(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電池の溶接状態検査方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231114BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20231114BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20231114BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/536
H01M50/533
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528186
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022009652
(87)【国際公開番号】W WO2023282575
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0089920
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュンフン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ス・テク・ジュン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB05
5H028BB11
5H028CC05
5H028CC12
5H028CC24
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA15
5H043EA16
5H043EA18
5H043EA35
5H043EA39
5H043HA35E
5H043KA07E
5H043KA08E
5H043KA09E
(57)【要約】
本発明は、電池の溶接状態検査方法に関するものであって、円筒状電池の電極の状態を非破壊で迅速に検査可能な電池の溶接状態検査方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1集電体、第1分離膜、第2集電体及び第2分離膜の順に積層されてワインディングされることにより、上下方向に延びる円筒状のゼリーロールと、
前記ゼリーロールの上端部に結合され、下側面に前記第1集電体が第1溶接される第1集電板と、
前記ゼリーロールの下端部に結合され、上側面に前記第2集電体が第2溶接される第2集電板と、を含む円筒状電池の溶接状態を検査する電池の溶接状態検査方法において、
前記第1集電板の上側面に第1プローブユニットを接触して抵抗を測定する第1測定段階と、
前記第2集電板の下側面に第2プローブユニットを接触して抵抗を測定する第2測定段階と、
前記第1測定段階で測定した抵抗値で前記第1溶接の状態を判断する第1溶接判断段階と、
前記第2測定段階で測定した抵抗値で前記第2溶接の状態を判断する第2溶接判断段階と、
を含む、電池の溶接状態検査方法。
【請求項2】
前記第1プローブユニットは、複数の対からなる複数の第1プローブを含み、
前記第2プローブユニットは、複数の対からなる複数の第2プローブを含み、
前記第1測定段階で、前記複数の第1プローブは、前記第1集電板のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定し、
前記第2測定段階で、前記複数の第2プローブは、前記第2集電板のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定する、請求項1に記載の電池の溶接状態検査方法。
【請求項3】
前記第1集電板は、第1直線領域と第2直線領域とが交差する十字状からなり、
前記第2集電板は、第3直線領域と第4直線領域とが交差する十字状からなり、
前記第1直線領域と前記第2直線領域とがオーバーラップされる領域を第1交差領域とし、
前記第3直線領域と前記第4直線領域とがオーバーラップされる領域を第2交差領域とする時、
前記第1測定段階で、
前記複数の第1プローブのうち少なくとも一対の第1プローブは、前記第1交差領域を挟んで第1直線領域に接触して第1抵抗値を測定し、
前記複数の第1プローブのうち少なくとも他の一対の第1プローブは、前記第1交差領域を挟んで第2直線領域に接触して第2抵抗値を測定し、
前記第2測定段階で、
前記複数の第2プローブのうち少なくとも一対の第2プローブは、前記第2交差領域を挟んで第3直線領域に接触して第3抵抗値を測定し、
前記複数の第2プローブのうち少なくとも他の一対の第2プローブは、前記第2交差領域を挟んで第4直線領域に接触して第4抵抗値を測定する、請求項2に記載の電池の溶接状態検査方法。
【請求項4】
前記第1溶接判断段階で、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて第1溶接の状態を判断し、
前記第2溶接判断段階で、前記第3抵抗値及び前記第4抵抗値に基づいて第2溶接の状態を判断する、請求項3に記載の電池の溶接状態検査方法。
【請求項5】
前記第1集電板の縁部には、円弧状の接着部が設けられ、
前記円筒状電池は、
前記ゼリーロールを内部に収容し、内周面に前記接着部が第3溶接される缶ハウジングと、
前記缶ハウジングの下端部に絶縁体を挟んで固定され、前記第2集電板と第4溶接される電極端子と、をさらに含み、
前記第2溶接判断段階以後に、
前記第1集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジングの外周面に接触して抵抗値を測定する第3測定段階と、
