(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(54)【発明の名称】隔離室システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61G 10/00 20060101AFI20231114BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20231114BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20231114BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20231114BHJP
A61G 10/02 20060101ALI20231114BHJP
A41D 13/12 20060101ALI20231114BHJP
F24F 7/06 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
A61G10/00 C
A61L9/16 F
E04B1/343 W
E04B1/348 V
A61G10/00 K
A61G10/02 M
A41D13/12 118
F24F7/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538876
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 US2021048050
(87)【国際公開番号】W WO2022047226
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523072382
【氏名又は名称】ケアキューブス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス サウル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ピアシー ブレントン
(72)【発明者】
【氏名】パンダ プシャン
(72)【発明者】
【氏名】ラコア ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィス キャリー
(72)【発明者】
【氏名】フォン クレム ハンス
【テーマコード(参考)】
3B211
3L058
4C180
4C341
【Fターム(参考)】
3B211AA02
3B211AA07
3B211AA08
3B211AB06
3B211AB09
3B211AC02
3B211AC03
3L058BF00
3L058BG03
4C180AA07
4C180DD09
4C180HH05
4C180MM08
4C341JJ01
4C341KK05
4C341KL04
4C341KL07
(57)【要約】
第1のチャンバを画定する複数の壁を含み、少なくとも第1のチャンバ内からフィルタを通して空気を引き出す空気ろ過システムを含む隔離室システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離室システムであって、
複数の金属ポールによって画定された折り畳み可能な剛性アーキテクチャと、
前記折り畳み可能な剛性アーキテクチャによって支持され、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定される複数の折り畳み可能な可撓性壁であって、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、端壁、側壁、屋根壁、床壁、ならびに少なくとも第1の内壁及び第2の内壁を含む壁を備えた多面体形状を画定し、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、
2つの側壁、1つの端壁、及び前記第1の内壁によって少なくとも部分的に画定された第1の主チャンバであって、410~370立方フィートの容積を有する前記第1の主チャンバと、
第1の端壁の一部、第1の側壁の一部、前記第1の内壁の第1の部分、及び前記第2の内壁によって少なくとも部分的に画定された第2のチャンバと、
前記第1の端壁の第2の部分、第2の側壁の一部、前記第1の内壁の第2の部分、及び前記第2の内壁によって画定された第3のチャンバと
を画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバを合わせた長さは、前記第1の主チャンバの幅と同じであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成され、
前記第1の内壁は、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
前記第2の内壁は、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、
前記第3のチャンバの壁は、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
前記複数の折り畳み可能な可撓性壁と、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数のインタフェースであって、
頭部分、腕部分を有するガウン本体と、前記ガウン本体の少なくとも前記頭部分に空気を供給することができるチューブを含む換気システムとを含むハグスーツインタフェースと、
複数の前傾グローブパネルインタフェースであって、それぞれ、前記第1の主チャンバ内に延びる第1及び第2のグローブを有するフロントパネルを含み、前記フロントパネルは、ヒンジによって壁に回転可能に結合され、前記ヒンジは、前記フロントパネルを、前記フロントパネルが回転可能に結合された前記壁の方に、及びそこから離れるように回転させることができる、前記複数の前傾グローブパネルインタフェースと、
グローブの対を有する少なくとも1つのグローブパネルインタフェースと
を含む、前記複数のインタフェースと、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数の壁面開口部であって、複数の要素の周囲に各封止部を生成する各別個の壁面開口部ユニットの各別個の貫通スロットを通して前記複数の要素を挿入することによって、前記複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された前記複数の壁面開口部と、
物を前記隔離室システムに導入及び前記隔離室システムから取り除くように構成された、前記隔離室システムの前記壁に配置された複数のエアロックであって、筐体空洞を画定する筐体を含み、前記筐体は、前記隔離室システムの前記外部環境と前記筐体空洞との間に開口部を提供する第1のドアと、前記筐体空洞と前記第1の主チャンバとの間に開口部を提供する第2のドアとを含む、前記複数のエアロックと、
前記隔離室システムの前記第1の主チャンバを画定する壁内に配置されたフィルタを含む空気ろ過システムであって、ダクト内に陰圧を生成するファンであって、少なくとも前記第1の主チャンバ内から、空気を、前記フィルタを通して引き出す前記ファンに延びる前記ダクトをさらに含み、前記第1の主チャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成し、-2.5~-2.7パスカルの陰圧を少なくとも前記第1の主チャンバ内に生成する前記空気ろ過システムと
を含む、前記隔離室システムであって、
前記隔離室システムは、折り畳み可能及び可動で、
折り畳まれた可動構成で標準サイズのドアを通って部屋に運び入れられ、かつ、
前記部屋内で設置サイズに建てられるように構成され、前記建てられた隔離室システムは、前記設置サイズが前記標準サイズのドアを通るには大きすぎるので、前記標準サイズのドアを通って撤去できない、
前記隔離室システム。
【請求項2】
前記第1の主チャンバの一部を画定する壁が、前記第1の主チャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に開口部を提供する第4のドアを含み、前記第4のドアは、腹臥位または背臥位の患者を前記隔離室システムの外部環境から前記第1の主チャンバに押して入れるようなサイズ及び構成にされる、請求項1に記載の隔離室システム。
【請求項3】
第1のチャンバ及び第2のチャンバが、ユーザが前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバ内に歩いて入り、その中に立つためのサイズ及び構成にされ、かつ、
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバが、腹臥位または背臥位の患者を前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバ内に押して入れることができず、その中に収容できないようなサイズ及び構成にされる、
請求項2に記載の隔離室システム。
【請求項4】
前記複数のインタフェースが、モジュール式及び取り外し可能である、請求項1に記載の隔離室システム。
【請求項5】
隔離室システムであって、
折り畳み可能な剛性アーキテクチャと、
前記折り畳み可能な剛性アーキテクチャに支持され、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定された複数の折り畳み可能な可撓性壁であって、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、
第1の主チャンバと、
前記第1の主チャンバとは別個の第2のチャンバと、
前記第1の主チャンバ及び前記第2のチャンバとは別個の第3のチャンバと
を画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成され、
第1の壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、
第3の壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
