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特表2023-548873空気調和設備のためのインサートデバイス及びインサートデバイスを備えた空気調和設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】空気調和設備のためのインサートデバイス及びインサートデバイスを備えた空気調和設備
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20231114BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20231114BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20231114BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20231114BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20231114BHJP
   F24F 8/167 20210101ALI20231114BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20231114BHJP
   F24F 3/16 20210101ALI20231114BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/20
A61L9/22
A61L9/01 B
A61L9/014
F24F8/167
F24F8/22
F24F3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527269
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021081923
(87)【国際公開番号】W WO2022106442
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】20208188.1
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522251973
【氏名又は名称】カリステア・ソシエテ・パール・アクシオンス・サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】タラント,ジェローム
【テーマコード(参考)】
3L053
4C180
【Fターム(参考)】
3L053BD02
3L053BD05
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180BB08
4C180CC03
4C180CC04
4C180CC13
4C180CC15
4C180DD03
4C180DD17
4C180EA02Y
4C180EA08Y
4C180EA14X
4C180EA25X
4C180EA26X
4C180EA30X
4C180EA33X
4C180EA33Y
4C180EA34X
4C180EA35X
4C180EA38X
4C180EA40Y
4C180EA45X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH17
4C180HH19
4C180JJ02
(57)【要約】
本発明は、空気調和設備のためのインサートデバイスであって、空気調和設備は所与の流れ方向に流れる空気を案内するエアハンドリングユニット(1)を備え、エアハンドリングユニット(1)は少なくともフィルタ(5、7)が収納される既定断面のケーシングを有する、インサートデバイスにおいて、インサートデバイスが、エアハンドリングユニット(1)のケーシングの既定断面内に取り付けられる形状をした外側の閉鎖された周囲を有するフレームケーシング(8)を備え且つ空気流れのための開放された端面(9)を有し、端面(9)のそれぞれには担持体グリッド(17)と触媒材料のコーティングとを備えた空気透過性触媒グリッド構造(12)が保持され、触媒材料は、吸着剤と電磁放射によって活性化可能な第1触媒と低温にて活性化される第2触媒とを備える混合物であり、フレームケーシング(8)は、追加的に、その端面(9)の触媒グリッド構造(12)間に電磁放射源を保持する、インサートデバイスに着目している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和設備のためのインサートデバイスであって、前記空気調和設備は所与の流れ方向に流れる空気を案内するエアハンドリングユニット(1)を備え、前記空気ハンドリングユニット(1)は少なくともフィルタ(5、7)が収納される既定断面のケーシングを有する、インサートデバイスにおいて、
前記インサートデバイスが外側の閉鎖された周囲を有するフレームケーシング(8)を備え、前記インサートデバイスは、前記エアハンドリングユニット(1)の前記ケーシングの既定断面内に取り付けられるように適合され且つ前記空気流れのために開放されている端面(9)を有し、前記端面(9)のそれぞれには、担持体グリッド(17)と触媒材料のコーティングとを備えた空気透過性触媒グリッド構造(12)が保持されていること、
前記触媒材料が、吸着剤と、電磁放射によって活性化可能な第1触媒と、低温にて活性化される第2触媒と、を備える混合物であること、及び、
前記フレームケーシング(8)が、追加的に、その端面(9)の前記触媒グリッド構造(12)間に電磁放射源を保持していること、
を特徴とするインサートデバイス
【請求項2】
請求項1に記載のインサートデバイスにおいて、
前記第1触媒がUV放射によって活性化可能であること、及び前記電磁放射源がUV放射を発すること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のインサートデバイスにおいて、
少なくとも1つのUVランプ(10)が前記触媒グリッド構造(12)間に前記電磁放射源デバイスとして配設されていること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項4】
請求項2に記載のインサートデバイスにおいて、
プラズマの他にUV放射を生成するプラズマ生成器が前記電磁放射源デバイスの役目を果たしていること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
両触媒ならびに前記吸着剤がそれぞれコーティング工程の前に粉末の状態で混合されていること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記インサートデバイスが空気フィルタ材料を備えていること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記インサートデバイスがUV遮断層を備えていること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記担持体グリッドがアルミニウム又はアルミニウム合金であること、を特徴とするインサートデバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記担持体グリッドがハニカム構造を有している、インサートデバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記触媒材料が結合剤不含である、インサートデバイス。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記第1触媒が二酸化チタンTiO2であり、前記第2触媒が一酸化マンガンMnOであり、且つ、吸着剤がゼオライト、特にA型のゼオライトである、インサートデバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記触媒材料の前記諸成分が、それらの全質量に対する重量パーセントにして以下の範囲、即ち、
前記第1触媒が27~30%の間の範囲、前記第2触媒が11~17%の間の範囲、及び前記吸着剤が55~59%の間の範囲で提供されている、インサートデバイス。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のインサートデバイスにおいて、
前記触媒材料が、粉末非熱触媒であって、その全質量に対する重量パーセントにして、
27~30%の間の光活性化二酸化チタンTiO2
11~17%の間の一酸化マンガンMnO、
55~59%の間のA型の合成親水性ゼオライト、
を備える粉末非熱触媒である、インサートデバイス。
【請求項14】
所与の流れ方向に流れる空気を案内するエアハンドリングユニット(1)を備える空気調和設備であって、前記エアハンドリングユニット(1)は少なくともフィルタ(5、7)が収納される既定断面のケーシングを有し、前記フィルタ(5、7)は前記エアハンドリングユニット(1)の前記ケーシングの前記自由断面に適合された周囲形状を有する支持体フレーム(15)によって保持される、空気調和設備において、
前記インサートデバイス(6,6’)が前記支持体フレーム(15)の中へ挿入されること、を特徴とする空気調和設備。
【請求項15】
請求項14に記載の空気調和設備において、
前記インサートデバイス(6、6’)が請求項1乃至13の何れか一項に記載のインサートデバイスである、空気調和設備。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の空気調和設備において、
