(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】調節可能なコリメーター及び調節可能なコリメーターを含むX線撮像システム
(51)【国際特許分類】
G21K 1/02 20060101AFI20231114BHJP
G01T 1/20 20060101ALI20231114BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20231114BHJP
【FI】
G21K1/02 R
G01T1/20 E
G01T1/20 G
G21K1/02 C
G01N23/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524719
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 US2021055752
(87)【国際公開番号】W WO2022087068
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】スベトラナ ジゲルマン
(72)【発明者】
【氏名】ブレット ミュールハウザー
【テーマコード(参考)】
2G001
2G188
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001HA13
2G001JA04
2G001SA02
2G188AA27
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC22
2G188DD05
(57)【要約】
一例示の調節可能なコリメーターは、開口を有するハウジングであって、開口を通ってハウジングの入口から出口へと放射が向けられる、ハウジングと、ハウジング内の第1のシャッター206及び第2のシャッター208と、第1のシャッターに結合された第1のリンク222と、枢動点において(220において)ハウジングに結合され、ハウジングに対して枢動するように構成された第1のヨーク218とを備える。第1のヨークは、第1のヨークが第1の方向(ここでは、時計回り)に回転させられたときに、第1のリンクを介して、第1のシャッターを第2のシャッターに向けて動かすことによって、開口の有効幅を縮小させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するハウジングであって、前記開口を通って該ハウジングの入口から出口へと放射が向けられるハウジングと、
前記ハウジング内の第1のシャッター及び第2のシャッターと、
前記第1のシャッターに結合された第1のリンクと、
枢動点において前記ハウジングに結合され、前記ハウジングに対して枢動するように構成された第1のヨークとを具備し、
前記第1のヨークは、前記第1のヨークが第1の方向に回転させられたときに、前記第1のリンクを介して、前記第1のシャッターを前記第2のシャッターの方に移動させることによって、前記開口の有効幅を縮小するように構成されている調節可能なコリメーター。
【請求項2】
前記第2のシャッターに結合された第2のリンクを更に具備しており、前記第1のヨークは、前記第1のヨークが前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のシャッターを前記第1のシャッターから離れるように移動することによって、前記開口の前記有効幅を増大させるように構成されている請求項1に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項3】
第2の枢動点において前記ハウジングに結合された第2のヨークを更に具備しており、
前記第1のヨークは、該第1のヨークが前記第1の方向に回転させられたときに、前記第2のヨークを前記第1の方向に回転させるように構成され、前記第2のヨークは、前記第1の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のシャッターを前記第1のシャッターに向けて動かすように構成されており、かつ、
前記第1のヨークは、該第1のヨークが前記第2の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のヨークを前記第2の方向に回転させるように構成され、前記第2のヨークは、前記第2の方向に回転させられたときに、前記第1のリンクを介して、前記第1のシャッターを前記第2のシャッターから離れるように移動させるように構成されている請求項2に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項4】
前記第1のヨーク及び前記第2のヨークが前記第1の方向に回転させられたとき、前記第1のヨークは前記第1のリンクを押圧し、前記第2のヨークは前記第2のリンクを押圧するように構成され、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークが前記第1の方向に回転させられたとき、前記第1のヨークは、前記第2のリンクを押すように構成され、前記第2のヨークは、前記第1のリンクを押圧する請求項3に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項5】
前記第1のヨーク及び/又は前記第2のヨークのうちの少なくとも一方を回転させるように構成されたアクチュエータを更に備える請求項3に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項6】
前記第1のヨーク及び前記第1のリンクは、前記ハウジング中のスロット内で前記第1のシャッター及び前記第2のシャッターを移動させるように構成されている請求項2に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項7】
前記第1のヨークの前記枢動点は、前記第1のヨークの長手方向の中心にある請求項2に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項8】
前記第1のシャッターは、前記第1のシャッターの動きを前記ハウジング中のスロットに追従するように拘束するように構成されたプランジャーを備える請求項1に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項9】
前記ハウジングは、放射源に取り付けられるように構成され、前記開口が、前記放射源によって放出される前記放射の経路中にあるようにされる請求項1に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項10】
前記第1のヨークを回転させるように構成されたアクチュエータを更に備える請求項1に記載の調節可能なコリメーター。
【請求項11】
