(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】アクティブ固定リード
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20231114BHJP
A61N 1/34 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527957
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021081892
(87)【国際公開番号】W WO2022101513
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510166157
【氏名又は名称】ソーリン シーアールエム エス ア エス
【氏名又は名称原語表記】SORIN CRM S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ ジャン―フランソワ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC01
4C053JJ11
4C053JJ23
(57)【要約】
本発明は、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リード(10、100、200)に関する。アクティブ固定電極(22、26、126)とリード(10、100、200)の遠位収容部(122、222)との間の電気的接続は、導電性圧縮ばね(176、276)によって実現する。導電性圧縮ばね(176、276)は、その復元力によって導電性圧縮ばね(176、126)が、アクティブ固定電極(126、226)に機械的かつ電気的に接続される導電性ドライバシャフト(120、220)に押し付けられるように、案内部材(35、136、236)の管状体(138、238)及び案内部材(136、236)の径方向開口部(158、258)の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端から遠位端(114)まで延びる、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リード(10、100、200)であって、前記リード(10、100、200)の前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成され、前記リード(10、100、200)は、
・ 前記リード(10、100、200)の前記遠位端(114)に、前記リード(10、100、200)の遠位収容部(122、222)内に可動に配置された導電性ドライバシャフト(24、120、220)に機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極(22、126、226)であって、
前記アクティブ固定電極(22、126、226)が前記遠位収容部(122、222)の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極(126、226)が前記遠位収容部(122、222)を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である前記アクティブ固定電極(22、126、226)と、
・ 導電性圧縮ばね(176、276)と、
を備え、
前記リード(10、100、200)はさらに、
・ 前記遠位収容部(122、222)の内部に配置され、前記遠位収容部(122、222)と電気的に接続された管状体(138、238)を備える案内部材(35、136、236)を備え、
前記導電性ドライバシャフト(24、120、220)は、前記管状体(138、238)を通って延びる内腔(140)内に摺動可能に配置され、
前記管状体(138、238)は、前記内腔(140)と連通する径方向開口部(158、258)をさらに備え、
前記導電性圧縮ばね(176、276)は、その復元力によって前記導電性ドライバシャフト(24、120、220)に押し付けられるように、前記管状体(138、238)及びその径方向開口部(158、258)の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される、
リード。
【請求項2】
前記導電性圧縮ばね(176、276)は、閉コイル状のらせんばね(176、276)である、請求項1に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項3】
前記導電性圧縮ばね(176、276)は、2つの自由端を備える開コイル状のらせんばね(176、276)である、請求項1に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項4】
前記径方向開口部(158)が設けられた前記管状体(138)の少なくとも一部(162)は、その静止状態において前記導電性圧縮ばね(716)の内半径(d
1)よりも大きい外半径(R1)を有する、請求項1又は2に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項5】
前記径方向開口部(158、258)は、前記リード(100、200)の延在方向(D)に垂直な前記管状体(138、238)の断面において、100°から250°、特に150°から210°の間となる開口部角度(O)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項6】
前記径方向開口部(158、258)は、前記リード(100、200)の延在方向(D)に沿った幅(L4)が、同方向(D)における前記導電性圧縮ばね(158、258)の寸法(L6)よりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項7】
前記遠位収容部(122)の内径(L1)は、前記管状体(138、238)及びその径方向開口部(158、258)の周りに少なくとも部分的に径方向に配置された前記導電性圧縮ばね(158)の直径(D2)より大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項8】
前記管状体(138、238)は、前記径方向開口部(158、258)において少なくとも1つの面取り縁(160)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項9】
前記管状体(138)は、
・ 前記径方向開口部(158)と、前記遠位収容部(122)に接触する前記管状体(138)の一部(37、142、144)とが設けられた第1の部分(162)と、
・ 前記管状体(138)の遠位端(138A)から前記第1の部分(162)まで延びる第2の部分(164)と、
を少なくとも備え、
前記リード(100)の前記遠位端(114)から前記管状体(138)の前記第1の部分(162)を封止する封止手段(174)が前記第2の部分(164)に設けられる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項10】
前記案内部材(136)の前記管状体(138)は、溶接によって前記遠位収容部(22)に機械的かつ電気的に接続される、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード(10、100、200)を組み立てる方法であって、
a)前記導電性圧縮ばね(176、276)の一部(176B)がその復元力(F)により前記内腔(140)内で部分的に撓むように、前記径方向開口部(158、258)において前記案内部材(136、236)の前記管状体(138、238)の周りに、前記導電性圧縮ばね(176、276)を設ける工程と、
b)その後、前記導電性ドライバシャフト(120、220)を前記案内部材(136、236)の前記内腔(140)を通して挿入し、それにより、前記導電性圧縮ばね(176、276)と前記導電性ドライバシャフト(120、220)との間の電気的接続を提供するように、前記圧縮ばね(176、276)を前記内腔(140)外に少なくとも部分的に押し出す工程と、
c)その後、前記案内部材(136、236)の前記管状体(138、238)を、前記リード(100、200)の前記遠位収容部(122、222)に機械的かつ電気的に接続する工程と、
を含む方法。
【請求項12】
工程b)は、前記管状体(138)の前記遠位端(138A、162)に、前記リード(100)の前記遠位端(114)から封止するための封止手段(174)を設けることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程c)は、前記管状体(138、238)を前記リード(100、200)の前記遠位収容部(122、222)に、特にレーザー溶接によって溶接することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
近位端から遠位端(114)まで延びる、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リード(10、100)であって、前記リード(10、100)の前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成されたリードであって、
・ 前記リード(100、100)の前記遠位端(114)に存在し、前記リードの遠位収容部(122)内に可動に配置された導電性ドライバシャフト(24、120)に機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極(22、126)であって、
前記アクティブ固定電極(126)が前記遠位収容部(122)の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極(126)が前記遠位収容部(122)を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である前記アクティブ固定電極(22、126)を備え、
前記リード(10、100)は、さらに、
・ 前記遠位収容部(122)の内部に配置され、前記遠位収容部(122)と電気的に接続された管状体(138)を備える案内部材(35、136)であって、
前記導電性ドライバシャフト(24、120)は、前記管状体(138)を通って延びる内腔(140)内に摺動可能かつ回転可能に配置される、案内部材(35、136)と、
・ 前記遠位収容部(122)を前記リード(100)の遠位端(138A)から封止する封止手段(174)と、
を備え、
前記封止手段(174)は、封止リング(174A)を備え、前記封止リング(174A)は、その中心長手軸(B)に対して少なくとも2つの部分(178、180)を有し、
前記封止リング(174A)の第1の部分(178)は、前記導電性ドライバシャフト(24、120)の周りに配置され、前記封止リング(174A)の第2の部分(180)は、前記管状体(138)の周りに配置され、
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)は、前記遠位収容部(122)の内径(L1)よりも厳密に小さい外径(E1)を有し、
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)は、前記導電性ドライバシャフト(24、120)の外径(E3)よりも厳密に小さい内径(I1)を有し、
前記封止リング(174A)の前記第2の部分(180)は、前記遠位収容部(122)の前記内径(L1)よりも厳密に大きい外径(E2)を有する、
リード。
【請求項15】
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)の前記外径(E1)と前記遠位収容部(122)の前記内径(L1)との間の差の割合が、3%から30%の間、特に5%から20%の間となる、請求項14に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項16】
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)の前記内径(I1)と前記導電性ドライバシャフト(120)の前記外径(E3)との差の割合が、0.05%から20%の間、特に1%から10%の間となる、請求項14又は15に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項17】
前記封止リング(174A)の前記第2の部分(180)の前記外径(E2)と前記遠位収容部(122)の前記内径(L1)との間の差の割合が、0.5%から20%の間、特に1%から10%の間となる、請求項14、15、又は16に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項18】
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)の前記内径(I1)は、前記封止リング(174A)の前記第2の部分(180)の内径(I2)よりも小さい、請求項14から16のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項19】
