IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チザラ リヒトシステーメ ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-自動車投光器用の照射装置 図1
  • 特表-自動車投光器用の照射装置 図2
  • 特表-自動車投光器用の照射装置 図3
  • 特表-自動車投光器用の照射装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】自動車投光器用の照射装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/14 20060101AFI20231114BHJP
   G01S 3/783 20060101ALI20231114BHJP
   G06T 7/593 20170101ALI20231114BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20231114BHJP
   H04N 25/705 20230101ALI20231114BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20231114BHJP
   F21S 41/153 20180101ALI20231114BHJP
   F21S 41/65 20180101ALI20231114BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231114BHJP
【FI】
B60Q1/14 A
G01S3/783
G06T7/593
H04N25/70
H04N25/705
G01S17/931
F21S41/153
F21S41/65
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523613
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021076029
(87)【国際公開番号】W WO2022083959
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】20202590.4
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン、マテウス
(72)【発明者】
【氏名】ブラントシュテッター、マルティン
【テーマコード(参考)】
3K339
5C024
5J084
5L096
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA21
3K339BA23
3K339BA25
3K339CA01
3K339GB01
3K339HA01
3K339JA22
3K339KA07
3K339KA27
3K339LA06
3K339MA01
3K339MA03
3K339MC01
3K339MC03
3K339MC90
5C024CY17
5C024GX02
5C024GY31
5J084AA05
5J084AB01
5J084AC02
5J084AD01
5J084AD07
5J084BA04
5J084BA07
5J084BA15
5J084BA20
5J084BA40
5J084BA49
5J084BB07
5J084BB20
5J084CA03
5L096BA04
5L096CA17
5L096FA64
5L096FA66
(57)【要約】
【課題】運転者の眩惑が回避される改善された照射装置を提供する。
【解決手段】セグメント化された配光内で照射装置(10)の前方にあり光を放射する物体(20)を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置(10)であって、照射装置(10)は、以下の構成を含み、即ち複数の発光画素群(110a、110b、110c、110d)を有する光生成ユニット(100)と、複数の第1センサ画素(211)を備えた第1光センサ(210)を有して光を放射する物体(20)の光を認識するための光センサ装置(200)と、光生成ユニット(100)及び光センサ装置(200)と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために光生成ユニット(100)を制御するように構成されている制御ユニット(300)とを含み、1つの第1センサ画素(211)は、1つの検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)内の光を検知することができ、それぞれ1つの発光画素群(110a、110b、110c、110d)に割り当てられており、また各第1センサ画素(211)に入射する光は、それぞれの第1センサ画素(211)に割り当てられた光束値として検知可能であり、光センサ装置(200)は、間隔測定のために追加的に第2光センサ(220)を有し、また制御ユニット(300)は、それぞれの第1センサ画素(211)により検知された光束値をそれぞれ固定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群(110a、110b、110c、110d)の光束を減少させるように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント化された配光内で照射装置(10)の前方にあり光を放射する物体(20)を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置(10)であって、前記照射装置(10)は、以下の構成を含み、即ち、
- 発光画素アレイ内で1つ又は複数の行と列に配設された複数の発光画素(110)を含んだ光生成ユニット(100)を含み、但し前記光生成ユニット(100)は、セグメント化された配光を前記照射装置(10)の前方で主放射方向に放射するように構成されており、
- 光を放射する物体(20)の光を第1光センサ(210)を用いて認識するための光センサ装置(200)を含み、第1光センサ(210)は、一列に配設された複数の第1センサ画素(211)を有し、但し第1センサ画素(211)は、第1光センサ(210)に入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束を検知するように構成されており、
- 前記光生成ユニット(100)及び前記光センサ装置(200)と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために前記光生成ユニット(100)を制御するように構成されている制御ユニット(300)を含んだ構成であり、
前記光生成ユニット(100)と、前記光センサ装置(200)と、前記制御ユニット(300)とは、一緒に基本支持体(50)上に配設されており、前記基本支持体(50)と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
発光画素アレイの発光画素(110)は、複数の発光画素群(110a、110b、110c、110d)に分割されており、それぞれ1つの発光画素群(110a、110b、110c、110d)は、1つの発光立体角(LRa、LRb、LRc、LRd)内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素(110)を含み、
また複数の第1センサ画素(211)におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素(211)に割り当てられた1つの検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群(110a、110b、110c、110d)に割り当てられており、複数の第1センサ画素(211)の各センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、それらの検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体(20)の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、また各第1センサ画素(211)に入射する光は、それぞれの第1センサ画素(211)に割り当てられた光束値として検知可能であり、
1つの第1センサ画素(211)により検知可能な検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)は、それぞれ割り当てられた発光画素群(110a、110b、110c、110d)の発光立体角(LRa、LRb、LRc、LRd)と実質的に等しく、
前記照射装置(10)は、前記照射装置(10)の前方にある物体(20)の間隔測定のためにレーザ光線生成装置(400)を含み、前記レーザ光線生成装置(400)は、780nmから12μmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線(410)を前記照射装置(10)の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
