(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-20
(54)【発明の名称】電圧校正回路及び方法
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20231113BHJP
【FI】
G05F1/56 310F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527405
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021079683
(87)【国際公開番号】W WO2022141797
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011627543.8
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520412486
【氏名又は名称】深▲セン▼市紫光同創電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉盛
(72)【発明者】
【氏名】温 長清
(72)【発明者】
【氏名】梁 愛梅
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB05
5H430BB09
5H430BB11
5H430FF12
5H430GG01
5H430HH03
5H430LA21
(57)【要約】
本願の実施例により提供される電圧校正回路及び方法によれば、該電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、基準電圧と校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、コンパレータの結果出力端子に接続され、コンパレータから送信された電圧比較結果に基づいて校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本願は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラを組み合わせることにより、追加のハードウェア消費電力を可能な限り低減しつつ、電圧の自己校正を実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧校正回路であって、
温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、
前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧受信端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、
前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、
を含む、
ことを特徴とする電圧校正回路。
【請求項2】
前記コンパレータに接続され、校正すべき電圧を取得して前記コンパレータに送信するメイン回路を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧校正回路。
【請求項3】
第1接続端子が前記校正コントローラに接続され、第2接続端子が前記メイン回路に接続され、前記校正コントローラから送信された昇降制御信号を受信し、前記昇降制御信号に基づいてカウント値を取得するカウンタをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の電圧校正回路。
【請求項4】
前記メイン回路は、
前記カウンタに接続され、前記カウンタから送信された前記カウント値を受信し、前記カウント値に基づいて校正動作が終了するか否かを決定する校正判定モジュールと、
前記校正判定モジュールに接続され、前記校正判定モジュールが前記校正動作が終了したことを決定した場合、前記目標電圧を所定の電圧範囲内とする誤差増幅器と、
前記誤差増幅器に接続され、前記メイン回路の動作に必要な電流を生成する駆動モジュールと、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の電圧校正回路。
【請求項5】
前記基準電圧生成モジュールは、温度センサと、A/D変換器と、基準電圧取得ユニットとを含み、
前記温度センサは、前記A/D変換器に接続され、温度データを収集して前記A/D変換器に送信し、
前記A/D変換器は、第1接続端子が前記温度センサに接続され、第2接続端子が前記基準電圧取得ユニットに接続され、前記温度データを温度デジタル信号に変換して前記基準電圧取得ユニットに送信し、
前記基準電圧取得ユニットは、第1接続端子が前記A/D変換器に接続され、第2接続端子が前記コンパレータに接続され、前記温度デジタル信号に対応する電圧を基準電圧として取得して前記コンパレータに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧校正回路。
【請求項6】
前記校正コントローラに接続され、前記校正コントローラに電圧校正動作を実行させるための校正信号を生成する校正信号生成モジュールを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧校正回路。
【請求項7】