前記管状体(138)の前記遠位端(138A)には、径方向外側に突出した肩部(168)が設けられ、前記径方向外側に突出した肩部(168)は、前記封止手段(174)の前記封止リング(174A)の対応する内部径方向凹部(184)に形状嵌めされる、請求項14から17のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項20】
前記封止リング(184A)の前記内部径方向凹部(184)は、前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)と前記第2の部分(180)との間の接合部(179)に設けられる、請求項19に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項21】
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)は、その内径(I1)に沿って丸みを帯びた縁を有する、請求項14から20のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項22】
前記封止手段(174)は、一体的に形成されている、請求項14から21のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項23】
前記封止手段(174)は、ゴム製、特にシリコーン製であり、50から65ショアAであるショア硬度を有する、請求項14から22のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項24】
近位端から遠位端(114)まで延びる、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リード(10、100)であって、前記リード(10、100)の前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成されたリードであって、
・ 前記遠位端(114)に存在し、前記リードの遠位収容部(122)内に可動に配置された導電性ドライバシャフト(24、120)に機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極(22、126)であって、
前記アクティブ固定電極(22、126)が前記遠位収容部(122)の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極(126)が前記遠位収容部(122)を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である前記アクティブ固定電極(22、126)と、
・ 導電性圧縮ばね(176、276)と、
を備え、
前記リード(10、100)は、さらに、
・ 前記遠位収容部(122)の内部に配置され、前記遠位収容部(122)と電気的に接続された管状体(138)を備え、
前記導電性ドライバシャフト(24、120)は、前記管状体(138)を通って延びる内腔(140)内に摺動可能かつ回転可能に配置される、案内部材(35、136)であって、
前記管状体(138、238)は、前記内腔(140)と連通する径方向開口部(158、558)をさらに備え、
前記導電性圧縮ばね(176、276)は、その復元力によって前記導電性ドライバシャフト(24、120、220)に対して押し付けられるように、前記管状体(138、238)及びその径方向開口部(158、258)の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される、案内部材(35、136)と、
・ 前記遠位収容部(122)を前記リード(100)の遠位端(138A)から封止する封止手段(174)と、
を備え、
前記封止手段(174)は、封止リング(174A)を備え、前記封止リング(174A)は、その中心長手軸(B)に対して少なくとも2つの部分(178、180)を有し、
前記封止リング(174A)の第1の部分(178)は、前記導電性ドライバシャフト(24、120)の周りに配置され、前記封止リング(174A)の第2の部分(180)は、前記管状体(138)の周りに配置され、
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)は、前記遠位収容部(122)の内径(L1)よりも厳密に小さい外径(E1)を有し、
前記封止リング(174A)の前記第1の部分(178)は、前記導電性ドライバシャフト(24、120)の外径(E3)よりも厳密に小さい内径(I1)を有し、
前記封止リング(174A)の前記第2の部分(180)は、前記遠位収容部(122)の前記内径(L1)よりも厳密に大きい外径(E2)を有する、
リード。
【請求項25】
リード体(12)を備える、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リードであって、前記リード体(12)には、
インプラント型医療装置に接続されるように構成された近位端と、前記近位端とは反対側の遠位端(14)とが設けられ、
前記リード体(12)の前記遠位端(14)は、前記リードの陽極(16)を形成する環状電極(16)を備え、
前記リードは、その陰極(22)を形成する電極(22)が少なくとも部分的に収容されるスリーブ(20)をさらに備え、特に前記電極(22)は、伸縮可能固定ねじ(22)であり、
前記スリーブ(20)は、前記リード体(12)の前記環状電極(16)が前記スリーブ(20)に重なるように、前記リード体(12)の前記遠位端(14)に部分的に収容されることを特徴とする、
リード。
【請求項26】
前記スリーブ(20)は、前記スリーブ(20)上に配置された電気絶縁シース(48)、特に前記スリーブ(20)上に熱収縮したシース(48)によって、前記リード体(12)の前記環状電極(16)から電気的に絶縁される、請求項25に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項27】
前記電気絶縁シース(48)は、前記スリーブ(20)上に熱収縮したテフロンシースである、請求項26に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項28】
前記スリーブ(20)は金属材料製である、請求項25から27のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項29】
前記スリーブ(20)の近位端(34)が前記リード体(12)の前記遠位端(14)内に収容され、肩部(37)を備える、請求項25から28のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項30】
前記環状電極(16)は、クランプ又は圧着によって前記スリーブ(20)に取り付けられる、請求項29に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項31】
前記環状電極(16)は、前記スリーブ(20)の少なくとも2つの異なる領域でクランプ又は圧着される、請求項30に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項32】
前記リード体(12)の前記遠位端(14)の前記環状電極(16)に溶接され、前記リードの径方向(R)に沿って、前記環状電極(16)と前記スリーブ(20)との間の少なくとも一部に配置された保持リング(50)をさらに備え、
前記保持リング(50)は、その一端(54)に肩部(56)をさらに備え、前記肩部(56)は、前記リードの長手方向(A)に沿って、前記環状電極(16)と前記スリーブ(20)との間に配置される、
請求項25から29のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項33】
前記環状電極(16)は、少なくとも15平方ミリメートルの表面を有する、請求項25から32のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項34】
前記リード体(12)の前記遠位端(14)と前記リード体(12)の前記遠位端(14)に収容された前記スリーブ(20)の前記近位端(34)との間に、電気絶縁性接着剤(58)、特にシリコーン接着剤又は粘着剤を有する、請求項25から33のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード。
【請求項35】
請求項25から34のいずれか一項に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードを組み立てる方法であって、
1)前記スリーブ(20)の一部を覆う電気絶縁シース(48)を熱成形する工程と、
2)前記リード体(12)の前記環状電極(16)が前記スリーブ(20)に重なるように、前記スリーブ(20)の前記一部を前記リード体(12)の前記遠位端(14)内に収容する工程と、
を少なくとも含む方法。
【請求項36】
前記環状電極(16)を前記スリーブ(20)にクランプ又は圧着する工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
工程2)は、
・ 前記リード体(12)の前記環状電極(16)に保持リング(50)を溶接することと、
・ 前記保持リング(50)は、前記リードの径方向(R)において、前記環状電極(16)と前記スリーブ(20)との間に少なくとも部分的に存在し、前記保持リング(50)の端部(54)の一方に設けられた肩部(56)が、前記リードの長手方向(A)において、前記環状電極(16)と前記スリーブ(20)との間に配置されるように、前記リード体(12)に前記スリーブ(20)を挿入することと、
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記リード体(12)の前記遠位端(14)と前記リード体(12)の前記遠位端(14)に収容された前記スリーブ(20)の前記一部との間に電気絶縁性接着剤(58)を導入する工程をさらに含む、請求項36又は37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースメーカー又は除細動器に接続されるように構成され、電極を心臓組織に固定するためのアクティブ固定具を含むインプラント型(implantable)リードに関する。
【発明の背景】
【0002】
アクティブ固定リードは、その遠位端にらせん電極を配置するための伸縮可能な機構を備えていることが知られている。公知の伸縮可能な機構では、らせん電極は、リードの遠位収容部内に可動に配置された導電性ドライバシャフトに電気的に接続されて支持されている。したがって、らせん電極は、導電性ドライバによってリードの遠位コイル導体に電気的に接続される。らせん電極は、リードの遠位収容部内に可動に収容され、その内壁と断続的に接触することがある。
【0003】
リードの遠位収容部は、一般的に、円筒形のプラスチック成形品であるが、金属部分(複数可)も設けられ得る。
【0004】
リードの遠位収容部に金属部分が存在すると、らせん電極と収容部の金属部分が連続的に電気的に接続されなければ、電気的なチャタリングノイズが発生し得る。特にらせん電極や収容部の遠位金属部分がイオン性溶液である血液と接触すると、リードのこれらの金属部分の断続的な接触により、チャタリングノイズが生じ得る。チャタリングノイズは、不適切な治療やショックの原因となり得る寄生電気信号である。
【0005】
リードの金属収容部カラーとらせん電極の間で発生する電気的なチャタリングノイズの問題に対処するために、米国特許第6,687,550号には、圧縮金属巻きばね又は「ボールシール」型の接触ばねを使用することが開示されている。米国特許第6,687,550号によれば、このようなばねは導電性ドライバの周りに配置されることによって、ばねとドライバの間に電気的接触が生じ、ドライバがらせん電極及びリードの遠位コイル導体に電気的に接続される。特に、米国特許第6,687,550号では、ドライバと管状導電性カップリングの間に配置された環状トラック部材の環状凹部にガーターばね(すなわち円形ばね)が収容されている。米国特許第6,687,550号による環状トラック部材は、ドライバの全周にわたってガーターばねを径方向に圧縮することができる。
【0006】
しかし、ガーターばねがドライバの全周にわたって径方向に圧縮されるため、ばねとドライバの間の摩擦が増加し、寄生的な機械的効果が発生するおそれがある。実際、ばねとドライバの間の機械的な摩擦は、ドライバの滑らかな動きに影響を与える可能性があり、ドライバが断続的に動いてしまう。したがって、このような寄生的な摩擦は、らせんねじの配置品質を損なう。
【0007】
そこで、本発明の第1の目的は、らせんねじの配置品質に悪影響を与えることなく、アクティブ固定リードにおけるチャタリングノイズをよりよく防止することである。
【0008】