前記複数の折り畳み可能な可撓性壁と、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数のインタフェースと、
複数の要素が前記隔離室システムの壁を通して延びるのを可能にするように構成された前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数の壁面開口部と、
物を前記隔離室システム内に導入及びそこから取り除くように構成された前記隔離室システムの前記壁に配置された1つまたは複数のエアロックと、
少なくとも前記第1の主チャンバ内からフィルタを通して空気を引き出す空気ろ過システムであって、前記第1の主チャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成する前記空気ろ過システムと
を含む、前記隔離室システム。
【請求項6】
前記複数の折り畳み可能な可撓性壁が、端壁、側壁、屋根壁、床壁、ならびに少なくとも第1の内壁及び前記第1の内壁とは異なる第2の内壁を含む壁を備えた多面体形状を画定する、請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項7】
前記第1の主チャンバが、2つの側壁、1つの端壁、及び第1の内壁によって少なくとも部分的に画定され、
前記第2のチャンバが、第1の端壁の一部、第1の側壁の一部、前記第1の内壁の第1の部分、及び前記第1の内壁とは異なる第2の内壁によって少なくとも部分的に画定され、
前記第3のチャンバが、前記第1の端壁の第2の部分、第2の側壁の一部、前記第1の内壁の第2の部分、及び前記第2の内壁によって画定され、かつ、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバが、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成される、
請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項8】
第1の内壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の内壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、かつ、
前記第3のチャンバの第3の外壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項9】
前記複数のインタフェースが、
頭部分、腕部分を有するガウン本体と、前記ガウン本体の少なくとも前記頭部分に空気を供給することができるチューブを含む換気システムとを含むハグスーツインタフェースと、
少なくとも1つの前傾グローブパネルインタフェースであって、前記第1の主チャンバ内に延びる第1及び第2のグローブを有するフロントパネルを含み、前記フロントパネルは、ヒンジによって壁に回転可能に結合され、前記ヒンジは、前記フロントパネルを、前記フロントパネルが回転可能に結合された前記壁の方に、及びそこから離れるように回転させることができる、前記少なくとも1つの前傾グローブパネルインタフェースと
を含む、請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項10】
前記隔離室システムの前記壁内に配置された前記複数の壁面開口部が、複数の要素の周囲に各封止部を生成する各別個の壁面開口部ユニットの各別個の貫通スロットを通して前記複数の要素を挿入することによって、前記複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された、請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項11】
前記1つまたは複数のエアロックが、筐体空洞を画定する筐体を含み、前記筐体は、前記隔離室システムの前記外部環境と前記筐体空洞との間に開口部を提供する第1のドアと、前記筐体空洞と前記第1の主チャンバとの間に開口部を提供する第2のドアとを含む、請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項12】
前記隔離室システムが、折り畳み可能及び可動で、
折り畳まれた可動構成で標準サイズのドアを通って部屋に運び入れられ、かつ、
前記部屋内で設置サイズに建てられるように構成され、前記建てられた隔離室システムは、前記設置サイズが前記標準サイズのドアを通るには大きすぎるので、前記標準サイズのドアを通して撤去できない、
請求項5に記載の隔離室システム。
【請求項13】
第1のチャンバを画定する複数の壁と、
少なくとも前記第1のチャンバ内からフィルタを通して空気を引き出す空気ろ過システムと
を含む、隔離室システム。
【請求項14】
剛性アーキテクチャをさらに含み、
前記複数の壁が、前記剛性アーキテクチャによって支持された複数の可撓性の壁を含み、かつ、
前記複数の可撓性の壁は、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定される、
請求項13に記載の隔離室システム。
【請求項15】
前記複数の壁が、
前記第1のチャンバとは別個の第2のチャンバと、
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバとは別個の第3のチャンバと
をさらに画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1のチャンバより小さく、前記第1のチャンバの隣に配置される、
請求項13に記載の隔離室システム。
【請求項16】
第1の壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、かつ、
第3の壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
請求項15に記載の隔離室システム。
【請求項17】
前記隔離室システムの前記壁内に配置された1つまたは複数のインタフェースをさらに含む、請求項13に記載の隔離室システム。
【請求項18】
1つまたは複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された、前記隔離室システムの前記壁内に配置された1つまたは複数の壁面開口部をさらに含む、請求項13に記載の隔離室システム。
【請求項19】
物を前記隔離室システム内に導入及びそこから取り除くように構成された前記隔離室システムの前記壁に配置された1つまたは複数のエアロックをさらに含む、請求項13に記載の隔離室システム。
【請求項20】
前記空気ろ過システムが、前記第1のチャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成する、請求項13に記載の隔離室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月28日に出願された米国仮出願第63/071,830号「Negative Pressure Isolation Unit for Rapid Deployment During a Pandemic」(弁護士整理番号0116331-001PR0)の非仮出願であって、その利益を主張する。本出願は、その全体が、あらゆる目的で、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】患者を隔離することができる主チャンバにアクセスを提供するロールアップドアを備えた隔離室システムの実施形態の例示的な斜視図である。
【
図2】第1、第2、及び第3のチャンバを含む隔離室システムの別の実施形態の上面図である。
【
図3】隔離室システムの別の実施形態の切り欠き側面図である
【
図4】隔離室システムのさらなる実施形態の切り欠き側面図である。
【
図5】患者を隔離することができる主チャンバの部分をベッドが画定する隔離室システムの実施形態の端面図である。
【
図6】患者を隔離することができる主チャンバの部分をベッドが画定する隔離室システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図7】ハグスーツインタフェースを含む隔離室システムの実施形態を示す。
【
図8】ハグスーツインタフェースを含む隔離室システムの別の実施形態を示す。
【
図9】隔離室システムのハグスーツインタフェースの外部側面図である。
【
図10】前傾グローブインタフェースの対を使用して隔離患者と接触する2人のユーザと、ハグスーツインタフェースを着た第3のユーザとの例を示す。
【
図11】前傾グローブインタフェースの対のクローズアップであり、前傾グローブインタフェースの一方は主チャンバに延びており、第2の前傾グローブインタフェースは壁の方に格納されている。
【
図12a】前傾インタフェースのフロントパネルを囲むことができる横棒及び上棒を有する剛性アーキテクチャの例を示す。
【
図12b】前傾グローブパネルインタフェースの一部であり得るフロントパネル及びトップパネルを示す。
【
図13】ある実施形態による、グローブパネルインタフェースの例を示す。
【
図14】取り外し可能な壁部分を有する隔離室システムの実施形態を示す。
【
図15a】懸架システムによって地面より上に懸架されたエアロックの例を示す。
【
図15b】ケース内に折り畳み、封入途中のエアロックの例を示す。
【
図15c】ケース内に折り畳まれ、封入された
図15bのエアロックの例を示す。
【
図16】壁内に配置されたフィルタを含むろ過システムであって、ダクトが隔離室システムの壁の開口部から延びている実施形態を示す。
【
図17】壁内に配置されたフィルタを含むろ過システムであって、ダクトが隔離室システムの壁の開口部から延びている別の実施形態を示す。
【
図20】壁面開口部インタフェースの実施形態例を示す。
【
図21a】壁面開口部ユニットの対向するシートによって少なくとも部分的に画定される貫通スロットを露出させるために、はさみを使って先端が取り除かれた壁面開口部ユニットの例を示す。
【
図22a】結合具から結合カバーを取り除いているところを示す。
