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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】皮内有効成分送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20231114BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20231114BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A61M37/00 514
A61M5/14 510
A61M5/142 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527035
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021079871
(87)【国際公開番号】W WO2022101017
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】102020129916.8
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ショミッシュ,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC07
4C066DD12
4C066FF04
4C066KK08
4C267AA71
4C267BB39
4C267CC01
4C267GG16
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、間質液を抽出するために、特に複数の中空針(30)を有している抽出デバイス(10)を備えている皮内有効成分送達システムに関する。搬送デバイス(14)が抽出デバイス(10)に流体連結されている。更に、搬送デバイス(14)は有効成分リザーバ(16)に流体連結されている。搬送デバイス(14)は、有効成分を含む間質液を送達するために送達デバイス(26)に流体連結されている。送達デバイス(26)は、好ましくは液体状の混合物を皮内に送達し得るように中空針(30)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間質液を抽出するための抽出デバイス(10)と、
間質液を搬送するために前記抽出デバイス(10)に流体連結されている搬送デバイス(14)と、
前記搬送デバイスに流体連結されている有効成分リザーバ(16)と、
有効成分を含む間質液の皮内送達のために前記搬送デバイス(14)に流体連結されている送達デバイス(26)と
を備えている、皮内有効成分送達システム。
【請求項2】
前記抽出デバイス(10)はマイクロニードル(30)を有しており、特に少なくとも4針/cm2 、特に少なくとも50針/cm2 、特に好ましくは少なくとも100 針/cm2 を有するマイクロアレイを有している、請求項1に記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項3】
前記抽出デバイス(10)は、特に少なくとも4針/cm2 、特に少なくとも50針/cm2 、特に好ましくは少なくとも100 針/cm2 を夫々有する2つのマイクロアレイを有している、請求項2に記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項4】
前記搬送デバイス(14)は少なくとも1つのポンプを有している、請求項1~3のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項5】
固体状、液体状又は粉末状の有効成分が前記有効成分リザーバ(16)に蓄えられる、請求項1~4のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項6】
液体状の有効成分を含む前記有効成分リザーバ(16)及び前記抽出デバイス(10)は、前記搬送デバイス(14)の入口(20)、特にポンプ入口に連結されている、請求項1~5のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項7】
有効成分及び最初の液体が同時的に引き込まれるように、前記有効成分リザーバ(16)及び前記抽出デバイス(10)は前記搬送デバイス(14)の入口、特に前記ポンプ入口に連結されている、請求項6に記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項8】
前記有効成分リザーバ(16)は、前記搬送デバイスの出口(22)、特にポンプ出口に連結されている、請求項1~5のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項9】
前記搬送デバイスは2つのポンプ(14, 40)を有しており、前記有効成分リザーバ(16)は前記2つのポンプ(14, 40)間に配置されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項10】
前記送達デバイス(26)はマイクロニードルを有しており、特に少なくとも4針/cm2 、特に少なくとも50針/cm2 、特に好ましくは少なくとも100 針/cm2 を有するマイクロアレイを有している、請求項1~9のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項11】