X線ビームを放出するX線生成器と、
複数の放射線写真を取得し、前記放射線写真に基づいて1つ以上の画像を生成する画像取得システムと、
前記X線ビームをコリメートする調節可能なコリメーターであって、該調節可能なコリメーターは、
開口を有するハウジングであって、前記開口を通って該ハウジングの入口から出口へと前記X線ビームが向けられるハウジングと、
前記ハウジング内の第1のシャッター及び第2のシャッターと、
前記第1のシャッターに結合された第1のリンクと、
枢動点において前記ハウジングに結合され、前記ハウジングに対して枢動するように構成された第1のヨークとを備え、
前記第1のヨークは、前記第1のヨークが第1の方向に回転させられたときに、前記第1のリンクを介して、前記第1のシャッターを前記第2のシャッターの方に移動させることによって、前記開口の有効幅を縮小させる調節可能なコリメーターとを具備するX線撮像システム。
【請求項12】
前記調節可能なコリメーターは、前記第2のシャッターに結合された第2のリンクを更に備え、前記第1のヨークは、前記第1のヨークが前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のシャッターを前記第1のシャッターから離れるように移動させることによって、前記開口の前記有効幅を増大させるように構成されている請求項11に記載のX線撮像システム。
【請求項13】
前記調節可能なコリメーターは、第2の枢動点において前記ハウジングに結合された第2のヨークを更に備え、
前記第1のヨークは、前記第1のヨークが前記第1の方向に回転させられたときに、前記第2のヨークを前記第1の方向に回転させるように構成され、前記第2のヨークは、前記第1の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のシャッターを前記第1のシャッターに向けて移動させるように構成され、
前記第1のヨークは、前記第1のヨークが前記第2の方向に回転させられたときに、前記第2のリンクを介して、前記第2のヨークを前記第2の方向に回転させ、前記第2のヨークは、前記第2の方向に回転させられたときに、前記第1のリンクを介して、前記第1のシャッターを前記第2のシャッターから離れるように移動させるように構成されている請求項12に記載のX線撮像システム。
【請求項14】
前記第1のヨーク及び前記第2のヨークが前記第1の方向に回転させられたとき、前記第1のヨークは前記第1のリンクを押圧し、前記第2のヨークは前記第2のリンクを押圧するように構成され、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークが前記第1の方向に回転させられたとき、前記第1のヨークは前記第2のリンクを押圧し、前記第2のヨークは前記第1のリンクを押圧するように構成されている請求項13に記載のX線撮像システム。
【請求項15】
前記調節可能なコリメーターは、前記第1のヨーク又は前記第2のヨークのうちの少なくとも一方を回転させるアクチュエータを更に備える請求項13に記載のX線撮像システム。
【請求項16】
前記第1のヨーク及び前記第1のリンクは、前記ハウジング中のスロット内で前記第1のシャッター及び前記第2のシャッターを移動させるように構成されている請求項12に記載のX線撮像システム。
【請求項17】
前記第1のヨークの前記枢動点は前記第1のヨークの長手方向の中心にある請求項12に記載のX線撮像システム。
【請求項18】
前記第1のシャッターは、前記第1のシャッターの動きを前記ハウジング中のスロットに追従するように拘束するプランジャーを備える請求項11に記載のX線撮像システム。
【請求項19】
前記ハウジングは、前記X線生成器によって放出される前記X線ビームの経路中に前記開口が配置されるように、前記X線生成器に取り付けられるか、或いは、前記X線生成器の近傍に配置されている請求項11に記載のX線撮像システム。
【請求項20】
前記調節可能なコリメーターは、前記第1のヨークを回転させるアクチュエータを更に備える請求項11に記載のX線撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「ADJUSTABLE COLLIMATORS AND X-RAY IMAGING SYSTEMS INCLUDING ADJUSTABLE COLLIMATORS」と題する2020年10月21日に出願された米国仮特許出願第63/094,580号の利益を主張する。米国仮特許出願第63/094,580号の全体は、引用することにより明確に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、コリメーターに関し、より詳細には、調節可能なコリメーター、及び調節可能なコリメーターを含むX線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0003】
コリメーターは、例えば、X線光学、放射線治療、又は中性子撮像等、いくつかの放射用途において使用される。いくつかのかかる例においては、コリメーターは、放出される放射のサイズを縮小し、及び/又は形状を制御するように構成され得る。さらに、コリメーターは、放射を位置合わせする(例えば、放射出力を平行又は実質的に平行な光線に制限する)ように構成され得る。
【発明の概要】
【0004】
特許請求の範囲においてより完全に記載されるような、実質的に、少なくとも1つの図によって示され、これらの図に関連して説明される、調節可能なコリメーター及び調節可能なコリメーターを含むX線撮像システム。
【0005】
いくつかの例において、調節可能なコリメーターは、開口を有するハウジングであって、開口を通ってハウジングの入口から出口へと放射が向けられる、ハウジングと、ハウジング内の第1のシャッター及び第2のシャッターと、第1のシャッターに結合された第1のリンクと、枢動点においてハウジングに結合され、ハウジングに対して枢動するように構成された第1のヨークとを備える。第1のヨークは、第1のヨークが第1の方向に回転させられたときに、第1のリンクを介して、第1のシャッターを第2のシャッターに向けて動かすことによって、開口の有効幅を縮小させるように構成することができる。
【0006】
いくつかの他の例において、X線撮像システムは、X線ビームを放出するように構成されたX線生成器と、複数の放射線写真を取得し、放射線写真に基づいて1つ以上の画像を生成するように構成された画像取得システムと、X線ビームをコリメートするように構成された調節可能なコリメーターとを備える。調節可能なコリメーターは、開口を有するハウジングであって、開口を通ってハウジングの入口から出口へとX線ビームが向けられる、ハウジングと、ハウジング内の第1のシャッター及び第2のシャッターと、第1のシャッターに結合された第1のリンクと、枢動点においてハウジングに結合され、ハウジングに対して枢動するように構成された第1のヨークとを備えることができる。第1のヨークは、第1のヨークが第1の方向に回転させられたときに、第1のリンクを介して、第1のシャッターを第2のシャッターに向けて動かすことによって、開口の有効幅を縮小させるように構成することができる。