前記校正信号生成モジュールは、第1信号生成モジュールを含み、
前記校正コントローラは、前記第1信号生成モジュールに接続され、前記第1信号生成モジュールから送信された、ユーザにより入力された校正信号である第1信号を受信する第1信号受信端子を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電圧校正回路。
【請求項8】
前記校正信号生成モジュールは、第2信号生成モジュールを含み、
前記校正コントローラは、前記第2信号生成モジュールに接続され、前記基準電圧が変化したときに前記第2信号生成モジュールから送信される第2信号を受信する第2信号受信端子をさらに有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電圧校正回路。
【請求項9】
前記校正信号生成モジュールは、第3信号生成モジュールを含み、
前記校正コントローラは、前記第3信号生成モジュールに接続され、前記第3信号生成モジュールから送信された、クロック信号としての第3信号を受信する第3信号受信端子をさらに有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電圧校正回路。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の電圧校正回路に適用される電圧校正方法であって、
校正すべき電圧と基準電圧とを取得することと、
前記校正すべき電圧と前記基準電圧とを比較して、電圧比較結果を取得することと、
前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正することと、
を含み、
前記基準電圧は、温度データに基づいて前記基準電圧生成モジュールにより取得されている、
ことを特徴とする電圧校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は集積回路設計の領域に関するものであり、具体的には、電圧校正回路及び方法に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
LDO(Low Dropout Regulator、低電圧差リニアレギュレータ)は、リニアDC(Direct Current)電圧レギュレータである。すなわち、LDOは、リニア電圧降下型の電源管理チップであり、低コスト、低騒音及び静的電流が小さいなどの利点を有する。そのため、如何にしてLDO回路システムの電圧を簡単かつ効果的に校正できるかは、早急に解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例により提供される電圧校正回路及び方法の主に解決しようとする技術的課題は、如何にして電圧の自己校正プロセスの簡素化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本願の実施例によれば、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む、電圧校正回路が提供される。
【0005】
また、前記電圧校正回路は、前記コンパレータに接続され、校正すべき電圧を取得して前記コンパレータに送信するメイン回路を含んでもよい。
【0006】
また、前記電圧校正回路は、第1接続端子が前記校正コントローラに接続され、第2接続端子が前記メイン回路に接続され、前記校正コントローラから送信された昇降制御信号を受信し、前記昇降制御信号基づいてカウント値を取得するカウンタをさらに含む。
【0007】
また、前記メイン回路は、前記カウンタに接続され、前記カウンタから送信された前記カウント値を受信し、前記カウント値に基づいて校正動作が終了するか否かを決定する校正判定モジュールと、前記校正判定モジュールに接続され、前記校正判定モジュールが前記校正動作が終了したことを決定した場合、前記目標電圧を所定の電圧範囲内とする誤差増幅器と、前記誤差増幅器に接続され、前記メイン回路の動作に必要な電流を生成する駆動モジュールと、を含んでもよい。
【0008】
また、前記基準電圧生成モジュールは、温度センサと、A/D変換器と、基準電圧取得ユニットと、を含み、前記温度センサは、前記A/D変換器に接続され、温度データを収集して前記A/D変換器に送信し、前記A/D変換器は、第1接続端子が前記温度センサに接続され、第2接続端子が前記基準電圧取得ユニットに接続され、前記温度データを温度デジタル信号に変換して前記基準電圧取得ユニットに送信し、前記基準電圧取得ユニットは、第1接続端子が前記A/D変換器に接続され、第2接続端子が前記コンパレータに接続され、前記温度デジタル信号に対応する電圧を基準電圧として取得して前記コンパレータに送信してもよい。
【0009】
また、前記電圧校正回路は、前記校正コントローラに接続され、前記校正コントローラに電圧校正動作を実行させるための校正信号を生成する校正信号生成モジュールを含んでもよい。
【0010】
また、前記校正信号生成モジュールは、第1信号生成モジュールを含み、前記校正コントローラは、前記第1信号生成モジュールに接続され、前記第1信号生成モジュールから送信された、ユーザにより入力された校正信号である第1信号を受信する第1信号受信端子を有してもよい。
【0011】