【
図22b】結合具の対向する面をチューブの対向する側で一緒に結合して、チューブの周囲に封止部を生成しているところを示す。
【
図23】23a、23b、23c及び23dは、隔離室システムの内側から隔離室システムの外側への空気漏れを最小限にするのを助ける屈曲したジョイントを生成することができるダブルラップ面ファスナインタフェースの例を示す。
【
図24】ヘルメットアセンブリ及びフェイスシールドを有するハグスーツインタフェースの頭部分の実施形態例を示す。
【
図25】ヘルメットアセンブリ及びフェイスシールドを有するハグスーツインタフェースの頭部分の別の実施形態例を示す。
【
図26】ハグスーツインタフェースのさらなる実施形態の分解組立図を示す。
【
図27】一実施形態による、ゴミバケツの例を示す。
【
図29a】シンチアセンブリを有するグローブの第1の側を示す。
【
図30a】隔離室システムの一実施形態の第1の斜視図を示す。
【
図31b】
図30a、30b及び31aの隔離室システムの第4の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
図は縮尺通りに描かれていないことと、類似する構造または機能の要素は、一般に、説明目的で全図を通して類似の参照番号によって表されることとに留意されたい。また、図は、好ましい実施形態の説明を容易にすることだけを意図していることにも留意されたい。図は、記載される実施形態のすべての態様を示すものではなく、本開示の範囲を限定するものでもない。
【0004】
バイオセキュアな隔離室は、感染症の患者、または感染症の検査中の人を取り扱っているとき、安全な作業環境を提供することができる重要な設備となり得る。様々な実施形態において、このような隔離室は、相対的に気密に封止された1つまたは複数のチャンバと、1つまたは複数のチャンバの少なくとも1つから空気を抜き出し、空気をろ過して、その空気を隔離室から外部の場所に向けるファンもしくは空気処理システムを含み得る。隔離室で作り出される陰圧によって、危険な可能性のある空気をそのような漏れ口の開口部から押し出す代わりに、漏れ口から室内に、ひいてはろ過システムに空気を引き込むことによって、隔離室システムで小さい漏れ口を可能にすることができる。
【0005】
従来の生物学的封じ込めシステムは、高価であり、設置に時間がかかるので、財源が限られた地域では入手できず、多くの隔離室システムを迅速に配備する必要がある危機発生時に、役に立たない。本開示は、製造コストが低く、安全に運転でき、容易に輸送することができ、かつ、必要な時に迅速に配備できる、一部の実施形態による隔離室システム及び方法の例を提示する。
【0006】
様々な実施形態は、必要になるまで、折り畳み、保管できる薄いポリマーフィルムで構成することができる隔離室システムを含み得る。配備時、様々な例の隔離室システムは、陽圧の膨張式構造などによって支えられる剛性ポールフレームワークアーキテクチャに接続することができる。様々な例は、UV洗浄、化学洗浄、または機械洗浄などの標準的な除染手順の使用を可能にするように設計された薄膜ポリマシートから製造することができる。一部の実施形態は、液滴、体液、浮遊する感染性粒子などの有害な粒子の除去を行うのに十分に適切なろ過システムを通して隔離室システムの内部から空気を引き出す外部ファンアセンブリを含み得る。
【0007】
図1~6を見ると、複数の壁130を支持するアーキテクチャ110を含む隔離室システム100の実施形態が示されており、複数の壁130は、一部の例では、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ビニル、熱可塑性ウレタン(TPU)などの透明または半透明の可撓性ポリマシートを含み得る。壁130は、1つまたは複数のチャンバ150を画定することができ、1つまたは複数のインタフェース170、壁面開口部175、ドア180、エアロック185などの要素を含み得る。1つまたは複数のチャンバ150は、ベッド190、トイレ290などの様々な医療器具、衛生器具、その他の器具を保持するように構成することができる。
【0008】
図1、及び3~6の例に示すように、アーキテクチャ110は、屋根構造を支持する壁最上部の梁112、垂木113、及び棟木114と共に隔離室システム100の隅部を画定する複数の垂直ポールを含み得る複数の剛性ポールを含み得る。アーキテクチャ110は、金属、木材、プラスチックなどの様々な適切な材料で構成することができる。アーキテクチャ110の一部の実施形態は、剛性ポールを含むが、さらなる実施形態は、膨張式構造の使用を含む、様々な他の適切な方法で画定されたアーキテクチャ110を含み得る。膨張式アーキテクチャ110を使用した迅速な配備の例は、救命ゴムボート、または航空機の膨張式スライドに類似していてよく、隔離室システム100が配備される部屋に箱が置かれ、コードを引くと、キャニスタに保管されたガスで隔離室システム100を膨張させる。さらに、アーキテクチャ110の様々な適切な構成は、さらなる実施形態で使用することができ、一部の実施形態では、アーキテクチャ110は、無くてもよい(例えば、隔離室システム100は、自立することができる、または木、建物の構造要素などの外部構造に結び付けられて、それらによって支持されてよい)。
【0009】
図1~6の実施形態例に戻ると、隔離室システム100の壁130は、複数の結合具115の使用を含む様々な適切な方法でアーキテクチャ110に接合され、アーキテクチャ110に支持されてよい、結合具115は、一部の例では、バンジータイ、結束バンド、ロープ、磁石、面ファスナテープ(例えば、Velcro)、接着剤、溶接などを含み得る。様々な実施形態において、隔離室システム100は、端壁132、側壁134、屋根壁136、床壁138、ならびに1つまたは複数の内壁140を含む壁130を備えた多面体形状を有し得る。隔離室システム100の様々な実施形態は、
図1~6の多面体形状を有し得るが、さらなる実施形態は、曲面または円形の壁130を含む任意の適切な形状または構成を含んでよく、よって、本例は、本開示の範囲及び趣旨内にある広範な他の形態の隔離室システム100を制限するものと解釈するべきではない。
【0010】
図2は、隔離室システム100の上面図であり、壁130が、第1のチャンバ150A、第2のチャンバ150B、及び第3のチャンバ150Cを画定し、第1のチャンバ140Aは、端壁132、2つの側壁134の一部、及び第1の内壁140によって少なくとも部分的に画定されている実施形態を示す。第2のチャンバ150Bは、端壁132の一部、側壁134の一部、第1の内壁140の一部、及び第2の内壁140Bによって画定することができる。第3のチャンバ150Cは、端壁132の別の部分、別の側壁134の一部、第1の内壁140の別の部分、及び第2の内壁140Bによって画定することができる。したがって、
図2の例では少なくとも、第2のチャンバ150B及び第3のチャンバ150C(例えば、アンティチャンバ)は、第1のチャンバ150A(例えば、主チャンバ)の隣に配置することができ、第2のチャンバ150Bと第3のチャンバ150Cを合わせた長さは、第1のチャンバ150Aの幅(例えば、端壁132及び第1の内壁140Aの長さ)と同じである。
【0011】
第1のチャンバ150A、第2のチャンバ150B、及び第3のチャンバ150Cは、一定の実施形態で、様々な機能を果たすことができる。例えば、一実施形態では、第1のチャンバ150Aは、患者を(例えば、ベッド190で)外部環境から隔離しておく主隔離チャンバとして機能することができ、第2のチャンバ150B及び第3のチャンバ150Cは、患者を治療、患者を訪問、または他の方法で患者と接触する人が、隔離室システム100に入り、最終的には第1のチャンバ150Aに入るのを可能にする。同様に、第2のチャンバ150B及び第3のチャンバ150Cは、患者を治療、患者を訪問、または他の方法で患者と接触する人が、第1のチャンバ150Aを出る、最終的には、隔離室システム100を出るのを可能にすることができる。1つの好ましい実施形態では、隔離室システム100は、10’x10’x7’の寸法を有し得る。さらなる実施形態は、9’~11’x9’~11’x8’~9’の範囲の寸法を有し得る。一部の実施形態は、約12’x7’x9’であってよく、一部の実施形態は、約5’x5’x8’であってよい。
【0012】
例えば、隔離室システム100に入るために、医師は、第3のチャンバ150Cの壁130の(例えば、端壁132と側壁134の)ドア180を開け、第3のチャンバ150Cに入り、第3のチャンバ150Cへのドア180を閉めることができる。医師は次に、第2のチャンバ150Bの壁130の(例えば、第2の内壁140Bの)ドア180を開けて第2のチャンバ150Bに入り、第2のチャンバ150Bへのドア180を閉めることができる。医師は次に、第1のチャンバ150Aの壁130の(例えば、第1の内壁140Aの)ドア180を開けて第1のチャンバ150Aに入り、第1のチャンバ150Aへのドア180を閉めることができる。
【0013】
一部の実施形態では、医師は、個人用防護具(PPE)を着用して隔離室システム100に入ることができ、一部の実施形態では、医師は、PPE無しで第3のチャンバ150Cに入り、PPE無しで第2のチャンバ150Bに入り、第2のチャンバ150BでPPEを着用して、PPEを着用した状態で第1のチャンバ150Aに入ることができる、そのようにして、医師は、隔離患者に関連するウイルス、細菌、または有毒物質にさらされずに、第1のチャンバ150Aに隔離された患者と安全に接触することができる。
【0014】
さらに、第1のチャンバ150Aの隔離患者を訪問した後、ユーザが隔離室システム100を出る時の伝染を含めて、このようなウイルス、細菌、または有毒物質が、隔離室システム100内にとどまり、隔離室システム100を出るのを防止することが望ましい。例えば、一部の実施形態では、PPEを装着した医師は、第1のチャンバ150Aの隔離患者と接触することができ、そこを出るために、医師は、第1のチャンバ150Aの壁130の(例えば、第1の内壁140Aの)ドア180を開け、第2のチャンバ150Bに入り、第1のチャンバ150Aへのドア180を閉めることができる。
