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特表2023-548826加水分解酵素活性速度が低下した医薬組成物を得るための精製プラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】加水分解酵素活性速度が低下した医薬組成物を得るための精製プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/18 20060101AFI20231114BHJP
   C07K 1/34 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 1/20 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 16/24 20060101ALI20231114BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20231114BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231114BHJP
   A61K 38/46 20060101ALI20231114BHJP
   A61K 35/54 20150101ALI20231114BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20231114BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20231114BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20231114BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20231114BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20231114BHJP
   B01D 15/36 20060101ALI20231114BHJP
   B01J 39/05 20170101ALI20231114BHJP
   B01J 39/09 20170101ALI20231114BHJP
   B01J 39/18 20170101ALI20231114BHJP
   B01J 39/26 20060101ALI20231114BHJP
   B01J 41/05 20170101ALI20231114BHJP
   B01J 41/10 20060101ALI20231114BHJP
   B01J 41/12 20170101ALI20231114BHJP
   B01J 41/14 20060101ALI20231114BHJP
   B01J 41/20 20060101ALI20231114BHJP
   B01J 47/04 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
C07K1/18
C07K1/34
C07K1/20
C07K16/00
C07K16/46
C07K16/28
C07K16/24
C07K16/18
A61K39/395 K
A61K39/395 N
A61K38/46
A61K35/54
A61K35/74 B
A61K47/26
B01D29/00 Z
B01D61/14 500
B01D61/58
B01D15/36
B01J39/05
B01J39/09
B01J39/18
B01J39/26
B01J41/05
B01J41/10
B01J41/12
B01J41/14
B01J41/20
B01J47/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526026
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021057100
(87)【国際公開番号】W WO2022094116
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/108,194
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シーイ, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ウーン, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】リー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クー, ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】オドワイアー, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥエニャス, アイリーン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】イグゾー, インゲス
(72)【発明者】
【氏名】リム, エイミー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C087
4D006
4D017
4D116
4H045
【Fターム(参考)】
4C076DD09
4C076DD09Q
4C076FF63
4C084AA02
4C084AA06
4C084BA44
4C084DC22
4C084NA03
4C084ZC19
4C085AA14
4C085AA16
4C085CC23
4C085DD34
4C085DD41
4C085EE01
4C087AA01
4C087BB57
4C087BC34
4C087CA04
4C087CA08
4C087NA03
4D006GA06
4D006KA01
4D006KA33
4D006KA52
4D006KA55
4D006KA57
4D006KA63
4D006KB11
4D006KB12
4D006KB14
4D006KD30
4D006PA01
4D006PB20
4D006PB55
4D006PC41
4D017AA09
4D017BA07
4D017CA12
4D017CA13
4D017CA17
4D017CB01
4D017DA03
4D116AA27
4D116BB01
4D116EE04
4D116FF02A
4D116FF03A
4D116FF15B
4D116FF18B
4D116GG01
4D116GG12
4D116GG13
4D116GG21
4D116HH13A
4D116KK04
4D116QA22C
4D116QA22F
4D116QC43A
4D116VV30
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA10
4H045GA23
4H045GA25
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、デプスフィルタ工程および/または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含む精製プラットフォームを提供し、前記精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法を提供するのに有用である。本明細書に記載の精製プラットフォームを使用する方法およびそれから得られる組成物、例えば医薬組成物も本明細書に開示される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、
捕捉工程;
1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および
深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較して、前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【請求項2】
前記1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MMIEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ウイルス濾過工程をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記CEXクロマトグラフィー工程;
前記AEXクロマトグラフィー工程;
前記深層濾過工程;
前記ウイルス濾過工程;および
前記UF/DF工程、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、Polisher STデプスフィルタ、またはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
Sartobind(登録商標)フェニルを介した処理を含むHIC工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、
捕捉工程; マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記HIC工程および/または前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない前記サンプルの精製と比較して、前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【請求項10】
前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体を介した処理を含み、前記処理が、約4.5~約9のpHで実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陽イオン交換(MM-HIC/CEX)クロマトグラフィー工程である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項14】
前記MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)MMCまたはCapto(商標)MMC ImpResを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程;および
前記HIC工程、を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ウイルス濾過工程をさらに含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、請求項9~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;
前記HIC工程;
前記ウイルス濾過工程;および
前記UF/DF工程、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
深層濾過工程をさらに含む、請求項9~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記深層濾過工程;
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;および
前記HIC工程、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタが、X0SPデプスフィルタである、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタがEMPHAZE(商標)デプスフィルタまたはPolisher STデプスフィルタである、請求項19または20に記載の方法。
【請求項23】
前記デプスフィルタが、前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と共にロードフィルタとして使用される、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;
前記深層濾過工程;および
前記HIC工程、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタが、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタが、EMPHAZE(商標)デプスフィルタまたはPolisher STデプスフィルタである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、
捕捉工程;
1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記HIC工程を含まない前記サンプルの精製と比較して、前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【請求項30】
前記1以上のIEXクロマトグラフィー工程が、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ウイルス濾過工程をさらに含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記UF/DF工程の前の任意の段階で実施される深層濾過工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記捕捉工程;
前記CEXクロマトグラフィー工程;
前記HIC工程;
前記ウイルス濾過工程;および
前記UF/DF工程、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、
1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および
深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記HIC工程または前記深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較して、前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【請求項36】
前記低下が、前記HICおよび前記深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記MMIEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記精製プラットフォームが、順に、
前記CEXクロマトグラフィー工程;
前記HIC工程;
前記MMIEXクロマトグラフィー工程;
前記AEXクロマトグラフィー工程;
前記デプスフィルタ工程;および
前記UF/DF工程、を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、
捕捉工程;
1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;
マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および
深層濾過工程の一方または両方、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記HIC工程または前記深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較して、前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【請求項42】
前記低下が、前記HICおよび前記深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ウイルス濾過工程をさらに含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記深層濾過工程が、前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程のロードフィルタとして、前記HIC工程のロードフィルタとして、または前記HIC工程に続いて実施される、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である、請求項41~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記捕捉工程がアフィニティークロマトグラフィーを介した処理を含む、請求項1~34および41~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記捕捉工程が結合溶出モードで実施される、請求項1~34および41~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー、およびカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含む、請求項1~6、19、20、および35~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記デプスフィルタがロードフィルタとして使用される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記デプスフィルタが、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集樹脂、および灰組成物のうちの1以上を含む基材を含む、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
前記デプスフィルタの前記基材の少なくとも一部が表面改質を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記表面改質が、第四級アミン表面改質、陽イオン表面改質、および陰イオン表面改質の1以上である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記デプスフィルタが、X0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ、PDD1デプスフィルタ、PDE1デプスフィルタ、PDH5デプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZAデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZBデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)DELIデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)DELPデプスフィルタ、およびPolisher STデプスフィルタからなる群から選択される、請求項52~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記デプスフィルタが、前記X0SPデプスフィルタ、前記D0SPデプスフィルタ、または前記C0SPデプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した前記処理が、約4.5~約8のpHで実施される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記デプスフィルタが前記EMPHAZE(商標)デプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した処理が約7~約9.5のpHで実施される、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記デプスフィルタが前記Polisher STデプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した処理が約4.5~約9のpHで実施される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記HIC工程が、HIC膜またはHICカラムを介した処理を含む、請求項9~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記HIC膜または前記HICカラムを介した処理が、低い塩濃度を使用して実施される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記HIC膜または前記HICカラムを介した処理がフロースルーモードで実施される、請求項59~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記HIC膜またはHICカラムが、エーテル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびフェニル基のうちの1以上を含む基材を含む、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記HIC膜または前記HICカラムが、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow(フェニル-SFF)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow Hi-sub(フェニル-SFF HS)、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650C、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650M、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650S、Poros(商標)Benzyl Ultra、およびSartobind(登録商標)フェニルからなる群から選択される、請求項61~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記HIC膜または前記HICカラムを介した処理が、約4.5~約7のpHで実施される、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
前記1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、IEXクロマトグラフィー膜またはIEXクロマトグラフィーカラムを介した処理を含む、請求項1~8および29~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記IEXクロマトグラフィー膜または前記IEXクロマトグラフィーカラムが、SPSFF、QSFF、SPXL、Streamline(商標)SPXL、ABx(商標)、Poros(商標)XS、Poros(商標)50HS、DEAE、DMAE、TMAE、QAE、およびMEP-Hypercel(商標)からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記精製プラットフォームが、前記サンプルから標的を精製するためのものであり、前記サンプルが、前記標的および1以上の宿主細胞不純物を含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記標的がポリペプチドを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記標的が抗体部分である、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記抗体部分がモノクローナル抗体である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記抗体部分が、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、請求項71~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、請求項71~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記1以上の宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質を含む、請求項69~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記宿主細胞タンパク質が加水分解酵素である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記サンプルが、宿主細胞またはそれに由来する成分を含む、請求項1~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記サンプルが、細胞培養サンプルであるか、または細胞培養サンプルに由来する、請求項1~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記細胞培養サンプルが宿主細胞を含み、前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または大腸菌(E.coli)細胞である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
サンプル処理工程をさらに含む、請求項1~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記加水分解酵素活性速度の前記低下が少なくとも約20%である、請求項1~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記組成物の前記加水分解酵素活性速度を決定することをさらに含む、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記組成物中の1以上の加水分解酵素のレベルを決定することをさらに含む、請求項1~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記組成物がポリソルベートを含む、請求項1~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
請求項1~87のいずれか一項に記載の方法から得られる医薬組成物。
【請求項89】
抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、前記組成物の貯蔵寿命が12ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項90】
抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解活性の速度が低下しており、前記組成物の貯蔵寿命が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、前記貯蔵寿命が、前記文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも3ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項91】
前記ポリソルベート加水分解の速度が、少なくとも約20%低下している、請求項89または90に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項92】
抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベートの分解が低下しており、前記分解が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低減している、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項93】
抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間50%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項94】
前記抗体部分がモノクローナル抗体である、請求項89~93のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項95】
前記抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項89~94のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項96】
前記抗体が、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、請求項89~95のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項97】
前記抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、請求項89~96のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項98】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される、請求項89~97のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月30日に出願された米国仮出願第63/108,194号の優先権利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、加水分解酵素活性速度が低下した医薬組成物などの組成物を得るための精製プラットフォームに関する。本明細書に記載の精製プラットフォームおよびそれから得られる組成物を使用する方法も本明細書に開示される。