前記送達デバイスは、前記搬送デバイス(14)の出口(22, 44)、特にポンプ出口に連結されている、請求項1~10のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項12】
前記有効成分リザーバ(16)は前記送達デバイス(26)に一体化されており、前記有効成分は、好ましくは前記送達デバイス(26)の針(30)に含まれる、請求項1~11のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項13】
間質液及び有効成分を混合するための混合チャンバを備えている、請求項1~12のいずれか1つに記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項14】
前記有効成分リザーバ(16)は前記混合チャンバを形成している、請求項13に記載の皮内有効成分送達システム。
【請求項15】
前記混合チャンバは前記搬送デバイス(14)に一体化されている、請求項13又は14に記載の皮内有効成分送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分、特に医療用有効成分を患者に皮内で送達することができる、皮内有効成分送達システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
有効成分の送達のために経皮治療システム(TTS)が知られている。例えば、経皮パッチが患者の皮膚に適用され得る。蓄えられた有効成分が皮膚を通して継続的に吸収される。この形態の投与は、注射とは異なり、患者にとって痛みがなく、更に薬物をより長い期間に亘って投与することができるという利点がある。しかしながら、不利点は、TTS を取り外すか又は交換することによってしか、薬物調節を行うことができないということである。特に、患者に送達される量を明確に決定することは困難である。
【0003】
更に、マイクロニードルを介して有効成分を投与することが知られている。ここで、有効成分は複数の針を介して皮膚の真皮に送達される。従って、送達は、神経がない皮膚の外層で行われるので、この有効成分送達も患者にとって痛みがない。これに関連して、中空針として構成されている針が知られており、中空針に有効成分が含まれて、針の先端の針開口部を通して有効成分が送達される。更に、皮膚に溶解する材料で構成されているマイクロニードルが知られている。マイクロニードルでは、有効成分が針材料に組み込まれている。マイクロニードルでも、例えば針が完全に溶解しない、破断し得るなどのため、患者に送達される有効成分の正確な量を決定することが困難であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、患者に送達される有効成分の量の決定をより容易にする皮内有効成分送達システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する皮内有効成分送達システムによって達成される。
【0006】
本発明に係る皮内有効成分送達システムは、間質液を抽出するための抽出デバイスを備えている。抽出デバイスは、特に中空針として構成されている複数のマイクロニードルを有していることが好ましい。搬送デバイスが抽出デバイスに流体連結されている。特に、搬送デバイスは、患者の組織から間質液を引き込むために使用される。更に、皮内有効成分送達システムは有効成分リザーバを備えている。有効成分リザーバは搬送デバイスに流体連結されている。有効成分リザーバには、患者に投与する有効成分が固体状及び/又は粉末状及び/又は液体状で含まれる。本発明によれば、送達デバイスが搬送デバイスに更に流体連結されている。送達デバイスは、有効成分及び抽出された間質液の混合物の皮内送達のため、又は有効成分が豊富な間質液の患者への送達のために使用される。送達デバイスは、特に中空針として構成されているマイクロニードルを有していることが好ましい。
【0007】
従って、本発明に係る皮内薬剤送達システムは、明確に定められた量の有効成分を患者に投与することを可能にする。ここで、有効成分リザーバでは有効成分が濃縮されており、間質液で希釈されるか又は間質液で溶解することが好ましい。
【0008】
本発明の特に好ましい更なる実施形態では、抽出デバイスは特に複数のマイクロニードルを有している。好ましい実施形態ではマイクロニードルアレイ毎に少なくとも4針/cm2 、好ましくは少なくとも50針/cm2 、特に好ましくは少なくとも100 針/cm2 を有する一又は複数のマイクロニードルアレイが設けられていることが好ましい。
【0009】
特に、抽出デバイスが複数のマイクロニードルアレイを有する場合、マイクロニードルアレイは互いに平行に配置されて、別個のチャネルを介して搬送デバイスに夫々連結されていることが好ましい。更に、複数の抽出デバイスが搬送デバイスの周囲に搬送デバイスから等しい距離で特に円形状に配置されることが可能である。複数のマイクロニードルアレイを設けることにより、特にマイクロニードルアレイが小さな断面でチャネルに夫々連結可能であるという利点があり、このため、非常に小型の皮内有効成分システムが実現され得る。複数のマイクロニードルアレイを設けることにより、十分な液体供給が常に確保されるという利点が更にある。特に、増大したストローク及び/又は数が増加したストロークのポンプを有する液体搬送デバイスと関連して、引き込みに適した液体を実現することが可能である。