前記光センサ装置(200)は、一列に配設された複数の第2センサ画素(221)を含んだ第2光センサ(220)を追加的に含み、第2センサ画素(221)は、第2光センサ(220)に入射する光から前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
前記制御ユニット(300)は、それぞれの第1センサ画素(211)により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群(110a、110b、110c、110d)の光束を減少させるように構成されており、
2つの検知立体角(DRa、DRc)内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角(DRa、DRc)の間に位置する少なくとも1つの検知立体角(DRb)内で閾値の超過が確認されない場合には、前記制御ユニット(300)は、閾値が超過されている2つの検知立体角(DRa、DRc)とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角(DRc)とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ(220)により物体(20)で反射するレーザ光線(410)の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、前記制御ユニット(300)は、推定の物体幅の第1センサ画素(211)に割り当てられた対応の発光画素群(110a、110b、110c)の光束を、閾値が超過されている検知立体角(DRa、DRc)の間の検知立体角(DRb)内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されていること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
ある検知立体角(DRa、DRb、DRc)内で閾値の超過が確認される場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過されている第1センサ画素(211)に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ(220)により物体(20)で反射するレーザ光線(410)の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、実際の物体幅は、物体で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し、
もしも実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過された第1センサ画素と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素(211)とに対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素に対応する第1センサ画素に対応している発光画素群(110a、110b、110c)の光束を減少させるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
複数の第2センサ画素(221)におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素(221)に割り当てられた認識立体角(ERa、ERb、ERc、ERd)内の光を検知することができ、且つ、複数の第1センサ画素(211)のそれぞれ1つのセンサ画素に割り当てられており、この第2センサ画素(221)の認識立体角は、第1センサ画素(211)の対応の検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)と実質的に等しいこと、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記レーザ光線生成装置(400)の少なくとも1つのレーザ光線(410)は、前記照射装置(10)の前方を少なくとも1つの水平方向の行(ライン)においてスキャンしながら放出可能であること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項5】
レーザ光線(410)は、少なくとも2つの行(ライン)、好ましくは4つの行(ライン)において交互に放出可能であり、レーザ光線(410)は、それぞれ、少なくとも2つの行(ライン)のうちの1つにおいてのみスキャンしながら放出可能であること、
を特徴とする、請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
第1センサ画素(211)の数は、第2センサ画素(221)の数と同じであること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記制御ユニット(300)は、前記照射装置(10)の前方にある光を放射する物体(20)の前記照射装置(10)に対する間隔を、第2光センサ(220)を用い、走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項8】
セグメント化された配光は、セグメント化されたハイビーム配光として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項9】
前記照射装置(10)は、前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)を拡開するために拡開光学系を含むこと、
を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記拡開光学系は、円柱レンズとして構成されており、前記円柱レンズは、前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)を垂直方向で拡開するように構成されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
第1センサ画素(211)と第2センサ画素(221)は、前記照射装置の取り付け位置において互いに上下にそれぞれ一列で共通のプリント回路板上に配設されており、特に好ましくは、第1センサ画素と第2センサ画素は、同じセンサチップ上に配設されており、また前記照射装置は、第1センサ画素(211)と第2センサ画素(221)に割り当てられたセンサレンズを含んでいること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記センサレンズは、円柱レンズとして構成されていること、
を特徴とする、請求項11に記載の照射装置。
【請求項13】
第1センサ画素(211)は、380nmから780nmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第1フィルタを有し、第2センサ画素(221)は、780nmから12μmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第2フィルタを有すること、
を特徴とする、請求項11又は12に記載の照射装置。
【請求項14】
前記レーザ光線生成装置(400)の少なくとも1つのレーザ光線は、変調されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の照射装置を少なくとも1つ含んだ自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント化された配光内で照射装置の前方にあり光を放射する物体を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置に関し、該照射装置は、以下の構成を含み、即ち、
- 発光画素アレイ内で行と列に配設された複数の発光画素を含んだ光生成ユニットを含み、但し光生成ユニットは、セグメント化された配光を該照射装置の前方で主放射方向に放射するように構成されており、
- 光を放射する物体の光を第1光センサを用いて認識するための光センサ装置を含み、第1光センサは、一列に配設された複数の第1センサ画素を有し、但し第1センサ画素は、第1光センサに入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束を検知するように構成されており、
- 光生成ユニット及び光センサ装置と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために光生成ユニットを制御するように構成されている制御ユニットを含んでいる。
【0002】
更に本発明は、本発明による照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器に関する。
【背景技術】
【0003】
ADBシステムないしADB自動車投光器(ADB:アダプティブドライビングビーム)は、通常は、カメラ又はカメラシステムのような周囲記録装置と、自動車投光器システムとを含んでいる。ADBシステムのよく知られた機能方式は、周囲記録装置が自動車投光器システムに提供することのできる情報に依存して自動車投光器システムが自動車投光器を制御し且つ例えば自動車投光器を用いて生成される配光の適切な領域を減光する(ausblenden)又は暗くすることにある。