さらに、公知のペーシング及び/又は除細動リードでは、伸縮可能固定機構とリードの遠位端に設けられた陽極とを備えるリードの遠位収容部が、リードの遠位部分のうち最も剛性の高い部分を構成している。特に、ある種のリードでは、この「剛性」部分が、完全に剛性のある、長さが約14~16mmの一体型部分である。また、別の種類のリードでは、この「剛性」部分が、長さが1~3mmのより柔軟な部分によって分離された、2つの異なる剛性部分を備える。
【0009】
一般的に、後者の種類のリードに関して上述したような柔軟な部分があると、特に心室の近傍や三尖弁を通過するリードの埋め込み(インプラント)を容易にすることができるため、臨床医にとって好ましい。一方で、短い(1~3mmの)柔軟な部分をリードの2つの剛性部分の間に配置することが、リードの長期的な信頼性に影響を与える可能性がある。実際、周期的な心収縮によって発生する機械的ストレスは、1~3mmの短い柔軟な部分でほとんど吸収される。
【0010】
したがって、本発明の第2の目的は、配置しやすくなるように、リードの剛性遠位部分が従来のリードよりも短い、伸縮可能固定機構を備えるペーシング及び/又は除細動リードを提供することである。
【0011】
また、リードの遠位収容部が伸縮可能固定機構を備える公知のペーシング及び/又は除細動リードの封止性も改善が求められている。実際、血液のような流体は、固定機構がそこを通って伸縮可能な遠位開口部を介して、リードの遠位収容部の内腔に入る可能性がある。血液はイオン性溶液であるため、リードの遠位端の内部で表面や体積をなす部分の腐食が生じ得る。
【0012】
したがって、本発明の第3の目的は、アクティブ固定リードの遠位端分の封止性を改善し、特に、リードの容易な組み立てを可能にする封止手段として提供することである。
【発明の説明】
【0013】
本発明の第1の目的は、請求項1に記載のインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードによって達成される。前記リードは、近位端から遠位端まで延び、前記リードの前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成され、前記リードは、
・ 前記リードの前記遠位端に、前記リードの遠位収容部内に可動に配置された導電性ドライバシャフトに機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極であって、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である前記アクティブ固定電極と、
・ 導電性圧縮ばねと、
を備える。本発明によれば、前記リードはさらに、前記遠位収容部の内部に配置され、前記遠位収容部と電気的に接続された管状体を備える案内部材を備え、前記導電性ドライバシャフトは、前記管状体を通って延びる内腔内に摺動可能に配置され、前記管状体は、前記内腔と連通する径方向開口部をさらに備え、前記導電性圧縮ばねは、その復元力によって前記導電性ドライバシャフトに押し付けられるように、前記管状体及びその径方向開口部の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される。
【0014】
そのため、アクティブ固定電極と遠位収容部が同電位になるように、アクティブ固定電極と遠位収容部の間に継続的かつ安定した電気的接触を設けることにより、チャタリングノイズの発生を回避することができる。導電性圧縮ばねが、その復元力によって導電性ドライバシャフトに押し付けられることで、継続的な電気的接触が実現される。
【0015】
このばねは、径方向開口部において、ばねの個々のコイルによって導電性ドライバシャフトと多点接触する。導電性圧縮ばねは、管状体の径方向開口部においてのみ導電性ドライバシャフトに接触することができるため、導電性圧縮ばねと導電性ドライバシャフトの間の摩擦は、径方向開口部においてのみ生じ、導電性ドライバシャフトの外周全体にわたって生じることはない。したがって、従来技術と比較して、摩擦を有利に低減することができる。不要な機械的摩擦が従来よりも発生しないため、アクティブ固定電極の品質が向上し、同電極のスムーズな展開を実現することができる。
【0016】
念のため、「導電性ドライバシャフト」という表現は、電気的な導電性ドライバシャフトを指すことに留意されたい。
【0017】
本発明の第1の目的に対処するためのインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードは、様々な効果的な実施形態によってさらに改良することができる。
【0018】
一実施形態によれば、導電性圧縮ばねは、閉コイル状のらせんばねとすることができる。
【0019】
これにより、ばねのサイズを有利に小さくすることができ、また、保持手段を追加することなく、閉コイル状のらせんばねを管状体の周りに維持することができるため、リードの組み立てを容易にすることができる。ばねの複数の連続したコイルは、径方向開口部において導電性ドライバシャフトと多点接触するため、電気的接触の冗長性を確保することができる。
【0020】
一実施形態によれば、導電性圧縮ばねは、2つの自由端を備える開コイル状のらせんばねとすることができる。
【0021】
したがって、本発明によるチャタリングノイズを回避する手段は、異なる種類のばねによって有利に実施することができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記径方向開口部が設けられた前記管状体の少なくとも一部は、その静止状態において前記導電性圧縮ばねの内半径よりも大きい外半径を有することができる。
【0023】
この径方向の寸法差により、ばねはその復元力によって導電性ドライバシャフトに押し付けられ、電気的接触を確保する。
【0024】
一実施形態によれば、前記径方向開口部は、前記リードの延在方向に垂直な前記管状体の断面において、100°から250°、特に150°から210°の間となる開口部角度を有することができる。
【0025】
径方向開口部の寸法は、導電性ドライバシャフトに対して安定した接触を提供するのに十分な復元力をばねが生成することを可能にする開口部を提供するように適用される。
【0026】
一実施形態によれば、前記径方向開口部は、前記リードの延在方向に沿った幅が、その方向における前記導電性圧縮ばねの寸法よりも大きいものとすることができる。
【0027】
したがって、径方向開口部に位置するとき、ばねをドライバシャフトに自由に収納することができるため、ばねを導電性ドライバシャフトに確実に接触させるのに十分なスペースが確保される。
【0028】
一実施形態によれば、前記遠位収容部の内径は、前記管状体及びその径方向開口部の周りに少なくとも部分的に径方向に配置された前記導電性圧縮ばねの直径より大きいものとすることができる。
【0029】
したがって、前記リードにおいて、それらの寸法の違いのために、ばねは遠位収容部によって、不必要に大きな摩擦をもたらすような圧迫はされない。
【0030】
一実施形態によれば、前記管状体は、前記径方向開口部において少なくとも1つの面取り縁を有することができる。
【0031】
鋭利な縁に比べ、縁に面取りが施されていることにより、ばねの損傷を防ぐ。これにより、リードの堅牢性と寿命を向上させることができる。
【0032】
一実施形態によれば、前記管状体は、
・ 前記径方向開口部と、前記遠位収容部に接触する前記管状体の一部とが設けられた第1の部分と、
・ 前記管状体の遠位端から前記第1の部分まで延びる第2の部分と、
を少なくとも備えることができ、
前記リードの前記遠位端から前記管状体の前記第1の部分を封止する封止手段を前記第2の部分に設けることができる。
【0033】
したがって、ばねを構成する管状体の第1の部分を、イオン性溶液である血液のような流体に対して有利に封止することができる。これにより、特に導電性圧縮ばねにおける、表面及び/又は体積をなす部分の腐食を防止することができる。
【0034】
一実施形態によれば、前記案内部材の前記管状体は、溶接によって、及び/又は前記管状体を前記遠位収容部と電気的かつ機械的に接触した状態に維持するように配置された圧着手段及び/又は熱収縮手段によって、前記遠位収容部に機械的かつ電気的に接続することができる。これにより、さらに、組み立てが容易なリードを提供することができ、製造効率を向上させることができる。
【0035】
さらに、案内部材の管状体と遠位収容部との間に安定した電気的接続を確立することができる。
【0036】
本発明の第1の目的は、上述の実施形態のうちの1つによるインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードを組み立てる方法によってさらに達成される。前記方法は、a)前記導電性圧縮ばねの一部がその復元力により前記内腔内で部分的に撓むように、前記径方向開口部において前記案内部材の前記管状体の周りに、前記導電性圧縮ばねを設ける工程と、b)その後、前記導電性ドライバシャフトを前記導電性案内部材の前記内腔を通して挿入し、それにより、前記導電性圧縮ばねと前記導電性ドライバシャフトとの間の電気的接続を提供するように、前記圧縮ばねを前記内腔外に少なくとも部分的に押し出す工程と、c)その後、前記案内部材の前記管状体を、前記リードの前記遠位収容部に機械的かつ電気的に接続する工程と、を含む。
【0037】
この方法によって、簡便で信頼性の高い組立手順を提供することができる。
【0038】
一実施形態によれば、工程b)は、前記管状体の前記遠位端に、前記リードの前記遠位端から封止するための封止手段を設けることをさらに含むことができる。
【0039】
イオン性溶液である血液などの液体に対して、リードの遠位端から管状体を封止することができる。これにより、特に導電性圧縮ばねにおける、表面及び/又は体積をなす部分の腐食を防止することができる。
【0040】
一実施形態によれば、工程c)は、前記管状体を前記リードの前記遠位収容部に、特にレーザー溶接によって溶接することを含むことができる。
【0041】
これにより、案内部材の管状体と遠位収容部との間に安定した電気的接続を確立することができる。
【0042】
本発明の第2の目的は、リード体を備える、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リードによって達成される。前記リードは、インプラント型医療装置に接続されるように構成された近位端と、前記近位端とは反対側の遠位端とが設けられたリード体を備え、前記リード体の前記遠位端は、前記リードの陽極を形成する環状電極を備え、前記リードは、その陰極を形成する電極が少なくとも部分的に収容されるスリーブをさらに備え、特に前記電極は、伸縮可能固定ねじである。前記スリーブは、前記リード体の前記環状電極が前記スリーブに重なるように、前記リード体の前記遠位端に部分的に収容される。
【0043】
前記スリーブは、リードの一部の遠位収容部であることに留意されたい。
【0044】
リード体の環状電極は、スリーブに重なっている。つまり、環状電極は、リードの径方向において、スリーブの上方に配置されている。
【0045】
その結果、リードの剛性部分は、軸方向に、すなわちリードの長手軸に沿って有利にコンパクトになり、公知のリードと比較して剛性部分の長さを短くすることが可能になる。
【0046】
実際には、検出及び/又は刺激用の陽極機能を有する環状電極が、検出及び/又は刺激用の陰極機能を有する電極を備えるスリーブに重なる、すなわちその上方に配置されているため、リードの2つの機能部が重なっている。これらの電極は、リードのいわゆる「硬性」部分を構成している。アクティブ固定リードの場合、スリーブは伸縮可能なねじの形をした電極を備え、検出及び/又は刺激用の陰極の機能と組織への固定手段の機能を併せ持っている。このように、リードの構造は、リードの剛性部分の長さを(すなわち、リードの長手軸に沿って)短くすることができるように、複数のリード機能を配置することを可能にし、それによって、患者の体内へのインプラント及び配置を容易にすることができる。
【0047】
また、従来技術によるリードから知られているように、2つの剛性部分の間に、より柔軟な部分を設けないことを可能にする。したがって、本発明に係るリードは、より信頼性が高く、時間を経ても堅牢である。
【0048】
本発明の第2の目的に対処するためのインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードは、様々な効果的な実施形態によってさらに改良することができる。
【0049】
一実施形態によれば、前記スリーブを、前記スリーブ上に配置された電気絶縁シース、特に前記スリーブ上に熱収縮した(すなわち、熱によって縮んだ)シースによって、前記リード体の前記環状電極から電気的に絶縁することができる。
【0050】
電気絶縁シースは、リードの径方向に沿って、環状電極とスリーブとの間に配置される。このように環状電極はスリーブに重ねられるため、環状電極はスリーブの上方に配置されるものの、スリーブ上に直接配置されることはない。
【0051】
電気絶縁スリーブにより、陽極と陰極を分離することができる。スリーブ上にシースを使用することで、構造的にコンパクトな手段であるという利点がある。
【0052】
また、熱収縮形成により、スリーブとシースとの間に空隙が不要となり、任意の形状に容易に対応することができる。
【0053】
一実施形態によれば、電気絶縁シースは、スリーブ上に熱収縮したテフロンシースとすることができる。
