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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】高透過性半導体/金属界面
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/20 20060101AFI20231114BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20231114BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20231114BHJP
【FI】
H01L21/20
H01L29/06 601N
B82Y40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521328
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2021074373
(87)【国際公開番号】W WO2022096177
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】17/089,136
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リッター、マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ニチェーレ、ファブリジオ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】リエル、ハイケ
【テーマコード(参考)】
5F152
【Fターム(参考)】
5F152LL05
5F152LN32
5F152LN34
5F152LN35
5F152MM15
5F152NN03
5F152NN27
5F152NN29
5F152NP12
5F152NP13
5F152NP14
5F152NP17
5F152NQ05
5F152NQ07
(57)【要約】
高透過性半導体/金属界面を促進することができる技術を提供する。一例では、方法は、ウェハを覆ってシリコン・オン・インシュレータ(SOI)を形成することを含むことができる。方法は、SOI上に金属を堆積させることをさらに含むことができる。方法は、金属をドライ・エッチングし、SOIをドライ・エッチングすることによって構造体を形成することをさらに含むことができる。方法は、構造体を覆ってテンプレートを形成することをさらに含むことができる。方法は、金属の下の除去のためにSOIの一部をエッチングすることをさらに含むことができる。方法は、SOIの一部が除去されたところに半導体を成長させることをさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを覆ってシリコン・オン・インシュレータ(SOI)を形成することと、
前記SOI上に金属を堆積させることと、
前記金属をドライ・エッチングし、前記SOIをドライ・エッチングすることによって構造体を形成することと、
前記構造体を覆ってテンプレートを形成することと、
前記金属の下の除去のために前記SOIの一部をエッチングすることと、
前記SOIの一部が除去されたところに半導体を成長させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記金属は、TiN、超伝導体、非超伝導体、強磁性金属、またはその組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
除去のために前記SOIの前記一部をエッチングする前にフッ化水素酸エッチを使用して前記SOIを露出させること
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記テンプレートは、前記半導体の幾何学的形状を決定する、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記半導体を成長させることは、有機金属気相エピタキシ(MOVPE)を使用して実施される、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記金属と前記半導体との間の界面は、前記半導体の成長中にその場で形成される、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記金属を堆積させる前に前記SOI上に誘電体を堆積させること
をさらに含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
除去のためにシリコン要素の一部をエッチングすることによって金属要素および前記シリコン要素を備えるテンプレート構造体を形成することと、
前記シリコン要素の前記一部が除去されたところに半導体を成長させることによって前記金属要素と前記半導体との間に界面を作成することと
を含む方法。
【請求項9】
前記シリコン要素は、シリコン・オン・インシュレータ、多結晶シリコン、またはその組合せを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エッチングの後に残る前記シリコン要素の残留部分は、前記半導体の成長を開始させる核形成種を与える、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体は、III-V族半導体である、請求項8ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記テンプレート構造体は、前記金属要素および前記シリコン要素に重なる誘電体層をさらに備える、請求項8ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記金属要素および前記シリコン要素を自己整列するように単一のステップで金属層およびシリコン層をドライ・エッチングすること
をさらに含む、請求項8ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記シリコン要素は、(110)の結晶方位を含む、請求項8ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記テンプレート構造体は、シリコン・ウェハ上に形成される、請求項8ないし14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
金属要素を備える第1の側壁、およびシリコン要素を備える第2の側壁を含む空洞構造体を形成することと、
前記金属要素と半導体との間に界面を形成するために核形成種として前記シリコン要素を用いて前記空洞構造体内に前記半導体を成長させることと
を含む方法。
【請求項17】
前記空洞構造体は、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハに重なる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記空洞構造体を形成することは、
除去のために前記シリコン要素の一部をエッチングすることを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記空洞構造体の長さは、前記空洞構造体を形成するために使用されるエッチング時間に対応する、請求項16ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記半導体の高さは、前記空洞構造体に重なる誘電体層の厚さによって決定される、請求項16ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記半導体の成長は、前記空洞構造体の1つまたは複数の幾何学的形状によって案内される、請求項16ないし20のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに関し、より詳細には、高透過性半導体/金属界面を促進する技術に関する。
【発明の概要】
【0002】
以下に、本発明の1つまたは複数の実施形態の基本的な理解を与えるための概要を示す。この概要は、重要なまたは極めて重要な要素を特定するものではなく、あるいは特定の実施形態の任意の範囲、または特許請求の範囲の任意の範囲を画定するものでもない。その唯一の目的は、後で示されるより詳細な説明の前置きとしての簡単な形態の概念を示すことである。本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態では、高透過性半導体/金属界面を促進することができるデバイス、システム、方法、コンピュータ実装方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せが説明される。
【0003】
一実施形態によれば、方法は、ウェハを覆ってシリコン・オン・インシュレータ(SOI)を形成することを含むことができる。方法は、SOI上に金属を堆積させることをさらに含むことができる。方法は、金属をドライ・エッチングし、SOIをドライ・エッチングすることによって構造体を形成することをさらに含むことができる。方法は、構造体を覆ってテンプレートを形成することをさらに含むことができる。方法は、金属の下の除去のためにSOIの一部をエッチングすることをさらに含むことができる。方法は、SOIの一部が除去されたところに半導体を成長させることをさらに含むことができる。
【0004】
別の実施形態によれば、方法は、除去のためにシリコン要素の一部をエッチングすることによって金属要素およびシリコン要素を備えるテンプレート構造体を形成することを含むことができる。方法は、シリコン要素の一部が除去されたところに半導体を成長させることによって金属要素と半導体との間に界面を作成することをさらに含むことができる。
【0005】
別の実施形態によれば、方法は、金属要素を備える第1の側壁、およびシリコン要素を備える第2の側壁を含む空洞構造体を形成することを含むことができる。方法は、金属要素と半導体との間に界面を形成するために核形成種(nucleation seed)としてシリコン要素を用いて空洞構造体内に半導体を成長させることをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる例示および非限定のデバイスの断面図である。
図2】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、金属層およびシリコン層の一部を除去した後の図1の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図3】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、金属層の別の一部を除去した後の図2の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図4】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図3のデバイス上に誘電体層を形成した後の図3の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図5】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、金属層の下の除去のためにシリコン層の一部をエッチングした後の図4の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図6】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、シリコン層の一部が除去されたところに半導体を成長させた後の図5の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図7】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図4のデバイスを示す例示および非限定の上から見ている走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真である。
図8】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図6のデバイスを示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真である。
図9】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、部分的に超伝導のテンプレート内で成長させられたヒ化インジウム(InAs)ナノワイヤを示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真である。
図10】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、完全に超伝導のテンプレート内で成長させられたInAsナノワイヤを示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真である。