前記インサートデバイス(6、6’)が前記エアハンドリングユニット(1)の中へフィルタユニット(7)に追加して挿入されること、を特徴とする空気調和設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和設備のためのインサートデバイスであって、空気調和設備は所与の流れ方向に流れる空気を案内するエアハンドリングユニットを備え、エアハンドリングユニットは少なくともフィルタが収納される既定断面のケーシングを有する、その様な空気調和設備のためのインサートデバイスに関する。更に、本発明は、インサートデバイスを有する空気調和設備に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の人間又は動物が生活、仕事、及び/又は会合のために居合わせる締め切られた部屋では空気調和設備が使用される。空気調和設備は、粉塵の蓄積を回避するために、部屋から空気を取り出す働き及び空気を濾過後に元に戻す働きをする。多くの場合、部屋から取り出された空気の少なくとも一部は、蓄積されたCO2をO2で置換するために部屋の外部から引き込まれた新鮮な空気によって置き換えられる。必要に応じ、新鮮な空気は加温又は冷却されることもある。
【0003】
ほとんどの空気調和設備は、部屋内の空気の少なくとも或る一定量を再循環させることができるように部屋内の空気から粒子を除去するのに適している。しかしながら、その様な設備のほとんどは、粒子や化学的汚染物質を更なるユニットによってトラップするように設計されていて、その様な更なるユニットは過負荷又は付着物に因って効果がなくなるのを回避するために適切な時期に交換されなくてはならない。
【0004】
本明細書では、空気調和設備とは、エアハンドリングユニットが空気案内管材へ接続されている固定型設備はもとより、エアハンドリングユニットが意図的に位置決めできるようになったキャビネットを備えている設備も含めるものとする。前述のキャビネットは、周囲空気へ直接接続され得る入力開口部及び出力開口部を有する移動式空気調和設備として、又は代替形としては部屋から清浄化されるべき空気を吸うための又は清浄化された空気を分配するための管へ接続された少なくとも1つの開口部を有する移動式空気調和設備として使用され得る。
【0005】
化学的汚染物質そして更には微生物学的汚染物質を吸着するのみならず破壊することも可能な空気調和設備が知られている。それらは、空気案内管材が接続されるエアハンドリングユニットとして極めて大きいサイズのキャビネットを使用している。細菌、ウイルス、及び真菌に因る切迫した脅威がある場合に、通常の空気調和設備は、仮にそれらが部屋内の空気を再循環させるだけのものなら使い物にならない、ということは理に適う。改善策として、少なくとも能力不足のエアハンドリングユニットは、化学的汚染物質及び特に微生物学的汚染物質を破壊するのに適したエアハンドリングユニットに置換されなくてはならない。多くの場合、新しいエアハンドリングユニットは使用されていた能力不足のエアハンドリングユニットと比較してはるかに嵩張るだろうから、前述の置換作業は複雑になる可能性がある。ゆえに、多くの場合は、能力不足のエアハンドリングユニット自体が又はエアハンドリングユニット内の能力不足のフィルタが置換されず、部屋内の人間又は動物の健康に対するリスクを招くことになる。「部屋」という用語は、ここでは、個人住宅内の部屋、会合部屋、事業所、会議場及び同様の会場、工場のホール、厩舎などを含めて使用されている。
【0006】
空中浮遊の汚染物質を破壊するのに適したエアハンドリングユニットは、大抵は、触媒の様な促進酸化法(AOP)を含んでいて、病院、検疫所、又はレストランの様な公共の場所などでの周囲空気を清浄化するための空気調和システム又は空気浄化システム内に使用されている。また、2つ以上の触媒の組合せ、主として電磁放射、特にUV放射によって開始させる活性を有する触媒と周囲温度にて既に有効であり得る更なる触媒との組合せを使用することも知られている。両触媒の組合せは、電磁放射を用いて活性化される触媒によって微生物学的汚染を破壊すること、そして第2触媒を用いて第1触媒の反応生成物を完全に鉱化させること、に有効であることが判明している。各触媒の例は、中華人民共和国特許公開第106582265号及び日本特開平11-137656号に記載されている。電磁放射源としてUVランプが使用されていて、UVランプはそれぞれの触媒の近くに配設されなくてはならない。
【0007】
例えば日本特開平11-137656号からは、酸化マンガンと二酸化チタンと吸着剤とからなる触媒組成物が知られている。これらは結合剤を介して固体支持体へ結合されている。結合剤は触媒を部分的に覆っており、したがって活性化UV放射及びクラッキングされる分子によって達成できる量がまさに減ってしまう。別の実施形態によれば、諸成分の懸濁液がファブリックの多孔質体中に含浸されている。しかしながら、これらは汚染除去されるべきガスに対する高い流れ抵抗をもたらす。そのため、時間単位当たりに大量のガスを効率的に清浄化するのは無理である。この文献の実施形では、二酸化チタンの活性を低下させないために第2触媒の比率は二酸化チタンの22%の量を超えないものとされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中華人民共和国特許公開第106582265号
【特許文献2】日本特開平11-137656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、締め切られた部屋内の空気の汚染除去を、現在の空気調和設備との組合せにおいて可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、上述のインサートデバイスが、外側の閉鎖された周囲を有するフレームケーシングであってエアハンドリングユニットのケーシングの既定断面内に取り付けられる形状をしていて且つ空気流れのための開放された端面を有しているフレームケーシングを備え、端面のそれぞれには、担持体グリッドと触媒材料のコーティングとを備えた空気透過性触媒グリッド構造が保持され、触媒材料は、吸着剤と、電磁放射によって活性化可能な第1触媒と、低温にて活性化される第2触媒と、を備える混合物であり、フレームケーシングは、追加的に、その端面のグリッド構造間に電磁放射源を保持している。
【0011】
本発明は、空気調和設備の商業的に入手可能なエアハンドリングユニットの中へ、当該エアハンドリングユニットのフィルタの代わりに又はフィルタに加えて挿入することのできるコンパクトなインサートデバイス内で、化学的汚染物質及び生物学的汚染物質の破壊に必要な空気処理を提供するという発想に基づく。したがって、本発明は、在来型空気調和設備の容易アップグレードを可能にし、その結果、空気調和設備の厳格な再構築なしにそれらは化学的汚染物質及び生物学的汚染物質を破壊するのに有効なものとなる。第2触媒は特に周囲温度である低温にて既に活性化されているので、第2触媒は特定の活性化剤がなくても周囲温度で有効となり得る。低温とは、70°Cより下、特に50°Cより下であるものとする。
【0012】
多くの目的で、空気の流れを生じさせるファンをエアハンドリングユニット内に含むことが好都合である。幾つかの実施形態では、エアハンドリングユニットは、固定型設備の一部であり、空気案内管材へ接続されている。本明細書での使用に際し、「空気案内管材」という用語は「エアダクト」としても知られており、両用語は本明細書では互換的に使用される。他の実施形態では、エアハンドリングユニットは、独立型ユニットであるか、又は、少なくとも、浄化されるべき空気を吸うための及び/又は汚染除去された空気を所望の(単数又は複数の)場所へ分配するための管材へ接続されたキャビネットである。
【0013】
本発明のインサートデバイスは、1つ又はそれ以上のフィルタユニットを保持するように設計されたエアハンドリングユニットのフレーム構造内に嵌るように設計されることができる。つまり、本発明によれば、在来型フィルタのための公知のフレーム構造が、化学的汚染物質及び生物学的汚染物質を破壊するための完全な配設を備えるインサートデバイスを保持するのに使用できる、ということである。
【0014】
本発明の或る態様によれば、所与の流れ方向に流れる空気を案内するエアハンドリングユニットを備える空気調和設備であって、エアハンドリングユニットは少なくともフィルタが収納される既定断面のケーシングを有し、フィルタはエアハンドリングユニットの自由断面に適合された周囲形状を有する支持体フレームによって保持される、その様な空気調和設備が、インサートデバイスが支持体フレームの中へ封止式に挿入されることを特徴とする。エアハンドリングユニット内で、触媒を備えたインサートデバイスは、以前のフィルタユニットの代わりに又は吸着剤の様な通常のフィルタユニットであり得る1つ又はそれ以上の他の更なるユニットに加えて配設され及び使用され得るフィルタユニットを確立することができる。「封止式に挿入される」とは、エアハンドリングユニット内を流れる空気にとっての考慮するべき迂回路が存在せず、本質的に空気がすべてインサートデバイスを通過することになる、ということを意味する。完璧な封止が要求されているわけではない。或る特定の実施形態では、エアハンドリングユニットは、空気流れを生じさせるためのファンも含んでいる。
【0015】
在来型フィルタユニットは、洗浄及び/又は交換の目的でエアハンドリングユニットから容易に取り外し可能であるように配設されているので、本発明によるインサートデバイスはエアハンドリングユニットの中へ容易に挿入できる。したがって、本発明のインサートデバイスは、追加の空間も追加のキャビネット又は同等物も使用することなしに、在来型空気調和設備の容易アップグレードを可能にする。
