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特表2023-548679発光モジュール、それを製造する方法およびそれを含むディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-20
(54)【発明の名称】発光モジュール、それを製造する方法およびそれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20231113BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231113BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20231113BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20231113BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20231113BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20231113BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
H01L33/62
H01L33/54
H01L33/58
H01L33/00 L
G09F9/30 349C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523632
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 KR2021016539
(87)【国際公開番号】W WO2022103200
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/112,778
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/247,762
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/524,607
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】97-11, Sandan-ro 163 beon-gil, Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒュン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・シク・ホン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA07
5C094AA31
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA13
5C094FA02
5F142AA03
5F142AA12
5F142AA26
5F142AA51
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB14
5F142CB18
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG03
5F142CG05
5F142CG26
5F142CG32
5F142DB16
5F142DB17
5F142DB30
5F142DB54
5F142EA02
5F142EA34
5F142FA14
5F142FA18
5F142GA02
5G435AA03
5G435AA14
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
本開示の一実施例にかかる発光モジュールは、回路基板、前記回路基板上に配列された複数のユニットピクセル、および前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を含む。前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む。さらに、アンチグレア層が前記モールディング部上に配置され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板;
前記回路基板上に配列された複数のユニットピクセル;
前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部;および
前記モールディング部上に配置されたアンチグレア層を含み、
前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む、発光モジュール。
【請求項2】
前記第1モールディング層は、黒色モールディング層を含み、
前記第2モールディング層は、透明モールディング層を含む、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセルのそれぞれの側面および上面を覆い、
前記第2モールディング層は、前記第1モールディング層上部に配置される、請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセルの側面を少なくとも部分的に覆い、
前記第2モールディング層は、前記第1モールディング層を覆い、
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセル間の領域で凹んだ形状を有する、請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記第2モールディング層の一部は、ユニットピクセル間の領域内に位置する、請求項4に記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセルの上面を覆い、
前記ユニットピクセル上に位置する第1モールディング層は、盛り上がった形状を有する、請求項4に記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記第2モールディング層の上面プロファイルは、前記回路基板のプロファイルと同一である、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記回路基板の上面は非平面であり、
前記第1モールディング層および第2モールディング層は、それぞれ平らな上面を有する、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項9】
前記モールディング部と前記アンチグレア層との間に配置された反射防止層をさらに含む、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記モールディング部と前記アンチグレア層との間に配置された硬度強化層をさらに含む、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項11】
回路基板上に複数のユニットピクセルを実装し、
前記回路基板上に前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を形成し、
前記モールディング部上にアンチグレア層を形成することを含み、
前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む、発光モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記アンチグレア層、前記モールディング部、および前記回路基板の端部をカットすることをさらに含む、請求項11に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記モールディング部の形成は、
第1モールディング液を塗布し、仮硬化して、仮硬化された第1モールディング層を形成し、
