(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】2つの倍率で見られるヘッドライト拡大鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 23/18 20060101AFI20231114BHJP
G02B 23/02 20060101ALI20231114BHJP
G02B 25/02 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G02B23/18
G02B23/02
G02B25/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527990
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 KR2022007333
(87)【国際公開番号】W WO2022265245
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077721
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523164997
【氏名又は名称】キム,チ チュン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Gi Chun
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】キム,チ チュン
【テーマコード(参考)】
2H039
2H087
【Fターム(参考)】
2H039AA05
2H039AA08
2H039AB22
2H039AB46
2H039AC03
2H087KA16
2H087KA23
2H087LA01
2H087LA11
2H087PA02
2H087PA17
2H087PB02
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA14
2H087QA21
2H087QA34
2H087QA41
2H087RA41
(57)【要約】
本発明は精密な手作業をする時、頭に被って作業部を照明しながら拡大して見るヘッドライト拡大鏡であって、作業者は本発明の使用して楽な姿勢で、よい照明の助けをもらって作業部を2つの倍率で見られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発生し、連結部を含んでいて、その連結部が矢状縫合面と垂直な回転軸を中心にしてヘッドバンドとヒンジ結合し、その連結部の外周面に3つの係止突起があって2つの谷間が形成される光源と、
前記回転軸を中心にして光源の連結部とヒンジ結合し、前記ヒンジ結合近くで第1拡大鏡と結合して、着用者の頭に着用されるヘッドバンドと、
前記ヘッドバンドによって支持され、前記光源の連結部の外周面に接触する突起を含むストッパーと、
対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸とが48度で交差され、前記接眼レンズの光軸が着用者の眼球の中心を通過して、ヘッドバンドに結合される第1拡大鏡と、
前記第1拡大鏡の下部分に結合され、対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸が一致し、前記光軸が着用者の眼球の中心を通過する第2拡大鏡を含み、
前記光源が連結部の係止突起の谷間と谷間の間で一ピッチを回転する時光源が照明する地点が、作業者が他の倍率の拡大鏡を見るために頭を回転させる角度に作業距離を乗じた円弧の長さ、すなわち、離隔距離だけ移動することを特徴とする、ヘッドライト拡大鏡。
【請求項2】
光を発生し、連結部を含んでいて、その連結部が矢状縫合面と垂直な回転軸を中心にしてヘッドバンドとヒンジ結合し、その連結部の外周面に3つの係止突起があって2つの谷間が形成される光源と、
前記回転軸を中心にして光源の連結部とヒンジ結合し、前記ヒンジ結合近くで第1拡大鏡と結合して、着用者の頭に着用されるヘッドバンドと、
前記ヘッドバンドによって支持され、前記光源の連結部の外周面に接触する突起を含むストッパーと、
対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸とが48度で交差され、前記接眼レンズの光軸が着用者の眼球の中心を通過して、ヘッドバンドに結合される第1拡大鏡と、
前記ヘッドバンドに結合され、対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸が一致し、前記光軸が着用者の眼球の中心を通過する第2拡大鏡を含み、