【0016】
本発明のインサートデバイスの或る実施形態では、第1触媒は、UV放射によって活性化可能であり、電磁放射源はUV放射を発する。この目的で、少なくとも1つのUV源が、電磁放射源デバイスとしてグリッド構造間に配設されてもよい。UV源は、少なくとも、従来のUVランプならびにUVLEDの配列であってもよい。別の実施形態では、電磁放射源デバイスは、好ましくはコールドプラズマであるプラズマの放射に因るUV放射を生成するプラズマ生成器であってもよい。この実施形態では、プラズマを用いることで触媒の効果が強化され、化学的汚染物質ならびに生物学的汚染物質を破壊することのできる反応性の高い種を形成させることができる。
【0017】
両触媒ならびに吸着剤がそれぞれ粉末の状態で混合されているとき、グリッド担持体が前述の粉末材料のスラリでコーティングされると、それぞれの粒子の非常に細かい分布が得られる。
【0018】
本発明の或る実施形態では、触媒グリッド構造は酸化還元プロセスに対する強い耐性がある。それは、十分な安定性と触媒効果のための広い表面を、グリッド構造を通る空気の流れにとっての低い抵抗と組み合わせて提供するハニカム構造を有していてもよい。
【0019】
必要に応じて、触媒グリッド構造は、インサートデバイスのそれぞれの外側の面を、空気透過性可撓性フィルタ材料の層によって完全に覆われていてもよい。随意的なフィルタ材料は、UV放射がインサートデバイスの外部の領域に到達せず、エアハンドリングユニットの近くで仕事をする人に害を及ぼす可能性のないよう、UV放射をインサートデバイス内に引き留めるように特に設計されていてもよい。その層は、約1mmの厚さを有し、例えばガラス繊維製の不織布から成っていてもよい。別の実施形態では、前述の層は、一方ではUV放射を引き留め、他方では流れる空気について低い圧力降下を生じさせるように、数μm程度のメッシュ幅を有する金属製グリッド状であってもよい。この目的には、金属製グリッドの極細目の壁が必要であり、結果的に、触媒反応器を確立するインサートデバイスの入力側と出力側で前述の層の可撓性が高くなってしまう。機械的安定化のために、層は、比較的低い可撓性を有するが流れる空気については圧力降下を増加させないよう数ミリメートルのメッシュ幅を持たせた支持体グリッドによって保持されてもよい。
【0020】
発明は、添付図面に描かれている実施形態を参照しながらより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】或る空気調和設備の諸部分の側面図であり、エアハンドリングユニットは断面図で示されている。
図2】或るインサート型デバイスの第1の実施形態の部分分解図である。
図3】取り付けられたインサートデバイスの斜視図である。
図4図3の細部を斜視図で示している。
図5】完全なインサートデバイスの長尺長手方向断面図である。
図6】インサート型デバイスの横断方向断面図である。
図7】インサートデバイスを担持することのできる標準的な支持体フレームを備えたエアハンドリングユニットの内部壁を示す概略斜視図である。
図8】支持体フレームの中へ取り付けられたインサートデバイスを示している。
図9】4つのフィルタユニットを担持するように設計された支持体フレームの或る異なる実施形態を示している。
図10図9のフレームの中へ取り付けられた4つのインサートデバイスを示している。
図11】グリッド構造の一部随意とされる構成要素の分解図である。
図12図11に示されているグリッド構造の断面図である。
図13】ラックキャビネット内のエアハンドリングユニットの或る実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、両端に空気案内管材(エアダクト)2を接続させたエアハンドリングユニット1から成る空気調和設備の必須部分を示している。図1の実施形態では、エアハンドリングユニット1の有効直径又は最大値直径は、空気案内管材2の直径よりも幾分大きい。
【0023】
エアハンドリングユニット1内には、エアハンドリングユニット1及び空気案内管材2(エアダクト)内の空気を図1の矢印で指示された既定の流れ方向4に進ませる働きをするファン3が位置決めされている。 空気案内管材2は、ファン3によって駆動された空気を本質的に締め切られた部屋(図示せず)の中へ浄化された空気として案内し、また部屋の空気を吸い取り、それを濾過及び浄化のためにエアハンドリングユニット1の中へ案内するだろう。
【0024】
エアハンドリングユニット1は、空気案内管材2のより小さい直径からエアハンドリングユニット1のより大きい寸法への移行を確立するために円錐形の端部を有している。エアハンドリングユニット1の中へ流れ込む空気は、空気ストリームのより大きい粒子を引き留めるための通常は粗目フィルタとされるプレフィルタ5を通る。その後、空気はファン3によって加速され、次いで本発明によるインサートデバイス6を通る。図1から分かる様に、完全な空気流れがインサートデバイス6を通過してゆくようにインサートデバイス6はエアハンドリングユニット1の自由直径全体に亘って延びている。
【0025】
インサートデバイス6を通った後、空気流れは更にエアハンドリングユニット1の下流端に随意で配設させることのできるフィルタユニット7を通過するようになっていてもよい。フィルタユニット7は、空気調和設備用の在来のHEPA(高効率微粒子空気)フィルタから成っているか又は備えていてもよい。
【0026】
図1は、本発明によるインサートデバイスがエアハンドリングユニット1内にプレフィルタ5及びフィルタユニット7と同じやり方で配設されることを示しており、この様にインサートデバイスは、エアハンドリングユニット1内に容易に取り付けることができ、空気調和設備内に余分なスペースを必要とすることはない。なお、図1はエアハンドリングユニット1内にファン3を示しているが、空気流れを生じさせるためのファン3は、同じく、空気案内管材2内又は空気案内管材2の入口の様な空気回路内の他の場所に位置決めされてもよい。
【0027】
図2は、エアハンドリングユニット1への挿入を可能にさせるインサートデバイス6の基本構造の或る実施形態を示している。インサートデバイス6は、外側の閉鎖された周囲を形成していて且つ2つの開放された端面9を備えているフレームケーシング8から成る。フレームケーシング8は、その高さと奥行きそれぞれの寸法よりも小さい幅Wを有している。この実施形態では、フレームケーシング8は、その内部に、フレームケーシング8の高さに亘って等しく距離を取って対に配設された8つのUVランプ10を保持している。フレームケーシング8の高さと奥行きは、より詳細に後述されている様に、エアハンドリングユニット1の自由断面のそれぞれの寸法と一致している。フレームケーシング8は、インサートデバイス6のケースを閉じるために、触媒グリッド構造12を挿入させる周方向の座11を両方の開放された端面9上に形成している。触媒グリッド構造12は、空気ストリームの流れ方向に不当な圧力降下を生じさせることのないように空気透過性である。図面から明白である様に、フレームケーシング8はその幅が流れ方向4に平行になるように向き付けられる。
【0028】
フレームケーシング8ならびに触媒グリッド構造12の形状は、空気調和設備のエアハンドリングユニット1の自由断面の寸法に依存する。
【0029】
図3は、エアハンドリングユニット1の正方形断面用に設計されたインサートデバイス6’の別の実施形態の斜視図を示している。インサートデバイス6’は、触媒グリッド構造12がフレームケーシング8のそれぞれの座11内へ挿入され、ブラケット13を用いて所定位置に保持された取付状態で示されており、ブラケット13はファン3によって循環され又は駆動される空気の流れ経路の中へ延びることなく触媒グリッド構造12を所定位置に保持する。ブラケットは、ねじ14を用いてフレームケーシング8へ取り付けられている。これは図4に詳しく示されている。触媒グリッド構造12の表面は、フレームケーシング8の表面と少なくともほぼ面一であり、この表面からほんの僅かしか突出しないとしてもよい。
【0030】
図5及び図6は、取り付けられたインサートデバイス6’の互いに直角を成す2つの方向への2つの断面図を示している。フレームケーシング8は、幅Wを有する周囲に沿って延びている。開放された端面9は、詳細に後述される触媒グリッド構造12によって閉じられている。インサートデバイス6’のケーシングの内部には、UVランプ10が保持され、以下に詳細に解説されている様に触媒グリッド構造12の光触媒成分を活性化する働きをする。
【0031】
図7及び図8は、矩形チャネルを形成するエアハンドリングユニットの内部を覗く概略図を示している。フィルタユニット用の標準的な支持体フレーム15が使用され、固定されている。インサート型デバイス6は、インサート型デバイス6の表面が前述の標準的な支持体フレーム15と本質的に面一になるように標準的な支持体フレーム15に嵌る設計及び寸法である。したがって、標準的な支持体フレーム15内のインサートデバイス6の固定は、ブラケット16によって容易に遂行されることができる。
【0032】
図9及び図10は、標準的な支持体フレーム15’がフィルタユニット用に4つの座を提供する実施形態を示している。この実施形態は、エアハンドリングユニット1のより広大な自由断面に対応するのに役立つ。標準的な支持体フレーム15’は、4つのフィルタユニットを保持していて、フィルタユニットを1つしか保持しないより大型のフレームに比較してより高い安定性を提供することができる。この修正された支持体フレーム15’は、図10に描かれている様に4つのインサートデバイス6を保持するために使用できる。