【背景技術】
【0003】
背景
宿主細胞培養物から産生された抗体などの生物治療製品は、宿主細胞タンパク質、ならびに、例えば、製品品質および治療有効性に影響を及ぼし得る他の不純物を除去するために精製を必要とする。現在の精製方法は、宿主細胞加水分解酵素を含む全ての宿主細胞タンパク質および不純物を除去するわけではない。したがって、宿主細胞タンパク質および精製標的と共に残存する不純物は、精製標的自体ならびに他の添加剤、例えば界面活性剤などの製剤目的のために添加される成分に影響を及ぼし得る。したがって、薬学的使用のために宿主細胞培養物から産生された生物療法製品を精製するための改善された方法が必要とされている。
【0004】
特許出願および刊行物を含む本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0005】
簡単な概要
いくつかの態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々は、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、MMIEXクロマトグラフィー工程は、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本方法は、ウイルス濾過工程をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;CEXクロマトグラフィー工程;AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程はデプスフィルタを介した処理を含み、デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、またはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、Sartobind(登録商標)フェニルを介した処理を含むHIC工程をさらに含む。
【0012】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体を介した処理を含み、約5.5~約8のpHで実施される。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、マルチモーダル疎水性相互作用/陽イオン交換(MM-HIC/CEX)クロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)MMCまたはCapto(商標)MMC ImpResを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程;およびHIC工程を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、ウイルス濾過工程をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、深層濾過工程をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;深層濾過工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;およびHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含み、デプスフィルタはX0SPデプスフィルタである。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含み、デプスフィルタはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記デプスフィルタは、前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と共にロードフィルタとして使用される。
【0021】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;およびHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタである。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含み、デプスフィルタはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む。
【0023】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程は、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程である。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、ウイルス濾過工程をさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本方法は、UF/DF工程の前の任意の段階で実施される深層濾過工程をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程;CEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む。
【0029】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、低下は、HICおよび深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである。
【0030】
いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々は、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、MMIEXクロマトグラフィー工程は、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に:CEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;MMIEXクロマトグラフィー工程;AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;およびUF/DF工程を含む。
【0033】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程および深層濾過工程の一方または両方を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0034】
いくつかの実施形態では、低下は、HICおよび深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法は、ウイルス濾過工程をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程のロードフィルタとして、HIC工程のロードフィルタとして、またはHIC工程に続いて実施される。
【0038】
いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々は、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、捕捉工程はアフィニティークロマトグラフィーを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程結合溶出モードで実施される。いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィーおよびカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはロードフィルタとして使用される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集性樹脂、および灰組成物のうちの1つ以上を含む基材を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタの基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、第四級アミン表面改質(第四級アンモニウム、Q官能性など)、グアニジニウム表面改質、陽イオン性表面改質、および陰イオン性表面改質の1以上である。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、EMPHAZE(登録商標)デプスフィルタ、PDD1デプスフィルタ、PDE1デプスフィルタ、PDH5デプスフィルタ、ZETA PLUS(登録商標)120ZAデプスフィルタ、ZETA PLUS(登録商標)120ZBデプスフィルタ、ZETA PLUS(登録商標)DELIデプスフィルタ、ZETA PLUS(登録商標)DELPデプスフィルタ、およびPolisher ST(耐塩性)デプスフィルタからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、またはC0SPデプスフィルタであり、デプスフィルタを介した処理は、約4.5~約8のpHで実施される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはEMPHAZE(登録商標)デプスフィルタであり、デプスフィルタを介した処理は約7~約9.5のpHで実施される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはPolisher STデプスフィルタであり、デプスフィルタを介した処理は約5~約9のpHで実施される。
【0042】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、HIC膜またはHICカラムを介した処理は、低塩濃度を使用して実施される。いくつかの実施形態では、HIC膜またはHICカラムを介した処理は、フロースルーモードで実施される。いくつかの実施形態では、HIC膜またはHICカラムは、エーテル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびフェニル基の1以上を含む基質を含む。いくつかの実施形態では、前記HIC膜またはHICカラムは、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow(フェニル-SFF)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow Hi-sub(フェニル-SFF HS)、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650C、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650M、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650S、Poros(商標)Benzyl Ultra、およびSartobind(登録商標)フェニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、前記HIC膜またはHICカラムを介した処理は、約4.5~約7のpHで実施される。
【0043】
いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々は、IEXクロマトグラフィー膜またはIEXクロマトグラフィーカラムを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィーまたはIEXクロマトグラフィーカラムは、SPSFF、QSFF、SPXL、Streamline(商標)SPXL、ABx(商標)、Poros(商標)XS、Poros(商標)50HS、DEAE、DMAE、TMAE、QAE、およびMEP-Hypercel(商標)からなる群から選択される。
【0044】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、前記サンプルから標的を精製するためのものであり、前記サンプルが、前記標的および1以上の宿主細胞不純物を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、1以上の宿主細胞不純物は宿主細胞タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質は加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである。
【0046】
いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞またはそれに由来する成分を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、細胞培養サンプルであるか、または細胞培養サンプルに由来する。いくつかの実施形態では、細胞培養サンプルは宿主細胞を含み、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または大腸菌細胞である。
【0047】
いくつかの実施形態では、本方法は、サンプル処理工程をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、加水分解酵素活性速度の低下は少なくとも約20%である
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の加水分解酵素活性速度を決定することをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0052】
別の態様では、本明細書に記載の方法から得られる医薬組成物が提供される。
【0053】
別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が12ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0054】
別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解活性の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、貯蔵寿命が、前記文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも3ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解の速度は、少なくとも約20%低下している
【0056】
別の態様では、抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベートの分解が低下しており、前記分解が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低減している、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0057】
別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間50%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0058】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、
【0059】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0060】
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲および趣旨内で可能であることを認識するだろう。本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は、本開示の範囲または趣旨を、そこに記載されている特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1A-1E】図1A~1Eは、本明細書に記載の例示的な精製プラットフォームの概略図を示す。
【0062】
図2図2は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【0063】
図3図3は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【0064】
図4図4は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【0065】
図5図5は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【0066】
図6図6は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【0067】
図7図7は、例示的な精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性(対照に対して正規化したもの)の棒グラフを示す。加水分解活性速度は、FAMSアッセイを用いて測定した。
【発明を実施するための形態】
【0068】
詳細な説明
本出願は、いくつかの態様では、標的を含むサンプルから標的を精製する方法であって、サンプルを、1以上の深層濾過工程および/または1以上の疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程および/または1以上のマルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程を含む本明細書に開示される精製プラットフォームに供することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、精製された標的は、医薬組成物に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、標的は、組換えポリペプチドなどのポリペプチド、例えば抗体部分である。
【0069】
本開示は、少なくとも部分的には、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1つ以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含む精製プラットフォームは、1つ以上の深層濾過工程および/または1つ以上のHIC工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない精製プラットフォームから得られる組成物と比較して、そこから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させることを示す予想外の知見に基づく。予想外の所見は、本明細書に記載の精製プラットフォームが宿主細胞によって産生された標的を精製するのに特に有用であることを実証した。本明細書で考察するように、宿主細胞加水分解酵素を含む特定の宿主細胞タンパク質および不純物は、標的と共精製する傾向があり得る。そのような宿主細胞加水分解酵素は、その組成物を調製および製剤化するのに有用な標的および/または標的に添加された添加剤を分解し得る。本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中の加水分解酵素活性速度の低下が実証されたことにより、標的の組成物に含まれる添加剤、例えば界面活性剤、例えばポリソルベートが宿主細胞不純物によって分解されないことが保証され、それにより標的の安定性および組成物の貯蔵寿命が改善される。
【0070】
したがって、いくつかの態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供給することを含み、それにより、深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0071】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0072】
他の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0073】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0074】
別の態様では、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程および深層濾過工程の一方または両方を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程および/または MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0075】
他の態様では、本明細書に記載の方法から得られる医薬組成物が本明細書で提供される。
【0076】
別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が12ヶ月を超える、製剤化された抗体部分が本明細書で提供される。
【0077】
別の態様では、別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、貯蔵寿命が、前記文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも3ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0078】
別の態様では、抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、製剤化された抗体部分組成物はポリソルベートの分解が低下しており、分解が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約50%低減している、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0079】
別の態様では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間50%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0080】
本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施態様の形態および詳細の変更を行い得ることも当業者には理解されよう。さらに、様々な実施態様を参照して様々な利点、態様、および目的を説明したが、本開示の範囲は、そのような利点、態様、および目的を参照することによって限定されるべきではない。
【0081】
I.定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合にはいつでも、単数形で使用される用語は、複数形も含み、その逆に、複数形で使用される用語は、単数形も含む。以下に記載されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれているいずれかの文献と矛盾する場合には、以下に記載される定義が優先するものとする。
【0082】
「抗体部分」という用語は、全長抗体およびその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原結合を担う。両方の鎖の可変領域は、一般に、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの高度に可変なループを含む(LC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む軽鎖(LC)CDR、HC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含む重鎖(HC)CDR)。本明細書に開示される抗体および抗原結合断片のCDR境界は、Kabat、Chothia、またはAl-Lazikani(Al-Lazikani 1997;Chothia 1985;Chothia 1987;Chothia 1989;Kabat 1987;Kabat 1991)の慣例によって定義または同定され得る。重鎖または軽鎖の3つのCDRは、CDRよりも高度に保存されており、超可変ループを支持するための足場を形成するフレームワーク領域(FR)として公知の隣接するストレッチの間に介在する。重鎖および軽鎖の定常領域は抗原結合に関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り当てられる。抗体の5つの主要なクラスまたはアイソタイプは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMであり、それぞれα、δ、ε、γおよびμ重鎖の存在を特徴とする。主要な抗体クラスのいくつかは、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、IgA1(α1重鎖)、またはIgA2(α2重鎖)などのサブクラスに分けられる。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、半合成抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分はダイアボディである。いくつかの実施形態では、抗体部分はヒト化抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、融合タンパク質に連結される。いくつかの実施形態では、抗体部分は、インターロイキンなどの免疫刺激タンパク質に結合している。いくつかの実施形態では、抗体部分は、血液脳関門を通過する侵入を促進するタンパク質に連結される。
【0083】
本明細書で使用される「抗原結合断片」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖抗体分子(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRを含む抗体の一部から形成された多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、または抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む抗体断片を指す。抗原結合断片は、親抗体または親抗体断片(例えば、親scFv)が結合する同じ抗原に結合し得る。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、1つ以上の異なるヒト抗体由来のフレームワーク領域にグラフトされた特定のヒト抗体由来の1つ以上のCDRを含み得る。
【0084】
「キメラ抗体」という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または相同である一方で、鎖(複数可)の残りが、別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または相同である抗体を指し、ならびにそれらが所望の生物学的活性を呈する限り、そのような抗体の断片を含む(例えば、米国特許第4,816,567号およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851~6855(1984)を参照されたい)。
【0085】
「多重特異性抗体」という用語は、本明細書で使用するとき、少なくとも2つの異なる部位、すなわち、異なる抗原上の異なるエピトープまたは同じ抗原上の異なるエピトープに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体を指す。特定の態様では、多重特異性抗体は2つの結合特異性を有する(二重特異性抗体)。ある特定の態様では、多重特異性抗体は3つ以上の結合特異性を有する。多重特異性抗体は、全長抗体または抗体断片として調製し得る。
【0086】
抗体または抗体部分に関して「半合成」という用語は、抗体または抗体部分が1つ以上の天然に存在する配列および1つ以上の非天然に存在する(すなわち、合成)配列を有することを意味する。
【0087】
「Fv」とは、完全な抗原認識および抗原結合部位を含む最小抗体断片である。この断片は1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインが、非共有結合で緊密に結合した二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みにより、抗原結合のためのアミノ酸残基を提供し、かつ抗原結合特異性を抗体に与える6つの超可変ループ(重鎖および軽鎖から各3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的なCDRを3つのみ含むFvの半分)でさえも、全結合部位よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識してそれに結合する能力を有する。
