(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システム
(51)【国際特許分類】
H02M 1/32 20070101AFI20231114BHJP
H03K 17/16 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H02M1/32
H03K17/16 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513754
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 CN2021104011
(87)【国際公開番号】W WO2022048293
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】202021938887.6
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010923912.1
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520434178
【氏名又は名称】欣旺達動力科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunwoda Mobility Energy Technology Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 1-2, Building A, Sunwoda Industrial Park, No.18 Tangjia South Road, Gongming Street, Guangming New District Shenzhen, Guangdong 518000(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】陳斌斌
(72)【発明者】
【氏名】陳曉東
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BB01
5H740BB07
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5J055FX32
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5J055FX37
5J055GX01
5J055GX02
(57)【要約】
本発明は、ソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システムを提供する。回路は、ゲート接続端と、ドレイン接続端と、ソース接続端と、放電コンデンサと、過電圧信号収集モジュールと、負帰還モジュールと、放電電流制御モジュールと、遮断制御モジュールとを含む。その有益な効果は、以下の通りである。過電圧信号収集モジュールと、負帰還モジュールと、放電電流制御モジュールと遮断制御モジュールとを閉ループの負帰還調節システムに構成することで、MOSFETのドレイン及びソース電圧を所定の電圧値に制限することができる。さらにMOSFETの遮断速度を調節して制御し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現し、TVSダイオードの代わりに遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収し、高い温度が発生せず、高温に対応する放熱構造は必要がなくて、クランプTVSダイオードを用いて遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収することに起因する、失効率が高く、占有面積が大きいという既存の問題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MOSFETに接続され、前記MOSFETの遮断を制御するソフト遮断アクティブクランプ保護回路であって、
ゲート接続端と、ドレイン接続端と、ソース接続端と、放電コンデンサと、過電圧信号収集モジュールと、負帰還モジュールと、放電電流制御モジュールと、遮断制御モジュールとを含み、
前記ゲート接続端は、前記MOSFETのゲートに接続され、
前記ソース接続端は、前記MOSFETのソースに接続され、
前記ドレイン接続端は、前記MOSFETのドレインに接続され、
前記ゲート接続端、ドレイン接続端及びソース接続端は、互いに接続され、
前記放電コンデンサは、一端が前記ゲート接続端に接続され、他端が前記ドレイン接続端に接続され、
前記過電圧信号収集モジュールは、前記ソース接続端と前記ドレイン接続端との間に介在され、
前記放電電流制御モジュールと遮断制御モジュールは、前記ゲート接続端と前記ドレイン接続端との間に直列に接続され、