【0033】
触媒グリッド構造12の或る実施形態が図11及び図12に描かれている。触媒グリッド構造12の必須要素は、例えばアルミニウムから成る担持体グリッド17である。担持体グリッド17は、空気流れが通過しなくてはならない六角形チャネルを提供するようにハニカム構造を有していてもよい。矩形、正方形、又は菱形或いは斜方形のグリッドの様な他の担持体グリッド構造が使用されてもよい。担持体グリッド17の材料は、任意の適切なやり方で選定されればよく、例えば別の金属又は適切なプラスチック材料であってもよい。
【0034】
或る実施形態では、担持体グリッド17は基本的にはアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。アルミニウムは高い電気伝導性を有する。これは、酸化還元プロセス中に触媒によって形成される電荷の分離を改善することを可能にし、電荷がより良好に分離されることでそれらの再結合が低くなり、それによって電荷は空中浮遊の汚染物質除去のための触媒反応により多く関与するので反応の効率が改善される。加えて、アルミニウムの高い熱伝導性は、典型的には20~23°Cの領域にある周囲空気から、及びUVランプによって発せられる熱から、酸化マンガン(MnO)触媒の様な低温にて活性化される第2触媒への、より良好な熱量移動を促進することを可能にする。低温触媒は、20~80°Cの範囲で活性化されるのが典型的であり、45~50°Cの様な40~55°Cの領域では良好な活性を有する。
【0035】
加えて、アルミニウムは弾性限界も低く、ゆえに、支持体の継続的な変形ひいては触媒コーティングを脆弱化させる変形も回避される。或る実施形態では、本明細書に定義される触媒は、如何なる結合剤もなしにコーティングされており、ゆえに、支持体が変形すれば、触媒表面に多くの亀裂が生まれ、結果的に触媒表面が脆弱化し、コーティングが失われることにならないとも限らない。
【0036】
また、アルミニウムは不活性材料であり、ポリマーの様な有機材料の場合がそうであるように酸化還元反応中に反応することも触媒によって破壊されることもあり得ない。そのうえ、アルミニウムは軽量であり、ゆえに、本発明によるインサートデバイスの容易な取り外しが、目だった変形なしに実施可能である。ゆえに、例えばEN1806による高いクラスレートが実施可能である。
【0037】
加えて、本発明の或る実施形態による担持体グリッドの好適構造であるハニカム形状の構造は、他の三次元構造に比較して好ましい。材料は極めて開放されたセルを有し、ゆえに、圧力降下が低減される。つまり、空気流れに対する抵抗がない、ということを意味する。また、第1触媒の高い活性化を可能にする高い照射が実現される。
【0038】
材料は、多くの異なる寸法の厚さと1cm2当たりセル数で存在していてもよい。更に、多くの種類の光源を考察すると、LEDの様な小型の光源が、触媒照射を改善するためにハニカムのセル内部に直接実施されるということさえあり得るだろう。ハニカム構造は、剛性材料を提供することを可能にし、したがって、セル内部にコーティングされた触媒、つまり触媒の特定の実施形態では(結合剤の存在なしに)コーティングされた触媒は、取り扱い及び亀裂から十分に保護される。アルミニウムハニカムセルの六角形の形状が、金属製の表面と支持体の剛性と金属の重量との間の最善に妥協できる実施形態である。
【0039】
担持体グリッド17は触媒材料でコーティングされる。インサートデバイス6、6’のコンパクトな構造は、第1触媒と第2触媒と吸着材とから成る高効率触媒材料のおかげで実現されるものであり、前述の諸成分は別々に作製され、それぞれ粉末の状態で混合される。混合物は、スラリを形成するために、適切な液体、例えば水とアルコールの混合液に入れられ、形成されたスラリは、その後、担持体グリッド17の表面全体にコーティングされることになる。コーティングは、数工程に分けて工程毎に薄い層を形成しながら行われ、それらの薄い膜が一体となって1~250μmの間とされ得る所望厚さの均一コーティングを形成するのが好ましい。コーティングは、ディップコーティング又はスプレーコーティングを含む様々な方法によって遂行されることができる。各コーティング工程の後、薄い層は次の層が塗布される前に乾燥される。それによって、結合剤不含コーティングを実現させ、触媒の効率を強化することができる。
【0040】
担持体グリッド17の貫通孔又はチャネルは、インサートデバイス6がエアハンドリングユニット1内に取り付けられたときに、エアハンドリングユニット1の自由断面積を極僅かしか減少させないように設計される。貫通孔の面積は、エアハンドリングユニット1の自由断面の面積の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を占めることができる。十分な触媒効果を提供するためには、貫通孔の長さは、少なくとも5mmとされ、他の実施形態では少なくとも10mm、15mm、又は20mm、最大で50mm及びそれ以上とされる。貫通孔の長さと貫通孔の限界壁間距離(「直径」)の比は、好ましくは、2より大きく、他の実施形態では5より大きく、10より大きく、且つこれらの場合には50以下であり、他の実施形態では30以下であり、又は20以下である。貫通孔の限界壁の距離(丸い貫通孔の場合は直径)は、少なくとも2mmであり、他の実施形態では少なくとも5mm又は少なくとも7mmである。上限は、50mmであり、他の実施形態では20mm又は10mmである。貫通孔によって形成される直線状のチャネルは、グリッド構造によって生じる圧力降下を最小限にする観点から好適である。
【0041】
担持体は、例えば、アルミニウム又は鋼の様な金属、プラスチック材料、又は複合材料から形成されることができる。担持体は、例えば、グリッド、プレート、又はエキスパンデッドメタルとして形成されることができる。或る好適な実施形態では、担持体は、複数の貫通孔を好ましくはハニカム様式で形成する波形の及び/又は折り重ねられたシートから成形される。平面材料に比較したハニカムパネルの利点は、コーティングされる表面が広くなることと圧力降下が低いことである。また、セル内の放射照度にも優れる。担持体は単にハニカム又はハニカムパネルと呼称されることもしばしばある。貫通孔は六角形の断面を有しているのが好ましい。
【0042】
或る好適な実施形態では、貫通孔は、担持体の体積の少なくとも80%を占め、より好ましくは担持体の体積の少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%、特に少なくとも95%を占める。これは、使用時に担持体を通る十分なガスの流れを確保するのに役立つ。したがって担持体の支持構造は、薄く提供されており、例えば薄い金属の形態、好ましくは薄いアルミニウム又は別の不活性材料すなわち基本的に触媒と反応しない材料の形態で提供される。アルミニウムは軽量で十分に不活性であるという利点をもたらし、したがって触媒は担持体そのものを決定的なやり方で攻撃しようとはしない。
【0043】
貫通孔は、好ましくは、ガスが担持体を通って流れることのできる長さに沿って、少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmの長さを有する。好ましくは、長さは20cmを超えない、より好ましくは10cmを超えない。孔の長さ、それは通常グリッド様担持体の厚さに等しいのであるが、この長さが汚染除去の効率に多大な影響を有する。長さが短すぎる場合、提供される触媒活性表面は低く、したがって汚染除去は効率的でない。長さが高すぎると、UV放射が孔の中央の光触媒に到達しないか又は十分に到達しなくなるので、提供された光触媒の一部が活性化されない。更に、長い貫通孔の中央部分を満足にコーティングするのは困難である。したがって、孔の長さと直径の比も重要であり得る。比は、好ましくは2より大きく、より好ましくは5より大きく、特に10より大きく、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、特に20以下である。貫通孔の断面が円形でない場合、比を計算するための直径を決定するには近似させた外接円又は最小二乗法により近似させた円の直径が使用されてもよい。孔の直径は、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも5mm、特に少なくとも7mmである。孔の直径は、好ましくは50mmを超えず、より好ましくは20mmを超えず、特に10mmを超えない。
【0044】
貫通孔は、直線状に走っていて、その長さに沿って湾曲したり角度を付けられたりしていないのが好ましい。
【0045】
貫通孔の直径と隣接する貫通孔同士を隔てる担持体のバー又はシートの厚さとの比は、好ましくは10より大きく、より好ましくは20より大きく、特に40より大きい。
【0046】
或る好適な実施形態では、スラリは結合剤不含である。これは、第1触媒、第2触媒、及び吸着剤の担持体への接着性を強化するのに追加の無機又は有機結合剤が添加されない、ということを意味する。結合剤は、例えば、セルロース及びその誘導体、或る種のタンパク質又はポリマー、及びシリカ又はアルミナの様な無機結合剤である。例えば毛管結合された懸濁液の残留量は、結合剤とは見なされない。同じく、例えば雰囲気湿分に由来する水は結合剤とは見なされない。好ましくは、スラリは、吸着剤と第1触媒と第2触媒の全質量に対比して2%の結合剤量を超えない限りはなおも結合剤不含と見なされる。特に、懸濁液を蒸発させた後の担持体上には触媒及び吸着剤の周りに結合剤分子のマトリックスが形成されていない。