【0004】
マトリクスタイプ(行列タイプ)のADBシステムでは、減光領域は、たいていの場合は、対応の光源のスイッチオフ/減光を用いて生成される。前記の自動車前照灯用の照射装置は、好ましくはマトリクスタイプの装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に自動車投光器の製造者の観点からすると、ADBシステムにおいて周囲記録装置が自動車投光器システムとは構造的に分離されていることは不利である。通常は、ADBシステムの前記の本質的な部分は、様々な製造者から提供される。典型的に自動車投光器システムは、周囲記録装置の側から提供される情報を入力するために設けられたインタフェースを有する。このことは、例えば、自動車投光器の製造者が、減光シナリオの設定時には、外部から提供された周囲記録装置により供給される情報、例えば購入した周囲記録装置により供給される情報に依存していることをもたらす。前記の情報は、多くの場合は、所謂物体リスト(オブジェクトリスト)の形式で存在する。周囲記録装置は、例えば前記のカメラシステムを用いてカメラシステムの視野(英語では「Field of View」)内の画像を記録することにより、そのような物体リストを生成し、この際、その視野は、好ましくは、自動車の前方の重要な領域に適合されており、それらの画像は、周囲記録装置内にある計算ユニットを使用して評価される。この際、重要な領域への視野の適合とは、視野が、少なくとも自動車の前方にある車道を検知するために十分に大きい開度を有することとして理解される。計算ユニットは、アウトプットとして前記の物体リストを供給する。そのようなリスト内の物体としては、例えば、トラック、乗用車、オートバイなどのような車両を挙げることができる。各々の物体には、典型的にカメラシステムの座標系内の座標が割り当てられる。従ってこの原点座標系は、多くの場合は、自動車の内室内のバックミラーのほぼ後側に原点を有するが、その理由は、そこに通常はカメラシステムのカメラが配設されているためである。
【0007】
さて、制御システムがインプットとしてそのような物体リストを取得すると、制御システムは、物体リストに対応し、生成すべき光像を計算する。この際、先ず複数の物体の複数の座標が自動車投光器の座標系に換算されなくてはならない。このことは、比較的高い計算能力を要求し、重大な時間遅延を引き起こし、可能なエラー原因である。それに加え、多くの場合は、周囲記録装置の計算ユニットの側での物体の誤認識により発生する追加的なエラーも生じることがある。まれでなく発生するこの種の1つのエラーは、先を走行する1台のトラックと2台のオートバイとの間の混同であり、この際、計算ユニットは、第1の撮像に基づきトラックのテールランプを認識し、例えばそれに続く第2の撮像では、同じテールランプが2台のオートバイとして解釈される。自動車投光器システムの制御システムはこれらのデータに影響を及ぼすことができないので、それらのテールランプが物体リスト内で2台のオートバイに割り当てられているか(照射内とする)又はトラックに割り当てられている(減光とする)かに応じ、テールランプの間の領域の周期的な増光と減光が発生する。このことは、事情によっては、光反射に基づく運転者の眩惑をもたらしてしまう。
【0008】
更に例えば、通常は互いに離間されている2つの自動車投光器を備えた対向走行する複式軌道(三輪や四輪)の自動車が、互いに依存しない2つの光源としてのみセンサユニットにより知覚される場合が発生することがあり、この際、光センサのそれぞれの2つのセンサ画素は、設定可能な光束閾値の超過に基づき「活性化(アクティブ化)」され、またこの際、これらの2つの活性化されたセンサ画素の間には、活性化されなかったセンサ画素がある。制御ユニットは、2つの「活性化された」センサ画素に割り当てられた発光画素群の光束(光の流れ)を減少させるように誘因されるだけであり、それにより対向走行する車両の運転者は、眩惑されることになる。
【0009】
本発明の課題は、改善された照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、以下の構成により解決される。即ち、
光生成ユニットと、光センサ装置と、制御ユニットとは、一緒に基本支持体上に配設されており、基本支持体と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
この際、発光画素アレイの発光画素は、複数の発光画素群に分割(区分)されており、またこの際、それぞれ1つの発光画素群は、1つの発光立体角内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、この際、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素を含み、
またこの際、複数の第1センサ画素におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素に割り当てられた1つの検知立体角内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群に割り当てられており、この際、複数の第1センサ画素の各センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、この際、それらの検知立体角は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、またこの際、各第1センサ画素に入射する光は、それぞれの第1センサ画素に割り当てられた光束値として検知可能であり、
この際、1つの第1センサ画素により検知可能な検知立体角は、それぞれ割り当てられた発光画素群の発光立体角と実質的に等しく、
照射装置は、照射装置の前方にある物体の間隔(距離)測定のためにレーザ光線生成装置を含み、レーザ光線生成装置は、780nmから1mmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線を照射装置の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
この際、光センサ装置は、一列に配設された複数の第2センサ画素を含んだ第2光センサを追加的に含み、この際、第2センサ画素は、第2光センサに入射する光からレーザ光線生成装置のレーザ光線の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
またこの際、制御ユニットは、それぞれの第1センサ画素により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群の光束を減少させるように構成されており、
この際、2つの検知立体角内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角の間に位置する少なくとも1つの検知立体角内で閾値の超過が確認されない場合には、制御ユニットは、閾値が超過されている2つの検知立体角とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定[及び/又は三角測量測定]を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
この際、もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、制御ユニットは、推定の物体幅の第1センサ画素に割り当てられた対応の発光画素群の光束を、閾値が超過されている検知立体角の間の検知立体角内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されており、
及び/又は、
ある検知立体角内で閾値の超過が確認される場合には、制御ユニットは、閾値が超過されている第1センサ画素に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、この際、実際の物体幅は、物体で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し、この際、もしも
実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、制御ユニットは、閾値が超過された第1センサ画素と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素とに対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素に対応する第1センサ画素に対応している発光画素群の光束を減少させるように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
三角測量測定では、レーザ光線生成装置と、第2光センサの個々の第2センサ画素との間の間隔が既知であり、この際、同様に、レーザ光線がその少なくとも1つのラインにおいて放出される角度も既知であり、制御ユニットにより検出可能ないし呼び出し可能である。更に同様に、物体で反射するレーザ光線の角度も、例えば第2光センサの対応の第2センサ画素により検知可能であり、従って既知であり、それによりレーザ光線が当たり反射する物体の領域における間隔が、制御ユニットにより検出可能ないし算出可能である。
【0013】
