(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】能動的に変形可能なメタミラー
(51)【国際特許分類】
G02B 26/06 20060101AFI20231114BHJP
G02B 5/09 20060101ALI20231114BHJP
G02B 5/10 20060101ALI20231114BHJP
G02B 7/185 20210101ALI20231114BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G02B26/06
G02B5/09
G02B5/10 B
G02B7/185
G02B26/08 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528218
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2021046947
(87)【国際公開番号】W WO2022103464
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ディ・マジオ,ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラルーシュ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ラディシク,ベスナ
(72)【発明者】
【氏名】ハチコウスキー,マイケル・アール
(72)【発明者】
【氏名】カバコ,ジェフリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ウォツォウィツ,マイケル
【テーマコード(参考)】
2H042
2H043
2H141
【Fターム(参考)】
2H042DB14
2H042DD04
2H042DD05
2H042DD13
2H043CB02
2H043CD02
2H141MA27
2H141MB24
2H141MB27
2H141MB63
2H141MC09
2H141MD02
2H141MD11
2H141MD32
2H141MF11
(57)【要約】
複数のメタミラー(12)を含む光学アセンブリ(10)であって、各メタミラーが、基板(20)と、基板(20)に形成された反射層(22)と、反射層(22)から延びる光学メタ要素(24)のアレイと、反射層(22)とは反対側で基板(20)に結合されたマイクロアクチュエータ(36)のアレイ(34)とを含む。マイクロアクチュエータ(36)の組合せが制御されて、メタミラー(12)の向きおよび湾曲を制御し、反射層(22)から反射される光ビームをメタ要素(24)がどのように集束させるかを設定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射面に形成された光学メタ要素のアレイと、マイクロアクチュエータのアレイとをそれぞれが含む複数のメタミラーであって、前記メタミラーすべてにおける前記メタ要素が組み合わさって、前記反射面から反射された光ビームを共通の焦点に集束させる、複数のメタミラーと、
前記マイクロアクチュエータを制御して、前記反射面を湾曲させ、前記メタ要素の集束効果を制御するためのコントローラと
を備える、光学アセンブリ。
【請求項2】
前記メタミラーのそれぞれが、複数のサブメタミラーを含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記メタミラーのそれぞれが、前記アクチュエータに結合された基板を含み、前記反射面が、前記基板に形成された反射層である、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記コントローラが、前記反射面を湾曲させるために前記マイクロアクチュエータの長さを変える、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記マイクロアクチュエータが、圧電要素である、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記メタミラーの前記反射面のうちの少なくともいくつかが、互いに対して予め傾けられている、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
望遠鏡の一部である、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記複数のメタミラーが、タイル状に並べて配置される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記メタミラーが、六角形状を有する、請求項8に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
複数のメタミラーを備える光学アセンブリであって、各メタミラーが、基板と、前記基板に形成された反射層と、前記反射層から延びる光学メタ要素のアレイと、前記反射層とは反対側で前記基板に結合されたマイクロアクチュエータのアレイを有するアクチュエータアセンブリとを含み、前記マイクロアクチュエータが制御されて、前記メタミラーの向きおよび湾曲を制御し、前記反射層から反射される光ビームを前記メタ要素の組合せがどのように集束させるかを制御する、光学アセンブリ。