【0047】
スラリは、ディッピングを含め、様々な方法によって担持体へ塗布されることができる。或る好適な実施形態では、スラリはスプレーコーティングを介して塗布される。スプレーコーティングは、特にスラリへ別個の結合剤を提供する必要なしに、極めて耐久性があり且つ一貫性のあるコーティングをもたらした。コーティングは、特に結合剤を使用することなく、4バールまでの空気圧に耐えるのが好ましい。スラリはスプレーガンを用いて塗布されるのが好ましい。手動スプレーガン、特に、例えば8バールの最大値圧力Pmaxを有する低~中圧力スプレーガンが使用されるのが好ましい。それは重力吸盤を有しているのが好ましい。スプレーコーティングは垂直方向に遂行されるのが好ましい。1つの好適な実施形態では、入口圧力は3.5バールであり、液体流れは2.5~3.0リットル毎分である。担持体とスプレーガンの間の距離は、好ましくは10~30cmの間、約15cmであるのが好ましい。上記の例示としてのパラメータを用いて、良好なコーティング特性が実現された。具体的にいうと、好適にはアルミニウム製ハニカムである担持体へコーティングは満足に接着した。
【0048】
図11は、担持体グリッド17の面積全体を覆って延びる更なる層18を示している。前述の更なる層18は、フィルタの目的を有していて特にUV放射を遮断することのでき得る空気透過性の薄い可撓性の層である。この層の厚さは、約1mmで且つ2mmを超えないとしてもよい。この層は、例えばガラス繊維製の不織布から成っていてもよく、又は、数μm程度、例えば1~10μmの間のメッシュ幅を有する金属グリッドであってもよい。前述の層は、担持体グリッドの、インサートデバイス6内のUVランプ10から離れて延びている方の表面上に位置決めされる。
【0049】
更なる層18が非常に薄く可撓性であり得ることから、ワイヤグリッド19による安定化が推奨される。ワイヤグリッドは安定化のみを目的とするため、例えば5~15mmの間のより大きいメッシュ幅と0.2~1.0mmの間のワイヤ直径を有していてもよい。
【0050】
担持体グリッド17と更なる層18とワイヤグリッド19のサンドイッチ配列は、保持フレーム20内に取り付けられているのが好ましく、その結果、更なる層18とワイヤグリッド19が使用された場合でも触媒グリッド構造12をユニット一式として容易に取り扱える。とはいえ、留意するべきこととして、更なる層18とワイヤグリッド19は随意であり、一部の用途では省略されることもある。図11による完全に取り付けられた触媒グリッド構造12は、図12に拡大断面図で表現されている。
【0051】
図13は、空気の流れ方向4を表現する矢印によって指示されている様に空気が下から上へそれを通って流れてゆくラックキャビネット21の形態をした移動式エアハンドリングユニット1の或る実施形態を示している。空気は、ラックキャビネット21の空気透過性の下部を通った後、粗目プレフィルタ5aと細目プレフィルタ5bとから成るプレフィルタ5を通って流れる。プレフィルタ5の上方には、ファンが位置決めされているので、空気は吸われながらプレフィルタ5を通り、その後、押圧されながら下流のユニットを通ってゆく。この実施形態での第1の下流ユニットは、以上に説明されているインサートデバイス6、6’である。その下流には、特定のガスを除去しようとするのであれば吸着性フィルタ7aと、必要であればHEPA(高効率微粒子空気)フィルタ7bと、から成るフィルタユニット7が続く。ラックキャビネット21の上部面にはフィン22が設けられており、それを通って、清浄化された空気は周囲の部屋内へ分配される。フィン22は調節可能であって、それによって調節可能な出口スロットが形成されるようになっていてもよい。
【0052】
インサートデバイス6のコンパクトな構造は、特に担持体グリッド17のために特別なコーティング材料を用いることで実施可能である。
【0053】
コーティングは、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも75μm、特に少なくとも100μmの全厚さを有しているのが好ましい。その様な厚さのコーティングは、特に、ガス汚染除去のための触媒の満足できる量を提供する。好ましくは、厚さは、500μmを超えない、より好ましくは350μmを超えない、特に250μmを超えない。好適な範囲は100~250μmの間である。コーティングが厚すぎると、下の層が十分に照射されない及び/又は汚染除去されるべき汚染物質が十分に到達できない可能性がある。そうすると触媒材料の浪費につながりかねない。
【0054】
第1触媒は、例えば、酸化タングステン及び/又は酸化亜鉛から成っていてもよい。第1触媒は1種類しか使用されないのが好適であるが必ずしもそうとは限らない。また、光触媒活性を有する2種類以上の触媒を使用することも実施可能である。
【0055】
或る好適な実施形態では、第1触媒は二酸化チタンTiO2である。二酸化チタンは、その光触媒特性が非常によく知られている。二酸化チタンは、半導体であり、UV放射及び/又は100~400nmの波長の可視放射の照射によって活性化され得る。好ましくは、第1触媒、特に二酸化チタンを活性化するために使用されるUV放射は、365nm以下、より好ましくは100~280nmの間のUV-C範囲内、最も好ましくは254nmの波長を有する。UV-C範囲のUV放射の使用には、UV-C放射の直接的殺菌特性を追加的に使用するという利点がある。したがって、UV-C放射は、その高いエネルギーに因って直接的な生物致死性作用を発揮し、第1触媒を活性化することによって間接的な生物致死性作用を発揮すると共に非生物学的汚染物質にも働きかける。二酸化チタンは既に光活性化させておくことができる。
【0056】
第1触媒の活性化のために、好ましくは、任意の種類のUV放射を発する源又は光源が使用でき、例えばUV放射を発する人工ランプ、又はUV放射を発する発光ダイオード又は蛍光管、又はコールドプラズマ型電極によって形成されるUV放射が使用されてもよい。
【0057】
二酸化チタンには、費用効率が高く且つ少なくとも部分的に自己を再生する能力を有するという利点がある。二酸化チタンは、化学的汚染物質及び生物学的汚染物質を含め、様々な汚染物質に対する活性が高い。
【0058】
アナターゼの結晶形態をした二酸化チタンが最も高い触媒活性を有することが知られている。したがって、二酸化チタンが完全にアナターゼ型のものである、というのが発明の1つの実施形態である。
【0059】
他方で、本出願人の探究は、広く行き渡っている意見に反して、ルチル型の二酸化チタンの或る特定の割合が触媒デバイスの全体としての汚染除去容量を高めることになる、ということを示した。触媒の表面での電荷の分離が増進され、ひいてはその効率が増進される。
【0060】
第1触媒が、アナターゼ型/ルチル型比を60/40~99/1の間とするアナターゼ型とルチル型の混合物の形態をした二酸化チタンTiO2である、というのが本発明の或る好適な実施形態である。好ましくは、比は、少なくとも60/40、より好ましくは少なくとも70/30、及び特に少なくとも80/20である。比は、好ましくは99/1を超えない、より好ましくは95/5を超えない、及び特に90/10を超えない。或る更に好適な実施形態では、比は、77/23~83/17の間、特に80/20である。或る好適な実施形態では、第1触媒、特に二酸化チタンは、特に銀イオン又は白金イオンでドーピングされる。第1触媒のドーピングは、生物学的汚染物質に対する及び破壊された汚染物質の潜在的に有害な副産物の破壊に対する生物致死性効果を高める。ドーピングイオンの存在は、実施可能な酸化及び還元反応の数を増加させる。
【0061】
二酸化チタンは、好ましくは10~50nm、より好ましくは15~35nm、特に約25nmの素粒子サイズを有する。これらの素粒子は凝集する傾向がある。これらの凝集体の平均粒子サイズは、好ましくは200~600nmの間、より好ましくは、300~500nmの間、特に約420nmを範囲とする。ただし、これは、幾つかの凝集体が1ミクロン又はそれ以上の粒子サイズを有することを排除しない。
【0062】
或る好適な実施態様では、第2触媒は低温触媒である。低温触媒は、好ましくは、100°Cより低い温度にて、より好ましくは50°Cより低い温度にて、最も好ましくは既に20°Cの室温にて、既に触媒的に活性のある触媒である。ただし、これは、触媒がより高い温度では不活性でなければならない、ということを含意しない。好ましくは、触媒活性は、少なくとも或る特定の温度間隔に亘って、好ましくは20~100°C又は50~100°Cの間隔に亘って温度が上昇するのに伴って高まる。
【0063】
つまり、第2触媒は低温触媒である。低温触媒は発熱エネルギー(calorific energy)によって活性化される。低温触媒という用語は、それによって、比較的低温で活性化されるこの類の触媒を通常は500~1200°Cの比較的高温で活性化される熱触媒と差別化するために使用される。したがって、本発明による低温触媒は比較的低温にて触媒的に活性であるというだけでなく、それはこの比較的低温にて発熱エネルギーによって活性化されるのである。換言すれば、周囲温度にて光活性化可能な光触媒は低温触媒ではない、というのも、それは周囲温度にて発熱エネルギーによって活性化されるのではなく照射によって活性化されるからである。低温触媒は、好ましくは、既に触媒的に活性化されている触媒であり、したがって、100°Cより低い温度にて、より好ましくは50°Cより低い温度にて、最も好ましくは既に20°Cの室温にて活性である。ただし、これは、触媒がより高温では不活性でなくてはならない、ということを含意しない。好ましくは、触媒活性は、少なくとも或る特定の温度間隔に亘って、好ましくは20~100°C又は50~100°Cの間隔に亘って温度が上昇するのに伴って高まる。