前記第2集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子に接触して抵抗値を測定する第4測定段階と、
前記第3測定段階から測定された抵抗値に基づいて前記第3溶接の状態を判断する第3溶接判断段階と、
前記第4測定段階から測定された抵抗値に基づいて前記第4溶接の状態を判断する第4溶接判断段階と、
をさらに含む、請求項1に記載の電池の溶接状態検査方法。
【請求項6】
前記第1測定段階、前記第2測定段階、前記第3測定段階及び前記第4測定段階で抵抗測定は、4線式低抵抗直流方式で測定される、請求項5に記載の電池の溶接状態検査方法。
【請求項7】
第1集電体、第1分離膜、第2集電体及び第2分離膜の順に積層した状態でワインディングしてゼリーロールを形成するゼリーロール形成段階と、
前記ゼリーロールの上端部で前記第1集電体と第1集電板とを第1溶接する第1溶接段階と、
前記ゼリーロールの下端部で前記第2集電体と第2集電板とを第2溶接する第2溶接段階と、
前記第1集電板の上側面に第1プローブユニットを接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第1溶接の状態を判断する第1溶接判断段階と、
前記第2集電板の下側面に第2プローブユニットを接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第2溶接の状態を判断する第2溶接判断段階と、
前記第1集電板と缶ハウジングとを第3溶接する第3溶接段階と、
前記第2集電板と電極端子とを第4溶接する第4溶接段階と、
前記第1集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジングの外周面に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第3溶接の状態を判断する第3溶接判断段階と、
前記第2集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第4溶接の状態を判断する第4溶接判断段階と、
前記缶ハウジングの内部に電解液を注入し、前記缶ハウジングを密封する密封段階と、
を含む、円筒状電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年7月8日付の大韓民国特許出願10-2021-0089920号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池の溶接状態検査方法に係り、円筒状電池の電極の状態を非破壊で迅速に検査可能な電池の溶接状態検査方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、電池は、活物質が塗布される集電体と外部電気装置と電気的連結のための電極タブ(tab)とを溶接して、集電体と電極タブとを物理的及び電気的に連結する。この際、溶接状態が不良であれば、電池の運用効率が低下し、状況に応じては電池の破損と連結される。したがって、溶接状態を正確に判断することが重要である。
【0004】
円筒状電池の場合、集電体と電極タブとの溶接、電極タブとカンとの溶接が存在し、これに対する溶接状態を検査するために、手作業を通じて溶接部位をサンプリングする破壊検査方法が行われた。
【0005】
したがって、従来の方法としては、溶接状態に対するイシュー発生時に、ロット(lot)単位のホールド(hold)などの問題があった。
【0006】
それを解決するために、インライン(in-line)全数検査が可能な新規な検査法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電池の溶接状態検査方法に関するものであって、円筒状電池の電極の状態を非破壊で迅速に検査可能な電池の溶接状態検査方法を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、前記第1集電板の上側面に第1プローブユニットを接触して抵抗を測定する第1測定段階;前記第2集電板の下側面に第2プローブユニットを接触して抵抗を測定する第2測定段階;前記第1測定段階で測定した抵抗値で前記第1溶接状態を判断する第1溶接判断段階;及び前記第2測定段階で測定した抵抗値で前記第2溶接状態を判断する第2溶接判断段階;を含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、電池の生産工程のうち、インライン全数検査が可能な方法であって、電池の生産品質を向上させ、不良電池を予め除去することができる。
【0011】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、短時間内に溶接品質を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1集電板、第2集電板及びゼリーロール間の結合を示す断面図である。
【
図3】本発明の電池の溶接状態検査方法を示すブロック図である。
【
図4】第1測定段階及び第2測定段階を示す概念図である。
【
図5】第1溶接判断段階及び第2溶接判断段階の原理を示す概念図である。
【
図9】本発明の電池の溶接状態検査方法の他の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、前記第1集電板の上側面に第1プローブユニットを接触して抵抗を測定する第1測定段階;前記第2集電板の下側面に第2プローブユニットを接触して抵抗を測定する第2測定段階;前記第1測定段階で測定した抵抗値で前記第1溶接状態を判断する第1溶接判断段階;及び前記第2測定段階で測定した抵抗値で前記第2溶接状態を判断する第2溶接判断段階;を含むものである。
