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特表2023-548705モータサイクルの前照灯の光学系用光学装置
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  • 特表-モータサイクルの前照灯の光学系用光学装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-20
(54)【発明の名称】モータサイクルの前照灯の光学系用光学装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/29 20180101AFI20231113BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20231113BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20231113BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/24
F21W102:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527423
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021080134
(87)【国際公開番号】W WO2022106179
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】20208077.6
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】キセリカ、ヤロスラフ
(57)【要約】
【課題】改善された光学装置を提供する。
【解決手段】モータサイクルの前照灯用光学装置10は、本体110と主方向Xに配光を形成し、光学的有効領域131を持つ共通光出射面130を持つ複数の導光素子120とを有する一次光学系100と、ホルダ300と、ホルダ300に取付時ホルダ300とともに一次光学系100の位置をホルダ300とカバー要素400との間に固定するカバー要素400とを備え、一次光学系100は共通光出射面130から主方向Xに突出する突起であり、第一支持面210を持つ安定化構造200を備え、カバー要素400は第一対向支持面410を備え、本体110は第二支持面140を備え、ホルダ300は第二対向支持面を備え、第一対向支持面410は、カバー要素400のホルダ300への取付時に第一支持面210とともに光学的有効領域131の曲面の位置を安定させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータサイクルの前照灯用の光学装置(10)であって、当該光学装置(10)は、
- 本体(110)と、主方向(X)において、光源の光から予め定めた配光を形成するために前記本体(110)から突出する複数の導光素子(120)とを有する一次光学系(100)であって、
前記導光素子(120)は、それぞれ、
前記光源の光を前記導光素子(120)に結合可能な光入射面(121)と、
共通の光出射面(130)と、を備え、
前記共通の光出射面(130)は、曲面として設計された光学的有効領域(131)と、前記共通の出射面(130)の前記光学的有効領域(131)を限定する周辺領域(132)と、を有し、
前記光学的有効領域(131)の前記曲面は、それぞれ前記主方向(X)と直交する少なくとも2軸に沿って湾曲する、一次光学系(100)と、
- 前記一次光学系(100)の背面側に配置されるホルダ(300)であって、
前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)は、当該ホルダ(300)の開口領域を通って当該ホルダ(300)を貫き、
当該開口領域は、前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)を受容し、当該導光素子(120)を、前記光源に対して所定位置に保持するよう構成される、ホルダ(300)と、
- 前記一次光学系(100)の前面側に、前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)に背を向けて配置されるカバー要素(400)であって、
当該カバー要素(400)は、当該カバー要素(400)上の少なくとも1つの第一係合素子によって前記ホルダ(300)に取り付け可能であり、前記第一係合素子は、前記ホルダ(300)上に配置された少なくとも1つの第二係合素子に係合するよう構成され、
当該カバー要素(400)は、当該カバー要素(400)がホルダ(300)に取り付けられた際、前記ホルダ(300)に組み合わされて、前記一次光学系(100)の前記位置を、前記ホルダ(300)と当該カバー要素(400)との間に固定するよう構成される、カバー要素(400)と、を備え、
前記一次光学系(100)は、安定化構造(200)を備え、
前記安定化構造(200)は、前記共通の光出射面(130)から前記主方向(X)に突出する突起として構築され、
前記安定化構造(200)は、第一支持面(210)を備え、
前記カバー要素(400)は、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)の形状に沿った第一対向支持面(410)を備え、
前記一次光学系(100)の前記本体(110)は、前記一次光学系(100)の前記背面側の前記第一支持面(210)の反対側に配置される第二支持面(140)を備え、
前記ホルダ(300)は、第二対向支持面を備え、