実際の物体幅は、物体で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し得ることを指摘しておく。この際、第2センサ画素は、第1センサ画素に対応し、またこの際、第1センサ画素の数と、第2センサ画素の数とは、同じであり、それぞれ1つの第1センサ画素には、正に1つの第2センサ画素が割り当てられている。またそれに続き、各第2センサ画素にも、対応の第1センサ画素の対応の発光画素群が割り当てられている。
【0014】
それにより、水平方向の向きを変えることのできるレーザ光線により物体の複数の点が走査ないしスキャンされ、それにより物体幅ないし物体の大きさが決定可能であるので、照射装置の前方にある物体の実際の物体幅ないし物体の大きさを決定するないし導き出すこともできる。
【0015】
照射装置に対する物体の間隔(距離)が検出可能であることを考慮することができる。基本支持体が一体的に構成されていると、特にシンプルな構造が得られる。
【0016】
基本支持体は、光センサと、発光手段と、制御ユニットとが配設されている冷却体(ヒートシンク)を有することができる。
【0017】
それに加え、有利には、基本支持体は、プリント回路板を有し、この際、光センサと、発光手段と、制御ユニットとがプリント回路板上に取り付けられている。この場合、光センサと、発光手段と、制御ユニットとは、同様に基本支持体に配設されているが、基本支持体とは接触していないことを指摘しておく。
【0018】
複数のセンサ画素が、CMOS技術で製造された「アクティブ・ピクセル・センサ」(APS-CMOS)の形式でグループ化されていると、特に有利なバリエーションが得られ、この際、ここでは、フォトダイオードの機能(A/D変換、読み出しのタイミング制御、増幅)のための幾つかの周辺回路が直接的に同じ半導体部材に実装されている。
【0019】
特に好ましいバリエーションでは、1つの発光画素、特に各発光画素は、少なくとも1つのLED光源として構成されていることができる。
【0020】
それに加え、制御ユニットは、互いに通信のために接続されている少なくとも2つのマイクロコントローラ、好ましくは正に2つのマイクロコントローラを含むことが考えられ、この際、好ましくは、第1マイクロコントローラは、光センサを制御するように構成され、また好ましくは、第2マイクロコントローラは、発光手段を制御するように構成されている。
【0021】
この際、これらのマイクロコントローラの少なくとも1つが、直接的に光活性センサ要素と接続され、例えば同じ電子構成部材ハウジング(「チップパッケージ」)内で光活性センサ要素の直後に位置付けられており、センサ関連のデータ前処理を実行すると、有利で有り得る。この前処理は、例えば、画素間の測定値の互いの比較及び保存された値との比較、ないし保存された評価特性(読み出し速度、露光時間、増幅)の選択と制御を含んでいる。
【0022】
複数の第2センサ画素におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素に割り当てられた認識立体角内の光を検知することができ、複数の第1センサ画素のそれぞれ1つのセンサ画素に割り当てられており、この際、この第2センサ画素の認識立体角は、第1センサ画素の対応の検知立体角と実質的に等しい。
【0023】
レーザ光線生成装置のレーザ光線は、照射装置の前方を少なくとも1つの水平方向の行(ライン)においてスキャン(走査)しながら放出可能であることを考慮することができる。
【0024】
レーザ走査とも呼ばれるレーザスキャニングは、ある表面又はある物体を測定し、処理するため、或いは画像を生成するために、レーザ光線を用いてそれらをライン状又はグリッド状にスイープ(Ueberstreichen)することを意味する。
【0025】
レーザ光線は、少なくとも2つの行(ライン)、好ましくは4つの行(ライン)において放出可能であることを考慮することができ、この際、レーザ光線は、それぞれ、少なくとも2つの行(ライン)のうちの1つにおいてのみスキャンしながら放出可能である。
【0026】
複数のレーザ光線生成装置が含まれており、これらのレーザ光線生成装置は、交互に行(ライン)を垂直方向に異なる間隔を置いてスキャンないし放出することもできる。
【0027】
第1センサ画素の数は、第2センサ画素の数と同じであることができる。
【0028】
制御ユニットは、照射装置の前方にある光を放射する物体の照射装置に対する間隔を、第2光センサを用い、(光)走行時間測定を用いて検出するように構成されていることができる。
【0029】
セグメント化された配光は、セグメント化されたハイビーム配光として構成されていることができる。
【0030】
照射装置は、レーザ光線生成装置のレーザ光線を拡開するために拡開光学系を含むことができる。
【0031】
拡開光学系は、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)として構成されており、この円柱レンズは、レーザ光線生成装置のレーザ光線を垂直方向で拡開するように構成されていることができる。
【0032】
それにより垂直方向でより大きい領域が網羅(カバー)されるべきである。
【0033】
第1センサ画素(複数)と第2センサ画素(複数)は、照射装置の取り付け位置において互いに上下にそれぞれ一列で共通のプリント回路板上に配設されていることができ、特に好ましくは、第1センサ画素と第2センサ画素は、例えばCMOS技術で製造された同じセンサチップ上に配設されており、またこの際、照射装置は、第1センサ画素と第2センサ画素に割り当てられたセンサレンズを含んでいる。
【0034】
そのレンズは、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)として構成されていることができる。
【0035】
共通のセンサレンズは、非対称であり、また垂直方向の領域ではなく水平方向で局所的な解像度を保証するために、例えば円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)として構成されている。
【0036】
それにより、垂直方向における解像度ではなく、水平方向で良好な解像度が保証されている。円柱レンズは、ある程度の垂直方向の領域が網羅(カバー)されていることを可能とする。つまり間隔測定のための垂直方向における解像度は、垂直方向に積み重ねられたラインにおいて交互に放出可能でもあるレーザ光線生成装置の少なくとも1つのレーザ光線により得られる。
【0037】
1つのレーザ光線により交互にスキャンされる複数のラインないしライン領域がある場合には、それらは、互いに接して隣接し、重なり合っていないことを指摘しておく。
【0038】
第1センサ画素は、380nmから780nmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第1フィルタを有し、第2センサ画素は、780nmから12μmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第2フィルタを有することができる。
【0039】
レーザ光線生成装置の少なくとも1つのレーザ光線は、変調されていることができる。
【0040】
前記課題は、同様に、本発明による照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器により解決される。
【0041】
以下、例示の図面に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】複数の発光画素群を備えた光生成ユニットと、第1光センサ及び第2光センサを備えた光センサ装置と、レーザ光線生成装置と、光生成ユニット及び光センサ装置を制御可能な制御ユニットとを有する例示の一照射装置を示す図である。
図2】レーザ光線生成装置により生成可能な1つのレーザ光線の例示の一描写を示す図であり、このレーザ光線は、複数のラインにおいてその水平方向の向きを変えることができる。
図3】対向車両を伴う例示の一走行状況を示す図である。
図4図3の走行状況に対応する第1光センサ及び第2光センサのセンサ画素の制御と、発光画素群の対応の制御とを示す図である。
【実施例
【0043】
図1は、セグメント化された配光内で、例えばハイビーム配光内で、照射装置10の前方にあり光を放射する物体20を認識し且つ目標を定めて減光する(ausblenden)ための自動車投光器用の例示の一照射装置10を示しており、照射装置10は、発光画素アレイ内で行と列に配設された複数の発光画素110を有する光生成ユニット100を含み、この際、光生成ユニット100は、セグメント化された配光を照射装置10の前方で主放射方向に放射するように構成されている。
【0044】
更に照射装置10は、光を放射する物体20の光を第1光センサ210を用いて認識するための光センサ装置200を含み、第1光センサ210は、一列に配設された複数の第1センサ画素211を有し、この際、第1センサ画素211は、第1光センサ210に入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束、即ち可視光の光束(光の流れ)を検知するように構成されている。
【0045】
