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特表2023-548788胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/554 20060101AFI20231114BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231114BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20231114BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A61K31/554
A61P1/16
A61P17/04
A61P29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523532
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021078734
(87)【国際公開番号】W WO2022084212
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/094,027
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/094,426
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/144,688
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、(ナンバー2)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY (NO.2) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケンドリック,スチュアート フレデリック ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マクロフリン,メーガン マクヘイル
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC92
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA10
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZA89
4C086ZB11
(57)【要約】
化合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩の投与を含む、そう痒症、例えば胆汁うっ滞性そう痒症、特に原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、治療方法。
【請求項2】
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【化2】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、治療方法。
【請求項3】
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【化3】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【化4】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
化合物が、経口投与される、請求項1に記載の治療方法、又は請求項3に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項6】
化合物が、経口投与される、請求項2に記載の治療方法、又は請求項4に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項7】
化合物が、3mg~100mgの間の量で1日2回投与される、請求項2又は請求項6に記載の治療方法、又は請求項4又は請求項6に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項8】
化合物が、40mg~90mgの間の量で1日2回投与される、請求項2又は請求項6に記載の治療方法、又は請求項4又は請求項6に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項9】
化合物が、約90mgの量で1日2回投与される、請求項2又は請求項6に記載の治療方法、又は請求項4又は請求項6に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項10】
化合物が、約40mgの量で1日2回投与される、請求項2又は請求項6に記載の治療方法、又は請求項4又は請求項6に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項11】
化合物が、
【化5】
である、請求項1、2又は5~10のいずれか一項に記載の治療方法、又は請求項3、4又は5~10のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項12】
前記かゆみの改善が、少なくとも-0.5のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、請求項2又は5~11のいずれか一項に記載の治療方法、又は請求項4又は5~11のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
【請求項13】
前記かゆみの改善が、約-0.9のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、請求項2又は5~11のいずれか一項に記載の治療方法、又は請求項4又は5~11のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そう痒症、例えば胆汁うっ滞性そう痒症、特に原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許公報WO 2011/137135は、数ある化合物の中でも、以下の回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害剤化合物を開示する。この特許公報はまた、この化合物の合成方法を開示する。
【0003】
【化1】
【0004】
上記化合物の調製はまた、J. Med. Chem, Vol 56, pp 5094-5114 (2013)、J. Org. Chem., Vol 78, pp 12726-12734 (2013)並びに特許公報WO 2016/020785及びWO 2018/002827に開示される。この化合物は、リネリキシバット(linerixibat)、GSK2330672としても知られており、GSK672と略されることもある。この化合物は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)における胆汁うっ滞性そう痒症の治療のための臨床試験中である。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0006】
【化2】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、治療方法を提供する。
【0007】
第2の態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0008】
【化3】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、治療方法を提供する。
【0009】
第3の態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0010】
【化4】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
第4の態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0012】
