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特表2023-548896タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5025 20060101AFI20231114BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20231114BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20231114BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231114BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20231114BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20231114BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A61K31/5025
A61K9/48
A61K47/42
A61K47/10
A61K47/22
A61K47/34
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527962
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 IB2021060462
(87)【国際公開番号】W WO2022101828
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/113,345
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/276,554
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】アラン フランシス カーモディー
(72)【発明者】
【氏名】リディ― クロード シルヴィー ペアート
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD38
4C076DD59
4C076EE23
4C076EE42
4C076FF36
4C076FF51
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA03
4C086ZB26
(57)【要約】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、(a)前記軟質ゼラチンシェルが、ゼラチンおよび少なくとも1種の可塑剤を含み;(b)前記充填物が、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。がんの処置において使用するための前記医薬組成物。
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
(a)前記軟質ゼラチンシェルが、ゼラチンおよび少なくとも1種の可塑剤を含み;
(b)前記充填物が、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項2】
前記少なくとも1種の可塑剤が、a)グリセロール;b)ソルビトール;またはc)グリセロールおよびソルビトールである、請求項1に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項3】
前記抗酸化剤がトコフェロールである、請求項1または2に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項4】
前記少なくとも1種の溶媒が、a)ポリエチレングリコール;b)グリセロール;またはc)ポリエチレングリコールおよびグリセロールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項5】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約60重量パーセントから約61重量パーセント、
グリセロール約15重量パーセントから約16重量パーセント、および
ソルビトール約23パーセント
を含み;
前記充填物が、
トコフェロール約0.3重量パーセント、
ポリエチレングリコール約95重量パーセント、
グリセロール約4重量パーセント、および
遊離塩基当量約0.15重量パーセントから約0.3重量パーセントでのタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項6】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約46.270mg/カプセル、
グリセロール約11.790mg/カプセル、および
ソルビトール約17.57mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.300mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約95.555mg/カプセル、
グリセロール約4.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項7】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約61.097mg/カプセル、
グリセロール約16.610mg/カプセル、および
ソルビトール約23.190mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.375mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約119.262mg/カプセル、
グリセロール約5.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.25mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項8】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約78.130mg/カプセル、
グリセロール約20.250mg/カプセル、および
ソルビトール約29.66mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.509mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約166.966mg/カプセル、
グリセロール約7.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.35mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項9】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約104.930mg/カプセル、
グリセロール約26.640mg/カプセル、および
ソルビトール約39.830mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約00.750mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約238.523mg/カプセル、
グリセロール約10.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.5mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項10】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約141.260mg/カプセル、
グリセロール約36.000mg/カプセル、および
ソルビトール約53.620mg/カプセル;
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約1.125mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約357.784mg/カプセル、
グリセロール約15.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.75mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項11】
軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約177.790mg/カプセル、
グリセロール約45.310mg/カプセル、および
ソルビトール約67.490mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約1.453mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約477.047mg/カプセル、
グリセロール約20.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項12】
前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンである、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項13】
前記グリセロールがグリセロール85%である、請求項2または4から12に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項14】
前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、請求項2または5から13に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項15】
前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、請求項2または5から14に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項16】
タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を、タラゾパリブ遊離塩基約0.1mgと同等の量で:タラゾパリブ遊離塩基約0.25mgと同等の量で;タラゾパリブ遊離塩基約0.35mgと同等の量で:タラゾパリブ遊離塩基約0.5mgと同等の量で:タラゾパリブ遊離塩基約0.75mgと同等の量で;またはタラゾパリブ遊離塩基約1mgと同等の量で含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項17】
前記タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩がタラゾパリブトシル酸塩である、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項18】
前記剤形が経口投与用のものである、先行請求項のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項19】
絶食状態にある対象への経口投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填即時放出型経口カプセル剤での対数変換AUC24についての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換AUC24についての幾何平均で、90%信頼区間を提供する、請求項1から18のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項20】
(a)絶食状態にある対象への投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換AUC24についての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換AUC24についての幾何平均を提供し;(b)絶食状態にある対象への投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換Cmaxについての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換Cmaxについての幾何平均を提供する;または(c)(a)および(b)の両方である、請求項1から18のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項21】
(a)対象への経口投与後に、約0.8~約1.25の対数変換AUC24についての幾何平均摂食時/絶食時比を有する;(b)対象への経口投与後に、約0.8~約1.25の対数変換Cmaxについての幾何平均摂食時/絶食時比を有する;または(c)(a)および(b)の両方である、請求項1から18のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形。
【請求項22】
対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、請求項1から21のいずれか一項に記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩の軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。特に、本発明は、タラゾパリブトシル酸塩の軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。本発明は、本発明の軟質ゼラチンカプセル剤形を使用する処置方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、細胞におけるDNA修復の天然に存在するプロセスに関係する。PARP阻害は、合成致死性を誘導することにより、二本鎖DNA修復遺伝子における生殖細胞系変異と関連する腫瘍に対する有効な治療戦略であることが示されている(Sonnenblick,A.ら、Nat.Rev.Clin.Oncol、2015、12(1)、27~4)。
【0003】
タラゾパリブは、強力な経口利用可能な低分子PARP阻害薬であり、合成致死性と称される作用であるデオキシリボ核酸(DNA)修復を損なう遺伝子変異を持つヒトがん細胞系に対して細胞毒性であり、かつDNA上のPARPタンパク質を捕捉し、それによりDNA修復、複製、および転写を妨げることによるものである。
【0004】