【0015】
第2のチャンバ150Bで、医師は、PPEを脱いでよく、第2のチャンバに(例えば、使用済みPPE容器に)PPEを置いていくことができる。一部の実施形態では、第2のチャンバ150BでPPEを脱ぐことは、消毒液または洗浄液(例えば、漂白溶液)をPPEに塗布することを含み得る。一部の実施形態では、医師は、(例えば、第2のチャンバ130の壁130に配置された)アームインタフェースを含み得る1つまたは複数のインタフェース170を介して隔離室システム100の外側のユーザによってPPEの着用を援助してもらうことができる、インタフェースについては、本明細書でより詳細に説明する。同様に、ユーザは、このような1つまたは複数のインタフェース170を介して第2のチャンバ150BでのPPEの着用を援助してもらうことができる。
【0016】
使用済みPPEを脱いだ後、医師は次に、第2のチャンバ150Bの壁130の(例えば、第2の内壁140Bの)ドア180を開けて第3のチャンバ150Cに入り、第2のチャンバ150Bへのドア180を閉めることができる。様々な実施形態において、医師は次に、第3のチャンバ150C(例えば、側壁132または端壁134の)ドアを開くことによって、第3のチャンバ150Cを出て、隔離室システム100を出ることができる。
【0017】
患者は、様々な適切な方法で、隔離のために隔離室システム100に入れることができる。例えば、一部の実施形態では、隔離すべき患者は、本明細書で説明したように、第3のチャンバ150C及び第2のチャンバ150Bを通って隔離室システム100の第1のチャンバ150Aに入ることができる。一部の実施形態では、隔離すべき患者は、本明細書で説明したように、第3のチャンバ150C及び第2のチャンバ150Bを通って第1のチャンバ150Aに入ることができる。しかしながら、一部の実施形態では、隔離すべき患者は、端壁132及び/または側壁134のドア180を含み得る第1のチャンバ150Aのドア180(例えば、
図1を参照)を通って直接、第1のチャンバ150Aに入ることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の壁130は、隔離室システム100から取り外し可能であってよく、これによって、隔離すべき患者が第1のチャンバ150Aに入ることを可能にすることができ、次に、1つまたは複数の壁130は、内部に患者を隔離した状態で交換することができる。例えば、
図14は、隔離室システム100に結合されて、第1のチャンバ150A内に隔離すべき患者を密閉することができる壁挿入部1450を有する隔離室システム100の例を示す。
【0018】
隔離室システム100内での患者の隔離を維持し、患者に関連するウイルス、細菌、または有毒物質が隔離室システム100から逃げるのを防ぐために、第1のチャンバ150A(例えば、ドア180、壁挿入部1450など)への直接アクセスは、隔離すべき患者が隔離室システム100に入るために開けられ、隔離患者が、伝染性が無くなる、他の治療場所などに移動されるなどに基づいて隔離室システム100から退去するまで、再び開けられないようにすることが望ましい。言い換えると、安全な外部環境を維持するために、医師、看護師などが隔離室システム100に出入りするために、または、患者が第1のチャンバ150A内での隔離から一時的に出るなどのために、第1のチャンバ150Aへの直接アクセスを提供するドア180または壁挿入部1450は開けないことが望ましい。
【0019】
様々な実施形態において、第1のチャンバ150Aへの直接アクセスを提供するドア180または壁挿入部1450は、歩行不能な患者を移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などで部屋に入れることができるサイズにすることが望ましい。例えば、このようなアクセスのための戸口は、移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などを押して第1のチャンバ150Aに入るのに(例えば、腹臥位または背臥位の成人患者を第1のチャンバ150A内に押して入れることができるように)十分に大きい構成及びサイズにすることができる。例えば、このようなアクセスのための戸口の底部壁138近くの下の部分は、移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などの車輪を妨害しないように、縁、壁部分などを失くすことができる。
【0020】
さらに、様々な実施形態において、他のドア180(または、アクセスのための戸口)及び/またはチャンバ150は、移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などを使用した進入または退出に対応していないサイズ及び/または構成にすることができる。例えば、
図2の例を参照すると、一部の実施形態では、第2のチャンバ150B及び第3のチャンバ150Cは、患者を載せた移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子と補助者などを収容するには小さすぎる場合がある。同様に、様々な実施形態において、第2のチャンバ150B及び/または第3のチャンバ150Cへのドア180は、患者を載せた移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子と補助者などを収容するには小さすぎる、及び/またはそのように構成されていない場合がある。例えば、このようなドア180は、歩いてドアを通る人には十分に広いが、移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などが通るほど広くはない。同様に、このようなドア180の下の部分では、底部壁138は、移動式ベッド、車輪付き担架、車椅子などの車輪を妨害し得るが、歩行するユーザは容易に乗り越えられる縁、壁部分などを有し得る。
【0021】
一部の例は、ベッド190を隔離室システム100内に運び入れ、そこに設置することを可能にし得るが、一部の実施形態では、隔離室システム100は、隔離室システム100と一体化した、または隔離室システム100の構造である、または隔離室システム100の一部であるベッド部分を画定することができる(例えば、第1のチャンバ150Aの一部を画定する。このような実施形態の例を
図5及び6に示す)。
【0022】
ドア180は、様々な適切な方法で構成することができる。例えば、
図1及び3~6の実施形態では、様々なドア180は、壁130の一部にC字形の封止部材182によって画定することができ、封止部材182を開くことによって、ドア180を開くことができ、封止部材180を閉じることによって、ドア180を閉じることができる。封止部材180は、ジッパ、面ファスナテープ、磁石、接着剤などを含む様々な適切な要素を含み得る。様々な実施形態において、このようなドア封止部材180は、気密封止部材、実質的に気密な封止部材、または、最小限の開口部を通って空気が隔離室システム100内に入るのみで、隔離室システム100に加えられた陰圧を維持することができるように最小限の開口部を備える封止部材を提供することができる。
【0023】
空気ろ過システム195を含めることができ、空気ろ過システム195は、外科手術室及び分娩室の15回の1時間当たり換気回数(ACH)CDCガイドラインを満たすまたは超えることができる。一部の例は、0.3ミクロンHEPA排気フィルタと1つまたは複数のMERV吸気フィルタ310とを含むことができ、これらは、一部の実施形態では、1つまたは複数の壁130に直接、溶接することができる。一部の実施形態では、-2.5~-2.7パスカル、-2.2~-3.0パスカル、-2.2、-2.5、-2.7、-3.0、-3.5、-4.0パスカル以下などの陰圧を隔離室システム100内に(または、少なくとも主チャンバ150A内等の隔離室システム100の一部に)生成することができる。
【0024】
本明細書で説明したように、実施形態は、隔離室システム100の外部のユーザが隔離室システム100内のユーザ及び/または隔離患者(または、一部の例では逆)と接触する、及び/または、1つのチャンバ150内のユーザが他の別個のチャンバ150内のユーザ及び/または隔離患者と相互作用することを可能にする様々なタイプのインタフェース170を含み得る。インタフェース170の例は、前傾グローブパネルインタフェース170A、グローブパネルインタフェース170B、及びハグスーツインタフェース170Cを含み得る。
【0025】
例えば、
図1~4は、2つの前傾グローブパネルインタフェース170Aを有する実施形態の例を示し、第1の前傾グローブパネルインタフェース170Aは側壁134に配置されて、隔離室システム100の外側から第1のチャンバ150A内に延び、第2の前傾グローブパネルインタフェース170Aは、第1の内壁140Aに配置され、第3のチャンバ150Cから第1のチャンバ150A内に延びている。1つまたは複数の前傾グローブパネルインタフェース170Aを含む追加の実施形態が
図9~11に示されている。
【0026】
図11を参照すると、前傾グローブパネルインタフェース170Aの一部の実施形態は、フロントパネル1112、対向する側壁1114の対、及びトップパネル1116を有する前傾の本体1110を含んでよく、グローブパネルインタフェース1120はフロントパネル1112内に配置されている。グローブパネルインタフェース1120は、インタフェースフレーム1123によって囲まれてよく、グローブの対1125がグローブパネル1128から延びている。フロントパネル1112は、ヒンジ1118によって壁130に回転可能に結合することができ、ヒンジ1118によって、前傾グローブパネルインタフェース170Aが配置された壁130の方に、及びそこから離れる方にフロントパネル1112を回転させることができる。例えば、
図11は、フロントパネル1112が壁120から離れる方に回転され、第1のチャンバ150A内に延びている第1の前傾グローブパネルインタフェース170A1と、フロントパネル1112が壁120の方に回転している第2の前傾グローブパネルインタフェース170A2とを示す。