図11】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、線A-Aに沿った図10の完全に超伝導のテンプレートの例示および非限定の透過型電子顕微鏡(TEM)の断面図である。
図12】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図11の断面図内の高透過性半導体/金属界面を示す例示および非限定の拡大図である。
図13】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図11の断面図内の半導体の一部を示す例示および非限定の拡大図である。
図14】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図11に示された高透過性半導体/金属界面のエネルギー分散型X線分析(EDX)スキャンの結果を示す例示および非限定のグラフである。
図15】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を備えるデバイスを示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真である。
図16】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、バック・ゲート・バイアス電圧の関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフである。
図17】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、微分コンダクタンス対スプリット・ゲート・バイアス電圧およびソース・ドレイン・バイアス電圧を示す例示および非限定の線形スケールのグラフである。
図18】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、微分コンダクタンス対スプリット・ゲート・バイアス電圧およびソース・ドレイン・バイアス電圧を示す例示および非限定の対数スケールのグラフである。
図19】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、約-1.1ボルトのスプリット・ゲート・バイアス電圧におけるソース・ドレイン・バイアス電圧の関数としての微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフである。
図20】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、約-3.375ボルトのスプリット・ゲート・バイアス電圧におけるソース・ドレイン・バイアス電圧の関数としての微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフである。
図21】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、約-3.75ボルトのスプリット・ゲート・バイアス電圧におけるソース・ドレイン・バイアス電圧の関数としての微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフである。
図22】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図19図21のスプリット・ゲート・バイアス電圧を記録している図18の例示および非限定の対数スケールのグラフである。
図23】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、微分コンダクタンス対サイド・ゲート・バイアス電圧およびソース・ドレイン・バイアス電圧を示す例示および非限定の線形スケールのグラフである。
図24】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、約-2.6ボルトのサイド・ゲート・バイアス電圧におけるソース・ドレイン・バイアス電圧の関数としての微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフである。
図25】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図26】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図27】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図28】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図29】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図30】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図31】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図32】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図33】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図34】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図35】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図36】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図37】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図38】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図39】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図40】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図41】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図42】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図43】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図44】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、自己整列されるやり方でパターン形成されるデバイス構造体を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図である。
図45】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる例示および非限定のデバイスの断面図である。
図46】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図45のデバイスの金属およびシリコンをエッチングした後の図45の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図47】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図46のデバイスの金属をエッチングした後の図46の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図48】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図47のデバイスの金属およびシリコンを覆って誘電体を形成した後の図47の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図49】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図48のデバイスの金属の下の除去のためにシリコンの一部をエッチングした後の図48の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図50】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、シリコンの一部が図49のデバイスから除去されたところに半導体を成長させた後の図49の例示および非限定のデバイスの断面図である。
図51】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図48のデバイスを示す例示および非限定の上から見ている走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真である。
図52】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図49のデバイスを示す例示および非限定の上から見ている走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真である。
図53】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図50のデバイスを示す例示および非限定の上から見ている走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真である。
図54】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図50のデバイスの例示および非限定の断面図である。
図55】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図54の断面図内の高透過性半導体/金属界面を示す例示および非限定の拡大図である。
図56】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる例示および非限定の方法の流れ図である。
図57】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる別の例示および非限定の方法の流れ図である。
図58】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる別の例示および非限定の方法の流れ図である。
図59】本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態が容易にされ得る例示および非限定の動作環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、例示にすぎず、実施形態、または実施形態の適用もしくは使用、あるいはその両方を限定するものではない。さらに、先行する背景技術または概要のセクション、あるいは詳細な説明のセクションに示された任意の表現または示唆された情報によって縛られる意図はない。
【0008】
次に、1つまたは複数の実施形態が、図面を参照して説明され、ここで、全体を通じて、同様の要素を参照するために同じ参照番号が使用されている。以下の説明では、説明のために、1つまたは複数の実施形態をより十分に理解するために、多数の特定の詳細が説明されている。しかし、様々な場合において、1つまたは複数の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施できることは明らかである。
【0009】
図1図6は、本明細書中に記載された、または図に示された、あるいはその両方である本開示の1つまたは複数の実施形態を製造するために実施され得る例示および非限定のマルチ・ステップ製造シーケンスを示す。例えば、図1図6に示された非限定のマルチ・ステップ製造シーケンスは、図15の走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真1500に示された高透過性半導体/金属界面を備えるデバイス1510を製造するために実施することができる。
【0010】
図1は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる例示および非限定のデバイス100の断面図を示す。図1に示されるように、デバイス100は、基板110を備えることができる。基板110は、シリコン(Si)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、シリコン・ゲルマニウム炭素(SiGeC)、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)合金などを含むが、これらに限定されない半導体特性を有する任意の材料を含むことができる。一実施形態では、基板110は、限定するものではないが、シリコン/シリコン・ゲルマニウム(Si/SiGe)、シリコン/炭化シリコン(Si/SiC)などを含む層状半導体を含むことができる。
【0011】