前記第一対向支持面(410)は、前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)と組み合わさって、前記一次光学系(100)の前記共通の光出射面(130)の前記光学的有効領域(131)の前記曲面の前記位置を安定させるよう構成され、
前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、前記カバー要素(400)は、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)に圧接され、前記ホルダ(300)の前記第二対向支持面は、前記本体(110)の前記第二支持面(140)に圧接される、
ことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学装置であって、
前記安定化構造(200)の前記支持面(210)は、三角形に構築される、光学装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光学装置であって、
前記安定化構造(200)は、直立の三角柱として構築される、光学装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記導光素子(120)は、前記本体(110)上の少なくとも2つの領域であって、扇形に形成された領域に配置される、光学装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記ホルダ(300)は、前記一次光学系(100)の前記本体(110)に、前記ホルダ(300)上に配置された第三係合素子の少なくとも1つにより、取り付け可能であり、
前記第三係合素子は、前記一次光学系(100)の前記本体(110)上に配置された第四係合素子(150)の少なくとも1つと係合するよう構成される、光学装置。
【請求項6】
請求項5記載の光学装置であって、
前記第四係合(150)素子は、前記本体(110)の、前記安定化構造(200)に背を向ける側に配置される、光学装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、太陽放射を遮断するよう構成された焼成ガラスシェードとして構築される、光学装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記一次光学系(100)は、シリコーン材製である、光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、前記一次光学系(100)の前記共通の光出射面(130)の前記周辺領域(132)に実質的に沿うよう前記対向支持面(410)から延びる2つのブランチ部を備え、前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、当該カバー要素(400)は、前記周辺領域(132)および前記支持面(210)に圧接される、光学装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記安定化構造は、角錐台構造に構築される、光学装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、前記第一対向支持面(410)を備えるキャビティ(420)を有し、
前記キャビティ(420)は、前記安定化構造(200)が前記キャビティ(420)に確実に挿入可能なように、前記安定化構造(200)に対応する、光学装置。
【請求項12】
請求項11記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、3D成形されたカバー要素として構築される、光学装置。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、実質的に一つの平面内に延びる板形状を有し、
好ましくは、当該平面は、前記主方向(X)に垂直である、光学装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項記載の光学装置(10)を、少なくとも1つ備える、モータサイクルの前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータサイクルの前照灯用の光学装置であって、以下を備える光学装置に関する。
- 本体と、光源の光から主方向に予め定めた配光を形成するために前記本体から突出する複数の導光素子とを有する一次光学系であって、
前記導光素子は、それぞれ、
前記光源の光を前記導光素子に結合可能な光入射面と、
共通の光出射面と、を備え、
前記共通の光出射面は、曲面として設計された光学的有効領域と、前記共通の光出射面の前記光学的有効領域を限定する周辺領域と、を有し、
前記光学的有効領域の前記曲面は、それぞれ前記主方向と直交する少なくとも2軸に沿って湾曲する、一次光学系と、
- 前記一次光学系の背面側に配置されるホルダであって、
前記一次光学系の前記導光素子は、前記ホルダの開口領域を通ってホルダを貫き、
当該開口領域は、前記一次光学系の前記導光素子を受容し、当該導光素子を、前記光源に対して所定位置に保持するよう構成される、ホルダと、
- 前記一次光学系の前面側に、前記一次光学系の前記導光素子に背を向けて配置されるカバー要素であって、
前記カバー要素は、前記カバー要素上の少なくとも1つの第一係合素子によって前記ホルダに取り付け可能であり、前記第一係合素子は、前記ホルダ上に配置された少なくとも1つの第二係合素子に係合するよう構成され、
前記カバー要素は、当該カバー要素がホルダに取り付けられた際、前記ホルダに組み合わされて、前記一次光学系の位置を、前記ホルダと前記カバー要素との間に固定するよう構成される、カバー要素。