【0064】
低温触媒は、例えば、酸化ニッケル又は酸化セリウムの様な金属酸化物である。発明の或る好適な実施態様では、第2触媒は、効率的な低温触媒とされる一酸化マンガンMnOである。本出願人の探究は、触媒活性が不十分である周知の二酸化マンガンMnO2よりも、一酸化マンガンが有意に効率的であることを示した。したがって、この実施形態で使用される一酸化マンガンには、二酸化マンガンが混入されていないか又は実質的に混入されていないのが好ましい。或る好適な実施形態では、二酸化マンガンの量は、第2触媒として使用される一酸化マンガンの全質量の5%より低く、より好ましくは1%より低く、最も好ましくは0.1%より低い。二酸化マンガンが一酸化マンガン第2触媒の不純物として存在していないのが最適である。
【0065】
一酸化マンガン、特に結晶形態をした一酸化マンガンは、例えば空気からの酸素と接触したときに、反応性の高いラジカル種の生成を可能にする。好ましくは、温度は35°Cより高く、特に35~55°Cの間、より好ましくは45~50°Cの間である。好ましくは、汚染除去されるべきガス、特に空気の相対湿度は、30~80%の間、より好ましくは50%である。これらの状況の下では、ラジカル種の非常に効率的な生成が見込まれる。ラジカル種は、例えばホルムアルデヒドの様なアルデヒド類などのナノスケール又はマイクロスケールの非常に小さい汚染物質とも反応することができ、その様な小さい汚染物質は通常はクラッキングされ難い。これは、とりわけ、その様な小さい分子がトラップされ難いのが理由である。親水性触媒は、通常、水又は他の極性小分子で急速に飽和されるため、小さい汚染物質をトラップし次いで酸化させるのに利用できる部位はほとんどない。一方、一酸化マンガンは水との反応及びその表面への水分子のトラッピングに乏しいので、より多くの部位が汚染物質のために利用可能になるという特定の利点をもたらす。更に、一酸化マンガン内の細孔は好ましくも二酸化チタンの細孔より小さいので、より大きな分子はトラップされ難く、この点でも同様に、より多くの部位が汚染物質のために利用可能なまま残る。ラジカル種は生物学的汚染物質とも反応する。
【0066】
一酸化マンガンの欠点は、二酸化マンガンに比べて不安定であることだ。したがって、一酸化マンガンを合成するとき、好適なこととして二酸化マンガンの形成を回避させる場合には、反応パラメータに特別な注意を払う必要がある。1つの重要な反応パラメータは温度である。300°Cより高い焼成温度を使用したとき、相当量の二酸化マンガンが形成され、又は二酸化マンガンしか形成されない。
【0067】
前駆体からの二酸化チタンの形成は、通常、300°Cを超える温度、例えば300~600°Cを必要とするので、一酸化マンガン前駆体と二酸化チタン前駆体を同時焼成して、一方に一酸化マンガンを、他方に二酸化チタンを形成させることは不可能である。二酸化チタンの形成中の600°Cより高い焼成温度は、ルチルの過剰形成をもたらす可能性があり、望ましくない。他方で、或る特定の量のルチルは、上述の様に、触媒の効率を高める。
【0068】
したがって、第1触媒が二酸化チタンであり、第2触媒が一酸化マンガンであるときには、同時焼成が行われないのが好ましい。
【0069】
第1触媒、第2触媒、及び/又は吸着剤の合成は触媒デバイスの製造方法の一部であるのが好適であるが、必ずしもそうとは限らない。合成の好適な実施形態が以下に詳細に解説される。少なくとも第1触媒としての二酸化チタン及び第2触媒としての一酸化マンガンの合成が製造方法の一部であるなら、それらの前駆体の同時焼成は行われないのが好ましい。それらは、互いに別々に合成されるのが好ましい。
【0070】
低温触媒、特に一酸化マンガンを使用することの1つの利点は、UV放射源の必然的に発生する廃熱が低温触媒を温めそれによってその触媒効率を上げるのに使用できるようになることである。したがって、光触媒と低温触媒を1つの段で組み合わせ、且つ好ましくは、廃熱を効率的に使用するためにそれらを空間的にUV放射源に近づけて配設したときに、相乗効果が実現され得る。好ましくは、触媒デバイスの表面上では、最大で40°Cまで、最大で50°Cまで、又は最大で90°Cまでの温度が実現され得る。
【0071】
吸着剤は、好ましくは少なくとも300m2/gの、より好ましくは少なくとも500m2/gの、最も好ましくは少なくとも1000m2/gの、特に2000m2/gより上の、広い比表面積を有する化合物であるのが好ましい。吸着剤は、例えば活性炭又は活性コークスとされ得る。
【0072】
或る好適な実施形態では、吸着剤はゼオライトである。ゼオライトは、自然発生的又は人工的であり得る微孔質アルミノケイ酸塩鉱物である。ゼオライトは合成であってもよい。
【0073】
親水性ゼオライトが使用されるのが好ましく、というのも、本出願人の探究は、生物学的汚染物質は疎水性ゼオライトよりも親水性ゼオライトによってより良好に吸着される傾向があることを示しているからである。A型又はZSM-5型のゼオライトが使用されるのが好ましい。ゼオライトは、合成ゼオライト、特にA型又はZSM-5型の合成ゼオライトであるのが好ましい。合成ゼオライトには、純粋であり且つ合成されるという事実に因り均質な構造を有するという利点がある。
【0074】
本発明の或る好適な実施形態では、第1触媒は二酸化チタンであり、第2触媒は一酸化マンガンであり、及び/又は、吸着剤はゼオライトである。ゼオライトはA型の合成親水性ゼオライトであるのが好ましい。これらの構成は、本明細書に記載されている全ての適用可能な実施形態にとって好適である。
【0075】
本発明の或る好適な実施形態では、第1触媒は二酸化チタンであり、第2触媒は一酸化マンガンであり、及び/又は、吸着剤はゼオライトである。ゼオライトはA型の合成親水性ゼオライトであるのが好ましい。これらの構成は、本明細書に記載されている全ての適用可能な実施形態にとって好適である。
【0076】
本出願人らは、単一の諸成分の特定の比が、汚染物質の効率的消去にとって有利であることを見出した。好ましくは、A型ゼオライトと二酸化チタンの間の比は3:1~1:1の間の範囲であり、特に約2:1である。A型ゼオライトと一酸化マンガンの比は、好ましくは5:1~3:1の間の範囲であり、特に約4:1である。二酸化チタンと酸化マンガンの比は、好ましくは§:1~1:1の間の範囲であり、特に約2:1である。これらの好適な比は、二酸化チタン、一酸化マンガン、及び/又は、A型のゼオライト以外の第1触媒、第2触媒、及び吸着剤にも適用される。
【0077】
A型の親水性ゼオライトは、化学的汚染物質及び生物学的汚染物質に対する高い親和力を有しており、天然の同等物はない。それは微生物の細胞膜に対する親和力を有する。これらは静電気的理由でゼオライトの表面へ吸着される。加えて、A型の親水性ゼオライトは直接的な抗菌効果を有していて、その使用をなおいっそう相乗的なものにする。A型の親水性ゼオライトは、アルカリ又はアルカリ土類金属カチオンによって中和されたアニオン性アルミノケイ酸塩構造から形成された結晶構造を有する。
【0078】
ゼオライト、特にA型のゼオライトはソーダライト結晶構造を備えているのが好ましい。
【0079】
ゼオライトの構造は、複数の基本的なソーダライトケージを結びつけている。ソーダライトケージは、8つの六角形の面と6つの正方形の面を併せ持つ複数の多面体から成る。ゼオライトを形成するソーダライトケージは、正方形の面を介して相互接続されている。ソーダライトケージの特定の構造はゼオライトに開放3D構造を与え、それによって特に全体積の47%が細隙によって形成される。したがって、ゼオライトは、小さい体積内に、生物学的汚染物質及び化学的汚染物質の吸着のための広い表面を提供する。加えて、開放3D構造は高い水分吸着及び水分保持容量を可能にする。触媒の表面上ではヒドロキシルラジカルの様な反応性の高いラジカル種を形成するのに水が使用され得るので、これは有利であるだろう。また、水分保持容量は、状況に依っては、触媒上に水の膜が形成されないことを確定的にし、それによって触媒の効率を低下させる可能性がある。他方で、非常に大量の吸着剤、特に大量のゼオライトは過剰な水をもたらし、それによって触媒の効率を低下させる可能性がある。したがって、吸着剤の量は、第1触媒と第2触媒と吸着剤の全質量の80%を超えない、特に70%を超えないのが好ましい。他方で、吸着剤の量が非常に少ない場合、水分保持容量が十分でないということもあり得る。したがって、吸着剤の量は第1触媒と第2触媒と吸着剤の全質量の40%以上、特に30%以上であるのが好ましい。
【0080】
本発明者らは、2つの異なる触媒と吸着剤との組合せはガスの汚染除去に相乗的に有効であることを探究した。汚染物質は吸着剤上へ吸着される。物質移動現象により、それらは触媒粒子へ移る。触媒の表面上の反応種の生成は、次いで、汚染物質の破壊をもたらし、好ましくは汚染物質の完全鉱化をもたらす。同じく汚染物質の破壊中の副産物も、潜在的に有害な副産物が脱汚除去済みのガス中へ放出されないように破壊されるか、又は放出されても次の汚染除去サイクルの1つのサイクル内で破壊されるのが好ましい。吸着剤は、それに関し、例えばガスが汚染物質のピーク負荷にある間は、破壊されるべき汚染物質のための溜めを形成することもできる。したがって、触媒の時間単位当たりの触媒容量を超えてしまう汚染物質の量が吸着剤によっていったん引き留められ、その後、時間を遅らせて触媒へ案内されるのが好ましい。これにより、更に、吸着剤なしでは本質的に触媒の容量を超えてしまうピーク負荷に対処することが可能になる。良好な吸着特性を提供するためには、吸着剤の量は、第1触媒と第2触媒と吸着剤の全質量に対して、各触媒の量及び/又は触媒同士の累積量よりも高いのが好ましい。