【請求項11】
前記マイクロアクチュエータが、圧電要素である、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
前記メタミラーの前記基板のうちの少なくともいくつかが、互いに対して予め傾けられている、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記複数のメタミラーが、タイル状に並べて配置される、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
前記メタミラーが、六角形状を有する、請求項13に記載の光学アセンブリ。
【請求項15】
望遠鏡の一部である、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項16】
反射面に形成された光学メタ要素のアレイと、アクチュエータとを備えるメタミラーであって、前記メタ要素が組み合わさって、前記反射面から反射された光ビームを焦点に集束させ、前記アクチュエータが制御されて、前記メタミラーの向きおよび湾曲を制御して、前記光ビームを前記メタ要素がどのように集束させるかを制御する、メタミラー。
【請求項17】
前記アクチュエータに結合された基板をさらに備え、前記反射面が、前記基板に形成された反射層である、請求項16に記載のメタミラー。
【請求項18】
前記アクチュエータが、マイクロアクチュエータのアレイを含み、前記マイクロアクチュエータの長さが制御されて、前記反射面を湾曲させる、請求項16に記載のメタミラー。
【請求項19】
前記伸長要素が、圧電要素である、請求項19に記載のメタミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、能動的に変形可能なメタミラーに関し、より詳細には、マイクロアクチュエータのアレイ上に形成されたメタ要素のアレイをそれぞれが含む、能動的に変形可能なメタミラーのアレイを有する光学アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]屈折および反射光学要素は、光および他の電磁波を集束させるための様々な光学システムにおいて多くの用途がある。これらの光学システムのうちのいくつかは、それらの所期の目的に十分な光を収集するために大口径を必要とすることが多く、したがって光学要素のサイズおよび重量の改良が望まれる。これは、地上ベースの大口径ミラーに特に当てはまり、より多くの光を収集する必要がある航空および宇宙ベースの光学システムにさらに当てはまる。しかし、ガラスなどの従来の屈折光学材料、およびSiCなどの大型ミラー用の材料の使用は、重量、サイズ、厚さが制限されており、したがって、これらの構成要素を使用して大口径を提供することは困難である。
【0003】
[0003]メタマテリアルは、それらの化学組成ではなく、主にそれらの内部微細構造からそれらの特性を得る、人工的に作られた複合材料である。メタマテリアルは、低損失での光の集束など、望ましい特性や機能を実現するために構造単位として設計および製造することができる。特定の低損失誘電体など透明なメタマテリアルをメタ構造またはメタ要素のアレイとして特別に作製し、メタ表面またはメタレンズを形成して、可視および赤外撮像用の超薄型平面状光学系を提供することが、当技術分野において知られている。これらの目的のためのメタマテリアルは、透明または反射基板上に周期的に配置された50~200ナノメートル程度のサイズの誘電体ピラー、リング、十字部分などを含むことがあり、光学系は、10~20ミクロンほどの薄さにすることができる。従来のマイクロエレクトロニクス製造技法を使用して、良好な色収差補正性能を備えた光学品質の広帯域平面状メタレンズおよびメタミラーを製造できることは、当技術分野で実証されている。
【0004】
[0004]これらのメタレンズおよびメタミラーを実際に適用する際に直面する課題の1つは、それらのサイズである。これらの適用のための典型的な光学システムは、直径1mm程度のレンズを有し、現在の半導体製造技法では、サイズがcm範囲未満に制限されている。携帯電話などのマイクロレンズ用途には良好であるが、他の多くの用途では、かなり大きな口径が必要とされる。1つ解決策は、多数のミラーを「タイル化」して、セグメント化された大口径を作成することである。これは、いくつかの大型の反射望遠鏡に関して行われているが、それでも、個々のセグメントは典型的なメタレンズよりも何桁も大きい。さらに、現在の製造技法では、メタミラーで得ることができる位相コントラストに限界があり、したがって、より大口径のためにはフレネルミラーおよび/または非常に小さいタイルの使用が余儀なくされる。したがって、大口径メタミラーの実現には、個々のタイル状ミラーそれぞれのサイズの改良と、より多数のセグメントを備えたセグメント化されたミラーの製造と、フレネル構成およびセグメント化によって持ち込まれる光学誤差を補正するための計算技法の開発との組合せが必要である。
【0005】