【0010】
搬送デバイスは少なくとも1つのポンプを有していることが好ましい。ポンプは、特に液体が一方向にしか搬送され得ないように構成されたバルブを有するダイヤフラムポンプ等とすることが可能である。特に、ダイヤフラムはポンプの入口及び出口に夫々設けられている。このため、特に有効成分との混合が、好ましくはポンプ内又はポンプ内に設けられている空間内でのみ行われることが保証される。特に、有効成分が、能動的な送出又は投与無しに希釈されないことが回避される。更に、マイクロニードルアレイにダイヤフラムを設けることにより、チャネルが常に液体又は有効成分溶液で一定に充填されており、皮膚又はポンプ内に配置されたチャンバへの逆流が回避されるという利点がある。例えば、ポンプは、ポンプチャンバの圧力変化を引き起こして送出プロセスを有効にする圧電アクチュエータによって制御され得る。送出は、対応するチャンバに手動で生じる圧力によって行われることが更に考えられる。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態では、液体状の有効成分を含む有効成分リザーバが搬送デバイスの入口に連結されている。抽出デバイスが搬送デバイスの入口に更に連結されていることが好ましい。特に、ポンプの入口に連結されている。有効成分送達システムを小型化するために1つの入口が好ましいが、ポンプは、一又は複数の入口を有し得る。
【0012】
本発明のこの好ましい実施形態では、液体状の有効成分及び間質液が、搬送デバイスによって同時的に引き込まれ得る。ここでは、2つの液体が混合することが好ましい。任意に、2つの液体が混合する混合チャンバが、特に搬送デバイス内に設けられ得る。混合チャンバは、特にポンプのチャンバであってもよく、特にダイヤフラムポンプのチャンバであってもよい。その後、混合した2つの液体は、搬送デバイスにより、搬送デバイスに連結された送達デバイスを介して皮膚の真皮に送達されることが好ましい。
【0013】
更に好ましい実施形態では、有効成分リザーバは搬送デバイスの出口、特に搬送デバイスのポンプの出口に連結されている。ここで、液体状、固体状又は粉末状の有効成分が有効成分リザーバに含まれてもよい。搬送デバイスにより、この好ましい実施形態では、間質液が好ましくは抽出デバイスを介して引き込まれ、間質液は有効成分リザーバに搬送される。この実施形態では、有効成分リザーバは同時的に混合チャンバとしての機能を果たすか、又は有効成分の混合若しくは溶解が有効成分リザーバで夫々行われる。
【0014】
好ましい実施形態では、搬送デバイスは複数のポンプ、特に2つのポンプを有し得る。この実施形態では、有効成分リザーバが2つのポンプ間に配置されることが可能である。このため、流れの方向に有効成分リザーバの上流側に配置されたポンプを用いて、間質液を引き込み、次に有効成分リザーバに送出する。流れの方向に有効成分リザーバの下流側に配置されたポンプは、有効成分が豊富な間質液を引き込み、送達デバイスに搬送する。
【0015】
好ましい実施形態では、特に複数の中空針を有する送達デバイスは、特に一又は複数のチャネルを介して搬送デバイスに直接又は間接的に連結されている。
【0016】
更に好ましい実施形態では、送達デバイスは、特にチャネルを介して有効成分チャンバ又は混合チャンバに直接又は間接的に連結され得る。この実施形態では、ポンプが、引き込まれた間質液を有効成分リザーバ及び混合チャンバを通して搬送することが好ましい。ここで、有効成分が豊富な間質液が送達デバイスに達するように、間質液が有効成分を吸収する。
【0017】
本発明に係る皮内有効成分送達システムの更なる好ましい実施形態では、有効成分リザーバ又は更なる有効成分リザーバが送達デバイスに一体化されている。従って、このような有効成分リザーバに含まれる有効成分と間質液との混合が、患者への送達の直前に行われる。特に、有効成分は中空針に直接含まれ得る。
【0018】
任意に、皮内有効成分送達システムは混合チャンバを備えてもよい。ここで、圧電アクチュエータなどの混合要素が混合チャンバに作用して、有効成分を間質液と確実に混合してもよい。ここで、固体状又は粉末状の有効成分について有効成分の確実な溶解が更に保証され得る。実施形態に応じて、混合チャンバは省略されてもよく、又は例えば搬送デバイス、有効成分リザーバ及び/又は送達デバイスに一体化されてもよい。
【0019】
本発明に係る有効成分送達システムは、システム全体が患者の皮膚に簡単且つ確実に配置され得るような大きさを有する。僅か数cm2 の皮膚との接触面における小型構成に加えて、有効成分送達システムは、例えば腕を包むリストバンドの形態で更に実現され得る。本発明に係る有効成分送達システムを実現するために特に重要なのは、システムの可撓性及び針の貫通深さである。必要な可撓性を実現するために、システムは、常に非常に薄いため、動いている間も皮膚の表面全体と常に接触し続けるが、他方では患者の動きの自由度は僅かに制限されるだけである。針は、皮膚の真皮にのみ貫通する長さを有するので、痛みを伴う可能性のある神経との接触が回避される。
【0020】
以下に、添付図面を参照して好ましい実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る皮内有効成分送達システムの好ましい実施形態を示す図である。