【0081】
吸着剤が汚染物質を引き留めておき、汚染物質は後に物質移動により触媒へ移動されることになる。他方で、この現象によって、吸着剤は絶えず再生され、その吸着容量を回復させる。このことは、これらの化合物を1つの混合物内で提供することの真の相乗効果を実証している。この効果を最適に実現するためには、触媒と吸着剤の混和は、特に可能な限り均質な混合物を提供するように集約的に遂行されるのが好ましい。第1触媒の量は、第1触媒と第2触媒と吸着剤の全質量の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%であり、且つ、好ましくは30%を超えず、特に40%を超えない。第2触媒の量は、第1触媒と第2触媒と吸着剤の全質量の、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、特に少なくとも15%であり、且つ、好ましくは20%を超えない、特に30%を超えない。
【0082】
或る好適な実施形態では、諸成分は、それらの全質量に対する重量パーセントにして以下の範囲で提供される。即ち、第1触媒は27~30%の間、第2触媒は11~17%の間、及び吸着剤は55~59%の間である。
【0083】
或る特定の好適な実施形態は、第1触媒を29%、第2触媒を12%、及び吸着剤を59%の量で含有する。
【0084】
本出願人の探究は、この比が良好な効率と共に満足のいく水分保持容量及び染物質保持容量を示すことを明らかにした。これらの量を用いれば、特に持続可能で長持ちする組成物であってしかも非常に優れた汚染除去属性を提供する組成物がもたらされる。加えて、第1触媒を活性化するのに必要なUV/可視放射の量は、第2触媒が低温触媒であるとき、この量の第2触媒の触媒活性を高めるのに十分且つ有用な量の廃熱を提供する。
【0085】
加えて、本発明は、第1触媒の量が27%より低い及び30%より高い、第2触媒の量が11%より低い及び17%より高い、及び、吸着剤の量が55%より低い及び59%より高い実施形態に関しており、各量は、重量パーセントであり、それらの全質量に対してである。本明細書に記載の全ての更なる好適な構成及び実施形態は、この特定の実施形態に適用される。
【0086】
上記の様に、第1触媒、第2触媒、及び/又は吸着剤の合成は、触媒デバイスの製造方法の一部であるのが好適とされるが必ずしもそうとは限らない。合成は、それぞれ、別の合成とは別々に遂行される。
【0087】
第1触媒が好適にも二酸化チタンである場合、それは、ゾルゲルプロセスを用い、四塩化チタン又はチタン酸ブチルの様な前駆体を使用することによって合成され、続いて300~600°Cの温度で焼成されるのが好ましい。また、熱プラズマ技術、レーザ熱分解、熱水合成、又は電気化学的合成の様な、粉末二酸化チタンを作製するための異なる方法も実施可能である。
【0088】
粉末形態の二酸化チタン第1触媒を合成するための或る好適なゾルゲルプロセスがこれより詳細に説明される。
【0089】
前駆体四塩化チタンは、無水エタノールと、0.5:10~3:10の間の比、好ましくは1:10の比で、室温にて4時間に亘って混合される。形成されたゾルは次いで超音波浴槽に20~40分間、好ましくは30分間入れられる。続いて、粉末を得るために、ゾルは100°C及び130°Cの温度にて、好ましくは120°Cにて、1~24時間の間の時間に亘って、好ましくは7時間に亘って乾燥される。次いで、この粉末が530~570°Cの間の温度にて、好ましくは550°Cにて、2~3時間、好ましくは2時間に亘って漸進的に焼成される。それによって温度は10~12°C/分で段階的に上昇される。次いで、得られた粉末酸化チタンは脱イオン水で洗浄され、続いて90~110°Cの間、好ましくは100°Cの温度にて乾燥される。
【0090】
第2触媒が好適にも一酸化マンガンである場合、それは、酢酸マンガン、硝酸マンガン、及び/又は硫酸マンガンの様な前駆体から合成され、続いて300°Cより下の温度にて焼成されるのが好ましい。
【0091】
粉末形態をした一酸化マンガン第2触媒を合成するための或る好適なプロセスがこれより詳細に説明される。
【0092】
前駆体、好ましくは酢酸マンガンが、過マンガン酸カリウムの溶液と、1,8/1,2のmol/l比で、21~25°Cの間の室温にて、少なくとも24時間に亘って混合される。その後、それは、ろ過され、脱イオン水ですすがれる。得られた粉末は、280~300°Cの間の温度に到達するまで6°C/分で温度を上昇させながら、数時間、好ましくは72時間に亘って焼成される。結果として得られたものが脱イオン水ですすがれ、続いて100°Cにて乾燥されると、ついには、その後使用することのできる粉末一酸化マンガンが得られる。十分に使用可能な粉末を得るために、液体は完全に蒸発されるのが好ましい。より安定しているが望ましくない二酸化マンガンの形成を回避するために、300°Cより下の低温が使用される。
【0093】
吸着剤がA型の合成親水性ゼオライトである場合、それは以下の様に合成されるのが望ましく、即ち、
工程1:水酸化ナトリウム、例えば水酸化ナトリウムのペレットを蒸留水中に110:1の比で均質な水酸化ナトリウム溶液を得るように混合することによって、水酸化ナトリウム溶液を提供する。
工程2:水酸化ナトリウム溶液を2等分し、それによって水酸化ナトリウム溶液の第1体積と第2体積を得る。
工程3:溶液Aを得るために、結晶性アルミン酸ナトリウムが、体積パーセントにして且つ10~20分以内で、最大で17%まで第1体積へ混合される。
工程4:溶液Bを得るために、結晶性ケイ酸ナトリウムNa2SiO3が、体積パーセントにして最大で57%まで蒸留水中に溶解される。
工程5:混合物C、好ましくは清澄混合物Cを得るために、溶液Bが第2体積と3.8/1000の比で混合される。
工程6:混合物Dを得るために、清澄混合物Cが溶液Aへ添加される。
工程7:混合物Dは、水分が完全に蒸発するまで加熱される。
工程8:混合物Dは、固体Eが現れるまで温度を下げることによって冷却される。
工程9:固体Eは、濾過され、すすぎ水のpH値が8.5~9.5の間になるまで蒸留水ですすがれる。
工程10:A型の合成親水性ゼオライトを得るために、固体Eを、100~120°Cの間の温度、好ましくは110°Cの温度にて、8~15時間、好ましくは12時間に亘って乾燥させる。
工程11:A型の合成親水性ゼオライトを粉砕して粉末にする。
【0094】
工程7では、温度は75~130°Cの間であるのが好ましく、100°Cにて3~4時間が好ましい。混合物Dから水分を完全に蒸発させることが目標である。工程8では、混合物Dは、温度を工程7よりも低いが室温より高い値へ下げることによって冷却されるのが好ましい。この冷却は、形成される固体Eの結晶が、混合物Dが最初に入っていた容器の底にくっつくのを回避させることができる。工程8の1つの特定の実施形態では、室温が20~25°Cの間であることを考慮して温度は30°Cへ下げられ、その結果、固体Eを底へくっつかせることなく取り出すことが容易になる。
【0095】
通常の方式では、工程9でのすすぎ水のpH値は、pHメータか又はpH値の決定を可能にする当業者に公知の任意の他の測定デバイスを用いて測定される。間接的にすすぎ水のpH値を測定することによって、A型の合成親水性ゼオライトを形成することになる固体Eの表面pH値が測定される。
【0096】
ゼオライトの表面はややアルカリ性であるのが好適であり、というのも二酸化チタン及び一酸化マンガンはやや酸性の表面を有しているのでそれらとのファン・デル・ワールス力の形成がこれにより強化されるからである。これは、均質な触媒組成物を生成するのをやり易くする。
【0097】
工程10では、固体Eの乾燥持続時間及び温度が、ゼオライトの表面上の水分子の穏やかな除去を可能にする。水分除去が急速すぎると、ゼオライトの表面に亀裂が形成されるリスクを招いてしまう。この亀裂は重要な3D構造を弱体化させてしまう。こういうわけで、ゼオライトの構造を弱体化させるリスクを冒すことなく水分子を漸進的に除去するのに8~15時間の間の乾燥時間と100~120°Cの温度が選定されている。
【0098】
工程11では、A型の合成親水性ゼオライトは、任意の粉砕デバイスを使用して粉砕されてよい。
【0099】
或る特定の実施形態では、吸着剤、特にゼオライトは、0.5~2.5μmの間の粒子サイズを実現するように粉砕される。この粒子サイズは、特定の微生物に対する親和力を高める。
【0100】
第1触媒と第2触媒と吸着剤を混和するための或る好適な方法は、第1触媒、第2触媒、及び吸着剤を、それぞれ粉末状態で且つ前もって予混和させて又は別々に液体の中へ導入して、スラリを形成させることである。次いで、このスラリを、好ましくは積極的に混合し、液体を蒸発させて、第1触媒と第2触媒と吸着剤の乾燥粉末混合物を形成させる。次いで、この混合物は、そのまま使用されてもよいし、又は担持体上へコーティングされるスラリを形成するために使用されてもよい。
【0101】
或る詳細で好適な実施形態では、好ましくは20%のアルコール及び80%の脱イオン水からなる液体中に、液体の全質量に対して5~10%の間の二酸化チタンと、2~6%の間の一酸化マンガンと、10~20%の間のゼオライトが混合される。続いて、混合物は、その後使用されることになる粉末触媒組成物を得るために液体を蒸発させるべく加熱される。混合物は、24~120時間の間の期間、好ましくは72時間の期間に亘って、75~130°Cの温度へ加熱されるのが好ましい。