また、前記校正信号生成モジュールは、第2信号生成モジュールを含み、前記校正コントローラは、前記第2信号生成モジュールに接続され、前記基準電圧が変化したときに前記第2信号生成モジュールから送信される第2信号を受信する第2信号受信端子をさらに有してもよい。
【0012】
また、前記校正信号生成モジュールは、第3信号生成モジュールを含み、前記校正コントローラは、前記第3信号生成モジュールに接続され、前記第3信号生成モジュールから送信された、クロック信号としての第3信号を受信する第3信号受信端子をさらに有してもよい。
【0013】
第2の態様において、本願の実施例によれば、第1の態様の電圧校正回路に適用される電圧校正方法をさらに提供される。前記方法は、校正すべき電圧と基準電圧とを取得することと、前記校正すべき電圧と前記基準電圧とを比較して、電圧比較結果を取得することと、前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正することとを含み、前記基準電圧は、温度データに基づいて前記基準電圧生成モジュールにより取得されている。
【発明の効果】
【0014】
本願の実施例により提供される電圧校正回路及び方法によれば、該電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本発明は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラを組み合わせることにより、電圧の自己校正をより簡単かつ効果的に実現することができる。
【0015】
本発明の他の特徴及び対応する有益効果は、明細書の後の部分で説明されるが、有益効果の少なくとも一部は、本発明の明細書における記載から明らかになることを理解しておくべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の一実施例により提供される電圧校正回路の構成模式図である。
【
図2】本願の一実施例により提供される電圧校正回路における校正コントローラの構成模式図である。
【
図3】本願の別の実施例により提供される電圧校正回路の構成模式図である。
【
図4】本願の別の実施例により提供される電圧校正回路におけるメイン回路の構成模式図である。
【
図5】本願の別の実施例により提供される具体的な電圧校正回路の構成模式図である。
【
図6】本願の別の実施例により提供される具体的な電圧校正回路における異なる信号取得の模式図である。
【
図7】本願のさらに別の実施例により提供される具体的な電圧校正回路の構成模式図である。
【
図8】本願の一実施例により提供される電圧校正方法の方法フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。以下で説明される添付図面は本願のいくつか実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができる。
【0018】
従来のFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブル論理ゲートアレイ)では、電圧に対する様々な調整手段があるが、従来の電圧トリミング方法によれば、校正時に、テスト結果に応じて所定のトリミング情報を入力する必要があり、それから、トリミング可能なビット数に応じて電圧のトリミングを実現することができる。しかしながら、これらのトリミング方法では、テストベクトルを複雑化にさせてしまい、テストに必要なコストがある程度増加してしまう。言い換えれば、従来の電圧トリミング方法では、温度などの環境要素に応じて異なるトリミングを行う必要があり、より精確な調整や制御が必要なとき、通常回路のプロセスの影響を受けてしまう。すなわち、従来の電圧トリミング方法には設計上限界があり、より良い自己校正を実現することができない。
【0019】
上記の課題に対して、本発明者らは、本願の実施例により提供される電圧校正回路及び方法を提案した。本願の実施例によれば、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラにより、電圧の自己校正の実現条件を簡略化し、電圧の自己校正の要求をある程度低減することができる。
【0020】
本願の一実施例により提供される電圧校正回路が示された
図1を参照し、当該電圧校正回路100は、基準電圧生成モジュール110、コンパレータ120、及び校正コントローラ130を含むことができる。
【0021】
実施形態において、基準電圧生成モジュール110は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータ120に送信する。本発明の実施例における電圧校正回路100は、リニア低電圧差レギュレータ(LDO)であってもよい。
【0022】
一つの態様として、コンパレータ120は、前記基準電圧生成モジュール110に接続された第1電圧受信端子121と、校正すべき電圧を受信する第2電圧受信端子122と、を含む。同時に、コンパレータ120は、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得してもよい。前記校正すべき電圧は、LDO実電圧とも称される。
【0023】
