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特表2023-548892電池パックおよびこれを含むデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20231114BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/249 20210101ALN20231114BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/211
H01M50/293
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/271 Z
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527790
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2022013389
(87)【国際公開番号】W WO2023043113
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124084
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドゥスン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェフン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】セホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ギ・パク
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AS05
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040JJ03
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスを含み、本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池モジュールが装着されている下部パックフレーム;前記複数の電池モジュールの上部に位置する上部パックフレーム;および前記下部パックフレームに含まれる剛性ビームを含み、前記剛性ビームは、粘性ダンパーまたは粘弾性ダンパーを含む補強部材で形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池モジュールが装着されている下部パックフレーム;
前記複数の電池モジュールの上部に位置する上部パックフレーム;および
前記下部パックフレームに含まれる剛性ビームを含み、
前記剛性ビームは、粘性ダンパーまたは粘弾性ダンパーを含む補強部材で形成される電池パック。
【請求項2】
前記補強部材は、前記剛性ビーム内部に二つ以上形成される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記下部パックフレームは、前記複数の電池モジュールが装着される底部、前記下部パックフレームの底面の各縁に沿って延長される側面フレーム、および前記下部パックフレームの内部を区画する内部ビームを含む、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記剛性ビームは、前記内部ビームに含まれる、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記内部ビームと接して位置する追加ビームをさらに含む、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記剛性ビームは、前記側面フレームに含まれる、請求項3に記載の電池パック。
【請求項7】
前記側面フレームの一面と接して位置する追加ビームをさらに含む、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記追加ビームの一面は前記底部と接し、前記追加ビームの他の一面は前記側面フレームと接して位置する、請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記下部パックフレームは、前記複数の電池モジュールが装着される底部、前記下部パックフレームの底面の各縁に沿って延長される側面フレーム、および前記下部パックフレームの内部を区画する内部ビームを含み、
前記剛性ビームは、前記側面フレームと前記内部ビームのうちの少なくとも一つと溶接結合される、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項10】
前記剛性ビームは、中空構造で形成される、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項11】
前記補強部材は、前記剛性ビームの内部に位置し、
前記補強部材の両端部に位置する締結部は、前記剛性ビームの内面と接して位置する、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記補強部材は、前記下部パックフレームの底部を基準として垂直に位置する、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項13】