前記負帰還モジュールは、前記過電圧信号収集モジュールと前記放電電流制御モジュールに接続され、
前記過電圧信号収集モジュールは、過電圧信号が収集されると導通され、
前記負帰還モジュールは、前記過電圧信号収集モジュールが導通される時に前記放電電流制御モジュールに負帰還し、前記放電電流制御モジュールは、前記負帰還に基づいて前記放電コンデンサの放電電流を制御し、さらに前記ゲート接続端の出力電流を制御し、
前記遮断制御モジュールは、前記ゲート接続端の出力電流に基づいて遮断又は導通する、
ことを特徴とするソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項2】
前記過電圧信号収集モジュールは、順次直列に接続される第1のダイオードと、第1の抵抗器と、第2の抵抗器とを含み、
前記第1のダイオードの陰極は、前記ドレイン接続端に接続され、
前記負帰還モジュールは、制御端を含み、前記負帰還モジュールの制御端は、前記第1の抵抗器と第2の抵抗器との間に接続され、前記第2の抵抗器の他端は、前記ソース接続端に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項3】
前記第1のダイオードは、ツェナーダイオードである、
ことを特徴とする請求項2に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項4】
前記過電圧信号収集モジュールは、前記第1のダイオードに並列に接続される第1のコンデンサをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項5】
前記負帰還モジュールは、第4の抵抗器と第1のトリオードとを含み、
前記第4の抵抗器は、一端が前記ドレイン接続端に接続され、他端が前記第1のトリオードのコレクタに接続され、
前記第1のトリオードのエミッタは、前記ソース接続端に接続され、
前記第1のトリオードのベースは、前記過電圧信号収集モジュールに接続され、
前記第1のトリオードのベースは、前記負帰還モジュールの制御端であり、
前記放電電流制御モジュールは、制御端を含み、前記放電電流制御モジュールの制御端は、前記第4の抵抗器の他端に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項6】
前記放電電流制御モジュールは、第2のトリオードを含み、
前記第2のトリオードのベースは、前記放電電流制御モジュールの制御端であり、
前記第2のトリオードのベースは、前記負帰還モジュールに接続され、
前記第2のトリオードのコレクタは、前記遮断制御モジュールに接続され、
前記第2のトリオードのエミッタは、前記ソース接続端に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項7】
前記放電電流制御モジュールは、第5の抵抗器をさらに含み、
前記第2のトリオードは、前記第5の抵抗器に直列に接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項8】
前記遮断制御モジュールは、第3のトリオードを含み、
前記第3のトリオードのベースは、第2のダイオードを介してMOS駆動モジュールに接続され、
前記第3のトリオードのベースは、前記第2のダイオードの陽極に接続され、
前記第3のトリオードのコレクタは、前記ゲート接続端に接続され、
前記第3のトリオードのエミッタは、前記放電電流制御モジュールに接続され、
前記MOS駆動モジュールは、第3のダイオードを介して前記ゲート接続端に接続され、
前記ゲート接続端は、前記第3のダイオードの陰極に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路。
【請求項9】
電源システムであって、
充放電回路と請求項1~8のいずれか一項に記載のソフト遮断アクティブクランプ保護回路とを含み、
前記充放電回路は、電源とMOSFETとを含み、前記電源及びMOSFETと負荷は、回路を構成し、前記ソフト遮断アクティブクランプ保護回路は、前記MOSFETに接続され、
前記電源の制御システムは、MOS駆動モジュールを含み、前記駆動モジュールは前記遮断制御モジュールと前記ゲート接続端とを接続し、前記ゲート接続端の出力電流に基づいて前記遮断制御モジュールを遮断又は導通させるように制御する、
ことを特徴とする電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路分野に関し、特にソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、電気自動車システムでは、BMSは、充放電の過程で、過電流やその他のセキュリティ関連の故障が検出されると、遮断器スイッチを適時に切断して保護する必要がある。通常は遮断器スイッチとしてMOSFETを使用するが、負荷遮断時にBMS出力がアクセスするワイヤハーネスリード線インダクタンス又は感性の負荷により、遮断瞬間に大きな電圧スパイクがMOSFETのドレイン及びソースの両端に加えられ、MOSFETのアバランシェ降伏を引き起こし、遮断エネルギーが大き過ぎるとMOSFETの破壊を引き起こしやすい。