【0014】
本発明の電池の溶接状態検査方法で、前記第1プローブユニットは、複数の対からなる複数の第1プローブを含み、前記第2プローブユニットは、複数の対からなる複数の第2プローブを含み、前記第1測定段階で、前記複数の第1プローブは、前記第1集電板のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定し、前記第2測定段階で、前記複数の第2プローブは、前記第2集電板のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定するものである。
【0015】
本発明の電池の溶接状態検査方法で、前記第1集電板は、第1直線領域と第2直線領域とが交差する十字状からなり、前記第2集電板は、第3直線領域と第4直線領域とが交差する十字状からなり、前記第1直線領域と前記第2直線領域とがオーバーラップされる領域を第1交差領域とし、前記第3直線領域と前記第4直線領域とがオーバーラップされる領域を第2交差領域とする時、前記第1測定段階で、前記複数の第1プローブのうち少なくとも一対の第1プローブは、前記第1交差領域を挟んで第1直線領域に接触して第1抵抗値を測定し、前記複数の第1プローブのうち少なくとも他の一対の第1プローブは、前記第1交差領域を挟んで第2直線領域に接触して第2抵抗値を測定し、前記第2測定段階で、前記複数の第2プローブのうち少なくとも一対の第2プローブは、前記第2交差領域を挟んで第3直線領域に接触して第3抵抗値を測定し、前記複数の第2プローブのうち少なくとも他の一対の第2プローブは、前記第2交差領域を挟んで第4直線領域に接触して第4抵抗値を測定するものである。
【0016】
本発明の電池の溶接状態検査方法の前記第1溶接判断段階で、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて第1溶接状態を判断し、前記第2溶接判断段階で、前記第3抵抗値及び前記第4抵抗値に基づいて第2溶接状態を判断するものである。
【0017】
本発明の電池の溶接状態検査方法で、前記第1集電板の縁部には、円弧状の接着部が設けられ、前記円筒状電池は、前記ゼリーロールを内部に収容し、内周面に前記接着部が第3溶接される缶ハウジング;及び前記缶ハウジングの下端部に絶縁体を挟んで固定され、前記第2集電板と第4溶接される電極端子;をさらに含むものである。
【0018】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、前記第2溶接判断段階以後に、前記第1集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジングの外周面に接触して抵抗値を測定する第3測定段階;前記第2集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子に接触して抵抗値を測定する第4測定段階;前記第3測定段階から測定された抵抗値に基づいて前記第3溶接の状態を判断する第3溶接判断段階;及び前記第4測定段階から測定された抵抗値に基づいて前記第4溶接の状態を判断する第4溶接判断段階;をさらに含むものである。
【0019】
本発明の電池の溶接状態検査方法の前記第1測定段階、前記第2測定段階、前記第3測定段階及び前記第4測定段階で抵抗測定は、4線式低抵抗直流方式で測定されるものである。
【0020】
本発明の電池の製造方法は、前記第1集電体、前記第1分離膜、前記第2集電体及び前記第2分離膜の順に積層した状態でワインディングしてゼリーロールを形成するゼリーロール形成段階;前記ゼリーロールの上端部で前記第1集電体と前記第1集電板とを前記第1溶接する第1溶接段階;前記ゼリーロールの下端部で前記第2集電体と前記第2集電板とを前記第2溶接する第2溶接段階;前記第1集電板の上側面に第1プローブユニットを接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第1溶接状態を判断する第1溶接判断段階;前記第2集電板の下側面に第2プローブユニットを接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第2溶接状態を判断する第2溶接判断段階;前記第1集電板と前記缶ハウジングとを前記第3溶接する第3溶接段階;前記第2集電板と前記電極端子とを前記第4溶接する第4溶接段階;前記第1集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジングの外周面に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第3溶接状態を判断する第3溶接判断段階;前記第2集電板に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第4溶接状態を判断する第4溶接判断段階;及び前記缶ハウジングの内部に電解液を注入し、前記缶ハウジングを密封する密封段階;を含むものである。
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明による実施例を詳しく説明する。この過程で図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示されうる。また、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、ユーザ、運用者の意図または慣例によって変わりうる。このような用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0022】
