(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】発破孔内の水深及び爆発物深さを決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F42D 1/10 20060101AFI20231114BHJP
E21C 37/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
F42D1/10
E21C37/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528156
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 AU2021051320
(87)【国際公開番号】W WO2022099356
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523031297
【氏名又は名称】ダイノ・ノーベル・アジア・パシフィック・プロプライエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Dyno Nobel Asia Pacific Pty Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】テリー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ,ジョン
【テーマコード(参考)】
2D065
【Fターム(参考)】
2D065EA27
2D065GA01
(57)【要約】
発破孔を浸漬して装填し、発破孔における水深及び爆発物深さを決定するための爆発物送達システム。爆発物送達システムは、爆発物を貯蔵するように構成される第1のリザーバと、送達装置リールであって、送達装置が送達装置リールに格納された状態で車両に搭載された送達装置リールとを伴う車両を含む。送達装置は、送達装置の近位端から遠位端まで送達装置の長さにわたって延在する中央孔と、遠位端に配置された出口とを有する。爆発物送達装置は、送達装置の出口から爆発物を送達するように構成される。送達装置は、送達装置の外面に配置されて送達装置に沿って分散される複数のレベルセンサを含む。レベルセンサのそれぞれは、それが水中に配置される又は空気中に配置される又は爆発物中に配置されるかどうかを決定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と、
前記車両に搭載された爆発物を貯蔵するように構成された第1のリザーバと、
前記車両に搭載された送達ホースリールと、
送達ホースであって、該送達ホースの近位端から遠位端まで前記送達ホースの長さにわたって延在する中央孔と、前記遠位端に配置される出口とを有し、前記送達ホースの前記出口から前記爆発物を送達するように構成されるとともに、前記送達ホースリールに格納される送達ホースと、
前記送達ホースの外面に配置され、前記送達ホースに沿って分散される複数のレベルセンサと、を備え、
前記レベルセンサのそれぞれは、前記センサが水中に配置される又は空気中に配置される又は爆発物中に配置されるかを決定するように構成される、爆発物送達システム。
【請求項2】
前記車両に搭載されて増感剤を貯蔵するように構成される第2のリザーバを更に備え、
前記第1のリザーバの内での前記爆発物がエマルジョンである、請求項1に記載の爆発物送達システム。
【請求項3】
前記車両に搭載される第3のリザーバ及び第4のリザーバを更に備え、
前記第3のリザーバが硝酸アンモニウムプリルを貯蔵するように構成され、前記第4のリザーバがディーゼル燃料を貯蔵するように構成される、請求項1又は請求項2に記載の爆発物送達システム。
【請求項4】
前記複数のレベルセンサは、キャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサのそれぞれの所定の周囲領域のキャパシタンス及びコンダクタンスを検出するように構成されるキャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項5】
前記複数のキャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサのそれぞれは、前記送達ホースの前記外面に配置される一対の金属板を備える、請求項4に記載の爆発物送達システム。
【請求項6】
前記複数のレベルセンサと通信するように構成される通信媒体を更に備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項7】
前記通信媒体は、無線ネットワークを介して前記複数のレベルセンサと通信する、請求項6に記載の爆発物送達システム。
【請求項8】
前記通信媒体は、前記複数のレベルセンサに配線で接続されている、請求項6に記載の爆発物送達システム。
【請求項9】
前記通信媒体は、前記送達ホースの側壁の内部に配置される、請求項6に記載の爆発物送達システム。
【請求項10】
前記複数のレベルセンサは、前記送達ホースに沿って互いに等しく又は可変に離間している、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項11】
前記複数のレベルセンサがレベルセンサの複数のサブセットを備え、レベルセンサの第1のサブセットは、発破孔に挿入されるように構成される前記送達ホースの前記遠位端に配置され、前記レベルセンサは、前記送達ホースに沿って第1の所定距離だけ互いに離間している、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項12】
前記複数のレベルセンサは、前記レベルセンサの第1のサブセットよりも前記送達ホースの前記遠位端から離れて配置されるレベルセンサの第2のサブセットを備え、前記レベルセンサの第2のサブセットにおける前記レベルセンサは、前記送達ホースに沿って第2の所定距離だけ互いに離間して、前記第1の所定距離が前記第2の所定距離とは異なる、請求項11に記載の爆発物送達システム。
【請求項13】
前記第1の所定距離は、前記第2の所定距離よりも小さい、請求項12に記載の爆発物送達システム。
【請求項14】
発破孔の内での起爆装置の存在を検出するように構成される誘引センサを更に備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項15】
前記誘引センサは、前記発破孔の内での前記起爆装置に配置された無線可読タグの存在を検出するように構成される無線リーダである、請求項14に記載の爆発物送達システム。
【請求項16】
発破孔の寸法を受け取るか又は決定し、
前記送達ホースリールからの前記送達ホースの繰り出しを制御して前記発破孔の内への前記送達ホースの挿入速度を制御し、
前記送達ホースリールからの前記送達ホースの前記遠位端の距離を決定するための処理回路を更に備える、請求項1に記載の爆発物送達システム。
【請求項17】
前記処理回路は、
前記複数のレベルセンサのそれぞれによって決定されるキャパシタンス及びコンダクタンスと、前記爆発物を前記発破孔の内に送達する前の前記送達ホースリールからの前記送達ホースの前記遠位端の距離とに基づいて、前記発破孔の内での水の高さを決定するように構成される、請求項16に記載の爆発物送達システム。
【請求項18】
前記処理回路は、
前記発破孔の内への爆発物の流量を制御し、
前記爆発物が所定の速度で前記発破孔の内に送達されるときに前記送達ホースを前記発破孔から後退させて前記送達ホースを前記送達ホースリールに巻き取るように更に構成される、請求項16に記載の爆発物送達システム。
【請求項19】
前記処理回路は、
前記複数のレベルセンサのそれぞれによって決定されるキャパシタンス及びコンダクタンスと、前記送達ホースリールからの前記送達ホースの前記遠位端の距離と、前記発破孔の寸法とに基づいて、前記発破孔の内での前記爆発物の高さ及び体積を決定し、
前記爆発物が該爆発物の流量と一致する速度で発破孔を装填しているかどうかを決定するように構成される、請求項18に記載の爆発物送達システム。
【請求項20】
前記処理回路は、
前記複数のレベルセンサのうちの隣接するレベルセンサ間の前記爆発物の高さを維持する速度で前記送達ホースを前記発破孔から後退させるように構成される、請求項18に記載の爆発物送達システム。
【請求項21】
前記車両は、自律的である、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項22】
前記車両は、オペレータによって制御される、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の爆発物送達システム。
【請求項23】
前記オペレータは、前記車両を遠隔的に制御する、請求項22に記載の爆発物送達システム。
【請求項24】
発破孔の内での水又は爆発物の存在を検出するためのセンサシステムであって、
発破孔の内に挿入されるように構成される伸長部材と、前記伸長部材に沿って分散される複数のレベルセンサとを備え、
前記レベルセンサのそれぞれは、前記レベルセンサが水中に配置される又は空気中に配置される又は爆発物中に配置されるかを決定するために各レベルセンサの所定の周囲領域のキャパシタンス及びコンダクタンスを検出するように構成される、センサシステム。
【請求項25】
前記伸長部材は、ケーブルである、請求項24に記載のセンサシステム。
【請求項26】
前記ケーブルは、前記発破孔に挿入される前記ケーブルの遠位端にウエイトを備える、請求項25に記載のセンサシステム。
【請求項27】
前記伸長部材は、前記発破孔にエマルジョンを送達するように構成される送達ホースであり、
前記複数のレベルセンサは、前記送達ホースの外面に沿って配置される、請求項24から請求項26のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項28】
前記複数のレベルセンサは、キャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサ、並びにコンボセンサのうちの1つ以上である、請求項24から請求項27のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項29】
前記複数のレベルセンサは、各レベルセンサの前記所定の周囲領域の前記キャパシタンス及び前記コンダクタンスを検出するコンボセンサである、請求項24から請求項27のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項30】
前記複数のコンボセンサのそれぞれは、前記伸長部材の外面に配置される一対の金属板を備える、請求項29に記載のセンサシステム。
【請求項31】
前記複数のレベルセンサと通信するように構成される通信媒体を更に備える、請求項24から請求項30のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項32】
前記通信媒体は、無線ネットワークを介して前記レベルセンサと通信する、請求項31に記載のセンサシステム。
【請求項33】
前記複数のレベルセンサのそれぞれは、検出されたキャパシタンス及びコンダクタンスをある期間にわたって前記通信媒体に無線で送信するための送信機を備える、請求項32に記載のセンサシステム。
【請求項34】
前記通信媒体は、前記複数のレベルセンサに配線で接続される、請求項31に記載のセンサシステム。
【請求項35】
前記通信媒体は、前記伸長部材内に配置される、請求項32から請求項34のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項36】
前記複数のレベルセンサは、前記伸長部材に沿って互いに離間している、請求項24から請求項35のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項37】
前記複数のレベルセンサは、レベルセンサの複数のサブセットを備え、レベルセンサの第1のサブセットは、前記発破孔の内に挿入されるように構成される前記伸長部材の遠位端に配置され、前記レベルセンサは、前記伸長部材に沿って第1の所定距離だけ互いに離間している、請求項24に記載のセンサシステム。
【請求項38】
前記複数のレベルセンサは、前記レベルセンサの第1のサブセットよりも前記伸長部材の前記遠位端から離れて配置されるレベルセンサの第2のサブセットを備え、前記レベルセンサの第2のサブセットにおける前記レベルセンサは、前記伸長部材に沿って第2の所定距離だけ互いに離間して、前記第1の所定距離が前記第2の所定距離とは異なる、請求項37に記載のセンサシステム。
【請求項39】
前記第1の所定距離は、前記第2の所定距離よりも小さい、請求項38に記載のセンサシステム。
【請求項40】
前記発破孔の内での起爆装置の存在を検出するように構成される誘引センサを更に備える、請求項24から請求項39のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項41】
前記誘引センサは、前記発破孔の内にある前記起爆装置に配置される無線タグの存在を検出するように構成される無線リーダである、請求項40に記載のセンサシステム。
【請求項42】
前記複数のレベルセンサのそれぞれによって決定されるキャパシタンス及びコンダクタンスに基づいて前記発破孔の内での水の高さを決定するための処理回路を更に備える、請求項24から請求項41のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項43】
爆発物送達装置であって、
側壁と、
前記爆発物送達装置の近位端から遠位端まで前記爆発物送達装置の長さにわたって延在する中央孔と、
前記爆発物送達装置の前記遠位端に配置される出口と、
前記爆発物送達装置の外面に配置され、前記爆発物送達装置に沿って分散される複数のレベルセンサであって、前記レベルセンサのそれぞれが、前記センサが水中に配置される又は空気中に配置される又は爆発物中に配置されるかを決定するように構成される、複数のレベルセンサと、
前記爆発物送達装置に結合される通信媒体と、を備え、
前記通信媒体は、前記複数のレベルセンサと通信するように構成される、爆発物送達装置。
【請求項44】
前記通信媒体は、前記爆発物送達装置の側壁の内部に配置される、請求項43に記載の爆発物送達装置。
【請求項45】
前記爆発物送達装置の前記側壁に配置され、前記爆発物送達装置の前記中央孔に増感剤を送達するように構成される導管を更に備える、請求項44に記載の爆発物送達装置。
【請求項46】
前記爆発物送達装置の前記遠位端に配置されたホースヘッドを更に備える、請求項43から請求項45のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項47】
前記複数のレベルセンサは、それぞれのキャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサの所定の周囲領域のキャパシタンス及びコンダクタンスを検出するように構成されるキャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサを含む、請求項43から請求項46のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項48】
前記複数のキャパシタンスセンサ及びコンダクタンスセンサのそれぞれは、前記爆発物送達装置の前記外面に配置される一対の金属板を備える、請求項47に記載の爆発物送達装置。
【請求項49】
前記通信媒体は、無線ネットワークを介して前記複数のレベルセンサと通信する、請求項43から請求項48のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項50】