【0054】
テフロン(テトラフルオロエチレン)の電気絶縁効率は特に良好であるため、これを使用することで、シースの電気絶縁性能を向上させるという技術的効果がある。
【0055】
一実施形態によれば、スリーブは、金属材料製とすることができる。
【0056】
スリーブに金属材料を使用することにより、スリーブの壁の厚さを、プラスチック材料を使用した場合よりも薄くすることができる。したがって、スリーブの直径を有利に小さくするか、又はスリーブの内部空間を大きくすることができ、それによって、より大きな直径の固定ねじを挿入することができる。
【0057】
一実施形態によれば、前記スリーブの近位端が前記リード体の前記遠位端内に収容され、肩部を備えることができる。
【0058】
スリーブの近位端の肩部は、リード体の陽極を載せることができる軸方向の停止部を提供し、これによってスリーブをリード体に機械的に保持することができる。
【0059】
一実施形態によれば、前記環状電極は、クランプ又は圧着によって前記スリーブに取り付けることができる。
【0060】
したがって、溶接を必要とせずに、肩部を有するスリーブの近位端をリード体に機械的に保持することができる。これにより、リードの組み立てが簡単になる。
【0061】
一実施形態によれば、前記環状電極を、前記スリーブの少なくとも2つの異なる領域でクランプ又は圧着することができる。
【0062】
したがって、スリーブとリード体の機械的接続を確保するために、環状電極をその全周で圧着したりクランプしたりする必要はない。これにより、組み立ての簡素化を図るとともに、長期にわたって信頼性の高い機械的接続を実現する。
【0063】
一実施形態によれば、前記インプラント型リードは、前記リード体の前記遠位端の前記環状電極に溶接又ははんだ付けされ、前記リードの径方向に沿って、前記環状電極と前記スリーブとの間の少なくとも一部に配置された保持リングをさらに備えることができ、前記保持リングは、その一端に肩部をさらに備えることができ、前記肩部は、前記リードの長手方向に沿って、前記環状電極と前記スリーブとの間に配置される。
【0064】
保持リングを使用することで、リード体にスリーブを固定する別の方法となる。
【0065】
一実施形態によれば、前記環状電極は、少なくとも15平方ミリメートルの表面を有することができる。
【0066】
この陽極面により、心房と心室の位置関係に対応した感知機能を維持することができる。
【0067】
一実施形態によれば、前記インプラント型リードは、前記リード体の前記遠位端と、前記リード体の前記遠位端に収容された前記スリーブの前記近位端との間に、電気絶縁性接着剤、特にシリコーン接着剤又は粘着剤を有することができる。
【0068】
したがって、この接着剤が封止バリアをさらに提供するため、陰極と陽極との間の電気的絶縁をさらに向上することができる。
【0069】
さらに、粘着剤の導入により、スリーブとリード体の遠位端との間のあらゆる相対移動を最小限に抑える。
【0070】
また、本発明の第2の目的は、上述の実施形態のうちの1つによるインプラント型リードを組み立てる方法によっても達成される。前記方法は、1)前記スリーブの一部を覆う電気絶縁シースを熱成形する工程と、2)前記リード体の前記環状電極が前記スリーブに重なるように、前記スリーブの前記一部を前記リード体の前記遠位端内に収容する工程と、を少なくとも含む。
【0071】
その結果、リードの剛性部分は、軸方向に(すなわちリードの長手軸に沿って)有利にコンパクトになり、公知のリードと比較して剛性部分の長さを短くすることが可能になる。
【0072】
実際には、検出及び/又は刺激用の陽極機能を有する環状電極が、検出及び/又は刺激用の陰極機能を有する電極を備えるスリーブに重なる、すなわちその上方に配置されているため、リードの2つの機能部が重なっている。これらの電極は、リードのいわゆる「硬性」部分を構成している。アクティブ固定リードの場合、スリーブは伸縮可能なねじの形をした電極を備え、陰極の機能と組織への固定手段の機能を併せ持っている。このように、リードの構造は、リードの剛性部分の長さを(すなわち、リードの長手軸に沿って)短くすることができるように、複数のリード機能を配置することを可能にし、それによって、患者の体内へのインプラント及び配置を容易にすることができる。
【0073】
これはまた、従来技術のリードから知られているような、2つの剛性部分の間により柔軟な部分を設けないことを可能にする。したがって、本発明に係るリードは、より信頼性が高く、時間を経ても堅牢である。
【0074】
電気絶縁スリーブにより、陽極(すなわち環状電極)を陰極(すなわちスリーブ内の電極)から絶縁することが可能である。スリーブ上にシースを使用することで、構造的にコンパクトな手段であるという利点がある。
【0075】
また、熱収縮形成により、スリーブとシースとの間に空隙が不要となり、任意の形状に容易に対応することができる。
【0076】
一実施形態によれば、前記方法は、前記環状電極を前記スリーブにクランプ又は圧着する工程をさらに含むことができる。
【0077】
したがって、溶接を必要とせずに、肩部を有するスリーブの近位端をリード体に機械的に保持することができる。これにより、リードの組み立てが簡単になる。
【0078】
一実施形態によれば、前記方法の工程2)は、前記リード体の前記環状電極に保持リングを溶接することと、前記保持リングは、前記リードの径方向において、前記環状電極と前記スリーブとの間に少なくとも部分的に存在し、前記保持リングの端部の一方に設けられた肩部が、前記リードの長手方向において、前記環状電極と前記スリーブとの間に配置されるように、前記リード体に前記スリーブを挿入することと、をさらに含むことができる。
【0079】
保持リングを使用することで、リード体にスリーブを固定する別の方法となる。
【0080】
一実施形態によれば、前記方法は、前記リード体の前記遠位端と、前記リード体の前記遠位端に収容された前記スリーブの前記一部との間に、電気絶縁性接着剤を導入する工程をさらに含むことができる。
【0081】
したがって、この接着剤が封止バリアをさらに提供するため、陰極と陽極との間の電気的絶縁をさらに向上することができる。
【0082】
さらに、粘着剤の導入により、スリーブとリード体の遠位端との間のあらゆる相対移動を最小限に抑えることが可能になる。
【0083】
本発明の第3の目的は、近位端から遠位端まで延びる、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リードによって達成される。前記リードの前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成される。前記リードは、前記遠位端に存在し、前記リードの遠位収容部内に可動に配置された導電性ドライバシャフトに機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極を備える。前記アクティブ固定電極は、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である。前記リードは、さらに、
・ 前記遠位収容部の内部に配置され、前記遠位収容部と電気的に接続された管状体を備え、前記導電性ドライバシャフトは、前記管状体を通って延びる内腔内に摺動可能かつ回転可能に配置される、案内部材と、
・ 前記遠位収容部を前記リードの遠位端から封止する封止手段と、
を備える。前記封止手段は、封止リングを備え、前記封止リングは、その中心長手軸に対して少なくとも2つの部分を有し、前記封止リングの第1の部分は、前記導電性ドライバシャフトの周りに配置され、前記封止リングの第2の部分は、前記管状体の周りに配置され、前記封止リングの前記第1の部分は、前記遠位収容部の内径よりも厳密に小さい外径を有し、前記封止リングの前記第1の部分は、前記導電性ドライバシャフトの外径よりも厳密に小さい内径を有し、前記封止リングの前記第2の部分は、前記遠位収容部の前記内径よりも厳密に大きい外径を有する。
【0084】
したがって、封止手段の封止リングの寸法は、血液が遠位収容部に入り得る、リードの遠位端からの流体連通を回避することを可能にする。これにより、特に、電気的接続を提供するために導電性ばねなどの金属要素が収容され得る遠位収容部を少なくとも部分的に封止することができる。したがって、封止手段は、特に流体と導電性ばねとの間の表面及び/又は体積をなす部分の腐食のリスクを低減する。
【0085】
これは、封止リングの寸法によって達成され、その第1の部分は、導電性ドライバシャフトと封止リングの間の界面で封止部を形成しながら、封止リング内で導電性ドライバシャフトの回転と並進を可能にする寸法を有する。
【0086】
さらに、封止リングの第2の部分の寸法が、内部遠位収容部と封止リングの間の界面で封止部を形成することによって達成される。
【0087】
封止リングの第1の部分は、外径が遠位収容部の内径よりも厳密に小さいため、封止リングの第1の部分に対して、遠位収容部によって封止リングに加えられる応力はない。したがって、第1の部分において、封止リングは、第1の部分と導電性ドライバシャフトとの間の界面においてのみ変形し、特に弾性的に変形されることになる。
【0088】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記第1の部分の外径と前記遠位収容部の内径との間の直径の差の割合は、3%から30%の間、特に5%から20%の間とすることができる。
【0089】
これにより、封止リングと遠位収容部との間の摩擦を低減することができ、封止リングの第1の部分における封止手段に対する導電性ドライバシャフトの回転及び並進を妨げないようにすることができる。摩擦を回避することで、導電性ドライバシャフトが不要な断続的な動きをすることなく、アクティブ固定電極をよりスムーズに配置することができる。
【0090】
このような数値範囲により、遠位収容部と封止リングの第1の部分との間の界面において、流体連通を可能にする。ただし、導電性ドライバシャフトと封止手段の第1の部分との界面、及び遠位収容部と封止手段の第2の部分との界面では、封止性が確保される。
【0091】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記第1の部分の内径と前記導電性ドライバシャフトの外径との差の割合は、0.05%から20%、特に1%から10%の間とすることができる。
【0092】
上記の差の割合の範囲により、導電性ドライバシャフトと封止リングの第1の部分との間の界面における流体連通を防止しつつ、封止リングに対する導電性ドライバシャフトの回転及び摺動が可能となる。
【0093】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記第2の部分の外径と前記遠位収容部の内径との差の割合は、0.5%から20%、特に1%から10%の間とすることができる。
【0094】
上記差の割合の範囲により、遠位収容部と封止リングの第2の部分との間の界面において封止部が形成され、流体連通を防止することができる。
【0095】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記第1の部分の内径は、前記封止リングの前記第2の部分の内径よりも小さくすることができる。
【0096】
これにより、第1の部分の寸法が導電性ドライバシャフトを収容するよう適用されている一方、第2の部分の寸法が管状体を収容するよう適用されており、導電性ドライバシャフトが管状体の内腔内を摺動可能かつ回転可能に配置されているリードを提供することができる。
【0097】
一実施形態によれば、前記管状体の前記遠位端には、径方向外側に突出した肩部が設けられ、前記径方向外側に突出した肩部を、前記封止手段の前記封止リングの対応する内部径方向凹部に形状嵌め(form-fitting)することができる。
【0098】
形状嵌め接続は、封止手段を管状体に固定すること、特に摩擦による固定接続することを可能にする。
【0099】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記内部径方向凹部は、前記封止リングの前記第1の部分と前記第2の部分との間の接合部に設けることができる。
【0100】
したがって、形状嵌め接続によって機械的に安定して保持することができる。
【0101】
一実施形態によれば、前記封止リングの前記第1の部分は、その内径に沿って丸みを帯びた縁を有することができる。
【0102】
これにより、封止リングと遠位収容部との間に発生した摩擦を低減することができ、封止リングの第1の部分における封止手段に対する導電性ドライバシャフトの回転及び並進を妨げないようにすることができる。
【0103】
一実施形態によれば、前記封止手段は、一体的に形成することができる。
【0104】
したがって、封止手段を容易に製造し、リードに組み付けることができるため、組立時間の短縮と組立コストの低減を図ることができる。
【0105】
一実施形態によれば、前記封止手段は、ゴム製、特にシリコーン製とすることができ、50から65ショアAであるショア硬度を有することができる。
【0106】