【0007】
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様による、調節可能なコリメーターを含む一例示のX線撮像システムを示す図である。
【
図2】
図1の調節可能なコリメーターを実装するために使用することができる、一例示の調節可能なコリメーターの斜視図である。
【
図3】
図2の例示の調節可能なコリメーターの正面図である。
【
図4】
図2の例示の調節可能なコリメーターの分解図である。
【
図5】
図1の調節可能なコリメーターを含む一例示のフィルターホイールの斜視図である。
【
図6】調節可能なハウジングを有し、
図1の調節可能なコリメーターを実装するために使用することができる、別の例示の調節可能なコリメーターの斜視図である。
【
図7】
図6の調節可能なコリメーターの背面立面図である。
【
図8A】本開示の態様による、調節可能なハウジング構成要素を安定化するための肩付きねじを有する、別の例示の調節可能なコリメーターの正面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0010】
コリメーター、特に放射用途における使用のためのコリメーターは、放射線を位置合わせする(例えば、放射線を平行又は実質的に平行になるように位置合わせする)ように構成することができる。その結果、コリメーターは、放出された放射の散乱放射を低減させることができる。さらに、コリメーターは、放出された放射ビームのサイズを縮小すること、又は形状を制御することができる。
【0011】
しかしながら、従来のコリメーターは比較的大きく、このことがコリメーターの用途を比較的高いエネルギーに制限し得る。例えば、従来のコリメーターは、比較的大きなハウジング内で、管状又はその他の形状とされ得る。かくして、従来のコリメーターは、収納又は保管するのに負担がかかり、かさばり、及び/又は使用すること又は動かすことが困難なものとなり得る。従来のコリメーターの大きなサイズは、幾何学的拡大を実行するときに、試料をX線管の表面に近接して位置決めする能力を制限する。この位置決めに対する制限は、従来のコリメーターを使用して達成可能な幾何学的拡大の量を制限する。さらに、コリメーターシャッターが、X線生成器の表面から離れて位置させられると、コリメーターを通過する放射の円錐が増大し、それに応じた、放射の円錐を遮断するために必要とされるシャッタープレートのサイズの増大を必要とさせ、このことが、コリメーターのサイズ、重量及びコストを増大させる。これに加えて、従来のコリメーターは、調節可能ではない。その結果、ユーザーは、特定の用途に適切なコリメーターのサイズ又は形状を得るために、複数の異なるサイズのコリメーターを必要とすることとなり得る。このように、ユーザーは、特定の用途のために使用されるコリメーターを切り替える必要があることとなり得るが、このことは時間がかかるもの及び/又は困難なものであり得る。さらに、種々の用途の特定のコリメートのニーズに合わせて、複数のコリメーターを手元に用意することは、費用がかかることであり得る。
【0012】
従来のコリメーターとは対照的に、開示される例示のコリメーターは、比較的小さく(例えば従来のコリメーターと比較して)、かつ調節可能である。それゆえ、本明細書において議論される開示される例示のコリメーターは、増大したコリメートの用途に適用可能であり、収納及び保管がより容易であり、より短い時間の浪費及び少ない費用に帰着し得る(例えば、異なる用途のためにコリメーターを交換する必要がないか、又はそれほど頻繁に交換する必要がないことによって)。
【0013】
図1は、調節可能なコリメーター116を含む、一例示のX線撮像システム100を示す。例示のX線撮像システム100は、X線撮像、X線走査(例えば非破壊検査(NDT)のための)等を実行するために使用することができる。例示のX線撮像システム100は、X線生成器104によって放出されたX線ビーム102を、ワークピース108(例えば撮像されるべき又は試験中の対象物)を通して画像取得システム106に向けるように構成される。
図1の例においては、ワークピース位置決め装置110は、ワークピース108を保持又は固定し、ワークピース108の所望の部分及び/又は向きがX線放射102の経路中に位置することとなるように、ワークピース108を動かす及び/又は回転させる。
【0014】
いくつかの例においては、X線生成器104、画像取得システム106、及び/又はワークピース位置決め装置110は、1つ以上のアクチュエータを使用して位置決めされる及び/又は向きを変えられることができる。X線生成器104、画像取得システム106、及び/又はワークピース位置決め装置110の相対的な再位置決めは、焦点距離を変更すること、焦点を変更すること、不鮮明度パラメータを変更すること、倍率(例えば、X線生成器とワークピース位置決め装置又はワークピースとの間の距離に対する、X線生成器と画像取得システムとの間の距離の比)を変更すること、走査されるワークピース108の部分を変更すること、及び/又はその他の効果等、種々の効果に帰着し得る。ワークピース位置決め装置110の例示の実装は、直線及び/又は回転アクチュエータを有するプラテン等、機械的マニピュレーターを含む。他の例示のワークピース位置決め装置110は、6自由度(DOF)を有するロボットアーム等、ロボットマニピュレーターを含んでもよい。
【0015】
X線撮像システム100は、筐体112を更に含み、その筐体112の中に、X線生成器104、画像取得システム106、及びワークピース位置決め装置110が封入される。筐体112は、例えば、ワークピース108を挿入又は除去するため、筐体112内の構成要素のうちのいずれかに対する点検を実行するため、調節可能なコリメーター116を据え付ける及び/又は調節するため、及び/又は、別様に筐体112の内部にアクセスするための、1つ以上のドア114又はその他のアクセス開口部を含む。
【0016】