[0005]補償光学系は、ミラーを変形させるために圧電アクチュエータなどの小型アクチュエータを採用する様々な光学用途に関して当技術分野で知られている。これらのタイプの補償ミラーは、様々な用途があり、例えば、変化する大気条件下で天体を観察するときにリアルタイムで補正される必要がある光学系を備える望遠鏡での用途がある。従来の光学系およびミラー技術、例えば補償ミラー技術を使用してビーム補正を提供するそのような能動的な補償光学系システムは、現在、AOA Xineticsから入手可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]以下の論述では、複数のメタミラーを含む光学アセンブリであって、各メタミラーが、基板と、基板に形成された反射層と、反射層から延びる光学メタ要素のアレイと、反射層とは反対側で基板に結合されたマイクロアクチュエータのアレイとを含む、光学アセンブリを開示して述べる。メタミラーの向きおよび湾曲を修正し、反射層から反射される光ビームをメタ要素がどのように集束させるかを設定するために、マイクロアクチュエータの組合せが制御される。
【0007】
[0007]本開示の追加の特徴は、添付図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲を読めば明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】複数のタイル状メタミラーを有する光学メタミラーアセンブリの正面図である。
【
図2】
図1に示される光学メタミラーアセンブリの側面図である。
【
図4】焦点距離に対するメタミラーの湾曲幾何形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0012]能動的に変形可能なメタミラーを対象とする本開示の実施形態の以下の論述は、本質的に単なる例示にすぎず、本開示またはその用途もしくは使用を限定することをなんら意図するものではない。
【0010】
[0013]本開示は、例えば望遠鏡での用途がある補償光学系を形成するために、反射面に形成されたメタ要素のアレイと、マイクロアクチュエータとを含む光学メタミラーを提案する。メタミラーに入射する光は、メタ要素によって変えられ、反射面によって反射され、再びメタ要素によって変えられて、光の集束が行われる。マイクロアクチュエータは、メタミラーを傾けるように、および/または反射面を湾曲するように制御されて、メタ要素の集束効果を制御する。
【0011】
[0014]
図1は、上で全般的に言及したタイプのメタミラーを含む、光ビームを集束させるための光学メタミラーアセンブリ10の正面図である。アセンブリ10は、タイル状の構成に配置された複数の六角形メタミラー12を含み、アセンブリ10は、望遠鏡の開口部などの丸い開口部14を画定する。メタミラー12のサイズ、数、および形状、ならびに開口部14の形状は、単に例として図示されており、概して、任意の適切な用途または製造能力に合わせて選択することができることに留意されたい。各メタミラー12は基板20を含み、金属化反射層22などの反射面が基板20上に形成され、また、複数のメタ要素24が、半導体デバイスを製造するために使用されるリソグラフィプロセスなどの任意の適切なプロセスによって基板20上に形成される。メタ要素24は、単に例示の目的で、実際よりもはるかに大きく図示されていることに留意されたい。また、代替実施形態では、例えば製造上の制限により、各メタミラー12は、任意の適切な形状およびサイズの複数のより小さいサブメタミラーの組合せを含むこともできることに留意されたい。
【0012】
[0015]メタ要素24は、基板20から50~200nmなどの任意の適切な高さまで延び、本明細書での論述に合致する所望の波長での光を変えるまたは集束させる任意の適切な形状を有し、アセンブリは、ある波長範囲にわたって動作するように構成される。さらに、メタ要素24は、メタミラー12にわたって異なる形状でもよい。メタミラー12に入射する光は、まずメタ要素24によって変えられ、次いで反射層22によって反射され、次いでメタ要素24によって再び変えられて、焦点に集束される。以下に詳細に論じるように、各メタミラー12は、他のメタミラー12に対して作動可能であり、したがってメタミラー12を互いに対して傾けることができ、光の集束を制御することができる。
【0013】
[0016]
図2は、アセンブリ10の側面図である。各メタミラー12は、基部32と、そこから延びる、長さを制御可能に変えることができるマイクロアクチュエータ36の高密度アレイ34とを有するマイクロアクチュエータアセンブリ30を含み、マイクロアクチュエータ36の端部は、基板20の、反射層22とは反対側に形成される。非限定的な1つでは、マイクロアクチュエータ36は、例えばコントローラ38から適切な電気信号を印加することによって短縮または伸長することができる圧電要素である。したがって、各メタミラー12は、選択的に光を集束させるために、他のメタミラー12から独立して傾けるまたは湾曲させることができる。メタミラー12のいくつかは、アレイ10から反射された光をほぼ共通の焦点に合わせるために予め傾けることができ、ここで、外側のメタミラー12はより大きい傾きを有することができ、すべてのメタミラー12を共通の高精度の焦点に合わせるためにマイクロアクチュエータ36が使用される。焦点制御に加えて、能動的な補償光学系制御を使用して、個々のメタミラー12の不完全性および誤差を補正し、セグメント化および色収差による影響を軽減する。メタミラー12の作動のさらなる利点は、例えば、環境、機械的応力、および大気の外乱を補償するなど、リアルタイムで光学性能を調整できる能力を含む。課題としては、色収差の軽減、およびメタミラー12からの分散の制御が挙げられる。