ゴム製封止手段の応力歪み挙動は、そのショア硬度と関連付けることができる。ショア硬度を50から65ショアAの範囲に選択することで、遠位収容部内の柔軟なゴム製封止手段に十分な圧縮力を確実に作用させることができる。ゴム製封止手段のショア硬度は、このように、遠位端収容部の内部における封止手段の配置において、封止性を提供するように適用される。
【0107】
本発明はさらに、近位端から遠位端まで延びる、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リードに関する。前記リードの前記近位端は、インプラント型医療装置に接続されるように構成される。前記リードは、前記遠位端に存在し、前記リードの遠位収容部内に可動に配置された導電性ドライバシャフトに機械的かつ電気的に接続されるアクティブ固定電極であって、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部の内部に完全に収容される収納位置から、前記アクティブ固定電極が前記遠位収容部を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで可動である前記アクティブ固定電極と、導電性圧縮ばねと、を備え、前記リードは、さらに、前記遠位収容部の内部に配置され、前記遠位収容部と電気的に接続された管状体を有し、前記導電性ドライバシャフトは、前記管状体を通って延びる内腔内を摺動可能かつ回転可能に配置される、案内部材であって、前記管状体は、前記内腔と連通する径方向開口部をさらに有し、前記導電性圧縮ばねは、その復元力によって前記導電性ドライバシャフトに対して押し付けられるように、前記管状体及びその径方向開口部の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される、案内部材と、前記遠位収容部を前記リードの遠位端から封止する封止手段と、を備え、前記封止手段は、封止リングを備え、前記封止リングは、その中心長手軸に対して少なくとも2つの部分を有し、前記封止リングの第1の部分は、前記導電性ドライバシャフトの周りに配置され、前記封止リングの第2の部分は、前記管状体の周りに配置され、前記封止リングの前記第1の部分は、前記遠位収容部の内径よりも厳密に小さい外径を有し、前記封止リングの前記第1の部分は、前記導電性ドライバシャフトの外径よりも厳密に小さい内径を有し、前記封止リングの前記第2の部分は、前記遠位収容部の前記内径よりも厳密に大きい外径を有する。
【0108】
第1の目的、第2の目的、及び第3の目的に係る上述のすべての実施形態は、本発明に係るさらなる実施形態を形成するために、制限されることなく一緒に組み合わせることができる。
【0109】
次に、本発明の追加の特徴及び利点を、図面を参照しながら説明する。
【0110】
以下の説明において、本発明の実施形態を説明することを意図した添付の図面を参照する。そのような実施形態は、本発明の完全な範囲を表すものではないことを理解されたい。
【0111】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインプラント型心臓ペーシングリード10の断面図である。一実施形態では、除細動リードとすることができる。
【0112】
図1に示すペーシングリード10は、伸縮可能ねじリードである。別の実施形態では、リード体の周囲に放射状に配置された突起を備え、遠位端に刺激(ペーシング)電極を有するパッシブ固定リードでもあり得る。
【0113】
リード10は、回転軸を構成する軸線Aに沿って長手方向に延びる略円筒状のリード体12を備える。
【0114】
リード体12は、インプラント型医療装置(
図1には示されていない)に接続されるように構成された近位端(
図1には示されていない)と、当該近位端とは反対側の遠位端14とを有する。
【0115】
リード体12の遠位端14は、環状電極16を備える。環状電極16は、リード10の陽極を形成する。環状電極16とリード体12は、実質的に同径である。
【0116】
図1に示すように、リード体12の遠位端14は、環状電極16によって終端されている。
【0117】
リード10の遠位端14と近位端の間において、コイル状の電気導体18がリード体12内に収容される。特に、電気導体18は、環状電極16、すなわち陽極を、インプラント型医療装置コネクタ(
図1には示されていない)の一方の極に電気的に接続することを可能にする。
【0118】
リード10は、伸縮可能固定ねじ22が収容されるスリーブ20をさらに備える。伸縮可能固定ねじ22は、リード10の陰極を形成する。伸縮可能固定ねじ22は、導電性材料からなるらせん状のねじであり、金属製の先端部24、すなわち導電性ドライバシャフト24を介して、内部導体26に接続されている。コイル状導体26は、伸縮可能固定ねじ22(感知及び刺激電極として機能する)と、リード10の近位端(
図1には示されていない)に位置する発電機とを電気的に導通する。
【0119】
スリーブ20は、環状電極16及びリード体12と同径の略円筒形である。
【0120】
スリーブ20は、伸縮可能固定ねじ22が開口部30を通ってスリーブ20の外側の方向D1に沿って配置されるように構成されるように寸法決めされた開口部30が設けられた遠位端28を有する。遠位端28の開口部30は、スリーブ20の全周にわたって縁32が設けられている。縁32は実質的に丸みを帯びているため、鋭利でなく、切削性がない。スリーブ20には、リード10を遠位端28から少なくとも部分的に封止するための封止手段74(
図1にも示されているが、
図2にのみ参照符号が記載されている)が設けられている。
【0121】
スリーブ20は、その遠位端28の反対側に、近位端34を有する。近位端34において、リード10のマウスピース又は案内部材35は、その全周が肩部37に隣接する。
【0122】
スリーブ20は、リード体12の環状電極16がスリーブ20に重なるように、すなわち、環状電極16がリードの径方向Rに沿ってスリーブ20の上方に配置されるように、その近位端34においてリード体12の遠位端14内に一部収容される。
【0123】
後述するように、環状電極16とスリーブ20との間にリードの径方向Rに沿って、電気絶縁シース(参照符号48で示す)が配置されることで、環状電極16がスリーブ20上に直接配置されない。
【0124】
スリーブ20の構造及び形状は、リード体12の外側のスリーブ20を示す後述の
図3Aから3Cの図面によりさらに理解される。
【0125】
リードがパッシブ固定リードである一実施形態では、刺激電極は、実質的に中実の円柱形状を有し得、刺激電極が、伸縮可能固定ねじ22と同様に、軸Aに沿って延びるように、少なくとも部分的にスリーブ20内に収容され得る。このような実施形態の刺激電極の遠位端は、組織に接触するように構成された実質的に滑らかな平面又は曲面であり得る。このようなリードは、リード体の周囲に放射状に配置された突起によって保持される。
【0126】
金属製の先端部24、すなわち導電性ドライバシャフト24と、内部導体26とは、リード体12に収容され、らせん状の電気導体18によって規定される円周36内に配置、特に部分的に配置される。
【0127】
このように、リード10の2つの機能部、すなわち陽極16の一部(感知/刺激機能)と、伸縮可能ねじ22を備えるスリーブ20(固定及び感知/刺激機能)とがリードの径方向Rに沿って重なっている。その結果、リード20の剛性部分42、すなわち、スリーブ20の遠位端28から環状電極16とリード体12との間の接合部44まで延びる部分42は、軸Aに沿って(すなわち、リード10の長手軸に沿って)軸方向に有利にコンパクトになる。したがって、公知のリードと比較して、剛性部分42の長さを短くすることができる。これはまた、従来技術として知られているいくつかのリードによって提案されたような、2つの剛性部分の間に柔軟な部分を設けないことを可能にする。
【0128】
スリーブ20は、陰極22と陽極16との間の距離L1が少なくとも3ミリメートルとなるように、リード体12の遠位端14内に部分的に収容される。この距離L1により、リード10の心房及び心室への埋め込みに対応可能な感知機能を維持することができる。
【0129】
さらに、陽極16は、好ましくは、リード10の心房及び心室埋め込みに対応可能な感知及びペーシング機能を維持するために、少なくとも15平方ミリメートルの表面積を有する。
【0130】
スリーブ20は、金属材料製である。スリーブ20に金属材料を使用することにより、スリーブ20の壁の厚さ「e20」を、プラスチック材料を使用した場合の厚さよりも薄くすることができる。したがって、スリーブ20の直径d20を有利に小さくするか、又はスリーブの内部容積を大きくすることができ、それによって、より大きな直径の固定ねじ22を挿入することができる。
【0131】
スリーブ20の導電要素、すなわち、伸縮可能固定ねじ22、導電性ドライバシャフト24、及び内部導体26は、リード体12の環状電極16に接続された導電要素(すなわち、コイル状の導電体18)に対して、電気絶縁材料製の円筒管40によって絶縁されている。
【0132】
さらに、リード体12の遠位端14におけるスリーブ20の重複領域46において、陰極(すなわち、伸縮可能固定ねじ22)を陽極(すなわち、環状電極16)から電気的に絶縁するために、電気絶縁シース48がスリーブ20に配置される。電気絶縁シース48は、リード10の径方向に沿って、環状電極16とスリーブ20との間に配置される。電気絶縁シース48は、重複領域46でスリーブ20上に熱収縮したテフロン(登録商標)のシースであってもよい。
【0133】
電気絶縁スリーブ48は、リード体12の径方向Rにおいて、陽極16によって構成される極と陰極22によって構成される極とを隔離することを可能にする。スリーブ20上に配置されたシース48を使用することで、構造的にコンパクトな手段であるという利点がある。実際、シース48は、スリーブ20と、スリーブ20に重なるリード体12との間の残余空間に配置することができる。この残余空間は通常50ミクロン未満である。
【0134】
また、熱収縮形成により、スリーブ20とシース48との間に空隙が不要となり、任意の形状に容易に対応することができる。
【0135】
さらに、テフロン(テトラフルオロエチレン)の電気絶縁の効率は特に好ましい。
【0136】
しかしながら、テフロンシース48を使用する場合、テフロンが非粘着性(すなわち非粘着性)コーティングとなるため、スリーブ20とリード体12との機械的接続を確保するために、シリコーン又はポリウレタンなどの公知の従来の接着剤を使用できなくなる。
【0137】
そこで、
図1に示す本発明の第1の実施の形態によれば、環状電極16をクランプ又は圧着により変形させ、凹部51を形成している。この凹部51は、スリーブ20のマウスピース35の肩部37に接している。すなわち、肩部37は、陽極16の軸止めとなり、スリーブ20をリード体12に機械的に保持する。
【0138】
以下でさらに説明する
図3Fに示されるように、陽極16は、環状電極16の円周上に互いに分離して分布する少なくとも2つの凹部51、好ましくは3つの凹部を含み得る。これにより、陽極16の全周を圧着する必要がなくなり、その下の電気絶縁シース48、特にテフロンコーティングが保たれる。
【0139】
図2は、スリーブ20とリード体12との機械的な接続を実現するための第2の実施形態を示す図である。
【0140】
図1の説明に用いた同じ参照符号を持つ要素は、同じ要素を指すものであり、改めて詳しく説明することはしない。
【0141】
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、陽極16は塑性変形しない。
【0142】
図2に示す本発明の第2の実施形態によれば、リード10は、保持リング50をさらに備える。保持リング50は、環状電極16に溶接される。特に、保持リング50は、環状電極16の内壁52に溶接される。保持リング50は、その遠位端54において、肩部56を備える。
【0143】
第2実施形態によれば、保持リング50は、リードの径方向Rにおいて、環状電極16とスリーブ20との間に部分的に配置される。肩部56の存在により、保持リング50は、リード10の長手方向、すなわち軸線Aに沿って、環状電極16とスリーブ20との間に配置される。
図2に示すように、肩部56は、軸線Aに平行な方向でリード体12の遠位端14に接している。
【0144】
保持リング50を使用することで、第1の実施形態に代わる、リード体12に対してスリーブ20を固定する方法となる。
【0145】
第1の実施形態(
図1に示す)及び第2の実施形態(
図2に示す)のいずれにおいても、リード体12の遠位端14と、リード体12の遠位端14に収容されたスリーブ20の近位端34(すなわち、電気絶縁シース48によって覆われているスリーブ20の一部)との間に、電気絶縁性接着剤58、特にシリコーン接着剤が導入され得る。この電気絶縁性接着剤58は、環状電極16において、リード体12に設けられた貫通孔60(
図1参照)を介して導入され得る。
【0146】
したがって、接着剤58が封止バリアをさらに提供するため、陰極22と陽極16との間の電気的絶縁をさらに向上することができる。
【0147】
さらに、接着剤58の導入により、スリーブ20とリード体12の遠位端14との間のあらゆる残留相対移動を最小限に抑えることができる。
【0148】