【0102】
本発明は、更に、具体的には、第1触媒と第2触媒と吸着剤と脱イオン水とから形成されるスラリに関する。
【0103】
別の態様によれば、本発明は、本明細書に記載の製造方法を介して得ることのできる触媒デバイスに関する。
【0104】
別の態様によれば、本発明は触媒組成物であって、その全質量に対する重量パーセントにして且つそれぞれが粉末状態で、光触媒活性を有する第1触媒を27~30%の間、第2触媒を11~17%の間、及び吸着剤を55~59%の間で含有する触媒組成物に関する。
【0105】
触媒デバイスに関して本明細書に記載されている全ての実施形態及び構成は、触媒組成物の好適な構成及び実施形態でもある。
【0106】
第2触媒が好適にも低温触媒である場合、触媒組成物は、触媒を活性化するのに高加熱が必要でないことから非熱触媒又は熱触媒と呼ばれることもある。第1触媒、第2触媒、及び吸着剤はそれぞれ粉末状態で提供されているので、触媒組成物は粉末状非熱触媒又は粉末状熱触媒と呼ばれることもある。1つの実施形態では、光触媒活性を有する第1触媒は、なおも光活性化される。
【0107】
触媒組成物の或る特定の好適な実施形態によれば、第1触媒は二酸化チタンTiO2であり、第2触媒は一酸化マンガンMnOであり、吸着剤はゼオライトである。ゼオライトは、A型の合成親水性ゼオライトであるのが好ましい。
【0108】
加えて、本発明は、触媒組成物の或る実施形態であって、第1触媒の量が27%より低い及び30%より高い、第2触媒の量が11%より低い及び17%より高い、及び、吸着剤の量が55%より低い及び59%より高い実施形態に関しており、各量は、重量パーセントであり、それらの全質量に対してである。本明細書に記載の全ての更なる好適な構成及び実施形態は、この特定の実施形態に適用される。
【実施例
【0109】
実験プロトコル及び実験結果
本出願人は、異なる触媒組成物を複数の有機化合物に対して使用した。次の表は、異なる触媒組成物を使用しての、異なる化合物の消去率を1時間当たりの各化合物の炭素当量mg(mgC/h)で示している。炭素当量の使用は、数の比較可能性を改善するのに役立ち、異なる化合物は異なる数の炭素原子を有するという事実、つまりそれに依存して分解反応の異なる量が導かれるという事実を補償するものである。イソプロピルアルコールはIPAと略され、ブタノンはMEKと略されている。諸成分の相対量は、組成物の全質量に対する重量パーセントで表示されている。二酸化チタンはT、一酸化マンガンはM、A型の親水性合成ゼオライトはZAと略されている。
【0110】
【表1】
【0111】
上記の表から考察される様に、異なる組成物は、異なる化合物に関して異なる消去率を示した。見て分かる様に、二酸化チタン単独(組成物F)及び一酸化マンガン単独(組成物E)それぞれは、概して、2つの触媒と吸着剤との組合せよりも効果が低かった。同じく見て分かる様に、組成物H、B、及びCは、組成物F及びEならびに一酸化マンガンとゼオライトの組合せ(組成物D)に比較して、より高いか又は同等の効率を示した。これはエタノールを除いて真であり、エタノールは組成物Dではより高い効率で消去された。
【0112】
したがって、2つの異なる触媒と吸着剤との組合せは、単独触媒又は一酸化マンガンとゼオライトとの組合せに勝る相乗効果を示す。
【0113】
以下の検証には組成物Cが使用されたが、それは組成物Cが全体的に良好な消去プロファイルではあるが特に親水性化合物IPA、エタノール、及びMEKに対して良好な消去プロファイルを示したからである。これらの親水性化合物の効率的消去は、ほとんどの微生物学的汚染物質の細胞壁は親水性であるのでその様な組成物は微生物学的汚染物質に対しても効率的であるとの仮定に根拠を与える。
【0114】
効率を実証するために、以下の実験が生物学的汚染物質で遂行され、即ち、
- 104~106コロニー形成単位(CFU)/m3空気の間の濃度の枯草菌の細菌胞子、
- 104~106CFU/m3の間の濃度のレジオネラニューモフィラ、
- 103~104プラーク形成単位(PFU)/m3の間の濃度のT2バクテリオファージ、を使用して遂行された。
【0115】
実験は、0.8m3のクラスAのアイソレータ中に上述のサンドイッチ設計を有する装置を配設して遂行された。担持体はハニカム形状のアルミニウム製であった。UV放射源は、UV-Cを発する18Wのランプであった。
【0116】
アイソレータ内に空気流れを提供するのにエアロゾル発生器が使用される。毎回、空気は言及された汚染物質のうちの1つだけを備える。次いで、汚染された空気は装置を用いて処理される。
【0117】
処理の効率を実証するために、バイオコレクターを使用して、処理の前と後の空気からサンプルが収集され、比較が提供される。サンプルは、使用された汚染物質に対応した培地中に培養物を調製するために使用される。
【0118】
レジオネラニューモフィラには、ビオメリュー(Biomerieux)社から得られる寒天とL-システインを含有したBYCE培地が使用される。
【0119】
枯草菌には、LBルリアベルターニ培地が使用される。
【0120】
T2バクテリオファージには、E.Coli BAMを備えた培地が使用され、活性ウイルスに由来する溶解ペスト(lysis plagues)の数が調べられた。
【0121】
結果は、処理後では、処理前の空気に比較してレジオネラニューモフィラについては2log(99.45%)の減少、枯草菌の胞子については1log(96.67%)の減少、バクテリオファージT2については3log(99.98%)の減少を示している。
【0122】
更に、異なる生物学的汚染物質及び化学的汚染物質を用いて、追加の同様の実験が遂行された。これらは、0.537m3の体積を有する微生物学的安全キャビネット内で遂行された。装置は10分間稼働していた。事後及び事前に、サンプルが比較のために収集された。出口フィルタは使用されなかった。
【0123】
ヒトコロナウイルス株229E(H-CoV-229E)の削減は、>log2.2(>99.4%)であった。
【0124】
黄色ブドウ球菌CIP4.83の、稼働時間15分後の削減は、log1.3(94.9%)であった。
【0125】
別の同様の一連の試験が、異なる生物学的汚染物質を使用して遂行された。これらは、サンドイッチ設計とHEPA出口フィルタを有する装置を用いて遂行された。流量は1000又は1400m3/h、持続時間は6分であった。
【0126】
1400m3/hでは、表皮ブドウ球菌(ATCC 14 990)の除去についての効率は>99.88%であり、アスペルギルス・ブラジリエンシス(1aspergillus brasiliensis)(ATCC 16 404)の除去についての効率は>99.75%であった。1000m3/hでは、表皮ブドウ球菌(ATCC 14 990)の除去についての効率は>99.91%であり、アスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16 404)の除去についての効率は>99.82%であった。
【0127】
同じ試験がHEPAフィルタの使用なしに遂行された。
【0128】
1400m3/hでは、表皮ブドウ球菌(ATCC 14 990)の除去についての効率は92.94%であり、アスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16 404)の除去についての効率は93.59%であった。1000m3/hでは、表皮ブドウ球菌(ATCC 14 990)の除去についての効率は96.32%であり、アスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16 404)の除去についての効率は大凡90.00%であった。
【0129】
追加的に、空中浮遊猫アレルゲン(Fel d1)の除去が、HEPAフィルタと流量1400m3/hとを用いて調べられた。効率は、>99.80%~>99.86%の間であった。
【0130】
同様に、1000m3/hの空気流れでのフィルタ使用あり(A)とフィルタ使用なし(B)、1400m3/hの空気流れでのフィルタ使用あり(C)とフィルタ使用なし(D)を適用して、VOCの削減が調べられた。
【0131】
アセトアルデヒドの除去についての効率は、31.5%±20%(A)、39.4%±11.1%(B)、45.5%±11.0%(C)、及び56.2%±8.2%(D)であった。
【0132】
アセトンの除去についての効率は、98.1%±1.7%(A)、94.5%±0.5%(B)、90.5%±1.3%(C)、及び100%±2.3%(D)であった。
【0133】
酸性の酸の除去についての効率は、99.7%±0.1%(A)、99.3%±0.2%(B)、99.5%±0.10%(C)、及び99.4%±0.1%(D)であった。
【0134】
ヘプタンの除去についての効率は、98.0%±0.2(A)、及びトルエンの除去についての効率は、98.4%±0.1%(A)であった。
【符号の説明】
【0135】
1 エアハンドリングユニット
2 空気案内管材
3 ファン
4 流れ方向
5 プレフィルタ
6 インサートデバイス
7 フィルタユニット
8 フレームケーシング
9 開放された端面
10 UVランプ
11 座
12 (触媒)グリッド構造
13 ブラケット
14 ねじ
15 (標準的な)支持体フレーム
16 ブラケット
17 担持体グリッド
18 更なる層
19 ワイヤグリッド
20 保持フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】