前記補強部材は、前記下部パックフレームの底部を基準として水平に位置する、請求項1または2に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2021年9月16日付韓国特許出願第10-2021-0124084号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的には、剛性が補強されて外部の振動や衝撃に柔軟に対応することができる電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点から、環境にやさしく、エネルギー効率性の向上のための新たなエネルギー源として注目されていている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されている円筒型または角型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0006】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列または並列に連結された電池モジュールを集合させた中大型モジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、複数の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0007】
ただし、電池パックは、多数の電池モジュールが組み合わされた構造からなっているため重くなることがあり、この場合、多数の電池を自動車などの移動手段に積載するには適さないという問題点がある。
【0008】
図1は従来の電池パックの電池パックフレームを示す図面である。
【0009】
一般的な電池パックフレーム10は、下部パックフレームの周縁に沿って延長されて形成される側面フレーム150、および側面フレーム150の内側面と接し、下部パックフレームの内部を区画する少なくとも二つ以上の内部ビーム110を含むことができる。
【0010】
電池パックフレーム10は、金属素材で形成され得るが、この場合、外部から加えられる振動や衝撃を吸収するには限界があり、電池パックの耐久性および安定性が減少することがある。
【0011】
このような問題点を克服するために電池パックフレーム10の厚さを増加させる場合、耐久性および安定性は向上することができるが、電池自体の体積および重量が増加することがある。したがって、一般的な電池パック10に比べて、自動車などのデバイスに少ない数の電池だけ搭載可能であるため、デバイスの駆動に必要なエネルギーを提供することができないこともある。
【0012】
したがって、前述の問題点を克服するために、外部から加えられる振動や衝撃を吸収して電池パックの耐久性および安定性を増加させながら、電池のエネルギー密度は減少しない電池パック構造を適用する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、外部の振動や衝撃を吸収して耐久性が向上し、剛性が補強された電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【0014】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池モジュールが装着されている下部パックフレーム;前記複数の電池モジュールの上部に位置する上部パックフレーム;および前記下部パックフレームに含まれる剛性ビームを含み、前記剛性ビームは、粘性ダンパーまたは粘弾性ダンパーを含む補強部材で形成され得る。
【0016】
前記補強部材は、前記剛性ビーム内部に二つ以上形成され得る。
【0017】
前記下部パックフレームは、前記複数の電池モジュールが装着される底部、前記下部パックフレームの底面の各縁に沿って延長される側面フレーム、および前記下部パックフレームの内部を区画する内部ビームを含むことができる。
【0018】
前記剛性ビームは、前記内部ビームに含まれ得る。
【0019】
前記内部ビームと接して位置する補強ビームをさらに含むことができる。
【0020】
前記剛性ビームは、前記側面フレームに含まれ得る。
【0021】
前記側面フレームの一面と接して位置する補強ビームをさらに含むことができる。
【0022】
前記剛性ビームの一面は前記底部と接し、前記剛性ビームの他の一面は前記側面フレームと接して位置することができる。
【0023】
前記下部パックフレームは、前記複数の電池モジュールが装着される底部、前記下部パックフレームの底面の各縁に沿って延長される側面フレーム、および前記下部パックフレームの内部を区画する内部ビームを含み、前記剛性ビームは、前記側面フレームと前記内部ビームのうちの少なくとも一つと溶接結合され得る。
【0024】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前記剛性ビームは、中空構造で形成され得る。
【0025】
前記補強部材は、前記剛性ビームの内部に位置し、前記補強部材の両端部に位置する締結部は、前記剛性ビームの内面と接して位置することができる。
【0026】
前記補強部材は、前記下部パックフレームの底部を基準として垂直に位置することができる。
【0027】
前記補強部材は、前記下部パックフレームの底部を基準として水平に位置することができる。
【発明の効果】
【0028】
実施形態によれば、補強部材を含む電池パックフレーム構造を適用することによって、外部から電池に加えられる衝撃や振動を吸収して、電池パックの耐久性および剛性を向上させることができる。
【0029】
また、電池パックフレーム自体の厚さが増加しないため、電池の重量および体積当たりのエネルギー密度が減少せず、電池の効率が維持され得る。
【0030】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の電池パックの電池パックフレームを示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による電池パックの斜視図である。
図3図2の電池パックの分解斜視図である。
図4図3のA-A’に沿って切断した断面図である。
図5図4の補強部材を示す図面である。
図6図3のA-A’に沿って切断した断面図である。
図7図6の補強部材を示す図面である。
図8図6の補強部材が外部で発生した衝撃を吸収する過程を示す断面である。