【0002】
さらに、本発明は、前記発明による光学装置を少なくとも1つ備えるモータサイクルの前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の一次光学系を有する光学装置は、通常、シリコーン材製であり、このため、光出射面の大きさに制限がある。さもないと、素材のために不安定になり、必然的に発生する振動により、乗車中に配光に揺れが生じるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改善された光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、前記一次光学系は、安定化構造を備える。前記安定化構造は、共通の光出射面から主方向に向けて突出する突起として構築される。また、前記安定化構造は、第一支持面を備える。
前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面の形状に沿った第一対向支持面を備える。
前記一次光学系の前記本体は、前記一次光学系の前記背面側の前記第一支持面の反対側に配置される第二支持面を備える。そして、前記ホルダは、第二対向支持面を備える。
前記第一対向支持面は、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記安定化構造の前記第一支持面と組み合わさって、前記一次光学系の前記共通の光出射面の前記光学的有効領域の前記曲面の前記位置を安定させるよう構成される。
前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面に圧接され、前記ホルダの前記第二対向支持面は、前記本体の前記第二支持面に圧接される。
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0009】
有利には、前記光学装置は、光を前記導光素子に向けて出射する光源を備える。
【0010】
有利には、前記安定化構造の前記支持面の形状は、三角形として構築される。
【0011】
有利には、前記安定化構造は、直角三角柱に構築される。
【0012】
有利には、前記安定化構造は、角錐台構造に構築される。
【0013】
このような形状は、前記安定化構造の体積を小さく保ちながら、当該安定化構造の高い安定性を実現し、その結果、光学的有効領域を増加させる。
【0014】
有利には、前記導光素子は、前記本体上の少なくとも2つの領域であって、扇形に形成された領域に配置される。
【0015】
有利には、前記ホルダは、当該ホルダに配置された少なくとも1つの第三係合素子によって前記一次光学系の本体に取り付け可能である。当該第三係合素子は、前記一次光学系の前記本体上に配置された第四係合素子の少なくとも1つに係合するよう構成される。
【0016】
有利には、前記第四係合素子は、前記本体の、前記安定化構造に背を向ける側に配置される。
【0017】
有利には、前記カバー要素は、太陽放射を遮断するよう構成された焼成ガラスシェードとして構築される。
【0018】
有利には、前記一次光学系は、シリコーン材製である。
【0019】
有利には、カバー要素は、前記一次光学系の前記共通の光出射面の周辺領域に実質的に沿うよう前記対向支持面から延びる2つのブランチ部を備え、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、当該カバー要素は、前記周辺領域および前記支持面に圧接される。
【0020】
これにより、前記光学的有効領域のサイズを維持しながら、当該光学的有効領域をさらに安定化させることができる。
【0021】
有利には、前記カバー要素は、前記第一対向支持面を備えるキャビティを有し、前記キャビティは、前記安定化構造が前記キャビティに確実に挿入可能なように、前記安定化構造に対応する。
【0022】
有利には、前記カバー要素は、3D成形されたカバー要素として構築される。
【0023】
有利には、前記カバー要素は、実質的に一つの平面内に延びる板形状を有し、好ましくは、当該平面は、前記主方向に垂直である。
【0024】
前記目的は、また、本発明による光学装置を少なくとも1つ備えるモータサイクルの前照灯によっても達成される。
【0025】
以下、本発明をさらに説明するため、図面に示すように、例示的かつ非制限的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、一次光学系、ホルダおよびカバー要素を有するモータサイクルの前照灯用の光学装置の一例の透視図である。
図2図2は、図1の一次光学系の一例の透視図である。
図3図3は、図2の一次光学系の、主方向から見た背面図である。
図4図4は、カバー要素が空洞を有する、モータサイクルの前照灯用の光学装置のさらなる例の透視図である。
【実施例
【0027】
図1は、モータサイクルの前照灯の光学装置10の一例を示す。ここでは、光学装置10は、一次光学系100を備える。一次光学系100は、本体110と複数の導光素子120とを有する。導光素子120は、図2に詳細に示すように、光源の光から、主方向Xに予め定めた配光を形成するため、本体110から突出している。さらに、一次光学系100は、射出成形法によるシリコーン材(シリコーン樹脂)製である。
【0028】
各導光素子120は、光入射面121と、共通の光出射面130とを有する。光源の光は光入射面121を介して導光素子120に結合できる。共通の光出射面130は、曲面として設計された光学的有効(relevant)領域131と、共通の光出射面130の光学的有効領域131を限定(画成)する周辺(周縁)領域132と、を有する。光学的有効領域131の曲面は、それぞれ主方向Xと直交し、かつ、互いに直交する、少なくとも2軸に沿って湾曲する。