デバイス100は、基板110を覆って形成された誘電体層120をさらに備えることができる。誘電体層120は、限定するものではないが、二酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、および誘電特性を有する他の材料などの誘電特性を有する任意の材料を含むことができる。一実施形態では、誘電体層120は、埋め込み酸化物(BOX)層であり得る。一実施形態では、BOX層は、熱的に成長させられてもよく、またはイオン注入によって得られてもよい。一実施形態では、誘電体層120は原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などによって成長または形成され得る。一実施形態では、誘電体層120は、ALD、PECVD、TEOSなどによって成長または形成されたBOX層、および1つまたは複数の誘電体層の任意の組合せを含むことができる。誘電体層120は、約150nmの厚さ(例えば、高さ)を含むことができる。
【0012】
デバイス100は、誘電体層120を覆って形成されたシリコン層130をさらに備えることができる。シリコン層130は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)層、多結晶シリコン層、またはその組合せを含むことができる。一実施形態では、シリコン層130は、約30nmから約70nmまでの範囲である厚さ(例えば、高さ)を備えることができる。一実施形態では、基板110、誘電体層120、およびシリコン層130は、SOIウェハを形成する。
【0013】
デバイス100は、シリコン層130を覆って形成された金属層140をさらに備えることができる。金属層140は、窒化チタン(TiN)、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはその組合せを含むことができる。一実施形態では、金属層140は、物理気相成長(PVD)によってシリコン層130を覆って成長または形成され得る。一実施形態では、SiO層は、シリコン層130を覆って金属層140を形成する前にシリコン層130上に成長または形成される。一実施形態では、シリコン層130の表面は、ピラニア溶液、酸素プラズマ(Oプラズマ)、またはその組合せを使用して金属層140を形成する前に清浄化される。金属層140は、約25nmの厚さ(例えば、高さ)を備えることができる。
【0014】
図2は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、金属層140およびシリコン層130の一部を除去した後の図1の例示および非限定のデバイス100の断面図を示す。デバイス200は、構造体210を形成するために金属層140およびシリコン層130の一部を除去した後のデバイス100の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。一実施形態では、層は、層の一部を除去した後の要素と呼ばれ得る。例えば、シリコン層130は、構造体210を形成するためにシリコン層130の一部を除去した後のシリコン要素130と呼ばれ得る。別の例として、金属層140は、構造体210を形成するために金属層140の一部を除去した後の金属要素140と呼ばれ得る。一実施形態では、金属層140およびシリコン層130の一部は、ドライ・エッチングを使用してデバイス100から除去することができる。一実施形態では、ドライ・エッチングは、臭化水素(HBr)と共に誘導結合プラズマ(ICP)を使用して実施され得る。一実施形態では、デバイス100から金属層140およびシリコン層130の一部を除去することは、ネガ・レジストとして水素シルセスキオキサン(HSQ)を用いる電子線リソグラフィ(EBL)パターニングを含むことができる。
【0015】
一実施形態では、HSQレジストは、希フッ酸(dHF)を使用してデバイス200から取り除かれ得る。一実施形態では、接着層は、デバイス200を覆ってSiOを堆積させるようにALDを用いることによってデバイス200上に形成され得る。一実施形態では、接着層は、約5nmの厚さ(例えば、高さ)を備えることができる。一実施形態では、誘電体層120は、デバイス100から金属層140およびシリコン層130の一部を除去する間にエッチ・ストップ層として働く。一実施形態では、金属層140およびシリコン層130の一部は、デバイス200を形成するために別々のステップにおいてデバイス100から除去される。一実施形態では、金属層140およびシリコン層130の一部は、デバイス200を形成するために単一のステップにおいてデバイス100から除去される。一実施形態では、単一のステップでデバイス100から金属層140およびシリコン層130の一部を除去することにより、自己整列された構造体を形成する。
【0016】
図3は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、デバイス200の構造体210から金属層140の一部を除去した後の図2の例示および非限定のデバイスの断面図を示す。デバイス300は、構造体310を形成するように構造体210から金属層140の一部を除去した後のデバイス200の例示および非限定の代替実施形態を含み得る。一実施形態では、金属層140の一部は、選択エッチングを使用して構造体210から除去され得る。一実施形態では、金属層140の一部は、摂氏65度(℃)におけるHO/H/NHOH5:2:1の溶液中で金属層140の一部をエッチングすることによって構造体210から除去され得る。一実施形態では、構造体210から金属層140の一部を除去することは、ポジ・レジストとして化学半増幅型レジスト(CSAR)を使用したEBLパターニングを含むことができる。一実施形態では、SiO接着層は、バッファード・フッ酸(BHF)を用いてSiO接着層をエッチングすることによってデバイス300から除去され得る。
【0017】
図4は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、デバイス300上に誘電体層を形成した後の図3の例示および非限定のデバイスの断面図を示す。デバイス400は、デバイス300を覆って誘電体層410を成長させるまたは形成することによって形成されるデバイス300の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。誘電体層410は、限定するものではないが、二酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、および誘電特性を有する他の材料などの誘電特性を有する任意の材料を含むことができる。一実施形態では、誘電体層410は、約40nmの厚さ(例えば、高さ)を備えることができる。一実施形態では、誘電体層410は、デバイス300を覆ってSiOを堆積させるためにALDを使用することによってデバイス300上に形成され得る。一実施形態では、CSAR層は、デバイス300上に誘電体層410を形成する前にデバイス300から取り除かれ得る。一実施形態では、誘電体層410は、半導体の成長のためのテンプレートとして働く。一実施形態では、誘電体層410は、構造体310を覆ってテンプレートを形成する。一実施形態では、テンプレートは、半導体の幾何学的形状を決定する。
【0018】
図5は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、金属層140の下の除去のためにシリコン層130の一部520をエッチングした後の図4の例示および非限定のデバイスの断面図を示す。デバイス500は、構造体510を形成するために構造体310からシリコン層130の一部520をエッチングすることによって形成されるデバイス400の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。一実施形態では、構造体510は、テンプレート構造体である。一実施形態では、テンプレート構造体は、誘電体層410をさらに備える。一実施形態では、シリコン層130の一部520は、水酸化テトラメチル・アンモニウム(TMAH)、二フッ化キセノン(XeF)ガス、または 熱塩酸(HCl)蒸気を使用して除去のためにエッチングされる。一実施形態では、シリコン層130の一部520は、80℃において2%のTMAHを使用して除去のためにエッチングされる。一実施形態では、シリコン層130は、除去のためにシリコン層130の一部520をエッチングする前にフッ化水素酸エッチを使用して露出される。一実施形態では、一部520をエッチングした後に残るシリコン層130の残留部分は、半導体(例えば、図6の半導体620)の成長を開始させることができる核形成種を与えることができる。
【0019】
一実施形態では、除去のためにシリコン層130の一部520をエッチングすることは、ポジ・レジストとしてCSARを使用したEBLパターニングを含むことができる。一実施形態では、シリコン層130の一部520は、誘電体層410がEBLパターニングを使用して構造体310を覆って形成するテンプレート内に開口部を生成することによって除去の前に局所的に露出され得る。一実施形態では、シリコン層130の一部520は、誘電体層410がドライ・エッチング(例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)、エッチング・ガス(etchant gas)としてARCHFを使用して実施されるエッチングなど)、ウェット・エッチング(例えば、BHFエッチングなど)、またはその組合せを使用して構造体310を覆って形成するテンプレート内に1つまたは複数の穴を局所的にエッチングすることによって、除去の前に局所的に露出され得る。一実施形態では、シリコン層130の一部520が金属層140に重なるSiOを含む接着層によって除去のためにエッチングされている間、金属層140は、保護され得る。一実施形態では、接着層は、約5nmの厚さ(例えば、高さ)を含むことができる。
【0020】
図6は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、シリコン層130の一部520が除去されたところに半導体620を成長させた後の図5の例示および非限定のデバイスの断面図を示す。デバイス600は、構造体610を形成するためにシリコン層130の一部520が構造体510から除去されたところに半導体620を成長させることによって形成されるデバイス500の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。一実施形態では、半導体620は、有機金属気相成長法(MOCVD)または有機金属気相エピタキシ(MOVPE)によって成長させられる。一実施形態では、半導体620は、ヒ化インジウム(InAs)を含む。一実施形態では、半導体620は、III-V族半導体である。一実施形態では、金属層140と半導体620との間の高透過性界面は、半導体620の成長中にその場で形成される。一実施形態では、dHFウェット・エッチングが、構造体510内のシリコン層130の残留部分によって与えられる核形成種から生来のSiO2を除去するように、または構造体510内の金属層140の特徴を露出させるように、あるいはその両方で、半導体620を成長させる前に実行される。一実施形態では、半導体620を成長させることは、テンプレート構造体のアスペクト比、結晶成長方向、構造体510内の金属層140のセグメント形状、またはその組合せについての成長条件を調整することを含む。
【0021】
図7は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図4のデバイス400を備えるデバイスを示す例示および非限定の上から見ている走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真700を示す。SEM顕微鏡写真700では、シリコン層130に重なる金属層140の一部は、選択的に除去されている。
【0022】
図8は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図6のデバイス600を示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真800を示す。SEM顕微鏡写真800において、半導体620は、金属層140の下の除去のためにシリコン層130の一部がエッチングされたところに成長させられている。図8は、金属層140と半導体620との間の高透過性界面が半導体620の成長中にその場で形成されることを示す。
【0023】
図9は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、部分的に超伝導のテンプレート910内で成長させられたInAsナノワイヤを示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真900を示す。SEM顕微鏡写真900は、InAsナノワイヤが、テンプレート910の第1の一部920において金属層(例えば、TiN)によって覆い隠されていないことを示す。SEM顕微鏡写真900は、InAsナノワイヤが、テンプレート910の第2の一部930において金属層によって完全に覆い隠されていることをさらに示す。
【0024】