更に照射装置10は、光生成ユニット100及び光センサ装置200と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために光生成ユニット100を制御するように構成されている制御ユニット300を含み、またこの際、光生成ユニット100と、光センサ装置200と、制御ユニット300とは、一緒に基本支持体50上に配設されており、基本支持体50と一緒に1つの構成ユニットを形成している。
【0046】
発光画素アレイの発光画素110は、複数の発光画素群110a、110b、110c、110dに分割(区分)されており、この際、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素110を含み、またこの際、それぞれ1つの発発光画素群110a、110b、110c、110dは、例えば図3で概略的に見てとれるように、1つの発光立体角(発光空間角度)LRa、LRb、LRc、LRd内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができる。
【0047】
第1光センサ210の複数の第1センサ画素211におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、同様に図3で見てとれるように、それぞれのセンサ画素211に割り当てられた1つの検知立体角(検知空間角度)DRa、DRb、DRc、DRd内の光を検知することができ、それぞれ1つの発光画素群110a、110b、110c、110dに割り当てられており、この際、複数の第1センサ画素211の各センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられている。
【0048】
この際、それらの検知立体角DRa、DRb、DRc、DRdは、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体20の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、またこの際、各第1センサ画素211に入射する光は、それぞれの第1センサ画素211に割り当てられた光束値として検知可能である。
【0049】
1つの第1センサ画素211により検知可能な検知立体角DRa、DRb、DRc、DRdは、それぞれ割り当てられた発光画素群110a、110b、100c、110dの発光立体角LRa、LRb、LRc、LRdと実質的に等しい。
【0050】
照射装置10は、照射装置10の前方にある物体20の間隔測定ないし大きさ測定のためにレーザ光線生成装置400を含み、レーザ光線生成装置400は、780nmから1mmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線410を照射装置10の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されている。
【0051】
この際、レーザ光線生成装置400のレーザ光線410は、照射装置10の前方を少なくとも1つの水平方向の行(ライン)においてスキャン(走査)しながら放出可能であり、図2に示された例では4つの行(ライン)が図示されている。
【0052】
それに加え、光センサ装置200は、一列に配設された複数の第2センサ画素221を含んだ第2光センサ220を含み、この際、第2センサ画素221は、第2光センサ220に入射する光からレーザ光線生成装置400のレーザ光線410の波長領域内の光束を検知するように構成されている。複数の第2センサ画素221におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素221に割り当てられた認識立体角(認識空間角度)ERa、ERb、ERc、ERd内の光を検知することができ、かつ、複数の第1センサ211のそれぞれ1つのセンサ画素に割り当てられており、この際、この第2センサ画素221の認識立体角ERa、ERb、ERc、ERdは、第1センサ画素211の対応の検知立体角DRa、DRb、DRc、DRdと実質的に等しい。この際、第1センサ画素211の数は、第2センサ画素221の数に対応する。
【0053】
更に制御ユニット300は、それぞれの第1センサ画素211により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群110a、110b、110c、110dの光束を減少させるように構成されている。
【0054】
2つの検知立体角DRb、DRd内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角DRb、DRdの間に位置する少なくとも1つの検知立体角DRc内で閾値の超過が確認されない場合には、図3図4に示された例で図示されているように、制御ユニット300は、閾値が超過されている2つの検知立体角DRb、DRdとこれらの2つの検知立体角DRb、DRdの間に位置する検知立体角DRcとから成り立つ第1センサ画素211の数に対応する対向車両20の推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ220により対向車両20で反射するレーザ光線410の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されている。
【0055】
もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、制御ユニット300は、推定の物体幅の第1センサ画素211に割り当てられた対応の発光画素群110b、110c、110dの光束を、閾値が超過されている検知立体角DRb、DRdの間の検知立体角DRc内で閾値の超過が無いにもかかわらず、(発光画素群110cも含めて)減少させるように構成されている。
【0056】
それに加え、制御ユニット300は、照射装置10の前方にある光を放射する物体(対向車両)20の照射装置10に対する間隔を、第2光センサ220を用い、走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出するように構成されている。
【0057】
更に照射装置10は、レーザ光線生成装置400のレーザ光線410を拡開するために拡開光学系を含み、この際、拡開光学系は、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)として構成されており、この円柱レンズは、レーザ光線生成装置400のレーザ光線410を垂直方向で拡開するように構成されている。
【0058】
三角測量測定では、レーザ光線生成装置400と、第2光センサ220の個々の第2センサ画素221との間の間隔(ないし距離 Abstand)が既知であり、この際、同様に、レーザ光線がその少なくとも1つの行(ライン)において放出される角度も既知であり、制御ユニット300により検出可能ないし呼び出し可能である。更に同様に、物体20で反射するレーザ光線の角度も、例えば第2光センサ220の対応の第2センサ画素221により検知可能であり、従って既知であり、それによりレーザ光線が当たり反射する物体の領域の間隔(寸法ないし幅 Abstand)が、制御ユニットにより検出可能ない算出可能である。
【0059】
更に、ある(1つの)検知立体角DRa、DRb、DRc内で閾値の超過が確認される場合には、制御ユニット300は、閾値が超過されている第1センサ画素211に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ220により物体20で反射するレーザ光線410の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、この際、実際の物体幅は、物体20で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し、この際、もしも実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、制御ユニット300は、閾値が超過された第1センサ画素211と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素211とに対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素221に対応する第1センサ画素211に対応している発光画素群110a、110b、110c、110dの光束を減少させるように構成されている。
【符号の説明】
【0060】
10 照射装置
20 物体、車両
50 基本支持体
100 光生成ユニット
110 発光画素
110a 発光画素群
110b 発光画素群
110c 発光画素群
110d 発光画素群
200 光センサ装置
210 第1光センサ
211 第1センサ画素
220 第2光センサ
221 第2センサ画素
300 制御ユニット
400 レーザ光線生成装置
410 レーザ光線

LRa、LRb、LRc、LRd 発光立体角
DRa、DRb、DRc、DRd 検知立体角
ERa、ERb、ERc、ERd 認識立体角
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント化された配光内で照射装置(10)の前方にあり光を放射する物体(20)を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置(10)であって、前記照射装置(10)は、以下の構成を含み、即ち、