タラゾパリブ、すなわち「(8S,9R)-5-フルオロ-8-(4-フルオロフェニル)-9-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3,2-de]フタラジン-3(7H)-オン」および「(8S,9R)-5-フルオロ-8-(4-フルオロフェニル)-9-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-2,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ピリド[4,3,2-de]フタラジン-3-オン」(「PF-06944076」、「MDV3800」、および「BMN673」とも称される)である化合物は、構造
【0005】
【化1】
を有するPARP阻害薬である。
【0006】
タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩は、国際公開WO2010/017055およびWO2012/054698において開示されている。タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩を調製する追加の方法は、国際公開WO2011/097602、WO2015/069851、およびWO2016/019125に記載されている。タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩を使用してがんを処置する追加の方法は、国際公開WO2011/097334およびWO2017/075091に開示されている。
【0007】
TALZENNA(登録商標)(タラゾパリブ)(0.25mgおよび1mgカプセル剤)は、有害か、または有害の疑いのあるgBRCAm HER2陰性局所進行または転移乳癌を有する成人患者の処置について、米国および欧州を含む複数の国において承認されており、他の国では、承認されるか、または審査中で承認が期待されている。タラゾパリブは、単独の薬剤として、および他の薬剤と組み合わせての両方で、様々なヒトがんについて開発中である。追加のカプセル濃度、0.5mgおよび0.75mgが米国において承認されている(例えば、2021年9月付けのTALZENNA(登録商標)US Package Insertを参照されたい)。
【0008】
タラゾパリブの現在市販の剤形は即時放出型カプセル剤(例えば、10/2020年10月付けのTALZENNA(登録商標)US Package Insertを参照されたい)である。その薬物製品は、スクシンイミジル-4-N-マレイミドメチルシクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)と共に製剤化され、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルに充填されたタラゾパリブトシル酸塩原薬からなる。一般に、この剤形は、粉末充填カプセル剤として当技術分野で公知である。TALZENNA(登録商標)の推奨用量は、食事を伴って、または伴わずに1日1回経口投与される1mgである。投薬の中断、または0.25mg市販カプセル剤を使用することで、1日1回0.75mg、0.5mgもしくは0.25mgへのタラゾパリブの用量減少が、有害事象を管理するために許容されている。タラゾパリブ0.25mgまたは1mgを含有する粉末充填カプセル剤であるこの剤形は薬学において、低用量および低薬物負荷製剤であると考えられている。「低用量」製剤は、少量の活性薬物が製剤中に存在することを意味する。薬学において公知の用語である「薬物負荷」は、活性薬物の量と剤形の全含量との比である。したがって、「低薬物負荷」製剤は、剤形の全含量と比較して少量の活性薬物を有する製剤である。
【0009】
低用量/低薬物負荷製剤を製造するという課題は一般に、薬学の範囲内では公知である(Gullapalli,R.P.、J.Pharm.Sci.、October 2010、99(10)、4107~4148)。TALZENNA(登録商標)(タラゾパリブ)0.25mgおよび1mgカプセル剤などの原薬および添加剤の単純な二元混合物を含む製剤には、次の課題が生じやすいことが公知である:1)様々な製造プロセスにおける粉末混合物全体での原薬の不均一な分布;2)様々な製造ステップにおける粉末混合物の分離;および3)様々な製造ステップにおける、原薬が製造装置に連行されることによる効力の損失。
【0010】
加えて、低薬物負荷製剤では、バッチサイズ依存性が観察されることが共通している。バッチサイズが増大するにつれて、効力および含量均一性を維持することがより困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、タラゾパリブ製品、TALZENNA(登録商標)の代替の剤形を開発することが必要とされている。好適な含量均一性ならびに好適な物理的および化学的安定特性を伴って低用量のタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を送達することができる剤形を提供することが有利であろう。さらに、タラゾパリブトシル酸塩を含む、タラゾパリブの初めに承認された市販剤形である即時放出型カプセル剤と生物学的に同等である医薬剤形を提供することが有利であろう。食物を伴って、または伴わずに投与された場合に、薬物動態に対して好適な食物作用を有する医薬剤形を提供することも有利であろう。加えて、バッチサイズ生産において、より高い柔軟性を促進する医薬剤形を提供することが有利であろう。本発明のこれらの、および他の利点は、下記の説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
下記の本発明の実施形態はそれぞれ、組み合わせる実施形態と矛盾しない、本明細書に記載の1つまたは複数の他の本発明の実施形態と組み合わせることができる。加えて、本発明を説明する下記の実施形態はそれぞれ、その範囲内に、本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を包含する。
【0013】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
(a)前記軟質ゼラチンシェルが、ゼラチンおよび少なくとも1種の可塑剤を含み;
(b)前記充填物が、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0014】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンまたは酸性骨ゼラチンであるか;前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであるか;または前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0015】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
(a)前記軟質ゼラチンシェルが、酸性骨ゼラチンおよび少なくとも1種の可塑剤を含み;
(b)前記充填物が、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0016】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが、175~200ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0017】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが195ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0018】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、a)グリセロール;b)ソルビトール;またはc)グリセロールおよびソルビトールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0019】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、1種の可塑剤または2種の可塑剤であるか;前記少なくとも1種の可塑剤は1種の可塑剤であるか;または前記少なくとも1種の可塑剤は2種の可塑剤である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0020】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールもしくはソルビトールである1種の可塑剤であるか;または前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0021】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;さらに、前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0022】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;さらに、前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0023】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;さらに、前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNF(anhydrized liquid sorbitol NF)である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0024】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;さらに、前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0025】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;前記グリセロールがグリセロール85%であり;前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0026】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;前記グリセロールがグリセロール85%であり;前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0027】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記抗酸化剤がトコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0028】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0029】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、a)ポリエチレングリコール;b)グリセロール;またはc)ポリエチレングリコールおよびグリセロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0030】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、1種の溶媒または2種の溶媒であり;前記少なくとも1種の溶媒が1種の溶媒であり;前記少なくとも1種の溶媒が2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0031】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒であるか;または前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0032】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒であり;さらに、前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0033】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒であり;前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0034】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒であり;前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0035】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒であり;前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0036】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒であり;前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400であり;前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0037】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒であり;前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400であり;前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0038】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり、前記抗酸化剤がトコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0039】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり、前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0040】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり、抗酸化剤がトコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0041】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり、トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0042】