【0027】
前傾グローブパネルインタフェース170Aのこのような実施形態は、ユーザ(例えば、医師、看護師など)が、前傾グローブパネルインタフェース170Aを第1のチャンバ150A内に延ばすことによって、隔離室システム100に隔離された患者の方に前傾することができ、これは、ユーザの隔離患者を見る及び隔離患者と相互作用する能力を向上させることができて、望ましい。さらに、前傾グローブパネルインタフェース170Aを壁の方に回収できることは、前傾グローブパネルインタフェース170Aを使用していないときに、第1のチャンバ150A内の隔離患者のための空間を最大化するために望ましい。
【0028】
前傾グローブパネルインタフェース170Aは、様々な部分が可撓性または剛性であり、様々な適切な形状及びサイズを有するように、様々な適切な方法で構成することができる。例えば、
図12aは、剛性または可撓性のフロントパネル1112を、延ばしたり回収したりするための支持を提供できるフロントパネル1112を囲むことができる横棒1210及び上棒1220を有する剛性アーキテクチャ1200の例を示す。
図12bは、インタフェースフレーム1123及びフラットパネル1228を備えた前傾グローブパネルインタフェース170Aの一部であり得るフロントパネル1112及びトップパネル1116を示す。
【0029】
様々な実施形態において、インタフェース170またはその一部は、モジュール式であってよい。例えば、
図11~13を参照すると、一部の実施形態では、前傾グローブパネルインタフェース170Aのインタフェースフレーム1123は、グローブパネルインタフェース1120、別のタイプのインタフェース170、フラットパネル1220などを保持するようにモジュール構成することができる。このようなモジュールの実施形態は、所望の機能、利用可能なモジュールなどに基づいて、隔離室システム100の態様をユーザが構成するのを可能にするので望ましい。例えば、インタフェース170が所与の位置で望ましくない場合、フラットパネル1220などは、所与のインタフェースフレーム1123に結合することができる、または様々な適切なインタフェース170は、所望のように、インタフェースフレーム1123に結合することができる。
【0030】
インタフェースフレーム1123は、前傾グローブパネルインタフェース170A等のインタフェース170でモジュール構成要素を可能にすることができる、またはインタフェース170自体のモジュール方式を可能にすることができる。例えば、一部の実施形態では、グローブパネルインタフェース170Bは、隔離室システム100(例えば、
図1~4及び11)の壁130の様々な位置でインタフェースフレーム1123にモジュール式に結合することができる。例えば、一部の実施形態では、グローブパネルインタフェース170Bは、スタンドアロンインタフェース170としてモジュール構成することができる、または前傾グローブパネルインタフェース170A等のインタフェース170の一部としてモジュール構成することができる。
図13の例を参照すると、図示のグローブパネルインタフェース1120は、スタンドアロンインタフェース170としてモジュール構成することができる、または前傾グローブパネルインタフェース170A等のインタフェース170の一部としてモジュール構成することができる。
【0031】
インタフェースフレーム1123は、磁気ストリップ、面ファスナテープ、非永久接着剤の使用を含む様々な適切な方法で、他の要素とモジュール式に結合するように構成することができる。例えば、
図23a、23b、23c及び23dは、隔離室システム100の内側から隔離室システム100の外側への空気漏れを最小限にするのを助ける屈曲したジョイントを生成することができるダブルラップ面ファスナインタフェースの例を示す。具体的には、対になったウィング2324に配置されたループテープ2322のストリップの対を有するインタフェース170の一部が示されており、これらのストリップは、壁130の対向する面に配置されたフックテープ2340の各ストリップの対と結合するように構成することができる。
図23a、23b、23c及び23dの具体的な例は、制限と解釈するべきではなく、壁130上に存在するウィング2324、または、この具体例と比較して対向する要素上にある面ファスナテープ2322、2340の部分など、このような要素の様々な代替構成は、本開示の範囲及び趣旨内にある。また、このような結合の例は、インタフェースフレーム1123、ハグスーツインタフェースフレーム950、壁面開口部フレーム2070、エアロックフレーム1570などの矩形のフレームに適用することができるのは明らかである。
【0032】
一部の実施形態では、インタフェースフレーム1123は、溶接、永久接着剤などを使用して永久的な結合を提供することができる。このような結合は、本明細書で説明する適切な封止を提供することができる。同様に、隔離室システム100の一部の例は、インタフェース170などのモジュール要素を有し得るが、さらなる実施形態では、このような要素は、モジュール方式ではなく、壁130の一体部分であってよい。
【0033】
さらに、対になったグローブ1125を有するグローブパネルインタフェース170Bの例は、本開示の範囲及び趣旨内の、インタフェースの広範な代替構成への制限と解釈するべきではない。例えば、一部の実施形態は、1つのグローブ1125または任意の適切な複数のグローブ1125を有するインタフェース170を含み得る。さらに、別の実施形態は、対になったグローブ1125と細長いインタフェースユニット(例えば、グローブ1125と類似しているが、円筒状など、指が無い)とを有するインタフェースを含むことができ、これは、一部の例で使用され、医療機器などをその中を通して挿入して、隔離患者と接触し、対になったグローブ1125によって医療機器を操作することができる。したがって、このような細長いインタフェースユニットの材料は、医療機器(例えば、聴診器、体温計など)が材料(例えば、TPU、PVC、ブチル、ニトリル、ラテックスなど)を通して動作できるように構成することができる。様々な実施形態において、グローブ1125は、滅菌した手術用グローブと重ね合わせることができる、及び/またはグローブのサブ構成要素1125を必要に応じて交換することができる。
【0034】
グローブ1125の一部の実施形態は、大きい手または小さい手のユーザがグローブ1125を使用できるようにするシンチアセンブリ2900を含み得る。例えば、
図29a及び29bに示すように、シンチアセンブリ2900は、複数のリテーナ2920(例えば、防水パッチ)によって保持されたコード2910(例えば、ショックコード)を含み得る。コードロック2930は、コード2910をユーザの手首の周りから肘の方まで締めて、グローブ1125を小さい手または腕のユーザに適合させるように構成することができる。
【0035】
一部の実施形態では、隔離室システム100は、
図3、7~10、24~26、30a及び31aに示すように、ハグスーツインタフェース170Cを含み得る。例えば、
図7~9を参照すると、ハグスーツインタフェース170Cは、頭部分720、腕部分730を含むガウン本体710と、ガウン本体710の頭部分720または他の部分に空気を供給及び/またはそこから空気を取り除くことができるチューブを含む換気システム740とを含み得る。ガウン本体710は、
図9に示ハグスーツインタフェースフレーム950を介して(例えば、本明細書で説明するように一体的または取り外し可能に)隔離室システム100の壁130(例えば、側壁134)に結合することができる。ハグスーツインタフェース170Cは、ユーザ701がハグスーツインタフェース170Cに入り、ユーザ701は隔離室システム100の外部にいて、隔離患者702に関連するウイルス、細菌、または有毒物質から安全に隔てられた状態で、隔離室システム100内に隔離された患者702と接触するように構成することができる。しかしながら、ハグスーツインタフェース170Cは、様々な実施形態において、ユーザ701がハグスーツインタフェース170Cを使用して隔離患者702と直接接触する(例えば、抱きかかえる、身体検査、治療など)のを可能にすることができ、これは、医師、看護師、友人、及び家族が隔離患者702とより直接、安全に接触するという点で望ましく、患者702の福利を向上させることができ、ケアの質及びオプションなどを増やすことができる。
【0036】
ハグスーツインタフェース170Cは、様々な適切な方法で構成することができる。例えば、
図7~9は、頭部分720が円筒形部材である実施形態を示し、
図24は、ヘルメットアセンブリ2450及び剛性フェイスシールド2460を有する実施形態を示し、
図25は、ヘッドバンドアセンブリ2550及び剛性フェイスシールド2560を有する実施形態を示す。具体的には、
図24は、ガウン本体710から延びる頭部分720を備えたガウン本体710を有するハグスーツ170Cの例を示し、頭部分720には、頭部分720の一部を画定する剛性フェイスシールド2460に結合されるヘルメットアセンブリ2450が配置されている。換気システム740のチューブは、ヘルメットアセンブリ2450の頂部を超えてユーザ701の後部に延びるように構成することができ、換気システム740は、頭部分720を換気するように構成される。一部の例は、きれいで新鮮な空気をユーザ701に提供する動力付き空気浄化システム(PAPR)を含み得る。
図25は、ガウン本体710から延びる頭部分720を備えたガウン本体710を有するハグスーツ170Cの例を示し、頭部分720には、頭部分720の一部を画定する剛性フェイスシールド2560に結合されるヘルメットアセンブリ2550が配置されている。このような実施形態は、構造及び装着性を頭部分720に提供し、換気システム740、ライト、カメラ、センサ、器具などの要素を保持するアーキテクチャを提供するので望ましい。
図26は、ガウン本体710を構成し得る部分712、714、716を示すハグスーツ170Cの別の実施形態例である。具体的には、第1の部分712及び第2の部分714は、ベース部分と共に、隔離室システム100の1つまたは複数の空洞150内を延びるように構成することができる。