- 発光画素アレイ内で1つ又は複数の行と列に配設された複数の発光画素(110)を含んだ光生成ユニット(100)を含み、但し前記光生成ユニット(100)は、セグメント化された配光を前記照射装置(10)の前方で主放射方向に放射するように構成されており、
- 光を放射する物体(20)の光を第1光センサ(210)を用いて認識するための光センサ装置(200)を含み、第1光センサ(210)は、一列に配設された複数の第1センサ画素(211)を有し、但し第1センサ画素(211)は、第1光センサ(210)に入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束を検知するように構成されており、
- 前記光生成ユニット(100)及び前記光センサ装置(200)と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために前記光生成ユニット(100)を制御するように構成されている制御ユニット(300)を含んだ構成であり、
前記光生成ユニット(100)と、前記光センサ装置(200)と、前記制御ユニット(300)とは、一緒に基本支持体(50)上に配設されており、前記基本支持体(50)と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
発光画素アレイの発光画素(110)は、複数の発光画素群(110a、110b、110c、110d)に分割されており、それぞれ1つの発光画素群(110a、110b、110c、110d)は、1つの発光立体角(LRa、LRb、LRc、LRd)内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素(110)を含み、
また複数の第1センサ画素(211)におけるそれぞれ1つの第1センサ画素は、それぞれの第1センサ画素(211)に割り当てられた1つの検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群(110a、110b、110c、110d)に割り当てられており、複数の第1センサ画素(211)の各第1センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、それらの検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体(20)の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、また各第1センサ画素(211)に入射する光は、それぞれの第1センサ画素(211)に割り当てられた光束値として検知可能であり、
1つの第1センサ画素(211)により検知可能な検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)は、それぞれ割り当てられた発光画素群(110a、110b、110c、110d)の発光立体角(LRa、LRb、LRc、LRd)と実質的に等しく、
前記照射装置(10)は、前記照射装置(10)の前方にある物体(20)の間隔測定のためにレーザ光線生成装置(400)を含み、前記レーザ光線生成装置(400)は、780nmから12μmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線(410)を前記照射装置(10)の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
前記光センサ装置(200)は、一列に配設された複数の第2センサ画素(221)を含んだ第2光センサ(220)を追加的に含み、第2センサ画素(221)は、第2光センサ(220)に入射する光から前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
前記制御ユニット(300)は、それぞれの第1センサ画素(211)により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群(110a、110b、110c、110d)の光束を減少させるように構成されており、
2つの検知立体角(DRa、DRc)内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角(DRa、DRc)の間に位置する少なくとも1つの検知立体角(DRb)内で閾値の超過が確認されない場合には、前記制御ユニット(300)は、閾値が超過されている2つの検知立体角(DRa、DRc)とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角(DR)とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ(220)により物体(20)で反射するレーザ光線(410)の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、前記制御ユニット(300)は、推定の物体幅の第1センサ画素(211)に割り当てられた対応の発光画素群(110a、110b、110c)の光束を、閾値が超過されている検知立体角(DRa、DRc)の間の検知立体角(DRb)内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されていること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
ある検知立体角(DRa、DRb、DRc)内で閾値の超過が確認される場合には、前記制御ユニット(30)は、閾値が超過されている第1センサ画素(211)に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサ(220)により物体(20)で反射するレーザ光線(410)の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、実際の物体幅は、物体(20)で反射するレーザ光線(410)の光が検知される第2センサ画素(221)の数に対応し、
もしも実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、前記制御ユニット(300)は、閾値が超過された第1センサ画素(211)と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素(211)とに対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素(221)に対応する第1センサ画素(211)に対応している発光画素群(110a、110b、110c、110d)の光束を減少させるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
複数の第2センサ画素(221)におけるそれぞれ1つの第2センサ画素は、それぞれの第2センサ画素(221)に割り当てられた認識立体角(ERa、ERb、ERc、ERd)内の光を検知することができ、且つ、複数の第1センサ画素(211)のそれぞれ1つの第1センサ画素に割り当てられており、この第2センサ画素(221)の認識立体角は、第1センサ画素(211)の対応の検知立体角(DRa、DRb、DRc、DRd)と実質的に等しいこと、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記レーザ光線生成装置(400)の少なくとも1つのレーザ光線(410)は、前記照射装置(10)の前方を少なくとも1つの水平方向の行(ライン)においてスキャンしながら放出可能であること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項5】
レーザ光線(410)は、少なくとも2つの行(ライン)、又は4つの行(ライン)において交互に放出可能であり、レーザ光線(410)は、それぞれ、少なくとも2つの行(ライン)のうちの1つにおいてのみスキャンしながら放出可能であること、
を特徴とする、請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
第1センサ画素(211)の数は、第2センサ画素(221)の数と同じであること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記制御ユニット(300)は、前記照射装置(10)の前方にある光を放射する物体(20)の前記照射装置(10)に対する間隔を、第2光センサ(220)を用い、走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項8】
セグメント化された配光は、セグメント化されたハイビーム配光として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項9】
前記照射装置(10)は、前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)を拡開するために拡開光学系を含むこと、
を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記拡開光学系は、円柱レンズとして構成されており、前記円柱レンズは、前記レーザ光線生成装置(400)のレーザ光線(410)を垂直方向で拡開するように構成されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