前記仮硬化された第1モールディング層上にプレートを配置して前記仮硬化された第1モールディング層に圧力を加え、
前記プレートを前記仮硬化された第1モールディング層から取り除き、
前記仮硬化された第1モールディング層上に第2モールディング液を塗布し、仮硬化して、仮硬化された第2モールディング層を形成し、
前記仮硬化された第2モールディング層上にプレートを配置して前記仮硬化された第2モールディング層に圧力を加え、
前記第1モールディング層および前記第2モールディング層を紫外線で硬化させることを含む、請求項12に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項14】
前記第1モールディング液は、前記回路基板の中央部に塗布された第1部分、および前記第1部分から前記回路基板の角部に延びる第2部分を有するように塗布される、請求項13に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項15】
前記第2部分の端点は、それぞれ前記回路基板の角部から離隔されている、請求項14に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記モールディング部の形成は、
前記回路基板上にインクジェット技術を用いて第1モールディング液を噴射して第1モールディング層を形成し、
前記第1モールディング層上に第2モールディング液を噴射して第2モールディング層を形成することを含む、請求項11に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記第1モールディング層は、黒色モールディング層で形成され、
前記第2モールディング層は、透明モールディング層で形成される、請求項11に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記アンチグレア層を形成する前に、前記モールディング部上に反射防止層を形成することをさらに含む、請求項11に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項19】
前記アンチグレア層を形成する前に、硬度強化層を形成することをさらに含む、請求項11に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項20】
パネル基板;および
前記パネル基板上に配列された複数の発光モジュールを含み、
前記発光モジュールは、それぞれ、
回路基板;
前記回路基板上に配列された複数のユニットピクセル;
前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部;および
前記モールディング部上に配置されたアンチグレア層を含み、
前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュール、それを製造する方法およびそれを含むディスプレイ装置に関するものであり、より詳しくは、複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を含む発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、無機光源である発光ダイオードを用いた半導体素子として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を急速に置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されていたが、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを具現するディスプレイ装置が開発されている。このようなディスプレイは、マイクロLEDディスプレイともよばれている。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般に、青色、緑色および赤色の混合色を用いて多様な色を具現する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを具現するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを備える。これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが具現される。
【0005】
マイクロLEDディスプレイの場合、各サブピクセルに対応してマイクロLEDが平面上に配列され、一つの基板上に非常に多くの個数のマイクロLEDが実装される。ところが、マイクロLEDは、200μm以下、さらには100μm以下と非常に小さいため、回路基板への転写が困難である。また、小さい発光ダイオードを回路基板に実装した後、光学的歪みや輝度を損失せずに発光ダイオードを物理的に保護することも困難である。さらに、発光ダイオードを保護すると共に、ディスプレイ装置の画質の向上を図ることができる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、回路基板によって招かれ得る色感差を緩和し、輝度の損失を最小化できるように改善された構造を有する発光モジュール、およびそれを製造する方法を提供するものである。
【0007】
本発明が解決しようとするまた別の課題は、耐久性を強化できる発光モジュール、およびそれを製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例にかかる発光モジュールは、回路基板、前記回路基板上に配列された複数のユニットピクセル、前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を含む。前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む。さらに、前記発光モジュールは、前記モールディング部上に配置されたアンチグレア層を含み得る。
【0009】
一実施例において、前記第1モールディング層は黒色モールディング層を含み得、前記第2モールディング層は透明モールディング層を含み得る。別の実施例において、前記第1モールディング層は透明モールディング層を含み得、前記第2モールディング層は黒色モールディング層を含み得る。
【0010】
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセルのそれぞれの側面および上面を覆うことができ、前記第2モールディング層は前記第1モールディング層上部に配置され得る。
【0011】
前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセルの側面を少なくとも部分的に覆うことができ、前記第2モールディング層は、前記第1モールディング層を覆うことができる。さらに、前記第1モールディング層は、前記ユニットピクセル間の領域で凹んだ形状を有し得る。
【0012】
さらに、前記第2モールディング層の一部は、ユニットピクセル間の領域内に位置し得る。
【0013】
一実施例において、前記第1モールディング層は前記ユニットピクセルの上面を覆うことができ、前記ユニットピクセル上に位置する第1モールディング層は盛り上がった形状を有し得る。
【0014】
一実施例において、前記第2モールディング層の上面プロファイルは、前記回路基板のプロファイルと関係なく実質的に平らになり得る。別の実施例において、前記第2モールディング層の上面プロファイルは前記回路基板のプロファイルと実質的に同一になり得る。
【0015】
一実施例において、前記回路基板の上面は非平面になり得、前記第1モールディング層および第2モールディング層は、それぞれ平らな上面を有し得る。
【0016】
前記発光モジュールは、前記モールディング部と前記アンチグレア層間に配置された反射防止層をさらに含み得る。
【0017】
前記発光モジュールは、前記モールディング部と前記アンチグレア層間に配置された硬度強化層をさらに含み得る。
