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特表2023-548949電池セル及びその製造方法と製造システム、電池及び電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電池セル及びその製造方法と製造システム、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/559 20210101AFI20231114BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20231114BHJP
   H01M 50/179 20210101ALI20231114BHJP
【FI】
H01M50/559
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/505
H01M50/516
H01M50/119
H01M50/545
H01M50/55 201
H01M50/533
H01M50/179
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529132
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2021114155
(87)【国際公開番号】W WO2023023916
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲坤▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 志君
(72)【発明者】
【氏名】金 海族
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011CC06
5H011KK01
5H043AA04
5H043CA03
5H043FA04
5H043HA11F
5H043JA01E
5H043JA02D
5H043JA06E
5H043KA06D
5H043LA02
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池セル及びその製造方法と製造システム、電池及び電力消費装置を提供する。
【解決手段】 電池セルは、極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリと、電極アセンブリを収容するためのケースであって、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、筒体は、電極アセンブリの外周を囲んで設置され、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられるケースと、電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するための電極端子であって、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられ、蓋体と電極端子の両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である電極端子とを含む。本出願は、電池セルの過電流能力を改善し、電池セルの構造を簡略化することができる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に用いられる電池セルであって、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリと、
前記電極アセンブリを収容するためのケースであって、筒体と、前記筒体に接続される蓋体とを含み、前記筒体は、前記電極アセンブリの外周を囲んで設置され、前記蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、前記蓋体の少なくとも一部は、前記電池の第一の接続部品と前記第一のタブとを電気的に接続するために用いられるケースと、
前記電池の第二の接続部品と前記第二のタブとを電気的に接続するための電極端子であって、前記電極端子は、前記蓋体に絶縁して設置され、且つ前記電極引き出し穴に取り付けられ、前記蓋体と前記電極端子との両方のうちの一方は、前記電池セルの正出力極であり、他方は、前記電池セルの負出力極である電極端子とを含む、電池セル。
【請求項2】
前記蓋体と前記筒体は、一体に形成される構造である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記蓋体は、接続部と、折曲部とを含み、前記接続部には、前記電極引き出し穴が設けられ、且つ前記接続部の少なくとも一部は、前記第一の接続部品と前記第一のタブとを接続するために用いられ、前記折曲部は、前記筒体と前記接続部とを接続するために用いられる、請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記接続部は、本体部と、第一の凹部とを含み、前記本体部は、前記第一の凹部の外周を囲んで設置され、前記本体部は、前記第一の接続部品と前記第一のタブとを接続するために用いられ、前記第一の凹部は、前記本体部の外面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って凹み、前記電極引き出し穴は、前記第一の凹部の底壁を貫通し、且つ前記第一の凹部を前記ケースの内部に連通させ、
前記電池セルは、第一の絶縁部品をさらに含み、前記第一の凹部は、前記第一の絶縁部品の少なくとも一部を収容するように構成され、前記第一の絶縁部品の前記第一の凹部内に収容される部分は、前記第一の凹部の側壁及び/又は底壁に付設される、請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記本体部の厚さは、前記筒体の肉厚よりも大きい、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記本体部の厚さD1と前記筒体の肉厚D2との差は、0.1ミリメートル≦D1-D2≦2ミリメートルを満たす、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記筒体は、円筒状であり、前記電極引き出し穴は、丸穴であり、前記筒体の中心軸は、前記電極引き出し穴の中心軸と重なるように設置される、請求項4から6のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記筒体の内半径L1と前記本体部の幅L2は、0.2≦L2/L1≦0.8を満たし、前記本体部の幅L2は、前記本体部の外半径と前記本体部の内半径との差である、請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記本体部は、前記第一の接続部品に溶接され、且つ前記本体部に第一の溶接領域を形成するために用いられ、前記第一の溶接領域は、前記折曲部の第一の端部と間隔をあけて設置され、前記第一の端部は、前記本体部に接続するために用いられる、請求項4から8のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項10】
前記第一の溶接領域の溶接深さD3と前記本体部の厚さD1は、0.1≦D3/D1≦0.8を満たす、請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、第二の絶縁部品をさらに含み、前記第二の絶縁部品は、絶縁本体と、前記絶縁本体の外周に凸設される絶縁突起とを含み、前記絶縁本体は、前記本体部の前記電極アセンブリに面する側に当接し、前記絶縁突起は、前記折曲部の前記電極アセンブリに面する側に設けられ、前記絶縁突起の、前記電極アセンブリから離反する表面は、前記絶縁本体の、前記電極アセンブリから離反する表面よりも前記電極アセンブリに近く、それによって前記折曲部を回避するための第二の凹部を形成する、請求項4から10のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項12】
前記絶縁突起は、前記電極アセンブリに面する方向に沿って前記折曲部の第二の端部よりもはみ出しており、前記第二の端部は、前記筒体に接続するために用いられる、請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記絶縁本体の内面には、前記電極アセンブリから離反する方向に沿って凹む第三の凹部が形成されており、前記電極端子の少なくとも一部は、前記第三の凹部に収容される、請求項11又は12に記載の電池セル。
【請求項14】
前記絶縁本体の厚さは、前記本体部の厚さよりも大きい、請求項11から13のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記接続部において、前記第一の凹部と対向する位置には、前記本体部の内面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って突出する凸部が形成されており、
前記接続部は、第四の凹部をさらに含み、前記第四の凹部は、前記凸部の先端面から前記電極アセンブリから離反する方向に沿って前記本体部の内面に凹み、
前記電池セルは、第二の絶縁部品をさらに含み、前記第四の凹部は、前記第二の絶縁部品の少なくとも一部を収容するように構成され、前記第二の絶縁部品の、前記第四の凹部に収容される部分は、前記第四の凹部の側壁及び/又は底壁に付設される、請求項4から14のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項16】
前記折曲部は、前記接続部に接続されるための第一の端部と、前記筒体に接続されるための第二の端部とを含み、前記第一の端部から前記第二の端部に向かう方向に、前記折曲部の厚さは、徐々に小さくなる、請求項3から15のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項17】
前記第二のタブは、前記電極アセンブリの、前記蓋体に面する端に設けられ、前記第一のタブは、前記電極アセンブリの、前記蓋体から離反する他端に設けられ、
前記筒体は、前記第一のタブが前記蓋体に電気的に接続されるように、前記第一のタブと前記蓋体とを接続するために用いられる、請求項1から16のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項18】
前記第一のタブは、負極タブであり、前記ケースの基体材質は、鋼である、請求項1から17のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項19】