第1センサ画素(211)と第2センサ画素(221)は、前記照射装置(10)の取り付け位置において互いに上下にそれぞれ一列で共通のプリント回路板上に配設されており、1センサ画素(211)と第2センサ画素(221)は、同じセンサチップ上に配設されており、また前記照射装置(10)は、第1センサ画素(211)と第2センサ画素(221)に割り当てられたセンサレンズを含んでいること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
前記センサレンズは、円柱レンズとして構成されていること、
を特徴とする、請求項11に記載の照射装置。
【請求項13】
第1センサ画素(211)は、380nmから780nmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第1フィルタを有し、第2センサ画素(221)は、780nmから12μmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第2フィルタを有すること、
を特徴とする、請求項11又は12に記載の照射装置。
【請求項14】
前記レーザ光線生成装置(400)の少なくとも1つのレーザ光線(410)は、変調されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の照射装置を少なくとも1つ含んだ自動車投光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/04247号
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/055440号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1553429号
【特許文献4】独国特許出願公開第102011006554号
【特許文献5】独国特許出願公開第102007040042号
【特許文献6】欧州特許出願公開第2380774号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記課題は、以下の構成により解決される。即ち、
光生成ユニットと、光センサ装置と、制御ユニットとは、一緒に基本支持体上に配設されており、基本支持体と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
この際、発光画素アレイの発光画素は、複数の発光画素群に分割(区分)されており、またこの際、それぞれ1つの発光画素群は、1つの発光立体角内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、この際、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素を含み、
またこの際、複数の第1センサ画素におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素に割り当てられた1つの検知立体角内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群に割り当てられており、この際、複数の第1センサ画素の各センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、この際、それらの検知立体角は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、またこの際、各第1センサ画素に入射する光は、それぞれの第1センサ画素に割り当てられた光束値として検知可能であり、
この際、1つの第1センサ画素により検知可能な検知立体角は、それぞれ割り当てられた発光画素群の発光立体角と実質的に等しく、
照射装置は、照射装置の前方にある物体の間隔(距離)測定のためにレーザ光線生成装置を含み、レーザ光線生成装置は、780nmから1mmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線を照射装置の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
この際、光センサ装置は、一列に配設された複数の第2センサ画素を含んだ第2光センサを追加的に含み、この際、第2センサ画素は、第2光センサに入射する光からレーザ光線生成装置のレーザ光線の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
またこの際、制御ユニットは、それぞれの第1センサ画素により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群の光束を減少させるように構成されており、
この際、2つの検知立体角内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角の間に位置する少なくとも1つの検知立体角内で閾値の超過が確認されない場合には、制御ユニットは、閾値が超過されている2つの検知立体角とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
この際、もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、制御ユニットは、推定の物体幅の第1センサ画素に割り当てられた対応の発光画素群の光束を、閾値が超過されている検知立体角の間の検知立体角内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されており、
及び/又は、
ある検知立体角内で閾値の超過が確認される場合には、制御ユニットは、閾値が超過されている第1センサ画素に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、この際、実際の物体幅は、物体で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し、
この際、もしも実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、制御ユニットは、閾値が超過された第1センサ画素と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素に対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素に対応する第1センサ画素に対応している発光画素群の光束を減少させるように構成されている。
即ち本発明の第1の視点により、
セグメント化された配光内で照射装置の前方にあり光を放射する物体を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、以下の構成を含み、即ち、
- 発光画素アレイ内で1つ又は複数の行と列に配設された複数の発光画素を含んだ光生成ユニットを含み、但し前記光生成ユニットは、セグメント化された配光を前記照射装置の前方で主放射方向に放射するように構成されており、
- 光を放射する物体の光を第1光センサを用いて認識するための光センサ装置を含み、第1光センサは、一列に配設された複数の第1センサ画素を有し、但し第1センサ画素は、第1光センサに入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束を検知するように構成されており、
- 前記光生成ユニット及び前記光センサ装置と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために前記光生成ユニットを制御するように構成されている制御ユニットを含んだ構成であり、
前記光生成ユニットと、前記光センサ装置と、前記制御ユニットとは、一緒に基本支持体上に配設されており、前記基本支持体と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
発光画素アレイの発光画素は、複数の発光画素群に分割されており、それぞれ1つの発光画素群は、1つの発光立体角内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素を含み、
また複数の第1センサ画素におけるそれぞれ1つの第1センサ画素は、それぞれの第1センサ画素に割り当てられた1つの検知立体角内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群に割り当てられており、複数の第1センサ画素の各第1センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、それらの検知立体角は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、また各第1センサ画素に入射する光は、それぞれの第1センサ画素に割り当てられた光束値として検知可能であり、
1つの第1センサ画素により検知可能な検知立体角は、それぞれ割り当てられた発光画素群の発光立体角と実質的に等しく、