【0018】
本開示の一実施例にかかる発光モジュールの製造方法は、回路基板上に複数のユニットピクセルを実装し、前記回路基板上に前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を形成することを含む。前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含む。さらに、前記モールディング部上にアンチグレア層が形成され得る。
【0019】
前記の発光モジュールの製造方法は、前記アンチグレア層、前記モールディング部、および前記回路基板の端部をカットすることをさらに含むことができる。
【0020】
一実施例において、前記モールディング部の形成は、第1モールディング液を塗布し、仮硬化して、仮硬化された第1モールディング層を形成し、前記の仮硬化された第1モールディング層上にプレートを配置して前記の仮硬化された第1モールディング層に圧力を加え、前記プレートを前記の仮硬化された第1モールディング層から取り除き、前記の仮硬化された第1モールディング層上に第2モールディング液を塗布し、仮硬化して、仮硬化された第2モールディング層を形成し、前記の仮硬化された第2モールディング層上にプレートを配置して前記の仮硬化された第2モールディング層に圧力を加え、前記第1モールディング層および前記第2モールディング層を紫外線で硬化させることを含み得る。
【0021】
前記第1モールディング液は、前記回路基板の中央部に塗布された第1部分、および前記第1部分から前記回路基板の角部に延びる第2部分を有するように塗布することができる。
【0022】
また、前記第2モールディング液は、前記回路基板の中央部に塗布された第1部分、および前記第1部分から前記回路基板の角部に延びる第2部分を有するように塗布することができる。
【0023】
前記第2部分の端点は、それぞれ前記回路基板の角部から離隔され得る。
【0024】
別の実施例において、前記モールディング部の形成は、前記回路基板上にインクジェット技術を用いて第1モールディング液を噴射して第1モールディング層を形成し、前記第1モールディング層上に第2モールディング液を噴射して第2モールディング層を形成することを含み得る。
【0025】
一実施例において、前記第1モールディング層は、黒色モールディング層で形成することができ、前記第2モールディング層は透明モールディング層で形成され得る。別の実施例において、前記第1モールディング層は透明モールディング層で形成することができ、前記第2モールディング層は黒色モールディング層で形成することができる。
【0026】
前記の発光モジュールの製造方法は、前記アンチグレア層を形成する前に、前記モールディング部上に反射防止層を形成することをさらに含むことができる。
【0027】
前記の発光モジュールの製造方法は、前記アンチグレア層を形成する前に、硬度強化層を形成することをさらに含み得る。
【0028】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、パネル基板および前記パネル基板上に配列された複数の発光モジュールを含む。前記発光モジュールは、それぞれ、回路基板、前記回路基板上に配列された複数のユニットピクセル、および前記の複数のユニットピクセルを覆うモールディング部を含む。前記モールディング部は、前記ユニットピクセルの各々を少なくとも部分的に覆う第1モールディング層、および前記第1モールディング層を覆う第2モールディング層を含み得る。さらに、前記発光モジュールは、それぞれ前記モールディング部上に配置されたアンチグレア層を含み得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施例によると、複数のユニットピクセルを覆うように、黒色モールディング層と透明モールディング層を含むモールディング部を回路基板上に配置して色感差を改善し、輝度の損失を最小化する発光モジュールを提供することができる。
【0030】
また、本発明の別の実施例によると、複数のユニットピクセルを覆うモールディング部上に硬度強化層を配置して表面硬度が向上された発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aは、一実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な平面図である。
図1B図1Bは、図1Aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図2A図2Aは、一実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な平面図である。
図2B図2Bは、図2Aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図3A図3Aは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
図3B図3Bは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
図4図4は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
図5図5は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
図6図6は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
図7図7A~7Gは、一実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図8図8は、一実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な平面図である。
図9図9A~9Hは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図10図10A~10Hは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図11図11は、発光モジュールの製造工程で生成され得るモールディング部の側面形状を説明するための概略的な断面図である。
図12図12A図12Eは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
図13図13A図13B、および図13Cは、本開示の多様なユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本発明の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本発明は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態に具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照符号は同じ構成要素を表す。
【0033】
図1Aは一実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な平面図であり、図1B図1Aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0034】
図1Aおよび図1Bを参照すると、ディスプレイ装置1000は、パネル基板200および複数の発光モジュール100を含み得る。それぞれの発光モジュール100は、複数のユニットピクセル10を含み得る。
【0035】
ディスプレイ装置1000は、特に限定されるのではないが、マイクロLED TV、スマートウォッチ、VRヘッドセットのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡のようなARディスプレイ装置を含むことができる。
【0036】