電気絶縁性接着剤58は、組み立ての際の間隙を埋めることにより、軸方向の固定を保証する接着封止部58を提供する。さらに、接着封止部58は、保持リング50の近位端55(軸線Aに沿った遠位端54の反対側)と肩部37との間に柔軟な止め具を提供し、絶縁スリーブ48の貫通の進行を防止する。
【0149】
第1の実施形態と同様に、リード10を遠位端28から少なくとも部分的に封止するために、封止手段74がスリーブ20に設けられる。
【0150】
以下、
図3Aから3Gを参照して、第1の実施形態に係る刺激リード10の組み立て方法について説明する。
【0151】
図1の説明に用いた同じ参照符号を持つ要素は、同じ要素を指すものであり、改めて詳しく説明することはしない。
【0152】
図3Aは、伸縮可能固定ねじ22が収容されたスリーブ20の断面図である。電気絶縁スリーブ48は、伸縮可能固定ねじ22、導電性ドライバシャフト24、マウスピース35及び肩部37、並びにコイル状電気導体26を少なくとも部分的に覆うように、スリーブ20の周りに配置される。
【0153】
図3Bは方法の次の工程を示す。ここでは電気絶縁シース48をスリーブ20に熱収縮させる。これにより、電気絶縁スリーブ48は、スリーブ20の外周の形状に沿って変形する。
【0154】
図3Cは、この方法の次の工程を示す。軸線Aに沿って遠位端28と反対側のスリーブ20の近位端34には、電気絶縁性の熱成形シース48が設けられ、リード10の長手軸線Aと平行な挿入方向D2に沿ってリード体12の遠位端14によってリード体12に収容される。
図1を参照して説明したように、リード体12の遠位端14は、環状電極16を備える。
【0155】
図3Dは方法の次の工程を示す。ここではスリーブ20がリード体12への挿入方向D2に沿って、マウスピース35の肩部37が環状電極16の内壁17に接するまで部分的に収容される。電気絶縁性の熱成形シース48により、環状電極16と伸縮可能固定ねじ22との間の電気的絶縁が実現される。
【0156】
図3Eは、方法の次の工程を示す断面図である。ここでは環状電極16がクランプ又は圧着によって塑性変形して、リード10の軸Aに平行な方向に延びる細長い凹部51が形成される。
【0157】
図3Fは、リード10の三次元模式図である。
図3Fでは、環状電極16の周縁に2つの凹部51が見える。
【0158】
図1を参照して説明したように、各凹部51はスリーブ20のマウスピース35の肩部37に接している。すなわち、肩部37は陽極16の軸方向の止め具となり、スリーブ20をリード体12に機械的に保持する。
【0159】
図1に対応する
図3Gは方法の次の工程を示す。ここでは電気絶縁性接着剤58、特にシリコーン接着剤が、環状電極16の貫通孔60から導入される。
【0160】
この絶縁性接着剤58は、リード体12の遠位端14と、リード体12の遠位端14に収容されたスリーブ20の近位端34(すなわち、電気絶縁シース48によって覆われたスリーブ20の一部)との間に配置され、封止バリアをさらに提供することで、陰極22と陽極16との間の電気絶縁を向上する。
【0161】
さらに、接着剤58の導入により、スリーブ20とリード体12の遠位端14との間のあらゆる残留相対移動を最小限に抑えることができる。
【0162】
以下、
図4A及び
図4Bを参照して、第2の実施形態に係る刺激リード10の組み立て方法の工程を説明する。
【0163】
図1及び
図2の説明に用いた同じ参照符号を有する要素は、同じ要素を指すものであり、改めて詳しく説明することはしない。
【0164】
図4Aは、リード体12の環状電極16の遠位端15と肩部56との間の界面64において保持リング50が溶接されたスリーブ20の断面図である。すなわち、界面64は径方向Rに沿って延びる。
図4Aに示す方法のこの工程では、スリーブ20はさらに、リード10の軸Aに平行な挿入方向D2に沿ってリード体12内に挿入されている。その結果、保持リング50は、リード10の径方向Rに沿って、少なくとも一部が環状電極16と、スリーブ20を覆うシース48との間に配置される。さらに、保持リング50の遠位端54の肩部56は、リードの長手方向Aに沿って、環状電極16とスリーブ20との間に配置される。
【0165】
図2に対応する
図4Bは方法の次の工程を示す。ここでは電気絶縁性接着剤58、特にシリコーン接着剤が、環状電極16の貫通孔60(
図4Aにのみ図示)から導入される。
【0166】
したがって、この絶縁性接着剤58は、環状電極16の内壁52、保持リング50及び電気絶縁性の熱成形シース48の間の残余空間62に配置される。
【0167】
以下、
図5から
図11を参照した説明により、伸縮可能固定ねじ22、すなわちらせん電極22と、リードの金属製遠位収容部を構成するスリーブ20との間のチャタリングノイズ防止を説明する。
【0168】
図5は、本発明の第3の実施形態に係るインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード100の模式図である。以下では、インプラント型ペーシング及び/又は除細動リード100を「リード100」とも称する。
【0169】
特に、
図5は、リード100の一部112の、リード100の延在方向Dに平行な断面図である。リード100の延在方向Dは、リード100の中心長手軸Aと平行である。
【0170】
第1及び第2の実施形態に係るリード10として、リード100には、近位端(
図5には示されていない)から遠位端114まで中心長手軸Aに沿って延びる細長いリード体100Aが設けられる。
【0171】
リード100の近位端(
図5には示されていない)は、公知の方法でインプラント型医療装置(
図5には示されていない)に接続されるように構成される。
【0172】
少なくとも1つのコイル導体116が、リード100の近位端(
図5に示すリード100の部分図では示されていない)から、リード100の内腔118を通って、リード100の遠位端114に向かって延びる。コイル導体116は、リード100の遠位収容部122に中心長手軸Aに沿って可動に配置された導電性ドライバシャフト120に機械的かつ電気的に接続される。
図5では不図示だが、コイル導体116は、さらにリード100の近位端でインプラント型医療装置に機械的かつ電気的に接続される。
【0173】
遠位収容部122は、細長いリード体100Aとは別個の部分であることに留意されたい。
【0174】
第1及び第2の実施形態と同様に、導電性ドライバシャフト120の遠位端124には、アクティブ固定電極126、特にらせん電極126が設けられる。アクティブ固定電極126は、伸縮可能機構を形成するように、導電性ドライバシャフト120に機械的かつ電気的に接続される。これにより、アクティブ固定電極126は、アクティブ固定電極126が遠位収容部122の内部に完全に収容される収納位置から、
図5に示すように、アクティブ固定電極126がリード100の遠位収容部122の遠位端114を少なくとも部分的に超えて遠位方向に延びる拡張位置まで中央長手軸Aに沿って可動である。アクティブ固定電極126は、導電性ドライバシャフト120によってコイル導体116に電気的に接続される。
【0175】
第1及び第2の実施形態におけるスリーブ20と同様に、第3の実施形態では、リード100の遠位収容部122には、直径L1の円筒状の金属体122Aが設けられる。遠位収容部122にプラスチック材料ではなく金属を使用することにより、
図1から
図4Bを参照して上述したように、リード100の寸法、特にリード100の長手方向寸法を小さくすることができる。実際、これにより、遠位収容部122において導電性ドライバシャフト120とアクティブ固定電極126とによって形成される伸縮可能機構に、細長いリード体100Aの周りに設けられたリング電極128(すなわち環状電極)を径方向に有利に重ねせることが可能となる。
【0176】
遠位収容部122は、好ましくはシリコーンゴム又はポリウレタン製の外側絶縁シース130によって部分的に被覆されている。
【0177】
第2の実施形態と同様に、また第1の実施形態とは対照的に、第3の実施形態に係るリング電極128、すなわちリード100の陽極は、例えば圧着によって塑性変形することはない。
【0178】
さらに、第2の実施形態と同様に、外側絶縁シース130とリング電極128との間には、保持リング132が設けられている。ただし、第3の実施形態に係る保持リング132は、その一部が外側絶縁シース130の下に延びている点で、第2の実施形態の保持リング150とは、形状及び配置が異なる。
【0179】
リング電極128をアクティブ固定電極126から電気的に絶縁するために、遠位収容部122、外側絶縁シース130、保持リング132、及びリング電極128の間に、電気絶縁シース134、特に熱収縮スリーブ134、より詳細にはテフロンシース134が設けられる。
【0180】
リード100は、遠位収容部122の内部に配置された案内部材136をさらに備える。案内部材136は、以下において参照される
図6A及び
図6Bにさらに図示する。
【0181】
図1から
図4Bでは、案内部材136は、マウスピース35によって示されていることに留意されたい。実際、第1及び第2の実施形態に係るマウスピース35は、第3実施形態に係る案内部材136と同じである。したがって、案内部材136についての以降の説明は、第1及び第2の実施形態に係るマウスピース35にも適用される。
【0182】
案内部材136は管状体138を備える。半径R0の中央内腔140が管状体138を貫通して、その遠位端138Aから近位端138Bまで延びる。
図5に示すように、導電性ドライバシャフト120は、管状体138の内腔140内に摺動可能に配置される。
【0183】
管状体138は、特に、
図6Bに示されるように、直径L2の第1の環状肩部144及び直径L3の第2の環状肩部146を含む環状肩部材142によって、遠位収容部122と電気的に接続される。第1の環状肩部144及び第2の環状肩部146は、管状体138から径方向に延びる。直径L2は、直径L3よりも大きい。その結果、第1の環状肩部144と第2の環状肩部146との間には、段差148が形成される。さらに、直径L3は、遠位収容部122の直径L1と実質的に等しい。したがって、
図5に示すように、管状体138は、環状肩部材142の段差148で遠位収容部122を収容するように適用される。したがって、遠位収容部122は、
図5に示すように、中央長手軸Aに沿って、第1の環状肩部144に接している。管状体138は、遠位収容部122に、特に段差148において、好ましくはレーザー溶接によって溶接することができる。レーザー溶接により、管状体138と遠位収容部122との間に長期的な機械的強度及び電気的導通を実現できる。
【0184】
環状肩部材142と近位端138Bとの間で、管状体138は、細長い案内部分150を備える。
図5に示すように、細長い案内部分150における中央内腔140は、導電性ドライバシャフト120及びコイル導体116を部分的に収容するように適用される。細長い案内部分150の外壁152には、
図5に示すように、リード100の封止部材156との摩擦嵌合を実現するための複数の環状溝154(
図6A及び
図6Bに示す)が設けられる。したがって、封止部材156と細長い案内部分150との間が機械的に接続される。
【0185】
図6A及び
図6Bに最もよく示すように、環状肩部材142と遠位端138Aとの間に、管状体138は、内腔140と連通する径方向開口部158を備える。
図6Aの例では、径方向開口部158は、
図6A及び
図6Bにおいて矢印Dで示されるリード100の延在方向Dに垂直な管状体138の断面において、およそ180°の開口部角度Oを有する。変形例では、開口部角度Oは、100°から250°の間、特に150°から210°の間で構成することができる。径方向開口部158は、リード100の延在方向Dに沿った幅L4を有する。
【0186】
図6A及び
図6Bに示すように、管状体138は、径方向開口部138において長さT1の少なくとも1つの面取り縁160を有する。面取り縁160は、リード100の延在方向Dに沿って延びる。
【0187】
図6Bに示すように、径方向開口部158及び環状肩部材142は、管状体138の第1の部分162を規定する。第1の部分162において、管状体138は、
図6A及び
図6Bに示すように、径方向開口部158に相当する箇所で、外半径R1を有する。
図6Aから理解できるように、外半径R1は、内腔140の半径R0と管状体138の側壁厚の和に相当する。
図6Aにおいて、「2xR1」で示される矢印は、半径R1の2倍に相当する管状体138の直径を示すことに留意されたい。
【0188】
管状体138は、管状体138の遠位端138Aから第1の部分162まで延びる第2の部分164を備える。第2の部分164には、リード100の延在方向Dに沿った幅L5の溝部166が設けられる。第2の部分164には、遠位端138Aにおいて、径方向外側に突出した肩部168が設けられる。第1の部分162と第2の部分164との間の接合部172には、環状肩部170が形成される。
【0189】
図5に示すように、第2の部分164には、管状体138の第1の部分162をリード100の遠位端114から封止するための封止手段174が設けられる。封止手段174は、特に、径方向外側に突出した肩部168と環状肩部170との間に定められた溝166によって、第2の部分164に形状嵌めされる。封止手段174は、