前記通信媒体は、前記複数のレベルセンサに配線で接続される、請求項43から請求項49のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項51】
前記複数のレベルセンサは、前記爆発物送達装置に沿って互いに離間している、請求項43から請求項50のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項52】
前記複数のレベルセンサは、レベルセンサの複数のサブセットを備え、レベルセンサの第1のサブセットは、発破孔に挿入されるように構成される前記爆発物送達装置の遠位端に配置され、前記レベルセンサは、前記爆発物送達装置に沿って互いに第1の所定距離だけ離間している、請求項43から請求項51のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項53】
前記複数のレベルセンサは、前記レベルセンサの第1のサブセットよりも前記爆発物送達装置の前記遠位端から離れて配置されるレベルセンサの第2のサブセットを備え、前記レベルセンサの第2のサブセットにおける前記レベルセンサは、前記爆発物送達装置に沿って第2の所定距離だけ互いに離間して、前記第1の所定距離が前記第2の所定距離とは異なる、請求項52に記載の爆発物送達装置。
【請求項54】
前記第1の所定距離は、前記第2の所定距離よりも小さい、請求項53に記載の爆発物送達装置。
【請求項55】
発破孔の内での起爆装置の存在を検出するように構成される誘引センサを更に備える、請求項43から請求項54のいずれか1項に記載の爆発物送達装置。
【請求項56】
前記誘引センサは、発破孔の内にある起爆装置に配置された無線タグの存在を検出するように構成される無線リーダである、請求項55に記載の爆発物送達装置。
【請求項57】
第1の車両を発破孔の近傍に配置するステップを含み、前記第1の車両は、
送達ホースリールに格納された送達ホースを前記送達ホースリールから繰り出すステップであって、前記送達ホースリールが前記車両に搭載される、ステップと、
別個の浸漬ステップを実施することなく前記送達ホースを前記発破孔の内に挿入して、前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、
前記送達ホースの外面に沿って配置される複数のセンサによって前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、
前記送達ホースを介して前記発破孔の内に爆発物を装填するステップと、を含む、発破孔を浸漬し、誘引して、装填する、方法。
【請求項58】
前記車両は、
前記車両に搭載されたエマルジョンを貯蔵するように構成される第1のリザーバと、
前記車両に搭載された増感剤を貯蔵するように構成される第2のリザーバと、
硝酸アンモニウムプリルを貯蔵するように構成される第3のリザーバと、
ディーゼル燃料を貯蔵するように構成される第4のリザーバと、を備え、
前記車両は、前記エマルジョンと前記増感剤との混合物又は前記硝酸アンモニウムプリルと前記ディーゼル燃料との混合物のいずれかである前記爆発物を混合するように構成され、
前記送達ホースは、前記送達ホースの中央孔を通じて前記送達ホースの出口から前記爆発物を送達するように構成される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
水が前記発破孔の内で検出される場合に前記発破孔の内に送達される前記爆発物の種類を変更するステップを更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
水が前記発破孔の内で検出される場合に前記増感剤で増感された前記エマルジョンが前記発破孔の内へ送達される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
水が前記発破孔の内で検出されない場合に前記硝酸アンモニウムプリル及び前記ディーゼル燃料が前記発破孔の内に送達される、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の車両が前記発破孔の近傍にない場合に、前記発破孔に第2の車両を配置するステップと、
別個の浸漬ステップを実施せずに起爆装置を誘引アセンブリで前記発破孔の内に装填して、前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、
前記誘引アセンブリの外面に沿って配置される複数のセンサによって前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、を更に含む、請求項57から請求項61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記第2の車両による前記起爆装置の前記発破孔の内への装填及び前記発破孔の近傍からの離脱が、前記第1の車両を前記発破孔の近傍に配置する前記ステップの前に行なわれる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第2の車両による前記発破孔の内への前記起爆装置の装填及び前記発破孔の近傍からの離脱が、前記第1の車両を前記発破孔の近傍に配置する前記ステップの後に行なわれる、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記送達ホースの遠位端付近に配置された誘引センサで前記起爆装置の存在を検出することによって、前記起爆装置が前記発破孔の内に正しく位置しているかを決定するステップを更に含む、請求項57から請求項64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記誘引センサは、前記発破孔の内にある前記起爆装置に配置された無線タグの存在を検出する無線リーダである、請求項57から請求項65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記送達ホースリールからの前記送達ホースの遠位端の距離を決定するステップを更に含む、請求項57から請求項66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記送達ホースは、前記送達ホースの前記外面に配置されて前記送達ホースに沿って分散される複数のレベルセンサを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記複数のレベルセンサのそれぞれによって決定されたキャパシタンス及びコンダクタンスと、前記爆発物を前記発破孔に装填する前の前記送達ホースリールからの前記送達ホースの前記遠位端の距離とに基づいて、前記発破孔内の水の高さを決定するステップを更に含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記複数のレベルセンサのそれぞれによって決定されたキャパシタンス及びコンダクタンスと、前記送達ホースリールからの前記送達ホースの前記遠位端の距離と、前記発破孔の寸法とに基づいて、前記発破孔の内での前記爆発物の高さ及び体積を決定するステップと、
前記爆発物が該爆発物の流量と一致する速度で前記発破孔を装填しているかどうかを決定するステップと、を更に含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記爆発物が所定の速度で前記発破孔に装填されるときに前記発破孔から前記送達ホースを後退させて前記送達ホースを前記送達ホースリールに巻き取るステップを更に含む、請求項57から請求項70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記複数のレベルセンサのうちの隣接するレベルセンサ間の前記爆発物の高さを維持する速度で前記送達ホースを前記発破孔から後退させるステップを更に含む、請求項57から請求項71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記車両は、自律的である、請求項57から請求項72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記車両は、オペレータによって制御される、請求項57から請求項73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記オペレータは、前記車両を遠隔的に制御する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
爆発物を発破孔に送達するためのシステムであって、
前記爆発物を送達するように構成される送達装置と、
前記送達装置の遠位端に配置されたノズルと、
前記発破孔における1つ以上のパラメータに関するデータを収集する1つ以上のセンサと、
前記爆発物の前記発破孔の内への装填を制御する処理回路と、を備え、
前記処理回路は、前記1つ以上のセンサから収集された前記データに基づいて前記爆発物の1つ以上のパラメータを変化させる、システム。
【請求項77】
前記パラメータのうちの1つがpHである、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記パラメータのうちの1つが温度である、請求項76に記載のシステム。
【請求項79】
前記パラメータのうちの1つが前記爆発物の密度である、請求項76に記載のシステム。
【請求項80】
前記1つ以上のセンサは、前記送達装置に沿って軸方向で離間される複数のレベルセンサを含み、
前記レベルセンサのそれぞれは、前記センサが水中に配置される又は空気中に配置される又は爆発物中に配置されるかを決定するように構成される、請求項76に記載のシステム。
【請求項81】
前記1つ以上のセンサは、前記ノズルに配置される、請求項76に記載のシステム。
【請求項82】
爆発物を発破孔に装填する方法であって、
別個の浸漬ステップを実施せずに送達ホースを前記発破孔に挿入して、前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、
前記送達ホースの一部に沿って配置される第1の複数のレベルセンサによって前記発破孔の内での任意の水のレベルを決定するステップと、
前記送達ホースを介して爆発物を前記発破孔に装填するステップと、
前記送達ホースの前記遠位端に配置された1つ以上のパラメータセンサを介して前記発破孔における1つ以上のパラメータに関するデータを収集するステップと、を含む方法。
【請求項83】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータがpHを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータが温度を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータが前記爆発物の密度を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記1つ以上のパラメータセンサから収集された前記データに基づいて前記爆発物の1つ以上のパラメータを変化させるステップを更に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
前記爆発物の密度は、前記1つ以上のパラメータセンサから収集された前記データに基づいて調整される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記1つ以上のパラメータセンサは、前記送達ホースのノズルに配置される、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
爆発物を発破孔に装填する方法であって、
前記発破孔の内に送達ホースを挿入するステップであって、前記送達ホースが該送達ホースの遠位端に配置された1つ以上のセンサを備えるステップと、
前記1つ以上のパラメータセンサを用いて前記発破孔における1つ以上のパラメータを感知するステップと、
前記1つ以上のパラメータセンサによって検知された前記1つ以上のパラメータに応じて前記爆発物のパラメータを調整するステップと、を含む方法。
【請求項90】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータがpHを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータが温度を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記発破孔における前記1つ以上のパラメータが前記爆発物の密度を含む、請求項89に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、その全体が参照により本願に組み入れられる、2020年11月10日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING WATER DEPTH AND EXPLOSIVE DEPTH IN BLASTHOLES」と題するオーストラリア仮特許出願第2020904099号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、爆発物の分野に関する。より具体的には、本開示は、発破孔内の水深及び爆発物深さを決定するためのシステム及び方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に書かれた開示内容は、非限定的かつ非網羅的な実施形態の例示を記載する。図に示される特定のそのような実施形態の例示について言及される。
【
図1】本開示の一実施形態に係る爆発物を発破孔内に送達するための送達装置を含む爆発物送達システムを備えた移動式処理ユニットの一実施形態の側面図を示す。
【
図2A】本開示の一実施形態に係る送達装置の外面に沿って配置された複数のレベルセンサを有する
図1の送達装置の詳細な側面図を示す。
【
図2B】本開示の他の実施形態に係る送達装置の遠位端付近に配置された複数のレベルセンサを有する送達装置の詳細な側面図を示す。
【
図3A】本開示の一実施形態に係る送達装置に沿って配置された複数のレベルセンサのうちの1つの詳細な正面図を示す。
【
図4】本開示の一実施形態に係る送達装置の外面に沿って配置された複数のレベルセンサを有する送達装置の上面図を示す。
【
図5A】本開示の他の実施形態に係るケーブルの外面に沿って配置された複数のレベルセンサを有する浸漬ケーブルの側面図を示す。
【
図5B】本開示の他の実施形態に係る浸漬ケーブルの遠位端付近に配置された複数のレベルセンサを有する浸漬ケーブルの側面図を示す。
【
図6】外面に沿って配置された複数のレベルセンサと、複数のレベルセンサと通信する通信媒体とを有する本開示の他の実施形態に係る送達装置の側面図を示す。
【
図7】
図6の通信媒体と通信するための送信機を有する複数のレベルセンサのうちの1つの詳細な正面図を示す。
【
図8】本開示の他の実施形態に係る外面に沿って配置された複数のレベルセンサと、複数のレベルセンサと通信する通信媒体とを有するケーブルの側面図を示す。
【
図9】発破孔の深さを決定するとともに発破孔における水の存在及び水位を決定するために発破孔内に下げられて浸漬工程を実行する本開示の一実施形態に係る送達装置を示す。
【
図10】
図9の送達装置の外面に配置される複数のレベルセンサによって収集されたデータのチャートを示す。
【
図11】発破孔内に下げられて発破孔に爆発物を装填する本開示の一実施形態に係る送達装置を示す。
【
図12】
図11の送達装置の外面に配置される複数のレベルセンサによって収集されたデータのチャートを示す。
【
図13】発破孔内に下げられて発破孔に爆発物を装填するとともに部分的に発破孔から後退している本開示の一実施形態に係る送達装置を示す。
【
図14】
図13の送達装置の外面に配置される複数のレベルセンサによって収集されたデータのチャートを示す。