【0029】
導光素子120は、図3に示すように、本体110上の少なくとも2つの領域に配置され、それらの領域は扇形に形成される。
【0030】
光学装置10は、さらに、一次光学系100の背面側に配置されるホルダ300を備える。一次光学系100の導光素子(複数)120は、ホルダ300の開口領域を通ってホルダ300を通過するように配置される。開口領域は、一次光学系100の導光素子(複数)120を受容し、それらを光源に対して所定位置に保持するよう構成される。
【0031】
また、光学装置10は、カバー要素400を備える。カバー要素400は、一次光学系100の前面側に、一次光学系100の導光素子120に背を向けて(一次光学系100の前面側、すなわち、一次光学系100の導光素子120とは反対側に)配置される。カバー要素400は、カバー要素400に配置される少なくとも1つの第一係合素子によりホルダ300に取り付け可能である。また、第一係合素子は、ホルダ300に配置される少なくとも1つの第二係合素子と係合するよう構成される。カバー要素400は、カバー要素がホルダ300に装着された際、ホルダ300と組み合わされて、一次光学系100の位置を、ホルダ300とカバー要素400との間に固定するよう構成される。
【0032】
図2に示すように、一次光学系100は、安定化構造200を備える。安定化構造200は、共通の光出射面130から主方向Xに突出する突起として構築される。安定化構造200は、第一支持面210を備え、直立の(right)三角柱として構築される。安定化構造200の支持面210の形状は、三角形として構築される。
【0033】
図1に示すように、カバー要素400は、第一対向支持面410を備える。この第一対向支持面410は、安定化構造200の第一支持面210の形状に従う。
【0034】
図3に示すように、一次光学系100の本体110は、第二支持面140を備える。第二支持面140は、一次光学系100の背面側の、第一支持面210の反対側に配置される。ホルダ300は、第二対向支持面を備える。第一対向支持面410は、カバー要素400がホルダ300に装着された際、安定化構造200の第一支持面210と組み合わさって、一次光学系100の共通の光出射面130の光学的有効領域131の曲面の位置を安定させるよう構成される。
【0035】
光学装置10が組み立てられた状態では、カバー要素400がホルダ300に装着された際、カバー要素400は、安定化構造200の第一支持面210に圧接され、ホルダ300の第二対向支持面は、本体110の第二支持面140に圧接される。
【0036】
そのために、カバー要素400は、一次光学系100の共通の光出射面130の周辺領域132に実質的に沿うよう対向支持面410から延びる2つのブランチ部を備える。カバー要素400が、ホルダ300に取り付けられた際、カバー要素400は、周辺領域132と支持面210とに圧接される。
【0037】
さらに、カバー要素400は、一次光学系100が、熱せられることなくその光学特性を維持するように、例えば、投射レンズによって集光された太陽放射といった太陽放射を遮断するよう構成された、焼成ガラスシェードとして構築される。
【0038】
さらに、カバー要素400は、実質的に一の平面内に延びる板形状を有する。そして、その平面は、主方向Xに垂直である。
【0039】
詳細には、ホルダ300は、ホルダ300上に配置された3つの第三係合素子によって一次光学系100の本体110に取り付け可能である。これらの第三係合素子は、図3に示す、一次光学系100の本体110上に配置された3つの第四係合素子150と係合するように構成される。
【0040】
第四係合素子150は、本体110の、安定化構造200に背を向ける側に配置される。各第四係合素子150は、主方向Xから見て一次光学系100の背面側の、安定化構造200の三角形の角部にそれぞれ配置される。
【0041】
図4に、ホルダ300と、一次光学系100と、カバー要素400と、を備える、別の光学装置10の一例を示す。ここで、一次光学系100は、第一支持面210を備える安定化構造200を備える。なお、先述の図の実施形態において前述したことは、図4の実施形態にも同様に適用可能である。
【0042】
カバー要素400は、第一対向支持面410を備えるキャビティ420を有する。キャビティ420は、安定化構造200に対応して形成される。図示の例では、安定化構造200は、キャビティ420に確実に挿入可能なよう角錐台構造に構築される。本例のカバー要素400は、3D成形されたカバー要素として構築される。
【0043】
【符号の説明】
【0044】
10:光学装置
100:一次光学系
110:本体
120:導光素子
121:光入射面
130:共通の光出射面
131:光学的有効領域
132:周辺(周縁)領域
140:第二支持面
150:第四係合素子
200:安定化構造
210:第一支持面
300:ホルダ
400:カバー要素
410:第一対向支持面
420:キャビティ
X:主方向
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータサイクルの前照灯用の光学装置(10)であって、当該光学装置(10)は、
- 本体(110)と、主方向(X)において、光源の光から予め定めた配光を形成するために前記本体(110)から突出する複数の導光素子(120)とを有する一次光学系(100)であって、
前記導光素子(120)は、それぞれ、
前記光源の光を前記導光素子(120)に結合可能な光入射面(121)と、
共通の光出射面(130)と、を備え、