前記パネル基板200は、PI(Polyimide:ポリイミド)、FR4、ガラス(glass)等の材質で形成することができ、受動マトリックス駆動または能動マトリックス駆動のための回路を含み得る。一実施例において、前記パネル基板200は、内部に配線および抵抗を含み得る。別の実施例において、前記パネル基板200は、配線、トランジスタおよびキャパシタ等を含み得る。また、前記パネル基板200は、回路に電気的に接続できるパッドを上面に有し得る。
【0037】
複数の発光モジュール100がパネル基板200上に整列し得る。発光モジュール100は、互いに間隔を置いて配置することもでき、互いに密着するように配置することもできる。発光モジュール100間の間隔は、後述するユニットピクセル10間の間隔を考慮して設定することができる。例えば、隣接する発光モジュール100内にそれぞれ配置された二つの隣接したユニットピクセル10間の間隔は、一つの発光モジュール100内のユニットピクセル10間の間隔と実質的に同一になり得る。しかし、本開示が必ずしもこれに限定されるのではない。発光モジュール100については、図2Aおよび図2Bを参照して詳しく説明する。
【0038】
図2Aは本発明の一実施例にかかる一つの発光モジュール100を図示した平面図であり、図2B図2Aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0039】
図2Aおよび図2Bを参照すると、一実施例にかかる発光モジュール100は、回路基板101、複数のユニットピクセル10、モールディング部103、およびアンチグレア層109を含み得る。前記モールディング部103は、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bを含み得る。
【0040】
前記回路基板101は、前記パネル基板200と前記の複数のユニットピクセル10を電気的に連結するための回路を有し得る。前記回路基板101内の回路は、多層構造に形成することができる。また、前記回路基板101は、前記の複数のユニットピクセル10を受動マトリックス駆動方式で駆動するための受動回路または能動マトリックス駆動方式で駆動するための能動回路を含むこともできる。前記回路基板101は表面に露出したパッドを有し得、前記の複数のユニットピクセル10は、ボンディング材を通じて前記回路基板101のパッドにボンディングすることができる。また、前記回路基板101はディスプレイ装置に適した黒色回路基板101になり得る。
【0041】
前記の複数のユニットピクセル10は、前記回路基板101上に配列される。前記の複数のユニットピクセル10は、それぞれ赤色光、緑色光、青色光を放出する複数の発光素子を含み得る。発光素子は、それぞれサブピクセルに対応できる。一実施例において、前記ユニットピクセル10は、互いに同一平面に配列された少なくとも3つの発光素子を含み得る。一例として、図13Aに示したように、ユニットピクセル10aは、透明基板11上に互いに離隔されて配置された少なくとも3つの発光素子13a,13b,13cを含み得、透明基板11を通じて光を放出できるように、前記透明基板11と一緒に発光素子13a,13b,13cが回路基板101上に配置され得る。また別の例において、図13Bに示したように、前記の複数のユニットピクセル10bは、それぞれ互いに離隔された少なくとも3つの発光素子13a,13b,13cを含み得る。ユニットピクセル10cは、上で説明した透明基板11を用いず回路基板101上に配列された発光素子13a,13b,13cを含み得る。つまり、回路基板101上に互いに隣接して配置された少なくとも3つの発光素子13a,13b,13cが一つのユニットピクセル10を構成し得る。
【0042】
別の実施例において、前記の複数のユニットピクセル10cは、それぞれ垂直方向に積層された第1LED積層23a、第2LED積層23b、および第3LED積層23cを含み得る。第1LED積層23a、第2LED積層23b、および第3LED積層23cがそれぞれサブピクセルを構成することができる。図13Cに示したように、ユニットピクセル10cは、透明基板21上に垂直に積層された第1、第2、および第3LED積層23a,23b,23cを含み得る。第1,第2,および第3LED積層23a,23b,23cは、透明基板21を通じて光を放出できるように透明基板21と一緒に、回路基板101上に配置することができる。
【0043】
前記の複数のユニットピクセル10は、前記回路基板101上にマトリックス形態で配列できる。前記の複数のユニットピクセル10は、図2Aに示したように、4x4に配列できるが、これに限定されるのではなく、2x2、3x3、5x5等、多様な行列(nxm,n=1,2,3,4,・・,m=1,2,3,4,・・)で配列することができる。
【0044】
前記モールディング部103は、複数個のモールディング層103a,103bを含むことができ、前記の複数個のモールディング層103a,103bの数は制限されない。前記の複数個のモールディング層103a,103bは、互いに異なる色を有することができ、少なくとも2種の物質で構成することができる。
【0045】
前記第1モールディング層103aは、前記の複数のユニットピクセル10を覆うように前記回路基板101上に配置することができる。具体的に、前記第1モールディング層103aは、前記回路基板101の表面に接することができ、前記の複数のユニットピクセル10の下面、側面および上面を覆うことができる。前記第1モールディング層103aは、平らな上面を有することができる。一実施例において、回路基板101は反ったりねじれたりする場合があり、これにより、その表面が平らではなくなり得る。この場合も、第1モールディング層103aは、回路基板101の平坦度に影響を受けず、平らな上面を有し得る。言い換えると、第1モールディング層103aは、回路基板101の上面の歪みを吸収して平らな上面を提供する。よって、第1モールディング層103aは、局部的に厚い部分と薄い部分を含み得、第1モールディング層103aの上面プロファイルは、回路基板101の上面プロファイルと異なり得る。
【0046】
前記第2モールディング層103bは、前記第1モールディング層103aの上面を覆うことができ、平らな上面を有し得る。第2モールディング層103bは、大体均一な厚みを有し得る。第1モールディング層103aと第2モールディング層103bの側面は、互いに並び得、これら側面はまた、基板101の側面と並び得る。
【0047】
前記第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bを含むモールディング部103は、紫外線硬化樹脂を用いて形成することができる。紫外線硬化樹脂を用いることにより、熱硬化樹脂に比べてモールディング部103の硬度を増やすことができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、熱硬化樹脂を用いてモールディング部103を形成することもできる。
【0048】
前記モールディング部103の材料は、アクリル系、シリコン系、またはウレタン系樹脂を含み得る。前記モールディング部103の材料は、光吸収剤または染料をさらに含むことができる。前記モールディング部103の材料は、透明でもよく、黒色、白色および灰色でもよい。
【0049】
一実施例において、前記第1モールディング層103aは、黒色モールディング層で形成することができる。前記黒色モールディング層は、前記回路基板101による色感差を改善して抽出される光の均一度を向上させることができる。また、前記第1モールディング層103aが前記の複数のユニットピクセル10を覆っているため、ユニットピクセル10の側面に抽出される光を遮断させることができ、これにより、左右の視野角が減少し、隣接するユニットピクセル間の境界線が観察されることを防ぐことができる。
【0050】
