に少なくとも部分的に基づき得る。
【0411】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、少なくとも1人のユーザに関連するユーザデバイスのGUIに、少なくとも1つの病気リスクメトリックに少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の通知を表示させるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0412】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の通知は、医師の予約をスケジュールするようにとの勧告、家に留まるようにとの勧告、休息もしくは水分補給によって潜在的な病気に備えるようにとの勧告、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0413】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1人以上のユーザの各ユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することは、第1のユーザに関連する生理学的データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、1人以上のユーザの第1のユーザに関連する第1の病気リスクメトリックを識別し、第1の病気リスクメトリックに少なくとも部分的に基づいて、および第1のユーザと第2のユーザとの間の潜在的な接触に少なくとも部分的に基づいて、第2のユーザに関連する第2の病気リスクメトリックを選択的に修正するための動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0414】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、少なくとも1人のユーザに関連するユーザデバイスのGUIに、少なくとも1つの病気リスクメトリックに対する1つまたは複数の寄与因子を示す通知を表示させるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0415】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、管理者ユーザデバイスを介して病気リスクメトリックに関連する1つまたは複数のユーザ入力を受信するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、病気リスクメトリックを識別すること、管理者ユーザデバイスに少なくとも1つの病気リスクメトリックを表示させること、または両方は、1つまたは複数のユーザ入力に少なくとも部分的に基づき得る。
【0416】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数のユーザ入力は、病気リスクメトリックを識別するための第1の閾値、病気リスクメトリックを管理者ユーザデバイスに報告するための第2の閾値、または両方を含む。
【0417】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、管理者ユーザデバイスは、1人以上のユーザに関連する組織の管理者、1人以上のユーザに関連する医療専門家、1人以上のユーザに関連する雇用主、1人以上のユーザに関連するマネージャ、1人以上のユーザに関連するコーチ、またはそれらの任意の組合せに関連付けられ得る。
【0418】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは、少なくとも1人のユーザのHRVデータを含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、ベースラインHRVデータと、参照時間間隔に続く第2の時間間隔を通して収集されたHRVデータの第2のサブセットとを分類器に入力し、分類器を使用して、HRVデータの第2のサブセットとベースラインHRVデータとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得、少なくとも1人のユーザの病気リスクメトリックを識別することは、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づき得る。
【0419】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは、少なくとも1人のユーザの温度データを含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、ベースライン温度データと、参照時間間隔の後の第2の時間間隔を通して収集された温度データの第2のサブセットとを分類器に入力し、分類器を使用して、温度データの第2のサブセットとベースライン温度データとの間の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得、少なくとも1人のユーザに関連する病気リスクメトリックを識別することは、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づき得る。
【0420】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1人のユーザに関連する身体活動データ、睡眠データ、または両方を識別し、それぞれ、参照時間間隔を通して収集された身体活動データの第1のサブセットおよび参照時間間隔を通して収集された睡眠データの第1のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1人のユーザのベースライン身体活動データ、少なくとも1人のユーザのベースライン睡眠データ、または両方を識別し、ベースライン身体活動データ、ベースライン睡眠データ、または両方を分類器に入力し、参照時間間隔に続く第2の時間間隔を通して収集された身体活動データの第2のサブセット、第2の時間間隔を通して収集された睡眠データの第2のサブセット、または両方を分類器に入力し、分類器を使用して、ベースライン身体活動データと身体活動データの第2のサブセットとの間、ベースライン睡眠データと睡眠データの第2のサブセットとの間、または両方の1つまたは複数の偏差基準の充足を識別し、分類器を使用して、1つまたは複数の偏差基準の充足に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1人のユーザの病気リスクメトリックを識別するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0421】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1人のユーザの月経周期に関連する月経周期モデルを識別し、月経周期モデルを分類器に入力し、分類器を使用して、月経周期モデルおよび生理学的データの第2のサブセットに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1人のユーザに関連する少なくとも1つの病気リスクメトリックを識別するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0422】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのうちの少なくとも1つのウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0423】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数のウェアラブルデバイスのうちの少なくとも1つのウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてそれぞれのユーザから生理学的データを収集する。
【0424】
添付の図面に関して本明細書に記載された説明は、例示的な構成について説明しており、実装され得るまたは特許請求の範囲内にあるすべての例を表すとは限らない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として機能すること」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、説明された技法の理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践され得る。いくつかの事例では、説明される例の概念を不明瞭にしないために、周知の構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0425】
添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、同様の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0426】
本明細書で説明される情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0427】
本明細書の開示に関連して説明された様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0428】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質により、上記で説明した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのいずれかの組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、様々な位置に物理的に位置してもよく、これには、機能の部分が異なる物理的ロケーションで実装されるように分散されることが含まれる。また、特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、項目のリスト(例えば、「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つまたは複数」などの語句が前に付く項目のリスト)で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つのリストが、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用される場合、「~に基づく」という語句は、条件の閉じたセットへの言及として解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づいて」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づき得る。言い換えると、本明細書で使用される場合、「~に基づいて」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づいて」という語句と同様に解釈されるものとする。
【0429】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と非一時的コンピュータ記憶媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送もしくは記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の非一時的媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、diskは、通常、データを磁気的に再生し、discは、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0430】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される例および設計に限定されず、本明細書で開示した原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】