【0088】
「sFv」または「scFv」とも略される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これにより、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することが可能になる。scFvに関する概説については、例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,RosenburgおよびMoore編,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
【0089】
「ダイアボディ」という用語は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間の対合が達成され、二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片をもたらすように、VHドメインとVLドメインとの間にscFv断片(前段落を参照のこと)を短いリンカー(約5~10個の残基)で構築することによって調製された小さい抗体断片を指す。二重特異性ダイアボディは、2つの抗体のVHおよびVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する2つの「交差」scFv断片のヘテロ二量体である。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号、およびHollingerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)にさらに詳述されている。
【0090】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒト抗体に由来する配列を最小限含むキメラ抗体である。大部分は、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の抗体特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一部の場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)の残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに洗練させるために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのうちの実質的に全てを含み、超可変ループのうちの全て、または実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRのうちの全て、または実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFRである。ヒト化抗体はまた、任意選択で免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分も含む。さらなる詳細については、例えば、Jonesら、Nature、321:522~525(1986)、Riechmannら、Nature332:323~329(1988)、およびPresta、Curr.Op.Struct.Biol.2:593~596(1992)を参照されたい。
【0091】
本明細書で使用される「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、および「含む(including)」という用語、ならびにそれらの文法的同等物は、これらの単語のいずれか1つに続く1つ以上の項目が、そのような1つ以上の項目の網羅的な列挙であることを意味しないか、列挙された1つ以上の項目のみに限定されることを意味しないという点で、意味において同等であり、オープンエンドであることを意図している。例えば、構成要素A、B、およびCを「含む」物品は、構成要素A、B、およびCからなり(すなわち、のみを含有する)得るか、または構成要素A、B、およびCだけでなく1つ以上の他の構成要素も含むこともできる。したがって、「含む(comprises)」およびその類似の形態、ならびにその文法上の等価物は、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
【0092】
値の範囲が提供される場合、文脈上明確に指示されない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在値は、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、本開示内に包含されることが理解される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それら包含される限界のいずれかまたは両方を除いた範囲もまた、本開示に含まれる。
【0093】
本明細書における値またはパラメータへの「約」という言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変形を含む(かつ記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。
【0094】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a(1つの)」、「or(または)」、および「the(その)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0095】
II.精製プラットフォームおよびその工程
いくつかの態様では、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のマルチモーダル疎水性相互作用クロマトグラフィー/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程を含む、サンプルから標的を精製するために設計された精製プラットフォームが本明細書で提供される。記載された精製プラットフォームは、深層濾過工程および/またはHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まないサンプルの精製と比較して、加水分解酵素活性速度が低下した精製組成物を得るのに有用である。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、深層濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、深層濾過工程およびHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1以上の追加の工程をさらに含み、各工程は、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程、捕捉工程、ウイルス濾過工程、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程、およびコンディショニング工程から選択される。
【0096】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、標的を含むサンプルから標的を任意の程度まで精製するためのワークフローを表す。本開示のいくつかの例では、精製プラットフォームの構成要素および特徴、ならびにその使用方法の説明は、モジュール方式で提供される。当業者は、そのような開示が本出願の範囲を限定することを意味するものではなく、本開示が本明細書の記載に包含される精製プラットフォームまたはその特徴の多数の配置を包含することを容易に理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、特定の種類のクロマトグラフィー媒体は、クロマトグラフィー媒体の属を含むものとしての精製プラットフォームの記載に包含されると容易に理解され得る。本明細書に包含される精製プラットフォームの特定の特徴および実施形態、例えばその工程を実施するための方法は、PCT/US2020/031164に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
さらに、当業者は、本明細書に記載の特定のクロマトグラフィー媒体が、媒体と標的などの成分との相互作用を規定する2つ以上の異なる特徴を有し得ることを認識するであろう。例えば、マルチモーダルHIC/IEXクロマトグラフィー媒体は、疎水性相互作用特徴および静電相互作用特徴の両方を有するリガンドを有し得る。以下の項におけるクロマトグラフィー媒体の説明は、その上に存在し得る特徴の種類を限定しない。
【0098】
A.深層濾過工程
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、深層濾過工程を含む。本明細書に記載されるように、深層濾過工程は、精製プラットフォーム内の1つ以上の位置のいずれかに配置し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上の深層濾過工程、例えば2、3、4、または5つの深層濾過工程のいずれかを含む。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は直接連続して実施されない、すなわち、深層濾過工程の間に精製プラットフォームの何らかの介在工程が実施されない。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は同じである。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は異なり、例えば、異なるデプスフィルタの使用を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、精製プラットフォームの別の態様と組み合わせてロード濾過として使用される。いくつかの実施形態では、「深層濾過工程」における「工程」という用語の使用は、精製プラットフォームの深層濾過特徴が別の特徴と直接組み合わされる、例えば深層濾過溶出液が精製プラットフォームの後続の特徴または工程に直接流れる精製プラットフォームを除外しない。
【0100】
デプスフィルタを介した処理に関連するものを含む深層濾過工程は、当技術分野で知られている。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Yigzawら、Biotechnol Prog,22,2006,およびLiuら,mAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、深層濾過工程の実施に関与する成分、条件、および試薬を理解するであろう。
【0101】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、デプスフィルタを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、細胞成分および残屑などのサンプルの一部を保持し得る多孔質濾過媒体を含み、濾過は、例えば、フィルタ材料の深度内で実施される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、合成材料、非合成材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、ポリアクリル繊維、凝集樹脂、合成粒子、イオン荷電樹脂、および灰組成物のうちの1以上を含む基材を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは珪藻土を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは陰イオン交換媒体を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは疎水性相互作用媒体を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタの基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、第四級アミン表面改質(第四級アンモニウム、Q官能性など)、グアニジニウム表面改質、陽イオン性表面改質、陰イオン性表面改質、および疎水性改質の1以上である。いくつかの実施形態では、表面改質は、標的などの別の成分との相互作用を促進するように設計された1以上の特徴を有するリガンドを含み、そのような特徴は、例えば、水素結合、親水性相互作用、疎水性相互作用、およびイオン性相互作用(陽イオンおよび陰イオン)に関与する部分を含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、所定のpHまたはその範囲で実施されるように構成され、例えば、投入材料は所定のpHまたはその範囲を有する。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約4.5~約9.5、例えば、約4.5~約7、約5~約6、約5~約5.5、約7~約9.5、約4.5~約9、約5~約8.5、または約7.5~約8.5のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、例えば、投入材料が少なくとも約4.5のpH、例えば少なくとも約4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、または9.5のいずれかを有するときに実行されるように構成される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約9.5未満、例えば約9.4、9.3、9.2、9.1、9、8.9、8.8、8.7、8.6、8.5、8.4、8.3、8.2、8.1、8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5のいずれかより低いpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、または9.5のいずれかのpHを有するときに実行されるように構成される。
【0103】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ、PDD1デプスフィルタ、PDE1デプスフィルタ、PDH5デプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZAデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZBデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)DELIデプスフィルタ、およびZETA PLUS(商標)DELPデプスフィルタからなる群から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、ポリアクリル系繊維の有無にかかわらず、シリカ濾過助剤などのシリカ材料を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは2層以上の濾材を含み、第1の層はシリカ濾過助剤などのシリカ材料を含み、第2の層はポリアクリル繊維パルプなどのポリアクリル繊維を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、合成材料を含むデプスフィルタであり、珪藻土および/またはパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはX0SPデプスフィルタである。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはD0SP深度フィルタである。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはC0SPデプスフィルタである。
【0105】
いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は沈降シリカ濾過助剤である。いくつかの実施形態では、濾過助剤は、フィルタ機能の実行を助ける層などのフィルタの一態様である。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤はシリカゲル濾過助剤である。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は、pH7でイオン化された約50%のシラノールを有する。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤はシリカゲル濾過助剤であり、シリカ濾過助剤のシラノールの約50%がpH7でイオン化される。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は、SIPERNAT(登録商標)(Evonik Industries AG)などのシリカ、またはKieseigel 60(Merck KGaA)などのシリカゲルから沈殿する。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維は、不織ポリアクリル系繊維パルプである。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維は電界紡糸ポリアクリルナノファイバーである。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維のフィブリル化度は、約10mL~約800mLのカナダ標準ろ水度(CSF)と相関する。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、約0.05μm~約0.2μm、例えば約0.1μmの孔径を有する。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、約0.1m~約1.5m、例えば約0.11m,約0.55m,0.77m、または約1.1mの表面積を有する。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、珪藻土および/またはパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、濾材の2つの層を含み、第1の層は、pH7でイオン化された約50%のシラノールを有するシリカ濾過助剤を含み、第2の層は、約10mL~約800mLのカナダ標準ろ水度(CSF)と相関するポリアクリル系繊維のフィブリル化度を有するポリアクリル系繊維パルプを含み、デプスフィルタは珪藻土を含まない。
【0106】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、シリカ濾過助剤などのシリカと、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約4.5~約8、約5~約6、約5.3~約5.7、または約7.3~約7.7のpHを有するときに実行されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、シリカ濾過助剤などのシリカと、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が少なくとも約4.5、例えば少なくとも約4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、シリカ濾過助剤などのシリカと、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約8未満、例えば約7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、or 4.5のいずれか未満のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、シリカ濾過助剤などのシリカと、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。
【0107】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料と、マルチゾーン微多孔膜とを含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、ヒドロゲルQ官能化不織布材料および9ゾーン微多孔膜を含む4つの層を含む。いくつかの実施形態では、不織布材料はポリプロピレンを含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、合成材料を含むデプスフィルタであり、珪藻土および/またはパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ、例えばEMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタである。
【0108】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、複数の構成要素または層を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、陰イオン交換(AEX)官能性ポリマーを含む1つ以上の層を含む複数の層を含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、Q官能性ヒドロゲルなどの第四級アンモニウム(Q)を含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、不織布物品と会合した第四級アンモニウム(Q)官能性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、微細繊維ポリプロピレン不織布足場に共有結合的にグラフト化された第四級アンモニウム(Q)官能性ヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、約0.05μm~約0.3μm、例えば約0.22μmの孔径を有する9ゾーン膜を含むマルチゾーン膜を含む層を含む複数の層を含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは珪藻土を含まない。
【0109】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタなどのヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7~約9.5、例えば約7.5~約8.5または約7.8~約8.2のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、EMPHAZE(商標)デプスなどのヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が少なくとも約7、例えば少なくとも約7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、または9.5のいずれかのpHで実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタなどのヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約9.5未満、例えば約9.4、9.3、9.2、9.1、9、8.9、8.8、8.7、8.6、8.5、8.4、8.3、8.2、8.1、8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、または7のいずれか未満のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタなどのヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、または9.5のいずれかのpHを有するときに実行されるように構成される。
【0110】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料、およびGu(グアニジニウム)官能化膜を含む。いくつかの実施形態では、Q官能化不織布材料は、1以上、例えば、1、2、または3つのいずれかの層で構成される。いくつかの実施形態では、Gu官能化膜は、1以上、例えば、1、2、3または4つのいずれかの層で構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q官能化不織布材料の3つの層、およびGu官能化膜の4つの層を含む。いくつかの実施形態では、不織布材料はポリプロピレンを含む。いくつかの実施形態では、Gu官能化膜はポリアミド膜である。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはPolisher STデプスフィルタである。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q官能化不織布材料、およびPolisher STデプスフィルタなどのGu官能化膜を含み、デプスフィルタを使用するデプスフィルタ処理工程は、例えば、投入材料が約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、または9.0のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。
【0111】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料、およびPolisher STデプスフィルタなどのGu(グアニジニウム)官能化膜を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約4.5~約9、例えば約5~約8または約7~約9のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料、およびPolisher STデプスフィルタなどのGu(グアニジニウム)官能化膜を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が、少なくとも約4.5、例えば少なくとも約4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、または9.0のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料、およびPolisher STデプスフィルタなどのGu(グアニジニウム)官能化膜を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約9.0未満、例えば約8.9、8.8、8.7、8.6、8.5、8.4、8.3、8.2、8.1、8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5.0、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5のいずれか未満のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、Q(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料、およびPolisher STデプスフィルタなどのGu(グアニジニウム)官能化膜を含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、または9.0のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。
【0112】
いくつかの実施形態では、デプスフィルタは、セルロース繊維、珪藻土、およびパーライトを含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは2つの層を含み、各層はセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスは、珪藻土またはパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸されている。いくつかの実施形態では、デプスフィルタは2つの層を含み、各層はセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスは珪藻土またはパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸され、各層は樹脂バインダーをさらに含む。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはPDD1デプスフィルタである。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはPDE1デプスフィルタである。いくつかの実施形態では、デプスフィルタはPDH5デプスフィルタである。
【0113】
B.HIC工程