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;前記抗酸化剤がトコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0043】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;前記抗酸化剤がトコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0044】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0045】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0046】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;前記抗酸化剤がトコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0047】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;前記抗酸化剤がトコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0048】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールまたはソルビトールである1種の可塑剤であり;前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールまたはグリセロールである1種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0049】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンであり;前記少なくとも1種の可塑剤が、グリセロールおよびソルビトールである2種の可塑剤であり;前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールであり;前記少なくとも1種の溶媒が、ポリエチレングリコールおよびグリセロールである2種の溶媒である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0050】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.1mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0051】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.25mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0052】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.35mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0053】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.5mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0054】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.75mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0055】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩をタラゾパリブ遊離塩基約1mgと同等の量で含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0056】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩がタラゾパリブトシル酸塩である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0057】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、経口投与のためのものである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0058】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが、
ゼラチン約60重量パーセントから約61重量パーセント、
グリセロール約15重量パーセントから約16重量パーセント、および
ソルビトール約23パーセント
を含み;
前記充填物が、
トコフェロール約0.3重量パーセント、
ポリエチレングリコール約95重量パーセント、
グリセロール約4重量パーセント、および
遊離塩基当量約0.15重量パーセントから約0.3重量パーセントでのタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形にも関する。
【0059】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが、酸性ハイドゼラチンまたは酸性骨ゼラチンであるか;前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであるか;または前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0060】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
酸性骨ゼラチン約60重量パーセントから約61重量パーセント、
グリセロール約15重量パーセントから約16重量パーセント、および
ソルビトール約23パーセント
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.3重量パーセント、
ポリエチレングリコール約95重量パーセント、
グリセロール約4重量パーセント、および
遊離塩基当量約0.15重量パーセントから約0.3重量パーセントでのタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形にも関する。
【0061】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが175~200ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0062】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが195ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0063】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0064】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0065】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0066】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0067】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約0.1mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0068】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約0.25mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0069】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約0.35mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0070】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約0.5mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0071】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約0.75mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0072】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩の量がタラゾパリブ遊離塩基約1mgと同等である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0073】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約46.3mg/カプセル、
グリセロール約11.8mg/カプセル、および
ソルビトール約17.6mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.3mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約95.6mg/カプセル、
グリセロール約4mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0074】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約46.270mg/カプセル、
グリセロール約11.790mg/カプセル、および
ソルビトール約17.57mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.300mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約95.555mg/カプセル、
グリセロール約4.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0075】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約61.1mg/カプセル
グリセロール約16.6mg/カプセル、および
ソルビトール約23.2mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.4mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約119mg/カプセル、
グリセロール約5mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.25mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0076】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約61.097mg/カプセル、
グリセロール約16.610mg/カプセル、および
ソルビトール約23.190mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.375mg/カプセル
ポリエチレングリコール約119.262mg/カプセル
グリセロール約5.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.25mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0077】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約78mg/カプセル、
グリセロール約20mg/カプセル、および
ソルビトール約30mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.5mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約167mg/カプセル、
グリセロール約7mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.35mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0078】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約78.130mg/カプセル、
グリセロール約20.250mg/カプセル、および
ソルビトール約29.66mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.509mg/カプセル
ポリエチレングリコール約166.966mg/カプセル、
グリセロール約7.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.35mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0079】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約105mg/カプセル、
グリセロール約27mg/カプセル、および
ソルビトール約40mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約0.8mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約239mg/カプセル、
グリセロール約10mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.5mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0080】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチンの約104.930mg/カプセル、
グリセロール約26.640mg/カプセル、および
ソルビトール約39.830mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約00.750mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約238.523mg/カプセル、