実施形態において、コンパレータ120は、第1電圧受信端子121及び第2電圧受信端子122から送信された基準電圧及び校正すべき電圧を受信すると、基準電圧と校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得してもよい。具体的には、コンパレータ120は、校正すべき電圧が前記基準電圧より大きいか否かを判定することができる。前記コンパレータ120は、前記校正すべき電圧が前記基準電圧より大きいと判定した場合、1である電圧比較結果を出力する。本発明の実施例によれば、1である前記電圧比較結果を昇降制御信号として校正コントローラ130に送信し、前記校正すべき電圧を下げるように校正コントローラ130に指示することができる。
【0024】
別の態様として、前記コンパレータ120は、校正すべき電圧が基準電圧より小さいと判定した場合、0である電圧比較結果を出力する。本発明の実施例によれば、0である前記電圧比較結果を昇降制御信号として校正コントローラ130に送信し、前記校正すべき電圧を上げるように校正コントローラ130に指示することができる。校正コントローラ130は、校正すべき電圧を校正する際に、所定の電圧に従って校正を行うことができる。例えば、校正すべき電圧Voutが基準電圧Vrefより小さいと判定された場合、校正コントローラ130は、校正時に、校正すべき電圧Voutを所定電圧値Oだけ増大させることができる。校正のたびに、校正すべき電圧Voutの値が大きくなり、校正後の電圧は、校正すべき電圧Vout+Oと等しい。また、校正すべき電圧が基準電圧と等しいと判定された場合、前記電圧校正回路は、電圧の校正動作を停止してもよい。
【0025】
校正時に、所定電圧値を一定に保つことができ、すなわち、校正のたびに増大または減少させる電圧値を同じとすることができる。例えば、校正すべき電圧Voutが3Vであり、基準電圧Vrefが4Vである場合、所定電圧値Oを、0.2とすることができる。すなわち、校正すべき電圧を校正するたびに、校正すべき電圧Voutを0.2Vだけ増大させる。校正中、当該所定電圧値Oは、一定に保たれる。このとき、取得される校正すべき電圧Voutは、3.2V、3.4V、3.6V、3.8V、及び4.0Vである。
【0026】
他の実施形態において、所定電圧値は、可変であってもよく、すなわち、電圧校正中に、前記所定電圧値がデクリメントされてもよい。例えば、1回目の校正時に所定電圧値Oを0.5V、2回目の校正時に前記所定電圧値Oを0.4V、3回目の校正時に前記所定電圧値Oを0.3Vとすることができる。
【0027】
また、本発明の実施例によれば、校正すべき電圧を校正するとき、校正開始時に最大の所定電圧値Oで校正すべき電圧を校正することも可能である。校正すべき電圧と基準電圧との関係が所定の関係に合致しない場合、所定電圧値を減少させることができる。例えば、校正すべき電圧Voutが3Vであり、基準電圧Vrefが4Vである場合、最大所定電圧値Oを0.4Vとすることができる。校正すべき電圧Voutが基準電圧Vrefより小さいので、このとき、取得される校正すべき電圧Voutがそれぞれ3.4V、3.8Vであり、3回目の校正では3.8V+0.4=4.2となり、明らかに4Vより大きくなる。この場合、最大所定電圧値を用いて校正を行うかわりに、最大所定電圧値を小さくすることができる。例えば、最大所定電圧値Oを半分にして0.2Vとすることができる。このとき、最新の校正すべき電圧に所定電圧値を足せば、4Vちょうどである値を取得することができる。この方法により、校正コントローラ130は、電圧校正の速度を向上させることができる。
【0028】
別の態様として、前記校正コントローラ130は、前記コンパレータ120の結果出力端子123に接続され、前記コンパレータ120から送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得することができる。
【0029】
他の実施形態において、校正コントローラ130の構造をより明確に理解するために、本発明の実施例は、
図2に示す構成模式図を提供する。
図2からわかるように、電圧校正回路100は、基準電圧生成モジュール110、コンパレータ120、及び校正コントローラ130に加えて、前記校正コントローラ130に接続され、前記校正コントローラ130に電圧校正動作を実行させるための校正信号を生成する校正信号生成モジュール140をさらに含んでもよい。
【0030】
実施形態において、校正信号生成モジュール140は、第1信号生成モジュール141を含んでもよい。前記校正コントローラ130は、前記第1信号生成モジュール141に接続され、前記第1信号生成モジュール141から送信された、ユーザにより入力された校正信号である第1信号を受信する第1信号受信端子を有する。前記第1信号は、強制校正信号とも称される。なお、第1信号は、電圧校正回路により制限されず、チップにより送信される強制校正命令であってもよい。すなわち、第1信号生成モジュール141は、前記電圧校正回路100の一部であってもよく、前記電圧校正回路100と独立したチップであってもよい。
【0031】
別の態様として、前記校正信号生成モジュール140は、第2信号生成モジュール142を含んでもよい。前記校正コントローラ130は、前記第2信号生成モジュール142に接続され、前記基準電圧が変化したときに前記第2信号生成モジュール142から送信される第2信号を受信する第2信号受信端子をさらに有する。前記第2信号は、主に基準電圧変化信号を指す状態変化信号とも称される。すなわち、基準電圧信号が変化すると、前記第2信号が1として校正コントローラ130に送信され、電圧校正動作を行うように前記校正コントローラ130に指示する。