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、HIC工程を含む。本明細書に記載されるように、HIC工程は、精製プラットフォーム内の任意の1つ以上の位置に配置し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上のHIC工程、例えば2、3、4、または5つのHIC工程のいずれかを含む。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は直接連続して実施されない、すなわち、HIC工程の間に実施される精製プラットフォームの何らかの介在工程を伴わずに実施されない。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は同じである。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は異なり、例えば、異なるHIC媒体の使用を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、精製プラットフォームの別の態様と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、「HIC工程」における「工程」という用語の使用は、精製プラットフォームのHIC特徴が別の特徴と直接組み合わされる、例えば溶離液がHIC特徴に直接流れる精製プラットフォームを除外しない。いくつかの実施形態では、HIC工程は、MM-HIC/IEXなどのHIC特徴を含むマルチモーダルクロマトグラフィー媒体を含む、HIC特徴を含むクロマトグラフィー媒体を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、HICカラムおよび/またはHIC膜などのHIC媒体を介した処理を含む。HIC媒体を介した処理に関与するものを含むHIC工程は、当技術分野で知られている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、例えば、HIC工程に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。
【0116】
HIC工程は、HIC媒体の疎水性リガンドとサンプルの成分、例えば標的または非標的成分との間の疎水性相互作用に基づく分離を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、高塩条件を使用して標的の溶媒和を減少させ、それによって疎水性領域を露出させ、次いでこれをHIC媒体と相互作用させ得る。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、不活性マトリックス、例えば架橋アガロース、セファロースまたは樹脂マトリックスなどの基質を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体の基材の少なくとも一部は、疎水性リガンドを含む表面改質を含む。いくつかの実施形態では、HICリガンドは、約1~18個の炭素を含むリガンドである。いくつかの実施形態では、HICリガンドは、1個以上の炭素、例えば2個以上の炭素、3個以上の炭素、4個以上の炭素、5個以上の炭素、6個以上の炭素、7個以上の炭素、8個以上の炭素、9個以上の炭素、10個以上の炭素、11個以上の炭素、12個以上の炭素、13個以上の炭素、14個以上の炭素、15個以上の炭素、16個以上の炭素、17個以上の炭素、または18個以上の炭素のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、HICリガンドは、1個の炭素、2個の炭素、3個の炭素、4個の炭素、5個の炭素、6個の炭素、7個の炭素、8個の炭素、9個の炭素、10個の炭素、11個の炭素、12個の炭素、13個の炭素、14個の炭素、15個の炭素、16個の炭素、17個の炭素、または18個の炭素のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、疎水性リガンドは、エーテル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、およびポリプロピレングリコール基からなる群から選択される。いくつかの態様では、HIC媒体は疎水性電荷誘導クロマトグラフィー媒体である。
【0117】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、所定のpHまたはその範囲で実施されるように構成され、例えば、投入材料は所定のpHまたはその範囲を有する。いくつかの実施形態では、HIC工程は、例えば、投入材料が約4.5~約7、例えば約5~約6、約5~約5.5、または約5.3~約5.7のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、例えば、投入材料が少なくとも約4.5、例えば少なくとも約4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、例えば、投入材料が約7未満、例えば約6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5のいずれか未満のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、例えば、投入材料が約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC媒体を介した処理を含み、HIC媒体を介した処理は、結合溶出モードで実施される(すなわち、HIC工程は結合および溶出モードのHIC工程である)。いくつかの実施形態では、塩濃度を低下させ、界面活性剤濃度を上昇させ、および/またはpHを調整した水性緩衝液による段階的溶出を使用して、標的ポリペプチドをHIC媒体から溶出する。
【0119】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC媒体を介した処理を含み、HIC媒体を介した処理は、フロースルーモードで実施される(すなわち、HIC工程はフロースルーモードHIC工程である)。いくつかの実施形態では、HIC膜またはHICカラムを介した処理は、低塩条件を使用して実施され、例えば、HICコンディショニング塩などの塩は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に添加されない。例えば、いくつかの実施形態では、HIC工程は、HICコンディショニング塩などの塩の添加による導電率調整を含まない。いくつかの実施形態では、HICコンディショニング塩は、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、またはHICのロードを調整するために使用される任意の他の塩の1以上を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、平衡緩衝液および約4.5~約6、例えば約5または約6のpHで酢酸ナトリウムを含む洗浄緩衝液を使用して実施されるフロースルーモードHIC工程である。
【0120】
いくつかの実施形態では、HIC膜またはHICカラムなどのHIC媒体は、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow(フェニル-SFF)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow Hi-sub(フェニル-SFF HS)、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650、Poros(商標)Benzyl Ultra、およびSartobind(登録商標)フェニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650は、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650Mである。いくつかの実施形態では、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650は、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650Cである。いくつかの実施形態では、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650は、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650Sである。
【0121】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は、基材に結合したポリエチレンイミン(PEI)リガンド上の窒素に共有結合したプロピル基を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体はBakerbond WP HI-Propyl(商標)である。いくつかの実施形態では、基材は粒子であり、粒子は40μmの平均サイズを有する(例えば、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)C3)。
【0122】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む。いくつかの実施形態では、アガロースビーズは90μmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow(Phenyl SFF)である。本明細書に記載されるように、Phenyl SFFへの一般的な言及は、特に明記しない限り、Sepharose(登録商標)Fast Flow Low Sub(Phenyl SFF LS)およびSepharose(登録商標)Fast Flow High Sub(Phenyl SFF HS)のいずれをも含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、約20μmolフェニル/mL媒体または約25μmolフェニル/mL媒体等の、約15μmolフェニル/mL~約30μmolフェニル/mL媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow Low Sub(Phenyl SFF LS)である。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、約40μmolフェニル/mL媒体または約45μmolフェニル/mL媒体等の、約35μmolフェニル/mL~約50μmolフェニル/mL媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow High Sub(Phenyl SFF HS)である。
【0123】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は、C6基(ヘキシル)と結合した、孔径が100nmのポリメタクリレート系材料を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、100μmの平均サイズおよび100nmの平均細孔サイズを有するポリメタクリレート系粒子(例えば、トヨパール(登録商標)ヘキシル-650C)を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、65μmの平均サイズおよび100nmの平均細孔サイズを有するポリメタクリレート系粒子(例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650M)を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、35μmの平均サイズおよび100nmの平均細孔サイズを有するポリメタクリレート系粒子(例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650S)を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズを含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体はPoros(商標)Benzyl Ultraである。
【0125】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は、疎水性リガンドを含む膜吸着体である。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、Sartobind(登録商標)フェニルである。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、安定化強化細胞フィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートされたフェニル部分を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約4.5~約7、約5~約6、または約5.3~約5.7のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、安定化強化細胞フィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートされたフェニル部分を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が少なくとも約4.5、例えば少なくとも約4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、安定化強化細胞フィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートされたフェニル部分を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約7未満、例えば約6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5のいずれか未満のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、安定化強化細胞フィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートされたフェニル部分を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7のいずれかのpHを有するときに実施されるように構成される。
【0126】
C.イオン交換クロマトグラフィー工程
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程を含む。本明細書に記載されるように、IEXクロマトグラフィー工程は、精製プラットフォーム内の任意の1つ以上の位置に配置し得る。いくつかの実施形態では、1以上のIEXクロマトグラフィー工程は、2、3、4、または5つのIEXクロマトグラフィー工程のいずれかなど、プロセスワークフローの任意の段階における1以上の位置を含む。精製プラットフォームが2以上のIEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は、直接連続して実施されない、すなわち、IEXクロマトグラフィー工程の間に精製プラットフォームの何らかの介在工程は実施されない。精製プラットフォームが2以上のIEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は同じである。精製プラットフォームが2以上のIEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は異なり、例えば、異なるIEXクロマトグラフィー媒体の使用を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は、精製プラットフォームの別の態様との組み合わせで使用される。いくつかの実施形態では、「IEXクロマトグラフィー工程」における「工程」という用語またはそれに包含される用語の使用は、精製プラットフォームのIEXクロマトグラフィーの特徴が別の特徴と直接組み合わされ、例えば、溶出液がIEXクロマトグラフィーフィーチャに直接流れる精製プラットフォームを除外しない。
【0128】
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は、IEXカラムおよび/またはIEX膜などのIEXクロマトグラフィー媒体を介した処理を含む。ポリペプチドIEXクロマトグラフィー工程の処理に関与するものを含むIEXクロマトグラフィー工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、例えば、IEXクロマトグラフィー工程に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。
【0129】
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は、結合溶出モードで実施される(すなわち、IEXクロマトグラフィー工程は結合溶出モードのIEXクロマトグラフィー工程である)。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程はフロースルーモードで実施される(すなわち、IEXクロマトグラフィー工程はフロースルーモードIEXクロマトグラフィー工程である)。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程は、過負荷ポリペプチド精製工程で実施される(すなわち、IEXクロマトグラフィー工程は、過負荷モードIEXクロマトグラフィー工程である)。
【0130】
IEXクロマトグラフィー工程により、IEXクロマトグラフィー媒体のリガンドとサンプルの成分、例えば、標的または非標的成分との間の静電相互作用(陰イオンおよび陽イオン)に基づく分離が可能になる。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は、陽イオン交換(CEX)媒体および/または特徴を含む。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は強力なCEX媒体および/または特徴を含む。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は、弱いCEX媒体および/または特徴を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は、陰イオン交換(AEX)媒体および/または特徴を含む。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は、強いAEX媒体および/または特徴を含む。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体は、弱いAEX媒体および/または特徴を含む。
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体はマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー媒体である。
【0132】
MMIEXクロマトグラフィー媒体は、陽イオン交換成分および/または特徴、ならびに陰イオン交換成分および/または特徴の両方を含む。いくつかの実施形態では、MMIEX媒体は、マルチモーダル陰イオン/陽イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー媒体である。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー媒体はセラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー媒体である。
いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィーカラム媒体またはIEXクロマトグラフィー膜などのIEXクロマトグラフィー媒体は、スルホプロピル(SP)Sepharose(登録商標)Fast Flow(SPSFF)、第四級アンモニウム(Q)Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)、SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)、Streamline(商標)SPXL、ABx(商標)(MM-AEX/CEX媒体)、Poros(商標)XS、Poros(商標)50HS、ジエチルアミノエチル(DEAE)、ジメチルアミノエチル(DMAE)、トリメチルアミノエチル(TMAE)、第四級アミノエチル(QAE)、メルカプトエチルピリジン(MEP)-Hypercel(商標)、HiPrep(商標)QXL、Q Sepharose(登録商標)XL、およびHiPrep(商標)SP XLからなる群から選択される。
【0133】
いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー媒体は、第4級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含む。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー媒体は強陰イオン交換媒体である。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー媒体は、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)である。
【0134】
いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は強陽イオン交換媒体である。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)である。
【0135】
いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基で修飾されたアガロースマトリックスに共有結合したデキストラン鎖を有する架橋6%アガロースビーズを含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は強陽イオン交換媒体である。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体はSP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)である。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、Streamline(商標)SPXLである。
【0136】
いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含む。いくつかの実施形態では、平均粒径は50μmである。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は強陽イオン交換媒体である。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体はPoros(商標)XSである。
【0137】
いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含む。いくつかの実施形態では、平均粒径は50μmである。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体は強陽イオン交換媒体である。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー媒体はPoros(商標)50HSである。
【0138】
いくつかの実施形態では、MM-AEX/CEXクロマトグラフィー媒体は、混合モード陰イオン/陽イオン交換体を含むシリカゲル固相粒子を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲル固相粒子は、約45μm~約65μmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、MM-AEX/CEXクロマトグラフィー媒体はBakerbond ABx(商標)である。
【0139】
D.マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程を含む。
【0140】
本明細書に記載されるように、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、精製プラットフォーム内の任意の1以上の位置に配置し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程、例えば2、3、4、または5つのMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程のいずれかを含む。精製プラットフォームが2以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、直接連続した順序で、すなわち、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程の間に実施される精製プラットフォームの何らかの介在工程なしでは実施されない。精製プラットフォームが2以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、2以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は同じである。精製プラットフォームが2以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含むいくつかの実施形態では、2以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は異なり、例えば、異なるMM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体の使用を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、精製プラットフォームの別の態様との組み合わせで使用される。いくつかの実施形態では、「MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程」における「工程」という用語の使用は、精製プラットフォームのMM-HIC/IEXクロマトグラフィーの特徴が別の特徴と直接組み合わされる、例えば、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程と組み合わせてデプスフィルタがロードフィルタに使用される精製プラットフォームを除外しない。
【0142】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体は、陰イオン交換(AEX)材料および/または特徴(例えば、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー媒体)を含む。いくつかの実施形態では、AEX材料および/または特徴は、強い陰イオン交換材料および/または特徴である。いくつかの実施形態では、AEX材料および/または特徴は、弱い陰イオン交換材料および/または特徴である。
【0143】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体は、陽イオン交換材料および/または特徴(例えば、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー媒体)を含む。いくつかの実施形態では、CEX材料および/または特徴は、強い陰イオン交換材料および/または特徴である。いくつかの実施形態では、CEX材料および/または特徴は、弱い陰イオン交換材料および/または特徴である。
【0144】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/IEXクロマトグラフィーカラムまたはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー膜を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィーカラムまたは膜は、MM-HIC/IEXリガンドを含む不活性媒体を含む。いくつかの実施形態では、不活性媒体は、剛性アガロースベースのマトリックス、例えばアガロース粒子である。
【0145】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)Adhere、Capto(商標)Adhere ImpRes、Capto(商標)MMCまたはCapto(商標)MMC ImpResを介した処理を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー媒体は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体である。いくつかの実施形態では、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドは、水素結合、疎水性相互作用、および静電相互作用(陰イオンとの)を含むタンパク質相互作用が可能である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー媒体は、Capto(商標)Adhereである。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー媒体はCapto(商標)Adhere ImpResである。