【化5】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1-1】図1(i)は、第2b相臨床試験研究GLIMMER NCT02966834についての臨床研究デザインを示す
図1-2】図1(ii)は、研究参加者のベースライン特性を示す
図2図2は、経時的なバイオマーカーC4(7-α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン)の平均血清濃度を示す(治療意図(Intention to Treat、ITT)集団)
図3-1】図3(i)は、平均最悪日かゆみスコアにおけるベースラインからの週平均変化(A)、及び12週間の処置期間全体にわたる月かゆみスコアにおけるベースラインからの変化(B)を示す
図3-2】図3(ii)は、16週目(すなわち、4週間のプラセボと、それに続く12週間の処置)での平均最悪日かゆみスコアにおけるベースラインからの変化を示す
図4図4は、12週間の処置中のかゆみ反応日パーセンテージにおけるプラセボとの平均差を示す
図5-1】図5aは、平均睡眠スコアにおけるベースラインからの変化を示す
図5-2】図5bは、最悪日かゆみスコアにおけるベースラインからの変化を示す
図6図6は、月睡眠スコアと月かゆみスコアとの間のベースラインからの変化の相関のブランド-アルトマングラフ(Bland-Altman graph)を示す
図7図7は、経時的なバイオマーカー血清線維芽細胞増殖因子-19(FGF-19)のグラフを示す(ITT集団)
図8図8は、経時的な血清中のバイオマーカー血清オートタキシンのグラフを示す(ITT集団)
図9図9は、経時的なバイオマーカー血清LDLコレステロールのグラフを示す(ITT集団)
図10図10は、総血清胆汁酸(TSBA)及びC4の幾何最小二乗平均比の混合モデル反復測定(MMRM)分析の表を示す(ITT集団、事後分析)
【発明を実施するための形態】
【0014】
胆汁うっ滞性そう痒症は、PBCを有する患者の最大75%に影響を及ぼし、生活の質(QOL)に著しく影響を与える。最近、PBCに対する新規薬理学的治療法が開発されている。ウルソデオキシコール酸(UDCA)及びオベチコール酸(OCA)は、現在、臨床使用について承認されているか、又は利用可能である; しかし、それらは、胆汁うっ滞性そう痒症を改善しない(Levy C. Management of pruritus in patients with cholestatic liver disease. Gastroenterol Hepatol (N Y) 2011;7:615-7; Santiago P, Scheinberg AR, Levy C. Cholestatic liver diseases: new targets, new therapies. Therap Adv Gastroenterol 2018;11:1756284818787400)。実際、OCAには、そう痒症に対する警告及び注意がラベル表示されており、このことは、臨床業務におけるその使用を潜在的に制限する。
【0015】
胆汁うっ滞では、胆汁酸が肝臓、血清、及び皮膚に蓄積し、そう痒症の一因となるという仮説に基づいて、胆汁酸が、治療的介入のための潜在的な標的として特定されている。さらに、胆汁酸結合樹脂、例えばコレスチラミンは、PBCにおけるそう痒症に対する一次療法として推奨されている(Hegade VS, Bolier R, Oude Elferink RP, et al. A systematic approach to the management of cholestatic pruritus in primary biliary cirrhosis. Frontline Gastroenterol 2016;7:158-166)。しかし、コレスチラミンは、すべての患者についてそう痒症の十分な軽減を提供するわけではなく、そのまずい味及び胃腸関連の有害事象(AE)のために、アドヒアランスが低い可能性がある。
【0016】
様々な他の全身性疾患が、慢性そう痒症に関連している。全身性そう痒症を有する患者の最大20%が、全身性疾患実体、例えば慢性腎疾患、肝胆道障害、及び血液学的障害に罹患する。ほとんどすべての肝胆道障害は、そう痒症を伴い得るが、この症状は、PBCなどの胆汁うっ滞性の特徴を有する障害に一般的に見られる(Dull MM, Kremer AE. Newer Approaches to the Management of Pruritus in Cholestatic Liver Disease. Curr Hepatol Rep 2020;19:86-95; Hegade VS, Kendrick SF, Jones DE. Drug treatment of pruritus in liver diseases. Clin Med (Lond). 2015;15(4):351-357; World J Gastroenterol. May 21, 2017; 23(19): 3418-3426. Recent advances in the management of pruritus in chronic liver diseases)。
【0017】
適応外療法、例えばコレスチラミン、リファンピン、ベザフィブラート、選択的オピオイド受容体アンタゴニスト剤(例えばナロキソン及びナルトレキソン)、及びセルトラリンは、肝疾患におけるそう痒症に対する二次治療オプションである。ベザフィブラートは、プラセボと比較してそう痒症の低減を示した(Corpechot C, Chazouilleres O, Rousseau A, et al. A Placebo-Controlled Trial of Bezafibrate in Primary Biliary Cholangitis. N Engl J Med 2018;378:2171-2181); しかし、フィブラートは、肝障害には禁忌である可能性がある。ナルフラフィンはまた、様々な肝疾患を有する患者集団におけるかゆみのわずかではあるが有意な改善を実証している(Yagi M, Tanaka A, Namisaki T, et al. Is patient-reported outcome improved by nalfurafine hydrochloride in patients with primary biliary cholangitis and refractory pruritus? A post-marketing, single-arm, prospective study. J Gastroenterol 2018;53:1151-1158)。かゆみに対してこれらの推奨される療法が利用可能であるにもかかわらず、患者は著しく症状を示したままである; UK-PBCコホート研究における2194人の患者からの実際のデータによると、3分の1を超える患者が、診断以来、持続性そう痒症を経験し、ほぼ4分の3が、疾患経過中にそう痒症を経験したことがわかった; そう痒症の重症度は、6年間にわたり持続した。
【0018】
BYLVAY(オデビキシバット)は、最近、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)におけるそう痒症の治療についてFDAによって承認されている。オデビキシバットは、IBAT阻害剤化合物であり、この適応症について1日1回投与される。
【0019】
LIVMARLI(マラリキシバット)経口溶液は、最近、アラジール症候群(ALGS)を有する子供における胆汁うっ滞性そう痒症を治療するためにFDAによって承認されている。マラリキシバットは、IBAT阻害剤化合物であり、この適応症について1日1回投与される。
【0020】
このことは、そう痒症、例えば胆汁うっ滞性そう痒症、特に原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症を有する患者に対するより効果的な治療オプションに対する継続的な満たされない臨床的必要性を強調する。
【0021】
そう痒症は、患者報告アウトカムであり、直接測定することはできない。むしろ、それは、様々な手段によって推定され得る。胆汁うっ滞性そう痒症は、例えば以下の様々な評価スケールを使用して測定することができる:
【0022】