【0032】
さらに、前記基準電圧は、通常、温度とともに変化する。すなわち、温度が変化すると、前記第2信号生成モジュール142は、第2信号を生成して校正コントローラ130に送信して、最新の基準電圧に応じて電圧校正回路100の出力電圧を校正するように校正コントローラ130に指示する。言い換えれば、第2信号は、校正コントローラ130による基準電圧の変化の監視に応じたものであってもよく、基準電圧が変化すると、第2信号がアクティブされ、前記校正コントローラ130に校正動作を実行させる。
【0033】
他の実施形態において、前記校正信号生成モジュール140は、第3信号生成モジュール143を含んでもよい。前記校正コントローラ130は、前記第3信号生成モジュール143に接続され、前記第3信号生成モジュール143から送信された、クロック信号としての第3信号を受信する第3信号受信端子をさらに有する。本発明の実施例によれば、前記電圧校正回路による校正が完了してからM+1個のクロック周期毎に、再校正命令を自動的に送信する。すなわち、第3信号生成モジュール143は、M+1個のクロック周期毎に第3信号を送信して、前記第3信号により、電圧校正動作を実行するように校正コントローラに指示することができる。
【0034】
実施形態において、校正コントローラ130は、第1信号、第2信号及び第3信号のうちのいずれかの信号を受信すれば、電圧校正動作を実行する。すなわち、一定のクロック周期が経過するか、外部から校正命令が強制的に入力されるか、または校正基準条件が変化すると、校正コントローラ130は電圧校正動作を実行する。前記校正基準条件は、基準電圧が変化した否か、比較条件が変化したか否か、現在の環境が変化したか否か、などであってもよい。
図2から、第1信号、第2信号及び第3信号の間は、「OR」の論理関係を満たすことが明確に理解される。
【0035】
なお、本発明の実施例における基準電圧は、固定されていてもよく、常に変化していてもよい。すなわち、電圧校正回路が置かれている環境の温度が変化すると、前記基準電圧もそれに応じて変化する。また、前記基準電圧は、実際に出力される基準電圧に基づいて常に校正されながら取得されてもよい。すなわち、基準電圧も常に校正されながら取得されてもよい。基準電圧の校正プロセスは、校正すべき電圧の校正プロセスと同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0036】
本願の実施例により提供される電圧校正回路によれば、当該電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本発明は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラを組み合わせることにより、電圧の自己校正をより簡単かつ効果的に実現することができる。なお、本願の実施例における校正コントローラは、複数の信号を受信することができるため、LDOシステムのバックグラウンド校正をある程度容易にするだけでなく、異なる制御命令(信号)によってフォアグラウンド校正を行うこともできる。こうして、論理クロックリソースの校正や制御をFPGAによってより簡単かつ効果的に行うことができる。
【0037】
本願の別の実施例により提供される電圧校正回路が示された
図3を参照し、この電圧校正回路200は、基準電圧生成モジュール210、メイン回路220、コンパレータ230、及び校正コントローラ240を含むことができる。
【0038】
実施形態において、メイン回路220は、コンパレータ230に接続され、校正すべき電圧を取得して前記コンパレータ230に送信してもよい。本発明の実施例におけるメイン回路220は、LDOとも称される。前記メイン回路220は、主に、電圧安定化及び駆動などの動作といった前記電圧校正回路のいくつかの基礎的な動作を行う。
【0039】
他の実施形態において、前記メイン回路220は、校正判定モジュール221、誤差増幅器222及び駆動モジュール223を含んでもよい。校正判定モジュール221、誤差増幅器222及び駆動モジュール223の関係は、
図4に示されている。
図4からわかるように、前記校正判定モジュール221は、前記カウンタ250に接続され、前記カウンタ250から送信された前記カウント値を受信し、前記カウント値に基づいて校正動作が終了するか否かを決定する。
【0040】
また、前記誤差増幅器222は、前記校正判定モジュール221に接続され、前記校正判定モジュール221が前記校正動作が終了したことを決定した場合、前記目標電圧を所定の電圧範囲内としてもよい。また、前記駆動モジュール223は、前記誤差増幅器222に接続され、前記メイン回路220の動作に必要な電流を生成する。
【0041】
なお、基準電圧生成モジュール210は、メイン回路220の外に設置されてもよいし、メイン回路内に直接配置されてもよい。あるいは、前記電圧校正回路200に基準電圧生成モジュール210が設置されていなくてもよい。この場合、前記校正コントローラ340は、前記基準電圧生成モジュール310の機能を兼ねてもよい。単に基準電圧コード値を外部から入力する必要がある場合、通常、外部でテストベクトルを作成しておき、コード値を走査して、適切な基準電圧コード値を選択して記憶する。言い換えれば、本発明の実施例は、校正コントローラ340により基準電圧を直接受信することができる。すなわち、前記基準電圧は、ユーザがインターフェースを介して直接入力することができる。校正コントローラ340は、受信した校正すべき電圧と基準電圧とに対して、比較及び校正などの動作を実行することができる。こうして、テストベクトルの設計を簡略化にすることができ、テストのコストをある程度低減することができる。