【0003】
上記故障の発生を回避するために、通常の設計では、クランプTVSダイオードを使用して遮断の瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収するが、大電力TVSの選択が難しいので、クランプ吸収としてTVSを使用すると、コストの高い大電力TVSを使用することになり、このような大きなエネルギーに耐えるために4~5個のTVSを使用する必要があるとともに、配線の時にTVSに十分な放熱銅箔を配置する必要があり、しかもコストが高く、占有面積が大きく、TVSの短絡失効率が高く、吸収電力が温度の影響を大きく受け、高温下で稼働信頼度が低下する。TVSが失効した後にクランプ失効を引き起こし、MOSFETがこれによって破損する。更に深刻な状況では、BMS遮断器の断路が熱暴走事件を引き起こす場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、従来の、クランプTVSダイオードを使用して遮断の瞬間の電圧スパイク及びエネルギーを吸収することにより、高い失効率及び大きな占有面積をもたらすという課題を解決することを目的とするソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、MOSFETに接続され、MOSFETの遮断を制御するソフト遮断アクティブクランプ保護回路を提供する。ソフト遮断アクティブクランプ保護回路は、ゲート接続端と、ドレイン接続端と、ソース接続端と、放電コンデンサと、過電圧信号収集モジュールと、負帰還モジュールと、放電電流制御モジュールと、遮断制御モジュールとを含む。
ゲート接続端は、MOSFETのゲートに接続される。
ソース接続端は、MOSFETのソースに接続される。
ドレイン接続端は、MOSFETのドレインに接続される。
ゲート接続端、ドレイン接続端及びソース接続端は、互いに接続される。
放電コンデンサは、一端がゲート接続端に接続され、他端がドレイン接続端に接続される。
過電圧信号収集モジュールは、ソース接続端とドレイン接続端との間に介在される。
放電電流制御モジュールと遮断制御モジュールは、ゲート接続端とドレイン接続端との間に直列に接続される。
負帰還モジュールは、過電圧信号収集モジュールと放電電流制御モジュールに接続される。
過電圧信号収集モジュールは、過電圧信号が収集されると導通される。
負帰還モジュールは、過電圧信号収集モジュールが導通される時に放電電流制御モジュールに負帰還し、放電電流制御モジュールは、負帰還に基づいて放電コンデンサの放電電流を制御し、さらにゲート接続端の出力電流を制御する。
遮断制御モジュールは、ゲート接続端の出力電流に基づいて遮断又は導通する。
【0006】
さらに、過電圧信号収集モジュールは、順次直列に接続される第1のダイオード、第1の抵抗器、第2の抵抗器を含み、第1のダイオードの陰極は、ドレイン接続端に接続され、負帰還モジュールは、制御端を含み、負帰還モジュールの制御端は、第1の抵抗器と第2の抵抗器との間に接続され、第2の抵抗器の他端は、ソース接続端に接続される。
【0007】
さらに、第1のダイオードは、ツェナーダイオードである。
【0008】
さらに、過電圧信号収集モジュールは、第1のダイオードに並列に接続される第1のコンデンサをさらに含む。
【0009】
さらに、負帰還モジュールは、第4の抵抗器と第1のトリオードとを含み、第4の抵抗器は、一端がドレイン接続端に接続され、他端が第1のトリオードのコレクタに接続され、第1のトリオードのエミッタは、ソース接続端に接続され、第1のトリオードのベースは、過電圧信号収集モジュールに接続され、第1のトリオードのベースは、負帰還モジュールの制御端であり、放電電流制御モジュールは、制御端を含み、放電電流制御モジュールの制御端は、第4の抵抗器の他端に接続される。
【0010】
さらに、放電電流制御モジュールは、第2のトリオードを含み、前記第2のトリオードのベースは放電電流制御モジュールの制御端であり、第2のトリオードのベースは、負帰還モジュールに接続され、第2のトリオードのコレクタは、遮断制御モジュールに接続され、第2のトリオードのエミッタは、ソース接続端に接続される。
【0011】
さらに、放電電流制御モジュールは、第5の抵抗器をさらに含み、第2のトリオードは、第5の抵抗器に直列に接続される。
【0012】