図5の断面図に示すように、導電性ドライバシャフト120及び遠位収容部122との摩擦嵌合を実現する。封止手段174は、
図12及び
図13を参照してさらに説明される。
【0190】
リード100は、導電性圧縮ばね176をさらに備える。ばね176は、
図7に示されるように、好ましくは閉じた単線ばね176である。したがって、ばね176は、その長さに沿って複数のコイル176Aを含む、閉じたらせん状の圧縮ばね176である。
【0191】
変形例では、ばね176は、2つの自由端を含む開放ばね、例えば、開放らせん状圧縮ばねである。特に、ばね176は、単線(すなわち、単一ワイヤ)開放ばねであり得る。
【0192】
ばね176は、
図7に示すようにリード100内に配置されていないとき、以下の表1に示される寸法を有する。ばね176の静止状態では、ばね176はリード100のいかなる要素にも組み付けられても、取り付けられてもいないことが理解される。
図7は、静止状態のばね176を表している。
【0193】
【0194】
ばね176の静止状態での内半径d1は、径方向開口部158における管状体138の第1の部分162の外半径R1よりも小さい。
【0195】
ばね176は、インプラント型リード100の用途に適した十分な耐腐食性を示す生体適合性材料である白金イリジウム製であることが好ましい。案内部材136は、特にガルバニック腐食を避けるために、白金イリジウム製であることが好ましいことに留意されたい。
【0196】
本発明によれば、ばね176は、その復元力Fによって導電性ドライバシャフト120に押し付けられるように、管状体138及びその径方向開口部158の周りに少なくとも部分的に径方向に配置される。その結果、径方向開口部158内で部分的に撓んでいるコイル176Aは、導電性ドライバシャフト120との複数の接触点を提供する。したがって、アクティブ固定電極126と遠位収容部122との間の継続的な電気的接触がばね176によって実現され、チャタリングノイズの発生を回避することができる。
【0197】
ばね176のコイル176Aは径方向開口部158においてのみ導電性ドライバシャフト120に接触するため、導電性ドライバシャフト120に接触するコイル176Aによって生じる追加の摩擦発生は、特にアクティブ固定電極126の配置及び動きの質に関して無視できる。
【0198】
以下では、第3の実施形態に係るインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード100の組み立て方法について説明する。
【0199】
第1の工程では、
図7に示されるばね176が、ばね176の一部176B(
図8の円176Bで示す部分)がその復元力Fにより内腔140の内部で部分的に撓むように径方向開口部158でリード100の管状体138の周りに設けられる。ばね176の復元力Fは、ばね176、特にばね176の一部176Bを平衡位置に戻すように作用する力Fと一致する。ばね176の平衡位置は、その位置エネルギーが最小となる位置である。ばね176が径方向の力を発揮すると、ばねの最小ポテンシャルエネルギーの原理に従って、ばね176の一部176Bが、
図8に示すように、径方向開口部158に入り、特にそこに留められ、ポテンシャルエネルギーのより低い位置に到達する。
【0200】
本発明のすべての変形例において、径方向開口部158の開口部角度Oの寸法は、ばね176をポテンシャルエネルギーのより低い位置へ撓むことを可能にするための十分な開口部を提供するように適用される。
【0201】
図5に示すように、径方向開口部158は、リード100の延在方向Dに沿った幅L4が、延在方向Dにおけるばね176の寸法L6よりも大きいことに留意されたい。これにより、径方向開口部158において、ばね176がポテンシャルエネルギーのより低い位置に向かって撓むための十分な空間を提供できる。
【0202】
従来技術のリードと比較して、ばね176は、径方向開口部158において管状部材138に単に摺動して留めることができる。したがって溶接する必要がないため、組み立てが容易である。そのため、自動化された製造が有利に実現される。
【0203】
面取り縁160の存在により、径方向開口部158でばね176を損傷することを回避することができる。
【0204】
次に、
図9A及び
図9Bによって示される第2の工程において、導電性ドライバシャフト120は、遠位端138Aを介して導電性案内部材136の内腔140を通って挿入される。これにより、
図9Bの断面図に最もよく示されるように、ばね176、特にその一部176Bのコイル176Aと導電性ドライバシャフト120との間の電気的接続を実現するようにばね176を内腔140外に少なくとも部分的に押し出す。
【0205】
ばね176の一部176Bの複数のコイル176Aは、接点に冗長性を与え、信頼性の高い接続を保証する。さらに、ばね176を形成するワイヤの長さに対するばね176のコイル即ち螺旋の数の比は、導通シャフト20の摩擦面上の低い軸受力と組み合わされて、ばねの一部176Bに十分な撓みが生じるように選択されることに留意されたい。そのため、寄生摩擦トルクを制限可能となる。
【0206】
図10に示される第3の工程では、アクティブ固定電極126が、導電性ドライバシャフト120の遠位端124にレーザー溶接によって機械的かつ電気的に接続される。さらに、封止手段174が、管状体138の第2の部分164に設けられる。
図10では、封止手段174が透過した状態で図示されていることに留意されたい。
【0207】
代替案として、導電性ドライバシャフト120を導電性案内部材360の内腔140内に挿入する前に、導電性ドライバシャフト120の遠位端124にレーザー溶接によってアクティブ固定電極126を機械的かつ電気的に接続することができることに留意されたい。
【0208】
いずれの代替案においても、
図10に示すように、アクティブ固定電極126、導電性ドライバシャフト120、封止手段174、ばね176、及び導電性案内部材136を含む組立体が得られる。
【0209】
次に、遠位収容部122が、
図10に示すアセンブリの周りに設けられる。遠位収容部122は、レーザー溶接によって導電性案内部材136の管状部材138に機械的かつ電気的に接続される。
図5に示すように、得られたアセンブリの周りに少なくとも部分的に、電気絶縁シース134を熱収縮させる(すなわち、熱によって縮ませる)ことができる。
【0210】
その結果、導電性ドライバシャフト120、導電性案内部材136、及び導電性圧縮ばね176の組立体が、
図5に示すように、リード100の遠位端114に配置される。
【0211】
図11は、本発明によるインプラント型ペーシング及び/又は除細動リード200の第4の実施形態を示す図である。
【0212】
図5から
図10に既に説明され図示された参照符号と10の位以下が同じ参照符号については、再び詳細に説明しない。それらは同じ機能及び/又は構造要素に関連するため、上記のそれらの説明を参照されたい。
【0213】
第3の実施形態を参照して説明したように、導電性圧縮ばね276が、その復元力によって導電性ドライバシャフト220に押し付けられるように、案内部材236の管状体238及びその径方向開口部258周りに少なくとも部分的に径方向に配置されていることにより、チャタリングノイズを防止するためのアクティブ固定電極226と遠位収容部222との間の連続的な電気接触が実現される。
【0214】
第3及び第4の実施形態では、
図5及び
図11に示されるような組立状態において、径方向開口部158、258は、リード100、200の延在方向Dに沿った幅L4が、その方向における導電性圧縮ばね176、276の寸法L6よりも大きくなっている。これにより、既に上述したように、径方向開口部158、258において、ポテンシャルエネルギーのより低い位置に向かってばね176、276が撓むための十分な空間を提供することができる。
【0215】
第4の実施形態では、第3の実施形態とは対照的に、ばね276は、(第3の実施形態の)遠位収容部222の代わりに、環状のばねカバー201によって囲まれる。
【0216】
しかしながら、いずれの実施形態においても、組立状態において、遠位収容部122(
図5に示す)の内径L1、又は環状ばねカバー201の内径は、ばね176、276の外径D2よりも大きい。参照符号D2は、
図5及び
図9Bに示されるような組立状態におけるばね176、276の外径を指し、参照符号d
2は、
図7に示されるような静止状態における組み立てられていないばね176、276の外半径を指すことに留意されたい。
【0217】
本発明による電気的接続は、したがって、従来知られているリードのように、ばね176、276を径方向に圧縮する凹部又はケージによって実施される導電性ドライバシャフト120、220に向けたばね176、276の径方向の圧縮によって実現されるものではない。
【0218】
第3の実施形態において遠位収容部122がばね176を囲う目的、又は第4の実施形態において環状ばねカバー201がばね276を囲う目的は、ばね176、276を外部環境から、特に腐食のような損傷、又は損失から保護することである。
【0219】
図11に表される第4の実施形態では、遠位収容部222の内部に、導電性ドライバシャフト220と遠位収容部222との間の界面を封止する封止手段274が設けられる。
【0220】
以下、第3の実施形態に係るリード100の封止手段174について、
図12及び
図13を参照してさらに説明する。封止手段174に関連する以下の説明は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るリード10の封止手段74(
図2に示す)にも適用される。
【0221】
図12に最もよく示されるように、封止手段174は、封止リング174Aを備える。封止リング174Aは、その中心長手軸Bに沿って配置された、少なくとも2つの部分178、180を有する。
【0222】
封止手段174は、ゴム製、特にシリコーン製であり、一体成形されている。封止手段は、ショア硬度が50から65ショアAとなる。
【0223】
図12は、封止リング174Aの中心長手軸Bに垂直な切断面図である。封止リング174Aの中心長手軸Bは、封止リング174Aの回転軸に対応する。
【0224】
封止リング174Aは、その内壁183によって定められた内腔182を有する。内腔182は、封止リング174Aの遠位端182Aから近位端182Bまで、中央長手軸Bに沿って延びる。
【0225】
以下では、「内径」という表現は、内径、すなわち、内壁183によって定められた内腔182の直径として理解されたい。
【0226】
封止リング174Aの第1の部分178は、内径I1を有する。封止リング174Aの第2の部分180は、内径I2を有する。
【0227】
封止リング174Aの第1の部分178の内径I1は、封止リング174Aの第2の部分180の内径I2よりも小さい。
【0228】
封止リング174Aの内腔182には、封止リング174Aの第1の部分178と第2の部分180との間の接合部179において、幅W1(中心長手軸Bに沿って)の内部径方向凹部184が設けられる。接合部179において、内部径方向凹部184は、内径I3を有する。
【0229】
封止リング174Aの第2の部分180の内径I2は、封止リング174Aの内部径方向凹部184の内径I3よりも小さい。
【0230】
以下では、「外径」という表現は、封止リング174Aの外径として理解されたい。
【0231】
封止リング174Aの第1の部分178は、外径E1を有する。封止リング174Aの第2の部分180は、外径E2を有する。
【0232】
封止リング174Aの第1の部分178の外径E1は、封止リング174Aの第2の部分180の外径E2よりも小さい。これにより、
図12に示すように、第1の部分178と第2の部分180とは、接合部179において斜面188で接続される。
【0233】
第1の部分178における内壁183には、遠位端182Aにおいて丸みを帯びた縁186Aが設けられる。第1の部分178における内壁183には、第1の部分178と接合部179との間に丸みを帯びた縁部186Bがさらに設けられる。
【0234】
第2の部分180は、中心長手軸Bに沿った幅W2を有する。
【0235】
図13は、リード100の中心長手軸Aに垂直な切断面図である。具体的には、
図13は、
図5の部分図を表している。したがって、
図5の説明に用いた同じ参照符号を持つ要素は、同じ要素を指すものであり、改めて詳しく説明することはしない。
【0236】
導電性ドライバシャフト120は、その遠位端124に肩部125を備える。導電性ドライバシャフト120はさらに、径方向外側に突出した肩部127を備える。径方向外側に突出した肩部127は、アクティブ固定電極126と封止手段174との間で長手方向に配置される。
【0237】
図6A及び
図6Bを参照して上述したように、案内部材136の管状体138の第2の部分164には、リード100の中央長手軸Aに沿った、幅L5の溝166が設けられている。溝166の幅L5は、封止リング174Aの第2の部分180の幅W2に実質的に等しいか、又はそれよりも大きい。したがって、封止リング174Aの第2の部分180は、溝166に収容され得る。特に、封止リング174Aの第2の部分180は、形状嵌め接続及び/又は摩擦嵌め接続によって、案内部材136の溝166に維持することができる。