本発明の説明において、留意しなければならない点は、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」、「一面」、「他面」などが指示する方位または位置関係は、図面で示す方位または位置関係、あるいは、通常、本発明の製品使用時に配置する方位または位置関係に基づいたものであり、単に本発明の説明と簡略な説明のためのものであり、表示された装置または素子が、必ずしも特定の方位をもって特定の方位で構成されるか、操作されなければならないということを提示または暗示するものではないので、本発明を制限すると理解してはならない。
【0023】
図1は、ゼリーロール100を示す斜視図である。
図2は、第1集電板210、第2集電板220及びゼリーロール間の結合を示す断面図である。
図3は、本発明の電池の溶接状態検査方法を示すブロック図である。
図4は、第1測定段階(ステップS100)及び第2測定段階(ステップS200)を示す概念図である。
図5は、第1溶接判断段階(ステップS300)及び第2溶接判断段階(ステップS400)の原理を示す概念図である。
図6は、第1集電板210を示す平面図である。
図7は、第2集電板220を示す平面図である。
図8は、円筒状電池を示す断面図である。
図9は、本発明の電池の溶接状態検査方法の他の実施形態を示すブロック図である。
図10は、第3測定段階(ステップS500)を示す概念図である。
図11は、第4測定段階(ステップS600)を示す概念図である。
【0024】
以下、
図1ないし
図11を参照して、本発明の電池の溶接状態検査方法について詳しく説明する。
【0025】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、円筒状電池内で電気的連結のための部品間の溶接状態を検査するためのものである。
【0026】
図1及び
図2に示したように、本発明の電池の溶接状態検査方法の検査対象となる円筒状電池は、第1集電体110、第1分離膜130、第2集電体120及び第2分離膜140の順に積層されてワインディングされることにより、上下方向に延びる円筒状のゼリーロール100;前記ゼリーロール100の上端部に結合され、下側面に前記第1集電体110が第1溶接される第1集電板210;前記ゼリーロール100の下端部に結合され、上側面に前記第2集電体120が第2溶接される第2集電板220;を含むものである。
【0027】
すなわち、
図1に示したように、ゼリーロール100は、上下方向を中心軸とする円筒状からなり、第1集電体110の上端部が第2集電体120、第1分離膜130及び第2分離膜140の上端部よりもさらに上部に突出し、第2集電体120の下端部が第1集電体110、第1分離膜130及び第2分離膜140の下端部よりもさらに下部に突出する。
【0028】
第1集電体110は、正極活物質または負極活物質が塗布された正極集電体または負極集電体であり、第1集電体110が正極集電体である場合、第2集電体120は、負極集電体になり、第1集電体110が負極集電体である場合、第2集電体120は、正極集電体になる。
【0029】
図2に示したように、第1集電板210及び第2集電板220は、上下方向に垂直な平面のプレート状からなる。第1集電板210の下側面に第1集電体110の上端部が傾いた状態で接触して第1溶接され、第2集電板220の上側面に第2集電体120の下端部が傾いた状態で接触して第2溶接される。
【0030】
第1溶接及び第2溶接は、レーザ溶接、超音波溶接及び抵抗溶接などである。
【0031】
図3に示したように、本発明の電池の溶接状態検査方法は、前記第1集電板210の上側面に第1プローブユニット400を接触して抵抗を測定する第1測定段階(ステップS100);前記第2集電板220の下側面に第2プローブユニット500を接触して抵抗を測定する第2測定段階(ステップS200);前記第1測定段階(ステップS100)で測定した抵抗値で前記第1溶接状態を判断する第1溶接判断段階(ステップS300);及び前記第2測定段階(ステップS200)で測定した抵抗値で前記第2溶接状態を判断する第2溶接判断段階(ステップS400);を含むものである。
【0032】
第1測定段階(ステップS100)及び第2測定段階(ステップS200)は、電池の製造過程のうち、集電体と集電板とが溶接された後、ゼリーロール100が缶ハウジング310に挿入される前に行われる。
【0033】
図4に示したように、第1測定段階(ステップS100)で第1プローブユニット400は、第1集電板210に接触する時、第1集電体110と第1集電板210とが互いに接触する反対側面に接触し、第2測定段階(ステップS200)で第2プローブユニット500は、第2集電板220に接触する時、第2集電体120と第2集電板220とが互いに接触する反対側面に接触して抵抗値を測定することができる。
【0034】
図5に示したように、プローブを溶接された面の反対側面に接触して抵抗値を測定するとしても、プローブに認知される抵抗値に溶接状態が影響を与えるために、抵抗値を分析することにより、測定面の反対側の溶接状態を把握することができる。本発明の電池の溶接状態検査方法が適用される円筒状電池で第1集電板210及び第2集電板220の素材は、アルミニウム、ニッケル、銅及びこれらの組み合わせの中から選択されて設けられて、0.2~0.4Tの厚さに形成されるために、溶接面の反対側面にプローブを接触して測定される抵抗値に溶接状態が有意味に反映される。
【0035】