さらに、遮断制御モジュールは、第3のトリオードを含み、第3のトリオードのベースは、第2のダイオードを介してMOS駆動モジュールに接続され、第3のトリオードのベースは、第2のダイオードの陽極に接続され、第3のトリオードのコレクタは、ゲート接続端に接続され、第3のトリオードのエミッタは、放電電流制御モジュールに接続され、MOS駆動モジュールは、第3のダイオードを介してゲート接続端に接続され、ゲート接続端は、第3のダイオードの陰極に接続される。
【0013】
本願は、充放電回路と上記のソフト遮断アクティブクランプ保護回路とを含む電源システムをさらに提供する。充放電回路は、電源とMOSFETとを含み、電源及びMOSFETと負荷は、回路を構成する。ソフト遮断アクティブクランプ保護回路は、MOSFETに接続される。電源の制御システムはMOS駆動モジュールを含み、MOS駆動モジュールは遮断制御モジュールとゲート接続端とを接続し、ゲート接続端の出力電流に基づいて遮断制御モジュールを遮断又は導通させるように制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システムは、下記の有益な効果を有する。過電圧信号収集モジュールと、負帰還モジュールと、放電電流制御モジュールと、遮断制御モジュールとを閉ループの負帰還調節システムに構成することで、MOSFETのドレイン及びソース電圧を所定の電圧値に制限することができる。さらにMOSFETの遮断速度を調節して制御し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現し、TVSダイオードの代わりに遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収し、高い温度が発生せず、高温による失効率が高いという問題を解決し、高温に対応する放熱構造は必要がなく、クランプTVSダイオードを用いて遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収することに起因する、失効率が高く、占有面積が大きいという既存の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明に係るソフト遮断アクティブクランプ保護回路の一実施例の構造概略図である。
【
図3】本発明に係るソフト遮断アクティブクランプ保護回路の別の実施例の構造概略図である。
【
図4】本発明に係る電源システムの一実施例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的の実現、機能特徴及び利点は、実施例及び添付図面を参照しながらさらに説明する。
以下は、本発明の実施例における添付図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0017】
なお、本発明の実施例におけるすべての指向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後等)は、ある特定の姿勢(図面に示す)における各構成要素間の相対的な位置関係、運動状況等のみを説明するために使用され、該特定の姿勢が変化すると、該指向性指示もそれに応じて変化し、前記接続は、直接接続であってもよく、間接接続であってもよい。
【0018】
また、本発明において「第1の」、「第2の」等に関する記述は、目的のみを記述するために用いられ、相対的重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示していると理解されるべきではない。これによって、「第1の」、「第2の」に限定される特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。また、各実施例の間の技術案は、相互に結合することができるが、当業者が実現できることを基礎とすべきであり、技術案の結合に矛盾が生じ、又は実現できない場合には、このような技術案の結合が存在せず、本発明が要求する保護範囲でないと考えるべきである。
【0019】
図1~4を参照して、本発明は、MOSFETに接続され、MOSFETの遮断を制御するソフト遮断アクティブクランプ保護回路を提供する。ソフト遮断アクティブクランプ保護回路は、ゲート接続端Gと、ドレイン接続端Dと、ソース接続端Sと、放電コンデンサCgsと、過電圧信号収集モジュール1と、負帰還モジュール2と、放電電流制御モジュール3と遮断制御モジュール4とを含む。ゲート接続端Gは、MOSFETのゲートに接続される。ソース接続端Sは、MOSFETのソースに接続される。ドレイン接続端Dは、MOSFETのドレインに接続される。ゲート接続端G、ドレイン接続端D及びソース接続端Sは、互いに接続される。放電コンデンサCgsは、一端がゲート接続端Gに接続され、他端がドレイン接続端Dに接続される。過電圧信号収集モジュール1は、ソース接続端Sとドレイン接続端Dとの間に介在される。放電電流制御モジュール3と遮断制御モジュール4は、ゲート接続端Gとドレイン接続端Dとの間に直列に接続される。負帰還モジュール2は、過電圧信号収集モジュール1と放電電流制御モジュール3に接続される。過電圧信号収集モジュール1は、過電圧信号が収集されると導通される。負帰還モジュール2は、過電圧信号収集モジュール1が導通される時に放電電流制御モジュール3に負帰還する。放電電流制御モジュール3は、負帰還に基づいて放電コンデンサCgsの放電電流を制御し、さらにゲート接続端Gの出力電流を制御する。遮断制御モジュール4は、ゲート接続端Gの出力電流に基づいて遮断又は導通する。