【0042】
上記の説明から分かるように、基準電圧生成モジュール210は、主に、基準電圧を生成する。前記基準電圧は、現在の環境で要求されるLDO基準電圧値である。この基準電圧値は、外部から入力されて回路内に記憶され、たとえチップが電池切れしても回路内に保存されていることが求められている。異なる環境では、電圧校正回路内のセンシング監視モジュールは、現在の環境を監視して、監視した情報を基準電圧生成モジュール210にフィードバックし、対応するLDO基準電圧値を、現在の環境におけるLDO校正の基準量としてサンプリングすることができる。前記現在の環境は、物理的環境及びチップの具体的な応用などを含んでもよい。
【0043】
なお、本発明の実施例における基準電圧生成モジュールは、前記メイン回路220に設置されていてもよく、前記メイン回路220と独立して設置されていてもよい。また、前記メイン回路220には、前記電圧校正回路200に対応する製品が完成する前に、テスタに使用されて電圧のトリミングを実現する電圧トリミングユニットが個別に設置されてもよい。すなわち、電圧トリミングユニットは、主にテスト段階で校正すべき電圧を校正する回路であり、校正コントローラは、電圧校正回路200に対応する製品が完成した後に校正すべき電圧を校正する回路である。
【0044】
他の実施形態において、電圧校正回路200は、第1接続端子251が前記校正コントローラ240に接続され、第2接続端子252が前記メイン回路220に接続され、前記校正コントローラ240から送信された昇降制御信号を受信し、前記昇降制御信号基づいてカウント値を取得するカウンタをさらに含む。また、前記カウンタ250は、前記メイン回路220の校正判定モジュール221に接続され、カウント値を取得して前記校正判定モジュール221に送信し、前記カウント値に基づいて電圧の校正動作を停止するか否かを判定するように前記校正判定モジュール221に指示してもよい。
【0045】
基準電圧生成モジュール210、メイン回路220、コンパレータ230、校正コントローラ240及びカウンタ250の間の関係をより明確に理解できるように、本発明の実施例では、
図5に示す構成ブロック図が提供される。
図5からわかるように、電圧校正回路200は、前記基準電圧生成モジュール210を含まなくてもよい。前記基準電圧生成モジュール210を含まない場合、本発明の実施例は、外部から入力された基準電圧をコンパレータ230の第1電圧受信端子によって直接受信することができる、選択スイッチ260が第1電圧受信端子に接続されている場合、校正コントローラ240は、基準電圧を校正することができる。一方、選択スイッチ260が第2電圧受信端子に接続されている場合、校正コントローラ240は、校正すべき電圧を校正することができる。
【0046】
また、選択スイッチ260は、1である段階制御信号を受信すると、校正すべき電圧を校正することができ、0である段階制御信号を受信すると、基準電圧を校正することができる。前記段階制御信号は、ユーザが入力してもよく、前記電圧校正回路が実際の状況に応じて出力してもよく、具体的にどのように入力するかは、ここでは明示的に制限されず、実際の状況に応じて選択することができる。したがって、本発明の実施例は、校正すべき基準電圧の校正と、基準電圧の校正との両方を実現することができる。
【0047】
他の実施形態において、校正コントローラ240は、クロック1とすることができるクロック信号と、上記実施形態で言及された第1信号、第2信号、及び第3信号のうちの少なくとも1つとすることができる外部制御信号とを受信することができる。校正コントローラ240は、コンパレータ230が出力する電圧比較結果に応じて電圧を校正するとき、昇降制御信号を取得することができる。その後、校正コントローラ240は、前記昇降制御信号をカウンタ250に送信することができる。同時に、校正コントローラ240は、カウンタ250に、
図6に示すような関係を有する一時停止/開始カウント信号、リセット信号、入力信号等を送信することもできる。
【0048】
1つの具体的な実施形態において、校正すべき電圧が基準電圧より高い場合、前記コンパレータ230の出力が1であり、昇降制御信号が1であるため、カウントダウンするようにカウンタを制御して、基準電圧を下げることができる。校正すべき電圧が基準電圧より低い場合、前記コンパレータ230の出力が0であり、昇降制御信号が0であるため、カウントアップするようにカウンタを制御して、基準電圧を上げることができる。例えば、校正すべき電圧Voutが3V、基準電圧Vrefが4V、所定電圧値Oが0.2である場合、校正すべき電圧を5回校正する必要があり、校正中に、カウンタの値はそれぞれ1、2、3、4、5及び6であり、カウンタの値がインクリメントされていることが分かる。なお、前記カウンタは、カウント時に、所定のまたはユーザが実際の状況に応じて入力する初期カウントを受信することができる。例えば、ユーザが入力した初期カウント値が7である場合、取得されるカウント値は、それぞれ7、8、9、10、11及び12である。
【0049】