【0238】
案内部材136の管状体138の第2の部分164には、管状体138の遠位端138Aにおいて、径方向外側に突出した肩部168が設けられる。径方向外側に突出した肩部168は、封止リング174Aの幅W1の内部径方向凹部184に形状嵌めされる。
【0239】
図13に示すように、封止手段174は、リードの遠位端から遠位収容部122を封止するために、導電性ドライバシャフト120及び管状体138の周りに配置される。
【0240】
実際、封止リング174Aの第1の部分178は、導電性ドライバシャフト120の周りに配置され、特に直接配置される(すなわち、表面接触する)。より正確には、第1の部分178は、導電性ドライバシャフト120の径方向外側に突出した肩部127と、管状体138の遠位端138Aの径方向外側に突出した肩部168との間に長手方向に配置される。
【0241】
導電性ドライバシャフト120のうち、封止リング174Aの第1の部分178において封止リング174Aの内腔182を通過する部分は、外径E3を有する。
【0242】
封止リング174Bの第2の部分180は、案内部材136の管状体138の第2の部分164の周りに配置され、特に直接配置される(すなわち、表面接触する)。
【0243】
径方向外側に突出した肩部168において、管状体138は、外径E4を有する。
【0244】
管状体138の少なくとも第2の部分164及び導電性ドライバシャフト120が収容される端部収容部122は、内径L1を有する。
【0245】
封止リング174Aの第1の部分178は、遠位収容部122の内径L1よりも厳密に小さい外径E1を有する。
【0246】
特に、封止リング174Aの第1の部分178の外径E1と遠位収容部122の内径L1との間の直径の差の割合は、3%から30%の間、特に5%から20%の間となる。
【0247】
封止リング174Aの第1の部分178の内径I1は、導電性ドライバシャフト120の外径E3よりも厳密に小さい。
【0248】
特に、封止リング174Aの第1の部分178の内径I1と導電性ドライバシャフト120の外径E3との差の割合は、0.05%から20%、特に1%から10%の間となる。
【0249】
上記の差の割合の範囲により、導電性ドライバシャフト120と封止リング174Aの第1の部分178との間の界面における流体連通を防止しつつ、長手軸Aに沿った封止リング174Aに対する導電性ドライバシャフト120の回転及び摺動が可能となる。
【0250】
封止リング174Aの第2の部分180の外径E2は、遠位収容部122の内径L1よりも厳密に大きい。
【0251】
特に、封止リング174Aの第2の部分180の外径E2と遠位収容部122の内径L1との間の差の割合は、3%から30%の間、特に5%から20%の間となり得る。好ましい変形例では、封止リング174Aの第2の部分180の外径E2と遠位収容部122の内径L1との間の差の割合は、0.5%から20%の間、特に1%から10%の間となる。
【0252】
したがって、封止手段174の封止リング174Aの寸法によって、血液が遠位収容部122に入り得るリードの遠位端からの流体連通を回避することができる。これにより、特に、連続的な電気的接続を提供するために導電性ばね176が収容される遠位収容部122を封止することができる。したがって、封止手段174は、遠位収容部122の内部、特に導電性ばね176の表面及び/又は体積をなす部分の腐食のリスクを低減する。
【0253】
封止手段174は、このように、その第1の部分178が、内壁183と導電性ドライバシャフトとの間の界面において1つの拘束部を有する一方、その第2の部分180が、内壁183と管状体138との間の界面、及び第2の部分180と遠位収容部122との間の界面で、2つの拘束部を有するように設計されている。
【0254】
したがって、封止手段174の第2の部分180と比べて、遠位収容部122によって第1の部分178に及ぼされる圧縮力はないか、あったとしても小さくなる。これは、封止手段174の第1の部分178の外壁と遠位収容部122との間に直接的な表面接触がないためである。したがって、封止手段174が導電性ドライバシャフト120に及ぼす摩擦を低減することができる。実際、第1の部分178は、第2の部分180とは異なり、圧迫されず(すなわち、圧迫又は弾性変形されず)、2つの対向する表面間に維持される。実際、封止手段174の第2の部分180は、遠位収容部122の内面及び管状体138の外面に接して圧迫される。
【0255】
以上のことから、導電性ドライバシャフト120は、第1の部分178内でもスムーズに回転及び並進することができるため、摩擦による導電性ドライバシャフト120の不要な断続的な動きがなく、アクティブ固定電極をスムーズに配置させることができるようになる。
【0256】
封止手段174の第1の部分178の内径E3は、内壁183と管状体138との間の界面で封止性を提供するように設定されることに留意されたい。これにより、封止手段174の第1の部分178内で導電性ドライバシャフト120が変位しても、内壁183と管状体138との間の界面における封止性が保証される。
【0257】
封止手段174の第2の部分180は、遠位収容部122の内面と管状体138の外面との間で径方向に圧迫されているため、第2の部分180は、遠位収容部122と管状体138との間の形状嵌めや摩擦嵌め接続によって維持されている。これにより十分な封止性を実現しながら、封止手段の位置を保持することができる
【0258】
封止手段174のショア硬度及び直径差の割合は、導電性ドライバシャフト120上に最小の摩擦で適切な封止性を提供するように、有利な組み合わせが選択され得ることに留意されたい。
【0259】
さらに、封止手段174の構造的特徴は、案内部材136の管状体138の第1の部分162に設けられた径方向開口部158の有無とは本質的に関連していないことに留意されたい。
【0260】
実施形態を特定の例に関連して説明したが、本発明は限定されるものではなく、アクティブ固定機構を備えるインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードに関連する本発明の範囲から逸脱することなく、開示した実施形態に多数の変更を加えることができる。
【0261】
すべての実施形態が組み合わせ可能である。
【0262】
実際、様々な実施形態及び例は、本発明によるアクティブ固定機構を備えるインプラント型ペーシング及び/又は除細動リードにおいて、さらなる実施形態又は例を得るために互いに自由に組み合わせることができる、スリーブ20、封止手段74、174、又は接触ばね176、276といった個々の特徴を含む。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る心臓刺激リードを示す断面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る心臓ペーシングリードを示す断面図である。
【
図3A】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第1の工程を示す断面図である。
【
図3B】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第2の工程を示す断面図である。
【
図3C】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第3の工程を示す断面図である。
【
図3D】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第4の工程を示す断面図である。
【
図3E】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第5の工程を示す断面図である。
【
図3F】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第5の工程を示す概略図である。
【
図3G】本発明の第1の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる第6の工程を示す断面図である。
【
図4A】接着剤又は粘着剤を塗布する前の状態の、本発明の第2の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる工程を示す断面図である。
【
図4B】接着剤又は粘着剤を堆積した後の状態の、本発明の第2の実施形態に係る心臓ペーシングリードを組み立てる工程を示す断面図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係るリードの延在方向に平行なリードの遠位端の断面図である。
【
図6A】本発明の第3の実施形態に係る案内部材を示す概略図である。
【
図6B】本発明の第3の実施形態に係る案内部材を示す概略図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係るばねを示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る案内部材及びばねの、リードの延在方向に垂直な断面図である。
【
図9A】本発明の第3の実施形態に係る導電性ドライバシャフト、案内部材、及びばねを含む組立体を示す概略図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係るらせんねじ、封止手段、導電性ドライバシャフト、案内部材、及びばねを備える組立体を示す概略図である。
【
図11】本発明の第4の実施形態に係るリードの延在方向に平行なリードの遠位端の断面図である。
【
図12】本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に係るリードの封止手段を示す断面図である。
【
図13】
図12に示される封止手段を備える、本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に係るリードの遠位端の断面図である。
【符号の説明】
【0264】
10 第1及び第2の実施形態に係るリード
12 リード体
14 リードの遠位端
16 環状電極(リング電極)
18 コイル状導電体
20 スリーブ
22 アクティブ固定電極
24 導電性ドライバシャフト
26 コイル状内部導体
34 スリーブ20の近位端
35 マウスピース(案内部材)
37 肩部
48 電気絶縁シース
50 保持リング
54 保持リング50の端部
56 肩部
58 電気絶縁性接着剤
100 第3の実施形態に係るリード
100A 細長いリード体
112 リード100の一部
114 リードの遠位端
116 コイル導体
118 内腔
120、220 導電性ドライバシャフト
122、222 遠位収容部
122A 遠位収容部122の円筒状の金属体
124 導電性ドライバシャフトの遠位端
125 導電性ドライバシャフトの肩部
126、226 アクティブ固定電極
127 導電性ドライバシャフトの径方向外側に突出した肩部
128 リング電極(環状電極)
130 外側絶縁シース
132 保持リング
134 電気絶縁シース
136、236 案内部材
138、238 案内部材の管状体
138A 遠位端
138B 近位端
140 管状体の中心内腔
142 環状肩部材
144 第1の環状肩部
146 第2の環状肩部
148 段差
150 細長い案内部分
152 外壁
154 環状溝
156 封止部材
158、258 径方向開口部
160 面取り縁
162 第1の部分
164 第2の部分
166 溝
168 径方向外側に突出した肩部
170 環状肩部
172 第1の部分162と第2の部分164との接合部
74、174 封止手段
174 封止リング
176、276 導電性圧縮ばね
176A コイル
176B 一部
178 封止リングの第1の部分
179 接合部
180 封止リングの第2の部分
182 封止リングの内腔
183 封止リングの内壁
182A 封止リングの遠位端
182B 封止リングの近位端
184 封止リングの内部径方向凹部
186A、186B 丸みを帯びた縁
188 斜面
200 第4の実施形態に係るリード
201 環状ばねカバー
A リード100、200の中心長手軸
B 封止リング174Aの中心長手軸
d1 静止状態のばね176の内半径
d2 静止状態のばね176の外半径
d3 単線の太さ
d4 コイルの直径
D リード100、200の延在方向
D2(第1及び第2の実施形態において) 挿入方向
D2(第3及び第4の実施形態において) 組立状態におけるばね176、276の外径
E1、E2、E3、E4 外径
F 復元力
I1、I2、I3 封止リング174aの内径
L1(第1及び第2の実施形態において) 陰極22と陽極16との間の距離
L1(第3及び第4の実施形態において) 遠位収容部122又は環状ばねカバー201の直径
L2 第1環状肩部144の直径
L3 第2環状肩部の直径
L4 径方向開口部158、258の幅
L5 溝166の幅
L6 延在方向Dにおけるばねの寸法
O 開口部角度
R0 内腔140の内半径
R1 管状体138の外半径
T1 面取り縁の長さ
W1、W2 封止リング174aの幅
【国際調査報告】