前記筒体の、前記蓋体から離反する端には開口があり、前記電池セルは、前記開口を密閉するためのカバープレートをさらに含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項20】
電池であって、
請求項1から19のいずれか1項に記載の電池セルと、
前記蓋体に接続される第一の接続部品と、
前記電極端子に接続される第二の接続部品とを含む、電池。
【請求項21】
請求項20に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費装置。
【請求項22】
電池セルの製造方法であって、
ケースと電極端子を提供することであって、前記ケースは、筒体と、前記筒体に接続される蓋体とを含み、前記蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、前記筒体の、前記蓋体から離反する端には開口があり、前記電極端子は、前記蓋体に絶縁して設置され、且つ前記電極引き出し穴に取り付けられることと、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供することと、
前記筒体が前記電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ前記第二のタブが前記電極端子に電気的に接続されるように前記電極アセンブリを前記ケース内に取り付けることと、
カバープレートを提供し、前記筒体の開口を密閉するように前記カバープレートを前記筒体に接続し、前記第一のタブが前記カバープレートと前記筒体を介して前記蓋体に電気的に接続されるように前記第一のタブを前記カバープレートに電気的に接続することとを含み、
ここで、前記蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と前記第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、前記電極端子は、前記電池の第二の接続部品と前記第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、前記蓋体と前記電極端子との両方のうちの一方は、前記電池セルの正出力極であり、他方は、前記電池セルの負出力極である、電池セルの製造方法。
【請求項23】
電池セルの製造システムであって、
ケースと電極端子を提供するための第一の提供装置であって、前記ケースは、筒体と、前記筒体に接続される蓋体とを含み、前記蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、前記筒体の、前記蓋体から離反する端には開口があり、前記電極端子は、前記蓋体に絶縁して設置され、且つ前記電極引き出し穴に取り付けられる第一の提供装置と、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供するための第二の提供装置と、
前記筒体が前記電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ前記第二のタブが前記電極端子に電気的に接続されるように前記電極アセンブリを前記ケース内に取り付けるための第一の組み立て装置と、
カバープレートを提供し、前記筒体の開口を密閉するように前記カバープレートを前記筒体に接続し、前記第一のタブが前記カバープレートと前記筒体を介して前記蓋体に電気的に接続されるように前記第一のタブを前記カバープレートに電気的に接続するための第二の組み立て装置とを含み、
ここで、前記蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と前記第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、前記電極端子は、前記電池の第二の接続部品と前記第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、前記蓋体と前記電極端子との両方のうちの一方は、前記電池セルの正出力極であり、他方は、前記電池セルの負出力極である、電池セルの製造システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、より具体的には、電池セル及びその製造方法と製造システム、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、バッテリ車、電気自動車、電気飛行機、電気汽船、電動玩具自動車、電動玩具汽船、電動玩具飛行機と電動工具などに広く用いられる。電池セルは、ニッケル-カドミウム電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セルと二次アルカリ亜鉛マンガン電池セルなどを含んでもよい。
【0003】
電池技術の発展において、どのように電池セルの過電流能力を改善し、電池セルの構造を簡略化するかは、電池技術における一つの研究方向である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、電池セルの過電流能力を改善し、電池セルの構造を簡略化できる電池セル及びその製造方法と製造システム、電池及び電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、電池に用いられる電池セルを提供し、この電池セルは、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリと、
電極アセンブリを収容するためのケースであって、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、筒体は、電極アセンブリの外周を囲んで設置され、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられるケースと、
電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するための電極端子であって、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられ、蓋体と電極端子の両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である電極端子とを含む。
【発明の効果】
【0006】
上記方案では、蓋体と電極端子を出力極とすることによって、電池セルの構造を簡略化し、電池セルの過電流能力を確保することができる。蓋体と電極端子は、電池セルの同一の端に位置し、このように、第一の接続部品と第二の接続部品は、電池セルの同一側に装着することができ、このように装着プロセスを簡略化し、複数の電池セルを組として装着する効率を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例では、蓋体と筒体は、一体に形成される構造である。一体成形構造は、蓋体と筒体の接続工程を省くことができる。
【0008】
いくつかの実施例では、蓋体は、接続部と、折曲部とを含み、接続部には、電極引き出し穴が設けられ、且つ接続部の少なくとも一部は、第一の接続部品と第一のタブとを接続するために用いられ、折曲部は、筒体と接続部とを接続するために用いられる。
【0009】
上記方案では、折曲部は、ケースの成形過程で応力を解放し、応力集中を低減させ、ケース破裂のリスクを低減させることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、接続部は、本体部と、第一の凹部とを含み、本体部は、第一の凹部の外周を囲んで設置され、本体部は、第一の接続部品と第一のタブとを接続するために用いられ、第一の凹部は、本体部の外面から電極アセンブリに面する方向に沿って凹み、電極引き出し穴は、第一の凹部の底壁を貫通し、且つ第一の凹部をケースの内部に連通させる。電池セルは、第一の絶縁部品をさらに含み、第一の凹部は、第一の絶縁部品の少なくとも一部を収容するように構成され、第一の絶縁部品の、第一の凹部内に収容される部分は、第一の凹部の側壁及び/又は底壁に付設される。
【0011】
上記方案では、第一の凹部を設置することによって、第一の絶縁部品に対して位置決めを行い、装着プロセスを簡略化することができる。第一の凹部は、第一の絶縁部品の少なくとも一部を収容することができ、このように第一の絶縁部品の、本体部の外面よりも突出するサイズを小さくすることによって、電池セルの最大サイズを小さくし、エネルギー密度を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、本体部の厚さは、筒体の肉厚よりも大きい。本体部が第一の接続部品に接続するために用いられるため、本体部と第一の接続部品との間の接続強度を確保するように、本体部は比較的大きい厚さを有する必要がある。また、比較的大きい厚さを有する本体部は、電極端子などの部品をより良く支持することができる。筒体は、主に電極アセンブリを外部から隔離し、それは相対的に比較的小さい厚さを有してもよく、それによって電池セル全体の重量を小さくする。
【0013】
いくつかの実施例では、本体部の厚さD1と筒体の肉厚D2との差は、0.1ミリメートル≦D1-D2≦2ミリメートルを満たす。
【0014】
D1-D2が0.1mmよりも小さい場合、本体部の厚さが小さいか、又は筒体の厚さが大きく、本体部の厚さが小さければ、本体部の強度不足を引き起こすが、筒体の厚さが大きければ、筒体の重量は大きくなり、エネルギー密度に影響を及ぼす。D1-D2が2mmよりも大きい場合、延伸成形する過程において、本体部の延伸量と筒体の延伸量との差が大きすぎ、筒体は延伸中に破損しやすくなる。そのため、本出願の実施例は、D1とD2が0.1ミリメートル≦D1-D2≦2ミリメートルを満たすようにしている。
【0015】
いくつかの実施例では、筒体は、円筒状であり、電極引き出し穴は、丸穴であり、筒体の中心軸は、電極引き出し穴の中心軸と重なるように設置される。
【0016】
上記方案では、電極引き出し穴は、電極端子の位置を限定するために用いられ、本実施例は、電極引き出し穴の中心軸を筒体の中心軸と重なるように設置することで、電極端子の少なくとも一部を、蓋体の中心位置に位置させることができる。このように、複数の電池セルを組として装着する時、電極端子の位置精度に対する要求を低下させ、装着プロセスを簡略化し、装着効率を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例では、筒体の内半径L1と本体部の幅L2は、0.2≦L2/L1≦0.8を満たし、本体部の幅L2は、本体部の外半径と本体部の内半径との差である。