前記光源が連結部の係止突起の谷間と谷間の間で一ピッチを回転する時光源が照明する地点が、作業者が他の倍率の拡大鏡を見るために頭を回転させる角度に作業距離を乗じた円弧の長さ、すなわち、離隔距離だけ移動することを特徴とする、ヘッドライト拡大鏡。
【請求項3】
前記第2拡大鏡は単一のレンズであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のヘッドライト拡大鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は精密な手作業をする時、頭に被って作業部を照明しながら拡大して見るヘッドライト拡大鏡であって、例えば、医者が患者を診たり手術する時に患部を照明しながら患部を拡大して見るヘッドライト拡大鏡に関する
【背景技術】
【0002】
精密な手作業を遂行する時は、次の2つの条件が重要である。一つ目は作業部を照明する適切な照明で、二つ目は作業部を拡大して見られる拡大鏡が必要である。前記照明中、作業者の頭に着用する照明をヘッドライトといい、普通、このようなヘッドライトには拡大鏡が付いていて作業部を拡大して見られる製品がたくさんある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来はこのようなヘッドライト拡大鏡の拡大鏡が単一の倍率のみに拡大することができたので、その効用性が落ちた。場合によっては、拡大鏡2つを組み合わせて2つの倍率で見られるヘッドライト拡大鏡があったが、2つの拡大鏡の接眼レンズの光軸がなす角度が大きすぎて人間の視野角を脱するところだったので、作業者が瞳のみを動かして前記2つの拡大鏡を見られない短所があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような問題点を解決するために、本発明は光源と、2つの異なる倍率の拡大鏡を組み合わせることにあたって、2つの倍率の拡大鏡のうち、一つ目の拡大鏡を接眼レンズの光軸と対物レンズの光軸が交差する拡大鏡にし、前記一つ目の拡大鏡の接眼レンズの光軸を眼球の中心を通過する水平面近くに位置させ、二つ目の拡大鏡は接眼レンズの光軸と対物レンズの光軸が一致する拡大鏡にし、前記二つ目の拡大鏡の接眼レンズの光軸を着用者の視野角以内で楽な角度になるように配置させ、前記光源が作業者の矢状縫合面上に位置し、前記矢状縫合面上で回転できるように配置して前記光源の角度を調節することによって前記2つの倍率の拡大鏡を通じて見る視野を全て照明できるようにする。
【発明の効果】
【0005】
このようなヘッドライト拡大鏡は、着用者が2つの倍率の拡大鏡の全てを楽な角度で見ることができ、光源が前記2つの拡大鏡視野を全て照明することができて、着用者は充分明るい照度下で2つの倍率で作業部を見られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明が提示する相異なる倍率の2つの拡大鏡が装着されたヘッドライトを頭に着用した状態を示す斜視図である。
【
図2】前記相異なる倍率の2つの拡大鏡が装着されたヘッドライト拡大鏡のうち、拡大鏡が装着された部分を拡大した斜視図である。
【
図3】前記相異なる倍率の2つの拡大鏡のうち、第1拡大鏡の光学要素のみを示す側面図である。
【
図4】前記相異なる倍率の2つの拡大鏡が装着されたヘッドライト拡大鏡の内部構造を見るために矢状縫合面で切った断面図である。
【
図5】着用者が前記相異なる倍率の2つの拡大鏡が装着されたヘッドライトを着用して第1拡大鏡を通じて作業部を見る状態を示す側面図である。
【
図6】着用者が前記相異なる倍率の2つの拡大鏡が装着されたヘッドライトを着用して第2拡大鏡を通じて作業部を見る状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は最良の形態として、光を発生し、連結部を含んでいて、その連結部が矢状縫合面と垂直な回転軸を中心にしてヘッドバンドとヒンジ結合し、その連結部の外周面に3つの係止突起があって2つの谷間が形成される光源と;前記回転軸を中心にして光源の連結部とヒンジ結合し、前記ヒンジ結合近くで第1拡大鏡と結合して、着用者の頭に着用されるヘッドバンドと;前記ヘッドバンドによって支持され、前記光源の連結部の外周面に接触する突起を含むストッパーと;対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸とが48度で交差され、前記接眼レンズの光軸が着用者の眼球の中心を通過して、ヘッドバンドに結合される第1拡大鏡と;前記第1拡大鏡の下部分に結合され、対物レンズの光軸と接眼レンズの光軸が一致し、前記光軸が着用者の眼球の中心を通過する第2拡大鏡を含み;前記光源が連結部の係止突起の谷間と谷間の間で一ピッチを回転する時光源が照明する地点が、作業者が他の倍率の拡大鏡を見るために頭を回転させる角度に作業距離を乗じた円弧の長さ、すなわち、離隔距離だけ移動することを特徴とするヘッドライト拡大鏡を提示する。