グリセロール約10.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.5mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0081】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約141mg/カプセル、
グリセロール約36mg/カプセル、および
ソルビトール約54mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約1mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約358mg/カプセル、
グリセロール約15mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.75mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0082】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約141.260mg/カプセル、
グリセロール約36.000mg/カプセル、および
ソルビトール約53.620mg/カプセル
を含み;
前記充填物が:
トコフェロール約1.125mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約357.784mg/カプセル、
グリセロール約15.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約0.75mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0083】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約178mg/カプセル、
グリセロール約45mg/カプセル、および
ソルビトール約67mg/カプセル
を含み;
前記充填物が;
トコフェロール約1.5mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約477mg/カプセル、
グリセロール約20mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0084】
本発明は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、
前記軟質ゼラチンシェルが:
ゼラチン約177.790mg/カプセル、
グリセロール約45.310mg/カプセル、および
ソルビトール約67.490mg/カプセル
を含み;
前記充填物が;
トコフェロール約1.453mg/カプセル、
ポリエチレングリコール約477.047mg/カプセル、
グリセロール約20.000mg/カプセル、および
タラゾパリブ遊離塩基、またはその薬学的に許容できる塩約1mg
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0085】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンまたは酸性骨ゼラチンであるか;前記ゼラチンが酸性ハイドゼラチンであるか;または前記ゼラチンが酸性骨ゼラチンである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0086】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが175~200ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0087】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ゼラチンが195ブルームのブルーム強度を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0088】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記グリセロールがグリセロール85%である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0089】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ソルビトールが無水化液体ソルビトールNFである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0090】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記トコフェロールがall-rac-アルファ-トコフェロールである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0091】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記ポリエチレングリコールがポリエチレングリコール400である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0092】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩がタラゾパリブトシル酸塩である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0093】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩がタラゾパリブ遊離塩基である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0094】
本発明の一実施形態は、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、前記剤形が経口投与用のものである、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0095】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、絶食状態にある対象への経口投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填即時放出型経口カプセル剤での対数変換AUC24についての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換AUC24についての幾何平均で、90%信頼区間を提供する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0096】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、絶食状態にある対象への経口投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換Cmaxについての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換Cmaxについての幾何平均で、90%信頼区間を提供する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0097】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、(a)絶食状態にある対象への投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換AUC24についての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換AUC24についての幾何平均を提供し;(b)絶食状態にある対象への投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換Cmaxについての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換Cmaxについての幾何平均を提供する;または(c)(a)および(b)の両方である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0098】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、(a)絶食状態にある対象への投与後に、同等量のタラゾパリブを含有する粉末充填経口カプセル剤での対数変換AUC24についての幾何平均の80%~125%の範囲内の対数変換AUC24についての幾何平均を提供する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0099】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、(a)対象への経口投与後に、約0.8~約1.25の対数変換AUC24についての幾何平均摂食時/絶食時比を有する;(b)対象への経口投与後に、約0.8~約1.25の対数変換Cmaxについての幾何平均摂食時/絶食時比を有する;または(c)(a)および(b)の両方である、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0100】
本発明は、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって、(a)対象への経口投与後に、約0.8~約1.25の対数変換AUC24についての幾何平均摂食時/絶食時比を有する、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形に関する。
【0101】
本発明は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、先行実施形態のいずれかに記載の医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含む方法に関する。
【0102】
本発明の一実施形態は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含み、前記がんが、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、および前立腺癌からなる群から選択される方法に関する。
【0103】
本発明の一実施形態は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含み、前記がんが乳癌であり、前記乳癌が三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、およびHER2陰性乳癌である方法に関する。
【0104】
本発明の一実施形態は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含み、前記がんが前立腺癌であり、前記前立腺癌が、去勢感受性前立腺癌または去勢抵抗性前立腺癌である方法に関する。
【0105】
本発明の一実施形態は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を投与することを含み、前記対象がヒトである方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤のゼラチン塊のための製造プロセスの流れ図が示されている。
図2】タラゾパリブトシル酸塩軟質ゼラチンカプセル剤の充填およびカプセル封入のための製造プロセスの流れ図が示されている。
図3】40℃/相対湿度75%でのタラゾパリブ0.1mg軟質ゼラチンカプセル剤における、分解生成物であるシスタラゾパリブの形成が示されている。
図4】30℃/相対湿度75%でのタラゾパリブ0.1mg軟質ゼラチンカプセル剤における、分解生成物であるシスタラゾパリブの形成が示されている。
図5】40℃/相対湿度75%でのタラゾパリブ1mg軟質ゼラチンカプセル剤における、分解生成物であるシスタラゾパリブの形成が示されている。
図6】30℃/相対湿度75%でのタラゾパリブ1mg軟質ゼラチンカプセル剤における、分解生成物であるシスタラゾパリブの形成が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本発明は、本発明の好ましい実施形態の次の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本明細書において使用される専門用語は、具体的な実施形態を記載することを目的としているに過ぎず、限定することを意図していないことは理解されるべきである。さらに、本明細書において具体的に定義されていない限り、本明細書において使用される専門用語には、関連分野において公知のとおりの従来の意味が与えられていることは理解されるべきである。
【0108】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段に示されていない限り、複数形の言及も含む。例えば、「a」可塑剤には、1つまたは複数の可塑剤が含まれる。
【0109】
「約」という用語は、数値で定義されるパラメーター(例えば、ゼラチンの量、抗酸化剤の量など)を修飾するために使用される場合、パラメーターが、そのパラメーターについての規定の数値を10%上回る、または下回るほど変化し得ることを意味する。例えば、約4.0mgである製剤の成分は、3.6mgから4.4mgの間で変動し得ることを意味すると理解されるべきである。
【0110】
「w/w」という略語は、既知の量(重量による)の液体に溶解した物質の重量による量を意味する。「重量パーセント」および「重量パーセント」という用語ならびに略語「w/w%」、「w/wパーセント」、「重量%」という略語は互換的であり、溶液100gにおける1つの成分のグラム数をパーセンテージとして表している。数式表現として、溶液における溶質の重量パーセントまたはパーセントは、溶質の重量/溶媒の重量×100に等しい。
【0111】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる」は、その成分が患者への経口投与に好適であることを意味する。
【0112】
「薬学的に許容できる塩」という用語は、本明細書で使用される場合、別段に示されていない限り、投与される生体に対する有意な刺激の原因となることなく、かつ化合物の生物学的活性および特性を排除しない化合物の製剤を指す。ある特定の事例では、薬学的に許容できる塩は、本明細書に記載の化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸および同様のものなどの酸と反応させることにより得られる。一部の事例では、薬学的に許容できる塩は、本明細書に記載の酸性基を有する化合物をアンモニウム塩、ナトリウムもしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムもしくはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リシン、および同様のものなどのアミノ酸との塩などの塩を形成する塩基と反応させることにより、または既に決定された他の方法により得られる。