【0018】
上記方案では、筒体の内半径L1が一定であることを前提として、本体部の幅L2は、電極引き出し穴の半径と負の相関がある。本体部の幅L2が小さすぎると、本体部の過電流能力の不足を引き起こすが、本体部の幅L2が大きすぎると、電極引き出し穴の半径は小さすぎるようになり、電極端子の過電流能力は不足するようになる。発明者の試験によれば、筒体の内半径L1と本体部の幅L2が0.2≦L2/L1≦0.8を満たす場合、本体部の過電流能力と電極端子の過電流能力のバランスをより良く取り、電池セルの過電流能力に対する要求を満たすことができる。
【0019】
いくつかの実施例では、本体部は、第一の接続部品に溶接され、且つ本体部に第一の溶接領域を形成するために用いられ、第一の溶接領域は、折曲部の第一の端部と間隔をあけて設置され、第一の端部は、本体部に接続するために用いられる。
【0020】
上記方案では、第一の溶接領域と折曲部の第一の端部とを、間隔をあけて設置することで、溶接中にプロセス誤差で折曲部に溶接されるリスクを低減させ、溶接不良の可能性を低下させ、本体部と第一の接続部品との間の接続強度を確保する。
【0021】
いくつかの実施例では、第一の溶接領域の溶接深さD3と本体部の厚さD1は、0.1≦D3/D1≦0.8を満たす。
【0022】
上記方案では、D3/D1の値が小さすぎると、第一の溶接領域の体積は小さすぎるようになり、これにより本体部と第一の接続部品との間の接続強度が不足し、過電流能力が低くなる。そのため、本実施例は、D3/D1の値を0.1以上にすることによって、本体部と第一の接続部品との間の接続強度と過電流能力を確保する。D3/D1の値が大きすぎると、溶接に必要なパワーも高くなり、溶接時に発生する高温により、他の部品を焼損しやすい。また、D3/D1の値が大きすぎると、本体部が溶け落ちるリスクも高くなり、本体部が溶け落ちると、ケース内の他の部品は、さらに焼損しやすくなる。そのため、本出願の実施例は、D3/D1の値を0.8以下にすることによって、溶接時の温度を下げ、他の部品を焼損するリスクを低減させる。
【0023】
いくつかの実施例では、電池セルは、第二の絶縁部品をさらに含み、第二の絶縁部品は、絶縁本体と、絶縁本体の外周に凸設される絶縁突起とを含み、絶縁本体は、本体部の電極アセンブリに面する側に当接し、絶縁突起は、折曲部の電極アセンブリに面する側に設けられ、絶縁突起の、電極アセンブリから離反する表面は、絶縁本体の、電極アセンブリから離反する表面よりも電極アセンブリに近く、それによって折曲部を回避するための第二の凹部を形成する。
【0024】
上記方案では、絶縁本体は、本体部の少なくとも一部を電極アセンブリから隔離することができ、絶縁突起は、折曲部の少なくとも一部を電極アセンブリから隔離することができ、このように、電池セルが振動する時に、本実施例は、電極アセンブリが本体部に接触するリスク及び電極アセンブリが折曲部に接触するリスクを低減させることによって、安全性能を向上させることができる。本実施例は、第二の凹部を設置することによって折曲部を回避して、折曲部と第二の絶縁部品との干渉を回避する。
【0025】
いくつかの実施例では、絶縁突起は、電極アセンブリに面する方向に沿って、折曲部の第二の端部よりもはみ出しており、第二の端部は、筒体に接続するために用いられる。
【0026】
上記方案では、絶縁突起の外面は、折曲部の内面と隔離されて、絶縁突起と折曲部との干渉を回避する。絶縁突起の絶縁本体から突出するサイズは、折曲部の影響を受けず、このように絶縁突起の隔離効果を改善することができる。
【0027】
いくつかの実施例では、絶縁本体の内面には、電極アセンブリから離反する方向に沿う凹む第三の凹部が形成されており、電極端子の少なくとも一部は、第三の凹部に収容される。第三の凹部を設置することで、第二の絶縁部品と電極端子が占有する空間を小さくして、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0028】
いくつかの実施例では、絶縁本体の厚さは、本体部の厚さよりも大きい。本体部と第一の接続部品を溶接する時、熱は、絶縁本体上に伝わる。本実施例は、絶縁本体の厚さを本体部の厚さよりも大きくすることで、伝熱の経路を延長し、熱の他の部品への影響を軽減する。本実施例の絶縁本体は、比較的大きい厚さを有し、このように、絶縁本体の、第一の溶接領域に近い部分が焼損しても、絶縁効果を確保することができる。
【0029】
いくつかの実施例では、接続部において、第一の凹部と対向する位置には、本体部の内面から電極アセンブリに面する方向に沿って突出する凸部が形成されている。接続部は、第四の凹部をさらに含み、第四の凹部は、凸部の先端面から電極アセンブリから離反する方向に沿って本体部の内面に凹む。電池セルは、第二の絶縁部品をさらに含み、第四の凹部は、第二の絶縁部品の少なくとも一部を収容するように構成され、第二の絶縁部品の、第四の凹部に収容される部分は、第四の凹部の側壁及び/又は底壁に付設される。
【0030】
上記方案では、凸部を設置することによって、第一の凹部の底壁の厚さを大きくして、第一の凹部の底壁の強度を向上させることができ、それによって第一の凹部の底壁は、電極端子を効果的に支持することができる。第二の絶縁部品は、内側から本体部を覆って、電極アセンブリを本体部から隔離し、電池セルが振動する時に電極アセンブリが本体部に接触して導通するリスクを低減させ、安全性能を向上させることができる。第四の凹部を設置することによって、第二の絶縁部品に対して位置決めを行い、装着プロセスを簡略化することができる。第四の凹部は、第二の絶縁部品の少なくとも一部を収容することができ、このようにケースの内部空間を十分に利用し、エネルギー密度を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、折曲部は、接続部に接続されるための第一の端部と、筒体に接続されるための第二の端部とを含み、第一の端部から第二の端部に向かう方向に、折曲部の厚さは、徐々に小さくなる。
【0032】
上記方案では、折曲部の厚さを徐々に変化させて、接続部と筒体との間の厚さの違いに適応し、筒体と接続部を緩やかに接続し、ケースの内面と外面が段差を形成するリスクを下げ、応力集中を低減させる。
【0033】
いくつかの実施例では、第二のタブは、電極アセンブリの、蓋体に面する端に設けられ、第一のタブは、電極アセンブリの、蓋体から離反する他端に設けられる。筒体は、第一のタブが蓋体に電気的に接続されるように、第一のタブと蓋体とを接続するために用いられる。
【0034】
上記方案では、第一のタブと第二のタブを電極アセンブリの両端に設けることで、第一のタブと第二のタブが導通されるリスクを低減させ、第一のタブの過電流面積と第二のタブの過電流面積を大きくすることができる。
【0035】
いくつかの実施例では、第一のタブは、負極タブであり、ケースの基体材質は、鋼である。ケースは、負極タブに電気的に接続され、即ちケースは、低電位状態にある。鋼製のケースは、低電位状態で電解液に腐食されにくく、それによって安全上のリスクを低減させる。
【0036】
いくつかの実施例では、筒体の、蓋体から離反する端には開口があり、電池セルは、開口を密閉するためのカバープレートをさらに含む。
【0037】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、この電池は、第一の態様のいずれか一つの実施例の電池セルと、蓋体に接続される第一の接続部品と、電極端子に接続される第二の接続部品とを含む。
【0038】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、電力消費装置を提供し、この電力消費装置は、第二の態様の電池を含み、電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0039】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造方法を提供し、この製造方法は、
ケースと電極端子を提供することであって、ケースは、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、筒体の、蓋体から離反する端には開口があり、電極端子は、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられることと、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供することと、
筒体が電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ第二のタブが電極端子に電気的に接続されるように、電極アセンブリをケース内に取り付けることと、
カバープレートを提供し、筒体の開口を密閉するようにカバープレートを筒体に接続し、第一のタブがカバープレートと筒体を介して蓋体に電気的に接続されるように第一のタブをカバープレートに電気的に接続することとを含み、
ここで、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、電極端子は、電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、蓋体と電極端子の両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である。
【0040】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造システムを提供し、この製造システムは、
ケースと電極端子を提供するための第一の提供装置であって、ケースは、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、筒体の、蓋体から離反する端には開口があり、電極端子は、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられる第一の提供装置と、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供するための第二の提供装置と、
筒体が電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ第二のタブが電極端子に電気的に接続されるように、電極アセンブリをケース内に取り付けるための第一の組み立て装置と、
カバープレートを提供し、筒体の開口を密閉するようにカバープレートを筒体に接続し、第一のタブがカバープレートと筒体を介して蓋体に電気的に接続されるように第一のタブをカバープレートに電気的に接続するための第二の組み立て装置とを含み、