一方、前記第2モールディング層103bは、透明モールディング層で形成され得る。前記透明モールディング層は、ディスプレイ装置1000の光学的な歪みを無くして視覚的イメージを向上させることができる。また、前記黒色モールディング層と前記透明モールディング層を一緒に配置して前記回路基板101による色感差の緩和に加え、前記黒色モールディング層のみを配置する場合よりも輝度を向上させることができる。
【0051】
本実施例において、第1モールディング層103aが黒色モールディング層で形成され、第2モールディング層103bが透明モールディング層で形成されたことを説明するが、本開示はこれに限定されるのではない。別の実施例において、前記第1モールディング層103aが透明モールディング層で形成され、前記第2モールディング層103bが黒色モールディング層で形成されてもよい。均一な厚みを有する第2モールディング層103bを黒色モールディング層で形成することにより、回路基板101による色感差を改善するだけでなく、発光モジュール100内の位置による輝度均一性を改善することができる。
【0052】
本実施例において、前記第1モールディング層103aは、複数のユニットピクセル10の上面を覆うことができる。ユニットピクセル10の上面に位置する第1モールディング層103aの厚みは、ユニットピクセル10間の幅よりも小さくなり得る。
【0053】
アンチグレア層109は、前記モールディング部103上に配置することができる。前記アンチグレア層109は、シリカ、メラミンおよびアクリル等の微粒子を硬化樹脂と混合して光を散乱させることにより、グレアリングを防止することができる。アンチグレア層109は、高い透過率を保ち、発光モジュール100表面の明瞭性および柔らかさを改善することができる。アンチグレア層109は、アクリル系、シリコン系およびウレタン系等の高分子と一緒に、シリカ、メラミンおよびアクリル等の微粒子を含むことができる。アンチグレア層109の厚み、微粒子の密度およびサイズ等を調節してグレア防止効果を調節することができる。
【0054】
本実施例において、各発光モジュール100はモールディング部103を含む。一方、前記モールディング部103に加え、前記パネル基板200上で前記発光モジュール100を覆う追加モールディング部を配置することができ、これにより、発光モジュールの境界線が観察されることを防ぐことができる。
【0055】
図3Aは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを示した概略的な断面図である。
【0056】
図3Aを参照すると、発光モジュールは回路基板101、複数のユニットピクセル10、第1モールディング層103a、第2モールディング層103b、およびアンチグレア層109を含む。ここで、回路基板101、複数のユニットピクセル10、およびアンチグレア層109は、図2Aおよび図2Bを参照して説明したものと類似するため、重複を避けるために詳しい説明は省略する。
【0057】
前記第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の下面と側面を覆うように配置することができる。ユニットピクセル10の上面には、第1モールディング層103aは配置されず、これにより、ユニットピクセルの輝度を増加させることができる。一方、前記第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10間で凹んだ表面を有し得る。前記第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10に接して側面を形成する。ユニットピクセル10の側面に位置する第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の下部に行くほどより厚い側壁を形成する。つまり、第1モールディング層103aは、回路基板101に近くなるほど水平方向の厚みが増加する。
【0058】
第2モールディング層103bは、前記第1モールディング層103aの凹んだ上面に沿って配置することができる。前記第2モールディング層103bは、第1モールディング層103aに比べてより多く形成することができ、第1モールディング層103aに比べてより平らな上面を有することができる。
【0059】
前記第1モールディング層103aは、黒色モールディング層で形成することができ、前記第2モールディング層103bは、透明モールディング層で形成することができる。これにより、第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の上部領域から側面方向に放出される光を遮断せず、単にユニットピクセル10の下部領域から側面に放出される光を遮断することができる。これにより、ユニットピクセル10間の光の干渉の発生を効率的に防ぎながら、ユニットピクセル10から放出される光の輝度および指向角を増加させることができる。
【0060】
しかし、本開示はこれに限定されるのではなく、前記第1モールディング層103aが透明モールディング層で形成され、前記第2モールディング層103bが黒色モールディング層で形成されてもよい。これにより、ユニットピクセル10の側面から放出される光を大部分遮断することができる。
【0061】
前記第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bは、回路基板101の位置に関係なく、ユニットピクセル10の側面および上面を同じ形状で覆うことができる。例えば、回路基板101が反ったり捻れてユニットピクセル10が互いに異なる高さに配置されても、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bは、それぞれのユニットピクセル10の側面および上面を実質的に同一に覆うことができる。つまり、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bは、回路基板101の非平面に沿って形成することができ、よって、第2モールディング層103bの上面は、回路基板101の上面と同じ形状に形成することができる。特に、第2モールディング層103bの上面プロファイルは、回路基板101の上面プロファイルと実質的に同一になり得る。
【0062】
図3Bは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
【0063】
図3Bを参照すると、本実施例にかかる発光モジュールは、図3Aを参照して説明した発光モジュールと大体類似しているが、第1モールディング層103aがユニットピクセル10の上面を覆うことに違いがある。つまり、第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の上面、側面、および下面を覆うことができる。但し、第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10間の領域で凹んだ表面を有することができ、ユニットピクセル10上で盛り上がった表面を有することができる。第2モールディング層103bは、第1モールディング層103aを覆い、第1モールディング層103bの上面に比べて平らな上面を有することができる。
【0064】
本実施例でも、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bは、図3Aを参照して説明したように、回路基板101の非平坦面に沿って形成することができる。よって、ユニットピクセル10上には実質的に同じ量の第1モールディング層103aが配置でき、第2モールディング層103bの上面は回路基板101の非平坦面に沿って回路基板101の上面と同じ形状に形成することができる。
【0065】
図4は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを示した概略的な断面図である。
【0066】
図4を参照すると、本実施例にかかる発光モジュールは、回路基板101、複数のユニットピクセル10、第1モールディング層103a、第2モールディング層103b、およびアンチグレア層109を含み得る。本実施例にかかる発光モジュールは、図2Aおよび図2Bを参照して上で説明した発光モジュールと大体類似するため、重複を避けるために以下では相違点について説明する。