図9】剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態を示す図面である。
図10】剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態を示す図面である。
図11】剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態を示す図面である。
図12】剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態を示す図面である。
図13】剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態を示す図面である。
図14】本発明の他の一実施形態による電池パックで、補強部材を含む電池パックフレームの断面図である。
図15】本発明の他の一実施形態による電池パックで、補強部材を含む電池パックフレームの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0033】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0034】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0035】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0036】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0038】
図2は本発明の一実施形態による電池パックの斜視図である。図3図2の電池パックの分解斜視図である。
【0039】
図2および図3を参照すれば、本実施形態による電池パック1000は、複数の電池モジュール100が装着されている下部パックフレーム1100、電池モジュール100の上部に位置する上部パックフレーム1200を含む。下部パックフレーム1100は、複数の電池モジュール100が装着される底部、および剛性ビーム1170を含むことができ、剛性ビーム1170は、補強部材で形成され得る。下部パックフレーム1100および上部パックフレーム1200は互いに結合して、電池パック1000内部を密封させることができる。
【0040】
電池モジュール100は、複数の電池セルが予め設定された方向に沿って積層された電池セル積層体120、およびモジュールフレーム210、250を含むことができる。モジュールフレーム210、250は、上部フレーム210および下部フレーム250を含むことができ、電池セル積層体120は、上部フレーム210と下部フレーム250との間に装着されて電池モジュール100を構成することができる。ただし、モジュールフレーム210、250は、前述した内容に限定されず、上下面および両側面が一体化した金属板材形態のモノフレームであってもよい。
【0041】
ここで、前記電池セルは、その種類に特別な制限がないため、パウチ型二次電池または角型二次電池であり得るが、パウチ型二次電池であることが好ましい。
【0042】
剛性ビーム1170は、補強部材で形成され得る。補強部材2000は、ダンパー(damper)であり得る。ダンパーは、物体が外部から振動または衝撃を受けて運動エネルギーが発生すると、これを摩擦による熱エネルギーなどで急速に消散して、外部から加えられる振動または衝撃により作られる変位を早期に鎮静および減衰させることができる。
【0043】
剛性ビーム1170は、内部に補強部材を含むことができる。剛性ビーム1170に含まれる補強部材は一つ以上であり得る。つまり、補強部材は剛性ビーム1170内部に二つ以上形成され得る。
【0044】
補強部材は、粘性ダンパー2100(図4および図5)または粘弾性ダンパー2500(図6乃至図8)であり得るが、これに限定されるのではなく、外部の衝撃や振動を吸収することができる構成であれば可能である。剛性ビーム1170は補強部材を含むことによって、外部から電池に加えられる振動または衝撃を吸収して、電池の剛性および耐久性を向上させることができる。
【0045】
剛性ビーム1170は、鋼鉄鋳型内に補強部材を少なくとも一つ以上配置した後、金属を鋼鉄鋳型内に注入するダイカスティング(Die casting)方式で製造され得る。剛性ビーム1170を構成する金属は、例えば、アルミニウムであり得る。
【0046】
ただし、剛性ビーム1170の製造は前記製造方式に限定されるのではない。例えば、剛性ビーム1170は中空構造であり得る。この場合、中空構造の剛性ビーム1170の内部に補強部材を位置させた後、補強部材の両端部を剛性ビーム1170の内面と接して位置するように製造することもできる。
【0047】
剛性ビーム1170は、少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150と接して位置することができる。より具体的には、剛性ビーム1170の下面は下部パックフレーム1100の底面と接し、剛性ビーム1170の側面は少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150の一側面と接することができる。この場合、剛性ビーム1170は、下部パックフレーム1100と溶接結合されたり締結部材を用いて結合され得る。例えば、ボルトとナット、リベットを用いて結合されることができ、接着剤を塗布して結合されることもできる。好ましくは、接着剤は構造用接着剤であり得る。また、剛性ビーム1170は、内部ビーム1110および側面フレーム1150の一部または全部を代替しながら位置することができる。
【0048】