【0020】
具体的には、遮断の瞬間に、ベース接続端の駆動信号が低くなり、ゲート接続端Gとソース接続端Sとの間の放電コンデンサCgsが放電を開始し、MOSFETが遮断を開始し、充電電流が低減し、MOSFETのドレイン電圧が上昇する。過電圧の場合、過電圧信号収集モジュール1が導通し、負帰還調節モジュール1を導通させるように駆動し、負帰還調節作用を開始する。負帰還調節モジュールを流れる電流が大きいほど、放電電流制御モジュール3を流れる電流を小さくするように放電電流制御モジュール3を制御し、ゲート接続端Gの放電電流への制御を実現する。ゲート接続端Gの放電電流が制御される場合、MOSFETのドレイン及びソース電圧を所定の電圧値に制限することができ、MOSFETの遮断速度もフィードバック調節制御され、遮断時間を延長することができる。MOSFETをソフト遮断し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現し、TVSダイオードの代わりに遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収し、高い温度が発生せず、高温による失効率が高いという問題を解決し、高温に対応する放熱構造は必要がなく、クランプTVSダイオードを用いて遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収することに起因する、失効率が高く、占有面積が大きいという既存の問題を解決する。
【0021】
更に、ドレイン接続端Dの電圧が正常区間にあれば、過電圧信号収集モジュール1が導通せず、負帰還調節モジュールが遮断され、遮断制御モジュール4と放電電流制御モジュール3が正常に導通され、遮断制御モジュール4と放電電流制御モジュール3を流れる電流が制限されず、MOSFETゲートのゲート接続端Gに到達する電流は、正常な放電電流であり、MOSFETの正常な遮断速度に影響を与えない。
【0022】
その有益な効果は以下の通りである。過電圧信号収集モジュール1と、負帰還モジュール2と、放電電流制御モジュール3と、遮断制御モジュール4とを閉ループの負帰還調節システムに構成することで、MOSFETのドレイン及びソース電圧を所定の電圧値に制限することができる。さらにMOSFETの遮断速度を調節して制御し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現し、TVSダイオードの代わりに遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収し、高い温度が発生せず、高温による失効率が高いという問題を解決し、高温に対応する放熱構造は必要がなく、クランプTVSダイオードを用いて遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収することに起因する、失効率が高く、占有面積が大きいという既存の問題を解決する。
【0023】
さらに、いくつかの実施例では、過電圧信号収集モジュール1は、順次直列に接続される第1のダイオードZDと、第1の抵抗器R1と、第2の抵抗器R2とを含む。第1のダイオードZDの陰極は、ドレイン接続端Dに接続される。負帰還モジュール2は、制御端を含み、負帰還モジュール2の制御端は、第1の抵抗器R1と第2の抵抗器R2との間に接続される。第2の抵抗器R2の他端は、ソース接続端Sに接続される。
【0024】
具体的には、過電圧の場合、第1のダイオードZDが逆方向ブレークダウンされ、過電圧信号収集モジュール1が導通されるため、ここで、第1の抵抗器R1と第2の抵抗器R2は、電流制限及び分圧の作用を果たす。
【0025】
さらに、第1のダイオードZDは、ツェナーダイオードである。逆方向ブレークダウンに有利である。第1のダイオードZDは、クランプのターゲット電圧値に基づいて選択され、一般的には10V程度のZenerを選択する。このように、MOSFETのD-S間の電圧は、遮断の期間に11V程度にクランプされる。
【0026】
さらに、いくつかの実施例では、過電圧信号収集モジュール1は、第1のダイオードZDに並列に接続される第1のコンデンサC1をさらに含む。第1のコンデンサC1は、フィルタとして機能する。第1のコンデンサC1は、加速コンデンサであり、フィードバックループの高速応答を実現することができる。該コンデンは、実際の条件に基づいて調整する必要があり、一般的に選択された値は<1nFである。