【0037】
様々な実施形態は、IVライン、換気チューブ、モニタライン、酸素ライン、カテーテルライン、通信ライン、電力ラインなどの様々な要素が隔離室システム100の壁130を通って延びるのを可能にするように構成された1つまたは複数の壁面開口部175を含み得る。例えば、
図1、3、4、11、及び17は、隔離室システム100の側壁134に配置されている1つまたは複数の壁面開口部175の例を示し、
図20は、壁面開口部175の一実施形態の構成を示し、
図21a、21b、22a、及び22bは、壁面開口部ユニット2050の一実施形態を示す。さらなる実施形態は、様々な適切な位置に、様々な適切な向きで、様々な適切な構成の1つまたは複数の壁面開口部175を含んでよく、したがって、壁面開口部175の本例は制限と解釈するべきではない。
【0038】
図20を参照すると、壁面開口部ユニット2050の線形アレイを有する壁面開口部175の例が示されている。具体的には、1つの第1の壁面開口部ユニット2050Aと6つの第2の壁面開口部ユニット2050Bとを有する壁面開口部175が示されている。様々な実施形態において、壁面開口部175は、壁面開口部フレーム2070によって隔離室システム100の壁130に結合することができ、壁面開口部ユニット2050のアレイが、隔離室システム100の外側の壁130から延び、ユーザ(例えば、医師、看護師など)が壁面開口部ユニット2050を操作し、壁面開口部175に要素を挿入及び/または壁面開口部175から要素を取り除くのを可能にし得る。これについては、本明細書でより詳細に説明する。一部の例では、壁面開口部175は、壁130に一体的に結合することができる、または壁面開口部フレーム2070を使用したモジュール式であってよく、一部の実施形態では、異なる壁面開口部175を、壁面開口部フレーム2070を使用して壁130に、フラットパネルを、壁面開口部フレーム2070を使用して壁130に結合可能にできるなどである。
【0039】
図21a、21b、22a、及び22bを参照すると、貫通スロット2126を画定する壁面開口部シート2121、結合具カバー2122、及び結合具2124を含む壁面開口部ユニット2050Cの別の実施形態が示されており、この例では、チューブ2128が壁面開口部ユニット2050を通して挿入され、隔離室システム100の壁130の外側と内側の間に延びるのを可能にする。
【0040】
図21aの例に示すように、一部の実施形態では、壁面開口部ユニット2050は、(例えば、溶接などによって)最初に封止することができ、壁面開口部ユニット2050の先端2130を(例えば、はさみ2132によって)取り除いて、壁面開口部ユニット2050の対向するシート2121によって少なくとも部分的に画定された貫通スロット2126を露出させることができる。
図21bに示すように、チューブ2128(例えば、換気チューブ)は、(例えば、隔離室システム100の外側からチャンバ150の1つの中に)貫通スロット2126を通して挿入することができる。
【0041】
隔離室システム100の外側と内側が隔てられたままになるようにチューブ2128の周囲に封止部を生成するために、
図22aに示す結合具2124から結合具カバーを取り外すことができ、これによって、結合具2124の対向する面がチューブ2128の対向する面上で一緒に結合されて、
図22bに示すようにチューブ2128の周囲に封止部を生成することができる。隔離室システム100内の陰圧に基づいて、いかなるギャップも隔離室システム100から空気を逃がすことのないように、このような封止部は、完全、または実質的に完全にすることができる。一部の実施形態では、結合具2124は、接着材料を含み得る。
【0042】
壁面開口部ユニット2050は、様々な適切な方法で構成することができるので、
図21a、21b、22a、及び22bの例は、制限と解釈するべきではない。例えば、さらなる実施形態は、面ファスナテープ、磁気ストリップ、結束バンド、ホースクランプなどの様々な適切な結合具を含み得る。さらに、壁面開口部ユニット2050の一部の実施形態は、封止された先端2130を含まない場合がある、または貫通スロット2126を露出させるために切断する必要のない再封止可能な先端を含み得る。同様に、壁面開口部175は、1つまたは複数の壁面開口部ユニット2050を任意の適切な数、有してよく、複数の壁面開口部ユニット2050は一部の実施形態では同じまたは異なっている。例えば、
図20は、第2の壁面開口部ユニット2050Bより大きなスロット2126を備えて構成された第1の壁面開口部ユニット2050Aを示し、これは、より大きいサイズの要素(例えば、換気チューブ)を第1の壁面開口部ユニット2050Aを通って隔離室システム100内に導入するのを可能にするために望ましく、より小さいサイズの要素(例えば、IVチューブ)は、第2の壁面開口部ユニット2050Bを通って隔離室システム100に導入することができる。
【0043】
様々な実施形態は、物を隔離室システム100に導入及び/またはそこから取り除くように構成された1つまたは複数のエアロック185を含み得る。例えば、
図1~4、15、31、及び32は、隔離室システム100の外側及び内側を通ってエアロックの空洞155にそれぞれアクセスを提供する対になったドア180を備えた、エアロックの空洞155を画定する筐体187を含む1つまたは複数のエアロック185を有する隔離室システム100の様々な例を示す。
【0044】
一部の例では、エアロックは、内側に、外側に、及び/または内側と外側の両方に延びていてよい。例えば、
図2は、外側に延びる第1のエアロック185A及び第2のエアロック185Bと内側に延びる第3のエアロック185Cとを有する実施形態を示す。より具体的には、外側に延びるエアロック185A、185Bの筐体187は、隔離室システム100の外側に配置され、一方のドア180は筐体187の外側部分にあり、他のドア180は第1のチャンバ150Aから各空洞155A、155Bに開く壁130にある。対照的に、内側に延びるエアロック185の筐体187は、隔離室システム100の第1のチャンバ150Aの内側に配置され、一方のドア180は筐体187の内側部分にあり、他方のドア180は空洞155A、155Bから隔離室システム100の外側に開く壁130にある。
【0045】
エアロック185は、隔離室システム100の(例えば、第1のチャンバ150A、第2のチャンバ150B、第3のチャンバ150Cなどに開く)様々な適切な位置に様々な目的のために配置することができる。例えば、
図2の例を参照すると、第1のエアロック185は、トイレ290の近くに配置することができ、隔離室システム100から糞尿を除去するために使用することができる。例えば、隔離患者が生成する糞尿は、第1のチャンバ150A内のゴミバケツ2700(
図27参照)に収容することができる。毎日、使用済みゴミバケツ2700は、第1のチャンバ150Aから循環させることができるが、除染、除去、及び洗浄される前に検疫期間の間(例えば、24時間)、第1のエアロック185A内にとどめることができる。使用済みの汚染されたゴミバケツ2700が検疫と除去のために第1のエアロック185Aに入れられる前に、新しいゴミバケツ2700を第1のエアロック185Aを介して第1のチャンバ150A内に循環させることができる。
【0046】
一部の実施形態では、1つまたは複数のエアロック185は、このような1つまたは複数のエアロック185に挿入またはそこから除去されるものが地面によって支持され得るように、隔離室システム100が置かれた地面に近い隔離室システム100の壁130に配置することができる。しかしながら、一部の実施形態では、1つまたは複数のエアロック185は、隔離室システム100が置かれた地面より上に懸架されて、隔離室システム100の壁130に配置することができる。様々な例では、このような懸架されたエアロック185は、1つまたは複数の脚、サスペンダなどの要素による支持が必要な場合がある。
【0047】
例えば、
図15aは、サスペンダシステム1550によって地面より上に懸架されたエアロックの例を示す。様々な実施形態では、土台、上部部分などのエアロック185の筐体187のある部分は剛性であってよく、これは、地面より上への懸架をさらに提供することができる。さらに、一部の実施形態では、エアロック185は、折り畳み可能であってよい。例えば、
図15b及び15cは、ケース1560内に折り畳み、封入することができるエアロック185の例を示す。これは、隔離室システム100の輸送中に保管するため、また、使用されていない時にエアロック185を保管するためなどに望ましい。さらに、様々な実施形態において、エアロック185は、エアロックフレーム1570を使用して、本明細書で説明するようにモジュール式であってよく、これによって、異なるエアロックを隔離室システム100と結合可能にすることができる、または、フラットパネルをエアロック185の代わりに結合可能にすることができる。また、エアロック185は、任意の適切なサイズまたは形状を有してよく、本明細書の例は、本開示の範囲及び趣旨内にある広範な形状のエアロックへの制限と解釈するべきではない。
【0048】
様々な実施形態において、隔離室システム100は、空気ろ過システム195を含み得る。例えば、
図1~4、16、17、30a、30b、31a、及び31bは、空気ろ過システム195を有する例を示し、
図16及び17は、フィルタ1610が壁130内に配置され、ダクト1620が壁130の開口部1615から延びている実施形態を示す。ダクト1620は、ダクト1620に陰圧を生成できるファン1630に延びてよく、ファン1630は、隔離室システム100内からフィルタ1610を通して空気を引き出すことができ、フィルタは、ダクト1620に引き込まれ、ファン1630によって噴出される空気が隔離室システム100内の隔離患者に関連し得るウイルス、細菌、及び/または有毒物質を含まないように、空気を浄化、消毒、または殺菌することができる。
【0049】