i)10点数値評価スケール(NRS): “Development and adaptation of patient-reported outcome measures for patients who experience itch associated with primary biliary cholangitis.” J Patient Rep Outcomes. 2019;3(1):2
【0023】
ii)5Dかゆみスケール: Elman et al., “The 5-D itch scale: a new measure of pruritus.” Br J Dermatol. 2010 Mar;162(3):587-93
【0024】
iii)PBC-40(PBC-40 HRQOL): Jacoby et al., “Development, validation, and evaluation of the PBC-40, a disease specific health related quality of life measure for primary biliary cirrhosis.” Gut. 2005 Nov;54(11):1622-9。PBC-40の6つの領域は、疲労、感情、社会性、及び認知機能、全身症状、及びかゆみに関する。
【0025】
かゆみ(そう痒症)の測定 - 10点数値評価スケール(NRS)
・かゆみスコア(Itch Score): 研究参加者によって1日2回記録されるかゆみスコア; 0~10の数値評価スケール(NRS)を使用して、かゆみを評価し、かゆみがないことを表す0、及び想像し得る最悪のかゆみを表す10の反応オプションがある
【0026】
・最悪日かゆみスコア(Worst Daily Itch Score): 患者によって毎日記録される2つのかゆみスコアのうち最悪のものを、その日についてのスコアと見なす(すなわち、所定の日に記録される最も重篤な(最高の)NRS)
【0027】
・平均最悪日かゆみスコア(Mean Worst Daily Itch Score)(週かゆみスコア[Weekly Itch Score、WIS]): 1週間(7日間)における最悪日かゆみスコアの平均値
【0028】
・月かゆみスコア(Monthly Itch Score、MIS): その月について最悪の平均最悪日かゆみスコア(すなわち、4週間のうち最悪の週スコア)
【0029】
・かゆみ反応(Itch Response): 例えば、ベースラインからの平均最悪日かゆみスコアの≧2点の改善
【0030】
・かゆみ反応日(Itch Responder Days): かゆみ反応の定義が満たされた日(すなわち、かゆみ反応のある日)
【0031】
・かゆみ重症度: 0~10のNRSを使用して測定される; 中等度から重度は≧4のNRSである
【0032】
・ベースライン(処置前のプラセボ期間の終了時のかゆみスコア)は、無作為化の前(実施例2では、4週目での無作為化の前)の7日間におけるかゆみスコアの平均値である
【0033】
・ベースラインからの変化は、ベースライン後の値からベースラインの値を差し引いて計算した。
【0034】
本発明は、そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0035】
【化6】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおけるそう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、治療方法を提供する。
【0036】
本発明はまた、そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0037】
【化7】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0038】
本明細書において上で言及されるように、様々な全身性疾患が、慢性そう痒症に関連している。ほとんどすべての肝胆道障害が、そう痒症を伴う可能性があるため、そう痒症は、肝疾患では一般的であるが、この症状は、PBCなどの胆汁うっ滞性の特徴を有する障害に一般的に見られる。胆汁うっ滞性そう痒症は、肝臓の胆管の機能不全の結果としての衰弱性かゆみであり、全身の有毒な胆汁酸の放出によって引き起こされると考えられる。このかゆみは、複数の肝疾患で発生する可能性があり、PBCの主要症状として認識される。
【0039】
一実施形態では、そう痒症は、肝疾患に関連している。別の実施形態では、そう痒症は、慢性肝疾患、例えば胆汁うっ滞性肝疾患に関連している。さらなる実施形態では、そう痒症は、胆汁うっ滞性そう痒症である。さらなる実施形態では、そう痒症は、PBCにおける胆汁うっ滞性そう痒症である。
【0040】
一実施形態では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0041】
【化8】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、3mg~100mgの間の量で1日2回経口投与され、かつ該投与は、少なくとも-0.5の月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの間の平均差によって実証される、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0042】
一実施形態では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0043】
【化9】
を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらし、かゆみの改善は、平均最悪日かゆみスコアによって測定した場合、プラセボとは統計的に差がある、治療方法を提供する。
【0044】
一実施形態では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0045】
【化10】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、3mg~100mgの間の量で1日2回経口投与され、かつ該投与は、少なくとも-0.5のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0046】
一実施形態では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0047】
【化11】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらし、かゆみの改善は、平均最悪日かゆみスコアによって測定した場合、プラセボとは統計的に差がある、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0048】
一実施形態では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とし、10点NRSで≧4のNRSを有するヒトに化合物
【0049】
【化12】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与される、治療方法を提供する。
【0050】
一実施形態では、本発明は、10点NRSで≧4のNRSを有する患者における原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0051】
【化13】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与される、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0052】
一実施形態では、本明細書に記載の治療方法又は治療に使用するための化合物に関して、化合物は、経口投与される。
【0053】
本明細書に記載の治療方法又は治療に使用するための化合物に関して、
一実施形態では、化合物は、3mg~100mgの間の量で1日2回、例えば30mg~100mgの間の量で1日2回投与される。
【0054】
一実施形態では、化合物は、40mg~90mgの間の量で1日2回投与される。
【0055】
一実施形態では、化合物は、約90mgの量で1日2回投与される。
【0056】
一実施形態では、化合物は、約40mgの量で1日2回投与される。
【0057】
比較例では、化合物は、約180mgの量で1日1回投与される。
【0058】
比較例では、化合物は、約90mgの量で1日1回投与される。
【0059】