図2】本発明に係る皮内有効成分送達システムの好ましい実施形態を示す図である。
図3】本発明に係る皮内有効成分送達システムの好ましい実施形態を示す図である。
図4】本発明に係る皮内有効成分送達システムの好ましい実施形態を示す図である。
図5】抽出デバイス又は送達デバイスを示す非常に簡略化された断面略図である。
図6】ダイヤフラムポンプの形態の搬送デバイスの非常に簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1~4に示されている本発明に係る皮内有効成分送達システムの様々な実施形態では、同一及び同様の構成要素に同一の参照番号が付されている。
【0023】
図1に示されている実施形態では、複数の中空針を含む2つのマイクロアレイを有する抽出デバイス10が備えられている。2つのマイクロアレイ10は、チャネル12を介してポンプ又は搬送デバイス14に夫々連結されている。液体状の有効成分が蓄えられる有効成分リザーバ16が、チャネル18を介してポンプ14に更に連結されている。図示されている例示的な実施形態では、3つのチャネル12, 18は全てポンプ14の上流側で統合されて、1つのポンプ入口20に連結されている。
【0024】
図示されている例示的な実施形態では、ポンプ14は、チャネル24に夫々連結されている2つのポンプ出口22を有している。或いは、ポンプ14は、2つのチャネル24に連結されている1つの出口を有してもよい。チャネル24は送達デバイス26に連結されている。送達デバイス26は、複数の中空針を有するマイクロアレイである。
【0025】
図5は、抽出デバイスのマイクロアレイ10又は送達デバイスのマイクロアレイ26であり得るマイクロアレイの断面を概略的に示している。マイクロアレイ10, 26は、先端に開口部30を有する複数の中空針28を有している。マイクロアレイが抽出デバイスである場合、開口部30を通して間質液を引き込むことができる。マイクロアレイが送達デバイスである場合、有効成分が豊富な間質液が開口部30を通して患者に送達される。中空針28は、開口部30の反対側のチャネル32に連結されている。チャネル32は、マイクロアレイの表面全体に亘って延びてチャネル12又はチャネル24に連結されていることが好ましい。
【0026】
図1に示されている皮内有効成分送達システムにより、間質液を、ポンプによってマイクロアレイ10の中空針を介してチャネル12を通って引き込むことができる。同時的に、液体状の有効成分を有効成分リザーバ16から引き込む。ポンプ14内又は既にチャネル12, 18が併合されている領域で2つの液体が混合する。ポンプ入口20を閉じた後、ポンプ14を使用して、流体混合物を2つの出口22及びチャネル24を通して送達デバイス26のマイクロニードル30に搬送して患者に注入することが可能である。
【0027】
例えば、ポンプ14は、図6に概略的に示されているダイヤフラムポンプであってもよい。図6に示されているポンプ14の状態では、出口22及び入口20の両方が閉じている。ポンプ14は無負荷状態である。例えば、図示されていない圧電素子によってポンプキャビティ34に力を加えることができる。ポンプキャビティ34に負圧又は真空が生じると、入口20が開き、液体が矢印36の方向にキャビティ34に流れ込むことができる。ポンプキャビティ34から液体を搬送するために、例えば圧電素子を用いてキャビティ34に再び圧力を加える。このため、図6の下の図にように入口20が閉じる。同時的に、液体が矢印38の方向に流れるように出口22が開く。
【0028】
図2に示されている別の実施形態によれば、抽出デバイスの2つのマイクロアレイ10は、ここでもチャネル12を介して第1のポンプ14に連結されている。この例示的な実施形態では、第1のポンプ14の出口22は有効成分リザーバ16に連結されている。次に、有効成分リザーバ16は、流れの方向に、つまり図2の右側に入口42を介して第2のポンプ40に連結されている。第2のポンプ40の出口44が、チャネル24を介して送達デバイス26に連結されている。
【0029】
従って、図2に示されている例示的な実施形態では、第1のポンプ14は抽出デバイス10を介して間質液を引き込み、有効成分リザーバ16に搬送する。有効成分リザーバ16には、液体状、固体状又は粉末状の有効成分が含まれる。従って、図2に示されている例示的な実施形態では、有効成分リザーバ16は更に混合チャンバとしての機能を果たす。第2のポンプ40は、有効成分リザーバ16から液体状の混合物を引き込み、チャネル24を介して送達デバイス26に搬送する。
【0030】
図3に示されている例示的な実施形態は、第2のポンプが設けられていない点を除いて、図2に示されている例示的な実施形態に実質的に相当する。ポンプ14によって引き込まれる間質液は、ポンプ14によって有効成分リザーバ16を通って送出され、有効成分リザーバで間質液が有効成分を吸収する。その後、ポンプ14は、液体状の混合物を、直接チャネル24を通して送達デバイス26に搬送し続ける。
【0031】
図4に示されている実施形態は、図1に示されている実施形態に実質的に相当し、有効成分リザーバ16がポンプ入口20に連結されていない。むしろ、この例示的な実施形態では、有効成分リザーバが送達デバイス26に一体化されている。例えば、有効成分は中空針30及び/又はチャネル領域32(図5)に含まれており、注入直前に間質液に吸収される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】