下部パックフレーム1100は、下部パックフレーム1100の底面に少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150が形成されている。より具体的には、下部パックフレーム1100は、下部パックフレーム1100の底面から上部フレーム1200に向かって突出している少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150を含む。ここで、下部パックフレーム1100の底面は、少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150と互いに溶接などの方法により結合され得る。
【0049】
側面フレーム1150は、下部パックフレーム1100の底面の周縁に沿って延長され得る。より具体的には、側面フレーム1150は、下部パックフレーム1100の底面の各縁に沿って延長され得る。ここで、側面フレーム1150の上面は上部パックフレーム1200と接することができる。この時、側面フレーム1150の上面と上部パックフレーム1200は、互いに溶接などの方法により結合されて、電池パック1000内部を密封させることができる。
【0050】
少なくとも二つの内部ビーム1110は、クロスビーム(cross beam)またはバーチカルビーム(vertical beam)であり得、これらは押出成形により形成され得る。
【0051】
側面フレーム1150と少なくとも二つの内部ビーム1110は、複数の電池モジュール100を互いに区画することができる。言い換えると、側面フレーム1150と少なくとも二つの内部ビーム1110との間に位置する領域に複数の電池モジュール100がそれぞれ配置され得る。より具体的には、電池パック1000において、少なくとも二つの内部ビーム1110のうち互いに隣接して位置する一対の内部ビーム1110と側面フレーム1150との間に一対の電池モジュール100が配置され得る。ここで、一対の電池モジュール100は離隔しており、互いに対面する方向に配置され得る。一例として、一対の電池モジュール100は、各電池モジュール100に含まれているエンドプレート(図示せず)が互いに向き合う方向に配置され得る。
【0052】
この場合、少なくとも二つの内部ビーム1110は、互いに離隔していてもよい。少なくとも二つの内部ビーム1110が離隔している距離は、電池モジュール100の大きさと同一であるかまたはそれより大きくてもよい。また、内部ビーム1110の端部は側面フレーム1150の内面と互いに接することができる。より具体的には、内部ビーム1110の両端部は側面フレーム1150の内面にそれぞれ接することができる。
【0053】
そのために、少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150は、複数の電池モジュール100を囲んでおり、外部衝撃から各電池モジュール100を保護することができる。
【0054】
少なくとも二つの内部ビーム1110は、剛性ビーム1170を含むことができ、側面フレーム1150は、剛性ビーム1170を含むことができる。図3は、内部ビーム1110が剛性ビーム1170を含む場合を示している。ただし、本発明の実施形態は本図面に限定されるのではなく、通常の技術者の立場で多様に変形することができる。例示として、図9乃至図13で多様な実施形態について示しているが、これについては後述する。
【0055】
図4図3のA-A’に沿って切断した断面図である。図5図4の補強部材を示す図面である。
【0056】
図4および図5を参照すれば、剛性ビーム1170は、補強部材2000である粘性ダンパー(viscous damper)2100を含むことができる。つまり、剛性ビーム1170の内部には少なくとも一つ以上の粘性ダンパー2100が備えられ得る。粘性ダンパー2100は剛性ビーム1170の内部に垂直に位置することができる。
【0057】
A1は粘性ダンパー2100の内部断面を示す。これは図3のB-B’に沿って切断した断面を示すものにも該当する。これを参照すれば、粘性ダンパー2100は、シリンダー2130内に位置する粘性流体2110とピストン2120を含むことができる。
【0058】
電池に外部から振動または衝撃などの運動エネルギーが加えられると、粘性ダンパー2100のピストン2120および高粘度の粘性流体2110が移動し、振動エネルギーを熱エネルギーのような他の形態のエネルギーで消散させることで、振動または衝撃などを相殺することができる。つまり、粘性ダンパー2100は電池に加えられる力と変位を減少させて構造物の損傷を防止することができる。
【0059】
粘性ダンパー2100は、両端部にそれぞれ締結部2140を含むことができる。図面には示されていないが、剛性ビーム1170が中空構造である場合、締結部2140は剛性ビーム1170の内面とそれぞれ結合することができる。この場合、締結部2140は剛性ビーム1170の内面と溶接結合したり、ボルトやナット、リベットなどのような締結部材を用いて結合することができ、接着剤を塗布して結合することもできる。
【0060】
図6図3のA-A’に沿って切断した断面図である。図7図6の補強部材を示す図面である。図8図6の補強部材が外部で発生した衝撃を吸収する過程を示す断面である。
【0061】
図6乃至図8を参照すれば、剛性ビーム1170は補強部材2000である粘弾性ダンパー(viscoelastic damper)2500を含むことができる。つまり、剛性ビーム1170の内部には少なくとも一つ以上の粘弾性ダンパー2500が備えられ得る。粘弾性ダンパー2500は剛性ビーム1170の内部に垂直に位置することができる。
【0062】
A2は粘弾性ダンパー2500の内部断面を示す。これは図3のB-B’に沿って切断した断面を示すものにも該当する。これを参照すれば、粘弾性ダンパー2500は、弾性体2510および鋼板2520を含むことができる。弾性体2510および鋼板2520は交互に積層された構造であり、弾性体2510と鋼板2520が接する面は互いに接着され得る。弾性体2510は、ゴム素材で形成され得るが、好ましくは高減衰ゴムであり得る。ただし、弾性体2510は、弾性を有する素材であればこれに限定されるのではない。