本明細書に記載の治療方法又は治療に使用するための化合物に関して、一実施形態では、かゆみの改善は、10点数値評価スケールでの対象の平均最悪日かゆみスコアが、ベースラインと比較して、治療期間の終了時に改善される状況を指す。特定の一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間の継続期間である。別の実施形態では、治療期間は、少なくとも24週間の継続期間である。
【0060】
一実施形態では、前記かゆみの改善は、月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される。別の実施形態では、前記かゆみの改善は、少なくとも-0.1、又は少なくとも-0.2、又は少なくとも-0.3、又は少なくとも-0.4の月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される。別の実施形態では、前記かゆみの改善は、少なくとも-0.5の月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される。別の実施形態では、前記かゆみの改善は、少なくとも-0.6、又は少なくとも-0.7、又は少なくとも-0.8の月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される。別の実施形態では、前記かゆみの改善は、約-0.9の月かゆみスコアのベースラインからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される。
【0061】
一実施形態では、前記かゆみの改善は、少なくとも-0.5、例えば少なくとも-0.9、又は約-0.9のベースライン月かゆみスコアからの変化によって実証される。一実施形態では、前記かゆみの改善は、24週間にわたる約-0.9のベースライン月かゆみスコアからの変化によって実証される。
【0062】
一実施形態では、前記かゆみの改善は、平均最悪日かゆみスコアによって測定した場合、プラセボとは統計的に差がある。
【0063】
一実施形態では、本明細書に記載の治療方法に従って投与される化合物、又は治療に使用するための化合物は、化合物:
【0064】
【化14】
である。
【0065】
本明細書に記載の治療方法又は治療に使用するための化合物に関して、一実施形態では、化合物又はその薬学的に許容される塩は、錠剤に製剤化される。一実施形態では、錠剤は、増量剤、崩壊剤、及び滑沢剤をさらに含む。一実施形態では、錠剤は、10~100mgの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態では、錠剤は、40~90mgの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、錠剤は、90mgの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、錠剤は、45mgの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、錠剤は、40mgの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。適切な錠剤の一例は、化合物、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを含む錠剤である。適切な錠剤の別の例は、化合物、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム及びクロスカルメロースナトリウムを含む錠剤である。
【0066】
薬力学的バイオマーカー
以下のバイオマーカーは、そう痒症、特に胆汁うっ滞性そう痒症の治療に関する臨床研究に有用である:
Hegade et al, Liver International. 2019;39:967-975
Hegade et al, Lancet 389 March 18, 2017; 1114-1123
【0067】
血清7-α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)
C4は、コレステロールから胆汁酸の生化学合成における中間体である。C4濃度は、胆汁酸合成経路の活性を反映する。
【0068】
血清線維芽細胞増殖因子-19(FGF-19)
FGF-19は、ホルモンとして機能し、胆汁酸合成を調節し、グルコース及び脂質代謝に影響を与えるタンパク質である。
【0069】
血清オートタキシン(ATX)
オートタキシンは、かゆみ強度と相関することがわかっているリゾホスファチジン酸(LPA)を生成する酵素である。
【0070】
血清低密度リポタンパク質コレステロール(LDL)
LDLは、細胞外水において体中にすべての脂肪分子を輸送するリポタンパク質の5つの主要な群のうちの1つである。
【0071】
総血清胆汁酸(TSBA)
TSBAは、肝臓で代謝され、正常な肝機能のマーカーとして機能し得る。
【0072】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0073】
【化15】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における総血清胆汁酸の減少をもたらす、治療方法を提供する。
【0074】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0075】
【化16】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における総血清胆汁酸の減少をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0076】
一実施形態では、総血清胆汁酸の減少は、ヒトにおける総血清胆汁酸のレベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療期間の終了時により低い場合に達成される。
【0077】
別の実施形態では、総血清胆汁酸の減少は、患者の集団における総血清胆汁酸の平均レベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。別の実施形態では、総血清胆汁酸の減少は、患者の集団における総血清胆汁酸の平均レベルが、プラセボと比較した場合、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。
【0078】
一実施形態では、総血清胆汁酸の平均減少は、プラセボと比較した、ベースラインからの統計的に有意な平均変化である。別の実施形態では、総血清胆汁酸の減少は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は100%である。
【0079】
一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間である。
【0080】
一実施形態では、患者の集団は、少なくとも30人の患者、又は少なくとも50人の患者、又は少なくとも100人の患者である。
【0081】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0082】
【化17】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における血清C4の増加をもたらす、治療方法を提供する。
【0083】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0084】
【化18】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における血清C4の増加をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0085】
一実施形態では、血清C4の増加は、ヒトにおける血清C4のレベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療期間の終了時により高い場合に達成される。
【0086】