【0008】
(発明を実施するための形態)
以下では、図面を参考して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0009】
先ず、
図1、
図2、
図4、
図5、
図6を参考して光源を説明する。光源1は光を発生し、反射鏡12で光を集めて作業部0を照明する。もちろん、反射鏡の代わりにレンズを使って光を集めることも可能である。この時、作業部は作業者によって異なるが、医者の場合、大体30センチメートルから50センチメートルの間で作業者ごとに最も楽な作業距離が存在して、その作業距離上の所定の面積を意味する。光源連結部11は光源の上方に突出されていて、矢状縫合面上に垂直した回転軸112を持つ平たい円柱状でなっていて、ヘッドバンド2とヒンジ結合する。光源連結部11の外周面には係止突起111が3つ突出されていて、3つの係止突起の間には第1谷間113と第2谷間114がある。このような光源連結部11はストッパー22の突起221と当接して滑る。このような光源1が回転軸112を中心にして回転運動する時、光源連結部に突出された3つの係止突起111の間の2つの谷間にストッパー22の突起221が位置する時、安定的に停止することができて、その回転が二回断続的に中断される。具体的に言うと、
図4において、ストッパーの突起221は第2谷間114と接触されていて、この時は光源1が作業距離に該当する第2拡大鏡の視野を照明するようになり、もし光源1が時計回りに回転してストッパーの突起221が第1谷間113と接触すれば、光源は第1拡大鏡3の対物レンズ34が向かう作業距離にある作業部0を照明することができる。
【0010】
ヘッドバンド2は作業者の頭に着用される部分で光源連結部11とヒンジ結合し、額と脳天を経て、後頭部までつながる「C」字形ヘッドバンドである。本発明では「C」字形ヘッドバンドを例えているが、頭に着用することができるバンドであれば、どんな形態のヘッドバンドでも構わない。ただ、光源連結部11とヘッドバンドが矢状縫合面と垂直の回転軸112を中心にしてヒンジ結合し、光源連結部とヘッドバンドの間にストッパー22があって光源1が矢状縫合面上で回転する時、その回転運動を一時的に停止させることができるという点が本発明で重要な要素になる。ストッパー22は上下に長く、前後に平たく、左右に一定幅を持つ、弾性のある部品として上下端の裏側でヘッドバンドに接触して支持される。このようなストッパーを二端化すれば上下端に支持点があって、光源連結部11と接触する中央部に集中的に荷重を受ける単純梁の形態と見られる。このようなストッパー22は光源連結部11が回転する時、係止突起111の一つによって集中的に荷重を受けて垂れが発生し、前記係止突起が突起221を超えることがある。すなわち、突起221は係止突起111の第1谷間と第2谷間部分にのみ安定的に停止することができる。
【0011】
以下では、
図3、
図4、
図5を参考して第1拡大鏡3を説明する。第1拡大鏡は左/右に一対のケプラー式望遠鏡と前記一対のケプラー式望遠鏡を支持する第1拡大鏡フレーム37で構成される。前記ケプラー式望遠鏡は対物レンズ34と接眼レンズ35との間に正立プリズム36が加えられた形態で、前記対物レンズの光軸32と接眼レンズの光軸33は48度をなす。第1拡大鏡フレーム37はヘッドバンド2のヒンジ結合部近くの下方にヘッドバンドと結合される。この時、第1拡大鏡の接眼レンズ35の光軸33は作業者の眼球の中心51を経て大体水平であり、対物レンズ34の光軸32は作業部0を通過する。このようなヘッドライト拡大鏡を着用した作業者が第1拡大鏡接眼レンズ35を見ると、対物レンズ34が向かうほぼ48度下方の作業部0が見られる。より正確には、前記対物レンズの光軸32と接眼レンズの光軸33が交差される地点が作業者の目5より前方にあるので、作業者の目5を基準にすれば実際に作業部0は作業者の眼球の中心を基準にして48度より若干小さい角度で作業距離にあるようになって、この作業部0が見られる。この時、ストッパーの突起221は第1谷間113と接触していて、光源1は第1拡大鏡の対物レンズの光軸32上作業部0に向かっていて、作業者は明るい照度で作業部が見られる。
【0012】
以下では、
図2、
図4、そして