【0067】
本実施例において、前記第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の下面および側面を囲って配置され得る。但し、前記第1モールディング層103aは、複数のユニットピクセル10の上面が露出するように前記回路基板101上に形成され得る。前記第1モールディング層103aは、平らな上面を有し得、第1モールディング層103aの上面は、ユニットピクセル10の上面と並び得る。第2モールディング層103bは、第1モールディング層103a上に配置され、ユニットピクセル10の上面に接し得る。
【0068】
前記第1モールディング層103aは、黒色モールディング層で形成することができ、前記第2モールディング層103bは、透明モールディング層で形成することができるが、これに限定されるのではなく、前記第1モールディング層103aが透明モールディング層で形成され、前記第2モールディング層103bが黒色モールディング層で形成されてもよい。
【0069】
図5は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを示した概略的な断面図である。
【0070】
図5を参照すると、本実施例にかかる発光モジュールは、図2Aおよび図2Bを参照して説明した発光モジュールと大体類似するが、第2モールディング層103bとアンチグレア層109間に反射防止層105をさらに含むことに違いがある。
【0071】
反射防止層105は、第2モールディング層103bの上面で発生する光の反射を防止して発光モジュールの輝度を向上させる。一実施例において、前記反射防止層105は、光学用接着素材を用いて前記第2モールディング層103b上に配置できる。前記光学用接着素材は、第2モールディング層103bを覆って第2モールディング層103bの表面での反射を防止する。前記光学用接着素材は、例えば、アクリル系、シリコン系、およびウレタン系等の成分を含むことができる。本発明の実施例によると、接着剤は、非定型の液状形態のOCR(optically clear resin:光学透明樹脂)であるが、これに限定されるのではなく、両面テープのようなフィルム形態のOCA(optically clear adhesive:光学透明粘着剤)でもよい。
【0072】
前記反射防止層105は、PET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)またはTAC(tri-acetyl cellulose:トリアセチルセルロース)等のような高分子物質を湿式コーティング法で塗布したAR(anti-reflector:反射防止)コーティングフィルムでもよい。また別の実施例において、前記反射防止層105は、屈折率が互いに異なる無機物層を配置して形成してもよい。例えば、ITO(Indium tin oxide:インジウムスズ酸化物)、SiO、SiON、Si、TiO、Ta等の酸化物層の少なくとも2つの層を第2モールディング層103b上に積層して反射防止層105を形成することもでき、酸化物層が積層されたコーティングフィルムを第2モールディング層103b上に付着して反射防止層105を形成することもできる。前記反射防止層105は、屈折率が互いに異なる二層以上の薄膜を積層して薄膜の界面で発生する光の干渉を利用することができる。各薄膜の境界面で反射する波長が互いに消滅干渉を起こすようにして反射防止層105の反射率を減少させ、透過度を高めることができ、これにより、ディスプレイ装置の輝度を増加させることができる。
【0073】
図6は、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールを示した概略的な断面図である。
【0074】
図6を参照すると、本実施例にかかる発光モジュールは、図2Aおよび図2Bを参照して説明した発光モジュールと大体類似するが、第2モールディング層103bとアンチグレア層109間に硬度強化層107をさらに含むことに違いがある。
【0075】
硬度強化層107は、第2モールディング層103b上に配置され得る。前記硬度強化層107は、光学用接着素材を用いて前記第2モールディング層103b上に配置できる。
【0076】
前記硬度強化層107は、ガラス(glass)またはプラスチックを含むことができ、プラスチックは、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリカーボネート(polycarbonate)等を含み得る。前記硬度強化層107は、鉛筆硬度2H以上の硬度を有し得る。前記発光モジュールはまた、反射防止層および汚染防止層をさらに含むことができる。硬度強化層107は紫外線硬化材料で形成することができる。この場合、硬度強化層107は、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bと一緒に紫外線照射によって硬化されてもよい。
【0077】
本発明の実施例において、発光モジュール100は、複数のユニットピクセル10を含み、複数の発光モジュール100が整列されてディスプレイ装置1000が製造され得る。以下では、発光モジュールの製造方法について詳しく説明する。
【0078】
図7A図7Gは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
【0079】
図7Aを参照すると、回路基板101上に複数のユニットピクセル10がボンディングされる。前記複数のユニットピクセル10は、一定の間隔で互いに離隔されるように前記回路基板101の上面に配置され得る。ユニットピクセル10の電極は、ソルダを通じてそれぞれ回路基板101に形成された電極にボンディングされ得るが、これに限定されるのではなく、例えば、共晶ボンディング、エポキシボンディング等によってボンディングされ得る。
【0080】
図7Bを参照すると、前記回路基板101上にモールディング液を塗布して第1モールディング層103aを形成することができる。前記モールディング液は、前記回路基板101上に塗布されたり、コーティングされたり、ジェッティング(jetting)され得るが、本開示がこれに限定されるのではない。前記モールディング液が塗布された後、前記モールディング液は仮硬化され得る。一実施例において、黒色顔料が含まれたモールディング液を塗布して第1モールディング層103aを形成できる。別の実施例において、透明モールディング液を塗布して第1モールディング層103aを形成できる。
【0081】
モールディング液を塗布して第1モールディング層103aを形成する場合、モールディング液を回路基板101上に均一な厚みに塗布することが困難になる。本開示は、モールディング液を塗布し、プレート110を用いて均一な厚みに第1モールディング層103aを形成する方法を開示する。
【0082】