別の実施形態では、血清C4の増加は、患者の集団における血清C4の平均レベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により高い場合に達成される。別の実施形態では、血清C4の増加は、患者の集団における血清C4の平均レベルが、プラセボと比較した場合、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により高い場合に達成される。
【0087】
一実施形態では、血清C4の平均増加は、プラセボと比較した、ベースラインからの統計的に有意な平均変化である。別の実施形態では、血清C4の増加は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は100%である。
【0088】
一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間である。
【0089】
一実施形態では、患者の集団は、少なくとも30人の患者、又は少なくとも50人の患者、又は少なくとも100人の患者である。
【0090】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0091】
【化19】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における血清線維芽細胞増殖因子19の平均減少をもたらす、治療方法を提供する。
【0092】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0093】
【化20】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける又は患者の集団における血清線維芽細胞増殖因子19の平均減少をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0094】
一実施形態では、血清線維芽細胞増殖因子19の減少は、ヒトにおける血清線維芽細胞増殖因子19のレベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療期間の終了時により低い場合に達成される。
【0095】
別の実施形態では、血清線維芽細胞増殖因子19の減少は、患者の集団における血清線維芽細胞増殖因子19の平均レベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。別の実施形態では、血清線維芽細胞増殖因子19の減少は、患者の集団における血清線維芽細胞増殖因子19の平均レベルが、プラセボと比較した場合、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。
【0096】
一実施形態では、血清線維芽細胞増殖因子19の平均減少は、プラセボと比較した、ベースラインからの統計的に有意な平均変化である。別の実施形態では、血清線維芽細胞増殖因子19の減少は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は100%である。
【0097】
一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間である。
【0098】
一実施形態では、患者の集団は、少なくとも30人の患者、又は少なくとも50人の患者、又は少なくとも100人の患者である。
【0099】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0100】
【化21】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける血清オートタキシンの平均減少をもたらす、治療方法を提供する。
【0101】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【0102】
【化22】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、ヒトにおける血清オートタキシンの平均減少をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0103】
一実施形態では、血清オートタキシンの減少は、ヒトにおける血清オートタキシンのレベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療期間の終了時により低い場合に達成される。
【0104】
別の実施形態では、血清オートタキシンの減少は、患者の集団における血清オートタキシンの平均レベルが、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。別の実施形態では、血清オートタキシンの減少は、患者の集団における血清オートタキシンの平均レベルが、プラセボと比較した場合、治療期間の開始時(ベースライン)と比較して治療の終了時により低い場合に達成される。
【0105】
一実施形態では、血清オートタキシンの平均減少は、プラセボと比較した、ベースラインからの統計的に有意な平均変化である。別の実施形態では、血清オートタキシンの減少は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は100%である。
【0106】
一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間である。
【0107】
一実施形態では、患者の集団は、少なくとも30人の患者、又は少なくとも50人の患者、又は少なくとも100人の患者である。
【0108】
臨床研究の実施例2では、かゆみ症状は、睡眠妨害と密接に相関しており、このことは、かゆみと睡眠との間のあり得る密接な臨床的関係についての可能性を示唆する。かゆみの症状の直接的な影響を改善することに加えて、かゆみの改善は、睡眠に影響を与える可能性がある。睡眠障害は、疾患の負担を増す、PBCを有する患者の一般的な不満であるため、これは重要である。
【0109】
したがって、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0110】
【化23】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみ及び/又は睡眠の改善をもたらす、治療方法を提供する。
【0111】
本発明はまた、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0112】
【化24】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみ及び睡眠の改善をもたらす、治療方法を提供する。
【0113】
なおさらなる態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0114】
【化25】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための化合物であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみ及び/又は睡眠の改善をもたらす、化合物を提供する。
【0115】
なおさらなる態様では、本発明は、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【0116】
【化26】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための化合物であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、かゆみ及び睡眠の改善をもたらす、化合物を提供する。
【0117】
治療されている患者における睡眠の改善は、前記患者における睡眠妨害の低減によって実証され得る。一実施形態では、前記睡眠の改善は、ベースライン月睡眠スコアからの変化によって実証される。
【0118】
一実施形態では、睡眠の改善は、10点数値評価スケールでの対象の平均最悪日睡眠スコアが、ベースラインと比較して、治療期間の終了時に改善される状況を指す。特定の一実施形態では、治療期間は、少なくとも12週間の継続期間である。
【0119】
本発明は、生活の質の改善を必要とするヒトに化合物
【0120】
【化27】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける生活の質を改善する方法であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、PBC-40 HRQOL評価スケールによって測定した場合、社会性領域及び感情領域の改善をもたらす、方法をさらに提供する。