ここで、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、電極端子は、電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、蓋体と電極端子の両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の分解概略図である。
図3図2に示す電池モジュールの分解概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による電池の局所断面概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解概略図である。
図6図4に示す電池のブロックAにおける拡大概略図である。
図7】本出願のいくつかの実施例による電池セルのケースの局所断面概略図である。
図8図6に示す電池の丸枠Bにおける拡大概略図である。
図9】本出願のいくつかの実施例による電池セルの第二の絶縁部品の構造概略図である。
図10図6に示す電池の丸枠Cにおける拡大概略図である。
図11】本出願のいくつかの実施例による電池セルの電極端子の構造概略図である。
図12】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフロー概略図である。
図13】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造システムの概略ブロック図である。 図面において、図面は、実際の縮尺通りに描かれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0043】
特に定義されない限り、本出願に使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本出願において、出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における用語である「第一の」、「第二の」などは、特定の順序又は主従関係を記述するためのものではなく、異なる対象を区別するためのものである。
【0044】
本出願で言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0045】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0046】
本出願における用語である「及び/又は」は、ただ関連対象の相関関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0047】
本出願の実施例では、同じ符号は、同じ部材を表し、そして簡潔のために、異なる実施例において、同じ部材に対する詳細な説明は省略されている。理解すべきこととして、図面に示される本出願の実施例における様々な部材の厚さ、長さ、幅などの寸法、及び集積装置全体の厚さ、長さ、幅などの寸法は、例示的な説明だけであるが、本出願に対して何らかの限定を構成するものではない。
【0048】
本出願における「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指す。
【0049】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。
【0050】
本出願の実施例で言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0051】
電池セルは、電極アセンブリと、電解質とを含み、電極アセンブリは、正極極板と、負極極板と、セパレータとを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極極板と負極極板との間で移動することによって作動する。正極極板は、正極集電体と、正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極集電体は、正極集電部と、正極集電部から突出する正極タブとを含み、正極集電部には、正極活物質層が塗覆されており、正極タブの少なくとも一部は、正極活物質層が塗覆されていない。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極極板は、負極集電体と、負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極集電体は、負極集電部と、負極集電部から突出する負極タブとを含み、負極集電部には、負極活物質層が塗覆されており、負極タブの少なくとも一部は、負極活物質層が塗覆されていない。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質層は、負極活物質を含み、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0052】
電池では、複数の電池セルは、バスバーによって電気的に接続される。電池の構造を簡略化するために、発明者は、バスバーを正出力極と負出力極に容易に接続するために、電池セルの正出力極と負出力極を電池セルの同一の端に設置する。
【0053】
電池セルには、一般的には電極端子が設置され、電極端子を出力極とする。発明者は、二つの電極端子を電池セルの同一の端に設置し、それぞれ電池セルの正出力極と負出力極とすることを試みた。しかしながら、発明者の発見によると、サイズが比較的小さい電池セルに対し、電池セルの同一の端に二つの電極端子を設置する場合、電極端子とバスバーの装着を容易にするために、二つの電極端子間の距離が相対的に比較的大きいことを確保する必要があり、これにより、電極端子自体のサイズが圧縮され、電極端子の過電流面積は小さくなり、電池セルの過電流能力に影響を及ぼす。
【0054】
そこで、本出願の実施例は、技術案を提供し、それは、ケースの蓋体を出力極とし、蓋体と電極端子を電池セルの同一の端に位置させることで、電池セルの構造を簡略化し、電池セルの過電流能力を確保することができる。
【0055】
本出願の実施例に記述された技術案は、電池及び電池を使用する電力消費装置に適する。
【0056】
電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具と電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機と電気カンナなどを含む。本出願の実施例は、上記電力消費装置に対して特に制限しない。
【0057】
以下の実施例は、説明の便宜上、電力消費装置が車両であることを例にして説明する。
【0058】
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。図1に示すように、車両1の内部には、電池2が設置され、電池2は、車両1の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池2は、車両1の給電に用いられてもよく、例えば電池2は、車両1の操作電源とすることができる。
【0059】
車両1はさらに、コントローラ3と、モータ4とを含んでもよく、コントローラ3は、電池2がモータ4へ給電するように制御するために用いられ、例えば車両1の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0060】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は、車両1の操作電源だけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することができる。
【0061】
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池の分解概略図である。図2に示すように、電池2は、筐体5と、電池セル(図2において図示せず)とを含み、電池セルは、筐体5内に収容される。
【0062】
筐体5は、電池セルを収容するために用いられ、筐体5は、様々な構造であってもよい。いくつかの実施例では、筐体5は、第一の筐体部51と、第二の筐体部52とを含んでもよく、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、相互に被せられ、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、共同で電池セルを収容するための収容空間53を限定する。第二の筐体部52は、一端が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51は、板状構造であり、第一の筐体部51は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成し、第一の筐体部51と第二の筐体部52はいずれも、一側が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51の開口側は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成する。無論、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。
【0063】
第一の筐体部51と第二の筐体部52が接続された後のシール性を向上させるために、第一の筐体部51と第二の筐体部52との間には、シール部材、例えば、シーラント、シールリングなどが設置されてもよい。
【0064】
第一の筐体部51が第二の筐体部52の頂部に被せられたとすると、第一の筐体部51は、上部筐体蓋と呼ばれてもよく、第二の筐体部52は、下部筐体と呼ばれてもよい。
【0065】
電池2では、電池セルは、一つであってもよく、複数であってもよい。電池セルが複数である場合、複数の電池セル間は、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されてもよく、直並列に接続されることは、複数の電池セルには、直列接続もあるし、並列接続もあることを指す。複数の電池セル間は、直接直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続され、さらに複数の電池セルから構成された全体を筐体5内に収容してもよく、無論、複数の電池セルは、まず直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて電池モジュール6を構成し、複数の電池モジュール6はさらに、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて一つの全体を形成して、筐体5内に収容されてもよい。