図5を参考にして第2拡大鏡4を説明する。第2拡大鏡は、対物レンズ43と接眼レンズ44の光軸42は一直線上にある。第2拡大鏡の接眼レンズの光軸42は作業者の眼球の中心51を通過する。このような第2拡大鏡4は第2拡大鏡支持台45を通じて第1拡大鏡の正立プリズム36がある付近で第1拡大鏡3と結合する。本実施例では、第2拡大鏡の支持台45が第1拡大鏡と結合することを例えているが、他の実施例も可能である。すなわち、第2拡大鏡の支持台45をヘッドバンド2に直接結合させることもできる。重要なのは第2拡大鏡の接眼レンズ44の光軸42が着用者の眼球の中心51を通過し、第2拡大鏡の光軸が着用者の眼球が楽に見下ろすことができる角度で配置され、また、第1拡大鏡によって視野の干渉が起きない場所に位置すればよい。また、本実施例では第2拡大鏡が対物レンズと接眼レンズを持つ望遠鏡形態の場合を例えているが、場合によっては、単一レンズからなる拡大鏡または縮小鏡であってもよい。もちろん、ケプラー式望遠鏡に2つのプリズムを利用して対物レンズと接眼レンズの光軸をほぼ一致させた望遠鏡であってもよい。この時も第2拡大鏡の接眼レンズの光軸が眼球の中心付近を通過すればよい。また、本実施例に戻って説明すれば、第1拡大鏡3の接眼レンズ35の光軸33と、第2拡大鏡4の接眼レンズ44の光軸42がなす角を「A」とし、第2拡大鏡4の光軸42と、眼球の中心51から作業部0につながる線がなす角を「B」とすれば、作業者は角度「A」の分眼球を下に回転させ、同時に作業者の頭を角度「B」の分回転させれば、作業者は第2拡大鏡を通じて作業部0が見られる。しかし、この時、頭を回転させた角度「B」の分光源1も回転するので、光源の照明する地点は作業部0を通り過ぎて離隔距離dの分離れた地点を照明して、作業者が第2拡大鏡を通して見る視野は暗くなる。これを解決するためには、光源1を回転軸112を中心にして時計回りに離隔距離dに該当する角度の分回転させれば、前記光源が第2拡大鏡の視野にある作業部0を照らすことができる。この角度は光源1が回転軸112を中心にして連結部11の係止突起l11一ピッチ、すなわち、第1谷間113と第2谷間114までの角度と一致されるようにする。
【0013】
以下では、本発明が提示するヘッドライト拡大鏡の作動について説明する。
図5を参考すれば、先ず、作業者が本発明で提示するヘッドライト拡大鏡を着用して第1拡大鏡3の接眼レンズ35を通して作業部0を見る。この時、光源1は作業部0に向かっている。もし、作業者が第2拡大鏡で作業部が見たい時は、眼球5を眼球の中心51を基準にして角度「A」の分反時計回りに回転して瞳孔が第2拡大鏡の接眼レンズに向けるようにし、頭を反時計回りに「B」の分回転すれば作業部0が第2拡大鏡の視野に入ってくる。この時、光源1を回転軸112を基準にして時計回りに連結部11の係止突起111一ピッチの分回転させると、ストッパーの突起221が第1谷間113から第2谷間114に移動し、光源は作業部0を照明するようになって明るい照度で作業部0が見られる。また、作業者が第1拡大鏡を通して作業部0が見たい時は、眼球5を眼球の中心51を基準にして角度「A」の分時計回りに回転させ、作業者の頭を角度「B」の分時計回りに回転させ、光源1を回転軸112を基準にして反時計回りに連結部の係止突起111一ピッチの分回転させればよい。過去(2020年12月1日)、本出願人は韓国特許出願番号第10‐2020‐0165653号の明細書にて第1拡大鏡3の接眼レンズの光軸33と第2拡大鏡4の接眼レンズの光軸42がなす角度、すなわち「A」を「B」ぐらいにもっと大きくして、作業者が頭を回転せずに眼球のみを回転して第2拡大鏡を通して作業部が見られる実施例を例示した。しかし、このような発明は第2拡大鏡があまりにも下方に向かっていて目がとても不便であった。本発明はこのような点を改善して第2拡大鏡を眼球が楽に見られる角度内に配置して、一つのヘッドライト拡大鏡視ステムで2つの倍率を楽に見られるようにする。
【0014】
A:第1拡大鏡の接眼レンズの光軸と第2拡大鏡の接眼レンズがなす光軸がなす角度。
【0015】
B:第2拡大鏡4の光軸42と、眼球の中心51から第1拡大鏡対物レンズ34が向かう光軸32と作業距離が一致する一地点、すなわち、
図5から作業部0までをつなぐ線がなす角度。
【0016】
離隔距離d:頭が角度Bの分回転することによって、光源が回転して光源が光を照らす地点が作業距離上で移動する距離、d(円弧の長さ)=作業距離×角B
【0017】
作業距離:作業者の眼球の中心から作業者が見ようとする地点までの距離、本実施例では作業者の眼球の中心から、光源軸12と第1拡大鏡光軸32が交差される点までの距離を作業距離と一致させた例である。
【0018】
以上で説明した本発明は、発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって本発明の技術的思想を脱しない範囲内で様々な置換変形及び変更が可能であるため、前述した実施例及び添付の図面に限定されるものではない。
【国際調査報告】