【0121】
本発明は、ヒトにおける生活の質の改善に使用するための、化合物
【0122】
【化28】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回経口投与され、かつ該投与は、PBC-40 HRQOL評価スケールによって測定した場合、社会性領域及び感情領域の改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩をさらに提供する。
【実施例
【0123】
胆汁うっ滞性肝疾患の治療
実施例1
第2a相臨床研究(NCT01899703、GSK研究BAT117213)を、原発性胆汁性胆管炎(PBC)における胆汁うっ滞性そう痒症を有する患者におけるGSK672投与の反復用量の安全性、忍容性、及び効果を調査するために行った。この研究の結果は、clintrials.gov(NCT01899703)で要約され、公開されている。
【0124】
そう痒症を有するPBC患者における第2相二重盲検、無作為化、プラセボ対照、クロスオーバー試験を、2014年3月から2015年11月の間に英国の2つの専門PBCセンターで行った。対象は、経口の45~90mgのGSK672(1~3日目について45mg BID(1日2回)、及び4~14日目について90mg BID)及びプラセボを、1日2回で14日間、クロスオーバーシーケンスで投与された。
【0125】
3つの異なるかゆみ評価スケールを用いた: 10点NRS、5Dかゆみスケール及びPBC-40。
【0126】
主要評価項目は、安全性(臨床評価及び研究室評価、並びに有害事象(AE)によって測定される)及び忍容性であった。副次評価項目は、i)1日2回完了される0~10の数値評価スケール(NRS)、及びPBC-40かゆみ領域スコア、及び5-Dかゆみスケールを使用して測定されるベースラインからのそう痒症スコアの変化、及びii)総胆汁酸及びC4の血清レベルの変化であった。ATX活性及びFGF-19の血清レベルを、ベースラインで、及び各処置期間の終了時に測定した。
【0127】
90mg BIDの効果に関する分析を行った。45mg BIDの効果に関する分析は行わなかった。なぜならば、この用量は、より高い90mg BID用量への患者の負担を軽減するために、1~3日目に投与されたためである。GSK672 90mg BIDは、NRS[-1.58(95%CI: -2.48~-0.68)]、PBC-40かゆみ領域[-0.59(95%CI: -0.94~-0.24)]及び5-Dかゆみ[-4.55(95%CI: -6.60~-2.49)]によって測定した場合、かゆみ強度におけるプラセボと比較した有意な低減(例えば71%)を示した。
【0128】
要約すると、2週間の経口の1日2回の90mg GSK672は、そう痒症を有するPBC患者の高い割合において、忍容性が良好であり、かゆみ強度を低減させた。PBCそう痒症を有する22人の対象におけるこの無作為化プラセボ対照の14日間クロスオーバー研究(研究BAT117213)では、90mg BIDでのGSK672は、3つの異なる評価スケールであるNRS、5Dかゆみスケール及びPBC-40から明らかなように、プラセボと比較して、そう痒症の重症度における統計的に有意な減少をもたらした。
【0129】
そう痒症の重症度の低減は、GSK2330672の最初の1週間以内に起こり、2週間の処置を通じて減少し続け、盲検でプラセボに切り替えるとベースラインに向かって戻った。プラセボと比較して、GSK2330672を投与すると、疲労、睡眠障害、及び全般的能力障害の減少も認められた。
【0130】
実施例2
GLIMMER試験: 第2b相研究(NCT02966834、GSK研究201000)。PBC及びそう痒症を有する患者に対する、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療における、回腸胆汁酸トランスポーターの阻害剤であるリネリキシバットの無作為化、二重盲検、プラセボ対照研究。
【0131】
背景
胆汁うっ滞性そう痒症は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)を有する患者の生活の質(QOL)を著しく損なう。ヒト回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)の、最小限に吸収される経口低分子阻害剤であるリネリキシバット(GSK2330672)は、PBCにおける胆汁うっ滞性そう痒症を治療するために開発中である。この試験は、PBCを有する胆汁うっ滞性そう痒症の患者における、プラセボと比較した、リネリキシバットの用量反応及び忍容性を評価した。
【0132】
方法
研究デザイン
研究デザインについて、図1(i)を参照のこと。
【0133】
1日2回患者によって報告される0~10の数値評価スケール(NRS)の最悪かゆみ評価を用い、各日からの最悪値を使用して平均最悪日かゆみを計算し、次いで、これを使用してそう痒症の変化を評価した。このスケールは、PBCにおいて独立した内容的妥当性を有する; 同様のスケールは、心理測定学的に妥当であり、PBCにおけるかゆみ強度の変化を決定するために使用されている。
【0134】
そう痒症を有するPBCの患者(0~10の数値評価スケール[NRS]で≧4)を登録した; 4週間の単盲検プラセボが二重盲検処置より前に行われ、その後、4週間の単盲検プラセボが続いた。
【0135】
4週目に、NRS≧3を有する患者を、12週間(16週目まで)二重盲検リネリキシバット又はプラセボに無作為化し(4:1)、その後、単盲検プラセボが続いた(20週目まで)。
【0136】
安定した抗かゆみ療法(anti-itch therapy)及びウルソデオキシコール酸(UDCA)を許可した。
【0137】
評価項目
主要評価項目: 16週目での平均最悪日かゆみスコアにおけるベースラインからの平均変化。参加者は、0~10のNRSを使用してかゆみの重症度をスコア化することが求められ、最悪日かゆみスコアをそれから得て、平均最悪日かゆみスコアを、16週目の来診前の7日間に提供された最悪日かゆみスコアの平均値として計算した。ベースラインは、4週目の前の7日間におけるスコアの平均値であり、ベースラインからの変化を計算した。処置群、及びベースラインでの中心化平均最悪日かゆみスコアを含む、共分散分析(ANCOVA)を使用して、分析を行った。
【0138】
副次評価項目及び探索的評価項目: かゆみ有効性、生活の質(PBC-40)及び薬力学的バイオマーカー、並びに安全性及び忍容性。
【0139】
特別評価項目(ad hoc endpoint): 主要研究期間にわたる月かゆみスコアを用いて比較したベースラインかゆみからの変化。
【0140】
結果
患者
・147人の患者を無作為化した; ベースライン特性を図1(ii)に示す。
・抗かゆみ療法の併用は少なく、抗ヒスタミン剤が最も頻繁に使用された(9~22%)。
【0141】
薬力学的バイオマーカーのレベルの測定
総血清胆汁酸(TSBA)(図10)
血清7-α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)(図2)
血清線維芽細胞増殖因子-19(FGF-19)(図7)
血清オートタキシン(図8)
血清LDL(低密度リポタンパク質)コレステロール(図9)
【0142】
TSBA、C4、FGF-19、血清オートタキシン及びLDLコレステロールを含む、バイオマーカーの迅速な処置関連の変化は、8週目に明らかであり、処置中維持された。C4の最大の増加は、リネリキシバット40mg BID及び90mg BID用量ではっきりと見られた(図2)。40mg及び90mgの2つのBID用量は、線維芽細胞増殖因子-19(FGF-19)の最大の低減をもたらした(図7に示される)。
【0143】
血清オートタキシン濃度は、処置群全体にわたって減少し、16週目には、プラセボと比較して40mg BID群について有意に減少し、かゆみにおける称される役割と一致した。
【0144】
IBATのリネリキシバット阻害は、C4を伴う胆汁酸への増加したコレステロール合成、及びLDL受容体の増加した発現をもたらし、循環コレステロールを低減させた(図9)。20mg QD(1日1回)群を除いて、すべてのリネリキシバット処置群は、プラセボ群と比較して、16週目にLDLコレステロールを有意に低減させた。