【0027】
さらに、放電コンデンサCgsは、GS寄生コンデンサである。
【0028】
さらに、いくつかの実施例では、負帰還モジュール2は、第4の抵抗器R4と第1のトリオードQ1とを含む。第4の抵抗器R4は、一端がドレイン接続端Dに接続され、他端が第1のトリオードQ1のコレクタに接続される。第1のトリオードQ1のエミッタは、ソース接続端Sに接続される。第1のトリオードQ1のベースは、過電圧信号収集モジュール1に接続される。第1のトリオードQ1のベースは、負帰還モジュール2の制御端である。放電電流制御モジュール3は、制御端を含み、放電電流制御モジュール3の制御端が第4の抵抗器R4の他端に接続される。
【0029】
具体的には、第4の抵抗器R4の分圧作用のため、ドレイン接続端Dとソース接続端Sとの間の電流が大きいほど、第1のトリオードQ1のコレクタの電圧が小さくなり、さらに放電電流制御モジュール3に出力される電圧が小さくなり、負帰還作用を実現する。
【0030】
いくつかの実施例では、負帰還モジュール2は、第3の抵抗器R3をさらに含み、第3の抵抗器R3の両端が第1のトリオードQ1のエミッタと、ソース接続端Sにそれぞれに接続され、電流制限及び分圧の作用を果たす。
【0031】
さらに、いくつかの実施例では、放電電流制御モジュール3は第2のトリオードを含み、第2のトリオードのベースは、放電電流制御モジュール3の制御端であり、第2のトリオードのベースが負帰還モジュール2に接続され、第2のトリオードのコレクタが遮断制御モジュール4に接続され、第2のトリオードのエミッタがソース接続端Sに接続される。
【0032】
具体的には、第2のトリオードは、負帰還モジュール2からの制御信号を受信し、さらに制御信号に基づいてそれを流れる電流の大きさを調節する。
【0033】
さらに、いくつかの実施例では、放電電流制御モジュール3は、第5の抵抗器R5をさらに含み、第2のトリオードが第5の抵抗器R5に直列に接続される。第5の抵抗器R5は、電流制限の作用を果たす。
【0034】
さらに、いくつかの実施例では、遮断制御モジュール4は、第3のトリオードQ3を含み、第3のトリオードQ3のベースが第2のダイオードを介してMOS駆動モジュールに接続され、第3のトリオードQ3のベースが第2のダイオードの陽極に接続され、第3のトリオードQ3のコレクタがゲート接続端Gに接続され、第3のトリオードQ3のエミッタが放電電流制御モジュール3に接続される。MOS駆動モジュールは、第3のダイオードを介してゲート接続端Gに接続され、ゲート接続端Gは、第3のダイオードの陰極に接続される。
【0035】
具体的には、BMSがMOSFETを遮断しようとする場合、遮断信号をゲートに送信し、すなわちゲート接続端Gにおいてレベルが低くなり、放電コンデンサCgsが放電し、第3のトリオードQ3のコレクタと第3のトリオードQ3のベースとの間の電流信号がMOS駆動モジュールにフィードバックされる。電流が所定値以上の場合、MOS駆動モジュールは、第2のダイオードをブレークダウンして第3のトリオードQ3を導通させるように制御する。ゲート接続端Gを流れる放電電流が一定の程度小さい場合、第3のトリオードQ3のコレクタと第3のトリオードQ3のベースとの間の電流は、所定値よりも小さく、MOS駆動モジュールは、第2のダイオードをブレークダウンせず、第3のトリオードQ3が切断され、MOSFETが切断され、MOSFETの遮断速度を調節して制御することを実現し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現する。MOS駆動モジュールは、電池管理システムBMSにおけるマイクロコントローラであってもよく、電池管理システムBMSに接続されるのマイクロコントローラであってもよい。
【0036】
図3~4を参照して、本実施例では、過電圧信号収集モジュール1は、順次直列に接続される第1のダイオードZDと、第1の抵抗器R1と、第2の抵抗器R2とを含む。過電圧信号収集モジュール1は、第1のダイオードZDに並列に接続される第1のコンデンサC1をさらに含む。負帰還モジュール2は、第4の抵抗器R4と第1のトリオードQ1とを含む。放電電流制御モジュール3は、第2のトリオードと第5の抵抗器R5とを含む。遮断制御モジュール4は、第3のトリオードQ3を含む。第1のダイオードZDの陰極は、ドレイン接続端Dに接続され、第1のトリオードQ1のベースは、第1の抵抗器R1と第2の抵抗器R2との間に介在され、第2の抵抗器R2の他端は、ソース接続端Sに接続される。第1のコンデンサC1は、第1のダイオードZDに並列に接続される。第4の抵抗器R4は、一端がドレイン接続端Dに接続され、他端が第1のトリオードQ1のコレクタに接続される。