【
図15】本開示の一実施形態に係る発破孔の浸漬及び装填のフローチャートを示す。
【
図16】本開示の一実施形態に係る発破孔の浸漬及び誘引のフローチャートを示す。
【
図17】本開示の一実施形態に係る本明細書に記載の原理の動作を容易にするコンピュータアーキテクチャの一例を示す。
【
図18】本開示の一実施形態に係る送達装置の遠位部分の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
爆発物は、岩石及び鉱石を破壊するための採鉱、採石及び掘削産業において一般的に使用されている。一般に、「発破孔」と呼ばれる孔は、地面などの表面に穿孔される。穿孔プロセス中に複数の発破孔を穿孔することができる。発破孔の穿孔中、発破孔の寸法、例えば、発破孔の深さ、発破孔の直径、発破孔の体積、地面の岩石硬度、並びに発破孔及び周囲の地面の様々な他の寸法及び特性が通常得られる。
【0005】
発破孔が穿孔された後、発破孔が浸漬されてもよい。浸漬は、発破孔の爆破に対する準備状態を確認するプロセスであり、発破孔の深さを確認すること、発破孔の構造的完全性を確認すること、並びに発破孔内の水の存在及びレベルを確認することを含んでもよい。
【0006】
一般に、発破孔が浸漬された後、発破孔が誘引される(baited)。誘引(又はプライミング(priming))は、起爆装置及びブースタを発破孔に装填するプロセスである。
【0007】
一般に、発破孔が誘引された後、発破孔に爆発物が装填される。次いで、様々な異なる種類の爆発物が発破孔に装填されてもよい。爆発物は、例えば、爆発物を発破孔内に圧送することによって、又は爆発物を発破孔内に増強することによってなどの様々な方法によって装填されてもよい。例示的な爆発物は、増感されたエマルジョン爆発物、硝酸アンモニウム/燃料油(ANFO)爆発物、又はそれらの混合物(重質ANFO又は他のANFO混合物を含む)を含んでもよい。水ゲル爆発物も使用することができる。一般に、エマルジョン爆発物は、発破孔に圧送され、ANFO爆発物は、発破孔にオーガーされる(augured)か又は圧送される。
【0008】
エマルジョン爆発物は、一般に、密度が高すぎて完全に爆発することができないエマルジョンマトリックスとして作業現場に輸送される。一般に、エマルジョン爆発物を首尾よく爆発させるために、エマルジョンマトリックスは「増感」される必要がある。増感は、小さな空隙を提供又は生成する増感剤をエマルジョンマトリックスに導入することによって達成されることが多い。これらの空隙は、エマルジョン爆発物の密度を低下させ、爆轟を伝播するためのホットスポットとしても作用する。増感剤は、ガスをエマルジョンマトリックスに吹き込むことによって導入される気泡、中空マイクロスフェア又は他の多孔質媒体、及び/又はエマルジョンマトリックスに注入され、それと反応して気泡を形成する化学ガス発生剤であってもよい。化学ガス処理剤では、一般に、「ガス処理」が完了するまでに一定の時間が必要である。本開示の目的のために、増感剤がエマルジョンマトリックスと完全に混合されると、増感が一定時間にわたって完了しない場合であっても、得られたエマルジョンはエマルジョン爆発物及び増感されたと見なされる。
【0009】
ANFO爆発物は、一般に、燃料油を追加することなく首尾よく爆発しない硝酸アンモニウムプリルとして作業現場に輸送される。重質ANFO又は他のANFO混合物などのANFO爆発物とエマルジョン爆発物の混合物も使用することができる。
【0010】
縦型発破孔の場合、長さに応じて、起爆装置は、発破孔の「先端」とも呼ばれる端部及びエマルジョン爆発物の上端に配置されてもよい。多くの場合、そのような状況では、発破孔の上端は爆発物で装填されず、爆発性ガス及びエネルギーを発破孔の開口端から逃がすのではなく、発破孔を取り囲む材料内に爆発の力を保持しようとするために、「ステミング」と呼ばれる不活性材料で装填される。
【0011】
爆発物を送達するためのシステム及びそれに関連する方法が、本明細書に開示されている。以下で一般的に説明され、本明細書の図面に示される実施形態の構成要素は、多種多様の異なる構成で配置及び設計がなされ得ることが容易に理解されるであろう。したがって、以下に記載され、図に表される様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、様々な実施形態の単なる代表例である。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、特に示されない限り、必ずしも原寸に比例して描かれていない。
【0012】
「結合される」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体的、及び熱的な相互作用を含む、2つ以上の実体間の相互作用の任意の形態を指す。同様に、「流体的に接続される」は、2つ以上の実体間の流体相互作用の任意の形態を指す。2つの実体は、互いに直接接触していなくても、互いに相互作用することができる。例えば、2つの実体は、中間の実態を介して互いに相互作用してもよい。
【0013】
「実質的に」という用語は、本明細書では、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約100%、及び少なくとも約99%を含む、ほぼ98%を意味するために使用される。
【0014】
「近位」という用語は、本明細書では、開示された対象の「付近」又は「その位置」を指すために使用される。例えば、「送達導管の出口の近位」は、送達導管の出口付近又は出口にあることを指す。
【0015】
本明細書に記載の爆発物送達システム及び方法の実施形態及び実装形態は、コンピュータシステムによって実行される機械実行可能命令で実施されてもよい様々なステップを含んでもよい。コンピュータシステムは、1つ以上の汎用の又は専用のコンピュータ(又は他の電子デバイス)を含んでもよい。コンピュータシステムは、ステップを実行するための特定のロジックを含むハードウェア構成要素を含んでもよく、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの組み合わせを含んでもよい。
【0016】
実施形態は、本明細書に記載のプロセスを実行するようにコンピュータシステム又は他の電子デバイスをプログラムするために使用されてもよい命令を格納したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、ハードドライブ、フロッピーディスケット、光ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、ソリッドステートメモリデバイス、又は電子命令を記憶するのに適した他の種類の媒体/コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0017】
コンピュータシステムとコンピュータシステム内のコンピュータとは、ネットワークを介して接続されてもよい。本明細書に記載の構成及び/又は使用に適したネットワークとしては、ワールド・ワイド・ウェブ、プライベートインターネット、セキュアインターネット、付加価値ネットワーク、仮想プライベートネットワーク、エクストラネット、イントラネット、又は更には媒体の物理的搬送によって他のマシンと通信するスタンドアロンマシンなどの、1つ以上のローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、メトロポリタン・エリア・ネットワーク、及び/又はインターネット又はIPネットワークが挙げられる。特に、適切なネットワークは、異なるハードウェア及びネットワーク通信技術を使用するネットワークを含む、2つ以上の他のネットワークの一部又は全体から形成されてもよい。
【0018】
1つの適切なネットワークは、サーバ及び幾つかのクライアントを含み、他の適切なネットワークは、サーバ、クライアント、及び/又はピアツーピアノードの他の組み合わせを含むことができ、所与のコンピュータシステムは、クライアント及びサーバの両方として機能してもよい。各ネットワークは、サーバ及び/又はクライアントなどの少なくとも2つのコンピュータ又はコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、切断可能なモバイルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、クラスタ、いわゆる「ネットワークコンピュータ」又は「シンクライアント」、タブレット、スマートフォン、携帯情報端末、又は他のハンドヘルドコンピューティングデバイス、「スマート」家電機器もしくは機器、医療機器、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0019】
適切なネットワークは、ノベル(登録商標)、マイクロソフト(登録商標)、及び他のベンダから入手可能なソフトウェアなどの通信又はネットワークソフトウェアを含んでもよく、ツイストペア、同軸、又は光ファイバケーブル;電話回線;電波;衛星;マイクロ波リレー;変調されたAC電力線;物理媒体転送;及び/又は当業者に知られている他のデータ送信「ワイヤ」を介してTCP/IP、SPX、IPX、及び他のプロトコルを使用して動作してもよい。ネットワークは、より小さいネットワークを包含してもよく、及び/又はゲートウェイ又は同様の機構を介して他のネットワークに接続可能であってもよい。
【0020】
各コンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリを含み、コンピュータシステムは、様々な入力デバイス及び/又は出力デバイスを含んでもよい。プロセッサは、Intel(登録商標)、AMO(登録商標)、又は他の「既製品」マイクロプロセッサなどの汎用デバイスを含んでもよい。プロセッサは、ASIC、SoC、SiP、FPGA、PAL、PLA、FPLA、PLO、又は他のカスタマイズされたもしくはプログラム可能なデバイスなどの専用処理デバイスを含んでもよい。メモリは、スタティックRAM、ダイナミックRAM、フラッシュメモリ、1つ以上のフリップフロップ、ROM、CD-ROM、ディスク、テープ、磁気、光学、又は別のコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ライトペン、タブレット、マイクロフォン、センサ、又はファームウェア及び/又はソフトウェアを伴う他のハードウェアを含んでもよい。出力デバイスは、モニタもしくは他のディスプレイ、プリンタ、音声もしくはテキスト合成器、スイッチ、信号線、又は付随するファームウェア及び/もしくはソフトウェアを有する他のハードウェアを含んでもよい。
【0021】
コンピュータシステムは、フロッピードライブ、テープドライブ、光学ドライブ、光磁気ドライブ、又は記憶媒体を読み取るための他の手段を使用できてもよい。適切な記憶媒体は、特定の物理的構成を有する磁気、光学、又は他のコンピュータ可読記憶デバイスを含む。適切な記憶デバイスとしては、フロッピーディスク、ハードディスク、テープ、CD-ROM、DVD、PROM、RAM、フラッシュメモリ、及び他のコンピュータシステム記憶デバイスが挙げられる。物理的構成は、コンピュータシステムを本明細書に記載の特定の所定の方法で動作させるデータ及び命令に相当する。
【0022】
本発明の実施を支援する適切なソフトウェアは、本明細書に提示された教示並びにJava、Pascal、C++、C、PHP、.Net、データベース言語、APls、SDK、アセンブリ、ファームウェア、マイクロコード、及び/又は他の言語及びツールなどのプログラミング言語及びツールを使用して、当業者によって容易に提供される。適切な信号フォーマットは、エラー検出及び/又は補正ビット、パケットヘッダ、特定のフォーマットのネットワークアドレス、及び/又は当業者によって容易に提供される他のサポートデータの有無にかかわらず、アナログ又はデジタル形式で具現化することができる。
【0023】
特定の実施形態の態様は、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントとして実装されてもよい。本明細書で使用されるように、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、コンピュータ可読記憶媒体の内に又は上に配置された任意のタイプのコンピュータ命令又はコンピュータ実行可能コードを含んでもよい。ソフトウェアモジュールは、例えば、1つ以上のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などとして編成することができるコンピュータ命令の1つ以上の物理ブロック又は論理ブロックを備えてもよい。特定のソフトウェアモジュールは、コンピュータ可読記憶媒体の異なる場所に記憶された異なる命令を含んでよく、それらは共にモジュールの記載された機能を実装する。実際、モジュールは、単一の命令又は多くの命令を含んでもよく、幾つかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、及び幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたって分散させてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェアモジュールは、ローカル及び/又はリモートのコンピュータ可読記憶媒体に配置されてよい。更に、データベースレコード内で一緒に結合又はレンダリングされているデータは、同じコンピュータ可読記憶媒体に、又は幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたって常駐されてもよく、ネットワークを介してデータベース内のレコードのフィールド内で一緒にリンクされてもよい。一実施形態によれば、データベース管理システム(DBMS)は、ユーザが1つ以上のデータベースと対話することを可能にし、データベースに含まれるデータへのアクセスを提供する。
【0025】
図1は、表面爆破装薬のための爆発物送達システム100を示す。簡潔にするために、本開示は、表面爆破装薬に焦点を当てているが、本開示で説明する爆発物送達システム100は、開発爆破装薬、地下爆破などの多くの異なるタイプの爆破装薬で使用することができる。
【0026】
図1は、爆発物送達システム100を備えた移動式処理ユニット200の一実施形態の側面図である。爆発物送達システム100は、送達ホースなどの送達装置80を含んでもよい。
図1は、移動式処理ユニット200に関連する送達装置80を示しているが、幾つかの実施形態では、送達装置80は車両に関連付けられていない。移動式処理ユニット200は、地下爆破のために地下に行くように構成されてもよい。移動式処理ユニット200は、オペレータによって制御又は操作されてもよい。オペレータは、移動式処理ユニット200のキャビン202から、又は鉱山管制センターなどの遠隔地から移動式処理ユニット200を制御してもよい。幾つかの実施形態では、移動式処理ユニット200は自律型車両である。
【0027】
移動式処理ユニット200は、移動式処理ユニット200に搭載された第1のリザーバ10、第2のリザーバ20、第3のリザーバ30、及びホモジナイザ40を含んでもよい。異なるタイプの爆破装薬は、上に列挙した構成要素の全てではなく一部を使用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1のリザーバ10、第2のリザーバ20、ホモジナイザ40、及びそれらの組み合わせは、任意選択的な構成要素であってもよい。移動式処理ユニット200は、地面50に穿孔された発破孔300の近くに位置又は配置される。簡単にするために、単一の発破孔300が示されているが、複数の発破孔が地面50に穿孔されてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、第1のリザーバ10は、第1のガス化剤(pH制御剤など)を貯蔵するように構成され、第2のリザーバ20は、第2のガス化剤(化学ガス化剤など)を貯蔵するように構成され、第3のリザーバ30は、エマルジョンマトリックスを貯蔵するように構成される。ホモジナイザ40は、エマルジョンマトリックス、第1のガス化剤、及び場合により第2のガス化剤を混合して、実質的に均質化されたエマルジョンマトリックスにするように構成される。例えば、