モールディング液を回路基板101の前面に塗布する場合、モールディング液が回路基板101の端部に累積されて第1モールディング層103aが回路基板101の端部部分に厚く形成され得る。これを防止するために、本実施例において、前記モールディング液は回路基板101の全面に塗布するよりも、回路基板101の一部に塗布することができる。特に、回路基板101の別の部分に比べて中央部により多くの量を塗布して中央部が盛り上がった形態に塗布することができる。回路基板101上に塗布されたモールディング液の形状が図8に概略的に示されている。図8を参照すると、前記第1モールディング層103aを形成するモールディング液は、回路基板101の中央部に多量に塗布され、中央部から回路基板101の角部に向かって枝状に塗布され得る。前記モールディング液は、回路基板101の中央部に塗布された第1部分および前記第1部分から回路基板101の角部に向かう少なくとも4つの枝部を含み得る。回路基板101の中央部に塗布されたモールディング液の塗布量は、枝部のモールディング液の塗布量より多くなり得る。また、前記枝部のモールディング液の塗布量は、互いに実質的に同一になり得る。一方、各枝部の端点は回路基板101の角部から離隔される。枝部の端点が角部に近すぎると、後続の工程でモールディング液が角部側に溜まって回路基板101の角部において第1モールディング層103aの厚みが厚くなり得る。後で説明する第2モールディング層103bもまた、第1モールディング層103aと同じ方式で、図8に示したように、モールディング液を塗布して形成することができる。本実施例において、モールディング液を回路基板101上の位置によって変えて塗布することについて説明するが、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bを形成するためにモールディング液を塗布するパターンは多様になり得、本開示に限定されない。例えば、モールディング液は「己」パターン、ジグザグパターン等、多様な形状に塗布することができる。
【0083】
図7Cを参照すると、前記第1モールディング層103a上にプレート110を配置し、プレート110を押して第1モールディング層103aに圧力を加えることができる。前記プレート110は、特に限定されるのではなく、例えば、ガラス基板、クォーツ基板またはアクリル基板であり得る。
【0084】
前記第1モールディング層103aは、前記プレート110によって形状が変形され得る。前記プレート110は、設定された高さまで下に下げることができ、前記第1モールディング層103aを決められた厚みに変形させることができる。前記プレート110を用いて第1モールディング層103aに圧力を加えることにより、中央部に配置された第1モールディング層103aが回路基板101の周辺領域に広がる。
【0085】
前記プレート110の下面は、平らな面であり得、これにより、前記第1モールディング層103aの上面はプレート110の下面のように平らに変形され得る。特に、前記第1モールディング層103aの上面は、回路基板101の上面プロファイルと関係なく平らな面を有し得る。別の実施例において、前記プレート110は、下面にナノパターンまたはマイクロパターンの凹凸を有し得、前記第1モールディング層103aは、前記プレート110の下面形状に従って凹凸を有するように変形することができる。
【0086】
図7Dを参照すると、前記第1モールディング層103a上にモールディング液を塗布して第2モールディング層103bを形成することができる。前記モールディング液は、平らな上面を有する第1モールディング層103a上に塗布されたり、コーティングされたり、ジェッティング(jetting)され得、これに限定されるのではない。前記モールディング液が塗布された後、前記モールディング液は仮硬化され得る。一実施例において、前記第2モールディング層103bは、透明モールディング液で形成することができる。別の実施例において、前記第1モールディング層103aが透明モールディング層の場合、前記第2モールディング層103bは黒色モールディング液で形成され得る。
【0087】
前記モールディング液は、前記第1モールディング層103aの中央部により多くの量が塗布されて中央部が盛り上がった形態に形成することができる。図8を参照すると、前記第2モールディング層103bは、前述の第1モールディング層103aを形成する場合のように、モールディング液を第1モールディング層103a上に塗布して形成され得る。
【0088】
図7Eを参照すると、前記第2モールディング層103b上にプレート110を配置し、前記プレート110を押して第2モールディング層103bに圧力を加えることができる。前記プレート110は、特に限定されるのではなく、例えば、ガラス基板、クォーツ基板およびアクリル基板であり得る。また、前記プレート110は、第1モールディング層103aを形成するために使用されたプレート110と同じものであり得るが、これに限定されるのではない。
【0089】
前記第2モールディング層103bの上面は、前記プレート110によって変形され得る。前記プレート110は、設定された高さまで下に下げることができ、前記第2モールディング層103bを決められた厚みに変形させることができる。前記プレート110の下面は平らな面であり得、前記第2モールディング層103bの上面は平らに変形し得る。別の実施例において、前記プレート110は下面にナノパターンまたはマイクロパターンを有し得、前記第2モールディング層103bの上面は、前記プレート110パターンによって凹凸を有するように変形され得る。
【0090】
次いで、紫外線を照射して前記第1モールディング層103aと前記第2モールディング層103bを同時に硬化させることができ、これにより、硬化したモールディング部103が形成され得る。紫外線は、前記プレート110を通じて照射され得る。
【0091】
図7Fを参照すると、前記プレート110を取り除き、露出したモールディング部103表面にアンチグレア層109を形成することができる。前記アンチグレア層109は、スプレーコーティング技術を用いてモールディング部103上にコーティングすることができる。前記アンチグレア層109は、紫外線を利用して硬化することができる。
【0092】
図7Gを参照すると、前記回路基板101の端部をカットして取り除くことにより、発光モジュールを完成させることができる。ダイシング、レーザーカット、ルーティング等の技術を用いて前記回路基板101、前記モールディング部103および前記アンチグレア層109を一緒にカットすることができる。前記回路基板101、前記モールディング部103、および前記アンチグレア層109は、カットによって互いに並んだ側面を有することができる。
【0093】
図9A図9Hは、本発明の別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。以下、図7A~7Gの発光モジュールの製造方法に対する説明と重複する説明は省略する。
【0094】
図9Aを参照すると、回路基板101上に複数のユニットピクセル10がボンディングされる。これに対する説明は、図7Aで説明したものと同じため省略する。
【0095】
図9B図9Eを参照すると、前記回路基板101上に複数のユニットピクセル10を覆う第1モールディング層103aが形成され、前記第1モールディング層103b上に第2モールディング層103bが形成され得る。前記第1モールディング層103aおよび前記第2モールディング層103bの形成方法に対する説明は、図7B図7Eで説明したものと同じため省略する。
【0096】
図9Fを参照すると、前記第2モールディング層103b上に反射防止層105が形成され得る。前記反射防止層105の接着のために前記第2モールディング層103bと前記反射防止層105間にOCR(optically clear resin)が配置され得る。前記反射防止層105は、AR(anti-reflector)コーティングフィルム形態になり得る。反射防止層105は、蒸着工程を通じて第2モールディング層103b上に形成されてもよい。
【0097】
図9Gを参照すると、アンチグレア層109は、光を散乱させてグレアリングを防ぐように前記反射防止層105上に配置できる。前記アンチグレア層109に対する説明は、図7Fで説明したものと同じため省略する。
【0098】
図9Hを参照すると、前記回路基板101の端部をカットして取り除くことにより、発光モジュールを完成させることができる。ダイシング、レーザーカット、ルーティング等の技術を用いて前記回路基板101、前記モールディング部103、前記反射防止層105、およびアンチグレア層109をカットすることができる。前記回路基板101、前記モールディング部103、前記反射防止層105、および前記アンチグレア層109のカットされた側面は同一面上に位置し得る。
【0099】
図10A図10Hは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。以下、図7A図7Gの発光モジュールの製造方法に対する説明と重複する説明は省略する。