第1のトリオードQ1のエミッタは、第3の抵抗器R3を介してソース接続端Sに接続され、第1のトリオードQ1のベースは、第1の抵抗器R1と第2の抵抗器R2との間に接続され、第1のトリオードQ1のベースは、負帰還モジュール2の制御端である。第2のトリオードのベースは、第4の抵抗器R4の他端に接続され、第2のトリオードのコレクタは、第3のトリオードQ3のエミッタに接続され、第2のトリオードのエミッタは、第5の抵抗器R5によってソース接続端Sに接続される。第3のトリオードQ3のベースは、第2のダイオードを介してMOS駆動モジュールに接続され、第3のトリオードQ3のベースは、第2のダイオードの陽極に接続され、第3のトリオードQ3のコレクタは、ゲート接続端Gに接続される。MOS駆動モジュールは、第3のダイオードを介してゲート接続端Gに接続され、ゲート接続端Gは、第3のダイオードの陰極に接続される。
【0037】
具体的には、BMSがMOSFETを遮断しようとする場合、遮断信号をゲートに送信し、すなわちゲート接続端Gにおいてレベルが低くなり、放電コンデンサCgsが放電し、第3のトリオードQ3のコレクタと第3のトリオードQ3のベースとの間の電流信号は、MOS駆動モジュールにフィードバックされる。電流が所定値以上の場合、MOS駆動モジュールは、第2のダイオードをブレークダウンして第3のトリオードQ3を導通させるように制御する。ゲート接続端Gを流れる放電電流が一定の程度小さい場合、第3のトリオードQ3のコレクタと第3のトリオードQ3のベースとの間の電流は、所定値よりも小さく、MOS駆動モジュールは、第2のダイオードをブレークダウンせず、第3のトリオードQ3が切断され、MOSFETが切断され、MOSFETの遮断速度を調節して制御することを実現する。MOSFETを遮断する中に、ワイヤハーネスリード線インダクタ又は感性の負荷において大きな電圧スパイクが発生し、MOSFETのソースとドレインとの間の電圧が変化し、すなわちソース接続端Sとドレイン接続端Dとの間の電圧が変化する。過電圧の場合、第1のダイオードZDは逆方向ブレークダウンされ、第1のトリオードQ1は導通され、負帰還の作用で、第2のトリオードQ2を制御することができ、さらに第3のトリオードQ3のコレクタ電流、すなわちMOSFETのゲートコンデンサの放電電流を制御することができる。MOSFETのゲート放電電流が制御される場合、その遮断レートもフィードバック調節して制御される。MOSFETのドレイン電圧が高いほど、第1のトリオードQ1のコレクタ電流が大きくなり、その負帰還制御によって出力されるコレクタ電圧が低いほど、第2のトリオードQ2のベース電圧が低くなり、第3のトリオードQ3のコレクタ電流が低いほど、すなわち放電電流が小さくなる。MOSFETのドレイン(ドレイン接続端D)電圧が正常区間にあれば、第1のダイオードZDは、ブレークダウンさせなく、第1のトリオードQ1は遮断され、第2のトリオードQ2と第3のトリオードQ3は、いずれも飽和し、MOSFETのゲート放電は正常の放電電流であり、正常の遮断速度に影響を与えない。
【0038】
本願は、充放電回路と上記のソフト遮断アクティブクランプ保護回路とを含む電源システムをさらに提供する。充放電回路は、電源とMOSFETとを含み、電源及びMOSFETと負荷は、回路を構成する。ソフト遮断アクティブクランプ保護回路は、MOSFETに接続される。電源の制御システムは、MOS駆動モジュールを含み、MOS駆動モジュールは遮断制御モジュール4とゲート接続端Gとを接続し、ゲート接続端Gの出力電流に基づいて遮断制御モジュール4を遮断又は導通させるように制御する。
【0039】
本発明のソフト遮断アクティブクランプ保護回路及び電源システムは、下記の有益な効果を有する。過電圧信号収集モジュール1と、負帰還モジュール2と、放電電流制御モジュール3と、遮断制御モジュール4とを閉ループの負帰還調節システムに構成することで、MOSFETのドレイン及びソース電圧を所定の電圧値に制限することができる。さらにMOSFETの遮断速度を調節して制御し、電圧クランプと過渡エネルギーの自己吸収を実現し、TVSダイオードの代わりに遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収し、高い温度が発生せず、高温による失効率が高いという問題を解決し、高温に対応する放熱構造は、必要がなく、クランプTVSダイオードを用いて遮断瞬間の電圧スパイクとエネルギーを吸収することに起因する、失効率が高く、占有面積が大きいという既存の問題を解決する。
【0040】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は、様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神と原則の範囲内で行われたいかなる修正、等価の置換、改善等は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】