本発明の電池の溶接状態検査方法で、前記第1プローブユニット400は、複数の対からなる複数の第1プローブ410を含み、前記第2プローブユニット500は、複数の対からなる複数の第2プローブ510を含み、前記第1測定段階(ステップS100)で、前記複数の第1プローブ410は、前記第1集電板210のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定し、前記第2測定段階(ステップS200)で、前記複数の第2プローブ510は、前記第2集電板220のそれぞれ異なる地点に接触して抵抗値を測定するものである。
【0036】
一対の第1プローブ410は、1つの正極プローブ及び1つの負極プローブを含んで設けられ、一対の第2プローブ510も、1つの正極プローブ及び1つの負極プローブを含んで設けられうる。
【0037】
複数の対の第1プローブ410のそれぞれは、正極プローブ及び負極プローブが第1溶接領域214を挟んで位置するようにそれぞれ異なる地点に接触することができ、複数の対の第2プローブ510のそれぞれは、正極プローブ及び負極プローブが第2溶接領域224を挟んで位置するようにそれぞれ異なる地点に接触することができる。
【0038】
図6及び
図7に示したように、本発明の電池の溶接状態検査方法が適用される円筒状電池で、前記第1集電板210は、第1直線領域211と第2直線領域212とが交差する十字状からなり、前記第2集電板220は、第3直線領域221と第4直線領域222とが交差する十字状からなる。
【0039】
この際、前記第1直線領域211と前記第2直線領域212とがオーバーラップされる領域を第1交差領域213とし、前記第3直線領域221と前記第4直線領域222とがオーバーラップされる領域を第2交差領域223とすれば、前記第1測定段階(ステップS100)で、前記複数の第1プローブ410のうち少なくとも一対の第1プローブ410は、前記第1交差領域213を挟んで第1直線領域211に接触して第1抵抗値を測定し、前記複数の第1プローブ410のうち少なくとも他の一対の第1プローブ410は、前記第1交差領域213を挟んで第2直線領域212に接触して第2抵抗値を測定し、前記第2測定段階(ステップS200)で、前記複数の第2プローブ510のうち少なくとも一対の第2プローブ510は、前記第2交差領域223を挟んで第3直線領域221に接触して第4抵抗値を測定し、前記複数の第2プローブ510のうち少なくとも他の一対の第2プローブ510は、前記第2交差領域223を挟んで第4直線領域222に接触して第4抵抗値を測定するものである。
【0040】
具体的に、一対の第1プローブ410は、第1溶接領域214及び第1交差領域213を挟んで第1直線領域211に接触することができ、さらに具体的に、第1直線領域211の両端部に接触することができる。他の一対の第1プローブ410も、第1溶接領域214及び第1交差領域213を挟んで第2直線領域212に接触することができ、さらに具体的に、第2直線領域212の両端部に接触することができる。
【0041】
一対の第2プローブ510は、第2溶接領域224及び第2交差領域223を挟んで第3直線領域221に接触することができ、さらに具体的に、第3直線領域221の両端部に接触することができる。他の一対の第2プローブ510も、第2溶接領域224及び第2交差領域223を挟んで第4直線領域222に接触することができ、さらに具体的に、第4直線領域222の両端部に接触することができる。
【0042】
一対の第2プローブ510は、第2溶接領域224及び第2交差領域223を挟んで第3直線領域221に接触することができ、さらに具体的に、第3直線領域221の両端部に接触することができる。他の一対の第2プローブ510も、第2溶接領域224及び第2交差領域223を挟んで第4直線領域222に接触することができ、さらに具体的に、第4直線領域222の両端部に接触することができる。
【0043】
前記第1溶接判断段階(ステップS300)で、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて第1溶接状態を判断し、前記第2溶接判断段階(ステップS400)で、前記第3抵抗値及び前記第4抵抗値に基づいて第2溶接状態を判断するものである。第1抵抗値及び第2抵抗値を組み合わせて第1溶接状態全体を把握することができ、状況に応じて独立した値で第1溶接領域214のうち、局部領域の溶接状態を個別的と判断することができる。第3抵抗値及び第4抵抗値も、組み合わせて第2溶接状態全体を把握することができ、状況に応じて独立した値で第2溶接領域224のうち、局部領域の溶接状態を個別的と判断することができる。
【0044】
図4に示したように、前記第1測定段階(ステップS100)及び前記第2測定段階(ステップS200)で抵抗測定は、4線式低抵抗直流方式で測定される。正極プローブ及び負極プローブは、それぞれ電流計と連結される端子と電圧計と連結される端子とを含みうる。
【0045】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、1Ω以下の抵抗値を精密に測定する必要があり、このために、配線抵抗または接触抵抗の影響を最小化することができる4線式低抵抗直流方式で測定が望ましい。
【0046】
図8に示したように、本発明の電池の溶接状態検査方法で、前記第1集電板210の端部には、円弧状の接着部215が設けられ、前記円筒状電池は、前記ゼリーロール100を内部に収容し、内周面に前記接着部215が第3溶接される缶ハウジング310;及び前記缶ハウジング310の下端部に絶縁体330を挟んで固定され、前記第2集電板220と第4溶接される電極端子320;をさらに含むものである。
【0047】