【0113】
「グリセロール85%」という用語は、本明細書で使用される場合、グリセロールおよび水の混合物である。グリセロール85%などのグリセロールは、充填溶液中の原薬の溶媒として、かつゼラチンシェルのための直接的可塑剤として使用される。グリセロール85%などのグリセロールはゼラチンと相互作用して、ゼラチンのガラス遷移温度を低下させることにより安定な熱可逆性ゲルネットワークを形成する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「部分脱水ソルビトール液の乾燥物質」と称されることもある「無水化液体ソルビトールNF」という用語は、軟質ゼラチンカプセル剤において頻繁に使用されるソルビトールの形態である。無水化液体ソルビトールNFなどのソルビトールは、ゼラチンシェル内に水を保持し、したがって、結晶構造の形成を減少させて、ゼラチンシェルを硬質かつ脆性にすることによる間接的な可塑剤として作用する。
【0115】
「ポリエチレングリコール400」または「PEG400」という用語は、本明細書で使用される場合、軟質ゼラチンカプセル剤において一般に使用される充填物質である。本発明の目的では、許容される化学的安定性をなお維持しながら、原薬はポリエチレングリコール400に溶解する。
【0116】
本発明の実施形態は、軟質ゼラチンシェルおよび充填物を含む医薬軟質ゼラチンカプセル剤形であって:
(a)前記軟質ゼラチンシェルが、ゼラチンおよび少なくとも1種の可塑剤を含み:
(b)前記充填物が、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩
を含む、医薬軟質ゼラチンカプセル剤形を対象とする。
【0117】
軟質ゼラチンカプセル剤は周知であり、ソフトゲルと記載されることが多い。軟質ゼラチンカプセル剤は、1ピースの気密封止される弾性ゼラチンベースの外側シェルに入れられた液体または半固体充填物を含む単一単位の固体剤形または製剤である。1つの連続プロセスで、カプセルは充填されて、封止される。充填物をゼラチンシェルにカプセル封入する。軟質ゼラチンシェルは、カプセル封入前にはゼラチン塊と称されることもある。充填物は溶液、懸濁液、または半固体であってよく、充填製剤、充填材料、カプセル充填物または充填物と称されることもある。充填物は原薬を含み、それが好適な溶媒に溶解しているか、または好適な希釈剤に分散していて、均一な溶液(すなわち、液体充填物)または[均一な]懸濁液(すなわち、半固体充填物)をそれぞれ生成している。本発明の一実施形態では、充填物は液体である。
【0118】
軟質ゼラチンカプセル剤におけるゼラチンなどのゼラチンは、その強度により分類される。「ブルーム」という用語は、本明細書で使用される場合、ゼラチンの強度を測定する試験である。この試験は、規定のプランジャー(通常は、0.5インチの直径を有する)が規定の温度で、破壊することなくゲルの表面を4mmくぼませるために必要とするグラム重量を決定する。そのグラム数がブルーム値と呼ばれ、多くのゼラチンは30gブルーム(最低)から300gブルーム(最高)の間である。ブルーム値が高いほど、ゼラチンの融点およびゲル化点は高く、ゲル化時間は短い。低ブルームゼラチンは典型的には、50~125ブルームの範囲の間に該当する。中ブルームゼラチンは典型的には、175~225ブルームの範囲に該当する。高ブルームゼラチンは典型的には、225~325ブルームの範囲に該当する。本発明の軟質ゼラチンカプセル剤のゼラチンブルーム強度は典型的には、約150から約200ブルーム(またはグラム)である。本発明の一実施形態では、軟質ゼラチンカプセル剤におけるゼラチンブルーム強度は175~225ブルームである。本発明の一実施形態では、軟質ゼラチンカプセル剤におけるゼラチンブルーム強度は175~200ブルームである。本発明の一実施形態では、軟質ゼラチンカプセル剤におけるゼラチンブルーム強度は195ブルームである。ソフトゲルの例示的な製造者には、Catalent Phama Solutions,Somerset,N.J.、Pharmagel Engineering spa.Lodi ItalyおよびSoft Gel Technologies Inc.,Commerce,Californiaが含まれる。
【0119】
本発明の軟質ゼラチンカプセル剤は、ゼラチンベースのシェルおよび充填物を含む医薬剤形または製剤である。一実施形態では、軟質ゼラチンカプセル剤は、液体充填軟質ゼラチンカプセル剤形または製剤である。
【0120】
本発明の一実施形態では、ゼラチンは、軟質ゼラチンカプセル剤のシェルにおける一成分である。軟質ゼラチンシェルは、ゼラチンおよび可塑剤を含む。シェルは、乳白剤および/または染料を含んでもよい。ゼラチンは、ウシ、ブタおよびサカナを含む動物の皮膚、白色結合組織および骨に由来するコラーゲンの部分的加水分解により得られる。これは、水溶性タンパク質(4~90w/w%)と鉱物塩(1~2w/w%)および水(8~15w/w%)とから主になる。タンパク質フラクションは、ポリペプチド鎖においてアミド結合によって連結されたアミノ酸を含有する。
【0121】
コラーゲンは、線維性タンパク質であり、動物の皮膚、骨および結合組織の主成分である。約300,000Daの分子量を有する、3本のポリペプチド鎖の三重らせんからなる。変性は、水素結合を破壊してコラーゲンらせんを不安定化させて、分子量および固有粘度の顕著な低下をもたらすことを含む。水中で骨または皮膚を沸騰させることによりコラーゲンを加水分解すると、不十分な物理的特性を有する不純なゼラチンが低収率で生じる。したがって、ゼラチンの商業的製造は、A型ゼラチンを生じさせるために希酸またはB型ゼラチンを生じさせるために希アルカリのいずれかを用いて熱変性する前に、混入物を初めに除去することを含む。ゼラチンは元々は、A型ゼラチンでは6.0~9.0およびB型ゼラチンでは4.7~5.3の範囲である等電点で両性である。アルカリ加水分解は、コラーゲン中のアスパラギンおよびグルタミンアミノ酸の高度な脱アミドをもたらして、酸加水分解と比較して、多数の遊離カルボン酸をもたらすと考えられる。好適なA型ゼラチンの例には、限定ではないが、酸性骨および酸性ハイドゼラチンが含まれる。好適なB型ゼラチンの例には、限定ではないが、石灰骨ゼラチンが含まれる。一実施形態では、ゼラチンは酸性ハイドゼラチンである。好ましい一実施形態では、ゼラチンは酸性骨ゼラチンである。一実施形態では、ゼラチンは酸性ハイドゼラチン195ブルームである。好ましい一実施形態では、ゼラチンは酸性骨ゼラチン195ブルームである。
【0122】
軟質ゼラチンカプセル剤は一般に、充填物がカプセル封入され、水がカプセルから充填物に移動した後に、ゼラチンシェルに対して約1重量%~約20重量%、より好ましくは約3重量%~約18重量%、さらにより好ましくは約5重量%~約14重量%の量の水を含有する。理論に拘束されることはない。ゼラチンカプセル中の水、例えば、20重量%~50重量%が充填前に、少なくとも部分的に移動して、充填物のゲル化およびその粘度の上昇を促進すると考えられる。
【0123】
一実施形態では、ゼラチンは、軟質ゼラチンシェルに対して約50重量~約75重量、好ましくは約55重量~約65重量、より好ましくは約59重量~約61重量、なおより好ましくは約60重量~約61重量の量で存在する。
【0124】
一実施形態では、任意の薬学的に許容できる可塑剤が、軟質ゼラチンカプセル剤のシェル中の成分として含まれてよい。一実施形態では、少なくとも1種の可塑剤が含まれる。一実施形態では、1または2種の可塑剤が含まれる。一実施形態では、1種の可塑剤が含まれる。好ましい一実施形態では、2種の可塑剤が含まれる。好適な可塑剤の非限定的例には、ソルビトール、グリセリン、マンニトール、キシリトール、およびソルビタンなどの多価アルコール;ジアルキルフタル酸エステル;低級アルキルが1~6個の炭素原子を有する低級アルキルクエン酸エステル;約200~約2,000の分子量範囲を有するポリエチレングリコール、メトキシル-プロピレン-グリコール、および1,2-プロピレングリコールを含むグリコールおよびポリグリコール;グリセロールの一、二、および三酢酸エステル、リシンオレイン酸およびそのエステルなどのポリヒドロキシ-アルコールのエステル;ならびに上記のものの混合物が含まれる。一実施形態では、可塑剤は、グリセロールおよびソルビトールを含む。一実施形態では、可塑剤は、グリセロールおよびソルビトールであり、グリセロールはグリセロール85%であり、ソルビトールは無水化液体ソルビトールNFである。
【0125】
一実施形態では、全可塑剤は、軟質ゼラチンシェルに対して約20重量%~約55重量%、より好ましくは約30重量%~約45重量%、さらにより好ましくは約35重量%~約40重量%の量で存在する。
【0126】
本発明の一実施形態では、充填物は、抗酸化剤、少なくとも1種の溶媒、およびタラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩を含む。一実施形態では、軟質ゲルカプセル剤の充填物中のタラゾパリブ、または薬学的に許容できる塩はタラゾパリブトシル酸塩である。充填物は、経口投与で薬学的に許容できるであろう量の成分を含有する。
【0127】
本発明の一実施形態では、抗酸化剤が、軟質ゼラチンカプセル剤の充填物の成分として含まれてよい。本発明の一実施形態では、充填物は抗酸化剤を含む。好適な抗酸化剤の非限定的例には、トコフェロール、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、およびチモールが含まれる。一実施形態では、抗酸化剤は、トコフェロール、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート、ブチル化ヒドロキシトルエン、または没食子酸プロピルである。好ましい一実施形態では、抗酸化剤はトコフェロールである。より好ましい一実施形態では、抗酸化剤はall-rac-アルファ-トコフェロールである。
【0128】
一実施形態では、抗酸化剤は、充填物に対して約0.05重量%~約1重量%およびより好ましくは約0.1重量%~約0.5重量%の量で存在する。
【0129】
本発明の一実施形態では、溶媒は、軟質ゼラチンカプセル剤の充填物中の成分として含まれてよい。本発明の一実施形態では、充填物は少なくとも1種の溶媒を含む。一実施形態では、1または2種の溶媒が含まれる。一実施形態では、1種の溶媒が含まれる。好ましい一実施形態では、2種の溶媒が含まれる。好適な溶媒の非限定的例には、プロピレングリコール、アセトン、エタノール、ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセロール、ポリエチレングリコール、鉱油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、およびゴマ油が含まれる。一実施形態では、溶媒はグリセロールである。一実施形態では、溶媒はグリセロールであり、グリセロールはグリセロール85%である。一実施形態では、溶媒はポリエチレングリコールである。一実施形態では、ポリエチレングリコールは、約200~約900の分子量範囲を有する。一実施形態では、ポリエチレングリコールは、900未満の分子量を有する。一実施形態では、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコール600(PEG600)である。一実施形態では、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコール400(PEG400)である。一実施形態では、溶媒はポリエチレングリコールおよびグリセロールを含む。好ましい一実施形態では、溶媒はポリエチレングリコールおよびグリセロールである。より好ましい実施形態では、溶媒は、ポリエチレングリコールおよびグリセロールであり、ポリエチレングリコールはPEG400であり、グリセロールはグリセロール85%である。
【0130】
溶媒がポリエチレングリコールおよびグリセロールを含む本発明の一実施形態では、ポリエチレングリコールは、充填物の全重量に対して約80重量%~約99重量%、好ましくは約94重量%~約98重量%、より好ましくは約95重量%~約96重量%の量で充填物中に存在し;グリセロールは、充填物の全重量に対して約1重量%~約10重量%、好ましくは約2重量%~約6重量%、より好ましくは約4重量%の量で充填物中に存在する。
【0131】
本発明の一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩は、軟質ゼラチンカプセル剤の充填物中の成分である。本発明の一実施形態では、剤形は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩をタラゾパリブ遊離塩基約0.1mg~約1mgと同等の量で含む。本発明の一実施形態では、剤形は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を、タラゾパリブ遊離塩基約0.1mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.25mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.35mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.5mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.75mg;またはタラゾパリブ遊離塩基約1mgと同等の量で含む。
【0132】
本発明の一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の量は、タラゾパリブ遊離塩基約0.1mg~約1mgと同等である。本発明の一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の量は、タラゾパリブ遊離塩基約0.1mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.25mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.35mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.5mg;タラゾパリブ遊離塩基約0.75mg;またはタラゾパリブ遊離塩基約1mgと同等である。
【0133】