図1において、第2のガス化剤は、ホモジナイザ40の後に導入されるが、第2のガス化剤はホモジナイザ40の前に導入されてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1のガス化剤はpH制御剤を含む。pH制御剤は酸を含み得る。酸の例には、クエン酸、酢酸、及び酒石酸などの有機酸が含まれるが、これらに限定されない。当技術分野で公知であり、第2のガス発生剤及びガス発生促進剤(存在する場合)と適合する任意のpH制御剤を使用してもよい。pH調整剤は、水溶液に溶解させてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、第2のガス発生剤は、エマルジョンマトリックス中で、存在する場合はガス発生促進剤と反応するように構成された化学ガス発生剤を含む。化学ガス処理剤の例としては、過酸化水素などの過酸化物、亜硝酸ナトリウムなどの無機亜硝酸塩、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソアミン、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素アルカリ金属、及び炭酸ナトリウムを含む炭酸塩などの塩基が挙げられるが、これらに限定されない。当技術分野で公知であり、存在する場合、エマルジョンマトリックス及びガス発生促進剤と適合する任意の化学ガス発生剤が使用されてもよい。化学ガス発生剤は、水溶液に溶解され、第2のリザーバ20に貯留されてもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、第2のリザーバ20は、第2のガス発生剤と混合されたガス発生促進剤を貯蔵するように更に構成される。或いは、ガス発生促進剤は、別個のリザーバに貯蔵されてもよく、又はシステムに存在しなくてもよい。ガス発生促進剤の例としては、チオ尿素、尿素、チオシアネート、ヨージド、シアネート、アセテート、スルホン酸及びその塩、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第1のガス発生剤及び第2のガス発生剤と適合する、当技術分野で公知の任意のガス発生促進剤が使用されてもよい。pH調整剤、化学ガス化剤、ガス化促進剤は、それぞれ水溶液に溶解させてもよい。
【0032】
幾つかの実施形態では、エマルジョンマトリックスは、連続燃料相及び不連続酸化剤相を含む。当技術分野で公知の任意のエマルジョンマトリックス、例えば、非限定的な例として、DynaNobel製のTitan(登録商標)1000Gが使用されてもよい。
【0033】
燃料相の例としては、燃料油、ディーゼル油、蒸留物、ファーネスオイル、灯油、ガソリン、及びナフサなどの液体燃料が含まれる。マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、スラックワックス等のワックス;パラフィン油、ベンゼン油、トルエン油、キシレン油等の油類;アスファルト材料;オレフィンの低分子量ポリマーなどのポリマー油;魚油などの動物油、及び他の鉱物油、炭化水素油、又は脂肪油;及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤相及び乳化剤(存在する場合)と適合する、当技術分野で公知の任意の燃料相が使用されてもよい。
【0034】
エマルジョンマトリックスは、増感生成物の酸素含有量の少なくとも約95%、少なくとも約96%、又は少なくとも約97%を提供してもよい。
【0035】
酸化剤相の例としては、酸素放出塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸素放出塩の例としては、アルカリ及びアルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩素酸塩、アルカリ及びアルカリ土類金属過塩素酸塩、硝酸アンモニウム、塩素酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、及びそれらの混合物、例えば硝酸アンモニウムと硝酸ナトリウム又は硝酸カルシウムとの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。当技術分野で公知であり、燃料相及び乳化剤(存在する場合)と適合する任意の酸化剤相を使用することができる。酸化剤相を水溶液に溶解して、「油中水」エマルジョンとして当技術分野で公知のエマルジョンマトリックスを得てもよい。酸化剤相は水溶液に溶解されなくてもよく、「油中溶融」エマルジョンとして当技術分野で公知のエマルジョンマトリックスが得られる。
【0036】
幾つかの実施形態では、エマルジョンマトリックスは、乳化剤を更に含む。乳化剤の例としては、ポリ[アルキ(アルケニル)]コハク酸無水物と、アルカノールアミンのポリイソブチレンコハク酸無水物(PiBSA)誘導体を含むアルキルアミンとの反応生成物に基づく乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤の更なる例としては、アルコールアルコキシレート、フェノールアルコキシレート、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、ポリ(オキシアルキレン)脂肪酸エステル、アミンアルコキシレート、ソルビトール及びグリセロールの脂肪酸エステル、脂肪酸塩、ソルビタンエステル、ポリ(オキシアルキレン)ソルビタンエステル、脂肪アミンアルコキシレート、ポリ(オキシアルキレン)グリコールエステル、脂肪酸アミン、脂肪酸アミドアルコキシレート、脂肪アミン、第四級アミン、アルキルオキサゾリン、アルケニルオキサゾリン、イミダゾリン、アルキルスルホネート、アルキルスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルホスフェート、アルケニルホスフェート、ホスフェートエステル、レシチン、ポリ(オキシアルキレン)グリコールとポリ(12-ヒドロキシステアリン酸とのコポリマー、2-アルキル及び2-アルケニル-4,4’-ビス(ヒドロキシメチル)オキサゾリン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、2-オレイル-4,4’ビス(ヒドロキシメチル)オキサゾリン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。当技術分野で公知であり、燃料相及び酸化剤相に適合する任意の乳化剤が使用されてもよい。
【0037】
爆発物送達システム100は、第1のガス発生剤を圧送するように構成された第1のポンプ12を更に備えてもよい。第1のポンプ12の入口は、第1のリザーバ10に流体的に接続されている。第1のポンプ12の出口は、第1のガス化剤の流れを測定するように構成された流量計に流体的に接続されている。第1の流量計は、ホモジナイザ40に流体接続されている。第1のガス発生剤の流れは、ホモジナイザ40の上流のエマルジョンマトリックスの流れに導入されてもよい。
【0038】
爆発物送達システム100は、第2のガス発生剤を圧送するように構成された第2のポンプ22を更に備えてもよい。第2のポンプ22の入口は、第2のリザーバ20に動作可能に接続されている。第2のポンプ22の出口は、第2のガス発生剤の流れの流量を測定するように構成された第2の流量計に流体接続されている。第2の流量計は、バルブに流体接続されている。バルブは、第2のガス発生剤の流れを制御するように構成される。バルブは、送達装置80の出口付近のミキサに流体接続されている。
【0039】
送達装置80は、送達装置80の近位端から遠位端84まで送達装置80の長さにわたって延在する中央孔と、遠位端84に配置された出口とを有してもよい。幾つかの実施形態では、送達装置80は送達ホースである。送達装置80は、送達装置80の遠位端84の出口からエマルジョン爆発物を送達するように構成される。
【0040】
爆発物送達システム100は、エマルジョンマトリックスを圧送するように構成された第3のポンプ32を更に備えてもよい。第3のポンプ32の入口は、第3のリザーバ30に流体的に接続されている。第3のポンプ32の出口は、エマルジョンマトリックスの流れを測定するように構成された第3の流量計に流体的に接続されている。第3の流量計は、ホモジナイザ40に流体接続されている。ホモジナイザ40を含まない実施形態では、第3の流量計は、存在する場合、送達装置80に流体接続されてもよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、爆発物送達システム100は、エマルジョンマトリックスの質量流量の約5%未満、約4%未満、約2%未満、又は約1%未満の質量流量で第2のガス化剤を運ぶように構成される。
【0042】
ホモジナイザ40は、均質化生成物を形成するときにエマルジョンマトリックスを均質化するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「均質化する」又は「均質化」は、エマルジョンマトリックスなどのエマルジョンマトリックスの燃料相中の酸化剤相の液滴のサイズを小さくすることを指す。均質化エマルジョンマトリックスは、不均質化エマルジョンマトリックスと比較して、均質化エマルジョンマトリックスの粘度を増加させる。ホモジナイザ40はまた、エマルジョンマトリックスの流れ及び第1のガス化剤の流れを均質化されたエマルジョンマトリックスに混合するように構成されてもよい。均質化されたエマルジョンマトリックスの流れは、ホモジナイザ40を出る。エマルジョンマトリックスの流れ及び第1のガス化剤の流れからの圧力は、均質化されたエマルジョンマトリックスの流れのための圧力を供給し得る。爆発物送達システム100は、導管44を通じてホモジナイザ40から送達装置80に均質化されたエマルジョンマトリックスを圧送するように構成された第4のポンプ42を備えてもよい。
【0043】
ホモジナイザ40は、エマルジョンマトリックス及び第1のガス発生剤に剪断応力を導入することによって、酸化剤相の液滴のサイズを小さくしてもよい。ホモジナイザ40は、エマルジョンマトリックス及び第1のガス化剤に剪断応力を導入するように構成されたバルブを備えてもよい。ホモジナイザ40は、非限定的な例として、第1のガス発生剤とエマルジョンマトリックスの流れとの混合流のための静的ミキサ及び/又は動的ミキサ、例えばオーガーなどの混合要素を更に含んでもよい。
【0044】
エマルジョンマトリックスの均質化は、増感されたエマルジョンにとって有益であってもよい。例えば、酸化剤相の液滴サイズの減少及び増感エマルジョン爆発物の粘度の増加は、非均質化増感エマルジョン爆発物と比較して、第2のガス発生剤の導入によって生成された気泡の気泡合体を緩和してもよい。同様に、均質化されて増感されたエマルジョン爆発物中の気泡密度に対する静的ヘッド圧力の影響は、不均質化された増感されたエマルジョン爆発物と比較して低減される。したがって、均質化されて増感されたエマルジョン爆発物では、非均質化されて増感されたエマルジョン爆発物と比較して気泡移動が少ない。
【0045】
幾つかの実施形態では、ホモジナイザ40は、エマルジョンマトリックスを実質的に均質化しない。そのような実施形態では、ホモジナイザ40は、エマルジョンマトリックスの流れと第1のガス発生剤の流れとを混合するように主に構成された要素を含むが、エマルジョンマトリックス中の酸化剤相液滴のサイズを低減するように主に構成された要素を含まない。そのような実施形態では、増感されたエマルジョン爆発物は、非均質化された増感されたエマルジョン爆発物であり得る。本明細書で使用される「主に構成される」は、要素が実行するように構成された主な機能を指す。例えば、ホモジナイザ40の任意の混合要素(複数可)は、酸化相液滴サイズにいくらかの効果を有してもよいが、混合要素の主な機能は、第1のガス発生剤の流れとエマルジョンマトリックスの流れとを混合することであってもよい。
【0046】
第2のリザーバ20からの第2のガス発生剤は、エマルジョンマトリックスを増感するために幾つかの異なる方法でエマルジョンマトリックス(例えば、均質化又は非均質化エマルジョンマトリックス)に導入されてもよい。例えば、第2のガス発生剤は、水リングの実施形態、中心線の実施形態、又はホースの実施形態の端部を介して、送達前(pre-delivery)装置80に導入されてもよい。
【0047】
水リング及び中心線の実施形態では、第2のリザーバ20は、第2のガス発生剤を貯蔵するように構成され、第2のガス発生剤を導管24を介して送達装置80に注入するように構成された注入器を格納するように構成される。水リングの実施形態では、第2のガス発生剤は、潤滑剤と共に送達装置80内に注入され、送達装置80の内部を通るエマルジョンマトリックス(例えば、均質化又は非均質化エマルジョンマトリックス)の搬送を潤滑する。注入器は、第2のガス発生剤の環状部と、エマルジョンマトリックスの流れを取り囲み、送達装置80の内部のエマルジョンマトリックスの流れを潤滑する潤滑剤とを注入するように構成されてもよい。第2ガス化剤を含む潤滑剤は、水を含んでいてもよい。エマルジョンマトリックスの流れが送達装置80を通じて搬送されると、第2のガス発生剤は、拡散によって幾分エマルジョンマトリックスを増感し始めてもよい。ノズル88内のミキサは、潤滑剤及び第2のガス発生剤をエマルジョンマトリックスと混合し、増感されたエマルジョン爆発物を形成する。
【0048】
中心線実施形態では、注入器は、エマルジョンマトリックスの流れの中にある第2のガス化剤の中心線の流れを注入するように構成されてもよい。エマルジョンマトリックスの流れが送達装置80を通じて搬送されると、第2のガス発生剤は、拡散によって幾分エマルジョンマトリックスを増感し始めてもよい。ノズル88内のミキサは、潤滑剤及び第2のガス発生剤をエマルジョンマトリックスと混合し、増感されたエマルジョン爆発物を形成する。
【0049】
ホースの実施形態の終わりに、第2のガス発生剤は、送達装置80内のエマルジョンマトリックスとは別に搬送され、第2のガス発生剤は、エマルジョン爆発物が送達装置80から発破孔300内に排出される前にエマルジョンマトリックスに注入される。ノズル88内のミキサは、潤滑剤及び第2のガス発生剤をエマルジョンマトリックスと混合し、増感されたエマルジョン爆発物を形成する。幾つかの実施形態では、第2のガス発生剤は、送達装置80の側壁内の別個の管で送達装置80内を搬送される。別の実施形態では、第2のガス発生剤の流れを搬送するために、別個の管を送達装置80の外部に配置してもよい。例えば、別個のチューブは、送達装置80の外面に取り付けられてもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、移動式処理ユニット200は、異なる状況に基づいて発破孔300に送達するために、他の種類の爆発物又は複数の種類の爆発物を含んでもよい。限定するものではないが、使用することができる例示的な爆発性材料としては、エマルジョン(前述のような)、硝酸アンモニウム燃料油(「ANFO」)、エマルジョンとANFOとの混合物(例えば、重いANFO混合物又は他のANFO混合物)、水ゲル、及びスラリーが挙げられるが、これらに限定されない。更なるタイプの爆発物としては、黒色粉末、ダイナマイト、アンモニアゼラチン、半ゼラチン、二元爆発物などが挙げられる。例えば、前述したように、移動式処理ユニット200は、送達装置80を介して送達される増感されたエマルジョン爆発物を含んでもよい。移動式処理ユニット200はまた、送達装置80又はオーガーシュート(図示せず)を介して送達され得るANFO爆発物(前記エマルジョン爆発物に加えて又はその代わりに)を含んでもよい。ANFO爆発物は、硝酸アンモニウムプリルと燃料油との組み合わせである。移動式処理ユニット200は、硝酸アンモニウムプリルなどの固体酸化剤を貯蔵するように構成された第5のリザーバ(図示せず)を備えてもよい。爆発物送達システム100は、エマルジョンマトリックスの一部である液体燃料とは別に、追加の液体燃料を貯蔵するように構成された第6のリザーバ(図示せず)を更に備えてもよい。したがって、本明細書の開示はエマルジョン爆発物に限定されないことが理解されるであろう。