図1の画像取得システム106は、入射X線放射(例えば、X線生成器104によって生成され、画像取得システム106へと向けられる)に基づいて、デジタル画像を生成する。いくつかの例においては、画像取得システム106は、複数の放射線写真を取得し、放射線写真に基づいて1つ以上の画像を生成するように構成されてもよい。例えば、画像取得システム106は、蛍光透視検出システムと、シンチレーションを介して間接的に画像を受信するように構成されたデジタル画像センサーとを含んでもよく、及び/又は、X線を直接受容しデジタル画像を生成するように構成されたセンサーパネル(例えばアモルファスシリコンパネル、CCDパネル、CMOSパネル等)を使用して実装されてもよい。他の例においては、画像取得システム106は、シンチレーションスクリーンに結合され、シンチレーションスクリーンの部分に対応する画素を有する、固体パネルを使用してもよい。例示の固体パネルは、アモルファスシリコンパネル、CMOSのX線パネル、及び/又はCCDのX線パネルを含み得る。更に他の例においては、画像取得システム106は、異なる方法を使用して、入射X線放射に基づいて、デジタル画像を生成してもよい。
【0017】
X線撮像システム100は、調節可能なコリメーター116を更に含む。
図1に見られるように、調節可能なコリメーター116は、X線生成器104に取り付けられてもよい。いくつかのかかる例においては、調節可能なコリメーター116は、X線生成器104に着脱可能に取り付けられてもよい。他の例においては、調節可能なコリメーター116は、X線生成器104に近接して位置決めされてもよい。いずれの場合においても、X線生成器104によって生成されたX線放射は、X線ビームをコリメートするために、調節可能なコリメーター116を通るように向けられてもよい。調節可能なコリメーター116を含むX線撮像システム100は、画像取得システム106によって生成される画像の、向上させられた焦点及び/又は解像度を提供することができる。調節可能なコリメーター116はまた、X線生成器104によって生成されたX線ビームの、該ビームが伝播するにつれての散乱を、低減させることができる。
【0018】
図1の例は、X線生成器104及び画像取得システム106を含むが、他の例においては、X線撮像システム100は、他の波長の放射を使用して、撮像を実行してもよい。
【0019】
図2は、
図1のコリメーター116を実装するために使用することができる、一例示の調節可能なコリメーター200の斜視図である。調節可能なコリメーター200は、ハウジング202を含む。ハウジング202は、放射のコリメートのための任意の適した材料で作られてもよい。例えば、ハウジング202は、鉛、タングステン、タンタル、モリブデン、スズ、ビスマス、高密度プラスチック、又はその他の任意の適した材料で作られてもよい。
【0020】
ハウジング202は、任意の適したサイズ及び/又は形状のものであってもよい。いくつかの例においては、ハウジングは(それゆえ調節可能なコリメーター200も)、従来のコリメーターよりも小さくてもよい。例えば、ハウジング202は、放射生成器に取り付けられるか又は放射生成器に近接して位置決めされるのに十分に小さくてもよい(例えば、調節可能なコリメーター200は、放射ビームを放出する放射生成器の部分と同じ又は同等の断面積を有してもよい)。
【0021】
いくつかの例においては、調節可能なコリメーター200の幅(例えば
図2に示されるx軸の方向で測定されるもの)は、約1インチ~約10インチ、約1インチ~約5インチ、約1インチ~約3インチ、又は約1インチ~約2インチであってもよく、調節可能なコリメーター200の長さ(例えば
図2に示されるz軸の方向で測定されるもの)は、約1インチ~約10インチ、約1インチ~約5インチ、約1インチ~約3インチ、又は約1インチ~約2インチであってもよく、調節可能なコリメーター200の厚さ(例えば
図2に示されるy軸の方向で測定されるもの)は、約0.10インチ~約5インチ、約0.1インチ~約1インチ、約0.1インチ~約0.5インチ、又は約0.1インチ~約0.3インチであってもよい。他の例においては、調節可能なコリメーター200(例えば調節可能なコリメーター200のハウジング202)は、異なる寸法を有してもよい。
【0022】
ハウジング202は、開口204を画定する。いくつかの例においては、放射生成器(例えば
図1のX線生成器104)からの放射は、開口204を通ってハウジング202の入口から出口に向けられる。ハウジング202が放射源に取り付けられるように構成される例においては、ハウジング202は、開口204が放射源によって放出される放射の経路中にあるように、放射源に取り付けられてもよい。開口204は、ハウジング202の入口から出口に向けられた放射をコリメートするように構成されてもよい。いくつかのかかる例においては、放射のコリメートは、伝播する放射の散乱放射を低減させ、このことは、放射検出器への意図しない又は望ましくない放射の入射を低減させることができる。
【0023】
開口204は、任意の適したサイズ及び/又は形状のものであってもよい。いくつかの例においては、開口204の幅(例えば
図2に示されるx軸の方向で測定されるもの)は、約0.05インチ~約3インチ、約0.1インチ~約1インチ、約0.1インチ~約0.5インチ、又は約0.1インチ~約0.3インチであってもよく、開口204の長さ(例えば
図2に示されるz軸の方向で測定されるもの)は、約0.05インチ~約3インチ、約0.1インチ~約1インチ、約0.1インチ~約0.5インチ、又は約0.1インチ~約0.3インチであってもよい。他の例においては、開口204は、異なる寸法を有してもよい。
【0024】
調節可能なコリメーター200は、ハウジング202内の第1のシャッター206及び第2のシャッター208を更に含む。いくつかの例においては、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208は、ハウジング202内で動く(例えば
図2に示されるx軸に沿って並進する)ように構成されてもよい。いくつかの場合においては、第1のシャッター206及び第2のシャッター208の両方が、ハウジング202内で動くように構成されてもよい。いくつかのかかる例においては、第1のシャッター206と第2のシャッター208とは、互いとは反対の方向に動くように構成されてもよい。例えば、第1のシャッター206が、x軸に沿って第1の並進方向Aに並進するように構成されている場合には、第2のシャッター208は、x軸に沿って第1の並進方向Aとは反対の第2の並進方向Bに並進するように構成されてもよい。同様に、いくつかのかかる例においては、第1のシャッター206が、x軸に沿って第2の並進方向Bに並進するように構成されている場合には、第2のシャッター208は、x軸に沿って第1の並進方向Aに並進するように構成されてもよい。このようにして、第1のシャッター206及び第2のシャッター208は、互いに向かって又は互いから離れるように動くように構成されてもよい。他の例においては、第1のシャッター206及び第2のシャッター208はハウジング202内で異なる時間に動くように構成されてもよいし、又は、第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方のみが動くように(例えば、第1のシャッター206又は第2のシャッター208の他方が、ハウジング202内に静止したままで)構成されてもよい。1つの例としては、第1のシャッター206が、第2のシャッター208に向かって動くように構成されてもよい。別の例としては、第2のシャッター208が、第1のシャッター206から離れるように動くように構成されてもよい。