図10は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、完全に超伝導のテンプレート内で成長させられたInAsナノワイヤ1010を示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真1000を示す。SEM顕微鏡写真1000は、InAsナノワイヤが、テンプレート1010の一部1020において金属層(例えば、TiN)によって完全に覆い隠されることを示す。
【0025】
図11図13は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、線A-Aに沿った図10の完全に超伝導のテンプレート1010の例示および非限定の透過型電子顕微鏡(TEM)断面図を示す。図11は、半導体1120の成長中にその場で形成される金属層1110(例えば、TiN)と半導体1120(例えば、InAs)との間の高透過性界面を示す図1100を示す。図12は、図11の金属層1110と半導体1120との間の高透過性界面の領域1130を示す拡大図1200を示す。層1110および1120の明るさは、異なるTEM検出器が図11および図12を取り込むために使用されたので、図11中のそのそれぞれの明るさに対して図12において逆にされている。図13は、図12の半導体1120の領域1210を示す拡大図1300を示す。図13によって示されるように、半導体1120は、粒界を有さない単結晶構造を含むことができる。
【0026】
図14は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、図11に示された高透過性半導体/金属界面のエネルギー分散型X線分析(EDX)スキャンの結果を示す例示および非限定のグラフ1400を示す。グラフ1400の各曲線は、界面内の所与の元素のカウント数(counts of a given element)対深さをプロットする。曲線1410は窒素(N)を示し、曲線1420はチタン(Ti)を示し、曲線1430はヒ素(As)を示し、曲線1440はインジウム(In)を示す。図14によって示されるように、TiNは、グラフ1400の領域1450内の界面を支配するのに対して、InAsは、グラフ1400の領域1460内の界面を支配する。
【0027】
図15は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を備えるデバイス1510を示す例示および非限定の上から見ているSEM顕微鏡写真1500を示す。デバイス1510は、接点1520における半導体と非超伝導体との間に高透過性半導体/非超伝導体界面を備えることができる。デバイス1510は、接点1530における半導体と超伝導体との間に高透過性半導体/超伝導体界面をさらに備えることができる。
【0028】
図16図24は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、デバイス1510の接点1530における半導体/超伝導体界面の電気特性を示す例示および非限定のチャートを示す。図16は、スプリット・ゲート・バイアス電圧(VQPC)およびサイド・ゲート・バイアス電圧(VSG)を0Vで一定に保持しつつVBGを変えることによる14ケルビン(K)の温度でのデバイス1510のバック・ゲートの調整の結果を示す。詳細には、図16は、バック・ゲート・バイアス電圧(VBG)の関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフ1600を示す。図16の垂直の点線によって示されるように、デバイス1510のバック・ゲート・バイアス電圧は、トンネリング区域(tunneling regime)内にあるために、およびデバイス1510の温度を基準温度へ冷やすために、-15Vに設定することができる。
【0029】
図17図22は、VSGを0Vで一定に保持している間の20ミリケルビン(mK)の温度でのデバイス1510のスプリット・ゲートの調整の結果を示す。図17は、微分コンダクタンス対VQPCおよびソース・ドレイン・バイアス電圧(VSD)を示す例示および非限定の線形スケールのグラフ1700を示す。図18は、微分コンダクタンス対VQPCおよびVSDを示す例示および非限定の対数スケールのグラフ1800を示す。図19は、図22によって示されたグラフ2200のVQPC軸に交わる実線に対応する約-1.1ボルトのVQPCにおけるVSDの関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフ1900を示す。詳細には、グラフ1900は、デバイス1510の接点1530における半導体/超伝導体界面によるアンドレーエフ・エンハンスト・コンダクタンス(Andreev-enhanced conductance)を示す。
【0030】
図20は、図22によって示されたグラフ2200のVQPC軸に交わる点線に対応する、約-3.375ボルトのVQPCにおけるVSDの関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフ2000を示す。詳細には、グラフ2000は、デバイス1510の接点1530における半導体/超伝導体界面でのサブ・ギャップ状態の出現を示す。図21は、図22によって示されたグラフ2200のVQPC軸に交わる点線に対応する約-3.75ボルトのVQPCにおけるVSDの関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフ2100を示す。詳細には、グラフ2100は、デバイス1510の接点1530における半導体/超伝導体界面での超伝導ギャップの分光法を示す。図22は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、微分コンダクタンス対VQPCおよびVSDを示す例示および非限定の対数スケールのグラフ2200を示す。
【0031】
図23図24は、デバイス1510のサイド・ゲートの調整の結果を示す。図23は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、微分コンダクタンス対VSGおよびVSDを示す例示および非限定の線形スケールのグラフ2300を示す。図24は、図23によって示されたグラフ2300のVSG軸に交わる実線に対応する約-2.6ボルトのVSGにおけるVSDの関数として微分コンダクタンスを示す例示および非限定のグラフ2400を示す。
【0032】
図25図44は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図を示す。図25図44は、本開示の実施形態が、種々の構成で高透過性半導体/金属界面を備えるデバイスを実施することができることを示す。図25図44に示された各デバイスは、シリコン層の一部(例えば、図5の一部520)が除去されたところに成長した半導体を含む。図25のデバイス2500は、金属層140の連続的なストライプ(stripe)を特徴付ける図6のデバイス600の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。一実施形態では、デバイス2500は、図3に示された構造体210からの金属層140の一部の除去を省略することによって形成され得る。この実施形態では、構造体2510は、シリコン層130の一部が除去されたところから半導体620を成長させることによって形成され得る。
【0033】
図26のデバイス2600は、構造体2610を形成するために構造体610から金属層140の一部を除去した後の図6のデバイス600の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。一実施形態では、金属層140の一部は、選択エッチングを使用して構造体210から除去され得る。一実施形態では、金属層140の一部は、65℃におけるHO/H/NHOH5:2:1の溶液中で金属層140の一部をエッチングすることによって構造体610から除去され得る。一実施形態では、構造体610から金属層140の一部を除去することは、ポジ・レジストとしてCSARを使用したEBLパターニングを含むことができる。
【0034】
図27のデバイス2700は、金属層140の断続したセグメントを特徴付ける図25のデバイス2500の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。デバイス2700は、構造体2710を形成するために構造体2510から金属層140の一部を除去することによって形成され得る。一実施形態では、金属層140の一部は、65℃におけるHO/H/NHOH5:2:1の溶液中で金属層140の一部をエッチングすることによって構造体2510から除去され得る。一実施形態では、構造体2510から金属層140の一部を除去することは、ポジ・レジストとしてCSARを使用したEBLパターニングを含むことができる。
【0035】
図28図38は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、異なる特徴を有する複数の金属を使用して実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図を示す。図28図38に示された各金属層は、シリコン層の一部(例えば、図5の一部520)が除去されたところに成長した半導体と接続する。図28図38中の各界面は、半導体の成長中にその場で形成される。
【0036】
図28は、図1図6に関して上述した金属層140とは異なる特性を有する金属層2810を備える例示および非限定のデバイス2800を示す。例えば、金属層140がTiNを含む場合、金属層2810は、非超伝導体を備えてもよい。別の例として、金属層140が強磁性金属を含む場合、金属層2810は、超伝導体を含んでもよい。別の例として、金属層140が非超伝導体を含む場合、金属層2810は、強磁性金属を含んでもよい。一実施形態では、金属層2810は、TiN、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはその組合せを含むことができる。図29のデバイス2900は、構造体2910を形成するためにデバイス2800から金属層2810の1つまたは複数の一部を除去することによって形成される図28のデバイス2800の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。図30は金属層2810と金属層2810に重なる金属層140との間に半導体620を成長させることによって形成された例示および非限定のデバイス3000を示す。図31のデバイス3100は、構造体3110を形成するためにデバイス3000から金属層2810の1つまたは複数の一部を除去する図30のデバイス3000の例示および非限定の代替実施形態を含むことができる。
【0037】
図32は、図1図6に関して上述した金属層140とは異なる特性を有する金属層3210を備える例示および非限定のデバイス3200を示す。例えば、金属層140が第1の強磁性金属(例えば、ニッケル(Ni))を備える場合、金属層3210は、第2の強磁性金属(例えば、コバルト(Co))を備えることができる。別の例として、金属層140が第1の非超伝導体(例えば、リン青銅)を備える場合、金属層3210は、第2の非超伝導体(例えば、白銅)を備えることができる。別の例として、金属層140が第1の超伝導体(例えば、TiN)を備える場合、金属層3210は、第2の超伝導体(例えば、ニオブ・チタン(NbTi))を備えることができる。
【0038】
図33は、金属層3210、金属層140、および金属層3210と金属層140の両方の下にある金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3300を示す。図34は、金属層3210、金属層140、および金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3400を示す。デバイス3400は、金属層3210、金属層140、金属層2810、および金属層2810の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層3210、金属層2810、金属層140、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。図35は、金属層3210、金属層140、および金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3500を示す。デバイス3500において、半導体620は、金属層2810を覆って成長させられる。図36は、金属層3210、金属層140、および金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3600を示す。デバイス3600は、金属層3210、金属層140、金属層2810、および金属層2810の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層3210、金属層2810、金属層140、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。
【0039】