本発明の一実施形態、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の量は、タラゾパリブ遊離塩基当量約0.1mg~約1mgである。本発明の一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の量は、タラゾパリブ遊離塩基当量約0.1mg;タラゾパリブ遊離塩基当量約0.25mg;タラゾパリブ遊離塩基当量約0.35mg;タラゾパリブ遊離塩基当量約0.5mg;タラゾパリブ遊離塩基当量約0.75mg;またはタラゾパリブ遊離塩基当量約1mgである。
【0134】
治療方法および使用
「異常な細胞増殖」は、本明細書で使用される場合、別段に示されていない限り、正常な制御機構(例えば、接触阻害の喪失)とは独立している細胞増殖を指す。異常な細胞増殖は、良性(非癌性)であっても、または悪性(癌性)であってもよい。
【0135】
「がん」、「がん性」、または「悪性」という用語は、典型的には未制御の細胞増殖により特徴づけられる哺乳類における生理学的状態を指すか、またはそれを説明する。本明細書で使用される場合、「がん」は、異常な細胞増殖に起因する任意の悪性および/または侵襲性増殖または腫瘍を指す。本明細書で使用される場合、「がん」は、それらを形成する細胞の種類で名付けられる固形腫瘍、血液、骨髄、またはリンパ系のがんを指す。固形腫瘍の例には、これに限定されないが、肉腫および癌腫が含まれる。血液のがんの例には、これに限定されないが、白血病、リンパ腫および骨髄腫が含まれる。「がん」という用語は、これに限定されないが、身体の特異的な部位に由来する原発性がん、始まった場所から身体の他の部分へと転移している転移性癌、寛解後の元の原発性がんからの再発、および後のものとは異なる種類の先行がんの履歴を有する人における新たな原発性がんである二次原発性がんを含む。がんの例には、これに限定されないが、癌腫、リンパ腫、白血病、芽細胞腫、および肉腫が含まれる。そのようながんのより特定の例には、扁平上皮細胞癌、骨髄腫、肺癌、小細胞肺癌、小細胞前立腺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLCBCL)、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(tract)癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、子宮内膜癌、肝臓癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、甲状腺癌、黒色腫、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、多形性膠芽腫、子宮頸癌、直腸癌、脳癌、胃癌、膀胱癌、肝細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、頭頚部癌、および唾液腺癌が含まれる。
【0136】
「患者」または「対象」という用語は、ヒトおよび哺乳類獣医学上の患者、例えば、ウシ、ウマ、イヌ、およびネコを含む、治療が望ましいか、または治験、疫学的研究に参加しているか、または対照として使用されている任意の単一の対象を指す。ある特定の好ましい実施形態では、対象はヒトである。
【0137】
本明細書で使用される場合の、がんを「処置する」または「処置すること」という用語は、本発明による治療を、がんを有するか、またはがんと診断されている対象に投与して、例えば、がん細胞の数の減少、腫瘍サイズの縮小、周辺器官へのがん細胞浸潤の速度の低下、または腫瘍転移もしくは腫瘍増殖の速度の低下、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の進行の逆転、緩和、阻害、もしくはその予防などの少なくとも1つのプラスの治療効果を達成することを意味する。「処置すること」をすぐ上で定義したとおり、本明細書で使用される場合の「処置」という用語は、別段に示されていない限り、処置する行動を指す。「処置すること」という用語にはまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置が含まれる。本発明の目的では、有利な、または所望の臨床結果には、これに限定されないが、次のうちの1つまたは複数が含まれる:新生物またはがん性細胞の増殖の減少(またはその破壊);転移性または新生細胞の阻害;腫瘍のサイズの縮小または減少;がんの寛解;がんから生じる症状の軽減;がんに罹患しているものの生活の質の向上;がんを処置するために必要とされる他の薬物の用量の減少;がんの進行の遅延;がんの治癒;がんの1つまたは複数の抵抗性機構の克服;および/またはがんを有する患者の生存の延長。がんにおけるプラスの治療効果はいくつかの方法で測定することができる(例えば、W.A.Weber、J.Nucl.Med.50:1S-10S(200)を参照されたい)。一部の実施形態では、本発明の方法により達成される処置は、部分応答(PR)、完全応答(CR)、全体応答(OR)、客観的応答率(ORR)、無増悪生存(PFS)、画像学的PFS、無転移生存(MFS)、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)のいずれかである。「腫瘍進行までの時間」とも称されるPFSは、がんが成長していない処置中およびその後の時間の長さを示し、患者がCRまたはPRを経験している時間量、さらには患者が安定している疾患(SD)を経験している時間量を含む。DFSは、患者が無病を維持している処置中およびその後の時間の長さを指す。OSは、ナイーブまたは未処置対象または患者と比較した場合の平均余命の延長を指す。一部の実施形態では、本発明の方法に対する応答は、PR、CR、PFS、DFS、ORまたはOSのいずれかである。軟部組織応答の期間を含む、本発明の方法に対する応答は、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors version 1.1(RECIST1.1)応答基準を使用して評価される。一部の実施形態では、本発明の方法により達成される処置は、PSA進行までの時間、細胞傷害性化学治療の開始までの時間、および50%以上のPSA応答を有する患者の割合により測定される。がん患者を処置するために有効である本発明の方法のための処置レジメンは、患者の病態、年齢、および体重、ならびに対象において抗がん応答を誘発する治療の能力などの因子により変動し得る。本発明の態様のいずれかの実施形態は、プラスの治療効果の達成においてあらゆる対象で有効であり得るということはなく、これに限定されないが、Cox対数順位検定、Cochran-Mantel-Haenszel対数順位検定、スチューデントt検定、chi2検定、MannおよびWhitneyによるU検定、Kruskal-Wallis検定(H検定)、Jonckheere-Terpstrat検定およびWilcon on検定などの当技術分野で公知の任意の統計検定により決定されるとおりの統計学的に有意な数の対象で有効であり得るはずである。「処置」という用語はまた、試薬、診断薬、結合化合物による、または別の細胞による、例えば細胞のin vitroおよびex vivo処置を包含する。
【0138】
本明細書で使用される場合、薬物、化合物または医薬組成物の「有効な投薬量」または「有効量」は、疾患、その合併症および疾患の発生中に現れる中間病理学的表現型の任意の1つまたは複数の有利か、または所望の、生化学的、組織学的および/または行動を含む症状に影響を及ぼすために十分な量である。治療用途では、「治療有効量」は、処置される障害の症状の1つまたは複数をある程度は軽減するはずの、投与される化合物の量を指す。がんの処置に関して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを縮小する、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止する)、(4)がんと関連する1つまたは複数の徴候または症状をある程度軽減する(または、好ましくは、除去する)、(5)疾患を処置するために必要とされる他の薬物の用量を減少させる、および/または(6)別の薬物の作用を増強する、および/または(7)患者における疾患の進行を遅延させる作用を有する量を指す。有効な投薬量を1回または複数回の投与で投与することができる。本発明の目的では、薬物、化合物、または医薬組成物の有効な投薬量は、直接的または間接的に予防または治療処置を達成するために十分な量である。臨床の状況において理解されるとおり、薬物、化合物または医薬組成物の有効な投薬量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と併せて達成されてもよいし、または達成されなくてもよい。
【0139】
一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の有効な投薬量を、1日1回約0.1mg~約2mg、好ましくは1日1回約0.25mg~約1.5mg、より好ましくは1日1回約0.5mg~約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mg、約0.25mg、約0.35mg、約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mg、約0.25mg、約0.35mg、または約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を、1日1回約0.25mg、約0.35mg、または約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.25mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.35mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.75mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約1.0mgの1日投薬量で投与する。本明細書において提供される投薬量は、タラゾパリブの遊離塩基形態の用量を指すか、または投与されるタラゾパリブ塩形態の遊離塩基当量として計算される。例えば、0.5、0.75mgまたは1.0mgなどのタラゾパリブの投薬量または量は、遊離塩基当量を指す。この投与レジメンを調節して、最適な治療反応を得ることができる。例えば、用量を治療状況の緊急性により示されるとおり、比例して減少または増加させることができる。
【0140】
がんを有すると診断されているか、または有することが疑われる対象に適用される場合の「腫瘍」は、任意のサイズの悪性または潜在的に悪性の新生物または組織腫瘤を指し、原発性腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または腫瘤である。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫である。白血病(血液のがん)は一般に、固形腫瘍を形成しない(米国国立癌研究所、Dictionary of Cancer Terms)。
【0141】
「腫瘍細胞量」とも称される「腫瘍量」は、全身に分布している腫瘍物質の全量を指す。腫瘍量は、リンパ節および骨髄を含む全身のがん細胞の総数または腫瘍の全体サイズを指す。腫瘍量は、例えば、キャリパーを使用する、または体内にある間に撮像技術、例えば、超音波、骨スキャン、コンピュータ断層撮影法(CT)、もしくは磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを使用するなどの当技術分野で公知の様々な方法により決定することができる。
【0142】
「腫瘍サイズ」という用語は、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全サイズを指す。腫瘍サイズは、例えば、対象から除去した際に腫瘍の寸法を、例えば、キャリパーを使用して測定する、または体内にある間に、撮像技術、例えば、骨スキャン、超音波、CRもしくはMRIスキャンを使用することなどによる当技術分野で公知の様々な方法により決定することができる。
【0143】
本発明の方法は、がんを処置するために有用である。一部の実施形態では、提供される方法は、次の効果のうちの1つまたは複数をもたらす(1)がん細胞増殖を阻害する;(2)がん細胞侵襲性を阻害する;(3)がん細胞のアポトーシスを誘発する;(4)がん細胞転移を阻害する;(5)血管新生を阻害する;または(6)がん処置に関連する1つまたは複数の耐性機構を克服する。
【0144】
一実施形態では、本発明は、対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、本発明の医薬軟質ゼラチンカプセルを投与することを含む方法に関する。
【0145】
別の態様では、本発明は、対象においてがんを処置する際に使用するための本発明の医薬軟質ゼラチンカプセルに関する。
【0146】
別の態様では、本発明は、医薬として使用するための本発明の医薬軟質ゼラチンカプセルに関する。
【0147】
本発明の一実施形態では、対象は哺乳類である。
【0148】
本発明の一実施形態では、対象はヒトである。
【0149】
一部の実施形態では、本発明の方法は、これに限定されないが、次のもののがん:
循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫)、縦隔および胸膜、ならびに他の胸内器官、血管腫瘍および腫瘍関連血管組織;
呼吸器、例えば、鼻腔および中耳、副鼻腔、咽頭、気管、気管支および肺、例えば、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;
胃腸系、例えば、食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃、膵臓(管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状線腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);
尿生殖路、例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および/または尿道(扁平上皮細胞癌、移行細胞または尿路上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生癌、奇形癌、絨毛上皮腫、肉腫、間質性細胞癌、線維腫、線維線種、類腺腫瘍、脂肪腫);
肝臓(例えば、肝細胞癌、肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵臓内分泌腫瘍(褐色細胞種、インスリノーマ、血管作動性腸管ペプチド腫瘍、島細胞腫瘍およびグルカゴノーマなど);
骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(小神経膠腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma、骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽芽細胞腫、軟骨粘液線維種、類骨腫および巨細胞腫;
神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋癌(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳癌(神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);
生殖系、例えば、婦人科、子宮(子宮内膜癌腫)、子宮頸(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜-卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌腫)および女性生殖器と関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および男性生殖器と関連する他の部位;
血液系、例えば、血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];
口腔、例えば、口唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口腔の他の部位、耳下腺、および唾液腺の他の部位、扁桃、中咽頭、上咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに口唇、口腔および咽頭の他の部位;
皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、およびケロイド;
副腎:神経芽細胞腫;ならびに
結合および軟部組織、後腹膜および腹膜、眼、眼内黒色腫、および付属器、乳房、頭部または/および頸部、肛門領域、甲状腺、副甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関連構造、リンパ節の二次および詳細不明悪性新生物、呼吸器および消化系の二次悪性新生物ならびに他の部位の二次悪性新生物を含む他の組織
を含むがんを処置するために有用であり得る。
【0150】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、乳癌(三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、HER2陰性乳癌、HER2陽性乳癌およびトリプル陽性乳癌を含む)、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、前立腺癌(去勢感受性またはホルモン感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌としても公知のホルモン不応性前立腺癌を含む)、肝細胞癌、びまん性大細胞B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、黒色腫および唾液腺腫瘍または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0151】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、乳癌(三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、およびHER2陰性乳癌を含む)、卵巣癌、前立腺癌(去勢感受性またはホルモン感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌としても公知のホルモン不応性前立腺癌を含む)、または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0152】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、前立腺癌、アンドロゲン受容体陽性乳癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍、または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0153】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、アンドロゲン受容体陽性乳癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍、または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0154】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、HER2陰性乳癌、三重陽性乳癌、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0155】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、およびHER2陰性乳癌、または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0156】
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「がん」の例には、去勢感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌または上述のがんの1つまたは複数の組合せから選択されるがんが含まれる。
【0157】
本発明の一実施形態では、がんは固形腫瘍である。
【0158】
本発明の一実施形態では、がんは固形腫瘍であり、その固形腫瘍はアンドロゲン依存性である。
【0159】
本発明の一実施形態では、がんは固形腫瘍であり、その固形腫瘍はアンドロゲン受容体を発現する。
【0160】
一実施形態では、がんは前立腺癌である。
【0161】
一実施形態では、がんは高リスク前立腺癌である。
【0162】
一実施形態では、がんは局所進行前立腺癌である。
【0163】
一実施形態では、がんは高リスク局所進行前立腺癌である。
【0164】
一実施形態では、がんは去勢感受性前立腺癌である。
【0165】
一実施形態では、がんは転移去勢感受性前立腺癌である。
【0166】
一実施形態では、がんは、DNA損傷修復変異(DDR変異)を有する去勢感受性前立腺癌または転移去勢感受性前立腺癌である。DDR変異には、ATM、ATR、BRCA1、BRCA2、CHEK2、FANCA、MLH1、MRE11A、NBN、PALB2、およびRAD51Cが含まれる。
【0167】
一実施形態では、がんは、去勢感受性前立腺癌としても公知のホルモン感受性前立腺癌である。ホルモン感受性前立腺癌は通常、アンドロゲン枯渇治療にまだ応答する前立腺の組織学的または細胞学的に確認される腺癌により特徴づけられる。
【0168】
一実施形態では、がんは非転移性ホルモン感受性前立腺癌である。
【0169】
一実施形態では、がんは高リスク非転移性ホルモン感受性前立腺癌である。
【0170】
一実施形態では、がんは転移ホルモン感受性前立腺癌である。
【0171】
一実施形態では、がんは、ホルモン不応性前立腺癌またはアンドロゲン依存性前立腺癌としても公知の去勢抵抗性前立腺癌である。去勢抵抗性前立腺癌は通常、アンドロゲン枯渇治療によって、および/または精巣摘除術後に達成されるテストステロンの去勢レベル(例えば、1.7nmol/L以下のテストステロンレベルまたは50ng/dL以下のテストステロンレベル)の設定で、去勢抵抗性(例えば、1週間以上の各評価間でPSAが2回以上連続して上昇していて、任意選択で、PSAレベル2ng/mL以上で、nadirの50%またはそれ以上の上昇が2回以上生じていると定義される)である前立腺の組織学的または細胞学的に確認される腺癌によって特徴づけられる。
【0172】
一実施形態では、がんは非転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
【0173】
一実施形態では、がんは非転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
【0174】
一実施形態では、がんは転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
【0175】
一実施形態では、がんは、DNA修復欠損を伴う転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
【0176】
一実施形態では、がんは乳癌である。
【0177】
一実施形態では、がんは、局所進行または転移乳癌である。
【0178】
一実施形態では、がんは三重陰性乳癌である。
【0179】
一実施形態では、がんは、エストロゲン陽性および/またはプロゲステロン陽性乳癌を含むホルモン陽性乳癌である。
【0180】
一実施形態では、がんはHER2陰性乳癌である。
【0181】
一実施形態では、がんは生殖細胞系BRCA変異HER2陰性乳癌である。
【0182】
一実施形態では、がんはHER2陽性乳癌である。
【0183】
一実施形態では、がんは三重陽性乳癌である。
【0184】
一実施形態では、がんは卵巣癌である。
【0185】
一実施形態では、がんは小細胞肺癌である。
【0186】
一実施形態では、がんはユーイング肉腫である。
【0187】
一実施形態では、がんは肝細胞癌腫である。
【0188】
一実施形態では、がんは唾液腺腫瘍である。
【0189】
一実施形態では、がんは局所進行性である。
【0190】
一実施形態では、がんは非転移性である。
【0191】
一実施形態では、がんは転移性である。
【0192】
一実施形態では、がんは難治性である。
【0193】
一実施形態では、がんは再発性である。
【0194】
一実施形態では、がんは、標準処置に非寛容性である。
【0195】
一実施形態では、がんはCDK12変異を有する。
【0196】
本発明の一実施形態では、前記方法を、処置に対する抵抗性を発生させているがんと診断されている対象に投与する。
【0197】
さらなる一態様では、本発明の方法は加えて、それらの量が一緒に前記がんの処置において有効である、抗腫瘍薬、抗血管新生薬、シグナル伝達阻害薬および抗増殖薬などのさらなる抗がん薬を投与することを含み得る。一部のそのような実施形態では、抗腫瘍薬は、有糸分裂阻害薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、インターカレーティング抗生物質、成長因子阻害薬、放射線、細胞周期阻害薬、酵素、トポイソメラーゼ阻害薬、生体応答修飾物質、抗体、細胞傷害薬、抗ホルモン、アンドロゲン枯渇治療および抗アンドロゲンからなる群から選択される。本発明の一実施形態では、さらなる抗がん薬は抗アンドロゲンである。本発明の一実施形態では、抗アンドロゲンは、エンザルタミドまたはアパルタミドである。
【実施例
【0198】
(実施例1)
タラゾパリブ0.1mg、0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg軟質ゼラチンカプセル剤の調製
充填物およびシェルの組成を含む、タラゾパリブの0.1mg、0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg剤形としての医薬軟質ゼラチンカプセル剤の組成をそれぞれ下の表1~6に記載する。
【0199】
タラゾパリブの0.1mg、0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg剤形としての医薬軟質ゼラチンカプセル剤のゼラチン塊の製造プロセスの流れ図を図1に示す。図1に示されているとおり、ゼラチン塊の成分を混合し、60~70℃で溶解した。下記のとおり、所望の色を添加し、ゼラチン塊をカプセル封入のために準備した。
【0200】
充填溶液の製造プロセスならびにタラゾパリブの0.1mg、0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg剤形としての医薬軟質ゼラチンカプセル剤のゼラチン塊のカプセル封入のための流れ図を図2に示し、ナンバリングされたステップで下に記載する。アイテム番号は、下の表1~6における成分に対応する。
【0201】
1. 好適な混合容器に、ポリエチレングリコール400(アイテム2)、グリセロール85%(アイテム3)およびall-rac-アルファ-トコフェロール(アイテム4)を好適な混合容器内で装入し、混合した。
2. タラゾパリブトシル酸塩(アイテム1)を、ステップ1からの混合物の一部と混合した。
3. ステップ1からの混合物の半分およびステップ2からの混合物を好適な混合ユニットに移した。ステップ2からの混合容器をステップ1からの混合物で3回すすいで、全てのタラゾパリブトシル酸塩(アイテム1)を混合ユニットに確実に移した。ステップ1からの残りの混合物を好適な混合ユニットに添加した。
4. ステップ3からの内容物を混合した。
5. ステップ4からの溶液を持続減圧で脱気した。
6. ステップ5からの溶液を混合タンクから直接、カプセル封入機の充填容器に放出した。
7. 前記のとおり調製されたゼラチン塊を利用して、カプセルをカプセル封入した。
8. 得られたカプセルをトンネル内、トレイ上で乾燥した。
9. 乾燥の後に、カプセルを外観検査した。
【0202】
【表1】
【0203】
【表2】
【0204】
【表3】
【0205】
【表4】
【0206】
【表5】
【0207】
【表6】
【0208】
医薬製造における当業者は、表1~6に提示されている値が単一単位での理論的定式化(QQ式(Qua Que))であることを理解するであろう。医薬製品を倍数単位にスケールアップする場合には、各成分の量に、必要とされる単位数を掛ける。天秤精度の差と許容性によって、バッチを製造するために使用される重量から逆算すると、QQ値にわずかな差がある可能性がある。加えて、製造中に、カプセル充填の制度およびカプセルシェルの重量にある程度の限界が許容されるが;しかしながら、測定される重量のパーセンテージとしては、これらの値はQQ式と同じになるはずである。このことは当業界内で、調節因子と共に認められている。
【0209】
(実施例2)
タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤において、酸性骨ゼラチンは、酸性ハイドゼラチンと比較して改善された化学的安定性を実証した
タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤の調製で利用されるゼラチンの種類(酸性ハイド 対 酸性骨)の影響を評価して、カプセル製剤の化学的安定性に対する作用を決定した。製造者Gelitaが、酸性ハイドおよび酸性骨ゼラチンの供給者であった。表7に示されているとおり、両方のゼラチン種を使用して、タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤の代表的なバッチを製造し、化学的安定性について評価した(60cc高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル内の0.1mgカプセル製剤および1mgカプセル製剤、30カウント)。
【0210】
【表7】
【0211】
実施例1の一般的な手順ならびに表1および6の一般的組成を、次の重要な変更を伴って使用して、代表的なバッチを調製した。バッチ番号1を、カプセル充填物において0.5%のトコフェロールを使用して、グリセロール85%は使用せずに;ゼラチン塊においてグリセロール85%を使用せずに調製した。バッチ番号4を、カプセル充填物において0.5%のトコフェロールを使用して、グリセロール85%は使用せずに調製した。バッチ番号2、3、5、6、7、8および9を、カプセル充填物において0.3%のトコフェロールおよび4%のグリセロール85%を;ゼラチン塊において11%のグリセロール85%を使用して調製した。
【0212】
カプセル剤を安定について、促進条件、40℃/相対湿度(「RH」)75%、および長期条件、30℃/RH75%下に置いた。分解生成物であるタラゾパリブのシス異性体(「シスタラゾパリブ」)は、貯蔵寿命を限定する分解生成物であり、下式で示される。
【0213】
【化2】
【0214】
40℃/RH75%および30℃/RH75%で貯蔵されたカプセル製剤の化学的安定性は、図3から図6ならびに表8および9に提示されている。図3および4は、異なるロットの酸性ハイドゼラチンで製造された2つのバッチと比較して低い分解速度を、異なるロットの酸性骨ゼラチンから製造された0.1mg製剤の2つのバッチについて実証している。同様に、図5および6は、異なるロットの酸性骨ゼラチンで製造された1mgバッチが、異なるロットの酸性ハイドゼラチンで製造されたバッチと比較して遅い速度のシスタラゾパリブの形成を有したことを示している。図3から図6での生データを下の表8および9に示す。
【0215】
【表8】
【0216】
【表9】
【0217】
2006年6月2日付けのICH Harmonised Tripartite Guideline 「Impurities in New Drug Products」Q3B(R2)によると、シスタラゾパリブについて1.0%の貯蔵寿命閾値限界が認定されている。
【0218】
促進(40℃/相対湿度75%)および長期(30℃/相対湿度75%)条件下で貯蔵した場合に、酸性ハイドゼラチンに対して有意に遅い速度のタラゾパリブ分解が、酸性骨ゼラチンで調製された軟質ゼラチンカプセル剤において観察された。この所見は、異なるロットの酸性骨および酸性ハイドゼラチンにわたって一致した。
【0219】
さらに、この所見は、異なるレベルの薬物負荷または濃度を有する製剤全てで一致し、例えば、0.1mg充填製剤は、1mg充填製剤と比較して低い薬物負荷を有する)。ゼラチン塊における成分の比は、全ての濃度(例えば、タラゾパリブの0.1mg、0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg剤形)にわたって比較可能であった。各製剤において使用された染料の量によって、多少のわずかな差が存在したが;しかしながら、ゼラチン塊全体は同等と判断された。0.25mg、0.35mg、0.5mg、0.75mgおよび1mg剤形と比較して、0.1mgでは、タラゾパリブトシル酸塩の量が変化したことを除いて、カプセル充填物は全ての濃度で同じであった。
【0220】
(実施例3)
タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤において、酸性骨ゼラチンは、酸性ハイドゼラチンまたは石灰骨ゼラチンと比較して改善された化学的安定性を実証した
異なる供給者からのゼラチン、具体的には、酸性ハイド、酸性骨および石灰骨ゼラチンの種類の影響を評価して、タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤の化学的安定性に対する作用を決定した。表10の最初の4つの欄に示されているとおり、タラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル剤の代表的なバッチを、異なるゼラチン種を使用して製造し、化学的安定性について評価した(熱誘導シールを備えた60cc HDPEボトル内の1mgカプセル製剤、30カウント)。
【0221】
【表10】
【0222】
代表的なバッチを、実施例1の一般的手順ならびに表1および6の一般的組成を使用して調製した。バッチ番号1および2を、Gelita製の150 Limed Bone SRMフリーゼラチンを使用して調製した。バッチ番号3および4を、Rousselot製の150 Limed Boneゼラチンを使用して調製した。バッチ番号5および6を、PB Leiner UK製の195 Acid Bone SRMフリーゼラチンを使用して調製した。バッチ番号7を、PB Leiner UK製の195 Acid Hideゼラチンを使用して調製した。バッチ番号8および9を、PB Leiner UK製の195 Acid Bone Vertebraeフリーゼラチンを使用して調製した。バッチ番号10を、Rousselot製の195 Acid Bone Vertebraeフリーを使用して調製した。異なるバッチのために使用されたシェル塊における唯一の相違は、使用されたゼラチン供給源であった。残りの成分(グリセロール、ソルビトールおよび顔料)は全て、評価された投薬濃度について同じ比で、同じままであった。
【0223】
全体的な研究設計(貯蔵条件および時点)は、12カ月間の長期促進条件のための基準である、2003年2月6日付けのICH Harmonised Tripartite Guideline、「Stability Testing Of New Drug Substances And Products」Q1A(R2)に基づく。カプセル剤を安定について、長期条件、30℃/RH75%、および促進条件、40℃/RH75%下に置いた。分解生成物であるシスタラゾパリブは、貯蔵寿命を限定する分解生成物である。カプセル製剤の当初安定性ならびに6カ月および9カ月時点での40℃/RH75%および30℃/RH75%で貯蔵されたカプセル製剤の安定性をそれぞれ、表11および12に提示する。
【0224】
【表11】
【0225】
【表12】
【0226】
表11および12に報告されている化学的安定性の結果は、供給者に関わらず、酸性骨ゼラチンから製造された全てのバッチについて比較的低い分解を実証している。
【0227】
(実施例4)
タラゾパリブの現在市販の製剤と軟質ゼラチンカプセル製剤との第1相生物学的同等性試験、および進行固形腫瘍を有する患者におけるタラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル製剤での食物効果研究
進行固形腫瘍、固形腫瘍、卵巣癌、乳癌、前立腺癌、NSCLC、膵臓癌および結腸直腸癌を有する患者における絶食条件下での複数回の投薬後に、第1相オープンラベル2シーケンスクロスオーバー研究を行って、タラゾパリブカプセル剤の現在市販の製剤とタラゾパリブ液体充填軟質ゼラチンカプセル製剤との生物学的同等性(「BE」)を確立することとする。加えて、タラゾパリブ軟質ゲルカプセル製剤の薬物動態(「PK」)に対する食物の効果を、2つのBE評価期間後の固定シーケンスにおいて評価することとする。
【0228】
研究設計:
患者を2つのシーケンスの一方に無作為に割り当てて、下に示されているとおりの異なる順序で処置A、BおよびCを投与する。最初の2つの期間はBE評価のためであり、その際、第1期間は28日間であり、次の期間は21日間である。期間3は、2つのBE評価期間後の固定シーケンスに含まれることとなる、提案のタラゾパリブ軟質ゼラチンカプセル製剤のPKに対する食物の効果を評価するための21日間である(1回の高脂肪/高カロリー食を許容し得る患者で)。患者は、次にスケジュールされた処置に移る前に、処置期間の完了者と判断されるためには、連続21日間、1日1回1mgの連続薬物投与を投与される必要がある。研究設計を下の表13に示す。
【0229】
【表13】
【0230】
主要評価項目:
・ 全てのタラゾパリブ処置のAUC24[時間枠:各処置期間の最終日]
0から24時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
・ 全てのタラゾパリブ処置のCmax[時間枠:各処置期間の最終日]
最大血漿中濃度
【0231】
二次的評価項目:
・ 全てのタラゾパリブ処置のTmax[時間枠:各処置期間の最終日]
Cmaxの時間
・ 全てのタラゾパリブ処置でのCtrough[時間枠:各処置期間の最終日]
投与前血漿中薬物濃度
・ 全てのタラゾパリブ処置のCL/F[時間枠:各処置期間の最終日]
経口投与後の見掛けクリアランス
・ 全てのタラゾパリブ処置のAUClast[時間枠:各処置期間の最終日]
0時点から最後の定量化可能な濃度(Clast)の時間までの血漿中濃度-時間プロファイル下面積
・提案のタラゾパリブ軟質ゲルカプセル製剤の安全性および耐容性[時間枠::約4年間]
種類、重症度(NCI Common Terminology Criteria for Adverse Events(「CTCAE」)version 5.0により分類)、タイミング、重篤度および治験薬の投与との関係により特徴づけられるAeの発生率
【0232】
基準
選択基準:
1. 治癒目的での処置に適さない再発、局所進行または転移固形腫瘍の組織学的診断。
・ 腫瘍適応症についての現行の承認による、または強力な科学的証拠により裏付けられる、PARPi治療から利益を受けるであろう、既知か、もしくはおそらく病原性の生殖細胞系または体性腫瘍遺伝子欠損(例えば、卵巣癌を除いて1つまたは複数のBRCA1またはBRCA2遺伝子欠損)を有する固形腫瘍。
・ それぞれの腫瘍型に適切である場合、不適であると考えられるか、またはこれらの治療が辞退されない限り、存在するならば、少なくとも1回の先行SOCレジメンを投与される;卵巣癌患者は、少なくとも1ラインの白金ベースの治療を含む少なくとも1回の先行細胞傷害性化学療法レジメンを有する必要がある。患者(卵巣癌を有する者を除く)は、白金含有レジメンの開始から6カ月以内に疾患が進行していなかったことを必要とする。
2. 0~1のEastern Cooperative Oncology Group(「ECOG」)パフォーマンススコア。
3. 十分な臓器機能:
・ 好中球絶対数(「ANC」)≧1500細胞/mm3
・ 血小板≧100,000細胞/mm3
・ ヘモグロビン≧10.0g/dL
・ クレアチンクリアランス(「CLCR」)≧60mL/分ならびに過去4週間にCLCR<60mL/分の記録なし、およびCLCR>25%の変化なし
・ アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(「AST」)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(「ALT」)≦2.5×正常上限(「ULN」);肝臓機能騎乗が肝臓転移による場合には、ASTおよびALT≦5×ULN;
・ 総ビリルビン≦1.5×ULN(ジルベール症候群では≦3×ULN);
【0233】
除外基準:
1. 卵巣患者について:低悪性度の非上皮性腫瘍または卵巣腫瘍(すなわち、ボーダーライン腫瘍)または粘液性腫瘍。
2. 先行抗がん治療からの毒性は、NCI CTCAE<Grade2まで解決されている必要があり(脱毛は除く)、感覚ニューロパシー≦Grade2、または安全性リスクを構成しない他のGrade≦2 Aeは、治験責任医師の判断に基づき許容される。
3. 骨髄異形成症候群(「MDS」)または急性骨髄性白血病(「AML」)と診断されている。
4. 登録の2週間以内の全身治療を必要とする活動性感染。
5. 活動性出血または病的状態が出血の高リスクを含む何らかの状態(例えば、既知の出血性障害、血液凝固障害または主要血管を含む腫瘍病変)。
6. 処置が施されているか、または必要とされている脳転移または活動性軟髄膜疾患が既知であるか、またはその疑いがある。処置が現在施されていない無症候性脳転移は許容される。
7. HIV、AIDS陽性、B型肝炎ウイルス(「HBV」)表面抗原陽性、肝炎ウイルス(「HCV」)RNA陽性、またはCOVID-19ウイルス検査陽性の既知の検査履歴。抗体検査陽性が検出されたが活動性感染を有さず、過去の感染を示している無症候性患者は許容される。
8. 無作為化前の2週間または5半減期以内(いずれか長い方)にP-gp阻害薬、BCRP阻害薬、およびP-gp誘導因子が現在使用されているか、または使用が予期されている。
【0234】
統計的方法
BEを評価するために、混合効果モデルを固定効果としてのシーケンス、期間、および処置ならびに無作為効果としてのシーケンス内参加者と共に使用して、処置期間1および2の最終日に、複数回投薬後の自然対数変換AUC24およびCmaxを分析する。調整済み平均差(テスト-参照)および対応する90%信頼区間の推定値をモデルから得る。調整済み平均差およびその差の90%信頼区間をべき乗して、調整済み幾何平均の比(テスト/参照)およびその比の90%信頼区間の推定値を得る。処置A(絶食条件下で投与された市販の製剤)が参照処置であり、処置B(絶食条件下での提案のタラゾパリブ軟質ゲルカプセル製剤)がテスト処置である。
【0235】
食物効果を評価するために、混合効果モデルを固定効果としてのシーケンスおよび処置ならびに無作為効果としてのシーケンス内参加者と共に使用して、処置BおよびCの最終日に、複数回投薬後の自然対数変換AUC24およびCmaxを分析する。調整済み平均差(テスト-参照)および対応する90%信頼区間の推定値をモデルから得る。調整済み平均差およびその差の90%信頼区間をべき乗して、調整済み幾何平均の比(テスト/参照)およびその比の90%信頼区間の推定値を得る。処置B(絶食条件下での提案のタラゾパリブ軟質ゲルカプセル製剤)が参照処置であり、処置C(高脂肪/高カロリー食と共に与えられる提案のタラゾパリブ軟質ゲルカプセル製剤)がテスト処置である。
【0236】
本明細書で引用された全ての刊行物および特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。上述の発明を多少詳細に、実例および実施例で記載してきたが、本発明の教示を考慮することで、添付の特許請求の範囲の意図および範囲から逸脱することなく、それらに対して一定の変化および変更を行うことができることは当技術分野において通常の技能を有する者には容易に分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】