【0051】
幾つかの実施形態では、発破孔300内に送達される爆発物の種類は、爆発物の送達時に水が発破孔内に配置されるかどうかに依存してもよい。例えば、水が発破孔300内で検出された場合、増感されたエマルジョン爆発物が発破孔300内に装填されてもよい。水が発破孔内で検出されない場合、ANFO爆発物は、発破孔300内に送達されてもよい。エマルジョンとANFOとの混合物も所望に応じて使用することができる。同様に、水ゲル爆発物又は他の種類の爆発物も所望に応じて使用することができる。
【0052】
特定の実施形態では、爆発物送達システム100は、増感された生成物と固体酸化剤及び追加の液体燃料との混合物を送達するように構成されてもよい。そのような実施形態では、送達装置80は、発破孔に挿入されなくてもよく、代わりに、増感された生成物は、固体酸化剤及び追加の液体燃料と混合されてもよい。得られた混合物は、発破孔の口の上に位置するオーガーシュート(図示せず)の排出部などから、発破孔300に注がれてもよい。
【0053】
例えば、爆発物送達システム100は、固体酸化剤を貯蔵するように構成された第5のリザーバ(図示せず)を備えてもよい。爆発物送達システム100は、エマルジョンマトリックスの一部である液体燃料とは別に、追加の液体燃料を貯蔵するように構成された第6のリザーバ(図示せず)を更に備えてもよい。ホッパ(図示せず)が、第5のリザーバをオーガー(図示せず)などの混合要素(図示せず)に動作可能に接続することができる。混合要素は、第6のリザーバに流体接続されてもよい。混合要素はまた、増感された生成物を形成するように構成された送達装置80の出口に流体接続されてもよい。混合要素は、増感された生成物を第5のリザーバの固体酸化剤及び第6のリザーバの液体燃料と混合するように構成されてもよい。シュートが、混合要素の排出部に接続され、混合されて増感された生成物を発破孔300に搬送するように構成されてもよい。例えば、増感されないエマルジョンマトリックスをオーガー中で硝酸アンモニウム及びNo.2燃料油と混合して「ヘビーANFO」混合物を形成してもよい。他のANFO混合物も使用することができる。
【0054】
爆発物送達システム100は、固体増感剤及び/又はエネルギー増大剤を貯蔵するための追加のリザーバを備えてもよい。これらの追加の成分は、第5のリザーバの固体酸化剤と混合されてもよく、又は均質化生成物もしくは増感された生成物と直接混合されてもよい。幾つかの実施形態では、固体酸化剤、固体増感剤、及び/又はエネルギー増大剤は、第6のリザーバからの液体燃料を添加することなく、増感生成物と混合されてもよい。
【0055】
固体増感剤の例としては、ガラス又は炭化水素マイクロバルーン、セルロース増量剤、膨張鉱物増量剤などが挙げられるが、これらに限定されない。エネルギー増大剤の例としては、アルミニウム粉末などの金属粉末が挙げられるが、これらに限定されない。固体酸化剤の例としては、当技術分野で「プリル」としても知られている多孔質球に形成された酸素放出塩が挙げられるが、これに限定されない。酸素放出塩の例は、エマルジョンマトリックスの酸化剤相に関して上に開示されたものである。酸素放出塩のプリルは、固体酸化剤として使用することができる。当技術分野で公知であり、液体燃料と適合する任意の固体酸化剤が使用されてもよい。液体燃料の例は、エマルジョンマトリックスの燃料相に関して前述したものである。当技術分野で公知であり、固体酸化剤と適合する任意の液体燃料が使用されてもよい。
【0056】
爆発物送達システム100は、爆発物の送達に適合する追加の構成要素を更に備えてもよいことを理解されるべきである。
【0057】
前述したように、発破孔300内に送達又は装填される爆発物の種類は、水が発破孔300内に存在するかどうか、及びどれだけの水が発破孔300内に存在するかに基づいて決定されてもよい。本発明の爆発物送達システム100は、実質的に同じステップで発破孔を浸漬して装填するように構成される。
【0058】
図2A~
図4は、発破孔300を浸漬して装填するように構成された送達装置80の例示的な実施形態を示す。前述したように、送達装置80は送達ホースであってもよい。
図2Aは、複数のレベルセンサ90を備える送達装置80の遠位部分の側面図を示す。
図2Bは、送達装置80’の別の実施形態の遠位部分の側面図を示す。
図3Aは、複数のレベルセンサ90のうちの1つのレベルセンサの正面図である。
図3Bは、複数のセンサ90のうちの1つの側面図である。
図4は、送達装置80の断面図である。
【0059】
送達装置80は、所定の長さを有してもよい。便宜上、
図2では、送達装置80の全長を図示せず、送達装置80の遠位部分のみを図示している。送達装置80は、送達装置80の近位端から遠位端84まで送達装置80の長さにわたって延在する中央孔を備える。送達装置80の側壁86は、送達装置80の中央孔を画定する。図示の実施形態では、送達装置80は、送達装置80の遠位端84にノズル88を備え、ノズル88は、送達装置80から発破孔300内に爆発物を送達するための出口89を備える。
【0060】
浸漬ステップを実行するために、送達装置80は複数のレベルセンサ90を備える。便宜上、7つのレベルセンサ90が送達装置80上に示されるが、送達装置80は、7つより多い又は少ないレベルセンサ90を有してもよい。複数のレベルセンサ90は、複数のレベルセンサ90の各センサが空気、水、又は爆発性製品に配置されているかどうかを決定するように構成される。複数のレベルセンサ90を使用して、発破孔300内の液体の存在又はレベル(例えば、深さ)を決定してもよい。例えば、複数のレベルセンサ90を使用して、発破孔300内の水の存在又はレベル、爆発物の存在又はレベルなどを決定してもよい。送達装置80と共に使用され得るレベルセンサ90の例としては、フロートスイッチ又はセンサ、回転パドルレベルスイッチ又はセンサ、静水圧レベルセンサ、ロードセルレベルセンサ、光学レベルセンサ、振動レベルセンサ、超音波レベルセンサ、電磁(レーダ)レベルセンサ、レーザレベルセンサ、磁気抵抗レベルセンサ、容量レベルセンサ、導電又は抵抗レベルセンサなどが挙げられる。
【0061】
複数のレベルセンサ90は、送達装置80の外面83に配置されてもよい。複数のレベルセンサ90は、爆発物送達システム100及び移動式処理ユニット200に配線接続されてもよい。配線は、送達装置80の側壁86又は送達装置80の外面を通じて複数のレベルセンサ90に結合されてもよい。
図3A、
図3B及び
図4に示すように、複数のレベルセンサ90は、各キャパシタンスセンサの所定の周囲領域のキャパシタンスを検出するように構成されるキャパシタンスセンサであってもよい。キャパシタンスセンサは、水及び爆発物が空気の誘電率とは異なる誘電率を有するという事実に依存している。
図3Aは、レベルセンサ90(例えば、キャパシタンスセンサ)のうちの一方の正面図を示し、各キャパシタンスセンサは、互いに平行な一対の金属板92を備えてもよい。正面から見て、金属板92は長方形であり、長方形の最も長い長さは送達装置80の長手方向に配置されている。しかしながら、金属板92は、幾つかの異なる形状を有してもよい。例えば、金属板92は、正方形、円形、三角形、多角形、円弧形状などの任意の適切な形状であってもよい。
図3Bは、金属板92が外側に突出し、頂点99を有する円弧形状を有するレベルセンサ90のうちの1つの側面図を示す。
【0062】
一対の金属板92は、金属板92を横切る電界、及び金属板92間の空気が水又は爆発物で置き換えられたときに生じるようなキャパシタンスが変化したときの電界を測定する。発破孔300内の水又は爆発物の高さのレベルは、隣接するキャパシタンスセンサが異なる材料を検出したときに決定されてもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、導電性又は抵抗性のレベルセンサであってもよい。導電センサを使用して、導電性の液体又は流体のレベルを測定してもよい。センサは、一方のプローブが他方のプローブよりも長い一対のプローブを備えてもよい。発破孔300内の液体のレベルが両方のプローブをカバーするのに十分に高い場合、プローブと液体との間に完全な導電経路が存在し、この経路は、発破孔300内のレベルがレベルセンサ90のうちの1つに達したことを示すために半導体スイッチを作動させる。液体のレベルがより短いプローブを下回ると、より短いプローブはもはや液体に浸漬されず、回路が開かれ(伝導が停止し)、電流が0に低下し、半導体スイッチが遮断される。
【0064】
幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、キャパシタンスとコンダクタンスの両方を使用するコンボセンサであってもよい。幾つかの実施形態では、送達装置80の長さに沿って複数の異なるタイプのレベルセンサ90が使用されてもよい。
【0065】
複数のレベルセンサ90は、送達装置80の遠位端84から所定距離に配置された第1のレベルセンサ91を含んでもよい。第1のレベルセンサ91は、ノズル88の外面に配置されてもよい。ノズル88を含まない実施形態では、第1のレベルセンサ91は、送達装置80の遠位端84から所定距離に配置されてもよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、送達装置80の長手方向(例えば、軸方向)に沿って互いに等間隔に離間されてもよい。例えば、センサは、約4インチ~約12インチ離れて、又は約4インチ~約8インチ離れて配置することができる。幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、送達装置80の長手方向に沿って互いに可変に離間していてもよい。幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、約1メートル~約2メートルの長さにわたって互いに離間していてもよい。隣接するレベルセンサ90間の距離は、異なる爆破状況に基づいてカスタマイズされてもよい。幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、複数のレベルセンサ90の位置が特定の爆破状況に基づいて調整され得るように、送達装置80に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、レベルセンサ90の複数のサブセットを備えてもよい。例えば、複数のレベルセンサ90は、レベルセンサ90の第1のサブセット93を備えてもよく、レベルセンサ90は、第1の所定距離だけ互いに等間隔に離間している。複数のレベルセンサ90は、レベルセンサ90の第2のサブセット94を備えてもよく、レベルセンサ90は、第2の所定距離だけ互いに等間隔に離間している。第1の所定距離と第2の所定距離とが異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、第1の所定距離は、第2の所定距離よりも小さい。したがって、第1のサブセット93のレベルセンサ90は、第2のサブセット94のレベルセンサ90よりも互いに近接している。図示されていないが、送達装置80は、レベルセンサ90の3つ以上のサブセットを備えてもよい。送達装置80はまた、遠位端84よりも近位端の近くに配置されたレベルセンサ90を含んでもよい。
【0068】
幾つかの実施形態では、送達装置80は、誘引センサ98を備えてもよい。誘引センサ98は、送達装置80の遠位端84の近くに配置されてもよい。誘引センサ98は、発破孔300内の起爆装置及び/又はブースタの存在を検出するように構成される。誘引センサ98はRFIDリーダであってもよく、起爆装置及び/又はブースタはRFIDタグを備えてもよい。RFIDリーダは、送達装置80が発破孔300内に下降するときに、発破孔300内の起爆装置及び/又はブースタの存在を検出することができる。起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300内の幾つかの異なる位置に配置されてもよく、例えば、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の先端又は底部に配置されてもよく、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の上端と底部との間に配置されてもよく、又は、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の上端に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、発破孔300内に配置された複数の起爆装置及び/又はブースタが存在してもよく、誘引センサ98は、発破孔300内の起爆装置及び/又はブースタの全てを検出してもよい。誘引センサ98は、起爆装置及び/又はブースタを検出するために様々な異なる技術を使用することができる。例えば、誘引センサ98は、光学センサ、磁気センサ、電磁センサなどであってもよい。
【0069】
送達装置80は、追加のセンサ又はパラメータセンサ87を更に含んでもよい。図示の実施形態では、センサ87はノズル88の外面に配置されているが、センサ87は送達装置80の長さに沿って配置されてもよい。センサ87は、幾つかの異なるパラメータを検知することができてもよい。例えば、センサ87は、pH、密度、爆発物中の添加剤、温度などのうちの1つ以上を測定することができる。各センサ87は、上に列挙した異なるパラメータのうちの1つを測定してもよく、又はセンサ87は、上に列挙した様々なパラメータを測定できてもよい。センサ87はまた、爆発性組成物の1つ以上のパラメータ、又は発破孔の状態の1つ以上のパラメータを測定するように構成されてもよい。複数のレベルセンサ90と同様に、センサ87は、側壁86内又は送達装置80の送達装置80の外面上の配線を介して爆発物送達システム100及び移動式処理ユニット200に配線接続されてもよい。幾つかの実施形態では、センサ87は、爆発物送達システム100及び移動式処理ユニット200と無線で通信してもよい。
【0070】
センサ87はレベルセンサ90とは別個のものとして示されているが、幾つかの実施形態では、レベルセンサ90は、上に列挙したパラメータの幾つかを更に測定できてもよい以下に示すように、幾つかの実施形態では、爆発物の1つ以上の特性は、1つ以上の検知されたパラメータに基づいて調整することができる。
【0071】
図2Bは、他の実施形態に係る送達装置80’を示す。送達装置80’は、送達ホースを備えてもよい。図示の実施形態では、送達装置80’は、送達装置80’のノズル88’上又は送達装置80’の遠位端に配置された複数のレベルセンサ90’を備える。複数のレベルセンサ90’は、送達装置80’の遠位端84’から所定距離に配置された第1のレベルセンサ91’を含む。複数のレベルセンサ90’は、ノズル88’に配置された第2の及び第3のレベルセンサ90’を更に含む。幾つかの実施形態では、送達装置80’は、他のレベルセンサ90’の上方に距離を隔てて、又はノズル88’の上方に距離を隔てて配置される追加のレベルセンサ90’を更に含んでもよい。そのような実施形態では、追加のレベルセンサ90’は、ノズル88’上に配置された複数のセンサ90’及び91’に対するチェックとして機能してもよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、