様々な例において、隔離室システム100の使用中及び使用後に、エアダクト1620を取り除くときにウイルス、細菌、及び/または有毒物質が吐き出されないように、このような構成が望ましい。一実施形態において、このようなろ過システム195は、沈降フィルタを含み得る。このようなフィルタ1610は、一部の例では、空気が隔離室システム100の外に移動する前に、空気からの微粒子を沈降させることができるチャンバのネットワークを作成するために結合された2つの薄膜を含み得る。
【0050】
別の実施形態では、ろ過システム195は、壁130に結合させることができる剛性または半剛性のハウジングに埋め込まれた高効率の微粒子エア(HEPA)フィルタを含み得る。このようなHEPAフィルタは、MERV1-4:3.0~10.0ミクロン20%未満;MERV6:3.0~10.0ミクロン、<49.9%;MERV8:3.0~10.0ミクロン<84.9%;MERV10:1.0~3.0ミクロン50%~64.9%、3.0~10.0ミクロン85%以上;MERV12:1.0~3.0ミクロン80%~89.9%、3.0~10.0ミクロン90%以上;MERV14:0.3~1.0ミクロン75%~84%、1.0~3.0ミクロン90%以上;MERV16:0.3~1.0ミクロン75%以上など、平均粒径効率の様々な適切なMERVレーティングを有し得る。一部の実施形態は、揮発性麻酔薬の空気のフィルタリング、加熱式抗菌フィルタ(heated anti-viral filters)、重力フィルタ(例えば、
図18の重力フィルタ1810を参照)などを含み得る。様々な実施形態は、アクティブ及び/またはパッシブフィルタリングシステムを含み得る。
【0051】
空気ろ過システム195は、外科手術室及び分娩室の15回の1時間当たり換気回数(ACH)CDCガイドラインを満たすまたは超えるように構成することができる。一部の実施形態は、1時間当たり換気回数5、10、15、20、25、30を満たすまたは超えるように構成することができる(例えば、第1のチャンバ150Aの容積は、一時間あたりこのような回数交換することができる)。一部の実施形態では、第1のチャンバ150Aは、約390立方フィートであってよく、一部の実施形態では、第1のチャンバは、約560立方フィートであってよく、または200立方フィートであってよい。一部の例では、第1のチャンバは、400~380立方フィート、410~370立方フィート、420~360立方フィート、430~350立方フィート、440~340立方フィート、600~520立方フィート、180~220立方フィート、190~201立方フィートなどであってよい。
【0052】
さらに、様々な実施形態は、隔離室システム100内に空気を取り込むのを可能にし得る1つまたは複数の吸気フィルタ310を含み得る。例えば、
図3、4、6、11、19、30a、30b、31a、及び31bは、隔離室システム100の1つまたは複数の屋根壁136に配置された1つまたは複数の吸気フィルタ310を有する実施形態例を示す。さらなる実施形態は、任意の適切な数の吸気フィルタ310を任意の適切な位置(複数可)に含むことができる、または、一部の例では、吸気フィルタ310は無くてもよい。
【0053】
隔離室システム100のさらなる実施形態は、様々な適切な方法で構成することができ、したがって、本明細書で説明する具体的な実施形態は、本開示の範囲及び趣旨内にある広範な追加の構成に対する制限と解釈するべきではない。例えば、一部の実施形態は、約10’x10’x7’であってよく、大抵の1人用病室に適合するように構成することができ、したがって、複数のユニットをより広い空間で組み立てることができるが、さらなる実施形態は、より簡単であっても、より複雑であっても、より大きくても、より小さくてもよい。
【0054】
例えば、別個の第1のチャンバ150A、第2のチャンバ150B、及び第3のチャンバ150Cを有する実施形態もあるが、
図28の例のように、部分的に円筒形の単一のチャンバ150を有し得る実施形態もある。さらなる実施形態では、隔離室システム100は、患者を隔離することができる第3の主チャンバ150に入るための第1及び第2のアンティチャンバ150と、第3の主チャンバ150を出るための第4及び第5のアンティチャンバ150を含み得る。
【0055】
隔離室システム100の一部の実施形態は、小さく、輸送可能であってよく、標準的なドア(例えば6’6”、6’8”、7’0”、または8’0”の高さと、2’0”、2’4”、2’8”、2’10”、3’0”、または3’6”の幅とを有する)を通ることを含めて、ある場所から別の場所に患者を隔離して搬送するように構成することができ、小型の航空機またはヘリコプタでの医療搬送用に構成することができる。これは、折り畳み可能、可動であってよく、病室、または建物内の部屋に運び入れて、建てることができるが、建てられた隔離室システム100は、大きすぎるので標準的なドアを通って撤去できないサイズの一部の実施形態とは対照的であり得る。さらなる例では、建てられた隔離室システム100は、一般的な病室、または建物内の部屋にとっては大きすぎる場合があり、代わりに、屋外環境、スタジアム、倉庫、または他の広い開放的な場所に建てられるように構成することができる。
【0056】
様々な実施形態において、隔離室システム100は保管及び輸送のために小さいサイズ(例えば、2’x2’x4’)に折り畳めることが望ましく、これは、多くの患者を治療のために隔離する必要があり、既存の施設が利用できないまたは十分でないパンデミックまたはその他の出来事の時に、隔離室システム100を配備するために望ましい。
【0057】
また、隔離室システム100の様々な実施形態は、隔離室システム100の全ての側から患者が見えるように、実質的に完全に透明及び/または半透明であってよく、一部の実施形態は、隔離患者を適切に見ることができるように透明または半透明の窓、壁130、インタフェース170などを含み得る。これの一例は、医療専門家が処置中に戦略的に配置する透明な窓部分の使用である。
【0058】
本開示の少なくとも一実施形態は、以下の条項を考慮して記載し得る。
1.隔離室システムであって、
複数の金属ポールによって画定された折り畳み可能な剛性アーキテクチャと、
前記折り畳み可能な剛性アーキテクチャによって支持され、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定される複数の折り畳み可能な可撓性壁であって、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、端壁、側壁、屋根壁、床壁、ならびに少なくとも第1の内壁及び第2の内壁を含む壁を備えた多面体形状を画定し、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、
2つの側壁、1つの端壁、及び前記第1の内壁によって少なくとも部分的に画定された第1の主チャンバであって、410~370立方フィートの容積を有する前記第1の主チャンバと、
第1の端壁の一部、第1の側壁の一部、前記第1の内壁の第1の部分、及び前記第2の内壁によって少なくとも部分的に画定された第2のチャンバと、
前記第1の端壁の第2の部分、第2の側壁の一部、前記第1の内壁の第2の部分、及び前記第2の内壁によって画定された第3のチャンバと
を画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバを合わせた長さは、前記第1の主チャンバの幅と同じであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成され、
前記第1の内壁は、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
前記第2の内壁は、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、
前記第3のチャンバの壁は、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
前記複数の折り畳み可能な可撓性壁と、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数のインタフェースであって、
頭部分、腕部分を有するガウン本体と、前記ガウン本体の少なくとも前記頭部分に空気を供給することができるチューブを含む換気システムとを含むハグスーツインタフェースと、
複数の前傾グローブパネルインタフェースであって、それぞれ、前記第1の主チャンバ内に延びる第1及び第2のグローブを有するフロントパネルを含み、前記フロントパネルは、ヒンジによって壁に回転可能に結合され、前記ヒンジは、前記フロントパネルを、前記フロントパネルが回転可能に結合された前記壁の方に、及びそこから離れるように回転させることができる、前記複数の前傾グローブパネルインタフェースと、
グローブの対を有する少なくとも1つのグローブパネルインタフェースと
を含む、前記複数のインタフェースと、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数の壁面開口部であって、複数の要素の周囲に各封止部を生成する各別個の壁面開口部ユニットの各別個の貫通スロットを通して前記複数の要素を挿入することによって、前記複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された前記複数の壁面開口部と、
物を前記隔離室システムに導入及び前記隔離室システムから取り除くように構成された、前記隔離室システムの前記壁に配置された複数のエアロックであって、筐体空洞を画定する筐体を含み、前記筐体は、前記隔離室システムの前記外部環境と前記筐体空洞との間に開口部を提供する第1のドアと、前記筐体空洞と前記第1の主チャンバとの間に開口部を提供する第2のドアとを含む、前記複数のエアロックと、
前記隔離室システムの前記第1の主チャンバを画定する壁内に配置されたフィルタを含む空気ろ過システムであって、ダクト内に陰圧を生成するファンであって、少なくとも前記第1の主チャンバ内から、空気を、前記フィルタを通して引き出す前記ファンに延びる前記ダクトをさらに含み、前記第1の主チャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成し、-2.5~-2.7パスカルの陰圧を少なくとも前記第1の主チャンバ内に生成する前記空気ろ過システムと