【0066】
図3は、図2に示す電池モジュールの分解概略図である。
【0067】
いくつかの実施例では、図3に示すように、電池セル7は、複数であり、複数の電池セル7は、まず直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて、電池モジュール6を構成する。複数の電池モジュール6は、さらに直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて一つの全体を形成して、筐体内に収容される。
【0068】
電池モジュール6における複数の電池セル7間は、バスバーによって電気的接続を実現することで、電池モジュール6における複数の電池セル7が並列接続され、又は直列接続、又は直並列接続を実現することができる。
【0069】
図4は、本出願のいくつかの実施例による電池の局所断面概略図であり、図5は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解概略図であり、図6は、図4に示す電池のブロックAにおける拡大概略図であり、図7は、本出願のいくつかの実施例による電池セルのケースの局所断面概略図であり、図8は、図6に示す電池の丸枠Bにおける拡大概略図である。
【0070】
図4から図8に示すように、本出願の実施例の電池セル7は、極性が逆である第一のタブ11と第二のタブ12とを含む電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10を収容するためのケース20であって、筒体21と、筒体21に接続される蓋体22とを含み、筒体21は、電極アセンブリ10の外周を囲んで設置され、蓋体22には、電極引き出し穴221が設けられ、蓋体22の少なくとも一部は、電池2の第一の接続部品81と第一のタブ11とを電気的に接続するために用いられるケース20と、電池2の第二の接続部品82と第二のタブ12とを電気的に接続するための電極端子30であって、蓋体22に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴221に取り付けられ、蓋体22と電極端子30の両方のうちの一方は、電池セル7の正出力極であり、他方は、電池セル7の負出力極である電極端子30とを含む。
【0071】
電極アセンブリ10は、第一の極板と、第二の極板と、セパレータとを含み、セパレータは、第一の極板と第二の極板を隔離するために用いられる。第一の極板と第二の極板の極性は、逆であり、言い換えれば、第一の極板と第二の極板のうちの一方は、正極極板であり、第一の極板と第二の極板のうちの他方は、負極極板である。
【0072】
第一の極板、第二の極板とセパレータは、いずれも帯状構造であり、第一の極板、第二の極板とセパレータは、一体に捲回されて捲回構造を形成する。捲回構造は、円柱状構造、扁平状構造又は他の形状の構造であってもよい。
【0073】
電極アセンブリ10の外観からみると、電極アセンブリ10は、主体部13と、第一のタブ11と、第二のタブ12とを含み、第一のタブ11と、第二のタブ12は、主体部13から突出している。第一のタブ11は、第一の極板の、活物質層が塗覆されていない部分であり、第二のタブ12は、第二の極板の、活物質層が塗覆されていない部分である。第一のタブ11と第二のタブ12は、主体部13における電流を引き出すために用いられる。
【0074】
第一のタブ11と第二のタブ12は、主体部13の同一側から延出してもよく、それぞれ逆である両側から延出してもよい。
【0075】
第一のタブ11と第二のタブ12は、それぞれ主体部13の第一の方向Xに沿う両側に設けられてもよく、言い換えれば、第一のタブ11と第二のタブ12は、それぞれ電極アセンブリ10の第一の方向Xに沿う両端に設けられる。
【0076】
選択的に、第一のタブ11は、電極アセンブリ10の中心軸を囲んで複数周捲回され、第一のタブ11は、複数巻のタブ層を含む。捲回が完了した後、第一のタブ11は、ほぼ柱体状であり、隣接する二巻のタブ層間に、隙間が残っている。本出願の実施例は、第一のタブ11を処理して、タブ層間の隙間を小さくし、第一のタブ11と他の導電構造との接続を容易にすることができる。例えば、本出願の実施例は、第一のタブ11の、主体部13から遠ざかる端部領域をすぼめて集合させるように、第一のタブ11に対して平坦化処理を行うことができ、平坦化処理により、第一のタブ11の、主体部13から遠ざかる一端に緻密な端面を形成し、タブ層間の隙間を小さくして、第一のタブ11と他の導電構造との接続を容易にする。代替的に、本出願の実施例は、タブ層間の隙間を小さくするように、隣接する二巻のタブ層間に導電材料を充填してもよい。
【0077】
選択的に、第二のタブ12は、電極アセンブリ10の中心軸を囲んで複数周捲回され、第二のタブ12は、複数巻のタブ層を含む。例示的に、第二のタブ12にも、第二のタブ12のタブ層間の隙間を小さくするように、平坦化処理が施されている。
【0078】
ケース20は、中空構造であり、その内部に電極アセンブリ10を収容するための空間が形成される。ケース20の形状は、電極アセンブリ10の具体的な形状に基づいて決定されてもよい。例えば、電極アセンブリ10が円筒体構造である場合、円筒体ケースを選択することができ、電極アセンブリ10が直方体構造である場合、直方体ケースを選択することができる。選択的に、電極アセンブリ10とケース20は、いずれも円筒体であり、これに対応して、筒体21は、円筒であり、蓋体22は、円形板状構造である。
【0079】
蓋体22は、筒体21に電気的に接続され、蓋体22と筒体21は、同じ極性を有することができる。
【0080】
蓋体22と筒体21は、一体に形成される構造であってもよく、即ちケース20は、一体に成形される部品である。無論、蓋体22と筒体21は、別々に提供される二つの部品であり、そして溶接、かしめ、接着などの方式で接続されてもよい。
【0081】
ケース20は、一端が開口する中空構造である。具体的には、筒体21の、蓋体22から離反する端には、開口211がある。電池セル7は、カバープレート40をさらに含み、カバープレート40は、筒体21の開口部に被せられて、筒体21の開口211を密閉する。カバープレート40は、様々な構造であってもよく、例えば、カバープレート40は、板状構造である。
【0082】
電極引き出し穴221は、電極アセンブリ10における電気エネルギーをケース20の外部に容易に引き出すように、蓋体22を貫通する。例示的に、電極引き出し穴221は、第一の方向Xに沿って蓋体22を貫通する。
【0083】
電極アセンブリ10の中心軸は、第一の方向Xに平行である仮想の直線である。電極アセンブリ10の中心軸は、電極引き出し穴221を貫通してもよく、電極引き出し穴221とずれて設置されてもよく、本実施例は、これに対して限定しない。
【0084】
第一のタブ11は、蓋体22に電気的に接続される。第一のタブ11は、蓋体22に直接電気的に接続されてもよく、他の導電構造によって蓋体22に間接的に電気的接続されてもよく、例えば第一のタブ11は、筒体21によって蓋体22に電気的に接続されてもよい。
【0085】
第二のタブ12は、電極端子30に電気的に接続される。第二のタブ12は、電極端子30に直接電気的に接続されてもよく、他の導電構造によって電極端子30に間接的に電気的接続されてもよい。
【0086】
電極端子30が蓋体22に絶縁して設置されるため、電極端子30と蓋体22は、異なる極性を有することができ、電極端子30と蓋体22は、異なる出力極としてもよい。
【0087】
電極端子30は、蓋体22に固定される。電極端子30は、蓋体22の外側に全体的に固定されてもよく、電極引き出し穴221を介してケース20の内部に延在してもよい。
【0088】
第一のタブ11が負極タブであり、第二のタブ12が正極タブである場合、蓋体22は、電池セル7の負出力極であるが、電極端子30は、電池セル7の正出力極である。第一のタブ11が正極タブであり、第二のタブ12が負極タブである場合、蓋体22は、電池セル7の正出力極であるが、電極端子30は、電池セル7の負出力極である。
【0089】
電池2では、複数の電池セル7は、バスバーによって電気的に接続される。バスバーは、第一の接続部品81と、第二の接続部品82とを含み、第一の接続部品81は、電池セル7の蓋体22に接続するために用いられるが、第二の接続部品82は、電池セル7の電極端子30に接続するために用いられる。
【0090】
第一の接続部品81は、溶接、接着又は他の方式で蓋体22に接続されて、第一の接続部品81と蓋体22との電気的接続を実現することができる。第二の接続部品82は、溶接、接着、かしめ又は他の方式で電極端子30に接続されて、第二の接続部品82と電極端子30との電気的接続を実現することができる。
【0091】
例示的に、第一の接続部品81は、一つの電池セル7の蓋体22と別の電池セル7の電極端子30に接続されるが、第二の接続部品82は、この一つの電池セル7の電極端子30ともう一つの電池セル7の蓋体22に接続され、このように、第一の接続部品81と第二の接続部品82は、三つの電池セル7を直列に接続する。
【0092】
本実施例では、蓋体22と電極端子30を出力極とすることによって、電池セル7の構造を簡略化し、電池セル7の過電流能力を確保することができる。蓋体22と電極端子30は、電池セル7の同一の端に位置し、このように、第一の接続部品81と第二の接続部品82は、電池セル7の同一側に装着することができ、このように装着プロセスを簡略化し、複数の電池セル7を組として装着する効率を向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施例では、蓋体22と筒体21は、一体に形成される構造である。このように、蓋体22と筒体21の接続工程を省くことができる。ケース20は、延伸プロセスによって成形されてもよい。
【0094】
本出願の実施例の電極引き出し穴221は、ケース20が延伸成形された後に作られる。
【0095】
発明者は、ケースの開口端をロール圧延して、ケースの開口端を内に折り返してバーリング構造を形成し、バーリング構造でカバープレートを押え付けてカバープレートの固定を実現することを試みた。発明者は、電極端子をカバープレート上に取り付け、バーリング構造と電極端子を電池セルの二つの出力極とした。しかしながら、バーリング構造のサイズが大きければ大きいほど、その成形後にカールとしわが発生するリスクは高くなり、バーリング構造にカールとしわが発生すると、バーリング構造の表面に凹凸が生じ、バーリング構造が外部の接続部品に溶接される時に、溶接不良の問題が発生する。そのため、バーリング構造のサイズは、比較的に限られており、電池セルの過電流能力の不足を招く。