缶ハウジング310は、上端部が開放された円筒状であって、上端部にゼリーロール100が挿入される。缶ハウジング310の下端部には、開口部311が形成されて電極端子320が前記開口部311を通じて缶ハウジング310の外部に露出される同時に内部の第2集電板220と接触することができる。
【0048】
図9に示したように、本発明の電池の溶接状態検査方法は、前記第2溶接判断段階(ステップS400)以後に、前記第1集電板210に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジング310の外周面に接触して抵抗値を測定する第3測定段階(ステップS500);前記第2集電板220に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子320に接触して抵抗値を測定する第4測定段階(ステップS600);前記第3測定段階(ステップS500)から測定された抵抗値に基づいて前記第3溶接の状態を判断する第3溶接判断段階(ステップS700);及び前記第4測定段階(ステップS600)から測定された抵抗値に基づいて前記第4溶接の状態を判断する第4溶接判断段階(ステップS800);をさらに含むものである。
【0049】
図10に示したように、第3測定段階(ステップS500)で前記第1集電板210に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジング310の外周面に接触して抵抗値を測定することができる。第3測定段階(ステップS500)で負極プローブと正極プローブとの間に第1溶接領域214が位置しないように、負極プローブと正極プローブは配置される。
【0050】
図11に示したように、前記第2集電板220に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子320に接触して抵抗値を測定することができる。具体的に、1つのプローブをゼリーロール100の中心軸に位置する中心管150を通じて前記第2集電板220の上側面に接触させ、他の1つのプローブを缶ハウジングの外部で電極端子320の下端部に接触させて抵抗値を測定することができる。
【0051】
前記第3測定段階(ステップS500)及び前記第4測定段階(ステップS600)も、抵抗測定は、4線式低抵抗直流方式で測定されるものである。
【0052】
本発明の電池の溶接状態検査方法を利用した円筒状電池の製造方法は、前記第1集電体110、前記第1分離膜130、前記第2集電体120及び前記第2分離膜140の順に積層した状態でワインディングしてゼリーロール100を形成するゼリーロール100形成段階;前記ゼリーロール100の上端部で前記第1集電体110と前記第1集電板210とを前記第1溶接する第1溶接段階;前記ゼリーロール100の下端部で前記第2集電体120と前記第2集電板220とを前記第2溶接する第2溶接段階;前記第1集電板210の上側面に第1プローブユニット400を接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第1溶接状態を判断する第1溶接判断段階;前記第2集電板220の下側面に第2プローブユニット500を接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第2溶接状態を判断する第2溶接判断段階;前記第1集電板210と前記缶ハウジング310とを前記第3溶接する第3溶接段階;前記第2集電板220と前記電極端子320とを前記第4溶接する第4溶接段階;前記第1集電板210に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記缶ハウジング310の外周面に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第3溶接状態を判断する第3溶接判断段階;前記第2集電板220に1つのプローブを接触し、他の1つのプローブを前記電極端子320に接触して抵抗を測定し、抵抗値で前記第4溶接状態を判断する第4溶接判断段階;及び前記缶ハウジング310の内部に電解液を注入し、前記缶ハウジング310を密封する密封段階;を含むものである。
【0053】
本発明の電池の製造方法は、工程の間ごとに各溶接部位の抵抗値を測定し、これに対する溶接状態を直ちに判断することにより、溶接不良製品が最終工程まで進められることを予め防止することができ、電池を破壊せず、各部位の溶接状態を個別的に検査することができる。
【0054】
以上、本発明による実施例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な範囲の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、電池の生産工程のうち、インライン全数検査が可能な方法であって、電池の生産品質を向上させ、不良電池を予め除去することができる。
【0056】
本発明の電池の溶接状態検査方法は、短時間内に溶接品質を確認することができる。
【符号の説明】
【0057】
100:ゼリーロール
110:第1集電体
120:第2集電体
130:第1分離膜
140:第2分離膜
150:中心管
210:第1集電板
211:第1直線領域
212:第2直線領域
213:第1交差領域
214:第1溶接領域
215:接着部
220:第2集電板
221:第3直線領域
222:第4直線領域
223:第2交差領域
224:第2溶接領域
310:缶ハウジング
311:開口部
320:電極端子
330:絶縁体
400:第1プローブユニット
410:第1プローブ
500:第2プローブユニット
510:第2プローブ
【国際調査報告】