【0100】
図10Aを参照すると、回路基板101上に複数のユニットピクセル10がボンディングされる。これに対する説明は、図7Aで説明したものと同じため省略する。
【0101】
図10B図10Eを参照すると、前記回路基板101上に複数のユニットピクセル10を覆う第1モールディング層103aを形成することができ、前記第1モールディング層103a上に第2モールディング層103bが形成できる。前記第1モールディング層103aおよび前記第2モールディング層103bの形成方法に対する説明は、図7B図7Eで説明したものと同じため省略する。
【0102】
図10Fを参照すると、前記第2モールディング層103b上に硬度強化層107が配置され得る。前記硬度強化層107の接着のために、前記第2モールディング層103bと前記硬度強化層107間にOCR(optically clear resin)が配置され得る。
【0103】
また別の実施例において、前記硬度強化層107は、図10Eの前記プレート110の代わりとなり得る。つまり、前記硬度強化層107が前記第2モールディング層103b上に配置され、前記硬度強化層107に圧力を加えることができる。これにより、第2モールディング層103bの形状が変わり得る。その後、紫外線を照射して第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bが硬化され得る。この場合、図10Eのプレート110を使用して第2モールディング層103bに圧力を加える過程は省略できる。
【0104】
図10Gを参照すると、硬度強化層107上にアンチグレア層109を形成することができる。アンチグレア層109は、光を散乱させてグレアリングを防止する。前記アンチグレア層109に対する説明は、図7Fで説明したものと同じため省略する。
【0105】
図10Hを参照すると、前記回路基板101の端部をカットして取り除くことにより、発光モジュールを完成させることができる。ダイシング、レーザーカット、ルーティング等の技術を用いて前記回路基板101、前記モールディング部103、前記硬度強化層107、および前記アンチグレア層109をカットすることができ、これにより、前記回路基板101、前記モールディング部103、前記硬度強化層107、および前記アンチグレア層109は互いに並んだ側面を有することができる。
【0106】
図11は、発光モジュールの製造工程で生成できるモールディング部の側面形状を説明するための概略的な断面図である。
【0107】
上で説明した実施例において、プレート110を利用して第1モールディング層103aに圧力を加える場合、図7Cに示したように、第1モールディング層103aの上面形状が変形することについて説明した。プレート110の圧力によって、第1モールディング層103aは回路基板101の中央部から周辺領域に広がり、このとき、第1モールディング層103aの側面形状も変形され得る。第1モールディング層103aの材料によって、図7Cに示したように、第1モールディング層103aの側面は外側に盛り上がった形状を有しても良く、図11に示したように、外側に凹んだ形状を有してもよい。また、第1モールディング層103aは、回路基板101およびプレート110上における表面張力の影響により回路基板101とプレート110の表面から外側に広がる程度に違いが生じ得る。このように、第1モールディング層103aの側面は、多様な形状を有し得る。第2モールディング層103bの側面もまた、プレート110によって多様な形状に変形することができる。本実施例では、第1モールディング層103aおよび第2モールディング層103bの側面をカットするため、第1および第2モールディング層103a,103bを形成する間、これらの側面がどのような形状を有しても最終的に第1および第2モールディング層103a,103bの側面が同一面上に配置され得る。
【0108】
図12A図12Eは、本開示のまた別の実施例にかかる発光モジュールの製造方法を説明するための概略的な断面図である。
【0109】
図12Aを参照すると、回路基板101上に複数のユニットピクセル10が配列される。これに対する説明は、図7Aで説明したものと同じため省略する。
【0110】
図12Bを参照すると、ユニットピクセル10が配列された回路基板101上に第1モールディング層103aが形成される。第1モールディング層103aは、インクジェット技術を用いてモールディング液を噴射して形成することができる。これにより、第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の上面および回路基板101の上面に形成される。特に、第1モールディング層103aは、ユニットピクセル10の側面を覆うことができる。インクジェット技術を用いて第1モールディング層103aを形成するため、第1モールディング層103aの回路基板101の上面形状に沿って形成することができる。よって、第1モールディング層103aは、回路基板101上面の屈曲にかかわらずどの位置でも同じ形態に形成され得る。
【0111】
図12Cを参照すると、ユニットピクセル10上に形成された第1モールディング層103aは取り除くことができる。例えば、研削技術等を用いてユニットピクセル10上に配置された第1モールディング層103aを取り除くことができる。
【0112】
図12Dを参照すると、続いて、第2モールディング層103bが形成される。第2モールディング層103bは、インクジェット技術を用いて形成することができる。相対的に多くの量のモールディング液を噴射することにより、第2モールディング層103bは、上面が相対的に平らな面を有するように形成することができる。その後、第2モールディング層103bを硬化することにより、モールディング部103を形成することができる。インクジェット技術を用いて第2モールディング層103bを形成するため、第2モールディング層103bの上面プロファイルは、回路基板101の上面プロファイルと実質的に同一になり得る。
【0113】
図12Eを参照すると、モールディング部103上にアンチグレア層109を形成することができる。アンチグレア層109は、図7Fを参照して説明したものと同じため、重複を避けるために詳しい説明は省略する。次いで、前記アンチグレア層109、モールディング部103、および回路基板101をカットすることにより、発光モジュールを完成することができる。
【0114】
本実施例において、ユニットピクセル10上に形成された第1モールディング層103aを取り除くことを説明したが、ユニットピクセル10上に形成された第1モールディング層103aを残留させることもできる。さらに、第1モールディング層103aをインクジェット技術を用いて十分な量に形成することにより、第1モールディング層103aの曲率を緩和することができ、これにより、図3Bで説明したような発光モジュールを製造することができる。
【0115】
以上で、本開示の多様な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本発明の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。
【符号の説明】
【0116】
10 ユニットピクセル
100 発光モジュール
101 回路基板
103 モールディング部
103a 第1モールディング部
103b 第2モールディング部
105 反射防止層
107 硬度強化層
109 アンチグレア層
110 プレート
1000 ディスプレイ装置
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図9h
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g
図10h
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図13a
図13b
図13c
【国際調査報告】