【0096】
本実施例は、穴開けのプロセスを利用して蓋体22上に電極端子30を取り付けるための電極引き出し穴221を形成して、正出力極と負出力極を電池セル7の、ケース20開口から離反する端に設置し、蓋体22は、ケース20の成形過程で形成され、電極引き出し穴221を開設した後にも平坦性を確保し、蓋体22と第一の接続部品81との接続強度を確保することができる。それとともに、蓋体22の平坦性が自体のサイズに制約されないため、蓋体22は、比較的大きいサイズを有することによって、電池セル7の過電流能力を向上させることができる。
【0097】
いくつかの実施例では、蓋体22は、接続部222と、折曲部223とを含み、接続部222には、電極引き出し穴221が設けられ、且つ接続部222の少なくとも一部は、第一の接続部品81と第一のタブ11とを接続するために用いられ、折曲部223は、筒体21と接続部222とを接続するために用いられる。
【0098】
本実施例は、接続部222の厚さ、折曲部223の厚さ及び筒体21の肉厚を制限せず、三者の厚さは、必要に応じて決定されてもよい。
【0099】
接続部222は、環形の板状構造であり、それは、電極引き出し穴221の周方向に沿って延びて、電極引き出し穴221を囲む。板状構造を有する接続部222は、第一の接続部品81とより良く貼り合わせることによって、両者間の接続強度と過電流面積を確保することができる。
【0100】
第一の接続部品81は、溶接、接着又は他の方式で接続部222に接続されて、第一の接続部品81と蓋体22との電気的接続を実現することができる。
【0101】
本出願の実施例では、折曲部223は、ケース20の成形過程で応力を解放し、応力集中を低減させ、ケース20破裂のリスクを低減させることができる。
【0102】
いくつかの実施例では、接続部222は、本体部2221と、第一の凹部2222とを含み、本体部2221は、第一の凹部2222の外周を囲んで設置され、本体部2221は、第一の接続部品81と第一のタブ11とを接続するために用いられ、第一の凹部2222は、本体部の外面222bから電極アセンブリ10に面する方向に沿って凹み、電極引き出し穴221は、第一の凹部2222の底壁を貫通し、且つ第一の凹部2222をケース20の内部に連通させる。電池セル7は、第一の絶縁部品61をさらに含み、第一の凹部2222は、第一の絶縁部品61の少なくとも一部を収容するように構成され、第一の絶縁部品61の、第一の凹部2222内に収容される部分は、第一の凹部2222の側壁及び/又は底壁に付設される。
【0103】
本体部2221は、自体の厚さ方向に沿って対向して設置される内面222aと外面222bを有し、本体部の内面222aは、電極アセンブリ10に面する。本体部の外面222bは、第一の接続部品81と容易に貼り合わせて接続するように、平面であってもよい。
【0104】
電極端子30は、接続部222に固定される。例示的に、第一の凹部2222の底壁は、電極端子30との嵌合固定に用いられてもよい。
【0105】
第一の絶縁部品61は、電極端子30の少なくとも一部を接続部222から絶縁して隔離するために用いられる。例示的に、第一の絶縁部品61の少なくとも一部は、第一の凹部2222の底壁と電極端子30との間に挟まれて、第一の凹部2222の底壁と電極端子30を絶縁して隔離し、短絡リスクを低減させる。
【0106】
本実施例は、第一の絶縁部品61の一部が第一の凹部2222内に収容されてもよく、第一の絶縁部品61全体が第一の凹部2222内に収容されてもよい。
【0107】
第一の絶縁部品61の、第一の凹部2222内に収容される部分は、第一の凹部2222の側壁のみに付設されてもよく、第一の凹部2222の底壁のみに付設されてもよく、第一の凹部2222の底壁と側壁に同時に付設されてもよい。
【0108】
「付設」とは、二つの部品を貼り付けて接触させることであり、二つの部品間は、貼り付けて固定されてもよく、単に貼り付けて固定されなくてもよい。例えば、電極端子30と第一の凹部2222の底壁は、両側から第一の絶縁部品61の、第一の凹部2222内に収容される部分を挟み、第一の絶縁部品61の、第一の凹部2222内に収容される部分は、挟み力の作用で、第一の凹部2222の底壁に付設される。無論、第一の絶縁部品61の、第一の凹部2222内に収容される部分は、接着剤によって第一の凹部2222の底壁に付設されてもよい。
【0109】
本実施例は、第一の凹部2222を設置することによって、第一の絶縁部品61に対して位置決めを行い、装着プロセスを簡略化することができる。第一の凹部2222は、第一の絶縁部品61の少なくとも一部を収容することができ、このように第一の絶縁部品61の、本体部の外面222bよりも突出するサイズを小さくすることによって、電池セル7の最大サイズを小さくし、エネルギー密度を向上させることができる。
【0110】
いくつかの実施例では、本体部の外面222bは、露出しており、それは、電極端子30と第一の絶縁部品61によって覆われていない。
【0111】
いくつかの実施例では、本体部2221の厚さは、筒体21の肉厚よりも大きい。
【0112】
本体部2221が第一の接続部品81に接続するために用いられるため、本体部2221と第一の接続部品81との間の接続強度を確保するように、本体部2221は比較的大きい厚さを有する必要がある。また、比較的大きい厚さを有する本体部2221は、電極端子30などの部品をより良く支持することができる。筒体21は、主に電極アセンブリ10を外部から隔離し、それは相対的に比較的小さい厚さを有してもよく、それによって電池セル7全体の重量を小さくする。
【0113】
例示的に、本体部2221は、第一の接続部品81に溶接される。本体部2221の厚さが比較的小さい場合、本体部2221は、溶接中に溶け落ちやすくなり、そのため、本出願の実施例の本体部2221は、比較的大きい厚さを有する。
【0114】
いくつかの実施例では、本体部2221の厚さD1と筒体21の肉厚D2との差は、0.1ミリメートル≦D1-D2≦2ミリメートルを満たす。
【0115】
D1-D2が0.1mmよりも小さい場合、本体部2221の厚さが小さいか、又は筒体21の厚さが大きく、本体部2221の厚さが小さければ、本体部2221の強度不足を引き起こすが、筒体21の厚さが大きければ、筒体21の重量は大きくなり、エネルギー密度に影響を及ぼす。
【0116】
ケース20は、一般的には、平板を延伸して形成される。D1-D2が2mmよりも大きい場合、延伸成形する過程で、本体部2221の延伸量と筒体21の延伸量との差が大きすぎ、筒体21は延伸中に破損しやすくなる。
【0117】
そのため、本出願の実施例は、D1とD2が0.1ミリメートル≦D1-D2≦2ミリメートルを満たすようにしている。
【0118】
選択的に、D1-D2の値は、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.2mm、1.5mm、1.8mm又は2mmである。
【0119】
いくつかの実施例では、筒体21は、円筒状であり、電極引き出し穴221は、丸穴であり、筒体21の中心軸は、電極引き出し穴221の中心軸と重なるように設置される。
【0120】
「重なるように設置される」ことは、筒体21の中心軸と電極引き出し穴221の中心軸が絶対的完全に重なることを要求するというわけではなく、プロセスに許容されるばらつきが存在してもよい。
【0121】
電極引き出し穴221は、電極端子30の位置を限定するために用いられ、本実施例は、電極引き出し穴221の中心軸を筒体21の中心軸と重なるように設置することで、電極端子30の少なくとも一部を、蓋体22の中心位置に位置させることができる。このように、複数の電池セル7を組として装着する時、電極端子30の位置精度に対する要求を低下させ、装着プロセスを簡略化し、装着効率を向上させることができる。
【0122】
いくつかの実施例では、筒体21の内半径L1と本体部2221の幅L2は、0.2≦L2/L1≦0.8を満たし、本体部2221の幅L2は、本体部2221の外半径と本体部2221の内半径との差である。
【0123】
本体部2221は、円環構造であり、幅L2は、即ち円環構造の環幅である。
【0124】
電極アセンブリ10は、ほぼ円柱構造であり、筒体21の内半径L1は、電極アセンブリ10の半径と正の相関がある。L1の値が大きければ大きいほど、電極アセンブリ10の体積、容量は、大きくなり、電池セル7の過電流能力に対する要求も高くなる。
【0125】
本体部2221の幅L2及び電極引き出し穴221の半径は、いずれも電池セル7の過電流能力に関連している。幅L2の値が大きければ大きいほど、第一の接続部品81と本体部2221との間の接続面積は大きくなり、第一の接続部品81と本体部2221との間の過電流能力も高くなる。電極引き出し穴221の半径は、電極端子30の過電流面積に直接影響を及ぼし、それに応じて電極端子30と第二の接続部品82との間の過電流能力にも影響を及ぼす。要するに、本体部2221の幅L2と、電極引き出し穴221の半径は、いずれも電池セル7の過電流能力に影響を及ぼす。
【0126】
しかしながら、筒体21の内半径L1が一定であることを前提として、本体部2221の幅L2は、電極引き出し穴221の半径と負の相関がある。本体部2221の幅L2が小さすぎると、本体部2221の過電流能力の不足を引き起こすが、本体部2221の幅L2が大きすぎると、電極引き出し穴221の半径は小さすぎるようになり、電極端子30の過電流能力は不足するようになる。発明者の試験によれば、筒体21の内半径L1と本体部2221の幅L2が0.2≦L2/L1≦0.8を満たす場合、本体部2221の過電流能力と電極端子30の過電流能力のバランスをより良く取り、電池セル7の過電流能力に対する要求を満たすことができる。
【0127】
いくつかの実施例では、筒体21の内半径L1と本体部2221の幅L2は、0.3≦L2/L1≦0.7を満たす。
【0128】
選択的に、L2/L1の値は、0.3、0.4、0.5、0.6又は0.7である。
【0129】
いくつかの実施例では、本体部2221は、第一の接続部品81に溶接され、且つ本体部2221に第一の溶接領域W11を形成するために用いられ、第一の溶接領域W11は、折曲部223の第一の端部223aと間隔をあけて設置され、第一の端部223aは、本体部2221に接続するために用いられる。
【0130】
本体部2221は、第一の接続部品81に溶接されて第一の溶接部W1を形成する。例示的に、溶接時に、レーザー光は、第一の接続部品81の、本体部2221から離反する表面に作用し、レーザー光は、第一の接続部品81の一部と本体部2221の一部とを溶融して接続することによって、第一の溶接部W1を形成する。