図5Aに示すように、爆発物送達装置80ではなく、複数のレベルセンサ90’’を浸漬ケーブル80上に配置されてもよい。いずれの場合も、送達装置80又は浸漬ケーブル80’’を伸長部材と呼ばれてもよい。浸漬ケーブル80’’は、浸漬ケーブル80’’の遠位端84に配置されるウエイト82を備えてもよい。浸漬ケーブル80’’は、発破孔300内に液体(例えば、水及び/又は爆発物)があるかどうか及びどれだけあるかを決定するために、発破孔300内で下げられてもよく、複数のレベルセンサ90’’を使用してもよく、最も遠位側のレベルセンサが91’’でラベル付けされている。複数のレベルセンサ90’’は、等間隔に離間されてもよい。送達装置80と同様に、複数のレベルセンサ90’は、レベルセンサ90が第1の所定距離で等間隔に離間されるレベルセンサ90の第1のサブセット93’’と、レベルセンサ90’’が等間隔に離間されるレベルセンサ90’’の第2のサブセット94’’とを備えてもよい。第1の所定距離は、第2の所定距離よりも小さい。浸漬ケーブル80’’は、発破孔300内の起爆装置の存在を検出するための誘引センサ98を備えてもよい。
【0073】
図5Bは、浸漬ケーブル80’’’の別の実施形態を示す。浸漬ケーブル80’は、浸漬ケーブル80’’’の遠位端84’’’に配置されるウエイト82’’’を備えてもよい。浸漬ケーブル80’’’は、発破孔300内の液体(例えば、水及び/又は爆発物)の存在を決定するために、浸漬ケーブル80’’’の遠位端84’’’付近にのみ配置される複数のレベルセンサ90’’’を有してもよい。
【0074】
図6は、通信媒体95(例えば、ネットワークケーブル)を備える送達装置80を示す。通信媒体95は、複数のレベルセンサ90と通信するように構成される。通信媒体95は、通信媒体95と複数のレベルセンサ90との間の通信を可能にするように直接結合されてもよく、又は通信媒体95は、無線ネットワークを介して複数のレベルセンサ90と通信してもよい。通信媒体95は、無線ネットワークを介して複数のレベルセンサ90からデータを受信するための複数の受信機96を有する配線であってもよい。複数の受信機96は、通信媒体95の長さに沿って配置されてもよい。複数の受信機96から受信されたデータは、移動式処理ユニット200のキャビン202又は採鉱制御室などの遠隔地に配置された処理回路210に通信してもよい。通信媒体95は、送達装置80の側壁86内、送達装置80の内面、又は送達装置80の外面83上に配置されてもよい。
図7は、送信機97を備えるレベルセンサ90のうちの1つの正面図を示す。各レベルセンサ90は、通信媒体95の一方にデータを送信する送信機を備えてもよい。幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、レベルセンサ90の所定の周囲領域のキャパシタンスを送信するキャパシタンスセンサである。
【0075】
図8は浸漬ケーブル80’’を示し、浸漬ケーブル80’’は、複数のレベルセンサ90’’からデータを受信するための複数の受信機96’’が浸漬ケーブル80’’の外面に沿って配置された通信媒体95’’を備え、最も遠位端のセンサには91’’のラベルが付されている。
【0076】
図9、
図11及び
図13は、実質的に同じステップ又はプロセスで浸漬及び装填を実行する送達装置80を示す。
図9は発破孔300を示し、この場合、水が発破孔300内に配置される。送達装置80は、送達装置の遠位端84が発破孔300の先端302に近づくまで、発破孔300内に下降される。図示の便宜上、送達装置80の遠位部分及び発破孔300の遠位部分のみが示されている。発破孔300の深さは、穿孔プロセスから事前に取得されていてもよいが、発破孔300の深さは、送達装置リール81から繰り出された送達装置80の長さに基づいて送達装置80によって確認されてもよい。発破孔300の深さは、後の浸漬プロセス及び装填プロセスの間に使用されてもよい。
【0077】
前述のように、送達装置80は、複数のレベルセンサ90を備える。なお、
図9では、説明の便宜上、4つのレベルセンサ90のみを図示している。送達装置80の遠位端84の最も近くに配置されたレベルセンサは90
1とラベル付けされ、送達装置の上の次のレベルセンサは90
2とラベル付けされ、送達装置の上の次のセンサは90
3とラベル付けされ、送達装置の上の次のセンサは90
4とラベル付けされる。
【0078】
複数のレベルセンサ90は、発破孔300内に水400があるかどうかを検出することによって発破孔300を浸漬するために使用される。図示の例では、水400は発破孔300内に存在し、レベルセンサ90
1及び90
2は水を検出し、レベルセンサ90
3及び90
4は空気を検出する。
図10のチャートは、各レベルセンサ90の知見を示している。しかしながら、発破孔300内に水が存在しない場合、複数のレベルセンサ90は空気のみを検出し、水は検出しない。レベルセンサ90は、キャパシタンスセンサであってもよく、レベルセンサ90が配置された媒体のキャパシタンスを検出してもよい。次いで、レベルセンサ90は、キャパシタンスデータを通信媒体95及び処理回路210に送信する。レベルセンサ90は、空気、水、及び爆発物について異なるキャパシタンスを検出し、したがって、各レベルセンサ90は、どの媒体に配置されているかを検出することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ90は、それぞれ、レベルセンサ90の所定の周囲領域におけるキャパシタンス及びコンダクタンスを検出するコンボセンサであってもよい。複数のレベルセンサ90のそれぞれは、キャパシタンスデータ及びコンダクタンスデータを通信媒体95及び処理回路210に送信してもよい。処理回路210は、各レベルセンサ90のコンダクタンスデータ及びキャパシタンスデータを比較して、複数のレベルセンサ90のそれぞれがどの媒体に配置されているかを決定してもよい。
【0080】
発破孔300内の水400のレベル(例えば、深さ)はまた、どのレベルセンサ90が水を検出するかに基づいて検出されてもよい。図示の実施形態では、水は、隣接するレベルセンサ902,903間に配置される。したがって、水400のレベルは、送達装置80の遠位端84からレベルセンサ902,903間までの距離である。レベル測定の精度は、隣接するレベルセンサ90間の距離に依存する。使用時に、複数のレベルセンサ90は、レベルセンサ90が水に浸されたときに順番に(例えば、901,902,903,904)反応すべきであるため、エラーチェックを可能にする。順序が予期されない場合(例えば、904は水を検出するが、901は水を検出しない場合)、エラー処理ルーチンを呼び出してエラーを決定してもよい。
【0081】
移動式処理ユニット200の処理回路210が、発破孔300内に水400があるかどうかを決定すると、処理回路210は、どの爆発物を使用するかを決定してもよい。水400が検出されない場合、ANFO爆発物が発破孔300内に装填されてもよい。
図9に示すように、水400が検出された場合、増感されたエマルジョン爆発物が発破孔300に装填されてもよい。
【0082】
図11は、発破孔300に装填されている増感されたエマルジョン爆発物500を示す。増感されたエマルジョン爆発物500は水400よりも高密度であるため、増感されたエマルジョン爆発物500が発破孔300内に装填されると、水400は増感されたエマルジョン爆発物500の上部に留まる。レベルセンサ90
1及び90
2は、増感されたエマルジョン爆発物500を検出し、レベルセンサ90
3及び90
4は、水を検出する。増感されたエマルジョン爆発物500は、所定の流量で発破孔300に装填されてもよい。流量は、処理回路210によって決定されてもよく、流量は、増感されたエマルジョン爆発物500を発破孔300に装填する状況に基づいて処理回路210によって変更されてもよい。
図12のチャートは、各レベルセンサ90の知見を示している。
【0083】
増感されたエマルジョン爆発物500が発破孔300内に装填されると、送達装置80が発破孔300から後退してもよい。処理回路210は、送達装置80を送達装置リール81に巻き付けることによって、送達装置80の後退を所定の速度で制御してもよい。
図13は、送達装置80が発破孔300から後退している間に、より増感されたエマルジョン爆発物500を発破孔300に装填する送達装置80を示す。レベルセンサ90
1及び90
2は、増感されたエマルジョン爆発物500を検出し、レベルセンサ90
3及び90
4は、水を検出する。
図14のチャートは、各レベルセンサ90の知見を示している。処理回路210は、増感されたエマルジョン爆発物のレベルがレベルセンサ90
2及び90
3などの2つの隣接するレベルセンサ90間で一貫して維持されるように、送達装置80の後退を所定の速度で維持してもよい。
【0084】
増感されたエマルジョン爆発物500の量(例えば、体積)は、増感されたエマルジョン爆発物500のレベル(例えば、深さ)に基づいて決定してもよい。増感されたエマルジョン爆発物500のレベルは、増感されたエマルジョン爆発物500が現在、送達装置80(例えば、レベルセンサ902,903間)の長さに沿ってどこに配置されているかによって、現在、発破孔300内にある送達装置80の長さ、及び発破孔300自体の深さによって決定されてもよい。発破孔300の深さは、穿孔工程から決定されてもよく、浸漬及び装填プロセスの開始時に送達装置80が発破孔300の先端302まで下げられたときに確認されてもよい。通信媒体95を介して処理回路210に通信される測定値に基づいて、処理回路210は、発破孔300内の増感されたエマルジョン爆発物500の深さを決定してもよい。
【0085】
更に、発破孔300の直径は、現在発破孔300内にある増感されたエマルジョン爆発物500の体積を計算するために必要である。発破孔300の直径は、穿孔工程から決定されてもよい。増感されたエマルジョン爆発物500の量は、発破孔300への増感されたエマルジョン爆発物500の流量に基づいて、発破孔300に装填された増感されたエマルジョン爆発物500の量に対応すべきである。感作エマルジョン爆発物500の体積が一致しない場合、処理回路210は、発破孔300が構造的完全性を有していない可能性があると決定する。換言すれば、発破孔300に亀裂があり、増感されたエマルジョン爆発物500が発破孔300から漏出している可能性がある。この場合、処理回路210は、オペレータに警告を発するか、又は感作エマルジョン爆発物500の発破孔300への装填を停止して、構造的完全性を決定してもよい。発破孔300の構造的完全性の決定は浸漬プロセスの一部であり、したがって、送達装置80は、実質的に同時に発破孔300を浸漬して装填するように構成される。
【0086】
図15は、本開示の一実施形態に係る発破孔300を浸漬して装填する方法600のフローチャートを示す。方法600の幾つかのステップは、
図1の移動式処理ユニット200の処理回路210などの処理回路によって実行されてもよい。幾つかの実施形態では、処理回路210は、採掘制御室などの移動式処理ユニット200から離れた場所に配置される。
【0087】
方法600は、発破孔300の寸法を受信するステップ610を含む。寸法は、発破孔300の穿孔中に得られていてもよい。寸法は、発破孔300の浸漬及び装填を実行する処理回路210に提供されてもよい。発破孔の寸法は、発破孔300の深さ、発破孔300の直径、発破孔300の容積などを含んでもよい。
【0088】
方法600は、発破孔300の近傍に第1の車両を配置するステップ620を更に含んでもよい。第1の車両は移動式処理ユニット200であってもよい。前述したように、移動式処理ユニット200は、オペレータによって手動で制御される車両であってもよく、オペレータによって遠隔制御されてもよく、又は車両は自律的であってもよい。幾つかの実施形態では、第1の車両は陸上自律型車両であってもよく、幾つかの実施形態では、第1の車両は空中自律型車両であってもよい。
【0089】
方法600は、発破孔300を浸漬するステップ630を更に含んでもよい。前述したように、発破孔300は、送達装置80を発破孔300内に配置するか、又は浸漬ケーブル80’’を発破孔300内に配置することによって浸漬されてもよい。送達装置80は、送達装置リール81から繰り出され、発破孔300内に下降されてもよい。送達装置80の下降は、処理回路210によって制御され、所定の速度で行われてもよい。送達装置80が発破孔300の先端302に近づくと、送達装置リール81から繰り出された送達装置の長さから送達装置リール81から地面50までの距離を引いたものと穿孔手順によって以前に決定された深さとを比較することによって、発破孔300の深さが確認されてもよい。穿孔によって得られた深さと送達装置80によって測定された深さとの間の差が所定の閾値よりも大きい場合、発破孔300の構造的完全性を決定するために追加の調査が実行されてもよい。計算及び比較は、処理回路210によって実行されてもよい。
【0090】
発破孔300の深さが確認された後、送達装置80は、前述のように複数のレベルセンサ90を使用することによって、発破孔300内での水400の存在を決定してもよい。水400が発破孔300内に存在する場合、水400のレベルを決定してもよい。幾つかの実施形態では、送達装置80は、別個の浸漬ステップを実行することなく、発破孔300内の水400のレベルを決定するために発破孔300に挿入される。
【0091】
或いは、水400が存在するかどうか、及び存在する場合には水400がどれだけ存在するかどうかを決定するために、浸漬ケーブル80’’を使用して浸漬ケーブル80’’を発破孔内へ下降させることによって発破孔300が浸漬されてもよい。
【0092】
方法600は、発破孔300内での起爆装置及び/又はブースタの存在を検出するステップ640を更に含んでもよい。前述したように、送達装置80は、発破孔300内に配置された起爆装置及び/又はブースタを検出するための誘引センサ98を備えてもよい。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の先端302に配置される。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、先端302と発破孔300の上端との間に配置される。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の上部に配置される。起爆装置及び/又はブースタを検出することによって、処理回路210は、起爆装置及び/又はブースタが正しく配置されたかどうかを決定してもよい。
【0093】
方法600は、発破孔300に爆発物を装填するステップ650を更に含んでもよい。発破孔300に装填される爆発物の種類は、水400が発破孔300に存在するか否かに依存してもよい。水400が発破孔300内に存在する場合、感作エマルジョン爆発物500が発破孔300内に装填され、水400が存在しない場合、ANFOが発破孔300内に装填される。エマルジョンとANFOとの混合物も所望に応じて使用することができる。同様に、水ゲル爆発物又は他の種類の爆発物も所望に応じて使用することができる。発破孔300への爆発物の流量は、処理回路210によって制御されてもよい。
【0094】
爆発物を発破孔300に装填する間、送達装置80は、発破孔300から後退して、送達装置リール81に巻き戻されてもよい。処理回路210は、発破孔300からの送達装置80の後退速度を制御してもよい。後退速度は、一定の所定の速度であってもよい。幾つかの実施形態では、後退速度は可変であり、送達装置80を発破孔300から後退する過程で変化してもよい。幾つかの実施形態では、送達装置80は、送達装置80が発破孔300の上端に達するまで、送達装置80が発破孔300から後退される全体の間、隣接するレベルセンサ90間の爆発物のレベルを維持する速度で、発破孔300から後退される。