【0025】
いくつかの例においては、第1のシャッター206又は第2のシャッター208の動きは、手動で制御されてもよい。例えば、ユーザーは、第1のねじ210を回転させて第1のシャッター206を調節し、及び/又は、第2のねじ212を回転させて第2のシャッター208を調節してもよい。他の例においては、第1のねじ210又は第2のねじ212のうちの一方の調節が、第1のシャッター206及び第2のシャッター208の両方を動かすように構成されてもよい。第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208の調節に関する更なる詳細は、
図4に関して以下で議論される。更に他の例においては、手動調節機構は、ねじ以外の何かであってもよい。いくつかの場合においては、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208の動きが手動で制御されるのではなく、調節可能なコリメーター200が、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208の動きを駆動するように構成された1つ以上のアクチュエータを含んでもよい。
【0026】
第1のシャッター206及び第2のシャッター208は、開口204の有効幅を調節するように構成されてもよい。例えば、第1のシャッター206及び第2のシャッター208は、いくつかの構成において、第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方又は両方の動きが、開口204の少なくとも一部を遮断するように、開口204と実質的に位置合わせされるように構成されてもよい。例えば、
図2に示される例においては、第1のシャッター206と第2のシャッター208とは、開口204と位置合わせされている間、互いに接触している。かくして、
図2の例においては、開口204の有効幅は0である。
図2の例においては、開口204の有効幅は、第1のシャッター206と第2のシャッター208とを互いから離れるように(又は、第1のシャッター206若しくは第2のシャッター208のうちの一方を、第1のシャッター206若しくは第2のシャッター208のうちの他方から離れるように)動かすことによって、増大させられてもよい。逆に、第1のシャッター206と第2のシャッター208とが、部分的に又は完全に離隔されている(例えば開口204の有効幅がゼロより大きい)間、第1のシャッター206と第2のシャッター208とを互いに向けて動かすことによって、開口の有効幅が縮小させられてもよい。
【0027】
図3は、本開示の態様による、
図2の例示の調節可能なコリメーター200の正面図である。
図3に示される例においては、第1のシャッター206は、第1の並進方向Aに第2のシャッター208から離れるよう動かされており、第2のシャッター208は、第1の並進方向Aとは反対の第2の並進方向Bに第1のシャッター206から離れるよう動かされている(
図2に示される第1のシャッター206及び第2のシャッター208の構成とは対照的に)。その結果、開口204の有効幅wは(
図2の例と比較して)増大させられている。
図3の例においては、第1のシャッター206及び第2のシャッター208はともに、開口204を部分的に遮断している。しかしながら、他の例においては、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208は、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208がいずれも開口204を遮断しないように、ハウジング202内で動かされてもよい。第1のシャッター206も第2のシャッター208も開口204を遮断しない例においては、開口204の有効幅wは、開口204の実際の幅と等しくなり得る。このようにして、開口204の有効幅wは、ハウジング202内で第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方又は両方を動かすことによって、調節することができる。その結果、開口204の有効幅wは、0(例えば、第1のシャッター206と第2のシャッター208とが接触することによって閉じられる)から開口204の実際の幅(例えば、第1のシャッター206も第2のシャッター208も開口204のいずれの部分も遮断しない)までの範囲となることが可能であり得る。かくして、本明細書において開示されるコリメーター200は、第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方又は両方の動きによって、調節可能である。調節可能であることによって、調節可能なコリメーター200は、放射ビームのサイズが変化させられることを可能とすることによって、及び/又は、種々のレベルの焦点又は解像度を有することが可能であることによって、様々な用途での使用に適したものとなることができる。
【0028】
図4は、
図2の例示の調節可能なコリメーター200の分解図である。
図4に見られるように、調節可能なコリメーター200は、調節可能なコリメーター200が組み立てられたときにハウジング202を形成する、複数のハウジング構成要素202a、202b、202cを含んでもよい。特に、
図4の調節可能なコリメーターは、第1のハウジング構成要素202a、第2のハウジング構成要素202b、及び第3のハウジング構成要素202cを含む。ハウジング構成要素202a、202b、202cは、例えば、機械的取付け機構(例えばねじ)又は接着剤を使用すること等、任意の適した方式で結合されてもよい。他の例においては、ハウジング202は、3つよりも少ない又は3つよりも多いハウジング構成要素で作られてもよい。例えば、いくつかの場合においては、ハウジング202は、単一のハウジング構成要素を含んでもよい。
【0029】
例示のハウジング構成要素202は、垂直コリメート、水平コリメート、又は他の任意の角度によるコリメートを提供するために、調節可能なコリメーター200の他の構成要素に対して回転させられてもよい。これに加えて又は代替として、例示の調節可能なコリメーター200は、多角度(例えば水平及び垂直)コリメートを提供するために二重化されてもよい。
【0030】
ハウジング202が複数のハウジング構成要素202a、202b、202cを含む例においては、ハウジング構成要素202a、202b、202cのうちの1つ以上が、開口204の全体又は一部を画定してもよい。例えば、