【0147】
いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー媒体は、N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体である。いくつかの実施形態では、N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドは、疎水性相互作用、水素結合、チオフィリック相互作用、および静電相互作用(陽イオン)を含むタンパク質相互作用が可能である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー媒体はCapto(商標)MMCである。いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー媒体はCapto(商標)MMC ImpResである。
【0148】
E.捕捉工程
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは捕捉工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の捕捉工程は、抗体などの標的またはその一部に特異的に結合するために固定化リガンドを利用するアフィニティークロマトグラフィーの使用を含む。
【0149】
例えば、アフィニティークロマトグラフィーを介した処理に関与するものを含む捕捉工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、捕捉工程の実施に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。
【0150】
いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィーおよびカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される。いくつかの態様では、アフィニティークロマトグラフィーは、アフィニティー媒体、例えばプロテインAまたはその一部などのアフィニティーリガンドが固定化された不活性マトリックスの使用を含む。いくつかの実施形態では、アフィニティーリガンドは、プロテインAまたはその一部である。いくつかの実施形態では、プロテインAは組換えプロテインAである。いくつかの実施形態では、プロテインAは天然のプロテインAである。いくつかの実施形態では、プロテインAは、プロテインA誘導体、例えばプロテインA配列に基づいて設計され、アミノ酸の付加、欠失および/または置換などの特定の修飾を有するポリペプチドである。いくつかの実施形態では、不活性マトリックスは、シリカ系フィルタまたは粒子などのシリカ系不活性マトリックスである。いくつかの実施形態では、不活性マトリックスはアガロース系マトリックス、例えばアガロース粒子である。いくつかの実施形態では、不活性マトリックスは、有機ポリマー粒子などの有機ポリマー系マトリックスである。
【0151】
いくつかの実施形態では、捕捉工程は、アフィニティークロマトグラフィーを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程はプロテインAクロマトグラフィーを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、結合溶出モードで実施される。
【0152】
いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィー媒体は、MabSelect(商標)、MabSelect SuRe(商標)、MabSelect SuRe(商標)LX、MabSelect Xtra(商標)、MabSelect(商標)PrismA、ProSep(登録商標)-vA、Prosep(登録商標)-vA Ultra、プロテインA Sepharose(登録商標)Fast Flow、Poros(登録商標)AおよびMabCapture(商標)からなる群から選択される。
【0153】
いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィー媒体は、アルカリに特に感受性のアミノ酸は、アルカリ環境においてより安定な残基で置換されている、剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定化プロテインA由来リガンドを含む。いくつかの実施形態では、マトリックスは球状粒子である。いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィー媒体はMabSelect SuRe(商標)である。
【0154】
いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィー媒体は、剛性高流量アガロースマトリックスと、アルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドとを含む。いくつかの実施形態では、マトリックスは球状粒子である。いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィー媒体はMabSelect(商標)PrismAである。
【0155】
F.ウイルス濾過工程
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはウイルス濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、1以上の精製工程の後に実施される。
【0156】
ウイルス濾過工程の処理に関与するものを含むウイルス濾過工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010、および米国特許出願公開第20140309403号を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、捕捉工程の実施に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。
【0157】
いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、ウイルスフィルタを介した処理を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスフィルタは、エンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの両方を保持する孔径を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスフィルタの孔径は、標的ウイルスのサイズに基づく。
【0158】
G.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、UF/DF工程は、IEXクロマトグラフィー工程、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程、HIC工程、深層濾過工程などの精製プラットフォームの工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、UF/DF工程は、ウイルス濾過工程の後に実施される。
【0159】
UF/DF工程の処理に関与するものを含むUF/DF工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、UF/DF工程の実施に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。いくつかの実施形態では、UF/DF工程は、限外濾過を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、UF/DF工程は、接線流濾過(TFF)モードで実施される。いくつかの実施形態では、UF/DF工程は、高性能接線流濾過などの接線流濾過を介した処理を含む。
【0160】
H.コンディショニング工程
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはコンディショニング工程を含む。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、精製プラットフォームから得られたサンプルまたは組成物をさらなる処理に供する前に、精製プラットフォームから得られたサンプルまたは組成物の特徴または特性を調整することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、pHを調整することを含む。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、温度を調整することを含む。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、緩衝液または塩濃度を調整することを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、深層濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、HIC工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、ウイルス濾過工程の前に実施される。
【0162】
コンディショニング工程は、コンディショニング工程のための処理に関与するものを含めて、当該技術分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。最新技術および本明細書の開示に基づいて、当業者は、コンディショニング工程の実施に関与する成分、条件および試薬を理解するであろう。
【0163】
I.例示的な精製プラットフォーム
いくつかの態様では、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含み、精製プラットフォームは、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない精製プラットフォームと比較して、加水分解酵素活性速度が低下した組成物を得ることが可能な、サンプルから標的を精製するための精製プラットフォームが本明細書で提供される。いくつかの態様では、加水分解酵素活性速度の低下は、少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、85%、90%、または95%のいずれかである。
【0164】
いくつかの態様では、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および深層濾過工程を含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程および/またはUF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程またはUF/DF工程の直前である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、IEXクロマトグラフィー工程と連続的であるか、またはIEXクロマトグラフィー工程の直後である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ上にX0SPデプスフィルタを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程をさらに含む。記載された精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Aに示し、以下により詳細に記載する。
【0165】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程;(c)AEXクロマトグラフィー工程;(d)深層濾過工程;(e)ウイルス濾過工程;および(f)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー工程は、第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカ、および/またはポリアクリル系繊維、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタを含むデプスフィルタを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)シリカ濾過助剤などのシリカ、および/または例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、もしくはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維を含むデプスフィルタを含む、深層濾過工程と、UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカ、および/またはポリアクリル繊維、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタ等のデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば投入材料が約5~約6.5、例えば、約5~約5.5または約5.8~約6.2のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0167】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)ハイドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含む深層濾過工程と;ウイルス濾過工程と;UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0168】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)安定化強化セルロースフィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートさせたフェニル部分を含むHIC媒体を含むHIC工程と;ウイルス濾過工程と;UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0169】
いくつかの態様では、捕捉工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む。記載された精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Bに示し、以下により詳細に説明する。
【0170】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)捕捉工程;(b)MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程;および(c)HIC工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体、例えばToyopearl(登録商標)Hexyl-650Cを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含むHIC工程とを含む精製プラットフォームが提供される。
【0172】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0173】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0174】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含むHIC工程とを含む精製プラットフォームが提供される。
【0175】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0176】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)捕捉工程;(b)MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;(c)HIC工程;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体を含み、この媒体は、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む捕捉工程であって、捕捉工程が結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体を含む媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒を含むHIC工程と;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0179】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0180】
いくつかの実施形態では、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0181】
いくつかの実施形態では、順に(a)捕捉工程;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用するMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;および(c)HIC工程を有する精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定化プロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体(アルカリに特に感受性のアミノ酸は、アルカリ環境下で安定な残基で置換されたもの)、例えば、MabSelect SuRe(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はフロースルーモードHIC工程である。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体を含み、この媒体は、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約6のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0182】
いくつかの実施形態では、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックス、およびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、フロースルーモードHIC工程である、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約5.5、例えば約5.0のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0183】
いくつかの実施形態では、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックス、およびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)フロースルーモードHIC工程であり、芳香族疎水性ベンジルリガンドを含む、架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約5.5、例えば約5.0のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0184】
いくつかの実施形態では、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定化プロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体(アルカリに特に感受性のアミノ酸がアルカリ環境中のより安定な残基で置換されている)例えば、MabSelect SuRe(商標)媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mLの媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程がフロースルーモードHIC工程である、HIC工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約5.0~約6.0、例えば約5.5のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0185】
いくつかの実施形態では、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程はCEXクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、深層濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程をさらに含む。記載される精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Cに示し、以下により詳細に説明する。
【0186】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程;(c)HIC工程;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HSを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0188】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0189】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0190】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0191】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。
【0192】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程および/またはUF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程および/またはHIC工程は、UF/DF工程のウイルス濾過工程の直前である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程および/またはHIC工程は、IEXクロマトグラフィース工程と連続的であるか、またはその直後である。記載された精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Dに示し、以下により詳細に説明する。
【0194】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)CEXクロマトグラフィー工程と;(b)HIC工程と;(c)AEXクロマトグラフィー工程と;(d)深層濾過工程と;(f)UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基で修飾されたアガロースマトリックスに共有結合したデキストラン鎖を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)媒体またはStreamline(商標)SPXL媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、基質に結合したポリエチレンイミン(PEI)リガンド上の窒素に共有結合したプロピル基を含むHIC媒体、例えば、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、MMIEXクロマトグラフィー工程は、混合モード陰イオン/陽イオン交換体を含むシリカゲル固相粒子を含むMMIEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Bakerbond ABx(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー工程は、第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、順に、(a)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基で修飾されたアガロースマトリックスに共有結合したデキストラン鎖を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)媒体またはStreamline(商標)SPXL媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(b)基質に結合したポリエチレンイミン(PEI)リガンド上の窒素に共有結合したプロピル基を含むHIC媒体、例えば、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)媒体を含むHIC工程と;(c)混合モード陰イオン/陽イオン交換体を含むシリカゲル固相粒子を含むMMIEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Bakerbond ABx(商標)媒体を含むMMIEXクロマトグラフィー工程と;(d)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含むAEXクロマトグラフィー工程と;(e)シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む深層濾過工程と;(f)UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約6~約7、例えば約6.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約8.5~約9.5、例えば約9.1のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約6~約7、例えば約6.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0196】
いくつかの実施形態では、順に(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程などの1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;(c)マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに(d)(i)疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および(ii)深層濾過工程の一方または両方を含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む。記載の精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Eに示す。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HSを含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0197】
II.精製プラットフォームを使用する方法
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームを使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含むサンプルを本明細書に記載の精製プラットフォームに供することを含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、精製プラットフォームから得られる組成物の加水分解酵素活性速度を低下させ得る。いくつかの実施形態では、加水分解酵素活性速度は、1以上の加水分解酵素、例えば1以上の異なる加水分解酵素の活性速度を表す。本明細書の他の項で論じられるように、いくつかの実施形態では、加水分解酵素活性速度は、組成物中の1以上の酵素の活性の代用測定値である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素活性速度は、代用基質を介して測定される。いくつかの実施形態では、加水分解酵素活性速度は、1以上の加水分解酵素の加水分解生成物を測定することによって評価される。いくつかの態様では、加水分解酵素活性速度の低下は、少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、85%、90%、または95%のいずれかである。
【0199】