【0063】
粘弾性ダンパー2500に外部から振動または衝撃などの運動エネルギーが加えられると、振動または衝撃が加えられる方向D1およびこれと反対方向D2に鋼板2520が移動し、鋼板2520の移動により鋼板2520と接する弾性体2510の形状が変化しながら振動または衝撃を相殺することができる。つまり、鋼板2520および弾性体2510の移動により振動エネルギーを熱エネルギーのような他の形態のエネルギーで消散させることによって、振動または衝撃などを相殺することができる。したがって、粘弾性ダンパー2500は電池に加えられる力と変位を減少させて構造物の損傷を防止することができる。
【0064】
粘弾性ダンパー2500は、両端部にそれぞれ締結部2540を含むことができる。図面には示されていないが、剛性ビーム1170が中空構造である場合、締結部2540は剛性ビーム1170の内面とそれぞれ結合することができる。この場合、締結部2540は剛性ビーム1170の内面と溶接結合したり、ボルトやナット、リベットなどのような締結部材を用いて結合することができ、接着剤を塗布して結合することもできる。
【0065】
図9乃至図13は剛性ビームが電池パックフレームに位置する形態について示す図面である。ただし、本図面は例示的なものであり、本発明の実施形態はこれに限定されず、通常の技術者の立場で変更可能な全ての実施形態を含むことができる。
【0066】
図9乃至図13を参照すれば、下部パックフレーム1100には剛性ビーム1170および追加ビーム1130が位置することができる。
【0067】
剛性ビーム1170は下部パックフレーム1100の内部を区画しながら位置することができ、剛性ビーム1170は内部ビーム1110であり得る。また、剛性ビーム1170は下部パックフレーム1100の底面の縁に沿って延長されて位置することができ、剛性ビーム1170は側面フレーム1150であり得る。剛性ビーム1170の一面は下部パックフレーム1100の底部と接して位置することができる。つまり、少なくとも二つの内部ビーム1110は、剛性ビーム1170を含むことができ、側面フレーム1150は、剛性ビーム1170を含むことができる。
【0068】
追加ビーム1130は剛性部材を含まずに金属素材で形成されるビームである。追加ビーム1130は下部パックフレーム1100の内部を区画しながら位置したり、下部パックフレーム1100の底面の縁に沿って延長されて位置することができる。
【0069】
図9を参照すれば、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である内部ビーム1110と共に下部パックフレーム1100の内部に位置することができる。
【0070】
追加ビーム1130は、下部パックフレーム1100の底面の縁に沿って延長されて位置することができる。追加ビーム1130の一面は下部パックフレーム1110の底部と接して位置することができる。
【0071】
また、追加ビーム1130は剛性ビーム1170である内部ビーム1110の一面と接して位置することができる。具体的には、追加ビーム1130の一面は下部パックフレーム1100の底部と接して位置し、追加ビーム1130の他の一面は内部ビーム1110の一面と接して位置することができる。
【0072】
追加ビーム1130は、下部パックフレーム1100の底面および内部ビーム1110と溶接結合されるか、またはボルトとナット、リベットなどの締結部材を用いて結合されたり、接着剤で結合され得る。
【0073】
図10図9に開示された本発明の一実施形態に対する変形例であり、前記で説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0074】
図10を参照すれば、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である側面フレーム1150と接して位置することができる。具体的には、追加ビーム1130の一面は側面フレーム1150の一面と接して位置することができる。追加ビーム1130の一面は側面フレーム1150の内面と接して位置することができる。
【0075】
これに加えて、追加ビーム1130は、下部パックフレーム1100の内部を区画しながら位置することができる。追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である内部ビーム1110が存在しない領域に位置し、下部パックフレーム1100の内部を区画しながら位置することができる。つまり、追加ビーム1130は内部ビーム1110を代替しながら位置することができる。
【0076】
この場合、剛性ビーム1170を含む内部ビーム1110の代わりに追加ビーム1130が下部パックフレーム1100の内部を区画しながら電池モジュール100を離隔させることができる。
【0077】
図11図9および図10に開示された本発明の一実施形態に対する変形例であり、前記で説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0078】
図11を参照すれば、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である側面フレーム1150および内部ビーム1110と接して位置することができる。
【0079】
具体的には、追加ビーム1130は、側面フレーム1150の一面と接して位置することができる。つまり、追加ビーム1130は側面フレーム1150の内面または外面と接して位置することができる。
【0080】
具体的には、追加ビーム1130の一面は下部パックフレーム1100の底部と接し、追加ビーム1130の他の一面は側面フレーム1150の一面と接して位置することができる。追加ビーム1130の一面は下部パックフレーム1100の底部と接し、追加ビーム1130の他の一面は側面フレーム1150の内面と接して位置することができる。または、追加ビーム1130の一面は側面フレーム1150の外面と接して位置することもできる。