【0095】
装填プロセスの間、処理回路210は、センサ87(ノズル又は送達ホースの遠位端に配置することができる)から1つ以上の他の測定値を受信してもよい。前述したように、センサ87は、pH、爆発物の密度、爆発物中の添加剤、温度などの様々な異なるパラメータのうちの1つ以上を測定するように構成することができる。これらの1つ以上の感知されたパラメータは、爆発性組成物及び/又は発破孔内の状態の特徴であり得る。処理回路210によってセンサ87から受信されたデータはまた、発破孔に装填されている爆発物の送達及び/又は特性に影響を及ぼすために使用されてもよい。例えば、爆発物の1つ以上のパラメータ又は特性は、1つ以上の検知されたパラメータに応じて調整することができる。特定の例では、検知された密度が所定の密度範囲に対して高すぎる又は低すぎる場合、爆発物の密度が調整されてもよい。一実施形態では、密度は、より多くの増感剤を添加するか、又は爆発物中の増感剤の量を減らすことによって調整されてもよい。処理回路210はまた、他の検出又は検知されたパラメータに基づいて爆発物のパラメータを調整してもよい(例えば、検知されたパラメータが所定の範囲内にない場合など)。
【0096】
幾つかの実施形態では、処理回路210は、オペレータからの入力を伴うことなく発破孔に爆発物を自動的に装填する。換言すれば、爆発物による発破孔の装填を自動化することができる。処理回路210は、爆発物が発破孔300に装填される速度、発破孔300からの送達装置80の後退速度、爆発物のpH、爆発物の密度、爆発物の温度、爆発物に添加される添加剤などのうちの1つ以上を制御してもよい。
【0097】
方法600は、発破孔300の構造的完全性を決定するステップ660を更に含んでもよい。前述のように、このステップ660も浸漬及び装填プロセスの一部である。処理回路210は、複数のレベルセンサ90から受信したデータを使用することによって、発破孔300内の爆発物のレベル及び体積を決定する。処理回路210は、発破孔300内の爆発物のレベル及び体積を決定し、爆発物が発破孔300内への爆発物の流速と一致する速度で発破孔300を満たしているかどうかを決定する。発破孔300内の爆発物の体積が発破孔300に装填された爆発物の体積と一致しないと処理回路210が決定する場合、処理回路210は、発破孔300が構造的完全性を有していない可能性があると決定する。換言すれば、発破孔300の側壁に亀裂又は空洞がある可能性があり、爆発物が発破孔300から漏れている可能性があるか、又は発破孔300が部分的に崩壊している可能性があり、それにより、発破孔300の容積が減少する。この場合、処理回路210は、オペレータに警告を発するか、爆発物を発破孔300に装填することを停止してもよい。次いで、オペレータは、発破孔300の完全性を決定してもよい。
【0098】
方法600は、爆発物が発破孔300に装填された後、不活性材料で発破孔300の上部をステミングするステップ670を更に含んでもよい。
【0099】
図16は、本開示の一実施形態に係る発破孔300を浸漬して誘引する方法700のフローチャートを示す。方法700の幾つかのステップは、処理回路によって実行されてもよい。処理回路は、先に開示された処理回路210とは異なっていてもよい。この処理回路210は、誘引車両として機能する第2の車両に配置されてもよく、又は処理回路210は、採掘制御室などの遠隔地に配置されてもよい。
【0100】
方法700は、発破孔300の寸法を受信するステップ710を含む。寸法は、発破孔300の穿孔中に得られていてもよい。寸法は、発破孔300の誘引を実行する処理回路に提供されてもよい。発破孔300の寸法は、発破孔300の深さ、発破孔300の直径、発破孔300の容積などを含み得る。
【0101】
方法700は、第1の車両が発破孔300の近傍にない場合に、第2の車両を発破孔300の近傍に配置するステップ720を更に含んでもよい。第2の車両は、複数の起爆装置及び/又はブースタを格納する誘引車両であってもよい。第1の車両及び第2の車両は、起爆装置及び/又はブースタを発破孔300に装填する前に爆発物から離しておくために、互いに別々に保たれる。前述したように、第2の車両は、オペレータによって手動で制御されてもよく、オペレータによって遠隔制御されてもよく、又は自律的であってもよい。幾つかの実施形態では、第2の車両は陸上自律型車両であってもよく、幾つかの実施形態では、第1の車両は空中自律型車両であってもよい。
【0102】
方法700は、複数の起爆装置及び/又はブースタのうちの1つ以上を発破孔300に装填するステップ730を更に含んでもよい。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の先端302に配置される。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、先端302と発破孔300の上端との間に配置される。幾つかの実施形態では、起爆装置及び/又はブースタは、発破孔300の上部に配置される。幾つかの実施形態では、複数の起爆装置及び/又はブースタが発破孔300内に配置される。
【0103】
起爆装置及び/又はブースタは、誘引アセンブリによって発破孔300内に配置されてもよい。誘引アセンブリは、起爆装置及び/又はブースタを発破孔300内に配置するために発破孔300内に挿入され得るロボットアームであってもよい。ロボットアームは、ロボットアームの外面に沿って配置された複数のレベルセンサを備える。複数のレベルセンサは、起爆装置が発破孔300内に配置される前に水400が発破孔300内に存在するかどうかを決定するために前述したレベルセンサ90と同様に機能してもよい。したがって、誘引アセンブリは、別個の浸漬ステップを行うことなく、発破孔300の浸漬及び誘引を行ってもよい。
【0104】
方法700は、爆轟のために発破孔300を準備する様々な時点で実行されてもよい。例えば、発破孔300は、第1の車両によって浸漬が行われる前に第2の車両によって誘引されてもよい。発破孔300はまた、第1の車両によって発破孔300を装填した後、第2の車両によって誘引されてもよい。
【0105】
或いは、水400が存在するかどうか、及び存在する場合には水400がどれだけ存在するかどうかを決定するために、浸漬ケーブル80’’を使用して浸漬ケーブル80’’を発破孔300内へ下降させることによって発破孔300が浸漬されてもよい。
【0106】
ここで、処理回路210及び/又はコンピュータシステムの幾つかの一般的な説明を、
図17に関して説明する。コンピュータシステムは、例えば、ハンドヘルドデバイス、電化製品、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、メインフレーム、分散コンピューティングシステム、データセンタ、又は従来はコンピューティングシステムと見なされていなかったウェアラブル(例えば、眼鏡、スマートウォッチなど)などのデバイスであってもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、「計算システム」という用語は、少なくとも1つの物理的かつ有形のプロセッサと、プロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能命令を有することができる物理的かつ有形のメモリとを含む任意のデバイス又はシステム(又はそれらの組み合わせ)を含むものとして広く定義される。メモリは、任意の形態をとることができ、コンピューティングシステムの性質及び形態に依存し得る。コンピューティングシステムは、ネットワーク環境上に分散されてもよく、複数の構成コンピューティングシステムを含んでもよい。
【0107】
図17に示すように、その最も基本的な構成では、コンピューティングシステム800は、通常、少なくとも1つのハードウェア処理ユニット802(又はプロセッサ802)及びメモリ804を含む。メモリ804は、物理システムメモリであってもよく、物理システムメモリは、揮発性、不揮発性、又はこれらの組み合わせであってもよい。「メモリ」という用語はまた、本明細書では、物理記憶媒体などの不揮発性大容量記憶装置を指すために使用されてもよい。コンピューティングシステムが分散されている場合、処理、メモリ、及び/又は記憶能力も分散されてもよい。
【0108】
コンピューティングシステム800はまた、多くの場合「実行可能コンポーネント」と呼ばれる複数の構造を有する。例えば、コンピューティングシステム800のメモリ804は、実行可能コンポーネント806を含むものとして示されている。「実行可能コンポーネント」という用語は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせであり得る構造であるとしてコンピューティングの分野の当業者によく理解されている構造の名前である。例えば、ソフトウェアで実施される場合、当業者は、実行可能コンポーネントの構造が、そのような実行可能コンポーネントがコンピューティングシステムの塊に存在するかどうか、又は実行可能コンポーネントがコンピュータ可読記憶媒体に存在するかどうかにかかわらず、コンピューティングシステム上で実行されてもよいソフトウェアオブジェクト、ルーチン、方法などを含んでもよいことを理解するであろう。
【0109】
そのような場合、当業者であれば分かるように、実行可能コンポーネントの構造がコンピュータ可読媒体上に存在し、コンピューティングシステム(例えば、プロセッサスレッドによって)の1つ以上のプロセッサによって解釈されると、コンピューティングシステムに機能を実行させる。そのような構造は、(実行可能コンポーネントがバイナリである場合のように)プロセッサによって直接コンピュータ可読であってもよい。或いは、構造は、プロセッサによって直接解釈可能なそのようなバイナリを生成するために、(単一のステージ又は複数のステージのいずれであっても)解釈可能及び/又はコンパイル可能であるように構成されてもよい。実行可能コンポーネントの例示的な構造のそのような理解は、「実行可能コンポーネント」という用語を使用するときのコンピューティング分野の当業者の理解の範囲内に十分ある。
【0110】
「実行可能コンポーネント」という用語はまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は任意の他の特殊化された回路内など、ハードウェア内で排他的又はほぼ排他的に実装される構造を含むものとして当業者によく理解されている。したがって、「実行可能コンポーネント」という用語は、ソフトウェア、ハードウェア、又は組み合わせのいずれで実装されるかにかかわらず、コンピューティングの当業者によって十分に理解されている構造のための用語である。本明細書では、「部品」、「サービス」、「エンジン」、「モジュール」、「制御部」などの用語を使用することもできる。本明細書及びその場合に使用されるように、これらの用語は、(修飾節の有無にかかわらず)用語「実行可能コンポーネント」と同義であることも意図されており、したがって計算分野の当業者によく理解されている構造も有する。
【0111】
以下の説明では、実施形態は、1つ以上のコンピューティングシステムによって実行される動作を参照して説明される。そのような動作がソフトウェアで実施される場合、(その動作を実行する関連するコンピューティングシステムの)1つ以上のプロセッサは、実行可能コンポーネントを構成するコンピュータ実行可能命令を実行したことに応じて、コンピューティングシステムの動作を指示する。例えば、そのようなコンピュータ実行可能命令は、コンピュータプログラムプロダクトを形成する1つ以上のコンピュータ可読媒体上で具現化されてもよい。そのような動作の一例は、データの操作を含む。
【0112】
コンピュータ実行可能命令(及び操作されたデータ)は、コンピューティングシステム800のメモリ804に格納されてもよい。コンピューティングシステム800はまた、コンピューティングシステム800が例えばネットワーク810を介して他のコンピューティングシステムと通信することを可能にする通信チャネル805を含んでもよい。
【0113】
全てのコンピューティングシステムがユーザインタフェースを必要とするわけではないが、幾つかの実施形態では、コンピューティングシステム800は、ユーザとのインタフェースに使用するためのユーザインタフェース812を含む。ユーザインタフェース812は、出力814(又は出力機構814)並びに入力816(又は入力機構816)を含んでもよい。本明細書に記載される原理は、正確なタイプの出力814又はタイプの入力816に限定されず、したがって、デバイスの性質に依存する。しかしながら、出力814は、例えば、スピーカ、ディスプレイ、触知出力、ホログラムなどを含んでもよい。入力816の例は、例えば、マイクロフォン、タッチスクリーン、ホログラム、カメラ、キーボード、他のポインタ入力のマウス、任意のタイプのセンサなどを含んでもよい。
【0114】
本明細書で説明する実施形態は、以下でより詳細に説明するように、例えば、1つ以上のプロセッサ及びシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む専用又は汎用コンピューティングシステムを備えるか又は利用してもよい。本明細書に記載の実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令及び/又はデータ構造を搬送又は記憶するための物理的及び他のコンピュータ可読媒体を含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピューティングシステムによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。コンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、物理記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令を搬送するコンピュータ可読媒体は伝送媒体である。したがって、限定ではなく例として、本発明の実施形態は、少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピュータ可読媒体、すなわち記憶媒体及び伝送媒体を備えることができる。
【0115】
コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶デバイス、又は任意の他の物理的及び有形の記憶媒体を含み、これらは、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を格納するために使用することができ、汎用又は専用コンピューティングシステムによってアクセスすることができる。
【0116】
「ネットワーク」(例えば、ネットワーク810)は、コンピューティングシステム及び/又はモジュール及び/又は他の電子デバイス間の電子データの転送を可能にする1つ以上のデータリンクとして定義される。情報がネットワーク又は別の通信接続(ハードワイヤード、ワイヤレス、又はハードワイヤードもしくはワイヤレスの組み合わせのいずれか)を介してコンピューティングシステムに転送又は提供されると、コンピューティングシステムは、その接続を伝送媒体として適切に見る。送信媒体は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送するために使用することができ、汎用又は専用コンピューティングシステムによってアクセスすることができるネットワーク及び/又はデータリンクを含んでもよい。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0117】