図4の例においては、第2のハウジング構成要素202bが第1の開口204aを画定し、第3のハウジング構成要素202cが第2の開口204bを画定する。いくつかの例においては、第1の開口204aと第2の開口204bとは、調節可能なコリメーター200が組み立てられたときに、位置合わせされる(又は実質的に位置合わせされる)ように構成されてもよい。このようにして、第1の開口204aと第2の開口204bとの位置合わせは、ハウジング202の入口214から出口216まで延在する開口204を形成することができる。例えば、第1の開口204aが、調節可能なコリメーター200の入口214にあってもよく、第2の開口204bが、調節可能なコリメーター200の出口216にあってもよい。換言すれば、放射は、第1の開口204aを通って入り、第2の開口204bを通って出ることができる。
【0031】
いくつかのかかる例においては、第1のシャッター206及び第2のシャッター208は、ハウジング202内で第1の開口204aと第2の開口204bとの間(例えば第2のハウジング構成要素202bと第3のハウジング構成要素202cとの間)で動くように構成されてもよい。かかる構成は、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208が、ハウジング202内で動いて、第1の開口204a及び第2の開口204bの両方を遮断するように動くことによって、開口204の有効幅wを調節することを可能にすることができる(例えば、調節可能なコリメーター200が組み立てられたときに、第1の開口204a及び第2の開口204bが位置合わせされている場合)。このようにして、第2のハウジング構成要素202b及び第3のハウジング構成要素202cは、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208がその中で動くように構成されているスロットを画定することができる。いくつかのかかる例においては、第1のシャッター206は、ハウジング202中のスロットに追従するよう第1のシャッター206の動きを拘束するように構成された、1つ以上のプランジャー230を含んでもよい。これに加えて又は代替として、第2のシャッター208が、ハウジング202中のスロットに追従するよう第2のシャッター208の動きを拘束するように構成された、1つ以上のプランジャー232を含んでもよい。1つ以上のプランジャー230、232を含む第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208は、第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方又は両方の動きが開口204の有効幅wの変化に帰着するように、ハウジング202によって画定されるスロット内に、第1のシャッター206及び第2のシャッター208が残ることを確実にすることを支援することができる。換言すれば、プランジャー230、232は、少なくともいくつかの構成において、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208を開口204と位置合わせすることを支援することができる。
【0032】
ハウジングが単一の構成要素を含むか、又は単一の開口のみが画定される例においては、第1のシャッター206及び第2のシャッター208は、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208が、開口204の有効幅wを制御するために、第1のシャッター206及び第2のシャッター208のいくつかの位置において開口204を少なくとも部分的に遮断するよう構成されるように、ハウジング202内で動くように構成されてもよい。いくつかのかかる例においてもなお、ハウジング202が、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208がその中で動くように構成されているスロットを画定してもよい。
【0033】
調節可能なコリメーター200は、第1の枢動点220においてハウジング202に結合された、第1のヨーク218を更に含む。第1のヨーク218は、第1の枢動点220の周りに、ハウジング202に対して枢動するように構成されてもよい。いくつかの例においては、第1の枢動点220は、第1のヨーク218の長手方向の中心にあってもよい。他の例においては、枢動点220は、第1のヨーク218の異なる位置に位置してもよい。第1のヨーク218は、開口204の有効幅wを増大させる又は縮小させるよう第1のシャッター206を動かすように構成されてもよい。例えば、第1のヨーク218は、第1の方向(例えば時計回り)に回転させられたときに、開口204の有効幅wを縮小させるよう、第1のシャッター206を第2のシャッター208に向けて動かすように、及び/又は、第1の方向とは反対の第2の方向(例えば反時計回り)に回転させられたときに、開口204の有効幅wを増大させるよう、第1のシャッター206を第2のシャッター208から離れるよう動かすように、構成されてもよい。
【0034】
いくつかの例においては、調節可能なコリメーター200は、第1のシャッター206に結合された第1のリンク222を含んでもよい。かかる例においては、第1のリンク222は、第1のヨーク218の枢動の際に第1のシャッター206を動かすように構成されてもよい。例えば、第1のヨーク218が第1の方向(例えば時計回り)に回転させられたときに、第1のヨーク218は、第1のリンク222を押して、第1のリンク222を第2の並進方向Bに動かしてもよい。第1のリンク222は第1のシャッター206に結合されているので、第1のリンク222は、第1のシャッター206を第2の並進方向Bに(例えば第2のシャッター208に向けて)動かす。その結果、開口204の有効幅wを縮小させることができる。
【0035】
図4の例においては、第2のヨーク224もまた、第2の枢動点226においてハウジング202に結合される。第2のヨーク224は、第2の枢動点226の周りに、ハウジング202に対して枢動するように構成される。いくつかの例においては、第2の枢動点226は、第2のヨーク224の長手方向の中心にあってもよい。他の例においては、枢動点226は、第2のヨーク224の異なる位置に位置してもよい。第2のヨーク224は、開口204の有効幅wを増大させる又は縮小させるよう第2のシャッター208を動かすように構成されてもよい。例えば、第2のヨーク224は、第1の方向(例えば時計回り)に回転させられたときに、開口204の有効幅wを縮小させるよう、第2のシャッター208を第1のシャッター206に向けて動かすように、及び/又は、第2の方向とは反対の第2の方向(例えば反時計回り)に回転させられたときに、開口204の有効幅wを増大させるよう、第2のシャッター208を第1のシャッター206から離れるよう動かすように、構成されてもよい。