前記共通の光出射面(130)は、曲面として設計された光学的有効領域(131)と、前記共通の出射面(130)の前記光学的有効領域(131)を限定する周辺領域(132)と、を有し、
前記光学的有効領域(131)の前記曲面は、それぞれ前記主方向(X)と直交する少なくとも2軸に沿って湾曲する、一次光学系(100)と、
- 前記一次光学系(100)の背面側に配置されるホルダ(300)であって、
前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)は、当該ホルダ(300)の開口領域を通って当該ホルダ(300)を貫き、
当該開口領域は、前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)を受容し、当該導光素子(120)を、前記光源に対して所定位置に保持するよう構成される、ホルダ(300)と、
- 前記一次光学系(100)の前面側に、前記一次光学系(100)の前記導光素子(120)に背を向けて配置されるカバー要素(400)であって、
当該カバー要素(400)は、当該カバー要素(400)上の少なくとも1つの第一係合素子によって前記ホルダ(300)に取り付け可能であり、前記第一係合素子は、前記ホルダ(300)上に配置された少なくとも1つの第二係合素子に係合するよう構成され、
当該カバー要素(400)は、当該カバー要素(400)がホルダ(300)に取り付けられた際、前記ホルダ(300)に組み合わされて、前記一次光学系(100)の前記位置を、前記ホルダ(300)と当該カバー要素(400)との間に固定するよう構成される、カバー要素(400)と、を備え、
前記一次光学系(100)は、安定化構造(200)を備え、
前記安定化構造(200)は、前記共通の光出射面(130)から前記主方向(X)に突出する突起として構築され、
前記安定化構造(200)は、第一支持面(210)を備え、
前記カバー要素(400)は、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)の形状に沿った第一対向支持面(410)を備え、
前記一次光学系(100)の前記本体(110)は、前記一次光学系(100)の前記背面側の前記第一支持面(210)の反対側に配置される第二支持面(140)を備え、
前記ホルダ(300)は、第二対向支持面を備え、
前記第一対向支持面(410)は、前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)と組み合わさって、前記一次光学系(100)の前記共通の光出射面(130)の前記光学的有効領域(131)の前記曲面の前記位置を安定させるよう構成され、
前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、前記カバー要素(400)は、前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)に圧接され、前記ホルダ(300)の前記第二対向支持面は、前記本体(110)の前記第二支持面(140)に圧接される、
ことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学装置であって、
前記安定化構造(200)の前記第一支持面(210)は、三角形に構築される、光学装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光学装置であって、
前記安定化構造(200)は、直立の三角柱として構築される、光学装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記導光素子(120)は、前記本体(110)上の少なくとも2つの領域であって、扇形に形成された領域に配置される、光学装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記ホルダ(300)は、前記一次光学系(100)の前記本体(110)に、前記ホルダ(300)上に配置された第三係合素子の少なくとも1つにより、取り付け可能であり、
前記第三係合素子は、前記一次光学系(100)の前記本体(110)上に配置された第四係合素子(150)の少なくとも1つと係合するよう構成される、光学装置。
【請求項6】
請求項5記載の光学装置であって、
前記第四係合素子(150)は、前記本体(110)の、前記安定化構造(200)に背を向ける側に配置される、光学装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、太陽放射を遮断するよう構成された焼成ガラスシェードとして構築される、光学装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記一次光学系(100)は、シリコーン材製である、光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、前記一次光学系(100)の前記共通の光出射面(130)の前記周辺領域(132)に実質的に沿うよう前記第一対向支持面(410)から延びる2つのブランチ部を備え、前記カバー要素(400)が前記ホルダ(300)に取り付けられた際、当該カバー要素(400)は、前記周辺領域(132)および前記第一支持面(210)に圧接される、光学装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記安定化構造は、角錐台構造に構築される、光学装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、前記第一対向支持面(410)を備えるキャビティ(420)を有し、