実施形態において、校正すべき電圧が基準電圧の近くまで調整されたとき、コンパレータ230の出力は、クロック1とほぼ同じ周波数の01で変化する方形波となる。このとき、コンパレータ230は、少なくともN個またはN+1回の01変化を連続的に発生するため、校正完了信号がトリガされる。また、本発明の実施例によれば、校正が完了した後、校正すべき電圧を基準電圧よりわずかに高くすることもできる。
【0050】
他の実施形態において、校正動作が終了すると、カウンタ250は、カウントを停止し、現在のカウント値を保持し、該カウント値に応じて校正すべき電圧を校正する。また、
図2に示すように、校正コントローラ240は、校正中に、リセット信号1を解除し、リセット信号2でリセット動作を実行することができる。校正動作の実行中に、校正コントローラ240は、校正プロセスを妨害することなく、校正信号を自動的に低くすることができる。校正が完了すると、リセット信号1でリセット動作を行い、自動校正動作が終了し、リセット信号2が解除され、回路はM+1個のクロック周期の準備を開始し、自動校正命令を生成する。これにより、自動校正の繰り返しを実現することができる。
【0051】
本願の実施例により提供される電圧校正回路によれば、該電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本発明は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラを組み合わせることにより、電圧の自己校正をより簡単かつ効果的に実現することができる。また、本願の実施例によれば、メイン回路を設けることにより、電圧校正回路に校正すべき電圧を供給することができる。また、カウンタを設けることにより、電圧校正回路の簡素化を図るだけでなく、タイミング上の混乱を回避し、クロック周波数の制限を緩和することもできる。
【0052】
本願のさらに別の実施例により提供される電圧校正回路が示された
図7を参照し、この電圧校正回路300は、基準電圧生成モジュール310、メイン回路320、コンパレータ330、校正コントローラ340及びカウンタ350を含むことができる。前記基準電圧生成モジュール310は、温度センサ311と、A/D変換器312と、基準電圧取得ユニット313とを含む。
【0053】
実施形態において、前記温度センサ311は、前記A/D変換器312に接続され、温度データを収集して前記A/D変換器312に送信する。また、前記A/D変換器312は、第1接続端子3121が前記温度センサ311に接続され、第2接続端子3122が前記基準電圧取得ユニット313に接続され、前記温度データを温度デジタル信号に変換して前記基準電圧取得ユニット313に送信してもよい。
【0054】
本発明の実施例によれば、FPGA内の温度センサ311及びA/D変換器312(Analog-to-digital converter,ADC)を利用して、現在のチップ温度を表すデジタルコード値を取得することができる。このデジタルコード値は、不揮発性メモリのポインタとして機能し、その指し示すメモリの位置に従って、その温度で要求されるLDO電圧に対応する制御コード値によって書き込まれることができる。校正すべき電圧を校正するとき、異なる温度におけるLDO標準基準電圧を呼び出し、現在の温度に対応するLDO標準基準電圧を基準電圧とすることができる。言い換えれば、基準電圧生成モジュール310は、温度センサ311及びA/D変換器312を利用して、現在の温度を表すデジタルコードを生成することができる。そして、基準電圧取得ユニット313は、取得された温度デジタルコードを用いてアドレス指定を行い、基準電圧に対応するデジタルコード値を取得し、このデジタルコード値に対応する電圧を基準電圧とすることができる。
【0055】
一つの態様として、前記基準電圧取得ユニット313は、第1接続端子3131が前記A/D変換器に接続され、第2接続端子3132が前記コンパレータ330に接続され、前記温度デジタル信号に対応する電圧を基準電圧として取得して前記コンパレータ330に送信する。
【0056】
上記の説明からわかるように、コンパレータ330は、校正すべき電圧と基準電圧とを取得すると、前記校正すべき電圧と基準電圧とを比較する。校正すべき電圧が基準電圧より大きい場合、校正コントローラ340は、プロセスに従って前記校正すべき電圧を下げてから、下げた校正すべき電圧が校正基準電圧より大きいか否かを再度比較する。校正すべき電圧が校正基準電圧より大きい場合、プロセスに従って校正すべき電圧をさらに下げることができる。また、校正すべき電圧が基準電圧より低い場合、校正コントローラ340は、前記校正すべき電圧を上げることができる。
【0057】
なお、校正すべき電圧の校正中に、連続した調整ステップで校正すべき電圧の上げと下げとが相次いで発生すると、現在の校正が基準電圧に最も近い状況に達したことを示すため、この時点で、現在の電圧校正動作が完了したと判定することができる。これにより、LDOシステムのバックグラウンド校正を実現することができると同時に、FPGAの豊富な論理クロックリソースによって容易に制御可能なフォアグラウンド校正を制御命令によって行うことができる。
【0058】