いくつかの態様では、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含む方法であって、精製プラットフォームが、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および深層濾過工程を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程および/またはUF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程またはUF/DF工程の直前である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、IEXクロマトグラフィー工程と連続的であるか、またはIEXクロマトグラフィー工程の直後である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ上にX0SPデプスフィルタを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程をさらに含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程;(c)AEXクロマトグラフィー工程;(d)深層濾過工程;(e)ウイルス濾過工程;(f)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー工程は、第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカ、および/またはポリアクリル系繊維、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタを含むデプスフィルタを含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)シリカ濾過助剤などのシリカ、および/または例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、もしくはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維を含むデプスフィルタを含む、深層濾過工程と、UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカ、および/またはポリアクリル繊維、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタ等のデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば投入材料が約5~約6.5、例えば、約5~約5.5または約5.8~約6.2のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0202】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)ハイドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含む深層濾過工程と;ウイルス濾過工程と;UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0203】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)媒体を含むCEXクロマトグラフィー工程と;(c)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む、AEXクロマトグラフィー工程と;(d)安定化強化セルロースフィルタ、例えば、Sartobind(登録商標)フェニルにコンジュゲートさせたフェニル部分を含むHIC媒体を含むHIC工程と;ウイルス濾過工程と;UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約7.5~約8.5、例えば約8のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約5~約6、例えば約5.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0204】
いくつかの態様では、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含む方法であって、精製プラットフォームが、マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む。記載された精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Bに示し、以下により詳細に説明する。
【0205】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)捕捉工程と;(b)MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程と;(c)HIC工程とを含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程は、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体、例えばToyopearl(登録商標)Hexyl-650Cを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含むHIC工程とを含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程とを含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程とを含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む捕捉工程であって、捕捉工程が結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体、例えば、Phenyl SFF HSまたはPhenyl SFF LSなどのPhenyl SFF媒体を含むHIC工程とを含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程とを含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンゾイル-ホモシステインリガンドを使用するマルチモーダル弱陽イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)MMC媒体を含む、MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)捕捉工程;(b)MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;(c)HIC工程;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を介した処理を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体を含み、この媒体は、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む捕捉工程であって、捕捉工程が結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電で化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体を含む媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒を含むHIC工程と;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程とを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)捕捉工程;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用するMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;および(c)HIC工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定化プロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体(アルカリに特に感受性のアミノ酸は、アルカリ環境下で安定な残基で置換されたもの)、例えば、MabSelect SuRe(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はフロースルーモードHIC工程である。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含む媒体を含み、この媒体は、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約6のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0217】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックス、およびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、フロースルーモードHIC工程である、HIC工程とを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約5.5、例えば約5.0のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0218】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックス、およびアルカリ安定性を有するプロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect(商標)PrismA媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と;(c)フロースルーモードHIC工程であり、芳香族疎水性ベンジルリガンドを含む、架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む、HIC工程とを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約4.5~約5.5、例えば約5.0のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0219】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)剛性高流量アガロースマトリックスおよびアルカリ安定化プロテインA由来リガンドを含むプロテインAベースの親和性媒体(アルカリに特に感受性のアミノ酸がアルカリ環境中のより安定な残基で置換されている)例えば、MabSelect SuRe(商標)媒体を含む、捕捉工程と;(b)ロード濾過工程として深層濾過工程を使用し、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)、Adhere媒体を含み、深層濾過工程が、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mLの媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程がフロースルーモードHIC工程である、HIC工程とを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程はpH調整工程を含み、投入材料のpHは約5.0~約6.0、例えば約5.5のpHに調整される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、HIC膜またはHICカラムに材料を充填する前に、HICコンディショニング塩などの塩を添加しないなどの低塩HIC工程である。
【0220】
いくつかの実施形態では、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含む方法であって、精製プラットフォームが、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、IEXクロマトグラフィー工程はCEXクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、深層濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程をさらに含む。記載される精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Cに示し、以下により詳細に説明する。
【0221】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程;(c)HIC工程;(d)ウイルス濾過工程;および(e)UF/DF工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HSを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えばPhenyl SFF HS媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)非荷電の化学的に安定なエーテル結合を介して芳香族フェニル基で修飾された架橋6%アガロースビーズを含み、約40~45μmolのフェニル/mL媒体、例えば、Phenyl SFF HS媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)C6基(ヘキシル)と結合した孔径100nmのポリメタクリレート系材料を含む媒体、例えば、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含み、結合溶出アフィニティークロマトグラフィー工程であるように構成されている、捕捉工程と;(b)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HS媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(c)芳香族疎水性ベンジルリガンドを有する架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)POROS(商標)系ビーズ、例えば、Poros(商標)Benzyl Ultraを含む媒体を含む、HIC工程と;(d)ウイルス濾過工程と;(e)UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含む方法であって、精製プラットフォームが、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程、;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および深層濾過工程を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程および/またはUF/DF工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程および/またはHIC工程は、UF/DF工程のウイルス濾過工程の直前である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程および/またはHIC工程は、IEXクロマトグラフィース工程と連続的であるか、またはその直後である。記載された精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Dに示し、以下により詳細に説明する。
【0229】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)CEXクロマトグラフィー工程と;(b)HIC工程と;(c)AEXクロマトグラフィー工程と;(d)深層濾過工程と;(f)UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基で修飾されたアガロースマトリックスに共有結合したデキストラン鎖を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)媒体またはStreamline(商標)SPXL媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、基質に結合したポリエチレンイミン(PEI)リガンド上の窒素に共有結合したプロピル基を含むHIC媒体、例えば、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、MMIEXクロマトグラフィー工程は、混合モード陰イオン/陽イオン交換体を含むシリカゲル固相粒子を含むMMIEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Bakerbond ABx(商標)媒体を含む。いくつかの実施形態では、AEXクロマトグラフィー工程は、第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは、順に(a)スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基で修飾されたアガロースマトリックスに共有結合したデキストラン鎖を有する架橋6%アガロースビーズ、例えば、SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)媒体またはStreamline(商標)SPXL媒体を含むCEXクロマトグラフィー媒体を含む、CEXクロマトグラフィー工程と;(b)基質に結合したポリエチレンイミン(PEI)リガンド上の窒素に共有結合したプロピル基を含むHIC媒体、例えば、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)媒体を含むHIC工程と;(c)混合モード陰イオン/陽イオン交換体を含むシリカゲル固相粒子を含むMMIEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Bakerbond ABx(商標)媒体を含むMMIEXクロマトグラフィー工程と;(d)第四級アンモニウム(Q)強陰イオン交換基を有する架橋6%アガロースビーズを含むAEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)媒体を含むAEXクロマトグラフィー工程と;(e)シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル系繊維とを含むデプスフィルタを含む深層濾過工程と;(f)UF/DF工程とを含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、シリカ濾過助剤などのシリカと、例えば、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタなどのポリアクリル繊維とを含むデプスフィルタを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約6~約7、例えば約6.5のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含み、深層濾過工程は、ヒドロゲルQ(第四級アンモニウムとも呼ばれる第四級アミン)官能化不織布材料を含むデプスフィルタと、マルチゾーン微多孔膜、例えば、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタとを含み、深層濾過工程は、例えば、投入材料が約8.5~約9.5、例えば約9.1のpHを有するときに実施されるように構成される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置されたHIC工程をさらに含み、HIC工程は、安定化強化セルロースフィルタにコンジュゲートされたフェニル部分を含むHIC膜などのHIC媒体、例えば、Sartobind(登録商標)フェニル媒体を含み、HIC工程は、例えば、投入材料が約6~約7、例えば約6.5のpHを有するときに実施されるように構成される。
【0231】
いくつかの実施形態では、サンプルから標的を精製するためにサンプルを精製プラットフォームに供することを含む方法であって、精製プラットフォームが、(a)捕捉工程;(b)CEXクロマトグラフィー工程などの1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;(c)マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに(d)(i)疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および(ii)深層濾過工程の一方または両方を含む、精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UF/DF工程をさらに含む、方法が提供される。記載の精製プラットフォーム内に包含される例示的な精製プラットフォームを図1Eに示す。いくつかの実施形態では、捕捉工程は、プロテインAベースの親和性媒体、例えば、MabSelect SuRe(商標)またはMabSelect(商標)PrimaA媒体を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程は結合溶出モードアフィニティークロマトグラフィー工程を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)XS媒体を含む。いくつかの実施形態では、CEXクロマトグラフィー工程は、スルホプロピル(SP)強陽イオン交換基でさらに官能化されたポリヒドロキシル表面コーティングを有する架橋ポリ[スチレン-ジビニルベンゼン]を含む剛性ポリマー樹脂粒子を含むCEXクロマトグラフィー媒体、例えば、Poros(商標)50HSを含む。いくつかの実施形態では、MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程は、N-ベンジル-N-メチルエタノールアミンリガンドを使用するマルチモーダル強陰イオン交換体を含む媒体、例えば、Capto(商標)Adhere媒体を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、任意の位置に配置された深層濾過工程をさらに含む。
【0232】
III.さらなる工程および方法
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームに関与するまたは関連する追加の工程を提供する。精製プラットフォームに関与するかまたは関連する追加の工程、およびそのような工程を行うための方法が知られている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLiuらmAbs,2,2010を参照されたい。
【0233】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞培養工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプル調製工程などのサンプル処理工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、HCCFを清澄化するための清澄化工程をさらに含む。いくつかの態様では、本方法は、宿主細胞および宿主細胞の破片を、サンプルおよび/または精製プラットフォームから得られた組成物から除去するなどのための、宿主細胞および宿主細胞の破片の除去工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、遠心分離工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、滅菌濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、接線流精密濾過工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、凝集/沈殿工程をさらに含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、上記方法は、薬学的に許容可能な組成物またはその前駆物質を形成するために組成物を処理する等の製剤化工程をさらに含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の加水分解酵素活性速度を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物に対して加水分解活性アッセイを実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、加水分解活性アッセイは、非蛍光基質などの基質から蛍光生成物などの加水分解酵素の検出可能な生成物への変換をモニターすることによって、1以上の加水分解酵素の加水分解活性を測定することを含む。いくつかの実施形態では、基材はエステル結合を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2018035025号に記載されているように、1つ以上の加水分解酵素の生成物を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、脂肪酸質量分析(FAMS)アッセイを実施することによって、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中の遊離脂肪酸(FFA)のレベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、それぞれの溶出プールにおけるPS20分解後の遊離脂肪酸の含有量をモニターするために、サンプルを、PS20安定性試験のために最初に調製し、続いて質量分析によって分析した。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することをさらに含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の貯蔵寿命を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の標的の凝集体のレベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、加水分解活性アッセイ(LEAPアッセイ)は、基質エステル結合の切断による非蛍光基質の蛍光生成物への変換をモニターすることによって加水分解活性を測定することを含む。いくつかの実施形態では、[μMMU/h]での加水分解活性は、サンプルの反応速度(kraw[RFU/h])から酵素ブランクの反応速度(kself-cleavage[RFU/h])を差し引き、蛍光シグナルを項を変換係数a[RFU/μM]で割ることによってμMMU/hに変換することによって決定される。いくつかの実施形態では、加水分解活性は、ウェルあたりに適用されるタンパク質濃度に対して正規化される。いくつかの実施形態では、加水分解活性は、基準サンプルが100%の加水分解活性を表す場合、基準サンプルの加水分解活性に対する割合として報告される。
【0237】
いくつかの実施形態では、脂肪酸質量分析(FAMS)アッセイは、ラウリン酸、ミリスチン酸、ならびに同位体標識(D23)-ラウリン酸および(1314)ミリスチン酸の質量について抽出イオンクロマトグラム(XIC)を得ることを含む。いくつかの実施形態では、それぞれのピークを積分し、ラウリン酸およびD23-ラウリン酸のピーク面積比、ならびにミリスチン酸および1314-ミリスチン酸の比を決定する。いくつかの実施形態では、ピーク面積比は、サンプル中のラウリン酸および/またはミリスチン酸の濃度を算出するために使用される。いくつかの実施形態では、FFA(ラウリン酸(LA)および/またはミリスチン酸(MA))の量は、基準サンプルの量を100%に設定した場合の割合として報告される。
【0238】
IV.サンプルおよびその成分
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームおよび方法は、標的を含むサンプルから標的を任意の程度まで精製するのに有用である。
【0239】
いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞培養液(HCCF)である。いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞培養液の一部を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞培養液に由来する。いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、宿主細胞残屑などの宿主細胞の成分を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌(E.coli)細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳類細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒト細胞である。