【0036】
第1のリンク222及び第1のヨーク218と同様に、調節可能なコリメーター200が第2のヨーク224を含むいくつかの例においては、調節可能なコリメーター200は、第2のシャッター208に結合された第2のリンク228を含んでもよい。かかる例においては、第2のリンク228は、第2のヨーク224の枢動の際に第2のシャッター208を動かすように構成されてもよい。例えば、第2のヨーク224が第1の方向(例えば時計回り)に枢動させられたときに、第2のヨーク224は、第2のリンク228を押して、第2のリンク228を第1の並進方向Aに動かしてもよい。第2のリンク228は第2のシャッター208に結合されているので、第2のリンク228は、第2のシャッター208を第1の並進方向Aに(例えば第1のシャッター206に向けて)動かす。その結果、開口204の有効幅wを縮小させることができる。
【0037】
いくつかの例においては、第1のヨーク218もまた、第2のシャッター208を動かすように構成されてもよい。例えば、第1のヨーク218は、第2の方向(例えば反時計回り)における第1のヨークの回転の際に、第2のリンク228を第2の並進方向Bに押すように構成されてもよい。その結果、第2のリンク228に結合された第2のシャッター208は、第2の並進方向Bに(例えば第1のシャッター206から離れるように)動かされ、それによって開口204の有効幅wを増大させることができる。同様に、第2のヨーク224は、第2のヨーク224が第2の方向(例えば反時計回り)に回転させられたときに、第1のリンク222を押すことによって、第1のシャッター206を第1の並進方向Aに(例えば第2のシャッター208から離れるように)動かすように構成されてもよい。
【0038】
いくつかの例においては、第1のヨーク218又は第2のヨーク224のうちの一方の回転が、第1のヨーク218又は第2のヨーク224のうちの他方の回転に帰着してもよい。その結果、第1のリンク222及び第2のリンク228の両方が、実質的に同時に押されてもよい。例えば、第1のヨーク218が第1の方向(例えば時計回り)に回転させられたときに、第1のヨーク218は、第1のリンク222を第2の並進方向Bに押してもよい。第2の並進方向Bにおける第1のリンク222の動きが、第2のヨーク224を押して、第2のヨーク224を第1の方向(例えば時計回り)に回転させてもよい。したがって、第1の方向における第2のヨーク224の回転が、第2のリンク228を第1の並進方向Aに押してもよい。かくして、第2の並進方向Bにおける第1のリンク222の動き、及び第1の並進方向Aにおける第2のリンク228の動きが、第1のシャッター206及び第2のシャッター208を互いに向かって同時に(又はほぼ同時に)動かして、開口204の有効幅wを縮小させることができる。
【0039】
さらに、いくつかの例においては、第2の方向(例えば反時計回り)における第1のヨーク218の回転が、同様に第2のヨーク224を第2の方向に回転させてもよい。例えば、第1のヨーク218は、第2の方向(例えば反時計回り)に回転させられて、第2のリンク228を第2の並進方向Bに押してもよい。その結果、第2のリンク228が、第2のヨーク224を押して、第2のヨーク224を第2の方向(例えば反時計回り)に回転させてもよい。第2の方向における第2のヨーク224の回転は、第1のリンク222を第1の並進方向Aに押してもよい。このようにして、第1の並進方向Aにおける第1のリンク222の動き、及び第2の並進方向Bにおける第2のリンク228の動きが、第1のシャッター206及び第2のシャッター208を互いから離れるように同時に(又はほぼ同時に)動かして、開口204の有効幅wを増大させることができる。
【0040】
第1のヨーク218又は第2のヨーク224の回転が、第1のヨーク218又は第2のヨーク224のうちの他方の回転に帰着する例においては、開口204の有効幅wを縮小又は増大させるため第1のシャッター206及び第2のシャッター208の両方を動かすために、一方のヨークのみを回転させれば済むこととなり得る。その結果、本明細書に記載の調節可能なコリメーター200の動作は、他のコリメーターよりも効率が良いもの及び/又は容易なものとなり得る。
【0041】
第1のヨーク218及び第2のヨーク224は、任意の適した方式で回転させられてもよい。いくつかの例においては、第1のヨーク218及び/又は第2のヨーク224は、手動で回転させられるように構成されてもよい。例えば、いくつかの場合においては、第1のヨーク218は、第1のねじ(例えば
図2及び
図3に示される第1のねじ210)に結合されてもよい。これに加えて又は代替として、第2のヨーク224は、第2のねじ(例えば
図2及び
図3に示される第2のねじ212)に結合されてもよい。第1のねじ210又は第2のねじ212の回転(例えばねじ回しを使用したもの)は、回転させられているねじに結合されたそれぞれのヨークの回転を引き起こし、それによって、第1のシャッター206又は第2のシャッター208のうちの一方又は両方の動きを引き起こすことができる。他の例においては、一方の又は両方のヨークを回転させるために、他の手動回転機構が使用されてもよい。例えば、ヨーク218、224のうちの一方又は両方、及び/又はリンク222、228のうちの一方又は両方は、ヨーク218、224及び/又はリンク222、228を押すこと及び/又は引くことを介した手動操作のために、ハウジングを通って延在してもよい。
【0042】
いくつかの例においては、調節可能なコリメーター200は、第1のヨーク218又は第2のヨーク224のうちの一方又は両方を回転させて、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208を動かすように構成された、1つ以上のアクチュエータを含んでもよい。いくつかのかかる例においては、1つ以上のアクチュエータは、アクチュエータと通信する(例えば、命令する、情報を取得する等)ように構成されたコントローラーに結合されてもよい。いくつかのかかる例においては、ユーザーは、開口204の所望の有効幅w等のコマンドを入力することが可能であってもよく、コントローラーは、開口204の所望の有効幅wを達成するために、第1のヨーク218及び/又は第2のヨーク224を回転させて、第1のシャッター206及び/又は第2のシャッター208をハウジング202内で動かすように、1つ以上のアクチュエータに命令してもよい。他の例においては、1つ以上のアクチュエータが、異なる方式で動作させられてもよいし、又は、調節可能なコリメーター200が、開口204の有効幅wを調節するために、アクチュエータ以外の機構を使用してもよい。
【0043】