【0145】
バイオマーカーパラメータのさらなる分析は、総血清胆汁酸(TSBA)の減少、血清胆汁酸前駆体C4(7-α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン)の増加、及び線維芽細胞増殖因子19(FGF-19)(胆汁酸合成を調節するホルモン)の対応する平均減少を伴って、薬理学的作用の明示を提供した。混合モデル反復測定(MMRM)分析(図10)は、ベースラインと比較したリネリキシバット40mg及び90mg BID処置群についての16週目での総血清胆汁酸(TSBA)の統計的に有意な減少、及びプラセボと比較した40mg BID処置群についての有意差を実証した。さらに、C4のMMRM分析は、C4のベースラインからの最大の増加(C4の「最小二乗」(LS)平均比増加)が、リネリキシバット180mg QD及び両BID処置群で観察されることを示した。FGF-19及びオートタキシンの低減も、主要研究期間中にほとんどの処置群にわたって観察された(FGF-19についてプラセボ、及びオートタキシンについてリネリキシバット20mg QDを除く)(図7図8)。FGF-19についてのベースラインからの平均変化の共分散分析(ANCOVA)は、プラセボと比較したリネリキシバット40mg BIDについての統計的に有意な低減を示した。
【0146】
有効性
かゆみ軽減
ITT集団及びパープロトコール(per protocol)集団の両方について用量範囲にわたって用量反応を確立できなかった点で、事前に指定された研究の主要評価項目は、達成されなかった。
【0147】
すべてのリネリキシバット用量は、平均最悪日かゆみスコアの迅速な改善を示し、処置中止後にかゆみが悪化した。図3(i)パートAは、BID用量及びプラセボのみを示す。しかし、高いプラセボ反応があった(図3(ii))。
【0148】
経時的なかゆみの潜在的変動のため、月かゆみスコアを使用して、12週間の処置継続期間全体にわたる効果を評価するために、FDA推奨手法に従って、主要評価項目について追加の事後分析を行った。混合モデル反復測定(又は混合効果反復測定モデル)(MMRM)分析は、12週間の処置継続期間全体にわたってプラセボと比較してリネリキシバットの効果を推定した。3つの有効用量は、12週間の処置にわたる月かゆみスコアにおけるベースラインからの変化における、プラセボと比較した統計的に有意な低減を実証した((図3(i)、B)[プラセボに対するベースラインからの最小二乗(LS)平均変化: 40mg BID -1.16(p=0.011)、90mg BID -0.95(p=0.037)、及び180mg QD -0.90(p=0.042)]。
【0149】
ベースラインで中等度から重度のかゆみを有する患者の平均最悪日かゆみスコアは、プラセボに対してリネリキシバット40mg BIDについて有意差を示した(図3(ii))。
【0150】
リネリキシバット40mg BID及び90mg BID群は、かゆみ反応日のそれぞれ20%及び27%の平均増加を示した(図4)。
【0151】
PBC-40
プラセボを含むすべての処置群は、12週間後にPBC-40かゆみ領域においてベースラインからの有意な改善を示した(p≦0.05)。
【0152】
40mg BID群は、ベースラインからのPBC-40社会性領域及び感情領域の有意な改善を示した(それぞれ、LS平均差: -3.1(95%CI: -5.1, -1.2)(プラセボに対するLS平均差-2.4[95%CI:-4.8, 0.1])及び-1.4(95%CI: -2.2, -0.5)(プラセボに対するLS平均差-0.8[95%CI:-1.9, 0.3]))。
【0153】
結論
・バイオマーカー及び用量反応データは、BIDリネリキシバット投与を支持する。
・12週間のリネリキシバット処置は、PBC及び胆汁うっ滞性そう痒症を有する患者におけるかゆみの迅速かつ有意な改善の証拠を示した。
【0154】
- 中等度から重度の患者における12週間の処置後のプラセボに対する有意差(40mg BID)。
- 月かゆみスコアにおける12週間の処置にわたるベースラインからの有意な改善(40mg及び90mg BID、180mg QD)。
- プラセボに対する、リネリキシバットについて40mg BID及び90mg BIDについての有意により多くの反応日。
- 40mg BIDによるPBC-40社会性領域及び感情領域におけるベースラインからの有意な改善。
【0155】
・処置の作用機序に起因して予想されるように、最も一般的なAEは下痢であった。
・リネリキシバットによる胆汁酸再取り込みの標的化は、PBC及び胆汁うっ滞性そう痒症を有する患者に対して軽減を提供し得る。
【0156】
かゆみ重症度と睡眠妨害との間の関係の分析
この研究では、PBCを有する患者におけるかゆみに対するリネリキシバットの影響をさらに評価した。分析は、かゆみ重症度と睡眠妨害との間の関係を調査する。睡眠に対するそう痒症の下流影響を、睡眠妨害NRSを使用して測定した。PBC-40を使用して、健康関連の生活の質(HRQOL)に対するそう痒症の影響を測定した。
【0157】
睡眠の測定
・日睡眠スコア(Daily Sleep Score): 睡眠妨害スコアは、研究参加者によって1日1回朝に、0~10の数値評価スケール(NRS)を使用して記録され、0は、睡眠妨害がないことを表し、10は、完全な睡眠妨害を表す。
【0158】
・平均日睡眠スコア(Mean Daily Sleep Score)(週睡眠スコア[Weekly Sleep Score、WSS]): 日睡眠スコアを7日間にわたって平均する。
【0159】
・月睡眠スコア(Monthly Sleep Score、MSS): その月について最悪の平均日睡眠スコア(すなわち、4週間のうち最悪の週スコア)。
【0160】
背景及び目的
上記のように、そう痒症は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)における一般的な症状である。それは、睡眠に影響を与える可能性がある; これは、生活の質を損なう可能性があるが、客観的なデータは限られている。本分析は、かゆみ重症度と睡眠妨害との間の関係を調査する。
【0161】
方法
GLIMMER試験における患者は、かゆみ(1日2回)、及びかゆみからの睡眠妨害の程度(毎朝)を0~10の数値評価スケールで記録した。最悪日かゆみスコア及び睡眠妨害スコア及び最悪日かゆみスコアを、1週間にわたって平均して、平均スコア(週かゆみスコア[WIS]及び週睡眠スコア[WSS])を生成した。月睡眠/かゆみスコアは、所定の月における最も重篤なWIS及びWSSスコア(それぞれMIS及びMSS)、すなわち、その月について最悪の週スコアに基づいた。MIS及びMSSの計算及び分析は事後的であり、ブランド-アルトマン反復測定分析を使用したMIS対MSS(1~3ヶ月目)の相関も同様とした。追加の分析は、WISと、WSSと、患者報告アウトカム心理測定検証の一部として行われた、本研究で使用された他の患者報告アウトカム(PRO)スケール(特に、初期研究期間(1日目)、ベースライン(28日目)、処置の12週目(112日目)及び最終研究期間(140日目)で評価された5-Dかゆみスケール)との間の、事前に指定された探索的心理測定評価からなった。
【0162】
結果
治療意図(ITT)集団は、147人の患者を含んだ。すべての分析を、ITT集団に対して行った。ベースラインからのMIS及びMSSの変化における改善は、高度かつ有意に相関した(r=0.84、p<0.0001、図6)。月睡眠スコアと月かゆみスコアとの間のベースラインからの変化の相関のブランド-アルトマングラフについては、図6を参照のこと。ベースラインでのWSSの心理測定検証分析からの収束的妥当性分析は、5-Dかゆみ合計(r=0.59、p<0.0001)及び5-Dかゆみ睡眠項目スコア(r=0.58、p<0.0001)と中程度の相関を示した。
【0163】
結論
かゆみ症状は、睡眠妨害と密接に相関しており、このことは、かゆみと睡眠との間のあり得る密接な臨床的関係についての可能性を示唆する; 5-Dかゆみ合計とWSSとの間の相関はこれを裏付ける。かゆみの症状の直接的な影響を改善することに加えて、かゆみの改善は、睡眠に影響を与える可能性がある。睡眠障害は、疾患の負担を増す、PBCを有する患者の一般的な不満であるため、これは重要である。
【0164】