【0240】
いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルを本明細書に記載の精製プラットフォームに供する前に実行される処理工程に供されるなど、処理されている。いくつかの実施形態では、サンプルは界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、サンプルはポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0241】
いくつかの実施形態では、サンプルは標的を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的は組換えポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチド複合体である。いくつかの実施形態では、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、
【0242】
いくつかの実施形態では、サンプルは1つ以上の宿主細胞タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質は加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は多酵素タンパク質である。いくつかの実施形態では、多酵素タンパク質は脂肪酸シンターゼである。いくつかの実施形態では、脂肪酸シンターゼはチオエステラーゼサブユニットを含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、サンプルは、例えば本明細書に記載の加水分解酵素活性アッセイによって測定されるような、ベースライン加水分解酵素活性速度を有する。いくつかの実施形態では、サンプルのベースライン加水分解酵素活性速度は、少なくとも部分的に、宿主細胞加水分解酵素の存在に基づく。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである。
【0244】
いくつかの実施形態では、サンプルは、界面活性剤、例えば、ポリソルベートなどの添加成分を含む。いくつかの実施形態では、成分は、精製前にサンプルに、例えば、HCCFに添加される。
【0245】
V.精製プラットフォームから得られた組成物および医薬組成物
本明細書に記載の精製プラットフォームは、多数の工程を含む。いくつかの実施形態では、「組成物」という用語は、本明細書では、精製プラットフォームの任意の段階の任意の入力(精製プラットフォームへの最初のサンプル入力を除く)、中間、または出力を説明するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、「組成物」という用語の使用は、精製プラットフォームの最終出力を記述することに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、HIC工程および/または深層濾過工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィース工程によって処理されている。
【0246】
いくつかの実施形態では、組成物は界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0247】
いくつかの実施形態では、組成物は標的を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチド複合体である。いくつかの実施形態では、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、
【0248】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の宿主細胞タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質は加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである。
【0249】
いくつかの実施形態では、組成物は、加水分解酵素活性速度が低下しており、加水分解酵素活性速度の低下は、関連する参考文献、例えばHIC工程および/または深層濾過工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない精製プラットフォームから得られる組成物と比較して、少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%のいずれかである。いくつかの実施形態では、基準は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程なしで同じ精製プラットフォームを使用して精製されたサンプルからのものである。
【0250】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の方法から得られる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は精製組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は滅菌医薬組成物である。
【0251】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は抗体部分を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗体部分およびポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗体部分、ポリソルベート、および宿主細胞タンパク質、例えば加水分解酵素等の宿主細胞不純物を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0253】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、加水分解酵素活性速度が低下しており、加水分解酵素活性速度の低下は、関連する参考文献、例えばHIC工程および/または深層濾過工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない精製プラットフォームから得られる医薬組成物と比較して、少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%のいずれかである。いくつかの実施形態では、基準は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用して精製されたサンプルからのものである。
【0254】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した同じサンプルの精製から得られる組成物と比較して、1以上の加水分解酵素のレベルが低下している。
【0255】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した同じサンプルの精製から得られる組成物と比較して、ポリソルベートの分解が低減されている。
【0256】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用して同じサンプルの精製から得られる組成物と比較して、貯蔵寿命が増大している。
【0257】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した同じサンプルの精製から得られる組成物と比較して、ポリソルベートの分解が少ない。
【0258】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した同じサンプルの精製から得られる組成物と比較して、標的の凝集が減少している。
【0259】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物を提供する。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、本明細書に記載の方法から得られる。
【0260】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は抗体部分を含む。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分およびポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分、ポリソルベート、および宿主細胞タンパク質などの宿主細胞不純物、例えば、1つ以上の加水分解酵素を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、基準、例えば1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物と比較して、貯蔵寿命が増大している。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の凝集により、貯蔵寿命が評価される(例えば、測定される)。いくつかの実施形態では、貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の1つ以上の官能性の保存によって、測定などによって評価される。いくつかの実施形態では、貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の活性、例えば結合活性により測定されるなどして評価される。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命は、約8ヶ月超、例えば約9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、または36ヶ月のいずれかを超えている。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解の速度が低下した製剤化された抗体部分組成物は、基準、例えば1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物と比較される。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解の速度の低下は、ポリソルベート加水分解の相対速度の低下である。
【0263】
いくつかの実施形態では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された貯蔵寿命と比較して延長され、貯蔵寿命は、前記文書に示された貯蔵寿命と比較して、少なくとも約2ヶ月、例えば少なくとも約3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、または12ヶ月のいずれか延長される。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解の速度が低下した製剤化された抗体部分組成物は、基準、例えば1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物と比較される。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解の速度の低下は、ポリソルベート加水分解の相対速度の低下である。
【0264】
いくつかの実施形態では、抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベートの分解が低下しており、その分解は、製剤化された抗体部分組成物に関する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%のいずれか低下する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートの分解が低減した製剤化された抗体部分組成物は、基準、例えば、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤された化抗体部分組成物と比較される。いくつかの実施形態では、ポリソルベートの分解の低減は、ポリソルベートの相対分解の低減である。
【0265】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物のポリソルベート加水分解の速度は、基準と比較して、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%のいずれか低下する。
【0266】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分およびポリソルベートを含み、ポリソルベートは、液体組成物の貯蔵中に年間約60%以下、例えば年間約55%以下、年間50%以下、年間45%以下、年間40%以下、年間35%以下、年間30%以下、年間25%以下、年間20%以下、年間15%以下、年間10%以下または年間5%以下のいずれかが分解される。
【0267】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、基準、例えば1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物と比較して、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、または24ヶ月のいずれかの間、凝集体形成が減少している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間、18ヶ月間、19ヶ月間、20ヶ月間、21ヶ月間、22ヶ月間、23ヶ月間、または24ヶ月間、基準と比較し、少なくとも約20%、例えば少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、凝集体形成が低下しており、ここで、基準は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物である。凝集体形成を評価する、例えば測定する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、目視検査、動的光散乱、静的光散乱、および光学密度測定を含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤化された抗体部分組成物は、基準と比較して、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、または24ヶ月のいずれかの間、抗体部分活性の少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%維持し、ここで、基準は、1以上の深層濾過工程および/または1以上のHIC工程および/または1以上のMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物である。
【0269】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。
【0270】
いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。
【0271】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。
【0272】
いくつかの実施形態では、抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、
【0273】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0274】
本明細書で報告されるさらなる態様は、保存中のポリソルベート分解が低い製剤化された抗体組成物である。本発明の一態様は、抗体/タンパク質およびポリソルベートを含む製剤化された抗体組成物であって、ポリソルベートが、製剤化された抗体組成物の貯蔵期間/貯蔵寿命の間に、1年当たり約50%以下(例えば、約45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下のいずれか)分解される、製剤化された抗体組成物である。一実施形態では、ポリソルベートは、液体組成物の貯蔵中に年間10%以下分解される。
【0275】
別の態様は、抗体およびポリソルベートを含む製剤化された抗体組成物であり、1年後、ポリソルベートが、初期濃度の少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれかの濃度で組成物中に存在し、ここで、初期濃度は、液体組成物中の抗体の製剤化時または貯蔵開始時の濃度である。当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲および趣旨内で可能であることを認識するだろう。本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は、本開示の範囲または趣旨を、そこに記載されている特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。
【0276】
例示的な実施形態
実施形態1.精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供給することを含み、それにより、深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【0277】
実施形態2.1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
【0278】
実施形態3.MMIEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む、実施形態2に記載の方法。
【0279】
実施形態4.ウイルス濾過工程をさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
実施形態5.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
実施形態6.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;CEXクロマトグラフィー工程;AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む、実施形態5に記載の方法。
【0282】
実施形態7.深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、Polisher STデプスフィルタ、またはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
実施形態8.Sartobind(登録商標)フェニルを介した処理を含むHIC工程をさらに含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
実施形態9.精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程および/またはMM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【0285】
実施形態10.MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー媒体を介した処理を含み、処理が、約4.5~約9のpHで実施される、実施形態9に記載の方法。
【0286】
実施形態11.MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である、実施形態9または10に記載の方法。
【0287】
実施形態12.MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、実施形態11に記載の方法。
【0288】
実施形態13.MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陽イオン交換(MM-HIC/CEX)クロマトグラフィー工程である、実施形態9または10に記載の方法。
【0289】
実施形態14.MM-HIC/CEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)MMCまたはCapto(商標)MMC ImpResを含む、実施形態13に記載の方法。
【0290】
実施形態15.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程;およびHIC工程を含む、実施形態9~14のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
実施形態16.ウイルス濾過工程をさらに含む、実施形態9~15のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
実施形態17.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、実施形態9~16のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
実施形態18.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む、実施形態17に記載の方法。
【0294】
実施形態19.深層濾過工程をさらに含む、実施形態9~18のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
実施形態20.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;深層濾過工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;およびHIC工程を含む、実施形態19に記載の方法。
【0296】
実施形態21.深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタは、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、Polisher STデプスフィルタ、またはEMPHAZE(商標)デプスフィルタである、実施形態19または20に記載の方法。
【0297】
実施形態22.深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタがEMPHAZE(商標)デプスフィルタまたはPolisher STデプスフィルタである、実施形態19または20に記載の方法。
【0298】
実施形態23.前記デプスフィルタが、前記MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程と共にロードフィルタとして使用される、実施形態19~22のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態24.MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、実施形態23に記載の方法。
【0300】
実施形態25.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;およびHIC工程を含む、実施形態19に記載の方法。
【0301】
実施形態26.前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタが、X0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、またはD0SPデプスフィルタである、実施形態25に記載の方法。
【0302】
実施形態27.前記深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含み、前記デプスフィルタがEMPHAZE(商標)デプスフィルタまたはPolisher STデプスフィルタである、実施形態25に記載の方法。
【0303】
実施形態28.MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、実施形態25~27のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
実施形態29.精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程、を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【0305】
実施形態30.1以上のIEXクロマトグラフィー工程が、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程である、実施形態29に記載の方法。
【0306】
実施形態31.ウイルス濾過工程をさらに含む、実施形態29または30に記載の方法。
【0307】
実施形態32.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、実施形態29~31のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
実施形態33.前記UF/DF工程の前の任意の段階で実施される深層濾過工程をさらに含む、実施形態32に記載の方法。
【0309】
実施形態34.精製プラットフォームが、順に、捕捉工程;CEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;ウイルス濾過工程;およびUF/DF工程を含む、実施形態33に記載の方法。
【0310】
実施形態35.精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程;および深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【0311】
実施形態36.低下が、HICおよび深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである、実施形態35に記載の方法。
【0312】
実施形態37.1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、実施形態35または36に記載の方法。
【0313】
実施形態38.MMIEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル陽イオン交換/陰イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程を含む、実施形態37に記載の方法。
【0314】
実施形態39.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
実施形態40.精製プラットフォームが、順に:CEXクロマトグラフィー工程;HIC工程;MMIEXクロマトグラフィー工程;AEXクロマトグラフィー工程;深層濾過工程;およびUF/DF工程を含む、実施形態39に記載の方法。
【0316】
実施形態41.精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる方法であって、サンプルを、捕捉工程;1以上のイオン交換(IEX)クロマトグラフィー工程;マルチモーダル疎水性相互作用/イオン交換(MM-HIC/IEX)クロマトグラフィー工程;ならびに疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程および深層濾過工程の一方または両方を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、HIC工程または深層濾過工程を含まないサンプルの精製と比較して、組成物の加水分解酵素活性速度を低下させる、方法。
【0317】
実施形態42.低下が、HICおよび深層濾過工程を含まない前記サンプルの精製と比較したものである、実施形態41に記載の方法。
【0318】
実施形態43.ウイルス濾過工程をさらに含む、実施形態41または42に記載の方法。
【0319】
実施形態44.限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)工程をさらに含む、実施形態41~43のいずれか1つに記載の方法。
【0320】
実施形態45.深層濾過工程が、MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程のロードフィルタとして、HIC工程のロードフィルタとして、またはHIC工程に続いて実施される、実施形態41~44のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
実施形態46.1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー工程、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程、およびマルチモーダルイオン交換(MMIEX)クロマトグラフィー工程からなる群から選択される、実施形態41~45のいずれか1つに記載の方法。
【0322】