前記キャビティ(420)は、前記安定化構造(200)が前記キャビティ(420)に確実に挿入可能なように、前記安定化構造(200)に対応する、光学装置。
【請求項12】
請求項11記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、3D成形されたカバー要素として構築される、光学装置。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか1項記載の光学装置であって、
前記カバー要素(400)は、実質的に一つの平面内に延びる板形状を有する、光学装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項記載の光学装置(10)を、少なくとも1つ備える、モータサイクルの前照灯。
【請求項15】
請求項13記載の光学装置であって、
前記平面は、前記主方向(X)に垂直である、光学装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】EP3578874A1
【特許文献2】EP3604902A1
【特許文献3】US2020/309342A1
【特許文献4】US2018/264994A1
【特許文献5】US2015/124469A1
【特許文献6】WO2018/065278A1
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の第一の視点によれば、以下のモータサイクルの前照灯用の光学装置が提供される。
当該光学装置は、
- 本体と、主方向において、光源の光から予め定めた配光を形成するために前記本体から突出する複数の導光素子とを有する一次光学系であって、
前記導光素子は、それぞれ、
前記光源の光を前記導光素子に結合可能な光入射面と、
共通の光出射面と、を備え、
前記共通の光出射面は、曲面として設計された光学的有効領域と、前記共通の出射面の前記光学的有効領域を限定する周辺領域と、を有し、
前記光学的有効領域の前記曲面は、それぞれ前記主方向と直交する少なくとも2軸に沿って湾曲する、一次光学系と、
- 前記一次光学系の背面側に配置されるホルダであって、
前記一次光学系の前記導光素子は、当該ホルダの開口領域を通って当該ホルダを貫き、
当該開口領域は、前記一次光学系の前記導光素子を受容し、当該導光素子を、前記光源に対して所定位置に保持するよう構成される、ホルダと、
- 前記一次光学系の前面側に、前記一次光学系の前記導光素子に背を向けて配置されるカバー要素であって、
当該カバー要素は、当該カバー要素上の少なくとも1つの第一係合素子によって前記ホルダに取り付け可能であり、前記第一係合素子は、前記ホルダ上に配置された少なくとも1つの第二係合素子に係合するよう構成され、
当該カバー要素は、当該カバー要素がホルダに取り付けられた際、前記ホルダに組み合わされて、前記一次光学系の前記位置を、前記ホルダと当該カバー要素との間に固定するよう構成される、カバー要素と、を備える。
前記一次光学系は、安定化構造を備える。前記安定化構造は、共通の光出射面から主方向に向けて突出する突起として構築される。また、前記安定化構造は、第一支持面を備える。
前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面の形状に沿った第一対向支持面を備える。
前記一次光学系の前記本体は、前記一次光学系の前記背面側の前記第一支持面の反対側に配置される第二支持面を備える。そして、前記ホルダは、第二対向支持面を備える。
前記第一対向支持面は、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記安定化構造の前記第一支持面と組み合わさって、前記一次光学系の前記共通の光出射面の前記光学的有効領域の前記曲面の前記位置を安定させるよう構成される。
前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面に圧接され、前記ホルダの前記第二対向支持面は、前記本体の前記第二支持面に圧接される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第二の視点によれば、上記の光学装置を、少なくとも1つ備える、モータサイクルの前照灯が提供される。
なお、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解を容易にするためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
有利には、前記安定化構造の前記第一支持面の形状は、三角形として構築される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
有利には、カバー要素は、前記一次光学系の前記共通の光出射面の周辺領域に実質的に沿うよう前記対向支持面から延びる2つのブランチ部を備え、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、当該カバー要素は、前記周辺領域および前記第一支持面に圧接される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図2に示すように、一次光学系100は、安定化構造200を備える。安定化構造200は、共通の光出射面130から主方向Xに突出する突起として構築される。安定化構造200は、第一支持面210を備え、直立の(right)三角柱として構築される。安定化構造200の第一支持面210の形状は、三角形として構築される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