考察
GLIMMER試験では、1日1回投与(QD)が、最適な投与計画であると予想された。QDについての論理的根拠は、以下のとおりであった: i)知られている夜間の下痢の副作用を最小限に抑えるために、朝にのみ1用量を投与し、夜に用量を投与することを避けることが最適であると考えられたこと、及びii)1日に1用量は、一般に、よりよい患者コンプライアンスをもたらすと予想されること。試験で用いた錠剤サイズは、10mg及び45mgであり、錠剤を組み合わせることにより、異なる用量サイズの投与を可能とした。
【0165】
図1(i)に示されるように、初期用量サイズは、プラセボ、20mg QD、90mg QD及び180mg QDであった。また、以前の第2a相研究で評価された90mg BIDの用量サイズも含まれた。この研究には、事前に指定された適応的デザイン及び中間分析があった。安全性及び用量反応データの詳細な中間分析は、より高用量で効果が増加し、驚くべきことに、90mg BIDの方が180mg QDよりも忍容性が良好であるように見えることを示した。このことは、1日2回の投与のさらなる調査についての理由となった。新しい40mg BID群を追加し、20mg QD用量を中止することが決定された。
【0166】
【表1】
【0167】
表1は、90mg BID群では13人中5人(38%)の患者が胃腸の有害事象(GI AE)を報告したのに対し、180mg QD群では17人中14人(82%)の患者が報告したことを示す。下痢及び腹痛は、特に興味深いものであった:
【0168】
・下痢は、38% 90mg BID群に対し、59% 180mg QD群である
・腹痛は、90mg BID群 8%に対し、29% 180mg QD群である(180mg QD群はまた、上腹部痛、腹部膨満及び鼓腸放屁(flatulence)のそれぞれ1つの有害事象を有したことに留意されたい)
【0169】
研究全体の終了時に、プラセボと比較して、40mg BID用量は、ITT集団における12週間の処置にわたるそう痒症の有意な改善、ベースラインで中等度から重度のかゆみを有する参加者における12週間の処置後のそう痒症の有意な改善を実証し、反応日(平均最悪日かゆみにおける≧2点の改善)の有意な平均数、並びにPBC-40の社会性領域及び感情領域におけるベースラインからの有意な変化を示した。胃腸の忍容性データも、より高用量よりも40mg BID投与を支持した。
図1-1】
図1-2】
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を含、ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための組成物であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、組成物
【請求項2】
前記投与、かゆみの改善をもたらす、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための医薬の製造における、化合物
【化2】
又はその薬学的に許容される塩の使用であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、使用
【請求項4】
前記投与が、かゆみの改善をもたらす、請求項3に記載の使用
【請求項5】
化合物が、経口投与される、請求項1若しくは2に記載の組成物、又は請求項3若しくは4に記載の使用
【請求項6】
化合物が、
【化3】
である、請求項1、2若しくは5に記載の組成物、又は請求項3、4若しくは5に記載の使用
【請求項7】
前記かゆみの改善が、少なくとも-0.5のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、請求項2、5若しくは6に記載の組成物、又は請求項4、5若しくは6に記載の使用
【請求項8】
前記かゆみの改善が、少なくとも-0.9のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、請求項2、5若しくは6に記載の組成物、又は請求項4、5若しくは6に記載の使用
【請求項9】
治療期間が、少なくとも12週間の継続期間である、請求項1、2若しくは5~8のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項3、4若しくは5~8のいずれか一項に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
研究全体の終了時に、プラセボと比較して、40mg BID用量は、ITT集団における12週間の処置にわたるそう痒症の有意な改善、ベースラインで中等度から重度のかゆみを有する参加者における12週間の処置後のそう痒症の有意な改善を実証し、反応日(平均最悪日かゆみにおける≧2点の改善)の有意な平均数、並びにPBC-40の社会性領域及び感情領域におけるベースラインからの有意な変化を示した。胃腸の忍容性データも、より高用量よりも40mg BID投与を支持した。

本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【化29】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、治療方法。
[項2]
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療を必要とするヒトに化合物
【化30】
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、前記ヒトにおける原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療方法であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、治療方法。
[項3]
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【化31】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、40mgの量で1日2回投与される、化合物又はその薬学的に許容される塩。
[項4]
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症の治療に使用するための、化合物
【化32】
又はその薬学的に許容される塩であって、化合物は、1日2回投与され、かつ該投与は、かゆみの改善をもたらす、化合物又はその薬学的に許容される塩。
[項5]
化合物が、経口投与される、項1に記載の治療方法、又は項3に記載の治療に使用するための化合物。
[項6]
化合物が、経口投与される、項2に記載の治療方法、又は項4に記載の治療に使用するための化合物。
[項7]
化合物が、3mg~100mgの間の量で1日2回投与される、項2又は項6に記載の治療方法、又は項4又は項6に記載の治療に使用するための化合物。
[項8]
化合物が、40mg~90mgの間の量で1日2回投与される、項2又は項6に記載の治療方法、又は項4又は項6に記載の治療に使用するための化合物。
[項9]
化合物が、約90mgの量で1日2回投与される、項2又は項6に記載の治療方法、又は項4又は項6に記載の治療に使用するための化合物。
[項10]
化合物が、約40mgの量で1日2回投与される、項2又は項6に記載の治療方法、又は項4又は項6に記載の治療に使用するための化合物。
[項11]
化合物が、
【化33】
である、項1、2又は5~10のいずれか一項に記載の治療方法、又は項3、4又は5~10のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
[項12]
前記かゆみの改善が、少なくとも-0.5のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、項2又は5~11のいずれか一項に記載の治療方法、又は項4又は5~11のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
[項13]
前記かゆみの改善が、約-0.9のベースライン月かゆみスコアからの平均変化におけるプラセボとの平均差によって実証される、項2又は5~11のいずれか一項に記載の治療方法、又は項4又は5~11のいずれか一項に記載の治療に使用するための化合物。
【国際調査報告】