図37は、図28図36に関して上述した金属層2810と図1図6に関して上述した金属層140との両方とは異なる特性を有する金属層3710を備える例示および非限定のデバイス3700を示す。例えば、金属層140が超伝導体を備え、金属層2810が第1の強磁性金属(例えば、ニッケル(Ni))を備える場合、金属層3710は第2の強磁性金属(例えば、コバルト(Co))を備えることができる。別の例として、金属層140が強磁性金属を備え、金属層2810が第1の非超伝導体(例えば、リン青銅)を備える場合、金属層3710は、第2の非超伝導体(例えば、白銅)を備えることができる。別の例として、金属層140が非超伝導体を備え、金属層2810が第1の超伝導体(例えば、TiN)を備える場合、金属層3710は、第2の超伝導体(例えば、ニオブ・チタン(NbTi))を備えることができる。デバイス3700は、金属層3210、金属層140、金属層2810、金属層3710、および金属層3710の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層3710、金属層3210、金属層2810、金属層140、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。
【0040】
図38は、金属層3710、金属層3210、金属層140、および金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3800を示す。デバイス3800は、金属層3710、金属層3210、金属層140、金属層2810、および金属層2810の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層3710、金属層3210、金属層2810、金属層140、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。
【0041】
図39図43は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、半導体に重なる金属を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を有する例示および非限定のデバイスの断面図を示す。図39は、金属層140の真下に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス3900を示す。デバイス3900は、金属層140、および金属層140の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層140およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。図40は、金属層140と金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス4000を示す。デバイス4000は、金属層140、金属層2810、および金属層140の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層140、金属層2810、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。
【0042】
図41は、金属層140と金属層2810との間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス4100を示す。デバイス4100は、金属層140、金属層2810、および金属層2810の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層140、金属層2810、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。図42は、金属層140と金属層2810の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス4200を示す。デバイス4200は、金属層140、金属層2810、および金属層140の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層140、金属層2810、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。図43は、金属層140、金属層2810、および金属層3710の間に半導体620を成長させることによって形成される例示および非限定のデバイス4300を示す。デバイス4300は、金属層140、金属層2810、金属層3710、および金属層3710の下にあるシリコン層(図示せず)によって画定された空洞構造体を備えることができる。一実施形態では、金属層140、金属層2810、金属層3710、およびシリコン層は、空洞構造体の側壁をそれぞれ与える。
【0043】
図44は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、自己整列されるやり方でパターン形成された構造体を用いて実現される高透過性半導体/金属界面を備える例示および非限定のデバイス4400の断面図を示す。デバイス4400は、構造体4410、4420、および4430を形成するために、単一のステップで金属層140およびシリコン層130の一部を除去した後のデバイス100の例示および非限定の代替実施形態を備えることができる。図44によって示されるように、構造体4420は、シリコン層130の一部が除去されたところに成長させられる半導体620を備えることができる。一実施形態では、構造体4410~4430の1つまたは複数は、ゲート構造体を備えることができる。例えば、構造体4420は、バック・ゲートを備えることができる。別の例として、構造体4410または構造体4430あるいはその両方は、スプリット・ゲート電極を備えることができる。別の例として、構造体4410または構造体4430あるいはその両方は、サイド・ゲート電極を備えることができる。
【0044】
本開示の実施形態に示された半導体ナノワイヤは、横方向空洞の内側で成長され得る。空洞は成長中に半導体を案内するテンプレートとして働くことができるので、このメカニズムは、テンプレートアシスト選択エピタキシ(TASE)と呼ばれた。テンプレートは、組み込まれた半導体構造体の幾何学的形状を決定し、高透過性半導体/金属界面を有するデバイスの製造で不可欠な役割を果たすことができる。TASE半導体成長のダイナミクスは、垂直および横方向のSiOテンプレートにおいて実現され得る。本明細書中で開示された実施形態は、ハイブリッド超伝導体/半導体デバイスを助けるために、超伝導のTiNセグメントをテンプレートに組み込むことによってTASE技術の能力を拡張することができる。この手法は、ハイブリッドTASEと呼ばれる。一例のハイブリッドTASEプロセス・フローの概要は、図45図50に示される。
【0045】
ハイブリッド・テンプレートの製造は、上部に薄い単結晶SOI層4530を有するBOX層4520を特徴付けることができる8インチ(20.32cm)SOIウェハに基づき得る。図45の例によって示されるように、SOIウェハは、埋め込みSiO2層(例えば、BOX層4520)によってSi基板4510から隔てられた薄いSi層(例えば、SOI層)4530を備えることができ、図45のデバイス4500を形成するためにTiN4540の25nmの厚膜を用いて金属化され得る。BOX層4520は、ここに示されたすべてのデバイスについて150nmの厚さであり得る。SOI層4530の厚さは、40nmから70nmの範囲であり得る。
【0046】
このプロセス・フローに使用されるSOI層の(110)の方位は、横方向のTASE半導体成長を実現するために一般に使用されるSOI層の(001)の方位とは異なり得る。使用される(110)SOI層のより低い対称性により、例示のプロセス・フローは、それぞれの方向に異なる成長ダイナミクスを利用することによって、単一チップ上に<001>、<110>、および<111>の方向に横にIII-Vナノ構造体を組み込むことができる。SOIウェハは、TiN4540の25nmの厚さの層のスパッタリングによって金属化され得る。SOI/TiNbi層ナノワイヤは、図46のデバイス4600を形成するために、単一のステップで、保護されていないTiNおよびSOI領域のドライ・エッチングによってパターン形成されることができる。これにより、TiNおよびSOI構造体が自己整列されることを促進することができる。図46に示されるように、自己整列されたナノワイヤbi層構造体は、TiN4540およびSOI層4530にパターン形成され得る。図46において、ナノワイヤは、正方形で末端をなす。図47に示されるように、TiN4540は、この正方形に関して選択的にエッチングされ得る。
【0047】
選択的エッチング・ステップにおいて、TiN層4540は、図47のデバイス4700を形成するために、ワイヤの一端で部分的に除去され得る。構造体は、図48のデバイス4800を形成する前にTiN層4540が選択的に除去された領域内で局所的にエッチングされ得る等角の40nmの厚さのテンプレートSiO層4810内で覆い隠され得る。これは、デバイス4800を示す図51の上から見ているSEM顕微鏡写真5100に示される。SOIナノワイヤ構造体を選択的にエッチングすることにより、SiOおよびTiNの側壁を有する中空の空洞4910を作成する。Siワイヤの選択エッチングにより、テンプレートSiO2およびTiNのストライプによって形成された空洞を作成する。Siのセグメントは、空洞の端部に留まる。空洞の長さは、図49のデバイス4900を形成するためにSiのセグメントが空洞の端部に留まるように選ばれるエッチング時間によって決定され得る。これは、デバイス4900を示す図52の上から見ているSEM顕微鏡写真5200に示される。Siセグメントは、図50に示されるように、InAsナノワイヤのエピタキシャル成長のための種として働くことができる。
【0048】
最後のステップでは、InAsナノワイヤ5010は、図50のデバイス5000を形成するために、MOVPEによってテンプレート構造体の内側で成長させられ得る。これは、デバイス5000を示す図53の上から見ているSEM顕微鏡写真5300に示される。テンプレート内の残留Siセグメントは、InAsの成長が始まる核形成種として働くことができる。InAsの成長については、V/III材料比は、ナノワイヤがテンプレートを半径方向に満たし、それによってInAs半導体とTiN超伝導体との間に界面を作成するように調整され得る。したがって、ナノワイヤの高さは、SOI層4530の厚さ(例えば、40nmから70nm)によって決定することができ、リソグラフィで定められたテンプレートの幅(例えば、40nmから100nm)は、ナノワイヤの幅に設定され得る。ナノワイヤの長さは、典型的には、1μmとすることができ、SiエッチングおよびInAs成長時間によって調整され得る。テンプレートの内側の前駆体種のトリメチルインジウム(TMIn)およびtertブチルアルシン(TBA)の異なる拡散メカニズムにより、成長面(growth front)における有効なV/III比は、空の空洞4910のアスペクト比に依存し得る。有効アスペクト比は成長中に変化し得るので、有効なV/III比がナノワイヤの長さの関数として変化し得るだけでなく、{110}および{111}Bのファセット(facet)の成長速度も変化し得る。ナノワイヤInAsは、それがテンプレートの端部に近づくとき、別個の{111}Bのファセットを示し得る。
【0049】
以下の開示は、組み込まれたTiNセグメントを有するテンプレートの製造をより詳細に説明する。一実施形態では、ウェハは、濃縮されたピラニア(硫酸と過酸化水素2:1)内で清浄化され、続いて超純水におけるすすぎがあり、600ワット(W)の酸素プラズマにおけるクリーニングがあり得る。一実施形態では、3nmのSiO2層は、エッチング・ステップによって形成された生来のSiO2の上部に薄いSiO2層を付加するために、酸素プラズマ雰囲気中でALDによって堆積され得る。TiNの25nmの厚い層は、図45に示されるように、DC反応性マグネトロン・スパッタリングによってウェハ上に堆積され得る。
【0050】
Si/TiNbi層ナノ構造体は誘導結合されたHBrプラズマ・エッチングによってパターン形成され得る。このために、水素シルセスキオキサン(HSQ)ネガ型レジストの50nmの厚さのマスクが、100kVにおける電子線リソグラフィを使用して定められ得る。SiとTiN層の両方のエッチング後、HSQマスクは、希フッ酸内で除去され得る。この方式でパターン形成できるSi/TiNワイヤは、ほぼ2μmの長さであり、40nmから100nmまでの範囲にある幅を有する。このリソグラフィで定められた幅は、後のステージで成長されるInAsナノワイヤの最小幅に対応することができる。Si/TiNワイヤは、図46に示されるように正方形で末端をなし得る。
【0051】
Si/TiNワイヤは、80nmのAR-P6200.04ポジ型レジスト層の接着を確実にするために、酸素プラズマALDによって堆積された5nmのSiO層に封じ込めることができる。電子線リソグラフィを使用して、正方形をワイヤの一端にパターン形成することができる。図47に示されるように、ALD成長されたSiO層は、バッファード・フッ酸(BHF)内でエッチングされてもよく、TiNの正方形は、65℃におけるHO、H、およびNHOH(5:2:1)のウェット・エッチング溶液中で選択的に除去され得る。