そのために、カバー要素400は、一次光学系100の共通の光出射面130の周辺領域132に実質的に沿うよう第一対向支持面410から延びる2つのブランチ部を備える。カバー要素400が、ホルダ300に取り付けられた際、カバー要素400は、周辺領域132と第一支持面210とに圧接される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
上記の実施形態および変形例の一部又は全部は、以下に付記する形態のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
モータサイクルの前照灯用の光学装置であって、当該光学装置は、
- 本体と、主方向において、光源の光から予め定めた配光を形成するために前記本体から突出する複数の導光素子とを有する一次光学系であって、
前記導光素子は、それぞれ、
前記光源の光を前記導光素子に結合可能な光入射面と、
共通の光出射面と、を備え、
前記共通の光出射面は、曲面として設計された光学的有効領域と、前記共通の出射面の前記光学的有効領域を限定する周辺領域と、を有し、
前記光学的有効領域の前記曲面は、それぞれ前記主方向と直交する少なくとも2軸に沿って湾曲する、一次光学系と、
- 前記一次光学系の背面側に配置されるホルダであって、
前記一次光学系の前記導光素子は、当該ホルダの開口領域を通って当該ホルダを貫き、
当該開口領域は、前記一次光学系の前記導光素子を受容し、当該導光素子を、前記光源に対して所定位置に保持するよう構成される、ホルダと、
- 前記一次光学系の前面側に、前記一次光学系の前記導光素子に背を向けて配置されるカバー要素であって、
当該カバー要素は、当該カバー要素上の少なくとも1つの第一係合素子によって前記ホルダに取り付け可能であり、前記第一係合素子は、前記ホルダ上に配置された少なくとも1つの第二係合素子に係合するよう構成され、
当該カバー要素は、当該カバー要素がホルダに取り付けられた際、前記ホルダに組み合わされて、前記一次光学系の前記位置を、前記ホルダと当該カバー要素との間に固定するよう構成される、カバー要素と、を備え、
前記一次光学系は、安定化構造を備え、
前記安定化構造は、前記共通の光出射面から前記主方向に突出する突起として構築され、
前記安定化構造は、第一支持面を備え、
前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面の形状に沿った第一対向支持面を備え、
前記一次光学系の前記本体は、前記一次光学系の前記背面側の前記第一支持面の反対側に配置される第二支持面を備え、
前記ホルダは、第二対向支持面を備え、
前記第一対向支持面は、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記安定化構造の前記第一支持面と組み合わさって、前記一次光学系の前記共通の光出射面の前記光学的有効領域の前記曲面の前記位置を安定させるよう構成され、
前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、前記カバー要素は、前記安定化構造の前記第一支持面に圧接され、前記ホルダの前記第二対向支持面は、前記本体の前記第二支持面に圧接される、
ことを特徴とする光学装置。
(付記2)
付記1記載の光学装置において、
前記安定化構造の前記第一支持面は、三角形に構築されることが好ましい。
(付記3)
付記1または2記載の光学装置において、
前記安定化構造は、直立の三角柱として構築されることが好ましい。
(付記4)
付記1から3のいずれかに記載の光学装置において、
前記導光素子は、前記本体上の少なくとも2つの領域であって、扇形に形成された領域に配置されることが好ましい。
(付記5)
付記1から4のいずれかに記載の光学装置において、
前記ホルダは、前記一次光学系の前記本体に、前記ホルダ上に配置された第三係合素子の少なくとも1つにより、取り付け可能であり、
前記第三係合素子は、前記一次光学系の前記本体上に配置された第四係合素子の少なくとも1つと係合するよう構成されることが好ましい。
(付記6)
付記5記載の光学装置において、
前記第四係合素子は、前記本体の、前記安定化構造に背を向ける側に配置されることが好ましい。
(付記7)
付記1から6のいずれかに記載の光学装置において、
前記カバー要素は、太陽放射を遮断するよう構成された焼成ガラスシェードとして構築されることが好ましい。
(付記8)
付記1から7のいずれかに記載の光学装置において、
前記一次光学系は、シリコーン材製であることが好ましい。
(付記9)
付記1から8のいずれかに記載の光学装置において、
前記カバー要素は、前記一次光学系の前記共通の光出射面の前記周辺領域に実質的に沿うよう前記第一対向支持面から延びる2つのブランチ部を備え、前記カバー要素が前記ホルダに取り付けられた際、当該カバー要素は、前記周辺領域および前記第一支持面に圧接されることが好ましい。
(付記10)
付記1から9のいずれかに記載の光学装置おいて、
前記安定化構造は、角錐台構造に構築されることが好ましい。
(付記11)
付記1から10のいずれかに記載の光学装置において、
前記カバー要素は、前記第一対向支持面を備えるキャビティを有し、
前記キャビティは、前記安定化構造が前記キャビティに確実に挿入可能なように、前記安定化構造に対応することが好ましい。
(付記12)
付記11記載の光学装置において、
前記カバー要素は、3D成形されたカバー要素として構築されることが好ましい。
(付記13)
付記1から10のいずれかに記載の光学装置において、
前記カバー要素は、実質的に一つの平面内に延びる板形状を有し、
当該平面は、前記主方向に垂直であることが好ましい。
(付記14)
付記1から13のいずれかに記載の光学装置(10)を、少なくとも1つ備える、モータサイクルの前照灯。
【国際調査報告】