【0014】
[0017]メタミラー12は、上述の実施形態では六角形であるが、他の形状も適用可能であり得る。
図3は、メタミラー12と同様であるが、他の形状も適用可能であることを示すために長方形状を有するメタミラー40の等角図である。上述したように、メタミラー40は、基部44と、そこから延びるマイクロアクチュエータ48のアレイ46とを有するマイクロアクチュエータアセンブリ42を含む。基板50は、マイクロアクチュエータ48上に形成され、反射面52を含む。メタ要素54のアレイが基板50に形成され、そこから延びる。
【0015】
[0018]能動的なミラー変形が光学特性に及ぼすことが予想される2つの効果があり、幾何学的な光学効果と、メタミラー構造の変位により生じる光分散の変化とを含む。
図4は、焦点距離fを有するミラー60の湾曲幾何形状を示す図であり、線62は、ミラー60が平坦であるときのミラー60を表し、線64は、ミラー60が湾曲しているときのミラー60を表し、メタ要素は図示されていない。以下の論述は2次元での説明であるが、ミラー60は3次元であり、この非限定的な実施形態では円形であることを理解されたい。距離dおよびd
Iは、ミラー60の平坦な線62および曲がった(湾曲した)線64に沿った位置rでの、ミラー60の平坦な線62および湾曲した線64それぞれによって与えられる相対位相、すなわち波長のモジュロを表し、ここで、rは同じであると仮定される。これらは、下向きに当たる垂直な光線を点Oでの焦点に反射するために必要とされる位相変化である。値tは、点rでの、ミラー60が平坦であるときのミラー60上の点と、ミラー60が湾曲しているときのミラー60上の対応する点との変位である。小さな変位(マイクロメートル)の場合、これは、この例で示されている小さな円弧と同じである。また、ミラー60の変形は、ミラー60の直径Dよりもはるかに大きい曲率半径Rを有する円形と仮定される。これらの条件において、ミラー60の半径r
m、およびミラー60の縁部t
mでの最大変位の関数として、焦点fは以下のように与えられる。
【数1】
ここで、dI
0は、ミラー60の縁部t
mでの、平坦であり変形していないミラー60を合焦するために必要とされる位相(光の波長のモジュロ)である。
【0016】
[0019]一例として、開口数NA=0.2および焦点距離f=2.4495cmでの、直径1cmの平坦なメタミラーの場合を分析する。ミラー60の縁部tmの最大変位(上方)が10マイクロメートルである場合、約0.5mmの焦点距離の短縮が得られ、これは、本明細書で論じられる能動光学系手法による大幅な焦点制御を示しており、光学メタミラーアセンブリ10の組立ておよび合焦を非常に容易にする。
【0017】
[0020]セグメント化されたメタミラーに対してこの能動光学補正手法を使用することの別の重要な利点は、所与の直径のメタミラーに必要とされる最大位相変化によって課される制約によって与えられる条件を緩和できることであり、ここで、条件は次式によって与えられる。
D×NA×Δω<2cΔΦ (2)
ここで、Dはメタミラー直径、NAは開口数、Δωは帯域幅、cは光の速度、ΔΦは位相変化である。
【0018】
[0021]アクチュエータアレイから得ることができる物理的変形を採用することによって、かなり大きい直径のメタミラーを使用するときに生じる式(2)の不等式の違反を補償することができる。式(1)から、メタミラー位相プロファイルを製造時の状態に固定したまま、必要に応じてミラー60の有効径Dまたは帯域幅を大幅に増加させるために必要な、ミラー60の縁部tmの所要の最大変形を計算することができる。上で与えられた集束の例に関して、ミラー60の縁部tmが約230マイクロメートルまで増加される場合、ミラー60の直径Dは、実質的に20%増加することができ、またはほぼ可視スペクトル全体に及ぶことができる。これは、非常に大きな位相変化を用いることなく、数センチメートルの直径を有するメタミラーの製造を可能にすることができる。全体的な光学性能を向上させるために、そのような能動的に補正されたメタミラーアレイを、計算による画像補正技法と組み合わせることもできる。
【0019】
[0022]メタミラーの変形が光学性能に及ぼす残りの影響には、メタミラーナノ構造の間隔および向きの予想される変化が含まれる。これは、ミラー60を含む2つ以上の隣接する誘電体ナノ構造からの光の結合近接場ミー散乱を含む。典型的には高さ1μmまでの直方体の誘電体であるこれらのナノ構造は、ミラー60の湾曲によって修正されたそれらの相対的な間隔および向きを有することが予想される。要素間の距離は、ミラー60での様々な材料の弾性率に応じて、曲率半径に対するミラーの厚さの割合の半分に近い量だけ変化する。近似計算は、1cmのメタミラーでの10μmの変位が3mの曲率半径に相当することを示す。ミラー60の厚さが、典型的なウェハ厚さである500μmの場合、間隔の変化は約0.02%である。これが性能に与える影響は無視することができる。
【0020】
[0023]上記の論述は、本開示の単なる例示的な実施形態を開示して述べている。そのような論述、添付図面、および特許請求の範囲から、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、修正、および変形を施すことができることを当業者は容易に理解されよう。
【国際調査報告】