図5は、
図1の調節可能なコリメーターを含む、一例示のフィルターホイール500の斜視図である。フィルターホイール500は、フィルターホイール500上の複数のフィルターのうちのいずれかをフィルタリング位置へと容易に配置するために、X線生成器104とワークピース108との間に配置されてもよい。例示のフィルターホイール500には、調節可能なコリメーター200が設けられてもよく、このときフィルターホイール500は、他の構成要素(202b、202c、204a~232)が結合されるハウジング202aとして機能する。
【0044】
例示の調節可能なコリメーター200は、
図2~
図4を参照しながら以上に議論された向き及び/又は構成のうちのいずれかを使用して、フィルターホイール500中に実装されてもよいが、フィルターホイール500における開口502が、他の構成要素を装着して組み立てるためのハウジング202aの代わりになる。
【0045】
図6は、調節可能なハウジング602を有し、
図1の調節可能なコリメーター116を実装するために使用することができる、別の例示の調節可能なコリメーター600の斜視図である。
図7は、
図6の調節可能なコリメーター600の背面立面図である。例示のコリメーター600は、その他の点においては、
図2のコリメーター200と同様であり、
図2、
図3及び
図4の開口204、第1のシャッター206、第2のシャッター208、第1のねじ210、第2のねじ212、入口214、出口216、ヨーク218、224、枢動点220、226、リンク222、228、及び/又はプランジャー230、232を含む。
【0046】
ハウジング602は、マウントハウジング604及び調節可能なハウジング構成要素606を含む。マウントハウジング604は、
図3のハウジング構成要素202a、202b、202cと同様に、複数の部分を含んでもよい。
図6の例においては、構成要素204~232がハウジング202中に据え付けられる代わりに、構成要素204~232はマウントハウジング604中に据え付けられる。マウントハウジング604の外周は、構成要素204~232の据付けを可能にしつつ、調節可能なハウジング構成要素606を収容するために、ハウジング202とは異なる幾何学的形状を有する。
【0047】
調節可能なハウジング構成要素606は、調節ブロック608と、マウントハウジング604からの調節ブロック608の距離又は間隙612を調節する位置合わせねじ610とを含む。
【0048】
調節可能なコリメーター600は、肩付きねじ614a、614bを放射源に部分的に締結して、マウントハウジング604bを部分的に固定することによって、放射源上へと据え付けられる。調節ブロック608はまた、ねじ616a、616によって、放射源に固定される。マウントハウジング604は、肩付きねじ614a、614bに対する、更にはその結果として放射源に対する、開口204の移動を可能にする、スロット618a、618bを含む。肩付きねじ614a、614b及びねじ616a、616bが据え付けられると、間隙612を調節するために位置合わせねじ610が回されてもよく、このことが放射源に対する開口604の位置を調節する。開口204が所望の位置に位置すると、肩付きねじ614a、614bは完全に固定されて、マウントハウジングを放射源に固定することができる。
【0049】
図6及び
図7の例示的なコリメーター600は、位置合わせを更に改善するため、放射源に対する開口204の位置の微調整を可能とする。いくつかの例においては、放射ハウジングが、放射の出力位置(例えばX線管又はガンマ線管)に対するマウントハウジング604の動きを可能にする。かかる例においては、位置合わせねじ610の調節が、マウントハウジング604を、更にはその結果として開口204を、放射出力位置に対して動かす。
【0050】
図8Aは、調節可能なハウジング構成要素606を安定化させるための肩付きねじ802、804を有する、別の例示の調節可能なコリメーター800の正面立面図である。
図8Bは、
図8Bの調節可能なコリメーターの斜視図である。
図8A及び
図8Bの例示のコリメーター800は、
図6のコリメーター600と同様であり、
図6及び
図7のハウジング602、マウントハウジング604、調節可能なハウジング構成要素606、調節ブロック608、位置合わせねじ610、肩付きねじ614a、614b、ねじ616a、616b、スロット618a、618b、開口204、第1のシャッター206、第2のシャッター208、第1のねじ210、第2のねじ212、入口214、出口216、ヨーク218、224、枢動点220、226、リンク222、228、及び/又はプランジャー230、232を含む。
【0051】
図8A及び
図8Bの例示のコリメーター800は、調節ブロック608中のボア(図示されていない)を通って延在して、調節ブロック608をマウントハウジング604に固定して安定化する、肩付きねじ802a、802bを更に含む。肩付きねじ802a、802bは、調節ブロック608とマウントハウジング604との間の相対的な回転を低減させる又は防止する。例示的な調節ブロック608は、ばね804a、804bによって更に安定化され、これらのばね804a、804bは、肩付きねじ802a、802bと調節ブロック608との間で圧縮されて、調節ブロック608中の振動を低減させる。
【0052】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0053】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0054】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
【符号の説明】
【0055】
100 X線撮像システム
102 X線放射
104 X線生成器
106 画像取得システム
108 ワークピース
110 装置
112 筐体
114 ドア
116 コリメーター
200 コリメーター
202 ハウジング
202a 第1のハウジング構成要素
202b 第2のハウジング構成要素
202c 第3のハウジング構成要素
204 開口
204a 第1の開口
204b 第2の開口
206 第1のシャッター
208 第2のシャッター
214 入口
216 出口
218 第1のヨーク
220 第1の枢動点
222 第1のリンク
224 第2のヨーク
226 第2の枢動点
228 第2のリンク
230 プランジャー
232 プランジャー
500 フィルターホイール
502 開口
600 コリメーター
602 ハウジング
604 開口
604 マウントハウジング
604b マウントハウジング
606 ハウジング構成要素
608 調節ブロック
612 間隙
618a スロット
618b スロット
800 コリメーター
【国際調査報告】