【0052】
レジストは、有機溶媒を用いて除去することができ、SiO2の40nm層は、酸素プラズマALDを使用して成長され得る。このSiO層は、III-V構造体の成長を案内することができ、SiO2テンプレートと呼ばれる。SiO2テンプレートのエッチング速度を低下させるために、デバイスは、600℃で30秒間アニールされ得る。AR-P6200.04ポジ型レジストの80nm層に対して電子線リソグラフィを使用するとき、開口部は、前もってTiNがエッチングされたエリアに定めることができる。開口部は、Ar/CHF雰囲気中の反応性イオン・エッチング、およびBHFエッチングを使用してSiOテンプレートに転写され得る。このようにして、各ワイヤの端部におけるSiの正方形は、露出され得る。一実施形態では、露出したエリアは、TiNの特徴がテンプレートSiOによって保護されたままであるように、犠牲的なSiワイヤの上部でTiNストライプと重なるべきではない。この状況は、図48に示されている。露出したSiの正方形は、犠牲的なSi構造体を選択的にエッチングするのを助け、テンプレートSiOおよびTiNによって形成された空洞を作り出すことができる。エッチングは、80℃の2%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液において実行され得る。図49に示されるように、空洞の長さは、Siセグメントが残るように選ばれ得るエッチング時間によって決定され得る。エッチングの異方性により、これらのSiセグメントは、図52に示されるように、典型的な{111}のファセットを示す。それらは、(110)のウェハ表面に直交して向けられる。
【0053】
以下の開示は、テンプレート空洞の内側のInAs半導体の成長の一例を詳述する。MOVPE半導体成長の前に、テンプレートは、希フッ酸(DHF)中に浸漬され得る。このエッチングは、エッチングが組み込まれたTiN領域の下のSiO2保護層を除去するとともに、水素終端したファセットを作成する間にSi{111}のシード・ファセット(seed facet)から生来のSiO2をエッチングするので、2つの目的にかない得る。同時に、内側テンプレートの寸法は、DHF中に浸漬中にわずかに増大し得る。この効果は、図54に見ることができ、InAsナノワイヤは、TiN領域よりも約20nm広い。
【0054】
DHF中でエッチングした後、チップは、MOVPE成長リアクタ(growth reactor)の中に移されてもよく、そこでチップは、TBAの流れの下で、600℃でアニールされ得る。Hは、キャリア・ガスとして使用されてもよく、InAs成長は、TMInがリアクタに導入されるときに開始され得る。InAs成長は、550℃または600℃の温度で、および70から150の間のV/III比で、60Torr(8kPa)の圧力で実行され得る。典型的な成長時間の例は、40分から60分までの範囲である。このように成長させられたナノワイヤの長さは、リアクタ内の成長条件に依存し得るだけでなく、詳細には、テンプレートのアスペクト比および結晶方位、ならびに空洞中に存在する露出されたTiNのエリアにも依存し得る。テンプレートのアスペクト比は、SOIの厚さ、リソグラフィで定められた幅のテンプレート、およびSiバックエッチ長さ(backetch length)によって決定され得る。(例えば、空洞断面積が約90nm×120nmであり得るとともに、空洞の長さが1μmの場合)低いアスペクト比を有するテンプレートの内側に成長させられるInAsナノワイヤは、同じチップ上の高いアスペクト・テンプレート内のワイヤと比較してより高い成長速度を有し得る。高いアスペクト比を有する典型的なデバイスは、50nm×50nmの断面積、および1μmを超える長さを特徴とすることができる。成長中に空洞の有効長さが減少するとき、成長面がテンプレート開口部に近づくにつれて成長速度の加速が観察され得る。
【0055】
以下の開示は、一例のデバイスの接触およびゲートを詳述する。InAs成長後、PMMA669.04(300nm)、およびAR-P672.03(100nm)レジストの二層は、回転されてもよく、デバイス接点は、電子線リソグラフィを用いてパターン形成されてもよい。比1:2を有するメチル・イソブチル・ケトン(MIBK)とイソプロパノール(IPA)のレジスト現像の後、SiO2テンプレートは、接触エリア内でBHFを用いて局所的にエッチングされ得、次に、露出されたInAs領域は、Ti(10nm)およびAu(150nm)の蒸発前に、2%硫化アンモニウム溶液中に浸漬によって不動態化され得る。ジメチル・スルホキシド(DMSO)中のリフト・オフの後、AR-P672.03(100nm)の単層は、回転されてもよく、ゲート構造体は、電子線リソグラフィによってパターン形成されてもよい。レジストは、MIBK:IPA(1:2)中で現像されてもよく、Ti(5nm)およびAu(20nm)の層は、蒸発され得、リフト・オフは、DMSO中で実行されてもよい。Siハンドル・ウェハは、さらなるバックゲートとして使用され得る。それは、BHF中で生来のSiO2のエッチング、およびTi(5nm)およびPt(40nm)の蒸着によって接触されてもよい。このステップ中、チップ上のデバイスは、光レジストの6.2μmの厚さの層によって保護され得る。
【0056】
図54図56は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、線B-Bに沿った図50のデバイス5000の例示および非限定のTEM断面図を示す。図54は、半導体5420の成長中にその場で形成される金属層5410(例えば、TiN)と半導体5420(例えば、InAs)との間の高透過性界面を示す図5400を示す。図55は、図54の金属層5410と半導体5420との間の高透過性界面の領域5430を示す拡大図5500を示す。図56は、図54の半導体5420の領域5440を示す拡大図5600を示す。図56によって示されるように、半導体5420は、粒界を有さない単結晶構造体を含んでもよい。
【0057】
図54図55は、図53に示された線5310の眺めからとった図50のデバイス5000の例示および非限定のTEM断面図を示す。図54は、線5310の眺めからの金属層4540と半導体5010との間の高透過性界面を示す図5400を示す。図55は、図54の金属層4540と半導体5010との間の高透過性界面の領域5410を示す拡大図5500を示す。
【0058】
図56は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる例示および非限定の方法5600の流れ図を示す。本明細書中に記載された他の実施形態に用いられる要素のような繰り返しの説明は、簡潔にするために省略される。5610において、方法5600は、ウェハを覆ってSOI(例えば、図1のシリコン層130)を形成することを含むことができる。5620において、方法5600は、SOI上に金属(例えば、図1の金属層140)を堆積させることを含むことができる。5630において、方法5600は、金属をドライ・エッチングし、SOIをドライ・エッチングすることによって構造体(例えば、図2の構造体210)を形成することを含むことができる。5640において、方法5600は、構造体を覆ってテンプレートを形成することを含むことができる。5650において、方法5600は、金属の下の除去のためにSOIの一部(例えば、図5の一部520)をエッチングすることを含むことができる。5660において、方法5600は、SOIの一部が除去されたところに半導体(例えば、図6の半導体620)を成長させることを含むことができる。
【0059】
一実施形態では、金属は、TiN、超伝導体、非超伝導体、強磁性金属、またはその組合せを含む。一実施形態では、テンプレートは、半導体の幾何学的形状を決定する。一実施形態では、半導体を成長させることは、MOVPEを用いて実施される。一実施形態では、金属と半導体との間の界面は、半導体の成長中にその場で形成される。一実施形態では、方法5600は、除去のためにSOIの一部をエッチングする前にフッ化水素酸エッチを使用してSOIを露出させることをさらに含む。一実施形態では、方法5600は、金属を堆積させる前にSOI上に誘電体を堆積させることをさらに含む。
【0060】
図57は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる別の例示および非限定の方法の流れ図を示す。本明細書中に記載された他の実施形態に用いられる要素のような繰り返しの説明は、簡潔にするために省略される。5710において、方法5700は、除去のためにシリコン要素の一部(例えば、一部520)をエッチングすることによって金属要素(例えば、図5の構造体510の金属層140)およびシリコン要素(例えば、構造体510のシリコン層130)を備えるテンプレート構造体を形成することを含むことができる。5720において、方法5700は、シリコン要素の一部が除去されたところに半導体を成長させることによって金属要素と半導体(例えば、図6の半導体620)との間に界面を作成することを含むことができる。
【0061】
一実施形態では、シリコン要素は、シリコン・オン・インシュレータ、多結晶シリコン、またはその組合せを含む。一実施形態では、エッチングの後に残るシリコン要素(例えば、図6の構造体610のシリコン層130)の残留部分は、半導体の成長を開始させる核形成種を与える。一実施形態では、半導体は、III-V族半導体である。一実施形態では、テンプレート構造体は、金属要素およびシリコン要素に重なる誘電体層(例えば、図5の誘電体層410)をさらに備える。一実施形態では、シリコン要素は、(110)の結晶方位を含む。一実施形態では、テンプレート構造体は、シリコン・ウェハ上に形成される。一実施形態では、方法5700は、金属要素およびシリコン要素を自己整列するように単一のステップで金属層およびシリコン層をドライ・エッチングすることをさらに含むことができる。
【0062】
図58は、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態による、高透過性半導体/金属界面を促進することができる別の例示および非限定の方法の流れ図を示す。本明細書中に記載された他の実施形態に用いられる要素のような繰り返しの説明は、簡潔にするために省略される。5810において、方法5800は、金属要素(例えば、図5の構造体510の金属層140)を備える第1の側壁と、シリコン要素(例えば、構造体510のシリコン層130)を備える第2の側壁とを含む空洞構造体を形成することを含むことができる。5820において、方法5800は、金属要素と半導体との間に界面を形成するために核形成種としてシリコン要素を用いて空洞構造体内に半導体(例えば、図6の半導体620)を成長させることを含むことができる。
【0063】
一実施形態では、空洞構造体は、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハに重なる。一実施形態では、空洞構造体を形成することは、除去のためにシリコン要素の一部(例えば、図5の一部520)をエッチングすることを含む。一実施形態では、空洞構造体の長さは、空洞構造体を形成するために使用されるエッチング時間に対応する。一実施形態では、半導体の高さは、空洞構造体に重なる誘電体層の厚さによって決定される。一実施形態では、半導体の成長は、空洞構造体の1つまたは複数の幾何学的形状によって案内される。
【0064】
本開示主題の様々な態様に内容を与えるために、図59および以下の説明は、本開示主題の様々な態様を実施することができる適切な環境の一般的な説明を与えるものである。図59は、本開示の様々な態様を実施するための適切な動作環境5900がコンピュータ5912を含むこともできることを示す。コンピュータ5912は、処理装置5914と、システム・メモリ5916と、システム・バス5918とを含むこともできる。システム・バス5918は、限定するものではないがシステム・メモリ5916を含むシステム構成要素を処理装置5914に結合する。処理装置5914は、様々な利用可能なプロセッサのいずれかであり得る。デュアル・マイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサ・アーキテクチャは、処理装置5914として用いることもできる。システム・バス5918は、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺装置用バスもしくは外部バス、または任意の種々の利用可能なバス・アーキテクチャを使用するローカル・バス、あるいはその組合せを含むいくつかのタイプのバス構造体のいずれかであってもよく、限定するものではないが、ISA(Industrial Standard Architecture)、MSA(Micro-Channel Architecture)、EISA(Extended ISA)、IDE(Intelligent Drive Electronics)、VLB(VESALocal Bus)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、カード・バス、USB(Universal Serial Bus)、AGP(Advanced Graphics Port)、FireWire(IEEE1094)、およびSCSI(Small Computer Systems Interface)を含む。システム・メモリ5916は、揮発性メモリ5920および不揮発性メモリ5922を含むこともできる。起動中などにコンピュータ5912内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含むBIOS(Basic Input/Output System)は、不揮発性メモリ5922内に記憶される。例示および非限定として、不揮発性メモリ5922は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含み得る。揮発性メモリ5920は、外部キャッシュ・メモリとして働くランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含むこともできる。例示および非限定として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、ダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)、ダイレクト・ラムバス・ダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバス・ダイナミックRAMなどの多くの形態で利用可能である。