本願の実施例により提供される電圧校正回路によれば、該電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本発明は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ、及び校正コントローラを組み合わせることにより、電圧の自己校正をより簡単かつ効果的に実現することができる。さらに、本発明の実施例によれば、FPGAの豊富な論理クロックリソースを用いて、校正すべき電圧を柔軟に校正することができるだけでなく、ハードウェアのコストをある程度低減することができる。
【0059】
本願の実施例により提供される電圧校正方法の方法フローチャートである
図8を参照し、このフローチャートは上述した電圧校正回路に適用される。
図8からわかるように、この方法は、ステップS410からステップS430を含む。
【0060】
ステップS410において、校正すべき電圧と基準電圧とを取得し、前記基準電圧は、温度データに基づいて前記基準電圧生成モジュールにより取得されている。
【0061】
ステップS420において、前記校正すべき電圧と前記基準電圧とを比較して、電圧比較結果を取得する。
【0062】
ステップS430において、前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正する。
【0063】
本発明の実施例によれば、電圧校正時に、基準電圧自体の温度特性曲線に過度に依存する必要がないため、設計マージンをある程度自由にした。また、本手段は、環境設定に応じてLDO電圧を変更する必要がある各種の用途に用いることができ、バックグラウンド及びフォアグラウンドの電圧校正時に、LDO電圧の比較的精確な制御を実現することができ、LDO電圧のオーバーシュートを緩和することができるだけでなく、電圧回復速度を改善して負荷調整率を最適化することができる。FPGAの使用により、電圧校正回路は、過大なハードウェア設計コストを必要としないとともに、チップの組込み自己テスト(Built in Self Testing,BIST)が実装可能になる。
【0064】
以上のように、本願の実施例により提供される電圧校正回路及び方法によれば、電圧校正回路を利用して、電圧の校正をより簡単かつ効率的に実現することができる。電圧校正回路は、温度データに基づいて基準電圧を取得してコンパレータに送信する基準電圧生成モジュールと、前記基準電圧生成モジュールに接続された第1電圧受信端子と、校正すべき電圧を受信する第2電圧端子と、を含み、前記基準電圧と前記校正すべき電圧とを比較して、電圧比較結果を取得するコンパレータと、前記コンパレータの結果出力端子に接続され、前記コンパレータから送信された前記電圧比較結果に基づいて前記校正すべき電圧を校正して、目標電圧を取得する校正コントローラと、を含む。本発明は、基準電圧生成モジュール、コンパレータ及び校正コントローラを組み合わせることにより、電圧の自己校正をより簡単かつ効果的に実現することができる。さらに、本願の実施例によれば、外部から基準電圧を導入するだけで、基準電圧生成モジュールの機能を兼ねることができるため、電圧校正の柔軟性を向上させることができる。
【0065】
これにより分かるように、上記で開示された方法のステップ、システム、システムにおける機能モジュール/ユニットの全てまたは一部は、ソフトウェア(コンピューティングシステムによって実行可能なコンピュータプログラムコードによって実装できる)、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよいことを、当業者は理解できるであろう。ハードウェアによる実施形態において、上記説明で触れた機能モジュール/ユニット間の区分は、物理的組立体の区分に必ずしも対応しているとは限らず、例えば、一つの物理的組立体は複数の機能を有することができ、または、一つの機能またはステップはいくつかの物理的組立体によって協働して実行されることができる。いくつかの物理的組立体またはすべての物理的組立体は、中央処理装置、デジタルシグナルプロセッサまたはマイクロプロセッサのようなプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、あるいはハードウェアとして、あるいは特定用途向け集積回路のような集積回路として実施することができる。
【0066】
さらに、通信媒体は通常、コンピュータ可読指令、データ構造、コンピュータプログラムモジュール、または搬送波または他の伝送メカニズムのような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報伝送媒体を含むことができることは、当業者にとって周知のことである。したがって、本願は、いかなる特定のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにも限定されない。
【0067】
以上の内容は、本願の実施例を具体的な実施形態を合わせてさらに詳しく説明したものであり、本願の具体的な実施がこれらの説明に限定されると認めるべきではない。本願が属する技術分野の当業者にとって、本願の発明構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推断演繹又は置換を行うことができ、それらはいずれも本願の保護範囲に属するとみなすべきである。
【0068】
本願は、2020年12月31日に出願された発明の名称が「電圧校正回路及び方法」であり、出願番号が202011627543.8である中国先行出願の優先権を主張しており、上記先行出願の内容を援用により本明細書に組み入れる。
【国際調査報告】