更に、様々なコンピューティングシステム構成要素に到達すると、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態のプログラムコード手段を伝送媒体から記憶媒体に(又はその逆に)自動的に転送することができる。例えば、ネットワーク又はデータリンクを介して受信されたコンピュータ実行可能命令又はデータ構造は、ネットワークインタフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAMにバッファされ、次いで最終的にコンピューティングシステムRAM及び/又はコンピューティングシステムの低揮発性記憶媒体に転送され得る。したがって、記憶媒体は、伝送媒体も(又は主に)利用するコンピューティングシステム構成要素に含めることができることを理解すべきである。
【0118】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、プロセッサで実行されるときに汎用コンピューティングシステム、専用コンピューティングシステム、又は専用処理デバイスに特定の機能又は機能のグループを実行させる命令及びデータを含む。これに代えて又は加えて、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能又は機能のグループを実行するようにコンピューティングシステムを構成することができる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、又はアセンブリ言語又はソースコードなどの中間フォーマット命令など、プロセッサによる直接実行の前に何らかの変換(コンパイルなど)を受ける命令であってもよい。
【0119】
当業者であれば分かるように、本発明は、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、PDA、ページャ、ルータ、スイッチ、データセンタ、ウェアラブル(眼鏡など)などを含む多くの種類のコンピューティングシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施され得る。本発明はまた、ネットワークを介して(ハードワイヤードデータリンク、無線データリンク、又はハードワイヤードデータリンクと無線データリンクとの組み合わせのいずれかによって)リンクされているローカルコンピューティングシステム及びリモートコンピューティングシステムの両方がタスクを実行する分散システム環境においても実施されてもよい。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートの両方のメモリ記憶デバイスに配置されてもよい。
【0120】
また、当業者であれば分かるように、本発明はクラウドコンピューティング環境で実施されてもよい。クラウドコンピューティング環境は分散されてもよいが、これは必須ではない。分散される場合、クラウドコンピューティング環境は、組織内で国際的に分散されてもよく、及び/又は複数の組織にわたって所有される構成要素を有してもよい。本明細書及び以下の特許請求の範囲において、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義される。「クラウドコンピューティング」の定義は、適切に展開されたときにそのようなモデルから得ることができる他の多くの利点のいずれにも限定されない。
【0121】
図18~
図20は、本開示の一実施形態に係る送達装置900の遠位部分を示す。
図18は送達装置900の遠位部分の詳細図を示し、
図19は送達装置900の遠位部分の分解図を示し、
図20は送達装置900の遠位部分の断面図を示す。
【0122】
送達装置900は、供給源からエマルジョンなどの爆発物を送達するように構成される。供給源は、前述した移動式処理ユニット200内にあってもよい。送達装置900は、ホース910及びノズル920を含んでもよく、ノズル920は複数の出口922を有する。送達装置900のホース910は、近位端(図示せず)から遠位端912までホース910の長さにわたって延びる中央孔を有してもよい。爆発物は、ホース910を横切った後にノズル920の複数の出口922を通じて出力されてもよい。ノズル920は、近位部分921及び遠位部分925を有してもよい。複数の出口922は、ノズル920の近位部分921に配置されてもよい。複数の出口922は、ノズル920の近位部分921の外面上で互いに離間していてもよい。
【0123】
図19に示すように、ノズル920は、ホース910に挿入されるように構成された嵌合ネック923を更に備える。嵌合ネック923は、嵌合ネック923から突出し、互いに垂直方向又は軸方向に離間した複数の周方向リブ924を備えてもよい。嵌合ネック923は、嵌合ネック923がホース910の遠位端912に挿入されたときにノズル920をホース910に結合するためにホース910との締まり嵌めを形成してもよい。ノズル920は、ノズルが異なるホースと共に使用され得るように、ホース910から取り外し可能である。
【0124】
ノズル920は、前述したレベルセンサ90と同様に、複数のレベルセンサ990を更に備えてもよい。図示の実施形態は、ノズル920上の3つのレベルセンサ90を示すが、送達装置900は、より多い又はより少ない3つのレベルセンサ990を有してもよい。複数のレベルセンサ990は、複数のレベルセンサ990の各センサが空気、水、又は爆発性製品に配置されているかどうかを決定するように構成される。複数のレベルセンサ990は、
図9~
図14に関連して前述したように、発破孔300内の体液の存在又はレベル(例えば、深さ)を決定するために使用されてもよい。図示の実施形態では、レベルセンサ990は、取り外し可能な保護カバー992の背後に配置されている。保護カバー992は、ノズル920の周りを包み、浸漬及び装填中に保護カバーを定位置に固定する複数のケーブルタイ994によってノズル920に固定されてもよい。幾つかの実施形態では、レベルセンサ990は、保護カバー992の下側に配置される。
【0125】
前述のように、幾つかの実施形態では、複数のレベルセンサ990は、互いに平行な一対の金属板を備えてもよい。幾つかの実施形態では、他のレベルセンサ990のチェックとして機能するために、追加のレベルセンサ990をホース910の外面に配置してもよい。
【0126】
幾つかの実施形態では、ノズル920は、導電センサ991を更に備えてもよい。導電センサ991は、最も遠位のレベルセンサ990と組み合わせて機能して、発破孔300内の流体のレベルを検出してもよい。
【0127】
幾つかの実施形態では、送達装置900は、1つ以上の追加のセンサ又はパラメータセンサ987を備えてもよい。図示の実施形態では、センサ987は保護カバー992の下に配置されているが、センサ987は送達装置900の長さに沿って配置されてもよい。センサ987は、幾つかの異なるパラメータを検知できてもよい。例えば、センサ987は、pH、密度、爆発物中の添加剤、温度などを測定できる。各センサ987は、上に列挙した異なるパラメータのうちの1つを測定できてもよく、又はセンサ987は、上に列挙した様々なパラメータを測定できてもよい。更に、各センサ987は、爆発性組成物の1つ以上のパラメータ、又は発破孔の状態の1つ以上のパラメータを測定してもよい。
【0128】
幾つかの実施形態では、送達装置900は、誘引センサ998を備えてもよい。図示の実施形態では、誘引センサ998は保護カバー992の下に配置されているが、誘引センサ998は様々な異なる位置に配置されてもよい。誘引センサ998は、発破孔300における起爆装置及び/又はブースタの存在を検出するように構成され、前述の誘引センサ98と同様であってもよい。
【0129】
ノズル920は、
図20の送達装置900の断面図に見られるように、ウエイト996を更に含んでもよい。ウエイト996は、ノズル920が水又は爆発物(例えば、エマルジョン)などの流体に沈むのを助けるために、ノズル920の遠位部分925のノズル920内に配置されてもよい。
【0130】
送達装置900は、通信媒体995(ネットワークケーブル)を更に備えてもよい。通信媒体995は、複数のレベルセンサ990と通信するように構成される。通信媒体995は、通信媒体995と複数のレベルセンサ990との間の通信を可能にするためにレベルセンサ990に直接結合されてもよく、又は通信媒体995は、無線ネットワークを介して複数のレベルセンサ990と通信してもよい。複数のレベルセンサ990からのデータは、処理回路210(前述)に通信してもよい。通信媒体995は、送達装置900の側壁内、送達装置900の内面上、又は送達装置900の外面上に配置されてもよい。図示の実施形態では、通信媒体995は、ホース910の外面に配置され、ノズル920の保護カバー992内に配置される。幾つかの実施形態では、通信媒体995は、ホース910の通信媒体995とノズル920上の通信媒体995とを結合する接続部993を含み、ノズル920を他のホースと交換可能にする。
【0131】
複数のセンサ990、追加のセンサ又はパラメータセンサ987、及び導電センサ991のそれぞれからのデータは、通信媒体995に送信されてもよい。通信媒体995は、センサ990,987,991、998に配線で接続されてもよく、データが無線で通信媒体995に送信されてもよい。
【0132】
ノズル920は、ノズル920の遠位端926に密閉チャンバ930を更に含んでもよい。密閉チャンバ930は密閉されており、水、爆発物、又は他の環境要因が密閉チャンバ930に入ることを防止する。密閉チャンバ930は、制御ユニット932を備えてもよい。通信媒体995は、密閉チャンバ930内に進入して制御ユニット932と連通するように構成されている。制御ユニット932は、前述した処理回路210と同様であってもよい。幾つかの実施形態では、制御ユニット932は、密閉チャンバ930から離れた場所に配置された処理回路210と通信する。制御ユニット932は、レベルセンサ990のそれぞれが空気中に配置されているか、水中に配置されているか、又は爆発物中に配置されているかを決定するように構成される。
【0133】
制御ユニット932は、浸漬及び装填プロセスを自動化してもよい。送達装置900は、発破孔300内に下降されてもよく、複数のレベルセンサ990からのデータを使用して制御ユニット932は、発破孔300内に液体(例えば、水又は爆発物)が存在するかどうかを決定してもよい。制御ユニット932はまた、誘引センサ998からのデータを使用して、発破孔が誘引されたかどうかを決定して、発破孔300内に起爆装置及び/又はブースタが存在するかどうかを決定してもよい。制御ユニット932は、水の存在に基づいて、及び制御ユニット932に装填又は送信することができる発破孔300の寸法、発破孔の地質など、発破孔300の穿孔中に提供される任意のデータから、どの種類の爆発物を使用するかを決定してもよい。
【0134】
次いで、制御ユニット932は、爆発物を発破孔300に送達することによって装填プロセスを開始してもよい。爆発物が送達装置900を介して発破孔300に送達されると、複数のレベルセンサ990からのデータが制御ユニット932に送信される。制御ユニット932は、(ノズル920の遠位端926からの複数のレベルセンサ990の位置が既知であるので)発破孔300内の爆発物の深さを監視し、送達装置900を発破孔から後退し始めてもよい。爆発物の高さは、垂直方向に隣接する2つのレベルセンサ990の間の特定の位置に維持されてもよい。
【0135】
制御ユニット932は、発破孔300の構造的完全性を監視してもよい。制御ユニット932は、発破孔300に装填された爆発物の量を知っており、爆発物が発破孔300から漏れているかどうかを決定することができるので、発破孔300の構造的完全性が決定されてもよい。これは、発破孔300に装填された爆発物の量と、現在発破孔300にある爆発物の量とを比較することによって行われる。発破孔300に亀裂がある場合、爆発物が発破孔300から漏出し、発破孔の容積は、発破孔300に装填された量と一致しない。
【0136】
更に、制御ユニット932は、爆発物が発破孔300に装填されるときに爆発物の1つ以上のパラメータを調整するか、又は爆発物の発破孔300への装填を変化させてもよい。例えば、密度、温度、pH、添加剤などの追加の又はパラメータセンサ987から収集されたデータに基づいて、制御ユニット932は、温度、pH、密度、添加剤などの感知されたパラメータに応じて、発破孔300に圧送されている爆発性組成物を調整してもよい。例えば、エマルジョンに添加する増感剤の量を増減させ、エマルジョンの密度を調整してもよい。爆発物の他のパラメータ及び/又は特性も、必要に応じて調整してもよい。
【0137】
この浸漬及び装填プロセスは、オペレータによって監視されてもよい。オペレータは、浸漬及び装填プロセスを監視し、オペレータが必要であると判断した場合、制御ユニット932をオーバーライドしてもよい。
【0138】
主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲に規定される主題は、必ずしも前述の特徴又は行為、又は前述の行為の順序に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、記載された特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する形態の一例として開示される。
【0139】
本発明は、その思想又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、全ての点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0140】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つ以上のステップ又は動作を含む。方法ステップ及び/又は動作は、互いに置き換えられてもよい。言い換えれば、実施形態の適切な動作のために特定の順序のステップ又は動作が必要とされない限り、特定のステップ及び/又は動作の順序及び/又は使用は変更されてもよい。更に、本明細書に記載のサブルーチン又は方法の一部のみが、本開示の範囲内の別個の方法であってもよい。換言すれば、幾つかの方法は、より詳細な方法に記載されたステップの一部のみを含んでもよい。
【0141】
この明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して列挙された、引用された語句又はその変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。
【0142】
同様に、本開示の恩恵を受ける当業者であれば分かるように、上記の実施形態の説明では、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、又はその説明にまとめられることがある。しかしながら、この開示方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、任意の単一の前述の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。したがって、この詳細な説明に続く請求項は、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立している。本開示は、独立請求項とその従属請求項との全ての置換を含む。
【0143】
特徴又は要素に関する「第1」という用語の特許請求の範囲における記載は、第2の又は更なるそのような特徴又は要素の存在を必ずしも意味しない。当業者であれば分かるように、本開示の基本原理から逸脱することなく、前述の実施形態の詳細に変更を加えてもよい。
【国際調査報告】