【0065】
コンピュータ5912は、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含むこともできる。図59は、例えば、ディスク・ストレージ5924を示す。ディスク・ストレージ5924は、磁気ディスク・ドライブ、フロッピー(R)・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュ・メモリ・カード、またはメモリ・スティックなどのデバイスを含むこともできるが、これらに限定されない。コンパクト・ディスクROMデバイス(CD-ROM)、CD記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、またはデジタル・バーサタイル・ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスク・ドライブを含むが、これらに限定されないディスク・ストレージ5924は、別々に、または他の記憶媒体と組み合わせて、記憶媒体を含むこともできる。システム・バス5918へのディスク・ストレージ5924の接続を容易にするために、典型的には、界面5926などの取り外し可能/取り外し不可能な界面が使用される。図59は、ソフトウェアが、適切な動作環境5900において説明されるユーザと基本的なコンピュータ・リソースとの間の橋渡し役として働くことも示す。そのようなソフトウェアは、例えば、オペレーティング・システム5928を含むこともできる。ディスク・ストレージ5924に記憶することができるオペレーティング・システム5928は、コンピュータ5912のリソースを制御し、割り当てるために働く。システム・アプリケーション5930は、例えば、システム・メモリ5916またはディスク・ストレージ5924のどちらかに記憶されたプログラム・モジュール5932およびプログラム・データ5934を通じてオペレーティング・システム5928によるリソースの管理を利用する。本開示は様々なオペレーティング・システムまたはオペレーティング・システムの組合せを用いて実施されてもよいことを理解されたい。ユーザは、入力装置5936によってコンピュータ5912にコマンドまたは情報を入力する。入力装置5936は、マウス、トラックボール、スタイラスなどのポインティング・デバイス、タッチ・パッド、キーボード、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナ・カード、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、Webカメラなどを含むが、これらに限定されない。これらおよび他の入力装置は、インタフェース・ポート5938を介してシステム・バス5918を通じて処理装置5914に接続する。インタフェース・ポート5938には、例えば、シリアル・ポート、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、およびUSB(Universal Serial Bus)が含まれる。出力装置5940は、入力装置5936として同じタイプのポートのいくつかを使用する。このようにして、例えば、USBポートが、コンピュータ5912へ入力を与えるとともに、コンピュータ5912から出力装置5940へ情報を出力するために使用され得る。出力アダプタ5942は、特殊なアダプタを必要とする出力装置5940の中でも特に、モニタ、スピーカ、およびプリンタのような何らかの出力装置5940が存在することを示すために与えられる。出力アダプタ5942には、例示および非限定として、出力装置5940とシステム・バス5918との間の接続の手段を与えるビデオ・カードおよびサウンド・カードが含まれる。遠隔コンピュータ5944など、他のデバイス、またはデバイスのシステム、あるいはその両方が、入力機能と出力機能の両方を与えることが留意され得る。
【0066】
コンピュータ5912は、遠隔コンピュータ5944などの1つまたは複数の遠隔コンピュータへの論理接続を使用してネットワーク化された環境中で動作することができる。遠隔コンピュータ5944は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサ・ベースの機器、ピア・デバイス、またはその他の一般的なネットワーク・ノードなどであり得、典型的には、コンピュータ5912に関連して多くの要素または説明された上記要素を含み得る。簡潔にするために、たった1つのメモリ・ストレージ・デバイス5946が、遠隔コンピュータ5944と共に示されている。遠隔コンピュータ5944は、ネットワーク・インタフェース5948を通じてコンピュータ5912に論理的に接続され、次いで、通信接続5950を介して物理的に接続される。ネットワーク・インタフェース5948は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、セルラー・ネットワークなどの有線通信ネットワーク、または無線通信ネットワーク、あるいはその両方を包含する。LAN技術は、光ファイバ分散データ・インタフェース(FDDI)、銅線分散データ・インタフェース(CDDI)、イーサネット(R)、トークン・リングなどを含む。WAN技術は、ポイント・ツー・ポイント・リンク、総合デジタル通信網(ISDN)およびそれらの変形のような回路交換網、パケット交換網、およびデジタル加入者回線(DSL)を含むが、これらに限定されない。通信接続5950は、ネットワーク・インタフェース5948をシステム・バス5918に接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。通信接続5950は、説明を明確にするために、コンピュータ5912の内側に示されているが、通信接続5950は、コンピュータ5912の外部にあることもできる。ネットワーク・インタフェース5948に接続するためのハードウェア/ソフトウェアは、単に例示のために、通常の電話等級のモデム、ケーブル・モデム、およびDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、およびイーサネット(R)・カードなどの、内部および外部の技術を含むこともできる。
【0067】
本発明は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合で、システム、方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有する1つ(または複数)のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持し、記憶することができる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM、またはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードまたは命令を記録させた溝の中の隆起構造などの機械的にエンコードされるデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せを含むこともできる。本明細書中で使用されるとき、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波管または他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、あるいはワイヤを通じて伝送される電気信号などの一過性の信号であると解釈されるべきではない。
【0068】
本明細書中に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピューティング・デバイス/処理デバイスへ、またはネットワーク(例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、または無線ネットワーク、あるいはその組合せ)を介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスへダウンロードされ得る。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含み得る。各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、このコンピュータ可読プログラム命令を各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するために送る。本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、あるいは、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソース・コードまたはオブジェクト・コードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全面的に実行することができ、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行することができ、ユーザのコンピュータ上で部分的におよび遠隔コンピュータ上で部分的に実行することができ、あるいは遠隔コンピュータまたはサーバ上で全面的に実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続することができ、あるいは接続は、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行われ得る。一部の実施形態では、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路は、電子回路をパーソナライズするために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0069】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態に従って、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得るということが理解されよう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施する手段を作り出すべく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられてマシンを作り出すものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作の態様を実施する命令を含んでいる製品を含むように、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定のやり方で機能するように指示することができるものであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施するように、コンピュータにより実施されるプロセスを生成するべく、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスに読み込まれ、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で一連の演算動作を実行させるものであってもよい。
【0070】