【0131】
第一の溶接部W1は、本体部2221に形成される第一の溶接領域W11と、第一の接続部品81に形成される第二の溶接領域W12とを含む。
【0132】
折曲部223は、対向して設置される第一の端部223aと、第二の端部223bとを含み、第一の端部223aは、本体部2221に接続するために用いられ、第二の端部223bは、筒体21に接続するために用いられる。折曲部223全体は、折曲状態を呈し、その内面と外面は、ほぼ曲面である。
【0133】
本出願の実施例は、第一の溶接領域W11と折曲部223の第一の端部223aとを、間隔をあけて設置することで、溶接中にプロセス誤差で折曲部223に溶接されるリスクを低減させ、溶接不良の可能性を低下させ、本体部2221と第一の接続部品81との間の接続強度を確保する。
【0134】
いくつかの実施例では、第一の溶接領域W11の溶接深さD3と本体部2221の厚さD1は、0.1≦D3/D1≦0.8を満たす。
【0135】
溶接深さD3とは、第一の溶接領域W11の本体部2221の厚さ方向におけるサイズである。
【0136】
D3/D1の値が小さければ小さいほど、本体部2221を溶接する時に溶融する必要のある部分は、小さくなり、溶接に必要なパワーも低くなり、逆に、D3/D1の値が大きければ大きいほど、本体部2221を溶接する時に溶融する必要のある部分は、大きくなり、溶接に必要なパワーも高くなる。
【0137】
D3/D1の値が小さすぎると、第一の溶接領域W11の体積は小さすぎるようになり、これにより本体部2221と第一の接続部品81との間の接続強度が不足し、過電流能力が低くなる。そのため、本実施例は、D3/D1の値が0.1以上であるようすることによって、本体部2221と第一の接続部品81との間の接続強度と過電流能力を確保する。
【0138】
D3/D1の値が大きすぎると、溶接に必要なパワーも高くなり、溶接時に発生する高温により、他の部品、例えば後述する第二の絶縁部品を焼損しやすい。また、D3/D1の値が大きすぎると、本体部2221が溶け落ちるリスクも高くなり、本体部2221が溶け落ちると、ケース20内の他の部品は、さらに焼損しやすくなる。そのため、本出願の実施例は、D3/D1の値を0.8以下にすることによって、溶接時の温度を下げ、他の部品を焼損するリスクを低減させる。
【0139】
選択的に、D3/D1の値は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6又は0.7である。
【0140】
いくつかの実施例では、接続部222において、第一の凹部2222と対向する位置には、本体部の内面222aから電極アセンブリ10に面する方向に沿って突出している凸部2223が形成されている。接続部222は、第四の凹部2224をさらに含み、第四の凹部2224は、凸部2223の先端面222cから電極アセンブリ10から離反する方向に沿って本体部の内面222aに凹む。電池セル7は、第二の絶縁部品60をさらに含み、第四の凹部2224は、第二の絶縁部品60の少なくとも一部を収容するように構成され、第二の絶縁部品60の、第四の凹部2224に収容される部分は、第四の凹部2224の側壁及び/又は底壁に付設される。
【0141】
第一の凹部2222と凸部2223は、蓋体22を打ち抜いて形成されてもよい。
【0142】
凸部2223の先端面222cは、凸部2223の、電極アセンブリ10に面する表面である。第四の凹部2224は、凸部2223を囲んで設置される環形凹部である。第四の凹部2224の底面は、即ち本体部の内面222aである。
【0143】
第二の絶縁部品60の、第四の凹部2224に収容される部分は、第四の凹部2224の側壁のみに付設されてもよく、第四の凹部2224の底壁のみに付設されてもよく、第四の凹部2224の側壁と底壁に同時に付設されてもよい。
【0144】
本実施例は、凸部2223を設置することによって、第一の凹部2222の底壁の厚さを大きくして、第一の凹部2222の底壁の強度を向上させることができ、それによって第一の凹部2222の底壁は、電極端子30を効果的に支持することができる。第二の絶縁部品60は、内側から本体部2221を覆って、電極アセンブリ10を本体部2221から隔離し、電池セル7が振動する時に電極アセンブリ10が本体部2221に接触して導通するリスクを低減させ、安全性能を向上させることができる。第四の凹部2224を設置することによって、第二の絶縁部品60に対して位置決めを行い、装着プロセスを簡略化することができる。第四の凹部2224は、第二の絶縁部品60の少なくとも一部を収容することができ、このようにケース20の内部空間を十分に利用し、エネルギー密度を向上させることができる。
【0145】
いくつかの実施例では、第一の絶縁部品61と第二の絶縁部品60とのうちの一つは、電極引き出し穴221をシールするために用いられる。別の実施例において、電池セル7は、シールリング62をさらに含み、シールリング62は、電極端子30に外嵌され、電極引き出し穴221をシールするために用いられる。選択的に、シールリング62の一部は、電極引き出し穴221内に伸びて、電極引き出し穴221の穴壁を電極端子30から隔離する。
【0146】
いくつかの実施例では、折曲部223は、接続部222に接続されるための第一の端部223aと、筒体21に接続されるための第二の端部223bとを含み、第一の端部223aから第二の端部223bに向かう方向に、折曲部223の厚さは、徐々に小さくなる。
【0147】
折曲部223の第一の端部223aの厚さは、本体部2221の厚さに等しく、折曲部223の第二の端部223bの厚さは、筒体21の厚さに等しい。
【0148】
本出願の実施例は、折曲部223の厚さを徐々に変化させて、接続部222と筒体21との間の厚さの違いに適応し、筒体21と接続部222を緩やかに接続し、ケース20の内面と外面が段差を形成するリスクを下げ、応力集中を低減させる。
【0149】
いくつかの実施例では、第二のタブ12は、電極アセンブリ10の、蓋体22に面する端に設けられ、第一のタブ11は、電極アセンブリ10の、蓋体22から離反する他端に設けられる。筒体21は、第一のタブ11が蓋体22に電気的に接続されるように、第一のタブ11と蓋体22とを接続するために用いられる。
【0150】
筒体21は、第一のタブ11に直接電気的に接続されてもよく、他の部品によって第一のタブ11に電気的に接続されてもよい。例えば、第一のタブ11は、カバープレート40によって筒体21に電気的に接続される。
【0151】
本出願の実施例では、第一のタブ11と第二のタブ12を電極アセンブリ10の両端に設けることで、第一のタブ11と第二のタブ12が導通されるリスクを低減させ、第一のタブ11の過電流面積と第二のタブ12の過電流面積を大きくすることができる。
【0152】
いくつかの実施例では、第一のタブ11は、負極タブであり、ケース20の基体材質は、鋼である。
【0153】
ケース20は、負極タブに電気的に接続され、即ちケース20は、低電位状態にある。鋼製のケース20は、低電位状態で電解液に腐食されにくく、それによって安全上のリスクを低減させる。
【0154】
いくつかの実施例では、電池セル7は、第二のタブ12と電極端子30に接続されるための集電部品50をさらに含む。
【0155】
集電部品50は、溶接、当接又は接着などの方式で第二のタブ12に接続され、溶接、当接、接着、かしめなどの方式で電極端子30に接続されてもよく、それによって、第二のタブ12と電極端子30との間の電気的接続を実現する。
【0156】
第一の方向Xに、電極端子30と第二のタブ12の中部領域は、対向して設置される。電極端子30と第二のタブ12を直接的に接続する場合、第二のタブ12のエッジ領域と電極端子30との間の導電経路は長くなり、それにより電極アセンブリ10の第二の極板の電流密度が不均一になり、内部抵抗が大きくなり、電池セル7の過電流能力と充電効率に影響を及ぼす。
【0157】
本出願の実施例の集電部品50と第二のタブ12との間は、比較的大きい接続面積を有することができ、第二のタブ12の電流は、集電部品50を介して電極端子30に流入することができ、このように、集電部品50は、第二のタブ12の異なる領域と電極端子30との間の導電経路の差異を小さくし、第二の極板の電流密度の均一性を向上させ、内部抵抗を小さくし、電池セル7の過電流能力と充電効率を向上させることができる。
【0158】
図9は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの第二の絶縁部品の構造概略図である。
【0159】
図8図9に示すように、いくつかの実施例では、電池セル7は、第二の絶縁部品60をさらに含み、第二の絶縁部品60は、絶縁本体63と、絶縁本体63の外周に凸設される絶縁突起64とを含み、絶縁本体63は、本体部2221の、電極アセンブリ10に面する側に当接し、絶縁突起64は、折曲部223の、電極アセンブリ10に面する側に設けられ、絶縁突起64の、電極アセンブリ10から離反する表面は、絶縁本体63の、電極アセンブリ10から離反する表面よりも電極アセンブリ10に近く、それによって折曲部223を回避するための第二の凹部65を形成する。
【0160】
絶縁本体63は、対向して設置される内面と外面を有し、絶縁本体の内面631は、電極アセンブリ10に面する。絶縁突起64は、対向して設置される内面と外面を有し、絶縁突起の内面641は、電極アセンブリ10に面する。第一の方向Xに、絶縁突起の外面642は、絶縁本体の外面632よりも電極アセンブリ10に近い。
【0161】
本体部2221の厚さ方向に、絶縁本体63と本体部2221は、少なくとも部分的に重なり、絶縁突起64と折曲部223は、少なくとも部分的に重なる。
【0162】
絶縁突起64は、絶縁本体63の外側を囲む環形構造である。第二の凹部65は、絶縁本体63の外側を囲む。
【0163】
絶縁本体63は、本体部2221の、電極アセンブリ10に面する表面に当接し、第一の溶接領域W11を覆う。第一の接続部品81と本体部2221を溶接する時に、操作ミスで本体部2221が溶け落ちた場合、絶縁本体63は、ストッパーの役割を果たし、溶接ビードが電極アセンブリ10に落ちるリスクを下げ、安全上の懸念を低減させることができる。
【0164】