【0081】
これに加えて、追加ビーム1130は、内部ビーム1110と接して位置することができる。追加ビーム1130の一面は下部パックフレーム1100の底部と接し、追加ビーム1130の他の一面は内部ビーム1110の一面と接して位置することができる。
【0082】
このように、追加ビーム1130が少なくとも二つの内部ビーム1110および側面フレーム1150の全てに接して位置する場合、電池の耐久性および剛性が向上し、電池の安定性が向上することができる。
【0083】
図12図9乃至図11に開示された本発明の一実施形態に対する変形例であり、前記で説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0084】
図12を参照すれば、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である側面フレーム1150が存在しない領域に位置し、下部パックフレーム1100の縁に沿って延長されて位置することができる。
【0085】
追加ビーム1130が下部パックフレーム1100である内部ビーム1110および/または側面フレーム1150を代替しながら位置する場合、下部パックフレーム1100の厚さは同一に維持されることで、電池の重量および体積当たりのエネルギー密度は一定に維持されながら、耐久性および剛性は向上することができる。また、下部パックフレーム1100の全体に対して剛性ビーム1170が位置しなくてもよいため、製造費用も節減することができる。
【0086】
図13図9乃至図12に開示された本発明の一実施形態に対する変形例であり、前記で説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0087】
図13を参照すれば、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である側面フレーム1150と接して位置することができる。
【0088】
これに加えて、追加ビーム1130は、剛性ビーム1170である内部ビーム1110が存在しない領域に位置し、下部パックフレーム1100の内部を区画しながら位置することができる。つまり、追加ビーム1130は内部ビーム1110を代替しながら位置することができる。
【0089】
整理すると、追加ビーム1130は、下部パックフレーム1100の一部と結合すると同時に下部パックフレーム1100の一部を代替しながら位置することができる。例えば、本図面によれば、追加ビーム1130は、少なくとも二つ以上の内部ビーム1110を代替しながら位置し、側面フレーム1150の外部面と結合して位置することができる。ただし、本発明の実施形態は本図面に示された形状に限定されるのではなく、多様に変形され得る。
【0090】
追加ビーム1130が下部パックフレーム1100の一部と結合すると同時に一部を代替しながら位置することができるため、電池パックフレームの構造をユーザーの所望のとおりデザインしながら、電池の剛性および耐久性が向上する効果を導き出すことができる。
【0091】
本発明は前記図面に示された実施形態に限定されるのではなく、通常の技術者が容易に変更可能な全ての実施形態を含む。つまり、前記図面に示されていないが、通常の技術者はその他にも下部パックフレーム1100に追加ビーム1130を多様に位置させることで、多様な実施形態でデザインを変形して実施することができる。
【0092】
図14乃至図15は本発明の他の一実施形態による電池パックで、補強部材を含む電池パックフレームの断面図である。
【0093】
図14および図15を参照すれば、剛性ビーム1170は、前述した補強部材2000である粘性ダンパー2100と粘弾性ダンパー2500を含むことができる。つまり、剛性ビーム1170の内部には少なくとも一つ以上の粘性ダンパー2100や粘弾性ダンパー2500が備えられ得る。粘性ダンパー2100および粘弾性ダンパー2500は剛性ビーム1170の内部に水平に位置することができる。
【0094】
補強部材2000が剛性ビーム1170内部で多様な方向に位置することによって、多様な方向に発生する振動または衝撃を柔軟に吸収して、電池の耐久性および剛性を向上させることができる。
【0095】
追加的に、本明細書の図面には示されていないが、補強部材2000は剛性ビーム1170内部に位置せず、補強部材2000自体が下部パックフレーム1100に装着されて位置することができる。具体的には、補強部材2000自体が少なくとも二つ以上の内部ビーム1110の一側面に付着して位置したり、側面フレーム1150の一側面に付着して位置することができる。
【0096】
または、補強部材2000自体が下部パックフレーム1100の一部を代替しながら位置することもできる。具体的には、補強部材2000自体が少なくとも二つ以上の内部ビーム1110を代替したり、側面フレーム1150の一部または全部を代替することができる。
【0097】
前記の場合、補強部材2000を剛性ビーム1170と結合させる工程が不要となるため、製造工程の効率が向上し、電池製造費用が減少することができる。
【0098】
前述した電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池パックを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0099】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0100】
1000:電池パック
1100:下部パックフレーム
1110:内部ビーム
1130:追加ビーム
1150:側面フレーム
1170:剛性ビーム
1200:上部パックフレーム
2000:補強部材
2100:粘性ダンパー
2500:粘弾性ダンパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】