図中のフローチャート図およびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施に係るアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。これに関連して、フローチャート図またはブロック図中の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。一部の代替の実施では、ブロックに示された機能は、図に示された順序以外で行われてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれている機能性に応じて、実際には、ほぼ同時に実行されてもよく、または場合によっては、ブロックは、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、指定された機能または動作を実行する、あるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施することができるということにも留意されたい。
【0071】
本主題は、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータあるいはその両方で実行されるコンピュータ・プログラム製品のコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈において上に説明されてきたが、当業者は、本開示が他のプログラム・モジュールと組み合わせて実施することもできるまたは実施されてもよいということを認識するであろう。概して、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するまたは特定の抽象データ型を実施するあるいはその両方を行うルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。また、当業者は、本発明のコンピュータ実装方法は、シングル・プロセッサ・コンピュータ・システムまたはマルチ・プロセッサ・コンピュータ・システム、ミニ・コンピューティング・デバイス、メインフレーム・コンピュータ、ならびにコンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス(例えば、PDA、電話)、マイクロプロセッサ・ベースまたはプログラム可能な家電または産業用電子機器などを含む他のコンピュータ・システム構成を用いて実施され得るということを理解するであろう。示された態様は、通信ネットワークを通じてリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施することもできる。しかしながら、本開示の態様の全部ではないとしても一部は、スタンドアロン・コンピュータ上で実施されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、ローカル・メモリ・ストレージ・デバイスと遠隔メモリ・ストレージ・デバイスの両方に位置し得る。例えば、1つまたは複数の実施形態において、コンピュータ実行可能コンポーネントは、1つまたは複数の分散メモリ・ユニットを含み得るまたはそれで較正され得るメモリから実行され得る。本明細書中で使用されるとき、用語「メモリ」および「メモリ・ユニット」は、相互交換可能である。さらに、本明細書中に記載された1つまたは複数の実施形態は、分散方式で、例えば、1つまたは複数の分散メモリ・ユニットからのコードを実行するように組み合わされるまたは協働する複数のプロセッサで、コンピュータ実行可能コンポーネントのコードを実行することができる。本明細書中で使用されるとき、用語「メモリ」は、1つの位置における単一のメモリまたはメモリ・ユニット、あるいは1つまたは複数の位置における複数のメモリまたはメモリ・ユニットを包含することができる。
【0072】
本出願において使用されるとき、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インタフェース」などの用語は、1つまたは複数の特定の機能性を含むコンピュータに関連した実体または動作可能なマシンに関連した実体を指すことができる、または含むことができる、あるいはその両方であることができる。本明細書で開示される実体は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであり得る。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行しているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、またはコンピュータ、あるいはその組合せであり得るが、これらに限定されない。例示として、サーバ上で実行しているアプリケーションとサーバの両方は、コンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントが、プロセス内または実行のスレッド内あるいはその両方に存在することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に局在する、または2つ以上のコンピュータ間で分散される、あるいはその両方であることが可能である。別の例では、各コンポーネントは、様々なデータ構造を記憶した様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、1つまたは複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システム内または分散システム内の別のコンポーネントとやりとりするか、またはインターネットなどのネットワークを経由して、信号を介して他のシステムとやりとりするか、あるいはその両方によってやりとりする1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号などに従って、ローカル・プロセスまたは遠隔プロセスあるいはその両方によって通信することができる。別の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェア・アプリケーションによって動作させられる、電気回路または電子回路によって動作させられる機械部品によって提供される特定の機能性を有する装置であることができる。そのような場合、プロセッサは、装置の内部または外部にあることができ、ソフトウェアまたはファームウェア・アプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の例として、コンポーネントは、機械部品なしで電子コンポーネントを通じて特定の機能性を提供する装置であることができ、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能性の少なくとも一部を与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するためのプロセッサまたは他の手段を含むことができる。一態様では、コンポーネントは、例えばクラウド・コンピューティング・システム内で、仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートすることができる。
【0073】
加えて、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するように意図されている。すなわち、別段指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを採用する」は、自然な包含的順列のいずれかを意味するように意図されている。すなわち、XがAを採用する、XがBを採用する、またはXがAとBの両方を採用する場合、「XがAまたはBを採用する」が、前述の例のいずれかにおいて満たされる。また、本明細書および添付の図面に使用されるとき、冠詞「a」および「an」は、単数形を対象にすることが別段指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味すると一般に解釈されるべきである。本明細書中で使用されるとき、「例」または「例示的」あるいはその両方の用語は、一例、例、または例示として働くことを意味するために利用される。誤解を避けるために、本明細書中で開示された主題は、そのような例によって限定されない。加えて、「例」または「例示的」あるいはその両方として本明細書中に記載された任意の態様または設計は、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されず、当業者に知られている同等の例示的な構造および技術を除外するように意図されていない。
【0074】
本明細書において用いられるとき、用語「プロセッサ」は、シングルコア・プロセッサ、ソフトウェアのマルチスレッド実行機能を有するシングル・プロセッサ、マルチコア・プロセッサ、ソフトウェアのマルチスレッド実行機能を有するマルチコア・プロセッサ、ハードウェアのマルチスレッド技術を有するマルチコア・プロセッサ、並列プラットフォーム、および分散共有メモリを備える並列プラットフォームを含むが、これらに限定されない、実質的に任意の計算処理装置またはデバイスを指し得る。さらに、プロセッサは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、個別のゲートまたはトランジスタ論理、個別のハードウェア・コンポーネント、あるいは本明細書に記載された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せを指すことができる。さらに、プロセッサは、空間利用を最適化し、またはユーザ機器の性能を向上するために、限定するものではないが、分子および量子ドット・ベースのトランジスタ、スイッチ、およびゲートなど、ナノスケール・アーキテクチャを利用することができる。プロセッサは、計算処理ユニットの組合せとして実施することもできる。本開示では、コンポーネントの動作および機能性に関連する「記憶する」、「ストレージ」、「データ記憶」、「データ・ストレージ」、「データベース」、および実質的に任意の他の情報ストレージ・コンポーネントなどの用語は、「メモリ・コンポーネント」、「メモリ」内に具現化された実体、またはメモリを備えるコンポーネントを指すために利用される。本明細書中に記載されたメモリまたはメモリ・コンポーネントあるいはその両方は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのどちらかであることができ、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得ることを理解されたい。例示および非限定として、不揮発性メモリには、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM)が含まれ得る。揮発性メモリには、例えば、外部キャッシュ・メモリとして働くことができるRAMが含まれ得る。例示および非限定として、RAMは、シクロクロスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、ダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)、ダイレクト・ラムバス・ダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバス・ダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形態で利用可能である。さらに、本明細書におけるシステムまたはコンピュータ実装方法の開示されたメモリ・コンポーネントは、限定するものではないが、これらのメモリ、および任意の他の適切なタイプのメモリを含むことが意図されている。
【0075】
前述したものは、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明するために、コンポーネントまたはコンピュータ実装方法の考えられるすべての組合せについて説明することはできず、当業者は、本発明に関する多くのさらなる組合せおよび置換が可能であることを認識することができる。さらに、「含む」、「有する」、「所有する」などの用語が、詳細な説明、特許請求の範囲、付録、および図面において使用される範囲では、それらの用語は、「備える」が特許請求における移行語として使用されるときに解釈されるように、用語「備える」と同様に包含的であることが意図される。
【0076】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する声明
本発明は、国防高等研究計画局(DARPA)により授与された140D6318C0028の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
【0077】
例示のために様々な実施形態の説明を示してきたが、網羅的なものではなく、または開示した実施形態に限定されるものではない。多くの変更および変形が、説明した実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。本明細書中で使用される専門用語は、実施形態の原理、市場に見られる技術を上回る実際の応用または技術的改善を最もよく説明するように、あるいは本明細書中で開示された実施形態を当業者が理解することを可能にするように選ばれた。
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【国際調査報告】