本実施例では、絶縁本体63は、本体部2221の少なくとも一部を電極アセンブリ10から隔離することができ、絶縁突起64は、折曲部223の少なくとも一部を電極アセンブリ10から隔離することができ、このように、電池セル7が振動する時に、本実施例は、電極アセンブリ10が本体部2221に接触するリスク及び電極アセンブリ10が折曲部223に接触するリスクを低減させることによって、安全性能を向上させることができる。本実施例は、第二の凹部65を設置することによって折曲部223を回避して、折曲部223と第二の絶縁部品60との干渉を回避する。
【0165】
いくつかの実施例では、絶縁突起64は、電極アセンブリ10に面する方向に沿って折曲部223の第二の端部223bよりもはみ出しており、第二の端部223bは、筒体21に接続するために用いられる。
【0166】
第一の方向Xに、絶縁突起の外面642は、第二の端部223bよりも電極アセンブリ10に近い。
【0167】
本実施例は、絶縁突起の外面642を折曲部223の内面から隔離し、絶縁突起64と折曲部223の干渉を回避することができる。絶縁突起64の、絶縁本体63から突出するサイズは、折曲部223の影響を受けず、このように絶縁突起64の隔離効果を改善することができる。
【0168】
いくつかの実施例では、絶縁突起の内面641と絶縁本体の内面631は、面一となっている。
【0169】
いくつかの実施例では、絶縁本体の内面631には、電極アセンブリ10から離反する方向に沿って凹む第三の凹部66が形成されており、電極端子30の少なくとも一部は、第三の凹部66に収容される。
【0170】
本実施例は、第三の凹部66を設置することによって、第二の絶縁部品60と電極端子30が占有する空間を小さくして、電池セル7のエネルギー密度を向上させることができる。
【0171】
いくつかの実施例では、絶縁本体63の厚さは、本体部2221の厚さよりも大きい。
【0172】
本体部2221と第一の接続部品81を溶接する時、熱は、絶縁本体63上に伝わる。本実施例は、絶縁本体63の厚さを本体部2221の厚さよりも大きくすることで、伝熱の経路を延長し、熱の他の部品への影響を軽減する。本実施例の絶縁本体63は、比較的大きい厚さを有し、このように、絶縁本体63の、第一の溶接領域W11に近い部分が焼損しても、絶縁効果を確保することができる。
【0173】
図10は、図6に示す電池の丸枠Cにおける拡大概略図であり、図11は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの電極端子の構造概略図である。
【0174】
図10図11に示すように、電極端子30は、端子本体31を含み、端子本体31は、柱状部311と、第一のリミット部312と、第二のリミット部313とを含み、柱状部311の少なくとも一部は、電極引き出し穴221内に位置し、第一のリミット部312と第二のリミット部313は、いずれも柱状部311の外側壁に接続され、且つ柱状部311の外側壁から突出しており、第一のリミット部312と第二のリミット部313は、それぞれ接続部の第一の方向Xに沿う外側と内側に設けられ、接続部の一部を挟むために用いられる。
【0175】
端子本体31は、対向して設置される内面と外面を有し、端子本体の内面314は、電極アセンブリ10に面する。柱状部311には、第五の凹部311aが設けられ、第五の凹部311aは、端子本体の外面315から、電極アセンブリ10に面する方向に沿って凹む。第五の凹部311aの底部は、アダプタ部311bを形成し、アダプタ部311bは、集電部品50に溶接するために用いられる。
【0176】
電極アセンブリと集電部品50が筒体の開口を介してケース内に取り付けられ、且つ集電部品50がアダプタ部311bに押し付けられた後、外部溶接機器は、アダプタ部311bの、集電部品50から離反する側からアダプタ部311bと集電部品50を溶接することができる。
【0177】
本実施例は、第五の凹部311aを設置することによってアダプタ部311bの厚さを小さくし、このように、アダプタ部311bと集電部品50の溶接に必要な溶接パワーを低下させ、発熱量を減少し、他の部品(例えば第一の絶縁部品と第二の絶縁部品)を焼損するリスクを低減させることができる。
【0178】
いくつかの実施例では、電極端子30は、シール板32をさらに含み、シール板32は、第五の凹部311aの開口を密閉するために用いられる。シール板32は、全体的に第五の凹部311aの外側に位置してもよく、部分的に第五の凹部311a内に収容されてもよく、シール板32が第五の凹部311aの開口を密閉できればよい。シール板32は、外側からアダプタ部311bを保護し、第五の凹部311aに入る外部不純物を減少し、アダプタ部311bが外部不純物によって損傷されるリスクを下げ、電池セル7のシール性能を向上させることができる。
【0179】
いくつかの実施例では、第五の凹部311aは、段差式凹部であり、シール板32の少なくとも一部は、第五の凹部311a内に収容され、第五の凹部311aの段差面によって支持される。
【0180】
いくつかの実施例では、シール板32は、第二の接続部品82に溶接され、第二の溶接部W2を形成するために用いられる。第二の溶接部W2は、シール板32と第二の接続部品82との間の接触抵抗を小さくし、過電流能力を向上させることができる。
【0181】
いくつかの実施例では、シール板32の少なくとも一部は、端子本体の外面315より突出している。
【0182】
第二の接続部品82とシール板32を溶接する必要がある場合、まず第二の接続部品82をシール板32の上表面(即ちシール板32の、アダプタ部311bから離反する外面)に貼り合わせてから、第二の接続部品82とシール板32を溶接する。
【0183】
シール板32の少なくとも一部は、端子本体の外面315よりも突出することによって、端子本体の外面315がシール板32と第二の接続部品82との貼り合わせに干渉することを回避し、第二の接続部品82とシール板32との密着を確保する。
【0184】
図12は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフロー概略図である。
【0185】
図12に示すように、本出願の実施例による電池セルの製造方法は、
S100:ケースと電極端子を提供することであって、ケースは、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、筒体の、蓋体から離反する端には開口があり、電極端子は、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられることと、
S200:極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供することと、
S300:筒体が電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ第二のタブが電極端子に電気的に接続されるように電極アセンブリをケース内に取り付けることと、
S400:カバープレートを提供し、筒体の開口を密閉するようにカバープレートを筒体に接続し、第一のタブがカバープレートと筒体を介して蓋体に電気的に接続されるように第一のタブをカバープレートに電気的に接続することとを含み、
ここで、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、電極端子は、電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、蓋体と電極端子との両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である。
【0186】
説明すべきこととして、上記電池セルの製造方法によって製造された電池セルの関連構造は、上記各実施例による電池セルを参照すればよい。
【0187】
上記の電池セルの製造方法に基づいて電池セルを組み立てる時、必ずしも上記ステップ順に行う必要はなく、つまり、実施例で言及された順序でステップを実行してもよく、実施例で言及された順序と異なる順序でステップを実行してもよく、又は若干のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS100、S200の実行は、前後を問わず、同時に行われてもよい。
【0188】
図13は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造システムの概略ブロック図である。
【0189】
図13に示すように、本出願の実施例の電池セルの製造システム90は、
ケースと電極端子を提供するための第一の提供装置91であって、ケースは、筒体と、筒体に接続される蓋体とを含み、蓋体には、電極引き出し穴が設けられ、筒体の、蓋体から離反する端には開口があり、電極端子は、蓋体に絶縁して設置され、且つ電極引き出し穴に取り付けられる第一の提供装置91と、
極性が逆である第一のタブと第二のタブとを含む電極アセンブリを提供するための第二の提供装置92と、
筒体が電極アセンブリの外周を囲んで設置され、且つ第二のタブが電極端子に電気的に接続されるように電極アセンブリをケース内に取り付けるための第一の組み立て装置93と、
カバープレートを提供し、筒体の開口を密閉するようにカバープレートを筒体に接続し、第一のタブがカバープレートと筒体を介して蓋体に電気的に接続されるように第一のタブをカバープレートに電気的に接続するための第二の組み立て装置94とを含み、
ここで、蓋体の少なくとも一部は、電池の第一の接続部品と第一のタブとを電気的に接続するために用いられ、電極端子は、電池の第二の接続部品と第二のタブとを電気的に接続するために用いられ、蓋体と電極端子との両方のうちの一方は、電池セルの正出力極であり、他方は、電池セルの負出力極である。
【0190】
上記製造システムによって製造された電池セルの関連構造は、上記各実施例による電池セルを参照すればよい。
【0191】
説明すべきこととして、衝突しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられてもよい。
【0192】
最後に説明すべきこととして、以上の実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前記実施例を参照しながら、本出願について詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前記各実施例に記載された技術案を修正し、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して同等の置き換えを行うことができるが、これらの修正又は置き換えは、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱させるものではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】