実施形態47.MM-HIC/IEXクロマトグラフィー工程が、マルチモーダル疎水性相互作用/陰イオン交換(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程である、実施形態41~46のいずれか1つに記載の方法。
【0323】
実施形態48.MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程が、Capto(商標)AdhereまたはCapto(商標)Adhere ImpResを介した処理を含む、実施形態47に記載の方法。
【0324】
実施形態49.前記捕捉工程がアフィニティークロマトグラフィーを介した処理を含む、実施形態1~34および41~48のいずれか1つに記載の方法。
【0325】
実施形態50.捕捉工程が結合溶出モードで実施される、実施形態1~34および41~48のいずれか1つに記載の方法
【0326】
実施形態51.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー、およびカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される、実施形態49または50に記載の方法。
【0327】
実施形態52.深層濾過工程が、デプスフィルタを介した処理を含む、実施形態1~6、19、20、および35~51のいずれか1つに記載の方法。
【0328】
実施形態53.デプスフィルタがロードフィルタとして使用される、実施形態52に記載の方法。
【0329】
実施形態54.デプスフィルタが、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集樹脂、および灰組成物のうちの1以上を含む基材を含む、実施形態52または53に記載の方法。
【0330】
実施形態55.デプスフィルタの基材の少なくとも一部が表面改質を含む、実施形態54に記載の方法。
【0331】
実施形態56.表面改質が、1つ以上の第四級アミン表面改質、陽イオン表面改質、および陰イオンである、実施形態55に記載の方法。
【0332】
実施形態57.デプスフィルタが、X0SPデプスフィルタ、D0SPデプスフィルタ、C0SPデプスフィルタ、EMPHAZE(商標)デプスフィルタ、PDD1デプスフィルタ、PDE1デプスフィルタ、PDH5デプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZAデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZBデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)DELIデプスフィルタ、ZETA PLUS(商標)DELPデプスフィルタ、およびPolisher STデプスフィルタからなる群から選択される、実施形態52~56のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
実施形態58.デプスフィルタが、前記X0SPデプスフィルタ、前記D0SPデプスフィルタ、または前記C0SPデプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した前記処理が、約4.5~約8のpHで実施される、実施形態57に記載の方法。
【0334】
実施形態59.デプスフィルタが前記EMPHAZE(商標)デプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した処理が約7~約9.5のpHで実施される、実施形態57に記載の方法。
【0335】
実施形態60.デプスフィルタが前記Polisher STデプスフィルタであり、前記デプスフィルタを介した処理が約4.5~約9のpHで実施される、実施形態57に記載の方法。
【0336】
実施形態61.HIC工程が、HIC膜またはHICカラムを介した処理を含む、実施形態9~60のいずれか一項に記載の方法。
【0337】
実施形態62.HIC膜またはHICカラムを介した処理が、低い塩濃度を使用して実施される、実施形態61に記載の方法。
【0338】
実施形態63.HIC膜またはHICカラムを介した処理がフロースルーモードで実施される、実施形態59~61のいずれか1つに記載の方法。
【0339】
実施形態64.HIC膜またはHICカラムが、エーテル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびフェニル基のうちの1以上を含む基材を含む、実施形態61~63のいずれか1つに記載の方法。
【0340】
実施態様65.HIC膜またはHICカラムが、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow(フェニル-SFF)、Phenyl Sepharose(登録商標)Fast Flow Hi-sub(フェニル-SFF HS)、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650C、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650M、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650S、Poros(商標)Benzyl Ultra、およびSartobind(登録商標)フェニルからなる群から選択される、実施形態61~64のいずれか1つに記載の方法。
【0341】
実施形態66.HIC膜またはHICカラムを介した処理が、約4.5~約7のpHで実施される、実施形態64または65に記載の方法。
【0342】
実施形態67.1以上のIEXクロマトグラフィー工程の各々が、IEXクロマトグラフィー膜またはIEXクロマトグラフィーカラムを介した処理を含む、実施形態1~8および29~66のいずれか1つに記載の方法。
【0343】
実施形態68.IEXクロマトグラフィーまたはIEXクロマトグラフィーカラムが、SPSFF、QSFF、SPXL、Streamline(商標)SPXL、ABx(商標)、Poros(商標)XS、Poros(商標)50HS、DEAE、DMAE、TMAE、QAE、およびMEP-Hypercel(商標)からなる群から選択される、実施形態67に記載の方法。
【0344】
実施形態69.精製プラットフォームが、前記サンプルから標的を精製するためのものであり、サンプルが、標的および1以上の宿主細胞不純物を含む、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0345】
実施形態70.標的がポリペプチドを含む、実施形態69に記載の方法。
【0346】
実施形態71.標的が抗体部分である、実施形態1~70のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
実施形態72.抗体部分がモノクローナル抗体である、実施形態71に記載の方法。
【0348】
実施形態73.抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、実施形態71または72に記載の方法。
【0349】
実施形態74.抗体部分が、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、実施形態71~73のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
実施形態75.抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、実施形態71~74のいずれか1つに記載の方法。
【0351】
実施形態76.1以上の宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質を含む、実施形態69~75のいずれか1つに記載の方法。
【0352】
実施形態77.宿主細胞タンパク質が加水分解酵素である、実施形態76に記載の方法。
【0353】
実施形態78.加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、カルボキシルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、またはセラミダーゼである、実施形態77に記載の方法。
【0354】
実施形態79.サンプルが、宿主細胞またはそれに由来する成分を含む、実施形態1~78のいずれか1つに記載の方法。
【0355】
実施形態80.サンプルが、細胞培養サンプルであるか、または細胞培養サンプルに由来する、実施形態1~79のいずれか1つに記載の方法。
【0356】
実施形態81.細胞培養サンプルが宿主細胞を含み、宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または大腸菌(E.coli)細胞である、実施形態80に記載の方法。
【0357】
実施形態82.サンプル処理工程をさらに含む、実施形態1~81のいずれか一項に記載の方法。
【0358】
実施形態83.加水分解酵素活性速度の低下が少なくとも約20%である、実施形態1~82のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
実施形態84.組成物の加水分解酵素活性速度を決定することをさらに含む、実施形態1~83のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
実施形態85.組成物中の1以上の加水分解酵素のレベルを決定することをさらに含む、実施形態1~84のいずれか1つに記載の方法。
【0361】
実施形態86.組成物がポリソルベートを含む、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法。
【0362】
実施形態87.ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される、実施形態86に記載の方法。
【0363】
実施形態88.実施形態1~87のいずれか一項に記載の方法から得られる医薬組成物。
【0364】
実施形態89.抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解の速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が12ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物。
【0365】
実施形態90.抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解活性の速度が低下しており、前記組成物の貯蔵寿命が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、前記貯蔵寿命が、前記文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも3ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物。
【0366】
実施形態91.ポリソルベート加水分解の速度が、少なくとも約20%低下している、実施形態89または90に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0367】
実施形態92.抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベートの分解が低下しており、前記分解が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低減している、製剤化された抗体部分組成物。
【0368】
実施形態93.抗体部分およびポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間50%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物。
【0369】
実施形態94.抗体部分がモノクローナル抗体である、実施形態89~93のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0370】
実施形態95.抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、実施形態89~94のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0371】
実施形態96.抗体部分が、抗TAU抗体、抗TGFβ3抗体、抗VEGF-A抗体、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、およびTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、実施形態89~95のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0372】
実施形態97.抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281およびRO7122290からなる群から選択される、実施形態89~96のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0373】
実施形態98.ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80からなる群から選択される、実施形態89~97のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【実施例
【0374】
実施例1
この実施例は、以下の精製プラットフォームの間の比較を実証する。精製プラットフォームは、順に、(1)捕捉工程、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、ウイルス濾過工程およびUF/DF工程(対照精製プラットフォーム)を含み;(2)捕捉工程、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、Sartobind(登録商標)フェニルを含むHIC工程、ウイルス濾過工程およびUF/DF工程を含み;(3)捕捉工程、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、X0SPデプスフィルターを含む深層濾過工程、ウイルス濾過工程およびUFF/DF工程を含む。
【0375】
得られた精製組成物の加水分解活性を、材料および方法の項に記載されているようにFAMSアッセイを用いて測定した。図2に示すように、Sartobind(登録商標)フェニルを含むHIC工程を有する精製プラットフォーム(2)、およびX0SPデプスフィルタを含む深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(3)は、対照精製プラットフォームと比較して加水分解活性が低下していた。
【0376】
実施例2
この実施例は、以下を順に含む以下の精製プラットフォームを用いて3つの異なるHIC工程を使用する場合の比較を実証する。(1)捕捉工程、Capto(商標)Adhere(MM-HIC/AEX)クロマトグラフィー工程、およびHIC工程。試験した3つの異なるHIC媒体は:Phenyl SFF HS、Toyopearl(登録商標)Hexyl-650C、およびPoros(登録商標)Benzyl Ultraであった。各HIC工程は、HICコンディショニング塩をHICロードに添加しない低塩フロースルーモードを使用して実施した。HIC工程前(HICロード)およびHIC工程後(HICプール)の組成物の加水分解活性を測定した。HIC工程はフロースルーおよび低塩モードで実施した(HICコンディショニング塩はHICロードに添加しなかった)。フロースルーおよび低塩モードでのHIC工程の動作条件を以下の表1に示す。
【表1】
【0377】
HICロードおよびHICプールの加水分解活性を、材料および方法の項に記載されているようにFAMSアッセイを使用して測定した。図3に示すように、HIC工程は、HICロードの出発材料と比較して、得られたHICプールの加水分解活性を低下させた。
【0378】
実施例3
この実施例は、2つの分子を精製するための精製プラットフォームにMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程を含めることの影響を実証し、精製プラットフォームは、順に、捕捉工程、CEX工程、例えば、Poros(登録商標)50HSを含み、Capto(商標)Adhereを含むMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程を含んでいてもよい。MM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程を含まない精製組成物、すなわちCapto(商標)Adhere(Capto(商標)Adhereロード)およびCapto(商標)Adhereクロマトグラフィー工程(Capto(商標)Adhereプール)後の精製組成物の加水分解活性を評価した。Capto(商標)Adhere工程をフロースルーモードで実施し、試験はpH5.5および8の両方で実施した。MM-HIC/AEXのフロースルーモードでの動作条件を以下の表2に示す。
【表2】
【0379】
Capto(商標)AdhereロードおよびCapto(商標)Adhereプールの加水分解活性は、材料および方法の項に記載されるようにFAMSアッセイを使用して測定した。図4に示すように、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー工程は、Capto(商標)Adhereロードの出発物質と比較して、各分子精製で得られたCapto(商標)Adhereプールの加水分解活性を低下させた。この加水分解活性の低下は、pH5.5(分子Aについて)および8(分子Bについて)のいずれにおいても観察された。
【0380】
実施例4
この実施例は、以下の精製プラットフォームの間の比較を実証する。精製プラットフォームは、順に、(1)SP Sepharose(登録商標)XL(SPXL)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)を含むHIC工程、ABx(商標)を含むマルチモーダル陰イオン/陽イオン交換(MM-AEX/CEX)クロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、およびUF/DF工程を含み;(2)SPXLを含むCEXクロマトグラフィー工程、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)を含むHIC工程、ABx(商標)を含むMM-AEX/CEXクロマトグラフィー工程、QSFFを含むAEXクロマトグラフィー工程、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタを含む深層濾過工程、およびUF/DF工程を含み;(3)SPXLを含むCEXクロマトグラフィー工程、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)を含むHIC工程、ABx(商標)を含むMM-AEX/CEXクロマトグラフィー工程、QSFFを含むAEXクロマトグラフィー工程、Sartobind(登録商標)フェニルを含むHIC工程、およびUF/DF工程を含み;(4)SPXLを含むCEXクロマトグラフィー工程、Bakerbond WP HI-Propyl(商標)を含むHIC工程、ABx(商標)を含むMM-AEX/CEXクロマトグラフィー工程、QSFFを含むAEXクロマトグラフィー工程、X0SPデプスフィルタを含む深層濾過過工程、およびUF/DF工程を含む。
【0381】
精製プラットフォーム(1)および深層濾過工程((2)および(4)について)後、またはSartobind(登録商標)フェニル HIC工程後の組成物の加水分解活性を、材料および方法の項に記載されているようにFAMSアッセイを使用して各プラットフォームから測定した。図5に示すように、EMPHAZE(商標)AEXデプスフィルタを含む深層濾過工程を含む精製プラットフォーム(2)、Sartobind(登録商標)フェニルを含むHIC工程を含む精製プラットフォーム(3)、およびX0SPデプスフィルタを含む深層濾過工程を含む精製プラットフォーム(4)は、対照精製プラットフォーム(1)と比較して加水分解活性が低下していた。
【0382】
材料および方法
タンパク質濃度の決定
タンパク質濃度を、Cary(登録商標)50 UV-Vis分光光度計(Varian)またはNanoDrop(商標)OneC(Thermo Scientific)のいずれかを使用するUV分光法によって決定した。タンパク質サンプルをそれぞれの緩衝液で希釈し、二連として測定した。ランベルト・ベールの法則から導き出される以下の式に従って濃度を決定した:=(280nm-320nm)/・F(タンパク質濃度[mg/ml]、吸光度、ε吸光係数[ml/(mg・cm)]、細胞長[cm]およびF希釈係数)。
【0383】
加水分解活性アッセイ(LEAPアッセイ)
加水分解活性アッセイは、基質のエステル結合の切断による非蛍光基質(4-MU、Chem Impex Int’l Inc社)の蛍光生成物(MU,Sigma-Aldrich)への変換をモニタリングすることによって加水分解活性を測定した。分析対象のタンパク質プールサンプルを、Amicon Ultra-0.5ml遠心フィルタユニット(10,000Daカットオフ、Merck Millipore)を使用することによって150mM Tris-Cl pH8.0に再緩衝化した。アッセイ反応混合物は、80μLの反応緩衝液(150mM Tris-Cl pH8.0、0.25%(w/v)Triton X-100および0.125%(w/v)アラビアガム)、10μLの4-MU基質(DMSO中1mM)、および10μLのタンパク質プールサンプルを含んでいた。タンパク質プールサンプル濃度を10~30g/Lに調整し、3つの異なる濃度で試験した。各反応を96ウェル半面積ポリスチレンプレート(蓋付き黒色透明平底、Corning Incorporated)に3回の技術的反復でセットアップし、Infinite 200Proプレートリーダー(Tecan Life Sciences)において反応プレートを37℃で2時間インキュベートすることによって蛍光シグナル(355nmで励起、460nmで発光)の増加を10分ごとにモニターした。MU生成速度を、蛍光時間経過(0.5時間~2時間)の傾きから求め、反応の生の速度(kraw[RFU/h])を表す。
【0384】
酵素ブランク反応をさらに設定して、緩衝マトリックスによって引き起こされる基質の非酵素的切断を測定した。10μLのタンパク質プールサンプルを、反応混合物中の10μLの150mM Tris-Cl pH8.0に置き換えた。自己開裂速度(kself開裂[RFU/h])を、蛍光の時間経過(0.5時間~2時間)の傾きから求めた。蛍光シグナル(RFU)をμMのMUに変換するために、標準的なMU 3連をプレートごとに添加した。10μLのMU(DMSO中100μM)に、10μLの150mM Tris-Cl pH8.0および80μLの反応緩衝液を補充した。変換係数a[RFU/μM]は、蛍光シグナル(0.5時間-2時間)を平均し、ウェル中に存在するMUの最終濃度で割ることによって算出した。
【0385】
サンプルの加水分解活性は、サンプルの反応速度(kraw[RFU/h])から酵素ブランクの反応速度(kself-開裂[RFU/h])を差し引き、項を変換係数a[RFU/μM]で割ることによって蛍光シグナルをμMMU/hに変換することによって決定し、[μMMU/h]で示す。活性を、ウェルあたりに適用されたタンパク質濃度に対して正規化した。加水分解活性を割合で報告するために、基準サンプルの加水分解活性を100%に設定した。
【0386】
遊離脂肪酸および質量分析(FAMS)アッセイ
PS20分解後の遊離脂肪酸の含有量をそれぞれの溶出プールにおけるモニターするために、PS20安定性試験のためにサンプルを最初に調製し、続いて質量分析によって分析した。特に明記しない限り、タンパク質プールサンプルを、0.04%(w/v)SR-PS20、10mM L-メチオニンおよび100mM Tris pH8を含有する同じタンパク質濃度(それぞれの実験の説明に示される通り)に調整した。実験の時間経過中にPS20の酸化分解を制御するための効率的な酸化防止剤としてL-メチオニンを添加した。緩衝液対照サンプルとして、適用したタンパク質体積を同じ体積の対応する溶出緩衝液系で置き換えた。
【0387】
全ての反応混合物をThermomixer(Eppendorf)中で25℃または40℃のいずれかでインキュベートした。サンプルを規定の時点(それぞれの図に示す)の後に取り出し、その後の分析まで-80℃で保存した。
【0388】
50μLのサンプルを新しいエッペンドルフカップに移した。200μLのFFA溶解溶液(アセトニトリル中500ng/mLのD23ラウリン酸および500ng/mLの1314-ミリスチン酸)を添加し、短時間ボルテックスした。サンプルを14.000rpmで5分間遠心分離し、MS分析のためHPLCバイアルに移した。5μLの注入サンプルからの脂肪酸の分離を、ACQUITY UPLC(登録商標)Peptide BEH C18カラム(1.7μm 2.1×150mmおよび300Å)を使用してThermo Scientific(商標)Vanquish(商標)UHPLCシステムで行った。溶離液A(0.1%水酸化アンモニウム水溶液)および溶離液B(100%アセトニトリル)を0.3mL/分の流速および60℃のカラム温度で以下の勾配に使用した。初期条件は70%溶離液Bであった。勾配を0.2分から5.5分まで直線的に変化させ、溶離液Aを100%まで増加させ、6.0まで保持した。溶離液Bを6.1分で70%に設定し、平衡化のために10.0分まで保持した。質量分析計(Triple TOF(登録商標)6600,AB Sciex)を-4500Vのイオンスプレー電圧で負イオン化モードで操作した。ソース温度を450℃に設定し、TOF質量範囲を100~1000m/Zとした。減衰電位は-120V、衝突エネルギーは-10Vであった。
【0389】
ラウリン酸、ミリスチン酸、および同位体標識された(D23)-ラウリン酸および(1314)ミリスチン酸の質量に対するXICを生成した。それぞれのピークを積分し、ラウリン酸とD23-ラウリン酸との間のピーク面積比、ならびにミリスチン酸と1314-ミリスチン酸との間の比を決定した。ピーク面積比を使用して、サンプル中のラウリン酸およびミリスチン酸の濃度を計算した。測定を2連で行った。FFA(ラウリン酸(LA)およびミリスチン酸(MA))の量をパーセントで報告するため、基準サンプルの量を100%に設定した。
【0390】
実施例5
この実施例は、分子Dを精製するための以下の精製プラットフォームの間の比較を実証する。精製プラットフォームは、順に、(1)捕捉工程、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、ウイルス濾過工程、およびUF/DF工程(対照精製プラットフォーム)を含み;(2)捕捉工程、SP Sepharose(登録商標)Fase Flow(SPSFF)を含むCEXクロマトグラフィー工程、Q Sepharose(登録商標)Fast Flow(QSFF)を含むAEXクロマトグラフィー工程、Polisher STデプスフィルタを含む深層濾過工程、ウイルス濾過工程、およびUFF/DF工程を含む。精製プラットフォーム(2)については、深層濾過工程をpH6で実施した。
【0391】
得られた精製組成物の加水分解活性を、実施例4の材料および方法の項に記載されているようにFAMSアッセイを用いて測定した。図6に示すように、Polisher STデプスフィルタを含む深度濾過工程を含む精製プラットフォーム(2)は、Polisher ST深層濾過工程を含まない対照精製プラットフォームと比較して、加水分解活性が低下した組成物を提供した。
【0392】
実施例6
この実施例は、分子Eを精製するための以下の精製プラットフォームの間の比較を実証する。精製プラットフォームは、順に、(1)捕捉工程、CEX工程、例えば、Poros(登録商標)50HS、およびCapto(商標)Adhereを含むMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程(対照精製プラットフォーム)を含み;(2)捕捉工程、CEX工程、例えば、Poros(登録商標)50HS、Capto(商標)Adhereを含むMM-HIC/AEXクロマトグラフィー工程のためにロードをフィルタリングするためのPolisher STデプスフィルタを含む深層濾過工程を含む。精製プラットフォーム(2)については、深層濾過工程をpH8で実施した。
【0393】
得られた精製組成物の加水分解活性を、実施例4の材料および方法の項に記載されているようにFAMSアッセイを用いて測定した。図7に示すように、Polisher STデプスフィルタを含む深度濾過工程を含む精製プラットフォーム(2)は、Polisher ST深層濾過工程を含まない対照精製プラットフォームと比較して、加水分解活性が低下した組成物を提供した。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】