前記照射装置は、前記照射装置の前方にある物体の間隔測定のためにレーザ光線生成装置を含み、前記レーザ光線生成装置は、780nmから12μmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線を前記照射装置の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
前記光センサ装置は、一列に配設された複数の第2センサ画素を含んだ第2光センサを追加的に含み、第2センサ画素は、第2光センサに入射する光から前記レーザ光線生成装置のレーザ光線の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
前記制御ユニットは、それぞれの第1センサ画素により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群の光束を減少させるように構成されており、
2つの検知立体角内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角の間に位置する少なくとも1つの検知立体角内で閾値の超過が確認されない場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過されている2つの検知立体角とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、前記制御ユニットは、推定の物体幅の第1センサ画素に割り当てられた対応の発光画素群の光束を、閾値が超過されている検知立体角の間の検知立体角内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されていること、
を特徴とする照射装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記照射装置を少なくとも1つ含んだ自動車投光器が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
セグメント化された配光内で照射装置の前方にあり光を放射する物体を認識し且つ目標を定めて減光するための自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、以下の構成を含み、即ち、
- 発光画素アレイ内で1つ又は複数の行と列に配設された複数の発光画素を含んだ光生成ユニットを含み、但し前記光生成ユニットは、セグメント化された配光を前記照射装置の前方で主放射方向に放射するように構成されており、
- 光を放射する物体の光を第1光センサを用いて認識するための光センサ装置を含み、第1光センサは、一列に配設された複数の第1センサ画素を有し、但し第1センサ画素は、第1光センサに入射する380nmから780nmまでの波長領域内の光の光束を検知するように構成されており、
- 前記光生成ユニット及び前記光センサ装置と接続されており且つセグメント化された配光を生成するために前記光生成ユニットを制御するように構成されている制御ユニットを含んだ構成であり、
前記光生成ユニットと、前記光センサ装置と、前記制御ユニットとは、一緒に基本支持体上に配設されており、前記基本支持体と一緒に1つの構成ユニットを形成し、
発光画素アレイの発光画素は、複数の発光画素群に分割されており、それぞれ1つの発光画素群は、1つの発光立体角内にあるセグメント化された配光の1つのセグメントを生成することができ、各発光画素群は、少なくとも1つの発光画素を含み、
また複数の第1センサ画素におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素に割り当てられた1つの検知立体角内の光を検知することができ、かつ、それぞれ1つの発光画素群に割り当てられており、複数の第1センサ画素の各センサ画素には、1つの異なる検知立体角が割り当てられており、それらの検知立体角は、実質的に互いに接して隣接し、光を放射する物体の光を認識することのできる1つの全検知立体角を形成し、また各第1センサ画素に入射する光は、それぞれの第1センサ画素に割り当てられた光束値として検知可能であり、
1つの第1センサ画素により検知可能な検知立体角は、それぞれ割り当てられた発光画素群の発光立体角と実質的に等しく、
前記照射装置は、前記照射装置の前方にある物体の間隔測定のためにレーザ光線生成装置を含み、前記レーザ光線生成装置は、780nmから12μmまでの波長領域内の少なくとも1つのレーザ光線を前記照射装置の前方に放射し且つ水平方向の向きが変えられるように構成されており、
前記光センサ装置は、一列に配設された複数の第2センサ画素を含んだ第2光センサを追加的に含み、第2センサ画素は、第2光センサに入射する光から前記レーザ光線生成装置のレーザ光線の波長領域内の光束を検知するように構成されており、
前記制御ユニットは、それぞれの第1センサ画素により検知された光束値をそれぞれ設定可能な閾値と個々に比較し且つ閾値の超過時には対応の発光画素群の光束を減少させるように構成されており、
2つの検知立体角内で閾値の超過が確認され且つこれらの2つの検知立体角の間に位置する少なくとも1つの検知立体角内で閾値の超過が確認されない場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過されている2つの検知立体角とこれらの2つの検知立体角の間に位置する検知立体角とから成り立つ第1センサ画素の数に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、
もしも推定の物体幅が実際の物体幅と一致する場合には、前記制御ユニットは、推定の物体幅の第1センサ画素に割り当てられた対応の発光画素群の光束を、閾値が超過されている検知立体角の間の検知立体角内で閾値の超過が無いにもかかわらず、減少させるように構成されていること。
(形態2)
ある検知立体角内で閾値の超過が確認される場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過されている第1センサ画素に対応する推定の物体幅を導き出し且つ第2光センサにより物体で反射するレーザ光線の走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出可能である実際の物体幅と比較するように構成されており、実際の物体幅は、物体で反射するレーザ光線の光が検知される第2センサ画素の数に対応し、
もしも実際の物体幅が推定の物体幅よりも大きい場合には、前記制御ユニットは、閾値が超過された第1センサ画素と、閾値の超過が確認された検知立体角に対して検知立体角が直接的に隣接している第1センサ画素とに対応しているか、又は実際の物体幅が検出された第2センサ画素に対応する第1センサ画素に対応している発光画素群の光束を減少させるように構成されていること、が好ましい。
(形態3)
複数の第2センサ画素におけるそれぞれ1つのセンサ画素は、それぞれのセンサ画素に割り当てられた認識立体角内の光を検知することができ、且つ、複数の第1センサ画素のそれぞれ1つのセンサ画素に割り当てられており、この第2センサ画素の認識立体角は、第1センサ画素の対応の検知立体角と実質的に等しいこと、が好ましい。
(形態4)
前記レーザ光線生成装置の少なくとも1つのレーザ光線は、前記照射装置の前方を少なくとも1つの水平方向の行(ライン)においてスキャンしながら放出可能であること、が好ましい。
(形態5)
レーザ光線は、少なくとも2つの行(ライン)、好ましくは4つの行(ライン)において交互に放出可能であり、レーザ光線は、それぞれ、少なくとも2つの行(ライン)のうちの1つにおいてのみスキャンしながら放出可能であること、が好ましい。
(形態6)
第1センサ画素の数は、第2センサ画素の数と同じであること、が好ましい。
(形態7)
前記制御ユニットは、前記照射装置の前方にある光を放射する物体の前記照射装置に対する間隔を、第2光センサを用い、走行時間測定及び/又は三角測量測定を用いて検出するように構成されていること、が好ましい。
(形態8)
セグメント化された配光は、セグメント化されたハイビーム配光として構成されていること、が好ましい。
(形態9)
前記照射装置は、前記レーザ光線生成装置のレーザ光線を拡開するために拡開光学系を含むこと、が好ましい。
(形態10)
前記拡開光学系は、円柱レンズとして構成されており、前記円柱レンズは、前記レーザ光線生成装置のレーザ光線を垂直方向で拡開するように構成されていること、が好ましい。
(形態11)
第1センサ画素と第2センサ画素は、前記照射装置の取り付け位置において互いに上下にそれぞれ一列で共通のプリント回路板上に配設されており、特に好ましくは、第1センサ画素と第2センサ画素は、同じセンサチップ上に配設されており、また前記照射装置は、第1センサ画素と第2センサ画素に割り当てられたセンサレンズを含んでいること、が好ましい。
(形態12)
前記センサレンズは、円柱レンズとして構成されていること、が好ましい。
(形態13)
第1センサ画素は、380nmから780nmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第1フィルタを有し、第2センサ画素は、780nmから12μmまでの波長領域内に限って光を透過させるように構成された第2フィルタを有すること、が好ましい。
(形態14)
前記レーザ光線生成装置の少なくとも1つのレーザ光線は、変調されていること、が好ましい。
(形態15)
前記照射装置を少なくとも1つ含んだ自動車投光器。
【国際調査報告】