を含む、前記隔離室システムであって、
前記隔離室システムは、折り畳み可能及び可動で、
折り畳まれた可動構成で標準サイズのドアを通って部屋に運び入れられ、かつ、
前記部屋内で設置サイズに建てられるように構成され、前記建てられた隔離室システムは、前記設置サイズは前記標準サイズのドアを通るには大きすぎるので、前記標準サイズのドアを通って撤去できない、
前記隔離室システム。
2.前記第1の主チャンバの一部を画定する壁が、前記第1の主チャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に開口部を提供する第4のドアを含み、前記第4のドアは、腹臥位または背臥位の患者を前記隔離室システムの外部環境から前記第1の主チャンバに押して入れるためのサイズ及び構成にされる、条項1に記載の隔離室システム。
3.第1のチャンバ及び第2のチャンバが、ユーザが前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバ内に歩いて入り、その中に立つためのサイズ及び構成にされ、かつ、
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバが、腹臥位または背臥位の患者を前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバ内に押して入れることができず、その中に収容できないようなサイズ及び構成にされる、
条項2に記載の隔離室システム。
4.前記複数のインタフェースが、モジュール式及び取り外し可能である、条項1~3のいずれかに記載の隔離室システム。
5.隔離室システムであって、
折り畳み可能な剛性アーキテクチャと、
前記折り畳み可能な剛性アーキテクチャに支持され、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定された複数の折り畳み可能な可撓性壁であって、前記複数の折り畳み可能な可撓性壁は、
第1の主チャンバと、
前記第1の主チャンバとは別個の第2のチャンバと、
前記第1の主チャンバ及び前記第2のチャンバとは別個の第3のチャンバとを画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成され、
第1の壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、
第3の壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
前記複数の折り畳み可能な可撓性壁と、
前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数のインタフェースと、
複数の要素が前記隔離室システムの壁を通して延びるのを可能にするように構成された前記隔離室システムの前記壁内に配置された複数の壁面開口部と、
物を前記隔離室システム内に導入及びそこから取り除くように構成された前記隔離室システムの前記壁に配置された1つまたは複数のエアロックと、
少なくとも前記第1の主チャンバ内からフィルタを通して空気を引き出す空気ろ過システムであって、前記第1の主チャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成する前記空気ろ過システムと
を含む、前記隔離室システム。
6.前記複数の折り畳み可能な可撓性壁が、端壁、側壁、屋根壁、床壁、ならびに少なくとも第1の内壁及び前記第1の内壁とは異なる第2の内壁を含む壁を備えた多面体形状を画定する、条項5に記載の隔離室システム。
7.前記第1の主チャンバが、2つの側壁、1つの端壁、及び第1の内壁によって少なくとも部分的に画定され、
前記第2のチャンバが、第1の端壁の一部、第1の側壁の一部、前記第1の内壁の第1の部分、及び前記第1の内壁とは異なる第2の内壁によって少なくとも部分的に画定され、
前記第3のチャンバが、前記第1の端壁の第2の部分、第2の側壁の一部、前記第1の内壁の第2の部分、及び前記第2の内壁によって画定され、かつ、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバが、前記第1の主チャンバより小さく、前記第1の主チャンバの隣に配置されたアンティチャンバであり、前記第1の主チャンバは、隔離患者のベッドを保持するように構成される、
条項5または6に記載の隔離室システム。
8.第1の内壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の内壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、かつ、
前記第3のチャンバの第3の外壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
条項5~7のいずれかに記載の隔離室システム。
9.前記複数のインタフェースが、
頭部分、腕部分を有するガウン本体と、前記ガウン本体の少なくとも前記頭部分に空気を供給することができるチューブを含む換気システムとを含むハグスーツインタフェースと、
少なくとも1つの前傾グローブパネルインタフェースであって、前記第1の主チャンバ内に延びる第1及び第2のグローブを有するフロントパネルを含み、前記フロントパネルは、ヒンジによって壁に回転可能に結合され、前記ヒンジは、前記フロントパネルを、前記フロントパネルが回転可能に結合された前記壁の方に、及びそこから離れるように回転させることができる、前記少なくとも1つの前傾グローブパネルインタフェースと
を含む、条項5~8のいずれかに記載の隔離室システム。
10.前記隔離室システムの前記壁内に配置された前記複数の壁面開口部が、複数の要素の周囲に各封止部を生成する各別個の壁面開口部ユニットの各別個の貫通スロットを通して前記複数の要素を挿入することによって、前記複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された、条項5~9のいずれかに記載の隔離室システム。
11.前記1つまたは複数のエアロックが、筐体空洞を画定する筐体を含み、前記筐体は、前記隔離室システムの前記外部環境と前記筐体空洞との間に開口部を提供する第1のドアと、前記筐体空洞と前記第1の主チャンバとの間に開口部を提供する第2のドアとを含む、条項5~10のいずれかに記載の隔離室システム。
12.前記隔離室システムが、折り畳み可能及び可動で、
折り畳まれた可動構成で標準サイズのドアを通って部屋に運び入れられ、かつ、
前記部屋内で設置サイズに建てられるように構成され、前記建てられた隔離室システムは、前記設置サイズが前記標準サイズのドアを通るには大きすぎるので、前記標準サイズのドアを通して撤去できない、
条項5~11のいずれかに記載の隔離室システム。
13.第1のチャンバを画定する複数の壁と、
少なくとも前記第1のチャンバ内からフィルタを通して空気を引き出す空気ろ過システムと
を含む、隔離室システム。
14.剛性アーキテクチャをさらに含み、
前記複数の壁が、前記剛性アーキテクチャによって支持された複数の可撓性の壁を含み、かつ、
前記複数の可撓性の壁は、透明または半透明の可撓性ポリマシートによって画定される、
条項13に記載の隔離室システム。
15.前記複数の壁が、
前記第1のチャンバとは別個の第2のチャンバと、
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバとは別個の第3のチャンバと
をさらに画定し、
前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバは、前記第1のチャンバより小さく、前記第1のチャンバの隣に配置される、
条項13または14に記載の隔離室システム。
16.第1の壁が、前記第1の主チャンバと前記第2のチャンバとの間に第1のドアを画定し、
第2の壁が、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間に第2のドアを画定し、かつ、
第3の壁が、前記第3のチャンバと前記隔離室システムの外部環境との間に第3のドアを画定する、
条項15に記載の隔離室システム。
17.前記隔離室システムの前記壁内に配置された1つまたは複数のインタフェースをさらに含む、条項13~16のいずれかに記載の隔離室システム。
18.1つまたは複数の要素が前記隔離室システムの壁を通って延びるのを可能にするように構成された、前記隔離室システムの前記壁内に配置された1つまたは複数の壁面開口部をさらに含む、条項13~17のいずれかに記載の隔離室システム。
19.物を前記隔離室システム内に導入及びそこから取り除くように構成された前記隔離室システムの前記壁に配置された1つまたは複数のエアロックをさらに含む、条項13~18のいずれかに記載の隔離室システム。
20.前記空気ろ過システムは、前記第1のチャンバの少なくとも容積の少なくとも15回の1時間当たり換気回数を生成する、条項13~20のいずれかに記載の隔離室システム。
【0059】
記載の実施形態は、様々な修正及び代替形態が可能であり、その具体例は、図面に例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、記載の実施形態は、開示される特定の形態または方法に限定されるべきではなく、逆に、本開示は、全ての修正、均等物、及び代替物を含むことを理解されたい。さらに、所与の実施形態の要素は、その実施形態例のみに適用可能であると解釈するべきではなく、したがって、ある実施形態例の要素は、他の実施形態に適用可能であり得る。さらに、実施形態例に具体的に示された要素は、そのような要素を含む、基本的にそのような要素からなる、またはそのような要素からなる実施形態を含むと解釈するべきであり、または、そのような要素は、さらなる実施形態から明示的に除くことができる。したがって、ある例に存在している要素の記載は、そのような要素が明示的に存在しない一部の実施形態を支持すると解釈すべきである。
【国際調査報告】